JP4796723B2 - 害虫防除器およびそれに用いる揮散性物質保持体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、害虫防除器およびそれに用いる揮散性物質保持体に関するものである。より詳しくは、常温揮散性を有する殺虫成分もしくは忌避成分等の害虫防除成分を大気中に揮散させる、非加熱式の害虫防除器およびそれに用いる揮散性物質保持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、加熱式の害虫防除器に代わって、キャンプ時等、屋外で使用できるように、常温揮散性を有する殺虫成分や忌避成分を活性成分とする害虫防除剤を、紙等の保持体に含浸させ、該保持体に向けてファンで風を送ることにより活性成分を大気中に揮散させて殺虫作用を発揮させる害虫防除器が開発されている(特開平7−236399号公報等参照)。
【0003】
また、害虫防除剤を含浸させた保持体自体を駆動手段により回転させて、活性成分を大気中に揮散させる害虫防除器も提案されている(特開平5−68459号公報参照)。
【0004】
このような害虫防除器は、加熱式の害虫防除器のように、害虫防除剤を加熱するための加熱装置を必要としない。このため、このような害虫防除器は、消費エネルギーを低く抑えることができることから、商用電源に接続する必要がなく、乾電池等を用いてファンを駆動することができる。このため、このような害虫防除器は、携帯性に優れ、また、害虫防除器自体あるいは周囲環境の温度上昇を防止することができ、火傷や火災等の危険性がなく、安全性に優れている。
【0005】
しかしながら、このように害虫防除剤を保持体に含浸させて使用する場合、揮散する害虫防除剤の活性成分が目に見えないことから、その残量を確認することができない。このため、このような害虫防除器は、その薬効切れを判断することができず、大凡の使用可能時間の目安に頼る他はない。このため、その使用頻度や使用者の判断により、未だ活性成分が残っているのに使用不可能と判断されたり、逆に、薬効切れであるにも拘らず使用続行されている場合がある。
【0006】
このため、害虫防除剤の活性成分の減少もしくは終点(薬効切れ)を確実に確認する手段の開発が望まれている。
【0007】
従来、終点確認の方法としては、例えば、電池の寿命に害虫防除剤の活性成分量を合わせる方法が知られている。このような方法においては、電池がなくなったら紙に染み込ませた害虫防除剤の活性成分がなくなると判断し、紙を取り替えるようになっている。
【0008】
しかしながら、電池の寿命により薬効切れを判断する方法は、害虫防除剤の活性成分の減少と電池の消費とが常に並行して行なわれるわけではないことから、薬効切れと電池の寿命とにズレが生じ易い。また、害虫防除剤の活性成分の減少が確認できないことから、この場合にも大凡の使用可能時間の目安しか判らない。このため、ある日突然、電池の寿命がきて、気が付いた時には既に薬効切れとなっている場合がある。
【0009】
そこで、揮散させる害虫防除剤の活性成分の減少もしくは終点を目視確認する方法として、例えば特開平8−147号公報等のように、害虫防除剤もしくは保持体を着色し、色が消えたら保持体の取り替え時期であることを示す方法が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、害虫防除剤もしくは保持体を着色する方法は、着色状態を目視判断することはできるものの、この場合の着色は活性成分自体の色ではない。この場合の着色は添加した色素の色であり、上記の方法は、この色が、例えば化学変化等により時間の経過と共に薄れていくことで、この色がなくなる時間と害虫防除剤の活性成分がなくなる時間とを合わせているにすぎない。つまり、害虫防除剤の活性成分の揮散と色素の色の変化とは物理的に全く異なる現象である。このため、上記の方法は、害虫防除剤の活性成分の失効(薬効切れ)と保持体の色の消失とをうまく合わせることはできず、調節が困難であることから、終点管理がし難いという問題点を有している。
【0011】
また、このように色の消失による終点の判断には個人差がある。また、色が変わっても斑になって終点の判別がつきにくかったり、完全に色が消失しない等の理由により、人によっては取り替え時期であると判断する人もいれば、まだ大丈夫だと判断する人もいる。このため、何れも確実に終点が判断できるものではない。
【0012】
従来、終点管理が容易でかつ害虫防除剤の活性成分の減少もしくは終点(薬効切れ)を確実に確認することができる害虫防除器としては、液体蚊取り器のように、溶媒に害虫防除剤を溶かした害虫防除液をボトルに収容し、該ボトルから害虫防除液を吸い上げてこれを加熱し、その活性成分と共に溶媒を揮散させることにより、害虫防除液の残量を目視確認できる害虫防除器が知られている。
【0013】
しかしながら、上記害虫防除器を用いた方法は、害虫防除液の加熱を必要とする。このため、常温揮散性の害虫防除剤を溶媒に溶解させてボトルに収容し、該ボトルから害虫防除液を吸い上げて風で揮散させようとすると、例えば、溶媒として、エタノールのように低沸点の溶媒を用いると、直ぐに蒸発してなくなってしまう。このため、ごく短時間しか使用することができず、実用的ではない。逆に高沸点の溶媒を使用した場合には、害虫防除剤の揮散性が低下し、害虫防除能の低下に繋がるという問題点がある。
【0014】
また、このように害虫防除剤を溶媒に溶解させてボトルに収容して常温揮散型害虫防除器に使用する場合、溶媒に溶解させることにより害虫防除剤の揮散量が低下し、害虫防除剤の効力が有効に発揮されないという問題が生じる。
【0015】
このため、常温揮散性の害虫防除剤を用いた非加熱式の害虫防除器において、終点管理が容易でかつ害虫防除剤の活性成分の減少もしくは終点(薬効切れ)を確実に確認することができる害虫防除器は未だ知られておらず、害虫防除能に優れ、尚且つ、終点管理が容易でかつ害虫防除剤の活性成分の減少もしくは終点(薬効切れ)を確実に確認することができる害虫防除器が切望されている。
【0016】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、害虫防除能に優れると共に、終点管理が容易でかつ害虫防除剤の活性成分の減少もしくは終点(薬効切れ)を確実に確認することができる害虫防除器およびそれに用いる揮散性物質保持体を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、常温揮散性の害虫防除成分と該害虫防除成分の残量を示すインジケータとを切り離し、該害虫防除成分の残量を、インジケータ部の液体収容手段中の液体の残量にて示すことにより前述の課題を解決するに至った。
【0018】
すなわち、本発明にかかる害虫防除器は、上記の課題を解決するために、(1)第1および第2の揮散面を有し、第1の揮散面が、常温揮散性の害虫防除成分を大気中に揮散可能に保持し、第2の揮散面が、常温揮散性の液体を保持可能であり、かつ、該液体を大気中に揮散可能に設けられている揮散性物質保持体と、(2)上記揮散性物質保持体における上記第2の揮散面に液体を供給する液体供給機構および上記液体供給機構により上記第2の揮散面に供給される液体を収容する液体収容容器を備え、上記第1の揮散面から揮散する害虫防除成分の揮散性物質保持体中の残量を上記液体収容容器中の液体の残量で示すインジケータ部とを備えていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、上記揮散性物質保持体が、2つの揮散面を備え、上記害虫防除成分と液体とを別々の揮散面にて保持・揮散させることで、害虫防除成分の揮散が阻害されることがなく、該害虫防除成分の害虫防除能を最大限に発揮させることができる。
【0020】
また、上記の構成によれば、上記害虫防除剤とインジケータ機能を担うインジケータ部とが、互いに相関性は有しているが構成としては切り離され、別々に存在していることから、害虫防除成分の終点(薬効切れ)管理並びに揮散量の制御が容易であり、上記液体の消失点と上記害虫防除成分の失効点とを任意かつ容易に設定することができる。
【0021】
さらに、上記の構成によれば、上記害虫防除成分の残量(減少)を目視により把握することができる。
【0022】
したがって、上記の構成によれば、優れた害虫防除効果が得られると共に、終点管理、制御が容易であり、しかも害虫防除成分の減少および終点を確実に確認することができる害虫防除器を提供することができる。
【0023】
また、上記の構成によれば、例えば上記液体に、必要に応じて他の薬剤を含有させることにより、上記インジケータ部に、インジケータとしての機能と、薬剤保持部としての2つの機能を持たせることができ、上記害虫防除成分よりも高揮散性(高揮発性)または低揮散性(低揮発性)の薬剤あるいは固体の薬剤であっても、上記害虫防除成分との複合化を図ることができる。しかも、上記の構成によれば、上記害虫防除成分と上記薬剤との薬効切れの時間を容易かつ正確に合わせることができる。このため、上記害虫防除器に、消臭作用や抗菌作用、芳香作用等、ユーザのニーズに合わせた種々の複合機能を付与することができ、また、その活性成分の失効までの有効期間も、任意に設定することができる。
【0024】
また、本発明にかかる害虫防除器は、上記の課題を解決するために、上記害虫防除成分および液体の揮散に供する気流を発生させる気流発生手段をさらに備えていることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、上記害虫防除成分および液体の揮散に気流を利用することができると共に、上記気流発生手段が、上記害虫防除成分および液体の揮散に供する気流を発生させることで、上記害虫防除成分の揮散と液体の揮散との間の相関性が向上する。このため、上記害虫防除成分および液体の終点(消失)管理、制御を容易に行うことができる。
【0026】
さらに、本発明にかかる害虫防除器は、上記の課題を解決するために、上記第1の揮散面と第2の揮散面とが同一平面内に配置されていることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、上記第1の揮散面と第2の揮散面とが同一平面内に配置されていることで、両者の相関性を向上させることができる。特に、上記害虫防除成分および液体の揮散に気流を用いる場合、上記第1の揮散面と第2の揮散面とが同一平面内に配置されていることで、上記第1の揮散面と第2の揮散面とを上記気流発手段から容易に等距離に形成することができ、両者の相関性をより一層向上させることができる。
【0028】
また、本発明にかかる害虫防除器は、上記の課題を解決するために、上記液体収容手段が、透明もしくは半透明の容器であることを特徴としている。
【0029】
上記の構成によれば、上記液体収容手段を直接、インジケータとして利用することができるので、複雑な機構を必要とせず、上記害虫防除器を安価に製造することができると共に、上記液体収容手段内の液体の残量、つまり、害虫防除成分の残量の確認を、極めて容易に行なうことができる。
【0030】
さらに、本発明にかかる害虫防除器は、上記の課題を解決するために、上記害虫防除成分がピレスロイド系化合物であることを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、害虫防除活性、揮散性に優れた害虫防除器を提供することができる。
