JP4780859B2 - キャンドモータポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定子の内側に密閉用キャンを配したモータとポンプとを一体化したキャンドモータポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のキャンドモータポンプにおいては、取扱液にエンドベルやキャン等の部品が浸るので、これらの部品は、取扱液の成分特性に応じて耐蝕性に優れた材質が選択されていた。例えば、熱水を取り扱う場合には、SUS304(JIS規格)等のオーステナイト系ステンレス鋼を選択してエンドベルやハウジングを作製する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、取扱液は、同じ名称でありながら実際には成分が僅かに異なることがある。この様な違いは、設計段階で想定していないので、選択した材質と加わる応力との関係で応力腐食割れが発生することがある。例えば、取扱液が熱水である場合に、この熱水に対する耐蝕性が良好なオーステナイト系ステンレス鋼を使用したエンドベルにキャンを溶接する場合、溶接熱による残留応力が存在するので、熱水の成分に予想していなかったハロゲン元素があると、前記溶接接合部に応力腐食割れを発生することがある。これは、熱水、ボイラー水、復水などの場合、使用者によって水の管理が異なるからである。また、水質管理が充分でない水を使用すると、その地域によっても成分に大きな差があり、エンドベルとキャンとの溶接接合部に応力腐食割れが発生することがある。
【0004】
エンドベルとキャンとの溶接接合部に応力腐食割れが発生すると、溶接によるシールができなくなるためステータ室内に取扱液が浸入してモータの絶縁を損傷させ、このためポンプとしての機能を果せなくなるという問題が生じる。
【0005】
この様な応力腐食割れを防止するために、耐腐食性に優れた高ニッケル鋼などの高級材料を選択することも考えられるが、高級材料は単価が高く、事実上使用できないことが少なくない。
【0006】
本発明は上記した事情に鑑みなされたもので、その目的は、高級な材料を使用することなくエンドベルとキャンとの溶接接合部に発生する応力腐食割れを機械構造上で解決したキャンドモータポンプを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたもので、請求項1に記載のキャンドモータポンプは、筒状胴部材の内側に固定子を筒状に設け、該固定子の内周側に金属板製の密閉用キャンを円筒状に配置し、該キャンと胴部材の端部開口にフロント側エンドベルとリア側エンドベルを溶接接合することにより上記固定子を密閉してステータユニットを構成し、該ステータユニットのキャンの内径側に形成されたロータ室内に、回転軸を有するロータユニットを軸受により回転自在に支持された状態で設け、フロント側エンドベルから突出した回転軸にインペラを取り付けるとともに、該インペラを収納するポンプケーシングを上記フロント側エンドベルに取り付け、ポンプケーシング内と上記ロータ室とを連通してロータユニット及び軸受が取扱液に浸るようにしたキャンドモータポンプにおいて、
前記軸受をフロント側エンドベル寄りとリア側エンドベル寄りとにそれぞれ配置し、
前記軸受は、回転軸を支持するベアリングと、該ベアリングを収納した状態でロータ室内に挿入されるベアリングハウジング部とからなり、
前記フロント側エンドベル寄りに位置する軸受部のベアリングハウジング部には、フロント側エンドベルに対向してロータ室の一端開口側に前記ポンプケーシングを接合してフロントプレートとして機能するフロント側端面部を一体にして備え、
前記リア側エンドベル寄りに位置する軸受部のベアリングハウジング部には、リア側エンドベルに対向してロータ室の他端開口を閉塞してリアプレートとして機能するリア側端面部を一体にして備え、
