JP4787679B2 - 化合物の結晶化過程のモニター方法および結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化合物の結晶化過程、特に結晶成長過程を経時的にモニターする方法、および当該モニター方法を利用することを特徴とする結晶の製造方法に関する。
医薬品原体等の化合物の製造において晶出によって化合物を精製する際には、得られる結晶のろ過のし易さや取扱いを考慮して、製造に適した粒度(粒子径分布)を有する結晶を晶出させる必要がある。また、医薬品においては結晶の粒度が体内動態や薬効にも影響するため粉砕によって粒度を調整する場合が多いが、粉砕効率を向上させるためにも晶出によって得られる結晶の粒度を制御することが重要である。
一方、医薬品において原体化合物が結晶多形を示す場合、結晶形によって吸収性などの体内動態や薬効が大きく影響される場合が多々ある。したがって、医薬品製造においては、原体合成から製剤化に至るまで結晶形を厳格に管理する必要があり、なかでも所望の結晶形を安定的に晶析させる技術の確立が重要である。
従来、結晶の晶出過程においては、使用溶媒の種類を変えると同時に、温度変化や溶媒のpHを制御することにより、晶出される結晶の粒度や結晶形の調整を行っている。また、晶出させる結晶の粒子径の調整については、比較的高温で晶出させてその温度である程度の時間保つとか、ある温度条件下でゆっくり晶出させることによって結晶を成長させ、十分時間を置いてから、貧溶媒を滴下する等の手段で晶出させる場合もある。しかしながら、このような従来の結晶の粒子径または結晶形の調整は、科学的に証明された事実に裏付けされた条件設定ではなく、経験的な手法に頼っており、最適条件を設定できているとは言い難い。
晶出の際の粒度または結晶形を制御するためには、結晶が成長する機構を詳細に把握する必要があり、特に結晶の粒度は結晶核形成およびそれに続く結晶成長が深く関与し、また結晶形は、結晶化過程における分子の置かれた周囲の環境(水や有機溶媒に溶存している状態や、温度や湿度の状態)が関与しているため、結晶核形成および結晶成長に関する知見、特にその分子構造レベルの解析ができれば、経験的な手法に頼ることなく、適した粒度や結晶形の結晶を得るための最適な晶出条件を得ることができると考えられる。
また、このような結晶核形成または結晶成長をモニターしながら、それを解析することにより結晶粒度や結晶形を逐次的に把握することができれば、経験に頼ることなく確実に所望の粒度や結晶形の結晶を取得することができるが、現在のところそのような方法が報告された例はない。
従来、結晶形の確認法あるいは結晶の解析方法として主に、固体NMR、粉末X線回折、熱分析、近赤外分光、赤外分光、ラマン分光測定が行なわれており、これらの手法は、結晶形の存在の有無や結晶化の程度および結晶多形を測定する目的で汎用されている。
例えばReneらの文献(非特許文献1)にはCarbamazepineの結晶多形につき、粉末X線回折を使用した結晶解析技術が開示されている。また、戸塚らの報告(非特許文献2)には、測定試料にSalicylamideを用いた、DSC熱分析法による結晶や無晶形の状態解析技術が開示されているが、得られた結晶形を解析するものであり、結晶成長過程を捉えたものではない。また、これら結晶解析にX線を照射した際に得られる散乱X線を検出する粉末X線回折や、試料を加熱した際の熱量変化を測定する熱分析は、分子全体の動的変化を捉える測定法であり、分子構造に関する知見は得られ難い。
また例えば、Brittainの文献(非特許文献3)には、赤外(Infrared spectrum、以下、IRともいう。)分光法を用いた結晶多形や溶媒和物の測定手法が開示されているが、これも結晶成長過程を捉えたものではない。分光法による測定においては、赤外線やラマン光を試料に照射した際に吸収される度合いを各波数について測定する方法であり、化学構造や結晶形の程度や違いをある程度検出する能力を有した方法であるが、結晶状態で存在する分子を部分構造レベルで明確に議論するのは難しい。
結晶核形成および結晶成長に関して、例えば大塚らの文献(非特許文献4)には、粉末X線回折を用いたIndomethacinの無晶化状態からの結晶化に関する速度論的研究が開示されているが、結晶核形成と結晶成長を区別して解析したものではない。
また、Martiniらの文献(非特許文献5)においては、乳脂肪とひまわり油のブレンド油の結晶成長過程を粉末X線回析像、示差走査熱量測定(DSC)または顕微鏡でモニタリングしているが、結晶化に影響を及ぼす分子構造、外的要因に関する記載もない。
また、非特許文献6には、固体NMRを用いたセラトロダストの結晶核形成段階および結晶成長段階をモニターしていることが記載されている。しかしながら、この方法では、一回の測定に長時間(40分程度)を要しているため、結晶化の状態を瞬時に把握することは困難である。また、溶融状態または無晶化状態からの結晶化過程の解析に限定されるため、溶液からの結晶化がほとんどである工業的生産への応用が困難である。
