JP4785420B2 - 血液レオロジー測定装置 - Google Patents

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本発明は、生体中を循環する体液の測定装置にかかわり、特に血液の状態を把握し健康の評価、疾患の診断、薬品の効果の評価等のために使用する血液レオロジー測定装置に関する。
人体の健康状態を判断する検査項目のひとつとして、血液の流動性に着目した血液レオロジー測定が注目されている。血液レオロジーを測定する手段として、被験者より採血した一定量の血液が微小流路(マイクロチャネル)を通過する時間を計測する装置(製品名MC−FAN)が開発されている(例えば、非特許文献1参照。)。現在においては、MC−FAN装置は、血液レオロジー測定における標準機とされている。
しかし、MC−FAN装置による測定においては上記のように必ず採血を行う必要があり、測定が行えるのは医療機関に限られ、いつでもだれでもが手軽に健康状態を検査するというわけにはいかない。また、採血は被験者に対する肉体的および心理的な負担も大きく、1日あたりに計測できる回数もせいぜい数回までが限界であるため、時系列的に連続したデータが容易に得られないという問題がある。
ところで、血液レオロジーと生体内の血流速度は強い相関があると考えられている。すなわち、血液の粘性が高い場合、血流速度は遅く、一方、粘性が低い場合は血流速度が速いと考えられている。そのため、生体内の血流速度を計測することで、間接的に血液レオロジーを知ることが可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
一方、血管内の血流速度から血液レオロジーの指標を算出するためには、前記特許文献1に記載されているように、血流速度の計測以外に、カフを用いて生体の血圧を測定する必要があるが、この血圧値と血流速度をもちいて血液レオロジー、すなわち、血液の運動粘性率の指標を算出する方法として、対象とする動脈内部の血流圧力を血圧値で近似するといった概念に基づく方法がある。
特開2003−159250号公報 菊池佑二「毛細血管モデルを用いた全血流動性の測定」(食品研究成果情報,NO.11 1999年発行)
しかしながら、血圧値と血流速度をもちいて血液レオロジー、すなわち、血液の運動粘性率の指標を算出する方法は、動脈内部の血流圧力を血圧値で近似している事が原因で、計測誤差が大きいという問題があった。さらには、血圧測定のための機構及び煩雑さ等の観点から、手首や指先等の部位で血液レオロジーを測定するために必要不可欠な装置の小型化が困難であるという問題もあった。
そこで本願発明の目的は、手首や指先等の部位で測定可能かつ血圧測定を必要としない簡便、高精度及び小型の血液レオロジー測定装置を提供する事である。
本発明に係る血液レオロジー測定装置は、上記課題を解決するために、生体表面から生体内の動脈血流に対する超音波の送受信を行う超音波送受信素子及び光の照射・受光を行う照射・受光素子からなる複合センサを用いて、心拍角振動数に同期して周期的時間変化する血流速度、容積脈波の情報から、心拍周波数及び振幅比を検出する検出手段と、該心拍数と該振幅比から血液レオロジーの指標を演算する演算手段とを備えることを特徴とするものである。
図8は、本発明の効果を示す特性図であって、本発明に係る血液レオロジー装置にて測定した血液レオロジーの指標値βとMC-FANを用いた採血方式による血液レオロジーの指標である全血通過時間Tの相関を示している。縦軸はβ値を示しており、図8において縦軸の原点に近いほうがβ値は小さく、上方に行くほどβ値は大きな値となる。詳細については後述するが、β値が大きいということは血液の粘性率が大きいということを意味している。
一方、横軸はMC−FANによる全血通過時間Tを示しており、図8において縦軸の原点に近いほうがTの値は小さく、上方に行くほどTは大きな値となる。すなわち、全血通過時間Tの値が小さいということは、測定している血液がさらさらの血液であることを意味し、すなわち、β値が小さな値となる。一方、全血通過時間Tの値が大きいということは、測定している血液が粘性率の高いどろどろの血液であることを意味している。すなわち、粘性率が高いということはβ値が大きいことであり、これらの関係を考慮して図8を見た場合、β値と全血通過時間Tとは有意な相関を有しているとみなすことが可能である。
