JP4797737B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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本発明は、集塵袋を備えた電気掃除機に関するもので、特に、集塵袋内に付着した塵埃の除塵および塵埃の脱臭に関するものである。
従来の、電気掃除機の集塵袋内に付着した塵埃の除塵方法として、集塵室内に、略箱状に形成された集塵ボックスが配設され、該集塵ボックスの内側に、塵埃を捕集する紙袋などからなる集塵部が着脱自在に具備され、前記集塵部の外面に振動動作を与える振動板を
備え、前記集塵部の外面を振動させて除塵を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の電気掃除機の集塵袋内に堆積した塵埃の脱臭方法として、紙パックや集塵フィルターに脱臭剤を含浸させて、その脱臭剤によって塵埃から発する臭いを脱臭するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
また、電気掃除機の集塵袋を収納する集塵室内空間に消臭芳香剤を設置したものも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−006609号公報 特開平5−70871号公報 特許第2810090号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された集塵部(紙袋等)の除塵方法は、紙袋等に直接、振動を与える点で、除塵に関して効果的ではあるが、紙袋等が破損し易い傾向にあるため、場合によっては紙袋等の交換頻度が増したり、紙袋の厚みを増したりする必要性が生じる可能性が有った。また仮に紙袋の厚みを増すと、塵埃の吸引時に、紙袋が膨らみ難くなる恐れも有った。
また、上記特許文献2に記載された脱臭方法では、脱臭剤が紙パックや集塵フィルターの濾材のみに含浸されているだけなので、その濾材と塵埃との接触面積が少なく、かつ、接触時間も瞬間的であるため、十分な脱臭効果が得られない可能性があった。そのため、上記従来の紙パックや集塵フィルターを装着した電気掃除機を運転した時に、塵埃の種類や蓄積期間によっては、電気掃除機からの排気風に混じって悪臭が発せられ、不快なものになる恐れがあった。
また、上記特許文献3に記載された構成は、集塵室内空間に消臭芳香剤を設置することで、集塵室内に消臭成分を飛散させて、電気掃除機用の集塵袋内の塵埃の消臭を行い、運転時の排気臭を緩和させるようにしたものであるが、消臭芳香剤は、塵埃の臭気に別に香りを混合させて、排気臭を緩和するため、根本的な臭気の除去には至らず、吸引した塵埃の種類によっては、不快な異臭として電気掃除機から排気される可能性を有していた。さらに、多量の塵埃を吸引して、長期に渡って保持できる集塵袋では、吸引気流がほぼ全て塵埃中を通過するため、吸塵量の増加に従い、臭気発生量が増加し、集塵袋の許容量に近い状態では、臭気発生が大幅に増加するため、消臭芳香剤の消臭効果が、あまり得られない可能性を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、集塵袋に直接、振動を加えること無く、集塵袋の内部に付着した塵埃を効果的に除塵でき、吸引力の持続性を向上した電気掃除機を提供することを第1の目的とする。また、集塵袋内の塵埃量や、貯留期間に関係なく、電気掃除機使用時の排気に含まれる塵埃由来の臭気を大幅に低減できる、脱臭効率の良い電気掃除機を提供することを第2の目的とする。
本発明の電気掃除機は前記従来の課題を解決するもので、集塵室と電動送風機とを内蔵する掃除機本体と、塵埃を捕集する集塵袋を着脱自在に装着されると共に前記掃除機本体内の集塵室に着脱自在に収納される集塵袋ケースと、該集塵袋ケースに振動を与える振動体と、を備え、前記集塵袋は、第1の開口部を有する袋状体と、前記袋状体の前方に配置されており、前記第1の開口部と連通する第2の開口部を有する口芯と、前記袋状体と前
記口芯との間に設けられており、前記第1の開口部及び前記第2の開口部と連通する第3の開口部を有し、脱臭剤を収納する脱臭材収納ケースと、から構成されており、前記脱臭剤収納ケースの前記第3の開口部には、前記脱臭剤が前記集塵袋内部に排出される排出口が設けられており、前記振動体が集塵袋ケースに振動を与えることにより、前記集塵袋ケースに装着された前記集塵袋にも振動を伝え、集塵袋の内側に付着した塵埃を振るい落とすと共に、前記脱臭剤は粒状または粉状とし、振動体が集塵袋ケースに振動を与える際に、前記集塵袋の一部に設けられた脱臭剤収納ケースにも振動が加わり前記脱臭剤収納ケース内の脱臭剤が飛び出して、集塵袋内に投入される構成とした。