一方、最近に至って、近赤外(Near InfraRed spectrum、以下、NIRともいう)スペクトルを用いて結晶を解析する方法が種々報告されている。NIRスペクトルは一回の測定時間が短く(数秒〜数十秒)、簡便に測定することができる。また、中赤外領域を対象とする従来のIRスペクトルと比較して、C−H、O−H、N−H等といった片方の原子が大きい原子間の伸縮振動に対し強い吸収を示すことから、化合物中の各官能基の部位における分子状態の違いを捉えることがより容易である。
NIRスペクトルに関する文献として非特許文献7に、NIRスペクトルを用いて、テオフィリン1水和物からテオフィリン無水物(2つの結晶多形)への変化過程における水分量の変化を推測していることが記載されている。非特許文献8および非特許文献9には、2種の結晶が混在した化合物について、NIRスペクトルを用いて定性・定量分析を行うことにより、目的とする結晶の存在比率について測定していることが記載されている。非特許文献10には、2種の結晶が混在した化合物について、NIRスペクトルを用いてそれぞれ異なる吸収部位を選択し、結晶の転移について解析していることが記載されている。
また、特許文献1には透明または半透明な流体媒質に光源(890nmの波長の単色赤外光)を導入し、散乱光の強度および強度変化をモニターすることにより、結晶化の開始が検出できること、及びこのプロセスの変化を手動または自動で行うことにより、最適時間に所望の粒径の結晶を製造できる方法が記載されている。
特許文献2には粒度測定装置を用いて、塩の粒度測定赤外線(波長帯域が1680±100nm、2310±100nmの近赤外線)の反射光量と、あらかじめ設定された検量線の情報に基づいて粒度演算を行うことが記載されている。また、測定した粒度を操作条件にフィードバックさせて、塩の粒形を制御することが記載されている。
特許文献3には近赤外分光分析によるヨウ素化X線造影剤(イオヘキソール、イオペントール、イオジキサノール、イオベルソール、イオパミドール、イオキサグレート、メトリゾエート、メトリゾアミド)の結晶化のモニターについて記載されている。
特許文献4にはスラリー状態の非晶質シリカ粒子に近赤外線を照射して、その散乱光量を検出・測定し、結晶化の進行の度合いを測定する、結晶性シリカ粒子の製造方法について記載されている。
特許文献5には近赤外スペクトルを用いて、有機化合物の結晶多形の変化をin-situで測定する方法について記載されている。
特開昭62−213803号公開明細書 特開平6−288892号公開明細書 特表2001−508766号公表明細書 特開2003−34520号公開明細書 WO02/065104号公開パンフレット J. Pharm. Sci., 86(9), 1062-1065(1997) 熱測定, 31(2), 74-79(2004) J. Pharm. Sci., 86(4), 405-412(1997) Chem. Pharm. Bull.,36(10), 4026-4032(1988) J. Agric. Food. Chem.,49, 3223-3229(2001) 日本薬学会2005年会講演要旨集2、p.23 International Journal of Pharmaceutics 276 (2004) 129-141 International Journal of Pharmaceutics 273 (2004) 159-169 Analyst June 1997, 122 549-552 Pharmaceutical Research 21, May 2004 860-866
本発明の目的は、結晶化過程、特に結晶成長過程を経時的にモニターする方法、および、当該モニター方法によって結晶の状態(粒度、結晶形等)を逐次的に把握することによって所望の粒度または結晶形を有する結晶を製造する方法を提供し、合わせて、当該方法によって得られる知見をもとに、化合物の結晶化条件の設定方法を提供することである。
本発明者等は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った。その結果、NIRスペクトルを利用することによって結晶化する過程を経時的にモニターし、化合物の分子構造を構成する官能基や芳香環といった部位毎に由来する吸光度の経時的変化を追跡し詳細に解析することにより、結晶成長過程を数秒〜数十秒という短い間隔でリアルタイムに把握することができることを見出した。
さらに詳細に検討を重ねた結果、溶液中で晶出する結晶をNIRスペクトルでリアルタイムにモニターし、NIRの吸収とその際に得られる結晶粒子径との間に相関性があることを見出した。すなわち、NIRスペクトルで化合物の結晶化過程をモニターすることにより、粒度や結晶形などの結晶の特性を数秒〜数十秒という短い間隔でリアルタイムに把握でき、所望の結晶の状態を確認して結晶を取り出すことにより所望の結晶を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