従って、この図8からわかる通り、本発明に係る血液レオロジー測定装置は、血圧測定を必要せずに精度よく手首や指先で血液レオロジーを測定する事が可能となるので、簡便、高精度及び小型の血液レオロジー測定装置が供給でき、その結果、被験者から採血を行うことなく、専門家以外の誰でも手軽に正確なレオロジーを調べることができ、健康状態の確認に利用することができるようになる。

図1に、本発明に係る血液レオロジー測定装置の構成を示すブロック図を示す。センサ部は、2対の超音波センサすなわち、超音波センサ1と超音波センサ4と光センサ7より構成されている。超音波センサ1は発信素子2と受信素子3、超音波センサ4は発信素子5と受信素子6から構成されており、光センサ7は発光素子8と受光素子9から構成されている。
発信素子2及び発信素子5は超音波発振回路10と接続しており、超音波発振回路10にて発生する電気信号を機械的超音波に変換して、生体内に超音波を発信させる。動脈内の血流に反射してドップラー信号を伴った超音波信号は、受信素子3及び受信素子6で電気信号に変換され、超音波受信検波回路11に入力され、ドップラー電気信号が検波される。この超音波発振回路10と超音波受信検波回路11の2種類の回路で超音波回路12が構成されている。
発光回路13は接続された発光素子8に対して駆動用電気信号を出力して、発光素子8を駆動し、発光回路13に接続された発光素子8は前記駆動電気信号を受けて光に変換し、その光を生体内に照射する。この照射された光量は動脈内の血流にて減衰する。この減衰した減衰光は受光素子9にて受光して電気信号に変換された後に受光検波回路14に入力され、受光検波回路14において血流による減衰量が電気信号として検波される。この発光回路13と受光検波回路14の2種類の回路で光回路15が構成されている。
超音波受信検波回路11にて検波されたドップラー電気信号は、生体心拍と同期した周期的時間変化を伴う血流速度の信号成分を含んでいる。このドップラー電気信号から血流速度に対応する電気信号、即ち、血流速度信号を分離抽出するための装置が血流速度演算処理装置16である。また、受光検波回路14にて検波された減衰量に対応する電気信号は、生体心拍と同期した周期的時間変化を伴う容積脈波の信号成分を含んでいる。この減衰量に対応する電気信号から容積脈波に対応する電気信号、即ち、容積脈波信号を分離抽出するための装置が容積脈波演算処理装置17である。
ここで、第1の測定部は、超音波センサ1、超音波センサ4、超音波回路12、及び血流速度演算処理装置16から構成され、一方、第2の測定部は、光センサ7、光回路15、及び容積脈波演算処理装置17から構成されている。なお、以上の実施形態においては、超音波センサを複数個使用した場合について説明したが、特に複数個の超音波センサを使用することに拘るものではなく、例えば1個の超音波センサ、即ち、発振素子2と受信素子3とからなる超音波センサ1のみであってもよい。
しかし、好ましくは、超音波センサを本実施形態のように2個使用することが望ましい。それは、超音波センサを本実施形態(図5及び図6)のように、超音波の出射方向および受信感度の指向方向が互いに平行でない角度に配置された2個の超音波センサとして使用すると、見えない血管の流れる方向を特定し、例えば、指の接触位置によらず安定して、しかも高精度に測定が可能になるからである。
血流速度演算処理装置16から出力された血流速度信号と、容積脈波演算処理装置17から出力された容積脈波信号は、本発明に係るレオロジー演算処理装置18に入力される。このレオロジー演算処理装置18は、波形情報演算処理装置19、心拍周波数演算処理装置20、振幅比演算処理装置21及びレオロジー指標演算処理装置22より構成されている。このレオロジー演算処理装置18にて検出されたレオロジー指標が出力装置23にて出力される。
まず、本発明に係るレオロジー指標演算処理装置18でおこなわれる演算処理の理論的背景を以下で説明する。図2は、心拍に同期して拍動する動脈の模式図であって、動脈24における圧力分布25によって、血流は動脈の軸方向であるZ軸方向と半径方向に血流
