JP4790346B2 - 加水分解物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加水分解物の製造方法に関する。
有機物の開環反応等の加水分解反応は工業的によく行われる。例えば、グリシジルエーテルを開環して得られるグリセリルエーテルは、溶剤、乳化剤、分散剤、洗浄剤、増泡剤等として有用な化合物である。
一般に、グリセリルエーテルは触媒を用いて製造するが、無触媒でグリセリルエーテルを製造し得る方法としては、例えば、亜臨界状態の水でグリシジルエーテルを加水分解する方法等が知られている(特許文献1参照)。
特開2002−88000号公報
しかしながら、従来の方法においては、有機物と水の混合状態によって、反応時間の遅延や原料の有機物と生成した加水分解物の2量体化の副反応が増加する等の問題が生じる。
すなわち、本発明は、有機物と水を反応に良好な混合状態にすることにより、高品質な加水分解物の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、有機物と水とを混合して有機物の加水分解反応を行う加水分解物の製造方法であって、前記有機物と水との混合を5.5(1/sec)以上の剪断速度U/Dmin(ただし、Dminは混合部の流路最小内径(mm)であり、UはDminにおける有機物と水の混合物の流速(mm/sec)である)で行い、前記有機物の加水分解反応を150〜350℃の反応温度、水の飽和蒸気圧以上の反応圧力下で行う、加水分解物の製造方法に関する。
本発明により、副反応物の生成を抑制して、高品質な加水分解物を効率的に製造することができる。
本発明は、有機物と水とを混合して有機化合物の加水分解反応を行うにあたり、有機物と水との混合及び有機物の加水分解反応を特定の条件下で行うことに特徴を有する。
本発明においては、加水分解反応時に原料である有機物の分解や副反応を抑制することができ、生成した加水分解物の色相の悪化等を防止することができる。さらに、本発明では、加水分解反応を高温条件下で行うために、該反応は無触媒下においても高い反応選択率で進行し、また、反応物からの触媒の除去操作を省略することができ、高品質な加水分解物を効率的に製造することができる。
なお、以下において説明する成分等は、本発明の所望の効果の発現を阻害しない限り、それぞれ単独で若しくは2種以上を混合して用いることができる。
本発明において、原料として使用する有機物は、加水分解され得る化合物であれば特に限定されない。加水分解反応は水による開環反応であることが好ましい。従って、原料として使用する有機物は、環状構造を有し、加水分解反応により該環状構造が開環される化合物が好ましい。かかる化合物としては、一般式(I)
Figure 0004790346
(式中、Rは一部もしくは全部の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示し、OAは同一でも異なっていてもよい炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、pは0〜20の数を示す。)
で示されるグリシジルエーテルが好ましい。グリシジルエーテルを開環して得られるグリセリルエーテルは、溶剤、乳化剤、分散剤、洗浄剤、増泡剤等として有用な化合物である。
上記式中、Rで示される一部もしくは全部の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜20の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基等が挙げられる。
当該炭化水素基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−プロピル基、2−ブチル基、2−メチル−2−プロピル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−オクチル基、2−エチルヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。また、炭化水素基の水素原子がフッ素原子に置換されたものとしては、例えば、ナノフルオロヘキシル基、ヘキサフルオロヘキシル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、ヘプタデカフルオロデシル基等のパ−フルオロアルキル基等、前記例示する炭化水素基の水素原子がフッ素原子に、置換度及び置換位置は特に限定されず任意に置換されたものが挙げられる。
OAで示される炭素数2〜4のオキシアルキレン基の具体例としては、オキシエチレン基、オキシトリメチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等のアルキレンオキサイドが挙げられる。
なお、Rとして示される炭化水素基の炭素数としては、反応選択率を向上させる観点から、好ましくは1〜12である。また、pとしては、好ましくは0〜6、より好ましくは0である。
