本発明は、密閉した輸液回路を持つ静脈留置針に関する。
静脈留置針に関わる医療事故には、抜き去った内筒の針先に誤って触れてしまって自らが感染症に感染してしまうという、医療従事者にとって重大な針刺し事故がある。さらに設置作業工程で漏れ出る血液や体液によって感染する事故もある。
一方、患者が被る事故としては、輸液回路の汚染が原因となって感染する事故がある。
何れの事故も、静脈留置針の設置工程において発生するものであり、静脈留置針の構造に起因する。
針刺し事故は、静脈留置針に特有な設置工程に起因する。静脈留置針は穿刺して内筒を抜き去ると、(1)患者の血液や体液が溢れ出す。医療従事者に感染の危険がある。(2)加えて接続作業では輸液回路が汚染しやすい状態であり、患者が感染する危険がある。この不安定な状態を速やかに安定させる作業が、針を安全な場所に処理する行為よりも、優先されてしまうことにある。
静脈留置針の設置に当たって、医療従事者は高度な技術と細心の注意を傾注しなければならない。したがって、平時はともかく緊急時には、抜き去った内筒の処理はなおさら後回しにされがちであり、抜き取った内筒の針先で傷つく事故も緊急時に多く発生している。
以上から分かるように、針刺し事故は、内筒を抜き去った直後に、内筒を落ち着いて処理できる物理的な時間と心理的な余裕がもちにくいために発生している。そしてこのことは静脈留置針特有の設置作業工程に起因するものである。
従来は、針刺し事故防止のために抜き去った内筒が自動的に鞘の中に納めるなどの方法が、針刺し事故の主な防止策であった。
また、静脈留置針の設置工程に於いては、内筒を抜き去った後に血液や体液が血管から溢れ出る。このことが感染事故の原因になる。
さらに、患者が被る事故に、輸液回路の汚染が原因となって感染する事故がある。穿刺して内筒を抜き去ったときは外筒基部が開いているので輸液ラインの内部が外気に曝される。同じく接続する輸液ラインも内部が外気に曝される。さらに、外筒基部ジャック部分と輸液ラインのプラグ部分を接続する工程で汚染される危険がある。このように設置時に輸液回路の内側を外気に曝さない構造の静脈留置針はない。
構造による原因の三つ目には輸液回路内に微生物が増殖する問題がある。静脈留置針は最長72時間設置される。従来の静脈留置針の輸液回路内には前記の接続部分も含めて、輸液が淀んだり、導管チューブに血液が逆流して長時間滞留してしまう場所がある。また、輸液の種類によっては微生物の増殖が起こりやすい輸液も有り、対策が必要である。
従来の静脈留置針は輸液セットと分かれていて穿刺してから組み合わせる構造であったので、病室や治療室など患者の居る場所で接続する以外には場所を選択できなかった。
静脈留置針を患者に設置するには長い作業工程に伴い時間がかかる。この時間は医療従事者にとっても効率が悪いし、患者にとっても苦痛を伴う。刺して抜いて固定して終わりという作業工程の短い、患者にとってもこれまでより短い時間で設置してもらえる静脈留置針はない。
従来の静脈留置針は外筒基部には輸液ラインを受け入れて接続するジャックの構造が必要であり、皮膚への装着部が嵩張る。装着部が小さくなる静脈留置針はなかった。
医療従事者が内筒で傷つく事故を起こさないためには、内筒を安全に処理する合理的な方法がなければならない。容器に入れるとか、所定の場所に捨てるなどではその後に携わる者に事故の可能性が残る。安全かつ合理的な処理は抜き去った内筒を二度と刺さらないようにするのが良い。しかし、二度と刺さらないようにする簡単な手段はこれまでにはなかった。
特開2002−239012号公報(第1図)
「東京都病院経営本部、医療事故予防マニュアル」,2003年2月、院内感染、点滴ルートからの感染予防。
本発明は、内筒を抜き去った直後に、内筒を落ち着いて処理できる物理的な時間と心理的な余裕を医療従事者のために確保することで、針刺し事故を生じさせない静脈留置針を提供することを目的としている。
さらに、患者の血液や体液が溢れない構造の静脈留置針を提供することを目的としている。微量ではあるがバックフローの血液も外部に漏らさない構造の静脈留置針を提供することを目的としている。
本発明は、輸液回路を外気に曝す原因になっている外筒基部ジャック部分と輸液ラインのプラグ部分を持たない、外気に対して密封した輸液回路を持った耐感染耐汚染能力の高い静脈留置針を提供することを目的としている。
本発明は外筒基部内の輸液回路で微生物が増殖しにくい静脈留置針を提供することを目的としている。
本発明は、無菌室など清潔な場所で、組み立てることが出来て、病室などでの汚染の危険を回避することができる輸液セットを提供することを目的としている。
本発明は、刺して抜いて終わり、後は肌に固定するだけ、という設置作業時間をこれまでの半分程度に削減できる静脈留置針を提供することを目的としている。
さらに、皮膚への装着部が嵩張らない静脈留置針を提供することを目的としている。
また、皮膚への装着が簡単にできることを目的とする。
上記目的を達成する為に、本発明は穿刺する前の静脈留置針本体において、前記静脈留置針本体と、外筒と外筒基部と輸液ラインとからなる、外気に対して密封した構造であることを特徴とする輸液回路と、前記外筒の内側に納まっていて抜き去る方向に延長していて、前記輸液回路の壁部を貫通して外側に出て、前記輸液回路の外側に抜き去る機構を有し、内針部分に側孔を有さない内筒とからなるとともに、穿刺前に前記内筒に輸液が入らない状態で前記輸液回路内に輸液を満たし外気に対し密封しておくことが出来ることを特徴とする静脈留置針である。
さらに、前記内筒を抜き去ったときに前記外筒基部の壁に生じる貫通部を封止する封止手段及び、外気に対して密封した構造を特徴とする輸液回路に輸液を満たすために、輸液回路内の空気を排出する空気抜き手段を備える。
さらに、バックフロー流量調節手段を構成する。
以下の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
本発明の静脈留置針は、外気に対して密封した構造であることを特徴とする輸液回路と、輸液回路の外側に抜き去る機構を有した内筒とからなることを特徴とする静脈留置針である。さらに、内筒を抜き去ったときに生じる貫通穴を封止する封止手段を設けたことを特徴とする静脈留置針である。
したがって、請求項1ないし2による効果として、穿刺前に外気に対して密封した輸液回路を有した静脈留置針ができる。したがって、内筒を抜き去ってから輸液回路を組み立てるという従来の作業がいらない。したがって、医療従事者は抜き去った後の内筒を落ち着いて処理することを最優先事項にすることができる。したがって、内筒先端で自ら傷つくという針刺し事故を作業工程の面から防止し削減できる。
さらに、請求項1ないし4によって、内筒を抜き去った後血管が開放状態にならないという効果がえられる。穿刺後に患者の血管が解放されるのは内筒の中だけであり、内筒はバックフローが確認できれば抜き去る。しかも内筒にはバックフロー流量調節手段を設けることができるのでバックフローの血液でさえも、漏れ出す量を簡単に調節できる。したがって、患者の血液や体液を外に漏らさない構造の静脈留置針ができる。したがって、患者の血液や体液によって医療従事者が感染するという事故を無くすことができる。
本発明の静脈留置針は、輸液回路に渦流を作って輸液の淀みによる微生物の発生を抑える機能を有する。さらに、設置時に輸液回路が外気に曝されることがないので汚染が防止できる。さらに、輸液セットを菌の少ない環境で予め組み立てることができる。
したがって、予め清潔な環境で組み立てた、耐汚染耐感染能力の高い輸液回路を有した輸液セットを患者に提供することができる。
