JP4787399B2 - 軟膏貼付材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚面に軟膏剤を一様な厚さで塗設できる軟膏貼付材に関する。更に詳しくは褥瘡や火傷・凍傷等による皮膚潰瘍の治療・保護のために軟膏剤を手指などを汚さずに衛生的にかつ簡単に塗設できる軟膏貼付材に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟膏剤は、皮膚面の創傷や潰瘍等の手当や治療剤として汎用されているものであるが、その適用は、患部に直接手指で塗布したり、又はガーゼ等の支持体上に展延してこれを患部に貼付するという手法が一般的である。
【0003】
ところで、創傷や潰瘍の程度が酷い場合には、患部への塗布が非常に行い難く、また支持体に展延して貼付するにしても、治癒するのに長期間かかる上、二次感染を併発し易いので治療と共に細菌感染等の予防が必要となり、これを看護・介護するものには無菌的にかつ頻繁に手当することが要求され、看護・介護に当たる者に多大な労力を要するものとなっている。
【0004】
このような問題点の1つである軟膏剤の患部への塗布・貼付を簡便にするものとして、軟膏剤を支持フイルムにて表裏面から挟持・内包し、軟膏剤内包部のみを密封するように表裏面の支持フィルムの端縁開口部をシールした軟膏貼付材が提案されている(特開平7−48249号公報参照)。
【0005】
ところで、上記公報に開示されている軟膏貼付材は、手で簡単にシール部を剥離開封することができ、展開後は軟膏剤が表裏いずれの支持フィルムにも貼着して皺や浮きを生じずに皮膚面に貼付できるものではあるが、貼付状態においては支持フィルムも軟膏剤層と一体的に残るものであり、屈曲の頻繁な患部や凹凸の多い患部ではこの支持フィルムによる剛性が患部の皮膚面に違和感を生ずるものとなっている。
【0006】
その上、褥瘡のような潰瘍状態が酷くかつ長期にわたって頻繁に取り替えを要する患部への貼付に際しては、支持フィルムがあるために貼付されている軟膏の状態が観察できず、軟膏の取替え時期や患部の治癒状態の判断が付き難い、等の問題点を有している。
【0007】
以上の問題点に対して、本願出願人は既に実用新案登録出願(実願平11−6039号及び実願平11−9892号)をしているが、本願出願人らはポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムが意外にも軟膏剤との剥離性が良好でかつ薬剤移行性が少ない点を見いだし、これらのフィルムを用いてさらに携帯性、塗設性等を改良し、この発明を完成させるに至った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、軟膏剤の患部への塗設が簡単であるのみならず、塗設した状態の軟膏剤の状態が観察でき、さらに保存性・携帯性が良好な軟膏貼付材を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かくして本願『請求項1』に係る発明によれば、『平板状に展延された軟膏剤層(1)と、該軟膏剤層(1)を収納する凹部(31)を有しかつ該凹部(31)開口周縁に鍔部(32)を有する容器本体(3)と、該容器本体(3)の開口部を被覆しかつ上記鍔部(32)に剥離可能に接着されて上記凹部(31)を密封する剥離性フィルム(4)とを備えてなり、上記軟膏剤層(1)の少なくとも容器本体との対向面(1a)及び剥離性フィルムとの対向面(1c)が、ポリエチレン及びポリプロピレンから選択されるいずれかの高分子材料にて軟膏接触面が構成される保護フィルム(2)により被覆されており、軟膏剤層(1)の容器本体(3)との対向面(1a)を被覆する保護フィルム(2)が、該軟膏剤層(1)の対向する少なくとも1対の側面(1b1)(1b2)をも被覆し且つこれらの各側面(1b1)(1b2)を被覆した少なくともいずれか一方の端縁〔(2a1)又は(2a2)〕の少なくとも一部が軟膏剤層(1)の外側に延出され、この延出部(2a3)が容器本体(3)の鍔部(32)と剥離性フィルム(4)との間で挟持・密封されると共に、延出部(2a3)と剥離性フィルム(4)との対向面に、突条(p1)とこれに嵌合しうる凹条(p2)とからなるシール構造(P)が設けられていることを特徴とする軟膏貼付材(A)』が提供される。
【0010】
本願発明の軟膏貼付材(以下、本願貼付材という)(A)によれば、剥離性フィルム(4)を容器本体(3)の鍔部(32)から剥離するとき、この剥離性フィルム(4)と軟膏剤層(1)との間にはポリエチレン及びポリプロピレンから選択されるいずれかの高分子材料にて軟膏接触面が構成される保護フィルム(2)が介在しているので、剥離性フィルム(4)には軟膏剤成分が接着せずに綺麗に剥離される。
【0011】
また、軟膏剤層(1)と容器本体(3)との間にも上記保護フィルム(2)が介在しているので、容器本体(3)には軟膏剤成分が付着せず軟膏剤層(1)全体は綺麗に容器本体(3)から取り出される。
【0012】
このようにして取り出された軟膏剤層(1)から一方の面の保護フィルム〔2(2b)〕を剥離すると、このときも該保護フィルム〔2(2b)〕には軟膏剤成分が殆ど付着せず剥離される。そして、露呈した軟膏剤面を患部に貼付し、貼付後、残る保護フィルム〔2(2a)〕は同様にして綺麗に剥離される。
【0013】
