JP4213918B2 - 結合金具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消防ホース等のホースを相互に接続または液体輸送配管の配管相互の接続あるいは鋼管等のパイプ相互を結合するための雌雄の区別のない一対の結合金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、消防ホース等のホースを相互に接続または液体輸送配管の配管相互の接続を行う、雌雄の区別のない一対の同一構造の結合金具本体から構成された結合金具は、本出願人が開発し、例えば特許第3107507号として登録されている。
【0003】
前記結合金具の構成を図8〜図10に示すように構成されている。なお、この結合金具は消防ホースの結合に適用した場合のものである。この結合金具は、同一の構造の一対の結合金具本体1a,1bから構成されており、これら結合金具本体1a,1bにはそれぞれ消防ホース2a,2bが接続されている。
【0004】
これらの結合金具本体1a,1bは、それぞれ筒本体3を備えており、これら筒本体3は略円筒形をなし、その内周面には鋸歯状の凹凸を有するホース取り付け部4が形成されている。そして、このホース取り付け部4に消防ホース2a,2bの端部が挿入され、これらホースの内周面からかしめリング(図示せず)によってこのホースの外周面をこのホース取り付け部4に押圧してこの消防ホースを取り付ける。
【0005】
また、この筒本体3の前端部の内周面には、円筒状のシール面部材5が螺装され、このシール面部材5の前端面はシール面として形成され、このシール面にはゴムパッキン等のシール部材6が取り付けられている。従って、これらの結合金具本体1a,1bが互いに軸方向に嵌合して結合された場合には、これらのシール部材6が互いに衝合され、これらの筒本体3の内部を連通するとともにシール性を維持する。
【0006】
そして、前記筒本体3の前端部には、それぞれ複数、たとえば6個の嵌合突部8が一体に突設されている。これらの嵌合突部8は、周方向に等間隔に配列され、前記シール面部材5のシール面に対して軸方向に突出している。また、これらの嵌合突部8の間は、嵌合凹部7として形成されており、これらの結合金具本体1a,1bが軸方向に衝合された場合には、一方の結合金具本体1aの嵌合突部8が他方の結合金具本体1bの嵌合凹部7内に嵌合し、また他方の結合金具本体1bの嵌合突部8が一方の結合金具本体1aの嵌合凹部7内に嵌合し、互いに相補形に嵌合する。
【0007】
なお、このものでは、前記嵌合凹部7の幅は前記嵌合突部8の幅よりやや広く形成されている。従って、これら嵌合突部8はこれらの嵌合凹部7内に軸方向に嵌合するとともに、周方向にも所定の量だけ回動自在である。
【0008】
そして、前記嵌合突部8の一方の側面8aには段形鉤状の係止鉤部9がそれぞれ形成されており、これらは互いに相手側の嵌合突部の係止鉤部と周方向に係合するように構成されている。従って、これらの嵌合突部8が相手側の嵌合凹部7内に軸方向に嵌合した状態で、これら結合金具本体1a,1bを互いに回動させてこれら嵌合突部8の一方の側面8aが互いに近接すると、これらの係止鉤部9が互いに係合して軸方向の係止をなし、これら結合金具本体1a,1bが互いに結合される。なお、これらの係止鉤部9の根元部には、この部分の応力集中を防止するための湾曲部11が形成されている。また、これらの嵌合突部の他方の側面の先端角部は円弧状に形成されてガイド部12が形成されており、これらが嵌合する際には、これらのガイド部12が互いに当接する。
【0009】
また、これらの係止鉤部9の係止面は、周方向に対して所定の角度だけオーバーハング状に傾斜しており、これらが嵌合した状態で内部の水圧等によりこれら結合金具本体1a,1bを互いに引き離す方向の荷重が作用した場合には、側面8a同士を押し付ける方向の回転力が発生するので、これらの係止鉤部9はより強く嵌合し、この結合金具本体1a,1bの抜け等を確実に防止するように構成されている。
【0010】
なお、前記係止鉤部9が嵌合した状態において、前記嵌合突部8の先端面と嵌合凹部7の奥壁面との間に間隙が形成されるように各部の寸法が設定されている。従って、このものは、前記係止鉤部9が係合した状態から、これら嵌合突部8と嵌合凹部7とがさらに軸方向に互いに進入するように移動可能である。
【0011】
