JP4788179B2 - シートモールディングコンパウンドの搬送装置及び搬送方法 - Google Patents

シートモールディングコンパウンドの搬送装置及び搬送方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス繊維切断片を強化剤として含有するシートモールディングコンパウンド(以下、SMCという。)の製造方法に関するもので、詳しくは未硬化のSMCを上下2枚のキャリアフィルムで挟み込んでシート状にしたもの(以下、SMCシートという。)を、折り畳み状態で容器内に収納するための搬送装置及び搬送方法に関する。
不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂に充填材、硬化剤、増粘剤、着色剤等を配合した樹脂ペーストに、切断されたガラス繊維等の補強繊維材を混合して製造されたSMCは、熱圧縮成形して、住宅設備、輸送用機器、工業製品等の成形品に使用される。
SMCは、熱可塑性キャリアフィルム上にペースト状の熱硬化性樹脂を塗布し、その上にガラスストランドを特定のピッチで切断したガラス片を分散させ、もう一方の熱硬化性樹脂を塗布した熱可塑性キャリアフィルムに挟み込んだ後、シート状にして搬送し、次工程の含浸装置で熱硬化性樹脂をガラス繊維に十分に含浸せしめてSMCシートとして製造するものである。
含浸装置を出たSMCシートは、別工程に設けた均熱炉で弱粘着性の半硬化状態に長時間養生し、成形加工に際してはキャリアフィルムを剥離してプレス装置に供給され、成型品にする。
SMCシートの収納形態としては、紙、フィルムなどのように一定量巻取軸に円筒状に巻き取る方法と、プリント布、絨毯などの繊維体のようにアーム状の片振り式の折り畳み装置を使用し、折り畳み後一定量で切断し、容器に収納する方法が知られている。
巻き取り式は、含浸装置を出たSMCをほぼ水平の状態で移送させ、巻き取るものであるが、巻きの中心部では外径部に比べ巻き締まりしやすく、ペースト状のSMCが圧縮されることがある。また収納量を大きくするために巻き取り外径を太くした場合、後工程の養生時に中心部と外周部とで熱分布に差が出るために品質上問題が生じ、1回の収納量に限界があった。
これに対し、折り畳み式は折り畳みピッチを大きくし、折り重ね回数を増やすことで、1回の収納量を大きくでき、また養生工程での熱分布のバラツキも比較的小さいので、近年の成形部品の大型化要求に伴う数量の拡大と、養生後の成形工場への輸送に際しても、物流コストを削減できる有利さもあり、収納方式の主流を占めるようになってきた(例えば、特許文献1、2参照)。
折り畳み式の場合、収納部をSMCの製造装置と同じ床面に設置した方が作業上都合が良いので、含浸装置の後に上方側に向かう傾斜面を有する搬送装置、すなわち傾斜コンベアを設け、上下のキャリフィルムに挟まれたSMCを移送する。傾斜コンベアの頂上部にはSMCシート幅より幅の広いフィードロールを設け、SMCシートを引き上げた後、フィードロールにより下方側に導入する。次に搬送装置上部に設けた揺動機構により一定の角度で揺動するアームにSMCシートを案内し、設定されたピッチで折り畳み、一定量折り重ねて容器に収納するものである。
フィードロールの上部にはニップロールを設け、キャリアフィルムの両端側を加圧し、重量のあるSMCシートの上方側への搬送力を助ける構造になっている。SMCシートの幅全体をニップロールで押さえると、キャリアフィルムの間に塗布されたペースト状のSMCがフィルムの外側に押し出されてしまうので、樹脂の塗布されていない、両端側の約40〜60mm程の上下に重なったキャリアフィルム部分を、幅の狭いニップロールで加圧して搬送するようにしている。
折り畳み式の場合、収納量を大きくするために、折り畳みピッチを大きくする必要があるが、このためには揺動アームを長くすることが必要となり、揺動軸中心が高い位置になるので、含浸装置を出たSMCシートは急なスロープを登ることになる。しかし、SMC製造ラインの設置長さはなるべくコンパクトにするのが好ましいので、実際のスロープの角度は35〜40°にもなることがある。