このようにして、軟膏剤層(1)はほぼ平板状を保持したまま患部に塗設されることとなる。しかも、保護フィルム〔2(2a)(2b)〕には軟膏剤層(1)からの薬剤成分の移行が非常に少なく、調製時に軟膏剤層(1)に含有された有効成分は塗設後も有効量が保有されることとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本願貼付材(A)において、軟膏剤層(1)の少なくとも容器本体との対向面(1a)及び剥離性フィルムとの対向面(1c)の2面を被覆する保護フィルム〔2(2a)(2b)〕は、軟膏接触面がポリエチレン及びポリプロピレンから選択されるいずれかの高分子材料にて構成されていさえすればよく、単層体であってもまた2種以上が積層された積層体であっても良い。
【0015】
上記保護フィルム〔2(2a)(2b)〕は、少なくとも軟膏剤層(1)の容器本体との対向面(1a)及び剥離性フィルムとの対向面(1c)の2面を被覆するように用いられるが、上記2面を被覆するそれぞれの保護フィルムが別体(2a)(2b)に構成されていても良く、また、連続した1枚のもの(2)に構成されていても良い。
【0016】
上記前者のように、軟膏剤層(1)の表裏2面をそれぞれ被覆する保護フィルムが別体(2a)(2b)で構成されているとき、本願『請求項』に示すように『軟膏剤層(1)の容器本体との対向面(1a)を被覆する保護フィルム(2a)が、該軟膏剤層(1)の対向する少なくとも1対の側面(1b1)(1b2)を被覆すると共にこれら各側面(1b1)(1b2)を被覆した保護フィルム(2a)の少なくともいずれか一方の端縁〔(2a1)又は(2a2)〕の少なくとも一部が軟膏剤層(1)の外側に延出され、この延出部(2a3)が容器本体(3)の鍔部(32)と剥離性フィルム(4)との間で挟持・密封』されるように構成することができる。
【0017】
このように構成すれば、延出部(2a3)が軟膏剤成分又は軟膏剤層(1)からしみ出す薬液等と接触せずに保持されており、剥離性フィルム(4)を剥離したとき延出部(2a3)を手を汚さずに摘むことができ、これにより軟膏剤層(1)を簡単に容器本体(3)から取り出すことができる。
【0018】
さらに、上記のように延出部(2a3)を設けたとき、『延出部(2a3)と剥離性フィルム(4)との対向面に、突条(p1)とこれに嵌合しうる凹条(p2)とからなるシール構造(P)』を設けておくと、延出部(2a3)がより完全に軟膏剤成分や軟膏剤層(1)からしみ出す薬液等との接触から保護する事ができる。
【0019】
上記延出部(2a3)は、最低限これを摘むに十分な大きさを提供できるものであればよく、さらには一側辺全体に亘って延出されていても良い。
また変形例として、軟膏剤層(1)を囲むように連続した延出部が形成され、かつこの延出部に全周に亘ってシール構造が設けられていれば、軟膏剤成分や軟膏剤層(1)からしみ出す薬液等がこの保護フィルム(2)から容器本体(3)側へ浸出することを防止することができ、塗設時により一層手を汚さずに済む点で好ましい構造である。
【0020】
一方、前記後者のように、軟膏剤層(1)の表裏2面(1a)(1c)を被覆する保護フィルム(2)が連続する1枚から構成されている場合、例えば本願『請求項』に示すように『軟膏剤層(1)は、少なくとも容器本体との対向面(1a)及び剥離性フィルムとの対向面(1c)並びに一方の側面(1b1)が、ポリエチレン及びポリプロピレンから選択されるいずれかの高分子材料にて軟膏接触面が構成される二つ折り状の保護フィルム(2)により被覆されてなり、上記保護フィルム(2)は、上記軟膏剤層(1)の他方の側面(1b2)側で対向する各端縁の少なくとも一部がそれぞれ軟膏剤層(1)の外側に延出されて重ね合わされ、この延出重ね合わせ部(2c)が容器本体(3)の鍔部(32)と剥離性フィルム(4)との間で挟持・密封』した構成とすることができる。
【0021】
このように構成すれば、延出重ね合わせ部(2c)が軟膏剤成分又は軟膏剤層(1)からしみ出す薬液等と接触せずに保持されており、剥離性フィルム(4)を剥離したとき延出重ね合わせ部(2c)を手を汚さずに摘むことができ、これにより軟膏剤層(1)を簡単に容器本体(3)から取り出すことができると共に、延出重ね合わせ部(2c)を手指で摘んで開けば簡単に剥離して軟膏剤層(1)が露呈され、そのまま患部に貼付することができる。なお、延出重ね合わせ部(2c)において、互いに重ね合わされる各延出部(2c1)(2c2)は、完全に重なり合う構成であってもよくまたこれらの一部分が重なり合う構成であってもよい。
【0022】
さらに、上記のように延出重ね合わせ部(2c)を設けたとき、本願『請求項』に示すように『延出重ね合わせ部(2c)の対向面に、突条(p1)とこれに嵌合しうる凹条(p2)とからなるシール構造(P)』を設けておくと、延出重ね合わせ部(2c)がより完全に軟膏剤成分や軟膏剤層(1)からしみ出す薬液等との接触から保護する事ができる。
【0023】
本願貼付材(A)において、保護フィルム(2)は、本願『請求項』に示すように、厚さが5〜150μmであると、或る程度の強度を保持しながらも十分な柔軟性があり、これにより軟膏剤層(1)から剥離させ易く従って軟膏剤成分の該保護フィルム(2)への接着が殆ど押さえられることとなる。上記保護フィルムの厚さの好ましい範囲としては10〜100μmが挙げられ、更に好ましい範囲としては20〜40μmが挙げられる。
【0024】
さらに、保護フィルム〔2(2a)(2b)〕の軟膏接触面に、本願『請求項』に示すように『凹凸が形成されて』いたり、本願『請求項』に示すように『シリコンが塗布されて』いれば、軟膏剤層(1)との剥離性が一層良好となる。
【0025】
