JP4787807B2 - マイクロ粒子中に分散したナノ粒子の製造方法及びナノ粒子製造用ノズル - Google Patents

マイクロ粒子中に分散したナノ粒子の製造方法及びナノ粒子製造用ノズル Download PDF

Info

Publication number
JP4787807B2
JP4787807B2 JP2007290416A JP2007290416A JP4787807B2 JP 4787807 B2 JP4787807 B2 JP 4787807B2 JP 2007290416 A JP2007290416 A JP 2007290416A JP 2007290416 A JP2007290416 A JP 2007290416A JP 4787807 B2 JP4787807 B2 JP 4787807B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
water
channel
spray
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007290416A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009113169A (ja
Inventor
正嗣 藤井
奈緒美 竹内
弘晃 岡田
哲也 尾関
範光 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ohkawara Kokohki Co Ltd
Original Assignee
Ohkawara Kokohki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ohkawara Kokohki Co Ltd filed Critical Ohkawara Kokohki Co Ltd
Priority to JP2007290416A priority Critical patent/JP4787807B2/ja
Publication of JP2009113169A publication Critical patent/JP2009113169A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4787807B2 publication Critical patent/JP4787807B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

本発明は、マイクロ粒子の中に分散したナノ粒子を製造する方法と、ナノ粒子を製造するためのノズルに関する。
ナノ粒子を、凝集させずに、分散したまま、所定の用途に使用したいという要望がある。例えば、医薬品を、ナノ粒子の状態で使用することが可能であれば、様々な効果を得ることが出来ると考えられている。
具体的には、近時の医薬品(病気の治療に用いる薬物)の開発は、合成、スクリーニングによる医薬品候補化合物の選別を経て行われることが多いが、医薬品候補化合物の多くは、水に難溶解性であり、生体膜透過性にも乏しいものである。そのため、病原菌に対し薬効を有する医薬品候補化合物であっても、如何に体内へ吸収させるか、という点が問題になる。そこで、これを解決するための一手段として、医薬品のナノ粒子化が挙げられている。
即ち、医薬品をナノ粒子化することが出来れば、比表面積が大きくなり、医薬品の水溶解性が向上する。そして、ナノ粒子オーダーの医薬品であれば、総表面積が大きく、毛細血管が集中する肺において、直接、血管に入れることが出来る。よって、投薬量の減少、副作用の回避といった効果が得られ、患者に優しい医薬品とすることが可能となる。加えて、医薬品投与手段の障壁が低くなるので、薬効は認められるが投与が困難であった医薬品が利用可能になり、医薬品開発コストが低減されるといった効果も期待される。
特開2004−292398号公報
ところが、ナノ粒子を製造し、維持ないし保存することは容易ではない。
先ず、ナノ粒子を製造すること自体が困難である。従来の微細な粒子の製造手段としては、例えば、ボールミル、ジェットミル等の粉砕装置を用いて大きな粒子を粉砕して微細化する方法(粉砕法)や、エマルションを形成させ相分離や液中乾燥法等によって微粒子を調製する方法(マイクロカプセル法)等が知られる。粉砕法のうち溶媒を用いない乾式粉砕法では、μmオーダーの粒子を得るのが限界である。溶媒を用いる湿式粉砕法では、数百nmの粒子まで粉砕可能であるが、大量の粉砕助剤や界面活性剤が必要であり、溶媒が残留したサスペンションとして調製されてしまうので、得られた粒子の利用に制限がある。マイクロカプセル法では、粒度分布がシャープな百nmオーダーのナノ粒子を調製することが可能であるが、溶媒中での高度な界面現象を利用した物理化学的製法のため、僅かな調製条件の変化が粒子物性に大きな影響を与えるので、量産化が困難である。
次に、ナノ粒子を製造することが出来たとしても、それを維持ないし保存することは困難である。ナノ粒子どうしは互いに付着して、凝集粒子(二次粒子)になり易く、一旦、ナノ粒子が凝集してしまうと、ナノ粒子としての機能を失わずに、再分散させることは難しい。ナノ粒子のまま、分散した固体として存在させることは、極めて難しいのである。これは、ナノ粒子の表面エネルギーが極めて大きく、粒子どうしの付着・凝集性が著しく高いことによる。
尚、先行文献として、例えば、既に示した特許文献1を挙げることが出来る。この特許文献1に開示された技術によれば、百nmオーダーの粒子を得ることが可能である(特許文献1の図16を参照)。従って、これによって、例えば医薬品を粒子化すれば、肺を経路とする投薬を実現することが出来る。
しかしながら、水溶解性の向上、投薬量の減少、副作用の回避という効果を得るためには、医薬品を、百nm程度の粒子とすることが好ましく、あるいは、百nm未満の粒子がなるべく多く含まれることが好ましいところ、特許文献1に開示された技術では、それを実現することは困難である。又、特許文献1に開示された技術では、噴霧時に二の液の液滴同士を衝突させ混合するので、乾燥条件や噴霧条件によって、マイクロ粒子中に分散したナノ粒子の粒子径が変化してしまう。具体的には、特許文献1に開示された技術では、噴霧してから混合するので、混合時間は乾燥時間に等しくなる。そして、混合時間を長くするために、乾燥のための熱風温度を下げると、熱効率が低下し、未乾燥塔壁付着が起こるため、装置が大きくなってしまう。又、噴霧用圧縮空気量を少なくし、マイクロ粒子径を大きくして、乾燥速度を下げれば、混合時間を長くすることが出来るが、そうすると、マイクロ粒子の粒子径と、そのマイクロ粒子中に分散したナノ粒子の粒子径とを個別に調整すること、即ち、粒子設計をすることが、極めて難しい。更に、二の液の供給速度を極端に変えると、未混合粒子が生じる可能性が高い。加えて、二の液状微粒子を噴霧後に衝突させるため、二の液状微粒子の噴霧量を調節し難い。そのため、得られるナノ粒子の量を加減することが出来ない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、百nm程度の粒子を製造し、又は、百nm未満の粒子がなるべく多く含まれる粒子を製造し、維持ないし保存することが可能な手段を提供することである。研究が重ねられた結果、以下の手段によって、この課題を解決し得ることが見出され、本発明の完成に至った。
即ち、先ず、本発明によれば、良水溶性溶質を水に溶解した液体と、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とを、それぞれ別の流路を経て、噴霧直前に混合をした後に、加圧気体によって、液状微粒子の状態で噴霧し、水と良水混和性溶媒とを気化し除去して、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子を得るナノ粒子の製造方法が提供される。
噴霧直前に混合をする、とは、噴霧する直前までは混合しておらず、それぞれ別の流路を流れていた良水溶性溶質を水に溶解した液体と難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とを、噴霧する直前に混合することを意味する。ノズルを用いる場合、良水溶性溶質を水に溶解した液体と難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とは、独立してノズルに入り、ノズルの噴霧口の直前で、両液体は混合し、混合した液体がノズルの噴霧口から噴霧される。後述する本発明に係るナノ粒子製造用ノズルは、このような混合、噴霧を実現し得るものである。液体の混合をしてから噴霧をされるまでの時間は、通常、数秒以内であり、例えば1秒以内、又は0.5秒以内、更には0.2秒以内とすることが出来る。又、加圧気体の圧力は、0.01〜0.5MPaであることが好ましく、0.03〜0.3MPaであることがより好ましく、0.05〜0.2MPaであることが特に好ましい。
本発明に係るナノ粒子の製造方法では、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体が、難水溶性溶質が異なる複数の液体で構成され、3以上の液体を別の流路を経て噴霧直前に混合をして、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で分散した2種以上の難水溶性溶質からなるナノ粒子を得ることが可能である。
本明細書において、ナノ粒子とは、粒子径がナノサイズオーダー(1〜999nm)の粒子をいい、マイクロ粒子とは、粒子径がマイクロサイズオーダー(1〜999μm)の粒子をいう。本明細書にいうナノ粒子は、マイクロ粒子の中で分散したものであり、マイクロ粒子の中で分散したナノ粒子を、複合粉末、ともいう。
本発明に係るナノ粒子の製造方法においては、ナノ粒子は、その粒子径が100nm以下のものが50%以上を占めるものであることが好ましい。換言すれば、本発明に係るナノ粒子の製造方法は、粒子径が100nm以下のものが50%以上を占めるナノ粒子を得ることが可能な手段である。