〔1〕化合物の結晶化過程における近赤外(NIR)スペクトルの吸光度の経時的変化を追跡し、吸光度変化の速度定数を解析することによりその粒度または結晶形をモニターし、所望の粒度または結晶形に達したことを確認後、結晶化を止めて、結晶を取得することを特徴とする化合物の結晶の製造方法。
〔2〕結晶化過程が、結晶成長過程である、〔1〕記載の製造方法。
〔3〕化合物の結晶化過程における近赤外(NIR)スペクトルの吸光度の経時的変化を追跡し、吸光度変化の速度定数を解析することによりその粒度または結晶形をモニターし、所望の粒度または結晶形に達したことを確認後、結晶化を止めて、結晶を取得することを特徴とする化合物の結晶の製造のための、近赤外分光計の使用。
〔4〕結晶化過程が、結晶成長過程である、〔3〕記載の使用。
〔5〕〔1〕または〔2〕に記載の製造方法で得られることを特徴とする、粒度または結晶形が制御された結晶。
〔6〕〔1〕または〔2〕に記載の製造方法を用いることを特徴とする、化合物の結晶化条件の設定方法。
〔7〕近赤外(NIR)スペクトルを用いて化合物の結晶化過程における吸光度の経時的変化を追跡し、吸光度変化の速度定数を解析することを特徴とする、化合物の結晶化過程のモニター方法。
〔8〕結晶化過程が、結晶成長過程である、〔7〕記載のモニター方法。
近赤外(NIR)スペクトルを用いて結晶化過程の吸光度の経時的変化を詳細に解析することにより、化合物の結晶過程における結晶成長過程、さらには粒度または結晶形等の結晶の特性を逐次的かつ瞬時にモニターすることができ、該モニターにより得られる情報から、化合物の粒子径などの粒度または結晶形を制御した結晶を製造する方法を導くことができた。また、その製造法により、化合物の結晶化条件の設定をも可能にした。
さらに本発明の方法は溶液からの結晶化にも適用可能であるため、工業的生産への利用が可能であり、実用性が高い。
本発明の結晶の製造方法は、化合物の結晶化過程を、近赤外(NIR)スペクトルを用いてモニターすることを特徴とする。
近赤外(NIR)スペクトルとは、近赤外線(波数:12500〜4000cm−1)の照射により、官能基や原子の結合状態が、各々に固有の波長の光に感応して摂動することにより、エネルギーを消費した結果、摂動に要するエネルギーに転換された特定波長帯の光が吸収される現象を利用した測定法である。光が吸収される波長帯は、分子の構造特異的であり、広範囲で吸光度を測定し、スペクトルを描くことにより未知化合物の構造を把握することにも利用されるものである。NIRスペクトルは、中赤外領域を対象とする従来のIRスペクトル(波数:4000〜370cm−1)に比較し、C−H、O−H、N−H等といった片方の原子が大きい原子間の伸縮振動に対し強い吸収を示すことから、官能基を帰属しやすいため、化合物中の各官能基の部位における結晶状態の違いを捉えることがより容易であるという特徴を有する。
NIRスペクトルの「吸光度」とは試料の吸収強度を表す指標であり、試料にあたる放射エネルギー強度をI、透過した放射エネルギー強度をIとした場合、以下の式で表されるものである。
A(吸光度)=log10(I/I)
本発明に用いられる近赤外(NIR)スペクトルを測定するための装置としては、NIRスペクトルが測定可能な自体公知の近赤外分光計を特に制限なく用いることができ、市販の該測定装置としては、例えば、ブルカー社(MPAまたはMATRIX)、ビュッヒ社NIRFlex N−500、フォス社のXDSシリーズ、ニレコ社のNIRSystems等が挙げられる。
本発明の方法の対象となる化合物は、特に限定されるものではなく、既に結晶として得られている化合物はもちろん、未だ結晶として得られていない、非晶質のアモルファス、油状の化合物をも包含する。また、既知化合物のみではなく、将来合成されるであろう新規化合物も含まれる。当該化合物としては、結晶粒度の制御の要請が高い、有機化合物、医薬品またはその合成中間体が好適な対象となる。
本発明における「結晶化過程のモニター」とは、化合物が溶融状態、無晶化状態または溶液などから結晶化するまでの各時点の状態をモニターすることを意味し、結晶核形成過程および結晶成長過程を包含する。
結晶核形成過程とは、非晶質の状態から結晶の元になる核が形成される段階を意味し、結晶成長過程とは、形成された結晶核を種とし、結晶が大きくなっていく段階を意味する。
本発明の方法において溶融状態または無晶化状態からの結晶化過程をモニターする場合は、具体的には、まず、化合物が結晶の場合は融点以上に加熱して、または、化合物が非晶質の場合はガラス転移点以上に加熱して、溶融状態にする。溶融するための加熱は、NIRスペクトルの測定に適したガラス容器中或いはガラスプレート上で行なってもよく、または、予め溶融してからNIRスペクトルの測定に適した測定用地具に移してもよい。
