JP4781029B2 - ディスク収納用パッケージ - Google Patents

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Description

本発明は、情報記憶用媒体、特に中央に孔を有する円盤状(ドーナツ状)のディスクの収納用パッケージに関する。
例えば、コンピュータの外部記憶装置として使用される磁気ディスク、CDのような記憶ディスクは、その表面に極めて高い平面性と、清浄性とが要求され、また、製造工程中においては、表面に触れることが絶対に許されない。
記憶ディスクは、パッケージ内に収容した状態で工程間の運搬,保管さらに工程内での洗浄処理が行われる。上記記憶ディスク収納用パッケージは、多数のディスクを垂直姿勢で収納するディスクボックスと、その上面開口を覆う上カバーと、底面開口を覆う及び下カバーの組合せが用いられ、記憶ディスクを収容したディスクボックスに上カバーと下カバーとを結合して複数枚の記憶ディスクを安全且つ非汚染状態に保持させるが、予期しない事態の影響を受けてボックス内の記憶ディスクに塵や埃が付着することがあるとして上カバーとディスクボックスとの結合に関しても空気中に含まれる微細なごみを伴って周囲の空気がディスクボックスに吸い込まれないような配慮がなされる。
ところで、コンピュータの外部記憶装置として使用されるCDのような従来の記憶ディスクは、従来直径が12cmの大きさのものが主流であったが、これが次第に小型化され、また、携帯可能な音楽プレーヤなどに内蔵されるディスク(ハードディスク)は、最近では直径が27.4mm、21.6mmのような小型のものが用いられるようになっている。
ところで、記憶ディスクの大きさが違えば、当然、その大きさに適合する形状のパッケージが必要になる。パッケージの上カバー,ディスクボックス及び下カバーは合成樹脂成形品であり、収納すべき記憶ディスクの大きさごとに専用のパッケージを製造しなければならないことになると、パッケージを成形加工するための金型が必要であることから、記憶ディスクの大きさごとに専用の成形用金型を準備しなければならない。その結果、パッケージのコストは、成形用金型の制作費を含めた額にて算定しなければならなくなり、当然パッケージの価格は、高額となり、ひいては記憶ディスクのコスト高を招くことになる。この問題は、ハードディスクなどの記憶ディスクを収納するパッケージに固有の問題ではなく、慎重な取扱いが必要とされるディスク一般の問題でもある。したがって、発明においては、一般的なディスクを収容するパッケージについて説明する。
特公平5−55395号公報 特開2000−16476号公報
解決しようとする問題点は、収納すべきディスクの大きさに合わせてパッケージを準備することになると、それぞれのディスクの大きさごとに専用の成形用金型が必要になるという点である。
本発明によるディスク収納用パッケージは、大きさが異なる2種類のディスクをディスクボックス内に選択的に収納するディスク収納用パッケージであって、ディスクボックスと、下カバーと、上カバーとの組み合わせを有し、
ディスクボックスは、円盤状のディスクを収納する無底、無蓋の角型容器であり、実質的に長辺側の両側面部と、短辺側の両端面部とに囲まれ、両端面部には挿込溝が開口されたものであり、
ディスクボックスの上面開口は、ロボットアームに支えられたディスクをディスクボックス内に挿入する開口であり、
ディスクボックスの両側面部の内面には、2種類の保持溝が列状に形成され、
2種類の保持溝は、ディスクボックス内に収容する複数のディスクを互いに接触することがないように一定の間隔をおいて直立姿勢に保持させる溝であり、第1の保持溝と第2の保持溝であり、
第1の保持溝は、相対的に大径のディスクを跨って保持させる溝であり、第2の保持溝は、相対的に小径のディスクを跨って保持させる溝であり、
第1の保持溝と、第2の保持溝とディスクボックスの長さ方向に交互に設けられているものであり、
第1のディスク保持溝に保持される大径のディスクの上縁の支持の高さと、第2のディスク保持溝に保持される小径のディスクの上縁の支持の高さとが合致するように第1のディスク保持溝の形成位置と、第2のディスク保持溝の形成位置とは上下にずらせて形成され、
両端面部の挿込溝は、ロボットアームを出し入れするための開口であり、上縁は開放され、
下カバーはディスクボックスの下面開口を塞ぐものであり、
上カバーは、ディスクボックスの上面開口と挿入溝を覆うものであり、刻み目を有し、
