JP4790585B2 - 半導体ウェーハの平坦化方法、平坦化装置及び半導体ウェーハの製造方法 - Google Patents

半導体ウェーハの平坦化方法、平坦化装置及び半導体ウェーハの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高い平坦度が要求される半導体ウェーハの平坦化方法、平坦化装置及び半導体ウェーハの製造方法に関する。
シリコンウェーハ等の半導体ウェーハは、表面に微細な回路パターンを形成させる必要上、半導体ウェーハの厚さが均一であること、表面形状が平坦であることが要求される。特に、SOI(Silicon on Insulator) ウェーハでは厚さの均一性や表面平坦性に加えて、活性層の膜厚さやその均一性をも必要とされている。
ここで、半導体ウェーハを平坦化する技術としては、グライディングやCMP(Chemical Mechanical Polishing)等の機械的または機械的化学的研磨方法が用いられてきたが、得られる平坦度には限界があった。
そこで、近年、被加工面に局部的なプラズマエッチングを施して平坦化を図る技術が提案されている(特許文献1、2を参照)。特許文献1に開示されている技術は、予め半導体ウェーハの平坦度を求め、その値に基づいて各領域における除去量を演算し、厚さのばらつきに応じた除去量で半導体ウェーハの表面側をプラズマエッチングして、高い平坦度を得ようとするものである。また、同様に、特許文献2に開示されている技術も、メインエッチャントとして中性活性種を用い、半導体ウェーハの表面側または裏面側の一方をプラズマエッチングして、高い平坦度を得ようとするものである。
しかしながら、このような技術では、半導体ウェーハの平坦化が図れるとしても、半導体ウェーハの品質的改善までは図ることができなかった。
特開2001−244240号公報 特開2001−185537号公報
本発明は、平坦化と伴に欠陥部を形成させ、その欠陥部に重金属などの不純物を捕捉、固定させることができる半導体ウェーハの平坦化方法、平坦化装置及び半導体ウェーハの製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、エッチングガスを第1のプラズマにより励起して、中性活性種及びイオンを生成し、前記中性活性種及び前記イオンを開口窓を介して前記開口窓よりも面積の大きな半導体ウェーハの裏面に局所的に供給し、前記半導体ウェーハ上の凸部の形状に応じて、前記中性活性種に対する前記イオンの量を制御して、前記半導体ウェーハの裏面の局部的なエッチングと欠陥部の形成を行うこと、を特徴とする半導体ウェーハの平坦化方法が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、エッチングガスを第1のプラズマにより励起して、中性活性種及びイオンを生成し、前記中性活性種及び前記イオンを開口窓を介して前記開口窓よりも面積の大きな半導体ウェーハの裏面に局所的に供給し、前記半導体ウェーハ上の凸部の形状に応じて、前記半導体ウェーハの裏面に対する前記イオンの衝突エネルギーを制御して、前記半導体ウェーハの裏面の局部的なエッチングと欠陥部の形成を行うこと、を特徴とする半導体ウェーハの平坦化方法が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、プラズマによりエッチングガスを励起するプラズマ発生手段を備えた半導体ウェーハの平坦化装置であって、半導体ウェーハの裏面に対向するように設けられた第1のプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、前記プラズマ発生手段と前記半導体ウェーハの裏面との間に設けられ前記半導体ウェーハよりも開口面積が小さい開口窓と、備え、前記半導体ウェーハ上の凸部の形状に応じて、前記中性活性種に対する前記イオンの量を制御することを特徴とする半導体ウェーハの平坦化装置が提供される。
さらにまた、本発明の他の一態様によれば、単結晶シリコンのインゴットから半導体ウェーハを切り出し、前記半導体ウェーハの周縁に、面取り加工を施して面取り面を形成し、前記半導体ウェーハの主面を研磨加工し、前記半導体ウェーハをエッチング処理し、前記の平坦化方法を用いて、前記半導体ウェーハの平坦化を行うこと、を特徴とする半導体ウェーハの製造方法が提供される。
本発明によれば、平坦化と伴に欠陥部を形成させ、その欠陥部に重金属などの不純物を捕捉、固定させることができる半導体ウェーハの平坦化方法、平坦化装置及び半導体ウェーハの製造方法が提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明をする。
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体ウェーハの製造方法について説明をするためのフローチャートである。
まず、単結晶シリコンのインゴットから所定の厚さの半導体ウェーハを、刃物やワイヤーなどの切断具用いて切り出すスライシングを行う(ステップS1)。
次に、切り出された半導体ウェーハの周縁に、面取り加工を施して面取り面を形成させる(ステップS2)。
次に、半導体ウェーハの面を研磨する研磨加工を行う(ステップS3)。
この研磨加工は、前述のスライシングで生じた半導体ウェーハ面上の凹凸を除去して、表面を平坦化するためのものであり、例えば、公知の研磨装置などを用いて表面のラッピング加工などが行われる。
次に、半導体ウェーハをエッチング処理して、前述の面取り加工および研磨加工による加工ダメージを除去する(ステップS4)。
