JP4788740B2 - 圧電発振器、及びその製造方法、並びに圧電発振器を利用した携帯電話装置、電子機器 - Google Patents
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Description
このため、圧電振動片120をパッケージに収容した圧電振動子と、IC130を収容するパッケージとを別々に完成させて検査をした後、これら双方のパッケージを接合するようにした圧電発振器もある。
この図において、第1のパッケージ142は、圧電振動片(図示せず)と電気的に接続された外部端子146をパッケージ142の外側に有し、この外部端子146は下方に延びるように延長された延長部146aを有している。また、第2のパッケージ144は、IC(図示せず)と電気的に接続された実装端子148を、パッケージ144の外側に有している。そして、外部端子146の延長部146aと実装端子148とを接合するようにして、圧電発振器140は完成されている(例えば、特許文献1参照)。
このため、図22のように、圧電振動片(図示せず)を収容したパッケージ142と、IC(図示せず)を収容したパッケージ144との位置を正確に合わせて接合しようとしても、図22において水平方向において位置がずれて接合されてしまう場合がある。
また、水平方向の位置がずれてパッケージ142とパッケージ144とが接合されると、外部端子146と実装端子148との接合位置もずれてしまい、外部端子146と実装端子148とが電気的に接続されない場合も生ずる。
そして、接続端子に導電体を配置し、その後、圧電振動子を、外部端子と接続端子とが対向するように発振回路基板上に載置して、導電体を溶融する。このため、外部端子と接続端子は、溶融した導電体を介して電気的に接続する。
ここで、接続端子の周囲を囲む領域に形成された層である位置規制手段が設けられているので、導電体は、溶融する際、セルフアライメント効果を有効に発揮して、圧電振動子と発振回路基板との位置を正確に合わせることができる。なお、外部端子の周囲を囲むように位置規制手段を設けているため、位置規制手段がガイドとなって、球状の半田である導電体を正確に接続端子の上に載置でき、かつ転がることを防止できる。
また、接続端子に導電体を配置し、圧電振動子を、外部端子と接続端子とが対向するように発振回路基板上に載置して、導電体を溶融するため、外部端子と接続端子とは、溶融した導電体を介して電気的に接続する。
ここで、接続端子の周囲を囲む領域に形成された層である位置規制手段が設けられているので、導電体は、溶融する際、セルフアライメント効果を有効に発揮して、圧電振動子と発振回路基板との位置を正確に合わせることができる。なお、外部端子の周囲を囲むように位置規制手段を設けているため、位置規制手段がガイドとなって、球状の半田である導電体を正確に接続端子の上に載置でき、かつ転がることを防止できる。
そして、その後、回路素子を外気から保護するための封止材を、圧電振動子と発振回路基板とが接着されるようにして充填する。そうすると、封止材は、回路素子を保護するだけでなく、圧電振動子と発振回路基板とを接着する機能も果たす。
また、圧電振動子と発振回路基板との接合強度を高め、さらに、封止材とは別に、発振回路基板と圧電振動子とを接合するための接着剤等を用いなくても、発振回路基板と圧電振動子とを接合することができ、部品点数を少なくできる。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
これらの図において、圧電発振器10は、パッケージ30の内部に圧電素子としての例えば圧電振動片20を収容した圧電振動子21と、回路素子としての例えば集積回路素子(以下、「IC」と云う。)54が実装された発振回路基板50とを有している。
図において圧電振動片20は、導電性接着剤42,42を介してパッケージ30と固定される基部20aから、右方に向けて、二股に別れて平行に延びる一対の振動腕22,24を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂、音叉型圧電振動片が利用されている。
また、パッケージ30の開放された上端にある開放端面30bに、例えば、導電材料でなるロウ材34を介して、蓋体36が接合されることにより、封止されている。
すなわち、電極部40,40の上にエポキシ系またはポリイミド系、またはシリコーン系等の導電性接着剤42,42が塗布されており、この導電性接着剤42,42の上に圧電振動片20の基部20aが載置されている。そして、圧電振動片20は、導電性接着剤42,42が硬化されることにより電極部40,40と接合されており、圧電振動片20の先端側20bは自由端とされている。また、圧電振動片20の基部20aの導電性接着剤42,42と触れる部分には、駆動電圧を伝えるための引出電極26,26が形成されており、この引出電極26,26は、振動腕22,24内に電界を発生させるための励振電極28,28と電気的に接続されている。
