JP4956518B2 - 被加工材の鍛造方法 - Google Patents

被加工材の鍛造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4956518B2
JP4956518B2 JP2008258638A JP2008258638A JP4956518B2 JP 4956518 B2 JP4956518 B2 JP 4956518B2 JP 2008258638 A JP2008258638 A JP 2008258638A JP 2008258638 A JP2008258638 A JP 2008258638A JP 4956518 B2 JP4956518 B2 JP 4956518B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
defect
internal
workpiece
forging
shape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008258638A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010089097A (ja
Inventor
剛史 有川
鷹志 吉田
英樹 柿本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2008258638A priority Critical patent/JP4956518B2/ja
Publication of JP2010089097A publication Critical patent/JP2010089097A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4956518B2 publication Critical patent/JP4956518B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Forging (AREA)

Description

本発明は、被加工材を圧下をすることで被加工材の鍛造を行う被加工材の鍛造方法に関するものである。
従来より、金属系材料等の被加工材を金敷によって圧下することによって被加工材の鍛造を行う鍛造方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の熱間鍛錬方法では、材料幅の0.4〜0.7倍の幅で、且つ、材料高さの0.3〜0.5倍の軸方向長さを有する金敷を用いて、予備加熱した金属材料の表面層を冷却しながら鍛錬を行うようにしている。この特許文献1の技術では、形状に合わせた幅の広い金敷を用いて圧下を行うと共に、材料の表面層を冷却させることによって圧下荷重の内部への伝達を促進し、内部欠陥の閉鎖(圧着)を行っている。
さて、連続鋳造等によって鋳造された鋳片(被加工材)を圧延する圧延分野においては、圧延後に鋳片内部の空隙等、即ち、内部欠陥をなくす方法が数々開発されている(例えば、特許文献2、特許文献3)。
特許文献2の圧延方法においては、圧延による空隙圧着パラメータ(評価パラメータ)Gmを定義して、定義したGmの値に基づいて圧延パススケジュールを決定し、これにより、鋳片の内部欠陥を防止している。即ち、特許文献2では、累積値ΣGm+iの値が0.25以上となるように圧延パススケジュールにより圧延している。
また、特許文献3の圧延方法においては、空隙圧着パラメータGm≧0.20となるパスを1パス以上含むようにパススケジュールを決定して圧延している。
特開平6−277783号公報 特開2005−74487号公報 特開2002−346604号公報
上述したように、特許文献1の技術では、金敷の形状の変更によって被加工材の内部欠陥の閉鎖を行っているが、被加工材の形状に合わせて幅の広い金敷を用いているため、被加工材の形状が変わる毎に金敷もその形状に対応しなければならず、鍛造が非常に手間のかかるものであり、実用的ではないという問題がある。