本願貼付材(A)において、本願『請求項』に示すように、『容器本体(3)が透光性材料にて形成』されていると、保存時に軟膏剤層(1)の状態が確認出来る点で好ましい。上記透光性材料としては、例えばポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、PET、ポリエチレン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
また、本願『請求項』に示すように、『容器本体(3)が遮光性材料にて形成』されていると、光による軟膏剤層(1)の変質等を防止できて長期保存が可能となる点で好ましい。上記遮光製材料としては、金属泊、非透光性樹脂フィルム等が挙げられるが、本願『請求項』に示すように、『透光性材料(302)と遮光性材料(301)とのラミネート体にて形成』されていることが、遮光性及び剥離性フィルム(4)との接着性の何れをも満足しうる点で好ましい。
【0027】
本願貼付材(A)において、本願『請求項10』に示すように、『軟膏剤層(10)(11)は、層内に保形性支持体(S)が埋入されて』いると、剥離の際及び貼付の際に軟膏剤層(10)(11)が千切れたり分断されたりし難くなり、好ましいものである。
【0028】
上記保形性支持体(S)としては、本願『請求項11』に示すように、『網状シート体(S1)又はスポンジシート体(S2)』が好ましいものとして挙げられるが、これに限定されない。
【0029】
本願貼付材(A)において、本願『請求項12』に示すように、『軟膏剤層(1)(10)(11)に、褥瘡、潰瘍又は火傷からなる創傷部位の治療用有効成分が含有されて』いると、これらの創傷部位のケアを非常に簡便化出来る点で好ましいものである。
【0030】
上記治療用有効成分としては、例えば本願『請求項13』に示す『ポビドンヨード及び糖質』からなるものや、本願『請求項14』に示す『ポビドンヨードと、糖質と、表皮組織形成成分と、血行促進成分』とからなるものを好適なものとして挙げることができるが、これらに限定されない。
【0031】
なお、上記治療用有効成分において、ポビドンヨードに替えて又はこれと併用して紫雲膏を用いることもできる。また上記表皮組織形成分としては、例えば塩化リゾチーム、アセチルサリチル酸、キチン質、ポリリン酸誘導体等が挙げられる。さらに、上記血行促進成分としては、例えばプロスタグランジンE1エステル等が挙げられる。
【0032】
本願貼付材において、本願『請求項15』に示すように、『軟膏剤層(1)(10)(11)の厚みが1〜8mm』に設定されていると、1回の塗設に対して好適な厚みを提供できる点で実用的である。
【0033】
本願貼付材(A)によれば、柔軟な軟膏剤層(1)(10)(11)それ自身が貼着対象の皮膚面に塗設されるので、貼付部位の運動性を殆ど阻害せず、また貼付部位の凹凸形状に非常に良くフィットさせることができると共に、貼付期間における軟膏剤層(1)(10)(11)の変化を直接観察できることとなる。
【0034】
また、本願貼付材(A)によれば、保護フィルム(2)には軟膏剤層(1)(10)(11)からの薬剤成分の移行が殆ど無く、従って、従来のように軟膏剤層の調製時に保護フィルムへの移行量を予め添加しておく必要が無いものである。
【0035】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を示すものとする。
【0036】
[実施例1]
図1は褥瘡治療用に構成された本発明の軟膏貼付材の一例を模式的に示す斜視図、図2は図1のz−z線断面の模式図、図3は軟膏貼付材から剥離性フィルムを一部剥離した状態を模式的に示す斜視図である。
【0037】
これらの図において、軟膏貼付材(A1)は、厚さが約5mm程度で平板状に展延された軟膏剤層(1)と、この軟膏剤層(1)の所定面を被覆する保護フィルム(2)と、この保護フィルム(2)が貼着された軟膏剤層(1)を収納する凹部(31)を有する容器本体(3)と、該容器本体(3)の凹部開口面を閉塞する剥離性フィルム(4)とから主として構成されている。
【0038】
上記保護フィルム(2)は、軟膏剤層(1)の容器本体(3)との対向面(1a)に配される第1保護フィルム(2a)と軟膏剤層(1)の剥離性フィルム(4)との対向面(1c)に配される第2保護フィルム(2b)とから構成されている。これらの第1及び第2の保護フィルム(2a)(2b)はいずれも本例ではポリエチレンからなる単層フィルムからなり、フィルム厚が20〜40μmに構成されている。
【0039】
第1保護フィルム(2a)は、上記軟膏剤層(1)の上記容器本体(3)との対向面(1a)を被覆する部分と、軟膏剤層(1)の一対の側面(1b1)(1b2)を被覆する部分と、各側面(1b1)(1b2)を被覆した部分の各端縁(2a1)(2a2)からそれぞれ延出される第1取出用舌片(2a3)(2a3)とから構成されている。
【0040】
第2保護フィルム(2b)は、軟膏剤層(1)の剥離性フィルム(4)との対向面(1c)とほぼ同等の大きさに形成されており、上記した第1保護フィルム(2a)の第1取出用舌片(2a3)(2a3)に重なる位置に同様な第2取出用舌片(2b3)(2b3)が形成されている。
【0041】
なお、第1保護フィルム(2a)や第2保護フィルム(2b)は、ポリエチレン以外にポリプロピレンにて構成されていても良い。また、図4に示すように軟膏剤層(1)との接着面がポリエチレン又はポリプロピレンからなるフィルム(20)で形成され、これに他の高分子材料からなるフィルム(r)が積層された積層フィルムであっても良い。さらには図5に示すように軟膏剤層(1)との接着面にドット状の凹凸(d)が形成されていても良く、またさらに、上述したいずれの保護フィルムの軟膏接触面にシリコンが塗布(図示しない)されていても良い。
【0042】
