JP4790521B2 - 自動制動制御装置 - Google Patents

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本発明は、貨物や乗客を輸送するための大型車両(トラック、バス)に利用する。
自動車の電子制御化は、日進月歩で進歩し、これまでは運転者の判断のみに頼っていた事象についても車載したコンピュータによって行われるようになった。
その一つの例として、先行車と自車との間の距離(車間距離)をレーダによって監視し、車間距離が異常に接近した場合には、自動的に適切な制動制御を行い、万が一の衝突時に、その被害を小さく抑えるという自動制動制御装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−31967号公報
上述した自動制動制御装置は、乗用車においては既に実用化されつつあるが、同様の機能を、貨物や乗客を輸送するための大型車両(トラック、バス)に利用しようとしたときに、解決しなければならない問題がある。
すなわち、大型車両は乗用車と比較して質量がきわめて大きく、また、運転者自身の安全の他に、乗客や貨物の安全を確保しなければならず、乗用車の自動制動制御で行われているような単純な急制動制御だけでは所期の目的を達成することは困難であり、乗用車の場合と比較してより高度な自動制動制御を行う必要がある。しかし、そのような手段が確立されていないため、トラックやバスにおける自動制動制御装置は未だ実用化されていない。
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、トラックやバスにおける自動制動制御を実現することができる自動制動制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、車両の進行方向に有る対象物との距離を含むセンサ出力に基づき運転操作がなくとも自動的に制動制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記センサ出力により得られた前記対象物と自車との相対距離および相対速度とに基づき導出される前記対象物と自車とが所定距離以下となるまでに要する時間の予測値が設定値を下回ったときに自動的に段階的な制動制御を行う段階的制動制御手段を備え、前記段階的制動制御手段は、時系列的に複数段階にわたり制動力または制動減速度を徐々に増大させる制動制御手段を含む自動制動制御装置である。
前記対象物と自車との相対距離および相対速度とに基づき導出される前記対象物と自車とが所定距離以下となるまでに要する時間の予測値とは、例えば、対象物と自車とが衝突するまでに要する時間の予測値(以下では、TTC(Time To Collision)と呼ぶ)である。
ここで、本発明の特徴とするところは、路面とタイヤとの間の摩擦係数の状態を推定する摩擦係数推定手段と、この摩擦係数推定手段の推定結果に基づいて前記制動制御手段による制動力または制動減速度を調整する制動力または制動減速度調整手段とを備えたところにある。
すなわち、本発明の自動制動制御装置は、アスファルトなどの一般的な舗装道路における使用を前提として設計されている。したがって、自動制動制御を実施する際の制動力または制動減速度の設定値についても一般的な舗装道路とタイヤとの間の摩擦係数を前提として設定されている。しかし、実際には、積雪や降雨などにより、あるいは、無舗装などにより、車両が走行する路面状態は様々である。
本発明によれば、路面とタイヤとの間の摩擦係数に応じて自動制動制御実施中における制動力または制動減速度を適切な値に調整することができ、自動制動制御実施中における車両の安定性を高く保つことができる。
また、前記推定結果は、摩擦係数の程度に応じて複数の段階に分けられて出力され、前記制動力または制動減速度調整手段は、当該複数の段階に分けられた推定結果に応じて制動力または制動減速度を複数の段階に分けて低減させる手段を備えることができる。
これによれば、路面とタイヤとの間の摩擦係数の程度に応じて制動力または制動減速度を細かく調整することができる。
本発明によれば、トラックやバスにおける自動制動制御を実現することができる。特に、路面とタイヤとの間の摩擦係数に応じて適切な制動力または制動減速度により自動制動制御を実施することができる。