本発明に係るナノ粒子の製造方法においては、混合をするまでの良水溶性溶質を水に溶解した液体の流速が、混合をするまでの難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体の流速に比して、相対的に大きい(速い)ことが好ましい。
本発明に係るナノ粒子の製造方法では、良水溶性溶質を水に溶解した液体が、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体の流路に対して、旋回するように流入して混合をする態様を採ることが出来る。又、本発明に係るナノ粒子の製造方法では、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体が、良水溶性溶質を水に溶解した液体の流路に対して、旋回するように流入して混合をする態様を採ることが出来る。そして、本発明に係るナノ粒子の製造方法では、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体と、良水溶性溶質を水に溶解した液体とが、噴霧がなされる噴霧口の側の流路に対して、互いに旋回するように流入して、混合をする態様を採ることが可能である。
本発明に係るナノ粒子の製造方法では、良水溶性溶質を水に溶解した液体と、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とが、(旋回するように流入するのではなく)対向衝突をして混合をする態様を採ることが出来る。
本明細書にいう良水溶性溶質は、水に可溶な物質であり、難水溶性溶質に比して、相対的に、速やかに水に溶けるものである。良水溶性溶質は、水に溶解して液体を構成し、溶媒が蒸発することによって凝固して固体となり、マイクロ粒子となり得る。良水溶性溶質を水に溶解した液体における良水溶性溶質(物質)の濃度は、0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましく、2〜4質量%であることが特に好ましい。
良水溶性溶質として、例えば、水に可溶な化合物を挙げることが出来る。具体的には、マンニトール、乳糖、デンプン、キシリトール、ソルビトール、デキストリン、白糖、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プルラン、ゼラチン、コラーゲン、カンテン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリエチレングリコール、アラビアゴム等である。
本発明に係るナノ粒子の製造方法においては、良水溶性溶質が、薬効成分又は医薬品添加物であることが好ましい。
本明細書にいう難水溶性溶質は、溶媒を水とした場合に、第14改正日本薬局方通則の性状の項の溶解性において、「溶け難い」「極めて溶け難い」「殆ど溶けない」に相当する薬物に相当する物質である。具体的には、固形の粉末1gを水中に入れ、20±0.5℃で5分毎に強く30秒間振り混ぜるとき、30分以内に溶かすのに必要な水の量が100mリットル以上のものをいう。難水溶性溶質は、良水混和性溶媒に溶解されて液体となり、更に凝固して固体となり、ナノ粒子となり得る。
難水溶性溶質としては、例えば、薬物、脂質、タンパク質、高分子化合物等を挙げることが出来る。具体的には、エテンザミド、アセトアミノフェン、インドメタシン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプリフェン、ナプロキセン、ロラゼパム、ジアゼパム、グロマゼパム、フルニトラゼパム、ロフラゼプ酸エチル、ハロペリドール、ペルフェナジン、レセルピン、スルピリド、カルバマゼピン、フェニトイン、プリミドン、フェノバルビタール、バクロフェン、フェンプロバメート、テルフェナジン、プランルカスト水和物、ジギトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、ラナトシドC、デスラノシド、プロシタラジン、エピネフリン、ノルエピネフリン、ユビデカレノン、メチルドパ、レシナミン、フロセミド、アゾセミド、トラセミド、スピロノラクトン、トリアムテレン、アセタゾラミド、ツロブテロール、テオフィリン、プロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、スクラルファート、シメチジン、ファモチジン、ニザチジン、トルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、トラザミド、グリベンクラミドなどが、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、プロゲステロン、ジドロゲステロン、ノルエチステロン、メチルテストステロン、フルオキシメステロン、セフロキサジン、セフタジジム、セフィキシム、セフジニル、セフチブテン、セフジトレンピボキシル、アズトレオナム、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、キタサマイシン、ロキタマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、メルファラン、ブスルファン、メトトレキサート、メルカプトプリン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、レシチン、コレステロール、ジステアロイルホスファジチルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファジチルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファジチルコリン(DPPC)、ジステアロイルグリセロホスファエタノールアミン(DSPC)、あるいは、ポリ乳酸とポリグリコール酸とポリ乳酸/グリコール酸とポリクエン酸とポリリンゴ酸とポリ乳酸カプロラクトンの何れかであるポリ脂肪酸エステル、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ジメチルポリシロキサン、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタミン酸、ポリ−γ−メチル−L−グルタミン酸、ポリ−α−シアノアクリル酸エステル、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、アクリル酸とメタアクリル酸との共重合物、無水マレイン酸系共重合物等を挙げることが出来る。難水溶性物質の溶解性を、更に高めるため、DOTMA(N−[(1,2,3−dioleoyloxy)propyl]−N,N,N−triethylammonium chloride)、DOTAP(1,2−dioleoyloxy−3−(triethylammonio)propane)、TMAG(N−(α−trimethylammonioacetyl)−didodecyl−D−glutamate chloride)、DOPE(dioleoylphosphatidylethanolamine)、DOTAP/DOPE等のカチオン脂質、あるいは、キトサン、ポリエチレンイミン、ポリ−L−リジン、ポリ−L−アルギニン、ポリ−L−オルニチン等のカチオン高分子、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール等を難水溶性物質と混合することが出来る。
本発明に係るナノ粒子の製造方法においては、難水溶性溶質が、薬効成分又は医薬品添加物であることが好ましい。上記した物質の中には、解熱剤、鎮痛剤、抗炎症剤、鎮静剤、抗精神剤、抗うつ剤、抗てんかん剤、筋弛緩剤、抗アレルギー剤、強心剤、降圧剤、利尿剤、抗喘息剤、抗消化潰瘍剤、糖尿病治療剤、ホルモン剤、抗生物質、抗腫瘍剤としての効用を有するものが含まれている。
本発明に係るナノ粒子の製造方法は、マイクロ粒子の中で分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子を得る方法であることから、液体の混合時における良水溶性溶質と難水溶性溶質との質量比は、良水溶性溶質/難水溶性溶質とした場合に、2以上であることが好ましく、10以上であればより好ましく、20以上であれば特に好ましい。
本明細書にいう良水混和性溶媒は、難水溶性溶質との関係において、それを溶かす溶媒であり、且つ、水に混和する物質である。良水混和性溶媒となり得るものとして、例えば、エタノール、アセトン、メタノール、メタノール・アセトン混液を挙げることが出来る。
次に、本発明によれば、粒子径が100nm未満の難水溶性成分からなるナノ粒子が、良水溶性成分からなるマイクロ粒子の中で分散して含まれる複合粉末が提供される。この複合粉末は、既述の本発明に係るナノ粒子の製造方法により、後述する本発明に係るナノ粒子製造用ノズルあるいはナノ粒子製造装置を用いて、製造可能なものである。より好ましい複合粉末は、粒子径が100nm未満の難水溶性成分からなるナノ粒子が、良水溶性成分からなるマイクロ粒子の中で分散して、50%以上含まれるものである。
本発明に係る複合粉末においては、マイクロ粒子である良水溶性成分が、薬効成分又は医薬品添加物で構成され、ナノ粒子である難水溶性成分が、薬効成分又は医薬品添加物で構成されることが好ましい。又、本発明に係る複合粉末においては、(マイクロ粒子である良水溶性成分が、薬効成分又は医薬品添加物で構成されるか否かによらず)、ナノ粒子である難水溶性成分が、2種以上の薬効成分又は医薬品添加物で構成されることが好ましい。これらの場合、複合粉末は、医薬品そのものである。
次に、本発明によれば、2以上の液体導入口、加圧気体導入口、及び噴霧口を備えたノズル本体と、そのノズル本体の中で2以上の液体導入口にそれぞれ通じて設けられる2以上の導入液体流路と、ノズル本体の中で噴霧口に通じて設けられる1の噴霧液体流路と、を備え、噴霧口の上流側において、2以上の導入液体流路が、1の噴霧液体流路に接続をされてなるナノ粒子製造用ノズルが提供される。