容器本体(3)は、平板状の軟膏剤層(1)を収納する平板状の凹部(31)を有しかつ該凹部(31)の開口周縁には鍔部(32)が形成された透明プラスチック例えばポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、PET、ポリエチレン等から構成されている。
【0043】
そして、上記鍔部(32)の対向する1組の辺部には、上記第1保護フィルム(2a)に延出されている第1取出用舌片(2a3)(2a3)及びこれに重なる上記第2保護フィルム(2b)から延出されている第2取出用舌片(2b3)(2b3)に対応する部位にこれらの舌片を含む大きい形状の突出部(33)(33)が形成されている。なお図示は省略するが、上記のような突出部を形成する代わりに、鍔部の幅を広くしても良いことは言うまでもない。
【0044】
剥離性フィルム(4)は、本例では軟膏剤層側にアルミ製フィルムがラミネートされたポリエチレンフィルムが用いられている(なお、アルミ製フィルムがラミネートされた紙製のものや、アルミ製フィルムのみからなるものであっても良く、当該分野で公知のものをそのまま用いることができる)。この剥離性フィルム(4)は、容器本体(3)の凹部(31)の開口周縁に形成された各突出部(33)(33)を含む鍔部(32)の外形に略一致する外形を有し、外周部(41)が該鍔部(32)に対して剥離可能に接着されている。
【0045】
従って、第1保護フィルム(2a)の第1取出用舌片(2a3)(2a3)と第2保護フィルム(2b)の第2取出用舌片(2b3)(2b3)とはそれぞれ重なった状態で、容器本体(3)の鍔部(32)と剥離性フィルム(4)の外周部(41)との間に挟持・密着され密封されている。
【0046】
軟膏剤層(1)は、グリセリン、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等を公知の処方に従って調製した軟膏基材に、ポビドンヨード及び精製白糖を有効成分として含有するものであるが、本例では、軟膏剤層(1)中、ポビドンヨードは約3重量%、精製白糖は約70重量%となるように調製したものを用いた。なお、上記配合割合はこれに限定されず、実用性を阻害しない範囲で種々に変更することができる。
【0047】
また、上記軟膏剤層(1)の配合において、ポビドンヨードに替えて又はこれと併用して紫雲膏を用いることもできる。またさらに、塩化リゾチーム、アセチルサリチル酸、キチン質、ポリリン酸誘導体等の表皮組織形性成分や、プロスタグランジンE1エステル等の血行促進成分が任意に加えられていても良い。
【0048】
以上のように構成された軟膏貼付材(A1)は、褥瘡部位への適用に際して、まず、剥離性フィルム(4)を容器本体(3)の鍔部(32)から剥離していくと、この剥離性フィルム(4)と軟膏剤層(1)との間には第2保護フィルム(2b)が介在しているので、剥離性フィルム(4)には軟膏剤成分は殆ど付着せずに剥がすことができる。
【0049】
剥離性フィルム(4)が剥離された状態では、露呈された第2保護フィルム(2b)の各第2取出用舌片(2b3)と第1保護フィルム(2a)の各第1取出用舌片(2a3)とがそれぞれ重なっており、これらの第1・第2取出用舌片は、容器本体(3)の鍔部(32)と剥離性フィルム(4)の外周部(41)との間で挟持・密着・密封されていたので、ここには軟膏剤層(1)からの薬液等の浸出は殆どなく、特に重なっている各組の第1・第2取出用舌片(2a3)(2b3)の外側には浸出液は付いていない。
【0050】
従って、例えばこれら各組の第1・第2取出用舌片(2a3)(2b3)を重なった状態のまま摘み、これを引き上げると、図6に示すように軟膏剤層(1)を保護フィルム(2a)(2b)で被覆したまま容器本体(3)の凹部(31)から簡単に浮かせることができる。そして第1・第2の各保護フィルム(2a)(2b)により被覆された状態の軟膏剤層(1)を少し引っ張り出して、一旦鍔部(32)に載せた状態(図7参照)とするか、又は別の紙やフィルム状に完全に取出した状態(図示せず)とし、いずれかの状態で第2保護フィルム(2b)を剥離する。このとき、このポリエチレン製の第2保護フィルム(2b)には軟膏剤成分が殆ど接着せずに綺麗に剥がれる。そして、この第2保護フィルム(2b)への薬剤成分の移行は殆ど認められない。
【0051】
このようにして第2保護フィルム(2b)が剥離された軟膏剤層(1)の露呈面を、褥瘡部位に当ててここに軟膏剤層を十分に貼付した後、第1保護フィルム(2a)をその第1取出用舌片(2a3)を摘んで剥離する。このときもこのポリエチレン製の第1保護フィルム(2a)には軟膏剤成分が殆ど接着せずに綺麗に剥がれる。そして、軟膏剤層(1)はそれのみで患部に塗設されることとなる。
【0052】
このようにして、軟膏剤層(1)のみを褥瘡部位に塗設できるので、貼付部位の運動性を殆ど阻害せず、また貼付部位の凹凸形状に非常に良くフィットさせることができるものである。しかも、塗設した軟膏剤層(1)の変化を直接観察できるので、例えば軟膏剤層(1)が患部から浸出する組織液の浸潤によりジュクジュクしてくれば、軟膏剤層(1)を交換する時期に達したと判断したり、また表皮組織の形成が促されて組織液の浸出が押さえられたと判断したりできる。
【0053】
またこれ以外に、1つの軟膏剤層で足りない場合は、既に貼着している軟膏剤層の上に、もう一つ同じ軟膏剤層を積層して有効成分等を増加させることもできる利点がある。
【0054】
[実施例2]
本例の軟膏貼付材(A2)は、第2保護フィルムを若干変更し、かつ、剥離性フィルムと第1保護フィルムの第1取出用舌片との間にシール構造を設ける以外は実施例1と同様であり、従って、実施例1と同一の部材には同一番号を付しこれらについての説明は省略する。
