JP4789344B2 - 結合金具離脱装置及び結合金具の離脱方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液体等を輸送する輸送管や消防ホース等のホースを相互に接続、またはホースとポンプその他の機器の配管要素とを接続するための結合金具に係り、さらに特定すれば、雌雄の区別のない一対の同一の構造の結合金具本体からなる結合金具の結合状態を離脱できる結合金具離脱装置及び結合金具の離脱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ホースたとえば消防ホースの結合金具には差し込み形のものがあり、このような差し込み形の結合金具は一対の結合金具本体が互いに軸方向に嵌合して係止結合される構造のものである。このような差し込み形の結合金具は、たとえば日本工業規格 JIS B 9911 に規定されているものあり、このような結合金具は「町野式金具」と称されて汎用されている。
【0003】
このような差し込み形の結合金具は、簡単な装置で結合および結合解除ができ、操作の迅速性と確実性を要求される消防ホースの結合金具としては好ましい特性を有している。
【0004】
しかし、従来の差し込み形の結合金具は、結合される一対の結合金具本体に雌雄の区別があり、一方が雄金具、他方が雌金具として構成されており、雄金具同志、雌金具同志は結合できない。このため、たとえば消火作業の際に、複数の消防ホースを延ばして互いに結合する際に、誤って雄金具同志、または雌金具同志が対応するように消防ホースを延ばしてしまう可能性があり、消火作業の迅速性、確実性の点からこのような可能性を排除することが好ましい。また、従来の結合金具は、構造の相違する雄金具と雌金具の2種類の金具を製造しなければならず、製造コストが高くなる不具合があった。
【0005】
そこで、本出願人は、前述のような差し込み形の結合金具の問題を解消した、雌雄の区別のない一対の同一構造の結合金具本体から構成された結合金具を開発し、例えば特許第3107507号として登録されている。
【0006】
前記結合金具の実施形態の構成を図5〜図7を参照して説明する。この実施形態はこの結合金具を消防ホースの結合金具に適用した場合のものである。この結合金具は、同一構造の一対の結合金具本体1a,1bから構成されており、これら結合金具本体1a,1bにはそれぞれ消防ホース2a,2bが接続されている。
【0007】
これらの結合金具本体1a,1bは、それぞれ筒本体3を備えており、これら筒本体3は略円筒形をなし、その内周面には鋸歯状の凹凸を有するホース取り付け部4が形成されている。そして、このホース取り付け部4に消防ホース2a,2bの端部が挿入され、これらホースの内周面からかしめリング(図示せず)によってこのホースの外周面をこのホース取り付け部4に押圧してこの消防ホースを取り付ける。
【0008】
また、この筒本体3の前端部の内周面には、円筒状のシール面部材5が螺装され、このシール面部材5の前端面はシール面として形成され、このシール面にはゴムパッキン等のシール部材6が取り付けられている。従って、これらの結合金具本体1a,1bが互いに軸方向に嵌合して結合された場合には、これらのシール部材6が互いに衝合され、これらの筒本体3の内部を連通するとともにシール性を維持する。
【0009】
そして、前記筒本体3の前端部には、それぞれ複数、たとえば6個の嵌合突部8が一体に突設されている。これらの嵌合突部8は、周方向に等間隔に配列され、前記シール面部材5のシール面に対して軸方向に突出している。また、これらの嵌合突部8の間は、嵌合凹部7として形成されており、これらの結合金具本体1a,1bが軸方向に衝合された場合には、一方の結合金具本体1aの嵌合突部8が他方の結合金具本体1bの嵌合凹部7内に嵌合し、また他方の結合金具本体1bの嵌合突部8が一方の結合金具本体1aの嵌合凹部7内に嵌合し、互いに相補形に嵌合する。
【0010】
なお、このものでは、前記嵌合凹部7の幅は前記嵌合突部8の幅よりやや広く形成されている。従って、これら嵌合突部8はこれらの嵌合凹部7内に軸方向に嵌合するとともに、周方向にも所定の量だけ回動自在である。