このエッチングは、例えば、ウエットエッチングとすることができ、具体的には酸エッチングまたはアルカリエッチングとすることができる。酸エッチングには、例えば、半導体ウェーハを硝酸(HNO3)とフッ化水素(HF)との混合溶液に浸し、半導体ウェーハのシリコン(Si )を硝酸で酸化させて、酸化シリコン(SiO2)を形成させ、これをフッ化水素で溶解除去するものなどがある。また、アルカリエッチングには、例えば、半導体ウェーハを水酸化カリウム(KOH)や水酸化ナトリウム(NaOH)などのアルカリ溶液に浸して、半導体ウェーハ表面をエッチングするものなどがある。
また、このエッチングはドライエッチングとすることもできる。例えば、所定のエッチングガス(SF、NFなど)をプラズマなどで励起、活性化させて中性活性種などを生成し、このうち、半導体ウェーハに与えるダメージが少ない中性活性種を用いてエッチングを行うようなものを例示することができる。
次に、半導体ウェーハの表面および裏面の凹凸の形状を、平坦度測定手段によって測定し、得られた凹凸の値から面内の厚みのばらつき(厚みの面内分布)を演算し、演算結果を面内分布のデータとして記憶する(ステップS5)。
この面内分布のデータ(厚みと座標)に基づいて、後述するプラズマエッチングにより、半導体ウェーハの裏面に対して高平坦化と欠陥部の形成が行われる。この場合、例えば、予め中性活性種やイオンの供給量、供給時間などと、エッチング量や欠陥部との関係などを調べておき、それに基づいて載置台4の移動速度などを制御して、平坦化と欠陥部の形成を行うようにしてもよい。
平坦度測定手段には、例えば、半導体ウェーハの表面および裏面にそれぞれ対向するように配設され、レーザ光により凹凸を測定することのできる非接触型のレーザ測定装置と、このレーザ測定装置を半導体ウェーハの表面および裏面に沿って移動させることのできる移動手段と、これらの動作の制御を行うと共に測定された凹凸のデータを記憶することのできる制御手段とを備えたものなどを例示することができる。
次に、本実施の形態に係る平坦化方法を用いて、半導体ウェーハの裏面を局部的にプラズマエッチングし、高平坦化と欠陥部の形成を行う(ステップS6)。
ここでは、マイクロ波などを導入することにより所定のエッチングガスをプラズマ化して、中性活性種、イオンなどを生成し、中性活性種とイオンにより半導体ウェーハ裏面側の凸部を局部的に除去することで高平坦化を行う。また同時に、生成したイオンによる物理的な衝撃で欠陥部の形成をも行う。
例えば、エッチングガスをプラズマによって分解、活性化させて中性活性種、イオンなどを生成し、中性活性種とイオンとを半導体ウェーハの裏面側の凸部に向けて局部的に供給し、化学的な反応と物理的な衝撃でエッチングを行い高平坦化を図り、また同時に、イオンの物理的な衝撃により半導体ウェーハの裏面側に欠陥部を形成させる。また、別途新たにイオンを生成し、これをエッチング面に供給し、半導体ウェーハの裏面側に欠陥部を形成させるようにすることもできる。尚、先に中性活性種による局所的なエッチングを行った後に続いて、イオンによる欠陥部の形成をさせるようにすることもできる。
この場合、中性活性種に対するイオンの量やイオンの衝突エネルギーを制御することで、半導体ウェーハ上の凸部の形状に合わせた最適なエッチングをすることができ、また、形成させる欠陥部の範囲や深さを調整することもできる。
例えば、化学的な反応で等方性エッチングを行うことができる中性活性種を多く用いれば、凸部の高さが低く面積が比較的大きいような部分(なだらかな凸部部分)を、効率よく平坦化することができる。また、物理的な衝撃で異方性エッチングを行うことができるイオンの量を多くしたり、衝突エネルギーを強めれば、凸部の高さが高く面積が比較的小さいような部分(急峻な凸部部分)を、効率よくかつ精度よく平坦化させることができる。また、イオンの量を多くしたり、衝突エネルギーを強めれば、形成させる欠陥部の範囲を広くしたり、深さを深くしたりすることもできる。尚、中性活性種やイオンの生成、制御などについては後述する。
次に、必要に応じて、半導体ウェーハに熱処理を施して、半導体ウェーハの表面近傍に存在する重金属などの不純物や点欠陥などを、裏面近傍に形成させた欠陥部に捕捉、固定させることを促す(ステップS7)。また、その他、必要に応じて半導体ウェーハに鏡面仕上げ加工などを施すこともできる。尚、これらの処理や加工は必要に応じて適宜行うようにすればよい。
ここで、欠陥部について説明をする。
半導体装置の製造工程においては、半導体ウェーハには種々の熱処理が施されるが、その際、結晶中の重金属などの不純物が様々の結晶欠陥を誘起させる。これらの結晶欠陥は半導体ウェーハの表面近傍にも発生し得るため、リーク電流の増大をまねき、半導体装置の特性の劣化と歩留りの低下をもたらす。
前述したように、本実施の形態においては、半導体ウェーハの裏面近傍にイオンによる衝撃で微少な欠陥部を形成させるようにしている。このような欠陥部を半導体ウェーハの裏面近傍に積極的に形成させるものとすれば、半導体装置の特性に有害な影響を与える不純物をこの欠陥部に捕捉、固定したり、結晶欠陥の発生に関与している点欠陥などを捕捉、固定することができる。この場合、半導体ウェーハの裏面側には回路パターンが設けられることがないので、このような欠陥や不純物が存在しても半導体ウェーハの品質に悪影響を与えることはない。また、このような欠陥の形成後、後述する熱処理を施せば、半導体ウェーハの表面側に存在する重金属などの不純物や点欠陥の欠陥部への捕捉、固定を促進させることもできる。
ここで、特許文献1に開示されている技術においては、半導体ウェーハ表面側の凸部を局部的に除去することで高平坦化を行なっている。半導体ウェーハ表面側には、回路パターンが設けられることになるので、イオンの衝撃による欠陥の発生は許されない。そのため、このような技術においては、イオンを除去して中性活性種のみで局所的エッチングを行うこととしている。また、特許文献2に開示されている技術においても、メインエッチャントとして中性活性種を用い、半導体ウェーハの表面側または裏面側の一方をプラズマエッチングして、高平坦化を行っている。