また、これらの嵌合突部8の他方の側面8bは、これらの結合金具本体1a,1bの軸方向に対して傾斜している。従って、この嵌合突部8は、その先端部にゆくに従って周方向の幅が狭くなるようなテーパ状に形成され、また嵌合凹部7も同様にその奥部にゆくに従ってその周方向の幅が狭くなるようなテーパ状に形成されている。これにより、これらの嵌合突部8と嵌合凹部7の嵌合が容易となる。なお、前記係止鉤部9が形成されている一方の側面は、この結合金具本体1a,1bの軸方向と略平行に形成されている。
【0012】
また、これらの嵌合突部8の他方の側面8bには、それぞれ付勢機構10が設けられている。これらの付勢機構10は、円筒形のケース部材14内に突没自在に収容された付勢部材たとえば鋼球15と、この鋼球15を突出方向に付勢するスプリング16とから構成されており、これらの付勢機構10はこれら嵌合突部8の他方の側面に埋め込まれている。従って、これらの嵌合突部8が相手側の嵌合凹部7内に嵌合されると、前記鋼球15が互いに当接して互いに押圧付勢し、これら嵌合突部8の他方の側面を互いに離反するように付勢し、この結果これら嵌合突部8の一方の側面8aは互いに近接するように付勢され、上述のようにこれらの一方の側面の係止鉤部9が互いに係合するように付勢される。
【0013】
また、これらの結合金具本体1a,1bの外周面には、複数の工具溝20が形成されている。これらの工具溝20は、たとえばレンチ等の工具と嵌合可能な形状に形成されている。万一これらの結合金具本体1a,1bの結合が砂等の噛み込みにより結合解除できなくなった場合には、これらの工具溝20にレンチ等の工具を嵌合してこれら結合金具本体1a,1bを強制的に回動させることにより、結合を解除することができる。
【0014】
ところで、このような結合金具は、前記嵌合突部8及び嵌合凹部7が軸方向に嵌合し、また係止鉤部9が互いに周方向に係合するものである。この結合金具内に正圧の水圧等が作用している場合には、これら結合金具本体1a,1bには互いに離反するような大きな軸方向の荷重が作用し、この荷重は前記係止鉤部9の係合によって支持される。このため、内部に圧力が作用している場合には、この結合金具は不用意に結合が解除されることはない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した結合金具は、係止鉤部9が嵌合した状態において、嵌合突部8の先端面と嵌合凹部7の奥壁面との間に間隙が形成されるように各部の寸法が設定されている。従って、前記係止鉤部9が係合した状態から、これら嵌合突部8と嵌合凹部7とがさらに軸方向に互いに進入するように移動可能である。
【0016】
また、嵌合突部8と嵌合凹部7の嵌合が容易となるように、嵌合突部8は、その先端部にゆくに従って周方向の幅が狭くなるようなテーパ状に形成され、また嵌合凹部7も同様にその奥部にゆくに従ってその周方向の幅が狭くなるようなテーパ状に形成されている。
【0017】
さらに、嵌合突部8の側面8bには、それぞれ付勢機構10が設けられている。これらの付勢機構10は、円筒形のケース部材14内に突没自在に収容された付勢部材たとえば鋼球15と、この鋼球15を突出方向に付勢するスプリング16とから構成されており、これらの付勢機構10はこれら嵌合突部8の他方の側面に埋め込まれている。従って、これらの嵌合突部8が相手側の嵌合凹部7内に嵌合されると、前記鋼球15が互いに当接して互いに押圧付勢し、これら嵌合突部8の他方の側面を互いに離反するように付勢し、この結果これら嵌合突部8の一方の側面8aは互いに近接するように付勢され、係止鉤部9が互いに係合するように付勢されている。
【0018】
従って、係止鉤部9が互いに係合状態であっても、係合金具本体1a,1bは周方向にパッキンの押し付け代による余裕があり、低圧時に係合金具本体1a,1bに付勢機構10のスプリング16の付勢力に抗して係止鉤部9が離脱方向に外力が加わると、係止鉤部9の係合が解除され、係合金具本体1aと1bとが離脱する虞がある。
【0019】
