JP4791833B2 - 面歪評価装置及び面歪評価方法 - Google Patents

面歪評価装置及び面歪評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、設定された加工条件に基づいて板状の被成形品を成形したときに当該被成形品の各部位で生じる、成形シミュレーションにより演算された応力データに基づいて、被成形品における面歪の評価を行う面歪評価装置及び方法に関する。
実際に鋼板を成形した被成形品に対してではなく、成形シミュレーションにより演算された応力データ、つまり、設定された加工条件に基づいて板状の被成形品を成形したときに当該被成形品の各部位で生じる応力データに基づいて、被成形品における面歪の評価を行う面歪評価装置がある。特許文献1に記載の面歪評価装置は、演算された応力データに基づいて被成形品の微小領域毎の幅縮み量の分布を演算し、その幅縮み量が正であるか負であるかを判定している。そして、幅縮み量が負である場合には、その幅縮み量に対応する面歪量を演算している。これは、幅縮み量が負であれば、その微小領域に面歪が発生し、幅縮み量が正であれば、その微小領域に面歪は発生しないという考察に基づくものである。つまり、特許文献1に記載の面歪評価装置では、鋼板が引き伸ばされるような応力が加えられていれば被成形品には面歪は発生しない、との考察に基づいている。
特開2005−177837号公報
被成形品に面歪が発生するか否かは、微小領域毎の幅縮み量の正負でミクロ的に判断できるものではない。例えば、ある微小領域の幅縮み量が正であっても周囲の幅縮み量の大きさによっては、その微小領域において面歪が発生することもある。つまり、面歪が発生するか否かは周囲の幅縮み量をも含めたマクロ的な応力分布によって判断すべきものであり、特許文献1の面歪評価装置は正確な面歪の評価を行っているとは言えなかった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、成形シミュレーションにより演算された応力データに基づいて正確な面歪の評価を行う面歪評価装置及び方法を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る面歪評価装置の特徴構成は、設定された加工条件に基づいて板状の被成形品を成形したときに当該被成形品の各部位で生じる、成形シミュレーションにより演算された応力データに基づいて、前記被成形品における面歪の評価を行う面歪評価装置であって、
前記被成形品の断面の長さ方向における、演算された二次元の応力データを参照して、前記演算された二次元の応力データの変化傾向を表す変化傾向データを導出する変化傾向データ導出手段と、
前記変化傾向データに関する設定許容範囲を参照して、前記変化傾向データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記被成形品における面歪を表す面歪データとして抽出する面歪データ抽出手段とを備える点にある。
上記特徴構成によれば、変化傾向データ導出手段が、成形シミュレーションにより演算された応力データを参照して、その演算された二次元の応力データの変化傾向を表す変化傾向データを導出し、面歪データ抽出手段が、変化傾向データに関する設定許容範囲を参照して、変化傾向データのうち設定許容範囲を超えるデータを、被成形品における面歪を表す面歪データとして抽出する。つまり、本特徴構成の面歪評価装置は、被成形品における応力が二次元的にどのような傾向で変化しているのかを解析し、その変化傾向を表すデータが設定許容範囲内にある場合、つまり、応力が急激な変化をしない場合に、面歪が小さい又は存在しないと見なすこととなる。他方で、その変化傾向を表すデータが設定許容範囲内にない場合、つまり、応力が急激な変化をする場合に、面歪が大きいと見なすこととなる。
また、面歪データ抽出手段は、上記面歪データを抽出するときに上記変化傾向データと上記設定許容範囲とを比較するだけでよいので、大きな演算負荷が面歪評価装置において発生することもない。
従って、成形シミュレーションにより演算された応力データに基づいて正確な面歪の評価を行う面歪評価装置が提供できる。
