JP2004323444A - 凍結乾燥微粒子製剤およびその製法 - Google Patents

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尚 園部
Yasuo Nozawa
靖夫 野澤
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Abstract

【課題】再水和した際に凝集することなく、水難溶性薬物が脂質混合物で被覆された微細粒子が分散している微粒子懸濁液を容易に得ることができる凍結乾燥微粒子製剤およびその調製法を提供することを目的とする。
【解決手段】脂質とイオン性化合物とを含有する脂質混合物で被覆された水難溶性薬物の凍結乾燥微粒子製剤であって、スクロース、トレハロースおよびキシリトールからなる群より選択される少なくとも1種の糖を含有し、再水和した際に凍結乾燥前の粒子径が再現されることを特徴とする製剤およびその調製法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水難溶性薬物が脂質混合物で被覆された微細粒子が分散している微粒子懸濁液を水和によって容易に得ることができる、溶解性に優れた凍結乾燥微粒子製剤、およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水難溶性薬物を体内に送達するためには、薬物の水への溶解性を改善させる必要がある。従来、これらの溶解性改善方法のひとつとして、粒子表面積の増大に伴う薬物溶解性の促進を期待した薬物粒子の微細化が行なわれている。薬物粒子の微細化においては、湿式状態では懸濁液として機械的方法を併用することにより60〜400nm程度の微粒子化が可能である。
【0003】
しかしながら、平均粒子径を100nm以下で安定に維持することは課題とされている(たとえば、非特許文献2参照)。たとえば、発明者らの実験によれば、平均粒子径60nmの懸濁液では、48時間、室温で静置しただけで、粒子凝集をおこし白濁することが確認されている。また、粒子は、微細化するほどエネルギー的に不安定になり、安定な状態を確保するために凝集する傾向が強くなることは一般的に知られていることである。
【0004】
このような微粒子を長期保存するために、脂質によって被覆された薬物をホモジナイザー、ナノマイザーなどで微細化して、さらに凍結乾燥して保存することが試みられているが、その凍結乾燥された微細化薬物を蒸留水などによって水和した場合に、薬物粒子が凝集してしまい、均一で微粒子懸濁液(透明液)を得ることができず、そのため薬物の溶解性が悪化するという問題が生じていた。
【0005】
一方、凍結乾燥を行なう際、食品の冷凍にはあらかじめ種々の糖類を添加することが知られている。また、リポソームの凍結乾燥には固有の糖類添加が実施された(たとえば、特許文献1参照)。これは、凍結乾燥・解凍操作中に引き起こされる、浸透圧の変化に起因する組織の変性や構造の変化を、糖類が抑制する性質を有すると考えられているからである。
【0006】
しかしながら、リポソームなどと異なり、液相をその中に包含しない脂質によって被覆された難水溶性薬物を凍結乾燥する際に糖を用いることについては、これまでまったく報告されていない。
【0007】
【特許文献1】
特表2001−519776号公報
【非特許文献1】
ジャコブス シー(Jacobs, C.)ら、インターナショナル ジャーナル ファーマシューティクス(International Journal Pharmaceutics)、2000年、196巻、p.161〜164
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術に鑑み、本発明は、再水和した際に凝集することなく、水難溶性薬物が脂質で被覆された微細粒子が分散している微粒子懸濁液を、容易に得ることができる凍結乾燥微粒子製剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
水難溶性薬物が脂質で被覆された微細粒子が分散している微粒子懸濁液を凍結乾燥する際、特定の糖を添加することにより、再水和した際の凝集がほとんどなくなり、凍結乾燥前の粒子径を再現することができることを見出し、本願発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、脂質とイオン性化合物とを含有する脂質混合物で被覆された水難溶性薬物の凍結乾燥微粒子製剤であって、スクロース、トレハロースおよびキシリトールからなる群より選択される少なくとも1種の糖を含有し、再水和した際に凍結乾燥前の粒子径が再現されることを特徴とする製剤に関する。
【0011】
前記製剤において、脂質が大豆水添レシチンであることが好ましい。
【0012】
前記製剤において、イオン性化合物がジアルキロイルホスファチジルグリセロールであることが好ましい。
【0013】
本発明はまた、(a)脂質とイオン性化合物とを含有する脂質混合物で水難溶性薬物を被覆する工程、
(b)(a)で被覆された水難溶性薬物を精製水中で、ホモジナイザーにより粗分散し、ついで、超高圧乳化分散機(ナノマイザー)で分散することにより微粒子懸濁液を調製する工程、
