JP4788713B2 - 非可逆回路素子、複合電子部品及び通信装置 - Google Patents

非可逆回路素子、複合電子部品及び通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、非可逆回路素子、特に、マイクロ波帯で使用されるアイソレータなどの2ポート型非可逆回路素子、該素子を備えた複合電子部品、及び該素子又は該複合電子部品を備えた通信装置に関する。
従来より、アイソレータやサーキュレータなどの非可逆回路素子は、予め定められた特定方向にのみ信号を伝送し、逆方向には伝送しない特性を有している。この特性を利用して、例えば、アイソレータは、自動車電話、携帯電話などの移動体通信機器の送信回路部に使用されている。
従来、非可逆回路素子として、特許文献1には、入力ポートの中心電極をバランス接続にし、バランやハイブリッドなどを介さないでバランス出力回路に接続することができる3ポート型アイソレータが開示されている。また、特許文献2には、バランス−アンバランス変換器を介さないでバランス回路に接続することができる高アイソレーション型等価回路のバランス入力−バランス出力型2ポート型アイソレータが開示されている。
ところで、特許文献1に記載のような3ポート型アイソレータは、入力整合帯域が狭く、また、終端抵抗専用の入出力ポートや中心電極が必要となるので、回路が複雑でコスト高になり、信頼性に劣るという問題点を有している。
また、特許文献2に記載のような高アイソレーション型の2ポート型アイソレータは、通過帯域が狭く、挿入損失が大きいために送信機には適してはおらず、発熱が大きいので結果的に信頼性に劣るという問題点を有している。
特開2002−299915号公報 特開2004−282626号公報
そこで、本発明の目的は、簡単な回路構成からなり、挿入損失が小さく、信頼性に優れたバランス入力−バランス出力型の非可逆回路素子、複合電子部品及び通信装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る非可逆回路素子は、
永久磁石によってバイアス磁界が印加されるフェライトに高周波的に結合している複数の中心電極を備えた非可逆回路素子において、
前記フェライトには第1、第2及び第3の中心電極が設けられ、
第1及び第3中心電極は互いに交差することはなく、かつ、第2中心電極と互いに絶縁された状態で交差し、
第1中心電極の一端と同他端との間に第1整合容量及び第1終端抵抗が並列に接続され、
第2中心電極の一端と同他端との間に第2整合容量が接続され、
第3中心電極の一端と同他端との間に第3整合容量及び第2終端抵抗が並列に接続され、
第1中心電極の他端と第2中心電極の一端とを接続し、
第2中心電極の他端と第3中心電極の一端とを接続し、
第1中心電極の一端を第1バランス入出力ポートの一端とし、第3中心電極の他端を第1バランス入出力ポートの他端とし、
第2中心電極の一端を第2バランス入出力ポートの一端とし、第2中心電極の他端を第2バランス入出力ポートの他端とし、
第1バランス入出力ポートの一端から流れ込む電流で生じる磁界と、第1バランス入出力ポートの他端から流れ出る電流で生じる磁界とが、互いに同相方向となるように、第1中心電極の一端及び同他端と第3中心電極の一端及び同他端とが配置されていること、
を特徴とする。
本発明に係る非可逆回路素子においては、第1及び第3中心電極は互いに交差することはなく、かつ、第2中心電極と互いに絶縁された状態で交差し、第1中心電極の一端と同他端との間に第1整合容量及び第1終端抵抗が並列に接続され、第2中心電極の一端と同他端との間に第2整合容量が接続され、第3中心電極の一端と同他端との間に第3整合容量及び第2終端抵抗が並列に接続されているため、簡単な回路構成からなる小型の集中定数型アイソレータを得ることができ、挿入損失が小さく、広帯域な入力整合特性を有する。
また、第1中心電極の一端を第1バランス入出力ポートの一端とし、第3中心電極の他端を第1バランス入出力ポートの他端とし、第2中心電極の一端を第2バランス入出力ポートの一端とし、第2中心電極の他端を第2バランス入出力ポートの他端とし、第1バランス入出力ポートの一端から流れ込む電流で生じる磁界と、第1バランス入出力ポートの他端から流れ出る電流で生じる磁界とが、互いに同相方向となるように、第1中心電極の一端及び同他端と第3中心電極の一端及び同他端とが配置されているため、バランを追加することなくバランス入力−バランス出力型のアイソレータを実現できる。