特許文献2や特許文献3に示すように、空隙圧着パラメータGmを定義して、このGmの値を用いてパススケジュールを決定することで内部欠陥をなくすものとしているが、圧延分野と鍛造分野とでは加工法の違いにより、圧延の技術を鍛造に適用することができないのが実情である。
そこで、本発明は、被加工材の内部欠陥の閉鎖(圧着)を簡単に行うことができる被加工材の鍛造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明の手段は、被加工材を金敷によって圧下して前記被加工材の内部欠陥を閉鎖させつつ鍛造を行う鍛造方法において、鍛造する被加工材に対応して式(1)で示される内部欠陥評価指数と圧下率との関係を求めると共に、鍛造前における内部欠陥の欠陥位置、欠陥サイズ及び欠陥形状を推定し、この推定した欠陥位置、欠陥のサイズ及び欠陥形状に基づいて、前記内部欠陥を閉鎖させるために必要な前記内部欠陥評価指数の最低値を求めておき、前記最低値に対応する圧下率以上で被加工材を金敷で圧下する点にある。
前記内部欠陥評価指数の最低値を式(2)から求めることが好ましい。
式(2)の第1係数(A)及び第2係数(B)を求めるにあたっては、式(3)〜式(8)を用いることが好ましい。
前記内部欠陥の欠陥位置、当該内部欠陥の欠陥サイズ及び欠陥形状を推定するに際しては、流動凝固解析を用いると共に、前記内部欠陥評価指数を求めるに際しては、変形解析を用いることが好ましい。
本発明によれば、被加工材の内部欠陥の閉鎖(圧着)を簡単に行うことができる。
本発明の被加工材の鍛造方法について説明する。
図1は、本発明の被加工材の鍛造方法を行う金敷の構成を示したものである。
図1に示すように、金敷1は、ビレットやブルーム、インゴット等の被加工材2を鍛造するものであって、被加工材2に対して圧下を行う上下移動可能な金敷本体3と、この金敷本体3の下側に上下移動不能に固定されて被加工材2が載置される載置台4とを備えている。
金敷本体3は、当該金敷本体3での圧下の際に被加工材2の表面の移動を拘束する拘束部5を備えている。詳しくは、被加工材2と対向する金敷本体3の表面6(対向面ということがある)に拘束部5が設けられ、この拘束部5は、円弧状に形成された複数の凹凸部7により構成されている。
このような金敷1では、平坦な載置台4に被加工材2を載置した後、金敷本体3を下降させて金敷本体3の対向面6で被加工材2の表面を所定の圧下率で押圧することによって、鍛造を行うことができる。金敷本体3によって被加工材2を圧下すると、被加工材2の表面が圧下する方向と直交する方向(例えば、図1の紙面左右方向)に移動して材料(被加工材2)が流動するが、本発明の拘束部5、即ち、凹凸部7によって圧下時の材料の流動を抑制し、被加工材2の内部に大きな歪みを与えることで、被加工材2の内部欠陥8を圧着により減少させている。
以下、本発明の被加工材の鍛造方法について説明する。
本発明の被加工材の鍛造方法においては、図2に示すように、まず、鍛造する被加工材2を選択する(S1)。選択された被加工材2に対して、当該被加工材2を圧下したときの式(1)に示す内部欠陥評価指数Qを求めると共に、圧下率を求める(S2)。
即ち、S2においては、被加工材2に対する金敷1の圧下率を少しずつ変化させ、所定の圧下率で被加工材2を圧下したときの被加工材2の中心位置O(図2参照)における静水応力や相当応力をコンピュータシュミュレーションにおける変形解析によって、式(1)に示す内部欠陥評価指数Qを求める。そして、各内部欠陥評価指数Qと圧下率との関係(テーブル)を作成する。ここで、内部欠陥評価指数Qを求めるときの変形解析は、材料内の塑性変形や弾性変形の状態を忠実に再現でき、内部の応力状態をシュミュレートできるものであって、変形解析を行うソフトウェアとしては、例えば、ABAQUSなどの汎用製品を用いている.