【0055】
まず図8の一部分解斜視図に示すように、この軟膏貼付材(A2)の第2保護フィルム(2b)は取出用舌片を有さない単なる矩形状のものが用いられている。そして、軟膏貼付材(A2)の第1取出用舌片を有する部分の断面は図9に示す構造を有している。そして、同図のB部にシール構造が設けられている。
【0056】
シール構造(P)は、図10にその要部拡大断面概略図を示すように、第1保護フィルム(2a)の各端縁(2a1)から延設された各第1取出用舌片(2a3)の端縁近傍に一体的に設けられる略棒状の各突条(p1)と、剥離性フィルム(4)の外周部(41)の上記各突条(p1)に対応する部位にそれぞれ一体的に設けられ、該突条(p1)と嵌合しうる凹条(p2)とから構成されている。なお、突条(p1)と凹条(p2)との設け方は上下逆であっても良いことは言うまでもない。
【0057】
従って、本例の軟膏貼付材(A2)では、容器本体(3)の鍔部(32)と剥離性フィルム(4)の外周部(41)とが開封可能に密着されることは実施例1と同様であるが、このとき、第1保護フィルム(2a)の第1取出用舌片(2a3)(2a3)が鍔部(32)と剥離性フィルム(4)の外周部(41)との間に挟持・密着されると共に各第1取出用舌片(2a3)の各突条(p1)と剥離性フィルム(4)の外周部(41)に設けられた各凹条(p2)とが嵌合してシール構造(P)を構成した状態となっている点が異なる。
【0058】
上記構成の軟膏貼付材(A2)においては、各第1取出用舌片(2a3)と剥離性フィルム(4)との間にはシール構造(P)が構成されているので、携帯時や保管時に、容器本体(3)の凹部(31)内に収納されている軟膏剤層(1)から薬液等が浸出して軟膏剤層(1)と第1・第2の保護フィルム(2a)(2b)との間やこれらの保護フィルム(2a)(2b)の背面側に廻っても、シール構造(P)によって各第1取出用舌片(2a3)にまで浸出することが良好に防止される事となる。
【0059】
従って、剥離性フィルム(4)を容器本体(3)の鍔部(32)から剥離していくと、この剥離性フィルム(4)と軟膏剤層(1)との間には第2保護フィルム(2b)が介在しているので、剥離性フィルム(4)には軟膏剤成分は殆ど付着せずに剥がすことができると共に、この剥離過程において上記シール構造(P)はスムースに開封されることとなる。
【0060】
剥離性フィルム(4)が剥離されたとき、第2保護フィルム(2b)は単に軟膏剤層(1)上面を被覆している状態であり、第1保護フィルム(2a)の各第1取出用舌片(2a3)は容器本体(3)の鍔部(32)に残されている状態が露呈される。
【0061】
各第1取出用舌片(2a3)は、シール構造(P)によって薬液等の浸潤が良好に防止されていたので、実施例1の時よりも一層綺麗な状態で露呈している。
【0062】
従って、実施例1と同様にして各第2取出用舌片(2a3)を摘んで軟膏剤層(1)を第1・第2の保護フィルム(2a)(2b)で被覆したまま取り出し(取出状態も前例に準ずる)、同様にして非常に簡便に患部に塗設することができる。
【0063】
なお、本例の変形例として、図11に示すように、第2保護フィルム(2b)を剥離性フィルム(4)にラミネートすることもできる。このようにしておくと、剥離性フィルム(4)の容器本体(3)からの剥離と同時に第2保護フィルム(2a)も綺麗に剥がれるので、軟膏剤層(1)の露呈に1回の剥離作業でよく、塗設がより簡便となる。
【0064】
[実施例3]
本例の軟膏貼付材(A3)は、軟膏剤層を被覆する保護フィルムが1枚で構成される以外は実施例1又は2と同様に構成されているものである。従って、実施例1又は2と同一の部材については同一番号で示し、これらについの説明は省略する。
【0065】
すなわち本例の軟膏貼付材(A3)は、図12に示すように、保護フィルム(2)が二つ折り状になっていて、これにより軟膏剤層(1)の容器本体(3)との対向面(1a)、一方の側面(1b1)及び剥離性フィルム(4)との対向面(1c)を被覆している。
【0066】
そして、上記被覆される側面(1b1)と対向する他方の側面(1b2)側でこの保護フィルム(2)の上下で対向する1対の端縁がほぼその全幅のままで延出されて1対の延出部(2c1)(2c2)が形成され、この延出部(2c1)(2c2)が鍔部(32)の上で重ね合わされていて、延出重ね合わせ部(2c)が構成されている。そして、この延出重ね合わせ部(2c)は、容器本体(3)の鍔部(32)と剥離性フィルム(4)の外周部(41)との間で挟持・密着されて密封されている。
【0067】
以上のように構成された軟膏貼付材(A3)は、褥瘡部位への適用に際して、まず、剥離性フィルム(4)を容器本体(3)の鍔部(32)から剥離していく(このとき、剥離性フィルム(4)は保護フィルム(2)の二つ折り部側から剥離する方が好ましい。)と、この剥離性フィルム(4)と軟膏剤層(1)との間には保護フィルム(2)が介在しているので、剥離性フィルム(4)には軟膏剤成分は殆ど付着せずに剥がすことができる。
【0068】
剥離性フィルム(4)が剥離された状態では、容器本体(3)の鍔部(32)の一辺に、保護フィルム(2)の延出部(2c1)(2c2)が上下に重なった延出重ね合わせ部(2c)が露呈する。この延出重ね合わせ部(2c)の外面には、軟膏剤層(1)からの薬液等の浸出は殆どない。従って、この延出重ね合わせ部(2c)を重なった状態のまま摘み、これを引き上げると、保護フィルム(2)に被覆された軟膏剤層(1)を容器本体(3)の凹部(31)から簡単に浮かせることができる。
【0069】