これにより、集塵袋に直接振動を加えること無く、集塵袋を装着した集塵袋ケースを介して、間接的に集塵袋に振動を伝えることが可能になり、集塵袋を破損する心配も無く、また集塵袋の厚みを増す必要性もなく、集塵袋の内側に付着した塵埃を、振るい落として、効果的に除塵でき、吸引力の持続性を向上した電気掃除機が提供できるようになる。また、振動によって投入された脱臭剤と、振動によってほぐされた状態の塵埃とが効率よく混ざり合い、集塵袋内の塵埃から放たれる悪臭を大幅に除去でき、脱臭効率を向上した電気掃除機が提供できるようになる。さらに、脱臭剤が脱臭剤収納ケースから集塵袋内に投入される際、脱臭剤収納ケースの出口部での目図まりが、振動により発生し難くなるため、脱臭剤が目図まりにより投入されなくなる心配も無く、安定した脱臭効率が得られるようになる。
本発明によれば、電気掃除機の吸引力の持続性を向上できる。また、電気掃除機の脱臭効率を向上できる。
第1の発明は、集塵室と電動送風機とを内蔵する掃除機本体と、塵埃を捕集する集塵袋を着脱自在に装着されると共に前記掃除機本体内の集塵室に着脱自在に収納される集塵袋ケースと、該集塵袋ケースに振動を与える振動体と、を備え、前記集塵袋は、第1の開口部を有する袋状体と、前記袋状体の前方に配置されており、前記第1の開口部と連通する第2の開口部を有する口芯と、前記袋状体と前記口芯との間に設けられており、前記第1の開口部及び前記第2の開口部と連通する第3の開口部を有し、脱臭剤を収納する脱臭材収納ケースと、から構成されており、前記脱臭剤収納ケースの前記第3の開口部には、前記脱臭剤が前記集塵袋内部に排出される排出口が設けられており、前記振動体が集塵袋ケースに振動を与えることにより、前記集塵袋ケースに装着された前記集塵袋にも振動を伝え、集塵袋の内側に付着した塵埃を振るい落とすと共に、前記脱臭剤は粒状または粉状とし、振動体が集塵袋ケースに振動を与える際に、前記集塵袋の一部に設けられた脱臭剤収納ケースにも振動が加わり前記脱臭剤収納ケース内の脱臭剤が飛び出して、集塵袋内に投入される構成とした。
これにより、集塵袋に直接振動を加えること無く、集塵袋を装着した集塵袋ケースを介して、間接的に集塵袋に振動を伝えることが可能になり、集塵袋を破損する心配も無く、また集塵袋の厚みを増す必要性もなく、集塵袋の内側に付着した塵埃を、振るい落として、効果的に除塵でき、吸引力の持続性を向上した電気掃除機が提供できるものである。また、振動によって投入された脱臭剤と、振動によってほぐされた状態の塵埃とが効率よく混ざり合い、集塵袋内の塵埃から放たれる悪臭を大幅に除去でき、脱臭効率を向上した電気掃除機が提供できるようになる。さらに、脱臭剤が脱臭剤収納ケースから集塵袋内に投入される際、脱臭剤収納ケースの出口部での目図まりが、振動により発生し難くなるため、脱臭剤が目図まりにより投入されなくなる心配も無く、安定した脱臭効率が得られるようになる
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における電気掃除機本体1の斜視図である。掃除機本体1へは後部に吸引風を発する電動送風機2を、またその前方には塵埃を捕集する集塵室3を設けている。集塵室3の内部には捕集した塵埃を一時的に溜めるための集塵袋4がセットできるようになっている。図2は集塵袋ケース7および振動体5の後方斜視図であるが、集塵袋ケース7の後方には略T字状の振動板5を配設し、振動板5の一部は前方に押し出されたとき集塵袋ケース7に当接するように設けている。振動板5の形状は略T字だけでなく、略L字や略Y字、平板状などでもよい。図3は集塵袋4の分解斜視図であるが、袋状体10の開口部A11前方へは同じく開口部B12を有する口芯13を接着しており、口芯13と袋状体10との間には脱臭剤14を収納し、脱臭剤14の通路である排出口15と開口部C16を有する脱臭剤収納ケース17を設けている。おのおの3つの開口部はすべて連通するように配置している。