刻み目は、前記第1のディスク保持溝又は第2のディスク保持溝に保持されたディスクの一部を共通に受け入れるものであり、ディスクボックス内に収納されたディスクは、その両側部分と上縁部分とが両ディスク保持溝及び刻み目に支えられるものであることを主要な特徴とする。
本発明のパッケージは、収納すべきディスクの大きさが異なっても、パッケージの上カバー,ディスクボックス及び下カバーの組合わせの使い分けをする必要がなく、同じパッケージを大きさが異なる2種類のディスクの収納に共用でき、したがって、収納すべきディスクの種類に応じて多種類の成形用金型を準備する必要がなく、さらには、ディスクの収納のために、多種類のパッケージを準備する必要がなく、ひいてはディスクのコスト高を抑えることができ、さらには、パッケージの大きさ、形状が統一されるため、工程間のディスクの輸送、さらには、各工程での洗浄処理などのためにパッケージをハンドリングするためのロボット操作を単純化できる効果がある。
円盤状のディスクは、その両側縁の一部がディスクボックス内に支えられ、ディスクの上周縁の一部が上カバーに支えられる。ディスクボックスには、直径の異なるディスクを受け入れる2種類のディスク保持溝が付されているが、上カバーには、1種類のディスク保持溝を設けることによって大小異径のディスクを安定に支えることができるパッケージを実現した。
以下に本発明によるディスク用パッケージの一実施形態を図によって説明する。図1において、本発明のディスク用パッケージは、ディスクボックス1と、下カバー2と、上カバー3との組合せからなる合成樹脂成形品である。この点は特許文献1,2に記載のものと同じである。
図2において、ディスクボックス1は、円盤状(ドーナツ状)のディスクを収納する無底、無蓋の角形容器であり、実質的に長辺側の両側面部4と、短辺側の両端面部5とに囲まれ、両端面部5には挿込溝6が開口されている。
挿込溝6は、上縁が開放された切欠きであり、ディスクの自動処理工程において、取出手段としてのロボットアーム(図示略)を出し入れするための開口である。図3において、下カバー2は、ディスクボックス1の下面開口を塞ぐものであり、長方形の皿型をなし、両側及び両端縁にはディスクボックス1の下面開口縁を嵌合させる立上り縁7を有している。また、両端縁には、両側の立上り縁7間に図3(c)に示す固定フック11が形成されている。この固定フック11は、両端面の正面に水平方向に張り出す突条である。固定フック11は、後述するように、上カバー3の端面カバー8の下端に設けた可動フック12を引っ掛けてディスクボックス1に、上カバー3及び下カバー2とを一体に結合させるためのものである。
図4において、上カバー3は、ディスクボックス1の上面開口を覆う蓋部13とディスクボックス1の両端面の挿入溝6を覆う端面カバー8とを有している。蓋部13は、ディスクボックス1の上面開口を塞ぐものであり、端面カバー8はその両端から直角に延びて蓋部13と一体に形成されたものである。上カバー3は、その両側縁に、ディスクボックス1の両側面部4の上縁に嵌合させる立下り部9を有している。
端面カバー8は、ディスクボックス1の両端面部5,5の外面にあてがって、両端面部5,5に開口された挿込溝6を外から塞ぐものである。端面カバー8の板面には、挿込溝6の開口形状を象って内方に膨出する突出部10が形成されている。
突出部10は、ディスクボックス1を上カバー3で施蓋する際に、挿込溝6に落とし込まれ、挿込溝6に嵌合着座して挿込溝6の開口を閉じるとともに施蓋の方向を規定するガイドとして機能し、施蓋後は挿込溝6を密閉する。
上カバー3は、ディスクボックス1に脱着可能に結合されるのであるが、本発明において、端面カバー8の下縁には、前記固定フック11に引掛ける可動フック12を一体に設けている。可動フック12は、端面カバー8の薄肉部に形成され、端面カバーの材質が有する弾性を利用して開拡或いは復帰させ、固定フック11に係合、離脱させるものである。また、図4(d)に示すように端面カバー8の一部には、可動フック12の形成位置と並行に図4(f)に示すように端面カバー8の一部に、板面を貫通する円弧状のスリット17、あるいは図4(g)のように端面カバー8の裏面側に一定深さに切欠いた円弧状の凹所17aを設ける。端面カバー8の一部にカバー8の表裏に貫通するスリット17を設ければ、端面カバー8の弾力性が向上し、前記固定フック11に可動フック12を係合・離脱させやすくすることができる。もっともスリット17は、必ずしも、貫通させる必要はなく、凹所17aであっても、前記固定フック11に可動フック12を係合・離脱させるために必要な柔軟性を端面カバー8に確保させることは可能であり、むしろ、端面カバー8の前面がふさがれることでディスクボックス1内へのゴミの侵入の虞がなくなり、さらには、端面カバー8の割れ、欠けの発生を減少させることができる。