例えば、条件:冷間据込,形状:Φ100×H150,弾性係数:E=2.05E+05,ポアソン比:ε=0.29である所定の材料では、表1に示すような、各内部欠陥評価指数Qと圧下率との関係(テーブル)を作成する。
ただし、この表1は、上記に示した材料について、内部欠陥評価指数Qと圧下率との関係(対応表)を示したものでこれに限定されない。材質、形状、温度、摩擦によって被加工材2毎に内部欠陥評価指数Qと圧下率との関係(対応表)を求めることが好ましい。
次に、選択した被加工材2に対し、被加工材2の鋼塊生成後(鍛造前)における内部欠陥8の発生状況を推定する(S3)。即ち、鍛造前、即ち、圧下前に、被加工材2での内部欠陥8が発生した位置(欠陥位置)、内部欠陥8の欠陥サイズ、欠陥形状を流動凝固解析などを用いて推定をする。この流動凝固解析では、インゴット等に造塊する際での様々な条件を用いてコンピュータシュミュレーションを行い、これによって、欠陥位置、欠陥サイズ、欠陥形状を推定することができる。例えば、流動凝固解析は、「神戸製鋼技法vol.56 No1 Apr.2006 凝固・流動シュミュレーション技術の鋳鍛鋼製品への応用」や「神戸製鋼技法vol.51 No1 Dec.2001」に記載されている技術と同じであって、流動凝固解析を行うソフトウェアとしては、例えば、ADSTEFNやJSCASTという製品を用いている。
図3に示すように、欠陥位置とは、金敷によって圧下される圧下表面2aから最も近い内部欠陥(最上内部欠陥8aということがある)8aの中心までの距離を、被加工材2の高さHを用いて表したものである。即ち、圧下表面2aから最上内部欠陥8aの中心までの距離が欠陥位置である。欠陥位置が1/2ということは、圧下表面2aから1/2Hの距離の所に最上内部欠陥8aが存在していることを示し、欠陥位置が1/3ということは、圧下表面2aから1/3Hの距離の所に最上内部欠陥8aが存在していることを示し、欠陥位置が1/4ということは、圧下表面2aから1/4Hの距離の所に最上内部欠陥8aが存在していることを示している。これから分かるように、本発明では、最も圧下表面2aに近く、圧下によって閉鎖され難い最上内部欠陥8aを基準としている。
図3に示すように、欠陥サイズとは、内部欠陥8(最上内部欠陥8a)の大きさを被加工材2の幅Dと内部欠陥8の幅dとを用いて表したものである。言い換えれば、欠陥サイズは被加工材2の幅に対する内部欠陥8の幅の比(d/D)である。
欠陥形状とは、内部欠陥8の形状を内部欠陥8の幅dと内部欠陥8の高さhとを用いて表したもので、h/dの値が1に近いほど内部欠陥8の形状が円形と略同じものとなり、h/dの値が大きくなればなるほど内部欠陥8の形状が楕円形、若しくは先細り形状となる。
次に、流動凝固解析により、欠陥位置、欠陥サイズ(d/D)、欠陥形状(h/d)の推定を行った後は、これらを用いて式(2)〜式(8)により、内部欠陥を閉鎖させるための最低値Qminを算出する。
具体的には、欠陥位置を式(5)〜式(8)に代入して、係数α、β、γ、ζを求める(S4)。例えば、欠陥位置が1/2であれば0.5、欠陥位置が1/4であれば0.25をぞれぞれの式に代入する。次に、求めた係数α、β、γ、ζ及び欠陥サイズ(d/D)を式(5)及び式(6)に代入して、係数A(第1係数ということがある)と係数B(第2係数ということがある)を求める(S5)。求めた第1係数A、第2係数B及び欠陥形状(h/d)を代入して、最低値Qminを求める(S6)。そして、次に、予め求めておいた内部欠陥評価指数Qと圧下率との対応表から最低値Qminにおける圧下率を選択して、少なくとも、選択した圧下率以上で被加工材2を金敷で圧下する(S7)。
例えば、表1に示すように、最低値Qminが0.4159であった場合、圧下率は57%であるため、被加工材2を実際に圧下する際は57%以上で圧下をする。
ただし、対応表に最低値Qminに一致する圧下率が無い場合は、求めた最低値Qminによりも次に高い値の最低値Qminを選択して、その最低値Qminに対応する圧下率を選択する。
表1に示すように、最低値Qminが0.4233であった場合、この最低値Qminよりも次に高い数値(0.430734)を選択し、この最低値Qmin(0.430734)に対応する圧下率(58%)を選択する。
式(2)〜式(8)を導出した過程を説明する。
まず、発明者は、図4に示すような欠陥を有する材料(サンプル)に対して圧下を行い、圧下を行ったときの内部欠陥評価指数Qと、欠陥の空隙面積比(欠陥のつぶれ度合い)との関係を調べる様々な実験を行った。そして、各欠陥の位置(P/H)と、各欠陥形状(h/d)に分けた上で、内部欠陥評価指数Qと、欠陥の空隙面積比との関係を整理すると、図5ような結果となり、内部欠陥評価指数Q及び空隙面積比は、各欠陥の位置(P/H)や各欠陥形状(h/d)によって異なることを見いだした。