速度分布26を生じる。この圧力分布25が血圧値と相関する事はいうまでもない。さらに、動脈壁27が弾性を持っているために、動脈壁27はZ軸方向と半径方向に振動変位
を起こす。この振動変位が図中の脈波変位28である。さらに、この脈波変位28は拍動にともなってZ軸方向に波動として、動脈壁を伝搬する。この波動が脈波29である。
以上のモデルにおいて、圧力分布25、血流速度分布26及び動脈半径方向の拍動変位ξは流体力学におけるナビエ・ストークスの方程式および動脈壁の力学的運動方程式を用いて解析的に求める事が可能である。すなわち、心拍の角振動数をω、脈波の波数をk、動脈24の内径をR、動脈壁27の厚み、ヤング率、密度及びポアソン比をそれぞれh、E、ρ0、σ、動脈24の圧力分布25をP、動脈の血液密度をρ、動脈内の圧力振幅をPm、血流速度分布26の軸方向速度成分をV、動脈半径方向の拍動変位をξとすると、P、V、ξはベッセル関数J0を用いて次式にて決定される。
Figure 0004785420
ここで、φ、Fは次式で定義された無次元関数である。
Figure 0004785420
以上(1)〜(5)式において、γは、動脈壁厚みh、動脈壁密度ρ及び動脈半径Rで以下のように定義された無次元パラメーターであり、次式で与えられている。
Figure 0004785420
さらに、λは複素波数であって、運動粘性率ν及び心拍角振動数ωをもちいて、
Figure 0004785420
と定義されている。αは無次元のパラメーターで血液の運動粘性率ν、動脈半径R及び心拍角振動数ωをもちいて、
Figure 0004785420
と定義されている。
さらに、本発明に係る容積脈波の変化量Sは、図2記載の動脈24の断面積の変化量として定義できるが、通常、動脈半径Rに比較して、拍動変位量ξは十分小さいので、以下の(9)式で十分に近似できる。
Figure 0004785420
図1、図2記載の実施形態で検出される血流速度は、(2)式で与えられる血流速度分布Vにおける最大速度成分を振幅とした波形として検出される。この最大速度成分Vmは、近似的に次式で与えられる。
Figure 0004785420
となる。ここで、Kに関する詳細はのべないが、αの値に依存する値であって、0.65〜1の値をとる。
以上の解析結果から、動脈内の心拍角振動数ωに同期して周期変動する軸方向の最大速度分布Vmと容積脈波Sの振幅比μは、(9)式と(10)式より、(11)及び(12)式で決定される。
Figure 0004785420
ここで、Γは規格化振幅比である。この振幅比μは、動脈内の圧力振幅Pmとは無関係に、動脈内径R、動脈壁厚h、血液密度ρ、動脈ヤング率E及び無次元定数α、σ、γのみで決定される事が判明する。
(2)式をみればわかるとおり、動脈内の半径方向座標に軸方向速度は依存しているが、図1で示した超音波センサはこの軸方向速度成分Vのうち最大速度成分すなわち最大血流速度Vmを検出している。
図3は、(10)式で計算される最大血流速度Vmと(9)式で与えられる容積脈波Sの規格化振幅比Γのα依存性を理論計算した特性図であって、本発明に係る血液レオロジーの指標の演算処理を説明するための特性図である。縦軸はα、横軸は規格化振幅比Γである。この特性図の特性曲線30は、生体組織での代表的なσ、γの値
σ=0.5 γ=0.1〜0.5
では大きな変化がなく、ほぼαの値の変化で決定される事が判明した。このαは(8)式で定義され、さらに測定部位の動脈内半径R、動脈ヤング率E、血液密度ρ及び動脈壁厚hの個人差はなく、ほぼ一定とみなせるので、血流速度と容積脈波の振幅比と心拍振動数数ωを測定すれば、動脈内の圧力Pに無関係に、血液の運動粘性率νが検出できることになる。
すなわち、血圧を測定せずに血液の運動粘性率νが検出できる事に他ならない。ちなみに、従来の血液レオロジーの検出方法は、(2)式より計算される最大血流速度Vmを圧力振幅項Pmで除算するかわりに、血圧値で除算するものであった。以上が本発明に係る演算処理の理論的背景である。また、(1)式から(12)式の式中に現れるjは虚数(−1の平方根)であり、計算値は複素数となるが、実際に意味のある物理量は、電子工学における交流理論と同様で、その実数部である事は言うまでもない事である。