本発明において、原料として好適に使用されるグリシジルエーテルとしては、具体的には、例えば、n−ブチルグリシジルエ−テル、2−メチル−プロピルグリシジルエーテル、n−ペンチルグリシジルエーテル、2−メチル−ブチルグリシジルエーテル、n−ヘキシルグリシジルエーテル、2−メチル−ペンチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、n−オクチルグリシジルエーテル、2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテル、イソデシルグリシジルエーテル、n−ステアリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
本発明において、原料の加水分解反応に使用される水の種類は、本発明の所望の効果の発現を阻害しない限り特に限定されるものではない。水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、逆浸透濾過処理水等が挙げられ、本発明の本質を損なわない範囲で、水道水のような塩類等を含有するものを使用しても差し支えない。
有機物に対する水の量は、特に限定されないがモル換算で、その化学量論量の好ましくは20〜500倍であり、より好ましくは40〜300倍であり、さらに好ましくは70〜200倍である。かかる範囲内において、原料としての有機物と生成した加水分解物の二量化等の副反応の進行が抑制されて、加水分解物の反応選択率がより高まる。
本発明の製造方法では、上記のような原料となる有機物及び水を混合して有機物の加水分解反応を行う。
本発明において、有機物と水との混合及び有機物の加水分解反応は、反応器中で混合とともに、加水分解反応を行ってもよく(態様1)、混合器にて混合し、ついで反応器中で加水分解反応を行ってもよい(態様2)。なお、態様1においては、反応器が混合部と反応部を兼ねることになり、態様2においては、混合器が混合部に、反応器が反応部に、それぞれ対応する。
有機物と水との混合は、5.5(1/sec)以上、好ましくは10(1/sec)以上、より好ましくは20(1/sec)以上、さらに好ましくは100(1/sec)以上の剪断速度U/Dminで行う。かかる剪断速度で有機物と水とを混合することにより、有機物と水とを反応に良好な混合状態で加水分解反応に供することができる。従って、態様2において、混合した有機物と水の混合物は、その混合状態を維持した状態で速やかに加水分解反応に供することが好ましい。
剪断速度U/Dminにおいて、Dminは混合部の流路最小内径(mm)であり、UはDminにおける有機物と水の混合物の流速(mm/sec)である。なお、混合物の流量をQ(ml/sec)とするとU(mm/sec)は次式(1)で求めることができる。ここでnは、流路最小内径の数を示し、例えば多孔版タイプの縮流型混合器を使用する場合は該混合器における孔数をあらわす。
U(mm/sec)=Q×1000/(n×π×(Dmin)2/4) (1)
また、混合部の断面形状は必ずしも円でなくても良い。円以外の形状の場合にUは流路最小断面積における流速を意味する。この場合、Dminには流路最小断面積と等しい面積を有する円の直径を用いる。
混合部の流路最小内径は、生産性の観点からは1mm以上が好ましく、有機物と水との混合が良好になる観点からは15mm以下が好ましい。以上の観点から、流路最小内径は、1〜15mmが好ましく、1〜10mmがより好ましい。なお、混合部の流路最小内径とは、態様1においては混合器の流路最小内径を、態様2においては反応器の流路最小内径を、それぞれ指すものとする。
混合時間としては、有機物と水とが十分に混ざり合う程度であれば特に限定されないが、連続式の場合は、概ね0.001秒〜10時間の範囲で選択されることが好ましく、0.001秒〜1時間の範囲で選択されることがより好ましく、0.001秒〜10分の範囲で選択されることがさらに好ましい。なお、連続式の混合器における混合時間とは、かかる混合器に反応液が滞留している時間を意味し、混合器の容積を反応器に供給される単位時間あたりの原料流量で除した値を示す。
また、加水分解反応の反応温度は、有機物と水との反応性を高める観点及び反応装置の腐食を抑制する観点から、150〜350℃、好ましくは200〜300℃、より好ましくは250〜290℃である。反応圧力は、水の飽和蒸気圧以上の加圧下で、水を液体状に保持しうる条件下である。
反応時間としては、反応温度や用いる原料の種類等により異なり一概には決められないが、回分式の場合は、原料等の仕込み終了から、一方、連続式の場合は、反応の定常状態に達してから、概ね0.1分〜10時間の範囲で選択されることが好ましく、より好ましくは0.1分〜1時間、さらに好ましくは0.1分〜10分である。なお、連続式の反応器における反応時間とは、かかる反応器に反応液が滞留している時間を意味し、反応器の容積を反応器に供給される単位時間あたりの原料流量で除した値を示す。
本発明においては、加水分解反応を高温で行うため、無触媒下でも反応が進行するが、酸やアルカリの触媒を添加することも可能である。本発明において使用される触媒としては特に限定されるものではないが、例えば、一般に加水分解反応において使用される、酸、塩基、酸と塩基の併用系等を挙げることができる。