本発明に係る非可逆回路素子において、少なくとも第2中心電極はフェライトに1回以上巻回されていることが好ましい。第2中心電極のインダクタンスが大きくなり、入力整合が一層広帯域となり、電力増幅器などの前段回路との整合が容易になる。
また、第2中心電極の電気長は略1/4波長又はそれより僅かに短い波長であることが好ましい。第2中心電極のインダクタンスが極めて大きくなることにより、第2整合容量を事実上接続する必要なく共振させることができ、第2整合容量のQ値を原因とする挿入損失の劣化のおそれが解消する。しかも、入力整合が一層広帯域となり、電力増幅器などの前段回路との整合が容易になる。
また、本発明に係る複合電子部品は前記非可逆回路素子を略180°の位相差で動作する一対の増幅器出力に接続したもので、好ましい電気特性が得られ、装置の小型化が達成される。
さらに、本発明に係る通信装置は、前記非可逆回路素子又は前記複合回路部品をそなえたものであり、好ましい電気特性が得られ、装置の小型化が達成される。
本発明によれば、2ポート型アイソレータの電気特性を、バランを追加することなくバランス信号用に使用でき、小型化、省資源化、低価格化でき、挿入損失を低減できて広帯域な入力整合特性を得ることができる。また、低発熱ゆえ高信頼性を得られる。
本発明の第1実施例である2ポート型アイソレータを示す分解斜視図である。 第1実施例であるアイソレータを構成する中心電極組立体の等価回路図である。 第1実施例であるアイソレータの等価回路図である。 第1実施例であるアイソレータを構成する回路基板内の回路構成を示すブロック図である。 第1実施例であるアイソレータの二つのバランス入力ポートに逆相信号を加えた場合の各S−パラメータの特性を示すグラフである。 第1実施例であるアイソレータの二つのバランス入力ポートを互いに接続して同相信号を加えた場合の各S−パラメータの特性を示すグラフである。 本発明の第2実施例である2ポート型アイソレータにおける中心電極組立体を示す斜視図である。 第2実施例であるアイソレータの中心電極組立体を示し、(A)は背面図、(B)は平面図、(C)は正面図、(D),(E)は側面図、(F)は底面図である。 第2実施例であるアイソレータの等価回路図である。 本発明の第3実施例である複合電子部品の電気回路を示すブロック図である。 本発明の第4実施例である複合電子部品の電気回路を示すブロック図である。 本発明の第5実施例である通信装置の電気回路を示すブロック図である。
以下、本発明に係る非可逆回路素子、複合電子部品及び通信装置の実施例について添付図面を参照して説明する。
(第1実施例、図1〜図6参照)
図1は、本発明に係る非可逆回路素子の第1実施例である2ポート型アイソレータ1の分解斜視図である。この2ポート型アイソレータ1は、集中定数型アイソレータであり、概略、金属製ケース10と、金属製キャップ15と、回路基板20と、永久磁石30と、中心電極組立体40とで構成されている。中心電極組立体40は、以下に詳述するように、フェライト41、中心電極51,52,53を含んでいる。
ケース10及びキャップ15は、ともに軟鉄などの厚さが0.05〜0.25mm程度の強磁性体材料からなり、回路基板20、中心電極組立体40及び永久磁石30を囲む枠体形状とされている。ケース10は側片11,11がキャップ15の側面に対して導電的に接合され、永久磁石30とで磁気回路を形成する。また、ケース10及びキャップ15には、0.1〜100μm程度の銅下地めっきの上に1〜5μm程度の銀めっきが施され、防錆性を高め、高周波磁束によって発生する渦電流による導体損失やグランド電流による導体損失を軽減させる。
永久磁石30はフェライト41の主面41aに対して直流バイアス磁界を該主面41aに略垂直方向に印加するものである。図2に示す中心電極組立体40の等価回路に示されているように、第1中心電極51(インダクタL1)と第2中心電極52(インダクタL2)、及び、第3中心電極53(インダクタL3)と第2中心電極52とがフェライト41を介して高周波的に結合されている。
永久磁石30は、通常、ストロンチウム系、バリウム系やランタン−コバルト系のフェライトマグネットが用いられる。これらは、金属マグネットが導体であるのと比較して、誘電体でもあるため、永久磁石30の内部に高周波磁束が損失少なく分布することができる。そのため、永久磁石30を中心電極51,52,53に近接させて配置しても、挿入損失をはじめとする電気特性をほとんど劣化させない。また、フェライト41と温度特性が近いため、アイソレータとしての温度特性が良好となる。
中心電極組立体40は、直方体形状をなすフェライト41の第1主面41a(表面)上に互いに電気的に絶縁された第1中心電極51、第2中心電極52及び第3中心電極53を形成したものである。第1中心電極51及び第3中心電極53は互いに交差することはなく、かつ、第2中心電極52と互いに絶縁された状態で交差している。