前記各ベアリングハウジングとステータユニットのキャンとが相対向する部分に第1シール部材をそれぞれ設けるとともに、フロント側エンドベルとフロント側端面部とが相対向する部分及びリア側エンドベルとリア側端面部とが相対向する部分に第2シール部材をそれぞれ設け、フロント側エンドベル寄りに位置する第1シール部材と第2シール部材との間、及びリア側エンドベル寄りに位置する第1シール部材と第2シール部材との間を密閉領域として、この密閉領域に取扱液が浸入しないように封止するとともに、フロント側エンドベルとキャンとの溶接接合部及びリア側エンドベルとキャンとの溶接接合部を密閉領域内に位置させたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載のものは、前記エンドベルと該エンドベルに対向するベアリングハウジング部の端面部の少なくとも一方に、前記密閉領域と外部とを連通させる検査用連通路を形成したことを特徴とする請求項1に記載のキャンドモータポンプである。
【0009】
請求項3に記載のものは、前記シール部材を嵌合する溝をアリ溝としたことを特徴とする請求項1または2に記載のキャンドモータポンプである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
なお、図1はキャンドモータポンプ1の断面図、図2は要部の拡大断面図である。
【0011】
キャンドモータポンプ1は、図1に示すように、モータ部2とポンプ部3とを一体化して、取扱液中で作動できるようにしたポンプである。
【0012】
モータ部2は、金属製筒状の胴部材4の内側に固定子5を円筒状に設け、該固定子5の内周面に、薄いステンレス板等の金属板製の密閉用キャン6を円筒状に配置し、該キャン6と胴部材4の一方(フロント側)の端部開口に、胴部材4よりも大径で比較的肉厚なステンレス板等の金属板製のフロント側エンドベル10を、他方(リア側)の端部開口部に、肉厚なステンレス板等の金属板製のリング状リア側エンドベル11を溶接接合し、これにより上記固定子5をステータ室12内に密閉したステータユニットを構成し、該ステータユニットの軸心部分に形成されたロータ室14内に、回転子15の外周面をステンレス板等の金属板製キャン16で被覆して中心に回転軸17を貫通したロータユニットを両側の軸受20F,20R(詳しくは、フロント側エンドベル10寄りに位置する軸受20F、及びリア側エンドベル11寄りに位置する軸受20R)により回転自在に支持された状態で設け、また、リア側エンドベル11の開口部を接合部材としてのリアベアリングハウジングの端面部21で閉塞して構成される。
【0013】
なお、本実施形態におけるリアベアリングハウジングは、後述するベアリング22Rを収納した状態でロータ室14内に挿入される筒状のベアリングハウジング円筒部23Rと鍔状の端面部21(本発明におけるリア側端面部に相当)とを溶接して一体化されており、ベアリングハウジング円筒部23Rが狭義のベアリングハウジング(本発明におけるベアリングハウジング部に相当)として機能し、端面部21がリアプレートとして機能する。同様に、本実施形態におけるフロントベアリングハウジングもベアリング22Fを収納した状態でロータ室14内に挿入される筒状のベアリングハウジング円筒部23Fと鍔状の端面部37(本発明におけるフロント側端面部に相当)とを一体化した構造であり、ベアリングハウジング円筒部23Fが狭義のベアリングハウジング(本発明におけるベアリングハウジング部に相当)として機能し、端面部37がフロントプレートとして機能する。
【0014】
固定子5のキャン6とフロント側エンドベル10との接合は、図3に示すように、フロント側エンドベル10の中心開口縁近傍に断面略レ型の溝10aを形成することにより熱容量の少ない薄肉部10bを形成し、この薄肉部10bとキャン6の端部とを直接溶かして溶接する共付溶接による。なお、10cはバックアップスリーブである。また、キャン6とリア側エンドベル11との接合についても同様である。そして、溝の断面は薄肉部を形成できるものであれば、どのようなものでもよい。
【0015】
軸受20F,20Rは、回転軸17に接触するベアリング22F,22Rと、このベアリング22F,22Rを収容保持する短尺でほぼ円筒状のベアリングハウジング円筒部23F,23Rとからなる。ベアリングハウジング円筒部23Fの外周面にシール溝24を形成し、該シール溝24内に第1シール部材としてOリングなどの第1Fシール部材25を嵌装し、この第1Fシール部材25によりステータユニット側との間をシールしている。また、ベアリングハウジング円筒部23Rの外周面にシール溝26を形成し、該シール溝26内に第1シール部材として第1Rシール部材27を嵌装し、この第1Rシール部材27によりステータユニット側との間をシールしている。