【0032】
また、本発明にかかる害虫防除器は、上記の課題を解決するために、上記害虫防除成分が、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、および2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロルエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートから選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、害虫防除活性、揮散性により優れた害虫防除器を提供することができる。
【0034】
また、本発明にかかる揮散性物質保持体は、上記害虫防除器に用いる揮散性物質保持体であって、上記の課題を解決するために、第1および第2の揮散面を有し、第1の揮散面が、常温揮散性の害虫防除成分を大気中に揮散可能に保持し、第2の揮散面が、常温揮散性の液体を保持可能であり、かつ、該液体を大気中に揮散可能に設けられていることを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、上記揮散性物質保持体が、上記2つの揮散面を備え、上記害虫防除成分と液体とを別々の揮散面にて保持・揮散させることで、害虫防除成分の揮散が阻害されることがなく、該害虫防除成分の害虫防除能を最大限に発揮させることができると共に、上記害虫防除成分と、上記液体によるインジケータ機能を担うインジケータ部とを切り離すことができる。したがって、上記の構成によれば、優れた害虫防除効果が得られるとともに、終点管理、制御が容易であり、しかも害虫防除成分の減少および終点を確実に確認することができる害虫防除器を提供する上で必要とされる揮散性物質保持体を提供することができる。
【0036】
上記揮散性物質保持体は、上記第1の揮散面に、ピレスロイド系化合物を保持していることが、害虫防除活性、揮散性により優れた害虫防除器を提供する上で好ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる実施の一形態について、図1〜図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0038】
図1は、本実施の形態にかかる害虫防除器の構成を示す斜視図であり、図2は、本実施の形態にかかる害虫防除器の構成を示す断面図である。
【0039】
本実施の形態にかかる害虫防除器は、図1および図2に示すように、害虫防除器本体1と、インジケータ部2(インジケータ手段)とを備えた構成を有している。
【0040】
上記害虫防除器本体1は、中空形状を有し、図2に示すように、通気可能に設けられたチャンバ20と、電池31を収容する電池収容部30とを備えている。上記電池収容部30には、電池31の電極と接触する図示しない端子等が設けられ、該端子は、図示しない制御回路等を介して、上記チャンバ20内に設けられた、後述する気流発生器23(気流発生手段)のモータ23bに接続されている。
【0041】
一方、上記チャンバ20は、受台21と、取り外し可能に設けられた蓋体22とから構成され、その内部には、上記チャンバ20において気流を発生させる気流発生器23と揮散性物質保持体40とが収容されている。
【0042】
上記気流発生器23は、回転翼23aと、該回転翼23aを回転駆動するモータ23bと、支持軸23cとを備え、上記回転翼23aは、上記支持軸23cにより上記モータ23bに軸止されている。上記モータ23bは、モータ支持枠24により上記受台21に固定され、上記回転翼23aは、上記揮散性物質保持体40の揮散性物質揮散面41に対向して設けられている。図2に示す害虫防除器では、上記回転翼23aは、上記揮散性物質保持体40上部に設けられ、その上部に設けられたモータ23bに軸止されている。
【0043】
また、図1に示すように、例えば害虫防除器本体1の周壁12には吸気孔としての通気孔11bが設けられている。上記蓋体22の天壁22aには、排気孔としての通気孔11aが設けられている。これにより、上記図2に示す害虫防除器では、上記気流発生器23の吸い込みにより上記揮散性物質保持体40の揮散性物質揮散面41から揮散する揮散性物質(揮散性成分)を、上記通気孔11aから該害虫防除器本体1外部に排気するようになっている。
【0044】
揮散性物質保持体40は、上記受台21により、取り外し可能に支持されている。上記受台21は、図2に示すように、例えば、上記害虫防除器本体1の周壁12から該害虫防除器本体1の内部に向かって水平に張り出して設けられた張り出し部21aを有し、上記揮散性物質保持体40は、図2および図3に示すように、上記張り出し部21a上に載置されるようになっている。
【0045】
上記揮散性物質保持体40は、図2に示すように、例えば、揮散性物質保持材42を、上枠43および下枠44からなる一対の揮散性物質保持材固定部材で挟持した構成を有している。
【0046】
また、上記揮散性物質保持体40は、図3および図4(a)・図4(b)に示すように、殺虫成分あるいは害虫忌避成分等の害虫防除成分を保持する害虫防除成分保持体45(害虫防除成分保持部)と、前記インジケータ部2から供給される液体5(図1および図2参照)を保持する液体保持体46(液体保持部)とからなっている。
【0047】
図4(a)・図4(b)に、上記揮散性物質保持体40の構成をより詳細に示す。図4(a)は、上記揮散性物質保持体40を構成する害虫防除成分保持体45および液体保持体46の構成を示す平面図であり、図4(b)は、上記害虫防除成分保持体45および液体保持体46を支持する揮散性物質保持体支持枠47の構成を示す平面図である。
【0048】
上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とは、互いに独立して設けられ、上記害虫防除成分保持体45における揮散性物質保持材42である害虫防除成分保持材45aと、上記液体保持体46における揮散性物質保持材42である液体保持材46aとは、互いに接触しないようになっている。つまり、上記害虫防除成分保持体45の揮散性物質揮散面41である害虫防除成分揮散面45b(第1の揮散面)と、上記液体保持体46の揮散性物質揮散面41である液体揮散面46b(第2の揮散面)とは、互いに接触しないようになっている。
【0049】
上記害虫防除成分保持材45aと液体保持材46aとは、上記図4(a)に示すように、例えば、各々別個に、揮散性物質保持材固定部材、例えば前記上枠43および下枠44で挟持した構成を有している。
【0050】
上記上枠43および下枠44の材料としては、上記害虫防除成分保持材45a・液体保持材46aの形状維持が可能でかつ上記害虫防除成分保持材45a・液体保持材46aにて保持される害虫防除成分や液体5(図1および図2参照)により変質しない材料であれば、特に限定されるものではない。上記上枠43および下枠44には、例えばプラスチック等が用いられる。なお、上記害虫防除成分保持材45aと液体保持材46aとは、各々、保持する害虫防除成分や液体5の種類に応じた、異なる材質の揮散性物質保持材固定部材により固定されていても構わない。
【0051】
上記害虫防除成分保持材45aと液体保持材46aとは、図4(a)に示すように各々上枠43および下枠44で挟持した状態で、例えば図4(b)に二点鎖線にて示すように揮散性物質保持体支持枠47上に載置して用いられ、該揮散性物質保持体支持枠47ごと、上記受台21の張り出し部21aに載置して用いられる。
【0052】
上記揮散性物質保持体支持枠47は、害虫防除成分揮散面45bの形状に合わせた孔47aと、液体揮散面46bの形状に合わせた孔47bとを有し、これにより、害虫防除成分揮散面45bと液体揮散面46bとに通風可能になっている。また、上記揮散性物質保持体支持枠47における上記孔47aと孔47bとを分かつ境界部分には、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とを非接触状態にて分離する仕切り板(仕切り)としての突出部49(分離帯)が、上記揮散性物質揮散面41に対して垂直に立設されて設けられている。なお、図4(b)では、上記突出部49が、上記境界部分にのみ設けられている構成について図示しているが、上記突出部49は、上記揮散性物質保持体支持枠47の端部まで延長して設けられている構成を有していてもよい。
【0053】
なお、上記揮散性物質保持体40の構成としては、これに限定されるものではなく、図5に示すように、害虫防除成分保持材45aを挟持する下枠44を水平に突出させるか、あるいは、該下枠44下部から水平に突出する突出部44aを設けることで、液体保持体46を支持する構成としてもよい。また、上記害虫防除成分保持体45に液体保持体46を係合あるいは嵌合させる構成としてもよい。この場合、上記上枠43が、害虫防除成分揮散面45bと液体揮散面46bとを互いに非接触に2つに分割する仕切り部(分離帯)として機能する。
【0054】
さらに、揮散性物質保持体支持枠47を使用する代わりに、受台21の張り出し部21aが、上記揮散性物質保持体支持枠47と同様の形状を有する構成としてもよい。
【0055】
さらに、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とは、必ずしも上述したような揮散性物質保持材固定部材を必要とせず、害虫防除成分保持材45aおよび液体保持材46aを、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46として使用することができる。
【0056】
上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とは、気流発生器23の駆動により発生する気流により移動しないように固定することができさえすれば、前記揮散性物質保持体支持枠47上に直接、上記害虫防除成分保持材45aおよび液体保持材46aを載置しても構わない。
【0057】
また、上記害虫防除成分保持材45a、液体保持材46aを異なる素材により形成する場合、その何れか一方のみが上記揮散性物質保持材固定部材で固定されている構成としてもよい。
【0058】
さらに、上記害虫防除成分保持材45aや液体保持材46aを、上述した上枠43および下枠44で挟む場合、上枠43と下枠44とは、図4(a)に二点鎖線で示すように、螺子48等により螺合されていてもよく、また、咬合あるいは接合されていてもよい。
【0059】
また、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とが、上記害虫防除成分保持材45aおよび液体保持材46aと、これら害虫防除成分保持材45aおよび液体保持材46a上にウェイトとして載置される、害虫防除成分揮散面45bおよび液体揮散面46bの形状に合わせた孔を有する上枠とからなる構成としてもよい。
【0060】