そのため、これらの技術ではイオンによるエッチングの特性を積極的に利用することができず、半導体ウェーハ上の凸部の形状に合わせた最適なエッチングをすることができなかった。また、これらの技術では、イオンによる物理的な衝撃を半導体ウェーハの裏面側に積極的に加えることができず、半導体ウェーハの裏面側に所望の欠陥部を設けることができなかった。その結果、半導体ウェーハの品質に影響のでない裏面近傍に、重金属などの不純物や点欠陥などを捕捉、固定させることができなかった。
そして、局部的なエッチングを連続して行う場合には、走査しながらのエッチングが必要となるが、このような場合、生産性を考慮すると毎分100マイクロメートル程度の深さのエッチングする必要が生じる。このような高速のエッチング条件では、例えダメージの少ない中性活性種によるエッチングを行ったとしても、被処理面に結晶欠陥や表面粗さの悪化を生じてしまうおそれがある。また、プラズマ発生部において構成部材のエッチングが発生し、これが半導体ウェーハの不純物濃度を増加させたり、さらには、結晶方位の違いによるエッチング速度の差が大きくなり、エッチング処理後の鏡面性が損なわれるおそれもある。その結果、特許文献1に開示されているような再度の研磨処理(特許文献1のポリッシング工程)を施し、これらが発生した部分の除去や鏡面性の回復をさせる必要が生じる。
本実施の形態に係る発明では、半導体ウェーハの裏面側をエッチングするため、このような高速のエッチングを行い被処理面の結晶欠陥や不純物濃度の増加、表面粗さや鏡面性の悪化を招いても半導体ウェーハの品質に影響を与えることはない。また、積極的に形成させた欠陥部により、増加した不純物をも捕捉、固定することができる。また、中性活性種に加えてイオンをもエッチングに用いるので、イオンアシスト効果によりエッチングレートが増加し、スループットが向上する。
図2は、これらのことを目視的に説明するための模式図である。
図2(a)は、特許文献1などに開示された半導体ウェーハの表面側をエッチングする場合を示している。図2(b)は、本実施の形態に係る半導体ウェーハの裏面側をエッチングする場合を示している。
図2(a)の上段の図は、エッチング前の半導体ウェーハの断面を模式的に表すものである。このように、凸部を有する半導体ウェーハの表面側をエッチングすることにより、図2(a)の中段の図に示すように平坦化(厚さの均一化)が図れる。ただし、前述したように、回路パターンが形成されることになる半導体ウェーハの表面側に結晶欠陥、表面粗さの悪化などが生じた部分が形成されてしまう。そのため、図2(a)の下段の図に示すように、研磨を行いこの部分の除去や鏡面性の回復をさせることが必要になる。この場合、完全な除去を行うことは困難であり、また、研磨により平坦度(厚さの均一性)が再度悪化するおそれもある。
図2(b)の上段の図は、エッチング前の半導体ウェーハの断面を模式的に表すものである。このように、凸部を有する半導体ウェーハの裏面側をエッチングすることにより、図2(b)の下段の図に示すように平坦化(厚さの均一化)が図れる。この場合、半導体ウェーハの裏面側に結晶欠陥、表面粗さの悪化などが生じたとしても、回路パターンが形成されることになる半導体ウェーハの表面側にはエッチングの影響が及ばない。そのため、図2(a)に示す場合のように、この部分を研磨などで除去する必要はない。また、半導体ウェーハの裏面側に、積極的に欠陥部を設けることで重金属などの不純物や点欠陥などを捕捉、固定させることができる。
次に、本発明の実施の形態に係る半導体ウェーハの製造装置について説明をする。
以下に例示をする半導体ウェーハ平坦化装置によれば、前述した半導体ウェーハの裏面を局部的にプラズマエッチングし、高平坦化と欠陥部の形成を行う(ステップ6)ことができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体ウェーハ平坦化装置について説明をするための模式図である。
図3に示すように、半導体ウェーハ平坦化装置1には、プラズマ発生手段2、減圧チャンバ3、載置台4、高周波電源5、イオン生成部6が主に備えられている。
プラズマ発生手段2には、導入導波管7、放電管8、導波管9、冷却ブロック10、ガス導入管11などが設けられている。尚、冷却ブロック10は必ずしも必要ではなく、適宜設けるようにすればよい。
減圧チャンバ3の天井板には、天井板に略垂直になるように放電管8が設けられている。放電管8は、一端が減圧チャンバ3の外側に向けて突出するように設けられ、その端面は気密となるように塞がれている。また、他端は減圧チャンバ3内側の載置台4の載置面4a(半導体ウェーハWが載置、保持される面)に向けて突出するように設けられ、その端面は開口されている。
減圧チャンバ3外側の放電管8の突出端近傍にはガス導入管11が設けられ、ガス導入管11には図示しないガス供給手段が接続されている。そして、放電管8内にガス導入管11を介してエッチングガスG1が導入できるようになっている。
放電管8は、環状の導入導波管7に略直交するように挿通している。また、導入導波管7には導波管9が接続され、導波管9には図示しないマイクロ波発生手段が接続されている。そして、導入導波管7には、放電管8の軸方向に略直交する方向から伝播してきたマイクロ波Mを、放電管8の内部に向けて放射するための環状のスロット7aが設けられている。放電管8の内部は、プラズマP1を発生させるためのプラズマ発生室Cともなるが、スリット7aに対向する部分がプラズマ発生室Cの略中心領域となる。
冷却手段である冷却ブロック10は、放電管8と導入導波管7との挿通部分の周辺において、放電管8の外周面を包囲するようにして設けられ、また、冷却ブロック10は循環する冷却水により冷却されるようになっている。冷却ブロック10と放電管8との間には、隙間(例えば1mm程度)が形成されている。
減圧チャンバ3は、仕切り板12で上室3aと下室3bとに仕切られている。上室3aの側壁には排気口13が設けられ、排気口13には排気管13aの一端が接続されている。排気管13aの他端には第1の排気手段E1が接続されている。
