JP4789849B2 - ギヤポンプおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両用ブレーキ装置等の油圧源として好適に用いられるギヤポンプに関する。
従来、特許文献1に記載のギヤポンプにあっては、本体ケース内に、駆動ギヤを軸支する駆動軸と、従動ギヤを軸支する従動軸と、一対の側板と、シールブロックから構成されたポンプ組立体を収装している。この側板とシールブロックとの衝合面には、軟質のシール部材を配置し、シール性を確保している。
特開2001−214870号公報
しかしながら上記従来技術にあっては、シール性を高めるために別途シール部材を設けるため、部品点数が増加し部品管理が煩雑になり、コストアップを招いてしまう、という問題点があった。
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、部品管理を簡略化してコストを低減したギヤポンプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本願発明では、駆動軸により軸支される駆動側歯車と、前記駆動側歯車に噛合うとともに従動軸により軸支される従動側歯車と、前記駆動側歯車および前記従動側歯車の軸方向両側に設けられた一対の側板と、前記歯車の歯先をシールするとともに、前記側板との衡合により第1油室を形成するシールブロックとから構成されるポンプ組立体と、前記ポンプ組立体を収装し、第2油室を形成するポンプハウジングと、前記一対の側板または前記シールブロックの少なくとも一方に設けられ、前記一対の側板と前記シールブロックを互いに押圧することにより塑性変形して前記第1油室と前記第2油室とを液密に画成するリブとを備え、前記リブは、前記側板と平行に延在する第1リブおよび第2リブと、前記駆動軸と平行に延在する第3リブから構成され、前記第3リブは、前記第1リブおよび前記第2リブと連続して設けられ、前記リブが塑性変形した後、前記第リブの硬度または密度は、前記第リブの硬度または密度よりも小さいこととした。

よって、部品管理を簡略化してコストを低減したギヤポンプを提供することができる。
以下、本発明のギヤポンプを実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づき説明する。
図1はギヤポンプ1のz軸正方向正面図、図2はx軸正方向側面図、図3は図1のI−I断面図である。図1、図2ではポンプハウジング10およびハウジングカバー20のみ断面で示す。
なお、ポンプ組立体100において従動軸120から駆動軸110へ向かう方向をx軸正方向、x軸と直交しポンプ組立体100のシールブロック200方向をy軸正方向、駆動軸110と同軸であってポンプ組立体100に対し図外のモータへ接続する方向をz軸正方向と定義する。また、図4はポンプ組立体100の斜視図、図5、図6はそれぞれy軸正方向正面図、x軸正方向正面図である。
[ハウジング]
ポンプハウジング10には駆動軸支持孔11およびシリンダ孔12が設けられ、ポンプ組立体100は円筒状のシリンダ孔12に収装される。駆動軸110は駆動軸支持孔11により回転可能に支持される。
シリンダ孔12の内周面は、位置決め用の当接面12aと内壁12bとを有する。当接面12aは、シールブロック200と当接してポンプ組立体100の位置決めを行うため、内壁12bよりも高精度に形成されている。また、ポンプハウジング10のx軸正方向側には吐出ポート13が設けられ、シリンダ孔12と外部とを連通している。
ポンプハウジング10のz軸負方向側にはハウジングカバー20が取り付けられ、シリンダ孔12及びハウジングカバー20によりポンプ組立体100を液密に収装する。また、ハウジングカバー20の軸方向にはz軸方向貫通孔である吸入ポート21が設けられ、ポンプ組立体100に作動油を供給する。
[ポンプ組立体の詳細]
ポンプ組立体100は、シールブロック200、駆動軸110、従動軸120、駆動側及び従動側ギヤ130,140(駆動側歯車および従動側歯車)、および第1、第2サイドプレート150,160(一対の側板)を有する。このポンプ組立体100は山型の板ばね300により仮止めされている。また、シールブロック200は第1、第2サイドプレート150,160よりもx軸方向幅を小さく設けられている。
また、第1、第2サイドプレート150,160およびシールブロック200は、径方向平面内(x−y平面内)において駆動軸110と従動軸120の中間線であるII−II直線に対し対称である。さらに、板ばね300もII−II直線に対し対称であって、II−II直線に対し対称な付勢力を有する。駆動軸110と従動軸120の中間線であるため、II−II直線はy軸に平行である。
さらに、ポンプ組立体100と板ばね300とはx−y平面内において点接触し、接点は、シールブロック200のy軸正方向側の点A、および第1、第2サイドプレート150,160のy軸負方向側面151,161であってx軸方向両端部152,162における点B,Cの3点である。
点AはII−II直線上に位置し、このII−II直線は駆動軸110と従動軸120の軸心Op,Osの中点Mを通ってy軸に平行である。点B,Cはそれぞれy軸負方向側から軸心Op,Osを通るIII−III直線よりもy軸負方向側に位置する(図1参照)。
以下、点接触と記載する場合はx−y平面内において点接触することを示す。x−y−z空間で考えた場合、x−y平面内における点接触はz軸方向の直線上での線接触となる。すなわち、板ばね300は接点Aを通りz軸に平行な直線内でシールブロック200と線接触し、接点B,Cを通りz軸に平行な直線内で第1、第2サイドプレート150,160と線接触する。
したがって、ポンプ組立体100は点Aにおいてy軸正方向側を係止され、点B,Cにおいてy軸正方向側に付勢される。この点A,B,Cの3点支持により、板ばね300はシールブロック200をy軸正方向側から第1、第2サイドプレート150,160に押し付け、ポンプ組立体100の仮止めを行っている。
また、第1、第2サイドプレート150,160よりもシールブロック200の方がx軸方向幅は小さいため、シールブロック200のy軸正方向側を点Aによる1点支持、第1、第2サイドプレート150,160のy軸負方向側を点B,Cによる2点支持とすることにより、シールブロック200を安定的にy軸負方向側へ付勢するものである。
(駆動軸および従動軸)
駆動軸及び従動軸110,120はそれぞれ駆動側及び従動側ギヤ130,140と一体回転可能に設けられており、また駆動軸110はz軸正方向端部において図外のモータと接続する。駆動側及び従動側ギヤ130,140は互いに噛合う平歯車であり、この噛合いにより駆動軸110の回転に伴って従動軸120が回転するよう設けられている。なお、図2では従動側ギヤ140のみ図示するが、駆動側ギヤ130も同一形状の平歯車である。
(サイドプレート)
第1、第2サイドプレート150,160は略8の字型の同一形状部材であり、それぞれ駆動軸貫通孔153,163及び従動軸貫通孔154,164が設けられている。y軸正方向面150a,160aはx軸方向中央部においてy軸負方向に凹み、凹部150b,160bを形成する。
この凹部150b,160bとハウジングカバー20の吸入ポート21が連通することで作動油の供給が行われる。凹部150b,160bのx軸正方向側の曲面は駆動軸側駆動側シール面158a,168aとなり、x軸負方向側の曲面は従動軸側シール面158b、168bとなってシールブロック200とのシールを行う。
組み付け時には、z軸正方向側の第1サイドプレート150とz軸負方向側の第2サイドプレート160により駆動側及び従動側ギヤ130,140を挟持し、駆動軸貫通孔153,163及び従動軸貫通孔154,164にそれぞれ駆動軸及び従動軸110,120を貫通させる(図8参照)。組み付け後には、各ギヤ130,140の歯先131,141は駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bよりも外径側に位置する。
また、第1サイドプレート150のz軸正方向側面155及び第2サイドプレート160のz軸負方向側面165には、それぞれ第1、第2シールリング170,180が設けられている。この第1、第2シールリング170,180はそれぞれ駆動軸110及び従動軸120を囲繞し、また第1シールリング170はポンプハウジング10と当接し、第2シールリング180はハウジングカバー20と当接する。
これにより駆動及び従動軸110,120と第1、第2サイドプレート150,160との摺動面は各シールリング170,180の内側となって吸入側領域(第1油室)Din(第1油室)を形成し、各シールリング170,180の外側すなわち吐出側領域(第2油室)Dout(第2油室)と液密にシールされる。
また、第1、第2サイドプレート150,160にはそれぞれ第1、第2段部156,166が設けられている。第1段部156はサイドプレート150のx軸方向両側面156のz軸正方向側を切り欠いて設けられる。同様に、第2段部166は第2サイドプレート160のx軸方向両側面166のz軸負方向側を切り欠いて設けられている。
第1、第2段部156,166によって、第1、第2サイドプレート150,160のx軸方向両側面157,167はx軸方向内側に切り欠かれる。したがってx−y平面内においては、第1、第2段部156,166と、第1サイドプレート150のz軸正方向側面151および第2サイドプレート160のz軸負方向側面161とは、互いに異なる曲率を有することとなる。
また、各第1、第2段部156,166のz軸方向幅は、板ばね300を形成する第1、第2金属板301,302のz軸方向幅よりも広く設けられる。
このように、第1、第2段部156,166と、第1サイドプレートz軸正方向側面151および第2サイドプレートz軸負方向側面161とを互いに異なる曲率とし、さらに第1、第2金属板301,302のz軸方向幅よりも広く設けることで、板ばね300を装着した際に板ばね300と第1、第2段部156,166が当接しないよう設けることとする。
したがって、板ばね300は両端部321,322内側の点B,Cにおいてのみ第1、第2サイドプレート150,160と接し、シールブロック200を係止する点Aとともにポンプ組立体100は3点支持される。第1、第2段部156,166によってx軸方向両側面157,167はx軸方向内側に切り欠かれているため、脚部320と第1、第2段部156,166との干渉を回避し、確実に3点支持を行うものである。
なお、第1、第2サイドプレート150,160の形状は、両端部321,322の付勢力が確実にy軸正方向成分を持ち、かつ脚部320とx軸方向両側面157,167との干渉を回避可能なものであればよく特に限定しない。すなわち、板ばね300と点接触してy軸正方向の付勢力を得られる形状であればよい。