【0011】
そして、前記嵌合突部8の一方の側面8aには段形鉤状の係止鉤部9がそれぞれ形成されており、これらは互いに相手側の嵌合突部の係止鉤部と周方向に係合するように構成されている。従って、これらの嵌合突部8が相手側の嵌合凹部7内に軸方向に嵌合した状態で、これら結合金具本体1a,1bを互いに回動させてこれら嵌合突部8の一方の側面8aが互いに近接すると、これらの係止鉤部9が図3に示すように互いに係合して軸方向の係止をなし、これら結合金具本体1a,1bが互いに結合される。なお、これらの係止鉤部9の根元部には、この部分の応力集中を防止するための湾曲部11が形成されている。また、これらの嵌合突部8の他方の側面の先端角部は円弧状に形成されてガイド部12が形成されており、これらが嵌合する際には、これらのガイド部12が互いに当接する。
【0012】
また、これらの係止鉤部9の係止面は、周方向に対して所定の角度だけオーバーハング状に傾斜しており、これらが嵌合した状態で内部の水圧等によりこれら結合金具本体1a,1bを互いに引き離す方向の荷重が作用した場合には、これらの係止鉤部9はより強く嵌合し、この結合金具本体1a,1bの抜け等を確実に防止するように構成されている。
【0013】
なお、この実施形態では、前記係止鉤部9が嵌合した状態において、前記嵌合突部8の先端面と嵌合凹部7の奥壁面との間に間隙が形成されるように各部の寸法が設定されている。従って、このものは、前記係止鉤部9が係合した状態から、これら嵌合突部8と嵌合凹部7とがさらに軸方向に互いに進入するように移動可能である。
【0014】
また、これらの嵌合突部8の他方の側面8bは、これらの結合金具本体1a,1bの軸方向に対して傾斜している。従って、この嵌合突部8は、その先端部にゆくに従って周方向の幅が狭くなるようなテーパ状に形成され、また嵌合凹部7も同様にその奥部にゆくに従ってその周方向の幅が狭くなるようなテーパ状に形成されている。これにより、これらの嵌合突部8と嵌合凹部7の嵌合が容易となる。なお、前記係止鉤部9が形成されている一方の側面は、この結合金具本体1a,1bの軸方向と略平行に形成されている。
【0015】
また、これらの嵌合突部8の他方の側面8bには、それぞれ付勢機構10が設けられている。これらの付勢機構10は、円筒形のケース部材14内に突没自在に収容された付勢部材たとえば鋼球15と、この鋼球15を突出方向に付勢するスプリング16とから構成されており、これらの付勢機構10はこれら嵌合突部8の他方の側面に埋め込まれている。従って、これらの嵌合突部8が図7に示すように相手側の嵌合凹部7内に嵌合されると、前記鋼球15が互いに当接して互いに押圧付勢し、これら嵌合突部8の他方の側面を互いに離反するように付勢し、この結果、これら嵌合突部8の一方の側面8aは互いに近接するように付勢され、上述のようにこれらの一方の側面の係止鉤部9が互いに係合するように付勢される。
【0016】
また、これらの結合金具本体1a,1bの外周面には、複数の工具溝20が形成されている。これらの工具溝20は、たとえばレンチ等の工具と嵌合可能な形状に形成されており、万一これらの結合金具本体1a,1bの結合が砂等の噛み込みにより結合解除できなくなった場合には、これらの工具溝20にレンチ等の工具を嵌合してこれら結合金具本体1a,1bを強制的に回動させることにより、結合を解除することができる。
【0017】
ところで、このような結合金具は、前記嵌合突部8および嵌合凹部が軸方向に嵌合し、また係止鉤部9が互いに周方向に係合するものである。この結合金具内に正圧の水圧等が作用している場合には、これら結合金具本体には互いに離反するような大きな軸方向の荷重が作用し、この荷重は前記係止鉤部9の係合によって支持される。このため、内部に圧力が作用している場合には、この結合金具は不所望に結合が解除されることはない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したように、結合金具本体1a,1bの外周面に複数の工具溝20を形成し、これらの工具溝20にレンチ等の工具を嵌合してこれら結合金具本体1a,1bを強制的に回動させて結合を解除することができるが、操作性が悪いという問題がある。また、結合金具本体1a,1bの外周面に複数の工具溝20を設ける必要があり、加工コストがアップするという問題がある。