噴霧口の上流側とは、液体導入口より噴霧口に近く、噴霧口につながる流路の上流側を指す。好ましくは、噴霧口の直近である。即ち、本発明に係るナノ粒子製造用ノズルにおいては、噴霧口の直ぐ近くにおいて、2以上の導入液体流路が、1の噴霧液体流路に接続をされてなることが好ましい。この場合、噴霧口に通じて設けられる噴霧液体流路は、短いものとなる。
本発明に係るナノ粒子製造用ノズルにおいては、2以上の導入液体流路及び1の噴霧液体流路が平行に設けられ、それらの接続をする流路が、2以上の導入液体流路及び1の噴霧液体流路の方向に対して垂直な方向に設けられることが好ましい。
本発明に係るナノ粒子製造用ノズルにおいては、2以上の導入液体流路の全てが、1の噴霧液体流路に、当該噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路で接続をされてなることが好ましい。又は、本発明に係るナノ粒子製造用ノズルにおいては、2以上の導入液体流路のうちの一の導入液体流路が、1の噴霧液体流路に、当該噴霧液体流路と同等の大きさの流路で接続をされ、2以上の導入液体流路のうちの他の導入液体流路が、1の噴霧液体流路に、当該噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路で接続をされてなることが好ましい。後者の場合においては、即ち、導入液体流路が、噴霧液体流路に、当該噴霧液体流路と同等の大きさの流路で接続をされることがある場合においては、導入液体流路と噴霧液体流路とを、当該噴霧液体流路と同等の大きさの流路で接続をするミキシング変更管部材を備え、そのミキシング変更管部材が着脱可能なものであることが好ましい。
相対的に小さな流路で接続をされてなる、とは、導入液体流路と噴霧液体流路より相対的に小さな流路を介して、それらが接続されていることを意味する。導入液体流路が噴霧液体流路と同等の大きさの流路で接続をされる態様の1つとして、導入液体流路と噴霧液体流路とそれらを接続する流路が、同等の大きさである場合が挙げられる。流路の大きさとは、例えば流路を構成する配管の径である。
本発明に係るナノ粒子製造用ノズルにおいて、導入液体流路が噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路で接続をされてなる場合には、2以上の導入液体流路及び1の噴霧液体流路は、断面が円形の管で形成され、接続をするための噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路は、管の中心軸を結ぶ直線上に設けられることが好ましい。又は、本発明に係るナノ粒子製造用ノズルにおいて、導入液体流路が噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路で接続をされてなる場合には、2以上の導入液体流路及び1の噴霧液体流路は、断面が円形の管で形成され、接続をするための噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路は、導入液体流路及び噴霧液体流路を構成する2つの管の断面を表す2つの円形の接線上に設けられることが好ましい。そして、後者の場合においては、導入液体流路の数が2であり、接続をするための噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路のうち一の流路は、導入液体流路及び噴霧液体流路を構成する2つの管の断面を表す2つの円形を結ぶ接線のうちの一の接線上に設けられ、接続をするための噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路のうち他の流路は、導入液体流路及び噴霧液体流路を構成する2つの管の断面を表す2つの円形を結ぶ接線のうちの一の接線とは対称的な位置の接線上に設けられることが好ましい。
本発明に係るナノ粒子製造用ノズルにおいて、導入液体流路が噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路で接続をされてなる場合には、導入液体流路と噴霧液体流路とを、当該噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路で接続をするミキシング管部材を備え、そのミキシング管部材が着脱可能なものであることが好ましい。
次に、本発明によれば、上記した何れかのナノ粒子製造用ノズルと、そのナノ粒子製造用ノズルの導入液体流路を流れる液体を加熱する加熱手段と、ナノ粒子製造用ノズルから液状微粒子の状態で噴霧される液体を乾燥する乾燥手段と、を具備するナノ粒子製造装置が提供される。
本発明に係るナノ粒子の製造方法では、良水溶性溶質を水に溶解した液体と、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とを、それぞれ別の流路を経て、噴霧直前に混合をし、その混合をされた液体(本明細書において混合液体ともいう)を、加圧気体によって、液状微粒子の状態で噴霧し、水と良水混和性溶媒とを気化し除去する。このような処理を行うと、良水溶性溶質を水に溶解した液体の溶媒が水であり、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体の溶媒が水溶性であるから、良好な液体の混合が実現される。このとき、難水溶性溶質は、溶媒として水が加わることによる貧溶媒効果(anti−solvent effect)によって、液滴中でナノ粒子として析出する。良水溶性溶質は、水と良水混和性溶媒とが除去された後でマイクロ粒子として析出する。即ち、本発明に係るナノ粒子の製造方法によれば、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子(複合粉末)を、容易に得ることが出来る。噴霧して、水と良水混和性溶媒とを気化し除去する直前に、液体の混合を行うので、混合から粒子化(固化)までの時間が短く、ナノ粒子となった難水溶性溶質(物質)は、ナノ粒子のまま、マイクロ粒子となった良水溶性溶質(物質)の中で、凝集せず維持される。従って、本発明に係るナノ粒子の製造方法によれば、ナノオーダーの中でも、より小さな粒子径の、具体的には粒子径が100nm程度のナノ粒子、又は、100nm未満の粒子が多く含まれるナノ粒子を得て、これを保存することが可能である。
加えて、気化し易い良水混和性溶媒を選択すれば、マイクロ粒子の中で分散したナノ粒子において、溶媒の影響は殆どなく、得られたナノ粒子、マイクロ粒子を全て目的に利用することが出来る。そして、良水混和性溶媒が、水より、速やかに気化するものであれば、難水溶性溶質(物質)を、より小さな粒子とすることに効果がある。その理由は、液状微粒子から噴霧された液状微粒子から良水混和性溶媒が先に気化消失すると、極短時間ではあるが、溶媒として水のみが残ることになって、貧溶媒効果が促進されるからである。
本発明に係るナノ粒子の製造方法は、その好ましい態様では、混合をするまでの良水溶性溶質を水に溶解した液体の流速が、混合をするまでの難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体の流速に比して、相対的に大きい(速い)ので、混合後の液体の中において難水溶性溶質の析出が均一に生じ易く、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で均等に分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子(複合粉末)を得ることが出来る。ナノ粒子が均等に分散していることによって、凝集が起き難い。よって、本発明に係るナノ粒子の製造方法の好ましい態様によれば、粒子径が100nm程度のナノ粒子、又は、粒子径が100nm未満の粒子が多く含まれるナノ粒子を得て、これを維持ないし保存することが容易である。
本発明に係るナノ粒子の製造方法は、その好ましい態様では、良水溶性溶質を水に溶解した液体が、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体の流路に対して、旋回するように流入して混合をするか、若しくは、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体が、良水溶性溶質を水に溶解した液体の流路に対して、旋回するように流入して混合をするか、又は、良水溶性溶質を水に溶解した液体と、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とが、対向衝突をして混合をする。あるいは、両液体が、互いに旋回するように流入して混合をする場合もある。これらの混合の態様によれば、混合後の液体の中において難水溶性溶質の析出が均一に生じ易く、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で均等に分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子(複合粉末)を得ることが出来、ナノ粒子どうしの凝集は生じ難い。
本発明に係るナノ粒子の製造方法は、その好ましい態様では、良水溶性溶質が、薬効成分又は医薬品添加物であるか、あるいは、難水溶性溶質が、薬効成分又は医薬品添加物であるので、例えば、マイクロ粒子(良水溶性溶質(物質))である医薬品添加物に、ナノ粒子(難水溶性溶質(物質))である薬効成分を分散させた医薬品(複合粉末)を実現することが出来る。ナノ粒子化することが出来れば、比表面積が大きくなり、薬効成分が難水溶性であっても、溶解性が向上する。そして、ナノ粒子の薬効成分を有する医薬品であれば、総表面積が大きく、毛細血管が集中する肺において、直接、血管に入れることが出来る。従って、投薬量の減少、副作用の回避といった効果が得られ、患者の負荷も抑制される。加えて、薬効は認められるが、溶解性が低く投与が困難であった難水溶性物質が、医薬品として利用可能になり、幅広く難水溶性物質をスクリーニング対象とすることが出来るので、医薬品開発コストが低減される。