さらに、上記害虫防除成分で固形のものまたは後述の害虫防除成分含有のコンポジション(composition) のうちの固体のもの若しくは該コンポジションを固化したものを使用し、図2に示すように気流発生器23における回転翼23aが上記揮散性物質保持体40の上方(排気孔としての通気孔11a側)に設けられ、該気流発生器23の吸い込みにより害虫防除成分揮散面45bから揮散する害虫防除成分を上記通気孔11aから該害虫防除器本体1外部に排気する場合、あるいは、自然蒸散(揮散)型の害虫防除成分を使用する場合のように上記気流発生器23を必要としない場合等、害虫防除成分保持体45に対し風を貫通(通風)させる必要がない場合には、上記揮散性物質保持体40としては、互いに非接触に設けられた、大気中への揮散成分の揮散が可能な2つの揮散面を有し、害虫防除成分と液体5とが各々保持可能に設けられてさえいれば、必ずしも通風可能な構成を有している必要はない。このような構成としては、害虫防除成分保持部(害虫防除成分保持体45)と液体保持部(液体保持体46)との間に仕切りが設けられ、害虫防除成分保持部と液体保持部とが共に、あるいは害虫防除成分保持部のみが、上部が開放されたトレーからなる構成とすることができる。
【0061】
上記害虫防除成分保持体45としては、このように、害虫防除成分を大気中に揮散可能に保持することができるものであればよいが、終点管理が容易でかつ途中中断可能な構成として、上記害虫防除成分保持体45が、該害虫防除成分保持体45を通過する気流により、害虫防除成分を適度に揮散させ得るものであることが好ましい。
【0062】
このため、上記害虫防除成分保持体45に用いられる害虫防除成分保持材45aとしては、該害虫防除成分保持材45aを通過する気流により、害虫防除成分を適度に揮散させ得るものであることが好ましい。
【0063】
上記害虫防除成分保持体45に用いられる害虫防除成分保持材45aの具体例としては、例えば、紙、不織布、布、スポンジ、パルプ、樹脂フィルム、セラミック、多孔質樹脂(発泡ポリプロピレン、発泡ウレタン等)、合成繊維(ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等)、天然繊維(羊毛、絹、綿、麻等)、無機繊維(グラスファイバー等)、無機質成型物およびこれらの成型品等などが挙げられるが、特に限定されるものではない。また、シート状担体を、必要に応じて、適宜、折り畳んだり、その一部分を貼り合わせたり、ハニカム状に加工したり、あるいは、その表面に凹凸を設けたりするなどして、担体の体積に対する表面積の拡大を図ることもできる。
【0064】
上記害虫防除成分保持材45aは、害虫防除成分揮散面45bを構成するために、体積当たりの表面積が大きいことが好ましい。また、上記害虫防除成分保持材45aは、通気性が大きいことが好ましい。このため、上記害虫防除成分保持材45aとしては、例えば、ネット状、ハニカム状の素材が好適に用いられる。また、シート状等の素材を、必要に応じて、適宜、折り畳んだり、その一部分を貼り合わせたり、あるいは、その表面に凹凸を設けたりするなどして、担体の体積、つまり、保持(担持)する害虫防除成分に対する表面積の拡大を図ることが好ましい。また、例えば、ネット状もしくはハニカム状の素材を積み重ねたり、必要に応じて、適宜、折り畳んだり、その一部分を貼り合わせたりして、液体保持材46aの体積に対する表面積の拡大を図ることも好ましい。
【0065】
上記害虫防除成分保持体45(害虫防除成分保持材45a)は、その害虫防除成分揮散面45bに、予め害虫防除成分が保持された状態で用いられる。
【0066】
本発明において用いられる害虫防除成分としては、害虫防除活性を有し、常温で揮散し得る化合物であれば、特に限定されるものではないが、害虫防除活性、揮散性の観点から、ピレスロイド系化合物が好ましい。
【0067】
ピレスロイド系化合物とは、天然のピレトリンあるいは合成ピレスロイドからなる殺虫剤である。
【0068】
本発明において用いられるピレスロイド系化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、2−メチル−3−アリル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2−メチル−3−プロパルギル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、5−プロパルギル−2−フルフリル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、5−プロパルギル−2−フルフリル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン−1−カルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル 3−メトキシイミノメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−シクロペント−2−エニル3−(2,2−ジクロロビニル)−2、2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2−メチル−3−アリル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート、天然ピレトリン等が挙げられる。上記化合物は、一種類のみを用いてもよく、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0069】
さらに、その害虫防除活性、揮散性の観点から、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロルエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく、その害虫防除活性、揮散性の観点から、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートからなる群より選ばれる少なくとも一種がより好ましい。
【0070】
上記2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートおよび2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートは、害虫防除活性成分として、特開2000−63329号公報に記載の化合物であり、該公報に記載の方法に準じて製造することができる。
【0071】
上記害虫防除成分保持体45に上記害虫防除成分を保持させる方法としては、上記害虫防除成分保持材45aに、上記害虫防除成分、または、上記害虫防除成分および溶剤、色素、共力剤、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含有する害虫防除成分含有のコンポジション(composition) を、含浸、塗布、印刷、混練する方法の他、上記害虫防除成分または害虫防除成分含有のコンポジションを固化、成形する方法等、種々の方法を採用することができる。
【0072】
上記害虫防除成分保持体45に保持される害虫防除成分の量は、その用途、使用状況、使用期間等により変化し得るが、一般的には、0.001g以上、10g以下、好ましくは0.01以上、5g以下、より好ましくは0.1g以上、1g以下である。
【0073】
上記フェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクダデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシル−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシル−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシル−1’−イル)フェノールおよびそれらの混合物等のアルキル化モノフェノール;
2,4−ジオクチルチオメチル−6−t−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノールおよびそれらの混合物等のアルキルチオメチルフェノール;
2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル ステアレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル) アジペートおよびそれらの混合物等のヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン;
α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびそれらの混合物等のトコフェロール;
2,2’−チオビス(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−t−アミルフェノール)、4,4’−(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド等のヒドロキシル化チオジフェニルエーテル;
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−イソブチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−t−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]フェニル アクリレートおよびそれらの混合物等のアルキリデンビスフェノールおよびその誘導体;
3,5,3’,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテートおよびそれらの混合物等のO−ベンジル誘導体、N−ベンジル誘導体およびS−ベンジル誘導体;
ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネートおよびそれらの混合物等のヒドロキシベンジル化マロネート誘導体;
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノールおよびそれらの混合物等の芳香族ヒドロキシベンジル誘導体;
2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−n−オクチルチオ−4,6−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−n−オクチルチオ−4,6−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−フェノキシ)−1,3,5−トリアジン、トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレートおよびそれらの混合物等のトリアジン誘導体;
ジメチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエステルのカルシウム塩およびそれらの混合物等のベンジルホスホネート誘導体;
4−ヒドロキシラウリル酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、オクチル−N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバネートおよびそれらの混合物等のアシルアミノフェノール誘導体;
β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタンおよびそれらの混合物等の一価アルコールまたは多価アルコールとのエステル;