このため、従来のフィードロールと両端部のニップロールのニップ装置での搬送では、上記したように上下のキャリアフィルム部分のみを加圧するのでは、キャリアフィルムが10〜50μmと非常に薄いためにスリップしてしまい、搬送に問題が生じることとなる。
この対策として、スロープにコンベアベルトを設ける方法も行われている。これはキャリアフィルムとコンベアベルトの間の摩擦力で搬送するものである。
近年、成形品の大型化、厚肉化により、単位面積当たりのSMCの重量が増加し、特に成型品の末端までの十分な強度と、成形表面の見映えの良さと強度を得るために樹脂の塗布装置を3つ以上用いて製造する厚肉の多層SMCの場合がある(例えば、特許文献3参照)。
このような厚肉の多層SMCの場合には従来の倍近い3〜10kg/m もの重量になるため、コンベアベルトの搬送と幅狭のニップロールの加圧とを併用しても、搬送力としては十分ではなかった。
そのため、SMCの幅方向における塗布量ムラや重量の不均一さにより、搬送時にSMCシートが蛇行するという問題を生じたり、あるいは急なスロープによりSMCシートがスリップしてコンベアベルトからずり落ちるという問題も生じていた。
特公昭60−16321号公報(図1) 特開昭59−30626号公報(図3) 特開2004−99820号公報(段落〔0020〕〜〔0021〕)
本発明は、不飽和ポリエステル樹脂等の未硬化の樹脂が塗布されたSMCシートを移送し、これを傾斜コンベア上に搬送して、折り畳み装置により容器に収納する搬送工程において、厚肉のSMCシートであっても蛇行せず、安定して搬送し、かつ、その表面を平滑に維持することのできるSMCの搬送装置及び搬送方法を提供することにある。
本発明は、未硬化の樹脂をキャリアフィルム間で挟み込んだSMCシートを折り畳み状態で容器内に収容するために該SMCシートを搬送するシートモールディングコンパウンドの搬送装置において、該SMCシートを押圧しながら搬送するフィードロールと全幅ニップロールを有し、該全幅ニップロールはその表面に押圧時に扁平可能となる部材を有することを特徴とするシートモールディングコンパオウンドの搬送装置を提供するものである。
また、本発明は、未硬化の樹脂をキャリアフィルム間で挟み込んだSMCシートを折り畳み状態で容器内に収容するために該SMCシートを搬送するシートモールディングコンパウンドの搬送方法において、該SMCシートをフィードロールで搬送する際に、該未硬化の樹脂部分が該フィードロールを通過した後に、押圧時に扁平可能となる部材を表面に有する全幅ニップロールを該SMCシートに押圧するようにして、該SMCシートを搬送することを特徴とするシートモールディングコンパウンドの搬送方法を提供するものである。
本発明のシートモールディングコンパウンドの搬送装置によれば、単位面積当たりの重量が大きなSMCであっても、押圧時に扁平可能となる部材を表面に有する全幅ニップロールを用いることにより、全幅ニップロールとフィードロールを押圧してSMCシートを搬送する際に、この部材が扁平して薄いキャリアフィルムの間に塗布されたSMCの幅全体を均一に押圧することができるので、急傾斜のコンベアであっても押圧による摩擦力によって、安定してSMCシートを搬送できる。
また、押圧力を分散できるので塗布状態に多少のバラツキがあっても蛇行することなく、さらに含浸工程で生じた表面の凹凸をならして平滑にする効果や脱泡の効果もあるので、品質の高いSMC成型製品を得ることができる。
以下、図1から図7を参照しながら本発明を詳細に説明する。図1はSMCの製造工程を示す模式図、図2は本発明のSMC搬送装置の一実施形態を示す概略正面図、図3は図2の概略平面図、図4は搬送部上部のニップ装置の一実施形態を示す概略図、図5は図4の概略側面図、図6はニップ装置のロール動作の一実施形態を示す模式図、図7は従来のニップ部を示す斜視模式図である。なお、各図において同じ機能のものは同じ符号を用いている。