本発明において、ディスクボックス1の両側面部4の内面には、図2のように2種類のディスク保持溝15a、15bが列状に交互に形成されている。ディスク保持溝は、ディスクボックス1内に収する複数のディスクを互いに接触することがないように一定の間隔を置いて直立姿勢に保持させる溝であり、その結果、ディスクを扱うロボットの誤動作を少なくすることができる。本発明において、図2(d)、(e)に示すように、大小異径のディスクの内、相対的に大径のディスクD1を保持させる第1のディスク保持溝15aと、相対的に小径のディスクD2を保持させる第2のディスク保持溝15bとの2種類の保持溝をディスクボックス1の長さ方向に交互に設けている。すなわち、第2のディスク保持溝15bは、前後の第1のディスク保持溝15a、15a間に形成され、第1のディスク保持溝15aは、前後の第2のディスク保持溝15b、15b間に形成されているのである。したがって、ディスクは、第1のディスク保持溝15aあるいは第2のディスク保持溝15bのいずれか一方に選択的に保持され、空のディスク保持溝の列の間隔で決定される一定のピッチ間隔で列状に配列される。
第1のディスク保持溝15aは、図5に示す大径のディスクD1の円周形状を象った円弧状の溝であり、第2のディスク保持溝15bは、小径のディスクD2の円周形状を象った円弧状の溝である。
大径のディスクD1は、両側の第1のディスク保持溝15aに跨って保持され、小径のディスクD2は、両側の第2のディスク保持溝15bに跨って保持されるが、本発明においては、第1のディスク保持溝15aに保持された大径のディスクD1の上縁の支持の高さと、第2のディスク保持溝15bに保持された小径のディスクD2の上縁の支持高さとが合致するように第1のディスク保持溝15aの形成位置と、第2のディスク保持溝15bの形成位置とを上下にずらせている。
なお、図5には、ディスクボックス1内に大径のディスクD1と、小径のディスクD2とを収納した状況を図示しているが、実際には大径のディスクD1又は小径のディスクD2が選択的に収納されるのであって、図示のように大小のディスクを区別なく同時に収納されることはない。
上カバー3には、ディスク保持溝15a又は15bに保持されたディスクD1又はD2の一部を支える刻み目14が形成されている。ディスクボックス1内に収された大小のディスクD1、D2は、その上縁の支持高さが同じであるため、図5のように直径の大小の区別なく、ディスクボックス1に収納されたディスD1、D2は、ディスクボックス1を施蓋する上カバー3の刻み目14にも共通に受け入れられ、ディスクD1、D2は、その両側部分と、上縁部分とがディスク保持溝15a又は15b及び刻み目14に支えられて安定に保持され、端面カバー8の可動フック12を下カバー2の固定フック11に結合させることにより、ディスクボックス1と上下のカバー2,3が一体に結合される。
なお、図5中、16は、ディスクボックス1に設けられた位置決め用の切欠きである。切欠き16は、下カバー3を外したディスクボックス1をコンベアラインに沿って搬送するときに、コンベアの一部を嵌合させて搬送中の位置決めに用いられる。ディスクボックス1,下カバー2及び上カバー3は合成樹脂成形品のため、静電対策が必要である。このため、例えば、少なくともディスクボックス1の成形樹脂にステンレス繊維,Ni繊維,Cu繊維などの金属繊維、Ni,Cu又はAlをコーティングした炭素繊維のいずれか又は、その組合せを配合する。さらに成形樹脂には必要により、帯電防止剤あるいはカーボンブラックなどの導電化剤を配合することができる。また、該合成樹脂成形品の表面に、ポリピロールやポリアニリン,ポリチオフェン等の導電性ポリマー層を被覆させてもよい。
ディスクボックス1に下カバー2を取付けることによって、ディスクボックス1は有底の箱になり、複数枚のディスクD1、D1、・・・またはD2、D2、・・・は、ロボットアーム(図示略)に一括保持されたままディスクボックス1に搬入される。このとき、ロボットアームは、ディスクボックス1の挿込溝6内に上方から挿し込まれ、ディスクは、ロボットアームに支えられたまま、ディスクボックス1の上面開口より内部へ挿入され、それぞれディスク保持溝15aあるいは15bに嵌合保持される。その後、デイスクをディスクボックス内に残してロボットアームは、挿込溝6を通して外部へ引き抜かれる。