詳しくは、第1中心電極51はその一端51aがフェライト41の第1側面41bに位置し、その他端51bが第2側面41cに位置している。一端51aをA電極、他端51bをB電極と称する。第2中心電極52はその一端52aがフェライト41の第3側面41dに位置し、その他端52bが第4側面41eに位置している。一端52aをB電極、他端52bをC電極と称する。また、第3中心電極53はその一端53aがフェライト41の第1側面41bに位置し、その他端53bが第2側面41cに位置している。一端53aをC電極、他端53bをD電極と称する。
ところで、中心電極51,52,53は、フェライト41の主面41a及び側面41b〜41eに銅、銅合金の金属板や金属箔及びそれらに銀や銀合金のめっきを施したものを設けることが好ましい。また、銀や銅の厚膜や薄膜による膜電極として形成してもよく、印刷や転写、フォトリソグラフ、エッチングなどの加工技術を用いて、所定の形状に高精度に形成してもよい。また、フェライト41にはYIGフェライトなどが用いられている。
回路基板20は、複数枚の誘電体シート上に所定の電極を形成して積層し、焼結した積層型基板であり、その内部には、図3及び図4に示すように、整合用コンデンサC1,C2,C3、終端抵抗R1,R2が内蔵されている。また、上面には端子電極21a,21b,22a,22b,23a,23bが、下面には外部接続用端子電極26a,26b,27a,27b,28及びグランド電極29が形成されている。
回路基板20は、厚膜導体電極との同時焼成が可能なガラスとアルミナやその他の誘電体の混合物を焼成したもの、樹脂とガラスとその他の誘電体からなる複合基板が用いられる。内部や外部の電極には、銀や銀合金の厚膜や、銅厚膜、銅箔などが用いられる。特に、外部接続用端子電極26a,26b,27a,27b,28は、厚さ0.1〜5μmのニッケルめっきを施した上に、0.01〜1μmの金めっきを施すことが好ましい。防錆、耐はんだ喰われ性の向上、はんだに不要な金属の拡散が生じて脆弱な合金層ができた結果はんだ接合自体の強度が落ちるといった不具合を防止するためである。
なお、外部接続用端子電極26a,26b,27a,27b,28は、厚膜電極を肉厚にして突出させ、前記ケース10の底部を同一厚さとし、実装回路基板へのはんだ付けを向上させている。
ここで、アイソレータ1の回路構成について説明する。図2は中心電極組立体40の部分を等価回路表記とした場合のアイソレータ1の等価回路を示し、図3は中心電極組立体40の部分を物理形状に近い形とした場合のアイソレータ1の等価回路を示し、図4は回路基板20の内部の回路構成を示す。
詳しくは、1第1中心電極51の一端51a(A電極)から同他端に電流を流した場合に発生する磁界と、第3中心電極53の一端53a(C電極)から同他端に電流を流した場合に発生する磁界とが、互いに同相同方向となるように接続されている。第1中心電極51と並列に第1整合用コンデンサC1及び第1終端抵抗R1が接続され、第2中心電極52と並列に第2整合用コンデンサC2が接続され、かつ、第3中心電極53と並列に第3整合用コンデンサC3及び第2終端抵抗R2が接続されている。
そして、第1中心電極51の一端51a(A電極)と第3中心電極53の他端53b(D電極)とをバランス入力ポート+P1,−P1とし、第1中心電極51の他端51b(B電極)及び第2中心電極52の一端52a(B電極)をバランス出力ポート+P2とする。また、第2中心電極の他端52b(C電極)及び第3中心電極53の一端53a(C電極)とをバランス出力ポート−P2としている。
即ち、図4のブロック図に示すように、回路基板20の下面に形成された外部接続用端子電極26aがバランス入力ポート+P1として機能し、端子電極26bがバランス入力ポート−P1として機能する。また、端子電極27aがバランス出力ポート+P2として機能し、端子電極27bがバランス出力ポート−P2として機能する。
また、回路基板20の表面に形成された端子電極21a,21bは第1中心電極51の一端51a及び他端51bと接続され、端子電極22a,22bは第2中心電極52の一端52a及び他端52bと接続される。また、端子電極23a,23bは第3中心電極53の一端53a及び他端53bに接続される。
