JP4779283B2 - 雑草防除剤代謝蛋白質、その遺伝子およびその利用 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、雑草防除活性化合物を代謝する能力を有する蛋白質(雑草防除剤代謝蛋白質)、その遺伝子およびその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
雑草防除剤は、散布に際し必要量を希釈して使用されるが、ときには余剰分の残液が生じる場合がある。また、散布された雑草防除剤が、散布後もしばらくの間、植物残渣や土壌中に残留する場合もある。
また、雑草防除剤の使用場面においては、作物と近縁の雑草とを明確に区別して、雑草のみを選択的に防除することが困難な場合がある。
【非特許文献1】
Science、5(3)、116(2000)
【非特許文献2】
Pesticide Science、55、867(1999)
【特許文献1】
米国特許第5212296号
【特許文献2】
米国特許第5349127号
【特許文献3】
米国特許第5179013号
【特許文献4】
国際特許出願第00/17352号公開公報
【特許文献5】
国際特許出願第00/00585号公開公報
【特許文献6】
国際特許出願第00/00502号公開公報
【特許文献7】
国際特許出願第99/19493号公開公報
【特許文献8】
米国特許第6121512号
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者において、元来、雑草防除剤は安全性が確認されていることから、少量の残液や残留分が環境や次に栽培される作物の生育等に及ぼす影響は小さいが、これらに含まれる雑草防除活性化合物を防除活性のより低い化合物に変換する方法があれば、例えば前記のような残液や残留分を失活させる処理を随時行うことも可能となる。
また、後者において、目的植物に雑草防除剤耐性を付与するための新たな方法の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる状況の下、鋭意研究を行った結果、特定の蛋白質が、後述の一般式(I)で示されるプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(以下、PPOと記すことがある。)阻害型雑草防除活性化合物を代謝し雑草防除活性のより低い化合物に変換し得ることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明は、
1.以下の群から選ばれる雑草防除剤代謝蛋白質をコードするDNA;
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に式(II)
で示される化合物を式(III)
で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A28)Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseofuscus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensisもしくはSaccharopolyspora taberiの染色体DNAを鋳型とし配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
2.以下の群から選ばれる塩基配列を有するDNA;
<塩基配列群>
(a1)配列番号6で示される塩基配列。
(a2)配列番号7で示される塩基配列。
(a3)配列番号8で示される塩基配列。
(a4)配列番号109で示される塩基配列。
(a5)配列番号139で示される塩基配列。
(a6)配列番号140で示される塩基配列。
(a7)配列番号141で示される塩基配列。
(a8)配列番号142で示される塩基配列。
(a9)配列番号143で示される塩基配列。
(a10)配列番号225で示される塩基配列。
(a11)配列番号226で示される塩基配列。
(a12)配列番号227で示される塩基配列。
(a13)配列番号228で示される塩基配列。
(a14)配列番号229で示される塩基配列。
(a15)配列番号230で示される塩基配列。
(a16)配列番号231で示される塩基配列。
(a17)配列番号232で示される塩基配列。
(a18)配列番号233で示される塩基配列。
(a19)配列番号234で示される塩基配列。
(a20)配列番号6、7、8または109で示される塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列であって、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
(a21)配列番号139、140、141、142、143、225、226、227、228、229、230、231、232、233または234で示される塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列であって、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列。
3.GC含量が60%以下40%以上であって、かつ蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列のコドン使用率が、当該DNAが導入される宿主細胞が属する生物種の遺伝子のコドン使用率のプラスマイナス4%の範囲内である塩基配列を有する前項1に記載のDNA;
4.配列番号214で示される塩基配列を有するDNA;
5.配列番号368で示される塩基配列を有するDNA;
6.配列番号393で示される塩基配列を有するDNA;
7.前項1に記載のDNAの上流に、細胞内オルガネラへの移行シグナル配列をコードする塩基配列を有するDNAが、その読み枠を合わせて連結されてなるDNA;
8.前項1に記載のDNAと宿主細胞で機能可能なプロモーターとが機能可能な形で結合されてなるDNA;
9.前項1に記載のDNAを含有するベクター;
10.宿主細胞内で複製可能なベクターに、前項1に記載のDNAを組込む工程を有することを特徴とするベクターの製造方法;
11.前項1に記載のDNAが宿主細胞に導入されてなる形質転換体;
12.宿主細胞が微生物細胞または植物細胞である前項11に記載の形質転換体;
13.宿主細胞に、前項1に記載のDNAを導入する工程を有することを特徴とする形質転換体の製造方法;
14.上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質を製造する方法であって、前項11に記載の形質転換体を培養し、産生された前記蛋白質を回収する工程を有することを特徴とする方法;
15.上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質を製造するための、前項1に記載のDNAの使用;
16.雑草防除剤に対する耐性を植物に付与する方法であって、前項1に記載のDNAを植物の細胞に導入し発現させる工程を有することを特徴とする方法;
17.前項1に記載のDNAの部分塩基配列または該部分塩基配列に相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチド;
18.上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質をコードするDNAを検出する方法であって、前項1に記載のDNAまたは前項17に記載のポリヌクレオチドをプローブに用いるハイブリダイゼーションにおいて当該プローブがハイブリダイズするDNAを検出する工程を有することを特徴とする方法;
19.上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質をコードするDNAを検出する方法であって、前項17に記載のポリヌクレオチドをプライマーに用いるポリメラーゼチェイン反応において増幅されるDNAを検出する工程を有することを特徴とする方法;
20.プライマーの少なくとも一つが、配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するポリヌクレオチドおよび配列番号129で示される塩基配列を有するポリヌクレオチドからなる群から選ばれるポリヌクレオチドであることを特徴とする前項19に記載の方法;
21.上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質をコードするDNAを取得する方法であって、前項18または19に記載の方法により検出されるDNAを回収する工程を有することを特徴とする方法;
22.上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質をコードするDNAを有する細胞をスクリーニングする方法であって、被験細胞から、前項18または19に記載の方法により前記DNAを検出する工程を有することを特徴とする方法;
23.以下の群から選ばれる雑草防除剤代謝蛋白質;
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A28)Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseofuscus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensisもしくはSaccharopolyspora taberiの染色体DNAを鋳型とし配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
24.以下の群から選ばれる雑草防除剤代謝蛋白質を認識する抗体;
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A28)Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseofuscus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensisもしくはSaccharopolyspora taberiの染色体DNAを鋳型とし配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
25.以下の群から選ばれる雑草防除剤代謝蛋白質を検出する方法であって、
(1)前記蛋白質を認識する抗体と被験試料とを接触させる工程、および
(2)該接触により生じた前記の蛋白質と前記抗体との複合体を検出する工程、を有する方法:
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A28)Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseofuscus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensisもしくはSaccharopolyspora taberiの染色体DNAを鋳型とし配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
26.前項24に記載の抗体を含むことを特徴とする分析・検査用キット;
27.以下の群から選ばれるフェレドキシンをコードするDNA;
<蛋白質群>
(B1)配列番号12で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B2)配列番号13で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B3)配列番号14で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B4)配列番号111で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B5)配列番号12、13、14または111で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B6)配列番号12、13、14または111で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B7)配列番号149で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B8)配列番号150で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B9)配列番号151で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B10)配列番号152で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B11)配列番号153で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B12)配列番号149、151、152、153、245、247、248、249、250、251、もしくは253で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号150、252もしくは254で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B13)配列番号149、150、151、152、153、245、247、248、249、250、251、252、253もしくは254で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B14)配列番号245で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B15)配列番号247で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B16)配列番号248で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B17)配列番号249で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B18)配列番号250で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B19)配列番号251で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B20)配列番号252で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B21)配列番号253で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B22)配列番号254で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
28.以下の群から選ばれる塩基配列を有するDNA;
<塩基配列群>
(b1)配列番号15で示される塩基配列。
(b2)配列番号16で示される塩基配列。
(b3)配列番号17で示される塩基配列。
(b4)配列番号112で示される塩基配列。
(b5)配列番号154で示される塩基配列。
(b6)配列番号155で示される塩基配列。
(b7)配列番号156で示される塩基配列。
(b8)配列番号157で示される塩基配列。
(b9)配列番号158で示される塩基配列。
(b10)配列番号255で示される塩基配列。
(b11)配列番号257で示される塩基配列。
(b12)配列番号258で示される塩基配列。
(b13)配列番号259で示される塩基配列。
(b14)配列番号260で示される塩基配列。
(b15)配列番号261で示される塩基配列。
(b16)配列番号262で示される塩基配列。
(b17)配列番号263で示される塩基配列。
(b18)配列番号264で示される塩基配列。
(b19)配列番号15、16、17、112、154、155、156、157、158、255、257、258、259、260、261、262、263または264で示される塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列。
29.前項28に記載のDNAを含有するベクター;
30.前項28に記載のDNAが宿主細胞に導入されてなる形質転換体;
31.以下の群から選ばれるフェレドキシン;
<蛋白質群>
(B1)配列番号12で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B2)配列番号13で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B3)配列番号14で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B4)配列番号111で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B5)配列番号12、13、14または111で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B6)配列番号12、13、14または111で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B7)配列番号149で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B8)配列番号150で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B9)配列番号151で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B10)配列番号152で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B11)配列番号153で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B12)配列番号149、151、152、153、245、247、248、249、250、251もしくは253で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号150、252もしくは254で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B13)配列番号149、150、151、152、153、245、247、248、249、250、251、252、253もしくは254で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B14)配列番号245で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B15)配列番号247で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B16)配列番号248で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B17)配列番号249で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B18)配列番号250で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B19)配列番号251で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B20)配列番号252で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B21)配列番号253で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B22)配列番号254で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
32.以下の群から選ばれる塩基配列を有するDNA;
<塩基配列群>
(ab1)配列番号9で示される塩基配列。
(ab2)配列番号10で示される塩基配列。
(ab3)配列番号11で示される塩基配列。
(ab4)配列番号110で示される塩基配列。
(ab5)配列番号144で示される塩基配列。
(ab6)配列番号145で示される塩基配列。
(ab7)配列番号146で示される塩基配列。
(ab8)配列番号147で示される塩基配列。
(ab9)配列番号148で示される塩基配列。
(ab10)配列番号235で示される塩基配列。
(ab11)配列番号236で示される塩基配列。
(ab12)配列番号237で示される塩基配列。
(ab13)配列番号238で示される塩基配列。
(ab14)配列番号239で示される塩基配列。
(ab15)配列番号240で示される塩基配列。
(ab16)配列番号241で示される塩基配列。
(ab17)配列番号242で示される塩基配列。
(ab18)配列番号243で示される塩基配列。
(ab19)配列番号244で示される塩基配列。
33.前項32に記載のDNAを含有するベクター;
34.前項32に記載のDNAが宿主細胞に導入されてなる形質転換体;
35.宿主細胞が微生物細胞または植物細胞である前項34に記載の形質転換体;
36.宿主細胞に、前項32に記載のDNAを導入する工程を有することを特徴とする形質転換体の製造方法;
37.上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質を製造する方法であって、前項34に記載の形質転換体を培養し、産生された前記蛋白質を回収する工程を有することを特徴とする方法;
38.以下の群から選ばれる1以上の雑草防除剤代謝蛋白質を発現する植物の栽培域に、以下の一般式(I)で示される化合物を施用する工程を有することを特徴とする雑草防除方法;
[式中、Gは以下のG−1〜9のいずれかで示される基を表す。
ここで、X は酸素原子または硫黄原子を表し、
Y は酸素原子または硫黄原子を表し、
R1 は水素原子またはハロゲン原子を表し、
R2 は水素原子、C1-C8 アルキル基、C1-C8 ハロアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、-OR9 基、-SH 基、-S(O)pR9 基、-COR9 基、-CO2R9 基、-C(O)SR9 基、-C(O)NR11R12 基、-CONH2基、-CHO 基、-CR9=NOR18 基、-CH=CR19CO2R9 基、-CH2CHR19CO2R9 基、-CO2N=CR13R14 基、ニトロ基、シアノ基、-NHSO2R15 基、-NHSO2NHR15 基、-NR9R20 基、-NH2 基、または、1つ以上の同種もしくは異種の C1-C4
アルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
p は 0、1 または 2 を表し、
R3 は C1-C2 アルキル基、C1-C2 ハロアルキル基、-OCH3 基、-SCH3 基、-OCHF2基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、または 環上でハロゲン原子、C1-C3アルキル基、C1-C3 ハロアルキル基、OR28基、NR11R28基、SR28基、シアノ基、CO2R28基 または ニトロ基からなるグループの中から選択される少なくともひとつの置換基で置換されていてもよいフェニル基で置換されたC1-C3アルコキシ基を表し、
R4 は水素原子、C1-C3 アルキル基、またはC1-C3 ハロアルキル基を表し、
R5 は水素原子、C1-C3 アルキル基、C1-C3 ハロアルキル基、シクロプロピル基、ビニル基、C2 アルキニル基、シアノ基、-C(O)R20 基、-CO2R20 基、-C(O)NR20R21 基、-CR16R17CN 基、-CR16R17C(O)R20 基、-CR16R17CO2R20 基、-CR16R17C(O)NR20R21 基、-CHR16OH 基、-CHR16OC(O)R20 基、または -OCHR16OC(O)NR20R21 基を表すか、あるいは、G が G-2 もしくは G-6 の場合に R4 とR5とはこれらが結合している炭素原子とで C=O 基を表していてもよく、
R6 は C1-C6 アルキル基、C1-C6 ハロアルキル基、C2-C6 アルコキシアルキル基、C3-C6 アルケニル基、または C3-C6 アルキニル基を表し、
R7 は水素原子、C1-C6 アルキル基、C1-C6 ハロアルキル基、ハロゲン原子、-S(O)2(C1-C6アルキル)基、または -C(=O)R22 基を表し、
R8 は水素原子、C1-C8 アルキル基、C3-C8 シクロアルキル基、C3-C8 アルケニル基、C3-C8 アルキニル基、C1-C8 ハロアルキル基、C2-C8 アルコキシアルキル基、C3-C8 アルコキシアルコキシアルキル基、C3-C8 ハロアルキニル基、C3-C8 ハロアルケニル基、C1-C8 アルキルスルホニル基、C1-C8 ハロアルキルスルホニル基、C3-C8 アルコキシカルボニルアルキル基、-S(O)2NH(C1-C8 アルキル)基、-C(O)R23 基、またはフェニル環上で R24 で置換されていてもよいベンジル基を表し、
R9 は C1-C8 アルキル基、C3-C8 シクロアルキル基、C3-C8 アルケニル基、C3-C8 アルキニル基、C1-C8 ハロアルキル基、C2-C8 アルコキシアルキル基、C2-C8 アルキルチオアルキル基、C2-C8 アルキルスルフィニルアルキル基、C2-C8 アルキルスルフォニルアルキル基、C4-C8 アルコキシアルコキシアルキル基、C4-C8 シクロアルキルアルキル基、C4-C8 シクロアルコキシアルキル基、C4-C8 アルケニルオキシアルキル基、C4-C8 アルキニルオキシアルキル基、C3-C8 ハロアルコキシアルキル基、C4-C8 ハロアルケニルオキシアルキル基、C4-C8 ハロアルキニルオキシアルキル基、C4-C8シクロアルキルチオアルキル基、C4-C8 アルケニルチオアルキル基、C4-C8 アルキニルチオアルキル基、
環上でハロゲン原子、C1-C3 アルキル基および C1-C3 ハロアルキル基からなるグループの中から選択される少なくともひとつの置換基で置換されていてもよいフェノキシ基で置換された C1-C4 アルキル基、環上でハロゲン原子、C1-C3 アルキル基および C1-C3 ハロアルキル基からなるグループの中から選択される少なくともひとつの置換基で置換されていてもよいベンジルオキシ基で置換された C1-C4 アルキル基、
C4-C8トリアルキルシリルアルキル基、C2-C8シアノアルキル基、C3-C8 ハロシクロアルキル基、C3-C8 ハロアルケニル基、C5-C8 アルコキシアルケニル基、C5-C8 ハロアルコキシアルケニル基、C5-C8 アルキルチオアルケニル基、C3-C8 ハロアルキニル基、C5-C8 アルコキシアルキニル基、C5-C8 ハロアルコキシアルキニル基、C5-C8 アルキルチオアルキニル基、C2-C8 アルキルカルボニル基、
環上でハロゲン原子、C1-C3 アルキル基、C1-C3 ハロアルキル基、-OR28基、-NR11R28基、-SR28基、シアノ基、-CO2R28基 または ニトロ基からなるグループの中から選択される少なくともひとつの置換基で置換されていてもよいベンジル基、
-CR16R17COR10 基、-CR16R17CO2R20 基、-CR16R17P(O)(OR10)2 基、-CR16R17P(S)(OR10)2 基、-CR16R17C(O)NR11R12 基、-CR16R17C(O)NH2 基、 -C(=CR26R27)COR10 基、-C(=CR26R27)CO2R20 基、-C(=CR26R27)P(O)(OR10)2 基、-C(=CR26R27)P(S)(OR10)2 基、-C(=CR26R27)C(O)NR11R12 基、-C(=CR26R27)C(O)NH2 基、環上でハロゲン原子、C1-C6アルキル基、C1-C6ハロアルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6ハロアルケニル基、C2-C6アルキニル基、C3-C6ハロアルキニル基、C2-C8アルコキシアルキル基、-OR28基、-SR28基、-NR11R28基、C3-C8アルコキシカルボニルアルキル基、C2-C4カルボキシアルキル基、-CO2R28基 およびシアノ基からなるグループの中から選択される少なくともひとつの置換基で置換されていてもよい下記のQ−1からQ−7までのいずれかの環を表し、
R10 は C1-C6 アルキル基、C2-C6 アルケニル基、C3-C6 アルキニル基、またはテトラヒドロフラニル基を表し、
R11 および R13 は独立して水素原子、または C1-C4 アルキル基を表し、
R12 はC1-C6 アルキル基、C3-C6 シクロアルキル基、C3-C6 アルケニル基、C3-C6 アルキニル基、C2-C6 アルコキシアルキル基、C1-C6 ハロアルキル基、C3-C6 ハロアルケニル基、C3-C6 ハロアルキニル基、環上でハロゲン原子、C1-C4 アルキル基および C1-C4 アルコキシ基からなるグループの中から選択される少なくともひとつの置換基で置換されていてもよいフェニル基 または -C R16R17CO2R25基を表し
あるいは、
R11と R12とで -(CH2)5-、-(CH2)4-、または -CH2CH2OCH2CH2- を表していてもよく、このようにして形成されるそれぞれの環では、 C1-C3 アルキル基、フェニル基およびベンジル基からなるグループの中から選択される置換基で置換されていてもよく、
R14 はC1-C4 アルキル基、または環上でハロゲン原子、C1-C3 アルキル基および C1-C3 ハロアルキル基からなるグループの中から選択される少なくともひとつの置換基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
あるいは、
R13と R14とはこれらが結合している炭素原子とで C3-C8 シクロアルキル基を表していてもよく、
R15 は C1-C4 アルキル基、C1-C4 ハロアルキル基、または C3-C6 アルケニル基を表し、
R16 および R17 は独立して水素原子または C1-C4 アルキル基、C1-C4ハロアルキル基、C2-C4 アルケニル基、C2-C4ハロアルケニル基、C2-C4 アルキニル基、C3-C4 ハロアルキニル基を表し、
あるいは、
R16 と R17はこれらが結合している炭素原子とでC3-C6 シクロアルキル基を表していてもよく、このようにして形成されるそれぞれの環では、ハロゲン原子、C1-C3 アルキル基およびC1-C3 ハロアルキル基からなるグループの中から選択される少なくともひとつの置換基で置換されていてもよく、
R18 は水素原子、C1-C6 アルキル基、C3-C6 アルケニル基、または C3-C6 アルキニル基を表し、
R19 は水素原子、C1-C4 アルキル基、またはハロゲン原子を表し、
R20 は水素原子、C1-C6 アルキル基、C3-C6 シクロアルキル基、C3-C6 アルケニル基、C3-C6 アルキニル基、C2-C6 アルコキシアルキル基、C1-C6 ハロアルキル基、C3-C6 ハロアルケニル基、C3-C6 ハロアルキニル基、環上でハロゲン原子、C1-C4 アルキル基および-OR28基からなるグループの中から選択される少なくともひとつの置換基で置換されていてもよいフェニル基、または -C R16R17CO2R25基を表し、
R21 は水素原子、C1-C2 アルキル基、または -CO2(C1-C4アルキル)基を表し、
R22 は水素原子、C1-C6 アルキル基、C1-C6 アルコキシ基、または NH(C1-C6 アルキル)基を表し、
R23 は C1-C6 アルキル基、C1-C6 ハロアルキル基、C1-C6 アルコキシ基、NH(C1-C6 アルキル)基、R24 基で置換されていてもよいフェニル基、ベンジル基、または C2-C8 ジアルキルアミノ基を表し、
R24 は C1-C6 アルキル基、1 ないし 2 個のハロゲン原子、C1-C6 アルコキシ基、または CF3 基を表し、
R25は水素原子、C1-C6 アルキル基、C1-C6 ハロアルキル基、C3-C6 アルケニル基、C3-C6 ハロアルケニル基、C3-C6 アルキニル基、またはC3-C6 ハロアルキニル基を表し、
R26 および R27 はそれぞれ独立して水素原子または C1-C4 アルキル基、C1-C4ハロアルキル基、C2-C4 アルケニル基、C2-C4ハロアルケニル基、C2-C4 アルキニル基、C3-C4 ハロアルキニル基、-OR28基、-NHR28基、または-SR28基を表し、あるいは、
R26 と R27はこれらが結合している炭素原子とでC3-C6 シクロアルキル基を表していてもよく、このようにして形成されるそれぞれの環では、ハロゲン原子、C1-C3 アルキル基およびC1-C3 ハロアルキル基からなるグループの中から選択される少なくともひとつの置換基で置換されていてもよく、
R28 は水素原子、C1-C6 アルキル基、C1-C6 ハロアルキル基、C3-C6 アルケニル基、C3-C6 ハロアルケニル基、C3-C6 アルキニル基、C3-C6 ハロアルキニル基、C2-C4カルボキシアルキル基、C3-C8アルコシキカルボニルアルキル基、C3-C8ハロアルコキシカルボニルアルキル基、C5-C9アルケニルオキシカルボニルアルキル基、C5-C9ハロアルケニルオキシカルボニルアルキル基、C5-C9アルキニルオキシカルボニルアルキル基、C5-C9ハロアルキニルオキシカルボニルアルキル基、C5-C9シクロアルコキシカルボニルアルキル基 または C5-C9ハロシクロアルコキシカルボニルアルキル基を表す。]
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A7)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A8)ストレプトミセス属またはサッカロポリスポラ属に属する微生物の染色体DNAを鋳型とし、配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A9)配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
39.以下の群から選ばれる1以上の雑草防除剤代謝蛋白質を発現する植物の栽培域に、上記一般式(I)で示される化合物を施用する工程を有することを特徴とする雑草防除方法;
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A28)Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseofuscus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensisもしくはSaccharopolyspora taberiの染色体DNAを鋳型とし配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
40.上記一般式(I)で示される化合物に対する細胞の耐性度を評価する方法であって、
(1)以下の群から選ばれる1以上の雑草防除剤代謝蛋白質を発現する細胞と、前記化合物とを接触させる工程、
(2)前記工程(1)で化合物と接触した細胞の傷害の度合いを評価する工程
を有することを特徴とする方法;
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A7)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A8)ストレプトミセス属またはサッカロポリスポラ属に属する微生物の染色体DNAを鋳型とし、配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A9)配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
41.細胞が微生物細胞または植物細胞である前項40に記載の方法;
42.上記一般式(I)で示される化合物に対して耐性を示す細胞の選抜方法であって、前項40に記載の方法で評価された耐性度に基づき細胞を選抜する工程を有することを特徴とする方法;
43.前項42に記載の方法で選抜された雑草防除剤耐性細胞またはその培養物;
44.上記一般式(I)で示される化合物に対する植物の耐性度を評価する方法であって、
(1)以下の群から選ばれる1以上の雑草防除剤代謝蛋白質を発現する植物と、前記化合物とを接触させる工程、
(2)前記工程(1)で化合物と接触した植物の傷害の度合いを評価する工程
を有することを特徴とする方法;
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A7)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A8)ストレプトミセス属またはサッカロポリスポラ属に属する微生物の染色体DNAを鋳型とし、配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A9)配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
45.上記一般式(I)で示される化合物に対して耐性を示す植物の選抜方法であって、前項44に記載の方法で評価された耐性度に基づき植物を選抜する工程を有することを特徴とする方法;
46.前項45の方法で選抜された雑草防除剤耐性植物またはその後代;
47.上記一般式(I)で示される化合物を処理するための方法であって、電子供与体からの電子伝達系の存在下、前記化合物に、以下の群から選ばれる1以上の雑草防除剤代謝蛋白質を作用させることを特徴とする方法;
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A7)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A8)ストレプトミセス属またはサッカロポリスポラ属に属する微生物の染色体DNAを鋳型とし、配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A9)配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
48.雑草防除剤代謝蛋白質をコードするDNAが宿主細胞の発現可能な位置に導入されてなる形質転換体と前記化合物とを接触させることにより、前記化合物に前記蛋白質を作用させる前項47に記載の方法;
49.上記一般式(I)で示される化合物を処理するための、以下の群から選ばれる雑草防除剤代謝蛋白質の使用;
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A7)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A8)ストレプトミセス属またはサッカロポリスポラ属に属する微生物の染色体DNAを鋳型とし、配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A9)配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
50.上記一般式(I)で示される化合物を処理するための、以下の群から選ばれる雑草防除剤代謝蛋白質をコードする核酸の使用;
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A7)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A8)ストレプトミセス属またはサッカロポリスポラ属に属する微生物の染色体DNAを鋳型とし、配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A9)配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
以下の蛋白質群から選ばれる雑草防除剤代謝蛋白質(以下、本発明蛋白質(A)と記すことがある。)は、上記式(II)で示される化合物(以下、化合物(II)と記すことがある。)を、上記式(III)で示される化合物(以下、化合物(III)と記すことがある。)に変換する能力を有する。
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A28)Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseofuscus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensisもしくはSaccharopolyspora taberiの染色体DNAを鋳型とし配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
本発明蛋白質(A)の具体例としては、
配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A1)と記すことがある。]、
配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A2)と記すことがある。]、
配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A3)と記すことがある。]、
配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A4)と記すことがある。]、
配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A11)と記すことがある。]、
配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A12)と記すことがある。]、
配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A13)と記すことがある。]、
配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A14)と記すことがある。]、
配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A15)と記すことがある。]、
配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A16)と記すことがある。]、
配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A17)と記すことがある。]、
配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A18)と記すことがある。]、
配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A19)と記すことがある。]、
配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A20)と記すことがある。]、
配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A21)と記すことがある。]、
配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A22)と記すことがある。]、
配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A23)と記すことがある。]、
配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A24)と記すことがある。]、
配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(A25)と記すことがある。]等をあげることができる。
かかる本発明蛋白質(A)を、例えば、上記一般式(I)で示されるPPO阻害型雑草防除活性化合物(以下、化合物(I)と記すことがある。)に作用させることにより、該化合物を雑草防除活性のより低い化合物に変換することができる。
また、化合物(I)を雑草防除活性のより低い化合物に変換する処理には、以下の蛋白質群から選ばれる雑草防除剤代謝蛋白質(以下、本蛋白質(A)と記すことがある。)を利用することもできる。
<蛋白質群>
(A1)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A2)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A3)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A4)配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A5)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A6)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A7)配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A8)ストレプトミセス属またはサッカロポリスポラ属に属する微生物の染色体DNAを鋳型とし、配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとを用いるポリメラーゼチェイン反応によって増幅され得るDNAにコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A9)配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A11)配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A12)配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A13)配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A14)配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A15)配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A16)配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A17)配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A18)配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A19)配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A20)配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A21)配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A22)配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A23)配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A24)配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A25)配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(A26)配列番号159、136、137、138、217、219、220、221もしくは223で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号160、215、216、218、222もしくは224で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
(A27)配列番号159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有し、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質。
本蛋白質(A)の例としては、上記の本発明蛋白質(A)をあげることができる。また、その他の例としては、
配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本蛋白質(A9)と記すことがある。]、
配列番号5で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本蛋白質(A10)と記すことがある。]等をあげることができる。
【0006】
上記の蛋白質群のうち、(A5)、(A6)、(A7)、(A8)、(A26)、(A27)または(A28)に示される蛋白質のアミノ酸配列において、配列番号1、2、3、108、159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列との間に認められることのある相違は、一部のアミノ酸の欠失、置換、付加等である。これらには、例えば、上記の配列番号1、2、3、108、159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質が細胞内で受けるプロセシングによる欠失が含まれる。また、該蛋白質が由来する生物の種差や個体差等により天然に生じる遺伝子変異や、部位特異的変異導入法、ランダム変異導入法、突然変異処理等によって人為的に導入される遺伝子変異等により生じるアミノ酸の欠失、置換、付加等が含まれる。
かかる欠失、置換、付加等を受けるアミノ酸の数は、本蛋白質(A)に、化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を見出すことのできる範囲内の数であれば良い。また、アミノ酸の置換としては、例えば、疎水性、電荷、pK、立体構造上における特徴等の類似したアミノ酸への置換をあげることができる。このような置換としては、具体的には例えば、▲1▼グリシン、アラニン;▲2▼バリン、イソロイシン、ロイシン;▲3▼アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、▲4▼セリン、スレオニン;▲5▼リジン、アルギニン;▲6▼フェニルアラニン、チロシン等のグループ内での置換が挙げられる。一方、本蛋白質(A)において、配列番号1で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号357で示されるシステインに相当する位置にあるシステイン;例えば、配列番号2で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号350で示されるシステイン、配列番号3で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号344で示されるシステイン、配列番号108で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号360で示されるシステイン、配列番号4で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号359で示されるシステイン、配列番号5で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号355で示されるシステイン、配列番号159で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号358で示されるシステイン、配列番号160で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号374で示されるシステイン、配列番号136で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号351で示されるシステイン、配列番号137で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号358で示されるシステイン、配列番号138で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号358で示されるシステイン、配列番号222で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号347で示されるシステイン、配列番号224で示されるアミノ酸配列においてアミノ酸番号347で示されるシステイン等;は、保存される(欠失や置換を受けない)ことが好ましい。