溶液からの結晶化過程をモニターする場合は、化合物を使用する溶媒に飽和させた溶液を用いるのが好ましい。具体的には、溶媒に結晶または非晶質の化合物を添加し、必要により加熱、攪拌することにより飽和させる。溶け残った化合物を濾過により除去し、濾液を飽和溶液として用いることができる。
使用する溶媒は特に限定されず、対象となる化合物を効率よく結晶化させるものを適宜選択して用いることができる。
次に、溶融した化合物または飽和溶液につき、NIR分光計によりNIRスペクトル測定を行う。一定の温度または温度を変化させながら、結晶化に至るまでの間、経時的にNIRスペクトルを測定し、当該化合物の分子構造に依存して吸収される特定波長領域がどのように変化するかを追跡する。
この際、溶液からの結晶化の場合は、系全体として均一に結晶化させるため、攪拌しながら結晶化させるのが好ましい。
溶液からの結晶化を追跡する場合は、結晶が析出する前は溶液、結晶が晶出した後は懸濁液を経時的にサンプリングし、(1)使用する溶媒または空気などをブランクとして、溶液または懸濁液をそのままNIR分光計にて測定する方法、または(2)懸濁液を濾過して得られた結晶をNIR分光計にて測定する方法などが挙げられるが、(1)の方法が簡便に測定できるため好ましい。
吸光度解析を正確かつ容易に行なうためには、一定の温度で測定するのが好ましい。さらには、数点の異なる温度で測定することにより、さらに詳細な解析が可能になり、また、後述するように結晶粒度制御に関する有用な情報が得られる。
本発明では、このようにして得られた吸光度の経時的変化を解析することによって、結晶化過程、特に結晶成長過程を把握することできるようになった。以下、詳細に説明する。
吸光度の解析は、例えば、これら温度一定条件下で実験的に得られた吸光度測定値を経時的に測定することにより、結晶成長過程の割合を速度論的に解析することを可能とする。また、解析に用いる吸収波長域を変えることにより、分子を構成する部位単位での解析も可能である。
速度定数の算出法は特に限定されず、例えば、反応速度式の変数を未知数とし、データを用いて最小二乗法により決定する方法等によって行なうことができる。
また、活性化エネルギーの算出法も限定されず、例えば、アレニウスプロット等によって行なうことができる。
このような解析を行うことにより、化合物の原子間の結合情報に起因した吸収光度変化が、結晶核形成後の結晶成長段階より確認できることが判明した。
この吸光度変化は、主に中赤外領域で観測される分子振動に基づく吸収帯の倍音及び結合音に相当する近赤外領域で確認され、特に水素の付いたC−H、O−H、N−H等が強い吸収を示す。
特徴的な吸収波数帯につき、吸光度変化の経時的変化について、速度論的な解析を行ったところ、結晶核形成後の結晶成長段階において、粉末X線回折像や固体NMRの結果と相関性のある速度成分が見出された。
これらのことから、今回の測定で観測される吸光度変化は、結晶成長に起因するものである、と判断される。
また、結晶化の温度を変化させたところ、各温度における、結晶成長に起因する速度定数は、結晶化の温度が高くなるにつれ、その速度定数が増加する傾向があることが判明した。そこで、結晶成長に起因する各速度定数について熱力学的解析を行ったところ、固体NMRによる測定から求めた結晶成長に起因する活性化エネルギーに極めて類似した結果を示した。
本発明においては、結晶化における温度を、上記の結晶成長に起因する速度成分が認められる温度範囲内で制御することにより、結晶の粒子径や結晶形を制御し得ることを見出した。すなわち、結晶化における温度を上記範囲内で高く制御することにより、上記速度成分の速度定数を大きくなるように制御すると、結晶成長段階の速度が優位となるため、結晶核の形成が少ない状態で結晶成長段階に入り結晶成長が促進され、結果として大きな結晶が得られる状態となり、反対に結晶化における温度を低くして、上記速度定数を小さく制御するほど、結晶核を形成する時間が長いため、多くの結晶核の形成が起こり、その後結晶成長段階に入るため、高温と比較して小さな結晶が多く確認できる傾向がある。
上記の結晶成長に起因する速度成分が認められる温度範囲は、化合物にもよるが、具体的には、(化合物のガラス転移温度+50℃)以下である。結晶化の温度が高すぎると結晶核の形成が阻害されるため、結晶核形成に続く結晶成長が認められない。なお、温度が低すぎると結晶核の形成が認められるが結晶が成長し難いので、下限の温度は好ましくはガラス転移温度である。より好ましい温度範囲は、実施例のセラトロダストについて、結晶が観察される10−30℃を含み、35℃を除外する温度範囲が良い。