本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、雌雄の区別がない一対の結合金具本体から構成される結合金具において、結合時に自動的にロックが掛かり、ロックの掛け忘れがない結合金具を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、円筒状をなす一対の結合金具本体と、これらの結合金具本体の前端面に形成され互いに軸方向に衝合されるライナーと、前記結合金具本体から前記ライナーを囲んで周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合突部と、これら嵌合突部の間に形成された嵌合凹部とを備え、前記一対の結合金具本体の嵌合突部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合突部に軸方向に嵌合し、またこれら嵌合突部には相手側の結合金具本体の嵌合突部に周方向に係止して軸方向の移動を規制し、これら一対の結合金具本体を軸方向に係止する係止鉤部が形成されている結合金具において、
前記一対の結合金具本体のうち少なくとも一方にその周壁から突出して設けたストッパと、前記ストッパを有する結合金具本体に周方向に回転自在に設けられた回転リングと、前記回転リングを前記結合金具本体に対して一方向に回転付勢する付勢手段と、
前記回転リングの端面に設けられ前記相手側の結合金具本体の嵌合突部及び嵌合凹部に対面する凹部と凸部と、前記凹部の底部に前記結合金具本体の軸方向に突没自在に設けられ、突出方向に付勢されたプランジャとからなり、
前記一対の結合金具本体の離脱時に前記プランジャが突出して前記ストッパと係合し前記回転リングの回転が規制され、前記一対の結合金具本体の結合時に前記プランジャが相手側の結合金具本体の嵌合突部によって没入されて前記ストッパとの係合が解除され、前記回転リングが前記付勢手段によって回転して前記ストッパが前記凹部の端面に当接して回転リングの回転を規制して前記回転リングの凸部が相手側の結合金具本体の嵌合突部と近接し、一対の結合金具本体を結合状態にロックすることを特徴とする。
【0021】
請求項2は、円筒状をなす一対の結合金具本体と、これらの結合金具本体の前端面に形成され互いに軸方向に衝合されるライナーと、前記結合金具本体から前記ライナーを囲んで周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合突部と、これら嵌合突部の間に形成された嵌合凹部とを備え、前記一対の結合金具本体の嵌合突部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合突部に軸方向に嵌合し、またこれら嵌合突部には相手側の結合金具本体の嵌合突部に周方向に係止して軸方向の移動を規制し、これら一対の結合金具本体を軸方向に係止する係止鉤部が形成され、前記一対の結合金具本体のうち、一方が固定部材に接続される固定側金具本体、他方が配管や構造体に接続される接続側金具本体とからなる結合金具において、
前記一対の結合金具本体のうち少なくとも一方にその周壁から突出して設けたストッパと、前記ストッパを有する結合金具本体に周方向に回転自在に設けられた回転リングと、前記回転リングを前記結合金具本体に対して一方向に回転付勢する付勢手段と、前記回転リングの端面に設けられ前記相手側の結合金具本体の嵌合突部及び嵌合凹部に対面する凹部と凸部と、前記凹部の底部に前記結合金具本体の軸方向に突没自在に設けられ、突出方向に付勢されたプランジャとからなり、
前記一対の結合金具本体の離脱時に前記プランジャが突出して前記ストッパと係合し前記回転リングの回転が規制され、前記一対の結合金具本体の結合時に前記プランジャが相手側の結合金具本体の嵌合突部によって没入されて前記ストッパとの係合が解除され、前記回転リングが前記付勢手段によって回転して前記ストッパが前記凹部の端面に当接して回転リングの回転を規制して前記回転リングの凸部が相手側の結合金具本体の嵌合突部と近接し、一対の結合金具本体を結合状態にロックすることを特徴とする。
【0022】
請求項3は、請求項1または2の前記ストッパは、結合金具本体の周壁に突設され、突出したプランジャの側面及び回転リングの凹部の端面に当接するピンであることを特徴とする。
【0023】
前記構成によれば、一対の結合金具本体を結合する際には、一方の結合金具本体の嵌合突部と他方の結合金具本体の嵌合凹部をそれぞれ位置決めする。そして、一対の結合金具本体を軸方向に押し込むと、嵌合突部及び嵌合凹部が軸方向に嵌合し、また係止鉤部が互いに周方向に係合する。
【0024】
このとき、一方の結合金具本体の回転リングに設けられたプランジャが他方の結合金具本体の嵌合突部の先端面がプランジャを押すため、圧縮ばねが圧縮してプランジャが没入する。従って、プランジャとストッパとの係合が外れ、回転リングが引張りばねによって一方向に回転する。そして、回転リングの凹部の端面がストッパに当接して回転リングの回転が止まり、結合金具本体の係合突部の先端面と回転リングの凸部とが近接する。