そしてこの保護フィルム(2)により被覆された状態の軟膏剤層(1)を少し引っ張り出して、一旦鍔部(32)に載せた状態(図示せず)とするか、又は別の紙やフィルム上に完全に取出した状態(図示せず)とし、いずれかの状態で保護フィルム(2)の一方の側を剥離する。このとき、このポリエチレン製の保護フィルム(2)には軟膏剤成分が殆ど接着せずに綺麗に剥がれる。しかもこの保護フィルム(2)への薬剤成分の移行は殆ど認められない。
【0070】
このようにして得られた軟膏剤層(1)の露呈面を、褥瘡部位に当ててここに軟膏剤層(1)を十分に貼付した後、他面側の保護フィルム(2)を剥離する。このときもこの保護フィルム(2)には軟膏剤成分が殆ど接着せずに綺麗に剥がれる。そして、軟膏剤層(1)はそれのみで患部に塗設されることとなり、以下、実施例1と同様の効果が奏される。
【0071】
[実施例4]
本例の軟膏貼付材(A4)は、延出重ね合わせ部にシール構造を設ける以外は実施例3と同様であり、従って、実施例3と同一の部材には同一番号を付しこれらについての説明は省略する。
【0072】
すなわちシール構造(P)は、その要部拡大断面概略図を図13に示すように、保護フィルム(2)の延出重ね合わせ部(2c)を構成する夫々の延出部(2c1)(2c2)において、一方の延出部(2c1)の端縁近傍に一体的に設けられる略棒状の突条(p1)と、他方の延出部(2c2)の上記突条(p1)に対応する部位に一体的に設けられ、該突条(p1)と嵌合しうる凹条(p2)とから構成されている。なお、突条と凹条の設け方は上下逆であってもよい。
【0073】
従って、本例の軟膏貼付材(A4)では、容器本体(3)の鍔部(32)と剥離性フィルム(4)とが開封可能に密着され、この鍔部(32)と剥離性フィルム(4)との間に延出重ね合わせ部(2c)が挟持・密着されることは実施例3と同様であるが、このとき、延出重ね合わせ部(2c)では一方の延出部(2c1)に設けられた突条(p1)と他方の延出部(2c2)に設けられた凹条(p2)とが嵌合してシール構造(P)を構成した状態となっている点が異なる。
【0074】
上記構成の軟膏貼付材(A4)においては、延出重ね合わせ部(2c)にはシール構造(P)が構成されているので、携帯時や保管時に、容器本体(3)の凹部(31)内に収納されている軟膏剤層(1)から薬液等が浸出して軟膏剤層(1)と保護フィルム(2)との間や保護フィルム(2)の背面側に廻っても、シール構造(P)によって延出重ね合わせ部(2c)にまで浸出することが防止される事となる。
【0075】
従って、剥離性フィルム(4)を容器本体(3)の鍔部(32)から剥離していくと、この剥離性フィルム(4)と軟膏剤層(1)との間にはポリエチレン製の保護フィルム(2)が介在しているので、剥離性フィルム(4)には軟膏剤成分は殆ど付着せずに剥がすことができる。
【0076】
剥離性フィルム(4)が剥離されたとき、保護フィルム(2)は軟膏剤層(1)を被覆して延出重ね合わせ部(2c)でシールされている状態であり、この延出重ね合わせ部(2c)の外側には薬液等の浸潤が良好に防止されており、実施例3のときよりも一層綺麗な状態で露呈される。
【0077】
従って、実施例3と同様にしてこの延出重ね合わせ部(2c)を手指で摘んで軟膏剤層(1)を保護フィルム(2)で被覆したまま取り出し、同様にして非常に簡便に患部に塗設することができる。以下、実施例1と同様の効果が奏される。
【0078】
[実施例5]
本例の軟膏貼付材(A5)は、容器本体が遮光性材料で構成される以外は実施例1と同様の構成であり、従って、実施例1と同一の部材については同一番号で示し、これらについの説明は省略する。すなわち、本例での容器本体(30)には、図14に示すように、外側がアルミフィルム(301)で内側がポリ塩化ビニルフィルム(302)のラミネート体で構成されたものが用いられている。
【0079】
従って、遮光性に優れており長期に保存ができると共に、剥離性フィルム側にはポリ塩化ビニルフィルムが配設されているので、接着性が良好となり密封できる事となる。
【0080】
なお、説明及び図面は省略するが、本実施例の容器本体の構成は、実施例2〜4のいずれにも適用することができることは言うまでもない。
【0081】
[実施例6]
本例の軟膏貼付材(A6)は、軟膏剤層を下記するごとく変更する以外は、実施例1と同様に構成したものである。従って、実施例1と同一の部材については同一の番号で示し、これらについての説明は省略する。
【0082】
すなわち本例の軟膏貼付材(A6)は、図15にその要部断面を示すように、軟膏剤層(10)内部に、細い繊維(f)をラフに三次元的に絡ませて得られる粗い目を有する網状シート体(S1)が埋入されている。
【0083】
このようにして軟膏剤層(10)を構成することにより、網状シート体(S1)が軟膏剤層(10)自身の保形性支持体(S)となって形態保持性が良好となり、該軟膏剤層(10)と第1及び第2の各保護フィルム(2a)(2b)との剥離性は実施例1のものよりも一層良好なものとなった。
【0084】
[実施例7]
網状シート体に替えて、スポンジシート体を用いる以外は、実施例6と同様にして図16に示す軟膏貼付材(A7)を構成した。実施例6と同一の部材については同一の番号で示し、これらについての説明は省略する。
【0085】
本例の軟膏貼付材(A7)における軟膏剤層(11)では、スポンジシート体(S2)の連続気泡内に軟膏剤が埋入保持されていて、スポンジシート体(S2)が軟膏剤層(11)自身の保形性支持体(S)となって形態保持性が頗る良好なものとなっており、その上軟膏剤層(11)の表面にはスポンジシート体(S2)の多孔面が露呈しているので、これと接触する各保護フィルム(2a)(2b)とは非常に剥離し易い構成となっている。
