JP4794175B2 - 口栓部の構造、口栓部に用いられる注出口部材およびキャップ部材 - Google Patents

口栓部の構造、口栓部に用いられる注出口部材およびキャップ部材 Download PDF

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Description

本発明は、容器の口栓部の構造、口栓部に用いられる注出口部材およびキャップ部材に関し、具体的には、コーンスープやソース類のような液状レトルト食品を充填する容器に適した口栓部の構造、口栓部に用いられる注出口部材およびキャップ部材に関する。
従来より、飲料やゼリー状の液体を入れる容器として、注出口用のストローとキャップが備えられた包装袋が知られている。このような包装袋は、包装袋の内外で圧力が変化するレトルト処理を行う容器として用いると、包装袋の内容物が膨張して容器外に漏れ出たり、包装袋に外部の水分が入り込んだりする場合がある。そのため、こうした包装袋は、レトルト食品用の容器としては不向きであり、レトルト食品用の容器としてより密封性が高いものが求められている。
これに対し、レトルト処理を可能にしたレトルト食品包装袋として、包装袋にレトルト食品を充填した後に注出口用のストローの口部をインナーシール材で封止し、インナーシール材上からキャップをしたレトルト食品包装袋が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−338775号公報
しかしながら、レトルト処理のためにインナーシール材を口部に設けた容器においては、インナーシール材を作製する工程、インナーシール材を容器の口部に貼り付ける工程、がそれぞれ必要となり、容器の製造工程が複雑なものとなっていた。
そこで、本発明においては、レトルト処理に適する容器であり、製造工程を簡略化できる容器の口栓部の構造、キャップ部材および注出口部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の口栓部の構造は、筒状の注出口を有する注出口部材と、この注出口の外周に着脱自在に螺合して、該注出口を閉塞するキャップ部材と、を備えた容器の口栓部の構造において、前記キャップ部材は前記注出口の内壁に沿って伸びる壁を有し、前記注出口の内壁または前記キャップ部材における壁の外壁の少なくとも一方には、当該壁の壁面を一周する突起部材が設けられるとともに、当該突起部材は、対面する壁に接することを特徴とする。
上記本発明の口栓部の構造において、前記突起部材は、前記注出口部材の軸方向に並べて複数個設けることが好ましい。また、上記本発明の口栓部の構造において、前記キャップ部材における前記注出口の内壁に沿って伸びる壁は、前記キャップ部材の内側に設けられる略円柱形状の中栓部材の壁とすることが好ましい。
上記課題を解決するキャップ部材は、筒状の注出口を有する注出口部材と、この注出口の外周に着脱自在に螺合して、該注出口を閉塞するキャップ部材とを備えた容器の口栓部に用いられるキャップ部材において、前記キャップ部材は前記注出口の内壁に沿って伸びる壁を有し、前記キャップ部材における前記壁の外壁には、当該外壁を一周する突起部材が設けられるとともに、当該突起部材は、対面する前記注出口の内壁に接する高さに形成されていることを特徴とする。
上記本発明のキャップ部材において、前記突起部材は、前記注出口部材における軸方向に並べて複数個設けられることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の注出口部材は、筒状の注出口を有する注出口部材と、この注出口の外周に着脱自在に螺合して、該注出口を閉塞するキャップ部材とを備えた容器の口栓部に用いられる注出口部材において、前記キャップ部材は前記注出口の内壁に沿って伸びる壁を有し、前記注出口の内壁に、当該内壁を一周する突起部材が設けられるとともに、当該突起部材は、対面する前記キャップ部材の壁に接する高さに形成されていることを特徴とする。
上記本発明の注出口部材において、前記突起部材は、前記注出口部材の軸方向に並べて複数個設けられることを特徴とする。
本発明にかかる口栓部の構造、口栓部に用いられる注出口部材およびキャップ部材によれば、注出口部材の内壁またはキャップ部材内に設けられた壁の外壁を一周する突起部材が設けられるとともに、この突起部材が対面する壁に接することにより、レトルト処理時に温度変化により生じる圧力の変動を突起部材が抑制し、内容物が容器の外部に漏れたり、外部の水分が容器の内部に入り込むことを抑制できる。そのため、本発明の口栓部の構造等は、レトルト食品用等の内外の圧力が変動する容器に用いることに適している。また、本発明にかかる口栓部の構造等においては、インナーシール材を用いないため、この口栓部の構造を有する容器の製造工程を簡略化することができる。