【0025】
このように、回転リングが回転して凸部が相手側の結合金具本体の嵌合突部の先端面と近接すると、一対の結合金具本体の係止鉤部相互が相対的に軸方向に移動するスペースが無くなるため、離脱不可となり、互いに回転不能のロック状態となる。このため、一対の結合金具本体との離脱を阻止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1〜図3は第1の実施形態を示し、結合金具を消防ホースの接続や食品プラント用配管の接続等の流体配管接続に適用したものである。この結合金具本体の基本的構成は従来の結合金具本体1a,1bと同一であり、同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。一方の結合金具本体1aとしての固定側金具本体31aは、例えばポンプ等の固定部材に固定され、他方の結合金具本体1bとしての接続側金具本体31bは、ホースや配管等に接続される。
【0028】
図1に示すように、一方の結合金具本体1aとしての固定側金具本体31a及び他方の結合金具本体1bとしての接続側金具本体31bは、嵌合凹部7及び嵌合突部8を有している。固定側金具本体31aの嵌合凹部7と嵌合突部8は相手側の接続側金具本体31bの嵌合凹部7と嵌合突部8に軸方向に嵌合可能である。また、これら嵌合突部8には相手側の嵌合突部8に周方向に係止して軸方向の移動を規制し、これら一対の固定側金具本体31aと接続側金具本体31bを軸方向に係止する係止鉤部9が形成され、相手側の係止鉤部9と互いに係合するようになっている。
【0029】
固定側金具本体31a及び接続側金具本体31bの内部の前端面には互いに軸方向に衝合されるライナー32a,32bが設けられ、このライナー32a,32bを囲んで周方向に嵌合凹部7と嵌合突部8が配列されている。
【0030】
接続側金具本体31bの後端部には切削加工によって僅かに小径に形成した円筒部33が設けられている。従って、嵌合凹部7及び嵌合突部8との間に段差が形成されている。円筒部33の外周壁には例えば六角穴付きボルトからなる複数の突起34が周方向に等間隔で、かつ放射方向に突設されている。さらに、円筒部33の外周壁で、前記嵌合突部8の根元部近傍にはピン、ボルト、突起等のストッパ35が円筒部33の径方向に突設されている。
【0031】
接続側金具本体31bの円筒部33には、図2及び図3に示すような回転リング36が周方向に回転自在に嵌合されている。回転リング36は、内周面に突起34と嵌合する環状溝37が形成され、断面が略コ字状に形成されている。従って、回転リング36は複数の突起34によって回転自在に、しかも軸方向に移動不能に支持されている。また、回転リング36の外周壁には突起34を円筒部33に締付固定するための工具挿入孔38が設けられている。また、回転リング36の外周面には滑り止め用のローレット加工が施されている。
【0032】
回転リング36の環状溝37の内部には付勢手段として引張りばね39が収納されている。この引張りばね39の一端は回転リング36に固定され、他端は接続側金具本体31bに固定されている。従って、回転リング36は接続側金具本体31bに対して矢印a方向に回転付勢力が付与されている。
【0033】
さらに、回転リング36の端面で、前記固定側金具本体31aの嵌合凹部7と嵌合突部8に対面する側には凹部40と凸部41とが周方向に交互に設けられている。凹部40と凸部41の周方向の幅は嵌合凹部7と嵌合突部8の幅に略等しく形成されている。しかも、凹部40と凸部41は固定側金具本体31の嵌合凹部7と嵌合突部8と対面するようになっている。さらに、複数の凹部40のうちの一つには接続側金具本体31bに突設されたストッパ35が凹部40の端面に当接可能に係合され、その凹部40の底部にはプランジャ本体42が設けられている。
【0034】
このプランジャ本体42は、図4に示すように、回転リング36の凹部40に穿設された取付け穴43に対して挿入固定されたケース44と、ケース44に突没自在に挿入されたプランジャ45と、取付け穴43の底面とプランジャ45の底部に設けられたばね支持穴46との間に設けられた圧縮ばね47とから構成されている。従って、プランジャ45は圧縮ばね47によって凹部40の底面から突出する方向に付勢されている。