従って、この軟膏貼付材(A7)においても、実施例6と同等又はそれ以上に剥離性の良好なものであった。
【0086】
なお、説明及び図面は省略するが、実施例6及び7の軟膏剤層の構成はいずれも、実施例2〜5の軟膏剤層に適用することができることは言うまでもない。
【0087】
【発明の効果】
本願『請求項1』に係る発明によれば、平板状に展延された軟膏剤層が、プラスチック容器本体の凹部内に収納されているので、軟らかい軟膏剤層がそれよりも固い部材で保護されるので、多少の外力が作用しても軟膏剤層自体の変形等のトラブルが生じ難く、携帯性が良好で、従って非常に流通させ易いものとなる。
【0088】
また、剥離性フィルムを剥離して露呈される面に貼着されている保護フィルムはその貼着面がポリエチレン、ポリプロピレンから選択される高分子材料から構成されているので、軟膏剤成分がこの保護フィルムに付着せずに綺麗に剥がすことができると共に、またこの保護フィルムへの薬剤成分の移行が殆ど無く、簡単に容器本体から取り出して患部に塗設することができる。
【0089】
しかも、軟膏剤層のみを患部に塗設することもできるので、貼着状態の軟膏剤の様子を直接観察でき、軟膏剤の交換時期や患部の治癒状態を把握できることとなる。
【0090】
さらに、軟膏剤層の容器本体との対向面を被覆する保護フィルムが、該軟膏剤層の対向する少なくとも1対の側面をも被覆し且つこれらの各側面を被覆した少なくともいずれか一方の端縁の少なくとも一部が軟膏剤層の外側に延出され、この延出部が容器本体の鍔部と剥離性フィルムとの間で挟持・密封されており、延出部が軟膏剤成分又は軟膏剤層からしみ出す薬液等と接触せずに保持されるので、剥離性フィルムを剥離したときこの延出部を手を汚さずに摘むことができ、これにより軟膏剤層を簡単に容器本体から取り出すことができる。
【0091】
そして、延出部と剥離性フィルムとの対向面に、突条とこれに嵌合しうる凹条とからなるシール構造が設けられているので、延出部から軟膏剤成分しみ出るのをより一層効果的に防止する事ができる。
【0092】
本願『請求項』に係る発明によれば、請求項1奏する効果に加えて、剥離性フィルムの剥離と共に保護フィルムが剥がせて綺麗な軟膏剤層が露呈するので、適用に際しての手間が簡略化できる。
【0093】
本願『請求項』に係る発明によれば、請求項1が奏する効果に加えて、延出重ね合わせ部が軟膏剤成分又は軟膏剤層からしみ出す薬液等と接触せずに保持されており、剥離性フィルムを剥離したとき延出重ね合わせ部を手を汚さずに摘むことができ、これにより軟膏剤層を簡単に容器本体から取り出すことができると共に、延出重ね合わせ部を手指で摘んで開けば簡単にかつ綺麗に剥離して軟膏剤層が露呈され、そのまま患部に貼付することができる。
【0094】
また、延出重ね合わせ部の対向面に、突条とこれに嵌合しうる凹条とからなるシール構造が設けられているので、延出重ね合わせ部から軟膏剤成分しみ出るのをより一層効果的に防止する事ができる。
【0095】
本願『請求項』に係る発明によれば、保護フィルムの柔軟性が適切であるので、軟膏剤成分を殆ど付着させずに剥離することができる。
【0096】
本願『請求項』又は『請求項』に係る各発明によれば、凹凸やシリコン層により軟膏剤層との接着性が極力軽減されるので、より一層綺麗に軟膏剤層から保護フィルムを剥離することができる。
【0097】
本願『請求項』に係る発明によれば、本体容器が透光性材料で形成されていると、保存時に軟膏剤層の変質が無いかどうかその保存状態が確認出来ることとなる。
【0098】
本願『請求項』に係る発明によれば、光による軟膏剤層の変質等を防止できて長期保存が可能となる。
【0099】
本願『請求項』に係る発明によれば、遮光ができると共に、また透光性材料のうち樹脂フィルムを選択すれば剥離性フィルムとの接着性も優れ、遮光性及び密封性が達成されて長期保存と携帯性が頗る良好となる。
【0100】
本願『請求項10』に係る発明によれば、軟膏剤層の層内に保形性支持体を埋入しているので、剥離に際しても軟膏剤層は平板状の形状を良好に維持したまま綺麗な剥離を促すことができるし、塗設状態においても安定した形状を保持することができる。
【0101】
本願『請求項11』に係る発明によれば、保形性支持体に、網状シート体又はスポンジシート体を用いることにより、軟膏剤層全体に亘って形状を支持できることとなり、請求項10が奏する効果をより一層強めることができる。
【0102】
本願『請求項12』に係る発明によれば、軟膏剤層に、褥瘡、潰瘍又は火傷からなる創傷部位の治療用有効成分を含有しているので、これらに対するケアが手指を汚さずに且つスムースに実行できると共に、このような治療用有効成分を含む軟膏貼付材をどこへでも携帯できかつ長期に保存できるので、これらに対するケアをどこでも簡単に行うことができる。
【0103】
本願『請求項13』に係る発明によれば、治療用有効成分が、ポビドンヨード及び糖質からなるので、褥瘡の治療が非常に簡便に行えると共に、これらの治癒過程や軟膏剤の交換時期等を直接目で見て把握できる。
【0104】
本願『請求項14』に係る発明によれば、治療用有効成分が、ポビドンヨードと、糖質と、表皮組織形成成分と、血行促進成分とから構成されているので、褥瘡に対する治癒効果を高めると共に請求項12が奏する効果をそのまま実行する事が出来る。
【0105】
本願『請求項15』に係る発明によれば、軟膏剤層の厚みが1回の塗設に適した厚みであるので、開封したものをそのまま貼付すればそれだけでその部のケアが完了でき、非常にケアを簡便化する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願軟膏貼付材の第1実施例の斜視図