ディスクD1(又はD2)を収容したディスクボックス1を上カバー3で施蓋するときには、上カバー3の両端面カバー8の突出部10をディスクボックス1の挿込溝6間に落し込み、ディスクボックス1の上面開口を上カバー3で施蓋するとともに両挿込溝6を端面カバー8で塞ぎ、そのまま上カバー3を圧下する。この操作によって、可動フック12が端面カバー8の弾性に抗して固定フック11に押し上げられ、ついで固定フック11を乗り越えて可動フック12が固定フック11に係止され、この結果、ディスクボックス1に組付けられた下カバー2には、さらに上カバー3が一体的に結合され、ディスクボックス1は、密閉される。
本発明において、相対的に大径のディスクD1を収納したパッケージも、相対的に小径のディスクD2を収納したパッケージも同じ形で同じ大きさであるため、ディスクを工程間に搬送する際、或いは工程内で洗浄処理などを行う場合に、ディスクの大小に係らず同じロボット操作で処理を行うことができる。
コンピュータの外部記憶装置として使用される磁気ディスク、CDのような記憶媒体を収納するパッケージのほか、半導体製造工程での半導体ウエハ収納用パッケージその他高度に清浄状態を保持する必要があるディスク類の複数枚を整列させて収納するパッケージとして活用できる。
本発明の一実施例を示す一部断面側面図である。 (a)は、ディスクボックスの平面図、(b)は(a)の中央縦断側面図、(c)は(a)のA−A線断面図、(d)は(b)のB部拡大図、(e)は(a)のC部拡大図である。 (a)は下カバーの平面図、(b)は(a)の中央縦断側面図、(c)は(b)のE−E線断面図である。 (a)は上カバーの平面図、(b)は(a)の中央縦断側面図、(c)は端面図、(d)は(b)のF部拡大図、(e)は(b)のG部拡大図、(f)は(c)のスリット部分を示すJ−J線断面の拡大図、(g)は(c)のスリット部分に変えて凹所を設けた場合のJ−J線に相当する部分の断面の拡大図である。 図1のH−H断面およびI−I断面を拡大して大小2種類のディスクの収納状態を示す図である。
符号の説明
1 ディスクボックス
2 下カバー
3 上カバー
4 側面部
5 端面部
6 挿込溝
7 立上り縁
8 端面カバー
9 立下り縁
10 突出部
11 固定フック
12 可動フック
13 蓋部
14 刻み目
15a,15b ディスク保持溝
16 切欠き
17 スリット
17a 凹所
D1,D2 ディスク

Claims (1)

  1. 大きさが異なる2種類のディスクをディスクボックス内に選択的に収納するディスク収納用パッケージであって、ディスクボックスと、下カバーと、上カバーとの組み合わせを有し、
    ディスクボックスは、円盤状のディスクを収納する無底、無蓋の角型容器であり、実質的に長辺側の両側面部と、短辺側の両端面部とに囲まれ、両端面部には挿込溝が開口されたものであり、
    ディスクボックスの上面開口は、ロボットアームに支えられたディスクをディスクボックス内に挿入する開口であり、
    ディスクボックスの両側面部の内面には、2種類の保持溝が列状に形成され、
    2種類の保持溝は、ディスクボックス内に収容する複数のディスクを互いに接触することがないように一定の間隔をおいて直立姿勢に保持させる溝であり、第1の保持溝と第2の保持溝であり、
    第1の保持溝は、相対的に大径のディスクを跨って保持させる溝であり、第2の保持溝は、相対的に小径のディスクを跨って保持させる溝であり、
    第1の保持溝と、第2の保持溝とディスクボックスの長さ方向に交互に設けられているものであり、
    第1のディスク保持溝に保持される大径のディスクの上縁の支持の高さと、第2のディスク保持溝に保持される小径のディスクの上縁の支持の高さとが合致するように第1のディスク保持溝の形成位置と、第2のディスク保持溝の形成位置とは上下にずらせて形成され、
    両端面部の挿込溝は、ロボットアームを出し入れするための開口であり、上縁は開放され、
    下カバーはディスクボックスの下面開口を塞ぐものであり、
    上カバーは、ディスクボックスの上面開口と挿入溝を覆うものであり、刻み目を有し、
    刻み目は、前記第1のディスク保持溝又は第2のディスク保持溝に保持されたディスクの一部を共通に受け入れるものであり、ディスクボックス内に収納されたディスクは、その両側部分と上縁部分とが両ディスク保持溝及び刻み目に支えられるものであることを特徴とするディスク収納用パッケージ。
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