かかるアミノ酸の欠失、付加もしくは置換(以下、総じてアミノ酸の改変と記すこともある。)を人為的に行う手法としては、例えば、配列番号1、2、3、108、159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードするDNAに対して部位特異的変異導入を施し、その後このDNAを常法により発現させる手法が挙げられる。ここで部位特異的変異導入法としては、例えば、アンバー変異を利用する方法(ギャップド・デュプレックス法、Nucleic Acids Res.,12,9441-9456(1984))、変異導入用プライマーを用いたPCRによる方法等が挙げられる。また、アミノ酸の改変を人為的に行う手法としては、例えば、配列番号1、2、3、108、159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードするDNAに対してランダムに変異導入を施し、その後このDNAを常法により発現させる手法も挙げられる。ここでランダムに変異を導入する手法としては、例えば、上記のアミノ酸配列のいずれかをコードするDNAを鋳型とし、それぞれのDNAの全長を増幅できるようなプライマー対を用い、基質に用いるdATP、dTTP、dGTP、dCTPの各々の添加濃度を通常とは変化させた反応条件や、あるいはポリメラーゼの反応を促進させるMg2+の濃度を通常よりも増加させた反応条件でPCRを行う方法等が挙げられる。このようなPCRの手法としては、例えば、Method in Molecular Biology, (31), 1994, 97-112 に記載の方法があげられる。また、WO0009682号公報に記載の方法をあげることもできる。
【0007】
本発明において「配列同一性」とは、2つの塩基配列または2つのアミノ酸配列間の同一性をいう。前記「配列同一性」は、比較対象の配列の全領域にわたって、最適な状態にアラインメントされた2つの配列を比較することにより決定される。ここで、比較対象の塩基配列またはアミノ酸配列の最適なアラインメントにおいては、付加又は欠失(例えばギャップ等)を許容してもよい。
このような配列同一性は、例えば、FASTA[Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,4, 2444-2448(1988)]、BLAST[Altschulら、Journal of Molecular Biology, 215, 403-410(1990)]、CLUSTAL W[Thompson,Higgins&Gibson, Nucleic Acid Research, 22, 4673-4680(1994a)]等のプログラムを用いて相同性解析を行いアラインメントを作成することによって算出することができる。上記のプログラムは、例えば、DNA Data Bank of Japan[国立遺伝学研究所 生命情報・DDBJ研究センター (Center for Information Biology and DNA Data Bank of Japan ;CIB/DDBJ)内で運営される国際DNAデータバンク]のホームページ(http://www.ddbj.nig.ac.jp)等において、一般的に利用可能である。また、配列同一性は市販の配列解析ソフトウェアを用いて求めることもできる。具体的には例えば、GENETYX-WIN Ver.5(ソフトウェア開発株式会社製)」を用い、Lipman-Pearson法[Lipman, D. J. and Pearson, W.R., Science, 227, 1435-1441,(1985)]により相同性解析を行ってアラインメントを作成することにより算出することができる。
【0008】
(A7)に記載の「ストリンジェントな条件」としては、Sambrook J., Frisch E. F., Maniatis T.著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory press)等に記載される通常の方法に準じて行われるハイブリダイゼーションにおいて、例えば、6×SSC(1.5M NaCl、0.15M クエン酸三ナトリウムを含む溶液を10×SSCとする)を含む溶液中で45℃にてハイブリッドを形成させた後、2×SSCで50℃にて洗浄するような条件(Molecular Biology, John Wiley & Sons, N. Y. (1989), 6.3.1-6.3.6)等を挙げることができる。洗浄ステップにおける塩濃度は、例えば、2×SSC(低ストリンジェンシーな条件)から0.2×SSC(高ストリンジェンシーな条件)までの条件から選択することができる。洗浄ステップにおける温度は、例えば、室温(低ストリンジェンシーな条件)から65℃(高ストリンジェンシーな条件)までの条件から選択することができる。また、塩濃度と温度の両方を変えることもできる。
「配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下にハイブリダイズ」するDNAとしては、具体的には、例えば、配列番号1、2、3、4、5、108、159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を有するDNA、配列番号6、7、8、78、84、109、139、140、141、142、143、225、226、227、228、229、230、231、232、233または234で示される塩基配列のいずれかを有するDNAなどをあげることができ、配列番号6、7、8、78、84、109、139、140、141、142、143、225、226、227、228、229、230、231、232、233または234で示される塩基配列のいずれかと約60%程度以上の同一性を示す塩基配列を有するDNAをあげることもできる。
【0009】
本蛋白質(A)の分子量は、ドデシル硫酸ナトリウムを含有するポリアクリルアミドゲル電気泳動(以下、SDS-PAGEと記す。)で検出される分子量として、約3万程度〜約6万程度であり、一般に約4万程度〜約5万程度の分子量(例えば、配列番号1、2、3、108、159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224のいずれかで示されるアミノ酸配列からなる蛋白質と同等)が適している。また、本蛋白質(A)は、化合物(II)を化合物(III)に変換する能力が失われない限りにおいて、そのアミノ末端から上流側やカルボキシ末端から下流側に、アミノ酸配列が付加された蛋白質として利用されてもよい。
【0010】
本蛋白質(A)が有する、上記一般式で示されるPPO阻害型雑草防除活性化合物を代謝する能力の指標としては、化合物(II)を化合物(III)に変換する能力をあげることができる。かかる能力は、例えば、補酵素NADPH等の電子供与体からの電子伝達系の存在下で、本蛋白質(A)を化合物(II)に作用させ、生成した化合物(III)を検出することにより確認することができる。
「電子供与体からの電子伝達系」とは、酸化還元反応が連鎖的に起こって電子供与体から本蛋白質(A)へと電子の移動が行われる系をいう。電子供与体としては、例えば補酵素NADPH、NADH等があげられる。例えば、NADPHから本蛋白質(A)への電子伝達系を構成する蛋白質としては、フェレドキシンとフェレドキシン-NADP+還元酵素、チトクロムP-450還元酵素等があげられる。
化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を確認するには、例えば、本蛋白質(A)、β-NADPH、フェレドキシン、フェレドキシン-NADP+還元酵素および放射性同位元素等で標識された化合物(II)を含有するpH7程度の反応液を、約30℃にて、約10分間から約1時間保温する。次いで、前記反応液に塩酸を添加して酸性にした後、酢酸エチルで抽出する。得られた酢酸エチル層を薄層クロマトグラフィー(以下、TLCと記す。)に供した後、オートラジオグラフィーを行って、標識体の化合物(III)を検出することにより、化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を確認することができる。
【0011】
本蛋白質(A)を調製するには、例えばまず、本蛋白質(A)をコードするDNA(以下、一括して本DNA(A)と記すことがある。)を、通常の遺伝子工学的方法(例えば、Sambrook J., Frisch E. F., Maniatis T.著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory press)等に記載されている方法)に準じて取得する。
本DNA(A)の例としては、上記の本発明蛋白質(A)をコードするDNA[以下、本発明DNA(A)と記すことがある。]をあげることができる。本発明DNA(A)の具体例としては、
配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A1)と記すことがある。]、
配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A2)と記すことがある。]、
配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A3)と記すことがある。]、
配列番号108で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A4)と記すことがある。]、
配列番号159で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A11)と記すことがある。]、
配列番号160で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A12)と記すことがある。]、
配列番号136で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A13)と記すことがある。]、
配列番号137で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A14)と記すことがある。]、
配列番号138で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A15)と記すことがある。]、
配列番号215で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A16)と記すことがある。]、
配列番号216で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A17)と記すことがある。]、
配列番号217で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A18)と記すことがある。]、
配列番号218で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A19)と記すことがある。]、
配列番号219で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A20)と記すことがある。]、
配列番号220で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A21)と記すことがある。]、
配列番号221で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A22)と記すことがある。]、
配列番号222で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A23)と記すことがある。]、
配列番号223で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A24)と記すことがある。]、
配列番号224で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(A25)と記すことがある。]等をあげることができる。
さらに、本発明DNA(A)のより具体的な例としては、
配列番号6で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号9で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号7で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号10で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号8で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号11で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号109で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号110で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号139で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号144で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号140で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号145で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号141で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号146で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号142で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号147で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号143で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号148で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号225で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号235で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号226で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号236で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号227で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号237で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号228で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号238で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号229で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号239で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号230で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号240で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号231で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号241で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号232で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号242で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号233で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号243で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号234で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号244で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号214で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号368で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号393で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号6、7、8または109で示される塩基配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有する塩基配列であって、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA、
配列番号139、140、141、142、143、225、226、227、228、229、230、231、232、233または234で示される塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列であって、かつ電子供与体からの電子伝達系の存在下に上記式(II)で示される化合物を上記式(III)で示される化合物に変換する能力を有する蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA
等をあげることができる。
また、本DNA(A)の例としては、上記のような本発明DNA(A)の他、
配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本DNA(A9)と記すことがある。]、
配列番号78で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号5で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本DNA(A10)と記すことがある。]、
配列番号84で示される塩基配列を有するDNA、
配列番号85で示される塩基配列を有するDNA、
等をあげることもできる。
本DNA(A)としては、自然界からクローニングされたDNAであってもよいし、自然界からクローニングされたDNAに、例えば部位特異的変異導入法やランダム変異導入法などによって塩基の欠失、置換または付加が導入されたDNAであってもよく、また、人為的に合成されたDNAであってもよい。次いで、得られた本DNA(A)を通常の遺伝子工学的方法に準じて発現させることにより本蛋白質(A)を製造・取得する。このようにして本蛋白質(A)を調製することができる。
【0012】
本DNA(A)は、例えば、以下のような方法で調製することができる。まず、化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を有する微生物、例えば、Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseolus、Streptomyces carbophilus、Streptomyces griseofuscus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensis等のストレプトミセス属に属する微生物、より具体的には、Streptomyces phaeochromogenes IFO12898、Streptomyces testaceus ATCC21469、Streptmyces achromogenes IFO 12735、Streptomyces griseolus ATCC11796、Streptomyces carbophilus SANK62585、Streptomyces griseofuscus IFO 12870t、Streptomyces thermocoerulescens IFO 14273t、Streptomyces nogalater IFO 13445、Streptomyces tsusimaensis IFO 13782、Streptomyces glomerochromogenes IFO 13673t、Streptomyces olivochromogenes IFO 12444、Streptomyces ornatus IFO 13069t、Streptomyces griseus ATCC 10137、Streptomyces griseus IFO 13849T、Streptomyces lanatus IFO 12787T、Streptomyces misawanensis IFO 13855T、Streptomyces pallidus IFO 13434T、Streptomyces roseorubens IFO 13682T、Streptomyces rutgersensis IFO 15875T、Streptomyces steffisburgensis IFO 13446Tなど、または、Saccharopolyspora taberi等のサッカロポリスポラ属に属する微生物、より具体的には、Saccharopolyspora taberi JCM 9383tなどから、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protocols in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Sons, Inc.等に記載される通常の遺伝子工学的方法に準じた方法により染色体DNAを調製する。次いで該染色体DNAを、例えばSau3AI等の制限酵素で部分消化処理した後、約2kb程度のDNAを回収する。回収したDNAを「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protocols in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Sons, Inc.等に記載されている通常の遺伝子工学的方法に準じてベクターにクローニングする。ベクターとしては、具体的には、例えば、pUC 119(宝酒造社製)、pTV 118N(宝酒造社製)、pBluescriptII (東洋紡社製)、pCR2.1-TOPO(Invitrogen社製)、pTrc99A(アマシャムファルマシアバイオテク社製)、pKK331-1A(アマシャムファルマシアバイオテク社製)などを利用することができる。得られたクローンからプラスミドを抽出することによって、染色体DNAライブラリーを得ることができる。
【0013】
得られた染色体DNAライブラリーに、配列番号1、2、3または108で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を有する約20塩基以上の塩基からなるDNAをプローブとして、後述する条件にてハイブリダイズさせ、該プローブが特異的に結合するDNAを検出しこれを回収することによって本DNA(A)を取得することができる。プローブとして用い得るDNAの具体例としては、配列番号6、7、8または109で示される塩基配列のいずれかを有するDNA、配列番号6、7、8または109のいずれかで示される塩基配列の部分塩基配列を有するDNA、該部分塩基配列に相補的な塩基配列を有するDNA等があげられる。
プローブとして用いるDNAは、放射性同位元素や蛍光色素等で標識される。DNAを放射性同位元素により標識するには、例えば、ベーリンガー社または宝酒造社製のRandom Labeling Kit等を用いることができる。また、通常のPCR反応液中のdCTPを(α-32P)dCTPに替えて、プローブに用いるDNAを鋳型にしてPCRを行うことにより、32P標識されたDNAを調製することもできる。また、DNAを蛍光色素で標識する場合には例えば、DIG-High Prime DNA Labeling and Detection Starter Kit II(Roche社製)等を用いることができる。プローブの調製の具体例を次に示す。例えば、上記のようにしてStreptomyces phaeochromogenes IFO12898から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として用い、配列番号93で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号94で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、例えばPCR DIG Probe Synthesis Kit(Roche Diagnostics GmbH製)を用いて添付のマニュアルに従って後述の実施例に記載されるようにPCRを行うと、配列番号6で示される塩基配列の全長を有しジゴシキゲニンで標識されたDNAが得られる。また同様にして、Streptomyces phaeochromogenes IFO12898から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として用い、配列番号130で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号131で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うと、配列番号6で示される塩基配列の塩基番号57〜730で示される塩基配列を有しジゴシキゲニンで標識されたDNAが得られる。また、Saccharopolyspora taberi JCM9383tの染色体DNAから調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として用い、配列番号61で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号62で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うと、配列番号7で示される塩基配列の全長を有しジゴシキゲニンで標識されたDNAが得られる。また、Streptomyces testaceus ATCC21469の染色体DNAから調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として用い、配列番号70で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号71で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを行うと、配列番号8で示される塩基配列の全長を有しジゴシキゲニンで標識されたDNAが得られる。また、Streptomyces testaceus ATCC21469の染色体DNAから調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として用い、配列番号132で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号133で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを行うと、配列番号8で示される塩基配列の塩基番号21〜691で示される塩基配列を有しジゴシキゲニンで標識されたDNAが得られる。
【0014】
染色体DNAライブラリーにプローブをハイブリダイズさせる方法としては、コロニーハイブリダイゼーションやプラークハイブリダイゼーションを挙げることができ、ライブラリーの作製に用いられたベクターの種類に応じて方法を選択するとよい。使用されるライブラリーがプラスミドベクターを用いて構築されている場合には、コロニーハイブリダイゼーションを行う。具体的にはまず、ライブラリーのDNAを、ライブラリーの作製に用いられたプラスミドベクターが複製可能な微生物に導入して形質転換体を取得し、得られた形質転換体を希釈して寒天培地にまき、コロニーが現れるまで培養を行う。ライブラリーがファージベクターを用いて作製されている場合には、プラークハイブリダイゼーションを行う。具体的にはまず、ライブラリーの作製に用いられたファージベクターが複製可能な微生物とライブラリーのファージとを感染可能な条件下で混合した後、更に軟寒天培地と混合し、これを寒天培地にまく。その後、プラークが現れるまで培養を行う。
次いで、前記のいずれのハイブリダイゼーションの場合も、前記の培養を行った寒天培地の表面にメンブレンを載せ、形質転換体コロニーまたはプラーク中のファージ粒子を該メンブレンに転写する。このメンブレンをアルカリ処理した後、中和処理し、次いで、形質転換体もしくはファージ粒子から溶出したDNAを該メンブレンに固定する処理を行う。より具体的に例えば、プラークハイブリダイゼーションの場合には、前記寒天培地の上にニトロセルロースメンブレンまたはナイロンメンブレン等、具体的には例えば、Hybond-N+(アマシャムファルマシアバイオテク社登録商標)等を置き、約1分間静置してファージ粒子をメンブレンに吸着させる。次に、該メンブレンをアルカリ溶液(1.5M 塩化ナトリウム、0.5N NaOH)に約3分間浸してファージ粒子を溶解させてファージDNAをメンブレン上に溶出させた後、中和溶液(1.5M 塩化ナトリウム、0.5Mトリス-塩酸緩衝液pH7.5)に約5分間浸す。該メンブレンを洗浄液(0.3M塩化ナトリウム、30 mMクエン酸ナトリウム、0.2M トリス-塩酸緩衝液pH7.5)で約5分間洗った後、例えば、約80℃で約90分間減圧下に保温することによりファージDNAをメンブレンに固定する。
このように調製されたメンブレンを用いて、上記DNAをプローブとしてハイブリダイゼーションを行う。ハイブリダイゼーションは、例えば、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition(1989)」 Cold Spring Harbor Laboratory Press等の記載に準じて行うことができる。
ハイブリダイゼーションを行う際の試薬及び温度条件は多種存在するが、例えば、450mM〜900mMの塩化ナトリウムおよび45mM〜90mMのクエン酸ナトリウムを含み、ドデシル硫酸ナトリウム(以下、SDSと記す。)を0.1%〜1.0%の濃度で含み、変性した非特異的DNAを0μg/ml〜200μg/mlの濃度で含み、場合によってはアルブミン、フィコール、ポリビニルピロリドン等をそれぞれ0%〜0.2%の濃度で含んでいてもよいプレハイブリダイゼーション液を、上記のようにして作製したメンブレン1cm2当たり50μl〜200μlの割合で準備し、該溶液に前記メンブレンを浸して42℃〜65℃で1時間〜4時間程度保温する。次いで例えば、450mM〜900mMの塩化ナトリウムおよび45mM〜90mMのクエン酸ナトリウムを含み、SDSを0.1%〜1.0%の濃度で含み、変性した非特異的DNAを0μg/ml〜200μg/mlの濃度で含み、場合によってはアルブミン、フィコール、ポリビニルピロリドン等をそれぞれ0%〜0.2%の濃度で含んでいてもよいハイブリダイゼーション溶液と、前述の方法で調製して得られたプローブ(メンブレン1cm2当たり1.0x104cpm〜2.0x106cpm相当量)とを混合した溶液をメンブレン1cm2当たり50μl〜200μlの割合で準備し、該溶液にメンブレンを浸し42℃〜65℃で12時間〜20時間程度保温する。次いで、メンブレンを取り出し、15mM〜300mMの塩化ナトリウム、1.5mM〜30mMクエン酸ナトリウムおよび0.1%〜1.0%のSDS等を含む42℃〜65℃の洗浄液等を用い、5分間〜15分間の洗浄を2回〜4回程度行う。さらに、メンブレンを2xSSC溶液(300mM塩化ナトリウム、30mMクエン酸ナトリウム)等で軽くすすいだ後乾燥させる。このメンブレンを、例えば、オートラジオグラフィーなどに供してメンブレン上のプローブの位置を検出することにより、用いたプローブとハイブリダイズするDNAのメンブレン上の位置を検出する。また、DIG-High Prime DNA Labeling and Detection Starter Kit II(Roche社製)等の市販のハイブリダイゼーション用キットを使用し、該キットに含まれるハイブリダイゼーション用溶液を用いてプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを行うこともできる。ハイブリダイゼーションの後、例えば、メンブレンを0.1% SDSを含む2XSSC中、室温で5分間2回洗浄し、引き続き0.1% SDS を含む0.5XSSC中、65℃で15分間2回洗浄する。洗浄されたメンブレンを、該キットに含まれる検出用処理液で順次処理してメンブレン上のプローブの位置を検出することにより、用いたプローブとハイブリダイズするDNAのメンブレン上の位置を検出する。
上記のようにして検出されたDNAのメンブレン上の位置に相当するクローンをもとの寒天培地上で特定しこれを釣菌することにより、当該DNAを有するクローンを単離することができる。
【0015】
上記のようにして得られる本DNA(A)は、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protocols in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Sons, Inc.等に記載されている通常の遺伝子工学的方法に準じてベクターにクローニングすることができる。ベクターとしては、具体的には、例えば、pUCA119(宝酒造社製)、pTVA118N(宝酒造社製)、pBluescriptII (東洋紡社製)、pCR2.1-TOPO(Invitrogen社製)、pTrc99A(Pharmacia社製)、pKK331-1A(Pharmacia社製)などを利用することができる。
また、上述のようにして得られる本DNA(A)の塩基配列は、F.Sanger, S.Nicklen, A.R.Coulson著、Proceeding of National Academy of Science U.S.A.(1977) 74: 5463-5467頁等に記載されているダイデオキシターミネーター法等により解析することができる。塩基配列分析用の試料調製には、例えば、パーキンエルマー社のABI PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit等の市販の試薬を用いてもよい。
【0016】
また、本DNA(A)は次のようにして調製することもできる。化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を有する微生物、例えば、Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseolus、Streptomyces carbophilus、Streptomyces griseofuscus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensis等のストレプトミセス属に属する微生物、より具体的には、Streptomyces phaeochromogenes IFO12898、Streptomyces testaceus ATCC21469、Streptmyces achromogenes IFO 12735、Streptomyces griseolus ATCC11796、Streptomyces carbophilus SANK62585、Streptomyces griseofuscus IFO 12870t、Streptomyces thermocoerulescens IFO 14273t、Streptomyces nogalater IFO 13445、Streptomyces tsusimaensis IFO 13782、Streptomyces glomerochromogenes IFO 13673t、Streptomyces olivochromogenes IFO 12444、Streptomyces ornatus IFO 13069t、Streptomyces griseus ATCC 10137、Streptomyces griseus IFO 13849T、Streptomyces lanatus IFO 12787T、Streptomyces misawanensis IFO 13855T、Streptomyces pallidus IFO 13434T、Streptomyces roseorubens IFO 13682T、Streptomyces rutgersensis IFO 15875T、Streptomyces steffisburgensis IFO 13446Tなど、または、Saccharopolyspora taberi等のサッカロポリスポラ属に属する微生物、より具体的には、Saccharopolyspora taberi JCM 9383tなどから上記のようにして調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号1、2、3、4、5、108、159、160、136、137、138、215、216、217、218、219、220、221、222、223または224で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列の5’末端側の約20塩基程度以上の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと、上記アミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列の3’末端近傍もしくは3’末端より下流の約20塩基程度以上の塩基配列に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、以下に示すような反応条件にてPCRを行うことにより、本DNA(A)を増幅することができる。尚、上記のようにしてPCRに用いられるプライマーの5’末端側には、制限酵素認識配列等が付加されていてもよい。
より具体的には例えば、Streptomyces phaeochromogenes IFO12898から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号51で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号52で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA、配列番号6で示される塩基配列を有するDNA等を増幅することができる。また、配列番号51で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号53で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号9で示される塩基配列(配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを増幅することができる。
例えば、Saccharopolyspora taberi JCM 9383tから調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号61で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号62で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号2で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA、配列番号7で示される塩基配列を有するDNA等を増幅することができる。また、配列番号61で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号63で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号10で示される塩基配列(配列番号2で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを増幅することができる。
例えばStreptmyces achromogenes IFO 12735から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号119で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号120で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA、配列番号109で示される塩基配列を有するDNA等を増幅することができる。また、配列番号119で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号121で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号110で示される塩基配列(配列番号108で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを増幅することができる。
例えば、Streptomyces nogalater IFO 13445から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号165で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号166で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号144で示される塩基配列(配列番号159で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを増幅することができる。
例えば、Streptomyces tsusimaensis IFO 13782から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号171で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号172で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号145で示される塩基配列(配列番号160で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを増幅することができる。
例えば、Streptomyces thermocoerulescens IFO 14273tから調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号177で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号178で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号146で示される塩基配列(配列番号136で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを増幅することができる。
例えば、Streptomyces glomerochromogenes IFO 13673tから調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号183で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号184で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号147で示される塩基配列(配列番号137で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを増幅することができる。
例えば、Streptomyces olivochromogenes IFO 12444から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号185で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号184で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号148で示される塩基配列(配列番号138で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを増幅することができる。
【0017】
また、染色体DNAがベクターに挿入されてなるDNAライブラリーを鋳型とする場合には、例えば、配列番号1、2、3、4、5、108、159、160、136、137または138で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列から選ばれる塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の5’末端側の約20塩基程度以上の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド)と、ライブラリー構築に用いられたベクターのDNA挿入部位近傍の塩基配列に相補的な塩基配列を有する約20塩基程度以上のオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、本DNA(A)を増幅することもできる。尚、このようにしてPCRに用いられるプライマーの5’末端側には、制限酵素認識配列等が付加されていてもよい。
【0018】
上記のようなPCRの条件としては、具体的には例えば、染色体DNAを50ng含み、上記のような組合せの2種類のプライマーをそれぞれ300nM含み、dNTPミックス(それぞれ2.0mMの4種類のdNTPの混合物)を5.0μl含み、10×Expand HFバッファー(MgCl2含有、ロッシュモレキュラーバイオケミカルズ社製)を5.0μl含み、Expand HiFi酵素ミックス(ロッシュモレキュラーバイオケミカルズ社製)を0.75μl含む50μlの反応液を用い、97℃で2分間保温した後、97℃で15秒間次いで65℃で30秒間さらに72℃で2分間の保温を1サイクルとしてこれを10サイクル繰り返し、続いて、97℃で15秒間次いで68℃で30秒間さらに72℃で2分間(1サイクル毎に20秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15サイクル行い、さらに、72℃で7分間保温する条件をあげることができる。
また、染色体DNAを250ng含み、上記のような組合せの2種類のプライマーをそれぞれ200nM含み、dNTPミックス(それぞれ2.5mMの4種類のdNTPの混合物)を5.0μl含み、10×ExTaqバッファー(MgCl2含有、宝酒造社製)を5.0μl含み、ExTaqポリメラーゼ(宝酒造社製)を0.5μl含む50μlの反応液を用い、97℃で2分間保温し、97℃で15秒間次いで60℃で30秒間次いで72℃で90秒のサイクルを30サイクル繰り返し、さらに72℃で4分間保温する条件をあげることもできる。
【0019】
また、例えば、配列番号6、7、8または109で示される塩基配列において配列同一性が特に高い領域の塩基配列に基づきプライマー用オリゴヌクレオチドを設計して調製する。得られたオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を有する微生物、例えば、Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseolus、Streptomyces carbophilus、Streptomyces griseofuscus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensis等のストレプトミセス属に属する微生物、より具体的には、Streptomyces phaeochromogenes IFO12898、Streptomyces testaceus ATCC21469、Streptmyces achromogenes IFO 12735、Streptomyces griseolus ATCC11796、Streptomyces carbophilus SANK62585、Streptomyces griseofuscus IFO 12870t、Streptomyces thermocoerulescens IFO 14273t、Streptomyces nogalater IFO 13445、Streptomyces tsusimaensis IFO 13782、Streptomyces glomerochromogenes IFO 13673t、Streptomyces olivochromogenes IFO 12444、Streptomyces ornatus IFO 13069t、Streptomyces griseus ATCC 10137、Streptomyces griseus IFO 13849T、Streptomyces lanatus IFO 12787T、Streptomyces misawanensis IFO 13855T、Streptomyces pallidus IFO 13434T、Streptomyces roseorubens IFO 13682T、Streptomyces rutgersensis IFO 15875T、Streptomyces steffisburgensis IFO 13446Tなど、または、Saccharopolyspora taberi等のサッカロポリスポラ属に属する微生物、より具体的には、Saccharopolyspora taberi JCM 9383tなどから上記のようにして調製される染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型としてPCRを行うことによって、本DNA(A)を取得することもできる。「配列番号6、7、8または109で示される塩基配列において配列同一性が特に高い領域」としては、例えば、配列番号6で示される塩基配列の塩基番号290〜315、458〜485、496〜525、1046〜1073でそれぞれ示される領域に相当する領域等をあげることができる。かかる領域の塩基配列に基づいて設計されるプライマーとしては、例えば、次に示す配列番号124〜129のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーをあげることができる。
配列番号124;上記塩基番号290〜315で示される領域に相当する領域の塩基配列に基づく。
配列番号125;上記塩基番号458〜485で示される領域に相当する領域の塩基配列に基づく。
配列番号126;上記塩基番号458〜485で示される領域に相当する領域の塩基配列に基づく。
配列番号127;上記塩基番号496〜525で示される領域に相当する領域の塩基配列に基づく。
配列番号128;上記塩基番号496〜525で示される領域に相当する領域の塩基配列に基づく。
配列番号129;上記塩基番号1046〜1073で示される領域に相当する領域の塩基配列に基づく。
例えば、配列番号124で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合せをプライマーに用いることにより、約800bpのDNAが増幅される。配列番号125で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合せをプライマーに用いることにより、約600bpのDNAが増幅される。配列番号126で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合せをプライマーに用いることにより、約600bpのDNAが増幅される。配列番号127で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合せをプライマーに用いることにより、約580bpのDNAが増幅される。また、配列番号128で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合せをプライマーに用いることにより、約580bpのDNAが増幅される。
ここで、PCRの条件としては、具体的には例えば、染色体DNAを10ng含み、2種類のプライマーをそれぞれ200nM含み、dNTPミックス(それぞれ10mMの4種類のdNTPの混合物)を0.5μl含み、5xGCゲノミックPCR反応バッファーを5μl含み、25mM Mg(OAc)2を1.1μl含み、5M GC-Meltを5μl含み、Advantage-GCゲノミックポリメラーゼミックス(クロンテック社製)を0.5μl含む25μlの反応液を、95℃で1分間保温し、94℃で15秒間次いで60℃で30秒間次いで72℃で1分間のサイクルを30サイクル繰り返し、さらに72℃で5分間保温する条件をあげることができる。
【0020】