(c)スクロース、トレハロースおよびキシリトールからなる群より選択される少なくとも1種の糖を添加する工程、および
(d)微粒子懸濁液を凍結乾燥して凍結微粒子製剤を得る工程
からなる凍結乾燥微粒子製剤の製法に関する。
【0014】
前記製法において、脂質が大豆水添レシチンであることが好ましい。
【0015】
前記製法において、イオン性化合物がジアルキロイルホスファチジルグリセロールであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の微粒子懸濁液とは、水中に固体状の微粒子が分散している状態の液体を意味し、100nm以上のリポソームおよび液状の油類が分散したO/W型エマルジョンは含まれない。
【0017】
本発明の微粒子懸濁液中の微粒子の粒子径は、特に限定されるものではないが、微粒子の組織吸収性の向上と薬物の溶解性促進を図る点から、粒子径はできるだけ小さい方が好ましく、100nm以下が好ましく、60nm以下がより好ましい。さらに、注射液として使用する場合は、血管への影響の点から、50nm以下の粒子径が特に好ましい。
【0018】
本発明における薬物は、水難溶性のものであれば、特に限定されることなく使用することができる。具体例としては、グリセオフルビン(GF)、ニフェジピン、ニカルジピンなど水への溶解度が20mg/1000ml以下の水難溶性薬物が好ましい。
【0019】
本発明における脂質としては、HLBが1〜5の範囲内のものであれば、特に制限されることなく使用することができる。具体例としては、たとえば、大豆水添レシチン;卵黄レシチン;ジミリストイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリンおよびパルミトイル・オレオイルホスファチジルコリンなどのジアルキロイルホスファチジルコリン;ならびにリゾレシチンなどがあげられ、微細粒子の安定性と調製の容易さの点から、大豆水添レシチンが好ましい。また、本発明の脂質は、これらを単独で使用しても2種以上を組合わせて使用してもよい。
【0020】
本発明におけるイオン性化合物としては、分子内に正または負のイオン基を有する脂質であれば、特に制限されることなく使用することができる。具体例としては、ジセチルホスフェート;ジミリストイルホスファチジン酸、ジステアロイルホスファチジン酸およびジパルミトイルホスファチジン酸などのジアルキロイルホスファチジン酸;ならびにジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロールおよびジパルミトイルホスファチジルグリセロールなどのジアルキロイルホスファチジルグリセロールなどがあげられ、微細粒子径の調製を容易にする点から、ジアルキロイルホスファチジルグリセロールが好ましい。また、本発明のイオン性化合物は、これらを単独で使用しても、2種以上を組合わせて使用してもよい。
【0021】
本発明の脂質混合物は、前記脂質とイオン性化合物とを混合したものを意味し、その混合比は、イオン性化合物に対して脂質がモル比で10以下であることが好ましく、モル比が5付近であることがより好ましい。イオン性化合物に対する脂質の混合比が、モル比で10より大きいと粒子径が増大する傾向がある。
【0022】
本発明の糖としては、スクロース、トレハロースおよびキシリトールの1種またはこれらの混合物が使用できるが、単独使用の場合、糖濃度と粒子径の点から微粒子の調製にはスクロースまたはトレハロースがより好ましい。
【0023】
本発明の凍結乾燥微粒子製剤において、糖の含有量は、当業者が適宜設定することができるが、好適な範囲は糖の種類によって異なり、微粒子懸濁液に対して、スクロースおよびトレハロースでは、好ましくは3〜10重量%、より好ましくは3〜5重量%となるよう添加することが望ましく、キシリトールでは、好ましくは5〜10重量%、より好ましくは5重量%となるよう添加することが望ましい。
【0024】
本明細書において、「再水和した際に凍結乾燥前の粒子径が再現される」とは、再水和後の平均粒子径が、凍結乾燥前の平均粒子径の約±30%の範囲内であることを意味する。
【0025】
本発明の凍結乾燥微粒子製剤は、たとえば、
(a)脂質とイオン性化合物とを含有する脂質混合物で水難溶性薬物を被覆する工程、
(b)(a)で被覆された水難溶性薬物を精製水中で、ホモジナイザーにより粗分散し、ついで、超高圧乳化分散機(ナノマイザー)で分散することにより微粒子懸濁液を調製する工程、
(c)スクロース、トレハロースおよびキシリトールからなる群より選択される少なくとも1種の糖を添加する工程、および
(d)微粒子懸濁液を凍結乾燥して凍結微粒子製剤を得る工程
からなる方法により調製することができる。
【0026】