仕切り板12において、載置面4aと前述の放電管8の開口部分とに対向する部分には、イオン生成部6が設けられている。イオン生成部6には、開口である開口窓6aが設けられている。開口窓6aは略円形断面を呈する開口であり、後述する放電が容易となるように、周縁部の軸方向寸法(仕切り板12の肉厚方向寸法)が開口窓6aの中心に向かって漸減するようになっている。
開口窓6aは、中性活性種の供給範囲と開口窓6a近傍での放電範囲を限定して、エッチングと欠陥部が形成される領域とを限定する機能をも有する。そして、開口窓6aを被エッチング部分(凹凸の領域)の大きさよりも小さなものとして、繰り返し走査を行うことで被エッチング部分の平坦化を図るようにしている。また、開口窓6aの大きさをエッチング部分の形態に合わせて変更することで、最適なエッチングをすることもできる。例えば、開口窓6a部分を別部材とし、それを交換することで、被エッチング部分の範囲等に適合させた最適のエッチングをすることもできる。
開口窓6aの開口寸法Dは、直径10ミリメートル以上、直径60ミリメートル以下とすることが好ましい。直径10ミリメートル未満とすれば、放電管8から供給される中性活性種の失活割合が多くなりエッチングレートが下がってしまうからであり、直径60ミリメートルを超えるものとすれば局部的なエッチングができず平坦化に問題が生じるからである。
下室3bの側壁には排気口14が設けられ、排気口14には排気管14aの一端が接続されている。排気管14aの他端には第2の排気手段E2が接続されている。また、開口窓6a近傍の空間に向けて、エッチングガスG2が導入できるようガス導入管15も接続されている。そして、ガス導入管15には図示しないガス供給手段が接続されている。
下室3bには、載置台4が設けられている。載置台4の上面は半導体ウェーハWを載置、保持するための載置面4aとなっている。ここで、半導体ウェーハWは、回路パターンの形成面となる半導体ウェーハWの表面側が図3で下方を向く状態で載置台4に保持される。このため、半導体ウェーハWの回路パターンの形成面に損傷が発生しないように、載置面4aの中央部は窪んでいるか、または開口していることが好ましい。
載置台4には、半導体ウェーハWを保持するための図示しない保持手段(例えば、静電チャックなど)が設けられている。また、半導体ウェーハWの温度を制御するための図示しない温度制御手段(例えば、ヒータなど)などを適宜設けるようにすることもできる。例えば、中性活性種による反応生成物の昇華を促進するために、載置面4a近傍から加熱された窒素ガスなどを流すことにより、半導体ウェーハWを加熱するようにしても良い。
載置台4には、水平面のX軸方向への移動を行うための第1のテーブル4bと、X軸方向に直交するY軸方向への移動を行うための第2のテーブル4cと、垂直方向(Z軸方向)への移動を行うための垂直移動部4dと、が設けられている。そして、これらは個別に位置制御することができ、載置された半導体ウェーハWを所望の位置に移動可能としている。尚、半導体ウェーハWの水平面内における回転方向(θ方向)位置を移動、調整するための手段を設けることもできる。
半導体ウェーハWが載置される部分(図3の場合では、テーブル4b)には、コンデンサ5aを介して高周波電源5が電気的に接続されている。高周波電源5には、図示しないインピーダンス整合器を備える。また、仕切り板12は減圧チャンバ3の壁面を介して接地されている。そのため、開口窓6aの近傍に放電によるプラズマP2を発生させることができ、導入されたエッチングガスG2並びに未活性のエッチングガスG1をプラズマ化してイオンや中性活性種などを生成させることが可能となる。尚、高周波電源5と半導体ウェーハWが載置される部分(図3の場合では、テーブル4b)との電気的接続において、減圧チャンバ3を挿通する部分には接続部材5bが設けられている。
ここで、主要部分の材質を例示するものとすれば、放電管8はアルミナ、石英などの誘電体材料からなり、仕切り板12や減圧チャンバ3などはステンレスなどの金属材料からなるものとすることができる。また、仕切り板12や減圧チャンバ3の表面は、フッ素系樹脂でコーティングするか、フッ素系樹脂部材で覆う事が望ましい。
次に、半導体ウェーハ平坦化装置1の作用について説明をする。
まず、図示しない搬送装置により被処理物である半導体ウェーハWが、減圧チャンバ3内に搬入され、載置台4の載置面4a上に載置される。搬送装置が減圧チャンバ3内から退避した後には、図示しない扉を閉じて減圧チャンバ3を気密となるように密閉する。搬入された半導体ウェーハWは、図示しない静電チャックにより載置面4a上に保持される。この際、半導体ウェーハWの表面側が載置面4aと当接するように載置、保持される。そのため、半導体ウェーハWの裏面側が開口窓6aに対向することになる。
そして、前述した平坦度測定(ステップS5)の演算結果(面内分布のデータ)に基づき、次に平坦化される箇所が開口窓6aの直下に来るよう載置台4のテーブル4b、テーブル4c、垂直移動部4dの移動が行われる。
次に、減圧チャンバ3内が排気手段E1、E2により所定圧力まで減圧される。この際、図示しない圧力制御手段により減圧チャンバ3内の圧力が調整される。また、減圧チャンバ3と連通する放電管8の内部も伴に減圧される。
次に、図示しないガス供給手段から所定量のエッチングガスG1(例えば、SFなど)が、ガス導入管11を介して放電管8内に導入される。また、図示しないマイクロ波発生手段から、所定のパワーのマイクロ波Mが導波管9に放射される。そして、導波管9、導入導波管7内を伝播してきたマイクロ波Mは、環状のスロット7aから放電管8内のプラズマ発生室Cに導入される。また、冷却ブロック10内に冷却水が供給されて、放電管8の冷却が行われる。