【0016】
なお、フロント側とリア側とではベアリングハウジング円筒部23F,23Rの形状が多少異なるが、いずれもステータユニットのキャン6と対向する面にシール溝24,26を形成して第1Fシール部材25,第1Rシール部材27を嵌装してシール可能であればよい。
そして、リア側エンドベル11の外周縁近傍の端面にシール溝30を形成し、該シール溝30内に第2シール部材としてOリングなどの第2Rシール部材31を嵌装し、リア側エンドベル11とリアベアリングハウジング(以下、RBハウジングという。)の端面部21との接合部分におけるリア側軸受20Rの第1Rシール部材27と上記第2Rシール部材31との間を密閉領域32とし、この密閉領域32内に取扱液が浸入しないように構成してある。したがって、キャン6とリア側エンドベル11との溶接接合部は上記密閉領域32内に位置することになる。
【0017】
一方、ポンプ部3は、モータ部2のフロント側エンドベル10から突出した回転軸17に取り付けられるインペラ33と、このインペラ33を収納するポンプケーシング(以下、ケーシングという。)34とから概略構成されている。ケーシング34は、略かたつむり形の中空部材であり、側面の中心部分に吸い込み口35を有し、外周部分に吐出口36を形成し、吸い込み口35とは反対側に開口部が開口し、この開口部を、ケーシング34の一部を構成しているフロントベアリングハウジング(以下、FBハウジングという。)の肉厚な端面部37で閉塞することにより、内部にインペラ33を収納するポンプ室38を形成してある。そして、FBハウジングの端面部37のモータ部側端面を前記フロント側エンドベル10に当接した状態でフランジ部39を該エンドベル10にガスケットGを挟みながらボルト40で固定することによりモータ部2と一体化される。
【0018】
ケーシング34の一部を構成しているFBハウジングの端面部37は、フロント側エンドベル10に接合する接合部材としても機能する部材であり、フロント側エンドベル10に対向する端面の外周縁近傍にシール溝41を形成し、該シール溝41内に第2シール部材として第2Fシール部材42を嵌装し、この状態でフロント側エンドベル10に接合される。したがって、FBハウジングの端面部37をフロント側エンドベル10に接合すると、第2Fシール部材42と前記した軸受20Fの第1Fシール部材25との間が密閉領域53となり、この密閉領域53内にキャン6とフロント側エンドベル10との溶接接合部が位置する。
なお、シール溝41は、開口部側の幅よりも底部側の幅を大きく形成したアリ溝であることが望ましい。アリ溝とすると、接合作業の際に、嵌装した第2Fシール部材42が外れて落下することがないし、挟まってしまうトラブルも発生し難く、組立作業の取り扱いが容易である。さらに、前述したシール溝30も同様にアリ溝としてもよい。
【0019】
また、FBハウジングの端面部37の外周部分に、ポンプ室38に連通する連通流路44を形成する。この連通流路44はFBハウジングの端面部37の内部に、略L字状をなして半径方向からモータ部2側に屈曲した状態で穿設され、この連通流路44、及びフロント側軸受20Fの貫通孔45とによりポンプ室38の高圧側とモータ部2のロータ室14内とを連通する。なお、FBハウジングの端面部37に開口した連通流路44の開口と軸受20Fの端面に開口した貫通孔45の開口との接続部分については、端面部37とベアリングハウジング円筒部23Fを溶接し、或いは両者を一体構造とすることにより、連通流路44からの取扱液がリークすることなく流れるように構成されている。
【0020】
そして、回転軸17の中心に、先端と後端とを結ぶ貫通孔50を穿設してポンプ室38の中心、即ち低圧側とリア側軸受20Rの後方のリアエンド室51とを連通し、リア側軸受20Rのベアリングハウジング円筒部23Rに穿設した貫通孔52を介してリアエンド室51と上記ロータ室14内とを連通する。
【0021】