しかも、静脈留置針と輸液ラインを組み立てておくことができるので、患者には刺して抜いて終わり、後は固定するだけ、という短時間で装着することができる。したがって、患者の負担が軽くなる静脈留置針ができる。
外筒基部に輸液ラインを接続する接続手段を設けなくて良いので小型化できる。したがって、皮膚に装着する部分を小型化できる。したがって、装着感を軽減できる。
本発明の静脈留置針は、微生物の増殖場所になりやすいライン接続部を省略してしまうことによって発生場所の一つをなくしてしまうことができる。さらに、輸液ラインの内径を所定の寸法まで小さくすることで流速の早い輸液回路ができる。したがって、輸液回路内に逆流して滞留している血液などを輸液で効率よくきれいにすることができる。これによって、輸液回路内で淀むことが原因で起こる微生物の増殖を抑えることができる。したがって、長期の使用による感染や汚染の危険を減ずる事ができるし、従来よりも安全に長期使用ができる。
本発明の静脈留置針及び輸液セットは従来の技術の組み合わせで製造することができる。
本発明の静脈留置針は医療従事者が有する従来の装着技術で装着できる。
説明に当たって、請求の範囲及び明細書で用いている言葉を以下に定義する。静脈留置針:外筒先端から輸液ライン直結部までを言い、輸液ラインを含めて用いる場合もある。静脈留置針と共通部分については中心静脈留置針も範囲に含む。静脈留置針本体:外筒先端から輸液ライン直結部までを言う。外筒:血管内に挿入する輸液チューブでありカテーテルと呼ばれる場合もある。外筒基部:外筒が付いている部分であり輸液回路の一部を成す。外筒基部壁:外筒基部が輸液回路を成す管に当たる部分。封止手段:内筒を引き抜いたときの穴あるいは開口部を封止する装置。内筒:外筒の内側にあり、内針とも呼ばれる場合もある部分。内筒基部:内筒を引き抜くときの手がかり部分。輸液回路:輸液ラインから外筒まで、静脈血管に輸液を送る道。輸液ライン:輸液が流れるチューブを言い、輸液セットの輸液が流れる部分全体を言う場合もある。導管チューブ:輸液ラインのうち特に点滴筒以降患者までの部分を言う。輸液セット:輸液ボトル、ボトル針、点滴筒、輸液ライン、ローラークランプ、静脈留置針を主な構成要素にした点滴用のセットであり、定量輸液セットやローラー型やシリンダー型やフィンガー型などの輸液ポンプと組み合わせた場合も含み、ボトル針から静脈留置針までの間の場合も輸液セットの範囲に入れる。設置:静脈留置針を患者に処置装着する行為を言う。
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。なお、説明で使用する図に於いて、外筒や内筒の太さや構造の寸法は他の構成要素である輸液ラインの太さや外筒基部や内筒基部などと寸法比が大きく異なっていて、不自然な図がある。これは、微細な部分と各構成要素の相互の関係を強調して説明するためであり、図の寸法比は実施時の寸法比をなんら制限しない。
図1から図33で、本発明の静脈留置針の基本を概念図を用いて説明する。
図1から図4は、本発明の発想の原点である請求項1を説明するものである。
図1は、穿刺する前、あるいは穿刺した直後で内筒を抜き去る前までの本発明の静脈留置針の状態である。この時点で、外筒3と外筒基部4と輸液ライン11が直結してなる輸液回路10が外気に対して密閉していることが特徴である。
このとき内筒20は、外筒3の内側に収まっていて抜き去る方向70に延長してある。延長した内筒20は外筒基部4の内側である外気に対して密閉した構造の輸液回路10の中を通って、輸液回路10の壁部を貫いて輸液回路10の外側に突き出ている。輸液回路10の外側に突き出た部分の内筒20に内筒基部21を設けて、内筒20を外気に対して密閉した構造の輸液回路10の外側に抜き去る構造になっている。
つまり、元々輸液回路の内側に位置している内筒を輸液回路の外側に一気に抜き去ってしまう構造を持つ。内筒20が抜けた孔は直径が1ミリにも満たないので、孔を封止処理する封止手段を設ければ、孔の問題が解決して輸液回路の密封が保たれる。封止手段については請求項2の項で詳しく説明する。
なお、図では外筒基部の形状を簡略化して、輸液ライン11方向に直角に曲げた管状に表現しているが、輸液回路10の中にある内筒20を輸液ライン11の外側に真っ直ぐに抜き去ることを明確に説明する為であり、輸液ラインの方向と形状を図が制限しない。また、図では微細な部分を説明の為に大きく描写してある部分が多々ある。さらに、外筒と内筒先端の斜めに切った形状は単に先端を説明する為のものであり、内筒及び外筒の方向や、その他角度や形状や寸法の縦横比を制限するものではない。なお、本発明を実施するための最良の形態を説明するに当たり、同一の構成部分には同一の符号を用いて重複する説明を省略する。
なお、図では、輸液回路に輸液を満たす為に必要な輸液経路の空気抜き手段は省略してある。空気抜き手段は様々な方法があるので請求項2を説明する項で詳しく説明する。
前図2は、本発明の静脈留置針1を穿刺した後に、外筒3から内筒20を抜き去る方向70に抜き去っている最中の状態であり、内筒20の先端が外筒基部4の中、つまり輸液回路10の中を後退している状態を表した図である。このとき、輸液回路10が外筒3を通って血管内と通じる。この状態のとき輸液回路10は内筒20の先端を経て外部に開放状態になる。但し、内筒尾部が開口している内筒基部内を密封するとか、柔らかいチューブ構造にして、つまんで内筒基部内を密封するとか、内に弁を設けるとかピストンを設けるなどで開放状態にしないようにすることで密封を保つことができる。
図3は、輸液回路から内筒を抜き去った状態を表している。患者に設置した状態である。この時点で輸液回路が完成する。実際には、内筒を抜き去れば輸液回路の壁部に孔が開いてしまうので孔を塞ぐ封止手段が必要である。
図4は、皮膚に固定している状態の静脈留置針1である。
本発明の静脈留置針1は分岐や接続部分を持たない輸液回路10を持つことができる基本構造を持つ。
併せて、接続部分などをなくすることができる構造であるために、これまでは必須であった穿刺後の輸液回路の接続行為が不要になる。このことは、医療従事者にとっても患者にとっても多くの利点をもたらす。以下詳細を、図に沿って説明する。
図1から4で説明した通り、本発明の静脈留置針の特徴は、穿刺する前に、外気に対して密閉した構造の輸液回路を形成しておくことができることである。これによって、薬局や無菌室など清潔な環境で輸液回路を作り、その後は輸液回路を外気に曝すことなく患者に提供できる。
さらに、内筒を抜き去った時点で輸液回路が完成するので、血液や体液が漏れることがない。これによって血液や体液の漏れによる感染事故を減らすか無くすることができる。
そして、重要なことは、内筒を抜き去った後の輸液回路の接続作業など最も注意力を傾注しなければならなかった従来の作業工程が無くなる事によって、医療従事者に、抜き去った内筒を安全に処理する時間と余裕が生まれる。したがって、内筒を抜き去ったらまず落ち着いて、余裕を持って内筒を安全に処理することができる。したがって、本発明の静脈留置針は針刺し事故を削減することができる。
本発明の静脈留置針は刺して抜けば後は皮膚に固定するだけである。工程の短縮は医療従事者の負担を軽くすることができる。そして、患者の負担も軽くすることができる。
図5から図8は、図1から4で説明した静脈留置針に於いて、内筒を抜き去って出来る輸液回路の壁部の針孔を塞ぐ封止手段の付いた静脈留置針を説明するものであり、請求項2を説明するものである。
図5は、輸液回路10aの壁部の、内筒20aを抜き去る部分に封止手段40を設けたことを説明する図であり。穿刺前あるいは穿刺直後の状態を表している。