この導入されたマイクロ波MによりプラズマP1が発生し、エッチングガスG1が励起、活性化されて中性活性種、イオン、電子が生成される。生成された中性活性種、イオン、電子は、放電管8内を下降して減圧チャンバ3内に供給される。この際、イオンと電子は放電管8の内壁に衝突すると電荷を失い、中性ガスあるいは中性活性種となって下降する。そのため、イオンと電子は放電管8から放出されず、中性活性種とエッチングに寄与しない中性ガス、残余のエッチングガスG1が放電管8から放出される。そして、エッチングに寄与するものとしては中性活性種が減圧チャンバ3まで到達し、開口窓6aを通過して半導体ウェーハWの所定の箇所を局部的に等方性エッチングする。ここで、図中の「○」は中性活性種、「+」はイオン、「−」は電子を表している。尚、放電管8から放出されたもののうち、開口窓6aを通過しなかったものは、排気口13から排出される。
一方、図示しないガス供給手段から所定量のエッチングガスG2(例えば、Arなど)が、ガス導入管15を介して下室3b内の開口窓6a近傍の空間に向けて導入される。そして、高周波電源5から高周波電力がテーブル4bに印加されると、テーブル4bの開口窓6aに面した部分にのみ高周波放電が発生する。これによりプラズマP2が発生し、エッチングガスG2並びに未活性のエッチングガスG1が励起、活性化されて中性活性種、イオン、電子が生成される。
このうち、中性活性種は放電管8において生成されたものとあいまって、化学的なエッチング(等方性エッチング)に寄与することになる。
一方、半導体ウェーハWの裏面には直流バイアス電圧が発生する。この直流バイアス電圧によりイオンが加速されて半導体ウェーハWに衝突し欠陥部の形成が行われる。また、イオンは物理的なエッチングにも寄与する(イオンアシスト効果)。尚、直流バイアス電圧により電子の半導体ウェーハWへの衝突は阻害される。
ここで、高周波電源5からの高周波電力や下室3bの圧力を制御すれば直流バイアス電圧を制御することができるので、イオンによる衝突エネルギーを制御することができる。そのため、衝突エネルギーを制御して、半導体ウェーハW上の凸部の形状に合わせた最適なエッチングをすることができ、また、形成させる欠陥部の範囲や深さを調整することもできる。
また、中性活性種に対するイオンの量も調整が可能である。例えば、マイクロ波Mの出力や放電管8内の圧力調整により、放電管8における中性活性種の生成量を制御してイオンとの割合を変えることもできる。そのため、半導体ウェーハW上の凸部の形状に合わせた最適なエッチングをすることができる。
また、中性活性種とイオンによるエッチングを同時に行う場合、イオンの衝突エネルギーを一定にすると、エッチング量の多い場所でのイオンの照射量が多くなりすぎ欠陥部が不必要に大きくなる等の不都合が生じるおそれがある場合には、イオンの照射量を半導体ウェーハWの面内で均一となるように可変することもできる。また、先に中性活性種によるエッチングを行った後に、続いてイオンによるエッチングを均一に行うこともできる。
また、上室3aの圧力は下室3bより低い方が好ましい。上室3aの圧力が低ければ、下室3bから上室3aに向かう気流ができるので、エッチングにより生成された反応生成物などが半導体ウェーハWの面から遠ざかるようにして排出されるからである。
また、上室3aの圧力と下室3bの圧力とのバランスを調整することで、開口窓6aからの中性活性種の流入量を調整することができ、エッチングレートなどの調整をすることもできる。
また、半導体ウェーハWの温度を載置台4に設けられた図示しない温度制御手段により制御して中性活性種による化学的なエッチングを制御することもできる。中性活性種によるエッチングは化学反応により進むので、一般的には、温度が上がれば反応が促進されるからである。
そして、前述した平坦度測定(ステップS5)の演算結果(面内分布のデータ)に基づき、次に平坦化される箇所が開口窓6aの直下に来るよう載置台4のテーブル4b、テーブル4c、垂直移動部4dの移動が行われる。
以上の手順を繰り返して、半導体ウェーハWの全面における処理が終了した場合には、図示しない搬送装置により半導体ウェーハWが減圧チャンバ3の外に搬出される。この後、必要があれば、前述の平坦化の処理が繰り返される。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体ウェーハ平坦化装置について説明をするための模式図である。
尚、図3で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し説明は省略する。
図4に示すように、半導体ウェーハ平坦化装置100には、プラズマ発生手段20、減圧チャンバ30、載置台4、直流電源50、開口窓60aが主に備えられている。
プラズマ発生手段20には、誘電体窓21、高周波アンテナ22、高周波電源24、ガス導入管11などが設けられている。
減圧チャンバ30の天井部分には誘電体窓21が気密になるように設けられ、減圧チャンバ30の外側であって、誘電体窓21の上面には環状の高周波アンテナ22が設けられている。そして、高周波アンテナ22と高周波電源24とがコンデンサ23を介して電気的に接続されている。
減圧チャンバ30は、仕切り板120で上室30aと下室30bとに仕切られている。仕切り板120において、載置面4aと対向する部分には、開口である開口窓60aが設けられている。開口窓60aは略円形断面を呈する開口であり、周縁部の軸方向寸法(仕切り板120の肉厚方向寸法)が開口窓60aの中心に向かって漸減するようになっている。尚、本実施の形態においては、開口窓60aの周縁部の軸方向寸法は一定であってもよい。