(シールブロック)
シールブロック200はy軸正方向においてポンプハウジング10内周の当接面12と当接して位置決めされ、y軸負方向側において第1、第2サイドプレート150,160に当接してシールを行う部材である。y軸負方向側には略8の字型の第1、第2サイドプレート150,160の駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bと同じ曲率の円弧面である駆動側、従動側シール面210,220が設けられ、駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bと液密に当接する。
上述のように、ポンプ駆動時においては駆動側ギヤ130及び従動側ギヤ140の歯先131,141は第1、第2サイドプレート150,160の駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bよりも外径側に位置する。
そのため、この駆動側、従動側シール面210,220には各ギヤ130,140の歯先131,141に沿って歯先131,141の当たりによりシール面210,220が削られ、歯当たり面211,22が形成されることになる(図9参照)。これにより、シール面210,220と歯先131,141との接触を回避しつつ、クリアランスをほぼゼロとしてシール性を確保する。
また、歯当たり面211,221の間の領域は、z軸方向全幅にわたってy軸正方向に凹んで凹部230を形成する。この凹部230は、第1、第2サイドプレート150,160の凹部150b、160bとともに吸入ポート21から駆動側、従動側ギヤ130,140の噛合い部に作動油を導く吸入側領域(第1油室)Dinとして機能する。
一方、シールブロック200のy軸正方向側面240は円弧状に形成され、z軸正、負方向端面201,202には第3、第4段部251,252が設けられる。第3、第4段部251,252はy軸正方向に突出する凸形状を有し、II−II直線(駆動軸110と従動軸120の軸心Op,Osの中点Mを通ってy軸に平行な直線)上に位置するy軸正方向端部253,254において、板ばね300と当接する接点Aを形成する。
また、第3、第4段部251,252によりシールブロック200はy軸正方向側に突出する突出部250を形成することとなる。すなわち、板ばね300の第1、第2金属板301,302は接点Aにおいてシールブロック200と当接する。これにより、板ばね300はシールブロック200の突出部250にはめ込まれて位置決めされるとともに、第3、第4段部251,252と当接してシールブロック200のy軸正方向を係止する。
また、図2及び図3に示すように、第1サイドプレート150のz軸正方向側面155と第2サイドプレート160のz軸負方向側面165の距離は、シールブロック200のz軸方向幅と同一となるよう設けられている。
したがって、各サイドプレート150,160に設けられる第1、第2シールリング170,180もシールブロック200のz軸両端面と当接する。これにより、各サイドプレート150,160の駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bと、シールブロック200のシール面210,220は、z軸両端面においても各シールリング170,180によりシールされることとなる。
(液圧差によるシールブロック押し付け)
ポンプ駆動時には、駆動側及び従動側ギヤ130,140の駆動によって吸入通路Dのz軸負方向側から作動油が吸入され、y軸正方向側から吐出される。これによりポンプ組立体100及びシールブロック200の当接面以外の外周側は吐出側となって高圧に、当接面は吸入側となって低圧となるため、ポンプ駆動に伴ってy軸負方向への差圧が発生する。
この差圧によりポンプ組立体100はy軸正方向、シールブロック200はy軸負方向に付勢され、シールブロック200をポンプ組立体100に押し付けることにより、ポンプ組立体100とシールブロック200の当接面のシール性を向上させるものである。
[板ばねの詳細]
図7は板ばね300単体の斜視図である。板ばね300はポンプ組立体100の仮止めを行う部材であって、形状および弾性力はx軸方向の中点A'に対し対称である。板ばね300を用いることで、コイルばねと異なり経時劣化による弾性力低下の影響を回避する。
この板ばね300は、平行に設けられた2つの山型状金属板301,302を接続することにより形成される。また、2つの金属板301,302は、脚部320の両端部321,322およびシールブロック200のx軸方向両脇において接続部303〜306により接続される(図4〜図6参照)。
また、z軸正方向側に設けられる接続部303,304および金属板301,302によって嵌合孔310が形成される。この嵌合孔310にシールブロック200の突出部250を嵌め込むことて、組み付け時の位置決めが容易となる(図10:第3工程参照)。
また、板ばね300はx軸方向中点である点A'を湾曲中心とし、y軸正方向を凸として湾曲する。点A'はII−II直線上に位置し、この点A'に対し対称に変形する。板ばね300のx軸方向中央部310はシールブロック200にまたがり、点A'においてシールブロック200の接点Aと点接触する。組み付け時には両接点A,A'は一致する。
一方、中央部310からx軸両側かつy軸負方向側に延在する脚部320は、y軸負方向に延在して第1、第2サイドプレート150,160に嵌め込まれる。脚部320の両端部321,322におけるx軸方向内側の点B',C'において第1、第2サイドプレート150,160の接点B,Cと点接触する(z軸方向では線接触である)。
[アッセンブリ工程]
(第1工程:図8)
第1工程においては、駆動軸110、従動軸120,第1、第2サイドプレート150,160をそれぞれ組み付け、第1サブアッセンブリ100aとする。
(第2工程:図9)
第2工程では、第1サブアッセンブリ100aにシールブロック200を組み付け、第2サブアッセンブリ100bとする。組み付け時にはシールブロック200を第1、第2サイドプレート150,160の駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bに押しつける。
その際、駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168b上に設けられたリブ500,600を塑性変形させ、シールブロック200のシール面210,220と確実に当接させて液密性を確保する。
(第3工程:図10)
第3工程では、第2サブアッセンブリ100bに板ばね300をy軸正方向側から嵌合させ、ポンプ組立体100を形成する。山型の板ばね300をシールブロック200にまたがらせ、接点Aに当接させたまま第1、第2サイドプレート150,160に対し着脱可能に嵌合させる。
これにより脚部両端部321,322は、第1、第2サイドプレート150,160のy軸負方向面端部152,162に当接する。板ばね300は弾性力により第1、第2サイドプレート150,160をy軸正方向に付勢し、接点Aにおいてシールブロック200のy軸正方向側を係止することで、ポンプ組立体100の仮止めを行う。
また、シールブロック200における各段部251,252はシールブロック200のz軸両方向面に設けられている。同様に第1サイドプレート150の第1段部156は第1サイドプレートz軸正方向側面155に設けられ、第2サイドプレート150の第2段部166は第2サイドプレートz軸負方向側面165に設けられる。
ここで、シールブロック200および第1、第2サイドプレート150,160は安価な焼結成形によることが望ましい。焼結成形する際は、焼結型をz軸方向からはめ込んで成形するが、各段部251,252および156,166がz軸方向端面に開口している。
したがって、焼結型に各段部251,252および156,166の型を設けることで、シールブロック200および第1、第2サイドプレート150,160を焼結成形時に、各段部251,252および156,166を同時に形成し、低コストな焼結成形を用いつつ加工工数を低減し、コスト削減を図る。なお、第1、第2工程において駆動、従動軸110,120および各ギヤ130,140をアッセンブリ用のダミー工具としてもよい。
[リブ]
(軸方向リブによるシール)
図11はシールブロック200およびばね300を省略したポンプ組立体100のy軸正方向正面図である。
第1、第2リブ500,600は第1、第2サイドプレート150,160の駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168b上に設けられ、駆動側シール面158a,168a上の第1、第2駆動側リブ510,610と、従動側シール面158b、168b上の第1、第2従動側リブ520,620から形成される。
第1駆動側リブ510は、ポンプ組立体100の径方向(x軸)に平行な径方向リブ511と、ポンプ組立体100の軸方向(z軸)に平行な軸方向リブ512から形成される。第1従動側リブ610も径方向リブ611、軸方向リブ612を有する。第2駆動側、従動側リブ520,620も同様である。
第1駆動側径方向リブ511は、第1サイドプレート150のz軸負方向側面159に沿って、第1サイドプレート150に対し平行に設けられている。第1駆動側軸方向リブ512は、この第1駆動側径方向リブ511のx軸方向略中央部からz軸正方向に向かって延在する。この第1駆動側軸方向リブ512により、第1駆動側シール面158aはx軸方向に2分割される。
同様に、第1従動側シール面158bにおいても径方向リブ521は第1サイドプレートz軸負方向側面159に沿って、第2サイドプレート160に対し平行に設けられ、第1従動側シール面158bは径方向リブ521からz軸正方向側に延在する軸方向リブ522によりx軸方向に2分割される。
第2サイドプレート160においても、径方向リブ611,612は第2サイドプレートz軸正方向側面169に沿って設けられ、軸方向リブ621,622は第2径方向リブ610のx軸方向略中央部からz軸負方向側に延在して第2駆動側、従動側シール面168a,168bを2分割する。
第1、第2サイドプレート150,160に設けられた凹部150b,160bは、吸入ポート21と連通して吸入側領域(第1油室)Dinとなり、このDinの作動油を駆動側、従動側ギヤ130,140の歯によって外周側に掻き出すことにより、ポンプ組立体100の外部は吐出側領域(第2油室)Doutとなる。