以上の構成からなるアイソレータ1においては、バランス入力ポート+P1,−P1にバランス信号(180°の位相差のある差動信号)が入力されると、第1中心電極51に電流が流れ、フェライト41に高周波磁界が発生する。この高周波磁界によって第1中心電極51に磁気的に結合している第2中心電極52に電流が流れるとともに、第1中心電極51で発生する磁界と第3中心電極53に流れる電流で発生する磁界とが互いに強め合う方向に結合する。これにより、バランス信号はバランス出力ポート+P2,−P2に伝送される。
即ち、第1及び第3中心電極51,53は互いに交差することはなく、かつ、第2中心電極52と互いに絶縁された状態で交差し、第1中心電極51と並列に第1整合用コンデンサC1及び第1終端抵抗R1が接続され、第2中心電極52と並列に第2整合用コンデンサC2が接続され、かつ、第3中心電極53と並列に第3整合用コンデンサC3及び第2終端抵抗R2が接続されているため、簡単な回路構成からなる小型の集中定数型アイソレータとなり、挿入損失が小さく、広帯域な入力整合特性を有する。
図5に、前記アイソレータ1の二つのバランス入力ポートに逆相(平衡、差動、バランス)信号源兼負荷を接続し、二つのバランス出力ポートに逆相(平衡、差動、バランス)信号源兼負荷を接続した場合のS−パラメータ特性を示す。図5に明らかなように、700MHzから800MHzの動作周波数帯において、順方向透過特性(S21)は大きく、信号は損失が少ない状態で伝達されている。逆方向透過特性(S12)は小さく、信号の伝達がされず、減衰が大きいことがわかる。従って、アイソレータ1は、大きな非可逆性、即ち、逆方向信号に対するアイソレーションを持っていることが分かる。
図6に、前記アイソレータ1の二つのバランス入力ポートを互いに接続して同相(不平衡、アンバランス)信号源を接続し、二つのバランス出力ポートに逆相(平衡、差動、バランス)信号源兼負荷を接続した場合のS−パラメータ特性を示す。このとき、二つのバランス入力ポートは互いに接続されている。図6から明らかなように、50MHzから3000MHzの広い周波数帯にわたって、順方向透過特性(S21)は−30dB以下と小さく、信号が伝達されない状態となっている。逆方向透過特性(S12)も同様に、信号の伝達がされず、減衰が大きいことが分かる。
図5及び図6の対比から明らかなように、アイソレータ1は良好なバランス性、即ち、同相信号除去比を有している。
また、第1中心電極51の一端51a(A電極)から同他端に電流を流した場合に発生する磁界と、第3中心電極53の一端53a(C電極)から同他端に電流を流した場合に発生する磁界とが、互いに同相同方向となるように接続され、第1中心電極51の一端51a(A電極)と第3中心電極53の他端53b(D電極)とをバランス入力ポート+P1,−P1とし、第1中心電極51の他端51b(B電極)及び第2中心電極52の一端52a(B電極)と第2中心電極52の他端52b(C電極)及び第3中心電極53の一端53a(C電極)とをバランス出力ポート+P2,−P2としたため、バランを追加することなくバランス入力−バランス出力型のアイソレータを実現できる。
ところで、前記整合用コンデンサC1,C2,C3の静電容量は、それぞれ、中心電極51,52,53と動作周波数においておおよそ共振する値が選択される。終端抵抗R1,R2はアイソレータ1を50Ωの回路で用いるとすると、略50Ωの値を選択することになるが、中心電極51,52,53のインダクタンス値によっては25〜100Ω程度の値が適切である。
また、第2中心電極52及び第2整合用コンデンサC2は、Q値の高い、即ち、低損失の素子を用いることが好ましい。これらのQ値が低いと、挿入損失が増加する。第1中心電極51と第1整合用コンデンサC1、及び、第3中心電極53と第3整合用コンデンサC3は、Q値が低くても挿入損失は増加しない。しかし、極端にQ値が低いとアイソレーションの帯域幅が減少する。
本第1実施例において、回路基板20は多層誘電体基板である。これにて、内部にコンデンサやインダクタなどの回路網を内蔵することができ、アイソレータ1の小型化、薄型化が達成でき、回路素子間の接続が基板内で行われるために信頼性の向上が期待できる。勿論、回路基板20は必ずしも多層である必要はなく、単層であってもよく、整合用コンデンサや終端抵抗などをチップタイプとして外付けしてもよい。
また、回路基板20の下面には、通信機器などのプリント基板に本アイソレータ1を実装するための外部接続用端子電極26a,26b,27a,27b,28が設けられている。これにて、電気接合箇所が減少するため、低損失で高信頼性を得ることができる。加えて、別の端子部品を設ける必要がなく、一層の低価格化が可能となり、回路基板20の下面位置が端子面になるので低背化できる。
(第2実施例、図7〜図9参照)