以上のようにNIRの迅速測定により、リアルタイムに試料の結晶の状態が把握できるので、予め、粒子径や結晶形等の結晶化の特性と結晶化過程の測定に利用できる波長領域やNIRスペクトルの解析情報との関係を特定しておけば、得たい結晶の大きさや状態になったことをNIRスペクトルで確認した直後に結晶化を終了させ、結晶を取得することにより所望の特性を有する結晶を得ることができる。
結晶化を止める方法としては特に限定されず、ろ過や遠心分離等による結晶の取得、温度制御や溶媒添加等が挙げられる。
このことを利用すれば、従来工業的スケールでの結晶化が困難であったが結晶化することが確認された化合物に対しては、工業的スケールでの結晶化においても同様にNIRを用いてリアルタイムでモニターすることにより、工業的スケールで所望の特性を有する結晶を得ることも可能となるのであり、さらに本発明の方法は溶液からの結晶化にも適用可能であるため、工業的な利用価値が高いものと思われる。
さらには、本発明の結晶の製造方法を利用して、粒度や結晶形等の得られる結晶の特性と結晶化条件を十分にバリデートすることによって、所望の結晶を得るための条件(温度、時間、溶媒添加量や混合比等)を設定することができる。更に条件を設定することなく、リアルタイムにモニターし、所望の結晶状態で取り出すことにより、所望の結晶を得ることもできる。
また、NIRを用いて、錠剤の含量均一性試験を行うことができる。該試験法は、錠剤の大部分を反映できる拡散透過法或いは、錠剤表面付近の薬物含量を定量する拡散反射法が採用される。その際、同じ錠剤を測定毎に向きを置き換えて複数回測定した場合の試験の再現性は、錠剤を固定した状態で測定した場合の再現性に比べてデータのバラツキが大きくなる。しかしながら、測定の際に錠剤を回転させることにより試料の繰り返し測定精度が格段に向上し、錠剤を固定した際の測定結果と差がないことが判明し、錠剤を回転させて平均的なスペクトルを測定することにより再現性の高いデータを取得できる。今回実施例として拡散透過法で検証したが、試料の置き換えによって生じるばらつきを消去する効果については、拡散反射法についても同様に得られると考えられる。
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
セラトロダスト(化1)を130℃以上で融解させ、室温で放冷すると無晶形からForm IIに変化する性質を利用して、近赤外(NIR)スペクトルおよび粉末X線回析を用いて無晶形から結晶が生成するまでの結晶成長段階のスペクトル変化の測定を行い、NIRスペクトル法の結晶化過程の測定への適用性を検討した。
<試料>
以下の構造を有するセラトロダスト(AA−2414)を使用した。
Figure 0004787679

化学名:(±)−7−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン−2−イル)−7−フェニルヘプタン酸
分子式:C2226
分子量:354.45
融点:128.7℃
ガラス転移温度:−3℃
<NIR測定条件>
装置:ブルカー社製 MPA 近赤外分光光度計
測定範囲:3600〜12500cm−1
波数間隔:8cm−1
スキャン回数:32回
測定回数:4回
<粉末X線回折像測定条件>
X線源:CuKα
測定範囲:2θ=3〜40o
サンプリング幅:0.02°
走査速度:4o/min
スキャン回数:1回
測定回数:1回
粉末X線回折像測定用のガラスプレートにセラトロダストを試料面が平坦になるようにスパーテルで抑えながら乗せ、150℃で30分間加熱して融解させた。完全に試料が融解したのを確認した後、シリカゲルデシケータ内で室温放冷した。放冷30分後をイニシャルとし、その後25℃で保存して経時的にNIRスペクトルの測定を行った。
また、結晶化過程を比較検討するために、粉末X線回折像による測定も同時に実施した。
NIRスペクトルの測定結果を図1−1〜10および図2−1〜10(原スペクトル及び2次微分スペクトル)に示す。また、粉末X線回折による無晶形からForm IIへの結晶成長過程を観察した結果を図3に示す。
NIRスペクトルによる解析については、2次微分したスペクトルデータのC=C結合の倍音領域(6000cm−1付近)において、経時的な吸光度変化が認められ(図2)、この波数帯のスペクトルは、保存開始16〜30時間後で大きく変化していることがわかった。
NIRでスペクトル変化が大きかった測定開始16〜30時間において、粉末X線回折像の結果でも結晶化に伴う回折ピークの生成を認め、経時的な回折ピークの強度増加が確認できた。
これら経時的変化が確認できたNIRスペクトルの吸光度変化(6100〜5500cm−1、Form II生成率(%)に相当)と粉末X線回折像の回折ピーク変化(ピーク積分値)の関係を図4に示すが、良好な相関性を示した。
これらの結果から、粉末X線回折像と同様に、近赤外領域におけるスペクトル変化をモニターすることにより、結晶生成が確認できることが判った。