そこで、発明者は、さらに検証を進め、内部欠陥を閉鎖したときの最低値Qminと、欠陥形状(h/d)とについて様々な実験を行い、この実験により、最低値Qminと欠陥形状(h/d)とについてまとめると図6に示すものとなった。
その結果、図6に示すように、最低値Qminと欠陥形状(h/d)とは線形関係があることを見出が分かった。式(2)に示す如く、最低値Qminと欠陥形状(h/d)との関係を係数A(第1係数ということがある)と係数B(第2係数ということがある)とを用いて表すこととした。
ここで、図6に示すように、欠陥形状(h/d)が同じ値であっても、欠陥サイズ(d/D)が異なれば、内部欠陥8を閉鎖させるための最低値Qminが異なることが分かった。
そこで、実験データにより、第1係数A及び第2係数Bと欠陥サイズ(d/D)とについてまとめた。
図7は、実験等のデータから第1係数A及び第2係数Bと欠陥サイズ(d/D)との関係をまとめたものである。その結果、図7に示す如く、第1係数Aは式(3)に示すように欠陥サイズ(d/D)と係数α、βで表すことができ、第2係数Bは式(4)に示すように欠陥サイズ(d/D)と係数γ、ζで表すことができることが分かった。
図7を詳細にみると、同じ欠陥サイズ(d/D)であっても、欠陥位置によっては、第1係数A及び第2係数Bが異なることが分かった。即ち、欠陥形状(h/d)が同じ値であっても、欠陥位置が異なれば、内部欠陥8を閉鎖させるための最低値Qminが異なることが分かった。
具体的に見ると、図7(a)に示すように、欠陥位置1/2Hでの欠陥サイズ(d/D)に対する第1係数A及び第2係数Bの値と、図7(b)に示すように、欠陥位置1/3Hでの欠陥サイズ(d/D)に対する第1係数A及び第2係数Bの値とは異なっている。
また、図7(c)に示すように、欠陥位置1/2Hや欠陥位置1/3Hにおける第1係数A及び第2係数Bの値と、欠陥位置1/4Hとも異なっている。
そこで、欠陥位置によって第1係数A及び第2係数Bが異なることから、欠陥位置と第1係数Aを求めるための式(2)に示した係数α、βと、欠陥位置と第2係数Bを求めるための式(3)に示した係数γ、ζについてまとめた。
図8は、欠陥位置と、第1係数A及び第2係数Bを求めるための係数α、β、γ、ζとについてまとめたものである。
図8(a)は、欠陥位置に対する係数α及びβの影響(変化)を示し、図8(b)は、欠陥位置に対する係数γの影響(変化)を示ている。また、図8(c)は、欠陥位置に対する係数ζの影響(変化)を示している。
図8に示すように、欠陥位置によって最低値Qminは変化するものとなっており、係数αは欠陥位置に応じて式(5)から求められると共に、係数βは欠陥位置に応じて式(6)から求められるものとなった。また、係数γは欠陥位置に応じて式(7)から求められると共に、係数ζは欠陥位置に応じて式(8)から求められるものとなった。
したがって、内部欠陥の欠陥位置、欠陥サイズ及び欠陥形状に基づいて内部欠陥を閉鎖させる最低値Qminを求めることができるものに至った。
以上のように本発明によれば、被加工材2の内部欠陥8を閉鎖させつつ鍛造を行う鍛造方法においては、まず、鍛造する被加工材2に対応して式(1)で示される内部欠陥評価指数Qと圧下率との関係を求め、鍛造前における内部欠陥の欠陥位置、欠陥サイズ及び欠陥形状を推定し、この推定した欠陥位置、欠陥のサイズ及び欠陥形状に基づいて、内部欠陥評価指数Qおいて内部欠陥を閉鎖させるための最低値Qminを求めておき、最低値Qminに対応する圧下率以上で被加工材を金敷で圧下している。
これによって、鍛造する前の被加工材2に内在している内部欠陥8の特性(欠陥位置、欠陥サイズ、欠陥形状)を全て考慮した金敷の圧下による鍛造が行え、内部欠陥8を確実に閉鎖させることができる。即ち、内部欠陥8の特性に応じて実際に圧下する圧下率を変えるだけで、内部欠陥8を確実に閉鎖、消滅させることができる。さらに、本発明によれば、最上内部欠陥8aにおける欠陥位置、欠陥サイズ、欠陥形状を基準として最低値Qminを求め、これで求めた最低値Qminで実際に圧下する圧下率を決定して鍛造を行っている。そのため、最上内部欠陥8aとは別に数多くの内部欠陥8が内在していたとしても、このようにして決定した圧下率に基づいて圧下すれば、複雑な圧下率制御等を行わなくても他の場所に内在する内部欠陥8も確実に閉鎖することができる。
さて、同じ圧下率であっても被加工材2の形状、材質、温度,摩擦等(鍛造条件)が異なると、被加工材2の内部に発生する応力が異なることが考えられる。例えば、同じ圧下率であっても、変形し易い材質であれば、内部に発生する応力(例えば,相当応力),ひずみ(相当ひずみ)は大きいものとなる。