図1から図7において、Aは本発明にかかるニップ装置、1はフィードロール、2はライニングa、3は従動スプロケット、4は駆動チェーン、5はニップロール、6はライニングb、7はエアシリンダa、8はストッパー、9はプレスロール、10はエアシリンダb、11はSMCシート、12はキャリアフィルム、13は含浸装置、14は含浸ロール、15は傾斜コンベア、16は折り畳み装置、17はアーム、18は収納ボックス、19は巻出装置、20は移送ベルト、21は樹脂塗布装置、22は樹脂ペースト(不飽和樹脂組成物)、23はガラスロービング装置、24はガラスストランド、25はガラス切断装置である。
図1〜図3により、SMCの製造工程及びSMCシート11の流れを説明する。図1は、SMCの製造工程を示す模式図である。巻出装置19aにより引き出された10〜50μmの厚さの熱可塑性樹脂フィルムを下部キャリアフィルム12aとして移送ベルト20上に載置し、この下部キャリアフィルム上に、樹脂ペースト(不飽和樹脂組成物)22aをドクター等を備えた樹脂塗布装置21aにより所定の厚さに塗工する。
樹脂ペースト22aの塗布幅W1は、図3に示すように、下部キャリアフィルム12aの両側からはみ出さないようにするために、キャリアフィルムの幅W2より30〜60mm程度内側に位置するように塗布される。なお、移送ベルト20の内側には、適宜移送ベルトのガイドロールが配置されている。
下部キャリアフィルム12aの材質としては、通常使用されているポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂フィルムのもので差し支えなく、好適にはポリエチレンテレフタレートフィルムが使用される。
樹脂ペースト22aは、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分としたものに、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン等の充填剤、熱可塑性樹脂粉末等の増粘剤、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド等の硬化用触媒、ワックス等の内部離型剤、ゴム状重合体等の低収縮化剤、着色剤等を適宜混合して粘度を30〜600ポイズ程度としたペースト状物である。
一方、樹脂ペースト22aに含浸させる補強繊維材は、例えばロービング装置23により複数束のガラスストランド24を切断装置25に送り込み、1/16〜1.5インチ程度のガラス繊維の切断片24aとして樹脂ペースト22a上に均一に分散するように振り掛けて堆積させる。
さらに、巻出装置19bにより引き出された、10〜50μmの厚さのポリエチレンフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムを、上部キャリアフィルム12bとして、この上部キャリアフィルム上に、上述した樹脂ペースト22aと同様の樹脂ペースト22bをドクター等を備えた樹脂塗布装置21bにより所定の厚さ塗工して、上記補強繊維材であるガラス繊維の切断片24a上に接触させるようにして配置させる。この場合にも、樹脂ペースト22bの塗布幅は、上部キャリアフィルム12bの両側からはみ出さないようにするために、30〜60mm程度内側に位置するように塗布される。
こうして下部キャリアフィルム12a/樹脂ペースト22a/補強繊維材(ガラス切断片)24a/樹脂ペースト22b/上部キャリアフィルム12bとなる層構成のSMCシートが得られることとなる。