【0035】
プランジャピン45の突出方向の規制は、プランジャピン45の肩部45aとケース44の環状突起44aによってなされており、突出状態ではプランジャ45の側面に接続側金具本体31bに突設されたストッパ35が当接するようになっている。
【0036】
このように構成された結合金具は、固定側金具本体31aと接続側金具本体31bとが離脱状態にあるとき、接続側金具本体31bの回転リング36は、図5及び図6に示すように、矢印a方向に回転力が付勢されている。従って、プランジャ45の先端部における側面がストッパ35に当接して回転リング36の回転が規制されている。
【0037】
固定側金具本体31aと接続側金具本体31bとを結合する際には、固定側金具本体31aの嵌合突部8と接続側金具本体31bの嵌合凹部7を位置決めし、固定側金具本体31aの嵌合凹部7と接続側金具本体31bの嵌合突部8を位置決めする。そして、固定側金具本体31aに対して接続側金具本体31bを軸方向に押し込むと、嵌合突部8及び嵌合凹部7が軸方向に嵌合し、また係止鉤部9が互いに周方向に係合する。
【0038】
このとき、接続側金具本体31bの回転リング36に設けられたプランジャ本体42のプランジャ45が固定側金具本体31aの嵌合突部8の先端面がプランジャ45を押すため、圧縮ばね47が圧縮してプランジャ45が没入する。
【0039】
従って、図7に示すように、プランジャ45とストッパ35との係合が外れ、回転リング36が引張りばね36によって矢印a方向に回転する。そして、回転リング36の凹部40の端面がストッパ35に当接して回転リング36の回転が止まり、固定側金具本体31aの係合突部8の先端面と回転リング36の凸部41とが近接する。
【0040】
このように、回転リング36が回転して凸部41が相手側の固定側金具本体31aの嵌合突部8の先端面と近接すると、一対の結合金具本体1a,1bの係止鉤部9相互が軸方向に移動するスペースが無くなるため、離脱不可となり、互いに回転不能のロック状態となる。このため、一対の結合金具本体1a,1bとの離脱を阻止することができる。
【0041】
また、回転リング36を把持し、矢印a方向と逆方向に回転させると、プランジャ45がストッパ35に当接する。回転リング36をさらに回転させると、プランジャ45がストッパ35に係合し、相手側の固定側金具本体31aの嵌合突部8の先端面が回転リング36の凹部40に対向してロック状態が解除される。従って、一対の結合金具本体1a,1bが相対的に周方向に回転可能となり、係止鉤部9の係合状態を解除して一対の結合金具本体1a,1bを切り離すことができる。このとき、回転リング36の外周面にはローレット加工が施されているため滑り止めとなる。
【0042】
なお、前記実施形態においては、一対の結合金具本体1a,1bのうち、一方の結合金具本体1bに回転リング36を設けたが、両方の結合金具本体1a,1bに回転リング36を設けてもよい。
【0043】
なお、前述した結合金具は、土木治水用、船舶、石油プラントや荷揚げ設備、食品産業、その他のプラント等におけるホースの結合金具の他、鋼管等の構造物の結合金具として適用できることはもちろんである。
【0044】
さらに、本発明の結合金具は、金属材料で形成されるものには限定されず、合成樹脂、各種の複合材料、その他の材料で形成されていてもよく、任意の一種類または複数種類の材料で形成してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、雌雄の区別がない一対の結合金具本体から構成される結合金具において、係止鉤部が離脱方向に外力が加わっても係止鉤部の係合が解除されることはなく、結合状態を維持できる。しかも、結合時にロックが自動的に掛かり、ロックの掛け忘れを防止できる結合金具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の結合金具を示す側面図。
【図2】同実施形態の回転リングを示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はA−A線に沿う断面図。
【図3】同実施形態の回転リングの横断平面図。
【図4】同実施形態のプランジャ本体の縦断側面図。
【図5】同実施形態を示し、一方の接続側金具本体の側面図。
【図6】同実施形態を示し、図5のB部を拡大した側面図。
【図7】同実施形態を示し、結合金具の結合状態を示す側面図。