図4は、血流速度演算処理装置16において演算処理された心拍信号に同期して周期的変化する血流速度信号の波形(血流速度波形)31と容積脈波演算処理装置17において演算処理された同じく心拍信号に同期して周期的変化する容積脈波信号の波形(容積脈波波形)32を示す説明図である。縦軸は出力強度であって、血流速度波形31においては、速度強度を表し、容積脈波波形32においては減衰強度を表している。横軸は時間である。図中の血流速度波形31及び容積脈波波形32は双方ともに時間間隔ΔTの範囲でN個のピーク値とN個のボトム値を持っている。すなわち、血流速度波形31においては、Vp(1)からVp(N)のN個のピーク値及び、Vo(1)からVo(N)のN個のボトム値、容積脈波波形32においては、Sp(1)からSp(n)のN個のピーク値及びSo(1)からSo(n)のN個のボトム値である。
表1に図4にて示した血流速度波形31のピーク値Vp(n)とその出現時刻τ1(n)、ボトム値Vo(n)とその出現時刻τ2(n)及び容積脈波波形32のピーク値Sp(n)とその出現時刻τ3(n)、ボトム値So(n)とその出現時刻τ4(n)をまとめて記す。
Figure 0004785420
次に、本発明に係るレオロジー演算処理装置18に内蔵されている波形情報演算処理装置19、心拍周波数演算処理装置20、振幅比演算処理装置21及びレオロジー指標演算処理装置22について以下説明する。第一の演算処理装置である波形情報演算処理装置19は、表1に記載の波形情報を検出するものであり、この波形情報演算処理装置19における波形に関する演算処理方法は、コンパレーターを用いたピーク検出方法等を用いた演算処理方法を採用している。
次に、第二の演算処理装置である心拍周波数演算処理装置20は、表1に記載の波形情報のうち、血流速度波形31または容積脈波波形32のピーク値またはボトム値出現の時刻間隔を以下の演算処理式(1)によって
Figure 0004785420
をもとめ、さらに、以下の第二の演算処理式(2)
Figure 0004785420
によって心拍周波数Fを検出する。
本発明に係るレオロジー演算処理装置18に内蔵される第三の演算処理装置である振幅比演算処理装置21においては、血流速度波形31と容積脈波波形32のそれぞれ、N個のピーク値とボトム値から、振幅比μを以下の演算処理式(3)、
Figure 0004785420
によって求めている。この演算式(3)は、波形情報から(11)式で与えられた容積脈波Sと最大血流速度Vmの振幅比を定義する演算式に他ならない。また本発明に係る波形情報演算処理装置19において、波形情報の演算処理手段としてフーリエ解析法、フェーズロックトループ(PLL)法などの一般的演算処理方法を採用することで、血流速度波形31及び容積脈波波形32から直接、心拍周波数Fを検出する構成であってもなんら問題はなく、適宜、変更可能である。
また図3に記載の特性曲線30から、本発明に係る演算処理式(3)によって定義された振幅比μと(8)式で定義されたαはほぼ直線的関係にある事が判明する。さらに、αの定義式(8)を考慮すれば、求めるべき血液の運動粘性率νは、この振幅比μの二乗に半比例すると共に、心拍周波数Fに比例する事も判明する。すなわち、人体の指先で血液レオロジー測定を目的とした本発明に係るレオロジー指標演算処理装置22は、この振幅比μ、演算処理式(2)で定義した心拍周波数F及び以下の演算処理式(4)をもちいて、
Figure 0004785420
血液の運動粘性率νに比例する血液レオロジーの指標βが決定される。ここで、bは比例定数であって、図1に記載の超音波検波回路11、受光検波回路14等の回路上の利得特性、男女別、人種別、年齢等の因子さらには動脈内半径Rを含めて設定する必要があるが、これは単なる設計的事項にすぎない事は言うまでもない。また、手首や指先などの動脈内半径Rは、成人の場合、大きなばらつきがなく一定と考えてよいので、ほぼ定数とみなして問題ないので、演算処理式(4)の比例定数bに含まれる事になんら問題ない。