両キャリアフィルム12a、12bを除いた部分の厚さとしては約5mm程度とし、これを図1又は図2に示すように後工程の含浸装置13に送り、種々の表面溝形状の複数の含浸ロール14ロールを通過してガラス繊維の切断片24aが十分に濡れるよう、樹脂ペースト22aに含浸させつつ、脱泡させ、さらに表面をならすことにより、約3mmのSMCシート11にする。このようにして製造されるSMCの重量は2.5〜5kg/m 程である。
なお、約5mmの厚さのSMCシート11を製造する場合には、樹脂ペースト22に補強繊維材を供給する工程を複数工程とし、補強繊維材(ガラス切断片)24aの間に位置する樹脂ペースト22をカーテン塗工等により塗工して、下部キャリアフィルム12a/樹脂ペースト22a/補強繊維材24a/樹脂ペースト22b/補強繊維材24b/樹脂ペースト22c/上部キャリアフィルム12bのような層構成、ハイブリッド多層のシート状物とすることもできる。このようにして製造されるSMCの重量は5〜10kg/m 程と重いものなる。
含浸装置13で、ガラス切断片を樹脂層に十分に含浸させたSMCシート11を傾斜コンベア15に送り込み、ニップ装置AによりSMCシート11を上方側へ引っ張り上げ、ニップ装置Aの下方側に配置した折り畳み装置16に誘導する。
折り畳み装置には減速機を備えたモータが設けられている。このモータを回転させ、公知のクランク機構等を用いて、揺動軸に取り付けたアーム17を設定した角度で揺動させ、所定のピッチに折り返し、収納ボックス18の中に折り重ねる。所定の重量(長さ)になったとき図示しないカッター装置により、SMCシートを切断し、次の収納ボックス18を順次移動させ、SMC装置を停止させずに、収納を連続して行う。
図4〜図6を用いて、本発明のニップ装置Aを詳しく説明する。図4において、中央線より左側にニップ装置Aの正面図を示し、右側に部分断面図を示す。コンベア15の上部に設けたニップ装置Aの下部側にはフィードロール1が配置されている。フィードロール1は駆動チェーン4あるいはベルトを介して図示しない駆動モータにより、製造ラインのSMCシート走行速度に合わせて、従動スプロケット3あるいは従動プーリーにより回転される。
フィードロール1は、金属ロールとしてその表面に梨地処理、あるいは微細ローレット処理して摩擦係数を上げても良いが、摩擦力を大きく付与することのできる弾性体2をライニングした方がより好ましい。
フィードロール1の両側部の略水平位置には、一対のプレスロール9が取り付けられている。図5に示すように、プレスロール9はエアシリンダ10によりフィードロール1上のSMCシート11に対し着脱可能であるとともに、幅方向にも調整できる。
通常、プレスロール9の設定位置W4(図4参照)は、SMCシート11におけるSMCの塗工幅W1の外側で、キャリアフィルム幅W2より内側に配置する。ここで、上下キャリアフィルム12a、12bの重なった部分を加圧する。プレスロール9の表面にはフィードロール1の場合と同様に弾性体がライニングされており、搬送効率を向上させている。
上記のように構成されたニップ装置Aにおいて、図6(a)〜(c)により、SMCシート11の流れに対するニップ装置Aの各ロールの動作と役割について詳しく説明する。
図6(a)は1つの品番の製造が終了し、次の品番のSMCの製造を開始した状態を示したものである。製造開始時においては、傾斜コンベア15上を走行するSMCシート11は上下キャリアフィルム12a、12bのみであり、その間には未硬化の樹脂ペースト22はない。この部分では、ニップ装置Aのニップロール5を逃がし、プレスロール9だけを働かせてSMC11を搬送する。
次に、図6(b)に示すように、上下キャリアフィルム12a、12bの間に樹脂ペースト22が塗布された部分が全幅ニップロール5あるいはプレスロール9を通過した時点でエアシリンダ7を動作させ、全幅ニップロール5をSMCシート11上に下降させ、全幅に渡って接触させる。これにより重量のあるSMCシート11に対し搬送力を与えることができる。