触媒を使用する場合、その使用量としては、所望の原料の加水分解反応効率が得られれば特に限定されるものではないが、概ね原料である有機物100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
予め有機物と水とを混合するために使用する混合器としては、回分式では、例えば、プロペラミキサー、アジホモミキサー、ホモミキサーや、剪断性の高いディスクタービン型攪拌翼、傾斜パドル型攪拌翼、パドル型攪拌翼等が好適に使用され、連続式では、例えば、パイプラインミキサー、ラインホモミキサー、超音波ミキサー、高圧ホモジナイザー、剪断性の高い渦巻きポンプ等のポンプ類、ディスパー、静止型混合器等が好適に使用される。これらのなかでは構造がシンプルでメンテナンスが容易なことから静止型混合器を使用することが好ましく、なかでも混合部の流体剪断速度が大きく混合効果が高いことからオリフィス型の縮流型混合器がより好ましい。
混合器にて有機物と水とを混合する際の温度は特に限定されないが、反応温度と同程度の温度が好ましい。
加水分解反応を行うための反応器としては、連続式では、管型反応器、塔型反応器等の流通式管型形式の反応器や、連続式撹拌槽型反応器等の半回分形式の反応器等が挙げられる。
なお、態様1においては、反応器が混合部と反応部を兼ねることとなるが、この場合の混合は反応液の流動や拡散による。
本発明に用いる反応器の材質は特に限定されず、一般的に化学反応に利用される素材を任意に使用することができる。具体例としては、鋼材、ステンレス鋼、カーペンター20等のFe-Cr-Ni合金、銅合金、アルミニウム合金、Ni-Cr-Fe合金、Ni-Cu合金、Ni-Mo-Fe-Cr合金、コバルト合金、チタン合金、ジルコニウム合金、モリブデン、クロム等の金属材料;硬質ガラス、石英ガラス、磁器、グラスライニング、合成樹脂、セラミック材料等が挙げられる。これらの中でも材質腐食が懸案される超臨界水条件に近い温度条件で反応を行う場合には、オーステナイト系ステンレス鋼、Ni-Cr-Fe合金、Ni-Mo-Fe-Cr合金等の金属材料が好ましく、Ni-Cr-Fe合金及びNi-Mo-Fe-Cr合金がより好ましい。
本発明の方法において、加水分解反応は、原料を1バッチ当たりに要する量だけ供給し、単回で加水分解反応を行う回分式、及び原料を連続的に供給して加水分解反応を行う連続式のいずれの方法によっても実施することができるが、温度の昇降にかかる時間が短く、反応条件の制御が容易であり、反応を効率的に進行させうる特性を有する観点から、加水分解反応を連続的に行うことが好ましい。
加水分解反応を連続的に行うに際しては、操作性や高圧反応時の耐圧性が良好であることから、管型反応器を使用することが好ましい。さらに混合器を使用する場合には、構造がシンプルでメンテナンスが容易なことから、静止型混合器を使用することが好ましく、なかでも混合部の流体剪断速度が大きく混合効果が高いことからオリフィス型の縮流型混合器がより好ましい。
反応終了後は、例えば、得られた反応混合物を所望の温度まで冷却し、所望により、公知の方法に従って蒸発又は蒸留、自然沈降又は遠心沈降等を行って該混合物を精製し、未反応の水と分離することにより加水分解物を得ることができる。
実施例1
図1に示す反応装置を用いた。図1に示す装置は、管型反応器1、冷却器2、原料供給部3、水供給部4及び分離回収槽5を備えている。原料供給部3と水供給部4はそれぞれ管型反応器1に接続されている。
原料として2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテルを0.73g/minで、イオン交換水を7.03g/minで、原料供給部3及び水供給部4から、反応温度と同じ温度に予熱した後に、管型反応器1(流路最小内径:1.0mm、管長:10m、材質:SUS316)に連続的に供給した。
管型反応器1において、内部流体の温度(反応温度)は250℃になるように加熱し、管型反応器1内の圧力(反応圧力)は5MPaとなるように背圧弁6で調整して、かかる温度及び圧力条件下で原料有機物の加水分解反応を行った。なお、250℃における水の飽和蒸気圧は4.0MPaであり、反応の定常状態において原料有機物に対する水の量は、モル換算で、その化学量論量の100倍であった。
加水分解反応後、反応混合物を冷却器2で40〜50℃に冷却した後、背圧弁6を通して分離回収槽5に回収した。分離回収槽5で反応混合物を分層し、反応物は上層として回収した。
グリシジルエーテルを供給し、加水分解反応を開始してから1時間後に反応物をサンプリングして、ガスクロマトグラム(ガスクロマトグラフィー装置:Agilent Technologies製、Agilent 6850 Series II、キャピラリーカラム:HP-ULTRA2 12m×0.2mm×0.33μm、内標物質:n−デカン)からグリセリルエーテルの反応転化率及び2量体生成率を求めた。結果を表1に示す。なお、反応転化率は、反応したグリシジルエーテル(モル)/供給したグリシジルエーテル(モル)×100により算出した。また、副反応を示す2量体生成率は、反応物中の2量体量(モル%)/反応転化率(モル%)×100により算出した。