【0019】
本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、結合金具本体にレンチ等の工具と嵌合する工具溝を設ける必要がなく、ワンタッチで結合を解除できる結合金具離脱装置及び結合金具の離脱方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、円筒状をなす一対の結合金具本体と、これらの結合金具本体の前端面に形成され互いに軸方向に衝合される衝合面と、前記結合金具本体から前記衝合面を囲んで周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合突部と、これら嵌合突部の間に形成された嵌合凹部とを有し、前記一対の結合金具本体の嵌合突部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合突部に軸方向において嵌合可能であり、これら嵌合突部は各々が相手のものに係止する係止部を有し、各々の係止部は相手側の結合金具本体の係止部に係止することにより前記一対の結合金具本体の軸方向の移動を規制し、更に各結合金具本体の嵌合突部には離脱工具の挿入部を各々挿入可能である孔を有した結合金具と、
前記結合金具における一対の結合金具本体の結合状態を離脱する前記離脱工具と、
を備え、前記離脱工具は、枢支軸を支点として回動自在な一対の鋏部材を有し、該一対の鋏部材は、前記枢支軸を挟んで先端部側部分と基端部側部分とに分かれており、前記一対の鋏部材の先端部には結合状態の前記結合金具本体の嵌合突部の孔に各々挿入可能な挿入部を設け、前記一対の鋏部材の基端部にはハンドル部を設け、前記ハンドル部を閉じることで前記一対の挿入部を拡開するものであって、各結合金具本体の嵌合突部における孔に前記挿入部を各々挿入し、前記ハンドル部を手の把持力によって閉じることで一対の挿入部が拡開し、前記係止部の係止状態を解除して前記結合金具の結合状態を離脱できることを特徴とする結合金具離脱装置である。
【0021】
請求項2の発明は、請求項1に記載の結合金具離脱装置において、前記一対の鋏部材間にはハンドル部を拡開し、挿入部を閉じる方向に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする。
請求項3の発明は、円筒状をなす一対の結合金具本体と、これらの結合金具本体の前端面に形成され互いに軸方向に衝合される衝合面と、前記結合金具本体から前記衝合面を囲んで周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合突部と、これら嵌合突部の間に形成された嵌合凹部とを有し、前記一対の結合金具本体の嵌合突部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合突部に軸方向において嵌合可能であり、これら嵌合突部は各々が相手のものに係止する係止部を有し、各々の係止部は相手側の結合金具本体の係止部に係止することにより前記一対の結合金具本体の軸方向の移動を規制する結合金具を離脱工具によって離脱する方法であって、前記離脱工具は、枢支軸を支点として回動自在な一対の鋏部材を有し、該一対の鋏部材は、前記枢支軸を挟んで先端部側部分と基端部側部分とに分かれており、前記一対の鋏部材の先端部に挿入部を設け、前記一対の鋏部材の基端部にハンドル部を設け、前記ハンドル部を閉じることで前記一対の挿入部を拡開するものであり、この離脱工具の挿入部を、各結合金具本体の嵌合突部間に各々挿入して前記ハンドル部を手の把持力によって閉じることで一対の挿入部を拡開し、前記係止部の係止状態を解除して前記結合金具の結合状態を離脱する結合金具の離脱方法である。