【図8】雄雌の区別のない結合金具の斜視図。
【図9】図8の結合金具の断面図及び側面図。
【図10】図8の結合金具の嵌合突部と嵌合凹部の嵌合状態の側面図。
【符号の説明】
7…嵌合凹部
8…嵌合突部
9…係止鉤部
31a…固定側金具本体
31b…接続側金具本体
32a,32b…ライナー部
35…ストッパ
36…回転リング
40…凹部
41…凸部
45…プランジャ

Claims (3)

  1. 一対の結合金具本体と、これらの結合金具本体の前端面に形成され互いに軸方向に衝合されるライナーと、前記結合金具本体から前記ライナーを囲んで周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合突部と、これら嵌合突部の間に形成された嵌合凹部とを備え、前記一対の結合金具本体の嵌合突部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合突部に軸方向に嵌合し、またこれら嵌合突部には相手側の結合金具本体の嵌合突部に周方向に係止して軸方向の移動を規制し、これら一対の結合金具本体を軸方向に係止する係止鉤部が形成されている結合金具において、
    前記一対の結合金具本体のうち少なくとも一方にその周壁から突出して設けたストッパと、
    前記ストッパを有する結合金具本体に周方向に回転自在に設けられた回転リングと、
    前記回転リングを前記結合金具本体に対して一方向に回転付勢する付勢手段と、前記回転リングの端面に設けられ前記相手側の結合金具本体の嵌合突部及び嵌合凹部に対面する凹部と凸部と、
    前記凹部の底部に前記結合金具本体の軸方向に突没自在に設けられ、突出方向に付勢されたプランジャとからなり、
    前記一対の結合金具本体の離脱時に前記プランジャが突出して前記ストッパと係合し前記回転リングの回転が規制され、
    前記一対の結合金具本体の結合時に前記プランジャが相手側の結合金具本体の嵌合突部によって没入されて前記ストッパとの係合が解除され、前記回転リングが前記付勢手段によって回転して前記ストッパが前記凹部の端面に当接して回転リングの回転を規制して前記回転リングの凸部が相手側の結合金具本体の嵌合突部と近接し、一対の結合金具本体を結合状態にロックすることを特徴とする結合金具。
  2. 一対の結合金具本体と、これらの結合金具本体の前端面に形成され互いに軸方向に衝合されるライナーと、前記結合金具本体から前記ライナーを囲んで周方向に配列され軸方向に突設した複数の嵌合突部と、これら嵌合突部の間に形成された嵌合凹部とを備え、前記一対の結合金具本体の嵌合突部と嵌合凹部は互いに相手側の結合金具本体の嵌合凹部と嵌合突部に軸方向に嵌合し、またこれら嵌合突部には相手側の結合金具本体の嵌合突部に周方向に係止して軸方向の移動を規制し、これら一対の結合金具本体を軸方向に係止する係止鉤部が形成され、前記一対の結合金具本体のうち、一方が固定部材に接続される固定側金具本体、他方が配管や構造体に接続される接続側金具本体とからなる結合金具において、
    前記一対の結合金具本体のうち少なくとも一方にその周壁から突出して設けたストッパと、
    前記ストッパを有する結合金具本体に周方向に回転自在に設けられた回転リングと、
    前記回転リングを前記結合金具本体に対して一方向に回転付勢する付勢手段と、前記回転リングの端面に設けられ前記相手側の結合金具本体の嵌合突部及び嵌合凹部に対面する凹部と凸部と、
    前記凹部の底部に前記結合金具本体の軸方向に突没自在に設けられ、突出方向に付勢されたプランジャとからなり、
    前記一対の結合金具本体の離脱時に前記プランジャが突出して前記ストッパと係合し前記回転リングの回転が規制され、
    前記一対の結合金具本体の結合時に前記プランジャが相手側の結合金具本体の嵌合突部によって没入されて前記ストッパとの係合が解除され、前記回転リングが前記付勢手段によって回転して前記ストッパが前記凹部の端面に当接して回転リングの回転を規制して前記回転リングの凸部が相手側の結合金具本体の嵌合突部と近接し、一対の結合金具本体を結合状態にロックすることを特徴とする結合金具。
  3. 前記ストッパは、結合金具本体の周壁に突設され、突出したプランジャの側面及び回転リングの凹部の端面に当接するピンであることを特徴とする請求項1または2記載の結合金具。
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