図6は、穿刺の後に、外筒3aから内筒20aを抜き去る方向70aに抜き去っている状態でかつ輸液回路10a内に内筒20aの先端が残っている状態を表した図である。
図7は、輸液回路壁部に設けた封止手段40を内筒20aの先端が抜き去る方向70に抜け出るときである。なお、図の封止手段40はバイアルの栓の構造を用いた例である。
図8は、内筒を輸液回路10から完全に引く抜いた状態である。内筒を抜き去った穴は封止手段40によって自動的に密封状態となるので、抜き去った時点で輸液ライン11aから外筒3aまで密封が保たれた輸液回路が完成する。なお、図には静脈留置針本体2aと輸液ライン11aとの接続部分を特に表していないが、一体化して作る場合は静脈留置針本体と輸液ラインとの接続部は不要にすることができる。但し、所定の場所に三方活栓など他の輸液ラインとの接続部分を設けることに、本発明の制限はない。
次に、図9から図14は、請求項2の静脈留置針の封止手段の実施例を説明するものである。
図9は本発明の静脈留置針の外観図である。
図10は、図9の静脈留置針に備えた封止手段を説明する図である。外筒3b、外筒基部4b、輸液ライン11bからなる輸液回路10bが外気に対して密封した構造を持っていることがわかる。内筒20bを抜き去る部分に封止手段40aを備えてある。図は穿刺前あるいは穿刺直後の状態を表している。このとき内筒20bは、外筒3bの内側に収まっていて抜き去る方向70bに延長している。延長した内筒20bは外筒基部4bの内側である輸液回路10bの中を通って輸液回路の壁部に設けた封止手段40aを貫いて輸液回路10bの外側に突き出ている。輸液回路10bの外側に突き出た部分の内筒20bに内筒基部21bを設けて、内筒20bを輸液回路10bの外側に抜き去る構造になっている。
図11は、穿刺の後に、外筒3bから内筒20bを抜き去る方向70bに引き抜いている状態でかつ輸液回路10b内に内筒20bの先端が残っている状態を表している。
図12は、内筒20bの先端が輸液回路の壁部に設けた封止手段40aを抜け出るときを表している。図の封止手段40aはバイアルの栓の構造を用いた例である。
図13は、内筒を輸液回路10bから完全に抜き去った状態である。抜き去った時点で内筒を抜き去った穴は封止手段40aによって自動的に封止されて、輸液ライン11から外筒3bまで密封が保たれた輸液回路が完成する。
封止手段40bは、実施例1で説明したバイアルの栓の構造の他に、孔を封止するバネ付き弁や内側から栓をする方法や内筒が抜け出た管を圧着する方法など、輸液回路10の内側で封止する方法や、内筒20の抜け出る場所を管状にしてクリップで止めるとか押し付けるなどして圧着する輸液回路10の外で封止する方法など多様である。後の実施例で説明する。したがって、図で説明した封止手段の実施例が封止手段の範囲を限定しない。
図14は、封止手段の多様な封止手段と封止方法などを一覧表にまとめたものである。いずれの場合も、自動的あるいは半自動的に封止が行われることが望ましく、かつ、輸液回路内部が複雑な構造にならない封止手段とする必要がある。封止手段の主な実施例は別な項で詳しく述べる。
次に、図15から図18で本発明の静脈留置針の空気抜き手段請求項3について説明する。
本発明の輸液回路は穿刺前に組み立てておくことができることが特徴である。したがって、穿刺前に輸液回路内に輸液を満たしておくことが出来る。輸液を満たすには、製造時に輸液を満たして密封する製造方法を用いる場合と、穿刺前に輸液を満たす場合がある。
製造時においては、輸液回路に空気抜きの穴か管を設けておいて輸液を満たした後に加熱圧着するとか栓をするとか穴を埋めるなど機械を用いて処理することができる。しかし輸液の種類によっては長時間満たしたまま保管するのに適さないものもある。
医療従事者が本発明の静脈留置針に穿刺前に輸液を満たす場合には、空気を抜く機能と、輸液を満たした後に輸液回路の密閉を保つ機能を持った空気抜き手段を静脈留置針本体に設けておく必要がある。
図15は、輸液回路の外筒基部あるいは輸液回路の先端部分に空気抜き手段を設けた静脈留置針であり、請求項4を説明するものである。
図15は、バイアルの栓構造の封止手段40bに空気抜き管31を設けたものであり、空気抜き管31は外筒基部4cの輸液回路10cと外気とをつなげる構造である。なお、空気抜き管31は内筒20cあるいは内筒基部21cのいずれかあるいは両方に固定されていて、内筒を抜き去るときに同時に抜き去られる。
但し、空気抜き管31を長く延長するか、引っ張り紐を直結しておくことによって、輸液回路10cを輸液12cで満たしたとき、穿刺前に、空気抜き管だけを先に引き抜く方法もこの中に含む。
図16は、穿刺後に内筒20cを抜き去っている状態を表している。内筒20cを抜き去る過程で先に空気抜き管31が抜き去られる状態を表している。空気抜き手段30はバイアルの栓の例で、空気抜き管31が抜き去られた穴は自動的に塞がる。
図17は、封止手段40bを内筒20c先端部が後退している状態である。
輸液回路が完成して、皮膚に固定する状態は図13と同じである。
なお、この方法は空気抜き管31を通して輸液回路10c内が外気に曝されたり、輸液12cが漏出する構造でもある。したがって、輸液を満たした後は、ローラークランパやクリップ等で輸液ライン側を止めて輸液回路全体を水平に保つなど、輸液が輸液回路の中で移動したり圧力変化を起こさないようにする必要がある。その他に内筒基部に密閉装置を設けるとか空気抜き管を長く延長して外気の侵入を防止する手段なども効果がある。
この実施例は、構造が簡単であり、輸液回路内を単純な構造にすることができる。したがって輸液回路内の雑菌などの増殖の危険も少なく長時間の装着に効果的な静脈留置針である。
空気抜き手段は、実施例2で説明したバイアルの栓の構造の他に、外筒基部に空気抜き孔を予め開けておく方法や、内筒側面に空気抜き穴を開けておいて内筒から空気を抜く方法など多様である。したがって、図で説明した空気抜き手段の実施例が空気抜き手段の範囲を限定しない。
図18は、空気抜き手段を一覧表にまとめたものである。この内、主な実施例は別な項で詳しく述べる。
次に、本発明の請求項3の静脈留置針のバックフロー流量調節手段請求項4について説明する。
医療従事者は静脈血管内に外筒を確実に設置しなければならず、それには高度に熟練した指先の感覚が不可欠である。したがって、指先の力加減だけで流量調節ができるバックフロー流量調節手段は血液の過剰な漏れを防止できるし、第一に血液を外部に漏出させないので汚染や感染の危険がないなど、心理的に安心して作業ができる機能である。従来の穿刺技術があれば操作できるバックフロー流量調節手段によって、静脈留置針の設置作業の効率と安全性を高めることができる。
なお、本発明のバックフロー流量調節手段は、流出する血液の流出圧力に対して押し戻さない程度のわずかな加圧をするとか、バックフローを確認した後に流出路を塞いでそれ以上の流出を防ぐなど流出量を調節する機能を有する物である。
図19から図21は請求項3記載のバックフロー流量調節手段の原理を説明するものである。
図19は、気圧調節機構を有する気密室内に内筒20d尾部を開口したものであり、スポイトと同等の機能と構造であり、バックフロー流量調節手段50の一例である。
図20は、穿刺直前のバックフロー流量調節手段50の操作を説明している。穿刺直前に気密室である内筒基部21を摘んで空気を押し出す。
図21は、穿刺後バックフローの確認をしている状態である。内筒基部21dを摘んでいる力をわずかに調整することで血液の流れ51を調節して血液の過度の流出を防止することができる。矢印は血液の流れ51aを表現している。
図からわかるように、バックフロー流量調節手段50を用いると、患者の血液や体液を漏出させないことができる。このことは医療従事者に安全と安心をもたらす効果がある。