さらに図4は電気掃除機本体1の部分断面図である。集塵袋4後方には振動板(振動体)5を備えており、さらに集塵室3後方にはコード20を巻き取るコードリール(電源コード巻取装置)21を備え、コードリール21へは凸部22を設けている。図5は除塵機構まわりのイメージ図を示している。コードリール21が回転する時凸部22の頂点が描く軌跡上に略L字状のレバー23の一部が当接するように位置し、図4に示すように本体下6内に軸29を中心に回動自在に設置されており、カバー28によって覆われており、集塵室3側に通じている。レバー23の下方にはバネ24を配設してレバー23を付勢し、レバー23の逆端の集塵室3側には振動板5が取り付けられるようになっている。コードリール21はぜんまいバネ(図示せず)で付勢しており、ブレーキボタン25の下方にはブレーキ26およびストッパー27を配置している。
以上のように構成された電気掃除機について、以下、その動作、作用を説明する。
図1〜3に示すように電動送風機2の気流により集塵室3に吸引されたゴミは集塵袋4に溜められるが、塵埃が溜まるにつれて吸引力が低下したり悪臭が蓄積されたりしていく。本実施の形態の掃除機においては、図4、5に示すように、使用者が掃除をする前にコード20を引きだすことによりコード20を巻きつけていたコードリール21が回転、凸部22がレバー23の一部に当接することで押し下げられ凸部22より開放されるとバネ24の付勢力により上方へ戻される。この反発力がレバー23に取り付けられた振動板5に伝わって振動力となり、コード20が連続的に引き出されることで振動板5は前後に振動し集塵袋ケース7の後方を叩く。
前回の掃除により蓄積されていた塵埃は集塵袋4の壁面に付着して吸引力低下の要因となるが、集塵袋4後方の振動板5が前後に振動し、集塵袋ケース7の後方を叩くことで集塵袋4に衝撃が伝わり、集塵袋4内の塵埃は振るい落され、あるいは叩き落され、吸引力が回復する。その後使用者が掃除機の運転を始めると、電動送風機2の気流に乗って集塵袋4の脱臭剤収納ケース17より脱臭剤14が排出口15を通ってさらに排出され、掃除機の運転中持続的に脱臭剤14が投入されることにより集塵室3内の脱臭を行うことができる。さらにコード20引出し時に塵埃が振動により解される事で脱臭剤14が古い塵埃に効率よく接触することができ、脱臭効率が一段と向上し、悪臭の除かれた快適な排気となる。
掃除が終了し、コード20を巻き取る際にはブレーキボタン25を押し下げブレーキ26を解除してバネ24の付勢力によってコード20がコードリール21に巻き取られるが
、その際、ブレーキボタン25を押し下げることによってストッパー27が同時に押し下げられレバー23も下方に押し下げられると凸部22はレバー23と当接しなくなり振動板5は静止したままとなる。本実施の形態では、振動板5はコード20引出し時にのみ振動することとなり、掃除前に集塵袋4内の除塵ができて掃除の開始から強い吸引力が得られるうえ、前回の掃除の際に集めた悪臭をためこんだ古い塵埃が振動によって解された後に脱臭剤14が投入されるため、古いゴミと脱臭剤14が混ざり易くなり、効果的に脱臭できる。
一方、ストッパー27を設けず、凸部22をコードリール21とは別体として2部品でクラッチ機構を構成して引出し時は凸部22が空回りして回転せず、巻き込み時のみコードリール21とかみ合って凸部22がコードリール21とともに回転するようにすれば(図示せず)、運転中に投入された脱臭剤14を掃除終了後のコード20巻き込み時の振動によってその日ためた塵埃に混合することができるため、次回使用時までの期間に時間をかけて脱臭することができ、より脱臭効率が向上する。
一方、図3において、ストッパー27を省けばコード20引出し時、巻きとり時共に振動板5が動作することとなり、使用直前のコード20引出しにより除塵ができて掃除のはじめから強い吸引力が得られるだけでなく、古い塵埃が解されることで脱臭剤14との混合をより効率よく行うことができて掃除中も排気が臭くならずに快適に掃除できる上、掃除が終了してコード20収納する時にも振動が加えられるため、その日ためた塵埃にも脱臭剤14を効果的に混合することができ、次回使用時までの期間に時間をかけて脱臭可能なため、更に脱臭効率が向上する。また、振動板5が当接する場所を集塵袋ケースの前方、横、上方とすることでも、衝撃を集塵袋4に伝えることが可能なため、除塵できるうえ、設計上都合良い場所に振動板5を配置することができる。
(実施の形態2)