以上の説明から判るとおり、血液の運動粘性率νの増加に対しては、本発明に係るレオロジー指標βは増加、逆に血液の運動粘性率の減少に対しては、本発明に係るレオロジー指標βは減少する特徴を持っている。また、MC−FANによって測定されるレオロジー指標である全血通過時間Tにおいては、血液の運動粘性率νが増加し、ドロドロ状態になるとTが増加、逆に運動粘性率νが減少し、サラサラ状態になるとTが減少する特徴を持っている。すなわち、血液のサラサラ化に伴う全血通過時間Tの減少は、本発明に係るレオロジー指標βの減少、血液のドロドロ化に伴う全血通過時間Tの増加は、本発明に係るレオロジー指標βの増加する関係が得られる事になる。この本発明に係るレオロジー指標βと全血通過時間Tの関係を実験的に示したのが図8であり、前述したように本発明に係るレオロジー指標βは非常に良好に血液ドロドロサラサラ状態を決定できる事が判明している。
以上の説明より、本発明に係る血液レオロジー測定装置により測定された心拍周波数を振幅比の実数乗で除算した値をレオロジー指標とする事で、血圧測定を必要とせず、しかも精度の高いレオロジー測定が可能となるのである。
図5(a)及び図5(b)は、本発明に係るセンサ部の構造を説明するための模式図であって、2対の超音波センサ1と超音波センサ4及び光センサ7が同一の基板33に配置されている。2対の超音波センサは、超音波の射出および受信の指向性の方向が互いに平行にならないように、角度34をなすように傾けて配置されている。この角度34の大きさはθである。また光センサは2対の超音波センサ1及び超音波センサ4の中間位置に配置されている。超音波センサ1と超音波センサ2を構成している発信素子2と受信素子3および発信素子5と受信素子6の材質は圧電セラミックスである。また、光センサ7を構成している発光素子8はLED、受光素子9はフォトダイオードまたはフォトトランジスタである。
図6は指先の動脈を用いて本発明に係る血液レオロジー測定を説明するための模式図であって、超音波センサによる血流速度測定を説明するための図である。指先35の動脈36に対して超音波センサ1と超音波センサ4で発信された超音波37と超音波39は動脈36の特定部位41の血流に反射し、ドップラー効果によるドップラーシフト(周波数シフト)をともなった反射波38と反射波40として超音波センサ1及び超音波センサ4の受信素子にて受信される。この時、超音波センサ1で受信されるドップラーシフト量Δf1、超音波センサ4で受信されるドップラーシフト量Δf2、さらに発信される超音波の周波数f並びに、以下に示す演算処理式(5)によって、
Figure 0004785420
動脈36を流れる血流の最大血流速度Vmが決定される。ここでVoは生体内を伝播する音速である。
図7は指先の動脈を用いて本発明に係る血液レオロジーを測定する第二の模式図であって、光センサによる容積脈波測定を説明するための図である。発光素子8より発光する照射光42は図6と同様に、指先35の動脈36の特定部位41近傍に対して、散乱光43となって受光素子9にて検出される。なぜなら、本発明に係る光センサ7は2対の超音波センサ1及び超音波センサ4の中間位置に配置されているからである。この散乱光43は、動脈36の特定部位41における容積脈波変化に同期して減衰するので、散乱光43の強度変化が容積脈波変化として検出される。
以上のように、図5(a)及び図5(b)に記載のセンサ構造をとる事によって、指先の動脈の同じ特定部位における最大血流速度Vmと容積脈波変化が同時に測定できるのであり、しかも、演算処理式(5)によって精度よく最大血流速度が検出できる。以上、図6〜図7は指先での血液レオロジー測定の概念図であるが、その他の部位、たとえば手首、腕、首等でもまったく同様なセンサ構造で測定可能である。単純にセンサ寸法を変更するだけ対応できる。
本発明は、医療および健康維持・増進を目的として、体液の流動性を示す指標としての血液レオロジーと強い相関がある生体内の血流速度を計測することが可能であるだけでなく、生体(人体)の活動状況と生体各部における血流状態の相関を知るための計測においても利用可能である。