上記本発明の口栓部の構造、口栓部に用いられる注出口部材およびキャップ部材は、さらに、突起部材がキャップ部材の着脱方向に複数個、すなわち、多段に設けられる。そのため、この口栓部の構造等を、レトルト食品用等の内外の圧力が変動する容器に用いた場合に、圧力の変動があったとしても内容物の流出や外部の水分等の流入を複数の突起部材により堰き止めることができる。そのため、上述の内容物が容器の外部に漏れたり、外部の水分が容器の内部に入り込むことを抑制できるという効果がより大きくなる。
上記本発明の口栓部の構造、口栓部に用いられる注出口部材およびキャップ部材は、さらに、キャップ部材の内側に略円柱形状の中栓部材を設けることにより、中栓部材の容器内部側の壁面により、容器内部の圧力を抑制することができる。そのため、上述の内容物が容器の外部に漏れたり、外部の水分が容器の内部に入り込むことを抑制できるという効果がより大きくなる。また、突起部材を有する壁面が中栓部材の壁面であることにより、壁のみを有する場合に比べて壁面が堅固であり注出口の中心軸側に押さえつけられにくく、突起部材による密封性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、図1は、本発明の口栓部の構造を有する包装袋の一例を示す斜視図であり、図2は、本発明の口栓部の構造を示す口栓部の断面図である。図3は、本発明のキャップ部材の断面図であり、図4は、本発明の口栓部の構造における突起部材の各態様を示す断面図である。図5は、本発明の注出口部材の断面図である。図6は、レトルト処理の工程の一例を示す図である。
図1に示すように、本発明の口栓部10の構造は、筒状の注出口21を有する注出口部材20と、この注出口21の外周に着脱自在に螺合して、該注出口21を閉塞するキャップ部材30と、を備える。この口栓部10は、包装袋である容器40の内容物を出し入れするために設けられている。
そして、図2に示すように、キャップ部材30が注出口部材20に螺着した状態で、キャップ部材30は注出口21の内壁22に沿って伸びる壁31を有している。この口栓部10の構造においては、注出口21の内壁22またはキャップ部材30における壁31の外壁32の少なくとも一方には、当該壁22、32の壁面を一周する突起部材が設けられる。まずは、キャップ部材30に突起部材33が設けられている態様について、図2〜図4を用いて説明する。
キャップ部材30が有する壁31は、注出口部材20の内壁20に沿って伸びるものであり、注出口21が円筒状であるため、キャップ部材30が有する壁31も円筒状に伸びているものである。そのため、突起部材33は、キャップ部材30が有する壁31の外側に円環状に設けられる。キャップ部材30において、突起部材33は対面する注出口部材20の内壁22に接する高さH1に形成されている。すなわち、キャップ部材が有する壁31と、注出口部材20の内壁22との間の隙間の幅W1が、突起部材33の高さH1となる。そのため、突起部材33が複数設けられる場合には、各突起部材33の高さH1が異なっていてもよい。
キャップ部材30における突起部材33が設けられる位置は、上述したように壁31の外壁32であり、キャップ部材30を注出口部材20に螺着した場合に突起部材33と注出口部材20の内壁22とが接する範囲であれば特に限定されない。
突起部材33の個数は、少なくとも1個とするが、図2および図3に示すように、注出口部材20における注出口21の軸Aの方向(図1および図2に示す矢印方向)に並べて複数個(2個以上)設けられることが好ましい。このことにより、後述する容器内外の圧力変化により内容物が外部に漏れたり外部の水分が容器内に入り込むことが抑制される作用が大きくなる。突起部材33の個数は、キャップ部材30が有する壁31の長さLや突起部材33を設ける位置等により適宜設定されるものであり、容器内外の圧力変化が大きい場合には、突起部材33をより多く設けることが有効である。なお、通常のレトルト処理を行う容器に設けられる口栓部10の構造においては、図2等に示すように、突起部材33を3個程度とすることが好ましい。
なお、突起部材33は、通常、キャップ部材30の着脱方向に対して略垂直に一周するように設けられるが、これに限定されず、このキャップ部材30の着脱方向に対して交差する方向に一周するように設けられる。
突起部材33の幅W2や、突起部材33が複数個設けられる場合の各突起部材33間の間隔等の寸法は、特に限定されず、容器の内外の圧力差を抑制できる範囲で適宜設定される。なお、突起部材33を3個以上有する場合には、各突起部材33が等間隔に位置することが好ましい。