上記のようにして増幅されたDNAを回収することにより、本DNA(A)の部分塩基配列を有するDNAを取得することができる。次いで、取得された「本DNA(A)の部分塩基配列を有するDNA」が有する塩基配列に基づき、該塩基配列の約20塩基程度以上の部分塩基配列を有するオリゴヌクレオチドや、該塩基配列の約20塩基程度以上の部分塩基配列に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを設計し調製する。そして、例えば上記のような化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を有する微生物等から調製された染色体DNAライブラリーを鋳型として、上記のように「本DNA(A)の部分塩基配列を有するDNA」が有する塩基配列に基づき調製されたオリゴヌクレオチドを、上記ライブラリーの構築に用いられたベクターのDNA挿入部位近傍の塩基配列を有する約20塩基程度以上のオリゴヌクレオチドまたはかかる塩基配列に相補的な塩基配列を有する約20塩基程度以上のオリゴヌクレオチドと組合わせてプライマーとして用いてPCRを行うことにより、上記のようにして取得された「本DNA(A)の部分塩基配列を有するDNA」の5’末端より上流側または3’末端より下流側に伸長する本DNA(A)の部分塩基配列を有するDNAを得ることができる。上記のようにして得られた本DNA(A)の部分塩基配列を有するDNAを連結することによって、本DNA(A)を得ることができる。このような取得方法には、例えばユニバーサルゲノムウォーカーキット(クロンテック社製)等の市販のキットを用いることもできる。また、上記のようにして得られた本DNA(A)の部分塩基配列を連結することによって得られる本DNA(A)の全長塩基配列に基づいてプライマーを調製し、該プライマーを用いて上記染色体DNAライブラリーを鋳型としてPCRを行なうことにより、本DNA(A)を得ることもできる。
【0021】
例えば、Streptomyces nogalater IFO 13445から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号124で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号139で示される塩基配列の塩基番号316〜1048に示される塩基配列(配列番号159で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の部分塩基配列)を有するDNAを得ることができる。得られたDNAの塩基配列に基づき上述のようにして、その5’末端より上流側または3’末端より下流側に伸長する塩基配列を有するDNAを取得し、得られたDNAを連結することによって、配列番号144で示される塩基配列(配列番号159で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列および配列番号149で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを得ることができる。
例えば、Streptomyces tsusimaensis IFO 13782から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号124で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号140で示される塩基配列の塩基番号364〜1096に示される塩基配列(配列番号160で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の部分塩基配列)を有するDNAを得ることができる。得られたDNAの塩基配列に基づき上述のようにして、その5’末端より上流側または3’末端より下流側に伸長する塩基配列を有するDNAを取得し、得られたDNAを連結することによって、配列番号145で示される塩基配列(配列番号160で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列および配列番号150で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを得ることができる。
例えば、Streptomyces thermocoerulescens IFO 14273tから調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号124で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号141で示される塩基配列の塩基番号295〜1027に示される塩基配列(配列番号136で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の部分塩基配列)を有するDNAを得ることができる。得られたDNAの塩基配列に基づき上述のようにして、その5’末端より上流側または3’末端より下流側に伸長する塩基配列を有するDNAを取得し、得られたDNAを連結することによって、配列番号146で示される塩基配列(配列番号136で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列および配列番号151で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを得ることができる。
例えば、Streptomyces glomerochromogenes IFO 13673tから調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号124で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号142で示される塩基配列の塩基番号316〜1048に示される塩基配列(配列番号137で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の部分塩基配列)を有するDNAを得ることができる。得られたDNAの塩基配列に基づき上述のようにして、その5’末端より上流側または3’末端より下流側に伸長する塩基配列を有するDNAを取得し、得られたDNAを連結することによって、配列番号147で示される塩基配列(配列番号137で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列および配列番号152で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを得ることができる。
例えば、Streptomyces olivochromogenes IFO 12444から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号124で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号143で示される塩基配列の塩基番号316〜1048に示される塩基配列(配列番号138で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の部分塩基配列)を有するDNAを得ることができる。得られたDNAの塩基配列に基づき上述のようにして、その5’末端より上流側または3’末端より下流側に伸長する塩基配列を有するDNAを取得し、得られたDNAを連結することによって、配列番号148で示される塩基配列(配列番号138で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列および配列番号153で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを得ることができる。
例えば、Streptomyces roseorubens IFO 13682Tから調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号124で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号232で示される塩基配列の塩基番号289〜1015に示される塩基配列(配列番号222で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の部分塩基配列)を有するDNAを得ることができる。得られたDNAの塩基配列に基づき上述のようにして、その5’末端より上流側または3’末端より下流側に伸長する塩基配列を有するDNAを取得し、得られたDNAを連結することによって、配列番号242で示される塩基配列(配列番号232で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列および配列番号252で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを得ることができる。
例えば、Streptomyces steffisburgensis IFO 13446Tから調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号124で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号129で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号234で示される塩基配列の塩基番号289〜1015に示される塩基配列(配列番号224で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列の部分塩基配列)を有するDNAを得ることができる。得られたDNAの塩基配列に基づき上述のようにして、その5’末端より上流側または3’末端より下流側に伸長する塩基配列を有するDNAを取得し、得られたDNAを連結することによって、配列番号244で示される塩基配列(配列番号234で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列および配列番号254で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。)を有するDNAを得ることができる。
【0022】
上記のようにしてPCRを用いて得られた本DNA(A)は、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protocols in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Sons, Inc.等に記載されている通常の遺伝子工学的方法に準じた方法によりベクターにクローニングすることができる。具体的には、例えばInvitrogen社のTAクローニングキットに含まれるプラスミドベクターやStratagene社のpBluescriptIIなどのプラスミドベクターを用いてクローニングすることができる。
【0023】
また、本DNA(A)は、例えば、以下のようにして調製することもできる。まず、本DNA(A)がコードする蛋白質のアミノ酸配列をコードし、GC含量が60%以下40%以上、好ましくは55%以下45%以上であって、かつ前記蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列のコドン使用率(codon usage)が、該本DNA(A)が導入される宿主細胞が属する生物種の遺伝子のコドン使用率のプラスマイナス4%の範囲内である塩基配列を設計する。設計された塩基配列を有するDNAを通常の遺伝子工学的方法に準じて調製することにより、本DNA(A)を得ることができる。
例えば、本発明蛋白質(A1)のアミノ酸配列(配列番号1)をコードし、GC含量が55%以下45%以上であって、かつ前記蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列のコドン使用率が、ダイズの遺伝子のコドン使用率のプラスマイナス4%の範囲内である塩基配列を以下のようにして設計する。まず、例えば、Streptomyces phaeochromogenes IFO12898から得られうる本発明蛋白質(A1)のアミノ酸配列をコードする塩基配列(配列番号6)のコドン使用率(表22および表23)とダイズのコドン使用率(表24および表25)とを比較する。比較結果に基づいて、GC含量が55%以下45%以上であって、かつコドン使用率がダイズのコドン使用率のプラスマイナス4%の範囲内となるように、配列番号6で示される塩基配列に塩基置換を加える。かかる塩基置換としては、アミノ酸置換を生じない塩基置換を選択する。例えば、ロイシンをコードするCTGコドンの使用率は、ダイズの遺伝子において1.22%であるのに対し、配列番号6で示される塩基配列においては7.09%である。そこで、例えば、配列番号6で示される塩基配列の塩基番号106、163、181、226、289、292、544、1111、1210からそれぞれ始まるCTGコドンをCTTコドンに、塩基番号211、547、1084からそれぞれ始まるCTGコドンをCTAコドンに、塩基番号334から始まるCTGコドンをTTAコドンに、塩基番号664、718、733、772、835、1120、1141からそれぞれ始まるCTGコドンをTTGコドンに、塩基番号787から始まるCTGコドンをTTAコドンに、それぞれ置換する。このようにして設計された塩基配列の一例を配列番号214に示し、該塩基配列のコドン使用率を表26および表27に示す。配列番号214で示される塩基配列においては、例えば、上記のロイシンをコードするCTGコドンの使用率は1.71%であり、ダイズのコドン使用率(1.22%)のプラスマイナス4%の範囲内となっている。配列番号214で示される塩基配列を有するDNAは、例えば、Sambrook J., Frisch E. F., Maniatis T.著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory press)等に記載されている部位特異的変異導入法等に準じて、配列番号6で示される塩基配列を有するDNAに塩基置換を導入することにより調製することができる。また、後述の実施例46に示すようなPCRを利用したDNA合成方法等により、配列番号214で示される塩基配列を有するDNAを調製することもできる。
同様にして、本発明蛋白質(A23)のアミノ酸配列(配列番号222)をコードし、GC含量が55%以下45%以上であって、かつ前記蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列のコドン使用率が、ダイズの遺伝子のコドン使用率のプラスマイナス4%の範囲内である塩基配列を設計した例として、配列番号368で示される塩基配列をあげることができる。また、本発明蛋白質(A25)のアミノ酸配列(配列番号224)をコードし、GC含量が55%以下45%以上であって、かつ前記蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列のコドン使用率が、ダイズの遺伝子のコドン使用率のプラスマイナス4%の範囲内である塩基配列を設計した例として、配列番号393で示される塩基配列をあげることができる。
上記のようにして得られる本DNA(A)は、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protocols in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Sons, Inc.等に記載されている通常の遺伝子工学的方法に準じてベクターにクローニングすることができる。ベクターとしては、具体的には、例えば、pUCA119(宝酒造社製)、pTVA118N(宝酒造社製)、pBluescriptII (東洋紡社製)、pCR2.1-TOPO(Invitrogen社製)、pTrc99A(Pharmacia社製)、pKK331-1A(Pharmacia社製)などを利用することができる。
また、上記のようにして得られる本DNA(A)の塩基配列は、F.Sanger, S.Nicklen, A.R.Coulson著、Proceeding of National Academy of Science U.S.A.(1977) 74: 5463-5467頁等に記載されているダイデオキシターミネーター法等により解析することができる。
【0024】
上述のようにして得られる本DNA(A)にコードされる本蛋白質(A)の、上記一般式で示されるPPO阻害型雑草防除活性化合物を代謝する能力は、例えば以下のようにして化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を指標として確認することができる。まず、該DNAを後述のように、宿主細胞において機能可能なプロモーターの下流に接続されるようにベクターに挿入し、これを宿主細胞に導入して形質転換体を取得する。次いで、該形質転換体の培養物または該培養物を破砕して得られる抽出物を、補酵素NADPH等の電子供与体からの電子伝達系の存在下に化合物(II)に作用させ、その結果生じた反応生成物を分析して化合物(III)を検出する。このようにして、化合物(II)を代謝して化合物(III)を生成する能力を有する形質転換体を特定することができ、当該形質転換体はかかる能力を有する蛋白質をコードする本DNA(A)を保有していると判断することができる。より具体的には例えば、上記形質転換体の培養物もしくは抽出物、終濃度2mM程度のβ-NADPH等の電子供与体、終濃度2mg/ml程度のホウレンソウ由来のフェレドキシン、終濃度0.1U/ml程度のフェレドキシン還元酵素および放射性同位元素で標識された3ppm程度の化合物(II)を含有する0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、約30℃〜約40℃で10分間〜1時間保温する。保温後の反応液に、3μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し上清を回収する。該上清を減圧下で乾固した後、残渣を酢酸エチルに溶解させ、得られた溶解液をシリカゲルのTLCプレートで展開する。該TLCプレートをラジオオートグラフィー分析して、放射性同位元素で標識された化合物(III)に相当するスポットを検出することにより、化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を確認することができる。
【0025】
本発明DNA(A)や、該DNAの部分塩基配列もしくは該部分塩基配列に相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドを用いて、上述のようなハイブリダイゼーションやPCRを行うことにより、化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を有する蛋白質をコードするDNAや該DNAを有する微生物をさらに検索してもよい。
具体的には例えば、本発明DNA(A)、または、本発明DNA(A)の部分塩基配列もしくは該部分塩基配列に相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドをプローブとして用いて、例えば、Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseolus、Streptomyces carbophilus、Streptomyces griseofuscus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensisなどのストレプトミセス属に属する微生物、Saccharopolyspora taberiなどのサッカロポリスポラ属に属する微生物等の天然の微生物由来のゲノムDNAと上述のようなハイブリダイゼーションを行い、当該プローブがハイブリダイズするDNAを検出する。プローブとして用い得るDNAの具体例としては、配列番号6、7、8、109、139、140、141、142、143、225、226、227、228、229、230、231、232、233または234のいずれかで示される塩基配列の全長を有するDNAや、配列番号6で示される塩基配列の塩基番号57〜730で示される塩基配列を有するDNA、配列番号8で示される塩基配列の塩基番号21〜691で示される塩基配列を有するDNA等をあげることができる。
また、本発明DNA(A)の部分塩基配列もしくは該部分塩基配列に相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドをプライマーとして使用し、例えば、Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseolus、Streptomyces carbophilus、Streptomyces griseofuscus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensisなどのストレプトミセス属に属する微生物、Saccharopolyspora taberiなどのサッカロポリスポラ属に属する微生物等の天然の微生物由来のゲノムDNAを鋳型として上述のようなPCRを行い、増幅されるDNAを検出してもよい。プライマーとしては、上述のような「配列番号6、7、8または109で示される塩基配列において配列同一性が特に高い領域」の塩基配列に基づいて設計されたプライマーをあげることができる。より具体的なプライマーの例としては、上述の配列番号124〜128のいずれかで示される塩基配列を有するプライマーと配列番号129で示される塩基配列を有するプライマーとの組合わせ等があげられる。
このようにして検出されたDNAを回収する。回収されたDNAが本DNA(A)の全長塩基配列に満たない場合は、該DNAを利用して上述のようにして全長塩基配列に相当するDNAを調製する。得られたDNAを宿主細胞に導入して形質転換体を作出する。得られた形質転換体の培養物を用いて上述のようにして化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を検定することにより、該形質転換体に導入されたDNAがコードする蛋白質が、化合物(II)を化合物(III)に変換する能力を評価することができる。
【0026】
本DNA(A)を宿主細胞で発現させるには、本DNA(A)を宿主細胞内の発現可能な位置に導入する。本DNA(A)を「発現可能な位置に」導入するとは、本DNA(A)が、その塩基配列からの転写及び翻訳を指向する(即ち、例えば、本蛋白質(A)をコードするRNAおよび本蛋白質(A)の産生を促進する)塩基配列と隣接した位置に置かれるように宿主細胞に導入することを意味する。
本DNA(A)を、該DNAが発現可能な位置に置かれるように宿主細胞に導入するには、例えば、宿主細胞で機能可能なプロモーターと本DNA(A)とが機能可能な形で接続されてなるDNAを宿主細胞に導入する。ここで、「機能可能な形で」とは、該DNAが宿主細胞に導入された際に、本DNA(A)が、プロモーターの制御下に発現するようにプロモーターと結合された状態にあることを意味する。
宿主細胞が微生物細胞である場合、機能可能なプロモーターとしては、例えば、大腸菌のラクトースオペロンのプロモーター、大腸菌のトリプトファンオペロンのプロモーター、T7ファージプロモーター、または、tacプロモーターもしくはtrcプロモーター等の大腸菌内で機能可能な合成プロモーターなどをあげることができる。また、ストレプトミセス属、サッカロポリスポラ属等に属する微生物の染色体において本DNA(A)の上流に存在する元来のプロモーターを利用してもよい。
宿主細胞が植物細胞である場合には、機能可能なプロモーターとしては、例えば、ノパリン合成酵素遺伝子プロモーター、オクトピン合成酵素遺伝子プロモーター等のT-DNA由来の構成型プロモーター、カリフラワーモザイクウィルス由来の19Sプロモーターもしくは35Sプロモーター等の植物ウィルス由来のプロモーター、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ遺伝子プロモーター、カルコンシンターゼ遺伝子プロモーター、Pathogenesis-related protein遺伝子プロモーター等の誘導型プロモーター、特開2000-166577号公報に記載の植物プロモーターなどを挙げることができる。また、上記のような植物細胞で機能可能なプロモーターと本DNA(A)とが機能可能な形で接続されてなるDNAに植物細胞で機能可能なターミネーターを連結させてもよい。この場合、本DNA(A)の下流にターミネーターが位置するように連結すると一般的によい。機能可能なターミネーターとしては、例えば、ノパリン合成酵素遺伝子(NOS)ターミネーターなどのT-DNA由来の構成型ターミネーター、ニンニクウィルスGV1,GV2のターミネーターなどの植物ウィルス由来のターミネーター、特開2000-166577号公報に記載の植物ターミネーターなどをあげることができる。
【0027】
上記のように本DNA(A)を、該DNAが発現可能な位置に置かれるように植物細胞に導入する際に、例えば、細胞内オルガネラへの移行シグナル配列をコードする塩基配列を有するDNAが、本DNA(A)の上流に、その読み枠を合わせて連結されてなるDNAを用いることもできる。ここで「読み枠を合わせて連結されて」とは、細胞内オルガネラへの移行シグナル配列をコードする読み枠と、本DNA(A)にコードされる本蛋白質(A)の読み枠とが接続されて一続きの読み枠が形成されるように連結されていることを意味する。植物細胞において蛋白質の細胞内オルガネラへの移行と局在化をもたらす移行シグナル配列としては、例えば、米国特許5717084号公報に記載される植物の葉緑体に局在するタンパク質の細胞質前駆体タンパク質由来の移行シグナル配列や、米国特許RE36449号公報に記載される複数種の移行シグナル配列から構成されるキメラ配列等をあげることができる。より具体的には、後述の実施例15に示される方法によって取得可能なダイズのribulose-1,5-bisphosphate carboxylase小サブユニット由来の葉緑体トランジットペプチド等があげられる。
【0028】
一般的には、本DNA(A)、細胞内オルガネラへの移行シグナル配列をコードする塩基配列を有するDNAと上記のように連結されてなる本DNA(A)、またはこれらのDNAと宿主細胞で機能可能なプロモーターとが機能可能な形で接続されてなるDNA等は、それぞれ宿主細胞で利用可能なベクターに組込んで、これを宿主細胞に導入する。宿主細胞において機能可能なプロモーターをあらかじめ保有するベクターを使用する場合には、ベクター保有のプロモーターと本DNA(A)とが機能可能な形で結合するように、該プロモーターの下流に本DNA(A)を挿入すればよい。
ベクターとしては、具体的には大腸菌を宿主細胞とする場合、例えばpUC119(宝酒造社製)、pBluescriptII(Stratagene社製)、pTVA118N(宝酒造社製)、pCR2.1-TOPO(Invitrogen社製)、pTrc99A(アマシャムファルマシアバイオテク社製)、pKK331-1A(アマシャムファルマシアバイオテク社製)、pET11d(Novagen社製)等をあげることができる。選択マーカー遺伝子(例えば、カナマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等の抗生物質耐性付与遺伝子など)を含むベクターを用いると、本DNA(A)が導入された形質転換体を当該選択マーカー遺伝子の表現型等を指標にして選択する際に便利である。
【0029】
宿主細胞が、大腸菌、枯草菌、Bacillus brevis、Pseudomonas属細菌、Zymomonas属細菌、乳酸菌、酢酸菌、Staphylococcus属細菌、Streptomyces属細菌、Saccharopolyspora属細菌や、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe等の酵母、Aspergillus等のカビなどの微生物細胞である場合には、本DNA(A)または本DNA(A)を含むベクターを宿主細胞に導入する方法としては、日本生化学会編新生化学講座第17巻微生物実験法(東京化学同人)等に記載の方法をあげることができる。また、例えば、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protocols in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Sons, Inc.等に記載される塩化カルシウム法や、「Methods in Electroporation:Gene Pulser /E.coli Pulser System」 Bio-Rad Laboratories, (1993)等に記載されるエレクトロポレーション法等を用いてもよい。
本DNA(A)または本DNA(A)を含むベクターが導入された形質転換体は、例えば、前述のような本DNA(A)が組込まれたベクターに含まれる選択マーカー遺伝子の表現型等を指標にして選抜することができる。また、形質転換体が本DNA(A)または本DNA(A)を含むベクターを保有していることは、該形質転換体からDNAを調製した後、調製されたDNAについて、例えば「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press等に記載される遺伝子工学的分析方法(制限酵素部位の確認、塩基配列の解析、サザンハイブリダイゼーション、PCR等)を行うことにより確認することができる。
【0030】
また、例えば宿主細胞が植物細胞の場合、例えば、タバコ、ワタ、ナタネ、テンサイ、シロイヌナズナ、カノーラ、アマ、ヒマワリ、バレイショ、アルファルファ、レタス、バナナ、ダイズ、エンドウ、その他のマメ類、マツ、ポプラ、リンゴ、ブドウ、オレンジ、レモン、その他の柑橘類、アーモンド、クルミ、その他のナッツ類等の双子葉植物、トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、オートムギ、サトウキビ、芝類等の単子葉植物等の植物種をあげることができ、本DNA(A)を導入する細胞としては、植物組織、植物個体、培養細胞、種子などを用いることができる。
本DNA(A)または本DNA(A)を含むベクターを宿主細胞に導入する方法としては、アグロバクテリウム感染方法(特公平2-58917および特開昭60-70080)、プロトプラストへのエレクトロポーレーション方法(特開昭60-251887及び特開平5-68575)、またはパーティクルガン方法(特表平5-508316及び特開昭63-258525)等の手段をあげることができる。
この際、例えばハイグロマイシンフォスフォトランスフェラーゼ遺伝子、ネオマイシンフォスフォトランスフェラーゼ遺伝子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子等から選ばれる選択マーカー遺伝子を本DNA(A)を含むベクターと同時に植物細胞に導入すると、本DNA(A)が導入された形質転換体を当該選択マーカー遺伝子の表現型等を指標にして選択することができる。選択マーカー遺伝子と本DNA(A)とを同一のベクター上に組み込んで導入してもよいし、選択マーカー遺伝子を有するベクターと本DNA(A)を含むベクターとを同時に導入してもよい。また、本DNA(A)または本DNA(A)を含むベクターが導入された植物細胞を、上記一般式(I)で示されるPPO阻害型雑草防除活性化合物を含む培地で培養し増殖可能なクローンを単離することによっても、本DNA(A)が導入された形質転換体を選抜することができる。形質転換体が本DNA(A)を保有していることは、該形質転換体からDNAを調製した後、調製されたDNAについて、例えば「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press等に記載される遺伝子工学的分析方法(制限酵素部位の確認、塩基配列の解析、サザンハイブリダイゼーション、PCR等)を行うことにより確認することもできる。植物細胞に導入された本DNA(A)は、核に含まれるDNAの他、葉緑体等の細胞内オルガネラに含まれるDNAに組み込まれて細胞内で維持されていても良い。
このようにして得られた形質転換植物細胞から、例えば、植物遺伝子操作マニュアル:トランスジェニック植物の作り方(内宮著、講談社サイエンティフィック1990年)、27-55頁などに記載されている植物細胞培養方法により植物体を再生させることによって、本DNA(A)が導入された形質転換植物を得ることができる。さらに、本DNA(A)が導入された形質転換植物と目的とする品種の植物とを交配させることにより、当該目的品種の植物の染色体に本DNA(A)を導入し、本DNA(A)が導入された目的品種の植物を取得することもできる。
【0031】
具体的には、例えば、モデル植物の実験プロトコール イネ・シロイヌナズナ編(島本功、岡田清孝監修、秀潤社1996年)、第4章に記載の方法によって、本DNA(A)が導入され本蛋白質(A)を発現するイネやシロイヌナズナを得ることができる。また、特開平3-291501に記載されている方法で、パーティクルガンを用いてダイズ不定胚に導入して、本DNA(A)が導入され本蛋白質(A)を発現するダイズを得ることができる。同様に、Fromm,M.E.,et al. Bio/Technology, 8; p838 (1990)に記載されている方法に準じて、パーティクルガンを用いてトウモロコシ不定胚に導入して、本DNA(A)が導入され本蛋白質(A)を発現するトウモロコシを得ることができる。宅見ら著、育種学会雑誌、1995年、第44巻、別冊1号、57頁に記載されている通常の方法に準じて、パーティクルガンを用いて無菌培養したコムギ未熟胚盤に導入して、本DNA(A)が導入され本蛋白質(A)を発現するコムギを得ることができる。同様に、萩尾ら著、育種学会雑誌、1995年、第44巻、別冊1号、67頁に記載されている通常の方法に準じて、パーティクルガンを用いて無菌培養したオオムギ未熟胚盤に導入して、本DNA(A)が導入され本蛋白質(A)を発現するオオムギを得ることができる。
【0032】
本DNA(A)が導入され本蛋白質(A)を発現する形質転換体は、その細胞内で、化合物(I)を雑草防除活性のより低い化合物に変換することによって、当該雑草防除活性化合物による植物傷害を軽減することができる。具体的には、例えば、目的品種の植物の種子を播種する前に、本蛋白質(A)を発現する微生物を目的の栽培植物の栽培域土壌に散布することによって、土壌中に残留している上記雑草防除活性化合物を代謝し雑草防除活性化合物による目的植物の傷害を軽減することができる。また、本蛋白質(A)を目的品種の植物で発現させることによって、該植物に、一般式(I)で示されるPPO阻害型雑草防除活性化合物を活性のより低い化合物へと代謝する能力が付与される。その結果、当該植物において上記雑草防除活性化合物による植物傷害が軽減されたり、該化合物に対する耐性が付与されたりする。
【0033】
本蛋白質(A)は、例えば本DNA(A)を有する細胞を培養することによって調製することができる。かかる細胞としては、本DNA(A)を発現し本蛋白質(A)を産生する能力を有する微生物であって、例えば、本DNA(A)を有する自然界から分離された微生物株、該微生物株から薬剤や紫外線等の処理によって誘導された変異株等をあげることができる。より具体的には例えば、Streptomyces phaeochromogenes IFO12898、Streptomyces testaceus ATCC21469、Streptmyces achromogenes IFO 12735、Streptomyces griseolus ATCC11796、Streptomyces carbophilus SANK62585、Streptomyces griseofuscus IFO 12870t、Streptomyces thermocoerulescens IFO 14273t、Streptomyces nogalater IFO 13445、Streptomyces tsusimaensis IFO 13782、Streptomyces glomerochromogenes IFO 13673t、Streptomyces olivochromogenes IFO 12444、Streptomyces ornatus IFO 13069t、Streptomyces griseus ATCC 10137、Streptomyces griseus IFO 13849T、Streptomyces lanatus IFO 12787T、Streptomyces misawanensis IFO 13855T、Streptomyces pallidus IFO 13434T、Streptomyces roseorubens IFO 13682T、Streptomyces rutgersensis IFO 15875T、Streptomyces steffisburgensis IFO 13446Tなどのストレプトミセス属に属する微生物や、Saccharopolyspora taberi JCM 9383tなどのサッカロポリスポラ属に属する微生物等があげられる。また、本DNA(A)または本DNA(A)を含むベクターが宿主細胞に導入された形質転換体等をあげることもできる。具体的には例えば、tacプロモーター、trcプロモーター、lacプロモーターまたはT7ファージプロモーターと機能可能な形で接続された本DNA(A)が大腸菌に導入されてなる形質転換体をあげることができ、より具体的な例としては、後述の実施例に記載されるE.coli JM109/pKSN657、E.coli JM109/pKSN657F、E.coli JM109/pKSN923、E.coli JM109/pKSN923F、E.coli JM109/pKSN11796、E.coli JM109/pKSN11796F、E.coli JM109/pKSN671、E.coli JM109/pKSN671F、E.coli JM109/pKSNSCA、E.coli JM109/pKSN646、E.coli JM109/pKSN646F、E.coli JM109/pKSN849AF、E.coli JM109/pKSN1618F、E.coli JM109/pKSN474F、E.coli JM109/pKSN1491AF、E.coli JM109/pKSN1555AF、E.coli JM109/pKSN1584F、E.coli JM109/pKSN1609F等があげられる。
【0034】
上記のような本DNA(A)を有する微生物を培養する為の培地としては、微生物の培養に通常使用される炭素源や窒素源、有機ないし無機塩等を適宜含む各種の培地を用いることができる。アミノレブリン酸などのヘムの前駆体となる化合物を培地に添加してもよい。
炭素源としては、例えば、グルコース、フルクトース、シュクロース、デキストリン等の糖類、グリセロール、ソルビトール等の糖アルコール、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸等の有機酸等があげられる。これら炭素源の培地への添加量は、培地全量に対し、通常約0.1%(w/v)〜約10%(w/v)程度である。
窒素源としては、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩、肉エキス、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーンステイープリカー、綿実粉、乾燥酵母、カゼイン加水分解物等の天然有機窒素源又はアミノ酸類等があげられる。これらのうち有機酸のアンモニウム塩、天然有機窒素源、アミノ酸類等は、多くの場合、炭素源としても使用することができる。窒素源の添加量は培地全量に対し通常、約0.1%(w/v)〜約10%(w/v)程度である。
無機塩類としては、例えば、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム等のリン酸塩、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化コバルト6水和物等の塩化物塩、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄7水和物、硫酸亜鉛7水和物、硫酸マンガン3水和物等の硫酸金属塩等をあげることができ、その添加量は培地全量に対し通常、約0.0001%(w/v)〜約1%(w/v)程度である。
また、T7ファージプロモーターの下流に接続された本DNA(A)と、T7 RNAポリメラーゼ(λDE3 lysogen)をコードする塩基配列がlacUV5プロモーターの下流に接続されてなるDNAとを保有する形質転換体を培養する場合には、通常、本蛋白質(A)の生産を誘導するための誘導剤として、例えばisopropyl−β−D−thiogalactoside(以下、IPTGと記す。)を培地に少量加える。tacプロモーター、trcプロモーター、lacプロモーター等のラクトースで誘導されるタイプのプロモーターと本DNA(A)とが機能可能な形で接続されてなるDNAが宿主細胞に導入されてなる形質転換体を培養する場合にも、IPTGを培地に加えてもよい。
【0035】
本DNA(A)を有する微生物の培養は、微生物の培養に通常使用される方法に準じて行うことができ、例えば旋回振盪培養、往復振盪培養、ジャーファーメンター(Jar Fermenter)培養もしくはタンク培養等の液体培養、または、固体培養等の方法が可能である。ジャーファーメンターを用いる場合には、ジャーファーメンター内に無菌空気を導入する必要があり、通常、培養液容量の約0.1倍〜約2倍/分の通気条件が用いられる。培養温度は、微生物が生育可能な範囲で適宜変更できるが、約15℃〜約40℃の範囲の培養温度が一般的であり、培地のpHとしては、約6〜約8の範囲が好ましい。培養時間は、培養条件によって異なるが、通常は約1日間〜約10日間程度である。
【0036】
本DNA(A)を有する微生物によって産生される本蛋白質(A)は、例えば、本蛋白質(A)を産生する微生物の培養物、本蛋白質(A)を産生する微生物の菌体、かかる菌体の処理物、無細胞抽出液、粗精製蛋白質、精製蛋白質等の種々の形態で、例えば上記一般式(I)で示されるPPO阻害型雑草防除活性化合物の処理に用いることができる。ここで菌体の処理物としては、例えば、凍結乾燥菌体、アセトン乾燥菌体、菌体摩砕物、菌体の自己消化物、菌体の超音波処理物、菌体のアルカリ処理物、菌体の有機溶媒処理物等をあげることができる。また、上記のような種々の形態の本蛋白質(A)を、例えば、シリカゲルやセラミックス等の無機担体、DEAE−セルロース等の多糖類の誘導体、もしくはアンバーライトIRA935(商品名、ローム・アンド・ハース社製)等の合成高分子等へ吸着させる担体結合法や、ポリアクリルアミド、含硫多糖ゲル(例えばカラギーナンゲル)、アルギン酸ゲルもしくは寒天ゲル等の高分子の網目構造の中に閉じ込める包括法などの公知の方法に準じて固定化して上記雑草防除活性化合物の処理に用いることもできる。
【0037】
本蛋白質(A)を本DNA(A)を有する微生物の培養物から精製する方法としては、蛋白質の精製において通常使用される方法を適用することができ、例えば次のような方法をあげることができる。
まず、微生物の培養物から遠心分離等により菌体を集めた後、これを超音波処理、ダイノミル処理もしくはフレンチプレス処理等の物理的破砕方法、または界面活性剤もしくはリゾチーム等の菌体溶菌酵素を用いる化学的破砕方法などによって破砕する。得られた破砕液から、遠心分離、メンブレンフィルターろ過等により不溶物を除去して無細胞抽出液を調製し、これを陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー等の分離精製方法を適宜用いて分画することによって本蛋白質(A)を精製することができる。クロマトグラフィーに使用する担体としては、例えば、カルボキシメチル(CM)基、ジエチルアミノエチル(DEAE)基、フェニル基、もしくはブチル基等を導入したセルロース、デキストランまたはアガロース等の樹脂担体が挙げられる。市販の担体充填済みカラムを用いることもでき、例えば、Q-Sepharose FF、Phenyl-Sepharose HP、PD-10、HiLoad 26/10 Q Sepharose HP(商品名、いずれもアマシャム ファルマシア バイオテク社製)、TSK−gel G3000SW(商品名、東ソー社製)等があげられる。
【0038】
本蛋白質(A)の精製操作の一例を示す。
本蛋白質(A)を産生する微生物の菌体を遠心分離により集めた後、例えば0.1Mリン酸カリウム(pH7.0)等の緩衝液に懸濁する。これを超音波破砕機にて破砕処理し、得られた菌体破砕液を約40,000×gで30分間程度遠心分離した後、上清を回収してこれを150,000×gで1時間程度遠心分離し、上清(無細胞抽出液)を回収する。得られた無細胞抽出液を硫安分画し、45%飽和硫酸アンモニウム存在下に可溶性であり、55%飽和硫酸アンモニウム存在下に沈殿する画分を得る。この画分の溶媒を、PD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)等を用いて例えば0.1Mリン酸カリウム(pH7.0)等の硫酸アンモニウムを含まない緩衝液に置換した後、例えば HiLoad 26/10 Q Sepharose HPカラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に導入し、塩化ナトリウム直線濃度勾配を付した20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流して溶出液を分画回収し、補酵素NADPH等の電子供与体からの電子伝達系の存在下に化合物(II)を化合物(III)に変換する活性が検出される画分を集める。次いで該画分を例えばPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)等を用いてバッファー置換した後、Bio-Scale Ceramic 例えばHydroxyapatite, TypeIcolum CHT10-I(バイオラッド社製)に注入する。該カラムをAバッファー(1.5mMの塩化カルシウムを含む2mMリン酸カリウムバッファー;pH7.0)で洗浄した後、Bバッファー(0.03mMの塩化カルシウムを含む100mMリン酸カリウムバッファー;pH7.0)の添加による直線濃度勾配を付したAバッファーを流し、溶出液を分画回収して、補酵素NADPH等の電子供与体からの電子伝達系の存在下に化合物(II)を化合物(III)に変換する活性が検出される画分を集める。得られた画分を例えばPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)等を用いてバッファー置換した後、例えば限外ろ過(マイクロコンフィルターユニットマイクロコン-30、MILLIPORE社製)にて濃縮する。得られた画分を例えばHiLoad 16/60 Superdex 75 pg カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に注入し、0.15Mの塩化ナトリウムを含む0.05Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)で溶出させ、溶出液を分画回収し、補酵素NADPH等の電子供与体からの電子伝達系の存在下に化合物(II)を化合物(III)に変換する活性が検出される画分を集める。必要に応じて、SDS-PAGEで分画することにより、本蛋白質(A)を精製することもできる。
【0039】
上述のようにして本発明蛋白質(A)を精製し、得られた本発明蛋白質(A)を免疫抗原として用いることにより、本発明蛋白質(A)を認識する抗体(以下、本発明抗体(A)と記すことがある。)を作製することができる。
具体的には、例えば、上述のようにして精製した本発明蛋白質(A)を抗原として動物を免疫感作化する。例えば、マウス、ハムスター、モルモット、ニワトリ、ラット、ウサギ、イヌ等の動物を免疫するには、例えば、J.ASSOC.OFF.ANAL.CHEM 70(6) 1025-1027 (1987)等に記載されるW.H.Newsome 等の通常の免疫感作の方法を用いて、抗原を1回またはそれ以上の回数投与する。投与のスケジュールとしては、例えば、7日ないし30日間隔、好ましくは12日ないし16日間隔で、2または3回の投与等があげられる。投与量は1回につき、例えば抗原約0.05mgから約2mg程度を目安とする。投与経路は、皮下投与、皮内投与、腹膜腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与等を選択することができるが、静脈内、腹膜腔内もしくは皮下に行う注射が一般的な投与形態である。抗原は、適当な緩衝液、例えば完全フロイントアジュバント(Aracel A.Bayol F 結核死菌を混合したもの)、RAS〔MPL(Monophosphoryl Lipid A)+TDM(Synthetic Trehalose Dicorynomycolate)+CWS(Cell Wall Skeleton) アジュバントシステム〕 、水酸化アルミニウム等の通常用いられるアジュバントの1種を含有するナトリウム系リン酸緩衝液、生理食塩水等に溶解して用いられるが、投与経路や条件等によっては、上記のようなアジュバントを使用しないこともある。アジュバントとは、抗原とともに投与したとき、非特異的にその抗原に対する免疫反応を増強する物質である。そして、上記のようにして抗原を投与した動物を、0.5ケ月間ないし4ケ月間飼育した後、該動物の血液を耳静脈等から少量サンプリングし、抗体価を測定する。抗体価が上昇していたら、状況に応じて、抗原の投与をさらに適当回数実施する。例えば、約100μgないし約1000μgの投与量でもう1回抗原の投与を行う。最後の投与の1ケ月ないし2ケ月後に、免疫感作した動物から通常の方法により血液を採取する。採取された血液を、例えば、遠心分離、硫酸アンモニウムまたはポリエチレングリコールを用いることによる沈澱、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー等の通常の方法によって分画することにより、ポリクローナル抗血清として本発明抗体(A)を得ることができる。なお血清を、例えば、56℃で30分間保温することによって補体系の不活性化してもよい。
また、本発明蛋白質(A)の部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを化学合成し、これを免疫抗原として動物に投与することにより、本発明抗体(A)を作製することもできる。免疫抗原として用いるポリペプチドのアミノ酸配列としては、例えば、本発明蛋白質(A)のアミノ酸配列の中から、他の蛋白質のアミノ酸配列とのホモロジーがなるべく低いアミノ酸配列を選択する。選択されたアミノ酸配列からなる10アミノ酸から15アミノ酸程度の長さのポリペプチドを、通常の方法に準じて化学合成し、Limulus plyhemusのhemocyanin等のキャリアー蛋白質とMBS等により架橋した後、上記と同様にウサギ等の動物に免疫する。
このようにして作製される本発明抗体(A)と被験試料とを接触させ、被験試料中の蛋白質と前記抗体との複合体を、例えば、通常の免疫学的手法に準じて検出することにより、該被験試料中の本発明蛋白質(A)もしくはその部分アミノ酸配列を有するポリペプチドを検出することができる。具体的には、例えば、後述の実施例45または73に示されるような本発明抗体(A)を用いたウェスタンブロット分析によって、供試した試料中における本発明蛋白質(A)の有無の判断や、本発明蛋白質(A)の定量を行うことが可能である。
また、例えば、本発明抗体(A)と被験細胞または被験細胞から調製された試料とを接触させ、被験細胞または被験細胞から調製された試料中の蛋白質と前記抗体との複合体を通常の免疫学的手法に準じて検出することにより、本発明蛋白質(A)を発現する細胞を検出することもできる。このようにして本発明蛋白質(A)を発現する細胞を検出することにより、種々の細胞の中から本発明蛋白質(A)を発現する細胞を選抜することも可能である。例えば、本発明蛋白質(A)を発現する細胞からゲノムDNAを抽出して発現ベクターに挿入することによりゲノムDNAライブラリーを作製し、それらを細胞に導入する。得られた細胞集団の中から、上記のようにして本発明抗体(A)を用いて本発明蛋白質(A)を発現する細胞を選抜することにより、本発明蛋白質(A)をコードするDNAを含有するクローンを選抜・クローニングすることも可能である。
本発明抗体(A)を含有するキットは、例えば、上述のような本発明蛋白質(A)の検出や、本発明蛋白質(A)を発現する細胞の分析、検出、検査等に利用することができる。かかる本発明のキットは、本発明抗体(A)のほかに、上記のような分析手法に必要な試薬を含んでいてもよいし、かかる試薬と組合わせて使用しても良い。
【0040】
上記一般式(I)で示されるPPO阻害型雑草防除活性化合物に、補酵素NADPH等の電子供与体からの電子伝達系の存在下、本蛋白質(A)を作用させると、前記化合物は代謝され、雑草防除活性がより低い化合物に変換される。具体的には例えば、補酵素NADPH等の電子供与体からの電子伝達系の存在下、化合物(II)に本蛋白質(A)を作用させると、化合物(II)は、雑草防除活性を実質的に示さない化合物(III)に変換される。ここで本蛋白質(A)としては、例えば、本発明蛋白質(A)をあげることができる。本蛋白質(A)のうちの1種類の蛋白質を作用させてもよいし、複数種の蛋白質を併用してもよい。
上記一般式(I)で示されるウラシル化合物の具体例としては、上記化合物(II)や、以下の式(IV)〜(IX)のいずれかで示される化合物[以下、それぞれ化合物(IV)〜化合物(IX)と記す。]等をあげることができる。化合物(II)および化合物(IX)は特開2000-319264号公報に、化合物(IV)および化合物(V)は米国特許5183492号公報に、化合物(VI)は米国特許5674810号公報に、化合物(VII)は特開平3-204865号公報に、化合物(VIII)は特開平6-321941号公報に、それぞれ記載の方法に準じて合成することが可能である。
【0041】
【0042】
また、上記一般式(I)で示される化合物の具体例として、以下の式(X)〜(XVII)のいずれかで示される化合物[以下、それぞれ化合物(X)〜化合物(XVII)と記す。]等をあげることもできる。
【0043】