この状態を示す平面図が図6(c)で、各ロール、SMC、及びSMCシート等の幅方向の配置を示したもので、W1は未硬化の樹脂ペースト22(SMC)の塗布幅、W2はキャリアフィルム12a、12bの幅、W3はプレスロール9の取り付け幅、W4はニップロール5幅である。
樹脂ペースト22の塗布された部分が全幅ニップロール5を通過した後に下降させてフィードロール1との間でSMCシート11を押圧するようにしたのは、樹脂がペースト状であるため、特に3〜10kg/m の重量のSMCシートの場合には、樹脂ペースト層が厚いため、ニップロール5の押圧力が薄いキャリアフィルム12a、12bの状態から、樹脂ペースト層の大きな厚みへと急激に変化することに対応できないからである。
このため、図6(d)に示すように樹脂ペーストを堰き止めてダンゴ状態となり、樹脂ペースト22がキャリアフィルム12a、12bの両側から外へはみ出てしまう問題が生じることとなる。
これを防止するために、空気圧あるいはストッパー8の高さによりロール間のスキマ(ニップ量)を調整することもできるが、品番によっては最適の条件を見出すのに時間を要し、製造現場では生産性の面から好ましいものではないが、上記したようなニップロール5の動作とすることによりこの問題を解消できる。
SMCシート11の樹脂ペースト22が十分にニップ装置Aを通過して定常状態となった場合には、プレスロール9はキャリアフィルム12a、12bを加圧したままでも良いし、図6(e)に示すよう、全幅ニップロール5のみでSMCシート11の搬送に問題がなければ離しても構わない。
なお、SMCシート11の重量が1.5〜3kg/m 程と比較的軽量の場合には、空気圧あるいはストッパー8の高さの簡単な調整により、全幅ニップロール5を下降させたまま樹脂ペースト22の塗布先端部を通過させても、ダンゴ状態にならずスムーズに搬送することができる。
ここで、全幅ニップロール5を下降させて、キャリアフィルム12bを介して樹脂ペースト22を押圧したとき、全幅ニップロール5の表面にライニングされた弾性体6が圧縮するとともに扁平して横方向にも大きく伸びるようにすることが重要となる。
従来のようにキャリアフィルム12a、12bだけを加圧する方法では、30〜50mm程の幅の短い接圧となり、かつ線接触(線圧)に近いものになるので、キャリアフィルムに集中荷重がかかってしまい、かえってスリップ、フィルムのシワ、SMCシートの蛇行の原因となっていたが、上記のように、この弾性体6が、押圧時に扁平することにより、SMCシート11との接圧面積が拡がるので、搬送時の摩擦力が確保でき、重量の大きなSMCシート11を急角度の傾斜コンベア15上で搬送する場合であっても、安定してSMCシート11を搬送することができる。
全幅ニップロール5の表面にライニングする弾性体6の幅は、図4あるいは図6(c)に示すように、SMCシート11の幅と同等であるか、それ以上の幅を有していればよい。これにより、押圧力を分散できるので塗布状態に多少のバラツキがあってもSMCシート11が蛇行することなく、さらに含浸工程で生じた表面の凹凸をならして平滑にする効果や脱泡の効果もあるので、品質の高いSMC成型製品を得ることができる。
全幅ニップロール5の表面にライニングするものとしては弾性体であれば良く、天然あるいは樹脂系ゴム、ウレタン、硬質スポンジ等を挙げることができるが、耐溶剤性を考慮した場合には、ウレタンゴムが好適である。
表面硬度としてはロールの外径、ライニング厚みにもよるが、復元性を劣化させずに大きな扁平(変形)率を得ることができるように、ショアA硬度を30〜55°として、ゴム材質としてはやや低めの材質のものを使用する。
また、ライニング厚みについてはロール外径にもよるが、上記と同様の理由により、8〜20mm程の厚みにライニングする。
全幅ニップロール5のSMCシート11への押圧はエアシリンダ7を動作させて行うが、この際の加圧力としてはSMCシート11の幅、あるいは樹脂ペースト22の塗布厚みにもよるが、両軸で400〜1200N、作動空気圧としては0.15〜0.4MPa程に設定して押圧させるようにするのが良い。