このように内部の応力・ひずみ状態というのは、内部欠陥8を閉鎖するために、様々な影響を及ぼすことから、本発明によれば、圧下した際の被加工材2の内部に発生した応力・ひずみを示すことができる内部欠陥評価指数Qによって考慮している。そして、本発明によれば、内部欠陥8を確実に閉鎖できる内部欠陥評価指数Qの最低値Qminを求めた上で、その内部欠陥評価指数Qの最低値Qminから適正な圧下率を求め、その圧下率で圧下しているため、確実に内部欠陥8を閉鎖することができる。
表2は、本発明の被加工材2の鍛造方法で鍛造を行った実施例と、本発明の被加工材2の鍛造方法とは別の方法で鍛造を行った比較例とをまとめたものである。
表2に示すように、実施例及び比較例では、UT評価(超音波測定器)にて被加工材2の内部欠陥8を評価した。表2に示すように、内部欠陥8が所定未満(無いもの)については良好「○」とした。また、表2に示すように、内部欠陥8が所定以上(有るもの)については不良「×」とした。
実施例1〜実施例6では、欠陥位置、欠陥サイズ及び欠陥形状を推定し、この推定した欠陥位置、欠陥のサイズ及び欠陥形状に基づいて内部欠陥8を閉鎖させる内部欠陥評価指数の最低値Qminを求め(算出Qmin)、この最低値Qmin(算出Qmin)に対応する圧下率(算出圧下率)よりも、大きな圧下率(適用圧下率)にて被加工材2を金敷で圧下しているため、内部欠陥8は見受けられなかった(表2、評価「○」)。
比較例1〜比較例6では、欠陥位置、欠陥サイズ及び欠陥形状における推定作業を行わず、欠陥位置、欠陥のサイズ及び欠陥形状に基づいて内部欠陥8を閉鎖させる金敷の最低値Qminも求めずに、金敷で圧下した場合、内部欠陥8は見受けられた(表2、評価「×」)。
なお、比較例1〜比較例10において、本発明と同様に、欠陥位置、欠陥サイズ及び欠陥形状を推定して最低値Qmin(算出Qmin)を求め、実際に適用した内部欠陥評価指数の適用値を仮に求めてみると、この適用した適用Qminは、算出Qminよりも低い値であり、実際に圧下した圧下率(適用圧下率)は、内部欠陥の閉鎖のために求められる圧下率(算出圧下率)も低い値であった。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、上記実施形態では、流動凝固解析によって欠陥位置、欠陥のサイズ及び欠陥形状を推定したが、これに限らない。
例えば、モデル実験において、予め溶融凝固させた被加工材2の圧下前に所定の長さで切り出しておき(例えば、幅方向、高さ方向に1mm切り出す)、図9に示すように切り出したサンプル2Aから重量を測定して高さ方向及び幅方向の密度を測定し、密度の低い部分は、内部欠陥が存在すると考え、高さ方向及び幅方向の密度分布から欠陥位置、欠陥のサイズ及び欠陥形状を推定してもよい。図9に示す例では、高さ方向及び幅方向の密度分布において、その密度が閾値よりも低い範囲を欠陥が存在するとし、その範囲の長さを内部欠陥8の幅d、内部欠陥8の高さhとしている。
また、被加工材2内に複数の内部欠陥が存在する場合は次のようにしてもよい。まず、シュミュレーション等によって凝固時に発生する欠陥形状、欠陥位置、欠陥サイズを推定しておき、欠陥形状(h/d)が同じものにおいての欠陥位置を求める。このとき、欠陥形状(h/d)毎に欠陥位置を求めておく。即ち、複数の内部欠陥が存在する場合は、内部欠陥の欠陥形状毎に欠陥位置をそれぞれ求める。そして、ぞれぞれの欠陥形状に対して、欠陥位置、欠陥サイズを用いて最低値Qminを求め、求めた最低値Qminの中で最も最大であるものを、鍛造(圧下)を行う際に採用する。
本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
金敷の構成図である。 被加工材の鍛造方法を示すフローチャートである。 欠陥位置、欠陥サイズ及び欠陥形状の定義を示す図である。 内部欠陥評価指数と、欠陥の空隙面積比との関係を求めるための材料のサンプル図である。 内部欠陥評価指数Qと、欠陥の空隙面積比との関係を示す図である。 圧下率(最低値Qmin)と欠陥形状(h/d)との関係図である。 欠陥形状(h/d)と欠陥サイズ(d/D)との関係図であって、(a)は、欠陥位置1/2Hにおける欠陥形状(h/d)と欠陥サイズ(d/D)との関係図であり、(b)は、欠陥位置1/3Hにおける欠陥形状(h/d)と欠陥サイズ(d/D)との関係図であり、(c)は、欠陥位置1/4Hにおける欠陥形状(h/d)と欠陥サイズ(d/D)との関係図である。 欠陥サイズ(d/D)と欠陥位置との関係図であって、(a)は、欠陥位置と係数α及び係数βとの関係図であり、(b)は、欠陥位置と係数γとの関係図であり、(c)は、欠陥位置と係数ζとの関係図である。 欠陥位置、欠陥のサイズ及び欠陥形状を推定する別の方法を示した図である。
符号の説明
1 金敷
2 被加工材
3 金敷本体

Claims (4)