突起部材33の接する壁31に垂直な切断面の形状は、特に限定されず、図2等に示すように半円形状であってもよいし、図4(A)に示すような凸形状(正方形形状、長方形形状、その他の四角形形状等)、図4(B)に示すような三角形形状(二等辺三角形形状、直角三角形形状、その他の三角形形状等)、その他に楕円や長円を切断した形状等とすることができる。また、突起部材33を複数個設ける場合には、全ての突起部材33の切断面の形状が同一でもよいし、二種類以上の切断面の形状を組み合わせてもよい。
ここで、図2、図3に示すように、キャップ部材30が有する壁31は、キャップ部材30の内側に設けられる略円柱形状の中栓部材34の壁面31とすることが好ましい。この構成により、中栓部材34における容器40内部側の壁面35により、容器内部の圧力を抑制することもできる。また、中栓部材34により壁面31が堅固となるため、突起部材33による密封性を向上させることができる。図2、図3に示すように、中栓部材34の内部は、中空となっていてもよいし、図示しないが、中栓部材34の内部に中空部分を有していなくてもよい。なお、中栓部材34の形状は、上述のように略円柱形状であり、円柱に近い形状であればよい。そのため、中栓部材34の形状は、例えば、キャップ部材30を成形して成形型を抜き取るために、中栓部材34の各壁面32に多少の勾配を形成し、キャップ部材30の容器40側(図3における下側)の面35の方が小さくなった略円柱台形状でもよい。
キャップ部材30に設けられる壁31の長さLは、特に限定されず、図3等に示すようにキャップの高さと同程度でもよいし、これよりも短くても、これよりも長くてもよい。その他のキャップ部材30における各部の形状や寸法も、特に限定されず、キャップ部材30が注出口部材20に螺合して着脱できるものであればよい。
また、キャップ部材30の外側表面には、通常、図1に表されるような軸方向Aに略垂直な線状である凹凸が複数設けられている。これらは、キャップ部材30を着脱するためにトルクが必要となるため、注出口部材20にキャップ部材30を締め、または、注出口部材20からキャップ部材30を開封する際に、人の指や装置におけるキャップ部材30をつかむ部材の滑り止めとするために設けられているものである。
キャップ部材30の材質は、特に限定されず、ポリエチレン(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE))、ポリプロピレン、シリコン等の従来公知の種々の材質が用いられる。このうち、耐熱性の樹脂は、高温の処理が行われるキャップ部材30の材質として好ましく用いられ、具体的に、高密度ポリエチレンは、密度が高く、耐熱性が高い材質であり、ポリプロピレンも、耐熱性が高い材質である。また、キャップ部材30における突起部材33の材質は、通常、キャップ部材30全体の材質と同様であり、突起部材33が注出口部材20の内壁22にぴったりと接するように、弾性を有する材質が好ましく用いられる。
キャップ部材30の製造方法は、特に限定されず、以下の方法が例として挙げられる。キャップ部材30は、通常、一体成形により製造される。また、キャップ部材30は、キャップ部材30の中壁31(中栓部材34)以外と、中壁31(中栓部材34)とを別個に製造し、キャップ部材30の内側に中壁31(中栓部材34)を組み付けることによっても製造される。なお、キャップ部材30を突起部材33を有さない状態に成形し、その後突起部材33を設けることもできる。このうち、キャップ部材30を一体成形により製造する方が簡易であり、コストも安価に製造することができる。
口栓部10の構造として、上述の突起部材33を有するキャップ部材30を用いる場合には、通常、図2に示すように注出口部材20の内壁22には突起部材を設けない。
一方、注出口部材20の内壁22に突起部材23を設ける態様について、図5を用いて説明する。なお、図5には、上述のように注出口部材20の断面図が示されるが、併せて破線でキャップ部材30を螺着した場合のキャップ部材30の中壁31とその外壁32を示す。
この場合、注出口部材20は、注出口21の内壁22に、当該内壁22を一周する突起部材23が設けられるとともに、当該突起部材23は、対面するキャップ部材30の壁面32に接する高さに形成されている。注出口21が円筒状であるので、突起部材23は、注出口部材20の内壁22の内側に円環状に設けられる。注出口部材20において、突起部材23は対面するキャップ部材30の壁面31に接する高さH2に形成されている。すなわち、キャップ部材30が有する壁31と、注出口部材20の内壁22との間の隙間の幅Wが、突起部材23の高さH2なる。