β−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタンおよびそれらの混合物等の一価アルコールまたは多価アルコールとのエステル;
β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタンおよびそれらの混合物等の一価アルコールまたは多価アルコールとのエステル;
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタンおよびそれらの混合物等の一価アルコールまたは多価アルコールとのエステル;
N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]トリメチレンジアミンおよびそれらの混合物等のβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらフェノール系酸化防止剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を適宜混合して用いてもよい。
【0074】
また、上記イオウ系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ジラウリル 3,3’−チオジプロピオネート、トリデシル 3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル 3,3’−チオジプロピオネート、ラウリル ステアリル 3,3’−チオジプロピオネート、ネオペンタンテトライルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらイオウ系酸化防止剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を適宜混合して用いてもよい。
【0075】
上記リン系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリル ペンタエリスリトール ジホスファイト、ジイソデシル ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ジフェニレンジホスホナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシル ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フルオロ ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル) エチル ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル) メチル ホスファイト、2−(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)−5−エチル−5−ブチル−1,3,2−オキサホスホリナン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチル−トリス(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル) ホスファイト]およびそれらの混合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらリン系酸化防止剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を適宜混合して用いてもよい。
【0076】
また、上記紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、フェニル サリシレート、4−t−ブチルフェニル サリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−オクチルフェニル サリシレート、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、ヘシサデシル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートおよびそれらの混合物等のサリシレート誘導体;
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンおよびそれらの混合物等の2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体;
2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−s−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾールの混合物、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2,2’−メチレンビス[4−t−ブチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、ポリ(3〜11)(エチレングリコール)と2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾールとの縮合物、ポリ(3〜11)(エチレングリコール)とメチル 3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとの縮合物、2−エチルヘキシル 3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、オクチル 3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、メチル 3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸およびそれらの混合物等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら紫外線吸収剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を適宜混合して用いてもよい。
【0077】
さらに、上記光安定剤としては、具体的には、例えば、エチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル α−カルボメトキシシンナメート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチル α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメートおよびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリンおよびそれらの混合物等のアクリレート系光安定剤;
2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、ケトキシムのニッケル錯体およびそれらの混合物等のニッケル系光安定剤;
4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルアニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルアニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エトキシアニリド、2−エトキシ−5,4’−ジ−t−ブチル−2’−エチルオキサニリドおよびそれらの混合物等のオキサミド系光安定剤;
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよびそれらの混合物等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン系光安定剤;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0078】
また、上記液体保持体46としては、上述したように、インジケータ部2から該液体保持体46に供給される液体5を大気中に揮散可能に保持することができるものであればよいが、終点管理が容易でかつ途中中断可能な構成として、上記インジケータ部2から該液体保持体46に供給される液体5を吸液できるものであることが好ましく、また、該液体保持体46を通過する気流により、該液体保持体46に保持されている液体5を適度に揮散させ得るものであることが好ましい。
【0079】
このため、上記液体保持体46に用いられる液体保持材46aとしては、上記インジケータ部2から該液体保持体46に供給される液体5を吸液でき、該液体保持材46aを通過する気流により、該液体保持材46aに保持されている液体を適度に揮散させ得るものであることが好ましい。
【0080】
上記液体保持体46に用いられる液体保持材46aの具体例としては、例えば、フェルト、木綿、布、パルプ、紙、多孔質樹脂(発泡ポリプロピレン、発泡ウレタン等)、不織布、石綿、多孔質セラミック、合成繊維(ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等)、天然繊維(羊毛、絹、綿、麻等)、無機繊維(グラスファイバー等)、無機質成型物、およびこれらの成型品等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0081】
上記液体保持材46aは、液体揮散面46bを構成するために、体積当たりの表面積が大きいことが好ましい。また、上記液体保持材46aは、通気性が大きいことが好ましい。このため、上記液体保持材46aとしては、例えば、ネット状もしくはハニカム状の素材を用いることが好ましい。さらに、ネット状もしくはハニカム状の素材を積み重ねたり、必要に応じて、適宜、折り畳んだり、その一部分を貼り合わせたりして、該液体保持材46aの体積に対する表面積の拡大を図ることもできる。
【0082】
また、上記液体保持体46には、インジケータ部2に延びる突出部46dが設けられ、上記液体保持材46aは、この突出部46dを形成するように設けられている。上記図3および図4(a)に示す液体保持体46においては、揮散性物質保持材固定部材としての上枠43および下枠44の形状に合わせて液体保持材46aが、上記突出部46dにも張架された構成を有している。このように上記液体保持体46に突出部46dが設けられている場合、前記揮散性物質保持体47には、図4(b)に二点鎖線で示すように、上記突出部46dを支持する支持部が設けられていてもよい。なお、該支持部が上記突出部46dにおける液体保持材46aへの液体5の供給を妨げない構成を有していることは言うまでもない。
【0083】
また、上記インジケータ部2は、図1および図2に示すように、上記揮散性物質保持体40における液体保持体46に供給する液体5を収容するためのボトル3(液体収容手段、液体収容容器)と、該ボトル3に収容されている液体5を上記液体保持体46に供給する液体供給手段(液体供給機構)としての中芯4とを備えている。
【0084】
上記インジケータ部2は、該中芯4を、該中芯4の一部がボトル3の上部に設けられた開口部3aから突出するように上記ボトル3内に垂下し、該中芯4を上記液体保持体46の突出部46dにおける液体保持材46aに接触させることにより、該中芯4を通じて上記ボトル3に収容されている液体5を上記揮散性物質保持体40に連続的に供給することで、上記ボトル3内に収容されている液体5の残量をもって、上記害虫防除器本体1のチャンバ20内に収容されている揮散性物質保持体40における害虫防除成分保持体45に保持されている害虫防除成分(活性成分)の残量を表示するようになっている。