本発明に係る非可逆回路素子の第2実施例である2ポート型アイソレータは、図7に示す中心電極組立体40を備えるとともに、図9に示す等価回路を構成したものであり、他の構成は前記第1実施例であるアイソレータ1と同様である。
第1中心電極51はフェライト41の第1主面41a上にその長手方向に形成され、第3中心電極53は第2主面41f上にその長手方向に形成され、両者は互いに交差することはない。第2中心電極52は第1及び第2主面41a,41f上にその短辺方向に2ターン巻回され、第1及び第3中心電極51,53と互いに絶縁された状態で交差している。なお、第2中心電極52は3ターン以上巻回してもよい。
即ち、図8に詳細に示すように、第1中心電極51はフェライト41の第1主面41a上にその長手方向に形成され、一端51a(A電極)が第1側面41bに臨んで位置し、他端51b(B電極)が第2側面41cに臨んで位置している。第2中心電極52はその一端52a(B電極)が第4側面41eに位置し、第1主面41aから第3側面41d、第2主面41f、第4側面41e、第1主面41a、第3側面41d、さらに第2主面41fから他端52b(C電極)が第4側面41eに位置するように都合2ターン巻回されている。また、第3中心電極53は第2主面41f上にその長手方向に形成され、一端53a(C電極)が第2側面41cに臨んで位置し、他端53b(D電極)が第1側面41bに臨んで位置している。
回路構成は、図9の等価回路に示すように、第1実施例として図2で示した等価回路と基本的に同様であり、さらに、整合用コンデンサCS1〜CS4及びインピーダンス調整用コンデンサCP1,CP2が追加されている。
即ち、コンデンサCS1はバランス入力ポート+P1とA電極との間に挿入され、コンデンサCS2はバランス出力ポート+P2とB電極との間に挿入されている。コンデンサCS3はバランス入力ポート−P1とD電極との間に挿入され、コンデンサCS4はバランス出力ポート−P2とC電極との間に挿入されている。また、コンデンサCP1はバランス入力ポート+P1,−P1の間に挿入され、コンデンサCP2はバランス出力ポート+P2,−P2の間に挿入されている。
本第2実施例における他の回路構成は第1実施例と同様であり、その作用効果も第1実施例と同様である。特に、第2実施例においては、第2中心電極52がフェライト41に2ターン巻回されていることにより、第2中心電極52のインダクタンスが大きくなり、入力整合が一層広帯域となり、電力増幅器などの前段回路との整合が容易になる。
また、整合用コンデンサCS1〜CS4を挿入したため、中心電極51,52,53のインダクタンスを大きく設定して広帯域での電気特性を向上させた際でも、アイソレータに接続される機器とのインピーダンス(50Ω)を合わせることが容易になる。なお、この効果はコンデンサCS1,CS2のいずれか一方、コンデンサCS3,CS4のいずれか一方を挿入するだけでも達成することができる。さらに、インピーダンス調整用コンデンサCP1,CP2を挿入したため、2倍波又は3倍波など所望の高調波を抑制することができる。
なお、第1及び第2実施例において、第2中心電極52の電気長は略1/4波長又はそれより僅かに短い波長であることが好ましい。第2中心電極52のインダクタンスが極めて大きくなることにより、第2整合用コンデンサC2を事実上接続する必要なく共振させることができ、第2整合用コンデンサC2のQ値を原因とする挿入損失の劣化のおそれが解消する。しかも、入力整合が一層広帯域となり、電力増幅器などの前段回路との整合が容易になる。
(第3実施例、図10参照)
図10は、前記アイソレータ1とバランス型増幅器121,122とを接続した複合電子部品120のブロック図である。この複合電子部品120は、後段回路の動作状態(例えば、後段回路の電源供給の有無や電源電圧の状態)、あるいは、動作環境(例えば、周囲温度やアンテナ素子などの負荷装置の動作状況)に拘わらず、バランス型増幅器122の出力から見た負荷インピーダンスが一定となる。その結果、バランス型増幅器121,122の電力負荷効率や出力歪み特性などを常に最良の状態で保つことができる。
(第4実施例、図11参照)
図11は、前記アイソレータ1をバランス型発振器132とバランス型周波数混合器(ミキサ)134との間に挿入した複合電子部品130のブロック図である。131は可変容量ダイオード、133,135,137はバランス型増幅器、136はバランス型フィルタ(例えば、表面弾性波フィルタ)である。