【図2】図1のz−z線断面の模式図
【図3】剥離性フィルムを一部剥離した状態を模式的に示す斜視図
【図4】実施例1の変形例について一部剥離状態の側面概略図
【図5】実施例1の他の変形例について一部剥離状態の側面概略図
【図6】保護フィルムで被覆された軟膏剤層を容器本体から取り出すときの状態を示す模式図
【図7】保護フィルムで被覆された軟膏剤層の容器本体からの取出過程の一例を示す模式図
【図8】本願軟膏貼付材の第2実施例の構成を説明する一部分解斜視図
【図9】第2実施例の図2相当図
【図10】図9のB部の拡大図
【図11】第2実施例の変形例についの図1相当図
【図12】本願軟膏貼付材の第3実施例の図2相当図
【図13】本願軟膏貼付材の第4実施例の要部拡大図
【図14】本願軟膏貼付材の第5実施例の図2相当図
【図15】本願軟膏貼付材の第6実施例の図2相当図
【図16】本願軟膏貼付材の第7実施例の図2相当図
【符号の説明】
(A1)(A2)(A3)(A4)(A5)(A6)(A7)…軟膏貼付材
(1)(10)(11)…軟膏剤層
(2)…保護フィルム
(2a)…第1保護フィルム
(2b)…第2保護フィルム
(3)(30)…容器本体
(4)…剥離性フィルム
(2a3)(2b3)(2c1)(2c2)…取出用舌片(又は延出部)
(2c)…延出重ね合わせ部
(f)…細い繊維
(S1)…網状シート体
(S2)…スポンジシート体

Claims (15)

  1. 平板状に展延された軟膏剤層と、該軟膏剤層を収納する凹部を有しかつ該凹部開口周縁に鍔部を有する容器本体と、該容器本体の開口部を被覆しかつ上記鍔部に 剥離可能に接着されて上記凹部を密封する剥離性フィルムとを備えてなり、
    上記軟膏剤層の少なくとも容器本体との対向面及び剥離性フィルムとの対向面が、ポリエチレン及びポリプロピレンから選択されるいずれかの高分子材料にて軟膏接触面が構成される保護フィルムにより被覆されており、
    軟膏剤層の容器本体との対向面を被覆する保護フィルムが、該軟膏剤層の対向する少なくとも1対の側面をも被覆し且つこれらの各側面を被覆した少なくともいずれか一方の端縁の少なくとも一部が軟膏剤層の外側に延出され、この延出部が容器本体の鍔部と剥離性フィルムとの間で挟持・密封されると共に、
    延出部と剥離性フィルムとの対向面に、突条とこれに嵌合しうる凹条とからなるシール構造が設けられていることを特徴とする軟膏貼付材。
  2. 軟膏剤層の剥離性フィルムとの対向面を被覆する保護フィルムが剥離性フィルムとラミネートされている請求項1記載の軟膏貼付材。
  3. 平板状に展延された軟膏剤層と、該軟膏剤層を収納する凹部を有しかつ該凹部開口周縁に鍔部を有する容器本体と、該容器本体の開口部を被覆しかつ上記鍔部に剥離可能に接着されて上記凹部を密封する剥離性フィルムとを備えてなり、
    上記軟膏剤層は、少なくとも容器本体との対向面及び剥離性フィルムとの対向面並びに一方の側面が、ポリエチレン及びポリプロピレンから選択されるいずれかの高分子材料にて軟膏接触面が構成される二つ折り状の保護フィルムにより被覆されてなり、
    上記保護フィルムは、上記軟膏剤層の他方の側面側で対向する各端縁の少なくとも一部がそれぞれ軟膏剤層の外側に延出されて重ね合わされ、この延出重ね合わせ部が容器本体の鍔部と剥離性フィルムとの間で挟持・密封されており、
    該延出重ね合わせ部の対向面に、突条とこれに嵌合しうる凹条とからなるシール構造が設けられている軟膏貼付材。
  4. 保護フィルムは、厚さが5〜150μmである請求項1〜3のいずれかに記載の軟膏貼付材。
  5. 保護フィルムは、少なくとも軟膏接触面が凹凸に形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の軟膏貼付材。
  6. 保護フィルムは、少なくとも軟膏接触面にシリコンが塗布されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の軟膏貼付材。
  7. 容器本体が、透光性材料にて形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の軟膏貼付材。
  8. 容器本体が、遮光性材料にて形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の軟膏貼付材。
  9. 容器本体が、透光性材料と遮光性材料とのラミネート体から形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の軟膏貼付材。
  10. 軟膏剤層は、層内に保形性支持体が埋入されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の軟膏貼付材。
  11. 保形性支持体が、網状シート体又はスポンジシート体である請求項10に記載の軟膏貼付材。
  12. 軟膏剤層に、褥瘡、潰瘍又は火傷からなる創傷部位の治療用有効成分が含有されてなる請求項1〜11のいずれかに記載の軟膏貼付材。
  13. 治療用有効成分が、ポビドンヨード及び糖質からなる請求項12に記載の軟膏貼付材。
  14. 治療用有効成分が、ポビドンヨードと、糖質と、表皮組織形成成分と、血行促進成分とからなる請求項12に記載の軟膏貼付材。
  15. 軟膏剤層の厚みが、1〜8mmである請求項1〜14のいずれかに記載の軟膏貼付材。
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