また、設置は針を下向きにするので、密封しなくても血液の漏出は防止できる。
図22と図23は、本発明のバックフロー流量調節手段50を設けた静脈留置針1である。なお、図ではバックフロー流量調節手段50aの動作原理を説明する為にスポイト機構55aを大き目に表現している。
図22は、内筒基部21eにスポイト機構55aを設けたものである。穿刺直前に吸引部を押して内筒基部21e内の空気を押し出して気圧の加減操作ができる状態にしてから穿刺する。
図23は、穿刺後にバックフロー流量調節手段50a使用して、バックフローの確認をしている状態の図である。吸引部を戻す加減で血液の流れ51aを調節できる。
なお、スポイト機能は内筒基部内の圧力を指先で加減するものであるので、ボタン状に限らず内筒基部の一部あるいは全体を凹ませて元に戻る力加減で流量調節ができれば形状を問わない。但し、図の印象から受けがちな、静脈血管内の血液を負圧を掛けて多量に吸いだす目的のものではない。バックフローの血液確認に必要な血液の量は0.01ミリリットルから0.05ミリリットル程度の一滴にも満たない微量で確認できるので、図で表現して加減の量は実際は微量であり、負圧も医療従事者の指先の体温で内筒基部内の空気が膨張することで上昇する圧力を相殺してさらに負圧にする程度の微小な変化を生じさせる程度で良い。
バックフロー流量調節機構は、実施例3で説明したスポイト型の他に、内筒後方末端に透明チューブを繋いでおいてバックフローを確認してチューブを塞ぐとか、内筒基部を密閉して開閉自在のひずみ弁を設けてバックフローの血液流出量を制御するなど多様である。したがって、図で説明したバックフロー流量調節手段の実施例がバックフロー流量調節手段の範囲を限定しない。
図24は、本発明が対象範囲とするバックフロー流量調節手段を一覧表にまとめたものである。
次に、輸液回路内浄化手段について説明する。
静脈留置針が血管に留まる時間は72時間にも及ぶ場合がある。この間、静脈留置針の回路内の清潔が保たれていれば患者にとって安全であるし医療従事者にとっても安心である。しかし外筒基部の中の輸液回路部分には内筒を抜き去ったところや輸液ラインの合流点などの輸液が淀みやすい所があり、時には血液が逆流して輸液回路内に沈着する場合もあり、このようなところには微生物が増殖する可能性もある。本発明の静脈留置針の輸液回路内浄化手段は、輸液回路内で輸液が淀みやすい外筒基部内に、渦を発生させることによって、外筒基部内に淀む古い輸液を新鮮な輸液に入れ替えて、輸液回路内で淀むことが原因で起こる微生物の増殖を抑えるものである。
図25から図28は、本発明の輸液回路内浄化手段を設けた静脈留置針の輸液回路内浄化手段を説明する図である。
図25は、静脈留置針本体の外筒基部内の円筒状の輸液回路において、輸液の渦流14を作る角度を持って輸液12eが流れ込むように、中心軸15から外れた角度の流入口を持つ輸液回路10を説明している。輸液12eは外筒中心軸19方向に流れ出る。
図26は、図25を横から見た図である。下部は封止手段40cである。
図27は、中心軸から外れてかつ仰角を持った流入口を表現している。中心軸を垂直として、水平つまり90度以上160度未満の仰角に注入方向の角度を設ける場合の図である。
図28は、中心軸から外れてかつ俯角を持った流入口を表現している。中心軸を垂直として、水平つまり90度未満30度までの俯角に注入方向の角度を設ける場合の図である。
次に、図29から図31を用いて輸液セットについて説明する。
なお、図29は、本発明の静脈留置針を輸液セットと一体化したことを説明する図である。但し、輸液セットの部品の配置や組み合わせを限定する物ではないし、それぞれの寸法比も実際に即したものではない。
図29は、本発明の静脈留置針を輸液セットに組み立てて本発明の輸液セットとしたものであり、輸液ボトル60、ボトル針61、点滴筒62、ローラークランプ63、輸液ライン11、静脈留置針1をセットにしたものである。図から容易に分かるように、本発明の静脈留置針と組み合わせて輸液セットにすれば、輸液回路を外気に密閉した状態で組み立てておいてから穿刺することができる。しかも、内筒を抜き去る前後に於いても輸液回路を外気にさらすことなく静脈留置針の設置を終了することができる。
セットの組み立ては図29の状態まで組み立てておいて、患者の輸液の種類や量が決まってから輸液ボトルと組み合わせる場合と、予め輸液ボトルあるいは輸液パックと組み合わせて置くという二通りがある。病院などでは無菌室で輸液ボトルとセット化することができるので前者の方が融通性に優れる。しかし、事故現場などセット化する環境が劣悪な場所で使用する緊急用には後者の方が耐汚染性に優れる。いずれにしても、外気に密閉した清潔な輸液回路の状態で患者に設置できることと、設置工程が短いことが本発明の輸液セットの大きな特長である。
図30は、本発明の静脈留置針を輸液セットに組み立てて、本発明の輸液セットとしたときの動作原理を説明するものである。図30の静脈留置針の部分の拡大図である図31と併せて見ると、外気に対して密閉した輸液回路を外気に曝すことなく静脈血管に開通させることができる輸液セットの原理が分かる。
図32は、設置して内筒を抜き去った状態の輸液セット60を表している。
本発明の静脈留置針の輸液セットの設置手順は以下の通りである。(1)輸液ボトルにボトル針を刺して輸液セットを組み立てる。組み立ては生産時に組み立てておくこともできる。(2)輸液回路30に輸液を満たす。輸液を満たすときには空気抜き手段を使用する。(3)静脈留置針よりの輸液ラインをクリップなどで一時閉じる。ローラークランプで閉じても良い。(4)穿刺する。(5)バックフローを確認する。(6)血管内に外筒3を残して内筒20を抜き去る。(7)抜き去った内筒20を安全に処理する。(8)輸液回路の安全を確認して(3)を解除。(9)開通確認。(10)皮膚に固定。以上が設置手順の1例である。
なお、輸液セットの組み合わせや形状は多様であり、本明細書でその全てを述べることは出来ない。したがって、本明細書で説明した輸液セットの例が本発明の輸液セットの範囲を限定しない。
本発明の輸液セットは、静脈留置針に本発明の静脈留置針を用いたものであり、輸液セット全体あるいはボトル針輸液回路を予め組み立てておいてから穿刺して穿刺後は内筒を抜き去るだけで輸液回路が完成するという、静脈留置針の設置作業の効率と安全性を高めたものである。このように、本発明の静脈留置針は輸液セットとして組み合わせて使用することによってその効果がより一層発揮される。
以上説明したように、本発明の静脈留置針と本発明の静脈留置針を備えた点滴セットを使用すると、医療従事者の穿刺後の作業が大幅に削減されることがわかる。
まず、このことによって、医療従事者に、抜き去った内筒をまず安全に処理することに感心を集中する余裕が生まれ、かつ内筒を処理する時間が生まれる。したがって針刺し事故を削減することができる。
さらに、バックフロー流量調節手段を有すれば、設置工程の中で密封した輸液回路を外気に曝さないことができる。これによって、血液の過剰な漏出を防止できるし、血液を外部に漏らさないこともできる。したがって、患者の血液によって医療従事者が感染する危険が削減される。
また、72時間という長時間に渡って使用していても、輸液回路内浄化手段によって輸液回路内の清潔を保てるので、微生物の増殖などの発生確率を低下させることができる。
本発明の静脈留置針は医療従事者が従来持っている技術で操作できる。
患者側の利点は、設置時間の短縮が挙げられる。刺して抜いて皮膚に固定して終わりという、注射とほぼ同じ工程で設置が終わる。
さらに、皮膚に固定する部分が小型になるという利点もある。