そして、これらの各外部端子44は、後述する発振回路基板50上の各接続端子60とそれぞれ対向するように形成されており、図においては、パッケージ30の外側底面の4隅付近に設けられている。
発振回路基板50は、薄板状に形成され、圧電振動子21に対して図2において水平方向に突出しないように、圧電振動子21の外側底面と略同じ面積で形成されている。また、発振回路基板50は、セラミックあるいはポリイミド等の樹脂基板からなる絶縁基板51上に、金あるいは銅等の配線パターン52が形成され、裏面には前記配線パターン52と接続され、回路基板へ実装し電気的機械的に接続される実装端子(図示せず)が配置されている。
図3ないし図5は、この位置規制手段64を説明するための図であり、図3は発振回路基板50の平面図、図4は図3のB−B線切断端面図、図5は図3のC−C線切断端面図である(なお、作図の便宜上、IC54、導電材58、封止材66等は省略してある。)。
これらの図において、位置規制手段64は、半田62を接続端子60上に配置するように位置決めする手段であって、封止材66を充填した場合に、封止材66が接続端子60上に付着しないように、また、発振回路基板50の外部に流れ出してしまうことを防止する手段でもある。
図6は、圧電発振器10の製造方法について特徴的な部分を示す図であり、図6(a)は位置規制手段64を載置した図、図6(b)は封止材66を充填した図、図6(c)は半田62を接続端子60上に配置した図、図6(d)は圧電振動子21を発振回路基板50に載置した図、図6(e)は非導電性の接着剤68を塗布した図である。
この際、圧電振動子21に関しては、すでに説明した構成のように、圧電振動片20をパッケージ30内に収容し、このパッケージ30の外側に露出した複数の外部端子44を形成する。
また、発振回路基板50については、すでに説明した構成のように、発振回路基板50の略中央にIC54を実装するなどし、このIC54と電気的に接続された複数の接続端子60を形成する。
この際、封止材66は、絶縁性であって、かつ、後述するように、位置規制手段64に接触した場合に位置規制手段64を乗り越えて外側に流れないように、所定の粘性を有するものが好ましく、図6(b)において、封止材66は、ポッティング材として、例えばエポキシ系の樹脂を用いる。
また、封止材66は、IC54および導電材58を外気から保護するために、十分な高さ及び幅をもって充填する。
また、本実施形態においては、上述のように、凸部により形成される位置規制手段64を、各接続端子60の周囲を囲むように形成すると共に、発振回路基板50上の周縁に沿って形成している。また、封止材66を充填した場合に、封止材66が接触する位置規制手段64については、所定の幅W1を有し、上端に角部64dを有する凸部により形成している。
このため、充填された封止材66が位置規制手段64に流れてきた場合、図6(b)の一点鎖線で囲った部分拡大図のように、封止材66の粘性によって位置規制手段64の上端の角部64dで、封止材66の流れを止めることができる。したがって、この位置規制手段64がダム(流れ止め)となって、絶縁性の封止材66が接続端子60上に付着したり、発振回路基板50の外部に流れ出てしまうことを有効に防止できる。また、位置規制手段64は、上端の角部64dで封止材66の流れを止めるようにしているため、位置規制手段64の高さを、封止材66の高さより低くしてもよく、圧電発振器10の厚みを薄くできる。
この際、半田62は球状からなっているため、転がり易くなっている。ところが、図3に示すように、位置規制手段64が各接続端子60の周囲を囲むようにして設けられているため、この位置規制手段64がガイドとなって、球状の半田62を正確に接続端子60の上に載置でき、かつ転がることを防止できる。
しかし、本実施形態の場合には、上述のように、半田62を接続端子60上に配置するように位置決めする位置規制手段64が設けられている。
このため、図7(a)に示すように、球状の半田62は、接続端子60上に確実に配置され、接続端子60上でのみ溶融し、表面張力によって球状を保とうとし、頂点Vの部分で圧電振動子21を支持して浮かばせ、セルフアライメント効果を確実に発揮することができる。
また、位置規制手段64は、上述のように、各接続端子60の周囲を囲むように設けられていると共に、発振回路基板50上の周縁に沿って凸部で形成されているため、封止材66が接続端子60上に付着してしまい、また、発振回路基板50の外部に流れ出てしまうことを有効に防止できる。そして、このように封止材66を発振回路基板50の内側に閉じ込めることができる結果、封止材66はディスペンサ等を用いてIC54を封止できるので、従来のように、高価な金型を用いて樹脂モールドする必要がなく、製造コストを低減できる。
これらの図において、図1ないし図7の圧電発振器10と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