本発明に係るナノ粒子の製造方法は、その好ましい態様では、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体が、難水溶性溶質が異なる複数の液体で構成され、3以上の液体を別の流路を経て噴霧直前に混合をして、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で分散した2種以上の難水溶性溶質からなるナノ粒子を得ることが出来るので、例えば、マイクロ粒子(良水溶性溶質(物質))である医薬品添加物に、2以上の薬効成分(ナノ粒子(難水溶性溶質(物質)))を分散させた医薬品(複合粉末)を実現することが可能である。
本発明に係るナノ粒子製造用ノズルは、2以上の液体導入口、加圧気体導入口、及び噴霧口を備えたノズル本体と、そのノズル本体の中で2以上の液体導入口にそれぞれ通じて設けられる2以上の導入液体流路と、ノズル本体の中で噴霧口に通じて設けられる1の噴霧液体流路と、を備え、噴霧口の上流側において、2以上の導入液体流路が、1の噴霧液体流路に接続をされてなるものであるので、既述の本発明に係るナノ粒子の製造方法を実施するのに好適なノズルである。よって、本発明に係るナノ粒子の製造方法の実施を通じて、既述の効果を導くことが出来る。特に、本発明に係るナノ粒子製造用ノズルは、噴霧口の上流側において、2以上の導入液体流路が、1の噴霧液体流路に接続をされてなるものであって、この接続によって、良水溶性溶質を水に溶解した液体と、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体との、噴霧直前における強制的な混合を実現するものであるので、混合する各液体の量に基づく噴霧する各液状微粒子の量を調節し易く、得られるナノ粒子の量、マイクロ粒子の量を加減することが可能である。又、良水溶性溶質及び難水溶性溶質の濃度や送液比を変えることにより、ナノ粒子の大きさを変化させることが可能である。更には、溶質や溶媒を変えることで、難水溶性物質中に分散した水溶性物質のナノ粒子の製造も可能である。
本発明に係るナノ粒子製造用ノズルは、その好ましい態様において、2以上の導入液体流路及び1の噴霧液体流路が平行に設けられ、それらの接続をする流路が、2以上の導入液体流路及び1の噴霧液体流路の方向に対して垂直な方向に設けられるので、本発明に係るナノ粒子の製造方法を実施した際に、良水溶性溶質を水に溶解した液体が難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体の流路に対して旋回するように流入して混合をする態様、若しくは、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体が良水溶性溶質を水に溶解した液体の流路に対して旋回するように流入して混合をする態様、又は、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体と良水溶性溶質を水に溶解した液体とが噴霧がなされる噴霧口の側の流路(噴霧液体流路)に対して互いに旋回するように流入して混合をする態様、あるいは、良水溶性溶質を水に溶解した液体と難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とが対向衝突をして混合をする態様、を採ることが出来る。そして、これらの態様を採ることによって、混合後の液体の中において難水溶性溶質の析出を均一に生じさせ、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で均等に分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子(複合粉末)を得ることを可能とする。
本発明に係るナノ粒子製造用ノズルは、その好ましい態様において、2以上の導入液体流路の全てが、1の噴霧液体流路に、噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路で接続をされてなるので、本発明に係るナノ粒子の製造方法を実施した際に、圧力損失が大きくなる短所があるものの、良水溶性溶質を水に溶解した液体と、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体との、混合の態様を調整し易い。例えば、更に好ましい態様として、導入液体流路の数を2とした場合に、接続をするための噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路のうち一の流路を導入液体流路及び噴霧液体流路を構成する2つの管の断面を表す2つの円形を結ぶ接線のうちの一の接線上に設け、接続をするための噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路のうち他の流路を導入液体流路及び噴霧液体流路を構成する2つの管の断面を表す2つの円形を結ぶ接線のうちの一の接線とは対称的な位置の接線上に設けることによって、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体と良水溶性溶質を水に溶解した液体とを噴霧がなされる噴霧口の側の流路(噴霧液体流路)に対して互いに旋回するように流入して混合をする態様を実現することが出来る。その他に、導入液体流路の数が3以上の場合に、それぞれの導入液体流路について、接続をするための流路を導入液体流路及び噴霧液体流路を構成する2つの管の断面を表す2つの円形を結ぶ接線のうちの同じ側の接線上に設けることによって、全ての液体を旋回するように、換言すれば渦巻状に、流入をさせて混合をすることが可能である。そして、これらの態様を採ることによって、混合後の液体の中において難水溶性溶質の析出を均一に生じさせ、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で均等に分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子(複合粉末)を得ることを可能とする。又、例えば、更に好ましい態様として、導入液体流路の数を2とした場合に、接続をするための噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路を導入液体流路及び噴霧液体流路を構成する2つの管の中心軸を結ぶ直線上に設けることによって、良水溶性溶質を水に溶解した液体と難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体との対向衝突をさせて混合をすることが可能である。導入液体流路の数を3以上とした場合には、厳密には対向衝突にはならないが、この場合にも、混合後の液体の中において難水溶性溶質の析出を均一に生じさせ、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で均等に分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子(複合粉末)を得ることが出来る。
本発明に係るナノ粒子製造用ノズルは、その好ましい態様において、2以上の導入液体流路のうちの一の導入液体流路が、1の噴霧液体流路に、当該噴霧液体流路と同等の大きさの流路で接続をされ、2以上の導入液体流路のうちの他の導入液体流路が、1の噴霧液体流路に、当該噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路で接続をされてなるので、本発明に係るナノ粒子の製造方法を実施した際に、圧力損失を抑制しつつ、良水溶性溶質を水に溶解した液体と、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体との、混合の態様を調整することが出来る。例えば、更に好ましい態様として、接続をするための噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路を導入液体流路及び噴霧液体流路を構成する2つの管の断面を表す2つの円形の接線上に設けることによって、良水溶性溶質を水に溶解した液体が難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体の流路に対して旋回するように流入して混合をする態様、又は、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体が良水溶性溶質を水に溶解した液体の流路に対して旋回するように流入して混合をする態様を容易に採ることが出来る。そして、これらの態様を採ることによって、混合後の液体の中において難水溶性溶質の析出を均一に生じさせ、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で均等に分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子(複合粉末)を得ることを可能とする。
本発明に係るナノ粒子製造用ノズルは、その好ましい態様において、ミキシング変更管部材とミキシング管部材が着脱可能なものであるので、上記した本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの各種の形態を、ノズル本体を主とするその他の部分を共有して、実現することが出来る。そのため、交換不可能な場合に比してノズル全体として低廉なものとすることが出来るとともに、現場における流路選択の応用性が高い。即ち、混合すべき液体の性状によって、適切な流路の形態を実現して、粒子径が100nm未満の粒子を多く含むナノ粒子を得ることが可能である。