しかし、非特許文献6に記載された固体NMRスペクトルによる結晶化過程の解析で明らかとなった結晶生成段階の第1段階である結晶核形成段階に相当する時間域(初期の観測時間)では、どの波数領域においても吸光度変化が非常に小さいことから、結晶核形成段階はNIRスペクトルでは測定が難しいという結果を得た。
これまで考察した結果から、粉末X線回折像より確認できる結晶成長過程と、今回着目したNIRスペクトルの吸収帯変化は良好な相関性が得られ、NIRスペクトルの吸収帯の経時変化を追跡することにより、結晶成長過程を測定できることが示唆された。
実施例2
実施例1で得られた知見を検証するために、NIRスペクトルで経時的な吸収帯の変化を速度論的に取り扱い、異なる4つの保存温度における吸収帯の経時変化について調べ、熱力学的パラメータを求めた。
更に、これらの結果につき固体NMRスペクトルの結果と比較検討した。
<試料調製>
粉末X線回折像測定用のガラスプレートにセラトロダストを試料面が平坦になるようにスパーテルで抑えながら乗せ、150℃で30分間加熱して融解させた。完全に試料が融解したのを確認した後、シリカゲルデシケータ内で室温放冷した。放冷30分後をイニシャルとし、その後15、25、30及び35℃の一定温度で保存し経時的にNIRスペクトルの測定を行った。
<NIR測定条件>
測定範囲:3600〜12500cm−1
波数間隔:8cm−1
スキャン回数:32回
測定回数:4回
25℃で保存した試料における、各測定時間における無晶形からForm IIへの結晶化に伴う吸収帯吸光度(6100〜5500cm−1)の変化率(%)をプロットしたグラフを図5に示す。試験開始後約4分後から、結晶成長に起因する吸光度変化の速度成分が認められた。
さらに、15〜35℃の範囲で保存した各試料における、無晶形からForm IIへの結晶化に伴う吸収帯の変化ついても同様にしてプロットし、時間と変化率から直線回帰分析を行った。結果を表1にまとめて示した。
Figure 0004787679
各温度範囲における結晶化速度定数からアレニウス式により活性化エネルギーを求めた(図6)ところ、直線の傾きから求めた活性化エネルギーは89.9kJ/molであり、この結果は非特許文献6に記載されている固体NMRスペクトルより得られた結晶成長に起因する活性化エネルギー83kJ/molとほぼ一致した。
以上の結果から、今回着目した吸収帯の経時変化はセラトロダストの無晶形からForm IIへの結晶成長を表したものであることが判った。
実施例3
アセタゾラミドを加温(約60℃)しながら水に懸濁し、その懸濁液をろ過して飽和溶液を調製した。この溶液を室温に戻し、攪拌子で攪拌しながら結晶を晶出させた。経時的にサンプリングし、空気をブランクとしてNIRスペクトルを測定した。また、結晶が晶出してきたらNIR測定開始と同時に結晶懸濁液をサンプリングし、速やかに粒度分布(Cuvette法)を測定した。
<NIR測定条件>
測定範囲:3600〜12500cm−1
波数間隔:2cm−1
スキャン回数:32回
経時的に測定したNIRスペクトルは、吸光度を示すY軸の値が徐々に大きくなる傾向を示し、あるところで変化がなくなった(図7−1〜11)。ベースラインの変動を消去するVector Normalization処理を行なったところ6000cm−1付近のスペクトル変化が認められた(図8−1〜11)。同時に結晶の粒度分布についても測定したところ、測定開始時は26μmであった結晶の平均粒子径(d50:メジアン径)が経時的に大きくなり、約40μmで一定値となった。図8に示すNIRスペクトル(5727.9〜6356.7cm−1)の吸光度変化と平均粒子径の関係を調べた結果、直線的な相関関係があることが判った(図9)。
以上の結果より、NIRスペクトルで水溶液中の結晶成長挙動を追跡することで、結晶の粒子径を見積もることができた。即ち、吸光度変化を示すNIRスペクトル領域について、その領域の吸光度変化率と粒子径変化の関係を把握することで、NIR測定により結晶粒子径をモニターすることができることが判った。
実施例4
以下の方法により、含量均一性試験を行った。結果を表2に示す。
試料:ACTOS(15mg、重量 119.65mg、厚み2.462mm)
測定条件:拡散透過法(分解能 8cm-1、積算回数 16回)
解析メソッド:2005_07_26 STD_Change_Stress_3Tab_HPLC.q2
錠剤ホルダ:Bruker社製(回転実験はホルダに糸を巻きつけて、定速で回転させた)
Figure 0004787679
錠剤をホルダに固定した状態で測定した結果、回転式測定及び静置測定のRSDはいずれも0.2%であり同等の測定精度が得られた。一方、錠剤の向きを置換えて6回繰り返し測定を行った結果、静置測定ではRSDは1.3%であったのに対し、回転式測定を行うことによりRSDは0.4%となり、試験の再現性精度は高くなった。その精度は錠剤をホルダーに固定したままの状態で繰り返し測定した結果に近い精度であった。
セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合のイニシャルから48時間後までのNIRスペクトルを重ね書きしたチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合のイニシャルのNIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の3時間後のNIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の6時間後のNIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の8時間後のNIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の16時間後のNIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の21時間後のNIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の24時間後のNIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の30時間後のNIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の48時間後のNIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合のイニシャルから48時間後までの2次微分NIRスペクトルを重ね書きしたチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合のイニシャルの2次微分NIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の3時間後の2次微分NIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の6時間後の2次微分NIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の8時間後の2次微分NIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の16時間後の2次微分NIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の21時間後の2次微分NIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の24時間後の2次微分NIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の30時間後の2次微分NIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の48時間後の2次微分NIRスペクトルのチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合の粉末X線回析の経時変化を示したチャートである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合のNIRスペクトルの6100〜5500cm−1における吸光度変化率と粉末X線回折像によるピーク積分値の関係をしめすグラフである(実施例1)。 セラトロダストを130℃で溶融し、25℃雰囲気中で保存した場合のNIRスペクトルの6100〜5500cm−1における吸光度変化率(%)の経時変化をプロットしたグラフである(実施例2)。 セラトロダストを130℃で溶融し、15、25、30および35℃の各温度雰囲気中で保存した場合のNIRスペクトルの6100〜5500cm−1における吸光度変化率(%)の速度定数と温度との関係をアレニウスプロットで示したグラフである(実施例2)。 60℃のアセタゾラミド飽和水溶液を室温に戻してから、結晶晶出26分後までのNIRスペクトルを重ね書きしたチャートである(実施例3)。 