【0022】
本発明によれば、結合金具本体の結合状態を解除する際には、一対の鋏部材の先端部の挿入部を結合状態の結合金具本体の係止部間に挿入し、ハンドル部を手の把持力によって閉じて挿入部を拡開させると、係止状態の係止部相互が押し広げられ、係止部の係止状態が解除され、結合金具の結合状態を離脱できる。
【0023】
請求項2の構成によれば、離脱工具は、付勢部材によって挿入部が閉じる方向に付勢されているため、挿入部を結合状態の結合金具本体の係止鉤部間に挿入しやすく、操作性を向上できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は第1の実施形態の離脱工具を示し、(a)は全体の側面図、(b)はA部を拡大した側面図、(c)は矢印B方向から見た正面図、図2〜図4は結合金具を消防車の吸管とポンプの吸込口等の配管要素との結合金具に適用した場合を示し、図5〜図7と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
【0026】
結合金具は、一対の結合金具本体31a,31bから構成されており、結合金具本体31aはたとえば消防車のポンプの座板32に形成された吸込口33に取付け固定されている。また、前記他の結合金具本体31bは、吸管34に取付けられている。
【0027】
前記結合金具本体31a,31bは、それぞれ本体部35a,35bと、嵌合部34a,34bとから構成されている。この嵌合部34a,34bはリング状の部材であり、それぞれ相補形の嵌合突部8および嵌合凹部7が形成され、また嵌合突部8の側面には係止鉤部9が形成され、また付勢機構10が設けられている。なお、前記嵌合突部8、嵌合凹部7、係止鉤部9、付勢機構10等、この結合金具の嵌合、係止に関わる部分は、前述の図5〜図7に示した結合金具と同じ構成であり、図中で対応する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
【0028】
また、この実施形態では、一方の結合金具本体31aは消防車のポンプの吸込口等に取付けられ、また他方の結合金具本体31bは吸管34に取付けられている。よって、これらの結合金具本体31a,31bの本体部35a,35bは、基本的には同一の構成であるが、取付けるべき部材に対応してその構成が少し相違している。
【0029】
すなわち、一方の結合金具本体31aの本体部35aは、螺子部36により、ポンプの吸込口33に取付けられており、この螺子部36は取付け後に接着剤で固定され、回転不能に固定されている。また、この一方の結合金具本体31aの嵌合部34aは、螺子部37により本体部35aに取付けられた後に接着剤で固定され、この本体部35aに対して回転不能に固定されている。
【0030】
また、他方の結合金具本体31bの本体部35bは、その後端部が延長され、吸管48を取付けるためのホース取付部47が形成されている。このホース取付部47は、その外周に滑り止めのための複数の突条部49を有しており、通常は「たけのこ」と称されている部分である。そして、このホース取付部47の外周には吸管48が嵌合され、その上から締めリング50により締め付けて固定されている。
【0031】
そして、この他方の結合金具本体31bでは、前記の嵌合部34bが本体部35bに対して回動自在でかつ軸方向に移動自在に取付けられている。すなわち、この嵌合部34bには嵌合孔50aが形成されており、この嵌合孔50aは本体部35bの外周に回動自在かつ軸方向に摺動自在に嵌合している。そして、この嵌合部34bは、本体部35bの前縁部に形成されたシールフランジ部42と、この本体部35bの外周面に装着された止めリング41との間で、所定の距離だけ軸方向に移動自在に規制されている。
【0032】
また、これら本体部35a,35bの前端部のシールフランジ部42の前面にはそれぞれシール部材43が取付けられている。これらのシール部材43は、これら結合金具本体31a,31bが嵌合した場合に互いに当接してシール作用をなすものである。また、この実施形態では、負圧が作用することも考慮しているため、このシール部材43は負圧が作用した場合にも確実にシール作用をなすように構成されている。