本発明に係るナノ粒子製造装置は、本発明に係るナノ粒子製造用ノズル、加熱手段、及び乾燥手段を具備しているので、液状微粒子の状態で噴霧された混合液体から水と良水混和性溶媒とを気化し除去して、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子を、現に得ることが出来るという効果を奏する。
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明の要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
先ず、本発明に係るナノ粒子製造装置について説明する。図10は、本発明に係るナノ粒子製造装置の一の実施形態を示すフロー図である。図10に示されるナノ粒子製造装置100は、ナノ粒子製造用ノズル1の他に、図示しない圧縮空気製造装置(コンプレッサ)、良水溶性溶質を水に溶解した液体を貯めた貯槽111、及びポンプ113からなる(一の)液体供給機、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体を貯めた貯槽112、及びポンプ114からなる(他の)液体供給機、送風機117、ヒータ116、フィルタ115、乾燥室118、及びサイクロン119からなる乾燥装置(乾燥手段)、マイクロ粒子の中で均一に分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子(複合粉末)を捕捉するバグフィルタ101、及び排風機102からなるフィルタ装置を備える。
図11は、本発明に係るナノ粒子製造装置の他の実施形態を示すフロー図である。図11に示されるナノ粒子製造装置120は、ナノ粒子製造用ノズル1の他に、図示しない窒素ガス製造装置、良水溶性溶質を水に溶解した液体を貯めた貯槽111、及びポンプ113からなる(一の)液体供給機、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体を貯めた貯槽112、及びポンプ114からなる(他の)液体供給機、ヒータ126、乾燥室118、及びサイクロン119からなる乾燥装置(乾燥手段)、マイクロ粒子の中で均一に分散した難水溶性溶質からなるナノ粒子(複合粉末)を捕捉するバグフィルタ101、循環ブロワ128、及び凝縮機129からなるフィルタ装置を備える。
次に、本発明に係るナノ粒子製造用ノズルについて説明する。図1〜図5は、本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの一の実施形態を示す図である。図1は全体を表した断面図であり、図2は一部分(噴霧口がある先端部分)を表した断面図である。図3は導入管部材とミキシング管部材を表した断面図であり、図4は導入管部材とミキシング管部材を表した(内部を透視した)斜視図であり、図5はミキシング管部材のみを表した(内部を透視した)斜視図である。
図1に全体が示されるナノ粒子製造用ノズル1は、液体導入口11,12、加圧気体導入口13、噴霧口14を備えたノズル本体10を有する。このノズル本体10の中には、液体導入口11,12にそれぞれ通じる導入液体流路21,22を形成した導入管31,32、及び噴霧口14に通じる噴霧液体流路24を形成した噴霧管34が備わる。
ノズル本体10のうち、導入管31,32及び噴霧管34以外の部分は、加圧気体流路23を構成する。噴霧口14は加圧気体流路23にも通じており、噴霧口14の近傍の上流側においては、加圧気体流路23はスリット状になり、円周状に、且つ、斜め方向に加圧気体を噴射するように先端で傾斜して、設けられる。噴霧液体流路24も、噴霧口14の近傍の上流側でスリット状になり、円周状に設けられるが、噴霧液体流路24は直進方向に(混合)液体を吐出するように、先端で真直に設けられ、噴霧口14において、加圧気体流路23と噴霧液体流路24は合流する。噴霧口14に通じたスリット状の加圧気体流路23のスリット幅は、0.1〜1mm、好ましくは0.2〜0.8mm、特に好ましくは約0.2〜0.5mm程度である。噴霧口14に通じたスリット状の噴霧液体流路24のスリット幅は、0.2〜1.5mm、好ましくは0.3〜1mm、特に好ましくは約0.4〜0.8mmである。
導入管31,32と噴霧管34との間は、噴霧口14の近傍の上流側において、導入液体流路21,22を絞った(流路を細くした)導入管部材36、ガスケット41、ミキシング管部材37、オリフィス25を備えたオリフィス部材35、で構成される。ミキシング管部材37には、導入液体流路21,22と噴霧液体流路24との接続をする接続流路27a,27bが形成されており、この接続流路27a,27bを介して、導入液体流路21,22は噴霧液体流路24に接続をされる。
接続流路27a,27bは、導入液体流路21,22及び噴霧液体流路24に対して垂直な方向に設けられており、噴霧液体流路24に比べて径の小さな細い流路である。そして、ナノ粒子製造用ノズル1では、導入液体流路21,22及び噴霧液体流路24は、それぞれ断面が円形の導入管31,32及び噴霧管34で形成され、接続流路27aは、導入管31の中心軸と噴霧管34の中心軸を結ぶ直線上に設けられ、接続流路27bは、導入管32の中心軸と噴霧管34の中心軸を結ぶ直線上に設けられている。
図6〜図8は、本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの他の実施形態を示す図である。図6〜図8においては、既述のナノ粒子製造用ノズル1と異なる部分のみを表している。この実施形態では、ミキシング変更管部材が加わっており、図6は導入管部材、ミキシング変更管部材及びミキシング管部材を表した断面図であり、図7は導入管部材、ミキシング変更管部材及びミキシング管部材を表した(内部を透視した)斜視図であり、図8はミキシング変更管部材のみを表した(内部を透視した)斜視図である。
図8に示されるミキシング変更管部材38には、一方の(例えば)導入液体流路21と噴霧液体流路24との接続をするための屈曲した接続流路28aが形成されており、この接続流路28aは、噴霧液体流路24と同等の大きさの流路である。即ち、導入管部材36とミキシング管部材37との間にミキシング変更管部材38を設けることによって、導入液体流路21は噴霧液体流路24に、噴霧液体流路24と同等の大きさの接続流路28aで接続をされる。他方、ミキシング変更管部材38に形成された真直な接続流路28bは、ミキシング管部材の接続流路27bに通じており、導入液体流路22は噴霧液体流路24に、接続流路28bを介して、噴霧液体流路24に比較して小さい(細い)接続流路27bで接続をされる。
ミキシング変更管部材38及びミキシング管部材37は、着脱可能なものであり、且つ、交換可能なものである。図1〜図5に示される実施形態に、ミキシング変更管部材38を追加することで、容易に、図6〜図8に示される実施形態を実現することが出来、ミキシング変更管部材38を外せば、簡単に元へ戻せる。
又、ミキシング管部材37を他のものに交換することが出来、それによって、容易に、細い接続流路の形態を変更することが可能である。図9は、本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの他の実施形態を示す図であり、ミキシング管部材のみを表した(内部を透視した)斜視図である。図9に示されるミキシング管部材137には、導入液体流路21,22と噴霧液体流路24との接続をする接続流路127a,127bが形成されており、この接続流路127a,127bを介して、導入液体流路21,22は噴霧液体流路24に接続をされる。接続流路127a,127bは、導入液体流路21,22及び噴霧液体流路24に対して垂直な方向に設けられており、噴霧液体流路24に比べて径の小さな細い流路である。そして、接続流路127aは、導入液体流路21及び噴霧液体流路24をそれぞれ構成する導入管31及び噴霧管34の断面を表す2つの円形を結ぶ接線のうちの一の接線上に設けられ、接続流路127bは、導入液体流路22及び噴霧液体流路24をそれぞれ構成する導入管32及び噴霧管34の断面を表す2つの円形を結ぶ接線のうちの、上記一の接線とは対称的な位置の接線上に設けられている。
次に、本発明に係るナノ粒子の製造方法について、上記した図1〜図5に示されるナノ粒子製造用ノズル1を備えた、図10に示されるナノ粒子製造装置100を使用した場合を例にとって、説明する。
先ず、良水溶性溶質を水に溶解した液体と、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とを、個別に、貯槽111,112に準備する。そして、それぞれの液体を、液体供給機によって、ナノ粒子製造用ノズル1の液体導入口11,12から導入する。液体の供給速度(ノズル本体10の中の導入管31,32内(導入液体流路21,22)における送液速度)は、良水溶性溶質を水に溶解した液体が1〜10kg/h、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体は0.05〜3kg/h程度とすることが好ましい。
良水溶性溶質を水に溶解した液体は、導入管31の導入液体流路21を通り、導入管部材36を経て、ミキシング管部材37の接続流路27aを通って噴霧液体流路24に流入する。又、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体は、導入管32の導入液体流路22を通り、導入管部材36を経て、ミキシング管部材37の接続流路27bを通って噴霧液体流路24に流入する。即ち、両液体は、噴霧液体流路24で混合される。
ミキシング管部材37の接続流路27a,27bの態様(図5を参照)により、良水溶性溶質を水に溶解した液体と、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とは、対向衝突をして混合をされ、混合液体となる。
尚、ミキシング管部材37の代わりに、ミキシング管部材137を使用すれば、ミキシング管部材137の接続流路127a,127bの態様(図9を参照)により、良水溶性溶質を水に溶解した液体と、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とは、互いに旋回するようにして混合をされ、混合液体となる。