60℃のアセタゾラミド飽和水溶液を室温に戻したときのNIRスペクトルのチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出が開始されたときのNIRスペクトルのチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約1.5分後のNIRスペクトルのチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約3分後のNIRスペクトルのチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約4.5分後のNIRスペクトルのチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約10分後のNIRスペクトルのチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約16分後のNIRスペクトルのチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約20分後のNIRスペクトルのチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約24分後のNIRスペクトルのチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約26分後のNIRスペクトルのチャートである(実施例3)。 60℃のアセタゾラミド飽和水溶液を室温に戻してから、結晶晶出26分後までのVector Normalization処理したNIRスペクトルを重ね書きしたチャートである(実施例3)。 60℃のアセタゾラミド飽和水溶液を室温に戻したときのNIRスペクトルをVector Normalization処理したチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出が開始されたときのNIRスペクトルをVector Normalization処理したチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約1.5分後のNIRスペクトルをVector Normalization処理したチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約3分後のNIRスペクトルをVector Normalization処理したチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約4.5分後のNIRスペクトルをVector Normalization処理したチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約10分後のNIRスペクトルをVector Normalization処理したチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約16分後のNIRスペクトルをVector Normalization処理したチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約20分後のNIRスペクトルをVector Normalization処理したチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約24分後のNIRスペクトルをVector Normalization処理したチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温下で攪拌し、結晶晶出後、約26分後のNIRスペクトルをVector Normalization処理したチャートである(実施例3)。 アセタゾラミド飽和水溶液を室温中で結晶化させた場合のNIRスペクトルの5727.9〜6356.7cm−1における吸光度変化率から予測される平均粒子径と結晶の平均粒子径の関係を示すグラフである(実施例3)。

Claims (7)

  1. 溶融状態又は溶液からの化合物の結晶化過程における近赤外(NIR)スペクトルの吸光度の経時的変化を追跡し、吸光度変化の速度定数を解析することによりその粒度または結晶形をモニターし、所望の粒度または結晶形に達したことを確認後、結晶化を止めて、結晶を取得することを特徴とする化合物の結晶の製造方法。
  2. 結晶化過程が、結晶成長過程である、請求項1記載の製造方法。
  3. 溶融状態又は溶液からの化合物の結晶化過程における近赤外(NIR)スペクトルの吸光度の経時的変化を追跡し、吸光度変化の速度定数を解析することによりその粒度または結晶形をモニターし、所望の粒度または結晶形に達したことを確認後、結晶化を止めて、結晶を取得することを特徴とする化合物の結晶の製造のための、近赤外分光計の使用。
  4. 結晶化過程が、結晶成長過程である、請求項3に記載の使用。
  5. 請求項1または2に記載の製造方法を用いることを特徴とする、化合物の結晶化条件の設定方法。
  6. 近赤外(NIR)スペクトルを用いて溶融状態又は溶液からの化合物の結晶化過程における吸光度の経時的変化を追跡し、吸光度変化の速度定数を解析することを特徴とする、化合物の結晶化過程のモニター方法。
  7. 結晶化過程が、結晶成長過程である、請求項記載のモニター方法。
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