突起部材23の個数や突起部材23が設けられる位置、突起部材23の接する内壁22に垂直な切断面の形状等は、キャップ部材30について説明した突起部材32におけるものと同様である。
その他の注出口部材20の形状は特に限定されないが、図1(破線)、図2および図5に示すように、注出口部材20は、容器40の内部に伸びる導管24を有していてもよい。注出口部材20の各部の寸法は、容器40の内容物を出し入れすることができ、キャップ部材30が螺合して着脱できるものであれば、特に限定されない。
注出口部材20の製造方法は、特に限定されず、上述のキャップ部材30と同様に一体成形することにより製造され、また、キャップ部材30を分割して成形し、成形した部品を接着することによっても製造される。注出口部材20および注出口部材20の突起部材23の材質も、特に限定されず、上述のキャップ部材30と同様の材質のものが用いられる。なお、注出口部材20とキャップ部材30とは、異なる材質であってもよい。
口栓部10の構造として、上述の突起部材23を有する注出口部材20を用いる場合には、通常、図5に破線で示すように、キャップ部材30が有する壁面31の外壁32には突起部材を設けない。
しかしながら、本発明の口栓部10の構造においては、図示しないが、注出口部材20とキャップ部材30との両方に上述した突起部材23、33が設けられていてもよい。この場合、突起部材23、33の位置関係は特に限定されないが、キャップ部材30を着脱することを考慮すると、注出口部材20の突起部材23を容器40の内側に設け、キャップ部材30の突起部材33を容器40の外側に設けることが好ましい。
また、本発明の口栓部の構造10においては、さらに、レトルト殺菌時間を短縮するための構成や、細菌の巣となることを防止するための構成等を付与することもできる。
なお、図1においては、二枚の長方形のシート41A、41Bの下部に底ガセット部用の折り込んだシート(図示しない)を挟んで周縁部42を熱融着した底ガセット袋状の容器40に、本発明の口栓部10の構造を適用した例を記載したが、本発明の口栓部10の構造を適用する容器は、特に限定されず、一般的な袋、パウチ、紙パック、サイドガセットパウチ、平袋、ピロー袋等の容器が用いられる。
ここで、本発明の口栓部10の構造によるレトルト処理時の作用について、図6を参照して説明する。
水蒸気式レトルト殺菌処理の温度・圧力・冷却水位プログラムは、通常、図6に示すようになっている。このレトルト処理は、図6に示すように、昇温(加圧)工程(1)、殺菌工程(2)、冷却工程(3)、からなる。内容物を詰めた容器に本発明の口栓部10の構造を適用してレトルト処理をした例について説明する。
昇温工程(1)においては、まず、レトルト釜中の水の中に、内容物を詰めた容器を入れ、容器の外部温度を上げていく。このとき、初期から70〜90℃程度までは容器に外部圧力を与えないため、内容物や残存空気の体積膨張により容器内部の圧力が高い状態になる。この状態において、容器の内容物が内部から外部へ出ようとする力が生じる。
ここで、図3に示すように、容器の最も内側に設けられた突起部材33Aにかかる圧力を△P1、次に外側に設けられた突起部材33Bにかかる圧力を△P2、その次に外側に設けられた突起部材33Cにかかる圧力を△P3、とする。本発明の口栓部10の構造によれば、突起部材33A、突起部材33B、突起部材33C、の順で各突起部材にかかる圧力が減少していく(△P1>△P2>△P3≒0)。この口栓部10の構造により、容器の内容物が容器の外部に漏れることを抑制することができる。
さらに、昇温工程(1)においては、70〜90℃程度から120℃程度の間において、徐々に外部圧力を与えていく。
次いで、殺菌工程(2)は、容器の外部を設定温度、設定圧力(高温、高圧)とし、所定の時間保持することにより行われる。このとき、容器内外の温度および圧力が平衡状態になるため、内容物が容器外に出たり、容器外部の水蒸気が容器内に入るという力は生じていない。
次いで、冷却工程(3)は、外部圧力を一定に保ちながらレトルト釜中の熱水と冷却水を入れ替えて、冷却水を流しながら容器を冷却するとともに、容器が冷却した後、冷却水を排水し、排気してレトルト処理が終了する。
このように、冷却工程(3)は、外部圧力を一定に保つ機構となっているが、殺菌工程(2)における熱水と冷却水との入れ替え時に一時的に容器とレトルト釜の内部(容器の外部)の圧力が低下するため、容器の内部の圧力が高く、容器の外部の圧力が低いという圧力差が生じる。このとき、上述の昇温工程(1)と同様に、内容物が外部へ出ようとする力が生じる。
本発明の口栓部10の構造によれば、上述の昇温工程(1)におけるのと同様の作用により、容器の内容物が容器の外部に漏れることを抑制することができる。