以上図1から図33で本発明の静脈留置針の基本を説明した。
なお、本明細書では静脈留置針として説明しているが、中心静脈留置針も多くの点で静脈留置針に共通する部分があるので、静脈留置針と共通する部分については当然のことながら中心静脈留置針も本明細書の範囲に含むものとする。
以下にその他の実施例を説明する。
静脈留置針が血管に留まる時間は72時間に及ぶ場合がある。この間、静脈留置針の回路内の清潔が保たれていれば患者にとって安全であるし医療従事者にとっても安心である。本発明の静脈留置針の輸液回路内浄化手段は、輸液回路内を流れる輸液の流速を高めることによって輸液や逆流した血液や体液を輸液ラインの管の部分から血管内に流し戻す機能を持たせたものであり、清潔な輸液回路の維持の効果がある。
清潔な輸液回路の維持手段は、内径が0.4ミリメートル以上1.4ミリメートル未満の輸液ラインを使用することである。これによって輸液回路内を流れる輸液の流速を高めて、輸液や逆流した血液や体液を淀ませない清潔な輸液回路を維持するものである。
図34は、従来使用されている太さの内径のときの流速を模式図で表している。流速が遅いと輸液ライン11を構成している管の壁面17に存在する境界層16の厚さも厚くなる。したがって、管の壁面17にある古い輸液や逆流してきて沈着している血液や体液もこの境界層にあるので、流れに乗せて押し流す効果が少ない。ただしここで言う境界層とは、沈着した血液や体液などを押し流すだけの流速にならない壁面寄りの層を言う。
図35は、細い内径の場合の流速を模式図で表している。点滴の速さは一定であるので管内を通過する輸液の量は図34と同量である。したがって管の断面積が半分になれば流れる速さがほぼ倍になる。細くなって流れが早くなると、管の壁面17に発生する境界層16の厚さも薄くなる。したがって、沈着している血液や体液などは薄い境界層16に残るだけで実質大部分の血液や体液や古い輸液を運び去って新鮮な流れを作る。
図36は、管の太さと管を流れる輸液の流速の関係を表したものである。但し流体の計算は複雑になるので、管内の流れは一様であるとして算出している。
一分あたりの点滴量を1ミリリットルと2ミリリットルと3ミリリットルとした。管の太さを0.1ミリメートルから1.4ミリメートルまでほぼ0.1ミリ間隔で算出した。図表の通り、管内を流れる輸液の速さが遅くても20ミリメートル毎秒、早くて100ミリメートル毎秒の範囲は太点線の枠内となる。流速が遅ければ浄化効果が弱くなるし、流速が早すぎると加圧の問題が出てしまう。したがって、自然に流れてしかも浄化作用のある内径を細い方では、小数点2位以下切り捨てて0.4ミリメートル以上とし、太い方では1.4ミリメートル以下として、この太さの輸液ラインをローラークランパから静脈留置針までの全部あるいは静脈留置針よりの一部に使用するものである。
したがって、ローラークランパから静脈留置針までの全部あるいは静脈留置針よりの一部に、管の内径が0.4ミリメートル以上1.4ミリメートル以下の輸液ラインを設けた輸液セットとした。
したがって、長期の使用による感染や汚染の危険を減ずる事ができるし、従来よりも安全に長期使用ができる。
図37から図42は、針刺し事故を防止するために、内筒を安全に処理する針山である。その針山を楽に刺せて自然には抜けない構造にしておいて、抜き去った内筒を、すかさず針山に刺してしまうことで、以降医療従事者を傷つけることはない。よって針刺し事故を防止できる。
図37は、針山本体と、針を刺す方向から、合成樹脂や繊維を密度を少なくして成した柔らかい層75と、前記軟らかい層よりも密度を高めた硬い層76と貫通防止手段とからなるとを特徴とする針山である。
図40は、前記柔らかい層から前記硬い層に無段階に硬さが増す層と貫通防止手段とからなることを特徴とする針山であり、抜き去った内筒を刺す針山である。差し込む側から、針を楽に差し込むことができる程度に柔らかい層75と、針を差し込むのに前記上層よりも強い力を要する硬い層76と針が通り抜けない層77からなることを特徴とする、楽に差し込むことができるが容易には抜くことが出来ない針山である。
図38は、針を楽に差し込むことができる程度に柔らかい層を針が突き進んでいる図である。軟らかい層であるので刺し違いなどが起こりにくく確実に刺せる。
図39は、強い力を要する硬い層に達して止まった状態である。ここまで刺さった針は自然に抜け落ちることはない。
図40は、針を楽に差し込むことができる程度に柔らかい層75から針が通り抜けない硬い層を突き通さない硬い層に無段階的に硬さが変わることを特徴とする、内筒を楽に差し込むことができるが容易には抜くことが出来ない針山である。
図41は、軟らかい層から刺さって硬い層に突き進む内筒である。
図42は、針山の硬いところまで突き刺さった内筒と針山である。針先が硬い層に刺さっているので自然に抜け落ちることはない。
針山の小片を輸液セットと同梱しておけば、穿刺場所に置くことが出来る。
材料を綿や紙や木にすれば環境に優しく廃棄することができるし、吸水性を持たせれば内筒内に留まっていた血液や体液を吸収して他に漏れ出すことを防止できる。
図14に示した封止手段のうち主なものの実施例を以下に説明する。
図43から図56は、輸液回路の内側である内筒基部内に封止手段を設けたものである。
図43は、輸液回路の内側に孔を弁で塞ぐ方法の封止手段40dを設けた静脈留置針1gの全体図である。
図44は、図43の拡大図である。輸液回路10hの中である外筒基部4gの内側に、内筒20gを抜き去った時にできる孔部41を塞ぐ弁42を設けたものである。
孔部41に弁42をバネ43の力で押し付ける封止手段40dであり、内筒20gがある間は弁42は内筒20gに支えられて開いた状態になっていて、閉まらない。
図45は、内筒20gの先端が輸液回路10h内を抜け去るときであり、内筒20gに支えられていた弁42が内筒20gがなくなるにしたがって閉まりかけている動作を説明している。
図46は内筒20gが抜き去られた状態であり、弁42が孔部41に被さる位置になり、内筒が抜き去られ次第弁が閉まって密閉した輸液回路10hが完成したことが分かる。
図47は、内筒が完全に抜き去られて、バネの力で密封されて、封止手段が封止状態の静脈留置針であり、皮膚に設置された状態である。内筒を抜き去った内筒基部の後部にはキャップをなどを詰めておくと良い場合もある。
孔部には弁の圧着力で変形して密着度を高めて気密度を高めるために、所定の形に変形する素材のパッキンを設けておくと、小さい力のバネで高い封止効果を得ることができる。図では孔が大きく表現されているが実際は直径が約1ミリメートル程度である。
図48は、実施例6の弁を図aとは異なった形にした実施例である。
図49は、図48の拡大図である。
弁42aに栓の機能を加えて密着度と気密度を高めている。開閉の動作は図43と同じである。
図50は、封止の状態である。
弁とバネ及び孔の形は様々であり、球形の弁でも孔を効率よく封止することができる。本明細書では輸液回路内側から孔を弁とバネで押さえる構造であること以外、弁やバネの形状を制限しない。
図51では管をバネで圧着する型の封止手段を説明する。
図51は、輸液回路10iの中である外筒基部4iの内側に、内筒20iを抜き去った後に封止用の管47が残るようにしておいて、その封止用の管47を押しつぶすように圧着する手段を封止手段40fとしたものである。
図52は、図51の拡大図である。封止用の管47は、図では大きく表現されているが直径は内径が1ミリ、外経が2ミリ程度であり、小さな力で押しつぶされて管が塞がる柔らかい構造である。封止用の管47を押しつぶす位置にバネ43bを設けておく。内筒20iがある間は内筒20iが封止用の管47を支えている。