本発明に係る面歪評価装置の別の特徴構成は、前記変化傾向データ導出手段は、前記演算された二次元の応力データを2次微分して前記変化傾向データを導出するように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、変化傾向データ導出手段は、演算された二次元の応力データの2次微分を導出することで、演算された応力データの変化傾向を表す「曲率」を導出している。つまり、変化傾向データ導出手段が導出した応力データの2次微分値には、演算された応力データの変化傾向が顕著に表れることになる。その結果、導出された変化傾向データから面歪データが抽出し易くなる。
本発明に係る面歪評価装置の別の特徴構成は、前記変化傾向データ導出手段は、前記被成形品の複数の断面毎の前記変化傾向データを前記被成形品に渡って三次元で導出し、
前記面歪データ抽出手段は、前記複数の断面毎の前記面歪データを前記被成形品に渡って三次元で抽出し、
当該三次元の面歪データに基づいて、前記被成形品に生じる特定の面歪領域の面歪の程度を評価する面歪程度評価手段を備える点にある。
上記特徴構成によれば、面歪程度評価手段が、三次元の面歪データに基づいて被成形品に存在する特定の面歪領域の面歪の程度を評価するので、被成形品の三次元形状に含まれる面歪の程度を定量的に評価できる。
本発明に係る面歪評価装置の別の特徴構成は、前記面歪程度評価手段は、前記三次元の面歪データに基づいて、前記特定の面歪領域の長さを導出する歪長さ導出手段と、前記三次元の面歪データに基づいて、前記特定の面歪領域の面積を導出する歪面積導出手段とを備え、
前記特定の面歪領域の長さと面積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、前記特定の面歪領域の面歪の程度を評価する点にある。
上記特徴構成によれば、歪長さ導出手段が、三次元の面歪データに基づいて特定の面歪領域の長さを導出し、歪面積導出手段が、三次元の面歪データに基づいて特定の面歪領域の面積を導出し、面歪程度評価手段が、特定の面歪領域の長さと面積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、特定の面歪領域の面歪の程度を評価するので、被成形品の三次元形状に含まれる特徴(面歪領域の長さ及び面積)を用いて面歪の程度を定量的に評価できる。
本発明に係る面歪評価装置の別の特徴構成は、前記面歪データ抽出手段は、前記被成形品の形状に基づいて指定された、面歪の発生しない部位に関する情報を参照して、当該面歪の発生しない部位から前記面歪データを抽出しないように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、面歪データ抽出手段は、被成形品の形状に基づいて指定された、面歪の発生しない部位に関する情報を参照して、当該面歪の発生しない部位から面歪データを抽出しないように構成されている。その結果、意図して形成する形状は、面歪として抽出されないようになる。
上記目的を達成するための本発明に係る面歪評価方法の特徴構成は、設定された加工条件に基づいて板状の被成形品を成形したときに当該被成形品の各部位で生じる、成形シミュレーションにより演算された応力データに基づいて、前記被成形品における面歪の評価を行う面歪評価方法であって、
変化傾向データ導出手段が、前記被成形品の断面の長さ方向における、演算された二次元の応力データを参照して、前記演算された二次元の応力データの変化傾向を表す変化傾向データを導出する工程と、
面歪データ抽出手段が、前記変化傾向データに関する設定許容範囲を参照して、前記変化傾向データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記被成形品における面歪を表す面歪データとして抽出する工程とを備える点にある。
上記特徴構成によれば、成形シミュレーションにより演算された応力データを参照して、その演算された二次元の応力データの変化傾向を表す変化傾向データが導出され、変化傾向データに関する設定許容範囲を参照して、変化傾向データのうち設定許容範囲を超えるデータが、被成形品における面歪を表す面歪データとして抽出される。つまり、本特徴構成の面歪評価方法は、被成形品における応力が二次元的にどのような傾向で変化しているのかを解析し、その変化傾向を表すデータが設定許容範囲内にある場合、つまり、応力が急激な変化をしない場合に、面歪が小さい又は存在しないと見なすこととなる。他方で、その変化傾向を表すデータが設定許容範囲内にない場合、つまり、応力が急激な変化をする場合に、面歪が大きいと見なすこととなる。
また、本特徴構成の面歪評価方法では、上記面歪データを抽出するときに上記変化傾向データと上記設定許容範囲とを比較するだけでよいので、大きな演算負荷が発生することもない。