本蛋白質(A)による代謝反応の基質となり得る化合物は、例えば、該化合物を、補酵素NADPH等の電子供与体からの電子伝達系の存在下において、放射性同位元素等で標識された化合物(II)に本蛋白質(A)を作用させる反応系に共存させると、標識された化合物(II)から標識された化合物(III)への本蛋白質(A)による変換反応が競争阻害されることを指標に選抜することができる。このようにして被験化合物による競争阻害の有無を検定する場合には、被験化合物は、標識された化合物(II)に対して、通常、1倍〜100倍程度のモル濃度となるよう添加する。
【0044】
本蛋白質(A)を化合物(I)に作用させる反応は、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩などの無機酸塩や、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アルカリ金属塩などの有機酸塩等を含む水性緩衝液中で行うことができる。上記一般式(I)で示される化合物の代謝反応液中における濃度は通常30%(w/v)程度以下が適しており、好ましくは0.001%(w/v)〜20%(w/v)程度である。NADPH等の電子供与体からの電子伝達系や本蛋白質(A)の量は、例えば反応時間等を考慮して適宜決めることができる。反応温度は通常、約10℃〜約70℃の範囲から選ばれ、好ましくは約20℃〜約50℃程度である。反応液のpHは通常約4〜約12の範囲から選ばれ、好ましくは約5〜約10程度である。反応時間は、任意に設定することができ、通常は約1時間〜約10日間程度である。
また、本蛋白質(A)を化合物(I)に作用させる反応は、本DNA(A)を有する細胞の細胞内で行わせることもできる。本DNA(A)を有する細胞としては、例えば、本DNA(A)を発現し本蛋白質(A)を産生する能力を有する微生物であって、例えば、自然界から分離された本DNA(A)を有する微生物株、該微生物株から薬剤や紫外線等の処理によって誘導された変異株、本DNA(A)または本DNA(A)を含むベクターが宿主細胞に導入されてなる形質転換微生物細胞等をあげることができる。また、本DNA(A)が導入された形質転換植物細胞や、本DNA(A)が導入された形質転換植物体の細胞をあげることもできる。このような場合、上記一般式(I)で示される化合物は、本DNA(A)を有する細胞に取り込まれるように、該細胞の培養液や該細胞が接触する土壌等に含有させてもよく、該細胞に直接施用してもよい。NADPH等の電子供与体からの電子伝達系は、該細胞が本来細胞内に保有する系を利用してもよいし、細胞外から添加されてもよい。
【0045】
本蛋白質(A)による化合物(I)の代謝は、例えば、化合物(I)の代謝により生成した化合物を検出することにより確認することができる。具体的には例えば、化合物(II)の代謝により生成する化合物(III)は、上述のようなHPLC分析やTLC分析により検出することができる。
また、本蛋白質(A)による化合物(I)の代謝は、化合物(I)に本蛋白質(A)を作用させた後の反応液の雑草防除活性が、本蛋白質(A)を作用させなかった場合と比べて低下することをもって確認することもできる。雑草防除活性の試験方法としては、例えば、イヌビエ、ノスズメノテッポウ、アメリカアサガオ、イチビ等の雑草に上記の反応液を散布し、雑草防除効果を調べる方法や、上記の反応液を散布した土壌で雑草を栽培し、雑草防除効果を調べる方法等をあげることができる。また、植物から採取した葉片に上記の反応液を滴下し、該反応液による植物傷害(白化)の有無を調べる方法をあげることもできる。
また、本蛋白質(A)による化合物(I)の代謝は、化合物(I)に本蛋白質(A)を作用させた後の反応液のPPO阻害活性が、化合物(I)に本蛋白質(A)を作用させなかった反応液の該活性と比べて低下することを指標として確認することもできる。PPOは、プロトポルフィリノーゲンIXからプロトポルフィリンIX(以下、PPIXと記す。)への変換を触媒する酵素である。そこで、例えば、PPOの反応系に上記の反応液を添加した後、PPOの基質であるプロトポルフィリノーゲンIXを添加し、30℃の暗所にて1時間〜2時間保温する。次いで、HPLC等を用いて各保温液中のPPIXの量を測定する。化合物(I)に本蛋白質(A)を作用させた後の反応液を添加した系のPPIX量が、化合物(I)に本蛋白質(A)を作用させなかった反応液を添加した系のPPIX量と比べて多い場合に、本蛋白質(A)により化合物(I)が代謝されたと判定する。PPOとしては、植物等から精製された蛋白質を用いてもよいし、植物から抽出された葉緑体画分を用いてもよい。葉緑体画分を用いる場合には、PPOの反応系に、プロトポルフィリノーゲンIXの代わりに、クロロフィル・ヘム生合成経路におけるプロトポルフィリノーゲンIXの前駆体物質であるアミノレブリン酸などを用いてもよい。より具体的な例を、後述の実施例42に示す。
【0046】
このように本蛋白質(A)を作用させることにより、上記一般式(I)で示されるPPO阻害型雑草防除活性化合物を代謝し、該化合物をより雑草防除活性の低い化合物に変換する処理を行うことができる。植物の栽培域に散布された該化合物、具体的には例えば、植物の栽培域に散布され土壌や植物残渣等に残留した該化合物などに本蛋白質(A)を作用させて処理することにより、該化合物による植物傷害を軽減することもできる。
【0047】
本蛋白質(A)を化合物(I)に作用させる際に利用され得る「電子供与体からの電子伝達系」としては、例えば、補酵素NADPH、フェレドキシンおよびフェレドキシン-NADP+還元酵素を含む系をあげることができる。
本蛋白質(A)を化合物(I)に作用させる反応系に「電子供与体からの電子伝達系」を存在させる方法としては、例えば、NADPH、ホウレンソウ等の植物由来のフェレドキシン、ホウレンソウ等の植物由来のフェレドキシン-NADP+還元酵素を上記反応系に添加する方法をあげることができる。また、本蛋白質(A)の反応系において電子伝達系として機能可能な成分を含む画分を、大腸菌などの微生物等から調製し、該反応系に添加してもよい。かかる画分を調製するには、例えば、上記のような微生物等の培養物から遠心分離等により菌体を集めた後、これを超音波処理、ダイノミル処理もしくはフレンチプレス処理等の物理的破砕方法、または界面活性剤もしくはリゾチーム等の菌体溶菌酵素を用いる化学的破砕方法などによって破砕する。得られた破砕液から、遠心分離、メンブレンフィルターろ過等により不溶物を除去して無細胞抽出液を調製する。該無細胞抽出液をそのまま、本蛋白質(A)の反応系において電子伝達体として機能可能な成分を含む画分として、上記のフェレドキシンに替えて利用することができる。また、例えば本蛋白質(A)と化合物(I)との反応が微生物や植物細胞等の細胞内で行われる場合のように、その細胞内に、電子供与体からの電子を本蛋白質(A)に伝達可能な系が存在する場合には、電子伝達系を新たに反応系に添加しなくてもよい。
【0048】
フェレドキシンとしては、例えば、Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseolus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensis等のストレプトミセス属に属する微生物、より具体的には、Streptomyces phaeochromogenes IFO12898、Streptomyces testaceus ATCC21469、Streptmyces achromogenes IFO 12735、Streptomyces griseolus ATCC11796、Streptomyces thermocoerulescens IFO 14273t、Streptomyces nogalater IFO 13445、Streptomyces tsusimaensis IFO 13782、Streptomyces glomerochromogenes IFO 13673t、Streptomyces olivochromogenes IFO 12444、Streptomyces ornatus IFO 13069t、Streptomyces griseus ATCC 10137、Streptomyces griseus IFO 13849T、Streptomyces lanatus IFO 12787T、Streptomyces misawanensis IFO 13855T、Streptomyces pallidus IFO 13434T、Streptomyces roseorubens IFO 13682T、Streptomyces rutgersensis IFO 15875T、Streptomyces steffisburgensis IFO 13446Tなど、または、Saccharopolyspora taberiのサッカロポリスポラ属に属する微生物、より具体的には、Saccharopolyspora taberi JCM 9383tなどから調製され得るフェレドキシン[以下、一括して本蛋白質(B)と記すことがある。]を用いることもできる。具体的には例えば、以下の群から選ばれるフェレドキシン[以下、一括して本発明蛋白質(B)と記すことがある。]をあげることができる。
<蛋白質群>
(B1)配列番号12で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(B1)と記すことがある。]。
(B2)配列番号13で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(B2)と記すことがある。]。
(B3)配列番号14で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(B3)と記すことがある。]。
(B4)配列番号111で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(B4)と記すことがある。]。
(B5)配列番号12、13、14または111で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B6)配列番号12、13、14または111で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B7)配列番号149で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(B7)と記すことがある。]。
(B8)配列番号150で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(B8)と記すことがある。]。
(B9)配列番号151で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(B9)と記すことがある。]。
(B10)配列番号152で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(B10)と記すことがある。]。
(B11)配列番号153で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質[以下、本発明蛋白質(B11)と記すことがある。]。
(B12)配列番号149、151、152、153、245、247、248、249、250、251もしくは253で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号150、252もしくは254で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B13)配列番号149、150、151、152、153、245、247、248、249、250、251、252、253もしくは254で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有するフェレドキシン。
(B14)配列番号245で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B15)配列番号247で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B16)配列番号248で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B17)配列番号249で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B18)配列番号250で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B19)配列番号251で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B20)配列番号252で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B21)配列番号253で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
(B22)配列番号254で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質。
【0049】
本蛋白質(B)をコードするDNA(以下、本DNA(B)と記すことがある。)は、例えば、本発明蛋白質(B)のアミノ酸配列である配列番号12、13、14、111、149、150、151、152、153、245、247、248、249、250、251、252、253もしくは254で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列に基づいて、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protocols in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Sons, Inc.等に記載される通常の遺伝子工学的方法に準じた方法により取得することができる。
【0050】
本発明蛋白質(B)をコードするDNA(以下、一括して本発明DNA(B)と記すことがある。)としては、
配列番号12で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(B1)と記すことがある。]、
配列番号13で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(B2)と記すことがある。]、
配列番号14で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(B3)と記すことがある。]、
配列番号111で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(B4)と記すことがある。]、
配列番号12、13、14または111で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するフェレドキシンをコードするDNA、
配列番号12、13、14または111で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有するフェレドキシンをコードするDNA、
配列番号149で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(B7)と記すことがある。]、
配列番号150で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(B8)と記すことがある。]、
配列番号151で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(B9)と記すことがある。]、
配列番号152で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明DNA(B10)と記すことがある。]、
配列番号153で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA[以下、本発明蛋白質(B11)と記すことがある。]、
配列番号149、151、152、153、245、247、248、249、250、251もしくは253で示されるアミノ酸配列のいずれかと80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列または配列番号150、252もしくは254で示されるアミノ酸配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するフェレドキシンをコードするDNA、
配列番号149、150、151、152、153、245、247、248、249、250、251、252、253もしくは254で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列にコードされるアミノ酸配列を有するフェレドキシンをコードするDNA、
配列番号245で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA、
配列番号247で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA、
配列番号248で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA、
配列番号249で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA、
配列番号250で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA、
配列番号251で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA、
配列番号252で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA、
配列番号253で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA、
配列番号254で示されるアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNA
をあげることができる。
本発明DNA(B)のより具体的な例としては、配列番号15、16、17、112、154、155、156、157、158、255、257、258、259、260、261、262、263または264で示される塩基配列のいずれかを有するDNAや、配列番号15、16、17、112、154、155、156、157、158、255、257、258、259、260、261、262、263もしくは264で示される塩基配列のいずれかと90%以上の配列同一性を有する塩基配列を有するDNA等をあげることができる。かかるDNAは、その塩基配列の部分塩基配列を有するDNAをプライマーとしたPCRや該DNAをプローブとしたハイブリダイゼーション等の方法を、上述の本DNA(A)の調製方法において記載した条件等に準拠して行うことにより調製することができる。
具体的には例えば、Streptomyces phaeochromogenes IFO12898から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号105で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号53で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号12で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA、配列番号15で示される塩基配列を有するDNAを得ることができる。
また、Saccharopolyspora taberi JCM 9383tから調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号106で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号63で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号13で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA、配列番号16で示される塩基配列を有するDNAを得ることができる。
また、Streptomyces testaceus ATCC21469から調製された染色体DNAまたは染色体DNAライブラリーを鋳型として、配列番号107で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号72で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行うことにより、配列番号14で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA、配列番号17で示される塩基配列を有するDNAを得ることができる。
また、例えば、Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensis等のストレプトミセス属に属する微生物、より具体的には、Streptomyces phaeochromogenes IFO12898、Streptomyces testaceus ATCC21469、Streptmyces achromogenes IFO 12735、Streptomyces thermocoerulescens IFO 14273t、Streptomyces nogalater IFO 13445、Streptomyces tsusimaensis IFO 13782、Streptomyces glomerochromogenes IFO 13673t、Streptomyces olivochromogenes IFO 124444、Streptomyces ornatus IFO 13069t、Streptomyces griseus ATCC 10137、Streptomyces griseus IFO 13849T、Streptomyces lanatus IFO 12787T、Streptomyces misawanensis IFO 13855T、Streptomyces pallidus IFO 13434T、Streptomyces roseorubens IFO 13682T、Streptomyces rutgersensis IFO 15875T、Streptomyces steffisburgensis IFO 13446Tなど、または、Saccharopolyspora taberi等のサッカロポリスポラ属に属する微生物 より具体的にはSaccharopolyspora taberi JCM 9383tなどから上述のようにして調製された染色体DNAライブラリーに、配列番号12、13、14、111、149、150、151、152または153で示されるアミノ酸配列のいずれかをコードする塩基配列を有する約20塩基以上の塩基からなるDNAをプローブとして、上述する条件にてハイブリダイズさせ、該プローブが特異的に結合するDNAを検出しこれを回収することによって本発明DNA(B)を取得することもできる。かかるプローブとして用いられるDNAの具体例としては、配列番号15、16、17、112、154、155、156、157、158、255、257、258、259、260、261、262、263または264で示される塩基配列のいずれかを有するDNA、かかる塩基配列の部分塩基配列を有するDNA、該部分塩基配列に相補的な塩基配列を有するDNA等があげられる。
【0051】
本DNA(B)を宿主細胞で発現させるには、例えば、宿主細胞で機能可能なプロモーターと本DNA(B)とが機能可能な形で接続されてなるDNAを、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press、「Current Protocols in Molecular Biology」(1987), John Wiley & Sons, Inc.等に記載される通常の遺伝子工学的方法に準じた方法により調製し、これを宿主細胞に導入する。得られた形質転換体が本DNA(B)を保有していることは、該形質転換体からDNAを調製した後、調製されたDNAについて、例えば「Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd edition」(1989), Cold Spring Harbor Laboratory Press等に記載される遺伝子工学的分析方法(制限酵素部位の確認、塩基配列の解析、サザンハイブリダイゼーション、PCR等)を行うことにより確認することができる。宿主細胞で機能可能なプロモーターと本DNA(B)とが機能可能な形で接続されてなるDNAを、本DNA(A)を有する細胞に導入することにより、本DNA(B)と本DNA(A)とを同一細胞内で発現させることもできる。
【0052】
本蛋白質(B)は、例えば本DNA(B)を有する細胞を培養することによって調製することができる。かかる細胞としては、本DNA(B)を発現し本蛋白質(B)を産生する能力を有する微生物であって、例えば本DNA(B)を有する自然界から分離された微生物株、該微生物株から薬剤や紫外線等の処理によって誘導された変異株等をあげることができる。例えば、Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces testaceus、Streptmyces achromogenes、Streptomyces griseolus、Streptomyces thermocoerulescens、Streptomyces nogalater、Streptomyces tsusimaensis、Streptomyces glomerochromogenes、Streptomyces olivochromogenes、Streptomyces ornatus、Streptomyces griseus、Streptomyces lanatus、Streptomyces misawanensis、Streptomyces pallidus、Streptomyces roseorubens、Streptomyces rutgersensis、Streptomyces steffisburgensis等のストレプトミセス属に属する微生物、より具体的には、Streptomyces phaeochromogenes IFO12898、Streptomyces testaceus ATCC21469、Streptmyces achromogenes IFO 12735、Streptomyces griseolus ATCC11796、Streptomyces thermocoerulescens IFO 14273t、Streptomyces nogalater IFO 13445、Streptomyces tsusimaensis IFO 13782、Streptomyces glomerochromogenes IFO 13673t、Streptomyces olivochromogenes IFO 124444、Streptomyces ornatus IFO 13069t、Streptomyces griseus ATCC 10137、Streptomyces griseus IFO 13849T、Streptomyces lanatus IFO 12787T、Streptomyces misawanensis IFO 13855T、Streptomyces pallidus IFO 13434T、Streptomyces roseorubens IFO 13682T、Streptomyces rutgersensis IFO 15875T、Streptomyces steffisburgensis IFO 13446Tなど、または、Saccharopolyspora taberi等のサッカロポリスポラ属に属する微生物、より具体的には、Saccharopolyspora taberi JCM 9383tなどがあげられる。また、本DNA(B)が宿主細胞に導入された形質転換体等をあげることもできる。具体的には例えば、tacプロモーター、trcプロモーター、lacプロモーターまたはT7ファージプロモーターと機能可能な形で接続された本DNA(B)が大腸菌に導入されてなる形質転換体をあげることができ、より具体的な例としては、後述の実施例に記載されるE.coli JM109/pKSN657FD、E.coli JM109/pKSN923FD、E.coli JM109/pKSN671FD等があげられる。
【0053】
本DNA(B)を有する微生物の培養は、微生物の培養に通常使用される方法に準じて、より具体的には、上述の本DNA(A)を有する微生物の培養方法において記載した条件等に準拠して行うことができる。
本DNA(B)を有する微生物によって産生される本蛋白質(B)は、例えば、本蛋白質(B)を産生する微生物の培養物、本蛋白質(B)を産生する微生物の菌体、かかる菌体の処理物、無細胞抽出液、粗精製蛋白質、精製蛋白質等の種々の形態で本蛋白質(A)の反応系に用いることができる。ここで菌体の処理物としては、例えば、凍結乾燥菌体、アセトン乾燥菌体、菌体摩砕物、菌体の自己消化物、菌体の超音波処理物、菌体のアルカリ処理物、菌体の有機溶媒処理物等をあげることができる。また、上記のような種々の形態の本蛋白質(B)を、例えば、合成高分子等へ吸着させる担体結合法や、高分子の網目構造の中に閉じ込める包括法などの公知の方法に準じて固定化して本蛋白質(A)の反応系に用いることもできる。
【0054】
本蛋白質(B)を、本DNA(B)を有する微生物の培養物から精製する方法としては、蛋白質の精製において通常使用される方法を適用することができ、例えば次のような方法をあげることができる。
まず、微生物の培養物から遠心分離等により菌体を集めた後、これを超音波処理等の物理的破砕方法、またはリゾチーム等の菌体溶菌酵素を用いる化学的破砕方法などによって破砕する。得られた破砕液から、遠心分離、メンブレンフィルターろ過等により不溶物を除去して無細胞抽出液を調製し、これを陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー等の分離精製方法を適宜用いて分画することによって本蛋白質(B)を精製することができる。得られた画分をSDS-PAGE等で分画することにより、本蛋白質(B)をさらに精製することもできる。
【0055】
本蛋白質(B)のフェレドキシンとしての機能は、本蛋白質(A)を化合物(I)に作用させる反応系におけるフェレドキシン-NADP+還元酵素から本蛋白質(A)への電子伝達体としての機能として確認することができる。具体的には例えば、本蛋白質(A)を化合物(II)に作用させる反応系に、NADPH、フェレドキシン-NADP+還元酵素、本蛋白質(A)とともに本蛋白質(B)を添加し、化合物(II)から化合物(III)への変換を検出することにより確認することができる。
【0056】
本発明の雑草防除方法においては、本蛋白質(A)を発現する植物の栽培域に化合物(I)を施用する。かかる植物は、1種類の本蛋白質(A)を発現していてもよいし、複数種の本蛋白質(A)を発現していてもよい。本蛋白質(A)としては、例えば、本発明蛋白質(A)をあげることができる。本蛋白質(A)を発現する植物は、例えば上述のようにして本DNA(A)を、該DNAが発現可能な位置に置かれるように植物細胞に導入し、得られた形質転換細胞から植物体を再生させることによって、本DNA(A)が導入された形質転換植物として得ることができる。植物細胞に導入される本DNA(A)には、その上流に、細胞内オルガネラへの移行シグナル配列をコードする塩基配列を有するDNAが、その読み枠を合わせて連結されていてもよい。
本DNA(A)が導入され本蛋白質(A)を発現する植物においては、その細胞中で、化合物(I)が雑草防除活性のより低い化合物へと代謝され、その結果として該化合物(I)による植物傷害が軽減されたり、該化合物(I)に対する耐性が付与されたりする。従って、本DNA(A)が導入され本蛋白質(A)を発現する植物の栽培域に化合物(I)が施用された場合も良好に生育することができる。そこで、本DNA(A)が導入され本蛋白質(A)を発現する植物を栽培してその栽培域に上記の雑草防除剤を施用することにより、該植物以外の雑草を効率よく取り除くことができ、該植物の収量の向上、高品質化、使用する除草剤の量の軽減、省力化などが可能となる。
【0057】
本蛋白質(A)を発現する細胞の上記一般式(I)で示される化合物または該化合物を含有する雑草防除剤に対する耐性度の評価は、本蛋白質(A)をコードする遺伝子を発現する細胞と前記化合物または前記雑草防除剤とを接触させ、該細胞の傷害の度合いを評価することによって実施できる。
具体的には、本蛋白質(A)を発現する微生物細胞の化合物(I)または該化合物を含有する雑草防除剤に対する耐性度を評価するには、例えば、特願平11-102534に記載されたPPO活性阻害能を評価するために利用できる組換え大腸菌、より具体的には、F.Yamamoto、H.Inokuti、H.Ozaki,、(1988年) Japanese Journal of Genetics、63巻、237-249頁等に記載されているPPO遺伝子が欠失し増殖能を失った大腸菌BT3株等に、例えば、米国特許5939602号公報等に記載の植物のPPO遺伝子が機能可能な形で導入されてなり、該遺伝子を発現する組換え大腸菌に、さらに本DNA(A)を導入することにより、上記の植物のPPOと本蛋白質(A)とを発現する組換え大腸菌を作製する。当該組換え大腸菌を、化合物(I)または該化合物を含有する雑草防除剤を0〜1.0ppm含む培養液中で37℃で18〜24時間振とう培養し、当該組換え大腸菌の増殖を600nmの吸光度で測定することによって該化合物または該雑草防除剤に対する耐性度を評価することができる。本蛋白質(A)としては、例えば、本発明蛋白質(A)をあげることができる。
【0058】
本蛋白質(A)を発現する植物の上記一般式(I)で示される化合物または該化合物を含有する雑草防除剤に対する耐性度を評価する方法としては、該植物に雑草防除剤を散布し、該植物の生育度を測定する方法をあげることができる。より定量的に確認する方法としては、例えば、まず、該植物の葉片を様々な濃度の化合物(I)を含む水溶液中に浸すか、または、該植物の葉片に化合物(I)の水溶液を噴霧して寒天培地上で明所室温で放置する。数日後、該葉片からMacknney, G., J. Bol. Chem.,140; p315(1941)に記載の方法に準じてクロロフィルを抽出してクロロフィル含量を測定する。具体的には、例えば、該植物の葉を採取し主葉脈に沿って左右均等に2分割し、一方の葉片に雑草防除剤を全面に塗布し他方の葉片は未処理とする。これらの葉片を、0.8%寒天を含むMS培地上に置き、明所、室温にて7日間放置する。次いで、各葉片を、それぞれ乳鉢と乳棒で5mlの80%アセトン水溶液中で磨砕してクロロフィルを抽出する。抽出液を80%アセトン水溶液で10倍に希釈した後、750nm、663nm、645nmにおける吸光度を測定し、Macknney G., J. Biol. Chem. (1941) 140, p315記載の方法によって総クロロフィル含量を算出する。化合物(I)に対する耐性度は、処理した葉片の総クロロフィル含量の、未処理の葉片の総クロロフィル含量に対する百分率で表し比較評価することができる。本蛋白質(A)としては、例えば、本発明蛋白質(A)をあげることができる。
【0059】
化合物(I)または該化合物を含有する雑草防除剤に対する耐性度を評価する上記の方法に基づいて、化合物(I)または該化合物を含有する雑草防除剤に対する耐性を示す植物や植物細胞を選抜することができる。例えば、該植物の栽培域に化合物(I)または該化合物を含有する雑草防除剤を散布し薬害が見られない植物を選抜するか、該植物細胞を化合物(I)の存在下で培養し継続的に生育する細胞を選抜する。具体的には、例えば、直径10cm、深さ10cmの円筒形プラスチックポットに土壌を詰め、該植物の種子を播種し、温室内で栽培する。化合物(I)を含有する雑草防除剤5部、ソルポール3005X(東邦化学)6部およびキシレン89部をよく混合して乳剤とし、その所定量を、0.1%(V/V)の展着剤を含む1ヘクタールあたり1000リットル相当の水で希釈し、上記のポットで栽培された植物体の上方からその茎葉部全面に均一に噴霧器で散布する。これらの植物体を16日間温室内で栽培した後、該植物の薬害を調査し、薬害が認められない植物もしくは薬害が軽減されている植物を選抜するとよい。さらに、このようにして選抜された植物を交配させることにより、後代植物を得ることもできる。
【0060】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0061】
実施例1、41および42における化合物の定量分析のためのHPLC、ならびに化合物の分画精製のためのHPLCは、以下の条件にて行った。
(HPLC分析条件1)
カラム:スミパックスODS211(住化分析センター製)
カラム温度:35℃
流速:1ml/分
検出波長:UV254nm
溶出液A:0.01%TFA水溶液
溶出液B:アセトニトリル
溶出条件:溶出液Aが90%、溶出液Bが10%の割合で混合された溶出液で平衡化されたカラムにサンプルを注入した後、溶出液Aが90%、溶出液Bが10%の割合で混合された溶出液を5分間流し、続いて20分間かけて溶出液Bの割合を10%から90%にまで上げながら溶出液Aと溶出液Bとの混合液を流し、さらに溶出液Aが10%、溶出液Bが90%の割合で混合された溶出液を8分間流した。
【0062】
実施例1 微生物による化合物(II)の代謝
(1)化合物(II)の代謝
表1および表2に示す種々の微生物を、ISP2寒天培地(麦芽エキス1.0%(w/v)、酵母エキス0.4%(w/v)、グルコース 0.4%(w/v)、寒天2.0%(w/v)、pH7.3)上に生育させ、それらの1白金耳をTGY培地(トリプトン0.5%(w/v)、酵母エキス0.5%(w/v)、グルコース 0.1%(w/v)、KH2PO4 0.01%(w/v)、pH7.0)に植菌し、30℃で2日間〜4日間振とう培養した。得られた培養液の0.1mlを、化合物(II)を100ppm含む3mlの胞子形成培地(肉エキス0.1%(w/v)、トリプトース0.2%(w/v)、グルコース1%(w/v)、pH7.1)に植菌して30℃で7日間〜8日間振とう培養した。得られた培養液に50μlの2N塩酸を添加し、これを3mlの酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル層をHPLCで分析した。化合物(II)(カラム保持時間23.9分)の濃度は減少し、一方保持時間21.6分と保持時間22.2分の化合物(以下、それぞれ代謝物(I)と代謝物(II)と記す。)の新たなピークが検出された。結果を表1および表2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
表2中の注釈
1) Streptomyces argenteolus var.toyonakensis ATCC21468
2) Streptomyces argenteolus var.toyon ATCC21468t
【0065】
(2)代謝物(I)と代謝物(II)の構造決定
Streptomyces griseus ATCC11429 のグリセロールストックを3mlの細菌用培地(ポリペプトン0.7%(w/v)、酵母エキス0.5%(w/v)、グルコース 1.0%(w/v)、K2HPO4 0.5%(w/v)、pH7.2)に植菌し、試験管を用い30℃で一晩振とう培養して前培養液を得た。この前培養液を、100ppmの化合物(II)を含む300mlの細菌用培地に植菌し、これを小型試験管100本に3mlずつ分注して30℃で6日間往復振とう培養した。こうして得られた250mlの培養液に塩酸を添加してpH2に調整した後、250mlの酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル層から溶媒を留去し、残渣を3mlのアセトンに溶解し、シリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットした。該TLCプレートを、トルエン−ぎ酸エチル−ぎ酸混合液(トルエン:ぎ酸:ぎ酸エチル=5:7:1)を展開溶媒として展開し、Rf値0.58付近のシリカゲルをかきとり、アセトンで抽出した。この抽出液からアセトンを留去し、残渣を10mlのアセトニトリルに溶解し、HPLCによって分画して代謝物(I)と代謝物(II)のみを含む画分を分取し、3.7mgの代謝物(以下、代謝物Aと記す。)を得た。
得られた代謝物Aの質量分析を行った。代謝物Aは化合物(II)に比べて質量が14小さかった。また、H‐NMR解析により、代謝物Aは上記式(III)で示される構造を持つ化合物であることが判った。
【0066】
(3)化合物(III)の雑草防除活性試験
直径10cm、深さ10cmの円筒形プラスチックポットに土壌を詰め、イヌビエ、ノスズメノテッポウおよびアメリカアサガオを播種し、温室内で10日間栽培した。供試化合物5部、ソルポール3005X(東邦化学)6部およびキシレン89部をよく混合して乳剤とし、その所定量を、0.1%(V/V)の展着剤(特製リノー(日本農薬株式会社製))を含む1ヘクタールあたり1000リットル相当の水で希釈し、上記のポットで栽培された植物体の上方からその茎葉部全面に均一に噴霧器で散布した。これらの植物体を16日間温室内で栽培した後、供試化合物の雑草防除効力を調査した。結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
直径10cm、深さ10cmの円筒形プラスチックポットに土壌を詰め、イヌビエ、ノスズメノテッポウおよびアメリカアサガオを播種した。供試化合物5部、ソルポール3005X(東邦化学)6部およびキシレン89部を混合して乳剤とし、その所定量を、1ヘクタール当たり1000リットル相当の水で希釈し、上記のポットの土壌表面全面に均一に噴霧器で散布した。これらのポットで19日間温室内にて上記の植物を栽培した後、雑草防除効力を調査した。結果を表4に示す。
【0068】
【表4】
尚、上記の表3および表4において、雑草防除効力は、試験に用いた植物体の調査時の出芽または生育の状態が、供試化合物無処理のそれと比較してまったく違いが無いかもしくはほとんど違いが無い場合を「0」とし、植物体が完全枯死したかまたは出芽もしくは生育が完全に抑制された場合を「10」として、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の11段階で示す。
【0069】
実施例2 本発明蛋白質(A1)の調製
(1)菌体粗抽出液の調製
Streptomyces phaeochromogenes IFO12898株のグリセロールストックを、100mlのA培地(グルコース0.1%(w/v)、トリプトン0.5%(w/v)、酵母エキス0.5%(w/v)、リン酸水素二カリウム0.1%(w/v)、pH7.0)を入れた500ml容三角フラスコに添加し、30℃で一日間旋回培養して、前培養液を得た。この前培養液8mlを200mlのA培地に植菌し、500ml容羽付フラスコ内で30℃で2日間、旋回培養した。このようにして得られた培養液から遠心分離(3,000×g、5分間)によって湿菌体を回収した。この湿菌体を100ppmの化合物(II)を含む100mlのB培地(グルコース1%(w/v)、牛肉エキス0.1%、トリプトース0.2%(w/v))に懸濁して、500ml容坂口フラスコ内で30℃で16時間往復振とう培養した。このようにして得られた培養液10Lから遠心分離(3,000×g、5分間)によって湿菌体を回収した。得られた湿菌体を1Lの0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)にて2回洗浄し、162gの湿菌体を得た。
この湿菌体を、菌体湿重量1gあたり2mlの0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に懸濁し、この懸濁液に、1mM PMSF、5mM ベンザミジン塩酸、1mM EDTAおよび1mM ジチオトレイトールを添加した。これをフレンチプレス(大岳製作所製)で2回繰り返し破砕(1000kg/cm2)して菌体破砕液を得た。この菌体破砕液を遠心分離(40,000×g、30分間)した後、上清を回収してこれを150,000×gで1時間遠心分離し、上清(以下、菌体粗抽出液と記す。)を分取した。
【0070】
(2)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2.4mMのβ-NADPH(以下、A成分と記す。オリエンタル酵母社製)、0.5mg/ml ホウレンソウ由来のフェレドキシン(以下、B成分と記す。SIGMA社製)、1U/mlフェレドキシン還元酵素(以下、C成分と記す。SIGMA社製)および実施例2(1)で回収された菌体粗抽出液18μlを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で1時間保温した。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分およびC成分のうちの1以上の画分を添加しない反応液を調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収した。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させそのうち5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットした。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光した。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。結果を表5に示す。
【0071】
【表5】
【0072】
(3)菌体粗抽出液の分画
実施例2(1)で得られた菌体粗抽出液に45%飽和となるように硫酸アンモニウムを添加して氷上で攪拌した後、12,000×g、10分間遠心分離して上清を回収した。得られた上清に55%飽和となるように硫酸アンモニウムを添加して氷上で攪拌した後、12,000×g、10分間遠心分離し、沈殿を回収して27.5mlの20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)に溶解した。この溶解液をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)で溶出させ、蛋白質を含む画分(以下、硫安沈殿45-55%画分と記す。)38.5mlを分取した。
【0073】
(4)本発明蛋白質(A1)の単離
実施例2(3)で調製された硫安沈殿45-55%画分を、HiLoad26/10 Q Sepharose HPカラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に注入した。次いで、前記カラムに106mlの20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流した後、塩化ナトリウム直線濃度勾配を付して20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流し(塩化ナトリウム濃度勾配0.001415M/分、塩化ナトリウム濃度範囲 0Mから 0.375M、流速3ml/分)、塩化ナトリウム濃度0.21M〜0.22Mにて溶出された画分25mlを分取した。さらにこの分取した画分をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)で溶出させ、蛋白質を含む画分を回収した。
回収された画分をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、Aバッファー(1.5mMの塩化カルシウムを含む2mMリン酸カリウムバッファー、pH7.0)で溶出させ蛋白質を含む画分を回収した。次いで、該画分をBio-Scale Ceramic Hydroxyapatite, TypeIcolum CHT10-I(バイオラッド社製)に注入し、該カラムに30mlのAバッファーを流した。次いで、前記カラムにBバッファー(0.03mMの塩化カルシウムを含む100mMリン酸カリウムバッファー、pH7.0)の直線濃度勾配を付してAバッファーを流し(Aバッファー100%から開始し、100分間かけてBバッファー濃度を50%にまで増加させる直線濃度勾配、流速2ml/分)、Bバッファー濃度17%〜20%にて溶出された画分を分取した。さらにこの分取した画分をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、0.05Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)で溶出させ蛋白質を含む画分を回収した。
回収された画分を限外ろ過フィルター(マイクロコンYM-30、ミリポア社製)を用いて20倍濃縮し、HiLoad16/60 Superdex 75 pgカラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に注入した。前記カラムに、0.15Mの塩化ナトリウムを含む50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)を流し(流速1ml/min)、溶出液を2mlずつ分画し、溶出体積56ml〜66mlに溶出した画分をそれぞれ分取した。各画分に含まれる蛋白質をSDS-10%〜20%PAGEで分析した。
分取された各画分を実施例2(2)に記載の反応液における菌体粗抽出液の代わりに添加し、A成分、B成分、C成分および14Cで標識された化合物(II)の存在下に、実施例2(2)と同様に保温した。保温後の反応液をTLC分析し、14Cで標識された 化合物(III)に相当するスポットの強度を調べた。上記SDS-PAGEにおいて約47kDaの位置に泳動された蛋白質は、連続した画分における蛋白質バンドの濃さの変動と、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポットの強度の変動がパラレルに観察された。該蛋白質をSDS-PAGEのゲルから回収し、プロテインシークエンサー(Applied Biosystems社製Procise 494HT型、Pulsed liqid法で分析)によるアミノ末端アミノ酸配列解析に供した。その結果、配列番号18で示されるアミノ酸配列が読み取られた。また、前記蛋白質をトリプシンにより消化した後、得られた消化物を質量分析した(ThermoQuest社製イオントラップ質量分析計LCQ、カラム:LC Packings社製PepMAP C18 75μm×150mm、移動相A:0.1%HOAc-H2O、移動相B:0.1%HOAc-メタノール、グラジエント:移動相A95%、移動相B5%の割合で混合された溶出液から開始し、30分間かけて移動相B濃度を100%にまで増加させる直線濃度勾配、流速:0.2μl/分)。その結果、配列番号19で示されるアミノ酸配列が読み取られた。
【0074】
実施例3 本発明DNA(A1)の取得
(1)Streptomyces phaeochromogenes IFO12898の染色体DNAの調製
Streptomyces phaeochromogenes IFO12898を50mlのYEME培地(酵母エキス 0.3%(w/v)、バクトペプトン 0.5%(w/v)、麦芽エキス 0.3%(w/v)、グルコース1.0%(w/v)、ショ糖34%(w/v)、2.5M MgCl2・6H2O 0.2%(v/v))で1日間〜3日間、30℃で振とう培養した後、集菌した。得られた菌体を、グリシン1.4%(w/v)、60mM EDTAを含む上記YEME培地に懸濁し、さらに1日間振とう培養した。得られた培養液から菌体を集めて、蒸留水で1回洗浄した後に、菌体200mg湿重当り1mlのバッファー(100mM Tris-HCl(pH8.0), 100mM EDTA, 10mM NaCl)に再懸濁し、200μg/ml卵白リゾチームを添加し30℃で1時間振とうした。さらに、0.5%SDS、1mg/ml Proteinase Kを加えて55℃で3時間インキュベートした。この菌体懸濁液を、フェノール・クロロホルム・イソアミルアルコールで2回抽出してそれぞれ水層を回収し、次いでクロロホルム・イソアミルアルコールで1回抽出して水層を回収し、該水層からエタノール沈殿によって染色体DNAを得た。
【0075】
(2)Streptomyces phaeochromogenes IFO12898の染色体DNAライブラリーの調製
実施例3(1)で調製された染色体DNA943ngを1Uの制限酵素Sau3AIで37℃で60分間消化した。得られた消化液を、0.7%アガロースゲル電気泳動で分画して、約2.0kbpのDNAをゲルから回収した。Prep-A-GeneR DNA purification Kit(BIO‐RAD社製)を用いて当該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製し、目的とするDNAを含む溶液10μlを得た。得られたDNA溶液のうち1μlと、制限酵素BamHIで消化され脱リン酸化処理されたプラスミドベクターpUC118 98ngとライゲーションキットVer.2(宝酒造社製)のI液11μlとを混合し、16℃、終夜保温した。このライゲーション液5μlを用いて大腸菌DH5αを形質転換し、該大腸菌を30℃で一晩振とう培養した。得られた培養液から大腸菌を集菌してプラスミドを抽出し、染色体DNAライブラリーとした。
