JP4795674B2 - 結晶化ガラスの表面印刷用インキ - Google Patents

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Description

本発明は、結晶化ガラスの表面に印刷層を形成する用途に好適なインキに関する。
近年、例えば、電磁調理器などの電磁誘導加熱装置に用いられるプレートには、結晶化ガラス基板の表面に、文字、図柄、ドットパターンを形成したものが用いられている。
このようなプレートとして、特許文献1には、結晶化ガラスからなるプレート基体と、このプレート基体の表面を被覆してなる釉薬と、前記プレート基体の底部に焼き付けてなる銀被膜とからなるものが記載されている。特に、特許文献1に記載のプレートでは、上記釉薬に黒色顔料が配合されており、これによって、プレート全体に黒色の着色が施されている。
特許文献2〜4には、電磁調理器などに用いられるガラス製のプレートであって、パール調の色調を付与するための絵具層を有するものが記載されている。上記絵具層は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄などの金属酸化物をマイカに被覆してなるパール調材料、シリコーンレジン、有機溶剤などを混練して得られるパール調絵具(インキ)をガラスセラミックス上に印刷または絵付けして、500〜1000℃で焼成することによって形成されている。
特開平10−270159号公報 特開2001−213642号公報 特開2001−233636号公報 特開2001−233637号公報
しかしながら、特許文献1に記載のプレートにおいて、プレート基体の表面に形成される釉薬からなる層や、特許文献2〜4に記載のプレートにおける絵具層(これらの層をまとめて、「着色層」という。)は、プレート基体との接着性が十分ではない。特に、電磁調理器のプレートに多用される結晶化ガラスは、その表面活性が著しく低いことから、両者の接着性は顕著に低下する。それゆえ、例えば、上記着色層を備えるプレートが電磁調理器のプレートである場合には、鍋、フライパンなどの調理器具と上記プレートの表面とが繰り返し擦り合わされることなどにより、印刷層が剥離するなど、その耐久性が低くなるといった問題が生じている。
また、従来、ガラス基板の表面に着色塗膜を形成する場合において、当該着色塗膜を形成するためのインキには、バインダ樹脂と、無機顔料などの着色剤とを配合し、さらに、焼成処理後に着色剤とガラス基板との接着性を向上させるためのガラスフリットを配合してなるインキが用いられている。しかしながら、このようなインキを用いて形成された着色塗膜についても、上記特許文献における着色層と同様に、ガラス基板との接着性、とりわけ、結晶化ガラス製の基板との接着性が十分ではなく、ガラス表面に形成した印刷物の耐久性が低いという問題がある。
そこで、本発明の目的は、結晶化ガラスに対する接着性および耐久性に優れた印刷層を形成することのできるインキを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、
バインダ樹脂、ガラスフリット、銀粉末、無機顔料、および有機溶媒を含有し、前記銀粉末が、平均粒径が0.01〜2μmの球状粒子であり、前記ガラスフリットの平均粒径が1〜10μmであり、前記ガラスフリット100重量部あたりの銀粉末の配合量は25重量部以上、200重量部以下、無機顔料の配合量は25重量部以上、90重量部以下であることを特徴とする、結晶化ガラスの表面印刷用インキ、
を提供するものである。
本発明に係る結晶化ガラスの表面印刷用インキは、バインダ樹脂、無機顔料、およびガラスフリットを配合してなる、従来のガラス基板の表面印刷用インキに、それ自体がメタリック系顔料として作用し得る微細な銀粉末を配合したものである。このように、インキに微細な銀粉末を含有させることによって、焼成、焼付け処理を施した後の表面印刷層を強靭化させるとともに、ガラス基材と表面印刷層との結合力を高めることができる。また、その結果、結晶化ガラスに対する表面印刷層の接着強度を飛躍的に向上させることができる。
本発明のインキによれば、結晶化ガラスの表面に、接着性および耐久性に優れた表面印刷層を形成することができる。
従って、本発明のインキは、例えば、電磁調理器などの電磁誘導加熱装置に用いられる結晶化ガラス製のプレート基体の表面に印刷層を形成する用途において好適である。
本発明のインキは、バインダ樹脂、ガラスフリット、銀粉末、無機顔料および有機溶媒を含有する。
バインダ樹脂は、本発明のインキを印刷することにより形成されたインキ塗膜から上記有機溶媒が揮散した場合に、当該インキ塗膜中の各種配合成分を結合させる役割を担うものである。
バインダ樹脂の具体例としては、特に限定されるものではないが、インキの焼成によって除去可能なものであることが好ましく、例えば、アクリル樹脂、エチルセルロース、ポリエステル−メラミン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。なかでも、好ましくは、焼成処理後の残分が少ないアクリル樹脂、エチルセルロースが挙げられる。