図53は、内筒が抜き去られた後、バネ43bの力で押しつぶされて封止用の管47が塞がった状態の封止手段40fを表している。皮膚に装着されているときの状態である。
図54は孔部と栓を用いた、その他の封止手段を説明する。
図54は、輸液回路10jの中である外筒基部4jの内側に、内筒20jを抜き去った後の孔を塞ぐ為の栓48を設けておく封止手段40gを設けた静脈留置針1jである。
図55は、図54の拡大図である。栓48と引き紐49を外筒基部4jの中に予め収めて置く。
図56は、内筒を抜き去った後に栓48を閉める引き紐49を引っ張って、孔部に栓48をはめ込んだ状態を表している。紐は後で切る。
図では栓を閉める紐を自由端にしてあるので、内筒基部を抜き取った後に引っ張ることになり、自動的に封止することにはならないが、この方法は、バイアルの栓と同様に外筒基部の内部に何も残らない状態にすることができるという利点がある。
なお、栓48を閉める引き紐49を内筒基部21jに半固定するなどで内筒20jを抜き去ると同時に封止する様に栓を閉める紐の長さを調節しておけば、内筒を抜き去る動作で栓48を閉めて内筒基部21jから引き紐49を外す、ということも可能である。
これまでの封止手段の実施例では、バイアルの栓を用いた方法と輸液回路の中である外筒基部の内側に封止手段を設けた方法の例を示してきた。以下に、外筒基部の外側、つまり輸液回路の
外側に封止手段を設けた実施例を説明する。外筒基部の外に封止手段を設けると、輸液回路の中に何も置かなくて良く、回路の清潔を保ちやすいという効果がある。また、製造方法も単純にすることができる。
図57から図78は、輸液回路の外から内筒の抜けた穴を封止する封止手段を説明するものである。
図57は、外筒基部4kの内筒20kを抜き去る方向70hに封止用の管47aを設けて封止用の管47aに外部からクリップ45で挟み込んで圧着する封止手段40hの動作原理を説明する図である。図は穿刺前あるいは穿刺直後で内筒を抜き去る前の状態である。
図58は、図57の58−58線に沿う断面図である。封止用の管47aは外から封止用のクリップ45で押さえられている。この時は封止用の管47aの中には内筒20kがあるので封止用の管47aは内側から内筒20kに支えられているのでつぶれない。したがって、内筒20kの存在が封止用のクリップ45の作動を阻んでいる状態で安定している。
図58から分かるように封止用のクリップ45の作動を内筒20kで抑えておく方法は圧着場所が経時変化によって封止機能が低下する心配がある。したがって、製造時に封止用のクリップ45を装着しておく方法の他に、輸液回路10jを組み立てる時に封止用のクリップ45を所定の場所に装着する方法が経時変化対策として有効である。
図59は、図57、58の状態から、内筒を抜き去った直後の図である。実際には内筒を抜き去ると瞬時にクリップが作動して次に説明する図60の状態になるが、動作の順序を説明するための図である。
図60は、封止用のクリップ45が作動した状態である。以上のように、内筒を抜き去れば自動的に輸液回路10jを封止することができる。
図61は、図60の61−61線に沿う断面図である。内筒の支えがなくなったので封止用の管47aが圧着され輸液回路10jが密封され、外気に密封した輸液回路10jが完成する。
図62は、ストッパー46を用いて封止用のクリップ45aの作動を抑えておく例の原理図である。作動は支え棒の形をしたストッパー46で抑えている。ストッパー46には引き紐49aと輪やリボンなどを結び付けておいて目立たせて、輸液セットを組み立てる時あるいは穿刺前に忘れずに取り除くようにしておく。
図63は、封止用の管47cと封止用のクリップ45bとバネ抑え枠の形をしたストッパー46aからなる封止手段40jの例である。封止用のクリップ45bの固定方法は封止用の管47cに直接接着固定してある。封止用のクリップ45bの作動防止にはストッパー46aを嵌めることで機能させている。
図64は、ストッパー46aをはずした状態である。封止用の管47cの中には内筒20mがあるので封止用の管47cはつぶれない。
図65は、内筒が抜け去った後である。封止用のクリップ45bが作動して封止用の管47cを圧着封止する。
以上のように封止用のクリップ45bの作動を抑えておく装置を設けておけば、経時変化の問題が解決する。
なお、作動を抑えるストッパーの形状は支え棒やピンを差し込んだり封止用クリップを別なクリップで抑えておくなど多様であり、同じく解除手段もリボンや輪や札つきピンなどで表示して使用前に必ず解除するようにするとか、作動防止器を内筒基部と連動させれば自動的に封止手段を働かせることができるなど組み合わせが多様であるので、本説明書の図がその方法を制限するものではない。
図66から図70は封止用のクリップ45cの形状を変えた例であり。このような噛み合い型のクリップ45cにすれば封止用の管47dの対面する同じ場所を圧着しないし圧着部分が増えるので経時変化に対処できる。
図66は、封止用の管47dの封止を自動的に行う封止手段40kであり、この封止手段40kの基本構造は以下の通りである。輸液回路の中である外筒基部4lの内側の内筒20nを抜き去る側に封止用の管47dを所定の長さだけ設ける。したがって、封止用の管47dは外筒基部4lに固着されていて、抜き去る方向70iの内筒20nの鞘状に設ける。封止用の管47dにはクリップ45cを取り付けてクリップ45cの力で圧着封止する。
図66は、使用前あるいは穿刺直後の状態である。
図67は、図66の67−67線に沿う断面図である。内筒20nが抜き去られるとクリップ45cが封止用の管47dを押しつぶす構造が分かる。
図68は、内筒を抜き去ったときの図である。実際には内筒を抜き去ると瞬時にクリップが作動して次に説明する図69の状態になるが、動作の順序を説明するための図である。
図69は、封止用のクリップ45cが作動して封止用の管47dを圧着封止した状態である。この状態で皮膚に固定される。
図70は、図69の70−70線に沿う断面図である。この形状の封止用のクリップ45cによって封止用の管47dの圧着面の一部分だけに経時変化を限定できるので、製造段階から装着する封止用クリップとして使用することができる。なお、図70ではクリップ45cの圧着する部分の凸部が一方が1で対する方が2であるが、かみ合えば2−2でも3−2でも良い。
図71から図74では封止用の管を封止用クリップで自動的に封止する封止手段を設けた静脈留置針を説明する。
図71の状態が製造後から穿刺直後までの状態である。図71は、封止用の管47dと封止用のクリップ45cを用いて封止手段40kとする基本の構造は実施例13の図66と変わらないが、封止用の管47eとクリップ45dの間に割り込む形のストッパーを内筒基部21m側に設けて、封止用のクリップ45dにストッパー46bを挟ませておく方法の自動的に作動する封止手段40lを外筒基部4mの筐体の後部に収納したものである。構造は多少複雑になるが自動の封止手段を備えた静脈留置針ができる。
図72は、図71を穿刺した直後の、内筒を抜き去っている状態の図である。作動防止管が封止用クリップから退いている状態を示している。実際には、作動防止管が抜け次第、封止用クリップが瞬時に封止用の管を挟むが、説明の為、内筒が抜けてストッパーがなくなった状態を説明している。
図72は、動作状態を詳しく表している図である。外筒基部4mの内筒20oを抜き去る側に封止用の管47eを所定の長さだけ設ける。したがって、封止用の管47eは外筒基部4mに固着されて抜き去られる方向の内筒20oを芯にしている状態である。封止用の管47eには内筒基部21m側のストッパー46bがかぶさる形で取り付けられていたが、内筒20oが後退するときに連動して後退する。封止用のクリップ45dはストッパー46bが後退すると封止用の管47eを挟み込む。封止用のクリップ45dが作動時に封止用の管47eの所定の位置から脱落しないように外筒基部後部に脱落防止爪44を持つ。