本実施の形態においては、開口窓60aはエッチング範囲を制限するためのいわゆるマスクとしての機能を果たす。そのため、エッチングされる領域は開口窓60aの大きさにより決まるので、被エッチング部分(凹凸の領域)の大きさよりも小さなものとして、繰り返し走査を行うことで平坦化を図るようにしている。開口窓60aの開口寸法D1は、直径10ミリメートル以上、直径60ミリメートル以下とすることが好ましい。直径10ミリメートル未満とすれば、上室30aから供給される中性活性種の失活割合が多くなりエッチングレートが下がってしまうからであり、直径60ミリメートルを超えるものとすれば局部的なエッチングができず平坦化に問題が生じるからである。
半導体ウェーハWの載置される部分(図4の場合では、テーブル4b)がマイナス電位となるように、直流電源50のマイナス側が半導体ウェーハWの載置される部分(図4の場合では、テーブル4b)と電気的に接続されている。そのため、後述するように、発生したイオンを半導体ウェーハWに引き寄せ、加速させて衝突させることができ、また、発生した電子が半導体ウェーハWに衝突するのを阻害することができる。尚、直流電源50と半導体ウェーハWが載置される部分(図4の場合では、テーブル4b)との電気的接続において、減圧チャンバ3を挿通する部分には接続部材5bが設けられている。尚、直流電圧を発生させる手段として、高周波電源を用いてもよい。
ここで、主要部分の材質を例示するものとすれば、誘電体窓21はアルミナ、石英などの誘電体材料からなり、仕切り板120や減圧チャンバ30などはステンレスなどの金属材料からなるものとすることができる。また、仕切り板120や、減圧チャンバ30の表面は、フッ素系樹脂でコーティング、あるいはフッ素系樹脂部材で覆う事が望ましい。
次に、半導体ウェーハ平坦化装置100の作用について説明をする。
ここでも、前述した半導体ウェーハ平坦化装置1と同様の部分については、説明を省略する。
半導体ウェーハ平坦化装置1の場合と同様に、半導体ウェーハWの搬入、載置・保持、処理のための移動が行われた後、減圧チャンバ30内が排気手段E1、E2により所定圧力まで減圧される。この際、図示しない圧力制御手段により減圧チャンバ30内の圧力が調整される。
次に、図示しないガス供給手段から所定量のエッチングガスG1(例えば、SFなど)が、ガス導入管11を介して上室30a内に導入される。また、高周波電源24から高周波アンテナ22に高周波電流が流れると高周波誘導磁場が発生し、これにより誘電電界が生成されてプラズマ中の電子が加速される。そのため、誘電体窓21の直下に高密度のプラズマP3が発生する。
このプラズマP3により、エッチングガスG1が励起、活性化されて中性活性種、イオン、電子が生成される。生成された中性活性種は、上室30a内を下降して開口窓60aを通過して半導体ウェーハWの所定の箇所を局部的に等方性エッチングする。
一方、直流電源50のマイナス側がテーブル4bと接続されているため、そこに載置されている半導体ウェーハWもマイナス電位となる。そのため、これによりイオンが加速されて半導体ウェーハWに衝突し欠陥部の形成が行われる。また、イオンは物理的なエッチングにも寄与する(イオンアシスト効果)。尚、半導体ウェーハWがマイナス電位となっているので、電子の半導体ウェーハWへの衝突は阻害される。ここで、図中の「○」は中性活性種、「+」はイオン、「−」は電子を表している。
ここで、直流電源50からの印加電圧を制御すれば、イオンによる衝突エネルギーを制御することができる。そのため、衝突エネルギーを制御して、半導体ウェーハW上の凸部の形状に合わせた最適なエッチングをすることができ、また、形成させる欠陥部の範囲や深さを調整することもできる。
また、中性活性種とイオンによるエッチングを同時に行う場合、イオンの衝突エネルギーを一定にすると、エッチング量の多い場所でのイオンの照射量が多くなりすぎ欠陥部が不必要に大きくなる等の不都合が生じるおそれがある場合には、イオンの照射量を半導体ウェーハWの面内で均一となるように可変することもできる。また、先に中性活性種によるエッチングを行った後に、続いてイオンによるエッチングを均一に行うこともできる。
また、上室30aの圧力は下室30bより低い方が好ましい。上室30aの圧力が低ければ、下室30bから上室30aに向かう気流ができるので、エッチングにより生成された反応生成物などが半導体ウェーハWの面から遠ざかるようにして排出されるからである。
また、上室30aの圧力と下室30bの圧力とのバランスを調整することで、開口窓60aからの中性活性種の流入量を調整することができ、エッチングレートなどの調整をすることもできる。
また、半導体ウェーハWの温度を載置台4に設けられた図示しない温度制御手段により制御して中性活性種による化学的なエッチングを制御することもできる。
そして、1箇所の平坦化が終了した後は、前述した平坦度測定(ステップS5)の演算結果(面内分布のデータ)に基づき、次に平坦化される箇所が開口窓60aの直下に来るよう載置台4のテーブル4b、テーブル4c、垂直移動部4dの移動が行われる。
以上の手順を繰り返して、半導体ウェーハWの全面における処理が終了した場合には、図示しない搬送装置により半導体ウェーハWが減圧チャンバ30の外に搬出される。この後、必要があれば、前述の平坦化の処理が繰り返される。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体ウェーハ平坦化装置110について説明をするための模式図である。
尚、図3、図4で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し説明は省略する。
図5(a)に示すように、半導体ウェーハ平坦化装置110には、大気圧プラズマ発生手段25、チャンバ31、載置台4、直流電源50、開口窓60aが主に備えられている。
チャンバ31の天井板には、天井板に略垂直となるように大気圧プラズマ発生手段25が設けられている。大気圧プラズマ発生手段25は、噴出口25eがチャンバ31内側の載置台4の載置面4a(半導体ウェーハWが載置、保持される面)に向けて突出するように設けられている。チャンバ31の外側であって、大気圧プラズマ発生手段25の突出端近傍にある導入口25dにはガス導入管11が接続され、ガス導入管11には図示しないガス供給手段に接続されている。そして、大気圧プラズマ発生手段25内にガス導入管11を介してエッチングガスG1が導入できるようになっている。