本発明実施例の自動制動制御装置を図1ないし図8を参照して説明する。図1は本実施例の制御系統構成図である。図2は本実施例の制動制御ECU(Electric Control Unit)の動作を示すフローチャートである。図3は制動制御ECUが有する空積時の制動パターンを示す図である。図4は制動制御ECUが有する半積時の制動パターンを示す図である。図5は制動制御ECUが有する定積時の制動パターンを示す図である。図6は制動制御ECUが有する本格制動パターンを示す図である。図7は摩擦係数に応じた制動力調整の第一実施例の手順を示すフローチャートである。図8は摩擦係数に応じた制動力調整の第二実施例の手順を示すフローチャートである。
図1に示すように、制動制御ECU4、ゲートウェイECU5、メータECU6、エンジンECU8、軸重計9、EBS(Electric Breaking System)_ECU10はVehicleCAN(J1939)7を介してそれぞれ接続される。
また、ステアリングセンサ2、ヨーレイトセンサ3、車速センサ13、左右前輪回転速度センサ14は、ゲートウェイECU5を介してVehicleCAN(J1939)7にそれぞれ接続され、これらのセンサ情報は、制動制御ECU4に取り込まれる。また、ブレーキ制御は、EBS_ECU10がブレーキアクチュエータ11を駆動することによって行われる。なお、EBS_ECU10に対するブレーキ指示は、運転席(図外)のブレーキ操作および制動制御ECU4によって行われる。運転者によるブレーキ操作の情報を含むブレーキ情報もEBS_ECU10が出力して制動制御ECU4に取り込まれる。また、EBS_ECU10はABS15の機能を有する。エンジンECU8は、エンジン12の燃料噴射量制御その他のエンジン制御を行う。なお、エンジンECU8に対する噴射量制御指示は運転席のアクセル操作によって行われる。また、制動制御ECU4により出力された警報表示やブザー音がメータECU6により運転席の表示部(図示省略)に表示される。ステアリングセンサ2以外の操舵に関連する制御系統は本発明とは直接関係が無いので図示を省略した。
本実施例は、図1に示すように、車両の進行方向に有る先行車あるいは落下物などの対象物との距離を測定するミリ波レーダ1、操舵角を検出するためのステアリングセンサ2、ヨーレイトを検出するためのヨーレイトセンサ3、自車速を検出するための車速センサ13などのセンサ出力に基づき運転操作がなくとも自動的に制動制御を行う制動制御ECU4を備えた自動制動制御装置である。
制動制御ECU4は、ミリ波レーダ1および車速センサ13からのセンサ出力により得られた前記対象物と自車との相対距離および相対速度とに基づき導出されるTTCが設定値を下回ったときに自動的に段階的な制動制御を行う段階的制動制御手段を備える。
この段階的制動制御手段は、図3(b)に示すように、時系列的に三段階にわたり制動力を徐々に増大させる制動制御手段を含む。図3(b)の例では、まず、「警報」と記された第一段階で、0.1G程度の制動をTTC2.4秒から1.6秒までかける。この段階では、未だ、いわゆる急制動がかかった状態にはなっておらず、ストップランプが点灯することにより後続車に対し、これから急制動が行われることを知らせることができる。次に、「拡大領域制動」と記された第二段階で、0.3G程度の制動をTTC1.6秒から0.8秒までかける。最後に、「本格制動」と記された第三段階で、最大の制動(0.5G程度)をTTC0.8秒から0秒までかける。
なお、運転者が上記に示した制動力以上の強い制動操作を行った場合には、より強い制動力が優先して働くようにする。ただし、運転者の制動操作は、EBS(Electric Breaking System)_ECU10に対するブレーキ指示として作用し、運転者が万が一過剰な制動操作を行った場合でもEBS_ECU10が適切にブレーキアクチュエータ11の制動力を調整する。
また、本実施例では、図3〜図5に示すように、制動制御ECU4は、積載貨物や乗客の重量に応じて制動パターンを変更する制動パターン選択部40を含む。変更する方法としては、制動制御ECU4の制動パターン記憶部41に、予め「空積時」、「半積時」、「定積時」における制御パターンを複数記憶しておき、制動パターン選択部40は、重量に応じてこれらの制動パターンから適合(または近似)する制動パターンを選択することにより実現できる。積載貨物や乗客の重量情報は、図1に示す軸重計9によって得られ、制動制御ECU4に取り込まれる。
なお、以下の説明では、先行車を対象として説明するが、本実施例の自動制動制御装置は、道路上の落下物などに対しても有効である。
また、自車速が60km/h未満であり、操舵角が+30度以上あるいは−30度以下であるときには、前記段階的制動制御手段の起動を禁止する手段を備える。なお、操舵角に代えてヨーレイトを用いることもできる。