実施例2
管長3.1mの管型反応器1を用い、反応温度を270℃、反応圧力を7MPaに調整し、原料として2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテルを0.23g/minで、イオン交換水を2.2g/minで供給した以外は実施例1と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。なお、270℃における水の飽和蒸気圧は5.5MPaである。
実施例3
原料として2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテルを1.64g/minで、イオン交換水を15.9g/minで、流路最小内径3.0mm、管長2.0mの管型反応器1に連続的に供給した以外は実施例2と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。
実施例4
反応温度を290℃、反応圧力を9MPaに調整した以外は、実施例3と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。なお、290℃における水の飽和蒸気圧は7.4MPaである。
実施例5
原料として2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテルを18.17g/minで、イオン交換水を176g/minで、流路最小内径10mm、管長2.0mの管型反応器1に連続的に供給した以外は、実施例4と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。
実施例6
図2に示す反応装置を用いた。図2に示す装置は、管型反応器1、冷却器2、原料供給部3、水供給部4、分離回収槽5及び混合器7を備えている。原料供給部3と水供給部4はそれぞれ混合器7に接続されている。
原料として2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテルを67.9g/minで、イオン交換水を657g/minで、原料供給部3及び水供給部4から反応温度と同じ温度に予熱した後に混合器7に供給した。混合器7の配管内には縮流型混合器(商品名:分散君、(株)フジキン製、縮流部内径1.0mmφ、管長:0.05m、4孔タイプと5孔タイプで1セットになったものを5セット使用)を設置した。混合器にて混合された反応原料は、管型反応器1(流路最小内径:16mm、管長:5.4m、材質:SUS316)に連続的に供給した。
管型反応器1において、内部流体の温度(反応温度)を270℃になるように加熱し、管型反応器1内の圧力(反応圧力)を7MPaとなるように調整し、かかる温度、圧力条件下で原料有機物の加水分解反応を行った。反応の定常状態において原料有機物に対する水の量は、モル換算で、その化学量論量の100倍であった。
加水分解反応後、反応混合物を冷却器2で40〜50℃に冷却した後、背圧弁6を通して分離回収槽5に回収した。分離回収槽5で反応混合物を分層し、反応物は上層として回収した。
グリシジルエーテルを供給し、加水分解反応を開始してから1時間後に反応物をサンプリングして、ガスクロマトグラムからグリセリルエーテルの反応転化率及び2量体生成率を求めた。結果を表1に示す。
実施例7
反応温度を290℃、反応圧力を9MPaに調整し、原料として2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテルを102g/minで、イオン交換水を985g/minで混合器7に連続的に供給した以外は実施例6と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。
実施例8
原料として2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテルを69.7g/minで、イオン交換水を472g/minで混合器7に連続的に供給し、反応の定常状態において原料有機物に対する水の量をモル換算で、その化学量論量の70倍とした以外は実施例6と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。
実施例9
原料として2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテルを26.9g/minで、イオン交換水を520g/minで混合器7に連続的に供給し、反応の定常状態において原料有機物に対する水の量をモル換算で、その化学量論量の200倍とした以外は実施例8と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。
実施例10