【0085】
主には、上記害虫防除成分とその害虫防除成分量との組み合わせ、並びに、上記ボトル3に収容される液体5とその使用量との組み合わせのうち少なくとも一方の組み合わせに応じて、上記害虫防除成分とその害虫防除成分量、上記ボトル3に収容される液体5とその使用量、上記害虫防除成分保持体45の害虫防除成分揮散面45bと液体保持体46の液体揮散面46bとの表面積の比率、上記害虫防除成分保持体45の材質、上記液体保持体46の材質の組み合わせが設定(決定)されている。
【0086】
該設定は、例えば、上記害虫防除成分の種類とその害虫防除成分量、上記ボトル3に収容される液体5の種類とその使用量、上記害虫防除成分保持体45の害虫防除成分揮散面45bと液体保持体46の液体揮散面46bとの表面積の比率、上記害虫防除成分保持体45の材質、上記液体保持体46の材質を変動要素とし、これら変動要素を適宜調節することにより行われる。
【0087】
また、上記害虫防除成分保持体45の害虫防除成分揮散面45bと液体保持体46の液体揮散面46bとは、共に、害虫防除器本体1のチャンバ20内に収容され、同じ空間内にて、同一の気流発生器23で作られる気流の影響を受ける。つまり、上記害虫防除成分保持体45の害虫防除成分揮散面45bと液体保持体46の液体揮散面46bとは、同じ揮散環境下に置かれている。
【0088】
このため、インジケータ機能を担う上記ボトル3内に収容されている液体5の揮散と上記揮散性物質保持体40における害虫防除成分保持体45に保持されている害虫防除成分の揮散とは互いに相関関係を有している。そこで、上記ボトル3に収容された液体5を上記揮散性物質保持体40における液体保持体46に供給することで、上記害虫防除成分保持体45に保持されている害虫防除成分の残量(減少)を目視により把握することが可能である。
【0089】
上記インジケータ部2において用いられるボトル3は、液体5を収納する空間を備え、収容する液体5が一定期間、例えば一年以上漏れ出さないものであればよく、特に限定されないが、好ましくは、液量が外観から把握できる透明あるいは半透明の材質からなることが好ましい。これにより、上記ボトル3をインジケータ(インジケータ手段)として利用することができるので、上記害虫防除器を安価に製造することができると共に、該ボトル3内の液体5の残量、ひいては、害虫防除成分保持体45に保持されている害虫防除成分の残量の確認を、極めて容易に行なうことができる。
【0090】
このような材質としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体またはこれらの複合材料等の合成樹脂、ガラス等が用いられるが、特に限定されるものではない。
【0091】
また、上記ボトル3には、中芯4を固定すると共に、ボトル3内の液体5が揮散しないようにボトル3の開口部3aを塞ぐ芯押さえ6が設けられている。
【0092】
上記中芯4としては、上記ボトル3に収容されている液体5を吸液し、上記液体保持体46の液体揮散面46bに供給することができるものであれば、その材質は特に限定されるものではない。
【0093】
上記中芯4の具体例としては、例えば、フェルト;木綿;布;パルプ;紙;発泡ポリプロピレンや発泡ウレタン等の多孔質樹脂;不織布;石綿;多孔質セラミック;合成繊維ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成繊維;羊毛、絹、綿、麻等の天然繊維;グラスファイバー等の無機繊維;無機質成型物;およびこれらの成型品等の吸液体が挙げられる。
【0094】
本発明において用いられる上記液体5としては、その一部、好ましくは全部が常温で揮散し得る液体であれば、特に限定されるものではなく、インジケータとしての機能のみを付与する場合には、例えば、水、炭化水素、エステル、アルコール等の溶剤およびその混合溶液等が用いられる。
【0095】
また、上記液体5は、必要に応じて、上記害虫防除成分と同一または異なる害虫防除成分、植物精油等に含まれる香気・抗菌・害虫忌避成分,ディート等の合成害虫忌避剤、香料、色素、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等の安定化剤、紫外線吸収剤、界面活性剤等の薬剤を含有していてもよい。
【0096】
また、上記ボトル3を透明もしくは半透明の材質にて形成することにより上記液体5の残量を直接目視確認する場合、上記液体5に、該液体5に溶解する色素等を含有させておいても構わない。
【0097】
上記液体5に、必要に応じて上述した各種成分を含有させることにより、上記インジケータ部2に、インジケータとしての機能と、薬剤保持部としての2つの機能を持たせることができ、前記害虫防除成分よりも高揮散性(高揮発性)または低揮散性(低揮発性)の薬剤あるいは固体の薬剤であっても、前記害虫防除剤との複合化を図ることができる。
【0098】
この結果、予め香料等の低沸点の薬剤を害虫防除剤と共に含浸させておいた場合、その沸点の違いから、害虫防除剤の失効前に薬剤が全て揮散してしまうという問題点をも克服し、前記害虫防除成分と上記薬剤との薬効切れの時間を容易かつ正確に合わせることができる。このため、上記害虫防除器に、消臭作用や抗菌作用、芳香作用等、ユーザのニーズに合わせた種々の複合機能を付与することができ、また、その活性成分の失効までの有効期間も、任意に設定することができる。
【0099】
上記液体に含有される薬剤としては、上記害虫防除成分保持体45に保持されている害虫防除成分より揮散性の高い薬剤を使用することが効率的であるが、前記したように上記害虫防除成分の種類とその害虫防除成分量、上記ボトル3に収容される液体5の種類とその使用量、上記害虫防除成分保持体45の害虫防除成分揮散面45bと液体保持体46の液体揮散面46bとの表面積の比率、上記害虫防除成分保持体45の材質、上記液体保持体46の材質等を適宜変更することにより、上記害虫防除成分保持体45に保持されている害虫防除成分より低揮散性(低揮発性)の薬剤を使用することもできる。
【0100】
上記ボトル3内に収容される液体5の液量は任意に設定することができるが、望ましくは、上記害虫防除成分保持体45に保持されている害虫防除成分の害虫防除効果が有効でなくなった時点、つまり、薬効切れとなった時点で、もしくは、薬効切れとなる直前に、上記ボトル3内の液体が消失するかあるいは極少量になっていることが好ましく、薬効切れとなった時点で上記ボトル3内の液体が消失するかあるいは極少量になっていることがより好ましい。
【0101】
上記害虫防除器を使用すれば、上記ボトル3内に収容される液体5の揮散量と上記害虫防除成分の揮散量とが関連するように設定することができ、終点管理並びに揮散量の制御が容易であることから、上記ボトル3内に収容される液体5の消失点と上記害虫防除成分の失効点とを任意に設定することができる。
【0102】
上記中芯4により吸液された上記の液体5は、図2、図3および図6に示すように該中芯4を上記液体保持体46の突出部46dにおける液体保持材46aに接触させることにより、該中芯4を通じて上記液体保持体46の液体揮散面46bに供給される。
【0103】
この場合、上記中芯4に軟性の素材を使用する場合、上記中芯4を上記液体保持材46aに適度にねじ込み、歪まないように、図6に示すように、上記中芯4の周囲、例えば、芯押さえ6に、ストッパー機構としてリブ7(突起部)を形成し、該リブ7を上記液体保持体46の下枠44に当接させることにより上記液体保持体46を支持することが望ましい。上記ボトル3には、上記液体保持体46を中芯4との接触部に導くと共に上記液体保持体46を上記中芯4が上記液体保持材46aに当接するように支持する支持壁8および上記液体保持体46を定位置に支持するストッパー機構としての固定壁9が設けられている。
【0104】
また、上記中芯4を上記液体保持材46aに接触させる際には、上記液体保持体46における上記液体保持材46aと中芯4との接触部上に、押さえゴム10を載置することにより、上記接触部を固定するようになっている。
【0105】
なお、上記接触部を固定する方法としては、上記押さえゴム10の載置に限定されるものではない。
【0106】
また、図2に示す害虫防除器では、上記ボトル3を害虫防除器本体1に隣接して設け、該ボトル3内の液体を、上記液体保持体46に設けられた突出部46dに接触させることにより上記液体保持体46の液体揮散面46bに供給する構成としたが、上記ボトル3内の液体の供給方法は、これに限定されるものではない。例えば図7(a)に示すように、液体保持体46を、揮散性物質保持体40の中央に形成し、該液体保持体46の裏面側に、ボトル3を配置し、該液体保持体46における液体保持材46aの裏面側に中芯4を接触させる構成としてもよい。上記ボトル3を害虫防除器本体1に隣接して設けることにより、害虫防除器の高さを抑えることができる。一方、上記ボトル3を液体保持体46の裏面側に設けることにより、害虫防除器の幅を小さくしてスリム化を図ることができる。上記ボトル3の位置は、使用用途や使用環境等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0107】
また、上記揮散性物質保持体40の形状も特に限定されるものではなく、前記図4(a)、図7(a)に示すように円形状を有していてもよく、図7(b)に示すように四角形状を有していてもよい。また、上記揮散性物質保持体40における液体保持体46の形状も特に限定されるものではなく、図4(a)に示すように三角形状でもよく、図7(b)に示すように四角形状でもよく、図7(a)・図7(c)に示すように円形状でもよい。また、上記突出部46dは、ボトル3の位置に応じて設ければよく、上記揮散性物質保持体40における液体保持体46の位置も、ボトル3の位置に応じて、図4(a)並びに図7(b)・図7(c)に示すように上記揮散性物質保持体40端部に設けられていてもよく、図7(a)に示すように、上記揮散性物質保持体40の中央部に設けられていてもよく、これら揮散性物質保持体40、害虫防除成分保持体45、液体保持体46の形状やその配置は、特に限定されない。また、図4(a)、図5および図7(b)・図7(c)では、上記突出部46dにおける上記中芯4との接触部が膨らんでいる構成としたが、該突出部46dは、必ずしも上記中芯4との接触部が膨らんでいる必要はない。
【0108】
また、上記液体保持材46aへの上記液体5の液体供給機構(液体供給手段)としては、上記ボトル3内の液体を吸液する吸液体を上記中芯4として用いた吸液供給機構が、簡素かつ安価でしかも連続して一定の液体量を上記液体保持体46に供給することができることから好適に用いられるが、上記液体供給機構としては、これに限定されるものではなく、上記ボトル3内に収容されている液体5を上記液体保持体46の液体揮散面46bに供給することができさえすればよい。
【0109】
例えば、図8(a)・図8(b)に示すように、上記ボトル3が、開口部3aを下側にして保持され、上記液体供給機構が、ボトル3内に、例えば押圧により移動可能に収容され、ボトル3の開口部3aを塞ぐ蓋材としてのボール51と、上記ボール51を押し上げてボトル3の開口部3aを開口させる蓋材移動部材52と、上記蓋材移動部材52により開口された開口部3aから排出される液体5を吸液して上記液体保持材46aに該液体5を供給する吸液体53とを備えた構成としてもよい。