したがって、シールブロック200が第1、第2リブ500,600と当接することにより、吸入側領域(第1油室)Dinは駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bをx軸方向に2分割する軸方向リブ512,522および612,622によって吐出側領域(第2油室)Doutとシールされる。
(径方向リブによるシール)
図12は従動側ギヤ140側のリブ500,600付近の拡大図である。ギヤ130,140およびシール面158,158および168,168は駆動側と従動側とで対称形状であるため従動側についてのみ説明する。
図12の破線は歯間距離Lgがシール面158b、168bの径方向距離Lsよりも長い場合、実線はLgがLsよりも短い場合である。LgがLsよりも長いと吸入側領域(第1油室)Dinと吐出側領域(第2油室)Doutとが連通してしまい、吐出性能が悪化する。
そこで、本願のような外接型のギヤポンプにあっては、シール面158b、168bの径方向距離Lsよりも歯間距離Lgを短く設け(Lg<Ls)、シール面158b、168bのx軸方向両端部158c、158dおよび168c,168dの間に従動側ギヤ140の歯141を常時1歯以上存在させる。
これにより歯141によって吸入側領域(第1油室)Dinと吐出側領域(第2油室)Doutとを隔成し、確実にシールを行っている。本願ではLs=1.5Lgとする。
このため、隣り合う歯141によって形成されるポンプ室Pは、シール面両端部158c、dおよび168c、dの間において第1サイドプレートz軸負方向側面159および第2サイドプレートz軸正方向側面169により隔成される。
このポンプ室Pは径方向リブ521,621によって吸入、吐出側領域Din,Doutに対しシールされる。すなわち、軸方向リブ522,622よりもx軸正方向側に設けられた吸入側径方向リブ(第1リブ)521in,621inによって吸入側領域(第1油室)Dinとシールされ、x軸負方向側に設けられた吐出側径方向リブ(第2リブ)521out,621outによって吐出側領域(第2油室)Doutとシールされる。
したがって、径方向リブ521,621は、吸入側領域(第1油室)Dinおよび吐出側領域(第2油室)Doutの両方に対し、ポンプ室Pをシールする機能が求められることとなる。
[リブ塑性変形工程]
図13、図14はシールブロック200との当接による従動側リブ600の変形を示す図(z軸負方向側正面図)である。図13は変形前、図14は変形に伴うシールブロック200の位置を示す。なお、駆動側リブ500も同様に変形するため、説明は省略する。
シールブロック200は従動側シール面220において第2サイドプレート160の第2従動側リブ620と当接する。本願実施例1においては、径方向リブ621の吐出側(x軸負方向側)621outを先にシール面220に当接させて片当たりとする。
図13では、当接開始時において吐出側径方向リブ621outのx軸負方向端部621aとシール面220とはx−y平面内において点接触、すなわちx−y−z空間ではz軸方向に線接触するものとする。
具体的には、x−y平面内において、シール面220を形成する曲線Cと従動側リブ620の外径面620aを形成する曲線Cbは、互いに同一の曲率を有するとともに、中心の位置をずらして設ける。
すなわち、C、Cbの中心O,Obは、x−y平面内において異なる点とすることで、径方向リブ621の吐出側621outは吸入側621inよりもシールブロック200に近接することとなり、吸入側621inよりも、径方向リブ621の吐出側621outを先にシール面220に当接させて片当たりとするものである。
このため、径方向リブ621はx軸負方向端部である吐出側端部621aからy軸負方向側へ変形を開始する。吐出側621out(第2リブ)の変形に伴ってシール面220がy軸負方向に移動することにより、吸入側621in(第1リブ)がシール面220に押圧されてy軸負方向側に変形する。
これにより、シールブロック200の押し付けに伴って径方向リブ520,620は吐出側(x軸負方向側の第2リブ)621outから優先的に塑性変形し、シール面220に密着する。
なお、図13では当接開始時においてz軸方向に線接触するものとするが、径方向リブ621が吐出側621outから吸入側621inへ向かって徐々に塑性変形するものであればよく、変形前の段階ではx−y−z空間内で点接触させても問題ない。
[塑性変形時におけるリブ断面の密度分布]
図15ないし図17は、図14のシールブロック200の位置に対応するリブ600の断面の模式図(粒子の変形および密度)である。図15は変形前の片当たり時、図16は中間変形時、図17は全面当たり時を示す。なお、破線は変形前のリブ600である。
変形に伴って径方向リブ621の密度は上昇するが、径方向リブ621はx軸負方向端部621aにおいてシールブロック200と当接を開始し、シールブロック200の押圧・y軸負方向移動に伴って、x軸負方向側から徐々に塑性変形する。
本願のサイドプレート150,160は低密度の焼結材を用いており、リブ600はシールブロック200の押し付けにより塑性変形して密度が高くなる。そのため、先に塑性変形する吐出側径方向リブ621out(第2リブ)は歪量も大きくなり、x軸負方向側ほど密度が高くなる。
したがって、径方向リブ621においては吐出側621outのほうが高密度・高硬度の第2リブとなり、吸入側621inの変形量は小さく、低密度・低硬度の第1リブとなる。
ここで、吐出側621out(第2リブ)に比べて吸入側リブ621in(第1リブ)はシール性を高める必要が低く、シールブロック200との密着度合いも低くてよい。すなわち、吸入側リブ621in(第1リブ)の塑性変形量は小さくてよい。
よって、シール面220を形成する曲線Cと従動側リブ620の外径表面を形成する曲線Cbを同一曲率、かつ中心O,Obの位置をずらすことにより、シール面200と径方向リブ621を吐出側621out(第2リブ)において片当たりさせ、吸入側リブ621in(第1リブ)の変形量を小さくする。
これにより、吸入側リブ621in(第1リブ)に対する印加荷重を減少させ、シールブロック200に加える印加荷重を減少させる。以下、詳細を示す。
[リブ断面と塑性変形時における印加荷重との関係]
図18はシール面220とリブ600が全面当たり(当接開始時においてシール面220と径方向リブ外径面620aとが一致)の場合を示す図である。
また、図19はリブ600に対する印加荷重Pと歪εの関係を示す図であり、太実線は本願の片当たり(吐出側優先変形:図14参照)、細実線は図18の全面当たりを示す。なお、ε*は径方向リブ621の歪量の目標値であり、シール性を確保するためこのε*に到達するまで径方向リブ621を塑性変形させる。
図18に示す全面当たりの場合、径方向リブ621を塑性変形させるためには、変形開始時から吐出側端部621aから吸入側端部621bにわたって全て均等に内径方向に変形させる必要がある。したがって全面当たりにおける荷重P−歪ε線は、傾きKaの直線となる。
一方、本願の片当たりの場合、径方向リブ621のうち、まず吐出側621outのみが接触して変形するため、初期歪領域(0≦ε≦ε1)では、接触面積および変形領域は小さい。
そのため、片当たりの初期歪領域(0≦ε≦ε1)では、同一歪量に対する荷重は全面当たりの場合よりも小さく、P−ε線の傾きKp1は全面当たりの傾きKaよりも大きくなって、片当たりのほうが全面当たりよりも小さい荷重で変形する。
歪量が大きくなるとシール面220と径方向リブ621との接触面積も大きくなり、変形領域も大きくなるが、中間歪領域(図14の中間変形時に相当する領域:ε1≦ε≦ε2)では、吸入側径方向リブ621inはシール面220に当接していない。そのため、変形領域は未だ全面当たりよりも小さく、P−ε線の傾きKp2は全面当たりの傾きKaより大きい。
さらに歪量が大きくなると、本願の片当たりにおいても径方向リブ621は吐出側端部621aから吸入側端部621bにわたって全面でシール面220に当接する全面変形領域となる(図14の全面当たり時に相当する領域:ε2≦ε)。
したがって本願においても全面当たりとなり、接触面積および変形領域も図18の場合と等しくなって、シール面220は径方向リブ621全面を塑性変形させることとなる。これにより、本願片当たりと図18の全面当たりにおけるP−ε線の傾きは等しくなり(傾き=Ka)、歪変化量に対する荷重変化の割合は等しくなる。
このように、歪量εの増大に伴って接触面積も徐々に拡大し、変形領域も大きくなる。このため、全面当たりの場合と比べ、接触面積および変形領域の小さい初期歪領域および中間歪領域(0≦ε≦ε2)では、本願片当たりのほうが小さい荷重で歪むこととなる。
したがって、目標歪量ε*に至るまでの荷重Pの大きさは、本願片当たりのほうが小さくなる。これにより、所望の変形量を得るために必要な荷重の最大値を低減させ、加工を容易とするものである。
また、必要荷重が減少したことで、シールブロック200をリブ600に押し付ける際、荷重の目標値に対する誤差も小さくなる。これにより生産工程時における荷重管理も容易となる。
さらに、荷重の絶対値を低く抑えられるため、リブ500,600以外の箇所にかかる負荷が軽減され、リブ500,600以外の有害な変形も抑制される。
[吐出側径方向リブ片当たりによるリーク低減]
図20、図21は、ポンプ駆動時におけるポンプ組立体1のy軸正方向正面図である。図11〜図18と同様、従動側についてのみ説明する。
図20では、ポンプ室Pは吐出側領域(第2油室)Doutおよび吸入側領域(第1油室)Dinの双方に対して遮断状態にある場合を示し、図21では吐出側領域(第2油室)Doutとは遮断され、吸入側領域(第1油室)Dinとは連通された状態にある場合を示す。また、黒塗り部分はシール性が高く、網掛部分はシール性が低いことを示す。
ギヤポンプ1は従動側ギヤ140によって吸入側領域(第1油室)Dinの作動油を吐出側領域(第2油室)Doutに供給することにより増圧を行うため、吸入側領域(第1油室)Dinにおいてポンプ室Pに導入された作動油は、吐出側領域(第2油室)Doutからのリークを無視した場合、ポンプ室Pが吐出側領域(第2油室)Doutに至るまで吸入圧のままである。
このため、ポンプ室Pがシール面x軸方向両端部158c、158dおよび168c,168dの間に位置する際、ポンプ室Pと吸入側領域(第1油室)Dinはともに吸入圧となるが、ポンプ室Pと吐出側領域(第2油室)Doutの間には差圧が存在することとなる。
互いに等圧であるポンプ室P−吸入側領域(第1油室)Din間を隔成する吸入側径方向リブ521in,621inのシール性はさほど求められないが、差圧の存在するポンプ室P−吐出側領域(第2油室)Dout間を隔成する吐出側径方向リブ521out,621outについては、高いシール性が要求される。