次に、大気圧プラズマ発生手段25の概要を説明する。
図5(b)は、大気圧プラズマ発生手段25の概略構成を説明するための模式図である。 図5(b)に示すように、アルミナ、石英などの誘電体からなる放電管25aの外周面には、互いに対向するように電極25b、25cが設けられている。そして、一方の電極25cには、コンデンサ23を介して高周波電源24が接続されている。また、他方の電極25bは接地されている。電極25cに高周波電力を印加するとプラズマP4が発生し、このプラズマP4により、導入口25dから供給されたエッチングガスG1が励起、活性化されて中性活性種、イオン、電子が生成される。
本実施の形態においても半導体ウェーハWの載置される部分(図5(a)の場合では、テーブル4b)がマイナス電位となるように、直流電源50が電気的に接続されている。そのため、発生したイオンを半導体ウェーハWに引き寄せ、加速させて衝突させることができ、また、発生した電子が半導体ウェーハWに衝突するのを阻害することができる。
次に、半導体ウェーハ平坦化装置110の作用について説明をする。
ここでも、前述した半導体ウェーハ平坦化装置1、100と同様の部分については、説明を省略する。
半導体ウェーハ平坦化装置1の場合と同様に、半導体ウェーハWの搬入、載置・保持、処理のための移動が行われた後、前述した大気圧プラズマ発生手段25によりエッチングガスG1(例えば、SFなど)を励起、活性化させて中性活性種、イオン、電子を生成させる。
生成された中性活性種は、開口窓60aを通過して半導体ウェーハWの所定の箇所を局部的に等方性エッチングする。
一方、直流電源50のマイナス側がテーブル4bと接続されているため、そこに載置されている半導体ウェーハWもマイナス電位となる。そのため、これによりイオンが引き寄せられ、加速されて半導体ウェーハWに衝突し欠陥部の形成が行われる。また、イオンは物理的なエッチングにも寄与する(イオンアシスト効果)。尚、半導体ウェーハWがマイナス電位となっているので、電子の半導体ウェーハWへの衝突は阻害される。ここで、図中の「○」は中性活性種、「+」はイオン、「−」は電子を表している。
ここで、直流電源50からの印加電圧を制御すれば、イオンによる衝突エネルギーを制御することができる。そのため、衝突エネルギーを制御して、半導体ウェーハW上の凸部の形状に合わせた最適なエッチングをすることができ、また、形成させる欠陥部の範囲や深さを調整することもできる。
また、中性活性種とイオンによるエッチングを同時に行う場合、イオンの衝突エネルギーを一定にすると、エッチング量の多い場所でのイオンの照射量が多くなりすぎ欠陥部が不必要に大きくなる等の不都合が生じるおそれがある場合には、イオンの照射量を半導体ウェーハWの面内で均一となるように可変することもできる。また、先に中性活性種によるエッチングを行った後に、続いてイオンによるエッチングを均一に行うこともできる。
また、上室31aの圧力は下室31bより低い方が好ましい。上室31aの圧力が低ければ、下室31bから上室31aに向かう気流ができるので、エッチングにより生成された反応生成物などが半導体ウェーハWの面から遠ざかるようにして排出されるからである。
また、上室31aの圧力と下室31bの圧力とのバランスを調整することで、開口窓60aからの中性活性種の流入量を調整することができ、エッチングレートなどの調整をすることもできる。
また、半導体ウェーハWの温度を載置台4に設けられた図示しない温度制御手段により制御して中性活性種による化学的なエッチングを制御することもできる。
また、大気圧プラズマにより中性活性種、イオン、電子を生成するものとすれば、減圧環境が不要となるので半導体ウェーハ平坦化装置自体の構成を簡略化することもできる。
そして、1箇所の平坦化が終了した後は、前述した平坦度測定(ステップS5)の演算結果(面内分布のデータ)に基づき、次に平坦化される箇所が開口窓60aの直下に来るよう載置台4のテーブル4b、テーブル4c、垂直移動部4dの移動が行われる。
以上の手順を繰り返して、半導体ウェーハWの全面における処理が終了した場合には、図示しない搬送装置により半導体ウェーハWがチャンバ31の外に搬出される。この後、必要があれば、前述の平坦化の処理が繰り返される。
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体ウェーハ平坦化装置111について説明をするための模式図である。
尚、図3、図4、図5で説明をしたものと同様の部分には同じ符号を付し説明は省略する。
図6に示すように、半導体ウェーハ平坦化装置111には、大気圧プラズマ発生手段25、チャンバ31、載置台4、直流電源50、開口窓60aが主に備えられている。
本実施の形態においては、大気圧プラズマ発生手段25に直流電源50が接続されており、半導体ウェーハWの載置される部分(図6の場合では、テーブル4b)が接地されている。そのため、大気圧プラズマ発生手段25側の電位を制御することで、半導体ウェーハWに衝突するイオンのエネルギーを制御することができる。
尚、半導体ウェーハ平坦化装置111の作用は、図5で説明をした半導体ウェーハ平坦化装置110と同様のためその説明は省略する。
ここで、図1で説明をした、スライシング(ステップS1)、面取り(ステップS2)、研磨(ステップS3)、ウェットエッチングまたはドライエッチング(ステップS4)、平坦度測定(ステップS5)、熱処理等(ステップS7)に用いる各技術は公知のものを適用することができるので、それらの説明は省略する。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明をした。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