すなわち、本実施例の自動制動制御装置が行う段階的制動制御は、制動制御開始以前の自車速が60km/h以上であり、車線変更中や急カーブ走行中などのような大きなハンドル操作を行っていない状態での使用を想定しているため、それ以外の走行状態では、段階的制動制御の起動を制限することができる。
また、制動制御開始以前の自車速が60km/h未満であれば、車両の有する運動エネルギは少ないため、従来から乗用車に適用されているような単純な急制動制御を行っても支障はなく、段階的制動制御を実施する有用性は低いので、段階的制動制御の起動を制限する。さらに、制動制御開始以前の操舵角が+30度以上あるいは−30度以下であれば、これは車線変更中や急カーブ走行中であるので、段階的制動制御の適用事象外であり段階的制動制御の起動を制限する。この場合には、操舵角の代わりにヨーレイトを用いてもよい。
本実施例では、制動制御開始以前の自車速が60km/h未満であり15km/h(自動制動制御(本格制動制御のみ)の有用性が認められる最低速度)以上である場合には、段階的制動制御は行わないが、図6に示すように、図3(b)〜図5(b)に示す本格制動制御のみは実施することとする。このような本格制動制御のみを実施する場合は、乗用車に用いられている従来の自動制動制御と同等の制動制御を適用することができる。なお、このような従来と同等の自動制動制御を適用する場合には車線変更中や急カーブ走行中であるか否かを判断するステップは必要ない。
次に、本実施例の自動制動制御装置の動作を図2のフローチャートを参照しながら説明する。図2は空積時(図3)の制動パターンを例にとって説明を行うが、半積時(図4)または定積時(図5)においても図2のフローチャートの手順に準じる。図2に示すように、先行車との車間距離および先行車の車速をミリ波レーダ1により測定して監視する。また、自車速を車速センサ13により測定して監視する。さらに、軸重計9により積載貨物や乗客の重量を測定して監視する(S1)。制動パターン選択部40は、当該重量の測定結果に基づき制動パターン(図3〜図5)のいずれかを予め選択する。以下の説明は、図3の制動パターンが選択された例である。
車間距離、自車速、先行車の車速によりTTCを計算する(S2)。計算方法は、
車間距離/(自車速−先行車速度)
である。制動制御開始以前の自車速が60km/h以上であり(S3)、制動制御開始以前の操舵角が+30度以下であり−30度以上であり(S4)、TTCが図3(a)に示す(1)の領域にあれば(S5)、「警報」制動制御を実行する(S8)。また、TTCが図3(a)に示す(2)の領域にあれば(S6)、「拡大領域制動」制御を実行する(S9)。また、TTCが図3(a)に示す(3)の領域にあれば(S7)、「本格制動」制御を実行する(S10)。
また、制動制御開始以前の自車速が60km/h未満15km/h以上であり(S3、S11)、TTCが図3(c)に示す(4)の領域にあれば(S12)、運転者に対して先行車との相対距離が近いことを報知する(S13)。報知は、警報表示やブザー音により行う。さらに、TTCが図3(c)に示す(5)の領域にあれば(S14)、「本格制動」制御を実行する(S10)。
なお、ステアリングセンサ2からの操舵角の代わりにヨーレイトセンサ3からのヨーレイトを利用することもできる。あるいは、操舵角とヨーレイトを併用してもよい。
ここで、図3〜図5について説明する。図3〜図5における直線c、f、iは、操舵回避限界直線と呼ばれるものである。また、図3〜図5における曲線B、D、Fは、制動回避限界曲線と呼ばれるものである。
すなわち、操舵回避限界直線とは、障害物までの一つの相対距離および障害物との一つの相対速度の関係において、所定のTTC以内にハンドル操作によって衝突を回避可能な限界を示す直線である。また、制動回避限界曲線とは、障害物までの一つの相対距離および障害物との一つの相対速度の関係において、所定のTTC以内に制動操作によって衝突を回避可能な限界を示す曲線である。
図3〜図5において、これらの直線または曲線の下側の領域の内、双方が共に関わる領域では、もはやハンドル操作によってもブレーキ操作によっても衝突を回避することはできない。
例えば、図3の空積時の例では、直線cは、TTCが0.8秒に設定されている。本実施例では、操舵回避限界直線cの上側に、TTCが2.4秒である場合の直線aを設け、TTCが1.6秒である場合の直線bを設ける。また、TTCが0.8秒に設定された制動回避限界曲線Bの上側にTTCが1.6秒に設定された曲線Aを設ける。
