JP4782361B2 - 折りたたまれた弓形状ベルトを有する吸収物品及びその製造方法 - Google Patents

Description

【０００１】
技術分野
本発明は、液体透過性上部シート、液体不透過性下部シート及びそれらの間に封入された吸収体を含む、おむつ及び失禁ガードの如き吸収物品であって、前記物品が前部分、後部分及びそれらの間の股部分を有し、さらに物品の前部分あるいは後部分に取り付けられた１対のベルト部材を与えられており、前記ベルト部材が装着者の腰のまわりに一緒に固定されることを意図されており、ベルト部材がパンツの腰部分の一部を形成して物品がパンツ状形状をとるような方法で、前記前部分あるいは前記後部分がベルト部材に固定されることを意図される固定手段を与えられている吸収物品に関する。また、本発明は、かかる吸収物品の製造方法に関する。
【０００２】
発明の背景
失禁症の大人のためのおむつ及び失禁ガードは使用者の体に対して吸収体を適所に保持する衣料部分及び使用者が動いているときでも衣料部分を適所に保持する取付手段を通常有する。一般的なタイプの取付手段は吸収物品の前及び後部分を互いに直接取り付ける接着テープ又はタッチアンドクローズ型のフックアンドループファスナーである。さらに例えばＥＰ−Ａ ０２８７３８８，ＥＰ−Ａ ０４０９３０７，ＥＰ−Ａ ０６０５０１２及びＦＲ−Ａ ２５８６５５８を通して、ベルトによって物品の前及び後部分を取り付け、それによって適合状態を調整する可能性が改良されることが知られている。ベルトは、特に装着者が立ち上がっているときに、おむつ又は失禁ガードの単純化された変化をさらに与える。
【０００３】
しかしながら、物品が装着者に適用されるとき、特に装着者が横たわりベルト端が装着者の下でつかまえられる場合、ベルト部材の端を把持することは難しい。さらに長いベルト端は物品の製造中、加工性の問題を生じうる。それゆえベルト端が使用前に物品上の容易にアクセス可能な位置で折りたたまれ集められることが望ましい。
【０００４】
ベルト部材は通常一直線である。しかしながら、弓形状を有するベルトが装着者の腰のまわりに改良された適合を与えることができることが証明されている。かかる弓形状のベルトはＷＯ ９１／０８７２５を通して知られている。しかしながら、この文献は製造中にベルト部材を予め折りたたむ問題に対していかなる解決策も与えない。
【０００５】
ＷＯ ８６／０４８１２を通して、おむつの取付ストラップ、即ち製品の製造及び包装を簡単にするためにおむつに適用される前にアコーディオン状の方式でおむつの前及び後部分を固定する取付手段を担持するストラップを折りたたむことが従来知られている。その折りたたまれた取付ストラップはおむつをまさに使用しようとするときに容易に剥離され広げられるために狭い領域で適用される弱い接着剤によって一緒に保持される。取付ストラップは一直線であり、本発明に規定されたようなベルトを構成しない。
【０００６】
発明の目的及び最も重要な特徴
本発明の目的はおむつ又は失禁ガードの如きベルトを与えられた吸収物品を達成することであり、前記ベルトは簡単な製造工程によって達成される改良された適合性を有する弓形状を持つものであり、前記ベルト部材は使用者への製品の適用及び製造中の取扱いを改良するために折りたたまれている。これは本発明によれば、使用前のベルト部材が二重に折りたたまれかつ弓形状で切断されており、さらに折り目の領域におけるベルト部材の各長手方向縁によって形成される弓状曲線に対する接線が折り目に対して実質的に直角を作ること、二重に折りたたまれた状態のベルト部材が物品の後部分に適用されること、及びベルト部材が物品使用時に広げられることを意図され、広げられた状態のベルト部材が弓形状を形成し、そこで折り目の両方の側上の部分が互いに鏡像であることによって解決される。
【０００７】
好ましい例によれば、ベルト部材は容易に破壊可能なシールによって物品の後部分に対してそれらの二重に折りたたまれた状態で適所に維持されている。
【０００８】
また、本発明はベルトを与えられた物品の製造方法であって、物品に適用される前のベルト部分が二重に折りたたまれ、次いで弓形状で切断され、さらに折り目の領域におけるベルト部材の各長手方向側縁によって形成される弓状曲線に対する接線が折り目に対して実質的に直角を作ること、及び二重に折りたたまれた状態のベルト部材が物品の後部分に適用される吸収物品の製造方法に関する。
好ましい例によれば、ベルト部材は容易に破壊可能なシールによってそれらの二重に折りたたまれた状態で物品の後部分に取り付けられる。
【０００９】
図面の簡単な記述
本発明は以下において添付図面に示された例を参照してより詳細に記載されるだろう。
図１は折りたたまれたベルト部分を有する本発明によるおむつ又は失禁ガードの透視図を概略的に示す。
図２は延ばされ広げられたベルト部分を有する図１によるおむつを示す。
図３は二重に折りたたまれた材料片を切断することによるベルト部材の製造を概略的に示す。
【００１０】
発明の詳述
図１及び２は液体透過性上部シート２、液体不透過性下部シート３及びそれらの間に封入された吸収体４を含む、おむつ又は失禁ガード１の一例を示す。液体透過性上部シート２は不織材料、例えば連続フィラメントのスパンボンド材料、メルトブロー材料、結合されカードされた繊維ウェブからなることができる。液体不透過性下部シート３はプラスチックフィルム、液体不透過性材料で被覆された不織材料又は液体透過に抵抗する疎水性不織材料からなってもよい。
【００１１】
上部シート２及び下部シート材料３は吸収体４より幾分大きな平面範囲を有し、その縁の外側に延びる。層２及び３は例えば接着又は熱又は超音波による溶接によってその突出部分内で互いに接続される。
【００１２】