さらに詳しくは、たとえば、工程(a)は、脂質およびイオン性化合物を非極性溶媒に溶解させ混合し、溶媒を除去して脂質混合物を調製し、得られた脂質混合物に水難溶性薬物を混合し、再度非極性溶媒に溶解し、溶媒を除去し、乾燥させることにより実施することができる。工程(b)で使用する超高圧乳化分散機(ナノマイザー)は、無溶剤系でのリポソームの調製に最初に適用されたが(Bachmenn et al., Int. J. Pharm., 91, 69−74, 1993)、最大9.5気圧の圧搾空気により駆動するプランジャーポンプによって粗分散した混合液をナノマイザーに導入し、インタラクション チャンバー内で、二分した液流を高速で衝突させて懸濁液成分の破壊を行なうことができる。
【0027】
また、超高圧乳化分散機処理は回分式で行ない、処理の程度は懸濁液の装置通過回数を目安として判断することができる。たとえば、GFを含む脂質混合物(大豆水添レシチン:ジセチルホスフェート=5:1(モル比))を100μm以下に粗分散し、さらに超高圧乳化分散機処理を行なった際の、通過回数による懸濁平均粒子径と多分散指数の変化を図1に示す。懸濁液の粒子径は通過回数とともに小さくなり、20回の通過処理で約60nmの平均粒子径を示した。多分散指数は通過回数とともに低下し、10回の処理でほぼ1に近い値を示した。これは10回までの処理で大粒子が優先的に粉砕されて単分散分布に近づき、以後はそれを維持しながら粒子径の全体的な低下が引き続いたと考えられる。
【0028】
水難溶性薬物が脂質混合物により被覆されている場合、親水性の微粒子表面にイオン性基が存在すると、粒子表面にはζ電位が生ずる。したがって、脂質混合物による水難溶性薬物の被覆状態は、表面電位(ζ−電位)を測定することにより定性的に評価することができる。表面電位の測定は、電気泳動光散乱光度計(ELS−800、大塚電子株式会社製)により室温にて実施することができる。
【0029】
工程(c)は、工程(b)で得られた微粒子懸濁液に工程(d)の前に実施されることが好ましい。
【0030】
工程(d)の凍結乾燥処理は、定法により市販の凍結乾燥機などを用いて行なうことができる。たとえば、懸濁液をあらかじめ−30℃以下の冷凍庫に10時間以上静置して凍結し、これを凍結乾燥機により24時間連続して凍結乾燥を実施することができる。
【0031】
つぎに本発明の凍結乾燥微粒子製剤について、製造例、実施例および比較例をあげて説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0032】
【実施例】
製造例1 微粒子懸濁液の製造
大豆水添レシチン(HSPC、日本油脂株式会社製):ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG、日本油脂株式会社製)=5:1(モル比)をエタノールに溶解し、溶媒を除去して脂質混合物を調製した。得られた脂質混合物1gに2wt%のグリセオフルビン(GF、日本化薬株式会社製)を添加してエタノール中に溶解し、溶媒を除去し、乾燥したのち200mlの精製水を添加し、ホモジナイザー(T.K.ホモミキサー、特殊機化工業株式会社製)10,000rpmで15分間粗分散した。得られた粗分散液を超高圧乳化分散機(ナノマイザー、特殊機化工業株式会社製)に20回通過させた。超高圧乳化分散機処理は回分式で行なった。懸濁液粒子径、多分散指数および表面電位(ζ−電位)を、電気泳動光散乱光度計(ELS−800、大塚電子株式会社製)により室温にて測定したところ、平均粒子径は50nmで表面電位は−40mVであった。
【0033】
実施例1
製造例1で得られた微粒子懸濁液1mlにスクロースを5重量%となるように添加した。懸濁液をあらかじめ−30℃以下の冷凍庫に10時間以上静置して凍結し、これを定法により凍結乾燥機(NEOCOOL、ヤマト科学株式会社製)を用いて凍結乾燥し、凍結乾燥微粒子製剤を得た。該製剤55mgに精製水10mlを添加し、手で軽く振って溶解させた。再水和後の粒子径は、電気泳動光散乱光度計(ELS−800、大塚電子株式会社製)により測定したところ50nmであった。
【0034】
実施例2
スクロースの代わりにトレハロースを使用した以外は、実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は50nmであった。
【0035】
実施例3
スクロースの代わりにキシリトールを使用した以外は、実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は50nmであった。
【0036】
比較例1
糖を添加しない以外は実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は5000nmであった。
【0037】
比較例2
スクロースの代わりにエリスリトールを使用した以外は実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は6000nmであった。
【0038】
比較例3
スクロースの代わりにマンニトールを使用した以外は実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は5000nmであった。
【0039】
比較例4
スクロースの代わりにグルコースを使用した以外は実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は7000nmであった。