したがって、取扱液中でモータ部2を作動してインペラ33を回転すると、吸い込み口35から流入した取扱液を吐出口36から吐出することができ、また、ポンプ室38の高圧側から取扱液が連通流路44を通ってロータ室14内に流れ込み、モータ部2内の各部品を浸漬する。このため、軸受20F,20Rは取扱液により潤滑される。なお、この様にして連通流路44を通って流れ込んだ取扱液は、フロント側軸受20Fを潤滑すると、ステータユニットのキャン6とロータユニットのキャン16との間の僅かな隙間を通ってロータ室14内の後部に流れ、リア側軸受20Rの貫通孔52からリアエンド室51内に流入し、このリアエンド室51から回転軸17の貫通孔50を通ってポンプ室38に戻る。
【0022】
この様に、モータ部2のロータユニットが取扱液に浸っても、本実施形態に係るキャンドモータポンプ1においては、フロント側軸受20Fとステータユニットとの間に第1Fシール部材25を設けてシールしており、さらに第2Fシール部材42を設けているため、ロータ室14内の取扱液がフロント側エンドベル10とケーシング34との間の密閉領域53内に浸入することを防止でき、フロント側エンドベル10とキャン6との溶接部が取扱液に浸ることがない。したがって、該溶接部が取扱液の成分に起因して応力腐食割れを発生することを防止できる。
【0023】
また、リア側エンドベル11においても、リア側軸受20Rとステータユニットとの間に第1Rシール部材27を設けてシールしており、第2Rシール部材31を設けているため、ロータ室14内の取扱液がリア側エンドベル11とRBハウジングの端面部21との間の密閉領域32内に浸入することを防止でき、リア側エンドベル11とキャン6との溶接接合部が取扱液に浸ることがない。したがって、該溶接接合部が取扱液の成分に起因して応力腐食割れを発生することを防止できる。
【0024】
ところで、本実施形態に係るキャンドモータポンプ1は、フロント側においては第1Fシール部材25と第2Fシール部材42、リア側においては第1Rシール部材27と第2Rリール部材31によるシールにより、各エンドベル10,11とキャン6との溶接接合部が取扱液に浸ることを防止しているが、万一第1Fシール部材25,第2Fシール部材42,第1Rシール部材27が損傷するとシールできなくなり、各エンドベル10,11とキャン6との溶接接合部が取扱液に浸ってしまう。そして、第1Fシール部材25,第2Fシール部材42,第1Rシール部材27は、キャンドモータポンプ1の組立作業においてはその状態を確認することができない。
【0025】
そこで、本発明に係るキャンドモータポンプ1においては、組立後に前記エンドベル10,11の封止が確実になされているか否かを検査できるように構成してある。以下、そのための構成について説明する。
【0026】
まず、フロント側から説明すると、図1に示すように、フロント側エンドベル10の外周面から中心開口部に向けて半径の中程まで半径方向の孔を穿設するとともに、端面から孔を厚み方向に穿設して両孔を連通させ、これにより略L字状の検査用連通路55を形成する。この様にして検査用連通路55を形成すると、一端開口部が第1Fシール部材25,第2Fシール部材42の間の密閉領域53に連通し、他端開口部が外部に連通することになる。
【0027】
この検査用連通路55により第1,第2のFシール部材25,42のシール性を確認するには、組立が終了した後に、外部に開口している開口部から圧縮空気や圧縮窒素ガス等の加圧気体を検査用連通路55及び密閉領域53内に封入し、この加圧気体の圧力を監視する。シールに不備がなければ圧力が低下することがないが、第1,第2Fシール部材25,42が傷ついたり切断するなどしてシール不良の場合には加圧気体が漏れ出して圧力が低下するので、これによりシール性の良否を確認することができる。
【0028】
なお、この検査は気体を封入することに限定されるものではなく、液体を充填して加圧し、この圧力を監視することによってもなし得る。
そして、検査が終了してシールが確実に行なわれていることが確認できたならば、フロント側エンドベル10の外周面の開口部にプラグ56を螺合して閉塞する。
【0029】
次に、リア側について説明すると、図1に示すように、リア側エンドベル11の接合部材であるRBハウジングの端面部21に、前記密閉領域32に対応する位置に検査用連通路57をRBハウジングの端面部21の厚み方向に穿設し、この検査用連通路57の一端開口部を密閉領域32に連通して他端開口部を外部に連通させる。