バインダ樹脂についての分子量などの物性は、インキの粘度といった印刷特性の観点から適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、バインダ樹脂の重量平均分子量Mwは、5万〜50万程度であることが好ましい。
ガラスフリットは、本発明のインキを印刷することにより形成されたインキ塗膜を焼成する際に溶融するものであって、焼成によってバインダ樹脂が分解、揮散した後、すなわち焼成後の表面塗膜において、顔料などのバインダとして作用するものである。このガラスフリットとしては、ガラスを微細に粉砕して粉末状にしたものが用いられる。
ガラスフリットの組成は、焼成によって溶融、融着して、連続相を形成することができるものであること以外は、特に限定されるものではないが、焼成後の表面印刷層と結晶化ガラスとの密着性をより一層優れたものとするためには、種々のガラスフリットのなかでも、特に、インキのバインダ樹脂の軟化温度で軟化・溶融しないものを使用するのが好ましい。ガラスフリットの軟化・溶融温度がバインダ樹脂の軟化温度よりも低いと、被膜の焼成によって樹脂分が完全に分解、揮発して除去される前にガラスフリットが融着するため、焼成後の塗膜中に空隙が生じ易くなるからである。一般に、ガラスフリットの軟化・溶融温度は400〜600℃程度に設定するのが適当である。
本発明に用いられるガラスフリット、その平均粒径(50%粒径)が1〜10μmである。ガラスフリットの粒径が上記範囲を超えると、平滑な印刷面が得られにくくなり、逆に、ガラスフリットの粒径が上記範囲を下回ると、インキ粘度が高くなりすぎて、印刷作業性が低下する。
銀粉末は、本発明のインキを印刷することにより形成された表面印刷層と、結晶化ガラスとの焼成処理後における接着強度を大幅に向上させる目的で配合される成分である。この銀粉末としては、球形粒子状であって、平均粒径(50%粒径)が0.1〜2μmの、極めて微細な粉末が挙げられる。
銀粉末には、球形粒子状のものだけでなく、不定形のものや、フレーク状のものが知られている。しかし、球形粒子状の銀粉末は、不定形やフレーク状の銀粉末に比べて、結晶化ガラスとの接着力が大きく、また、インキ中において、高い分散性と充填性とを得ることができる。
上記球形粒子状の銀粉末としては、短径と長径との比率が、1:1〜1:3の範囲であることが好ましい。なお、すなわち、短径と長径との比率が1:1である場合は、銀粉末が真球状であることを示している。
銀粉末の平均粒径(50%粒径)は、上記範囲のなかでも、好ましくは、0.1〜1μmである。銀粉末の平均粒径(50%粒径)が0.1μmを下回ると、銀粉末の凝集・合一が進行し易く、インキ中での分散性が不安定になる。逆に、銀粉末の平均粒径(50%粒径)が2μmを超えると、結晶化ガラスに対するインキの接着性を向上させるという、本発明の作用効果が得られにくくなる。
無機顔料は、目的とする色味に応じて、その種類、配合量、組み合わせなどを適宜調整することができる。
無機顔料の具体例としては、例えば、白色顔料である酸化チタン、酸化亜鉛;青色顔料である含硫黄ケイ酸アルミニウムナトリウム塩(群青顔料);赤色・褐色系顔料である酸化鉄を主成分とする顔料;黒色顔料である酸化銅系、酸化クロム系の顔料;シルバーメタリック顔料であるアルミニウム粉末、マイカ−酸化チタン系顔料;ゴールドメタリック顔料であるマイカ−酸化チタン−酸化鉄−酸化ケイ素系の顔料や、アルミニウム粉末を酸化鉄で被覆したものなどが挙げられる。
有機溶媒は、インキ中での各成分の分散を図るための分散剤であって、バインダ樹脂の溶解力、蒸発性の大小、インキを使用する際の印刷方法などに応じて設定されるものである。
有機溶媒としては、これに限定されるものではないが、例えば、アルコール類(具体的には、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、シクロヘキサノールなどの炭素数6〜18(好ましくは、炭素数8〜18)の脂肪族アルコール類;α−,β−,γ−テルピネオール、ジヒドロテルピネオールなどのテルペンアルコール類;シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコールなどの脂環式アルコール類。);アルキルエーテル類(具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、ジヒドロテルピネオールアセテートなど。)が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明のインキにおいては、これに限定されるものではないが、例えば、バインダ樹脂として、アクリル樹脂またはエチルセルロースを使用し、スクリーン印刷において良好な印刷適性を有するものとする場合には、有機溶媒として、α−テルピネオールなどのテルペンアルコール類;トリデカノールなどの脂肪族アルコール;ブチルカルピトール酢酸エステル(BCA)、ブチルセロソルブなどのアルキルエーテル類;2−メチルシクロヘキシルアルコールなどの脂環状アルコールを使用することが好ましい。