又、ミキシング管部材137を使用し、更に、導入管部材36とミキシング管部材137の間にミキシング変更管部材38を設ければ、良水溶性溶質を水に溶解した液体は、導入管31の導入液体流路21を通り、導入管部材36を経て、ミキシング変更管部材38の接続流路28aを通って噴霧液体流路24に流入し、他方、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体は、導入管32の導入液体流路22を通り、導入管部材36を経て、ミキシング変更管部材38の接続流路28b及びミキシング管部材137の接続流路127bを通って噴霧液体流路24に流入し、両液体は、噴霧液体流路24で混合される。この場合、良水溶性溶質を水に溶解した液体の方が、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体より、相対的に大きな流路である接続流路28aを流れることになる。そして、ミキシング管部材137の接続流路127bの態様が図9に示されるものであることから、相対的に流速の大きな良水溶性溶質を水に溶解した液体に対して、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体が旋回して流入するようにして、両液体は混合をされ、混合液体となる。
その後、混合液体は、オリフィス部材35のオリフィス25を経て、噴霧管34内の噴霧液体流路24を通り、噴霧口14から真直に吐出される。他方、加圧気体導入口13から加圧気体が導入され、その加圧気体は、ノズル本体10における導入管31,32及び噴霧管34の外側の加圧気体流路23を通って、噴霧口14から斜め方向に噴射される。これらが同時に起こることによって、混合液体は液状微粒子の状態で噴霧される。
液状微粒子の状態で噴霧された混合液体は、乾燥室118で熱風と接触することにより乾燥され、空気を輸送媒体としてサイクロン119に移送されマイクロ粒子が捕集され、サイクロン119で捕集されなかったマイクロ粒子は、バグフィルタ101で捕集される。乾燥によって水と良水混和性溶媒は除去されるから、バグフィルタ101では、良水溶性溶質(物質)と難水溶性溶質(物質)のみが凝固して残存し、貧溶媒効果によってマイクロ粒子(良水溶性溶質(物質))の中で均一に分散した、粒子径が100nm程度のナノ粒子、又は、粒子径が100nm未満の粒子を多く含むナノ粒子(難水溶性溶質(物質)、マイクロ粒子と合わせて複合粉末)を得ることが出来る。
尚、(液体として)可燃性溶剤を用いる場合は、その可燃性溶剤の濃度、乾燥条件等によっては、系内を不活性ガス(窒素ガス)雰囲気とし、可燃性溶剤を分離して回収することが好ましい。そのため、この場合には、図11に示されるナノ粒子製造装置120を使用する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)蒸留水(水)1125mlに、マンニトール(良水溶性溶質(物質)、MANとも記す、和光純薬工業製)31.275gを、溶解させ、濃度2.78質量%の溶液A(液体)を得た。又、アセトンとメタノールを質量比で2:1とした溶液(良水混和性溶媒)375mlに、エチルセルロース(難水溶性溶質(物質)、ECとも記す、信越化学製のN−7−F)1.0425gを、溶解させ、濃度0.278質量%の溶液B(液体)を得た。そして、既述の図1〜図5に示されるナノ粒子製造用ノズル1を使用し、溶液Aを送液速度3.0kg/hで、溶液Bを送液速度1.0kg/hで供給し、併せて、0.1MPa加圧エア(加圧気体)を供給して、溶液A,Bの混合液体を液状微粒子として噴霧した。その後、115℃で乾燥させて、MANからなるマイクロ粒子の中で分散したECからなるナノ粒子(複合粉末)を得た。
得られた複合粉末を、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−2250N)を用いて観察し、マイクロ粒子及びナノ粒子の存在を確認した。具体的には、複合粉末を超純水に溶解させ、ECからなるナノ粒子のサスペンションとし、200nmのフィルタで濾過した後、そのフィルタを乾燥させ、カーボンコーター(サンユー電子株式会社製、Quick Carbon Coater SC−701C)を用いて、10nmの厚さの金コーティングを施して、それを走査型電子顕微鏡を用いて撮影した。撮影結果(写真)を、図12(倍率30000倍、ナノ粒子)、図20(倍率5000倍、マイクロ粒子)に示す。
又、動的光散乱光度計(大塚電子株式会社製、DLS−7000)を用いて、MANからなるマイクロ粒子、及びECからなるナノ粒子の、粒度分布、平均粒子径を測定した。具体的には、得られた複合粉末を超純水に溶解させ、ECからなるナノ粒子のサスペンションとし、動的光散乱光度計で測定した。粒子径はキュムラント法により測定した。He−Neレーザー出力は10mW、レーザー角度は90°とした。ナノ粒子の粒度分布を、図13に示す(図13において右縦軸は累積(cumulative)%を示す(以下、図15、図17、図19において同じ))。平均粒子径は、120.8nm、100nm以下の粒子の割合は57.7%であった。又、マイクロ粒子の粒度分布を、図21に示す。平均粒子径は、3.14μmであった。
(実施例2)既述の図1〜図5に示されるナノ粒子製造用ノズル1を基に、ミキシング管部材37をミキシング管部材137に交換したノズルを使用した。それ以外は、実施例1と同様にして、MANからなるマイクロ粒子の中で分散したECからなるナノ粒子(複合粉末)を得た。そして、得られた複合粉末を超純水に溶解させ、50nmのフィルタで濾過した以外は、実施例1と同様にして、走査型電子顕微鏡によって、マイクロ粒子及びナノ粒子の存在を確認した。撮影結果(写真)を、図14(倍率30000倍、ナノ粒子)、図22(倍率5000倍、マイクロ粒子)に示す。
又、実施例1と同様にして、MANからなるマイクロ粒子、及びECからなるナノ粒子の、粒度分布、平均粒子径を測定した。ナノ粒子の粒度分布を、図15に示す。平均粒子径は158.6nm、100nm以下の粒子の割合は19.2%であった。又、マイクロ粒子の粒度分布を、図23に示す。平均粒子径は、2.25μmであった。
(実施例3)既述の図1〜図5に示されるナノ粒子製造用ノズル1を基に、導入管部材36とミキシング管部材37との間にミキシング変更管部材38を設けたノズルを使用した。それ以外は、実施例1と同様にして、MANからなるマイクロ粒子の中で分散したECからなるナノ粒子(複合粉末)を得て、走査型電子顕微鏡によって、ナノ粒子の存在を確認した。撮影結果(写真)を、図16(倍率30000倍、ナノ粒子)、図24(倍率5000倍、マイクロ粒子)に示す。
又、実施例1と同様にして、MANからなるマイクロ粒子の粒度分布、平均粒子径、及びECからなるナノ粒子の粒度分布、平均粒子径を測定した。ナノ粒子の粒度分布を、図17に示す。平均粒子径は132.8nm、100nm以下の粒子の割合は50.0%であった。又、マイクロ粒子の粒度分布を、図25に示す。平均粒子径は、3.08μmであった。
(実施例4)既述の図1〜図5に示されるナノ粒子製造用ノズル1を基に、ミキシング管部材37をミキシング管部材137に交換するとともに、導入管部材36とミキシング管部材137との間にミキシング変更管部材38を設けたノズルを使用した。それ以外は、実施例1と同様にして、MANからなるマイクロ粒子の中で分散したECからなるナノ粒子(複合粉末)を得て、走査型電子顕微鏡によって、ナノ粒子の存在を確認した。撮影結果(写真)を、図18(倍率30000倍、ナノ粒子)、図26(倍率5000倍、マイクロ粒子)に示す。
又、実施例1と同様にして、MANからなるマイクロ粒子の粒度分布、平均粒子径、及びECからなるナノ粒子の粒度分布、平均粒子径を測定した。ナノ粒子の粒度分布を、図19に示す。平均粒子径は89.3nm、100nm以下の粒子の割合は80.8%であった。又、マイクロ粒子の粒度分布を、図27に示す。平均粒子径は、3.24μmであった。
(考察)実施例1〜4の結果より、本発明に係るナノ粒子製造用ノズルを用いることによって、ナノサイズの粒子を効率よく作製することに成功した。粒子径が100nm程度のナノ粒子、又は、粒子径が100nm未満の粒子を多く含むナノ粒子を、調製可能であることを確認することが出来た。ECからなるナノ粒子を含有した、MANからなるマイクロ粒子は、何れもが球形であり、平均粒子径が約3μmであった。
本発明に係るマイクロ粒子中に分散したナノ粒子の製造方法及びそれに用いるノズルは、ナノ粒子の医薬品を得る手段として、利用することが出来る。そして、本発明に係るマイクロ粒子中に分散したナノ粒子の製造方法、及びそれに用いるノズルによって得られるナノ粒子の医薬品により、革新的な薬物送達システム(Drug Delivery System)を構築することが可能となり、投薬量の減少、副作用の回避、利用可能な医薬品の拡大といった優れた効果を導く。
具体的には、ナノ粒子は、比表面積が著しく大きく、表面エネルギーも極めて大きいため、難水溶性の医薬品の溶解性を改善することが出来る。経口投与後では、ナノ粒子が消化管粘膜深部に滞留するため、吸収性の改善が期待出来る。又、蛍光物質を内包し、静脈注射することにより、腫瘍等のイメージングを実施することが出来るようになる。更に、遺伝子やペプチド、タンパク等、生体由来成分の送達キャリアーとしての応用も可能である。
又、本発明に係るマイクロ粒子中に分散したナノ粒子の製造方法及びそれに用いるノズルは、ナノ粒子を含む化粧品を得る手段として、利用することが出来る。