図73は、ストッパーが完全に退いたが内筒がまだ封止用の管の中を後退中の図である。封止用のクリップ45dは既に封止用の管を挟み込んでいて、内筒20oが抜け次第、封止用の管47eを圧着封止する状態である。
図74は内筒が抜き去られて封止用の管47eを封止用のクリップ45dが圧着封止して、密閉した輸液回路が完成した図である。この状態が皮膚に装着固定している状態である。
図75から図78では、以上に説明した、図71の封止手段の動作を側面から見て説明する図である。封止手段の中だけを見ていて外筒基部4m後部の側面部分は描かれていない。製造時の封止手段のセット方法も併せて説明する。
外筒基部4mと封止用の管47eが輸液回路側である。ストッパー46bと内筒基部21mが抜き去る側の内筒側である。製造時に、封止用の管47eに被さっているストッパー46bにクリップ45dを被せる。被せ方は上方から差し込んでバネ43gの力でストッパー46bを挟む。封止用の管がかぶさった状態であり、この状態の作動防止管に封止用クリップを嵌める。
図76は、ストッパー46bの所定の位置に封止用のクリップ45dが嵌った状態を表している。これが封止手段がセットされた状態である。穿刺して内筒が抜き去られるまでこの状態が保持される。なお、図には表れていないが、封止用クリップは、外筒基部後部の脱落防止爪の内側に入るので所定の位置に留まる。この状態を図の上方から見た図が図71である。
図77は、穿刺後内筒が抜き去られているときの状態であり、ストッパー46eがが後退して、クリップ45dが封止用の管47eを挟み込んでいる。しかし、封止用の管47eの中はまだ内筒が後退中である。この状態を図の上方から見ると図37から図73の中間に当たる。
図78は、内筒が抜き去られた状態である。ストッパー46e封止用クリップが封止用の管を押しつぶして輸液回路を圧着封止している。この状態を図の上方から見ると図74に当たる。
図79は、空気抜き手段の実施例を説明する図である。
図79は、外筒基部4nに空気抜きの開口部を設けたものである。組み立て済みの輸液回路に、穿刺前に輸液を満たすときに、外筒基部に設けたこの開口部から輸液回路内の空気を排気して輸液を満たす。
図80は、開口部を後封止して輸液回路に輸液を満たした、穿刺前の静脈留置針の拡大図である。図では開口部を管状に伸ばしておいて圧着封止後に切断している。ただし、この方法は封止するために熱圧着切断器具が必要である。したがって、輸液セットを組み立てる場所が定まっている場合や、医療従事者の身近に熱圧着切断器具がある場合には有効な空気抜き後の封止手段である。このことによって、穿刺前に清潔な環境で密封した輸液回路を組み立てておくことができる。なお、この実施例は外筒基部に空気抜き手段を設ける例であり、開口部31の場所や形状や封止の方法を限定する物ではない。
図81は、内筒を空気抜き手段に使用する実施例である。
図81は、内筒から排気する空気抜き手段を備えた静脈留置針の全体図である。外筒基部4oの中の輸液回路10pに露出している内筒20pの内筒側面部分に内筒孔22を開けて、空気が輸液回路10pから前記の内筒孔22に入って内筒20p内を通って外気に通じる空気抜き路からなる空気抜き手段30aを設けた静脈留置針1oである。
図82は、図81の空気抜き手段の部分の拡大図である。輸液回路内に輸液を満たす作業に於いて、輸液回路10p内の空気は輸液ライン11p側からの輸液に押されて外筒基部4o内に入り、内筒孔22に入り内筒20p内を通って外気に排気される。
このとき、輸液を溢れさせないように、液面高さで調節するとか、輸液ライン側を摘むとかローラークランパで微調整をする。内筒先端から輸液が溢れて外筒先端を濡らすことを避けるために、静脈留置針先端部には気密を兼ねたキャップ33を被せておくと良い。
輸液を満たした後は静脈留置針本体に近い位置の輸液ラインをクリップなどで止めておくと、空気抜き手段からの輸液漏れを防ぐことができる。図82で輸液を満たした静脈留置針セットは穿刺される。
図83は、図82の後に穿刺してバックフローの確認をしている状態を表している。黒矢印は血液のながれ51bを表している。逆流してくる血液は内筒孔22から輸液回路10o側に少し漏れるがローラークランパとかクリップで輸液回路が閉ざされているので輸液回路内に多量に逆流することはない。したがって内筒基部でバックフローの確認ができる。
図84は、図83の拡大図である。内筒基部を透明なシリンダー状にしておけばバックフローの確認ができるし、もし血液が溢れ出てもシリンダー内に留め置くことが出来るので感染事故を防止する効果がある。バックフローを確認して、外筒を血管内に送り込んでから内筒を抜き去ると輸液回路が完成する。
図85から図89では、空気抜き手段とバックフロー流量調節手段を設けた、静脈留置針を説明する。
ひずみ弁とは、ゴムやシリコン樹脂などの合成樹脂からなる弾性体を素材にした、所定の厚みを有して、厚み方向に貫通する一本あるいは複数の切り込みを有した弁であり、力を加えると変形する管と組み合わせて管内に設けて用いる開閉調節手段に便宜上付けた名称である。管が変形していない時には弁の切込みが密着していて気密を保ち、外から力を与えて管を変形させると、弁の切り込みがずれ歪んで隙間ができて、機密を失う構造の弁である。構造が単純でありながら指先のわずかな力加減で機能するので本発明の空気抜き手段を有した静脈留置針及びバックフロー流量調節手段を有した静脈留置針には便利な流量調節弁である。以下の静脈留置針の説明の中で断面図を用いて開閉の動作を説明する。
図85は、外筒基部4pの中の輸液回路10qに露出している内筒20qの側面部分に内筒孔22aを開けて、空気が輸液回路10qから前記の内筒孔22に入って内筒20q内を通って外気に通じる空気抜き路からなる空気抜き手段30bを設け、さらに内筒基部21qにひずみ弁52を用いたバックフロー流量調節手段50bを設けた静脈留置針1pである。
この方法はバックフロー流量調節手段50bを空気抜き手段30bと兼用できる利点がある。
空気抜き手段の空気抜き路は図81で説明したものと同じである。但し、空気が抜け去る内筒基部21qにひずみ弁52を設けたことが異なる点である。なお、図では内筒の尾部を太く表しているが、内筒の内径を変化させる手法を空気抜きを効率よく行う例に用いたに過ぎず、太くすることが必須ではない。
図85は、使用する前の状態あるいは空気抜き直前の状態である。ひずみ弁52が閉じた状態でありしたがって空気抜き手段30bは機能していない状態である。
図86は、図85の86−86線に沿う断面図である。力を加えていない閉まった状態のひずみ弁52を表している。
図87は、内筒基部21qのひずみ弁52の部分を摘んで力を入れた状態であり、ひずみ弁52が開いて空気の流量を調節している状態である。輸液回路10qに輸液を満たすときの空気抜き手段30bの空気流量調節機構として動作中の図である。輸液ライン11qから押し出されてきた空気は、外筒基部4p内部に入って内筒20q側部に開けた内筒孔22aに入って内筒20qを通って内筒基部21q内に抜けひずみ弁52を通って外気に抜ける。内筒基部21q内にはひずみ弁52の流量調節機構があり空気の流量を調整できる。このとき内筒先端から輸液が溢れて外筒先端を濡らすことを避けるために、静脈留置針先端部には気密を兼ねたキャップ33を被せておくと良い。