従って、成形シミュレーションにより演算された応力データに基づいて正確な面歪の評価を行う面歪評価方法が提供できる。
以下に図面を参照して、被成形品における面歪の評価を行う面歪評価方法と、それが実施される面歪評価装置10について説明する。
本発明に係る面歪評価装置10は、板状の鋼板などをプレス加工などして実際に成形した被成形品に対して面歪の評価を行うものではなく、プレス加工などの加工条件を参照して、実際には成形していない仮想の被成形品に対して面歪の評価を行うものである。つまり、加工条件を参照し、被成形品の設計段階又はプレス加工に用いる金型の設計段階で面歪の発生に対する対策を施せるので、実際に成形された被成形品に対して面歪の評価を行った後で被成形品又は金型の補正を行う場合に比べて、作業工程数を格段に少なくすることができる。
図1は、面歪評価装置10の機能ブロック図である。また、図2は、設定された加工条件に基づいて板状の被成形品を成形したときに、その被成形品の各部位で生じる三次元の応力データの分布を、その大きさに応じたグレースケールで示した図であり、図3は、図2中の線分A−Aの断面の長さ方向における二次元の応力データのグラフである。本実施形態において想定する被成形品は、図2の分布図の左下部分に長円形状で現れているようなドアハンドル取付部を含むドアパネルである。
面歪評価装置10に対して応力データを提供する応力演算装置1は、一般的に用いられている成形シミュレーション用のプログラムをインストールしたコンピュータによって実現できる。そして、面歪評価装置10は、応力演算装置1で演算された被成形品の三次元の応力データを受け取る。或いは、面歪評価装置10を実現するコンピュータと応力演算装置1を実現するコンピュータとは同一装置であってもよい。
図1に示すように、面歪評価装置10は、上記被成形品の断面の長さ方向における、演算された二次元の応力データを参照して、その二次元の応力データの変化傾向を表す変化傾向データを導出する変化傾向データ導出手段11と、変化傾向データに関する設定許容範囲を参照して、その変化傾向データのうち後述する設定許容範囲を超えるデータを、被成形品における面歪を表す面歪データとして抽出する面歪データ抽出手段12とを備える。本発明の面歪評価装置10は、被成形品における応力が二次元的又は三次元的にどのような傾向で変化しているのかを解析し、発生し得る面歪を評価するものである。
断面の長さ方向における、演算された二次元の応力データは、例えば、板状の鋼板をプレス加工するときの加工条件に基づいて導出されたものであり、その値は、図3に示すように、断面の長さ方向に沿って変化している。そして、本実施形態の変化傾向データ導出手段11は、演算された二次元の応力データを2次微分した結果(2次微分値)を変化傾向データとする。つまり、応力データが大きいのか又は小さいのか、或いは、応力データが正の値であるのか又は負の値であるのかといった観点ではなく、応力データが断面の長さ方向に沿って急激に変化しているのか、或いは、徐々に変化しているのかといった観点で、応力データを解析しようとしている。ここで、応力データの変化傾向を表すデータとして2次微分値を用いているのは、2次微分することで応力データの変化傾向が顕著に表れるからである。例えば、応力データに代えて実際の被成形品の断面形状データを考えた場合、その断面形状データを長さ方向に沿って2次微分すると、その断面の曲率が得られる。そして、曲率の大きい部位には、面歪が発生していると評価することができる。つまり、本実施形態では、応力データの2次微分を計算することで、応力データの変化傾向を表す「曲率」を導出している。但し、本発明における変化傾向データは上記応力データの2次微分値に限定されず、他のものであってもよい。
図4は、図3に示した二次元の応力データを2次微分した変化傾向データのグラフである。本実施形態において、面歪データ抽出手段12は、変化傾向データに関する設定許容範囲を設定しており、その設定許容範囲を参照して、変化傾向データのうち設定許容範囲を超えるデータを、被成形品における歪を表す面歪データとして抽出する。この設定許容範囲は、所定の基準値からの上限値及び下限値の範囲で設定される。基準値は、例えば、被成形品における応力データの平均値の2次微分値などで設定できる。よって、応力データが急激に変化していなければ、その値は基準値付近に現れる。他方で、応力データが急激に変化していれば、その値は基準値から逸脱する。具体的には、被成形品に小さな曲率の歪(断面の各点における応力データが緩やかに変化する歪)が発生すると予測される場合、基準値からの、上記2次微分値の逸脱量は小さく現れる。他方で、被成形品に大きな曲率を有する面歪(断面の各点における応力データが急激に変化する面歪)が発生すると予測される場合、基準値からの、上記2次微分値の逸脱量は大きく現れる。従って、上記2次微分値が上記設定許容範囲内にある部位は面歪が発生せず、上記2次微分値が上記設定許容範囲を超える(上回る及び下回る)部位は面歪が発生すると見なせる。