本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの一の実施形態を示す図であり、全体の断面図である。 本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの一の実施形態を示す図であり、噴霧口がある先端部分)を表した断面図である。 本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの一の実施形態を示す図であり、導入管部材とミキシング管部材を表した断面図である。 本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの一の実施形態を示す図であり、導入管部材とミキシング管部材を表した斜視図である。 本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの一の実施形態を示す図であり、ミキシング管部材を表した斜視図である。 本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの他の実施形態を示す図であり、導入管部材、ミキシング変更管部材及びミキシング管部材を表した断面図である。 本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの他の実施形態を示す図であり、導入管部材、ミキシング変更管部材及びミキシング管部材を表した斜視図である。 本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの他の実施形態を示す図であり、ミキシング変更管部材を表した斜視図である。 本発明に係るナノ粒子製造用ノズルの更に他の実施形態を示す図であり、ミキシング管部材を表した斜視図である。 本発明に係るナノ粒子製造装置の一の実施形態を示すフロー図である。 本発明に係るナノ粒子製造装置の他の実施形態を示すフロー図である。 実施例1の結果を示す、図面代替の写真である。 実施例1の結果を示す図であり、粒度分布を表すグラフである。 実施例2の結果を示す、図面代替の写真である。 実施例2の結果を示す図であり、粒度分布を表すグラフである。 実施例3の結果を示す、図面代替の写真である。 実施例3の結果を示す図であり、粒度分布を表すグラフである。 実施例4の結果を示す、図面代替の写真である。 実施例4の結果を示す図であり、粒度分布を表すグラフである。 実施例1の結果を示す、図面代替の写真である。 実施例1の結果を示す図であり、粒度分布を表すグラフである。 実施例2の結果を示す、図面代替の写真である。 実施例2の結果を示す図であり、粒度分布を表すグラフである。 実施例3の結果を示す、図面代替の写真である。 実施例3の結果を示す図であり、粒度分布を表すグラフである。 実施例4の結果を示す、図面代替の写真である。 実施例4の結果を示す図であり、粒度分布を表すグラフである。
符号の説明
1 ナノ粒子製造用ノズル
10 ノズル本体
11,12 液体導入口
13 加圧気体導入口
14 噴霧口
21,22 導入液体流路
23 加圧気体流路
24 噴霧液体流路
25 オリフィス
27a,27b,28a,28b,127a,127b 接続流路
31,32 導入管
34 噴霧管
35 オリフィス部材
36 導入管部材
37,137 ミキシング管部材
38 ミキシング変更管部材
41 ガスケット
100,120 ナノ粒子製造装置
101 バグフィルタ
102 排風機
111,112 貯槽
113,114 ポンプ
115 フィルタ
116,126 ヒータ
117 送風機
118 乾燥室
119 サイクロン
128 循環ブロワ
129 凝縮機

Claims (21)

  1. 良水溶性溶質を水に溶解した液体と、難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とを、それぞれ別の流路を経て、噴霧直前に混合をした後に、加圧気体によって、液状微粒子の状態で噴霧し、前記水と良水混和性溶媒とを気化し除去して、前記良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で分散した前記難水溶性溶質からなるナノ粒子を得るナノ粒子の製造方法。
  2. 前記難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体が、難水溶性溶質が異なる複数の液体で構成され、3以上の液体を別の流路を経て噴霧直前に前記混合をして、良水溶性溶質からなるマイクロ粒子の中で分散した2種以上の難水溶性溶質からなるナノ粒子を得る請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。
  3. 前記ナノ粒子は、その粒子径が100nm以下のものが50%以上を占める請求項1又は2に記載のナノ粒子の製造方法。
  4. 前記混合をするまでの前記良水溶性溶質を水に溶解した液体の流速が、前記混合をするまでの前記難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体の流速に比して、相対的に大きい請求項1〜3の何れか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
  5. 前記良水溶性溶質を水に溶解した液体が、前記難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体の流路に対して、旋回するように流入して前記混合をする請求項1〜4の何れか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
  6. 前記難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体が、前記良水溶性溶質を水に溶解した液体の流路に対して、旋回するように流入して前記混合をする請求項1〜5の何れか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
  7. 前記良水溶性溶質を水に溶解した液体と、前記難水溶性溶質を良水混和性溶媒に溶解した液体とが、対向衝突をして前記混合をする請求項1〜4の何れか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
  8. 前記良水溶性溶質が、薬効成分又は医薬品添加物である請求項1〜7の何れか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
  9. 前記難水溶性溶質が、薬効成分又は医薬品添加物である請求項1〜8の何れか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
  10. 2以上の液体導入口、加圧気体導入口、及び噴霧口を備えたノズル本体と、
    そのノズル本体の中で前記2以上の液体導入口にそれぞれ通じて設けられる2以上の導入液体流路と、
    前記ノズル本体の中で前記噴霧口に通じて設けられる1の噴霧液体流路と、を備え、
    前記噴霧口の上流側において、前記2以上の導入液体流路が、前記1の噴霧液体流路に接続をされてなるとともに、
    前記2以上の導入液体流路の全てが、前記1の噴霧液体流路に、当該噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路で前記接続をされてなるナノ粒子製造用ノズル。
  11. 2以上の液体導入口、加圧気体導入口、及び噴霧口を備えたノズル本体と、
    そのノズル本体の中で前記2以上の液体導入口にそれぞれ通じて設けられる2以上の導入液体流路と、
    前記ノズル本体の中で前記噴霧口に通じて設けられる1の噴霧液体流路と、を備え、
    前記噴霧口の上流側において、前記2以上の導入液体流路が、前記1の噴霧液体流路に接続をされてなるとともに、
    前記2以上の導入液体流路のうちの一の導入液体流路が、前記1の噴霧液体流路に、当該噴霧液体流路と同等の大きさの流路で前記接続をされ、
    前記2以上の導入液体流路のうちの他の導入液体流路が、前記1の噴霧液体流路に、当該噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路で前記接続をされてなるナノ粒子製造用ノズル。
  12. 前記導入液体流路と前記噴霧液体流路とを、当該噴霧液体流路と同等の大きさの流路で前記接続をする部分が、ミキシング変更管部材として構成され、そのミキシング変更管部材が着脱可能なものである請求項11に記載のナノ粒子製造用ノズル。
  13. 前記2以上の導入液体流路及び前記1の噴霧液体流路が平行に設けられ、それらの前記接続をする流路が、前記2以上の導入液体流路及び前記1の噴霧液体流路の方向に対して垂直な方向に設けられる請求項10〜12の何れか一項に記載のナノ粒子製造用ノズル。
  14. 前記2以上の導入液体流路及び前記1の噴霧液体流路は、断面が円形の管で形成され、
    前記接続をするための前記噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路は、前記管の中心軸を結ぶ直線上に設けられる請求項10〜13の何れか一項に記載のナノ粒子製造用ノズル。
  15. 前記2以上の導入液体流路及び前記1の噴霧液体流路は、断面が円形の管で形成され、
    前記接続をするための前記噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路は、前記導入液体流路及び前記噴霧液体流路を構成する2つの管の断面を表す2つの円形の接線上に設けられる請求項10〜13の何れか一項に記載のナノ粒子製造用ノズル。
  16. 前記導入液体流路の数が2であり、
    前記接続をするための前記噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路のうち一の流路は、前記導入液体流路及び前記噴霧液体流路を構成する2つの管の断面を表す2つの円形を結ぶ接線のうちの一の接線上に設けられ、