すなわち、すでに説明したように、この製造方法においては、先ず、圧電振動子21と発振回路基板50とを別々に形成してから、これを完成させて、接合固定する。
この際、発振回路基板50については、図8で示すように、発振回路基板50の水平方向の面積を、圧電振動子21の外側底面の面積よりも大きく形成し、圧電振動子21と発振回路基板50とを接合した場合に、発振回路基板50の一部50aが圧電振動子21の外部に露出するように形成する。そして、この圧電振動子21の外部に露出した発振回路基板50の一部50aに、絶縁基板51上の配線パターン52(図2を参照)と電気的に接続するようにして制御用電極70を設ける。
これらの図において、図1ないし図7の圧電発振器10と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
すなわち、図11(a)で示すように、先ず発振回路基板50と圧電振動子21とを別々に完成させる。
また、圧電振動子21についても、図11(a)の右側の図で示すように、すでに説明した構成を完成させる。
ここで、圧電振動子21については、予め、複数の外部端子44の各々に球状の半田62を載置しておく。
なお、圧電振動子21にも、各外部端子44の周囲を囲むようにして位置規制手段64を設けてもよい。この際の位置規制手段64は、例えばエポキシ系樹脂を用い、或いは、パッケージ30がセラミックから形成されている場合には、セラミックを用いてもよい。
すなわち、複数の外部端子44と複数の接続端子60とをそれぞれ対向させて、発振回路基板50上に圧電振動子21を載置し、これを例えばリフロー炉(図示せず)に入れて、半田62を溶融する。この際、発振回路基板50には、第1の実施形態と同様に、位置規制手段64が設けられている。このため、発振回路基板50上に圧電振動子21を載置する際、位置規制手段64がガイドとなって、半田62を接続端子60に案内して配置できる。また、半田62は接続端子60の上でのみ溶融して、セルフアライメント効果を確実に発揮し、圧電振動子21と発振回路基板50との位置を正確に合わせることができる。
ここで、封止材66は、IC54及び導電材58を覆うだけでなく、圧電振動子21と発振回路基板50とを接合するようにして、すなわち、圧電振動子21の外側底面と発振回路基板50の上面とに接合するようにして充填する。このように、圧電振動子21と発振回路基板50とを接合するように封止材66を充填したとしても、発振回路基板50には、第1の実施形態と同様の位置規制手段64が形成されているため、封止材66は、発振回路基板50の内側に閉じ込められる。
次いで、封止材66の乾燥を待って、図11(d)に示すように圧電発振器14を完成させる。
また、封止材66を介した圧電振動子21と発振回路基板50との接合面積は、図2における非導電性の接着剤或いは樹脂68を介した圧電振動子21と発振回路基板50との接合面積よりも大きいため、圧電振動子21と発振回路基板50との接合強度を高めることができる。
また、上述のように、圧電振動子21にも、各外部端子44の周囲を囲むように位置規制手段64を設けた場合には、位置規制手段64がガイドとなって、球状の半田62を正確に外部端子60の上に載置でき、かつ転がることを防止できる。また、各外部端子44同士の間隔が狭い場合での、各外部端子44間のショートを防止できる。
これらの図において、図1ないし図11の圧電発振器10,12,14と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
すなわち、図13で示すように、位置規制手段80は、接続端子60の外側にのみ隣接するようにして、発振回路基板50の周縁に沿って形成されている。
また、位置規制手段80は、図14に示すように、接続端子60よりも高くなるように厚みD3を有し、かつ、充填した封止材66が、位置規制手段80を乗り越えて外側に流れないように、所定の幅W1と上端に角部80dを有する凸部により形成されている。
封止材66を充填する。そうすると、位置規制手段80は、接続端子60の内側には設けられていないので、図12に示すように、封止材66は、球状の半田62を覆いながら、接続端子60の外側に設けられた位置規制手段80で堰き止められる。
また、IC54等を外気から保護する封止材66は、圧電振動子21と発振回路基板50とを接合するだけでなく、半田62と接続端子60、及び/又は半田62と外部端子44とを接合することもできる。
さらに、第3の実施形態では、位置規制手段80を接続端子60の外側、すなわち、接続端子60の外側にのみ隣接するようにして、発振回路基板50の周縁に沿って形成されているだけなので、この周縁に沿って形成された位置規制手段80に沿った位置であれば、いずれの位置にも接続端子60を配置することができ、発振回路基板50の設計が変更された場合であっても、位置規制手段80の製造パターンを変更しないで済む。
これらの図において、図1ないし図14の圧電発振器10,12,14,16と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