仮に、吐出側領域(第2油室)Doutからポンプ室Pへのリークが発生した場合、吐出圧の流入によってポンプ室Pの圧力は吸入圧と吐出圧の中間圧となる。その場合、中間圧と吸入圧の差圧によってポンプ室Pから吸入側領域(第1油室)Dinへのリークも発生してしまい、ポンプ室Pを介して吐出側領域(第2油室)Doutから吸入側領域(第1油室)Dinへのリークが大きくなり、ポンプ吐出性能が低下する。
吐出側領域Dinからポンプ室Pにリークが発生した場合であっても、ポンプ室Pが吸入側領域(第1油室)Dinに対して遮断状態にある場合(図20参照)であれば、歯141のシール機能によりポンプ室Pから吸入側領域(第1油室)Dinへのリークは抑制されるが、ポンプ室Pと吸入側領域(第1油室)Dinとが連通状態にある場合(図21参照)では、ポンプ室Pを介して吐出圧が吸入側領域(第1油室)Dinに流入するおそれがある。
このように、吐出側領域(第2油室)Doutからポンプ室Pへのリークはポンプ効率に大きな影響を与えるため、ポンプ室P−吐出側領域(第2油室)Dout間を隔成する吐出側径方向リブ521out,621out(第2リブ)のシール性が十分確保されることが望ましい。
本願実施例1においては、ポンプ室P−吐出側領域(第2油室)Dout間のシール性確保のため、リブ500,600とシールブロック200とが当接する際、径方向リブ521,621の吐出側521out,621out(第2リブ)を先に当接させる。
当接により、この吐出側径方向リブ521out,621out(第2リブ)が塑性変形した後に、吸入側径方向リブ521in,621in(第1リブ)をシールブロック200に当接させることとする。
これにより、径方向リブ521,621のうち吐出側521out,621out(第2リブ)を優先的に塑性変形させて確実にシールブロック200に当接させ、ポンプ室P−吐出側領域(第2油室)Dout間のシール性を確保する。中間変形領域にある軸方向リブ622もシール面220と密着し、シール性が確保される。
したがって、ポンプ室Pが吸入、吐出側領域Din,Doutの双方に対して遮断状態にある場合(図20)はもとより、吸入側領域(第1油室)Dinと連通状態にある場合(図21)であっても、吐出側領域(第2油室)Doutから吸入側領域(第1油室)Dinへのリークが抑制され、ポンプ効率が向上する。
[本願実施例1の効果]
(1)駆動軸110により軸支される駆動側ギヤ130と、駆動側ギヤ130に噛合うとともに従動軸120により軸支される従動側ギヤ140と、駆動側ギヤ130および従動側ギヤ140の軸方向(z軸方向)両側に設けられた一対のサイドプレート150,160(側板)と、各ギヤ130,140の歯先131,141をシールするとともに、サイドプレート150,160との衡合により吸入領域Dinを形成するシールブロック200とから構成されるポンプ組立体100と、ポンプ組立体100を収装し、吐出領域Doutを形成するポンプハウジング10と、一対のサイドプレート150,160またはシールブロック200の少なくとも一方に設けられ、一対のサイドプレート150,160とシールブロック200を互いに押圧することにより塑性変形して吸入領域Dinと吐出領域Doutとを液密に画成するリブ500,600とを備え、
リブ500,600は、サイドプレート150,160と平行に延在する径方向リブ511,611であって、吸入側の第1リブ511in,611inおよび吐出側の第2リブリブ511out,611outと、駆動軸110と平行に延在する軸方向リブ512,612から構成され、軸方向リブ512,612は、吸入側の第1リブ511in,611inおよび吐出側の第2リブ511out,611outと連続して設けられ、リブ500,600が塑性変形した後、吐出側の第2リブ511out,611outの硬度または密度は、吸入側の第1リブ511in,611inの硬度または密度よりも小さいこととした。
これにより、リブ500,600は、変形前はシールブロック200に対し、吐出側径方向リブ(第1リブ)511out,521out,611out,621outにおいて点接触または線接触するとともに、変形後はシールブロック200に対し面接触し、リブ500,600とシールブロック200との接触面積を、リブ500,600の変形に伴って徐々に拡大させることが可能となる。
よって、全面当たりの場合と比べ、所望の変形量を得るために必要な荷重の最大値を低減させ、加工を容易とすることができる。
また、必要荷重が減少したことで、シールブロック200をリブ600に押し付ける際、荷重の目標値に対する誤差も小さくなる。これにより生産工程時における荷重管理も容易に行うことができる。
また、荷重の絶対値を低く抑えられるため、リブ500,600以外の箇所にかかる負荷が軽減され、リブ500,600以外の有害な変形を抑制することができる。
さらに、本願実施例1では、径方向リブ621の吐出側(x軸負方向側)621outを先にシール面220に当接させて片当たりとした。
これにより、径方向リブ521,621のうち吐出側521out,621outを優先的に塑性変形させて確実にシールブロック200に当接させ、ポンプ室P−吐出側領域Dout間のシール性を確保することができる。
(2)(10)吸入側リブ511in,611inは、吸入領域Dinと吐出領域Doutのうち低圧側に設けられ、吐出側リブ511out,611outは、吸入領域Dinと吐出領域Doutのうち高圧側に設けられていることとした。これにより、上記(1)と同様の作用効果を得ることができる。
(3)(7)(11)軸方向リブ512,612は、吸入側リブ511in,611inと、吐出側リブ511out,611outの略中間に設けられることとした。これにより、上記(1)と同様の作用効果を得ることができる。
(4)(12)吸入領域Dinは、駆動側ギヤ130と従動側ギヤ140の噛み合う側に形成されることとした。これにより、上記(1)と同様の作用効果を得ることができる。
(6)(20)シールブロック200は、リブ500,600に当接するシール面210,220を有し、シール面210,220を形成する曲面Cと、吸入側リブ511in,611inと、吐出側リブ511out,611outの外径面を形成する曲面Cbを、同一の曲率に形成するとともに、互いに中心をずらして形成することとした。
これにより、シール面210,220とリブ500,600とを点接触または線接触とすることができる。
(17)ポンプ組立体100を組み付ける組み付け工程と、一対のサイドプレート150,160またはシールブロック200の少なくとも一方側であってサイドプレート150,160に平行に設けられたリブ500,600を、サイドプレート150,160とシールブロック200を互いに押圧することにより塑性変形させ、リブ500,600の塑性変形量の増大に伴ってリブ500,600とシールブロック200の接触面積を増大させる塑性変形工程とを有することとした。
これにより、上記(1)と同様の作用効果を得ることができる。
(18)リブ500,600は、サイドプレート150,160に形成され、径方向に延在するリブ500,600の一端側である吸入側リブ511in,611inと、この吸入側リブ511in,611inの他端側に設けられる吐出側リブ511out,611outと、吸入側リブ511in,611inと吐出側リブ511out,611outに連続して形成され、軸方向に延在する軸方向リブ512,612と、を有し、塑性変形工程における吐出側リブ511out,611outの変形量は、吸入側リブ511in,611inの変形量よりも大きいこととした。
これにより、上記(1)と同様の作用効果を得ることができる。
実施例2につき図22ないし図24に基づき説明する。基本構成は実施例1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。実施例1では吐出側径方向リブ621outを先にシールブロック200に当接させたが、実施例2では吸入側径方向リブ621inを先に当接させる点で異なる。すなわち、実施例1は第1リブを吸入側リブ511a,611a、第2リブを吐出側リブ512a,612aとしたが、実施例2では第1リブが吐出側、第2リブが吸入側となる。
図22は変形前にシールブロック200と径方向リブ621とが当接した図である。なお、駆動側リブ500も同様であるため、説明は省略する。実施例2では、径方向リブ621の吸入側(x軸正方向側)621in(実施例2の第2リブ)を先にシール面220に当接させて片当たりとする。
すなわち、x−y平面内において、シール面220を形成する曲線Cと従動側リブ620を形成する曲線Cbの中心O,Obは、x−y平面内において異なる点とする。
これにより径方向リブ621の吐出側621outは吸入側621inよりもシールブロック200に近接することとなり、径方向リブ621の吐出側621out(実施例2の第1リブ)よりも、吸入側621in(実施例2の第2リブ)を先にシール面220に当接させて吸入側を片当たりとする。
したがって、シールブロック200の押し付けに伴って、径方向リブ520,620は実施例1とは逆に吸入側(x軸正方向側)621inから優先的に塑性変形し、シール面220に密着する。実施例2では吸入側621inが高硬度・高密度の第2リブとなり、吐出側621outが低硬度・低密度の第1リブとなる。
吸入側が片当たりであるためシールブロック200を押し付ける荷重は抑制可能であり、荷重低減については実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
図23、図24は、ポンプ駆動時におけるポンプ組立体1のy軸正方向正面図である。図23では、ポンプ室Pは吸入、吐出側領域Din,Doutの双方に対して遮断状態にある場合を示し、図24では吐出側領域(第2油室)Doutとは遮断され、吸入側領域(第1油室)Dinとは連通された状態にある場合を示す。また、黒塗り部分はシール性が高く、網掛部分はシール性が低いことを示す。
実施例1とは逆に、径方向リブ621のうち優先的に塑性変形する吸入側621inのシール性は高いが、吐出側621outはシール性が低い。そのため吐出側領域(第2油室)Doutからポンプ室Pへのリークが発生しやすいが、リークの影響を重視しなくてもよい装置であれば、適宜実施例2を用いてもよい。
以下、実施例2の変形例を示す。
[実施例2−1]
実施例2ではリブ500,600の外径面620aを形成する曲線Cbと、シールブロック200のシール面220を形成する曲面Cの中心Ob,Oを互いに異なる点として片当たりとさせたが、シール面220との当接開始時に片当たりが実現可能であれば他の構造であってもよい。