【0076】
(3)本発明DNA(A1)の単離
実施例3(1)で調製された染色体DNAを鋳型としてPCRを行った(図1)。プライマーとしては、配列番号35で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号36で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせ(以下、プライマー対1と記す。)を用いた。ここで、配列番号35で示される塩基配列は配列番号18で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列に基づいて設計した。また、配列番号36で示される塩基配列は配列番号19で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列と相補的な塩基配列に基づいて設計した。PCR反応液には、2種類のプライマーをそれぞれ200nMとなるよう添加し、上記染色体DNAを250ng、dNTPミックス(それぞれ10mMの4種類のdNTPの混合物)(クロンテック社製)を0.5μl、5xGCゲノミックPCR反応バッファー(クロンテック社製)を5μl、25mM Mg(OAc)2を1.1μl、5M GC-Melt(クロンテック社製)を5μlおよびAdvantage-GCゲノミックポリメラーゼミックス(クロンテック社製)を0.5μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を25μlにした。PCRの反応条件は95℃で1分間保温した後、94℃で15秒間次いで60℃で30秒間次いで72℃で1分間の保温を1サイクルとしてこれを30サイクル繰り返し、さらに72℃で5分間保温した。保温後の反応液を4%のアガロースゲル電気泳動に供し、約150bpのDNAを含むゲル部分を回収した。回収されたゲルからQIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用い、付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたDNAを、TAクローニングベクターpCR2.1(INVITROGEN社製)に、該ベクターに付属の取扱説明書に従いライゲーションして、大腸菌TOP10F'(INVITROGEN社製)に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを鋳型とし、-21M13プライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)とM13Revプライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)をプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。その結果、配列番号9で示される塩基配列の塩基番号36〜132に示される塩基配列が読み取られた。該塩基配列には配列番号18で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号12〜23で示されるアミノ酸配列がコードされていた。従って、このDNAは、本発明蛋白質(A1)の一部をコードするDNAであると推定された。
【0077】
次に、実施例3(2)で調製された染色体DNAライブラリーを鋳型として、上記と同様の条件でAdvantage-GCゲノミックポリメラーゼミックス(クロンテック社製)によるPCRを行った。プライマーとしては配列番号37で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号38で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせ(以下、プライマー対2と記す。)、または、配列番号39で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号40で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせ(以下、プライマー対3と記す。)を用いた。
次いで、プライマー対2を用いて得られた反応液を鋳型溶液とし、配列番号41で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号38で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドの組合わせ(以下、プライマー対4と記す)をプライマーとして用いPCRを行うことにより、配列番号9で示される塩基配列の塩基番号132で示される塩基より3’側下流に伸長する塩基配列を有するDNAを増幅した。同様に、プライマー対3を用いて得られた反応液を鋳型溶液とし、配列番号42で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号40で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合わせ(以下、プライマー対5と記す)をプライマーとして用いPCRを行うことにより、配列番号9で示される塩基配列の塩基番号36で示される塩基の5’側上流に伸長する塩基配列を有するDNAを増幅した。プライマー対4を用いて増幅された約2kbpのDNA、および、プライマー対5を用いて増幅された約150bpのDNAは、上記と同様にしてTAクローニングベクターpCR2.1にクローニングした。得られた大腸菌形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを鋳型とし、-21M13プライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)とM13Revプライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)および配列番号43〜50で示されるオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。プライマー対4を用いて増幅された約2kbpのDNAの塩基配列を解析した結果から、配列番号9で示される塩基配列の塩基番号133〜1439で示される塩基配列が読み取られた。また、プライマー対5を用いて増幅された約150bpのDNAの塩基配列を解析した結果から、配列番号9で示される塩基配列の塩基番号1〜35で示される塩基配列が読み取られた。得られた塩基配列を連結した結果、配列番号9で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1227塩基(終止コドンを含む)からなり408アミノ酸残基をコードする塩基配列(配列番号6)と、201塩基(終止コドンを含む)からなり66アミノ酸残基をコードする塩基配列(配列番号15)とが含まれた。配列番号6で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号1)からなる蛋白質の分子量は45213Daと計算された。また、該塩基配列にコードされるアミノ酸配列には、本発明蛋白質(A1)のN末端アミノ酸配列解析から決定されたアミノ酸配列(配列番号18)とトリプシン消化断片の質量分析によるアミノ酸配列解析から決定されたアミノ酸配列(配列番号19)とが含まれていた。配列番号15で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号12)からなる蛋白質の分子量は6818Daと計算された。
【0078】
実施例4 本発明蛋白質(A1)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A1)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例3(1)でStreptomyces phaeochromogenes IFO12898から調製された染色体DNAを鋳型とし、Expand High Fidelity PCR System(ロッシュモレキュラーバイオケミカルズ社製)を使用してPCRを行った。プライマーとしては、配列番号51で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号52で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合わせ(以下、プライマー対19と記す。)、または、配列番号51で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号53で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合わせ(以下、プライマー対20と記す。)を用いた。PCR反応液には、2種類のプライマーをそれぞれ300nMとなるよう添加し、染色体DNAを50ng、dNTPミックス(それぞれ2.0mMの4種類のdNTPの混合物)を5.0μl、10×Expand HFバッファー(MgCl2含有)を5.0μl、およびExpand HiFi酵素ミックスを0.75μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlとした。保温条件は、97℃で2分間保温した後、97℃で15秒間次いで65℃で30秒間さらに72℃で2分間の保温を1サイクルとしてこれを10サイクル繰り返し、続いて、97℃で15秒間次いで68℃で30秒間さらに72℃で2分間(72℃での保温は1サイクル毎に20秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15サイクル行い、さらに、72℃で7分間保温した。保温後の反応液をそれぞれ1%アガロースゲル電気泳動に供し、プライマー対19を用いた反応液を供したゲルからは約1.2kbpのDNAを含むゲルを切り出し、プライマー対20を用いた反応液を供したゲルからは約1.5kbpのDNAを含むゲルを切り出した。回収されたそれぞれのゲルから、QIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたDNAとpCR2.1-TOPOベクター(Invitrogen社製)とを、該ベクター添付の取扱説明書に従ってライゲーションし、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。次いで、該DNAを鋳型とし、-21M13プライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)、M13Revプライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)、配列番号43で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドおよび46で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。得られた反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号6で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR657とし、配列番号9で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR657Fとした。
一方、プラスミドpKSN24R2(Akiyoshi-ShibaTa M. et al., Eur. J. Biochem. 224: P335(1994)に記載)を制限酵素HindIIIおよびXmnIで消化した。得られた約3kbのDNAに、配列番号134で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号135で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをアニールさせて得られるリンカー(図47)を挿入し、得られたプラスミドをpKSN2(図4)とした。
次に、上記のプラスミドpCR657とpCR657Fをそれぞれ制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物をアガロースゲル電気泳動に供した。pCR657の消化物を供したゲルからは約1.2kbpのDNAを含むゲルを切り出し、pCR657Fの消化物を供したゲルからは約1.5kbpのDNAを含むゲルを切り出した。得られたゲルからそれぞれ、QIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたそれぞれのDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とを、ライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、該キット付属の取扱説明書に従いライゲーションし、大腸菌JM109に導入した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドDNAを調製し、その構造を解析した。配列番号6で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A1)をコードする上記の約1.2kbpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN657とした。また、配列番号9で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A1)をコードする上記の約1.5kbpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN657Fとした。これらプラスミドpKSN657およびpKSN657Fをそれぞれ大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をそれぞれJM109/pKSN657およびJM109/pKSN657Fとした。また、プラスミドpKSN2を大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN2とした。
【0079】
(2)本発明蛋白質(A1)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
大腸菌JM109/pKSN657、JM109/pKSN657F、およびJM109/pKSN2をそれぞれ、50μg/mlのアンピシリンを含む10mlのTB培地(トリプトン1.2%(w/v)、酵母エキス2.4%(w/v)、グリセロール0.4%(v/v)、リン酸二水素カリウム17mM、リン酸水素二カリウム72mM)で37℃で一晩培養した。得られた培養液のうち1mlを、50μg/mlのアンピシリンを含む100mlのTB培地に植菌して26℃で培養し、OD660が約0.5になったところで、最終濃度500μMになるよう5-アミノレブリン酸を添加し培養を継続した。その30分後に最終濃度1mMになるようにIPTGを添加しさらに17時間培養した。
各培養液から菌体を回収し、それぞれ0.1M Tris-HClバッファー(pH7.5)で洗浄した後、1mM PMSFを含む前記バッファー10mlに懸濁した。得られた菌体懸濁液を超音波破砕機(SONIFIER(Branson Sonic Power 社登録商標))を用いてout put 3、duty cycle 30%の条件で3分間ずつ6回超音波処理して菌体破砕液を得た。得られた破砕液を、遠心分離(1,200×g、5分間)した後、上清を回収してこれを遠心分離(150,000×g、70分間)し、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN657から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN657、JM109/pKSN657Fから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN657F、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を回収した。該上清画分のうち1μlをSDS-15%〜25%PAGEで分析し、クマージ−ブリリアントブルー(以下、CBBと記す。)染色した。その結果、大腸菌抽出液pKSN657、大腸菌抽出液pKSN657Fのいずれにおいても、分子量約47kDaに相当する泳動位置に、大腸菌抽出液pKSN2よりも顕著に濃いバンドが検出された。このバンドは、大腸菌抽出液pKSN657Fにおいて大腸菌抽出液pKSN657よりも、濃く検出された。大腸菌JM109/pKSN657Fのほうが、JM109/pKSN657よりも本発明蛋白質(A1)を多く発現していることが示された。
【0080】
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、2mg/mlのホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、0.1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例4(2)で回収された上清画分18μlを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で1時間保温した。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分およびC成分のうちの1以上の画分を添加しない反応液を調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収した。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させその内5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットした。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光した。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。結果を表6に示す。
【0081】
【表6】
【0082】
実施例5 本発明蛋白質(A2)の調製
(1)菌体粗抽出液の調製
Saccharopolyspora taberi JCM 9383tのグリセロールストックを、10mlのA培地(グルコース0.1%(w/v)、トリプトン0.5%(w/v)、酵母エキス0.5%(w/v)、りん酸水素二カリウム0.1%(w/v)、pH7.0)を入れた10ml容試験管に添加し、30℃で一晩往復振とう培養して、前培養液を得た。この前培養液8mlを200mlのA培地に植菌し、500ml容羽付フラスコ内で30℃で2日間、旋回培養した。このようにして得られた培養液から遠心分離(3,000×g、10分間)によって湿菌体を回収した。この湿菌体を100ppmの化合物(II)を含む100mlのB培地(グルコース1%(w/v)、牛肉エキス0.1%、トリプトース0.2%(w/v))に懸濁して、500ml容坂口フラスコ内で30℃で20時間往復振とう培養した。このようにして得られた培養液10Lから遠心分離(3,000×g、10分間)によって湿菌体を回収した。得られた湿菌体を1Lの0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)にて2回洗浄し、119gの湿菌体を得た。
この湿菌体を、菌体湿重量1gあたり2mlの0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に懸濁し、この懸濁液に、1mM PMSF、5mM ベンザミジン塩酸、1mM EDTA、3μg/ml ロイペプチン、3μg/ml、ペプスタチンAおよび1mM ジチオトレイトールを添加した。これをフレンチプレス(大岳製作所製)で2回繰り返し破砕(1000kg/cm2)して菌体破砕液を得た。この菌体破砕液を遠心分離(40,000×g、30分間)した後、上清を回収してこれを150,000×gで1時間遠心分離し、上清(以下、菌体粗抽出液と記す。)を分取した。
【0083】
(2)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2.4mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、0.5mg/ml ホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例5(1)で回収された菌体粗抽出液18μlを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で1時間保温した。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分およびC成分のうちの1以上の画分を添加しない反応液を調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収した。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させその内5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットした。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光した。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。結果を表7に示す。
【0084】
【表7】
【0085】
(3)菌体粗抽出液の分画
実施例5(1)で得られた菌体粗抽出液に45%飽和となるように硫酸アンモニウムを添加して氷上で攪拌した後、12,000×g、30分間遠心分離して上清を回収した。得られた上清に55%飽和となるように硫酸アンモニウムを添加して氷上で攪拌した後、12,000×g、10分間遠心分離し、沈殿を回収して20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)に溶解して32.5mlとした。この溶解液をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)で溶出させ、蛋白質を含む画分(以下、硫安沈殿45-55%画分と記す。)45.5mlを分取した。
【0086】
(4)本発明蛋白質(A2)の単離
実施例5(3)で調製された硫安沈殿45-55%画分を、HiLoad26/10 Q Sepharose HPカラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に注入した。次いで、前記カラムに100mlの20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流した後、塩化ナトリウム直線濃度勾配を付して20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流し(塩化ナトリウム濃度勾配0.004M/分、塩化ナトリウム濃度範囲 0Mから0.5M、流速8ml/分)、塩化ナトリウム濃度0.25Mから0.26Mにて溶出された画分30mlを分取した。さらにこの分取した画分をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)で溶出させ蛋白質を含む画分を回収した。
回収した画分をPD10カラムに供し、Aバッファー(1.5mMの塩化カルシウムを含む2mMリン酸カリウムバッファー;pH7.0)で溶出させ、回収された蛋白質を含む画分を回収した。次いで、該画分をBio-Scale Ceramic Hydroxyapatite, TypeIcolum CHT10-I(バイオラッド社製)に注入し、該カラムに20mlのAバッファーを流した。次いで、前記カラムにBバッファー(0.03mMの塩化カルシウムを含む100mMリン酸カリウムバッファー、pH7.0)の直線濃度勾配を付してAバッファーを流し(Aバッファー100%から開始し、100分間かけてBバッファー濃度を50%にまで増加させる直線濃度勾配、流速2ml/分)、Bバッファー濃度23%〜25%にて溶出された画分10mlを分取した。さらにこの分取された画分をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、0.05Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)で溶出させ蛋白質を含む画分を回収した。
回収した画分を限外ろ過(マイクロコンフィルターユニットマイクロコン-30、ミリポア社製)にて約770μlにまで濃縮し、このうち700μlをHiLoad 16/60 Superdex 75 pg カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に注入した。前記カラムに、0.15Mの塩化ナトリウムを含む0.05Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)を流し(流速1ml/分)、溶出液を2mlずつ分画し、溶出体積61ml前後に溶出した数画分をそれぞれ分取した。各画分に含まれる蛋白質をSDS-10%〜20%PAGEで分析した。
分取した各画分を実施例5(2)に記載の反応液における菌体粗抽出液の代わりに添加し、A成分、B成分、C成分および14Cで標識された化合物(II)の存在下に、実施例5(2)と同様に保温した。保温後の反応液をTLC分析し、14Cで標識された 化合物(III)に相当するスポットの強度を調べた。上記SDS-PAGEにおいて約47kDaの位置に泳動された蛋白質は、連続した画分における蛋白質バンドの濃さの変動と、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポットの強度の変動がパラレルに観察された。該蛋白質をSDS-PAGEのゲルから回収し、プロテインシークエンサー(Applied Biosystems社製Procise 494HT型、Pulsed liqid法で分析)によるN末端アミノ酸配列解析に供した。その結果、配列番号20で示されるアミノ酸配列が読み取られた。また、前記蛋白質をトリプシンにより消化した後、得られた消化物を質量分析した(ThermoQuest社製イオントラップ質量分析計LCQ、カラム:LC Packings社製PepMAP C18 75μm×150mm、移動相A:0.1%HOAc-H2O、移動相B:0.1%HOAc-メタノール、グラジエント:移動相A95%、移動相B5%の割合で混合された溶出液から開始し、30分間かけて移動相Bを100%にまで増加させるリニアグラジエント、流速:0.2μl/分)。その結果、配列番号21で示されるアミノ酸配列が読み取られた。
【0087】
実施例6 本発明DNA(A2)の取得
(1)Saccharopolyspora taberi JCM 9383tの染色体DNAの調製
Saccharopolyspora taberi JCM 9383tを50mlのYEME培地(酵母エキス 0.3%(w/v)、バクトペプトン 0.5%(w/v)、麦芽エキス 0.3%(w/v)、グルコース1.0%(w/v)、ショ糖34%(w/v)、2.5M MgCl2・6H2O 0.2%(v/v))で1日間〜3日間、30℃で振とう培養した後、集菌した。得られた菌体を、グリシン1.4%(w/v)、60mM EDTAを含む上記YEME培地に懸濁し、さらに1日間振とう培養した。得られた培養液から菌体を集めて、蒸留水で1回洗浄した後に、菌体200mg湿重当り1mlのバッファー(100mM Tris-HCl(pH8.0), 100mM EDTA, 10mM NaCl)に再懸濁し、200μg/ml卵白リゾチームを添加し30℃で1時間振とうした。さらに、0.5%SDS、1mg/ml Proteinase Kを加えて55℃で3時間インキュベートした。この菌体懸濁液を、フェノール・クロロホルム・イソアミルアルコールで2回抽出してそれぞれ水層を回収し、次いでクロロホルム・イソアミルアルコールで1回抽出して水層を回収し、該水層からエタノール沈殿によって染色体DNAを得た。
【0088】
(2)Saccharopolyspora taberi JCM 9383tの染色体DNAライブラリーの調製
実施例6(1)で調製された染色体DNA19μgを、0.78Uの制限酵素Sau3AIで37℃で60分間消化した。得られた消化液を、1%アガロースゲル電気泳動で分画して、約2.0kbpのDNAをゲルから回収した。QIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン社製)を用いて当該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製し、さらにエタノール沈殿によって濃縮して、目的とするDNAを含む溶液10μlを得た。得られたDNA溶液のうち8μlと、制限酵素BamHIで消化され脱リン酸化処理されたプラスミドベクターpUC118 100ngとライゲーションキットVer.2(宝酒造社製)のI液12μlとを混合し、16℃で3時間保温した。このライゲーション液を用いて大腸菌DH5αを形質転換し、50mg/Lのアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布し、37℃で一晩培養した。得られたコロニーを寒天培地上から回収してプラスミドを抽出し、染色体DNAライブラリーとした。
【0089】
(3)本発明DNA(A2)の単離
実施例6(1)で調製された染色体DNAを鋳型としてエキスパンドハイファイPCRシステム(ベーリンガーマンハイム社製)を用いてPCRを行った(図2)。プライマーとしては、配列番号54で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号55で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせ(以下、プライマー対6と記す。)を用いた。ここで配列番号54で示される塩基配列は、配列番号20で示されるN末端アミノ酸配列をコードする塩基配列に基づき設計された。また、配列番号55で示される塩基配列は、配列番号21で示される内部アミノ酸配列をコードする塩基配列と相補的な塩基配列に基づいて設計された。PCR反応液は、上記染色体DNAを300ng、2種類のプライマーをそれぞれ7.5pmol、dNTPミックス(それぞれ2mMの4種類のdNTPの混合物)を0.2μl、10×バッファー(MgCl2含有)を2.5μl、およびExpand HiFi酵素ミックスを0.19μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を25μlにした。保温条件は、97℃で2分間保温した後、97℃で15秒間次いで65℃で30秒間さらに72℃で1分間の保温を1サイクルとしてこれを10サイクル繰り返し、続いて、97℃で15秒間次いで65℃で30秒間さらに72℃で1分間(72℃での保温は1サイクル毎に20秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15サイクル行い、さらに、72℃で7分間保温した。保温後の反応液を2%のアガロースゲル電気泳動に供し、約800bpのDNAを含むゲル部分を回収した。回収されたゲルから、QIA quick Gel Extraction Kit(キアゲン社製)を用い、付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたDNAを、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)に、該ベクターに付属の取扱説明書に従いライゲーションして、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAGEN Tip20(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製し、-21M13プライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)とM13Revプライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)をプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。その結果、配列番号10で示される塩基配列の塩基番号36〜819で示される塩基配列が読み取られた。読み取られた塩基配列のうち、配列番号10に示される塩基配列の塩基番号37〜60には、配列番号20で示されるアミノ酸配列の一部がコードされていた。従って、このDNAは本発明蛋白質(A2)の一部をコードするDNAであると推定された。
【0090】
次に、実施例6(2)で調製された染色体DNAライブラリーを鋳型として、上記と同様の条件でエキスパンドハイファイPCRシステム(ベーリンガーマンハイム社製)によるPCRを行った。配列番号56で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号57で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせ(以下、プライマー対7と記す)をプライマーとしてPCRを行うことにより、配列番号10で示される塩基配列の塩基番号36で示される塩基より5’側上流に伸長する塩基配列を有するDNAを増幅した。また、配列番号58で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号59で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせ(以下、プライマー対8と記す)をプライマーとしてPCRを行うことにより、配列番号10で示される塩基配列の塩基番号819で示される塩基よりも3’側下流に伸長する塩基配列を有するDNAを増幅した。プライマー対7を用いて増幅された約1.3kbpのDNA、およびプライマー対8を用いて増幅された約0.4kbのDNAをそれぞれ、上記と同様にしてpCRII-TOPOクローニングベクターにクローニングした。得られた大腸菌形質転換体からQIAGEN Tip20(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製し、-21M13プライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)とM13Revプライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)および配列番号60で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。プライマー対7を用いて増幅された約1.3kbのDNAの塩基配列を解析した結果から、配列番号10で示される塩基配列の塩基番号1〜35で示される塩基配列が読み取られた。また、プライマー対8を用いて増幅された約0.4kbのDNAの塩基配列を解析した結果から、配列番号10で示される塩基配列の塩基番号819〜1415で示される塩基配列が読み取られた。読み取られた全ての塩基配列を連結した結果、配列番号10で示される塩基配列が得られた。該配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1206塩基(終止コドンを含む)からなり401アミノ酸残基をコードする塩基配列(配列番号7)と、198塩基(終止コドンを含む)からなり65アミノ酸残基をコードする塩基配列(配列番号16)とが含まれた。配列番号7で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号2)からなる蛋白質の分子量は43983Daと計算された。また、該塩基配列にコードされるアミノ酸配列には、本発明蛋白質(A2)のN末端アミノ酸配列解析から決定されたアミノ酸配列(配列番号20)とトリプシン消化断片の質量分析によるアミノ酸配列解析から決定されたアミノ酸配列(配列番号21)とが含まれていた。配列番号16で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号13)からなる蛋白質の分子量は6707Daと計算された。
【0091】
実施例7 本発明蛋白質(A2)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A2)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例6(1)でSaccharopolyspora taberi JCM 9383tから調製された染色体DNAを鋳型とし、エキスパンドハイファイPCRシステム(ベーリンガーマンハイム社製)を使用してPCRを行った。プライマーとしては、配列番号61で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号62で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合わせ(以下、プライマー対21と記す。)、または、配列番号61で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号63で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合わせ(以下、プライマー対22と記す。)を用いた。PCR反応液には、2種類のプライマーをそれぞれ300nMとなるよう添加し、染色体DNAを50ng、dNTPミックス(それぞれ2.0mMの4種類のdNTPの混合物)を5.0μl、10×Expand HFバッファー(MgCl2含有)を5.0μl、およびExpand HiFi酵素ミックスを0.75μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlとした。保温条件は、97℃で2分間保温した後、97℃で15秒間次いで60℃で30秒間さらに72℃で1分間の保温を1サイクルとしてこれを10サイクル繰り返し、続いて、97℃で15秒間次いで60℃で30秒間さらに72℃で1分間(72℃での保温は1サイクル毎に20秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15サイクル行い、さらに、72℃で7分間保温した。保温後の反応液をそれぞれ1%アガロースゲル電気泳動に供し、プライマー対21を用いた反応液を供したゲルからは約1.2kbpのDNAを含むゲルを切り出し、プライマー対22を用いた反応液を供したゲルからは約1.4kbpのDNAを含むゲルを切り出した。回収されたゲルからそれぞれQIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたDNAとpCRII-TOPOクローニングベクター(Invitrogen社製)とを、該ベクター添付の取扱説明書に従ってライゲーションし、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAGEN Tip20 (QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。次いで、該DNAを鋳型とし-21M13プライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)、M13Revプライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)、配列番号56で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドおよび配列番号64で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。得られた反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号7で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR923とし、配列番号10で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR923Fとした。
次に、上記プラスミドpCR923とpCR923Fをそれぞれ制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物をアガロースゲル電気泳動に供した。pCR923の消化物を供したゲルからは約1.2kbpのDNAを含むゲルを切り出し、pCR923Fの消化物を供したゲルからは約1.4kbpのDNAを含むゲルを切り出した。得られたゲルからそれぞれQIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたそれぞれのDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とを、ライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、該キット付属の取扱説明書に従いライゲーションし、大腸菌JM109に導入した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドDNAを調製し、その構造を解析した。配列番号7で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A2)をコードする上記の約1.2kbpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN923とした。また、配列番号10で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A2)をコードする上記の約1.4kbpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN923Fとした。これらプラスミドpKSN923およびpKSN923Fをそれぞれ大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をそれぞれJM109/pKSN923およびJM109/pKSN923Fとした。また、プラスミドpKSN2を大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN2とした。
【0092】
(2)本発明蛋白質(A2)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
大腸菌JM109/pKSN923、JM109/pKSN923F、およびJM109/pKSN2を、それぞれ50μg/mlのアンピシリンを含む10mlのTB培地(トリプトン1.2%(w/v)、酵母エキス2.4%(w/v)、グリセロール0.4%(v/v)、リン酸二水素カリウム17mM、リン酸水素二カリウム72mM)で37℃で一晩培養し、得られた培養液のうち1mlを、50μg/mlのアンピシリンを含む100mlのTB培地に植菌して26℃で培養し、OD660が約0.5になったところで、最終濃度500μMになるよう5-アミノレブリン酸 を添加し培養を継続した。その30分後に最終濃度1mMになるようにIPTGを添加しさらに17時間培養した。
各培養液から菌体を回収し、それぞれ0.1M Tris-HClバッファー(pH7.5)で洗浄後、1mM PMSFを含む該バッファー10mlに懸濁した。得られた菌体懸濁液を超音波破砕機(SONIFIER(Branson Sonic Power 社登録商標))を用いてout put 3、duty cycle 30%の条件で3分間ずつ6回超音波処理して菌体破砕液を得た。得られた破砕液を、遠心分離(1,200×g、5分間)した後、上清を回収してこれを遠心分離(150,000×g、70分間)した後、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN923から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN923、JM109/pKSN923Fから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN923F、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を回収した。該上清画分のうち1μlをSDS-15%〜25%PAGEで分析し、CBB染色した。その結果、大腸菌抽出液pKSN923およびpKSN923Fにおいて分子量約47kDaに相当する泳動位置に、大腸菌抽出液pKSN2よりも顕著に濃いバンドが検出された。大腸菌JM109/pKSN923および大腸菌JM109/pKSN923Fは本発明蛋白質(A2)を発現していることが確認された。
【0093】
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、2mg/mlのホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、0.1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例7(2)で回収された上清画分18μlを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分およびC成分のうちの1以上の画分を添加しない反応液を調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収した。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させその内5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットした。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光した。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。結果を表8に示す。
【0094】
【表8】
【0095】
実施例8 本蛋白質(A10)の調製
(1)菌体粗抽出液の調製
Streptomyces griseolus ATCC 11796 のグリセロールストックを、250mlのB培地(グルコース1%(w/v)、牛肉エキス0.1%、トリプトース0.2%(w/v))を入れた500ml容羽付きフラスコに添加し、30℃で3日間旋回培養して、前培養液を得た。この前培養液40mlを400mlのB培地に植菌し、1L容三角フラスコ内で30℃で24時間、旋回培養した。培養停止後静置し、上清のみ220mlを除去して残りの約220mlの培養液に、同様に調製した培養液約220mlを加え、合計約440mlとした。これに100ppmとなるように化合物(II)を添加し、1L容三角フラスコ内で30℃で40時間旋回培養した。このようにして得られた培養液約2.6Lから遠心分離(3,000×g、5分間)によって湿菌体を回収した。得られた湿菌体を1Lの0.1M PIPES-NaOHバッファー(pH6.8)にて洗浄し、26gの湿菌体を得た。
この湿菌体を、菌体湿重量1gあたり3mlの0.1M PIPES-NaOHバッファー(pH6.8)に懸濁し、この懸濁液に、1mM PMSF、5mM ベンザミジン塩酸、1mM EDTA、3μg/ml ロイペプチン、3μg/ml、ペプスタチンAおよび1mM ジチオトレイトールを添加した。これをフレンチプレス(大岳製作所製)で2回繰り返し破砕(1000kg/cm2)して菌体破砕液を得た。この菌体破砕液を遠心分離(40,000×g、30分間)した後、上清を回収してこれを150,000×gで1時間遠心分離し、上清(以下、菌体粗抽出液と記す。)を分取した。
【0096】
(2)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2.4mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、0.5mg/ml ホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例8(1)で回収された菌体粗抽出液18μlを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で1時間保温した。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分およびC成分のうちの1以上の画分を添加しない反応液を調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収した。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させその内5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットした。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光した。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。結果を表9に示す。
【0097】
【表9】
【0098】
(3)菌体粗抽出液の分画
実施例8(1)で得られた菌体粗抽出液に45%飽和となるように硫酸アンモニウムを添加して氷上で攪拌した後、12,000×g、30分間遠心分離して上清を回収した。得られた上清に55%飽和となるように硫酸アンモニウムを添加して氷上で攪拌した後、12,000×g、10分間遠心分離し、沈殿を回収して20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)に溶解して10mlとした。この溶解液をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)で溶出させ、蛋白質を含む画分(以下、硫安沈殿45-55%画分と記す。)14mlを分取した。
【0099】
(4)本蛋白質(A10)の単離
実施例8(3)で調製された硫安沈殿45-55%画分を、MonoQ HR 10/10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に注入した。次いで、前記カラムに16mlの20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)でカラムを流した後、塩化ナトリウム直線濃度勾配を付して20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流し(塩化ナトリウム濃度勾配0.00625M/分、塩化ナトリウム濃度範囲 0Mから0.5M、流速4ml/分)、塩化ナトリウム濃度0.28M〜0.31Mにて溶出された画分15mlを分取した。さらにこの分取した画分をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)で溶出させ蛋白質を含む画分を回収した。
回収された画分をPD10カラムに供し、Aバッファー(1.5mMの塩化カルシウムを含む2mMリン酸カリウムバッファー、pH7.0)で溶出させ蛋白質を含む画分を回収した。次いで、該画分をBio-Scale Ceramic Hydroxyapatite, TypeIcolum CHT10-I(バイオラッド社製)に注入し、該カラムに50mlのAバッファーを流した。次いで、前記カラムにBバッファー(0.03mMの塩化カルシウムを含む100mMリン酸カリウムバッファー、pH7.0)の直線濃度勾配を付してAバッファーを流し(Aバッファー100%から開始し、40分間かけてBバッファー濃度を50%にまで増加させる直線濃度勾配、流速5ml/分)、Bバッファー濃度16%〜31%にて溶出された溶液を5mlずつ分画した。さらにこの分取された画分をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、0.05Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)で溶出させ蛋白質を含む画分を回収した。各画分に含まれる蛋白質をSDS-10%〜20%PAGEで分析した。
分取した各画分を実施例8(2)に記載の反応液における菌体粗抽出液の代わりに添加し、A成分、B成分、C成分および14Cで標識された化合物(II)の存在下に、実施例8(2)と同様に保温した。保温後の反応液をTLC分析し、14Cで標識された 化合物(III)に相当するスポットの強度を調べた。上記SDS-PAGEにおいて約45kDaの位置に泳動された蛋白質は、連続した画分における蛋白質バンドの濃さの変動と、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポットの強度の変動がパラレルに観察された。該蛋白質をSDS-PAGEのゲルから回収し、トリプシンにより消化した後、得られた消化断片を質量分析した(ThermoQuest社製イオントラップ質量分析計LCQ、カラム:LC Packings社製PepMAP C18 75μm×150mm、移動相A:0.1%HOAc-H2O、移動相B:0.1%HOAc-メタノール、グラジエント:移動相A95%、移動相B5%の割合で混合された溶出液から開始し、30分間かけて移動相Bを100%にまで増加させるリニアグラジエント、流速:0.2μl/分間)。その結果、配列番号22〜34のいずれかでそれぞれ示されるアミノ酸配列が読み取られた。
【0100】
実施例9 Streptomyces griseolus ATCC11796の染色体DNAの調製