【0040】
比較例5
スクロースの代わりにキシロースを使用した以外は実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は6000nmであった。
【0041】
比較例6
スクロースの代わりにソルビトールを使用した以外は実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は7000nmであった。
【0042】
比較例7
スクロースの代わりにラクトースを使用した以外は実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は5000nmであった。
【0043】
実施例1〜3および比較例1〜7の結果を図2に示す。図2より、スクロース、トレハロースおよびキシリトールといった特定の糖を添加して作製した凍結乾燥微粒子製剤では、再水和した際に、凍結乾燥前の微粒子の平均粒子径が再現されたが、そのほかの糖類を添加しても効果は得られず、再水和後の平均粒子径は凝集により100倍以上に増加した。
【0044】
製造例2 微粒子懸濁液の製造
大豆水添レシチン(HSPC、日本油脂株式会社製):ジセチルホスフェート(DCP、和光純薬株式会社製)=5:1(モル比)をエタノールに溶解し、溶媒を除去して脂質混合物を調製した。得られた脂質混合物1gに2wt%のグリセオフルビン(GF、日本化薬株式会社製)を添加してエタノール中に溶解し、溶媒を除去し、乾燥したのち200mlの精製水を添加し、ホモジナイザー(T.K.ホモミキサー、特殊機化工業株式会社製)10,000rpmで15分間粗分散した。得られた粗分散液を超高圧乳化分散機(ナノマイザー、特殊機化工業株式会社製)に20回通過させた。超高圧乳化分散機処理は回分式で行なった。懸濁液粒子径、多分散指数および表面電位(ζ−電位)を、電気泳動光散乱光度計(ELS−800、大塚電子株式会社製)により室温にて測定したところ、平均粒子径は60nmで表面電位は−40mVであった。
【0045】
実施例4
製造例2で得られた微粒子懸濁液に、スクロースを濃度がそれぞれ3、4および5重量%となるように添加し、凍結乾燥を行なった以外は、実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は、それぞれ60nm、60nmおよび50nmであった。
【0046】
実施例5
製造例2で得られた微粒子懸濁液に、トレハロースを濃度がそれぞれ3、4および5重量%となるように添加し、凍結乾燥を行なった以外は、実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は、それぞれ70nm、50nmおよび60nmであった。
【0047】
実施例6
製造例2で得られた微粒子懸濁液に、キシリトールを濃度が5重量%となるように添加し、凍結乾燥を行なった以外は、実施例1と同様にして凍結乾燥微粒子製剤を製造した。再水和後の平均粒子径は、60nmであった。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、極めて微細な粒子状の薬剤が長期保存可能であり、これを再水和した場合に、凍結乾燥前の平均粒子径を再現した微粒子懸濁液を得ることができるという作用効果を有する。これにより、この製剤は薬物の溶解促進と、広く注射剤などへの展開が期待できる。
【0049】
また、本発明の凍結乾燥微粒子製剤の調製法によれば、前記の優れた特性を有する凍結乾燥微粒子製剤を容易に調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】懸濁液の超高圧乳化分散機通過回数と平均粒子径との関係を示す。
【図2】各種糖類を用いた凍結乾燥微粒子製剤の再水和後の平均粒子径を示す。

Claims (6)

  1. 脂質とイオン性化合物とを含有する脂質混合物で被覆された水難溶性薬物の凍結乾燥微粒子製剤であって、スクロース、トレハロースおよびキシリトールからなる群より選択される少なくとも1種の糖を含有し、再水和した際に凍結乾燥前の粒子径が再現されることを特徴とする製剤。
  2. 脂質が大豆水添レシチンである請求項1記載の製剤。
  3. イオン性化合物がジアルキロイルホスファチジルグリセロールである請求項1記載の製剤。
  4. (a)脂質とイオン性化合物とを含有する脂質混合物で水難溶性薬物を被覆する工程、
    (b)(a)で被覆された水難溶性薬物を精製水中で、ホモジナイザーにより粗分散し、ついで、超高圧乳化分散機(ナノマイザー)で分散することにより微粒子懸濁液を調製する工程、
    (c)スクロース、トレハロースおよびキシリトールからなる群より選択される少なくとも1種の糖を添加する工程、および
    (d)微粒子懸濁液を凍結乾燥して凍結微粒子製剤を得る工程
    からなる凍結乾燥微粒子製剤の製法。
  5. 脂質が大豆水添レシチンである請求項4記載の製法。
  6. イオン性化合物がジアルキロイルホスファチジルグリセロールである請求項4記載の製法。
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