【0033】
次に、この結合金具の作用を説明する。これらの結合金具本体31a,31bの嵌合、および嵌合解除の操作、作動は前述した図5〜図7に示す結合金具の場合と同様である。なお、本発明の実施形態のものでは、結合金具本体31bの本体部35bと嵌合部34bとが回転自在であるため、嵌合および嵌合解除は嵌合部34bを把持しておこなう。
【0034】
そして、これらの結合金具本体31a,31bを互いに嵌合させて結合すると、図3に示すように、各嵌合突部8の係止鉤部9が互いに係合して軸方向の移動を規制し、また付勢機構10が互いに当接してこれら結合金具本体31a,31bを前記係止鉤部9が互いに係合する方向に周方向に付勢する。
【0035】
この状態で正圧が作用している場合には、これら結合金具本体31a,31bには互いに軸方向に離反する方向の荷重が作用し、前記係止鉤部9はオーバーハング状に形成されているので、これらが益々強く係合し、この結合金具の嵌合が外れることがない。
【0036】
しかし、この実施形態のように、消防車の吸管48が接続されているような場合には、この結合金具の内部に負圧が作用し、この負圧によりこれら結合金具本体31a,31bに互いに近接する方向の軸方向の荷重が作用する。
【0037】
このような荷重により、前記付勢機構10およびシール部材43がさらに圧縮され、結合金具本体31a,31bが互いに近接する方向に軸方向に移動し、前記係止鉤部9の係止が緩む。そして、この状態でたとえば吸管48に捻りが作用し、結合金具本体31bが係止鉤部9の係合が解除されるような方向に回動すると、これらの結合金具本体31a,31bの嵌合が不所望に解除されてしまう。
【0038】
しかし、この実施形態のものは、結合金具本体31bの本体部35bと嵌合部34bとが別体であり、互いに回動自在でかつ軸方向に移動自在に構成されている。従って、吸管48に捩れが生じても、この吸管48に接続されている本体部35bのみが回動し、嵌合部34bには回動方向の荷重が作用しないので、この嵌合部35bが回動して結合金具本体31a,31bの嵌合が不所望に解除されることはない。
【0039】
また、この実施形態では、嵌合部34bが本体部35bに対して軸方向に移動自在に形成されている。従って、図3に示すように、負圧が作用した場合に、本体部35bのみがシール部材43をさらに圧縮して相手方の結合金具本体31aの本体部35aに近接するように前進するが、嵌合部34bは付勢機構10の付勢力により前進はせず、係止鉤部9が係合状態を維持する。よって、不所望な嵌合の解除がさらに確実に防止できる。
【0040】
また、この実施形態のものは、そのシール部材43が前述のような構成であるので、正圧が作用した場合はもとより、負圧が作用した場合の空気の吸込み等の漏洩を生じることがない。
【0041】
すなわち、図4に示すように、正圧が作用した場合には、この正圧により正圧シールリップ部45が互いに押圧され、互いにより強く密着するので、正圧が作用した場合の漏洩は防止される。しかし、負圧が作用した場合には、これら正圧シールリップ部45は、この負圧により互いに離反するように変形され、空気の吸込み等の漏洩を生じる。
【0042】
しかし、この実施形態のものは、前記正圧シールリップ部45の他に負圧シールリップ部46を備えている。この負圧シールリップ部46は、負圧が作用した場合に、この負圧により互いに押圧され、より強く密着するので、空気の吸込み等の漏洩をより確実に防止するものである。
【0043】
なお、前記シール部材43は、本発明のような形式の結合金具にのみ使用されるものではなく、その他の嵌合または係合構造を有した結合金具一般に適用することができるものである。
【0044】
この実施形態のものは、前述した図5〜図7に示すような雌雄の区別のない相補形の結合金具と互換性があり、吸管ばかりでなく、その他の部分の結合金具としても使用することができる。たとえば、吐出側の消防ホースの結合金具としてこのような結合金具を使用しておけば、複数台の消防車を連結して消防活動を行う際に、上流側の消防車のポンプの吐出側に接続した消防ホースを下流側の消防車のポンプの吸込み側に接続した場合に、万一負圧が作用してもこの結合金具が不所望に嵌合解除されることがない。