当初の車両の状態は、図3の黒点Gに示す障害物との相対距離および相対速度を有している。制動制御開始以前の自車速が60km/h以上であるときに、次第に相対距離が短くなり、直線aの位置に来たときには、警報モードとなる(領域(1))。警報モードでは、0.1G程度の制動をTTC2.4秒〜1.6秒までかける。この期間は、ストップランプを点灯させ、後続車にブレーキをかけることを知らせる意義がある。さらに相対速度が下がり、直線bの位置に来たときには、拡大領域制動モードとなる(領域(2))。拡大領域制動モードでは、0.3G程度の制動をTTC1.6秒〜0.8秒までかける。直線cの位置に来たときには、本格制動モードとなる(領域(3))。本格制動モードでは、最大の制動(0.5G程度)をTTC0.8秒〜0秒までかける。図2のステップS2の計算によれば、このときに衝突が起こることになる。しかし、実際には、自車速が制動制御によって小さくなるため、ステップS2の計算結果よりも実際のTTCは長くなる。
すなわち、本発明が対象とする自動制動制御装置におけるTTCの計算では、精密な距離測定や複雑な演算処理を極力省き、汎用の簡易な距離測定装置(例えば、ミリ波レーダ)や演算装置を用いることを前提としている。このような配慮は、車両の製造コストあるいは維持費を低く抑えるために有用である。
よって、厳密には、対象物である先行車と自車とは、制動(減速)によって等加速度運動を行っているのであるから、TTC計算も等加速度運動に基づき計算しなければならないところを、単に等速運動を行っているものとしてTTCを計算することにより、精密な距離測定や複雑な演算処理を省いている。
また、このような等速運動とみなした計算を行うことにより、計算されたTTCの値は実際のTTCの値よりも小さくなるが、これは安全側への誤差であるから容認しても何ら支障はない。
さらに、制動制御開始以前の自車速が15km/h以上であり60km/h未満であるときには、次第に相対距離が短くなり、直線bの位置に来たときには、報知モードとなる(領域(4))。報知モードでは、運転者に対して警報表示やブザー音によって、障害物との相対距離が短くなっていることを知らせる。直線cの位置に来たときには、本格制動モードとなる(領域(5))。本格制動モードでは、最大の制動(0.5G程度)をTTC0.8秒〜0秒までかける。
また、図4は半積時の例であり、図5は定積時の例であるが、等しい制動力同士で比べれば、積載貨物や乗客の重量が増すにつれて制動距離も長くなるため、操舵回避限界曲線および制動回避限界曲線も図の上方にそれぞれ移動する。これにより、領域(1)、(2)、(3)、(4)、(5)の面積は、積載貨物や乗客の重量に応じて大きくなる。
図3における直線a〜cは、図4における直線d〜f、図5における直線g〜iに対応し、図3における曲線A、Bは、図4における曲線C、D、図5における曲線E、Fに対応し、図3における黒点Gは、図4における黒点H、図5における黒点Iに対応する。
本実施例では、制動制御ECU4は、図7に示した手順による路面とタイヤとの間の摩擦係数の状態を推定する摩擦係数推定部42と、この摩擦係数推定部42の推定結果に基づいてブレーキ指示を行い制動力を調整するブレーキ指示生成部43とを備える。なお、制動力を調整する代わりに制動減速度を調整してもよいが、本実施例では制動力を調整する例を説明する。
摩擦係数推定部42は、左右前輪回転速度センサ14から取り込んだ左右前輪回転速度情報に基づき左右前輪の回転加速度を検出する加速度検出部50と、EBS_ECU10が有する機能であるABS15の作動状態を検出するABS検出部51とを備え、制動制御ECU4のブレーキ指示生成部43は、ABS検出部51がABSの作動を検出中に加速度検出部50により検出された加速度とABS検出部51がABSの作動を検出以前に加速度検出部50により検出された加速度との差に応じて制動力を所定値まで低減させるように、EBS_ECU10に対してブレーキ指示を行う。
次に、図7を参照して摩擦係数に応じた制動力調整の実施例の手順を説明する。制動制御ECU4の加速度検出部50は、左右前輪回転加速度を検出する(S20)。ここで、加速度検出部50による加速度検出についてさらに詳細に説明する。加速度検出部50は、左右前輪回転速度センサ14から左右前輪回転速度情報を、ABS15の動作状態検出周期毎に取り込む。例えば、ABS15の動作状態検出周期が50ms毎であれば、左右前輪回転速度情報も50ms毎に取り込む。
ここで、以前取り込んだ左または右前輪回転速度から今回取り込んだ左または右前輪回転速度を減算し、これを以前左または右前輪回転速度情報を取り込んだ時刻と今回左または右前輪回転速度情報を取り込んだ時刻との時間差により除算することにより、左または右前輪回転加速度を得ることができる。