管長10.8mの管型反応器1を用い、原料としてイソデシルグリシジルエーテルを77.0g/minで、イオン交換水を647g/minで混合器7に連続的に供給し、反応温度を280℃に、反応圧力を8MPaに調整し調整した以外は実施例6と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。なお、280℃における水の飽和蒸気圧は6.4MPaである。
実施例11
図2に示す反応装置を用い、原料として2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテルを4650g/minで、イオン交換水を45000g/minで反応温度と同じ温度に予熱した後に連続的に供給し、混合器7の配管内には縮流型混合器(商品名:分散君、(株)フジキン製、縮流部内径3.0mmφ、管長:0.05m、20孔タイプと25孔タイプで1セットになったものを5セット使用)を設置した。混合器にて混合された反応原料は、管型反応器1(流路最小内径:50mm、管長:74m)に連続的に供給した。
管型反応器1において、反応温度を250℃になるように加熱し、反応圧力を8MPaとなるように調整し、かかる温度、圧力条件下で原料有機物の加水分解反応を行った。
結果を表1に示す。
比較例1
図2に示す反応装置の代わりに図1に示す反応装置を用い、混合器7を使用しなかった以外は、実施例6と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。
比較例2
図2に示す反応装置の代わりに図1に示す反応装置を用い、混合器7を使用しなかった以外は、実施例8と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。
比較例3
図2に示す反応装置の代わりに図1に示す反応装置を用い、混合器7を使用しなかった以外は、実施例9と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。
比較例4
図2に示す反応装置の代わりに図1に示す反応装置を用い、混合器7を使用しなかった以外は、実施例10と同様にして、グリセリルエーテルを製造した。結果を表1に示す。
なお、実施例1〜5及び比較例1〜4では、混合器を有していない反応装置を使用しているが、反応器が混合部と反応部を兼ねているものとする。
Figure 0004790346
以上の結果より、比較例と対比して、実施例は、反応転化率が高く、2量体生成率も低いため、効率よく加水分解できていることが分かる。
本発明により得られる加水分解物、例えば、グリシジルエーテルを加水分解して得られるグリセリルエーテルは、溶剤、乳化剤、分散剤、洗浄剤、増泡剤等に使用することができる。
本発明の製造方法の実施に好適に使用される装置の一例を示す装置概略図である。 本発明の製造方法の実施に好適に使用される装置の一例を示す装置該略図である。
符号の説明
1 管型反応器
2 冷却器
3 原料供給部
4 水供給部
5 分離回収槽
6 背圧弁
7 混合器

Claims (11)

  1. 有機物と水とを混合して有機物の加水分解反応を行う加水分解物の製造方法であって、前記有機物と水との混合を5.5(1/sec)以上の剪断速度U/Dmin(ただし、Dminは混合部の流路最小内径(mm)であり、UはDminにおける有機物と水の混合物の流速(mm/sec)である)で行い、前記有機物の加水分解反応を250〜350℃の反応温度、水の飽和蒸気圧以上の反応圧力下で行う、加水分解物の製造方法。
  2. 有機物の加水分解反応を無触媒下で行う、請求項1記載の製造方法。
  3. 有機物と水との混合とともに、有機物の加水分解反応を行う、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 有機物と水と混合し、ついで有機物の加水分解反応を行う、請求項1又は2記載の製造方法。
  5. 有機物の加水分解反応が水による開環反応である、請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
  6. 有機物が、一般式(I)
    Figure 0004790346
    (式中、Rは一部もしくは全部の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示し、OAは同一でも異なっていてもよい炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、pは0〜20の数を示す。)
    で示されるグリシジルエーテルである、請求項1〜5いずれか記載の製造方法。
  7. 有機物に対する水の量が、モル換算で、反応に必要な水の化学量論量の20〜500倍である、請求項1〜6いずれか記載の製造方法。
  8. 加水分解反応を連続的に行う、請求項1〜7いずれか記載の製造方法。
  9. 混合部の流路最小内径が1〜15mmである、請求項1〜8いずれか記載の製造方法。
  10. 有機物と水との混合を静止型混合器を用いて行う、請求項1〜9いずれか記載の製造方法。
  11. 静止型混合器が縮流型混合器である、請求項10記載の製造方法。
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