本発明のインキにおいて、上記各成分の配合量は、インキの粘度といった印刷特性の観点から適宜設定すればよい
本発明のインキを用いて形成される結晶化ガラスの表面印刷層と、結晶化ガラスとの接着性を、より一層向上させるため、前記本発明のインキにおいては、ガラスフリット100重量部に対し、銀粉末の配合量を25重量部以上、200重量部以下、無機顔料の配合量は25重量部以上、90重量部以下とする必要があ
本発明のインキの粘度は、使用する印刷方法、インキ被膜の厚みなどに応じて設定されるものであって、特に限定されるものではないが、せん断速度が1s-1であるときの粘度η1(23℃)を50〜500dPa・s(デシパスカル・秒;ポアズ)、より好ましくは、50〜200dPa・sの範囲で設定し、せん断速度が12.1s-1であるときの粘度η12.1(23℃)を10〜200dPa・s、より好ましくは、20〜100dPa・sの範囲で設定することが好ましい。
粘度が上記範囲にあるインキは、これに限定されるものではないが、例えば、スクリーン印刷用として好適である。
インキの粘度の調整は、例えば、バインダ樹脂の種類、分子量、無機顔料や銀粉末の配合量、有機溶媒の種類、配合量、後述する上記以外の成分の配合量などを適宜調節することにより、実行することができる。
本発明のインキには、上記以外の成分として、レベリング剤、分散剤、揺変性付与剤(チキソトロピック粘性付与剤)、消泡剤などの、印刷性、インキ加工性を改良するための薬剤などを必要に応じて適宜配合することができる。
本発明のインキは、公知のインキと同様に、例えば、練り機を用いて上記各成分を混合、混練して、均一に分散させることによって調製することができる。練り機としては、3本ロール、スパイクミル、ビーズミルなどが挙げられる。
本発明のインキは、結晶化ガラスの表面に印刷するのに際して、種々の印刷方法を適用することが可能であるが、特に好ましい印刷方法としては、比較的厚みがあり、平滑度の高い塗膜を容易に形成できるという観点から、スクリーン印刷が挙げられる。
本発明のインキを用いて結晶化ガラスの表面印刷層を形成するには、本発明のインキを結晶化ガラスの表面に印刷して、インキ被膜を形成した後、このインキ被膜を、電気炉中などにおいて、500〜1000℃で30〜60分間、焼成して、バインダ樹脂などの有機成分を全て分解除去すればよい。これにより、耐熱性があり、強靭で、結晶化ガラスに対する接着力に優れた被膜を形成することができる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいてより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
<インキの製造>
インキの製造に使用した成分は、次のとおりである。
・アクリル樹脂(バインダ樹脂):懸濁重合品;重量平均分子量Mw約10万
・ブラック顔料(無機顔料):東罐マテリアルテクノロジー(株)製、品番「42−302A」、主成分Cu,Cr
・メタリックシルバー顔料(無機顔料):メルク(Merk)社製、「イリオジン(登録商標、Iriodin)123」
・メタリックゴールド顔料(無機顔料):メルク社製、「イリオジン307」
・メタリックレッドゴールド顔料(無機顔料):メルク社製、「イリオジン520」
・銀粉末A:粒子形状が球状であるもの;三井金属(株)製、平均粒径(50%粒径)約0.4μm
・銀粉末B:粒子形状がフレーク状であるもの、同和ハイテック(株)製、「FA2」
・ガラスフリットA:平均粒径(50%粒径)が5μmであるもの;東罐マテリアルテクノロジー(株)製、屈伏点500℃、硼珪酸鉛系
・ガラスフリットB:平均粒径(50%粒径)が15μmであるもの;東罐マテリアルテクノロジー(株)製、屈伏点505℃、硼珪酸鉛系
・有機溶媒:テルピネオール(テルペンアルコール類)
実施例1
アクリル樹脂100重量部に対して、ブラック顔料350重量部、銀粉末A200重量部、ガラスフリットA400重量部および有機溶媒(テルピネオール)300重量部を配合して、3本ロールで混練りして、インキを製造した。
実施例2〜4
ブラック顔料350重量部に代えて、メタリックシルバー顔料200重量部(実施例2)、メタリックゴールド顔料200重量部(実施例3)、またはメタリックレッドゴールド顔料200重量部(実施例4)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、インキを製造した。
比較例1〜4
銀粉末を配合しなかったこと以外は、比較例1については実施例1と同様にして、比較例2については実施例2と同様にして、比較例3については実施例3と同様にして、比較例4については実施例4と同様にして、インキを製造した。
比較例5
銀粉末A200重量部に代えて、銀粉末B200重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、インキを製造した。
比較例6
ガラスフリットA400重量部に代えて、ガラスフリットB400重量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、インキを製造した。