Streptomyces griseolus ATCC11796 を 50mlのYEME培地[酵母エキス 0.3%(w/v)、バクトペプトン 0.5%(w/v)、麦芽エキス 0.3%(w/v)、グルコース1.0%(w/v)、ショ糖34%(w/v)、2.5M MgCl2・6H2O 0.2%(v/v)]で1日間〜3日間、30℃で振とう培養した後、集菌した。得られた菌体を、グリシン1.4%(w/v)、60mM EDTAを含む上記YEME培地に懸濁し、さらに1日間振とう培養した。得られた培養液から菌体を集めて、蒸留水で1回洗浄した後に、菌体200mg当り1mlのバッファー[100mM Tris-HCl(pH8.0), 100mM EDTA, 10mM NaCl]に再懸濁し、200μg/ml卵白リゾチームを添加し30℃で1時間振とうした。さらに、0.5%SDS、1mg/ml Proteinase Kを加えて55℃で3時間インキュベートした。この菌体懸濁液を、フェノール・クロロホルム・イソアミルアルコールで2回抽出してそれぞれ水層を回収し、次いでクロロホルム・イソアミルアルコールで1回抽出して水層を回収し、該水層からエタノール沈殿によって染色体DNAを得た。
【0101】
実施例10 本DNA(A10)をコードするDNAの取得と大腸菌での発現
(1)本DNAを有する形質転換大腸菌の作製
実施例9でStreptomyces griseolus ATCC11796 から調製された染色体DNAを鋳型とし、Expand High Fidelity PCR System(ロッシュモレキュラーバイオケミカルズ社製)を使用してPCRを行った。プライマーとしては、配列番号79で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号80で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合わせ(以下、プライマー対23と記す。)、または、配列番号79で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号81で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合わせ(以下、プライマー対24と記す。)を用いた。PCR反応液には、2種類のプライマーをそれぞれ300nMとなるよう添加し、染色体DNAを50ng、dNTPミックス(それぞれ2.0mMの4種類のdNTPの混合物)を5.0μl、10×Expand HFバッファー(MgCl2含有)を5.0μl、およびExpand HiFi酵素ミックスを0.75μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlとした。保温条件は、97℃で2分間保温した後、97℃で15秒間次いで65℃で30秒間さらに72℃で2分間の保温を1サイクルとしてこれを10サイクル繰り返し、続いて、97℃で15秒間次いで68℃で30秒間さらに72℃で2分間(72℃での保温は1サイクル毎に20秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15サイクル行い、さらに、72℃で7分間保温した。保温後の反応液をそれぞれ1%アガロースゲル電気泳動に供しプライマー対23を用いた反応液を供したゲルからは約1.2kbpのDNAを含むゲルを切り出し、プライマー対24を用いた反応液を供したゲルからは約1.5kbpのDNAを含むゲルを切り出した。回収されたそれぞれのゲルから、QIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたDNAとpCR2.1-TOPOベクター(Invitrogen社製)とを、該ベクター添付の取扱説明書に従ってライゲーションし、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。次いで、該DNAを鋳型とし、-21M13プライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)、M13Revプライマー(アプライドバイオシステムズジャパン社製)、配列番号82で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドおよび配列番号83で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。得られた反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号84で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR11796とし、配列番号85で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR11796Fとした。配列番号85で示される塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1221塩基(終止コドンを含む)からなり406アミノ酸残基(配列番号5で示されるアミノ酸配列)をコードする塩基配列(配列番号84)と、210塩基(終止コドンを含む)からなり69アミノ酸残基をコードする塩基配列とが含まれた。
次に、上記のpCR11796とpCR11796Fをそれぞれ制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物をアガロースゲル電気泳動に供した。pCR11796の消化物を供したゲルからは約1.2kbpのDNAを含むゲルを切り出し、pCR11796Fの消化物を供したゲルからは約1.5kbpのDNAを含むゲルを切り出した。得られたゲルからそれぞれ、QIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたそれぞれのDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とを、ライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、該キット付属の取扱説明書に従いライゲーションし、大腸菌JM109に導入した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドDNAを調製し、その構造を解析した。配列番号84で示される塩基配列を含有し本蛋白質(A10)をコードする上記の約1.2kbpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN11796とした。また、配列番号85で示される塩基配列を含有し本蛋白質(A10)をコードする上記の約1.5kbpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN11796Fとした。これらプラスミドpKSN11796およびpKSN11796Fをそれぞれ大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をそれぞれJM109/pKSN11796およびJM109/pKSN11796Fとした。また、プラスミドpKSN2を大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN2とした。
【0102】
(2)本蛋白質(A10)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
大腸菌JM109/pKSN11796、JM109/pKSN11796F、およびJM109/pKSN2をそれぞれ50μg/mlのアンピシリンを含む10mlのTB培地(トリプトン1.2%(w/v)、酵母エキス2.4%(w/v)、グリセロール0.4%(v/v)、リン酸二水素カリウム17mM、リン酸水素二カリウム72mM)で37℃で一晩培養した。得られた培養液のうち1mlを、50μg/mlのアンピシリンを含む100mlのTB培地に植菌して26℃で培養し、OD660が約0.5になったところで、最終濃度500μMになるよう5-アミノレブリン酸 を添加し培養を継続した。その30分後に最終濃度1mMになるようにIPTGを添加しさらに17時間培養した。
各培養液から菌体を回収し、それぞれ0.1M Tris-HClバッファー(pH7.5)で洗浄後、1mM PMSFを含む該バッファー10mlに懸濁した。得られた菌体懸濁液を超音波破砕機(SONIFIER(Branson Sonic Power 社登録商標))を用いてout put 3、duty cycle 30%の条件で3分間ずつ6回超音波処理して菌体破砕液を得た。得られた破砕液を、遠心分離(1,200×g、5分間)した後、上清を回収してこれを遠心分離(150,000×g、70分間)した後、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN11796から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN11796、JM109/pKSN11796Fから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN11796F、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を回収した。該上清画分のうち1μlをSDS-15%〜25%PAGEで分析し、CBB染色した。その結果、大腸菌抽出液pKSN11796、大腸菌抽出液pKSN11796Fのいずれにおいても、分子量約45kDaに相当する泳動位置に、大腸菌抽出液pKSN2よりも顕著に濃いバンドが検出された。このバンドは、大腸菌抽出液pKSN11796Fにおいて大腸菌抽出液pKSN11796よりも、濃く検出された。大腸菌JM109/pKSN11796Fのほうが、JM109/pKSN11796よりも本蛋白質(A10)を多く発現していることが示された。
【0103】
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、2mg/mlのホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、0.1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例10(2)で回収された上清画分18μlを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で1時間保温した。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分およびC成分のうちの1以上の画分を添加しない反応液を調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収した。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させその内5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットした。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光した。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(II)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。結果を表10に示す。
【0104】
【表10】
【0105】
実施例11 本発明DNA(A3)の取得
(1)Streptomyces testaceus ATCC21469の染色体DNAの調製
Streptomyces testaceus ATCC21469を50mlのYEME培地(酵母エキス 0.3%(w/v)、バクトペプトン 0.5%(w/v)、麦芽エキス 0.3%(w/v)、グルコース1.0%(w/v)、ショ糖34%(w/v)、2.5M MgCl2・6H2O 0.2%(v/v))で1日間、30℃で振とう培養した後、集菌した。得られた菌体を、グリシン1.4%(w/v)、60mM EDTAを含む上記YEME培地に懸濁し、さらに1日間振とう培養した。得られた培養液から菌体を集めて、蒸留水で1回洗浄した後に、菌体200mg当り1mlのバッファー(100mM Tris-HCl(pH8.0), 100mM EDTA, 10mM NaCl)に再懸濁し、200μg/ml卵白リゾチームを添加し30℃で1時間振とうした。さらに、0.5%SDS、1mg/ml Proteinase Kを加えて55℃で3時間インキュベートした。この菌体懸濁液を、フェノール・クロロホルム・イソアミルアルコールで2回抽出してそれぞれ水層を回収し、次いでクロロホルム・イソアミルアルコールで1回抽出して水層を回収し、該水層からエタノール沈殿によって染色体DNAを得た。
【0106】
(2)本発明DNA(A3)の単離
実施例11(1)で調製された染色体DNAを鋳型としてPCRを行った。プライマーとしては、配列番号65で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号66で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせ(以下、プライマー対9と記す。)を用いた。PCR反応液は、2種類のプライマーをそれぞれ200nMとなるよう添加し、染色体DNAを250ng、dNTPミックス(それぞれ2.5mMの4種類のdNTPの混合物)を4μl、10xExTaqバッファーを5μl、ExTaqポリメラーゼ(宝酒造製)を0.5μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlにした。保温条件は97℃で2分間保温し、97℃で15秒間次いで60℃で30秒間次いで72℃で90秒のサイクルを30サイクル繰り返し、さらに72℃で4分間保温した。保温後の反応液を0.8%のアガロースゲル電気泳動に供し、約1.4kbpのDNAを含むゲル部分を回収した。回収されたゲルからQIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用い、付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたDNAを、TAクローニングベクターpCR2.1(INVITROGEN社製)に、該ベクターに付属の取扱説明書に従いライゲーションして、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを鋳型とし、配列番号67で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号68で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。その結果、配列番号69で示される塩基配列が読み取られた。この塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1188塩基(終止コドンを含む)からなり395アミノ酸残基をコードする塩基配列と、195塩基(終止コドンを含む)からなり64アミノ酸残基をコードする塩基配列(配列番号17)とが含まれた。配列番号17で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列からなる蛋白質の分子量は6666Daと計算された。
【0107】
実施例12 本発明蛋白質(A3)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A3)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例11(1)で調製された染色体DNAを鋳型として、上記と同様の条件でExTaqポリメラーゼ(宝酒造製)によるPCRを行った。プライマーとしては配列番号70で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号71で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせ(以下、プライマー対10と記す。)、または、配列番号70で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号72で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせ(以下、プライマー対11と記す。)を用いた。プライマー対10を用いて増幅された約1.2kbのDNAおよびプライマー対11を用いて増幅された約1.5kbのDNAは、上記方法にてTAクローニングベクターpCR2.1にクローニングした。得られた大腸菌形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを鋳型とし、配列番号67で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号68で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドおよび配列番号73で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。その結果、プライマー対10を用いて増幅されたDNAをクローニングしたプラスミドは配列番号8で示される塩基配列を有することが確認され、プライマー対11を用いて増幅されたDNAをクローニングしたプラスミドは配列番号11で示される塩基配列を有することが確認された。配列番号11で示される塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1188塩基(終止コドンを含む)からなり395アミノ酸残基をコードする塩基配列(配列番号8)と、195塩基(終止コドンを含む)からなり64アミノ酸残基をコードする塩基配列とが含まれた。配列番号8で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列からなる蛋白質の分子量は43752Daと計算された。得られたプラスミドのうち、配列番号8で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR671とし、配列番号11で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR671Fとした。
次に、上記のpCR671およびpCR671Fをそれぞれ制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物をアガロースゲル電気泳動に供した。pCR671の消化物を供したゲルからは約1.2kbpのDNAを含むゲルを切り出し、pCR671Fの消化物を供したゲルからは約1.5kbpのDNAを含むゲルを切り出した。得られたゲルからそれぞれ、QIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたそれぞれのDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とを、ライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、該キット付属の取扱説明書に従いライゲーションし、大腸菌JM109に導入した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドDNAを調製し、その構造を解析した。配列番号8で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A3)をコードする上記の約1200bpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN671とした。また、配列番号11に示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A3)をコードする上記の約1400bpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN657Fとした。これらプラスミドpKSN671とpKSN671Fをそれぞれ大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をそれぞれJM109/pKSN671およびJM109/pKSN671Fとした。また、プラスミドpKSN2を大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN2とした。
【0108】
(2)本発明蛋白質(A3)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
大腸菌JM109/pKSN671、JM109/pKSN671F、およびJM109/pKSN2をそれぞれ、50μg/mlのアンピシリンを含む10mlのTB培地(トリプトン1.2%(w/v)、酵母エキス2.4%(w/v)、グリセロール0.4%(v/v)、リン酸二水素カリウム17mM、リン酸水素二カリウム72mM)で37℃で一晩培養した。得られた培養液のうち1mlを、50μg/mlのアンピシリンを含む100mlのTB培地に植菌して26℃で培養し、OD660が約0.5になったところで、最終濃度500μMになるよう5-アミノレブリン酸 を添加し培養を継続した。その30分後に最終濃度1mMになるようにIPTGを添加しさらに17時間培養した。
各培養液から菌体を回収し、それぞれ0.1M Tris-HClバッファー(pH7.5)で洗浄後、1mM PMSFを含む該バッファー10mlに懸濁した。得られた菌体懸濁液を超音波破砕機(SONIFIER(Branson Sonic Power 社登録商標))を用いてout put 3、duty cycle 30%の条件で3分間×6回超音波処理して菌体破砕液を得た。得られた破砕液を、遠心分離(1,200×g、5分間)した後、上清を回収してこれを遠心分離(150,000×g、70分間)し、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN671から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN671、JM109/pKSN671Fから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN671F、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を回収した。
【0109】
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、2mg/mlのホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、0.1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例12(2)で回収した上清画分18μlを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で1時間保温した。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分およびC成分のうちの1以上の画分を添加しない反応液を調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収した。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させその内5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットした。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光した。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。結果を表11に示す。
【0110】
【表11】
【0111】
実施例13 本DNA(A9)の取得
(1)Streptomyces carbophilus SANK62585の染色体DNAの調製
Streptomyces carbophilus SANK62585(微工研条寄第1145号:BP-1145)を50mlのYEME培地(酵母エキス 0.3%(w/v)、バクトペプトン 0.5%(w/v)、麦芽エキス 0.3%(w/v)、グルコース1.0%(w/v)、ショ糖34%(w/v)、2.5M MgCl2・6H2O 0.2%(v/v))で1日間、30℃で振とう培養した後、集菌した。得られた菌体を、グリシン1.4%(w/v)、60mM EDTAを含む上記YEME培地に懸濁し、さらに1日間振とう培養した。得られた培養液から菌体を集めて、蒸留水で1回洗浄した後に、菌体200mg当り1mlのバッファー(100mM Tris-HCl(pH8.0), 100mM EDTA, 10mM NaCl)に再懸濁し、200μg/ml卵白リゾチームを添加し30℃で1時間振とうした。さらに、0.5%SDS、1mg/ml Proteinase Kを加えて55℃で3時間インキュベートした。この菌体懸濁液を、フェノール・クロロホルム・イソアミルアルコールで2回抽出してそれぞれ水層を回収し、次いでクロロホルム・イソアミルアルコールで1回抽出して水層を回収し、該水層からエタノール沈殿によって染色体DNAを得た。
【0112】
(2)本DNA(A9)の単離
実施例13(1)で調製された染色体DNAを鋳型としてPCRを行った。プライマーとしては、配列番号74で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号75で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせ(以下、プライマー対12と記す。)、または、配列番号76で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号77で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせ(以下、プライマー対13と記す。)を用いた。PCR反応液には、2種類のプライマーをそれぞれ200nMとなるよう添加し、染色体DNAを250ng、dNTPミックス(それぞれ2.5mMの4種類のdNTPの混合物)を4μl、10xExTaqバッファーを5μlおよびExTaqポリメラーゼ(宝酒造製)を0.5μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlにした。保温条件は97℃で2分間保温し、97℃で15秒間次いで60℃で30秒間次いで72℃で90秒のサイクルを30サイクル繰り返し、さらに72℃で4分間保温した。保温後の反応液をそれぞれ0.8%のアガロースゲル電気泳動に供し、プライマー対12を用いたPCRの反応液を分離したゲルからは約500bpのDNAを含むゲル部分を回収し、プライマー対13を用いたPCRの反応液を分離したゲルからは約800bpのDNAを含むゲル部分を回収した。回収された各ゲルからQIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用い、付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたそれぞれのDNAを、TAクローニングベクターpCR2.1(INVITROGEN社製)に、該ベクターに付属の取扱説明書に従いライゲーションして、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを鋳型とし、配列番号67で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号68で示される塩基配列からオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。その結果、プライマー対12を用いたPCRにより得られたDNAからは、配列番号78で示される塩基配列の塩基番号1〜498で示される塩基配列が、プライマー対13を用いたPCRにより得られたDNAからは、配列番号78で示される塩基配列の塩基番号469〜1233で示される塩基配列が読み取られた。配列番号78で示される塩基配列の塩基番号1〜498で示される塩基配列を有するプラスミドをpCRSCA1、配列番号78で示される塩基配列の塩基番号469〜1233で示される塩基配列を有するプラスミドをpCRSCA2とした。
【0113】
実施例14 本蛋白質(A9)の大腸菌での発現
(1)本DNA(A9)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例13(2)で得られたプラスミドのうち、上記のプラスミドpCRSCA1を制限酵素NdeIとNcoIで消化し、また、pCRSCA2を制限酵素NcoIとHindIIIで消化した。それぞれの消化物をアガロースゲル電気泳動に供した。pCRSCA2の消化物を供したゲルからは約500bpのDNAを含むゲルを切り出し、pCRSCA2の消化物を供したゲルからは約800bpのDNAを含むゲルを切り出した。回収されたゲルから、QIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたDNA2種と、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とを、ライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、該キット付属の取扱説明書に従いライゲーションし、大腸菌JM109に導入した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドDNAを調製し、その構造を解析した。配列番号78に示される塩基配列を含有し本蛋白質(A9)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSNSCAとした。
【0114】
(2)本蛋白質(A9)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
大腸菌JM109/pKSNSCAを50μg/mlのアンピシリンを含む10mlのTB培地(トリプトン1.2%(w/v)、酵母エキス2.4%(w/v)、グリセロール0.4%(v/v)、リン酸二水素カリウム17mM、リン酸水素二カリウム72mM)で37℃で一晩培養した。得られた培養液を、OD660が約0.2となるように50μg/mlのアンピシリンを含む100mlのTB培地に植菌して26℃で培養した。OD660が約2.0になったところで、最終濃度500μMになるように5-アミノレブリン酸 を添加し培養を継続した。その30分後に最終濃度200μMになるようにIPTGを添加しさらに5時間培養した。
各培養液から菌体を回収し、0.1M Tris-HClバッファー(pH7.5)で洗浄した後、1mM PMSFを含む該バッファー10mlに懸濁した。この菌体懸濁液を超音波破砕機(SONIFIER(Branson Sonic Power 社登録商標))を用いてout put 3、duty cycle 30%の条件で3分間ずつ6回超音波処理して菌体破砕液を得た。得られた破砕液を、遠心分離(1,200×g、5分間)した後、上清を回収してこれを遠心分離(150,000×g、70分間)し、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSNSCAから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSNSCAと記す。)を回収した。
【0115】
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、2mg/mlのホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、0.1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例14(2)で回収された上清画分18μlを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分およびC成分のうちの1以上の画分を添加しない反応液を調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収した。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させその内5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットした。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光した。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。結果を表12に示す。
【0116】
【表12】
【0117】
実施例15 ダイズRuBPC遺伝子の単離
ダイズ(cv. Jack)を播種した後、27℃で30日間栽培し、緑葉を採取した。採取した緑葉0.2g〜0.3gを液体窒素で凍結させ、これを乳鉢と乳棒で磨砕し、該磨砕物から、RNA抽出試薬ISOGEN(ニッポンジーン社製)を用いて付属のマニュアルに従って全RNAを抽出した。さらに、Superscript First-strand Synthesis System for RT-PCR(invitrogen社製)を用いて付属のマニュアルに従って操作を行ないcDNAを合成した。具体的にはプライマーとして前記キットに含まれるOligo(dT)12-18 Primerを用い、ダイズ全RNAを鋳型として使用し、前記キットに含まれる逆転写酵素を添加して1st strand cDNAを合成した。続いて、得られたcDNAを鋳型にして、配列番号86で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号87で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーに使ってPCRを行い、ダイズ(cv. Jack)のribulose-1,5-bisphosphate carboxylase(以下、RuBPCと記す。)小サブユニットの葉緑体トランジットペプチド(以下、rStと記すことがある。)とこれに続く成熟タンパク質の12アミノ酸とをコードする塩基配列を含むDNA(以下、本rSt12DNAと記す。)を増幅した。PCRはLA Taq polymerase(宝酒造社製)を用いて、94℃にて3分間の保温を1回行った後、98℃にて25秒間次いで68℃にて1分間の保温を1サイクルとしてこれを30回実施し、最後に72℃にて10分間の保温を1回行った。増幅されたDNAをプラスミドpCR2.1(invitrogen社製)のPCR産物クローニング部位に挿入することにより、プラスミドpCRrSt12(図5)を得た。次いで、該プラスミドを大腸菌JM109株のコンピテントセル(宝酒造社製)に導入し、アンピシリン耐性株を選抜した。さらに、選抜されたアンピシリン耐性株に含まれるプラスミドの塩基配列をDye Terminator Cycle Sequencing FS Ready Reaction kit(PEアプライドバイオシステムズ社製)およびDNAシークエンサー373S(PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて決定した。その結果、配列番号88で示される塩基配列が明らかとなり、プラスミドpCRrSt12は本rSt12DNAを含むことが確認された。
【0118】
実施例16 本発明DNA(A1)を有する直接導入用葉緑体発現プラスミドの構築(1)本発明DNA(A1)の単離
実施例3(1)で得られた放線菌Streptomyces phaeochromogenes IFO12898のゲノムDNAを鋳型にして、配列番号93で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号94で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーに使ってPCRを行い、配列番号6で示される塩基配列を含有するDNAを増幅した。また、配列番号93で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号95で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーに使ってPCRを行い、配列番号9で示される塩基配列を含有するDNAを増幅した。PCRはExpand High Fidelity PCR System(ベーリンガー社製)を用いて、97℃にて2分間の保温を1回行った後、97℃にて15秒間次いで60℃にて30秒間次いで72℃にて1分間の保温を1サイクルとしてこれを10回実施し、97℃にて15秒間次いで60℃にて30秒間次いで72℃にて1分間(72℃での保温は1サイクル毎に20秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15回実施し、最後に72℃にて7分間の保温を1回行った。増幅されたDNAをプラスミドpCR2.1(Invitrogen社製)のPCR産物クローニング部位に挿入することにより、プラスミドpCR657ET(図6)およびpCR657FET(図7)を得た。また、PCRに用いるプライマーを配列番号96で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号94で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドにすることの他は前記した方法と同様の操作でプラスミドpCR657Bs(図8)を得た。さらに、PCRに用いるプライマーを配列番号97で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号96で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドにすることの他は前記した方法と同様の操作でプラスミドpCR657FBs(図9)を得た。次いで、該プラスミドを大腸菌DH5α株のコンピテントセル(宝酒造社製)に導入し、アンピシリン耐性株を選抜した。さらに、選抜されたアンピシリン耐性株に含まれるプラスミドの塩基配列をBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit v2.0(PEアプライドバイオシステムズ社製)およびDNAシークエンサー3100(PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて決定した。その結果、プラスミドpCR657ETおよびpCR657Bsは配列番号6で示される塩基配列を有することが確認された。プラスミドpCR657FETおよびpCR657FBsは配列番号9で示される塩基配列を有することが確認された。
【0119】
(2)本発明DNA(A1)を有する直接導入用葉緑体発現プラスミドの構築(1)本発明DNA(A1)をパーティクルガン法で植物へ導入するためのプラスミドとして、ダイズ(cv.Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドをコードする塩基配列(以下、葉緑体トランジットペプチドコード配列と記すことがある。)の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)が連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドを構築した。
まず、上記のpCRrSt12を制限酵素HindIIIとKpnIで消化し、本rSt12DNAを含むDNAを単離した。一方、ベクタープラスミドpUC19(宝酒造社製)を制限酵素HindIIIとKpnIとで消化することにより約40bpのDNAを除去して約2640bpのDNAを得た。次に仔牛小腸由来のAlkaline phosphatase(宝酒造社製)で該DNAの5'末端を脱りん酸化し、ここにpCRrSt12から得た本rSt12DNAを含む上記のDNAを挿入し、pUCrSt12(図10)を得た。次に、プラスミドpCR657ETおよびpCR657FETをそれぞれ制限酵素EcoT22IとSacIとで消化して本発明DNA(A1)を含むDNAを単離した。得られたDNAをそれぞれ、pUCrSt12のEcoT22I切断部位とSacI切断部位との間に挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)が連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドpUCrSt657(図11)およびpUCrSt657F(図12)を得た。
pBICR16G6PT(特開2000−166577号公報に記載)を制限酵素EcoRIで消化して約3kbのDNAを単離した(以下、該DNAに含まれる上記公報記載のプロモーターをCR16G6プロモーターと記す。また、該DNAに含まれる上記公報記載のターミネーターをCR16ターミネーターと記す。)。ベクタープラスミドpUC19(宝酒造社製)を制限酵素EcoRIで消化した後、仔牛小腸由来のAlkaline phosphatase(宝酒造社製)で該DNAの5'末端を脱りん酸化し、ここに前記したpBICR16G6PT由来の約3kbのDNAを挿入して、プラスミドpUCCR16G6-p/t(図13)を得た。pUCCR16G6-p/tを制限酵素HindIIIとScaIで消化し、CR16G6プロモーターを含むDNAを単離した。一方、ベクタープラスミドpUC19(宝酒造社製)を制限酵素HindIIIとEcoRIとで消化することにより51bpのDNAを除去して残る2635bpからなるDNAを得た。次に仔牛小腸由来のAlkaline phosphatase(宝酒造社製)で該DNAの5'末端を脱りん酸化し、ここにpUCCR16G6-p/tから得たCR16G6プロモーターを含む上記のDNAと、配列番号89で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号90で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをアニールさせることで得られるリンカーNotI-EcoRI(図14)とを挿入し、pUCCR16G6-p/tΔ(図15)を得た。pUCCR16G6-p/tΔを制限酵素NdeIとEcoRIで消化し、CR16tターミネーターの部分塩基配列を有するDNAを単離した。一方、ベクタープラスミドpUC19(宝酒造社製)を制限酵素HindIIIとEcoRIとで消化して2635bpのDNAを取得した。該DNAの5'末端を仔牛小腸由来のAlkaline phosphatase(宝酒造社製)で脱りん酸化し、ここに、pUCCR16G6-p/tΔから得たCR16tターミネーターの部分塩基配列を有する上記のDNAと、配列番号91で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号92で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをアニールさせることで得られるリンカーHindIII-NotI(図16)とを挿入し、pNdG6-ΔT(図17)を得た。
次に、前記プラスミドpUCrSt657およびpUCrSt657Fをそれぞれ制限酵素BamHIとSacIとで消化することにより、ダイズ(cv.Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)が連結されてなるキメラDNAを含むDNAを単離した。該DNAを、プラスミドpNdG6-ΔTの制限酵素BglII切断部位とSacI切断部位との間に挿入することにより、それぞれプラスミドpSUM-NdG6-rSt-657(図18)およびプラスミドpSUM-NdG6-rSt-657F(図19)を得た。
【0120】
(3)本発明DNA(A1)を有する直接導入用葉緑体発現プラスミドの構築(2)本発明DNA(A1)をパーティクルガン法で植物に導入するためのプラスミドとして、ダイズ(cv.Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)が連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドを構築した。まず、ベクタープラスミドpKF19(宝酒造社製)を制限酵素BspHIで消化した後、KOD DNA Polymerase(東洋紡績社製)を用いて2本鎖DNAのギャップにヌクレオチドを付加しDNA末端を平滑化し、T4 DNA ligaseを用いて自己環化させることによりプラスミドpKF19ΔBsを得た。実施例1で得られたpCRrSt12を制限酵素HindIIIとKpnIで消化し、本rSt12DNAを含むDNAを単離した。pKF19ΔBsを制限酵素HindIIIとKpnIとで消化して、約2160bpのDNAを取得した。該DNAの5'末端を仔牛小腸由来のAlkaline phosphatase(宝酒造社製)で脱りん酸化し、ここにpCRrSt12から得た本rSt12DNAを含む上記のDNAを挿入し、pKFrSt12(図20)を得た。次に、実施例16(1)で得られたプラスミドpCR657BsおよびpCR657FBsをそれぞれ制限酵素BspHIとSacIとで消化し、それぞれから本発明DNA(A1)を含有するDNAを単離した。これらのDNAをそれぞれ、プラスミドpKFrSt12のBspHI切断部位とSacI切断部位との間に挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)が連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドpKFrSt12-657(図21)およびプラスミドpKFrSt12-657F(図22)を得た。
次に、前記プラスミドpKFrSt12-657およびpKFrSt12-657Fをそれぞれ制限酵素BamHIとSacIとで消化し、本発明DNA(A1)を含有するDNAを取得した。これらのDNAをそれぞれ、実施例16(2)で得られたプラスミドpNdG6-ΔTの制限酵素BglII切断部位とSacI切断部位との間に挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)が連結されてなるキメラDNAがCR16G6プロモーターの下流に結合されてなるプラスミドpSUM-NdG6-rSt12-657(図23)およびpSUM-NdG6-rSt12-657F(図24)を得た。
【0121】
実施例17 本発明DNA(A1)のダイズへの導入
(1)増殖性不定胚の調製
ダイズ(品種;FayetteおよびJack)のさやを1%次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸して殺菌処理した後、未熟種子を取り出した。この種子の種皮を剥離して長径2〜5mmの未熟胚を取り出し、得られた未熟胚の胚軸部をメスで切除して未熟子葉を調製した。この未熟子葉を2枚の子葉部に分け、各子葉部をそれぞれ不定胚誘導培地に置床した。不定胚誘導培地は、180μMの2,4-Dと30g/Lのスクロースとを加えpH7.0に調整したMurashige-Skoog培地[Murashige T. and Skoog F., Physiol. Plant. (1962) 15, p473に記載。以下、MS培地と記す。]に、0.2(W/V)%のゲルライトを加えて固化した培地である。置床から約1ヶ月後に、形成された球状型胚を不定胚増殖培地に移植した。不定胚増殖培地は、90μMの2,4-Dと30g/Lのスクロースとを加えてpH5.8に調整したMS培地に、0.2(W/V)%のゲルライトを加えて固化した培地である。以後、2〜3週間の間隔で5〜8回、球状型胚を新しい不定胚増殖培地に移植した。上記の不定胚誘導培地または不定胚増殖培地を用いた培養の条件は、いずれも、明期23時間:暗期1時間、終日23〜25℃とした。
【0122】
(2)増殖性不定胚への遺伝子導入
実施例17(1)で得られた球状型胚を新しい不定胚増殖培地に移植し、2〜3日培養した後、これを遺伝子導入の材料とした。実施例16(2)および(3)で作製されたプラスミドpSUM-NdG6-rSt657、pSUM-NdG6-rSt657F、pSUM-NdG6-rSt12657およびpSUM-NdG6-rSt12657Fを直径1.0μmの金粒子にコートし、パーテイクルガン法を用いて遺伝子の導入を行った。金粒子1mg当たりのプラスミド量は1.66μgとした。遺伝子導入後さらに2日間〜3日間培養した。上記の培養の条件は、いずれも、明期23時間:暗期1時間、終日23〜25℃とした。
【0123】
(3)不定胚のハイグロマイシンによる選抜
実施例17(2)で得られた遺伝子導入後の球状型胚を不定胚選抜培地に移植した。不定胚選抜培地としては、90μMの2,4-Dと30g/Lのスクロースとを加えpH5.8に調整したMS培地に、15mg/Lのハイグロマイシンと0.2(W/V)%のゲルライトを加えて固化した培地を用いた。以降、2〜3週間の間隔で5〜8回、生存した球状型胚を新しい不定胚選抜培地に移植した。この場合の不定胚選抜培地は、90μMの2,4-Dと30g/Lのスクロースとを加えpH5.8に調整したMS培地に、30mg/Lのハイグロマイシンと0.2(W/V)%のゲルライトを加えて固化した培地である。上記の不定胚選抜培地を用いた培養の条件は、いずれも、明期23時間:暗期1時間、終日23〜25℃とした。
【0124】
(4)不定胚の化合物(II)による選抜
実施例17(2)で得られた遺伝子導入後の球状型胚を不定胚選抜培地に移植した。不定胚選抜培地としては、90μMの2,4-Dと30g/Lのスクロースとを加えpH5.8に調整したMS培地に、0.1mg/Lの化合物(II)と0.2(W/V)%のゲルライトを加えて固化した培地を用いた。以降、2週間〜3週間の間隔で5〜8回、生存した球状型胚を新しい不定胚選抜培地に移植した。この場合の不定胚選抜培地には、90μMの2,4-Dと30g/Lのスクロースとを加えpH5.8に調整したMS培地に、0.3〜1.0mg/Lの化合物(II)と0.2(W/V)%のゲルライトを加えて固化した培地を用いた。上記の不定胚選抜培地を用いた培養の条件は、いずれも、明期23時間:暗期1時間、終日23〜25℃とした。
【0125】
(5)不定胚からの個体再生
実施例17(3)または(4)で選抜された球状型胚を発生培地に移植し、明期23時間:暗期1時間、終日23〜25℃で約4週間培養する。発生培地としては、60g/Lのマルトースを加えpH5.8に調整したMS培地に0.8(W/V)%の寒天(和光純薬、植物組織培養用)を添加して固化した培地を用いる。6週間〜8週間後、白〜黄色の子葉型胚が得られる。これらの子葉型胚を発芽培地に移植して2週間培養する。発芽培地には、30g/Lのスクロースを加えpH5.8に調整したMS培地に0.2(w/v)%のゲルライトを加えて固化した培地を用いる。その結果、本葉を展開し発根した個体が得られる。
【0126】
(6)再生個体の順化および栽培
実施例17(5)で得られたダイズ個体を園芸用培土に移植し、明期23時間:暗期1時間、終日23〜25℃の人工気象器内で馴化を行う。2週間後、根が活着した個体を直径9cmの植木鉢に植え替え、温室内で栽培する。温室での栽培条件は自然日長、終日23〜25℃とする。2ヵ月〜4ヵ月後、採種する。
【0127】
(7)雑草防除活性を有する化合物(II)に対する耐性の評価
上記再生植物個体の葉を採取し主葉脈に沿って左右均等に2分割し、一方の葉片に化合物(II)を全面に塗布し、他方の葉片は未処理とする。これらの葉片を、0.8%寒天を含むMS培地上に置き、明所、室温にて7日間放置し、次いで、各葉片を、それぞれ乳鉢と乳棒で5mlの80%アセトン水溶液中で磨砕してクロロフィルを抽出する。抽出液を80%アセトン水溶液で10倍に希釈した後、750nm、663nm、645nmにおける吸光度を測定し、Macknney G., J. Biol. Chem. (1941) 140, p315記載の方法によって総クロロフィル含量を算出する。化合物(II)に対する耐性度は、処理した葉片の総クロロフィル含量の、未処理の葉片の総クロロフィル含量に対する百分率で表し評価する。
また、直径10cm、深さ10cmの円筒形プラスチックポットに土壌を詰め、上記植物個体の種子を播種し、温室内で栽培する。化合物(II)5部、ソルポール3005X(東邦化学)6部およびキシレン89部をよく混合して乳剤とし、その所定量を、0.1%(V/V)の展着剤を含む1ヘクタールあたり1000リットル相当の水で希釈し、上記のポットで栽培された植物体の上方からその茎葉部全面に均一に噴霧器で散布する。これらの植物体を16日間温室内で栽培した後、該植物の薬害を調査し、化合物(II)に対する耐性度を評価する。
【0128】
実施例18 本発明DNA(A1)を有するアグロバクテリウム導入用葉緑体発現プラスミドの構築