    前記接続をするための前記噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路のうち他の流路は、前記導入液体流路及び前記噴霧液体流路を構成する2つの管の断面を表す2つの円形を結ぶ接線のうちの前記一の接線とは対称的な位置の接線上に設けられる請求項15に記載のナノ粒子製造用ノズル。
  17. 当該噴霧液体流路に比して相対的に小さな流路で、前記導入液体流路と前記噴霧液体流路とを前記接続をする部分が、ミキシング管部材として構成され、そのミキシング管部材が着脱可能なものである請求項10〜16の何れか一項に記載のナノ粒子製造用ノズル。
  18. 請求項10〜17の何れか一項に記載のナノ粒子製造用ノズルと、そのナノ粒子製造用ノズルの前記導入液体流路を流れる液体を加熱する加熱手段と、前記ナノ粒子製造用ノズルから液状微粒子の状態で噴霧される液体を乾燥する乾燥手段と、を具備するナノ粒子製造装置。
  19. 請求項1〜9の何れか一項に記載のナノ粒子の製造方法により、請求項10〜17の何れか一項に記載のナノ粒子製造用ノズルを使用して、製造された複合粉末であり、
    粒子径が100nm未満の難水溶性成分からなるナノ粒子が、良水溶性成分からなるマイクロ粒子の中で分散して含まれる複合粉末。
  20. 前記マイクロ粒子である良水溶性成分が、薬効成分又は医薬品添加物で構成され、前記ナノ粒子である難水溶性成分が、薬効成分又は医薬品添加物で構成される請求項19に記載の複合粉末。
  21. 前記ナノ粒子である難水溶性成分が、2種以上の薬効成分又は医薬品添加物で構成される請求項19又は20に記載の複合粉末。
JP2007290416A 2007-11-08 2007-11-08 マイクロ粒子中に分散したナノ粒子の製造方法及びナノ粒子製造用ノズル Active JP4787807B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007290416A JP4787807B2 (ja) 2007-11-08 2007-11-08 マイクロ粒子中に分散したナノ粒子の製造方法及びナノ粒子製造用ノズル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007290416A JP4787807B2 (ja) 2007-11-08 2007-11-08 マイクロ粒子中に分散したナノ粒子の製造方法及びナノ粒子製造用ノズル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009113169A JP2009113169A (ja) 2009-05-28
JP4787807B2 true JP4787807B2 (ja) 2011-10-05

Family

ID=40780877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007290416A Active JP4787807B2 (ja) 2007-11-08 2007-11-08 マイクロ粒子中に分散したナノ粒子の製造方法及びナノ粒子製造用ノズル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4787807B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6801646B2 (ja) * 2015-04-14 2020-12-16 日産化学株式会社 ナノ機能性粒子
PT108885B (pt) * 2015-10-12 2019-02-13 Hovione Farm S A Método de produção de partículas compósitas inaláveis mediante a utilização de um atomizador de três fluidos
JP2020117440A (ja) * 2017-05-19 2020-08-06 日産化学株式会社 親水性物質を含むナノ機能性粒子及びその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0195256U (ja) * 1987-12-18 1989-06-23
US6187214B1 (en) * 1996-05-13 2001-02-13 Universidad De Seville Method and device for production of components for microfabrication
JP2004292398A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Fujisaki Denki Kk 複合微細粉末の製造方法と製造装置
JP2004323444A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Hamamatsu Kagaku Gijutsu Kenkyu Shinkokai 凍結乾燥微粒子製剤およびその製法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009113169A (ja) 2009-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhang et al. Nanosuspension drug delivery system: preparation, characterization, postproduction processing, dosage form, and application
JP6025706B2 (ja) 微小粒子またはナノ粒子を生成する方法および装置
Patravale et al. Nanosuspensions: a promising drug delivery strategy
Pu et al. Formulation of nanosuspensions as a new approach for the delivery of poorly soluble drugs
US20040220081A1 (en) Nanoparticulate bioactive agents
Kaialy et al. Recent advances in the engineering of nanosized active pharmaceutical ingredients: promises and challenges
JP4644397B2 (ja) 難溶性薬物を含む医薬用固形製剤の製造方法
Kankala et al. Supercritical fluid (SCF)-assisted fabrication of carrier-free drugs: an eco-friendly welcome to active pharmaceutical ingredients (APIs)
Kumar et al. Novel approaches for enhancement of drug bioavailability
CN101102740A (zh) 药用组合物以及其制备方法
Chaturvedi et al. Solubility enhancement of poorly water soluble drugs by solid dispersion
JP4787807B2 (ja) マイクロ粒子中に分散したナノ粒子の製造方法及びナノ粒子製造用ノズル
Aggarwal et al. Solid dispersion as an eminent strategic approach in solubility enhancement of poorly soluble drugs
Pathak et al. Supercritical fluid technology for enhanced drug delivery
Mizoe et al. One-step preparation of drug-containing microparticles to enhance the dissolution and absorption of poorly water-soluble drugs using a 4-fluid nozzle spray drier
Chauhan et al. Micronization of BCS Class–II Drugs by Various Approaches for Solubility Enhancement–A Review
KR101342119B1 (ko) 디올 화합물을 이용한 나노수준의 활성물질 입자 제조 방법
JP2004262810A (ja) 薬物含有複合粒子の製造方法および経肺製剤
Arpargaus et al. Enhanced solubility of poorly soluble drugs via spray drying
JP4961213B2 (ja) マイクロ粒子の製造方法
Jayalakshmy et al. Nano-suspensions: a method for solubility enhancement
Godge et al. Nanosuspension Technology for Delivery of Poorly Soluble Drugs and Its Applications: A Review
JP2004292398A (ja) 複合微細粉末の製造方法と製造装置
JP4475891B2 (ja) 経肺製剤の製造方法
EP4162930A1 (en) Preparation of drug-loaded micro- and nanoparticles by jet impingement

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4787807

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250