【0110】
この場合、図8(a)に示すように電源非投入時において上記開口部3aを塞ぐボール51を、図8(b)に示すように例えば電源投入に連動して上記蓋材移動部材52を駆動して押し込むことにより、上記開口部3aを塞いでいたボール51が持ち上がって、開口部3aとボール51との間に隙間ができる。そこで、この隙間から重力で下に流れ出る液体5を吸液体53により集め、該吸液体53を上記液体保持材46aに接触させることにより、上記液体保持材46aに、ボトル3内に収容されている液体5を供給することができる。この場合、上記液体5並びに害虫防除成分が、その揮散に気流発生器23を必要とする場合、上記電源投入に連動して上記蓋材移動部材52の駆動と気流発生器23の駆動とが同期して(例えば同時に)行われる。なお、上記開口部3aを塞ぐ蓋材としては、上記ボール51に限定されるものではない。例えば、上記蓋材移動部材52の駆動により弁が開閉する構成としてもよい。
【0111】
また、上記液体保持材46aへの上記液体5の液体供給機構(液体供給手段)としては、例えば、図9(a)・図9(b)に示すように、該液体供給機構が、上記ボトル3が、開口部3aを下にして保持され、上記液体供給機構が、ボトル3内に、例えば押圧により移動可能に収容され、ボトル3の開口部3aを塞ぐ蓋材としてのボール51と、上記ボトル3を、開口部3aを下側にして保持すると共に、上記ボトル3を、上記ボール51が上記液体保持材46aに押圧されるように下降させる、図示しない液体収容手段移動部材とを備えた構成としてもよい。
【0112】
この場合、図9(a)に示すように電源非投入時において上記開口部3aを塞ぐボール51の先端を、図9(b)に示すように例えば電源投入に連動して上記液体収容手段移動部材を駆動して上記ボトル3を駆動して上記液体保持材46aに押圧させることにより、該ボール51が僅かに浮き上がり、浮き上がったボール51と上記開口部3aとの間に生じた隙間から上記ボトル3内に収容された液体5が流れ出ることで、上記液体保持材46aに、ボトル3内に収容されている液体5を供給することができる。なお、この場合にも、上記液体5並びに害虫防除成分が、その揮散に気流発生器23を必要とする場合、上記電源投入に連動して上記液体収容手段移動部材の駆動と気流発生器23の駆動とが同期して行われる。
【0113】
また、上記ボトル3内の液体5の残量を確認する方法としては、上述したように、ボトル3を透明もしくは半透明の素材で形成することにより、ボトル3内の液体5の残量を直接目視確認する方法が最も簡素かつ安価で確実な方法であるが、その他の確認方法として、例えば図10(a)・図10(b)に示すように、上記ボトル3を、例えば湯沸かしポットのように、不透明な容器61と、該容器61に沿って立設されると共に、該容器61の底部に接続された、透明もしくは半透明のパイプ62(インジケータ)とが設けられた構成とし、該パイプ62の正面から見ると、該パイプ62内の液体5の残量が目視可能であり、これにより、ボトル3内の液体5の残量を目視確認する方法を用いてもよい。
【0114】
なお、上記ボトル3内に収容された液体5を液体保持体46に供給する液体供給手段としては、例えば、前記した中芯4を使用し、該中芯4の一部が上記容器61の上部に設けられた図示しない開口部から突出するように上記容器61内に垂下し、該中芯4を上記液体保持材46aに接触させる構成としてもよく、例えば図示しないポンプを用いて連続的に上記容器61から液体5を上記液体保持材46aに供給する構成としてもよい。
【0115】
また、その他の方法として、例えば自動車のガソリン残量を示すメータ等のように、上記ボトル3内の液体5の残量を計量し、メータにて該計量結果を示す図示しない計量・表示装置(インジケータ手段)を用いて上記ボトル3内の液体5の残量を目視確認可能とする方法を用いてもよい。
【0116】
さらに、上記ボトル3内に、図示しないセンサを設置し、液体5に浸漬した該センサが液体5の残量によって露出し、電気伝導度が変化することで、ランプを点灯あるいは段階的点灯表示もしくは点滅を行うような検知・表示機構(インジケータ手段)を設ける構成としてもよい。
【0117】
上記インジケータ手段としては、上記ボトル3内に収容する液体5の含有成分やその他の条件によって、適宜最適な方法を採用することができる。
【0118】
また、図2に示す害虫防除器では、揮散性物質保持体40の設置位置を、気流発生器23の排気側、つまり、上記害虫防除器本体1に設けられた排気孔としての通気孔11a側としたが、上記揮散性物質保持体40の設置位置と気流発生器23の設置位置との関係は、これに限定されるものではなく、図11に示すように、揮散性物質保持体40を、上記気流発生器23の吸気側に設置し、上記揮散性物質保持体40に向かって送風することにより、上記揮散性物質保持体40に風を吹きつけて通過させる構成としてもよい。
【0119】
また、図12に示すように、上記揮散性物質保持体40に対し、回転翼23aのみを上記気流発生器23の排気側に配置し、モータ23bは上記気流発生器23の吸気側に配置する構成としてもよい。逆に、図示はしないが、上記揮散性物質保持体40に対し、回転翼23aのみを上記気流発生器23の吸気側に配置し、モータ23bを上記気流発生器23の排気側に配置する構成としてもよい。
【0120】
つまり、上記気流発生器23の配置としては、上記揮散性物質保持体40に対し、回転翼23aもモータ23bも上記気流発生器23の排気側に配置するか、あるいは、回転翼23aのみを上記気流発生器23の排気側に配置し、モータ23bは上記気流発生器23の吸気側に配置することにより、上記揮散性物質保持体40から揮散される揮散成分を上記気流発生器23により吸い込んで排気するものであってもよく、上記揮散性物質保持体40に対し、回転翼23aもモータ23bも上記気流発生器23の吸気側に配置するか、あるいは、回転翼23aのみを上記気流発生器23の吸気側に配置し、モータ23bは上記気流発生器23の排気側に配置することにより、上記揮散性物質保持体40に風を吹き付けて該揮散性物質保持体40から揮散される揮散成分を排気するものであってもよい。
【0121】
上記揮散性物質保持体40に保持されている揮散性物質、すなわち、害虫防除成分や液体5の揮散効率の点からは、上記揮散性物質保持体40から揮散される揮散成分を上記気流発生器23により吸い込んで排気する、乱流を発生しない吸気型の配置を行うことがより好ましい。
【0122】
上記回転翼23aとモータ23bとを上記揮散性物質保持体40を挟んで対向する位置に設置する場合、上記揮散性物質保持体40の形状としては、例えば、図12に示すように、例えばその中央に支持軸23cが貫通する貫通孔40aを形成し、上記支持軸23cの上から上記揮散性物質保持体40を差し込み、その上に、回転翼23aを差し込むことができる形状とすればよい。また、上記揮散性物質保持体40に、図示しない切り込みを設け、該切り込みを上記支持軸23cに差し込むことができる形状としてもよい。上記揮散性物質保持体40は、上記貫通孔40aに上記支持軸23cを嵌合させるか、あるいは、上記支持軸23cに上記揮散性物質保持体40を係合させることで、任意の位置に設置することが可能である。
【0123】
また、上記揮散性物質保持体40は、上記図12に示すように、放射状に、複数の領域を形成し、その任意の複数の領域を害虫防除成分保持部(害虫防除成分保持体45)として使用し、残る任意の領域を、液体保持部(液体保持体46)として使用する構成としてもよい。
【0124】
本実施の形態において、上記気流発生器23によって発生される気流の速度、すなわち、上記揮散性物質保持体40を通過する気流の速度は、害虫防除成分保持体45に保持されている害虫防除成分が、十分な効果を発揮することができる量、揮散するのに十分な速度であれば特に限定されるものではないが、通常は、害虫防除成分の種類にもよるが、0.01m/s以上、10m/s以下の範囲内、好ましくは0.1m/s以上、10m/s以下の範囲内である。
【0125】
上記害虫防除成分や液体5の揮散量は、これら害虫防除成分や液体5の種類、害虫防除成分保持体45における害虫防除成分揮散面45bの面積や材質(すなわち、害虫防除成分保持材45aの材質)、液体保持体46における液体揮散面46bの面積や材質(すなわち、液体保持材46aの材質)、気流発生器23の風量等により、適宜コントロールすることが可能である。
【0126】
また、上記図2〜図5、図7(a)〜図7(c)、図11、図12においては、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とが同一平面に配置されている例を示したが、本実施の形態にかかる害虫防除器に使用される揮散性物質保持体40としては、2種類の揮散面を有し、一方の揮散面が上記害虫防除成分を保持可能に設けられ、他方の揮散面が、上記液体5を保持可能に設けられてさえいればよく、図13に示すように、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とが、例えば上下に分離して設けられている構成としてもよい。
【0127】
この場合、風下に上記液体保持体46を配置すると、害虫防除成分保持体45に保持されている害虫防除成分がチャンバ20から外部に揮散、排気され難いことから、風上、すなわち、気流発生器23設置側に液体保持体46を配置し、風下、すなわち、排気孔となる通気孔11a側に、上記害虫防除成分保持体45を配置することが望ましい。
【0128】
図13に示す害虫防除器では、上記液体保持体46が受台21の張り出し部21a上に配置され、害虫防除成分保持体45が、蓋体22に設けられた支持枠22b上に、各々独立して配置された構成について示したが、上記害虫防除成分保持体45および液体保持体46の支持機構としては、上記構成に限定されるものではなく、例えば、上記液体保持体46と害虫防除成分保持体45とが、支柱等の支持機構を用いて、互いの揮散面同士、つまり、液体揮散面46bと害虫防除成分揮散面45bとが接触しないように接続(一体化)されて支持されている構成としてもよい。
【0129】
また、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とを、互いに分離して配置する場合、図14に示すように、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46との間に、気流発生器23を配置する構成としてもよい。
【0130】
この場合にも、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とは、同じタイミングで気流発生器23の気流を受けるため、互いに相関関係が生じる。このため、この場合にも、前記した各種条件を調節することにより、上記害虫防除成分および液体5の終点(消失)管理、制御を行うことができ、上記害虫防除成分保持体45に保持されている害虫防除成分の残量(減少)を、上記液体5の残量にて目視確認することが可能である。
【0131】