吸収体４はいかなる従来の種類のものであることができる。一般的な吸収材料の例はセルロース毛羽パルプ、ティッシュ層、高吸収ポリマー（いわゆる超吸収材）、吸収フォーム材料、吸収不織材料などである。吸収体においてセルロース毛羽パルプを超吸収材と組み合わせることが一般的である。また、液体取得能力、液体分布能力及び貯蔵能力に関して異なる特性を有する異なる材料の層を含む吸収体を持つことも一般的である。それは当業者に良く知られており、それゆえ詳細に記載される必要はない。例えばベビー用おむつ及び失禁ガードにおいて一般的である薄い吸収体はセルロース毛羽パルプ及び超吸収材の圧縮された混合又は層状構造を含むことが多い。
【００１３】
おむつ／失禁ガードは吸収パンツのような装着者の胴体の下部を包囲することを意図される。それは使用中使用者の体の前部上に装着されることを意図される前部分５、使用中使用者の体の後部上に装着されることを意図される後部分６、及び脚の間で使用者の股部に装着されることを意図され前及び後部分の間に位置される狭い股部分７を含む。前部分５は一対の接着テープ部分８又はタッチアンドクローズタイプのフックアンドループファスナーの如き他のタイプの取付手段を与えられる。
【００１４】
一対のベルト部材９は一端をおむつの後部分５に取り付けられる（例えば接着又は超音波溶接される）。ベルト部材９は例えば対向するベルト部材の外側に対して取り付けられるテープタブ１０によってそれらの対向する端を一緒に固定されることを意図される。テープタブの代わりにフックアンドループ型ファスナーの如き別の任意の取付手段を存在させてもよい。前部分５の取付テープ８又は対応する取付手段はおむつ／失禁ガードを所望のパンツ状形状に固定するためにベルト部材９の外側に対して取り付けられることを意図される。ベルト部材は対向する長手方向側縁９ａ，ｂ及び端縁９ｃ，ｄを有し、一つの端縁９ｃはおむつの後部分に取り付けられ、一つのベルト部分の他の端縁９ｄは前記固定手段１０を担持する。
【００１５】
ベルト部材９の幅は５〜２０ｃｍ、好ましくは７〜１５ｃｍであるべきである。
【００１６】
ベルト部材９はベルトの外側を形成するキャリア材料と、使用者の皮膚と直接接触することを意図されるベルトの内側を形成する柔らかい不織材料との積層体であることが好ましい。
【００１７】
好適な不織材料は例えばポリプロピレン又はポリエチレン繊維のスパンボンド材料であることができる。複合繊維を使用してもよい。別の好適な不織材料は例えばポリプロピレン、ポリエステル又は複合繊維のカードされ熱結合された材料であることができる。
【００１８】
キャリア材料としてプラスチックフィルム又は他の適切な材料、例えば不織布を使用することができる。キャリア材料は取付手段８及び１０のための受容表面として機能するように適応されるべきであり、それらの場合において取付手段はテープタブであり、プラスチックフィルムが好ましい。テープタブの代わりに他のタイプの取付手段、例えばフックアンドループ型ファスナーが使用される場合には、問題の取付手段のための受容表面として機能しうる別のタイプのキャリア材料が好適である。また、弾性積層体はベルト部分における材料として使用することが好適である。
【００１９】
ベルト部材９は使用前二重に折りたたまれ、半分の弓の形状で切断されている。これは図３に示されているように、ベルト部材９を形成することを意図される材料片を折りたたみ、次いで折り目１４の領域において各切断線によって形成される弓状曲線１３に対する接線１２が折り目に対して実質的に直角を作るような方法で、二重に折りたたまれた材料を半分の弓の形状で切断することによって作られる。前記切断線はベルト部材の長手方向側縁９ａ及びｂを形成するだろう。これによってベルト部材はそれらの広げられ延ばされた状態では弓形状を形成し、そこでは折り目１４の対向する側の部分は互いに鏡像である。同じ材料片１１からそれらの間の材料を無駄にせずに複数のベルト部材を切断することができる。好ましくは折り目１４は折り目１４の一方の側のベルト部材が折り目の他方の側より長いように設定される。長い方の突出する端はこれによっておむつの後部分６に取付けられた端９ｃを作ることができる。長いベルトを望む場合には、ベルト部材が折り目の両側で等しい長さにするように又は長い方の突出する端が対向するベルト部材に取り付けられる端９ｄを作るように折り目１４を設定することもできる。これによって前記端９ｄは後部分６の側縁の外側に突出するか又はこのうえで折り返されるだろう。
【００２０】
ベルト部材９は折りたたまれた状態では一つの端縁９ｃ及びそれに隣接する部分で公知の方法でおむつの後部分６に取り付けられる。ベルト部材９は次いで後部分６の方に折りたたまれ、好ましくはこの状態で容易に破壊可能なシール１５、例えば接着剤列／接着剤ドット又は超音波もしくは熱によって与えられる溶接継ぎ目／溶接ドットによって取り付けられる。
【００２１】
このおむつ／失禁ガードが装着者に適用されるとき、ベルト部材９は看護人にとって容易にアクセス可能であり、ベルト端９ｄにおける軽い引張りによりシール１５は破壊され、ベルト部材９は装着者の腰まわりで広げられ固定されることができる。ベルト部材９は図２に示されているように弓形状を有し、それは装着者の腰のまわりに改良された適合を与える。前部分５上の固定手段８は次いでベルト部材９の外側に取り付けられ、おむつ／失禁ガードを所望のパンツ状形状に固定することができる。
【００２２】
本発明はもちろん上記例に限定されず、特許請求の範囲内で変更されることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 折りたたまれたベルト部分を有する本発明によるおむつ又は失禁ガードの透視図を概略的に示す。
【図２】 延ばされ広げられたベルト部分を有する図１によるおむつを示す。
【図３】 二重に折りたたまれた材料片を切断することによるベルト部材の製造を概略的に示す。