  1. 被加工材を金敷によって圧下して前記被加工材の内部欠陥を閉鎖させつつ鍛造を行う鍛造方法において、
    鍛造する被加工材に対応して式(1)で示される内部欠陥評価指数と圧下率との関係を求めると共に、鍛造前における内部欠陥の欠陥位置、欠陥サイズ及び欠陥形状を推定し、この推定した欠陥位置、欠陥のサイズ及び欠陥形状に基づいて、前記内部欠陥を閉鎖させるために必要な前記内部欠陥評価指数の最低値を求めておき、
    前記最低値に対応する圧下率以上で被加工材を金敷で圧下することを特徴とする被加工材の鍛造方法。
  2. 前記内部欠陥評価指数の最低値を式(2)から求めることを特徴とする請求項1に記載の被加工材の鍛造方法。
  3. 式(2)の第1係数(A)及び第2係数(B)を求めるにあたっては、式(3)〜式(8)を用いることを特徴とする請求項2に記載の被加工材の鍛造方法。
  4. 前記内部欠陥の欠陥位置、当該内部欠陥の欠陥サイズ及び欠陥形状を推定するに際しては、流動凝固解析を用いると共に、前記内部欠陥評価指数を求めるに際しては、変形解析を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の被加工材の鍛造方法。
JP2008258638A 2008-10-03 2008-10-03 被加工材の鍛造方法 Expired - Fee Related JP4956518B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008258638A JP4956518B2 (ja) 2008-10-03 2008-10-03 被加工材の鍛造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008258638A JP4956518B2 (ja) 2008-10-03 2008-10-03 被加工材の鍛造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010089097A JP2010089097A (ja) 2010-04-22
JP4956518B2 true JP4956518B2 (ja) 2012-06-20

Family

ID=42252324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008258638A Expired - Fee Related JP4956518B2 (ja) 2008-10-03 2008-10-03 被加工材の鍛造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4956518B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105945190A (zh) * 2016-06-20 2016-09-21 安徽省瑞杰锻造有限责任公司 一种大型模块的自由锻造工艺
CN110993040B (zh) * 2019-11-28 2023-03-14 太原科技大学 一种确定30Cr2Ni4MoV钢铸态转变为锻态临界值的方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2854215B2 (ja) * 1993-03-30 1999-02-03 株式会社日本製鋼所 金属材料の熱間鍛錬方法
JP3396837B2 (ja) * 1999-03-29 2003-04-14 日立協和エンジニアリング株式会社 流動凝固解析方法
JP4871228B2 (ja) * 2006-10-05 2012-02-08 株式会社神戸製鋼所 鍛造工程設計方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010089097A (ja) 2010-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Duan et al. Three dimensional thermal mechanical coupled simulation during hot rolling of aluminium alloy 3003
US8706283B2 (en) System for evaluating manufacturability of a casting design
Zhou et al. Computer simulated and experimentally verified isothermal extrusion of 7075 aluminium through continuous ram speed variation
KR20140050745A (ko) 주조형 설계 방법 및 주조형