本発明DNA(A1)をアグロバクテリウム法で植物へ導入するためのプラスミドを構築した。まず、バイナリーベクタープラスミドpBI121(CLONTECH社製)を制限酵素NotIで消化した後、DNA Polymerase I(宝酒造社製)を用いて2本鎖DNAのギャップにヌクレオチドを付加することによりDNA末端を平滑化し、T4 DNA ligaseを用いて自己環化させた。得られたプラスミドを制限酵素EcoRIで消化した後、DNA Polymerase I(宝酒造社製)を用いて2本鎖DNAのギャップにヌクレオチドを付加しDNA末端を平滑化し、T4 DNA ligaseを用いて自己環化させプラスミドpBI121ΔNotIEcoRIを得た。該プラスミドを制限酵素HindIIIで消化した後、得られたDNAの5'末端を、仔牛小腸由来のAlkaline phosphatase(宝酒造社製)で脱りん酸化し、配列番号98で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号99で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをアニールさせることで得られるリンカーHindIII-NotI-EcoRI(図25)を挿入して環化させ、バイナリーベクタープラスミドpBI121S(図26)を得た。該プラスミドは、リンカーHindIII-NotI-EcoRIが、β-グルクロニダーゼ遺伝子に近い位置からHindIII切断部位、NotI切断部位、EcoRI切断部位の順に並ぶ方向に挿入された構造を有する。
次に、上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt-657およびpSUM-NdG6-rSt-657Fをそれぞれ制限酵素HindIIIとEcoRIで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)が連結されてなるキメラDNAを含むDNAをそれぞれから得た。これらのDNAをそれぞれ、上記バイナリーベクタープラスミドpBI121SのHindIII切断部位とEcoRI切断部位との間に挿入し、pBI-NdG6-rSt-657(図27)およびpBI-NdG6-rSt-657F(図28)を得た。また、上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-657およびpSUM-NdG6-rSt12-657Fをそれぞれ制限酵素HindIIIとEcoRIで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)が連結されてなるキメラDNAを含むDNAをそれぞれから得た。これらのDNAをそれぞれ、バイナリーベクタープラスミドpBI121SのHindIII切断部位とEcoRI切断部位との間に挿入し、pBI-NdG6-rSt12-657(図29)およびpBI-NdG6-rSt12-657F(図30)を得た。
【0129】
実施例19 本発明DNA(A1)のタバコへの導入
実施例18で得られたプラスミド pBI-NdG6-rSt657、プラスミドpBI-NdG6-rSt657F、プラスミドpBI-NdG6-rSt12657FおよびプラスミドpBI-NdG6-rSt12657F を用いて本発明DNA(A1)をアグロバクテリウム法でタバコへ導入した。
まず、プラスミドpBI-NdG6-rSt657、pBI-NdG6-rSt12657、pBI-NdG6-rSt657FおよびpBI-NdG6-rSt12657Fをそれぞれ、Agrobacterium tumefaciens LBA4404 株(Clontech 社製)に導入した。これらを、300mg/L ストレプトマイシン、100mg/Lリファンピシン、25mg/L カナマイシンを含むLB 寒天培地(0.5% Yeast extract、1.0% Bacto tryptone、0.5% NaCl)で培養して薬剤耐性コロニーを選抜することによって、pBI-NdG6-rSt657、pBI-NdG6-rSt12657、pBI-NdG6-rSt657またはpBI-NdG6-rSt12657Fを持つ組換えアグロバクテリウム株をそれぞれ単離した。
次いで、植物遺伝子操作マニュアル(内宮博文著、講談社サイエンティフィック、1992年)に記載されている方法に準じて、タバコへの遺伝子導入を行った。上記のプラスミドを持つ組換えアグロバクテリウム株を、それぞれ、300mg/L ストレプトマイシン、100mg/L リファンピシン、25mg/L カナマイシンを含む LB 液体培地中で 28℃ にて終夜培養し、無菌培養したタバコ(Nicotiana tabacum strain SR1)より採取した葉片を該培養液に浸漬した。該タバコ葉片を、0.1mg/L ナフタレン酢酸および 1.0mg/L ベンジルアミノプリンを添加した MS 寒天培地(MS 無機塩類、MS ビタミン類、3% 蔗糖、0.8% 寒天; Murashige T. and Skoog F., Physiol. Plant. (1962) 15, p473)に植え込み、明所・室温で 2日間培養した。次に、該タバコ葉片を滅菌水で洗浄した後、0.1mg/L ナフタレン酢酸、1.0mg/L ベンジルアミノプリン、および、500mg/L セフォタキシムを添加した MS 寒天培地上で 7日間培養した。次いで、該タバコ葉片を 0.1mg/L ナフタレン酢酸、1.0mg/L ベンジルアミノプリン、500mg/L セフォタキシム、および、100mg/L カナマイシンを添加した MS 寒天培地に移植し培養した。該培養は、前記タバコ葉片を 4週間毎に同一組成の新鮮な培地に移植しながら継続的に4ヶ月間実施した。この間に、該タバコ葉片から出現した不定芽を、300mg/L セフォタキシム、および、50mg/L カナマイシンを添加した MS 寒天培地に移植して発根させ再生個体を得た。該再生個体を 50mg/L カナマイシンを添加した MS 寒天培地に移植して培養しpBI-NdG6-rSt657、pBI-NdG6-rSt12657、pBI-NdG6-rSt657FまたはpBI-NdG6-rSt12657Fの T-DNA 領域が組み込まれた組換えタバコ個体をそれぞれ取得した。
また、実施例18で得られたプラスミドpBI121Sをアグロバクテリウム法でタバコへ導入した。プラスミドpBI-NdG6-rSt657、pBI-NdG6-rSt12657、pBI-NdG6-rSt657FおよびpBI-NdG6-rSt12657Fの代わりにプラスミドpBI121Sを使用する以外は上記と同様にして、プラスミドpBI121Sを持つ組換えアグロバクテリウム株を単離した。次いで、該組換えアグロバクテリウム株を用いて、上記と同様にしてプラスミドpBI121Sの T-DNA 領域が組み込まれた組換えタバコ個体を取得した。
取得した組換えタバコ個体から3枚の葉を切除して、各葉より一片 5〜7mm の葉片を 4片採取した。それぞれの葉片を化合物(II)を 0.1mg/L 添加した MS 寒天培地に植え込み、明所・室温で培養した。培養 7日後にそれぞれの葉片の薬害程度を観察した。コントロールDNA(プラスミドpBI121SのT-DNA領域)が導入されたタバコ由来の葉片は白化し枯死したのに対し、本発明DNA(A1)(プラスミドpBI-NdG6-rSt657、pBI-NdG6-rSt12657、pBI-NdG6-rSt657FまたはpBI-NdG6-rSt12657FのT-DNA領域)が導入されたタバコ由来の葉片は継続的に生育した。
【0130】
実施例20 本発明DNA(A2)の植物への導入
本発明DNA(A2)をパーティクルガン法で植物へ導入するためのプラスミドおよびアグロバクテリウム法で植物へ導入するためのプラスミドを構築した。まず、実施例6(1)で得られた放線菌Saccharopolyspora taberi JCM9383tのゲノムDNAを鋳型にして、配列番号100で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号101で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーに使ってPCRを行い、配列番号7で示される塩基配列を有する本発明DNA(A2)を増幅した。PCRはExpand High Fidelity PCR System(ベーリンガー社製)を用いて、97℃にて2分間の保温を1回行った後、97℃にて15秒間次いで60℃にて30秒間次いで72℃にて1分間の保温を1サイクルとしてこれを10回実施し、97℃にて15秒間次いで60℃にて30秒間次いで72℃にて1分間(72℃での保温は1サイクル毎に20秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15回実施し、最後に72℃にて7分間の保温を1回行った。増幅されたDNAをプラスミドpCR2.1-TOPO(Invitrogen社製)のPCR産物クローニング部位に挿入することにより、プラスミドpCR923Sp(図31)を得た。次いで、該プラスミドを大腸菌JM109株のコンピテントセル(宝酒造社製)に導入し、アンピシリン耐性株を選抜した。さらに、選抜されたアンピシリン耐性株に含まれるプラスミドの塩基配列をDye Terminator Cycle Sequencing FS Ready Reaction kit (PEアプライドバイオシステムズ社製)およびDNAシークエンサー373S(PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて決定した。その結果、プラスミドpCR923Spは配列番号7で示される塩基配列を含有することが確認された。
実施例16(3)で作製されたプラスミドpKFrSt12を制限酵素BamHIとSacIとで消化し、本rSt12DNAを含むDNAを単離した。該DNAを、実施例16(2)で得られたpNdG6-ΔTのBglII切断部位とSacI切断部位との間に挿入することにより、プラスミドpNdG6-rSt12(図32)を得た。プラスミドpCR923Spを制限酵素SphIとKpnIとで消化することにより、本発明DNA(A2)を含むDNAを得た。上記プラスミドpNdG6-rSt12を制限酵素SphIとKpnIとで消化することによりダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの最初の成熟タンパク質12アミノ酸分をコードするDNAを除去し、これに換えて、プラスミドpCR923Spから得た本発明DNA(A2)を含む上記DNAを挿入し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく該DNAが連結されてなるキメラDNAがCR16G6プロモーターの下流に結合されてなるプラスミドpSUM-NdG6-rSt-923(図33)を得た。
次に、プラスミドpCR923Spを制限酵素SphIで消化して得られるDNAの末端をKOD DNA polymeraseを用いて平滑化した後、さらに制限酵素KpnIで消化し、本発明DNA(A2)を含むDNAを単離した。実施例16(3)で作製されたプラスミドpKFrSt12を制限酵素BspHIで消化して得られるDNAの末端をKOD DNA polymeraseを用いて平滑化した後、さらに制限酵素KpnIで消化し、約20bpのDNAを除去して、これに替えて、pCR923Spから得た本発明DNA(A2)を含む上記DNAを挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A2)が連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドpKFrSt12-923(図34)を得た。pKFrSt12-923を制限酵素SphIとKpnIとで消化することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの最初の成熟タンパク質12アミノ酸分をコードするDNAと本発明DNA(A2)が連結されてなるキメラDNAを得た。上記プラスミドpNdG6-rSt12を制限酵素SphIとKpnIとで消化することによりダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの最初の成熟タンパク質12アミノ酸分をコードするDNAを除去し、これに換えて、プラスミドpKFrSt12-923から得られる上記キメラDNAを挿入し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A2)が連結されてなるキメラDNAがCR16G6プロモーターの下流に結合されてなるプラスミドpSUM-NdG6-rSt12-923(図35)を得た。
得られたプラスミドpSUM-NdG6-rSt-923およびpSUM-NdG6-rSt12-923を用いて、本発明DNA(A2)を実施例17記載の方法と同様の操作で、パーティクルガン法でダイズへ導入した。
【0131】
上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt-923を制限酵素HindIIIとEcoRIで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A2)が連結されてなるキメラDNAを含むDNAを単離した。実施例18でpBI-NdG6-rSt657を作成したのと同様に、バイナリーベクターpBI121SのHindIII切断部位とEcoRI切断部位との間に、プラスミドpSUM-NdG6-rSt-923から得たキメラDNAを含む上記DNAを挿入し、pBI-NdG6-rSt-923 (図36)を得た。また、上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-923を制限酵素HindIIIとEcoRIで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A2)が連結されてなるキメラDNAを含むDNAを単離した。バイナリーベクターpBI121SのHindIII切断部位とEcoRI切断部位との間に、pSUM-NdG6-rSt12-923から得たキメラDNAを含む上記DNAを挿入し、pBI-NdG6-rSt12-923(図37)を得た。
該プラスミドpBI-NdG6-rSt-923および該プラスミドpBI-NdG6-rSt12-923を、それぞれAgrobacterium tumefaciens LBA4404に導入し、これを300μg/mlストレプトマイシン、100μg/mlリファンピシン、25μg/mlカナマイシンを含むLB培地で培養して形質転換体を選抜することによって、pBI-NdG6-rSt-923を持つアグロバクテリウム株またはpBI-NdG6-rSt12-923を持つアグロバクテリウム株を単離した。pBI-NdG6-rSt-923を持つアグロバクテリウム株またはpBI-NdG6-rSt12-923を持つアグロバクテリウム株をそれぞれ無菌培養したタバコの葉片に感染させ、実施例19記載の方法と同様の操作で、本発明DNA(A2)が導入されたタバコを取得した。
取得した組換えタバコ個体から3枚の葉を切除して、各葉より一片 5〜7mm の葉片を 4片採取した。それぞれの葉片を化合物(II)を 0.1mg/L 添加した MS 寒天培地に植え込み、明所・室温で培養した。培養 7日後にそれぞれの葉片の薬害程度を観察した。コントロールDNA(プラスミドpBI121SのT-DNA領域)が導入されたタバコ由来の葉片は白化し枯死したのに対し、本発明DNA(A2)(プラスミドpBI-NdG6-rSt923、またはpBI-NdG6-rSt12-923のT-DNA領域)が導入されたタバコ由来の葉片は継続的に生育した。
【0132】
実施例21 本発明DNA(A3)の植物への導入
本発明DNA(A3)をパーティクルガン法で植物へ導入するためのプラスミドおよびアグロバクテリウム法で植物へ導入するためのプラスミドを構築した。
まず、実施例11(1)で得た放線菌Streptomyces testaceus ATCC21469株のゲノムDNAを鋳型にして、配列番号102で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号103で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーに使ってPCRを行い、配列番号8で示される塩基配列を有する本発明DNA(A3)を増幅した。PCRはExpand High Fidelity PCR System(ベーリンガー社製)を用いて、97℃にて2分間の保温を1回行った後、97℃にて15秒間次いで60℃にて30秒間次いで72℃にて1分間の保温を1サイクルとしてこれを10回実施し、97℃にて15秒間次いで60℃にて30秒間次いで72℃にて1分間(72℃での保温は1サイクル毎に20秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15回実施し、最後に72℃にて7分間の保温を1回行った。増幅されたDNAをプラスミドpCR2.1(Invitrogen社製)のPCR産物クローニング部位に挿入することにより、プラスミドpCR671ET(図38)を得た。また、PCRに用いるプライマーを配列番号104で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号103で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドにすることの他は前記した方法と同様の操作でプラスミドpCR671Bs(図39)を得た。次いで、該プラスミドを大腸菌JM109株のコンピテントセル(宝酒造社製)に導入し、アンピシリン耐性株を選抜した。さらに、選抜されたアンピシリン耐性株に含まれるプラスミドの塩基配列をBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit v2.0(PEアプライドバイオシステムズ社製)およびDNAシークエンサー3100(PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて決定した。その結果、プラスミドpCR671ETおよびpCR671Bsは配列番号8で示される塩基配列を含むことが確認された。
プラスミドpCR671ETを制限酵素EcoT22IとKpnIとで消化し、本発明DNA(A3)を含むDNAを単離した。該DNAを、実施例3で得たpUCrSt12のEcoT22I切断部位とKpnI切断部位との間に挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A3)が連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドpUCrSt671(図40)を得た。該プラスミドpUCrSt671を制限酵素NheIとKpnIとで消化し、本発明DNA(A3)を含むDNAを単離した。実施例16(2)で得たプラスミドpNdG6-rSt12を制限酵素NheIとKpnIとで消化することにより約80bpのDNAを除去し、これに換えて、プラスミドpUCrSt671から得た本発明DNA(A3)を含む上記DNAを挿入し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A3)が連結されてなるキメラDNAがCR16G6プロモーターの下流に結合されてなるプラスミドpSUM-NdG6-rSt-671(図41)を得た。
プラスミドpCR671Bsを制限酵素BspHIとKpnIとで消化し、本発明DNA(A3)を含むDNAを単離した。該DNAを、実施例16(3)で得られたプラスミドpKFrSt12のBspHI切断部位とKpnI切断部位との間に挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A3)が連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドpKFrSt12-671(図42)を得た。該プラスミドpKFrSt12-671を制限酵素NheIとKpnIとで消化し、本発明DNA(A3)を含むDNAを単離した。実施例20で得られたプラスミドpNdG6-rSt12を制限酵素NheIとKpnIとで消化することにより約80bpのDNAを除去し、これに換えて、pKFrSt12-671から得た本発明DNA(A3)を含む上記DNAを挿入し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A3)が連結されてなるキメラDNAがCR16G6プロモーターの下流に結合されてなるプラスミドpSUM-NdG6-rSt12-671(図43)を得た。
得られたプラスミドpSUM-NdG6-rSt-671およびpSUM-NdG6-rSt12-671を用いて、本発明DNA(A3)を実施例17記載の方法と同様の操作で、パーティクルガン法でダイズへ導入した。
【0133】
上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt-671を制限酵素HindIIIとEcoRIで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A3)が連結されてなるキメラDNAを含むDNAを単離した。実施例18で得られたバイナリーベクタープラスミドpBI121SのHindIII切断部位とEcoRI切断部位との間に、プラスミドpSUM-NdG6-rSt-671から得たキメラDNAを含む上記DNAを挿入し、pBI-NdG6-rSt-671 (図44)を得た。また、上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-671を制限酵素HindIIIとEcoRIで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A3)が連結されてなるキメラDNAを含むDNAを単離した。バイナリーベクタープラスミドpBI121SのHindIII切断部位とEcoRI切断部位との間に、プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-671から得たキメラDNAを含む上記DNAを挿入し、pBI-NdG6-rSt12-671(図45)を得た。
プラスミドpBI-NdG6-rSt-671および該プラスミドpBI-NdG6-rSt12-671を、それぞれAgrobacterium tumefaciens LBA4404に導入し、これを300μg/mlストレプトマイシン、100μg/mlリファンピシン、25μg/mlカナマイシンを含むLB培地で培養して形質転換体を選抜することによって、pBI-NdG6-rSt-671を持つアグロバクテリウム株およびpBI-NdG6-rSt12-671を持つアグロバクテリウム株を単離した。pBI-NdG6-rSt-671を持つアグロバクテリウム株およびpBI-NdG6-rSt12-671を持つアグロバクテリウム株をそれぞれ無菌培養したタバコの葉片に感染させ、実施例19記載の方法と同様の操作で、本発明DNA(A3)が導入されたタバコを取得した。
取得した組換えタバコ個体から3枚の葉を切除して、各葉より一片 5〜7mm の葉片を 4片採取する。それぞれの葉片を化合物(II)を 0.1mg/L 添加した MS 寒天培地に植え込み、明所・室温で培養する。培養 7日後にそれぞれの葉片の薬害程度を観察する。
【0134】
実施例22 本発明蛋白質(B1)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(B1)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例3(1)でStreptomyces phaeochromogenes IFO12898から調製された染色体DNAを鋳型としPCRを行った。PCR反応液は、配列番号105で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号53で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをそれぞれ200nMとなるよう添加し、染色体DNAを300ng、dNTPミックス(それぞれ2.5mMの4種類のdNTPの混合物)を4μl、10xExTaqバッファーを5μl、ExTaqポリメラーゼ(宝酒造製)を0.5μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlにした。保温条件は、97℃で2分間保温した後、97℃で15秒間次いで60℃で30秒間さらに72℃で90秒間の保温を1サイクルとしてこれを25サイクル繰り返し、72℃で4分間保温した。保温後の反応液とpCR2.1-TOPOベクター(Invitrogen社製)とを、該ベクター添付の取扱説明書に従ってライゲーションし、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。該DNAを鋳型とし配列番号67で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号68で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。得られた反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。その結果に基づき、配列番号15で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR657FDとした。
次に、pCR657FDを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物をアガロースゲル電気泳動に供した。約200bpのDNAを含むゲルを切り出し、QIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。このDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とを、ライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、該キット付属の取扱説明書に従いライゲーションし、大腸菌JM109に導入した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドDNAを調製し、その構造を解析した。配列番号15で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(B1)をコードする上記の約200bpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN657FDとした。該プラスミドpKSN657FDを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN657FDとした。また、プラスミドpKSN2を大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN2とした。
【0135】
(2)本発明蛋白質(B1)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
大腸菌JM109/pKSN657FD、およびJM109/pKSN2をそれぞれ、50μg/mlのアンピシリンを含む10mlのTB培地(トリプトン1.2%(w/v)、酵母エキス2.4%(w/v)、グリセロール0.4%(v/v)、リン酸二水素カリウム17mM、リン酸水素二カリウム72mM)で37℃で一晩培養した。得られた培養液のうち1mlを、50μg/mlのアンピシリンを含む100mlのTB培地に植菌して26℃で培養し、OD660が約0.5になった30分後に最終濃度1mMになるようにIPTGを添加しさらに20時間培養した。
各培養液から菌体を回収し、それぞれ0.1M Tris-HClバッファー(pH7.5)で洗浄後、1mM PMSFを含む該バッファー10mlに懸濁した。この菌体懸濁液を超音波破砕機(SONIFIER(Branson Sonic Power 社登録商標))を用いてout put 3、duty cycle 30%の条件で3分間ずつ6回超音波処理して菌体破砕液を得た。得られた破砕液を、遠心分離(1,200×g、5分間)した後、上清を回収してこれを遠心分離(150,000×g、70分間)し、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN657FDから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN657FD、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を回収した。該上清画分のうち1μlをSDS-15%〜25%PAGEで分析し、CBB染色した。その結果、大腸菌抽出液pKSN657FDにおいて、分子量約7kDaに相当する泳動位置に、大腸菌抽出液pKSN2よりも顕著に濃いバンドが検出された。本発明蛋白質(B1)が大腸菌内で発現したことが確認された。
【0136】
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する反応系への本発明蛋白質(B1)の利用14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、実施例22(2)で回収された大腸菌抽出液pKSN657FDを9μl、0.1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)、実施例4(2)で回収された大腸菌抽出液pKSN657Fを15μl(以下、D成分と記す。)を含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。また、大腸菌抽出液pKSN657FDの代わりに、2mg/mlのホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)を添加する反応液、および大腸菌抽出液pKSN657FDの代わりに何も添加しない反応液を調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収した。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させその内5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットした。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光した。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。結果を表13に示す。
【0137】
【表13】
【0138】
実施例23 本発明蛋白質(B2)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(B2)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例6(1)でSaccharopolyspora taberi JCM 9383tから調製された染色体DNAを鋳型としPCRを実施する。PCR反応液は、配列番号106で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号63で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをそれぞれ200nMとなるよう添加し、染色体DNAを300ng、dNTPミックス(それぞれ2.5mMの4種類のdNTPの混合物)を4μl、10xExTaqバッファーを5μl、ExTaqポリメラーゼ(宝酒造製)を0.5μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlにする。保温条件は、97℃で2分間保温した後、97℃で15秒間次いで60℃で30秒間さらに72℃で90秒間の保温を1サイクルとしてこれを25サイクル繰り返し、72℃で4分間保温する。保温後の反応液とpCR2.1-TOPOベクター(Invitrogen社製)とを、該ベクター添付の取扱説明書に従ってライゲーションし、大腸菌TOP10F'に導入する。得られた大腸菌形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製する。該DNAを鋳型とし配列番号67で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号68で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーとして、ダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行う。得られた反応物をDNAシーケンサ373A(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析する。その結果に基づき、配列番号16で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR923FDとする。
次に、pCR923FDを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物をアガロースゲル電気泳動に供す。約200bpのDNAを含むゲルを切り出し、QIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製する。このDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とを、ライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、該キット付属の取扱説明書に従いライゲーションし、大腸菌JM109に導入する。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドDNAを調製し、その構造を解析する。配列番号16で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(B2)をコードする上記の約200bpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN923FDとする。該プラスミドpKSN923FDを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN923FDとする。また、プラスミドpKSN2を大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN2とする。
【0139】
(2)本発明蛋白質(B2)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
大腸菌JM109/pKSN923FDおよびJM109/pKSN2をそれぞれ、50μg/mlのアンピシリンを含む10mlのTB培地(トリプトン1.2%(w/v)、酵母エキス2.4%(w/v)、グリセロール0.4%(v/v)、リン酸二水素カリウム17mM、リン酸水素二カリウム72mM)で37℃で一晩培養する。得られる培養液のうち1mlを、50μg/mlのアンピシリンを含む100mlのTB培地に植菌して26℃で培養し、OD660が約0.5になった30分後に最終濃度1mMになるようにIPTGを添加しさらに20時間培養を行う。
各培養液から菌体を回収し、それぞれ0.1M Tris-HClバッファー(pH7.5)で洗浄後、1mM PMSFを含む該バッファー10mlに懸濁する。この菌体懸濁液を超音波破砕機(SONIFIER(Branson Sonic Power 社登録商標))を用いてout put 3、duty cycle 30%の条件で3分間ずつ6回超音波処理して菌体破砕液を得る。得られた破砕液を、遠心分離(1,200×g、5分間)した後、上清を回収してこれを遠心分離(150,000×g、70分間)し、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN657FDから得られる該上清画分を大腸菌抽出液pKSN923FD、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を回収する。該上清画分のうち1μlをSDS-15%〜25%PAGEで分析し、CBB染色を行う。大腸菌抽出液pKSN923FDにおいて、分子量約7kDaに相当する泳動位置に、大腸菌抽出液pKSN2よりも顕著に濃いバンドを検出することによって、本発明蛋白質(B2)の大腸菌内発現が確認可能である。
【0140】
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する反応系への本発明蛋白質(B2)の利用14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、実施例23(2)で回収する大腸菌抽出液pKSN923FDを9μl、終濃度0.1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)、実施例4(2)で回収された大腸菌抽出液pKSN657Fを15μl(以下、D成分と記す。)を含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温する。また、大腸菌抽出液pKSN923FDの代わりに、終濃度2mg/mlのホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)を添加する反応液、および大腸菌抽出液pKSN923FDの代わりに何も添加しない反応液を調製し、同様に保温する。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収する。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させその内5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットする。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光する。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)を確認する。A成分、大腸菌抽出液pKSN923FD、C成分およびD成分を含む反応液での化合物(III)の生成を確認することにより、本発明蛋白質(B2)が、化合物(II)を化合物(III)に変換する反応系において、ホウレンソウ由来のフェレドキシンに替えて利用可能であることを確認することが出来る。
【0141】
実施例24 本発明蛋白質(B3)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(B3)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例11(1)でStreptomyces testaceus ATCC21469から調製された染色体DNAを鋳型とし、配列番号107で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号72で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして使用する以外は、実施例23(1)に記載の方法と同様にして、PCRを実施する。得られる反応液を用いて実施例23(1)に記載の方法と同様にして、配列番号17で示される塩基配列を有するプラスミドpCR671FDを得る。
次に、該プラスミドを用いて実施例23(1)に記載の方法と同様にして、本発明DNA(B3)が、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドpKSN671FDを得る。該プラスミドを大腸菌JM109に導入することによって本発明DNA(B3)を有する大腸菌JM109/pKSN671FDを得ることが可能である。
【0142】
(2)本発明蛋白質(B3)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
大腸菌JM109/pKSN671FDを用いて、実施例23(2)に記載した方法と同様にして、上清画分(以下、大腸菌抽出液pKSN671FDと記す。)を回収する。該上清画分のうち1μlをSDS-15%〜25%PAGEで分析し、CBB染色を行う。その結果、大腸菌抽出液pKSN671FDにおいて、分子量約7kDaに相当する泳動位置に、大腸菌抽出液pKSN2よりも顕著に濃いバンドを検出することによって、本発明蛋白質(B3)が大腸菌内で発現したことの確認が可能である。
【0143】
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する反応系への本発明蛋白質(B3)の利用実施例24(2)で回収する大腸菌抽出液pKSN671FDを使用すること以外は実施例23(3)に記載した方法と同様にして、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)を確認する。A成分、大腸菌抽出液pKSN671FD、C成分およびD成分を含む反応液での化合物(III)の生成を確認することにより、本発明蛋白質(B3)が、化合物(II)を化合物(III)に変換する反応系において、ホウレンソウ由来のフェレドキシンに替えて利用可能であることを確認することが出来る。。
【0144】
実施例25 本発明蛋白質(A4)の調製
(1)菌体粗抽出液の調製
Streptomyces achromogenes IFO12735株のグリセロールストックを、10mlのA培地(グルコース0.1%(w/v)、トリプトン0.5%(w/v)、酵母エキス0.5%(w/v)、りん酸水素二カリウム0.1%(w/v)、pH7.0)を入れた大型試験管に添加し、30℃で一晩旋回培養して、前培養液を得た。この前培養液8mlを200mlのA培地に植菌し、500ml容羽付フラスコ内で30℃で2日間、旋回培養した。このようにして得られた培養液から遠心分離(3,000×g、10分間)によって湿菌体を回収した。この湿菌体を100ppmの化合物(II)を含む100mlのB培地(グルコース1%(w/v)、牛肉エキス0.1%、トリプトース0.2%(w/v))に懸濁して、500ml容坂口フラスコ内で30℃で20時間往復振とう培養した。このようにして得られた培養液2Lから遠心分離(3,000×g、10分間)によって湿菌体を回収した。得られた湿菌体を1Lの0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)にて2回洗浄し、136gの湿菌体を得た。
この湿菌体を、菌体湿重量1gあたり2〜3mlの0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に懸濁し、この懸濁液に、1mM PMSF、5mM ベンザミジン塩酸、1mM EDTA、3μg/ml ロイペプチン、3μg/ml、ペプスタチンA、および1mM ジチオトレイトールを添加した。これをフレンチプレス(大岳製作所製)で2回繰り返し破砕(1000kg/cm2)して菌体破砕液を得た。この菌体破砕液を遠心分離(40,000×g、30分間)した後、上清を回収してこれを150,000×gで1時間遠心分離し、上清(以下、菌体粗抽出液と記す。)を分取した。
【0145】
(2)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2.4mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、0.5mg/ml ホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例25(1)で回収された菌体粗抽出液15μlを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で1時間保温した。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分およびC成分のうち1以上の画分を添加しない反応液を調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収した。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させその内5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットした。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光した。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。結果を表14に示す。
【0146】
【表14】
【0147】
(3)菌体粗抽出液の分画
実施例25(1)で得られた菌体粗抽出液に45%飽和となるように硫酸アンモニウムを添加して氷上で攪拌した後、12,000×g、30分間遠心分離して上清を回収した。得られた上清に55%飽和となるように硫酸アンモニウムを添加して氷上で攪拌した後、12,000×g、10分間遠心分離し、沈殿を回収して12.5mlの20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)に溶解した。この溶解液をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)で溶出させ、蛋白質を含む画分(以下、硫安沈殿45-55%画分と記す。)17.5mlを分取した。
【0148】
(4)本発明蛋白質(A4)の単離
実施例25(3)で調製された硫安沈殿45-55%画分を、HiLoad26/10 Q Sepharose HPカラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に注入した。次いで、前記カラムに100mlの20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流した後、塩化ナトリウム直線濃度勾配を付して20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流し(塩化ナトリウム濃度勾配0.004M/分、塩化ナトリウム濃度範囲 0Mから1M、流速4ml/分)、塩化ナトリウム濃度0.12Mから0.165Mにて溶出された画分30mlを分取した。さらにこの分取した画分をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)で溶出させ蛋白質を含む画分を回収した。
回収した画分をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、Aバッファー(1.5mMの塩化カルシウムを含む2mMリン酸カリウムバッファー、pH7.0)で溶出させ蛋白質を含む画分を回収した。次いで、該画分をBio-Scale Ceramic Hydroxyapatite, TypeIcolum CHT10-I(バイオラッド社製)に注入し、該カラムに20mlのAバッファーを流した。次いで、前記カラムにBバッファー(0.03mMの塩化カルシウムを含む100mMリン酸カリウムバッファー、pH7.0)の直線濃度勾配を付してAバッファーを流し(Aバッファー100%から開始し、100分間かけてBバッファー濃度を50%にまで増加させる直線濃度勾配、流速2ml/分)、Bバッファー濃度4%〜6%にて溶出された画分20mlを分取した。さらにこの分取した画分をPD10カラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に供し、0.05Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)で溶出させ蛋白質を含む画分を回収した。
回収した画分に、2.0M硫酸アンモニウムを含む0.05Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)を等体積添加して混合した後、RESOURSE PHE 1mlカラム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)に注入した。該カラムに1M硫酸アンモニウムを含む0.05Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)5mlを流した後、硫酸アンモニウム直線濃度勾配を付して0.05Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)を流し(硫酸アンモニウム濃度勾配0.1M/分、塩化ナトリウム濃度範囲 1Mから0M、流速2ml/分)、硫酸アンモニウム濃度約0.4〜0.5M付近にて溶出された画分をそれぞれ分取した。各画分に含まれる蛋白質をSDS-10%〜20%PAGEで分析した。
分取した画分を実施例25(2)に記載の反応液における菌体粗抽出液の代わりに添加し、A成分、B成分、C成分および14Cで標識された化合物(II)の存在下に、実施例25(2)と同様に保温した。保温後の反応液をTLC分析し、14Cで標識された 化合物(III)に相当するスポットを確認した。上記SDS-PAGEにおいて約45kDaの位置に泳動された蛋白質をSDS-PAGEのゲルから回収し、プロテインシークエンサー(Applied Biosystems社製Procise 494HT型、Pulsed liqid法で分析)によるN末端アミノ酸配列の解析に供した。その結果、配列番号113で示されるアミノ酸配列が読み取られた。
【0149】
実施例26 本発明DNA(A4)の取得
(1)Streptomyces achromogenes IFO 12735の染色体DNAの調製
Streptomyces achromogenes IFO 12735を50mlのYEME培地(酵母エキス 0.3%(w/v)、バクトペプトン 0.5%(w/v)、麦芽エキス 0.3%(w/v)、グルコース1.0%(w/v)、ショ糖34%(w/v)、2.5M MgCl2・6H2O 0.2%(v/v))で1〜3日間、30℃で振とう培養した後、集菌した。得られた菌体を、グリシン1.4%(w/v)、60mM EDTAを含む上記YEME培地に懸濁し、さらに1日間振とう培養した。得られた培養液から菌体を集めて、蒸留水で1回洗浄した後に、菌体200mg当り1mlのバッファー(100mM Tris-HCl(pH8.0), 100mM EDTA, 10mM NaCl)に再懸濁し、200μg/ml卵白リゾチームを添加し30℃で1時間振とうした。さらに、0.5%SDS、1mg/ml Proteinase Kを加えて55℃で3時間インキュベートした。この菌体懸濁液を、フェノール・クロロホルム・イソアミルアルコールで2回抽出してそれぞれ水層を回収し、次いでクロロホルム・イソアミルアルコールで1回抽出して水層を回収し、該水層からエタノール沈殿によって染色体DNAを得た。
【0150】
(2)Streptomyces achromogenes IFO 12735の染色体DNAライブラリーの調製実施例26(1)で調製された染色体DNA38μgを3.2Uの制限酵素Sau3AIで37℃で60分間消化した。得られた消化液を、1%アガロースゲル電気泳動で分画して、約2.0kbpのDNAをゲルから回収した。QIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン社製)を用いて当該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製し、さらにエタノール沈殿によって濃縮して、目的とするDNAを含む溶液20μlを得た。得られたDNA溶液のうち8μlと、制限酵素BamHIで消化され脱リン酸化処理されたプラスミドベクターpUC118 100ngとライゲーションキットVer.2(宝酒造社製)のI液16μlとを混合し、16℃で4時間保温した。このライゲーション液を用いて大腸菌DH5αを形質転換し、50mg/Lのアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布し、37℃で一晩培養した。得られたコロニーを寒天培地上から回収してプラスミドを抽出し、染色体DNAライブラリーとした。
【0151】
(3)本発明DNA(A4)の単離
実施例26(2)で調製された染色体DNAライブラリーを鋳型としてPCRを行った(図3)。プライマーとしては、配列番号114で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号57で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせを用いた。ここで、配列番号114で示される塩基配列は、配列番号113で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列に基づき設計した。反応液の調製にはエキスパンドハイファイPCRシステム(ベーリンガーマンハイム社製)を用いた。PCR反応液は、上記染色体DNAライブラリーを2.5μl、上記の2種類のプライマーをそれぞれ7.5pmol、dNTPミックス(それぞれ2mMの4種類のdNTPの混合物)を0.2μl、10×バッファー(MgCl2含有)を2.5μl、およびExpand HiFi酵素ミックスを0.38μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を25μlにした。保温条件は、97℃で2分間保温した後、97℃で15秒間次いで65℃で30秒間さらに72℃で1分間の保温を1サイクルとしてこれを10サイクル繰り返し、続いて、97℃で15秒間次いで65℃で30秒間さらに72℃で1分間(72℃での保温は1サイクル毎に20秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15サイクル行い、さらに、72℃で7分間保温した。保温後の反応液2.5μlを鋳型溶液として、再度PCRを行った。プライマーとしては、配列番号115で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号57で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせを用いた。ここで、配列番号115で示される塩基配列は、配列番号113で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列に基づき設計した。そして上記の方法と同様にエキスパンドハイファイPCRシステム(ベーリンガーマンハイム社製)を用いてPCRを行った。反応後の反応液を2%のアガロースゲル電気泳動に供し、約800bpのDNAを含むゲル部分を回収した。ゲルからQIA quick Gel Extraction Kit(キアゲン社製)を用い、付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたDNAを、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)に、該ベクターに付属の取扱説明書に従いライゲーションして、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAGEN Tip20(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを鋳型とし、配列番号67で示される塩基配列を有するプライマーまたは配列番号68で示される塩基配列を有するプライマーを用い、ビッグダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ3100(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。その結果、配列番号110で示される塩基配列の塩基番号57〜832に示される塩基配列が読み取られた。読み取られた塩基配列のうち、配列番号110で示される塩基配列の塩基番号58〜60には配列番号113で示されるアミノ酸配列のアミノ酸番号20で示されるアミノ酸がコードされていた。