本実施例では、6個前に取り込んだ左または右前輪回転速度から今回取り込んだ左または右前輪回転速度を減算し、これを6個前に左または右前輪回転速度情報を取り込んだ時刻と今回左または右前輪回転速度情報を取り込んだ時刻との時間差(50ms×6=300ms)により除算することにより、左または右前輪回転加速度を得ている。これにより、直前に取り込んだ左または右前輪回転速度から今回取り込んだ左または右前輪回転速度を減算する場合と比較して回転速度の変化を効率良く反映させることができる。加速度検出部50は、このようにして、左右前輪回転加速度を検出する。
ここで、車輪の空転(スリップ)が発生してABS15が作動することにより、ABS作動フラグが立った(=1となる)ときには(S21)、ABS検出部51がこれを検出する。加速度検出部50は、ABS作動フラグ=1のときの左右前輪回転加速度とABS作動フラグ=0(ABS非作動時)のときの左右前輪回転加速度との差を調べることにより、空転の度合いを認識して摩擦係数を推定する。その原理をごく簡単に説明すると、ABS作動フラグが立つ以前(=0)の加速度とフラグが立った後(=1)の加速度との差が大きければ大きいほど、空転の程度がより大きいと推定できるので、摩擦係数はより小さいと推定できる。
ABS作動フラグの状態とABS作動区間との関係を図9に示す。図9は横軸に時間をとり縦軸にタイヤと路面との間のグリップ力をとる。また、回転加速度の検出対象を前輪とした理由は、制動中には、前輪方向に車両の重心位置が偏っており、このような状況下では、後輪と比較して前輪の方がスリップし難く、誤判断の確率が低くなるためである。
ここで、推定された摩擦係数を0.2μ未満、0.2μ以上0.4μ未満、0.4μ以上の3段階に分けて自動制動制御を行う。推定された摩擦係数が0.2μ未満であれば(S23)、制動を禁止する(S26)。すなわち、摩擦係数が0.2μ未満であるという状況は、例えば、雪道で大きなスリップが発生しているような状況であるから、いったん自動制動制御による制動力を解放し、運転者の制動操作に委ねるといった処置を行うことになる。
また、推定された摩擦係数が0.2μ以上0.4μ未満であれば(S23、S24)、自動制動制御は実施可能であるが「本格制動」のように大きな制動力を使用することは、路面とタイヤとの間のグリップ力の限界値が低いために望ましくないという状況である。この場合には、「本格制動」の制動力を「拡大領域制動」の制動力まで低減して自動制動制御を実施する(S27)。この場合の制動パターンを図8に示す。図8は、図3に示した空積時の制動パターンを基にしているが、図8に示すように「本格制動」の制動力を「拡大領域制動」の制動力まで低減させた結果、実質的には、2段階の制動制御となる。
また、図10は、TTCの設定値を長めに変更した制動パターンを示す図であるが、推定された摩擦係数が0.2μ以上0.4μ未満であるような路面が滑り易い状況下では、図8の制動パターンと比べてTTCの設定値を長めに変更した制動パターンを用いることにより、図8の制動パターンと比べて制動距離を長くとることができようになるため有利である。したがって、ステップS27において「本格制動」の制動力を「拡大領域制動」の制動力まで低減して自動制動制御を実施する他に、TTCの設定値を長めに変更した制動パターンを選択するようにしてもよい。
また、推定された摩擦係数が0.4μ以上であれば(S24)、図3に示すような通常の自動制動制御を実施する(S25)。
なお、本実施例では、左右前輪回転加速度検出とABS作動フラグとの関係に基づき路面の摩擦係数を推定する例を示したが、路面の摩擦係数の推定手法については、既存のあらゆる技術を用いることができる。
本発明によれば、路面とタイヤとの間の摩擦係数に応じて適切な制動力によりトラックやバスにおける自動制動制御を実施することができ、交通安全に寄与することができる。
本実施例の自動制動制御装置のブロック構成図。 本発明実施例の制動制御ECUの動作を示すフローチャート。 制動制御ECUが有する空積時の制動パターンを示す図。 制動制御ECUが有する半積時の制動パターンを示す図。 制動制御ECUが有する定積時の制動パターンを示す図。 制動制御ECUが有する本格制動パターンを示す図。 摩擦係数に応じた制動力調整の手順を示すフローチャート。 「本格制動」の制動力を「拡大領域制動」の制動力まで低減させた制動パターンを示す図。 ABS作動フラグとABS作動区間との関係を示す図。 TTCの設定値を長めに変更した制動パターンを示す図。
