JP4784052B2 - 固体撮像素子 - Google Patents
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Description
これら撮像装置には、通常、CCD等の受光素子として固体撮像素子が用いられているが、半導体製造技術の進歩とともに、固体撮像素子の画素の微細化が一段と進み、益々、撮影画像の高画質化が求められている。
このような中、CCD等の固体撮像素子を用いた固体撮像装置においては、更に高感度化が求められているが、デバイスの制約上、固体撮像素子の受光部である画素を隙間なく並べることができない。そこで、限定された面積の固体撮像素子の画素への集光率を向上させるために、マイクロレンズアレイを固体撮像素子の前に設けて、固体撮像素子の各画素に入射する光量を効率的に得て、感度を向上させる方法が、感度を増す方法の1つとして、広く知られている。(例えば、特許文献1参照)。
第1図は、従来の固体撮像装置の構造を示す部分断面図である。第1図に示すように、固体撮像装置は、その表面に受光素子(2)、遮光層(3)などが形成された半導体基板(1)上に、平坦化層(4)、原色のカラーフィルター(5)、平坦化層(7)、マイクロレンズ(6)が順次形成されたものである。このような構造により、マイクロレンズとカラーフィルターを備えた固体撮像装置を実現していた。
(第1実施形態)
図2は、本発明による固体撮像素子の一実施例を示す部分断面図である。図2に示すように、固体撮像素子(10)は、その表面に受光素子(12)、遮光膜(13)などが形成された半導体基板(11)上に、平坦化層(14)、カラーフィルター(15)、平坦化層(17)、回折光学素子(16)が順次形成されたものである。
図4は、このような本発明の回折光学素子(16)が、マイクロレンズアレイとして利用可能なことを説明するための図であり、図4(a)に示すように、回折光学素子(16)の上面から所定波長の平行な物体光(30)を入射させると、碁盤の目状に分割配置された正方形領域(20)と(21)それぞれから球面波状に広がる回折光(32)、(33)が回折される。その回折光(32)、(33)の波面においては正面方向の振幅が最も強くなる。回折光学素子(16)の射出側に近接して配置された基板(40)上には、これらの回折光(32)、(33)が相互に正方形領域(20)、(21)の境界線(22)の近傍領域(34)で重なって干渉しながら入射する。正方形領域(20)と正方形領域(21)の間には位相差がπあるので、隣接する正方形領域(20)と(21)からの回折光(32)と(33)はこの近傍領域(34)では相互に打ち消し合って強度が略ゼロになる。一方、正方形領域(20)、(21)それぞれの中心領域(35)では、隣接する正方形領域(21)又は(20)からの回折光(32)、(33)は余り強く入射しない。そのため、基板(40)の上面図を図4(b)に示すと、基板(40)の正方形領域(20)と(21)それぞれに対応する正方形領域(41)間の境界線(42)(境界線(22)と対応する。)に近い領域である各正方形領域(41)の周辺領域(43)では光量が弱く、各正方形領域(41)の中心領域(44)では光量が相対的に強くなる。したがって、基板(40)の各正方形領域(41)では、例えば略同心状で中心程光量が多い光量分布(45)となる。
図5は、本発明による固体撮像素子のもう一つの実施例を示す部分断面図である。この実施例は、図2の構成において、半導体基板(11)と回折光学素子(16)の間にレンズを配置した実施例の部分断面図であり、固体撮像素子(60)は、表面に受光素子(62)、遮光膜(63)などが形成された半導体基板(61)上に、レンズ(64)、平坦化層(65)、カラーフィルター(66)、平坦化層(68)、回折光学素子(67)が順次形成されたものである。カラーフィルター(66)の下にはレンズ(64)が配置されており、回折光学素子(67)で集光された光を更に狭い範囲の領域に集光することができる。
図6は、本発明による固体撮像素子の更にもう一つの実施例を示す部分断面図である。この実施例は、図2の構成において、半導体基板(11)と回折光学素子(16)の間に更に回折光学素子を配置した実施例の部分断面図であり、固体撮像素子(70)は、表面に受光素子(72)、遮光膜(73)などが形成された半導体基板(71)上に、第1の回折光学素子(74)、平坦化層(75)、カラーフィルター(76)、平坦化層(78)、第2の回折光学素子(77)が順次形成されたものである。カラーフィルター(76)の下においては、白色光が既に赤色、青色、緑色に分かれているため、第1の回折光学素子(74)の高さは青色、赤色、緑色それぞれに対応して効率よく設計しても良い。また、回折光学素子(74)は周辺の平坦化層(75)より高屈折率のときに受光素子(72)に光がよく到達するものであり、光導波路的な効果も併せ持っている。
図7は、本発明による固体撮像素子の他の実施例を示す部分断面図である。この実施例は、図1に示した従来の固体撮像装置の構成において、マイクロレンズ(6)と半導体基板(1)の間に、回折光学素子を配置した構成であり、固体撮像素子(80)は、表面に受光素子(82)、遮光膜(83)などが形成された半導体基板(81)上に、回折光学素子(84)、平坦化層(85)、カラーフィルター(86)、平坦化層(87)、マイクロレンズ(88)が順次形成されたものである。この回折光学素子(84)は半導体基板(81)上に配置されるが、レンズ形成のような熱溶融による形成が不要であり、断面形状にレンズのような曲面が含まれず、レジストを用いて均一な厚さの層で構成されるため精度良く形成でき、この位置にマイクロレンズを作製するのが困難な場合には有効となる。また、回折光学素子(84)の屈折率が平坦化層(85)の屈折率より高い場合には非常に有効となり、光導波路的な意味合いでもある。