【0030】
この検査用連通路57により第1,第2Rシール部材27,31のシール性を確認するには、組立が終了した後に、RBハウジングの端面部21の外面に開口している開口部から圧縮空気や圧縮窒素ガス等の加圧気体を検査用連通路57及び密閉領域32内に封入し、この加圧気体の圧力を監視する。シールに不備がなければ圧力が低下することがないが、第1,第2Rシール部材27,31が傷ついたり切断するなどしてシール不良の場合には圧縮気体がリークして圧力が低下するので、これによりシール性の良否を確認することができる。
【0031】
そして、検査が終了してシールが確実に行なわれていることが確認できたならば、RBハウジングの端面部21の開口部にプラグ58を螺合して閉塞する。
【0032】
この様に、本実施形態に係るキャンドモータポンプ1においては、密閉領域32,53のシール性を簡単、且つ確実に検査することができる。そして、この検査は、組立作業が終了した時点に限定されるものではなく、例えば、設置した後におけるメンテナンス作業においても行なうことができる。
【0033】
なお、前記した実施形態では軸受20F,20Rのベアリングハウジング円筒部23F,23Rにシール溝を形成して軸受20F,20R側に第1Fシール部材25,第1Rシール部材27を設けたが、本発明における第1シール部材はこれに限定されるものではなく、軸受20F,20Rとステータユニットとが相対向する部分であってキャン6とエンドベルとの接合部よりもロータ室寄りであればよく、例えばステータユニットのロータ室14の内周面にシール溝を形成してシール部材を嵌装してもよい。また、第2シール部材は、第1シール部材を挟んで回転軸17とは反対側に位置するエンドベルの端面と該端面に接合する接合部材(例えば、ケーシング)とが相対向する部分であればよく、FBハウジングの端面部37側の外周縁近傍に限定されるものではない。例えば、エンドベル10側に設けてもよい。要するに、相対向する部分を軸受寄りとその外側でシールできれば、シール材はどちらに設けてもよい。
【0034】
そして、検査用連通路55についても、エンドベルと接合部材の少なくとも一方に形成すればよく、前記実施形態ではフロント側エンドベル10に形成したが、FBハウジングの端面部37に形成してもよい。また、リア側においては、リア側エンドベル11に形成してもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、各ベアリングハウジング部とステータユニットのキャンとが相対向する部分に第1シール部材をそれぞれ設けるとともに、フロント側エンドベルとフロント側端面部とが相対向する部分及びリア側エンドベルとリア側端面部とが相対向する部分に第2シール部材をそれぞれ設け、フロント側エンドベル寄りに位置する第1シール部材と第2シール部材との間、及びリア側エンドベル寄りに位置する第1シール部材と第2シール部材との間を密閉領域として、この密閉領域に取扱液が浸入しないように封止するとともに、フロント側エンドベルとキャンとの溶接接合部及びリア側エンドベルとキャンとの溶接接合部を密閉領域内に位置させたので、エンドベルとキャンとの溶接接合部が取扱液に浸ることを防止できる。したがって、取扱液の成分に起因する上記溶接接合部の応力耐蝕割れを防止できる。このため応力腐食割れにより取扱液がステータ室内に入ってモータが損傷するというトラブルを未然に防止することができる。
そして、エンドベルおよびキャンは、高級な材質で作製する必要がなくなるので、コスト低減に寄与する。また、取扱液の影響を受け難くなるので、取扱液の用途を広くすることができる。
【0036】
請求項2の発明によれば、エンドベルと該エンドベルに対向するベアリングハウジング部の端面部との少なくとも一方に、前記密閉領域と外部とを連通させる検査用連通路を形成したので、組立作業が終了した後に、前記密閉領域のシールの良否を簡単に検査することができる。したがって、組立作業時に発生するシール部材の損傷や破断に起因するシール不良を簡単に発見でき、不良品の発生を未然に防止でき、信頼性を向上させることができる。