そして、フィードロール1の上部側に、全幅ニップロール5が軸受けを介して回転自由に取り付けられている。また、エアシリンダ7によって、フィードロール1に対し、着脱可能であるとともに、ストッパー8の高さにより間隙を調整し、SMCシート11の厚みに対する接触スキマを調整することができるようになっている。
また、エアシリンダ7の空気圧をSMCシート11の厚みによって適宜設定することにより、接触圧、すなわち摩擦力を調整し、上方側への搬送力を加減することができるが、さらに搬送の安定性を向上させるために、フィードロール1の表面にも押圧時に扁平可能となる弾性体2をライニングすることが好ましい(図4参照)。
この場合、弾性体2の材質は、全幅ニップロール5の弾性体6と同様のもので良く、上記したような天然あるいは樹脂系ゴム、ウレタン等を挙げることができ、好適にはウレタンゴムを用いることができる。
フィードロール1の表面に設ける弾性体2の表面硬度としては、ロールの外径、ライニング厚みにもよるが、ショアA硬度50〜75°の範囲として、全幅ニップロール5に設けた弾性体6よりも硬くする。また、ライニング厚みとしてはロール外径にもよるが、6〜15mm程として圧縮変形が大きくならない程度にライニングする。これにより、摩擦力を落とさずに耐久性を保ち、経時劣化を小さくすることができる。
上述したように、ガラス切断片を含浸装置で樹脂ペースト層に十分に含浸させたSMCシートを傾斜した傾斜コンベアに送り込み、このように構成された本発明によるニップ装置Aにより、SMCシートを上方側へ安定して搬送し、該装置の下方側に配置した折り畳み装置に誘導し、容器に折り重ね収納する。
(実施例)
図1に示すSMC製造ラインにて製造したSMCシート11を、図3に示す本発明のニップ装置Aを用いて折り畳み装置へ搬送した。使用した樹脂ペースト22は不飽和ポリエステル樹脂組成物で、大日本インキ化学工業(株)社製のポリライトMPS−520である。なお、この組成物は粘度150mPa・sのものに1/2インチ長さのガラス短繊維片を連続的に配合したものである。
実施例、比較例の各材料、テストの条件は共通で下記の通りである。
(SMCシート)
・樹脂ペースト塗布幅 :1000mm
・SMCシートの重量 :6.0kg/m
・キャリアフィルム幅 :1200mm
・キャリアフィルム厚み:30μm
(運転条件)
・ライン速度 : 20m/分
・コンベア傾斜角度 : 37°
・コンベア長さ :4600mm
実施例の各ロールの寸法、処理、加圧条件は下記の通りである。
また、全幅ニップロール、プレスロールの動作、脱着は図6(a)→(b)→(d)のようにして行った。
(ニップ装置)
・フィードロール :直径φ280mm(ライニング材質;ウレタンゴム、ライニング厚10mm、ショアA硬度65°)
・全幅ニップロール :直径φ210mm、面長1200mm(ライニング材質;ウレタンゴム、ライニング厚14mm、ショアA硬度40°)
・加圧力約800N(空圧0.2MPa)
・プレスロール :直径φ80mm、面長40mm(ライニング材質;ウレタンゴム、ライニング厚8mm、ショアA硬度50°)
・プレスロール加圧位置:キャリアフィルム外側より約50mm内側の位置
SMCシートは傾斜コンベア上を、蛇行することなく、また上下のキャリアフィルムから樹脂ペーストがはみ出したり、キャリアフィルムにシワを生ずることなく、安定して折り畳み装置へ搬送することができた。また、含浸装置で生じた表面の凹凸も平滑にする効果も得られた。
(比較例)
図1に示すSMC製造ラインにて製造したSMCシートを、図7に示す従来のニップ装置を用いて折り畳み装置へ搬送した。ニップロールはSMCシートの搬送中、キャリアフィルム部を加圧している。なお、プレスロールは比較例である従来ニップ装置には設けられていない。比較例における各ロールの寸法、処理、加圧条件は下記の通りである。