図25のように径方向リブ621の吐出側621outを吸入側621inよりもy軸正方向側に突出させ、片当たりを実現するものであってもよい。この場合、密度または硬度の低い吸入側621inが第1リブとなり、密度または硬度の高い吐出側621outが第2リブとなる。
(14)実施例2−1では、リブ500,600が塑性変形する前は、吐出側リブ(第2リブ)511out,611outの高さは吸入側リブ(第1リブ)511in,611inの高さよりも大きいこととした。これにより、実施例2と同様の作用効果を得ることができる。
(16)軸方向リブ512,612は、吸入側リブ511in,611inと吐出側リブ511out,611outと連続して設けられ、リブ500,600が塑性変形する前は、シールブロック200に対する吸入側リブ511in,611inと吐出側リブ511out,611outの高さは異なっており、リブ500,600が塑性変形した後、シールブロック200に対する吸入側リブ511in,611inと吐出側リブ511out,611outの高さは同じであることとした。これにより、実施例2と同様の作用効果が得られる。
[実施例2−2]
また、図26は吸入側621inを突出させて第2リブとした例である。また、図27のように径方向リブ621の略中央部をy軸正方向に突出させ、密度または硬度の高い第2リブ621cとしてもよい。図27においては、径方向リブ621の両端部621in,621outが第1リブとなる。
(15)実施例2−2では、第1リブ521in,521outおよび621in,621outは径方向両端部に設けられ、第2リブ521c、621cは、径方向略中央部に設けられることとした。これにより、リブ500,600の径方向略中央部が片当たりとなるため、シールブロック押し付け荷重を低減することができる。
実施例3につき説明する。基本構成は実施例1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。実施例3では、シール面158a,bおよび168a,bの表面を押圧してリブ500,600を成形する際の押圧角度を規定する。
[リブ成形時の押圧方向と硬化位置の関係]
図28はリブ500成形時の押圧方向と硬化位置の関係を示す図である。A−A断面は駆動軸110と平行(z軸方向)であり、B−B断面は各ギヤ130,140と平行(x軸方向)である。リブ600でも同様である。
なお、説明のため第1サイドプレート150表面と平行な曲面をx'、z'軸で形成されるx'−z'面とし、このx'−z'面の法線であってリブ500の突出方向をy'軸とする。また、本願ではリブ500の幅は0.5mm、高さ0.2mmとするが、数値は適宜変更してもよい。
リブ500はT字型であって、第1サイドプレート150のシール面158aの表面の肉を押圧することにより形成される。x'軸方向延在部511はz'軸負方向側から押圧することにより形成され、z'軸方向延在部512はx'軸方向両側から押圧することにより形成される。
(x軸方向延在部)
比較例のように、シール面158a表面の肉をシール面158aに対し直角に押圧する場合、A−A断面ではリブx軸方向延在部511のz'軸負方向端部511aに肉が偏り、密度が上昇して硬化してしまう。そのためx軸方向延在部511では、y軸方向端部511bにおいてz軸方向の密度分布が変化し、z軸負方向に向かうにつれ密度および硬度が高くなる。
したがってy'軸正方向側からシールブロック200を押圧する際、密度分布の存在によってリブx軸方向延在部511はz軸方向に対し均等に塑性変形せず、z軸方向に均等に塑性変形しないためシール性が悪化する。
これに対し本願実施例1では、リブx軸方向延在部511を押圧成形する際、シール面158a表面に対する角度30°でz軸負方向に押圧する。このため、リブx軸方向延在部511のA−A断面は台形となり、押圧方向が第1サイドプレート150の中心軸(駆動軸110、従動軸120の軸)方向に傾き、シール面158a表面の肉も中心方向へ偏ることとなる。
これにより、リブx軸方向延在部511のz'軸負方向端部511aに肉が偏ることがなく、y軸方向端部511bの密度・硬度分布は均一に保たれる。よって、y'軸正方向側からシールブロック200を押圧する際、リブx軸方向延在部511はz軸方向に対し均等に塑性変形し、シール性が向上する。
(z軸方向延在部)
z軸方向延在部512においても、基本的にz軸方向延在部511と同様である。z軸方向延在部512においてはx'軸両側から押圧され、シール面158aの肉は中心方向に偏る。したがって比較例ではシール面158a表面の肉をシール面158aに対し直角に押圧するためy軸方向端部512bの中心部の密度・硬度が上昇してy軸方向端部512bの塑性変形量が非均一となる。
本願ではシール面158a表面に対する角度30°でz軸負方向に押圧するため、リブy軸方向延在部512のB−B断面は台形となり、y軸方向端部512bの密度・硬度分布は均一となる。これにより塑性変形量も均一となってシール性が向上する。
図29はリブ硬度−リブ塑性変形量、図30はリブ硬度−リブ角度(シール面158a,168aに対する角度)の関係を示す図である。いずれも斜線部分を許容範囲とする。
図29で示すように、硬度が大きすぎるとシール性確保のための要求塑性変形量が満たされず、図30に示すようにリブ角度が大きすぎると図28で示すように密度分布が生じてリブ硬度が高くなりすぎる。したがって、本願ではリブ角度を15°以上60°以下とする。実施例1では図28に示すように30°とした。
図31は、リブ角度とリブ塑性変形量の関係を示す図である。リブ角度=90°(図28の比較例)の場合と比べ、リブ角度=30°(本願実施例1)では小さい押し付け荷重で大きな塑性変形量が得られている。
[実施例3の効果]
サイドプレート150,160のシール面158a,168aの肉を押圧して形成されるリブ500,600の断面を台形とした。したがって、押圧方向が第1、第2サイドプレート150の中心軸(駆動軸110、従動軸120の軸)方向に傾き、シール面158a表面の肉も中心方向へ偏る。
これにより、リブ端部511a,512aに肉が偏ることがなく、y軸方向端部511b,512bの密度・硬度分布は均一に保たれる。よって、y'軸正方向側からシールブロック200を押圧する際、リブ500,600はz軸方向に対し均等に塑性変形し、シール性を向上させることができる。
以下、実施例3の変形例を示す。
[実施例3−1]
図32(リブ500のみ図示)に示すように、リブ500,600を押圧成形する際、目的のリブ硬度に合わせてシール面158,168表面に対する角度を15°〜60°の範囲で任意に設定してもよい。
実施例4につき説明する。基本構成は実施例1と同様である。実施例4では、シールブロック200にスチーム処理による表面硬化を施す点で異なる。
[スチーム処理によるシールブロック硬化]
図33は、シールブロック200にスチーム処置を施した際のシールブロック硬度−あたり付け時間−リブ変形量の関係を示す図である。比較のため硬化処理を全く行わない生材、および浸炭焼入れ材のデータを示す。図中斜線部分は、許容あたり付け時間とシール面210,220の許容変形量をともに満たす領域である。
なお、あたり付け時間とは各ギヤ130,140の歯先131,141によってシールブロックシール面210,220を切削してあたり付けを完了するまでの時間である。また、リブ変形量とは、シールブロック200をリブ500,600に向かって押圧(圧痕)した際のシールブロックシール面210,220の変形(めり込み)量である。
上述のように、本願ではシールブロック200の結晶粒は表面が硬化される一方、内部は硬化されず生の状態を保っている。このためシールブロック200の結晶粒は表面のみ硬度が高く、内部は表面に比べ硬度が低い状態となっている。
したがって、スチーム処理材の硬度は結晶粒全体が柔らかいままの生材よりも大きく、結晶粒全体が硬化する浸炭焼入れ材よりも小さくなる。このため、あたり付け時間は浸炭焼入れ材よりも短時間で行われ、浸炭焼入れ材よりも生産性がよい。また、圧痕時の変形量も生材よりは小さいため、めり込み量も許容範囲内に収まる。
[スチーム処理とギヤ歯先によるシールブロックあたり面切削の関係]
図34は、駆動側ギヤ130のギヤ歯先131によるシールブロック200のシール面210の切削を示す図である。従動側ギヤ140の歯先141によるシール面220の切削についても同様である。
上述のように、本願シールブロック200は結晶粒表面のみが硬化しており、内部は柔らかい生材のままである。そのため、駆動ギヤ130の歯先131によって切削されるあたり量S(歯先131とシール面210のオーバーラップ量)は、結晶粒のスチーム処理硬化層厚みrよりも大きく、結晶粒径Dよりも小さいものとする。
これにより歯先131が切削する硬化層は表面の硬化層のみでよく、切削領域はほとんどが内部の生材となる。したがって、r<S<Dの関係が成立すれば、歯先131は硬化層をほとんど切削する必要がないため、切削が容易となってあたり付け時間が短縮される。
一方、シールブロック200において切削が行われない部分の結晶粒は、表面が硬化しているため硬度は高く、リブ500,600に対し押圧・圧痕された場合であっても、リブ500,600がめり込む量は小さく、シール面210,220自体の変形量は小さく抑えられる。したがって、スチーム処理を施すことにより、あたり付けの容易性と圧痕時めり込み量の抑制を両立する。
[実施例4の効果]
シールブロック200を構成する結晶粒の表面を硬化させる処理を行ったことで、あたり付けの際に歯先131が切削する硬化層は表面の硬化層のみでよく、切削領域はほとんどが内部の生材となる。一方、結晶粒表面の硬化により、リブ500,600に対し押圧・圧痕された場合であっても、リブ500,600がめり込む量は小さく、シール面210,220自体の変形量は小さく抑えられる。よって、スチーム処理を施すことによりシールブロック200の適正な硬度が確保され、あたり付けの容易性と圧痕時めり込み量の抑制を両立することができる。
実施例5につき説明する。実施例5では、シールブロック200と同様の形状を有する工具700を用いて圧痕を行う。
[シールブロックおよびサイドプレートの製造工程]
(成形・焼結・再圧・リブ圧痕)
図35はシールブロック200およびサイドプレート150,160の成形・焼結・再圧・リブ圧痕の各工程を示す図である。また、図36はリブ圧痕時の斜視図である。
(成形・焼結・再圧)
シールブロック200およびサイドプレート150,160の型に焼結材を充填して成形し、焼結後に再圧(シール面158,168の肉を表面に沿って押圧し、リブ500,600を形成)を加えてリブ500,600を形成する。
(リブ圧痕・サイドプレート側シール面形成工程)