この圧電発振器18において、他の実施形態と異なるのは、充填された封止材66が半田62に接触するように、封止材66を案内する流路82を設けた点である。
具体的に図15においては、位置規制手段64のうち、発振回路基板50の周縁に沿って凸部で形成された位置規制手段64aは、半田62が接続端子60から外側に移動しないように、各接続端子60に隣接するように形成されている。
また、この発振回路基板50の周縁に沿った位置規制手段64aから所定の間隔をおいて、接続端子60の内側に隣接して、一つの接続端子60に対して2つの位置規制手段64b、位置規制手段64cが、それぞれ所定の間隔を空けて形成されている。この所定の間隔は、充填された封止材66が流れ込むことができるように形成された間隔であり、封止材66を案内する流路82となる。
しかも、位置規制手段を接続端子の周囲を囲むように設けた第2の実施形態と比べて、封止材66は、流路82に案内されて、半田62にも接触することができるため、半田62と接続端子60、及び/又は、半田62と外部端子44との接続強度を高めることもできる。
なお、本第4の実施形態において、位置規制手段64の位置および数量については、半田62を接続端子60の外側及び内側において規制し、かつ封止材66を案内する流路82を形成できれば、これに限られない。
これらの図において、図1ないし図16の圧電発振器10,12,14,16,18と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
すなわち、図17で示すように、先ず発振回路基板50と圧電振動子21とを別々に完成させる。
この際、発振回路基板50については、図17の左側の図で示すように、他の実施形態と同様に位置規制手段64を形成して、図6(a)と同様の構造を完成させる。また、圧電振動子21についても、図17の右側の図で示すように、すでに説明した構成を完成させる。
また、発振回路基板50の接続端子60上にのみ半田62を配置した場合に比べて、より小さな半田62,63を用いても、発振回路基板50上にIC54を実装するためのスペースを確保することができる。したがって、発振回路基板50に占める半田62のスペースを小さくできる。
図において、マイクロフォン308により電気信号に変換された送信者の音声は、デモジュレータ,コーデック部でデジタル変調され、送信部307においてRF(Radio Frequency)帯に周波数変換後、アンテナを通して基地局(図示せず)に送信される。また、基地局からのRF信号は受信部306において周波数変換後、デモジュレータ,コーデック部において音声信号に変換され、スピーカー309から出力される。また、CPU(Central Processing Unit)301は液晶表示装置及びキーボードからなる入出力部302をはじめ、デジタル式携帯電話装置300の全体の動作を制御している。メモリ303はCPU301により制御される、RAM,ROMからなる情報記憶手段であり、これらの中にはデジタル式携帯電話装置300の制御プログラムや電話帳などの情報が格納されている。
また、本発明の各実施形態において、パッケージ内に収容される圧電素子を音叉型圧電振動片に代えて、圧電材料を薄い矩形状としたATカット振動片としてもよく、また、パッケージ内に音叉型圧電振動片とATカット振動片との両方を収容するようにしてもよい。
Claims (2)
- パッケージ内に圧電素子を収容すると共に、前記パッケージの外側に露出した外部端子を有する圧電振動子と、
回路素子を実装し、この回路素子と電気的に接続された接続端子を有する発振回路基板と、
を接合する圧電発振器の製造方法であって、
前記発振回路基板は、前記接続端子の周囲を囲む領域に形成された層である位置規制手段を備え、
前記接続端子に固体の球状の半田である導電体を配置する工程と、
前記導電体を配置する工程の後、前記圧電振動子を、前記外部端子と前記接続端子とが対向するように前記発振回路基板上に載置する工程と、
前記導電体を溶融させる工程と
を含むことを特徴とする圧電発振器の製造方法。 - パッケージ内に圧電素子を収容すると共に、前記パッケージの外側に露出した外部端子を有する圧電振動子と、
回路素子を実装し、この回路素子と電気的に接続された接続端子を有する発振回路基板と、
を接合する圧電発振器の製造方法であって、
前記発振回路基板に前記接続端子の周囲を囲む領域に形成された層である位置規制手段を形成しておくと共に、前記外部端子に固体の球状の半田である導電体を配置しておき、
前記圧電振動子を、前記外部端子と前記接続端子とが対向するように前記発振回路基板上に載置する工程と、
前記導電体を溶融させる工程と、
前記導電体を溶融させる工程の後、前記回路素子を外気から保護するための封止材を、前記圧電振動子と前記発振回路基板とが接着されるようにして充填する工程と
を含むことを特徴とする圧電発振器の製造方法。
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