【0045】
次に、図1に基づいて結合金具本体31a,31bの係止鉤部9相互が係止して結合金具本体31a,31bが結合している状態から離脱する離脱工具51を説明する。離脱工具51は、枢支軸52を支点として回動自在な一対の鋏部材53,53から構成されている。
【0046】
枢支軸52を挟んで一対の鋏部材53の先端部には結合状態の結合金具本体31a,31bの係止鉤部9間、例えば係止鉤部9のネック部に形成される孔部9aに挿入可能な先細の挿入部54が設けられている。また、一対の鋏部材53の基端部にはハンドル部55が設けられている。さらに、一対の鋏部材53相互間にはハンドル部55を拡開方向に付勢する捻りばね等の付勢部材56が設けられ、離脱工具51は、付勢部材56によってハンドル部55が常時拡開し、挿入部54が閉じた状態に付勢されている。
【0047】
従って、係止鉤部9相互が係止して結合金具本体31a,31bが結合している状態から離脱する際には、離脱工具51のハンドル部55の一方に親指を掛け、ハンドル部55の他方に親指以外の指を掛けて持ち、挿入部54を係止鉤部9のネック部に形成される孔部9aに挿入する。そして、付勢部材56の付勢力に抗してハンドル部55を手の把持力によって閉じると挿入部54が拡開する。挿入部54の拡開力によって付勢機構10のスプリング16が圧縮されて鋼球15が没入し、係止鉤部9相互が押し広げられて係止状態が解除されるため、結合金具の結合状態が離脱される。
【0048】
従って、結合金具本体31a,31bを互いに逆方向に捻る操作を行うことなく、離脱工具51によって結合金具の結合状態を離脱することができ、ワンタッチで離脱することができる。結合金具の結合状態を離脱するに際し、結合金具本体31a,31bを互いに逆方向に捻る操作は、結合金具本体31a,31bを手で把持できる外径の場合に有効であるが、本発明の離脱工具51を用いることにより、結合金具本体31a,31bを手で把持する必要が無く、手で把持できない大きな外径の結合金具本体31a,31bにも有効である。
【0049】
また、本発明は前記ような消防ホースの結合金具には限定されず、その他、土木治水用、船舶、石油プラントや荷揚げ設備、食品産業、その他のプラント等におけるホースの結合金具一般に適用できることはもちろんであるが、そればかりでなく、例えば、ビルの建設に用いる足場用パイプの結合等の構造継手としてもこの結合金具を適用できる。
【0050】
さらに、本発明の結合金具は、金属材料で形成されるものには限定されず、合成樹脂、各種の複合材料、その他の材料で形成されていてもよく、任意の一種類または複数種類の材料で形成してもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、結合金具本体の結合状態を解除する際には、一対の鋏部材の先端部の挿入部を結合状態の結合金具本体の係止部間に挿入し、ハンドル部を手の把持力によって閉じて挿入部を拡開させると、係止状態の係止部相互が押し広げられ、係止部の係止状態が解除され、結合金具の結合状態を離脱できる。
【0052】
従って、ワンタッチで離脱することができる。また、結合金具本体の外周壁にレンチ等の工具と嵌合する工具溝を設ける必要が無く、加工コストを低減でき、また、結合金具の結合状態を離脱するに際し、結合金具本体を互いに逆方向に捻る必要は無く、手で把持できない大きな外径の結合金具本体にも有効である。
【0053】
請求項2の構成によれば、離脱工具は、付勢部材によって挿入部が閉じる方向に付勢されているため、挿入部を結合状態の結合金具本体の係止鉤部間に挿入しやすく、操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の離脱工具を示し、(a)は全体の側面図、(b)はA部を拡大した側面図、(c)は矢印B方向から見た正面図。