リブ圧痕を行う際、シールブロック200を押圧するのではなく、シールブロック200と同一形状の工具700をサイドプレート150,160のリブ500,600に押し付け、リブ500,600を塑性変形させて圧痕を行う。
本願ではシールブロックシール面210,220の加工精度を上げているため、シールブロック200を圧痕させる必要はない。したがってリブ500,600のみを圧痕するだけでよく、シールブロック200と同様の形状を有する工具700を用いるものである。
なお、工具700におけるサイドプレート150,160との衡合面(圧痕面710,720)は、シールブロック200のシール面シール面210,220と同一形状であればよい。
工具700はシールブロック200のシール面210,220と同形状に湾曲した圧痕面710,720を有し、この圧痕面710,720をリブ500,600に押し付けることで圧痕し、サイドプレート150,160側のシール面を形成する。
工具700の硬度を上げることで、押圧力を大きくした場合であっても破損の問題は発生しない。また、工具700にはシールブロック200のようにシールリング170,180を係合する薄肉の係合部260を設ける必要がないため、押圧力を強くしても係合部の破損の問題は発生しない。
工具700によって一律にサイドプレート150,160の圧痕を行い、シールブロック200には圧痕を行わない。したがってシールブロック200をリブ500,600によって圧痕する場合のように互いに固体誤差が転写されるという問題は発生せず、圧痕後を行ったシールブロック200とサイドプレート150,160の固体同士をセットで管理する必要もない。
[最終アッセンブリ工程]
最終アッセンブリ工程は、実施例1の図8〜図10と同様である。
[ギヤによるシールブロック歯あたり面の切削]
図37は駆動、従動側ギヤ130,140によるシールブロック200歯当たり面211,221の切削工程を示す図である。駆動、従動側ギヤ130,140の歯先131,141でシールブロック200のシール面210,220にあたりを付け、歯当たり面211,221を形成して歯先131,141−シール面210,220間のクリアランスを最適化する、
シールブロック200の硬度を下げてサイドプレート150,160の硬度と同等以下としたため、歯先131,141による歯当たり面211,221の切削が容易に行われる。
[実施例5の効果]
サイドプレート150,160を形成する成形工程と、成形されたサイドプレート150,160にシールブロック200と同形状の工具700をサイドプレート150,160のシール面158,168に向かって押圧し、サイドプレート150,160のシール面158,168を形成するシール面形成工程と、シールブロック200をサイドプレート150,160に組み付けるアッセンブリ工程とからなることとした。
また、サイドプレート150,160を塑性変形させることにより、シールブロック200と当接させることで第1油室Dinと第2油室Doutとの油密を構成するサイドプレート150,160のシール面158,168を設けるとともに、シールブロック200の硬度をサイドプレート150,160の硬度と同等以下に設けることとした。
これにより、シールブロック200の圧痕を行わずともシールブロック200とサイドプレート150,160とのシール性を確保することが可能となる。よって、シールブロック硬度の設定困難、弱い押し付け力で確実にリブを塑性変形させるための高精度加工の必要性、および管理の煩雑化という問題を回避したギヤポンプおよびその製造方法を提供することができる。
以下、実施例5の変形例である。
[実施例5−1]
図38、図39は実施例5−1を示す図である。実施例5−1では、サイドプレート150,160のリブ500,600を省略し、工具700によってサイドプレートシール面158,168を圧痕後、サイドプレートシール面158,168に直接シールブロックシール面210,220を当接させる。
[実施例5−1の効果]
実施例5−1にあっても、実施例5と同様の作用効果を得ることができる。また、リブ500,600を設けないため加工が容易である。
実施例6につき説明する。基本構成は実施例1と同様である。実施例6では、サイドプレートシール面158,168とシールブロックシール面210,220のすき間の関係を規定する。
図40、図41はシールブロック200とサイドプレート150のz軸正方向正面図であり、シールブロックシール面210,220とサイドプレートシール面158の間隔(すき間開き量)を示す。図40は本願、図41は比較例を示す。サイドプレート160については省略する。
本願では内側の吸入側領域(第1油室:低圧側)Din側のすき間開き量が大きく、外側の吐出側領域(第2油室:高圧側)Dout側の開き量がゼロに設けられている。逆に、比較例では吸入側領域(第1油室)Din側の開き量がゼロ、吐出側領域(第2油室)Dout側の開き量が大きく設けられている。
すなわち、本願実施例6ではシールブロック200とサイドプレート150はシール面210,220および158の外側(吐出側領域Dout側)でシールを行う一方、比較例では内側(吸入側領域Din側)でシールを行うこととなる。
[シール面すき間とリーク量の関係]
図42はシールブロック200−サイドプレート150間のシール面すき間とポンプリーク量の関係を示す図である。内側開き量が大きい場合、リークはほとんど発生しないが、外側開き量が大きくなるとリークも増大する。
内側開き(吸入側領域Din側のすき間:大、吐出側領域Dout側のすき間:ゼロ)の場合、低圧の吸入側領域(第1油室)Dinのx軸方向の容積が大きくなり、低圧と高圧の差圧によって発生するy軸負方向の押し付け力が増大する。また、吐出側領域(第2油室)Dout側のすき間がゼロであって、高圧の吐出側領域(第2油室)Doutがシール面210,158(または220,158)間に進入することがないため、吐出側領域(第2油室)Doutから吸入側領域(第1油室)Dinへの漏れ流路が狭くなり、リークが低減される。
一方、外側開きでは低圧の吸入側領域(第1油室)Dinにおけるx軸方向の容積が小さく、差圧による押し付け力も小さい。また、高圧の吐出側領域(第2油室)Doutがシール面210,158(または220,158)間にくさび状に存在するため、内側開きに比べて吐出側領域(第2油室)Doutから吸入側領域(第1油室)Dinへのリークが増大する。
したがって、内側開き量が大きく外側開き量がゼロの本願実施例6ではリークはほぼゼロである一方、外側開き量が大きく内側開き量が小さい比較例ではリークが大きい、という結果となる。これにより、実施例6ではリークが低減されて容積効率が向上する。
また実施例6では、リブ500,600は、駆動軸110と従動軸120の軸心Op,Os間の幅w内に形成されることとする。これによりサイドプレート150,160に対するシールブロック200の位置が安定する。さらに、吸入側リブ511in,611inは、駆動軸110と従動軸120の軸心Op,Os間の中点Mに近い側に形成されることとする。
[実施例6の効果]
(21)実施例6では、シールブロック200と側板150,160は、第1、第2油室のうち高圧側の衡合面で液密に衡合し、低圧側の衡合面で隙間をもって対向することとした。
すなわち、シールブロックシール面210,220とサイドプレートシール面158,168のすき間を、吸入側領域(第1油室)Din側で大きく、吐出側領域(第2油室)Dout側でゼロとし、シールブロック200とサイドプレート150,160とを吐出側領域(第2油室)Dout側(外側)で当接させてシールを行うこととした。
これにより、上記(1)と同様の作用効果を得ることができる。また、リークを低減して容積効率を向上させることができる。
(8)リブ500,600は、駆動軸110と従動軸120の軸心間の幅w内に形成されることとした。これによりサイドプレート150,160に対するシールブロック200の位置を安定させることができる。
(9)吸入側リブ511in,611inは、駆動軸110と従動軸120の軸心間中点に近い側に形成されることとした。これにより、上記(1)と同様の作用効果を得ることができる。
実施例7につき説明する。基本構成は実施例1と同様である。実施例7では、図43の表に基づきポンプ構成部品(サイドプレート150,160、シールブロック200、駆動、従動ギヤ130,140、駆動、従動軸110,120)の材料組成について規定する。
[サイドプレートの組成]
サイドプレート150,160は鉄系焼結材で形成され、炭素C=1〜5%、銅Cu=3〜7%、残部の組成は鉄Feで構成される。鉄系の焼結材とすることで複雑形状を安価に形成し、炭素C含有率を1〜5%として機械的強度を確保する。
また、銅Cuの含有率が2%以上となった場合、銅Cuは基材の鉄Feに固溶せずに表面近傍に析出する特性を持つ。この特性を用いて、摺動性のよい銅Cuを焼結工程でサイドプレート150,160の表面近傍に析出させて耐摩耗性を向上させる。
さらに、密度は6.0g/cm3とされる。この値は比較的低密度であって、結晶粒間の空孔が多くなる。これにより空孔内に作動油が浸透して潤滑性能が向上する。
[シールブロックの組成]
シールブロック200も鉄系焼結材で形成され、組成は炭素C=0.7〜1.0%、銅Cu=1〜2%、残部はFeである。炭素C添加により機械的強度を確保するとともに、銅Cuの含有量を1〜2%に抑えることで鉄Feの粒子間に銅Cuを溶け込ませ、熱伝導性を向上させて鉄Fe粒の結合性を向上させ、強度確保を行う。
密度は6.6g/cm3とされ、成形性を確保する。また、成形後のシールブロック200表面にはスチーム処理が施され(実施例4参照)、リブ圧痕時の変形抑制とギヤ130,140によるあたり付け性の向上、および封孔処理(シールブロック200表面の結晶粒間すき間を埋める処理)を行う。
[駆動、従動ギヤの組成]
駆動、従動ギヤ130,140は強度確保のため鉄系溶製材の削り出しによって形成され、組成は炭素C=0.33〜0.38%、マンガンMn=0.60〜0.85%、クロムCr=0.90〜1.20%、モリブデンMo=0.15〜0.30%、残部は鉄Feである。
炭素C=0.33〜0.38%の軟らかい低炭素鋼とすることで、切削性を確保する。また、マンガンMn、クロムCr、モリブデンMoは焼入れ性確保のため添加される。さらに、切削後に浸炭窒化による表面処理を行い、表面硬度を上げてシールブロック200のあたり付け性と歯面の耐久性を確保する。
[駆動、従動軸の組成]
駆動、従動軸110,120も強度確保のため鉄系溶製材の削り出しによって形成され、組成は炭素C=0.13〜0.18%、マンガンMn=0.60〜0.85%、クロムCr=0.90〜1.20%、モリブデンMo=0.15〜0.30%、残部は鉄Feである。