【0037】
請求項3の発明によれば、シール材を嵌合する溝をアリ溝としたので、特に外周でなく平面のシールにおいては、組立作業の際に、シール材の落下や一部挟み込みなどのトラブルを抑制することができるため、シールの信頼性と組立および分解の作業能率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャンドモータポンプの断面図である。
【図2】要部の拡大断面図である。
【図3】固定子側のキャンとフロント側エンドベルとの溶接接合部の拡大説明図である。
【符号の説明】
1 キャンドモータポンプ
2 モータ部
3 ポンプ部
4 胴部材
5 固定子
6 キャン
10 フロント側エンドベル
11 リア側エンドベル
12 ステータ室
14 ロータ室
15 回転子
16 キャン
17 回転軸
20 軸受
21 リアベアリングハウジングの端面部
22 ベアリング
23 ベアリングハウジング円筒
24 シール溝
25 第1Fシール部材
26 シール溝
27 第1Rシール部材
30 シール溝
31 第2Rシール部材
32 密閉領域
33 インペラ
34 ポンプケーシング
35 吸い込み口
36 吐出口
37 フロントベアリングハウジングの端面部
38 ポンプ室
39 フランジ部
40 ボルト
41 シール溝
42 第2Fシール部材
44 連通流路
45 貫通孔
50 貫通孔
51 リアエンド室
52 貫通孔
53 密閉領域
55 検査用流路
56 プラグ
57 検査用流路
58 プラグ
G ガスケット

Claims (3)

  1. 筒状胴部材の内側に固定子を筒状に設け、該固定子の内周側に金属板製の密閉用キャンを円筒状に配置し、該キャンと胴部材の端部開口にフロント側エンドベルとリア側エンドベルを溶接接合することにより上記固定子を密閉してステータユニットを構成し、該ステータユニットのキャンの内径側に形成されたロータ室内に、回転軸を有するロータユニットを軸受により回転自在に支持された状態で設け、フロント側エンドベルから突出した回転軸にインペラを取り付けるとともに、該インペラを収納するポンプケーシングを上記フロント側エンドベルに取り付け、ポンプケーシング内と上記ロータ室とを連通してロータユニット及び軸受が取扱液に浸るようにしたキャンドモータポンプにおいて、
    前記軸受をフロント側エンドベル寄りとリア側エンドベル寄りとにそれぞれ配置し、
    前記軸受は、回転軸を支持するベアリングと、該ベアリングを収納した状態でロータ室内に挿入されるベアリングハウジング部とからなり、
    前記フロント側エンドベル寄りに位置する軸受部のベアリングハウジング部には、フロント側エンドベルに対向してロータ室の一端開口側に前記ポンプケーシングを接合してフロントプレートとして機能するフロント側端面部を一体にして備え、
    前記リア側エンドベル寄りに位置する軸受部のベアリングハウジング部には、リア側エンドベルに対向してロータ室の他端開口を閉塞してリアプレートとして機能するリア側端面部を一体にして備え、
    前記各ベアリングハウジングとステータユニットのキャンとが相対向する部分に第1シール部材をそれぞれ設けるとともに、フロント側エンドベルとフロント側端面部とが相対向する部分及びリア側エンドベルとリア側端面部とが相対向する部分に第2シール部材をそれぞれ設け、フロント側エンドベル寄りに位置する第1シール部材と第2シール部材との間、及びリア側エンドベル寄りに位置する第1シール部材と第2シール部材との間を密閉領域として、この密閉領域に取扱液が浸入しないように封止するとともに、フロント側エンドベルとキャンとの溶接接合部及びリア側エンドベルとキャンとの溶接接合部を密閉領域内に位置させたことを特徴とするキャンドモータポンプ。
  2. 前記エンドベルと該エンドベルに対向するベアリングハウジング部の端面部の少なくとも一方に、前記密閉領域と外部とを連通させる検査用連通路を形成したことを特徴とする請求項1に記載のキャンドモータポンプ。
  3. 前記シール部材を嵌合する溝をアリ溝としたことを特徴とする請求項1または2に記載のキャンドモータポンプ。
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