また、冷却工程(3)においては、容器の内容物の温度が低下することにより、当該内容物の体積も減少していくため、この体積の減少に伴い容器外部から冷却水やその水蒸気が容器内部に入ろうとする力(水分を容器内に吸い込む力)が生じる。
このとき、本発明の口栓部10の構造によれば、突起部材33C、突起部材33B、突起部材33A、の順で各突起部材にかかる圧力が減少していく(△P3>△P2>△P1≒0)。この口栓部10の構造により、容器の外部から水分が容器内に入り込むことを抑制することができる。
なお、上述の説明に係るレトルト処理は一例であり、本発明の口栓部10の構造を有する容器の具体的なレトルト処理の工程は上述した各工程や、温度範囲、圧力範囲等に限定されない。また、本発明の口栓部10の構造を有する容器は、レトルト処理と同様に圧力変動があるボイル殺菌処理等の処理に対して、圧力の変動を突起部材33が抑制するように作用する。このように、本発明の口栓部10の構造は、容器の内部と外部において圧力変動がある容器に、好適に用いられる。
以上のように、本発明の口栓部10の構造によれば、容器40の内外における圧力の変動を突起部材33または23が抑制し、内容物が容器40の外部に漏れたり、外部の水分が容器の内部に入り込んだりすることを防止できる。また、注出口21の口部にインナーシール材を設けずに上述の効果が得られるため、容器40や口栓部10の製造工程が簡易なものとなり、コストを低減することができる。
本発明の口栓部の構造を有する包装袋の一例を示す斜視図である。 本発明の口栓部の構造を示す口栓部の断面図である。 本発明のキャップ部材の断面図である。 本発明の口栓部の構造における突起部材の各態様を示す断面図である。 本発明の注出口部材の断面図である。 レトルト処理の工程の一例を示す図である。
符号の説明
10…口栓部
20…注出口部材
21…注出口(スパウト)
22…注出口の内壁
23…突起部材
24…導管
30…キャップ部材
31…キャップ部材が有する壁(中壁)
32…キャップ部材が有する壁の外壁
33…突起部材
34…中栓部材
35…中栓部材の容器内部側の壁面
40…容器
41A、41B…容器を構成するシート
42…容器の周縁部
H1…キャップ部材に設けられる突起部材の高さ
H2…注出口部材に設けられる突起部材の高さ
W1…キャップ部材が有する壁と注出口部材の内壁との間の隙間の幅
W2…突起部材の幅
L…キャップ部材が有する壁の長さ
A…注出口部材の注出口の軸

Claims (6)

  1. 筒状の注出口を有する注出口部材と、この注出口の外周に着脱自在に螺合して、該注出口を閉塞するキャップ部材と、を備えた容器の口栓部の構造において、
    前記キャップ部材の内側には、略円柱形状であって、容器内部側の壁面と、前記注出口の内壁に沿って伸びる壁とを有する、中空の中栓部材を有し、
    前記注出口の内壁または前記キャップ部材における前記中栓部材の、前記注出口の内壁に沿って伸びる壁の少なくとも一方の壁には、当該壁の壁面を一周する突起部材が設けられるとともに、当該突起部材は、対面する壁に接することを特徴とする口栓部の構造。
  2. 前記突起部材は、前記注出口部材の軸方向に並べて複数個設けられることを特徴とする請求項1に記載の口栓部の構造。
  3. 筒状の注出口を有する注出口部材と、この注出口の外周に着脱自在に螺合して、該注出口を閉塞するキャップ部材とを備えた容器の口栓部に用いられるキャップ部材において、
    前記キャップ部材の内側には、略円柱形状であって、容器内部側の壁面と、前記注出口の内壁に沿って伸びる壁とを有する、中空の中栓部材を有し、
    前記キャップ部材における中栓部材の外壁には、当該外壁を一周する突起部材が設けられるとともに、当該突起部材は、対面する前記注出口の内壁に接する高さに形成されていることを特徴とするキャップ部材。
  4. 前記突起部材は、前記注出口部材における軸方向に並べて複数個設けられることを特徴とする請求項3に記載のキャップ部材。
  5. 筒状の注出口を有する注出口部材と、この注出口の外周に着脱自在に螺合して、該注出口を閉塞するキャップ部材とを備えた容器の口栓部に用いられる注出口部材において、
    前記キャップ部材の内側には、略円柱形状であって、容器内部側の壁面と、前記注出口の内壁に沿って伸びる壁とを有する、中空の中栓部材を有し、
    前記注出口の内壁に、当該内壁を一周する突起部材が設けられるとともに、当該突起部材は、対面する前記キャップ部材の側壁に接する高さに形成されていることを特徴とする注出口部材。
  6. 前記突起部材は、前記注出口部材の軸方向に並べて複数個設けられることを特徴とする請求項5に記載の注出口部材。
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