この複合電子部品130は、バランス型周波数混合器134やバランス型フィルタ136の動作状態、あるいは、複合電子部品130自体の動作環境に拘わらず、バランス型増幅器133の出力端から見た負荷インピーダンスが一定となる。その結果、バランス型発振器132の発振周波数や出力電力などが変動せず、最良の動作状態を常に保つことができる。特に、バランス型周波数混合器134の電源が断続的に供給されている場合でも、バランス型発振器132の発振周波数が瞬間的に変動しない。
(第5実施例、図12参照)
また、図12は、前記アイソレータ1を通信装置である携帯電話150のRF部分に組み込んだブロック図である。138はバランス型変調器/復調器、139,142はバランス型フィルタ、140はバランス型周波数混合器、141,143はバランス型増幅器である。アイソレータ1のバランス出力ポート+P2は受信機部分の周波数混合器134に接続され、バランス出力ポート−P2は送信機部分の周波数混合器140に接続されている。
この携帯電話150においては、バランス型発振器132の発振周波数や出力電力などが変動せず、最良の動作状態を常に保つことができる。特に、送信機部分の周波数混合機140の電源が断続的に供給されている場合でも、受信機部分に供給されるバランス型発振器132の出力が瞬間的に変動しない。また、アイソレータ1はバランス型発振器132の出力を分配する機能も有している。
(他の実施例)
なお、本発明に係る非可逆回路素子、複合電子部品及び通信装置は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
特に、フェライトは直方体形状以外に、円板形状や6角形状、8角形状などであってもよい。また、回路基板20の構成は任意である。さらに、前記実施例では、中心電極組立体40はフェライト41の主面41aを回路基板20に対して平行に配置したいわゆる横置き配置としたが、フェライト41の主面41aを回路基板20に対して垂直に配置したいわゆる縦置き配置としてもよい。この場合、一対の永久磁石30で中心電極組立体40を両側から挟み込むようにすれば、直流バイアス磁界の分布が改善して低損失・広帯域動作がより容易に実現する。
以上のように、本発明は、マイクロ波帯で使用されるアイソレータなどの2ポート型非可逆回路素子に有用であり、特に、簡単な回路構成で、挿入損失が小さく、信頼性が良好な点で優れている。

Claims (5)

  1. 永久磁石によってバイアス磁界が印加されるフェライトに高周波的に結合している複数の中心電極を備えた非可逆回路素子において、
    前記フェライトには第1、第2及び第3の中心電極が設けられ、
    第1及び第3中心電極は互いに交差することはなく、かつ、第2中心電極と互いに絶縁された状態で交差し、
    第1中心電極の一端と同他端との間に第1整合容量及び第1終端抵抗が並列に接続され、
    第2中心電極の一端と同他端との間に第2整合容量が接続され、
    第3中心電極の一端と同他端との間に第3整合容量及び第2終端抵抗が並列に接続され、
    第1中心電極の他端と第2中心電極の一端とを接続し、
    第2中心電極の他端と第3中心電極の一端とを接続し、
    第1中心電極の一端を第1バランス入出力ポートの一端とし、第3中心電極の他端を第1バランス入出力ポートの他端とし、
    第2中心電極の一端を第2バランス入出力ポートの一端とし、第2中心電極の他端を第2バランス入出力ポートの他端とし、
    第1バランス入出力ポートの一端から流れ込む電流で生じる磁界と、第1バランス入出力ポートの他端から流れ出る電流で生じる磁界とが、互いに同相方向となるように、第1中心電極の一端及び同他端と第3中心電極の一端及び同他端とが配置されていること、
    を特徴とする非可逆回路素子。
  2. 少なくとも前記第2中心電極は前記フェライトに1回以上巻回されていることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3. 前記第2中心電極の電気長は略1/4波長又はそれより僅かに短い波長であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非可逆回路素子。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の非可逆回路素子を略180°の位相差で動作する一対の増幅器出力に接続したことを特徴とする複合電子部品。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の非可逆回路素子又は請求項4に記載の複合電子部品を備えたことを特徴とする通信装置。
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