JP4779643B2 - アイアンセット - Google Patents

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Description

本発明は、番手の異なる複数本のアイアン(アイアンゴルフクラブ)よりなるアイアンセットに関するものであり、特に各アイアンのソール面がバンス角の比較的大きいフロントソール面とバンス角の比較的小さいリアソール面とを有し、且つリアソール面のフェース前後方向の幅がフロントソール面のフェース前後方向の幅以上であるアイアンセットに関する。
アイアンのソール面が、バンス角の比較的大きいフロントソール面と、バンス角の比較的小さいリアソール面とを有し、且つリアソール面のフェース前後方向の幅がフロントソール面のフェース前後方向の幅以上であるアイアンセットが特開平8−257179号公報に記載されている。同号公報の図3及び表1には、1〜3番アイアンはフロントソール面のバンス角が20゜、幅が3.1mm(0.123インチ)であり、4〜7番アイアンのフロントソール面のバンス角が25゜、幅が3.9mm(0.154インチ)であり、8,9番アイアンのフロントソール面のバンス角が30゜、幅が3.9mmであること、1〜8番アイアンのリアソール面の幅が12.4mm(0.487インチ)であること等が記載されている。
特開平8−257179号公報
上記特開平8−257179号公報のアイアンは、ボールを打つ際に地面を掘らないようにすることを企図したものである。
本発明は、番手の小さいアイアンから番手の大きいアイアンまで、いずれもゴルフ場の芝面から受ける抵抗が小さく、スムーズに振り抜くことができ、あらゆるスイングタイプ、ヘッドスピードの人により適合することができるアイアンセットを提供することを目的とする。
請求項1のアイアンセットは、番手が多くなるほどヘッドのロフト角が大きくなる複数本のアイアンゴルフクラブよりなるアイアンセットであって、該ヘッドのソール面は、前部側のフロントソール面と、該フロントソール面に引き続いており、バンス角θが該フロントソール面のバンス角θよりも小さいリアソール面とを有し、該リアソール面のフェース前後方向の幅Lが該フロントソール面のフェース前後方向の幅L以上であるアイアンセットにおいて、いずれのクラブにおいても該幅Lが5〜12mmであり、n番手のクラブのフロントソール面のバンス角θ は、(n−1)番手のクラブのフロントソール面のバンス角θ 以上であり、且つ(n−2)番手のクラブのフロントソール面のバンス角θ よりも大きいものとなっており、且つ3番アイアンのフロントソール面のバンス角θ が5〜8゜であり、6番アイアンのフロントソール面のバンス角θ が6〜9゜であり、9番アイアンのフロントソール面のバンス角θ が8〜10゜であることを特徴とするものである。
請求項2のアイアンセットは、請求項1において、n番手のクラブのリアソール面のバンス角θ は、(n−1)番手のクラブのリアソール面のバンス角θ 以上であり、且つ(n−2)番手のクラブのリアソール面のバンス角θ よりも大きいことを特徴とするものである。
請求項3のアイアンセットは、請求項1又は2において、3番アイアンのリアソール面のバンス角θ が2〜4゜であり、6番アイアンのリアソール面のバンス角θ が2〜5゜であり、9番アイアンのリアソール面のバンス角θ が4〜7゜であることを特徴とするものである。
本発明のアイアンセットでは、番手が大きくなるほど、ほぼ連続的にフロントソール面のバンス角を大きくしている。即ち、1番手異なるクラブのフロントソール面はバンス角が同一であるか又は高番手のクラブほどバンス角が大きい。また、2番手異なると、フロントソール面のバンス角は高番手のクラブの方が必ず大きい。このようにフロントソール面のバンス角が高番手ほどほぼ必ず大きくなるように設定することにより、各番手で同じような振り抜きフィーリング(振り抜き感)を得ることができる。
フロントソール面だけでなくリアソール面についても、高番手のクラブほどバンス角をほぼ大きくなるようにする(即ち、1番手異なるものは、リアソール面のバンス角が同一であってもよいが2番手異なると必ず高番手のバンス角の方が大きい)ことにより、振り抜き感が各番手で似通ったものとなる。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図は実施の形態に係るアイアンセットのアイアンヘッドの一例を示すフェース面と直交方向の縦断面図である。このヘッド1の前面は、ボールを打つフェース面2であり、このフェース面2にはヘッドのトウ・ヒール方向に延在する平行な複数本の溝(スコアライン)が設けられている。なお、各スコアラインの長さは同一であり、各スコアラインはその両端を揃えて設けられている。スコアラインの長手方向の中央がフェース面のトウ・ヒール方向の中央である。
第1図は、このトウ・ヒール方向の中央を通る縦断面であり、本発明では、フロントソール面及びリアソール面のバンス角及び幅はこのトウ・ヒール方向の中央を通る縦断面におけるバンス角及び幅をいうものとする。バンス角は、クラブを水平面に通常にソールした状態で測定される。通常にソールするとは、スコアラインが水平となっている状態であり;該スコアラインを含む鉛直面と平行で且つホゼルを通る鉛直面を想定し、この鉛直面内にクラブのシャフトが含まれる状態にソールすることをいう。
このヘッド1のソール面は、フェース面側のフロントソール面3と、該フロントソール面3に引き続くバック側のリアソール面4とからなる。
フロントソール面3のバンス角θ、幅L、リアソール面のバンス角θ、幅Lをそれぞれ図中に示してある。
なお、第1図ではフロントソール面3及びリアソール面4はいずれも平面であり、両者の交叉部は明瞭な尖った凸角部5を形成しているが、この凸角部5は丸みをおびていてもよい。この場合は、フロントソール面3とリアソール面4とを延長した仮想的な平面が交叉する点をフロントソール面3とリアソール面4との交叉部として上記幅L,Lを測定する。
は、凸角部5又は上記交叉部からフェース面2までの距離である。
フロントソール面3とフェース面との交叉部であるリーディングエッジは、丸みをおびていたり斜めの角落し状となっていてもよく、この場合にも、フロントソール面3の幅は凸角部5又は上記交叉部からフェース面2までの距離として測定される。
第1図ではリアソール面4とヘッド背面6とが交わるリアエッジ7も明瞭な凸角部を形成しており、Lはこのリアエッジから上記凸角部5又は上記交叉部までの距離として測定される。ただし、このリアエッジ7は丸みをおびたり斜めの角落し状となっていてもよい。この場合には、フェース面と平行で且つヘッド最後端を通る仮想的な面から上記凸角部5又は上記交叉部までの距離がLとなる。
本発明のアイアンセットは、例えば3番アイアンから10番アイアン(ピッチングウェッジ)までを含んでもよく、4番又は5番アイアンから10番アイアンまでを含んでもよく、6番アイアンから10番アイアンまでを含んでもよい。もちろん、11番あるいは(ピッチングサンドあるいはアプローチウェッジ等と通称される。)やサンドウェッジ(本発明では12番アイアンとする。)さらにはロブウェッジ(同13番アイアン)までを含んでもよい。また、2番アイアンや1番アイアンを含んでもよい。
本発明では、n番アイアンのフロントソール面のバンス角θは、(n−1)番アイアンのフロントソール面のバンス角θと等しいかそれよりも大であり、(n−2)番アイアンのフロントソール面のバンス角θよりも大きい。また、好ましくは、n番アイアンのリアソール面のバンス角θは、(n−1)番アイアンのリアソール面のバンス角θと等しいか又はそれよりも大であり、(n−2)番アイアンのリアソール面のバンス角θよりも大きい。
3番アイアンの場合、θは5〜8゜、θは2〜4゜であることが好ましい。6番アイアンの場合、θは6〜9゜であり、θは2〜5゜であることが好ましい。9番アイアンの場合、θは8〜10゜、θは4〜7゜であることが好ましい。いずれのクラブにおいても、(θ−θ)は2〜7゜特に3〜6゜であることが好ましい。
本発明では、いずれのクラブにおいても、リアソール面の幅Lはフロントソール面の幅Lよりも大であり、好ましくはLはLの1〜2倍特に1〜1.5倍である。いずれのクラブでも、Lは5〜12mmである。3番アイアンの場合、Lは5〜9mm特に6〜8mmが好ましい。6番アイアンの場合、Lは6〜10mm特に7〜9mmが好ましい。9番アイアンの場合、Lは8〜12mm特に9〜11mmが好ましい。
好ましくは、n番アイアンのLは(n−1)番アイアンのLと同一以上であり、(n−2)番アイアンのLよりも大である。また、好ましくは、n番アイアンのLは、(n−1)番アイアンのLと同一以上であり、(n−2)番アイアンのLよりも大である。
本発明の特に好ましいL,θ,L,θの一例を表1に示す。
Figure 0004779643
アイアンの素材はスチール、軟鉄、純鉄などの鉄又は鉄基合金が好ましいが、フェース面をチタン合金や銅合金など異種素材としてもよい。
実施例1,2、比較例1〜8
3,6及び9番アイアンのL,L,θ,θを表2の通りとした。アイアンヘッドを軟鉄で製造し、カーボンシャフトを装着してアイアンクラブとした。シャフト長さは3番38.5インチ(約97.8cm)、6番37インチ(約94cm)、9番35.5インチ(約90.2cm)である。
種々のスイングタイプの人のいずれにも合うソール形状を見つけるために、ヘッドスピード、スイング軌道が異なる4人の被験者を選んだ。
被験者Aは、インパクト時のスイング軌道が鋭角でヘッドスピードが速いタイプの人である。
被験者Bは、インパクト時のスイング軌道が鈍角でヘッドスピードが速いタイプの人である。
被験者Cは、インパクト時のスイング軌道が鋭角でヘッドスピードが遅いタイプの人である。
被験者Dは、インパクト時のスイング軌道が鈍角でヘッドスピードが遅いタイプの人である。
スイング軌道が鋭角とは、インパクト直前にヘッドが比較的上方から入ること、即ちヘッドを打ち込むことをいい、鈍角とはヘッドが比較的地面に沿って入ること、即ち払い打ち状にヘッドが入ること(スインガータイプ)をいう。
図2に各被験者のスイング軌道のX−Y座標を示す。図3〜6に各被験者のヘッドスピードをバンス角の異なるクラブ毎に示す。
各クラブを上記4人の被験者がゴルフ場のフェアウェー芝の上から試打し、振り抜き感を4段階評価した結果を表2に示す。
なお、比較例8でθがマイナスとなっているのは、ソール面が凸形状となっていることを示す。
Figure 0004779643
表2の通り、本発明例のものはいずれの被験者にとっても振り抜き感が良好である。即ち、2段階にバンス角を変化させるアイアンゴルフクラブヘッドの方があらゆるスイングタイプ、ヘッドスピードの人に、より良く適合する。
実施の形態に係るヘッド断面図である。 被験者のヘッドの軌道図である。 被験者のヘッドスピード図である。 被験者のヘッドスピード図である。 被験者のヘッドスピード図である。 被験者のヘッドスピード図である。
符号の説明
1 ヘッド
2 フェース面
3 フロントソール面
4 リアソール面

Claims (3)

  1. 番手が多くなるほどヘッドのロフト角が大きくなる複数本のアイアンゴルフクラブよりなるアイアンセットであって、
    該ヘッドのソール面は、前部側のフロントソール面と、該フロントソール面に引き続いており、バンス角θが該フロントソール面のバンス角θよりも小さいリアソール面とを有し、
    該リアソール面のフェース前後方向の幅Lが該フロントソール面のフェース前後方向の幅L以上であるアイアンセットにおいて、
    いずれのクラブにおいても該幅Lが5〜12mmであり、n番手のクラブのフロントソール面のバンス角θ は、(n−1)番手のクラブのフロントソール面のバンス角θ 以上であり、且つ(n−2)番手のクラブのフロントソール面のバンス角θ よりも大きいものとなっており、
    且つ3番アイアンのフロントソール面のバンス角θ が5〜8゜であり、6番アイアンのフロントソール面のバンス角θ が6〜9゜であり、9番アイアンのフロントソール面のバンス角θ が8〜10゜であることを特徴とするアイアンセット。
  2. 請求項1において、n番手のクラブのリアソール面のバンス角θ は、(n−1)番手のクラブのリアソール面のバンス角θ 以上であり、且つ(n−2)番手のクラブのリアソール面のバンス角θ よりも大きいことを特徴とするアイアンセット。
  3. 請求項1又は2において、3番アイアンのリアソール面のバンス角θ が2〜4゜であり、6番アイアンのリアソール面のバンス角θ が2〜5゜であり、9番アイアンのリアソール面のバンス角θ が4〜7゜であることを特徴とするアイアンセット。
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