つまり、面歪データ抽出手段12は、応力データの2次微分値である変化傾向データのうち、設定許容範囲の上限値以上であるデータ、及び、下限値以下であるデータを、その断面における面歪を表す面歪データとして抽出する。このように、変化傾向データのうち、上限値以上であるデータ、及び、下限値以下であるデータを、その断面における面歪を表す面歪データとすることで、例えば小さすぎる面歪(断面の各点における傾きが非常に緩やかに変化し、見た目には分からないような面歪)などの無用な面歪データが抽出されないようになる。
面歪程度評価手段13は、成形シミュレーションによる被成形品に渡って抽出された三次元の面歪データに基づいて、被成形品において発生すると予測される特定の面歪領域の面歪の程度を評価する。以下に、面歪程度評価手段13が実行する、被成形品に存在する特定の面歪領域の面歪の程度の評価について説明する。
図5は、図4に示したような被成形品の複数の断面毎の二次元の応力データの変化傾向データを、被成形品に渡って三次元で表した分布図である。図5の分布図では、応力データの2次微分値である変化傾向データの絶対値が大きいほど濃度が濃く描かれている。よって、図2の応力データの分布図でも現れていたように、応力データが狭い領域で急激に変化している部位において面歪が発生すると予測できる。また、本実施形態では、各断面に垂直な方向(L軸方向)に沿った面歪領域の広がりを、歪長さ:Lとする。ここで、面歪程度評価手段13が有する歪長さ導出手段14は、面歪データ抽出手段12によって抽出された三次元の面歪データに基づいて、図5に例示するような特定の面歪領域:Gの長さを自動的に導出する。
図6は、複数の断面毎の変化傾向データ(応力データの2次微分値)と上記設定許容範囲の上限値とを模式的に描いたグラフである。図6に示す各断面の変化傾向データのうち、上限値以上のデータが面歪データである。面歪程度評価手段13が有する歪面積導出手段15は、面歪データのうち、面歪領域の長さ方向(L軸方向)に垂直な幅:Wを、変化傾向データと上限値との交線の長さから導出し、上記面歪領域の幅:Wをその長さ方向(L軸方向)に沿って積算して、特定の面歪領域:G(図6ではGa、Gb)の面積:S1を導出する。
以上のように、面歪程度評価手段13は、歪長さ導出手段14及び歪面積導出手段15を用いることで、特定の面歪領域の長さ及び面積を導出する。そして、本実施形態の面歪評価装置10においては、面歪程度評価手段13が、特定の面歪領域の長さと面積との組み合わせを歪評価用データとし、所定の評価基準データと上記歪評価用データとの比較を行うことにより、面歪の程度を評価している。
また、図7は、演算された二次元の応力データを2次微分することで導出した変化傾向データを三次元で描いた分布図と、実際の被成形品の三次元の形状データとを重ね合わせて表示した図である。ここで、上記形状データは、設計上の三次元CADデータや、実際の被成形品の表面を三次元計測して得られた三次元データなどが用いられる。図7から分かるように、ドアハンドル取付部Pの周囲には大きな変化傾向データの領域G1〜G4が存在し、ドアハンドル取付部Pに相当する部位内でも、濃度が濃く表された(即ち、応力データの絶対値が大きい)変化傾向データが存在している。但し、図7中でドアハンドル取付部Pに相当する部位内に現れているのは、意図して成形する形状に相当するものである。つまり、平坦な面状に現れた予期しない微小な形状である歪だけではなく、意図して形成した形状までも歪として抽出する可能性がある。そこで、本実施形態の面歪評価装置10では、面歪データ抽出手段12は、被成形品の形状に基づいて指定された、面歪の発生しない部位に関する情報(つまり、上記形状データ)を参照して、当該面歪の発生しない部位から面歪データを抽出しないように構成されている。その結果、意図して形成する形状は、歪として抽出されないようになる。