符号の説明
1 ミリ波レーダ
2 ステアリングセンサ
3 ヨーレイトセンサ
4 制動制御ECU
5 ゲートウェイECU
6 メータECU
7 VehicleCAN
8 エンジンECU
9 軸重計
10 EBS_ECU
11 ブレーキアクチュエータ
12 エンジン
13 車速センサ
14 左右前輪回転速度センサ
15 ABS
40 制動パターン選択部
41 制動パターン記憶部
42 摩擦係数推定部
43 ブレーキ指示生成部
50 加速度検出部
51 ABS検出部

Claims (3)

  1. 自車の進行方向に有る対象物との距離を含むセンサ出力に基づき運転操作がなくとも自動的に制動制御を行う制御手段を備えた自動制動制御装置において、
    前記制御手段は、前記センサ出力により得られた前記対象物と自車との相対距離および相対速度とに基づき前記対象物と自車とが衝突するまでに要する予測時間を演算し、その予測時間が設定時間を下回ったときに自動的に段階的な制動制御を行う段階的制動制御手段を備え、
    この段階的制動制御手段は、第一制動段階、第二制動段階、第三制動段階と時系列的に3段階に制動力または制動減速度を大きくする制動制御手段であり、
    第一制動段階、第二制動段階、第三制動段階の制動は、一定の大きさの制動力または制動減速度が時間的に継続して与えられるものであり、
    前記予測時間が制動操作によって衝突を回避可能な限界の時間以前のあらかじめ設定された所定時間を下回ると第一制動段階の制動を制動操作によって衝突を回避可能な限界の時間まで継続して与え、
    前記予測時間が前記制動操作によって衝突を回避可能な限界の時間を下回るとハンドル操作によって衝突を回避できる限界の時間までは第二制動段階の制動を継続して与え、
    前記予測時間がハンドル操作によって衝突を回避できる限界の時間を下回ると第三制動段階の制動を継続して与える自動制動制御装置であって、
    路面とタイヤとの間の摩擦係数の状態を推定する摩擦係数推定手段と、
    この摩擦係数推定手段の推定結果に基づいて、推定された摩擦係数が0.2μ以上0.4μ未満であれば、第三制動段階の制動力または制動減速度を第二制動段階の制動力または制動減速度に低減する制動力または制動減速度調整手段と
    を備えたことを特徴とする自動制動制御装置。
  2. 自車の進行方向に有る対象物との距離を含むセンサ出力に基づき運転操作がなくとも自動的に制動制御を行う制御手段を備えた自動制動制御装置において
    記制御手段は、前記センサ出力により得られた前記対象物と自車との相対距離および相対速度とに基づき前記対象物と自車とが衝突するまでに要する予測時間を演算し、その予測時間が設定時間を下回ったときに自動的に段階的な制動制御を行う段階的制動制御手段を備え、
    この段階的制動制御手段は、第一制動段階、第二制動段階、第三制動段階と時系列的に3段階に制動力または制動減速度を大きくする制動制御手段であり、
    第一制動段階、第二制動段階、第三制動段階の制動は、一定の大きさの制動力または制動減速度が時間的に継続して与えられるものであり、
    前記予測時間が制動操作によって衝突を回避可能な限界の時間以前のあらかじめ設定された所定時間を下回ると第一制動段階の制動を制動操作によって衝突を回避可能な限界の時間まで継続して与え、
    前記予測時間が前記制動操作によって衝突を回避可能な限界の時間を下回るとハンドル操作によって衝突を回避できる限界の時間までは第二制動段階の制動を継続して与え、
    前記予測時間がハンドル操作によって衝突を回避できる限界の時間を下回ると第三制動段階の制動を継続して与える自動制動制御装置であって、
    路面とタイヤとの間の摩擦係数の状態を推定する摩擦係数推定手段と、
    この摩擦係数推定手段の推定結果に基づいて、推定された摩擦係数が0.2μ以上0.4μ未満の場合は、制動操作によって回避可能な限界の時間およびハンドル操作によって衝突を回避できる限界の時間の設定値を長くした制動パターンに変更する制動力または制動減速度調整手段と
    を備えたことを特徴とする自動制動制御装置。
  3. 前記推定結果は、摩擦係数の程度に応じて複数の段階に分けられて出力され、
    前記制動力または制動減速度調整手段は、当該複数の段階に分けられた推定結果に応じて制動力たまは制動減速度を複数の段階に分けて低減させる手段を備えた
    請求項1記載の自動制動制御装置。
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