また、上記図2並びに図11〜図14では、同一のチャンバ20内に害虫防除成分保持体45と液体保持体46とを収容すると共に、該チャンバ20内に、該チャンバ20内において気流を発生させる気流発生器23を設けた構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とを各々別々のチャンバ内に収容し、上記害虫防除成分保持体45に対する通風と上記液体保持体46に対する通風とを同じタイミングで行う構成としてもよい。すなわち、上記害虫防除成分保持体45を収容するチャンバと上記液体保持体46を収容するチャンバ内に各々別々に気流発生器を設置し、これら気流発生器の駆動を同期させる構成としてもよい。この場合にも、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とは、同時に気流発生器23の気流を受けるため、互いに相関関係が生じる。上記構成を採用すれば、気流発生器を駆動するモータへの負担を軽減し、長期使用型の害虫防除器を提供することができる。
【0132】
但し、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46との相関性を高めるためには、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とは、同一のチャンバ20内に収容されると共に、上記気流発生器23から等距離に形成されることが好ましく、このためには、上記害虫防除成分保持体45と液体保持体46とが同一平面内に形成されていることがより好ましい。また、上記の構成とすることで、安価かつ簡素な構成とすることができる。
【0133】
また、本実施の形態では、例えば図2に示すように、上記揮散性物質保持体40が、その揮散性物質揮散面41が水平になるように配置されている構成について図示したが、上記揮散性物質保持体40の配置は、これに限定されるものではなく、上記揮散性物質保持体40が、その揮散性物質揮散面41が、重力方向に対して平行、すなわち、例えば、上記揮散性物質揮散面41が、上記害虫防除器本体1の周壁12に平行に配置されている構成としてもよい。
【0134】
また、害虫防除成分保持体45は、図14に示すように、蓋体22の天壁22aの内壁と例えば前記した支持枠22bとで支持される構成としてもよく、この場合、上記害虫防除成分保持体45は、前記したような揮散性物質保持材固定部材(上枠43、下枠44)を必ずしも必要としない。なお、図14では、害虫防除成分保持体45のみが上記蓋体22に設けられた構成としたが、例えば図14において、揮散性物質保持体40全体が、蓋体22に設けられた構成としてもよい。
【0135】
また、本実施の形態では、上記害虫防除器の気流発生器23が電池31により駆動される構成について説明したが、上記電池収容部30として用いられる空間に、電池31の代わりに、コード類を収容し、商用電源を用いて気流発生器23等を駆動する構成としても構わない。なお、電池31を用いることにより、設置場所の制約を受けることがなく、また、小型化することで携帯させることも可能であり、利便性を向上させることができる。また、電池収容部30は、図2等に示されるようにチャンバ20の下に設ける必要は必ずしもなく、その設置位置は、任意に設定することができる。
【0136】
また、図1に示す害虫防除器では、排気孔となる通気孔11aの形状を格子状とし、通気孔11bをスリット状としたが、これら通気孔11a・11bの形状はこれに限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。
【0137】
本実施の形態にかかる上記害虫防除器により防除し得る代表的な害虫としては、具体的には、例えば、各種の有害昆虫、ダニ類等の節足動物等を挙げることができ、特に飛翔性害虫、例えばアカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ノミバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ヌカカ類等の双し目害虫が挙げられる。
【0138】
本実施の形態によれば、上記各害虫防除器を使用することにより、優れた害虫防除効果が得られるとともに、害虫防除成分の減少および終点を確実に確認することができる。
【0139】
なお、上記害虫防除器は、上記揮散性物質保持体40に保持されている害虫防除成分の薬効切れに際し、揮散性物質保持手段としての上記揮散性物質保持体40あるいは揮散性物質保持材42を交換することにより、再使用可能な構成とすることができる。
【0140】
この場合、例えば、均一規格の揮散性物質保持体を使用し、上記揮散性物質保持体40に保持される害虫防除成分の種類並びに上記揮散性物質保持体40における害虫防除成分揮散面45bと液体揮散面46bとの比率に応じて、上記ボトル3内に収容される液体5の液量を、該液体5の成分(沸点、揮散性(揮発性)等)に基づいて液体5の成分毎に各々設定することにより、均一規格の揮散性物質保持体を使用し、消耗品としての揮散性物質保持体やそれに保持される揮散性物質、および、液体供給手段(例えば前記中芯4)、液体5が収容されたボトル3あるいは上記液体5等を交換すれば、例えば消耗品の交換の度に、該交換に伴って、例えば別の香気成分が配合された液体が収容されたボトル3を購入者がその都度インジケータとして任意に選択することができる等、種々の使用方法、使用用途があり、しかも、消耗品を交換しても正確なインジケータ機能を有する害虫防除器およびそれに用いる揮散性物質保持体を提供することができる。
【0141】
以下に、上記ボトル3内に収容される液体5の液体量を決定する方法の一例を説明するが、上記液体量を決定する方法は、以下に示す方法に限定されるものではない。
【0142】
例えば、まず最初に、ボトル3に印をつける等の方法により、ボトル3内の液面の高さを把握する。次に本実施の形態にかかる上記害虫防除器を駆動し、経時的に害虫防除活性試験または害虫防除成分の単位時間当たりの揮散量測定試験を行う。そして、害虫防除活性または害虫防除成分の単位時間当たりの揮散量が目標とする値よりも低下した時点の、上記ボトル3内の液面の高さを把握し、最初の液面の高さ、すなわち、上記害虫防除器駆動前のボトル3内の液面の高さと、害虫防除活性または害虫防除成分の単位時間当たりの揮散量低下時の液面の高さとから、消費された液体量を計算し、この計算された液量を、上記害虫防除活性試験または害虫防除成分の単位時間当たりの揮散量測定試験に供した液体5の液体量とする。該方法によれば、上記ボトル3内に収容される液体5の液体量を変動値(変数)として終点制御を行うことができる。
【0143】
以下、実施例により、上記液体量を決定する方法についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0144】
先ず、図3に示すような揮散性物質保持体の害虫防除成分保持材45a(直径5.5cm、厚さ0.2cmのナイロン(商標;ポリアミド系合成高分子化合物)製メッシュ、株式会社サンワ福岡製)に、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート200mgを塗布して均一に含有させ、試験用の揮散性物質保持体40を作製した。なお、液体保持材46aにも上記害虫防除成分保持材45aと同じナイロン製メッシュを使用した。上記害虫防除成分保持材45aに対する液体保持材46aの表面積の比率は1/5とした。
【0145】
さらに、図1および図2に示すようなボトル3(高さ5.5cm、直径2.5cmのガラス製)内に、液体5として、テトラデカン/ペンタデカン=6/4からなる溶液15mlを入れ、上記試験用の揮散性物質保持体40とともに、図14と同様の害虫防除器本体1に設置し、試験用害虫防除器を作製した。ただし、図14に示す害虫防除器とは異なり、電池31は使用せずに、交流電源からとった電流を直流に変換して使用した。
【0146】
中芯4としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなるフェルト(長さ7.5cm、直径3mm)を使用し、上記試験用害虫防除器のファン(気流発生器23)を駆動させ、経時的に、害虫防除活性、並びに、ボトル3中の底面からの液面の高さを測定した。
【0147】
上記害虫防除活性の確認試験は、以下のように実施した。
【0148】
先ず、高さ12cm、内径4cmのガラス管にアカイエカ(Culex pipiens pallens) 雌成虫10匹を入れ、両端を16メッシュのナイロン(商標;ポリアミド系合成高分子化合物)製のネットで閉じたものを2本準備した。
【0149】
次に、高さ80cm、直径20cmの試験用シリンダーの上部に、直径方向、中心部分に巾7.8cmの金属製の、上記ガラス管用の台座を渡した。この台座には、シリンダーの中心より4cmの位置に、ガラス管の内径と同じ直径4cmの穴が対称に2個開いている。この台座にアカイエカ雌成虫を入れた上記ガラス管を置き、試験用シリンダーの下からの気流がガラス管内を通り抜ける状態とした。直径20cm、高さ30cmの観察用の透明樹脂製円筒を試験用シリンダーの上部に、両者の外径が重なるように設置した。
【0150】
上記試験用シリンダーの底部に駆動中の上記害虫防除器を設置し、経過時間毎に、ノックダウンしたアカイエカ雌成虫数をカウントし、供試したアカイエカ雌成虫の50%がノックダウンする時間(KT50値)を求めた。上記ガラス管を取り除き、さらに、ファンの駆動を計測した。最初に発動を開始した時点から500時間後、600時間後、700時間後、および800時間後に新たなアカイエカを用いて同様の試験を行った。この結果を表1に示す。
【0151】
【表1】
Figure 0004796723
【0152】
表1の結果より、試験用害虫防除器の効力は駆動開始後700〜800時間で切れることがわかる。また、駆動開始後700時間までに揮散したボトル3内のテトラデカン/ペンタデカン=6/4からなる溶液の量は、液面の高さより以下の式により求められる。
【0153】
(3.2−1.6)/3.2×15=7.5〔ml〕
よって、予めボトル3内に入れるテトラデカン/ペンタデカン=6/4からなる溶液の量を7.5mlとしておけば、試験用害虫防除器の駆動開始後700時間の時点でボトル3内の液量はゼロになり、効力の終点とほぼ一致する。
【0154】
なお、本実施の形態において上述した各構成は、各々適宜組み合わせて使用することができ、上記組み合わせにのみ限定されるものではない。
【0155】
以上のように、本実施の形態にかかる害虫防除器は、(1)第1および第2の揮散面を有し、第1の揮散面が、常温揮散性の害虫防除成分を大気中に揮散可能に保持し、第2の揮散面が、常温揮散性の液体を保持可能であり、かつ、該液体を大気中に揮散可能に設けられている揮散性物質保持体と、(2)上記揮散性物質保持体における上記第2の揮散面に液体を供給する液体供給手段および上記液体供給手段により上記第2の揮散面に供給される液体を収容する液体収容手段を備え、上記第1の揮散面から揮散する害虫防除成分の揮散性物質保持体中の残量を上記液体収容手段中の液体の残量で示すインジケータ手段とを備えている構成である。
【0156】
より具体的には、本実施の形態にかかる上記害虫防除器は、(1)常温揮散性の害虫防除成分を大気中に揮散可能に保持する害虫防除成分保持体と、(2)常温揮散性の液体を、該液体が大気中に揮散可能に保持する液体保持体と、(3)上記液体保持体に液体を供給する液体供給手段および上記液体供給手段により上記液体保持体に供給される液体を収容する液体収容手段を備え、上記害虫防除成分保持体から揮散する害虫防除成分の揮散性物質保持体中の残量を上記液体収容手段中の液体の残量で示すインジケータ手段とを備えている構成であり、該構成によれば、優れた害虫防除効果が得られるとともに、害虫防除成分の減少および終点を確実に確認することができる。