本発明に係る血液レオロジー測定装置の構成を示すブロック図 本発明に係る心拍に同期して拍動する動脈の模式図 本発明に係る血液レオロジーの指標算出のための演算処理を説明する特性図 本発明に係る血流速度波形と容積脈波波形を示す説明図 本発明に係るセンサ部の構造を説明するための模式図 本発明に係る血液レオロジー測定を説明するための模式図 本発明に係る血液レオロジー測定を説明するための模式図 本発明の効果を示す特性図
符号の説明
1 超音波センサ
2 発信素子
3 受信素子
4 超音波センサ
5 発信素子
6 受信素子
7 光センサ
8 発光素子
9 受光素子
10 超音波発信回路
11 超音波受信検波回路
12 超音波回路
13 発光回路
14 受光検波回路
15 光回路
16 血流速度演算処理装置
17 容積脈波演算処理装置
18 レオロジー演算処理装置
19 波形情報演算処理装置
20 心拍数演算処理装置
21 振幅比演算処理装置
22 レオロジー指標演算処理装置
23 出力装置

Claims (7)

  1. 生体表面から生体内の動脈血流に対して第1の信号を送信し、前記動脈血流を介して反射してきた前記第1の信号を受信することにより、前記動脈血流の血流速度を表し、前記動脈血流の心拍角振動数に同期して周期変動する血流速度信号を電気信号として出力する第1の測定部と、前記生体表面から前記動脈血流に対して第2の信号を射出し、前記動脈血流によって減衰した前記第2の信号を受信することにより、前記動脈血流の容積脈波を表し、前記動脈血流の心拍角振動数に同期して周期変動する容積脈波信号を電気信号として出力する第2の測定部と、前記血流速度信号と前記容積脈波信号とに基づいて血液レオロジーを求める演算処理を行うレオロジー演算処理装置とからなる血液レオロジー測定装置において、
    前記演算処理は、前記血流速度信号または前記容積脈波信号の波形情報に基づいて算出される前記心拍角振動数に対応する心拍周波数を、前記血流速度信号の振幅を前記容積脈波信号の振幅で除算した値である振幅比で除算することにより血液レオロジーを求めるようになされることを特徴とする血液レオロジー測定装置。
  2. 前記第1の測定部は、前記第1の信号を送受信する第1のセンサ部と、前記第1のセンサ部を駆動し、また前記第1のセンサ部により受信したドップラー信号を有する受信信号の検波を行う第1の回路部と、検波した前記ドップラー信号を有する受信信号に基づいて演算処理を行い、前記血流速度信号を出力する血流速度演算処理装置とからなることを特徴とする請求項1に記載の血液レオロジー測定装置
  3. 前記第2の測定部は、前記第2の信号を送受信する第2のセンサ部と、前記第2のセンサ部を駆動し、また前記第2のセンサ部により受信した受信信号の検波を行う第2の回路部と、検波した前記受信信号に基づいて演算処理を行い、前記容積脈波信号を出力する容積脈波演算処理装置とからなることを特徴とする請求項1に記載の血液レオロジー測定装置
  4. 前記第1のセンサ部は、超音波を送受信する超音波センサ素子からなることを特徴とする請求項2に記載の血液レオロジー測定装置。
  5. 前記第1のセンサ部は、前記超音波の出射方向および受信方向が互いに平行でない角度に配置された2対の前記超音波センサ素子を有し、前記血流速度演算処理装置は、前記2対の超音波センサ素子によって得られるそれぞれの前記ドップラー信号を用いて演算処理を行い、前記血流速度信号を出力することを特徴とする請求項4に記載の血液レオロジー測定装置。
  6. 前記第2のセンサ部は、光を送受信する光センサ素子からなることを特徴とする請求項3に記載の血液レオロジー測定装置。
  7. 前記第1の測定部は、前記第1の信号を送受信する第1のセンサ部を有し、
    前記第2の測定部は、前記第2の信号を送受信する第2のセンサ部を有し、
    前記第1のセンサ部と前記第2のセンサ部とは、同一基板上に形成され、手首または指先の動脈の同一部位における前記血流速度と前記容積脈波とを同時に測定可能な一体化構造となっていることを特徴とする請求項1に記載の血液レオロジー測定装置。
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