Skripalenko et al. Prediction of potential fracturing during radial-shear rolling of continuously cast copper billets by means of computer simulation
Nalawade et al. Effect of pass schedule and groove design on the metal deformation of 38MnVS6 in the initial passes of hot rolling
JP4956518B2 (ja) 被加工材の鍛造方法
US10974318B2 (en) Cast product mechanical characteristic prediction method, cast product mechanical characteristic prediction system, and computer readable recording medium recording cast product mechanical characteristic prediction program
Zhang et al. Evolution of transverse weld during porthole extrusion of AA7N01 hollow profile
Cha et al. Adaptive wear model for shear-cutting simulation with open cutting line
JP2009090306A (ja) 金属板の摩擦係数算出方法及び成形シミュレーション方法
Vallellano et al. Analysis of deformations and stresses in flat rolling of wire
Seetharamu et al. Finite element modelling of solidification phenomena
JP4866302B2 (ja) 鍛伸加工の工程設計システムと鍛伸加工方法
Gattmah et al. Effects of increasing mass scaling in 3D explicit finite element analysis on the wire drawing process
Yang et al. Finite element simulation of equal channel angular extrusion
Duan et al. Prediction of temperature evolution by FEM during multi-pass hot flat rolling of aluminium alloys
JP2010069509A (ja) 被加工材の鍛造方法
Hongjun et al. Analysis of the cracks formation on surface of extruded magnesium rod based on numerical modeling and experimental verification
Minutolo et al. Dimensional analysis of a new type of groove for steel rebar rolling
Nalawade et al. Void closure in a large cross section bars hot rolled from a low alloy steel ingot casting
JP4813999B2 (ja) 鍛造品の形状予測方法およびそのプログラム
JP6973617B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造用の圧下ロール
Wen et al. Roll pass evaluation for three-dimensional section rolling using a simplified finite element method
Mahomed Shrinkage Porosity in Steel Sand Castings: Formation, Classification and Inspection

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120313

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4956518

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees