JP4780847B2 - Euv露光用反射型マスクブランクおよびeuv露光用反射型マスク - Google Patents

Euv露光用反射型マスクブランクおよびeuv露光用反射型マスク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造等の際に使用される、EUV露光用反射型マスクの主要な構成要素である、EUV光を反射する多層膜(本明細書においては「EUV光反射多層膜」と記載する。)上に成膜されるEUV光を吸収する吸収体層(本明細書においては「EUV光吸収体層」と記載する。)、およびその製造方法、並びに前記EUV光吸収体層を用いたEUV露光用反射型マスク、等に関する。
尚、本発明に記載するEUV(Extreme Ultra Violet)光とは、軟X線領域または真空紫外領域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体産業において、Si基板等に微細なパターンからなる集積回路等の半導体装置を形成する上で必要な微細パターンの転写技術として、可視光や紫外光を用いたフォトリソグラフィ法が用いられていきた。しかし、半導体デバイスの微細化が加速している一方で、従来の光露光の短波長化は露光限界に近づいてきた。
そして光露光の場合、パターンの解像限界は露光波長の1/2と言われ、F2レーザー(157nm)を用いても70nm程度が限界と予想される。そこで70nm以降の露光技術として、F2レーザーよりさらに短波長のEUV光(13nm)を用いた露光技術であるEUVリソグラフィ(以下、「EUVL」と記載する。)が有望視されている。
【0003】
EUVLの像形成原理は、フォトリソグラフィと同じであるが、EUV光に対する、あらゆる物質の吸収は大きく、また屈折率が1に近いため、光露光のような屈折光学系は使用できず、すべて反射光学系を用いる。
また、その際用いられるマスクとしては、メンブレンを用いた透過型マスクが提案されてきているが、EUV光に対するメンブレンの吸収が大きいため露光時間が長くなり、スループットが確保できないという問題がある。その為、現状では露光用反射型マスクが一般的に使用されている。
【0004】
ここで、EUVLについて、図17〜19を用いて説明する。
尚、図17、18および後述する図1において、対応する部分については同一の符号を付して示した。
図17はEUVLに用いられるEUV露光用反射型マスク、図18はEUV露光用反射型マスクブランクを模式的に表現した図であり、図19は製造されたEUVマスクを用いて例えばSiウエハ上にパターンを露光転写を行っている概念図である。
図17に示すように、EUV光用の露光用反射型マスクの主要な構成要素は、基板S、EUV光反射多層膜M2、リソグラフィのパターンニングがされたEUV吸収体パターンM1Pである。
因みに、露光用反射型マスクブランクとは図18に示すように、前記EUV光吸収体パターンM1Pにおけるリソグラフィのパターンニング実施前で、EUV光吸収体層M1の形態のものをいう。
【0005】
次に図19を用いてEUV露光用反射型マスクによる半導体基板上へのパターン転写について説明する。
図19に示すように、レーザープラズマX線源11からえられたEUV光(軟X線)を前記EUVマスク12に入射し、ここで反射された光を縮小光学系13を通して例えばSiウエハ基板14上に転写する。
ここで、縮小光学系13としてはX線反射ミラーを用いることができる、縮小光学系によりEUVマスク12で反射されたパターンは通常1/4程度に縮小される。
例えばSiウエハ14へのパターンの転写は、Siウエハ14上に形成させたレジスト層にパターンを露光しこれを現像することによって行うことができる。
露光波長として13〜14nmの波長帯を使用する場合には、通常光路が真空中になるように転写が行われる。
このようにしてEUVLにより、例えばSiウエハ上にパターンを形成することにより、例えば集積度の高いLSI、等の半導体装置を製造することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて、前述した光露光パターンの解像限界を上げるため、前記パターンニング後のパターンのコントラストを上げることが重要視されるようになった。
このコントラストを上げるために、前記EUV光反射多層膜M2の反射率が高いことと同時に、前記EUV光吸収体層M1の吸収率が高いことが求められている。
ここで前記EUV光吸収体層M1は、例えばTaBのようなEUV光に対して高い吸収係数を持つ元素の薄膜であるので、当然のことながらEUV光吸収体層M1に入射してきたEUV光の大部分は反射されることなくEUV光吸収体層M1に吸収される。
しかし前記EUV光吸収体層M1は薄膜であるため、前記吸収されたEUV光の一部が下層の前記EUV光反射多層膜M2にまで達し、そこで反射されたEUV光のさらに一部が再び前記EUV光吸収体層M1の薄膜を通過して外部へもどり、この結果、前記パターンのコントラストが低下するという問題点が判明した。
この問題点に対する最も直接的な解決策として、EUV光吸収体層M1の膜厚を厚くすることが考えられる。
【0007】
ところがEUV光吸収体層M1の膜厚を厚くすると、次のような問題点が新たに発生する。
1.EUV光吸収体層M1自体が有する膜応力も膜厚に伴って増大するためマスクの変形が起き、この結果、光露光パターンの解像限界が上がらなくなる。
2.EUV光吸収体層M1は、例えばTa、B、等のコストの高い原料を用いて成膜されているので、膜厚を厚くすることはすぐに製造コストの上昇につながる。
3.EUV光はある一定の入射角度、出射角度をもってEUV光吸収体層M1を通過するため、EUV光吸収体層M1の膜厚が厚くなると、そのエッジの部分ではEUV光がEUV光吸収体層M1を通過する距離が大きく変化するため、光露光パターンがぼやけるという問題が顕著になる。
本発明は、以上の背景のもとでなされたものであり、EUV光吸収体層M1において、膜厚を厚くすることなくEUV光反射率を下げることで、パターンのコントラストを上げることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本願発明者らがなした第1の発明は、EUV光反射多層膜上に成膜されたEUV光吸収体層を有するEUV露光用反射型マスクブランクであって、
前記EUV吸収体層の表面にて反射されるEUV光と、前記EUV吸収体層を通過して前記EUV吸収体層の下にある前記EUV光反射多層膜で反射され、再び前記EUV吸収体層を通過したEUV光と、の干渉効果を利用して、前記EUV吸収体層におけるEUV光の反射率が低くなるように、前記EUV吸収体層の膜厚を設定したことを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランクである。
【0009】
第2の発明は、EUV光反射多層膜上に成膜されたEUV光吸収体層を有するEUV露光用反射型マスクブランクであって、
前記EUV光吸収体層の表面にて反射されるEUV光と、前記EUV光吸収体層を通過し前記EUV光吸収体層の下にある前記EUV光反射多層膜で反射され再び前記EUV光吸収体層を通過したEUV光との、干渉効果を加算した反射率をシュミレーションし、
前記反射率のシュミレーションの結果を、膜厚を横軸、反射率を縦軸としたグラフに表し、
前記グラフにおいて、膜厚に対し反射率の極大値を与える点を結んだ曲線を求め、
その膜厚が膜応力の観点から使用不適と判断される膜厚値を限界膜厚としたとき、前記限界膜厚に対応する反射率を前記曲線から求め、限界反射率と定義したとき、
前記反射率のシュミレーション結果より、膜厚に対し反射率の極小値を与える膜厚を求め、その膜厚を極小値膜厚と定義し、前記EUV光吸収体層の成膜において、前記極小値膜厚をねらう際に発生する不可避的な膜厚変動を見込んでも、前記限界反射率より低い反射率を得ることができる膜厚を用いることを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランクである。
【0010】
第3の発明は、EUV光反射多層膜上に成膜されたEUV光吸収体層を有するEUV露光用反射型マスクブランクであって、
前記EUV光吸収体層の表面にて反射されるEUV光と、
前記EUV光吸収体層を通過し前記EUV光吸収体層の下にある前記EUV光反射多層膜で反射され再び前記EUV光吸収体層を通過したEUV光との、干渉効果をもちいて、前記EUV光吸収体層におけるEUV光の反射率を低減させる構造において、
前記干渉効果の起きる条件を前記EUV光吸収体層の膜厚の関数として定式化し、
さらに前記EUV光反射多層膜での多層反射を表面の反射とする近似を行うことで、前記干渉効果の起きる条件を前記EUV光吸収体層の膜厚の関数として表す式の近似式を求め、
この近似式により算出した膜厚を有するEUV光吸収体層を有することを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランクである。
【0011】
第4の発明は、第3の発明に記載のEUV露光用反射型マスクブランクであって、
前記近似式により算出した膜厚dの値が、
【数3】
Figure 0004780847
および
【数4】
Figure 0004780847
の両式を満足する範囲内にあることで、前記干渉効果を用いて、EUV光の反射率を下げることを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランクである。
但し、λ0は真空中でのEUV光の波長、n0は真空中に屈折率、n1は吸収体層の屈折率、θ0はEUV光のEUV光吸収体層への入射角、k1は正の実数、T01は真空中とEUV光吸収体層との界面の透過率、R01は真空中とEUV光吸収体層との界面の反射率、R12はEUV光吸収体層とEUV光反射多層膜との界面の反射率、mは正の整数、φは位相のずれ、である。
【0012】
第5の発明は、第1から第4の発明のいずれかに記載のEUV露光用反射型マスクブランクであって、
前記EUV光反射多層膜は交互に積層した第1の膜と第2の膜とを有し、
前記第1の膜は、遷移金属、遷移金属の炭化物、遷移金属の窒化物、遷移金属の珪化物、および遷移金属の硼化物、より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み、
前記第2の膜は、Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSi、Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSiの酸化物、
Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSiの窒化物、
より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み、
前記EUV吸収体層は、Cr、Crの炭化物、Crの窒化物、Crの珪化物およびCrの硼化物より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み
このEUV吸収体層の膜厚は70nm〜100nmであることを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランクである。
【0013】
第6の発明は、第1から第4の発明のいずれかに記載のEUV露光用反射型マスクブランクであって、
前記EUV光反射多層膜は交互に積層した第1の膜と第2の膜とを有し、
前記第1の膜は、遷移金属、遷移金属の炭化物、遷移金属の窒化物、遷移金属の珪化物、および遷移金属の硼化物、より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み、
前記第2の膜は、Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSi、Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSiの酸化物、
Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSiの窒化物、
より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み、
前記EUV吸収体層は、Ta、Taの炭化物、Taの窒化物、Taの珪化物およびTaの硼化物より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み、このEUV吸収体層の膜厚は70nm〜110nmであることを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランクである。
【0014】
第7の発明は、第5または第6の発明に記載のEUV露光用反射型マスクブランクであって、前記遷移金属は、W、Ta、Mo、Rh、Ru、Au、Hf、Ni、Cr、Reより選ばれる少なくとも1つ以上の金属であることを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランクである。
【0015】
第8の発明は、第1から第7の発明のいずれかに記載のEUV露光用反射型マスクブランクを用いたことを特徴とするEUV露光用反射型マスクである。
【0016】
第9の発明は、第8の発明に記載のEUV露光用反射型マスクを用いて、半導体ウエハ上にEUV光によりパターンを転写することを特徴とする半導体の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、EUV光吸収体層M1の表面にて反射されるEUV光と、EUV光吸収体層M1を通過しEUV光吸収体層M1の下にあるEUV光反射多層膜M2で反射され再びEUV光吸収体層M1を通過したEUV光とが、特定の条件を満たすときに起こる干渉効果を用いて、EUVLに十分なコントラストを得ることができる条件について詳述する。
【0018】
図1はEUV光反射多層膜M2とその上に成膜されたEUV光吸収体層M1および真空中M0をそれぞれ模式的に表現し、そこへを有し角度θ0を以てEUV光が真空中M0から、強度I0を有して入射してきた際の光路を表した図である。
入射してきたEUV光のうち、EUV光吸収体層M1の表面で反射されるものをEUV光▲1▼、EUV光吸収体層M1を通過しEUV光吸収体層M1の下にあるEUV光反射多層膜M2で反射され再びEUV光吸収体層M1を通過したEUV光をEUV光▲2▼とした。
ここで、干渉効果を起こすために満たすべき条件とは、1)EUV光▲1▼と▲2▼との位相差がほぼπずれていること、2)EUV光▲1▼と▲2▼との強度がほぼ等しいことである。
すなわちEUV光吸収体層M1の制御によりEUV光▲1▼と▲2▼とが上記1)、2)の条件を満たせば、EUV光吸収体層M1の厚膜化によることなくEUVLに十分なコントラストを得ることができる。
【0019】
EUV光▲1▼と▲2▼とが上記1)、2)を満たす条件を図1を用いて説明する。
但し、R01は真空中M0とEUV光吸収体層M1との界面の反射率である。
12はEUV光吸収体層M1とEUV光反射多層膜M2との界面の反射率である。
01は真空中M0とEUV光吸収体層M1との界面の透過率である。
αは入射してきたEUV光に対するEUV光吸収体層M1の吸収係数である。
2Zは入射してきたEUV光がEUV光吸収体層M1中を進行する距離である。
すると、EUV光吸収体層M1の表面で反射されたEUV光▲1▼の強度I1は式(1)
1=I001………(1)
となる。
【0020】
一方、EUV光▲2▼の強度I2は式(2)
2=I001exp[−αZ]・R12exp[−αZ]T01=I001 212exp[−2αZ]………(2)
となる。
但し、αは式(3)
α=2ω01/c………(3)
である。ここでω0は真空中M0での光の角速度であり、k1はEUV光吸収体層M1のEUV光の消衰係数、cは光速である。
すると、ω0は式(4)
ω0=2πν0=2πc/λ0………(4)
となる。ここでν0は真空中での光の振動数、λ0は真空中での波長である。
そして式(3)と式(4)より式(5)が導かれる。
α=4πk1/λ0 ………(5)
また、EUV光吸収体層M1における光路長zと膜厚dの関係を式(6)に示す。
z = d/cosθ1………(6)
ここで、θ1に関しては、入射角θ0と式(7)の関係にある。
但し、n0 は真空中の屈折率、n1 は吸収体層の屈折率である。
n0 sinθ0 = n1 sinθ1………(7)
そして式(6)と式(7)式より式(8)が導かれる。
【数5】
Figure 0004780847
・・・・・(8)
【0021】
最後に、 I1=I2、すなわち式(1)=式(2)の条件に式(5)および式(8)を代入すると、条件1)を満たす最適膜厚dを示す式(9)が導出される。
I0R01= I0(T01)2R12exp[-2αz]-2αz = ln[R01/(T01)2R12]
【数6】
Figure 0004780847
・・・・・(9)
次に条件2)を満足する膜厚dについて検討する。
EUV光▲1▼と▲2▼の光路差は2zである。これが波長の(整数+0.5)倍のとき、EUV光▲1▼と▲2▼の位相がπずれることになる。
そこでこの光路差を求めようとすると、EUV光反射多層膜M2が数十層の多層膜で構成されているため、干渉条件を求めるためにる光学シュミレーション計算をおこない、この結果よりEUVLにおいて十分なコントラストを得ることのできるEUV光吸収体層M1の膜厚を求めることができる。
【0022】
上述の方法にてEUV光吸収体層M1の膜厚を求めるには、例えば、以下のような操作を行う。
まず、前記EUV光吸収体層の表面にて反射されるEUV光と、前記EUV光吸収体層を通過し前記EUV光吸収体層の下にある前記EUV光反射多層膜で反射され再び前記EUV光吸収体層を通過したEUV光との、干渉効果を加算した反射率をシュミレーションする。但しシュミレーションの方法については後述する。
前記反射率のシュミレーションの結果を、図3、6、10、13に示すような膜厚を横軸、反射率を縦軸としたグラフに表し、膜厚に対し反射率の極大値を与える点を結んだ曲線を求める。
一方、その膜厚があまりに厚くなると自身の膜応力も大きくなり、膜の歪みの原因となる。そこで膜応力の観点から、これ以上の膜厚値は使用不適と判断される膜厚値を限界膜厚としたとき、前記限界膜厚に対応する反射率を前記曲線から求め、これを限界反射率と定義する。
ここで、前記反射率のシュミレーション結果より、EUV光吸収体層の表面にて反射されるEUV光と、EUV光吸収体層を通過しEUV光吸収体層の下にある前記EUV光反射多層膜で反射され、再び前記EUV光吸収体層を通過したEUV光と、の干渉効果により反射率が極小となる点が周期的に現れる。
この膜厚に対し反射率の極小値を与える膜厚を求め、その膜厚を極小値膜厚と定義する。
ここで、前記EUV光吸収体層の膜厚を反射率が極小となる膜厚近傍の値に設定すれば、EUV光吸収体層での反射率を低くすることができる。また前記反射率の極小値の中でも最小の極小値を与える膜厚近傍の値に設定すれば、さらに好ましい。
一方、ここで前記EUV光吸収体層の成膜において、前記極小値膜厚をねらって成膜を実施しても、実際の成膜工程においては膜厚の変動は不可避である。しかし発生する不可避的な膜厚変動を見込んでも、前記限界反射率より低い反射率を得ることができる膜厚を用いるならば、この膜厚をねらって成膜を実施することで薄い膜厚でありながら高いコントラストを得ることができる。
【0023】
しかし、この光路差を求めようとすると、大型計算機による光学シュミレーション計算が必要となりコストと時間を必要とするため、膜厚算定の毎に光学シュミレーション計算を実施せずに済めば、それはさらに好ましい構成である。
ここで本発明者らは、EUV光反射多層膜M2を均一な媒体と仮定し、整数mを用い、且つEUV光▲2▼の反射はM12の界面でのみ起こると近似すると、EUV光▲1▼と▲2▼の光路差である2zが満たすべき条件式(10)が導出できることに想達した。
2z =(m+0.5)λ1/n1 =(m+0.5)λ0/n1………(10)
【0024】
一方、この近似による精度の低下については後述するが、EUV光反射多層膜M2から反射する波に対し位相のずれφを導入することで、実用上問題ない程度とすることができることが確認できた。
この位相のずれφを導入すると、式(10)は式(10’)のように修正される(位相のずれφの単位はラジアンとする)。尚、位相のずれφの算出方法は後述する。
2z =(m+0.5+φ/2π)λ0/n1………(10’)
以上のことより式(7)、式(10’)より膜厚dを求める式(11)が導出される。
【数7】
Figure 0004780847
・・・・・(11) 従って、EUV光吸収体層M1の膜厚を、式(9)から得られる膜厚dと、式(11)から得られる膜厚dとの両者が一致する値とすれば、EUV光▲1▼と▲2▼の干渉により、EUVLにおけるパターンの高いコントラストが実現できる。
【0025】
上述した数式を基に算出したEUV光吸収体層M1の膜厚と、実際に成膜したしたEUV光反射多層膜M2のデータを基に光学シュミレーションして得られたEUV光吸収体層M1の膜厚とを比較した。
但し、ここで用いた光学シュミレーションは、藤原史郎編「光学薄膜」(光学技術シリーズ11)第1章2〜62頁、共立出版に記載されている一般的な多層膜の光学計算手法に拠っている。またB.L.Henkenらの、「LOW ENERGY X−RAY INTERACTION COEFFISIENTSPHOTOABSORPTION,SCATTERING AND REFLECTION AT E=50〜30,000eV,Z=1〜92」(ATOMIC DATA AND NUCLEAR DATA TABLE 54,181〜342(1993))に記載された方法を用いて、屈折率や消衰係数を求めた。
【0026】
さらにここで、位相のずれφの算出方法について説明する。
位相のずれφは、EUV光反射多層膜M2を真空中に設置した場合において、多層膜表面で反射する光の位相と、多層膜中で多重散乱を生じて真空中に戻ってきた光と、の位相差として得られる。
従って、計算方法は、前述の光学シュミレーションと同様の計算を実施する。
【0027】
この結果、式(9)から得られる膜厚dは、前記光学シュミレーションして得られた最適膜厚よりやや厚めになることが判明した。
これはEUV光反射多層膜M2とEUV光吸収体層M1で起こる多重散乱の影響によるものと考えられる。
ここで、EUV露光用反射型マスクのコントラストは1000以上あることが望まれている。したがって反射率は0.001であることが好ましいが、これまでのシュミレーション結果より、最適膜厚前後の−20%および+10%程度の膜厚値において十分なコントラストが得られることが判明したことから、前記条件1)を満足する膜厚dの範囲は次のようになる。
【数8】
Figure 0004780847
………(12)
【0028】
一方、式(11)から得られる膜厚dは、前記光学シュミレーションして得られた最適膜厚とほぼ一致することが判明した。
また、膜厚が最適膜厚からわずかにずれ、その結果EUV光▲1▼と▲2▼の位相差がπからずれても干渉効果が起きることも判明し、π/2〜3π/2の範囲にて干渉効果を利用できることが判明した。
以上のことより前記条件2)を満足する膜厚dの範囲は次のようになる。
【数9】
Figure 0004780847
………(13)
【0029】
ここで、EUV露光用反射型マスクブランクやEUV露光用反射型マスクにおいて、図18に示すEUV光吸収体層M1とEUV光反射多層膜M2との間へ、EUV光吸収体層M1加工時の影響がEUV光反射多層膜M2におよぶのを抑止するために、エッチンクストッパー層が導入される場合がある。
このような場合には、EUV光反射多層膜M2とエッチンクストッパー層とを一体のEUV光反射多層膜と仮定することで、前記最適膜厚dを求める式を導出することができる。
すなわち、図1におけるR12をEUV光吸収体層M1と、EUV光反射多層膜M2およびエッチンクストッパー層の一体膜と、の界面の反射率とする。さらに、位相のずれφはEUV光反射多層膜M2およびエッチンクストッパー層の一体膜を真空中に設置した場合において、エッチングストッパー層表面で反射する光の位相と、多層膜中で多重散乱を生じて真空中に戻ってきた光と、の位相差として求めることができる。
【0030】
さらにここで、前記EUV光反射多層膜M2とEUV光吸収体層M1との、各々の膜に含まれる成分として、好ましいものについて以下に記載する。
まず前記EUV光反射多層膜M2は交互に積層した第1の膜と第2の膜とを有しているが、膜成分の好ましい例として以下のものがある。
すなわち、前記第1の膜としては、遷移金属、遷移金属の炭化物、遷移金属の窒化物、遷移金属の珪化物、および遷移金属の硼化物、より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含むものが好ましく、W、Ta、Mo、Rh、Ru、Au、Hf、Ni、Cr、Re、等およびその合金はさらに好ましい。
前記第2の膜としては、B、Be、C、Si、等またはその化合物、およびそれらの酸化物、窒化物が好ましい。
一方、前記EUV光吸収層M1としては、Cr、Crの炭化物、Crの窒化物、Crの珪化物およびCrの硼化物より選ばれる少なくとも1つ以上の成分、またはTa、Taの炭化物、Taの窒化物、Taの珪化物およびTaの硼化物より選ばれる少なくとも1つ以上の成分が好ましい。
そして、このEUV吸収体層の膜厚は70nm〜100nmの範囲であって、式(12)と式(13)との両方を満足することが好ましい。
【0031】
以上のことより、EUV光吸収体層M1の膜厚dが式(12)および式(13)の両方を満足する範囲にあるとき、EUV光吸収体層M1は干渉効果による十分なコントラストを発揮でき、同時に膜厚を薄くすることも可能になった。
この結果、EUV光吸収体層M1の発生する膜応力を減らすことが可能になり、この膜応力に由来する基板およびEUV光反射多層膜M2の歪みも削減できるので、歪みの少ないEUVマスクやEUVマスクブランクを得ることができた。
さらに、EUV光吸収体層M1の膜厚が薄くなったことにより、そのエッジの部分で光露光パターンがぼやけるという問題も解決した。
このEUVマスクを用いて図19に示すように、Si等の半導体ウエハ上に、超LSI等の半導体装置のパターンの露光転写を行ったところ、従来のEUVマスクを用いた場合に較べ、光露光の解像限界を大きく上げることが出来た。
【0032】
(実施例1)
厚さ600nmのSiO2−TiO2ガラス基板上にEUV光反射多層膜M2として、Mo/Si多層膜を40周期積層した。Mo/Si多層膜はSiが4.2nm、Moが2.8nmで1周期を構成し、これが40周期積層されている。
一方、EUV光吸収体層M1はCrとした。
そしてEUV光の波長は13.5nm、入射角度は2.05degとし、各材料の屈折率、吸収係数を図2の値として、式(9)、式(11)により最適膜厚の計算を行った。
Cr層がない場合のEUV光反射多層膜M2の理論反射率は71.7%であった。
また、M2で反射された波の位相差は入射波に対して0.19808radであった。
2における多重散乱を考慮に入れた光学シミュレーションによる計算結果を図3に示す。これに基づいて、式(11)より得られた干渉の強まる膜厚と、光学シミュレーションの計算で得られた干渉の強まる膜厚との比較を図4に示す。
一方、式(9)から得られた最適膜厚は89.86nmであった。
以上の結果を綜合して図5に示す。これよると式(9)で得られた最適膜厚値は光学シミュレーションによる計算結果によるピーク位置より若干厚い位置にあるが、ほぼ正確に予想できることが判明した。
【0033】
(実施例2)
実施例1と同様のSiO2−TiO2ガラス基板を用い、EUV光反射多層膜M2として、Si/Mo多層膜を40周期積層した。他の条件は実施例1と同様である。
Cr層がない場合のEUV光反射多層膜M2の理論反射率は70.8%であった。
また、M2で反射された波の位相差は入射波に対して2.5736radであった。
実施例1と同様の光学シミュレーションによる計算結果を図6に示す。これに基づいて、式(11)より得られた干渉の強まる膜厚と、光学シミュレーションの計算で得られた干渉の強まる膜厚との比較を図7に示す。
ここで、式(9)から得られた最適膜厚は89.69nmであった。
以上の結果を綜合して図8に示す。これよると式(9)で得られた最適膜厚値は実施例1と同様に、光学シミュレーションによる計算結果によるピーク位置より若干厚い位置にあるが、ほぼ正確に予想できることが判明した。
【0034】
(実施例3)
実施例1と同様のSiO2−TiO2ガラス基板、およびEUV光反射多層膜M2を用い、EUV光吸収体層M1はTaBとした。
そしてEUV光は実施例1と同様とし、各材料の屈折率、吸収係数を図9の値として、式(9)、式(11)により最適膜厚の計算を行った。
TaB層がない場合のEUV光反射多層膜M2の理論反射率は71.7%であった。
また、M2で反射された波の位相差は入射波に対して0.19808radであった。
実施例1と同様の光学シミュレーションによる計算結果を図10に示す。これに基づいて、式(11)より得られた干渉の強まる膜厚と、光学シミュレーションの計算で得られた干渉の強まる膜厚との比較を図11に示す。
ここで、式(9)から得られた最適膜厚は95.73nmであった。
以上の結果を綜合して図12に示す。これよると式(9)で得られた最適膜厚値は実施例1と同様に、光学シミュレーションによる計算結果によるピーク位置より若干厚い位置にあるが、ほぼ正確に予想できることが判明した。
【0035】
また実施例3においては、EUV光吸収体層の膜厚が条件1)を満たす場合と条件2)とを図12に記入した図16を作成した。図17において条件1)を満たす部分のグラフを実線で、条件2)を満たす部分をハンチングで示した。
そして図16より、EUV光吸収体層の膜厚が条件1)2)同時に満たす場合には、前記干渉効果により、干渉効果を用いない場合より少なくとも160nmの膜厚の削減を実現していることが判明した。
【0036】
(実施例4)
実施例1と同様のSiO2−TiO2ガラス基板を用い、EUV光反射多層膜M2として、Si/Mo多層膜を40周期積層した。他の条件は実施例3と同様である。
TaB層がない場合のEUV光反射多層膜M2の理論反射率は70.8%であった。
また、M2で反射された波の位相差は入射波に対して2.5736radであった。
実施例1と同様の光学シミュレーションによる計算結果を図13に示す。これに基づいて、式(11)より得られた干渉の強まる膜厚と、光学シミュレーションの計算で得られた干渉の強まる膜厚との比較を図14に示す。
ここで、式(9)から得られた最適膜厚は95.71nmであった。
以上の結果を綜合して図15に示す。これよると式(9)で得られた最適膜厚値は実施例1と同様に、光学シミュレーションによる計算結果によるピーク位置より若干厚い位置にあるが、ほぼ正確に予想できることが判明した。
【0037】
(実施例5)
ガラス基板として外形6インチ角、厚さ6mmの低膨張SiO2−TiO2ガラス基板を準備し、機械研磨により、表面の平滑度0.2nm以下、平坦度100nm以下とした。
このガラス基板上に、EUV光反射多層膜としてMoとSiとを積層した。
その積層方法は、DCマグネトロンスパッタ法により、まずSiターゲットを用いてArガス0.1Pa中でSi膜を4.2nm成膜し、次にMoターゲットを用いてArガス0.1Pa中でMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として40周期積層した後、最後にSi膜を4.2nm成膜した。
次に、図13のグラフおよび図14の表の結果より、極小の反射率を期待できる膜厚を求め、前記EUV光反射多層膜上にEUV光吸収体層としてスパッタ法によりTaBを85nmの厚さに成膜し、EUV露光用反射型マスクブランクを得た。
得られたEUV露光用反射型マスクブランク上にEBレジストをコ−トし、EB描画によりパターンを形成し、次にこのレジストパターンをマスクとして、前記EUV光吸収体層をCl2を用いてドライエッチングし、EUV光吸収パターンを形成して、デザインルールが70nmの16GBit−DRAMのパターンを有するEUV露光用反射型マスクを作製した。
作製されたEUV露光用反射型マスクについて、マスクへの入射角を2.05degとし波長13.5nmのEUV光を用いて露光転写をおこなったところ、要求された線幅50nmに対して、高精度な転写特性を得ることができた。
【0038】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明は、EUV吸収体層の表面にて反射されるEUV光と、EUV吸収体層を通過して前記EUV吸収体層の下にあるEUV光反射多層膜で反射され、再び前記EUV吸収体層を通過したEUV光と、の干渉効果を利用して、前記EUV吸収体層におけるEUV光の反射率が低くなるように、前記EUV吸収体層の膜厚を設定したことを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランクであり、これを用いることで、EUV光吸収体層の膜厚を厚くすることなくEUV光吸収体層のEUV光反射率を下げ、パターンのコントラストを上げることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる、真空中M0、EUV光吸収体層M1とEUV光反射多層膜M2との配置、並びにそこへ入射してきたEUV光の光路を模式的に表した図である。
【図2】Cr、Si、Moの各部材の屈折率を示す表である。
【図3】本発明の実施例1にかかる、EUV光吸収体層の反射率とCr膜厚との関係について、EUV光反射多層膜における多重散乱を考慮に入れた光学シミュレーターにより計算した結果を示す図である。
【図4】本発明の実施例1にかかる、式(11)より得られた干渉の強まる膜厚と、光学シミュレーションの計算で得られた干渉の強まる膜厚との比較を示す表である。
【図5】本発明の実施例1にかかる、(図4)の表の値および式(9)から得られた最適膜厚値を(図3)に記入した図である。
【図6】本発明の実施例2にかかる、EUV光吸収体層の反射率とCr膜厚との関係について、EUV光反射多層膜における多重散乱を考慮に入れた光学シミュレーターにより計算した結果を示す図である。
【図7】本発明の実施例2にかかる、式(11)より得られた干渉の強まる膜厚と、光学シミュレーションの計算で得られた干渉の強まる膜厚との比較を示す表である。
【図8】本発明の実施例2にかかる、(図7)の表の値および式(9)から得られた最適膜厚値を(図6)に記入した図である。
【図9】TaB、Si、Moの各部材の屈折率を示す表である。
【図10】本発明の実施例3にかかる、EUV光吸収体層の反射率とCr膜厚との関係について、EUV光反射多層膜における多重散乱を考慮に入れた光学シミュレーターにより計算した結果を示す図である。
【図11】本発明の実施例3にかかる、式(11)より得られた干渉の強まる膜厚と、光学シミュレーションの計算で得られた干渉の強まる膜厚との比較を示す表である。
【図12】本発明の実施例3にかかる、(図11)の表の値および式(9)から得られた最適膜厚値を(図10)に記入した図である。
【図13】本発明の実施例4にかかる、EUV光吸収体層の反射率とTaB膜厚との関係について、EUV光反射多層膜における多重散乱を考慮に入れた光学シミュレーターにより計算した結果を示す図である。
【図14】本発明の実施例4にかかる、式(11)より得られた干渉の強まる膜厚と、光学シミュレーションの計算で得られた干渉の強まる膜厚との比較を示す表である。
【図15】本発明の実施例4にかかる、(図14)の表の値および式(9)から得られた最適膜厚値を(図13)に記入した図である。
【図16】本発明の実施例3にかかる、EUV光吸収体層の膜厚が、条件1)を満たす場合と、条件2)を満たす場合とを(図10)に記入した図である。
【図17】EUVLに用いられるEUV露光用反射型マスクを模式的に表現した図である。
【図18】EUV露光用反射型マスク、等を製造するために用いられるEUV露光用反射型マスクブランクを模式的に表現した図である。
【図19】EUV露光用反射型マスクを用いて、例えばSiウエハ上にパターンの露光転写を行っている概念図である。
【符号の説明】
EUV.入射してきたEUV光
EUV▲1▼.EUV光吸収体層の表面で反射されるEUV光
EUV▲2▼.EUV光吸収体層を通過しEUV光反射多層膜で反射され再びEUV光吸収体層を通過したEUV光
0.真空
1.EUV光吸収体層
2.EUV光反射多層膜
θ0.EUV光のEUV光吸収体層への入射角
θ1.EUV光のEUV光反射層への入射角
0.EUV光の強度
01.真空中M0とEUV光吸収体層M1との界面の反射率
12.EUV光吸収体層M1とEUV光反射多層膜M2との界面の反射率
01.真空中M0とEUV光吸収体層M1との界面の透過率
d.EUV光吸収体層M1の膜厚
z.EUV光吸収体層M1における光路長

Claims (9)

  1. EUV光反射多層膜上に成膜されたEUV光吸収体層を有するEUV露光用反射型マスクブランクであって、
    前記EUV光吸収体層は単層であり、
    前記EUV吸収体層の表面にて反射されるEUV光と、前記EUV吸収体層を通過して前記EUV吸収体層の下にある前記EUV光反射多層膜で反射され、再び前記EUV吸収体層を通過したEUV光と、の干渉効果を利用して、前記EUV吸収体層におけるEUV光の反射率が0.01未満になるように、前記EUV吸収体層の膜厚を設定したことを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランク。
  2. EUV光反射多層膜上に成膜されたEUV光吸収体層を有するEUV露光用反射型マスクブランクであって、
    前記EUV光吸収体層は単層であり、
    前記EUV光吸収体層の表面にて反射されるEUV光と、前記EUV光吸収体層を通過し前記EUV光吸収体層の下にある前記EUV光反射多層膜で反射され再び前記EUV光吸収体層を通過したEUV光との、干渉効果を加算した反射率をシュミレーションし、前記反射率のシュミレーションの結果を、前記EUV光吸収体層の膜厚を横軸、反射率を縦軸としたグラフに表し、前記グラフにおいて、前記膜厚に対し反射率の極大値を与える点を結んだ曲線を求め、その膜厚が膜応力の観点から使用不適と判断される膜厚値を限界膜厚としたとき、前記限界膜厚に対応する反射率を前記曲線から求め、限界反射率と定義したとき、前記反射率のシュミレーション結果より、膜厚に対し反射率の極小値を与える膜厚を求め、その膜厚を極小値膜厚と定義し、前記EUV光吸収体層の成膜において、前記極小値膜厚をねらう際に発生する不可避的な膜厚変動を見込んでも、前記限界反射率より低い0.01未満の反射率を得ることができる膜厚を用いることを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランク。
  3. EUV光反射多層膜上に成膜されたEUV光吸収体層を有するEUV露光用反射型マスクブランクであって、
    前記EUV光吸収体層は単層であり、
    前記EUV光吸収体層の表面にて反射されるEUV光と、前記EUV光吸収体層を通過し前記EUV光吸収体層の下にある前記EUV光反射多層膜で反射され再び前記EUV光吸収体層を通過したEUV光との、干渉効果をもちいて、前記EUV光吸収体層におけるEUV光の反射率を0.01未満に低減させる構造において、前記干渉効果の起きる条件を前記EUV光吸収体層の膜厚の関数として定式化し、さらに前記EUV光反射多層膜での多層反射を表面の反射とする近似を行うことで、前記干渉効果の起きる条件を前記EUV光吸収体層の膜厚の関数として表す式の近似式を求め、この近似式により算出した膜厚を有するEUV光吸収体層を有することを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランク。
  4. 請求項3に記載のEUV露光用反射型マスクブランクであって、
    前記近似式により算出した膜厚dの値が、
    Figure 0004780847
    および
    Figure 0004780847
    の両式を満足する範囲内にあることで、前記干渉効果を用いて、EUV光の反射率を下げることを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランク。
    但し、λ0は真空中でのEUV光の波長、n0は真空中に屈折率、n1は吸収体層の屈折率、θ0はEUV光のEUV光吸収体層への入射角、k1は正の実数、T01は真空中とEUV光吸収体層との界面の透過率、R01は真空中とEUV光吸収体層との界面の反射率、R12はEUV光吸収体層とEUV光反射多層膜との界面の反射率、mは正の整数、φは位相のずれ、である。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のEUV露光用反射型マスクブランクであって、
    前記EUV光反射多層膜は交互に積層した第1の膜と第2の膜とを有し、
    前記第1の膜は、遷移金属、遷移金属の炭化物、遷移金属の窒化物、遷移金属の珪化物、および遷移金属の硼化物、より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み、
    前記第2の膜は、Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSi、Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSiの酸化物、
    Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSiの窒化物、
    より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み、
    前記EUV吸収体層は、Cr、Crの炭化物、Crの窒化物、Crの珪化物およびCrの硼化物より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み
    このEUV吸収体層の膜厚は70nm〜100nmであることを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランク。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載のEUV露光用反射型マスクブランクであって、
    前記EUV光反射多層膜は交互に積層した第1の膜と第2の膜とを有し、
    前記第1の膜は、遷移金属、遷移金属の炭化物、遷移金属の窒化物、遷移金属の珪化物、および遷移金属の硼化物、より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み、
    前記第2の膜は、Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSi、Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSiの酸化物、
    Bおよび/またはBeおよび/またはCおよび/またはSiの窒化物、
    より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み、
    前記EUV吸収体層は、Ta、Taの炭化物、Taの窒化物、Taの珪化物およびTaの硼化物より選ばれる少なくとも1つ以上の成分を含み、このEUV吸収体層の膜厚は70nm〜110nmであることを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランク。
  7. 請求項5または請求項6に記載のEUV露光用反射型マスクブランクであって、前記遷移金属は、W、Ta、Mo、Rh、Ru、Au、Hf、Ni、Cr、Reより選ばれる少なくとも1つ以上の金属であることを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランク。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のEUV露光用反射型マスクブランクを用いたことを特徴とするEUV露光用反射型マスク。
  9. 請求項8に記載のEUV露光用反射型マスクを用いて、半導体ウエハ上にEUV光によりパターンを転写することを特徴とする半導体の製造方法。
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