(ニップ装置)
・フィードロール :直径φ280mm(ライニング材質;ウレタンゴム、ライニング厚12mm、硬度ショアA60°)
・ニップロール :直径φ220mm、面長:40mm(ライニング材質;ウレタンゴム、ライニング厚15mm、硬度ショアA75°)
・加圧力約850N(空圧0.25MPa)
・ニップロール加圧位置:キャリアフィルム外側より約50mm内側の位置
SMCシートは傾斜コンベア上で蛇行を始め、そのためニップロール部でキャリアフィルムにシワが生じ、また蛇行によりニップロールが樹脂ペースト部を加圧してしまい、キャリアフィルムから樹脂ペーストがはみ出てしまった。このため安定した搬送が困難となり、運転を停止した。収納箱に重ね折りした状態も不揃いで、見映えも悪く、後の成形加工に問題となるものもあった。
SMCの製造工程を示す模式図である。 本発明のSMC搬送装置の一実施形態を示す概略正面図である。 図2の概略平面図である。 搬送部上部のニップ装置の一実施形態を示す概略図である。 図4の概略側面図である。 ニップ装置のロール動作の一実施形態を示す模式図である。 従来のニップ装置を示す斜視模式図である。
符号の説明
A:ニップ装置
1 フィードロール
2 弾性体
3 従動スプロケット
4 駆動チェーン
5 全幅ニップロール
6 弾性体
7 エアシリンダ
8 ストッパー
9 プレスロール
10 エアシリンダ
11 SMCシート
12 キャリアフィルム
13 含浸装置
14 含浸ロール
15 傾斜コンベア
16 折り畳み装置
17 アーム
18 収納ボックス
19 巻出装置
20 移送ベルト
21 樹脂塗布装置
22 樹脂ペースト(不飽和樹脂組成物)
23 ガラスロービング装置
24 ガラスストランド
25 ガラス切断装置
26 ニップロール



Claims (6)

  1. 未硬化の樹脂をキャリアフィルム間で挟み込んだSMCシートを折り畳み状態で容器内に収容するために該SMCシートを搬送するシートモールディングコンパウンドの搬送装置において、該SMCシートを押圧しながら搬送するフィードロールと全幅ニップロールを有し、該全幅ニップロールはその表面に押圧時に扁平可能となる部材を有することを特徴とするシートモールディングコンパウンドの搬送装置。
  2. 該全幅ニップロールの表面に設けられた押圧時に扁平可能となる部材の幅が、該SMCシートの幅と略同等以上である請求項1に記載のシートモールディングコンパウンドの搬送装置。
  3. 該全幅ニップロールの表面に設けられた押圧時に扁平可能となる部材のショアA硬度が30〜55°である請求項1又は2に記載のシートモールディングコンパウンドの搬送装置。
  4. 該フィードロールはその表面に押圧時に扁平可能となる部材を有する請求項1〜3のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンドの搬送装置。
  5. 該フィードロールの表面に設けられた押圧時に扁平可能となる部材のショアA硬度は、該全幅ニップロールの表面に設けられた押圧時に扁平可能となる部材のショアA硬度よりも大きい請求項1〜4のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンドの搬送装置。
  6. 未硬化の樹脂をキャリアフィルム間で挟み込んだSMCシートを折り畳み状態で容器内に収容するために該SMCシートを搬送するシートモールディングコンパウンドの搬送方法において、3〜10kg/m の重量の該SMCシートをフィードロールで搬送する際に、該未硬化の樹脂部分が該フィードロールを通過した後に、押圧時に扁平可能となる部材を表面に有する全幅ニップロールを該SMCシートに押圧するようにして、該SMCシートを搬送することを特徴とするシートモールディングコンパウンドの搬送方法。
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