ギヤ130,140と同様に低炭素鋼として切削性を確保するとともに、焼入れ性確保のためマンガンMn、クロムCr、モリブデンMoが添加される。切削後の表面には浸炭処理が施され、耐摩耗性を確保する。
なお、実施例7ではサイドプレート150,160、シールブロック200、駆動、従動ギヤ130,140および駆動、従動軸110,120はいずれも鉄Feを基材とする材料で形成される。基材を同一とすることで、発熱時に均一に膨張させて熱膨張によるすき間を低減する。
[実施例7の効果]
実施例7では、各部材の組成、密度および表面処理について上記のように規定した。これにより、各部材の熱膨張すき間を低減するとともに、サイドプレート150,160の摺動性の向上、シールブロック200の強度とあたり付け性の確保、駆動、従動ギヤ130,140および駆動、従動軸110,120の耐久性確保を図ることができる。
実施例8につき説明する。基本構成は実施例3(再圧によるリブ形成)と同様である。実施例8では、押圧によって形成されたリブ500,600と硬度の関係について規定する。
[再圧によるリブ形成とリブ硬度の関係]
図44は、再圧によるリブ500,600の成形を示す図である。実施例3ではリブ500,600の再圧時にシール面158,168に対し30°の角度をもって再圧する例を示した。実施例8では、再圧によって形成されるリブ500の硬度について示す。なお、サイドプレート160およびリブ600については省略する。
実施例3と同様に、サイドプレート150の成形・焼結時はリブ500以外の形状を作成し、再圧によってシール面158表面の肉をシール面158に沿ってz軸負方向側に押圧し、リブ500を形成する。再圧ではリブ500を精度よく形成可能であるが、シール面158表面の肉がz軸負方向側に移動するため、サイドプレート150のz軸負方向側面159よりもz軸負方向側にはみ出してはみ出し部159aが形成される。
このはみ出し部159aが形成されないようにz軸負方向側面159に型を当てて肉のはみ出しを抑えた場合、肉が逃げられずにz軸負方向面159側に偏ってリブ500の密度が上昇・硬化する。とりわけz軸負方向面159に面する径方向リブ511の硬度が上がり、リブ500の圧痕時に必要な力が増大してしまう。
したがって実施例8では、再圧時にはあえてシール面158表面の肉をz軸負方向側面159からはみ出させ、リブ500が形成された後にはみ出し部159aを研磨して削除する。これにより、リブ500の硬化を回避しつつ精度を向上させる。
[リブ硬度と圧痕荷重の関係]
図45は圧痕時におけるサイドプレート150とシールブロック200のz軸正方向正面図、図46は図45における領域Aの拡大図、図47はリブ硬度と圧痕荷重および圧痕ストロークの関係を示す図である。図46のS1〜S4はストローク位置を示し、図47のS1〜S4と対応する。
圧痕時のシールブロック200のy軸負方向ストロークに伴ってリブ500は潰されて変形するが、径方向リブ511が硬い場合、シールブロック200が径方向リブ511に当接した時点から圧痕荷重が急上昇する。一方、径方向リブ511が軟らかい場合はストロークと荷重の関係は線形に近くなり、同一ストロークの変形に要する荷重は硬い場合よりも低い。
このように、径方向リブ511を軟らかく形成することにより、圧痕時の荷重が低減されるとともに、荷重変化が線形に近づくことにより荷重管理が容易となる。
[実施例8の効果]
(19)サイドプレート150,160上に設けられ、シールブロック200と衡合する衡合面を成形する成形工程と、衡合面を再度加圧し、リブ500,600を形成する再圧工程と、再圧工程によって形成されるはみ出し部159a(余肉部分)を削除する切削工程とを有することとした。
これにより、硬化を回避しつつ精度よくリブ500,600を形成することが可能となり、圧痕時の荷重を低減するとともに、容易に荷重管理を行うことができる。
実施例9につき説明する。基本構成は実施例1と同様である。実施例9では、リブ500,600における軸方向リブ512,612の径方向断面形状につき規定する。以下、軸方向リブ512についてのみ説明する。
図48はサイドプレート150のy軸正方向側正面図、図49は図48における軸方向リブ512のA−A断面図である。実施例9では、軸方向リブ512の径方向断面形状を左右非対称とし、吸入側領域(第1油室)Din側と吐出側領域(第2油室)Dout側で異なる勾配を設ける。
シール面158は吸入側領域(第1油室)Din側と吐出側領域(第2油室)Dout側とで異なる高さに設けられ、軸方向リブ512のy軸方向側の頂点部を頂点512cとすると、吸入側シール面158inは吐出側シール面158outよりも低い位置に設けられている。
各シール面158in,158outから頂点512cまでの高さをそれぞれHin,Houtとすると、Hin>Houtである。このため、軸方向リブ512の吸入側面512inは吐出側面512outよりも急勾配に設けられることとなる。
また、軸方向リブ512における肉の分布は、頂点512cを基準として吸入側領域(第1油室)Din側に多く、吐出側領域(第2油室)Dout側に少なく設けられている。
これにより、シールブロック200により押圧された際、軸方向リブ512の吸入側面512inの肉が吐出側面512outに逃げ、軸方向リブ512が潰れやすくなって圧痕荷重が減少する。
[実施例9の効果]
(5)(13)軸方向リブ512,612における駆動側ギヤ130に対し平行な断面形状は、吸入領域Din側の面512inと吐出領域Dout側の面512outで異なることとした。
これにより、シールブロック200により押圧を行う際、軸方向リブ512の吸入側面512inの肉を吐出側面512outに逃がすことで、軸方向リブ512を潰れやすくして圧痕荷重を減少させることができる。
実施例10につき説明する。実施例10では、本願実施例1〜9のギヤポンプ1を適用する車両の油圧回路について規定する。
[油圧回路]
図50は本願ギヤポンプ1を適用した油圧回路図である。ギヤポンプ1はモータMによって駆動され、リザーバタンクRSVTの作動油をホイルシリンダWCに供給することで増圧を行う。減圧時にはギヤポンプ1を逆回転させてもよいし、減圧装置2によってホイルシリンダWC内の作動油をリザーバタンクRSVTに還流してもよい。実施例10においても、実施例1〜9と同様の作用効果を得ることができる。
実施例11につき説明する。実施例11では、実施例10の油圧回路構成をさらに具体化するものである。
図51は実施例11における油圧回路図である。実施例11の油圧回路は車両姿勢制御(VDC)および自動ブレーキ制御(ACC)を実行可能な構成であり、通常時はマスタシリンダ圧によって制動を行い、VDC制御等の介入時のみギヤポンプ1を駆動してホイルシリンダ圧を制御する。
マスタシリンダMCはタンデム型であり、リザーバタンクRSVTと接続してブレーキペダルBPに与えられる踏力によってマスタシリンダ圧を発生し、P系統とS系統の油路A(P),A(S)に油圧を供給する。P,S系統は対称であるためP系統についてのみ説明する。
油路A(P)は常開のアウト側ゲート弁G/V_OUT(P)を介して分岐点I(P)に接続するとともに、油路B(P)に接続する。油路B(P)は常閉のイン側ゲート弁G/V_IN(P)を介してギヤポンプ1の吸入側に接続する。
分岐点I(P)には油路C1(P)、C2(P)が接続される。油路C1(P)、C2(P)にはそれぞれ常開の増圧弁IN/V1(P)、IN/V2(P)が設けられ、ホイルシリンダWC1(P),WC2(P)に接続する。
また、ホイルシリンダWC1(P),WC2(P)は油路D1(P)、D2(P)を介してリザーバタンクRSVT(P)に接続する。油路D1(P)、D2(P)には常閉の減圧弁OUT/V1(P)、OUT/V2(P)が設けられている。
(通常制動時)
通常制動時にはギヤポンプ1は停止され、アウト側ゲート弁G/V_OUT(P)を開弁、増圧弁IN/V1,2(P)を開弁し、マスタシリンダ圧をホイルシリンダWC1,2に導入する。イン側ゲート弁G/V_IN(P)、減圧弁OUT/V1,2(P)は閉弁される。
(ポンプ増圧時)
ギヤポンプ1によってホイルシリンダ圧を増圧する場合は、イン側ゲート弁G/V_IN(P)を開弁し、アウト側ゲート弁G/V_OUT(P)を閉弁し、増圧弁IN/V1,2(P)を開弁してポンプ吐出圧をホイルシリンダWC1,2に導入する。減圧弁OUT/V1,2(P)は閉弁とされる。
(減圧時)
減圧時には増圧弁IN/V1,2(P)を閉弁、減圧弁OUT/V1,2(P)を開弁し、ホイルシリンダ圧をリザーバRSV(P)に排出する。リザーバRSV(P)に作動油が流入した場合、ギヤポンプ1によって作動油をかき出し、アウト側ゲート弁G/V_OUT(P)を開弁してマスタシリンダMCに還流する。
(保持時)
保持時には増圧弁IN/V1,2(P)および減圧弁OUT/V1,2(P)を閉弁する。
[車両姿勢制御(VDC)および自動ブレーキ制御(ACC)]
車両の諸条件(車速等)に基づき車両姿勢制御(VDC)または自動ブレーキ制御(ACC)を行う場合、運転者のブレーキ操作によらず適宜上記のポンプ増圧および減圧、保持を行って制動力を制御する。
[実施例11の効果]
車両姿勢制御(VDC)または自動ブレーキ制御(ACC)を行う車両にあっても、本願ギヤポンプ1を適用することにより、実施例1〜10の作用効果を得ることができる。また、ブレーキ液のような粘度の低い流体ではシール性の確保が重要であるが、本願ギヤポンプを用いることによりシール性を向上させることができる。
実施例12は、実施例11の油圧回路を変更した例である(図52)。基本構成は実施例11と同様であるが、実施例12ではイン、アウト側の各ゲート弁を省略している。
(通常増圧時)
通常増圧時には増圧弁IN/V1,2(P)を開弁、減圧弁OUT/V1,2(P)を閉弁し、マスタシリンダ圧をホイルシリンダWCに導入する。
(減圧時)
減圧時には増圧弁IN/V1,2(P)を閉弁、減圧弁OUT/V1,2(P)を開弁し、ホイルシリンダ圧をリザーバRSV(P)に排出する。リザーバRSV(P)に作動油が流入した場合、ギヤポンプ1によって作動油をかき出し、マスタシリンダMCへ還流する。
(保持時)
増圧弁IN/V1,2(P)および減圧弁OUT/V1,2(P)を閉弁する。
[実施例12の効果]
実施例12にあっても、実施例11と同様の作用効果を得ることができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