図6は第2の実施の形態を示す電気掃除機の部分断面図である。本実施の形態では振動板5の動力を電動の振動装置30としており、振動装置30は振動板5近傍の本体下6下内部に格納され、カバー28により覆われている。振動装置30は図6に示すような構成となっている。図6、7に示すように振動装置30は本体下集塵室3下部に格納され、カバー28によって覆われる。本体ケース31からは、可動板32より立設した中空円柱状のアーム33が集塵室3内へ突出しており、このアーム33に振動板5が挿入される。アーム33はリング状のゴム製ブッシング34を介して本体ケース31に固定されている。
本体ケース31内には電磁石A35と電磁石B36の吸引作用面と対向して平行に配置された磁石37を先端部に固着した可動板32が内蔵されており、可動板32の磁石37と反対側の一端はゴム製のスリーブ38を介してネジ39により、可動板32が回動自在になるように本体ケース31に固定されている。振動制御回路によりスイッチがONされ電磁石A35にAC100V電源が通電されると、電磁石B36に生じた磁界により、先端部に磁石37を固着した可動板32は、ネジ39で固定した一端を支点として、アーム33がゴム製ブッシング34を前後にたわませながらAC100V電源の電源周波数(50Hzまたは60Hz)に応じた周期で前後に振動する。その振動はアーム33を介して振動板5に伝えられ振動板5も同様に前後方向(矢印方向)へ振動し、集塵袋4の外面を振動させ除塵を行うものである。
以上のように構成された電気掃除機について、以下、その動作、作用を説明する。
例えば制御により電源OFF後に振動装置30を一定時間作動させれば、掃除の終了後に除塵を行うことができ、次回の掃除の際に吸引力が回復して使用性が向上する。また、振動板5近傍に振動装置30を設置することが可能なため、振動力の伝達ロスが少ないう
え、一定の振幅および周波数で振動するため除塵力も毎回一定とすることができる。また、アーム33等の部品は他部品との摩擦がないため、磨耗などの心配がない。さらに制御によって振動させるタイミングを自在にもできるうえ、振動を与える時間も調節可能なため、脱臭剤と塵埃の混合度合いもコントロールしやすく、脱臭効率が向上する。
以上のように、本発明にかかる電気掃除機によれば、電気掃除機の吸引力の持続性を向上でき、また電気掃除機の脱臭効率を向上できる。
第1の実施の形態における電気掃除機の外観斜視図 第1の実施の形態における集塵袋ケースの外観斜視図 第1の実施の形態における集塵袋の分解斜視図 第1の実施の形態における電気掃除機の部分断面図 第1の実施の形態における除塵機構まわりのイメージ図 第2の実施の形態における電気掃除機の部分断面図 第2の実施の形態における振動装置まわりの分解斜視図
1 本体
2 電動送風機
3 集塵室
4 集塵袋
5 振動板(振動体)
6 本体下
7 集塵袋ケース
10 袋状体
11 開口部A
12 開口部B
13 口芯
14 脱臭剤
15 排出口
16 開口部C
17 脱臭剤収納ケース
20 コード
21 コードリール(電源コード巻取装置)
22 凸部
23 レバー
24 バネ
25 ブレーキボタン
26 ブレーキ
27 ストッパー
28 カバー
30 振動装置
31 本体ケース
32 可動板
33 アーム
34 ブッシング
35 電磁石A
36 電磁石B
37 磁石
38 スリーブ
39 ネジ

Claims (1)

  1. 集塵室と電動送風機とを内蔵する掃除機本体と、塵埃を捕集する集塵袋を着脱自在に装着されると共に前記掃除機本体内の集塵室に着脱自在に収納される集塵袋ケースと、該集塵袋ケースに振動を与える振動体と、を備え、前記集塵袋は、第1の開口部を有する袋状体と、前記袋状体の前方に配置されており、前記第1の開口部と連通する第2の開口部を有する口芯と、前記袋状体と前記口芯との間に設けられており、前記第1の開口部及び前記第2の開口部と連通する第3の開口部を有し、脱臭剤を収納する脱臭材収納ケースと、から構成されており、前記脱臭剤収納ケースの前記第3の開口部には、前記脱臭剤が前記集塵袋内部に排出される排出口が設けられており、前記振動体が集塵袋ケースに振動を与えることにより、前記集塵袋ケースに装着された前記集塵袋にも振動を伝え、集塵袋の内側に付着した塵埃を振るい落とすと共に、前記脱臭剤は粒状または粉状とし、振動体が集塵袋ケースに振動を与える際に、前記集塵袋の一部に設けられた脱臭剤収納ケースにも振動が加わり前記脱臭剤収納ケース内の脱臭剤が飛び出して、集塵袋内に投入される構成とした電気掃除機。
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