図2に断面図を示した固体撮像素子について、電磁波による光強度のシュミレーションを米国R-Soft社のソフトBeamPROP(ver5.0)を用い、以下の設定にて行った。
Waveguide Model Dimension:2D
Vector Mode:Full
Polarization:TE
Simulation Tool:Beam PROP/BPM
Background Index:1
Profile Type:Step Index
シュミレーション条件は、入射光の波長を緑色の中心波長である550nm、画素サイズ2.0μm、第1の平坦化層の屈折率1.5、厚さ3.8μm、カラーフィルターの屈折率1.6、厚さ1.0μm、第2の平坦化層の屈折率1.5、厚さ0.7μm、回折光学素子の屈折率1.6、幅2.0μm、高さを同一面内で0.1〜1.3μmに変化させ、回折光学素子下から受光面までの距離は5.5μmにて行い、このシュミレーション結果の光強度の断面(プロファイル)を図8に示した。この結果から、回折光学素子の高さが0.3μm〜0.8μm(0.65π〜1.74π)の範囲のとき入射光が受光素子面上にて良好に集光しており、回折光学素子の高さが0.5μm(1.09π)のとき最も集光度が上がっている。また、受光素子面の位置にも自由度がある(焦点深度が深い)ことも回折光学素子の利点である。
図1に断面図を示した従来の固体撮像素子について、電磁波による光強度のシュミレーションを実施例1と同様のソフトを用いて、同様の設定にて行った。シュミレーション条件は、入射光の波長550nm、受光素子のサイズ2.0μm、第1の平坦化層の屈折率1.5、厚さ3.8μm、カラーフィルターの屈折率1.6、厚さ1.0μm、第2の平坦化層の屈折率1.5、厚さ0.7μm、レンズの屈折率1.6、幅2.0μm、高さを同一面内で0.1〜1.0μmに変化させ、レンズ下から受光面までの距離は5.5μmにて行い、このシュミレーション結果の光強度の断面(プロファイル)を図14に示した。この結果から、受光素子のピッチを2μm程度と光の波長に近づけた場合、レンズの曲率を下げて受光素子面で集光を得ようとしても、良好に集光できないことがわかる。
2,12,62,72,82…受光素子
3,13,63,73,83…遮光膜
4,7,14,17,65,68,75,78,85,87…平坦化層
5,15,66,76,86…カラーフィルター
6,64,88…マイクロレンズ
10,60,70,80…固体撮像素子
16,67,74,77,84…回折光学素子
20,21…正方形領域
22…正方形領域の境界
30…物体光
32,33…回折光
34…境界線の近傍領域
35…正方形領域の中心領域
40…基板
41…正方形領域
42…境界線
43…周辺領域
44…中心領域
45…光量分布
Claims (7)
- 表面に複数の受光素子が形成された半導体基板と、この半導体基板の上方に配置され、前記複数の受光素子に光を集光する回折光学素子とを有し、前記回折光学素子は、入射光に対して異なる位相を与える同一形状の微細な2種の正方形領域が、交互に市松格子状として配列され、前記受光素子は、半導体基板表面に格子状に配列され、前記回折光学素子の各々の正方形領域と各々の受光素子が対応して配置されており、且つ、前記回折光学素子の正方形領域は、各受光素子に対して1つおきに凸部を形成していることを特徴とする固体撮像素子。
- 請求項1に記載の固体撮像素子であって、前記回折光学素子は、垂直に入射する可視領域波長の光に対して位相0を与える領域と位相0.65π〜1.87πを与える領域が交互に配列されていることを特徴とする固体撮像素子。
- 請求項1から請求項2までのいずれか1項に記載の固体撮像素子であって、前記半導体基板と前記回折光学素子の間にカラーフィルターを有することを特徴とする固体撮像素子。
- 請求項3に記載の固体撮像素子であって、前記カラーフィルターは、複数色のカラーフィルターセルからなり、各々のカラーフィルターセルが、各々の受光素子と、回折光学素子の各々の正方形領域に対応して配置されていることを特徴とする固体撮像素子。
- 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の固体撮像素子であって、前記半導体基板と前記回折光学素子の間であって、前記受光素子の上方に配置され、この受光素子に光を集光するレンズを有することを特徴とする固体撮像素子。
- 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の固体撮像素子であって、前記半導体基板と前記回折光学素子の間であって、前記受光素子の上方に配置され、この受光素子に光を集光する回折光学素子を更に配置したことを特徴とする固体撮像素子。
- 表面に複数の受光素子が形成された半導体基板と、前記受光素子の上方に配置され、この受光素子に光を集光する回折光学素子と、この回折光学素子の上方に配置され、前記受光素子に光を集光するマイクロレンズアレイを有するもので、前記回折光学素子は、入射光に対して異なる位相を与える同一形状の微細な2種の正方形領域が、交互に市松格子状として配列され、前記受光素子は、半導体基板表面に格子状に配列され、前記回折光学素子の各々の正方形領域と各々の受光素子が対応して配置されており、且つ、前記回折光学素子の正方形領域は、各受光素子に対して1つおきに凸部を形成していることを特徴とする固体撮像素子。
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