実施例1におけるギヤポンプのz軸正方向正面図である。 実施例1におけるギヤポンプのx軸正方向側面図である。 図1のI−I断面図である。 実施例1におけるポンプ組立体の斜視図である。 実施例1におけるポンプ組立体のy軸正方向正面図である。 実施例1におけるポンプ組立体のx軸正方向正面図である。 実施例1における板ばね単体の斜視図である。 実施例1におけるギヤポンプの組立第1工程である。 実施例1におけるギヤポンプの組立第2工程である。 実施例1におけるギヤポンプの組立第3工程である。 シールブロックおよびばねを省略したポンプ組立体のz軸正方向正面図である。 従動側ギヤ側のリブ付近の拡大図である。 リブ変形前のシールブロックの位置である。 リブ変形に伴うシールブロックの移動を示す図である。 図14のシールブロック位置(変形前の片当たり時)に対応するリブの断面模式図である。 図14のシールブロック位置(中間変形時)に対応するリブの断面模式図である。 図14のシールブロック位置(全面当たり時)に対応するリブの断面模式図である。 シール面とリブが全面当たりする場合を示す図である。 リブに対する印加荷重と歪の関係を示す図である。 ポンプ駆動時におけるポンプ組立体のy軸正方向正面図である(ポンプ室は吸入、吐出側領域の双方に対して遮断状態)。 ポンプ駆動時におけるポンプ組立体のy軸正方向正面図である(ポンプ室は吸入側領域に対して連通、吐出側領域に対して遮断状態)。 実施例2において変形前にシールブロックと径方向リブとが当接した図である。 実施例2におけるポンプ組立体のy軸正方向正面図である(ポンプ室は吸入、吐出側領域の双方に対して遮断状態)。 実施例2におけるポンプ組立体のy軸正方向正面図である(ポンプ室は吸入側領域に対して連通、吐出側領域に対して遮断状態)。 実施例2−1を示す図である(吐出側を突出)。 実施例2−2を示す図である(吸入側を突出)。 実施例2−3を示す図である(中央部を突出)。 実施例3におけるリブ500成形時の押圧方向と硬化位置の関係を示す図である。 実施例3におけるリブ硬度−リブ塑性変形量の関係を示す図である。 実施例3におけるリブ硬度−リブ角度の関係を示す図である。 実施例3におけるリブ角度とリブ塑性変形量の関係を示す図である。 実施例3−1を示す図である。 実施例4においてスチーム処置を施した際のシールブロック硬度−あたり付け時間−リブ変形量の関係を示す図である。 実施例4における駆動側ギヤ130のギヤ歯先131によるシールブロック200のシール面210の切削を示す図である。 実施例5におけるシールブロック200およびサイドプレート150,160の成形・焼結・再圧・リブ圧痕の各工程を示す図である。 実施例5におけるリブ圧痕時の斜視図である。 実施例5の駆動、従動側ギヤ130,140によるシールブロック200歯当たり面211,221の切削工程を示す図である。 実施例5−1を示す図である。 実施例5−1を示す図である。 実施例6におけるシールブロック200とサイドプレート150のz軸正方向正面図である。 比較例におけるシールブロック200とサイドプレート150のz軸正方向正面図である。 実施例6におけるシールブロック200−サイドプレート150間のシール面すき間とポンプリーク量の関係を示す図である。 実施例7におけるポンプ構成部品の材料組成を示す表である。 実施例8における再圧によるリブ500,600の成形を示す図である。 実施例8の圧痕時におけるサイドプレート150とシールブロック200のz軸正方向正面図である。 図45における領域Aの拡大図である。 実施例8におけるリブ硬度と圧痕荷重および圧痕ストロークの関係を示す図である。 実施例9におけるサイドプレート150のy軸正方向側正面図である。 図48における軸方向リブ512のA−A断面図である。 実施例10における油圧回路図である。 実施例11における油圧回路図である。 実施例12における油圧回路図である。
符号の説明
1 ギヤポンプ
10 ポンプハウジング
11 駆動軸支持孔
12 シリンダ孔
12a 当接面
12b 内壁
13 吐出ポート
20 ハウジングカバー
21 吸入ポート
100 ポンプ組立体
100a 第1サブアッセンブリ
100b 第2サブアッセンブリ
130 駆動側ギヤ
140 従動側ギヤ
131,141 歯先
150,160 第1、第2サイドプレート
150a,160a y軸正方向面
150b,160b 凹部
151,161 y軸負方向面
152,162 x軸方向両端部
153,163 駆動軸貫通孔
154,164 従動軸貫通孔
155 第1サイドプレートz軸正方向側面
165 第2サイドプレートz軸負方向側面
156,166 第1、第2段部
157,167 x軸方向両側面
158,168 シール面
158a,168a,158b,168b 駆動側、従動側シール面
170,180 シールリング
200 シールブロック
210,220 駆動側、従動側シール面
300 板ばね
500,600 駆動側、従動側リブ
510,610 第1、第2駆動側リブ
520,620 第1、第2従動側リブ
620a 径方向リブ外径面
511,611,521,621 径方向リブ
512,612,522,622 軸方向リブ
511in〜621in 吸入側径方向リブ
511out〜621out 吐出側径方向リブ
621a 径方向リブ吐出側端部
621b 径方向リブ吸入側端部

Claims (17)

  1. 駆動軸により軸支される駆動側歯車と、
    前記駆動側歯車に噛合うとともに従動軸により軸支される従動側歯車と、
    前記駆動側歯車および前記従動側歯車の軸方向両側に設けられた一対の側板と、
    前記歯車の歯先をシールするとともに、前記側板との衡合により第1油室を形成するシールブロックと
    から構成されるポンプ組立体と、
    前記ポンプ組立体を収装し、第2油室を形成するポンプハウジングと、
    前記一対の側板または前記シールブロックの少なくとも一方に設けられ、前記一対の側板と前記シールブロックを互いに押圧することにより塑性変形して前記第1油室と前記第2油室とを液密に画成するリブと
    を備え、
    前記リブは、前記側板と平行に延在する第1リブおよび第2リブと、前記駆動軸と平行に延在する第3リブから構成され、
    前記第3リブは、前記第1リブおよび前記第2リブと連続して設けられ、
    前記リブが塑性変形した後、前記第リブの硬度または密度は、前記第リブの硬度または密度よりも小さいこと
    を特徴とするギヤポンプ。
  2. 請求項1に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第1リブは、前記第1油室と第2油室のうち低圧側に設けられ、
    前記第2リブは、前記第1油室と第2油室のうち高圧側に設けられていること
    を特徴とするギヤポンプ。
  3. 請求項2に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第3リブは、前記第1、第2リブの略中間に設けられること
    を特徴とするギヤポンプ。
  4. 請求項3に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第1油室は、前記駆動側歯車と前記従動側歯車の噛み合う側に形成されること
    を特徴とするギヤポンプ。
  5. 請求項3に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第3リブにおける前記駆動側歯車に対し平行な断面形状は、前記第1油室側と前記第2油室側で異なること
    を特徴とするギヤポンプ。
  6. 請求項1に記載のギヤポンプにおいて、
    前記リブは、前記側板に設けられ、
    前記シールブロックは、前記リブに当接するシール面を有し、
    前記シールブロックのシール面と、前記第1、第2リブの外径面を形成する曲面は、同一の曲率を有するとともに、互いに中心をずらして設けられていること
    を特徴とするギヤポンプ。
  7. 請求項6に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第3リブは、前記第1、第2リブの略中間に設けられていること
    を特徴とするギヤポンプ。
  8. 請求項7に記載のギヤポンプにおいて、
    前記リブは、前記駆動軸と前記従動軸の軸心間の幅内に形成されること
    を特徴とするギヤポンプ。
  9. 請求項8に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第1リブは、前記駆動軸と前記従動軸の軸心間中点に近い側に形成されること
    を特徴とするギヤポンプ。
  10. 請求項6に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第3リブは、前記第1油室と前記第2油室とを画成し、
    前記第1リブは、前記第1油室と第2油室のうち低圧側に設けられ、
    前記第2リブは、前記第1油室と第2油室のうち高圧側に設けられていること
    を特徴とするギヤポンプ。
  11. 請求項10に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第3リブは、前記第1、第2リブの略中間に設けられること
    を特徴とするギヤポンプ。
  12. 請求項11に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第1油室は、前記駆動側歯車と前記従動側歯車の噛み合う側に形成されること
    を特徴とするギヤポンプ。
  13. 請求項11に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第3リブにおける前記駆動側歯車に対し平行な断面形状は、前記第1油室側と前記第2油室側で異なること
    を特徴とするギヤポンプ。
  14. 請求項1に記載のギヤポンプにおいて、
    前記リブが塑性変形する前は、前記第2リブの高さは前記第1リブの高さよりも大きいこと
    を特徴とするギヤポンプ。
  15. 請求項1に記載のギヤポンプにおいて、
    前記第1リブと前記第2リブは一体であること
    を特徴とするギヤポンプ。
  16. 請求項1に記載のギヤポンプにおいて、
    前記リブが塑性変形する前は、前記シールブロックに対する前記第1リブと前記第2リブの高さは異なり、
    前記リブが塑性変形した後、前記シールブロックに対する前記第1リブと前記第2リブの高さは同一であること
    を特徴とするギヤポンプ。
  17. 請求項1に記載のギヤポンプにおいて、
    前記シールブロックと前記側板は、前記第1、第2油室のうち高圧側の衡合面で液密に衡合し、低圧側の衡合面で隙間をもって対向すること
    を特徴とするギヤポンプ。
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