【0157】
上記害虫防除器は、上記害虫防除成分保持体および液体保持体とを収納(収容)し、上記害虫防除成分保持体および液体保持体より揮散する揮散成分を外部に排気する害虫防除剤収納容器を備え、上記害虫防除成分保持体および液体保持体は、上記同一の害虫防除剤収納容器内に保持されていることが、両者の相関性を高める上で好ましい。
【0158】
また、上記害虫防除器は、好適には、上記害虫防除成分および液体を揮散させるための気流を発生させる気流発生手段をさらに備え、該気流発生手段が、上記害虫防除剤収納容器内における上記害虫防除成分保持体および液体保持体の収容部において気流を発生させることが、上記害虫防除成分保持体と液体保持体との相関性をさらに向上させる上で好ましい。
【0159】
上記害虫防除器が上記害虫防除成分および液体の揮散に供する気流を発生させる気流発生手段をさらに備えていることで、上記害虫防除成分および液体の揮散に気流を利用することができる。そして、上記気流発生手段が、上記害虫防除成分および液体の揮散に供する気流を発生させることで、上記害虫防除成分の揮散と液体の揮散との間の相関性が向上する。このため、上記害虫防除成分および液体の終点(消失)管理、制御を容易に行うことができる。
【0160】
さらに、上記害虫防除器は、上記第1の揮散面と第2の揮散面とが同一平面内に配置されていることが好ましい。
【0161】
上記の構成によれば、上記第1の揮散面と第2の揮散面とが同一平面内に配置されていることで、両者の相関性を向上させることができる。特に、上記害虫防除成分および液体の揮散に気流を用いる場合、上記第1の揮散面と第2の揮散面とが同一平面内に配置されていることで、上記第1の揮散面と第2の揮散面とを上記気流発手段から容易に等距離に形成することができ、両者の相関性をより一層向上させることができる。
【0162】
また、上記害虫防除器は、上記液体収容手段が、透明もしくは半透明の容器であることが好ましい。
【0163】
上記の構成によれば、上記液体収容手段を直接、インジケータとして利用することができるので、複雑な機構を必要とせず、上記害虫防除器を安価に製造することができると共に、上記液体収容手段内の液体の残量、つまり、害虫防除成分の残量の確認を、極めて容易に行なうことができる。
【0164】
さらに、上記害虫防除器は、上記害虫防除成分がピレスロイド系化合物であることが好ましく、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、および2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロルエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートから選ばれる少なくとも一種の化合物であることがより好ましい。
【0165】
上記の構成によれば、害虫防除活性、揮散性に優れた害虫防除器を提供することができる。
【0166】
上記害虫防除器は、上記害虫防除成分とその害虫防除成分量、上記液体収容手段に収容される液体とその使用量、上記第1の揮散面と第2の揮散面との表面積の比率、上記第1の揮散面の材質、および上記第2の揮散面の材質が、上記害虫防除成分の揮散量と上記液体収容手段に収容される液体の揮散量とが関連するように設定されている。
【0167】
上記の構成によれば、終点管理、揮散量の制御が容易であり、正確で微妙な終点制御を行うことができる害虫防除器を提供することができる。
【0168】
本実施の形態にかかる上記害虫防除器を用いれば、同じ原理で30日用でも60日用でも、100日用でも自在に設定することができ、また、微妙な終点制御が可能であり、正確なインジケータ機能を付与することができる。
【0169】
さらに、本実施の形態にかかる揮散性物質保持体は、上記害虫防除器に用いる揮散性物質保持体であって、第1および第2の揮散面を有し、第1の揮散面が、常温揮散性の害虫防除成分を大気中に揮散可能に保持し、第2の揮散面が、常温揮散性の液体を保持可能であり、かつ、該液体を大気中に揮散可能に設けられている構成であり、上記第1の揮散面と第2の揮散面とが、非接触状態にて同一平面内に形成されている構成とするために、揮散成分(揮散性物質)を揮散する揮散面を、互いに非接触に2つに分割する仕切り部(分離帯)を備えた構成を有している。
【0170】
上記の構成によれば、害虫防除成分を保持し、また、上記害虫防除器に、インジケータ機能を付与し、害虫防除成分の減少および終点を確実に確認するために供給される上記液体を保持することができると共に、上記害虫防除器に優れた害虫防除効果を与える揮散性物質保持体を提供することができる。また、上記第1の揮散面と第2の揮散面とが同一平面内に形成されている構成とすることで、上記第1の揮散面と第2の揮散面との相関性、すなわち、上記害虫防除成分保持体と液体保持体との相関性をさらに向上させることができる。また、上記の構成によれば、2つの揮散面が各々別々に設けられていることで、上記液体と害虫防除成分とが接触せず、害虫防除成分の揮散性に優れ、最大限の害虫防除効果を得ることができる害虫防除器を提供することができる。
【0171】
上記揮散性物質保持体は、上記第1の揮散面に、上述したピレスロイド系化合物を保持していることが、害虫防除活性、揮散性により優れた害虫防除器を提供する上で好ましい。
【0172】
【発明の効果】
本発明によれば、害虫防除成分の揮散が阻害されることがなく、該害虫防除成分の害虫防除能を最大限に発揮させることができると共に、終点管理並びに揮散量の制御が容易であり、上記液体の消失点と上記害虫防除成分の失効点とを任意かつ容易に設定することができ、しかも、害虫防除成分の減少および終点を、目視により容易かつ確実に確認することができる害虫防除器およびそれに用いる揮散性物質保持体を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる害虫防除器の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態にかかる害虫防除器の構成を示す断面図である。
【図3】上記害虫防除器の要部の構成を示す平面図である。
【図4】(a)は、上記害虫防除器における害虫防除成分保持体および液体保持体の構成を示す平面図であり、(b)は、(a)に示す害虫防除成分保持体および液体保持体を支持する揮散性物質保持体支持枠の構成を示す平面図である。
【図5】上記害虫防除器における害虫防除成分保持体および液体保持体の他の構成を示す平面図である。
【図6】上記害虫防除器における液体保持体と中芯との接触部の構成を示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、上記害虫防除器における揮散性物質保持体の形状の一例を示す平面図である。
【図8】(a)・(b)は上記害虫防除器における他の液体供給機構の動作を示す説明図である。
【図9】(a)・(b)は上記害虫防除器におけるさらに他の液体供給機構の動作を示す説明図である。
【図10】(a)は上記害虫防除器における他のボトルの構成を示す断面図であり、(b)は(a)に示すボトルの構成を示す正面図である。
【図11】上記害虫防除器における気流発生器の他の配置例を示す説明図である。
【図12】上記害虫防除器における気流発生器のさらに他の配置例を示す説明図である。
【図13】上記害虫防除器における害虫防除成分保持体および液体保持体の他の配置例を示す説明図である。
【図14】上記害虫防除器における害虫防除成分保持体および液体保持体のさらに他の配置例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 害虫防除器本体
2 インジケータ部(インジケータ手段)
3 ボトル(液体収容手段、インジケータ手段)
4 中芯(液体供給手段)
5 液体
20 チャンバ
23 気流発生器(気流発生手段)
23a 回転翼
23b モータ
23c 支持軸
40 揮散性物質保持体
41 揮散性物質揮散面
42 揮散性物質保持材
45 害虫防除成分保持体
45a 害虫防除成分保持材
45b 害虫防除成分揮散面(第1の揮散面)
46 液体保持体
46a 液体保持材
46b 液体揮散面(第2の揮散面)
46d 突出部
47 揮散性物質保持体支持枠
49 突出部
51 ボール(液体供給手段)
52 蓋材移動部材(液体供給手段)
53 吸液体(液体供給手段)
61 容器
62 パイプ(インジケータ手段)

Claims (7)

  1. 第1および第2の揮散面を有し、第1の揮散面が、常温揮散性の害虫防除成分を大気中に揮散可能に保持し、第2の揮散面が、常温揮散性の液体を保持可能であり、かつ、該液体を大気中に揮散可能に設けられている揮散性物質保持体と、上記揮散性物質保持体における上記第2の揮散面に液体を供給する液体供給手段および上記液体供給手段により上記第2の揮散面に供給される液体を収容する液体収容手段を備え、上記第1の揮散面から揮散する害虫防除成分の揮散性物質保持体中の残量を上記液体収容手段中の液体の残量で示すインジケータ手段とを備えていることを特徴とする害虫防除器。
  2. 上記害虫防除成分および液体の揮散に供する気流を発生させる気流発生手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の害虫防除器。
  3. 上記第1の揮散面と第2の揮散面とが同一平面内に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の害虫防除器。
  4. 上記液体収容手段が、透明もしくは半透明の容器であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の害虫防除器。
  5. 上記害虫防除成分がピレスロイド系化合物であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の害虫防除器。
  6. 上記害虫防除成分が、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、および2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロルエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートから選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項5記載の害虫防除器。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の害虫防除器に用いる揮散性物質保持体であって、
    第1および第2の揮散面を有し、第1の揮散面が、常温揮散性の害虫防除成分を大気中に揮散可能に保持し、第2の揮散面が、常温揮散性の液体を保持可能であり、かつ、該液体を大気中に揮散可能に設けられていることを特徴とする揮散性物質保持体。
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