図8は、歪評価用データと評価基準データとの比較結果を示すグラフであり、本発明の面歪評価装置10により複数の面歪領域に関して導出された複数の歪評価用データをまとめてプロットしている。但し、図8において、横軸は歪長さであり、縦軸は歪面積である。よって、導出された特定の面歪領域についての歪長さに対応する横軸の位置と歪面積に対応する縦軸の位置との交点が、その面歪領域の評価値になる。また、そのマーカの種類は、成形シミュレーションによるのと同じ加工条件に従って実際に成形された被成形品に現れる特定の面歪領域を、人間が官能評価により点数化した値である。即ち、図8では、成形シミュレーションを用いた場合の面歪領域を本発明の面歪評価装置で評価した結果と、実際に現れた面歪領域を人間が官能評価した結果とを比較しているのである。
また、図8に示す評価基準データは、設定された加工条件に従って実際に成形された被成形品に現れる特定の面歪領域に対する人間による官能評価結果から直接的に導き出したものを、同じ加工条件に基づいて本実施形態により導出される面歪領域の長さ及び面積の組み合わせによる歪評価用に変換したものである。また、この比較結果を示すグラフは、面歪評価装置10が備える表示手段16に表示させることができる。
図8において、人間による官能評価結果が悪かった(1.5点〜2.5点)8個の面歪領域は、本発明の面歪評価装置10による評価結果(導出した歪長さ及び歪面積に基づく評価結果)でも同様に悪い評価を下されている。他方で、人間による官能評価結果が良かった(3.0点〜4.0点)9個の面歪領域は、本発明の面歪評価装置10による評価結果でも同様に良い評価を下されている。
つまり、本実施形態の面歪評価装置10において行われる、特定の面歪領域の長さ(つまり、面歪領域の広がり)と面積(つまり、面歪領域の強さ)との組み合わせを歪評価用データとした場合の評価結果は、人間の官能評価結果と整合性のあるものとなっている。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態において、面歪データを抽出するために用いた基準値、上限値及び下限値を適宜変更してもよい。例えば、面歪が小さくても目立ち易い部位(例えば、被成形品の表面形状が平坦である部位等)では、上限値及び下限値を小さくして、変化傾向データが小さくても面歪データとして抽出されるように変更してもよい。逆に、面歪が目立ち難い部位(例えば、被成形品の元々の形状が凸凹している部位等)では、上限値及び下限値を大きくして、変化傾向データが大きくても面歪データとして抽出され難いように変更してもよい。以上のように、被成形品の形状などの様々な特性に応じて、基準値、上限値及び下限値を適宜設定してもよい。
<2>
上記実施形態では、図8に示したように、歪評価用データを一つの評価基準データと比較し、特定の面歪領域の面歪の程度を「良」及び「悪」の2段階で評価していたが、歪評価用データを段階的に設定された複数の評価基準データと比較してもよい。そして、特定の面歪領域の面歪の程度を更に段階的に評価してもよい。例えば、2つの評価基準データを用意する場合には、図8に例示した評価基準データの曲線と同形状の別の曲線を、互いに交わらないように並べて設定すればよい。そうすることで、特定の面歪領域の面歪の程度を「良」、「可」及び「悪」といった3段階で評価できる。
<3>
上記実施形態では、面歪データから導き出した面歪領域の長さ及び面積といった特性を用いて歪評価用データを構成していたが、面歪データから他の特性を導き出して、その特性値を歪評価用データとしてもよい。例えば、面歪領域の長さと体積とを用いて歪評価用データを構成してもよい。この場合、上記歪面積導出手段に代えて歪体積導出手段が設けられる。この場合の歪体積導出手段は、図6に示した面歪データにおいて、各断面における上限値以上の領域を断面積:S2とする。従って、この断面積:S2が連続してL軸方向に存在する領域が面歪領域:Gになる。そして、歪体積導出手段は、各断面における断面積:S2を歪長さ:Lに渡って積算することで、各面歪領域:G(図6ではGa、Gb)の体積を導出する。ここで、特定の面歪領域の長さと体積との組み合わせである歪評価用データは、上記実施形態で説明した特定の面歪領域の長さと面積との組み合わせである歪評価用データと相関がある。よって、図8に示した歪評価用データと評価基準データとの関係は、特定の面歪領域の長さと体積との組み合わせである歪評価用データにも適用可能である。