Claims (4)

1. 液体透過性上部シート（２）、液体不透過性下部シート（３）及びそれらの間に封入された吸収体（４）を含む、おむつ及び失禁ガードの如き吸収物品であって、前記物品が前部分（５）、後部分(６)及びそれらの間の股部分（７）を有し、さらに物品の前部分（５）あるいは後部分（６）に取り付けられた１対のベルト部材（９）を与えられており、前記ベルト部材（９）が装着者の腰のまわりに一緒に固定されることを意図されており、ベルト部材（９）がパンツの腰部分の一部を形成して物品がパンツ状形状をとるような方法で、前記前部分（５）あるいは前記後部分（６）がベルト部材（９）に固定されることを意図される固定手段（８）を与えられている吸収物品において、使用前のベルト部材（９）が二重に折りたたまれかつ弓形状で切断されており、さらに折り目（１４）の領域におけるベルト部材（９）の各長手方向縁（９ａ，ｂ）によって形成される弓状曲線（１３）に対する接線（１２）が折り目に対して実質的に直角を作ること、二重に折りたたまれた状態のベルト部材が物品の後部分（６）に適用されること、及びベルト部材（９）が物品使用時に広げられることを意図され、広げられた状態のベルト部材が弓形状を形成し、そこで折り目（１４）の両方の側上の部分が互いに鏡像であることを特徴とする吸収物品。
2. ベルト部材（９）が容易に破壊可能なシール（１５）によって物品の後部分（６）に対してそれらの二重に折りたたまれた状態で適所に維持されていることを特徴とする請求項１に記載の吸収物品。
3. 液体透過性上部シート（２）、液体不透過性下部シート（３）及びそれらの間に封入された吸収体（４）を含む、おむつ及び失禁ガードの如き吸収物品の製造方法であって、前記物品が前部分（５）、後部分(６)及びそれらの間の股部分（７）を有し、さらに物品の後部分（６）に取り付けられた１対のベルト部材（９）を与えられており、前記ベルト部材（９）が装着者の腰のまわりに一緒に固定されることを意図されており、ベルト部材（９）がパンツの腰部分の一部を形成して物品がパンツ状形状をとるような方法で、前記前部分（５）がベルト部材（９）に固定されることを意図される固定手段（８）を与えられている場合において、物品に適用される前のベルト部材（９）が二重に折りたたまれ、次いで弓形状で切断され、さらに折り目（１４）の領域におけるベルト部分の各長手方向側縁によって形成される弓状曲線（１３）に対する接線（１２）が折り目（１４）に対して実質的に直角を作ること、及び二重に折りたたまれた状態のベルト部材（９）が物品の後部分（６）に適用されることを特徴とする吸収物品の製造方法。
4. ベルト部材（９）が容易に破壊可能なシール（１５）によってそれらの二重に折りたたまれた状態で物品の後部分（６）に取り付けられることを特徴とする請求項３に記載の吸収物品の製造方法。

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