【図2】本発明の第1の実施形態の結合金具の一部を断面で示す側面図。
【図3】図2の結合金具の嵌合状態の一部を断面で示す側面図。
【図4】図3の結合金具の負圧が作用した状態の一部を断面で示す側面図。
【図5】雌雄の区別のない相補形の結合金具の斜視図。
【図6】図5の結合金具の一方の結合金具本体を断面で示す側面図。
【図7】図5の結合金具の嵌合突部と嵌合凹部との嵌合状態の平面図。
【符号の説明】
7 嵌合凹部
8 嵌合突部
9 係止鉤部
10 付勢機構
31a,31b 結合金具本体
34a,34b 嵌合部
51 離脱工具
52 枢支軸
53 鋏部材
54 挿入部
55 ハンドル部
Claims (3)
- 円筒状をなす一対の結合金具本体と、これらの結合金具本体の前端面に形成され互いに軸方向に衝合される衝合面と、前記結合金具本体から前記衝合面を囲んで周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合突部と、これら嵌合突部の間に形成された嵌合凹部とを有し、前記一対の結合金具本体の嵌合突部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合突部に軸方向において嵌合可能であり、これら嵌合突部は各々が相手のものに係止する係止部を有し、各々の係止部は相手側の結合金具本体の係止部に係止することにより前記一対の結合金具本体の軸方向の移動を規制し、更に、結合金具本体の嵌合突部には離脱工具の挿入部を各々挿入可能である孔を有した結合金具と、
前記結合金具における一対の結合金具本体の結合状態を離脱する前記離脱工具と、
を備え、
前記離脱工具は、枢支軸を支点として回動自在な一対の鋏部材を有し、該一対の鋏部材は、前記枢支軸を挟んで先端部側部分と基端部側部分とに分かれており、前記一対の鋏部材の先端部には結合状態の前記結合金具本体の嵌合突部の孔に各々挿入可能な挿入部を設け、前記一対の鋏部材の基端部にはハンドル部を設け、前記ハンドル部を閉じることで前記一対の挿入部を拡開するものであって、各結合金具本体の嵌合突部における孔に前記挿入部を各々挿入し、前記ハンドル部を手の把持力によって閉じることで一対の挿入部が拡開し、前記係止部の係止状態を解除して前記結合金具の結合状態を離脱できることを特徴とする結合金具離脱装置。 - 前記一対の鋏部材間にはハンドル部を拡開し、挿入部を閉じる方向に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の結合金具離脱装置。
- 円筒状をなす一対の結合金具本体と、これらの結合金具本体の前端面に形成され互いに軸方向に衝合される衝合面と、前記結合金具本体から前記衝合面を囲んで周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合突部と、これら嵌合突部の間に形成された嵌合凹部とを有し、前記一対の結合金具本体の嵌合突部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合突部に軸方向において嵌合可能であり、これら嵌合突部は各々が相手のものに係止する係止部を有し、各々の係止部は相手側の結合金具本体の係止部に係止することにより前記一対の結合金具本体の軸方向の移動を規制する結合金具を離脱工具によって離脱する方法であって、
前記離脱工具は、枢支軸を支点として回動自在な一対の鋏部材を有し、該一対の鋏部材は前記枢支軸を挟んで先端部側部分と基端部側部分とに分かれており、前記一対の鋏部材の先端部に挿入部を設け、前記一対の鋏部材の基端部にハンドル部を設け、前記ハンドル部を閉じることで前記一対の挿入部を拡開するものであり、この離脱工具の挿入部を、各結合金具本体の嵌合突部間に各々挿入して前記ハンドル部を手の把持力によって閉じることで一対の挿入部を拡開し、前記係止部の係止状態を解除して前記結合金具の結合状態を離脱することを特徴とする結合金具の離脱方法。
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