本発明の面歪評価装置は、自動車などの車両のドアパネルやボディなどの被成形品をプレス加工するとき、プレス加工後にその被成形品の表面に発生し得る歪を予測して評価するために利用できる。従って、被成形品の形状の設計段階又はプレス加工に用いる金型の設計段階、或いは加工条件の設定段階で面歪の発生に対する対策を施せるので、実際に成形された被成形品に対して歪評価を行った後で被成形品又は金型の補正を行う場合に比べて、作業工程数を格段に少なくすることができる。また、歪が発生し難い被成形品の形状の設計及び金型の設計を行う際のCAE(computer-aided engineering)を含めた予測技術を向上させることができる。
面歪評価装置の機能ブロック図 演算された三次元の応力データの分布図 図2中の線分A−Aの断面の長さ方向における二次元の応力データのグラフ 図3に示した二次元の応力データを2次微分した変化傾向データのグラフ 変化傾向データを、被成形品に渡って三次元で表した分布図 複数の断面毎の変化傾向データと上記設定許容範囲の上限値とを模式的に描いたグラフ 変化傾向データを三次元で描いた分布図を被成形品の三次元の形状データと重ね合わせて表示した図 歪評価用データと評価基準データとの比較結果を示すグラフ
符号の説明
10 面歪評価装置
11 変化傾向データ導出手段
12 面歪データ抽出手段
13 面歪程度評価手段
14 歪長さ導出手段
15 歪面積導出手段

Claims (6)

  1. 設定された加工条件に基づいて板状の被成形品を成形したときに当該被成形品の各部位で生じる、成形シミュレーションにより演算された応力データに基づいて、前記被成形品における面歪の評価を行う面歪評価装置であって、
    前記被成形品の断面の長さ方向における、演算された二次元の応力データを参照して、前記演算された二次元の応力データの変化傾向を表す変化傾向データを導出する変化傾向データ導出手段と、
    前記変化傾向データに関する設定許容範囲を参照して、前記変化傾向データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記被成形品における面歪を表す面歪データとして抽出する面歪データ抽出手段とを備える面歪評価装置。
  2. 前記変化傾向データ導出手段は、前記演算された二次元の応力データを2次微分して前記変化傾向データを導出するように構成されている請求項1記載の面歪評価装置。
  3. 前記変化傾向データ導出手段は、前記被成形品の複数の断面毎の前記変化傾向データを前記被成形品に渡って三次元で導出し、
    前記面歪データ抽出手段は、前記複数の断面毎の前記面歪データを前記被成形品に渡って三次元で抽出し、
    当該三次元の面歪データに基づいて、前記被成形品に生じる特定の面歪領域の面歪の程度を評価する面歪程度評価手段を備える請求項1又は2記載の面歪評価装置。
  4. 前記面歪程度評価手段は、前記三次元の面歪データに基づいて、前記特定の面歪領域の長さを導出する歪長さ導出手段と、前記三次元の面歪データに基づいて、前記特定の面歪領域の面積を導出する歪面積導出手段とを備え、
    前記特定の面歪領域の長さと面積との組み合わせを歪評価用データとし、評価基準データと前記歪評価用データとの比較を行うことにより、前記特定の面歪領域の面歪の程度を評価する請求項3記載の面歪評価装置。
  5. 前記面歪データ抽出手段は、前記被成形品の形状に基づいて指定された、面歪の発生しない部位に関する情報を参照して、当該面歪の発生しない部位から前記面歪データを抽出しないように構成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の面歪評価装置。
  6. 設定された加工条件に基づいて板状の被成形品を成形したときに当該被成形品の各部位で生じる、成形シミュレーションにより演算された応力データに基づいて、前記被成形品における面歪の評価を行う面歪評価方法であって、
    変化傾向データ導出手段が、前記被成形品の断面の長さ方向における、演算された二次元の応力データを参照して、前記演算された二次元の応力データの変化傾向を表す変化傾向データを導出する工程と、
    面歪データ抽出手段が、前記変化傾向データに関する設定許容範囲を参照して、前記変化傾向データのうち前記設定許容範囲を超えるデータを、前記被成形品における面歪を表す面歪データとして抽出する工程とを備える面歪評価方法。
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