前述の具体例に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、半導体ウェーハ平坦化装置1、半導体ウェーハ平坦化装置100、半導体ウェーハ平坦化装置110、半導体ウェーハ平坦化装置111に備えられた各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、プラズマの発生方法に関しても前述したものに限定されるわけではなく、高密度のプラズマが発生できる種々の方法を適宜選択することができる。
また、前述した各具体例が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
本発明の実施の形態に係る半導体ウェーハの製造方法について説明をするためのフローチャートである。 平坦化の様子を目視的に説明するための模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る半導体ウェーハ平坦化装置について説明をするための模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体ウェーハ平坦化装置について説明をするための模式図である。 本発明の第3の実施の形態に係る半導体ウェーハ平坦化装置について説明をするための模式図である。 本発明の第4の実施の形態に係る半導体ウェーハ平坦化装置について説明をするための模式図である。
符号の説明
1、100、110、111 半導体ウェーハ平坦化装置、2、20 プラズマ発生手段、3、30 減圧チャンバ、4 載置台、4a 載置面、5、24 高周波電源、6 イオン生成部、6a、60a 開口窓、8 放電管、12、120 仕切り板、21 誘電体窓、22 高周波アンテナ、25 大気圧プラズマ発生手段、31 チャンバ、50 直流電源、G1、G2 エッチングガス、M マイクロ波、P1〜P4 プラズマ、W 半導体ウェーハ

Claims (11)

  1. エッチングガスを第1のプラズマにより励起して、中性活性種及びイオンを生成し、
    前記中性活性種及び前記イオンを開口窓を介して前記開口窓よりも面積の大きな半導体ウェーハの裏面に局所的に供給し
    前記半導体ウェーハ上の凸部の形状に応じて、前記中性活性種に対する前記イオンの量を制御して、前記半導体ウェーハの裏面の局部的なエッチングと欠陥部の形成を行うこと、を特徴とする半導体ウェーハの平坦化方法。
  2. エッチングガスを第1のプラズマにより励起して、中性活性種及びイオンを生成し、
    前記中性活性種及び前記イオンを開口窓を介して前記開口窓よりも面積の大きな半導体ウェーハの裏面に局所的に供給し、
    前記半導体ウェーハ上の凸部の形状に応じて、前記半導体ウェーハの裏面に対する前記イオンの衝突エネルギーを制御して、前記半導体ウェーハの裏面の局部的なエッチングと欠陥部の形成を行うこと、を特徴とする半導体ウェーハの平坦化方法。
  3. 前記開口窓の近傍に第2のプラズマを発生させて、さらにイオンを生成し、
    これを前記半導体ウェーハの裏面に向けて供給すること、を特徴とする請求項1または2に記載の半導体ウェーハの平坦化方法。
  4. 前記中性活性種及び前記イオンの生成は大気圧下で行われること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体ウェーハの平坦化方法。
  5. 前記中性活性種を前記半導体ウェーハの裏面に供給した後に、前記イオンを前記半導体ウェーハ裏面に供給すること、を特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の半導体ウェーハの平坦化方法。
  6. 前記半導体ウェーハの表面および裏面の凹凸の形状を測定し、
    前記測定の結果から前記半導体ウェーハの厚みの面内分布を演算し、
    前記面内分布に基づいて、請求項1〜のいずれか1つに記載の平坦化方法を行うこと、 を特徴とする半導体ウェーハの平坦化方法。
  7. プラズマによりエッチングガスを励起するプラズマ発生手段を備えた半導体ウェーハの平坦化装置であって、
    半導体ウェーハの裏面に対向するように設けられた第1のプラズマを発生させるプラズマ発生手段と、
    前記プラズマ発生手段と前記半導体ウェーハの裏面との間に設けられ前記半導体ウェーハよりも開口面積が小さい開口窓と、
    備え
    前記半導体ウェーハ上の凸部の形状に応じて、前記中性活性種に対する前記イオンの量を制御することを特徴とする半導体ウェーハの平坦化装置。
  8. 前記半導体ウェーハを支持する部材に高周波を印加することにより前記開口窓の近傍に第2のプラズマを発生可能とした高周波電源をさらに備えこと、を特徴とする請求項記載の半導体ウェーハの平坦化装置。
  9. 前記半導体ウェーハを支持する部材に直流電圧を印加することにより前記半導体ウェーハの裏面に衝突するイオンの加速を可能とした直流電源をさらに備えること、を特徴とする請求項またはに記載の半導体ウェーハの平坦化装置。
  10. 前記プラズマ発生手段は、大気圧下でプラズマを発生可能であること、を特徴とする請求項記載の半導体ウェーハの平坦化装置。
  11. 単結晶シリコンのインゴットから半導体ウェーハを切り出し、
    前記半導体ウェーハの周縁に、面取り加工を施して面取り面を形成し、
    前記半導体ウェーハの主面を研磨加工し、
    前記半導体ウェーハをエッチング処理し、
    請求項1〜のいずれか1つに記載の平坦化方法を用いて、前記半導体ウェーハの平坦化を行うこと、を特徴とする半導体ウェーハの製造方法。
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