図88は、図87の88−88線に沿う断面図である。ひずみ弁が摘む力を受けて歪んで弁の切込みに隙間を作り、この隙間が通気性を持つ。歪む大きさで隙間の大きさが変わり、通気量の調節ができる。
図89は、穿刺直後の静脈留置針1pの状態であり、バックフローの流量調節を行っているときの図であり、血液の流れ51cは内筒を逆流してくる。内筒基部21qのひずみ弁52部分を摘む力56を調整することによってひずみ弁52を通過する空気量を微調整して、内筒基部21q内の圧力を変化させることでバックフロー流量調節手段50bとしている。
図90は、バックフローを確認して血液の流失を止めた状態を表している。バックフローが確認で来たら内筒基部21qのひずみ弁52部分を摘む力56を緩めればひずみ弁52が閉じて内筒基部21q内が密閉されるので血液の過度の流失が防止できる。静脈留置針1pはこの状態で血液漏れなどが安定する。その後、患者と輸液回路10pなど全体を良く確認してから内筒20qを抜き去れば輸液回路10pが完成する。したがって医療従事者は抜き去った内筒の安全な処理に感心を集中することができる。
図85の静脈留置針は、輸液回路を外気から遮断しておくことができる。さらにバックフロー時の患者の血液も内筒基部内に気密状態で留めて置くことができる。したがって、患者が感染する危険と、医療従事者が感染する両方の危険を回避できる構造である。
本発明は、医療機器の中の静脈留置針を製造する産業で利用される。
本発明の静脈留置針の基本を概念図。
密封した輸液回路から内筒を引き抜いている状態。
内筒を抜き去った状態。
密封した輸液回路。設置の状態。
封止手段を設けた静脈留置針。
内筒を引き抜いている状態。
封止手段を内筒先端が退いている状態。
設置の状態。
静脈留置針概観例。
穿刺前あるいは穿刺したときの状態。
内筒を引き抜いている状態。
封止手段を内筒先端が退いている状態。
設置の状態。
封止手段のまとめ。
空気抜き手段を設けた静脈留置針。
空気抜き手段が抜き去られた状態。
封止手段を内筒先端が退いている状態。
空気抜き手段のまとめ。
バックフロー流量調節手段。
スポイト機構。
流量調節。
バックフロー流量調節手段を設けた静脈留置針。
流量調節。
バックフロー流量調節手段のまとめ。
輸液回路の渦流。
横図。
仰角をつける。
俯角をつける。
輸液セット。
輸液ボトル付き。
輸液セットにした静脈留置針本体。
設置した場合の全体図。
設置例。
輸液回路の輸液の流れ。
細い内径の輸液ライン。
輸液の流速。
針山1。
針山1刺している状態。
針山1抜けない状態。
針山2。
針山2刺している状態。
針山2抜けない状態。
平弁を用いた封止手段。
平弁の拡大図。
平弁が閉まる状態。
平弁が閉まった状態。
平弁が閉じて、密閉した輸液回路が開通した状態。
丸弁を用いた封止手段。
丸弁が閉まる状態。
丸弁が閉じて、密閉した輸液回路が開通した状態。
封止用の管を用いた封止手段。
封止用の管の拡大図。
封止用の管が圧着している状態。
栓を用いた封止手段。
栓を用いた封止手段の拡大図。
栓で封止した状態。
輸液回路の外で封止する封止手段の原理。
図57の58−58線に沿う断面図。
内筒が抜き去られた状態。
封止状態。
図60の61−61線に沿う断面図。
クリップのストッパー。
枠型のストッパー。
圧着状態。
封止状態。
経時変化の少ないクリップを用いた封止手段。
図66の67−67線に沿う断面図。
内筒が抜き去られた状態。
封止状態。
図69の70−70線に沿う断面図。
自動封止手段
ストッパーが後退した状態。
内筒が残っている状態。
封止状態。
生産時の組み立て例。
クリップの挿入。
動作説明。
封止状態。
空気抜き手段、外筒基部に開口部。
封止。
本願出願人のアイデアである空気抜き手段、内筒から抜く。
図81の拡大図。
本願出願人のアイデアであるバックフローの時。
図83の拡大図。
本願出願人のアイデアである空気抜き手段とバックフロー流量調節手段を設けた静脈留置針。
図85の86−86線に沿う断面図。ひずみ弁閉まり。
本願出願人のアイデアであるひずみ弁の空気流量調節。
図87の88−88線に沿う断面図。
本願出願人のアイデアであるひずみ弁のバックフロー流量調節。
本願出願人のアイデアであるバックフロー流量調節停止。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1h、1i、1n、1o、1p:静脈留置針、
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2h、2i、2n、2o、2p:静脈留置針本体、
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、3i、3j、3k、3l、3m、3n、3o、3p:外筒、
4、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、4i、4j、4k、4l、4m、4n、4o、4p:外筒基部、
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10i、10j、10k、10l、10m、10n、10o、10p、10q:輸液回路、
11、11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、11h、11i、11j、11k、11l、11m、11n、11o、11p、11q:輸液ライン、
12、12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、12h、12i、12j、12k、12l、12m、12n、12o、12p、12q:輸液、
13、13a、13b、13c、13d、13e、13f、13g、13h、13i、13j、13k:輸液の流れ、
14:輸液の渦流、 15:中心軸、
16:境界層、 17:管の壁面、
18:導管チューブ、
20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20i、20j、20k、20l、20m、20n、20o、20p、20q:内筒、
21、21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21i、21j、21k、21l、21m、21n、21o、21p、21q:内筒基部、
22、22a:内筒孔、 30、30a、30b:空気抜き手段、
31:開口部、 32:封止処理、
33:気密キャップ、 34、34a:空気抜き管、
35、35a、35c、35d:空気の流れ、
40、40a、40b、40c、40d、40e、40f、40g、40h、40i、40j、40k、40l:封止手段、
41、41a:孔部、 42、42a:弁、
43、43a、43b、43c、43d、43e、43f、43g:バネ、 44:脱落防止爪、
45、45a、45b、45c、45d:クリップ、 46、46a、46b:ストッパー、
47、47a、47b、47c、47d、47e:封止用の管、 48:栓、
49、49a:引き紐、 50、50a、50b:バックフロー流量調節手段、
51、51a、51b、51c:血液の流れ、
52:ひずみ弁、
54:切り込み、 55:スポイト機構、
56、56a、56b:摘む力、 57:隙間、
60:輸液セット、 61:ボトル針、
62:点滴筒、 63:ローラークランプ、
64:止め具、 65:輸液ボトル、
67:接着部、
70、70a、70b、70c、70d、70e、70f、70g、70h、70i、70j:抜き去る方向、
72:栓をする、 73クリップ:挿入方向、
74:針山、 75:軟らかい層、
76:硬い層、 77:針が通らない層、
78、78a、78b:封止キャップ。