比較例7
ガラスフリットA400重量部に代えて、ガラスフリットB400重量部を使用したこと以外は、比較例1と同様にして、インキを製造した。
実施例
ブラック顔料の配合量を100重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、インキを製造した。
比較例8
ブラック顔料の配合量を600重量部とし、銀粉末を配合しなかったこと以外は、実施例5と同様にして、インキを製造した。
実施例
銀粉末の配合量を400重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、インキを製造した。
<インキの粘度測定>
上記実施例1〜、比較例1〜8で得られたインキについて、せん断速度が1s−1であるときの粘度η(23℃)と、せん断速度が12.1s−1であるときの粘度η12.1(23℃)とを、ソリキッドメータで測定した。
粘度の測定結果を、下記の表1〜5に示す。
<表面塗膜の接着性評価>
(1)インキ塗膜の形成
上記実施例1〜8、比較例1〜8で得られたインキと、スクリーン印刷版とを使用して、手刷りによるベタ印刷を実施することによって、ガラス基板上にインキ塗膜を形成した。
ここで、スクリーン版には、印刷可能領域が25mm×50mmである長方形状のスクリーン印刷版(ポリエステル繊維(登録商標「テトロン」)製、300メッシュ)を使用した。また、ガラス基板には、厚さが約4mmである結晶化ガラス(日本電気硝子(株)製)を使用した。
次いで、ガラス基板上に形成されたインキ塗膜を70℃で30分間乾燥させた後、電気炉で焼成した。焼成処理は、電気炉内の温度を、60分間かけて室温から600℃まで昇温し、600℃で30分間保った後、5時間かけて室温まで徐冷するという条件に従った。
焼成処理によって形成された表面塗膜の厚みをレーザ顕微鏡で測定した結果、実施例1〜および比較例1〜12のいずれのインキを用いた場合についても、10〜11μmであった。
(2)接着性の評価
ガラス基板上に印刷形成され、かつ焼成された表面塗膜に対して、カッターナイフの刃を略直角に押し付けた状態で、カッターナイフを上記表面塗膜上にて数回往復移動させた。その後、表面塗膜を目視で観察して、下記の評価基準に沿って、接着性(焼成後の接着性)を評価した。
評価基準は、次のとおりである。
AA:表面塗膜の剥離は全く観察されず、表面塗膜の磨耗は、カッターナイフで擦られた箇所に若干観察されただけであった。すなわち、表面塗膜の接着強度は、極めて良好であった。
A:カッターナイフを10往復させても、表面塗膜の剥離はほとんど観察されなかった。また、カッターナイフが当接していた箇所においても、剥離した表面塗膜の厚みは、本来の表面塗膜の厚みに対して10%以下であった。すなわち、表面塗膜の接着強度は良好で、実用上十分であった。
B:カッターナイフを10往復させることで、表面塗膜の剥離および摩耗が観察された。表面塗膜の剥離および摩耗は、実用上不適当な程度発生した。すなわち、表面塗膜の接着強度は、実用上不十分であった。
C:カッターナイフを10往復させることで、カッターナイフが当接していた箇所の表面塗膜は略完全に剥離した。
D:表面塗膜は、手で擦り取れるほど接着強度が低く、カッターナイフを1往復することで、表面塗膜が略完全に剥離した。
また、表面塗膜の耐熱性を評価する目的で、上記ガラス基板を電気炉に収容し、600℃で12時間加熱した後、上述の方法と同様にして、接着性(再加熱処理後の接着性)の評価を実施した。評価基準は、上記の場合と同様とした。
以上の結果を表1〜5に示す。
Figure 0004795674
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表1〜5より明らかなように、バインダ樹脂、無機顔料、ガラスフリット、銀粉末および有機溶媒を含有し、上記銀粉末が、平均粒径(50%粒径)が0.01〜2μmの球状粒子である、実施例1〜のインキについては、結晶化ガラスに対しても、接着性に優れた表面塗膜を形成することができた。
これに対し、銀粉末を含有していない比較例1〜4、7および8のインキを使用した場合には、表面塗膜の接着性の著しい低下が観察された。また、銀粉末がフレーク状である比較例5、および、ガラスフリットの平均粒径が大きすぎる比較例6についても、表面塗膜の接着性が低下した。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。

Claims (1)

  1. バインダ樹脂、ガラスフリット、銀粉末、無機顔料、および有機溶媒を含有し、前記銀粉末が、平均粒径が0.01〜2μmの球状粒子であり、前記ガラスフリットの平均粒径が1〜10μmであり、
    前記ガラスフリット100重量部あたりの銀粉末の配合量は25重量部以上、200重量部以下、無機顔料の配合量は25重量部以上、90重量部以下であることを特徴とする、結晶化ガラスの表面印刷用インキ。
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