【0152】
次に、実施例26(2)で調製された染色体DNAライブラリーを鋳型として、上記の条件でエキスパンドハイファイPCRシステム(ベーリンガーマンハイム社製)によるPCRを行った。プライマーとしては配列番号116で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号59で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組み合わせを用いた。増幅された約1.4kbpのDNAは、上記方法にてpCRII-TOPOクローニングベクターにクローニングした。得られた大腸菌形質転換体からQIAGEN Tip20(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを鋳型とし、配列番号67に示される配列を持つプライマーと配列番号68に示される配列を持つプライマーを用い、ビッグダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ3100(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。その結果、配列番号110で示される塩基配列の塩基番号1〜58に示される塩基配列が読み取られた。
また、ユニバーサルゲノムウォーカーキット(クロンテック社製)を用い付属の取り扱い説明書に従い、配列番号110で示される塩基配列の塩基番号832で示される塩基より3’側下流に伸張する塩基配列を有するDNAのクローニングを行った。具体的には、実施例26(1)で調製されたStreptomyces achromogenes IFO 12735の染色体DNA13μgを、200Uの制限酵素HincIIを用いて37℃で一晩消化し、フェノール抽出後、エタノール沈殿により精製した。得られたDNAを20μlの水溶液とし、そのうちの4μlと、15μMのGenome Walker Adaptorを1.9μl、10×ligation bufferを1.6μl、および6U/μlのT4 ligaseを0.5μlを混合し、16℃で一晩保温した。その後、70℃で5分間保温して72μlの蒸留水を加えてGenome Walkerライブラリーとした。該ライブラリーを鋳型とし、Advantage GC Genomic PCR kit(クロンテック社製)を用いてPCRを行った。PCRは、Genome Walkerライブラリー1μl、プライマーAP1(ユニバーサルゲノムウォーカーキットに付属)と配列番号117で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをそれぞれ200nMとなるよう添加し、dNTPミックス(それぞれ10mMの4種類のdNTPの混合物)を1μl、5xGCゲノミックPCR反応バッファーを10μl、25mM Mg(OAc)2を2.2μl、5M GC-Meltを10μlおよびAdvantage-GCゲノミックポリメラーゼミックスを1μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlにした。保温条件は、95℃で1分間保温し、94℃で10秒間次いで72℃で3分間のサイクルを7サイクル、94℃で10秒間次いで68℃で3分間のサイクルを36サイクル、さらに68℃で7分間保温した。保温後の溶液を蒸留水で50倍希釈して一次PCR産物とし、これを鋳型にさらにPCRを行った。PCRは、一次PCR産物1μl、プライマーAP2(ユニバーサルゲノムウォーカーキットに付属)と配列番号118で示されるオリゴヌクレオチドをそれぞれ200nMとなるよう添加し、dNTPミックス(それぞれ10mMの4種類のdNTPの混合物)を1μl、5xGCゲノミックPCR反応バッファーを10μl、25mM Mg(OAc)2を2.2μl、5M GC-Meltを10μlおよびAdvantage-GCゲノミックポリメラーゼミックスを1μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlにした。保温条件は、95℃で1分間保温し、94℃で10秒間次いで72℃で3分間のサイクルを5サイクル、94℃で10秒間次いで68℃で3分間のサイクルを20サイクル、さらに68℃で7分間保温した。保温後の反応液を1%のアガロースゲル電気泳動に供し、約1300bpのDNAを含むゲル部分を回収した。回収されたゲルからQIA quick Gel Extraction Kit(キアゲン社製)を用い、付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたDNAを、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)に、該ベクターに付属の取扱説明書に従いライゲーションして、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAGEN Tip20(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを鋳型とし、配列番号67に示されるオリゴヌクレオチドと配列番号68に示されるオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ビッグダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ3100(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。その結果、配列番号110で示される塩基配列の塩基番号644〜1454で示される塩基配列が読み取られた。解析した全ての塩基配列を連結させた結果、配列番号110で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1236塩基(終止コドンを含む)からなり411アミノ酸残基(配列番号108)をコードする塩基配列(配列番号109)と、192塩基(終止コドンを含む)からなり63アミノ酸残基(配列番号111)をコードする塩基配列(配列番号112)とが含まれた。配列番号109で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号108)からなる蛋白質の分子量は、45465Daと計算された。また、該塩基配列にコードされるアミノ酸配列には、本発明蛋白質(A4)のN末端アミノ酸配列解析から決定されたアミノ酸配列(配列番号113)が含まれていた。配列番号112で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号111)からなる蛋白質の分子量は6871Daと計算された。
【0153】
実施例27 本発明蛋白質(A4)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A4)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例26(1)で調製されたStreptomyces achromogenes IFO 12735の染色体DNAを鋳型とし、エキスパンドハイファイPCRシステム(ベーリンガーマンハイム社製)を使用してPCRを行った。プライマーとしては、配列番号119で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号120で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合わせ(以下、プライマー対25と記す。)、または、配列番号119で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号121で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合わせ(以下、プライマー対26と記す。)を用いた。PCR反応液には、2種類のプライマーをそれぞれ300nMとなるよう添加し、染色体DNAを50ng、dNTPミックス(それぞれ2.0mMの4種類のdNTPの混合物)を5.0μl、10×Expand HFバッファー(MgCl2含有)を5.0μl、およびExpand HiFi酵素ミックスを0.75μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlとした。保温条件は、97℃で2分間保温した後、97℃で15秒間次いで60℃で30秒間さらに72℃で1分間の保温を1サイクルとしてこれを10サイクル繰り返し、続いて、97℃で15秒間次いで60℃で30秒間さらに72℃で1分間(72℃での保温は1サイクル毎に20秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15サイクル行い、さらに、72℃で7分間保温した。保温後の反応液を1%アガロースゲル電気泳動に供し、プライマー対25を用いた反応液を供したゲルからは約1.3kbpのDNAを含むゲルを切り出し、プライマー対26を用いた反応液を供したゲルからは約1.6kbpのDNAを含むゲルを切り出した。回収されたそれぞれのゲルから、QIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたDNAとpCRII-TOPOクローニングベクター(Invitrogen社製)とを、該ベクター添付の取扱説明書に従ってライゲーションし、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAGEN Tip20 (QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを鋳型とし、配列番号67と配列番号68と配列番号122と配列番号123に示されるオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ビッグダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ3100(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号109で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR646とし、配列番号110で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR646Fとした。
次に、pCR646およびpCR646Fをそれぞれ制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物をアガロースゲル電気泳動に供した。pCR646の消化物を供したゲルからは約1.3kbpのDNAを含むゲルを切り出し、pCR646Fの消化物を供したゲルからは約1.6kbpのDNAを含むゲルを切り出した。得られたゲルからそれぞれ、QIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。このDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とを、ライゲーションキットVer.1(宝酒造社製)を用い、該キット付属の取扱説明書に従いライゲーションし、大腸菌JM109に導入した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドDNAを調製し、その構造を解析した。配列番号109で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A4)をコードする上記の約1.3kbpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN646とした。また、配列番号110で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A4)をコードする上記の約1.6kbpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN646Fとした。これらプラスミドpKSN646またはpKSN646Fを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN646またはJM109/pKSN646Fとした。また、プラスミドpKSN2を大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN2とした。
【0154】
(2)本発明蛋白質(A4)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
大腸菌JM109/pKSN646、JM109/pKSN646F、およびJM109/pKSN2をそれぞれ、50μg/mlのアンピシリンを含む10mlのTB培地(トリプトン1.2%(w/v)、酵母エキス2.4%(w/v)、グリセロール0.4%(v/v)、リン酸二水素カリウム17mM、リン酸水素二カリウム72mM)で37℃で一晩培養し、得られた培養液のうち1mlを、50μg/mlのアンピシリンを含む100mlのTB培地に植菌して26℃で培養し、OD660が約0.5になったところで、最終濃度500μMになるよう5-アミノレブリン酸を添加し培養を継続する。その30分後に最終濃度1mMになるようにIPTGを添加しさらに17時間培養する。
各培養液から菌体を回収し、それぞれ0.1M Tris-HClバッファー(pH7.5)で洗浄した後、1mM PMSFを含む前記バッファー10mlに懸濁する。この菌体懸濁液を超音波破砕機(SONIFIER(Branson Sonic Power 社登録商標))を用いてout put 3、duty cycle 30%の条件で3分間ずつ6回超音波処理して菌体破砕液を得る。得られた破砕液を、遠心分離(1,200×g、5分間)した後、上清を回収してこれを遠心分離(150,000×g、70分間)した後、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN646から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN646、JM109/pKSN646Fから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN646F、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を回収する。該上清画分のうち1μlをSDS-15%〜25%PAGEで分析し、CBB染色する。その結果、大腸菌抽出液pKSN646や大腸菌抽出液pKSN646Fにおいて、分子量約45kDa程度に相当する泳動位置に、大腸菌抽出液pKSN2よりも顕著に濃いバンドを検出することによって、本発明蛋白質(A4)が大腸菌内で発現したことの確認が可能である。
【0155】
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、2mg/mlのホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、0.1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例27(2)で回収された上清画分18μlを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温する。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分およびC成分のうちの1以上の画分を添加しない反応液を調製し、同様に保温する。保温後の各反応液に、3.0μlの2N塩酸および90μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8,000×gで遠心分離し75μlの酢酸エチル相を回収する。該酢酸エチル相を減圧下で乾固させた後、残渣を6.0μlの酢酸エチルに溶解させその内5.0μlをシリカゲルTLCプレート(TLCプレートシリカゲル60F254、20cm×20cm、0.25mm厚、メルク社製)にスポットする。該TLCプレートを、クロロホルム−酢酸−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸:酢酸エチル=6:1:2)を展開溶媒として約1時間展開した後、溶媒を蒸発させ、イメージングプレート(富士写真フィルム社製)に一晩露光する。次いで、イメージングプレートをイメージアナライザーBAS2000(富士写真フィルム社製)で解析し、14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べる。A成分、B成分、C成分、大腸菌抽出液pKSN646を含む反応液、あるいはA成分、B成分、C成分、大腸菌抽出液pKSN646Fを含む反応液で化合物(III)の生成が確認できる。
【0156】
実施例28 本発明蛋白質に関する配列同一性
GENETYX-WIN Ver.5(ソフトウェア開発株式会社製)」を用い、Lipman-Pearson法[Lipman, D. J. and Pearson, W.R., Science, 227, 1435-1441,(1985)]により相同性解析を行ってアラインメントを作成することにより、本発明の蛋白質および本発明のDNAに関する配列同一性を解析した。
本発明蛋白質(A1)〜(A4)のアミノ酸配列について、相互の配列同一性および最も相同性の高い公知の蛋白質との配列同一性を求めた。結果を表15に示す。
【0157】
【表15】
*:配列同一性の値を上段に示し、当該蛋白質のEntrezデータベース(National Center for Biotechnology Information提供、http://www3.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez/)におけるAccession番号を下段に示す。
【0158】
配列番号6で示される塩基配列を有する本発明DNA(A1)、配列番号7で示される塩基配列を有する本発明DNA(A2)、配列番号8で示される塩基配列を有する本発明DNA(A3)、および配列番号109で示される塩基配列を有する本発明DNA(A4)の塩基配列について、相互の配列同一性および最も相同性の高い公知の遺伝子との配列同一性を求めた。結果を表16に示す。
【表16】
*:配列同一性の値を上段に示し、当該遺伝子のEntrezデータベース(National Center for Biotechnology Information提供、http://www3.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez/)におけるAccession番号を下段に示す。
【0159】
本発明蛋白質(B1)〜(B4)のアミノ酸配列について、相互の配列同一性および最も相同性の高い公知の蛋白質との配列同一性を求めた。結果を表17に示す。
【表17】
*:配列同一性の値を上段に示し、当該蛋白質のEntrezデータベース(National Center for Biotechnology Information提供、http://www3.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez/)におけるAccession番号を下段に示す。
【0160】
配列番号15で示される塩基配列を有する本発明DNA(B1)、配列番号16で示される塩基配列を有する本発明DNA(B2)、配列番号17で示される塩基配列を有する本発明DNA(B3)、および配列番号112で示される塩基配列を有する本発明DNA(B4)の塩基配列について、相互の配列同一性および最も相同性の高い公知の遺伝子との配列同一性を求めた。結果を表18に示す。
【表18】
*:配列同一性の値を上段に示し、当該遺伝子のEntrezデータベース(National Center for Biotechnology Information提供、http://www3.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez/)におけるAccession番号を下段に示す。
【0161】
実施例29 本発明DNA(A)の部分塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとしたPCR
実施例2で調製されたStreptomyces phaeochromogenes IFO 12898の染色体DNA、実施例5で調製されたSaccharopolyspora taberi JCM 9383tの染色体DNA、実施例9で調製されたStreptomyces griseolus ATCC 11796の染色体DNA、実施例11で調製されたStreptomyces testaceus ATCC 21469の染色体DNA、実施例26で調製されたStreptomyces achromogenes IFO 12735の染色体DNA、ならびに実施例2と同様の方法で調製されたStreptomyces griseofuscus IFO 12870t、Streptomyces thermocoerulescens IFO 14273t、およびStreptomyces nogalater IFO 13445のそれぞれの染色体DNAを鋳型としてPCRを行った。プライマーとしては、表19に示す5組のプライマー対を用いた。配列番号6に示される塩基配列に基づいてそれぞれのプライマー対を用いたPCRで増幅されると予想されるDNAの大きさを表19に示した。
【0162】
【表19】
【0163】
PCR反応液には、表19に示した組合わせの2種類のプライマーをそれぞれ200nMとなるよう添加し、染色体DNAを10ng、dNTPミックス(それぞれ10mMの4種類のdNTPの混合物)を0.5μl、5xGCゲノミックPCR反応バッファーを5μl、25mM Mg(OAc)2を1.1μl、5M GC-Meltを5μlおよびAdvantage-GCゲノミックポリメラーゼミックス(クロンテック社製)を0.5μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を25μlにした。保温条件は95℃で1分間保温し、94℃で15秒間次いで60℃で30秒間次いで72℃で1分間のサイクルを30サイクル繰り返し、さらに72℃で5分間保温した。保温後の反応液をそれぞれ3%のアガロースゲル電気泳動にて解析した。結果を図46並びに表20および表21に示す。いずれの菌株から調製した染色体DNAを鋳型に用いた場合にでも、プライマー対14、15、16,17、18のいずれかあるいは全ての場合において、予測された大きさのDNAの増幅が観察された。
【0164】
【表20】
(*;+は予測される大きさのDNAが検出されたことを示し、−は検出されなかったことを示す。)
【0165】
【表21】
(*;+は予測される大きさのDNAが検出されたことを示し、−は検出されなかったことを示す。)
【0166】
実施例30 本発明DNA(A)または本発明DNA(A)の部分塩基配列からなるDNAをプローブとしたハイブリダイゼーション
(1)プローブの作製
本発明DNA(A1)または本発明DNA(A1)の部分塩基配列からなるDNAをジゴシキゲニンで標識したプローブ(DIG標識プローブ)を作製した。実施例3で調製されたStreptomyces phaeochromogenes IFO12898の染色体DNAを鋳型として用い、配列番号93で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号94で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCR DIG Probe Synthesis Kit(Roche Diagnostics GmbH製)を用いて添付のマニュアルに従ってPCRを行った。PCR反応液には、上記の2種類のプライマーをそれぞれ200nMとなるよう添加し、染色体DNAを50ng、dNTP stock solution(それぞれ2.0mMの4種類のdNTPの混合物)を2.5μl、PCR DIG mix(それぞれ2.0mMの4種類のDIG標識dNTPの混合物)を2.5μl、10xPCR bufferを5μl、およびExpand High Fidelity Enzyme Mix(Boehringer Mannheim製)を0.75μlを添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlにした。保温条件は、95℃で2分間保温した後、95℃で10秒間、次いで60℃で30秒間、次いで72℃で2分間の保温を1サイクルとしてこれを10サイクル行い、さらに、95℃で10秒間、次いで60℃で30秒間、次いで72℃で2分間(72℃での保温は1サイクル毎に20秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15サイクル行い、さらに72℃で7分間保温した。保温後の反応液を1%アガロース電気泳動に供した。その結果、約1.3kbのDNAの増幅が確認された。この増幅されたDNAを回収し、配列番号6で示される塩基配列を有しジゴシキゲニンで標識されたDNAを得た。同様の方法で、実施例3で調製されたStreptomyces phaeochromogenes IFO12898の染色体DNAを鋳型として用い、配列番号130で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号131で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行った。該PCRにより増幅されたDNAを回収し、配列番号6で示される塩基配列の塩基番号57〜730で示される塩基配列を有しジゴシキゲニンで標識されたDNAを得た。
同様の方法で、実施例6で調製されたSaccharopolyspora taberi JCM9383tの染色体DNAを鋳型として用い、配列番号61で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号62で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いてPCRを行った。該PCRにより増幅されたDNAを回収し、配列番号7で示される塩基配列を有しジゴシキゲニンで標識されたDNAを得た。
さらに同様の方法で、実施例11で調製されたStreptomyces testaceus ATCC21469の染色体DNAを鋳型として用い、配列番号70で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号71で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを行った。該PCRにより増幅されたDNAを回収し、配列番号8で示される塩基配列を有しジゴシキゲニンで標識されたDNAを得た。また、上記染色体DNAを鋳型として用い、配列番号132で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド及び配列番号133で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを行った。該PCRにより増幅されたDNAを回収し、配列番号8で示される塩基配列の塩基番号21〜691で示される塩基配列を有しジゴシキゲニンで標識されたDNAを得た。
【0167】
(2)ドットブロットハイブリダイゼーション
実施例4で作製されたpKSN657のDNA(本発明DNA(A1)を含むDNA)、実施例7で作製されたpKSN923のDNA(本発明DNA(A2)を含むDNA)、実施例12で作製されたpKSN671のDNA(本発明DNA(A3)を含むDNA)、実施例14で作製されたpKSNSCAのDNA(本DNA(A9)を含むDNA)、および実施例10で作製されたpKSN11796のDNA(本DNA(A10)を含むDNA)を、それぞれ100ng及び10ng相当量ずつナイロンメンブレンHybond N+(Amersham Pharmacia Biotech製)にブロットした。得られたメンブレンにトランスイルミネーターで5分間紫外線を照射した。
ハイブリダイゼーションと検出はDIG-High Prime DNA Labeling and Detection Starter Kit II(Rche Diagnostics GmbH製)を用いて添付のマニュアルに従って行った。プローブとしては、実施例30(1)で作製されたジゴシキゲニンで標識されたDNAをそれぞれ、100℃で5分間保温した後、氷上で急冷して用いた(以下、DIG標識プローブと記す。)。上記のDNAがブロットされたナイロンメンブレンを、上記キット添付の2.0mlのDIG Easy Hyb中で42℃にて30分間振とうした。次いで、2.0mlのDIG Easy Hyb、5.0μlのDIG標識プローブ及び上記メンブレンをハイブリバック中に封入し42℃で18時間保温した。メンブレンを取り出し、0.1% SDSを含む2XSSC中で室温にて5分間の振とうを液を2回行い、次いで0.1% SDS を含む0.5XSSC中で65℃にて15分間の振とうを2回行った。続いてメンブレンを50mlのWashing buffer中で2分間振とうし、次いで50mlのBlocking solution中で室温にて30分間振とうし、さらに2.0mlのAntibody solution中で30分間振とうした後、50mlのWashing buffer中で15分間の振とうを2回行った。さらに、メンブレンを50mlのDetection buffer中で5分間振とうした後、2.0mlのColor substrate solutionとともにハイブリバックに封入し18時間室温で保温した。いずれのDIG標識プローブでハイブリダイゼーションを行った場合でも、pKSN657、pKSN923、pKSN671、pKSNSCAおよびpKSN11796のそれぞれ100ng及び10ngのいずれの試料についてもシグナルが検出された。
【0168】
実施例31 本発明DNA(A11)の取得
(1)Streptomyces nogalator IFO13445染色体DNAの調製
Streptomyces nogalator IFO13445を50mlのTGY培地(酵母エキス 0.5%(w/v)、トリプトン 0.5%(w/v)、グルコース 0.1%(w/v)、K2HPO4 0.1%(w/v)、pH7.0)で3日間、30℃で振とう培養した後、集菌した。得られた菌体を、グリシン1.4%(w/v)、60mM EDTAを添加したTGY培地に懸濁し、さらに1日間振とう培養した。得られた培養液から菌体を集めて、蒸留水で1回洗浄した後、3.5mlのバッファーB1(50mM Tris-HCl (pH8.0), 50mM EDTA, 0.5%Tween-20, 0.5% Triton X-100)に懸濁した。得られた懸濁液に80μlの100mg/mlリゾチーム溶液と100μlのQIAGEN Protease(600mAU/ml、キアゲン社製)を添加して、37℃で1時間保温した。次に1.2mlのバッファーB2(3M guanidine HCl, 20% Tween-20)を添加して混合し50℃で30分間保温した。得られた溶菌液をバッファーQBT(750mM NaCl, 50mM MOPS (pH7.0), 15%イソプロパノール, 0.15% Triton X-100)で平衡化したキアゲンゲノミックチップ100G(キアゲン社製)に添加した。次いで、このチップを7.5mlのバッファーQC[50mM MOPS (pH7.0), 15%イソプロパノール]で2回洗浄した後、5mlのバッファーQF[1.25M NaCl, 50mM Tris-HCl (pH8.5), 15%イソプロパノール]を流してDNAを溶出させた。得られたDNA溶液に3.5mlのイソプロパノールを混合し、染色体DNAを沈殿させて回収した。回収された染色体DNAを70%エタノールで洗浄した後、1mlのTBバッファーに溶解させた。
【0169】
(2)本発明DNA(A11)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例31(1)で調製された染色体DNAを鋳型としプライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。増幅されたDNAを、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)に、該ベクターに付属の取扱説明書に従いライゲーションした後、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAGEN Tip20(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを鋳型とし、配列番号57で示される塩基配列を有するプライマーまたは配列番号59で示される塩基配列を有するプライマーを用い、ビッグダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ3100(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。その結果、配列番号139で示される塩基配列の塩基番号316〜1048で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例31(1)で調製された染色体DNAを制限酵素PvuIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法に準じてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号161で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1[ユニバーサルゲノムウォーカーキット(クロンテック社製)に付属]とを用いて実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、1次PCR産物を鋳型とし、配列番号162で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2[ユニバーサルゲノムウォーカーキット(クロンテック社製)に付属]とを用いて実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号144で示される塩基配列の塩基番号1〜330で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例31(1)で調製された染色体DNAを制限酵素HincIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。、得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号163で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、1次PCR産物を鋳型とし、配列番号164で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号144で示される塩基配列の塩基番号983〜1449で示される塩基配列が読み取られた。
(3)本発明DNA(A11) の塩基配列解析
実施例31(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号144で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1230塩基(終止コドンを含む)からなり409アミノ酸残基(配列番号159)をコードする塩基配列(配列番号139)と、207塩基(終止コドンを含む)からなり68アミノ酸残基(配列番号149)をコードする塩基配列(配列番号154)とが含まれた。配列番号139で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号159)からなる蛋白質の分子量は、45177Daと計算された。また、配列番号154で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号149)からなる蛋白質の分子量は7147Daと計算された。
【0170】
実施例32 本発明蛋白質(A11)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A11)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例31(1)で調製されたStreptomyces nogalator IFO 13445の染色体DNAを鋳型とし、エキスパンドハイファイPCRシステム(ベーリンガーマンハイム社製)を使用してPCRを行った。プライマーとしては、配列番号165で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号166で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合わせを用いた。PCRの反応液組成および保温は実施例27(1)に記載の条件と同じとした。保温後の反応液を1%アガロースゲル電気泳動に供し、約1.5kbpのDNAを含むゲルを切り出した。回収されたゲルから、QIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。得られたDNAとpCRII-TOPOクローニングベクター(Invitrogen社製)とを、該ベクター添付の取扱説明書に従ってライゲーションした後、大腸菌TOP10F'に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAGEN Tip20 (QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAを鋳型とし、配列番号57、59、186に示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ビッグダイターミネーターサイクルシークエンシングFSレディリアクションキット(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて該キット付属の取扱説明書に従いシークエンス反応を行った。反応物をDNAシーケンサ3100(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号144で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR849AFとした。
次に、pCR849AFを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物をアガロースゲル電気泳動に供し、約1.5kbpのDNAを含むゲルを切り出した。得られたゲルからQIA quick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて該キットに付属の取扱説明書に従いDNAを精製した。このDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とを、ライゲーションキットVer.2(宝酒造社製)を用い、該キット付属の取扱説明書に従いライゲーションした後、大腸菌JM109に導入した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドDNAを調製し、その構造を解析した。配列番号144で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A11)をコードする上記の約1.5kbpのDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミドをpKSN849AFとした。このプラスミドpKSN849AFを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN849AFとした。また、プラスミドpKSN2を大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN2とした。
【0171】
(2)本発明蛋白質(A11)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN849AFおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN849AFから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN849AF、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
14Cで標識された3ppmの化合物(II)、2mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、2mg/mlのホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、0.1U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例32(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN849AFまたは大腸菌抽出液pKSN2)23μlを含む0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。実施例4(3)と同様にして、保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN849AFを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
【0172】
実施例33 本発明DNA(A12)の取得
(1)Streptomyces tsusimaensis IFO 13782染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces tsusimaensis IFO 13782の染色体DNAを調製した。
【0173】
(2)本発明DNA(A12)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例33(1)で調製されたStreptomyces tsusimaensis IFO 13782の染色体DNAを鋳型としプライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号140で示される塩基配列の塩基番号364〜1096で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例33(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号167で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1と用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、1次PCR産物を鋳型とし、配列番号168で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号145で示される塩基配列の塩基番号1〜392で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例33(1)で調製された染色体DNAを制限酵素PvuIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。、得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号169で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、1次PCR産物を鋳型とし、配列番号170で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号145で示される塩基配列の塩基番号1048〜1480で示される塩基配列が読み取られた。
【0174】
(3)本発明DNA(A12) の塩基配列解析
実施例33(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号145で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1278塩基(終止コドンを含む)からなり425アミノ酸残基(配列番号160)をコードする塩基配列(配列番号140)と、198塩基(終止コドンを含む)からなり65アミノ酸残基(配列番号150)をコードする塩基配列(配列番号155)とが含まれた。配列番号140で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号160)からなる蛋白質の分子量は、46549Daと計算された。配列番号155で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号150)からなる蛋白質の分子量は6510Daと計算された。
【0175】
実施例34 本発明DNA(A12)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A12)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例33(1)で調製されたStreptomyces tsusimaensis IFO 13782染色体DNAを鋳型とし、配列番号171で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号172で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例32(1)と同様にして、PCRを行った。該PCRの反応液から、実施例32(1)と同様にして、DNAを精製しpCRII-TOPOクローニングベクター(Invitrogen社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号57、59、171、172、187で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号145で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR1618Fとした。実施例32(1)と同様にして、pCR1618Fを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号145で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A12)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1618Fと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1618Fとした。
【0176】
(2)本発明蛋白質(A12)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN1618FおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1618Fから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1618F、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例34(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN1618Fまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いる以外は実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN1618Fを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
【0177】
実施例35 本発明DNA(A13)の取得
(1)Streptomyces thermocoerulesces IFO 14273t染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces thermocoerulesces IFO 14273tの染色体DNAを調製した。
【0178】
(2)本発明DNA(A13) の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例35(1)で調製されたStreptomyces thermocoerulesces IFO 14273tの染色体DNAを鋳型としプライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号141で示される塩基配列の塩基番号295〜1027で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例35(1)で調製された染色体DNAを制限酵素HincIIした。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号173で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1と用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、1次PCR産物を鋳型とし、配列番号174で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。その結果、配列番号146で示される塩基配列の塩基番号1〜370で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例35(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号175で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、1次PCR産物を鋳型とし、配列番号176で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。その結果、配列番号146で示される塩基配列の塩基番号960〜1473で示される塩基配列が読み取られた。
【0179】
(3)本発明DNA(A13) の塩基配列解析
実施例35(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号146で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1209塩基(終止コドンを含む)からなり402アミノ酸残基(配列番号136)をコードする塩基配列(配列番号141)と、252塩基(終止コドンを含む)からなり83アミノ酸残基(配列番号151)をコードする塩基配列(配列番号156)とが含まれた。配列番号141で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号136)からなる蛋白質の分子量は、44629Daと計算された。配列番号156で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号151)からなる蛋白質の分子量は8635Daと計算された。
【0180】
実施例36 本発明DNA(A13)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A13)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例35(1)で調製されたStreptomyces thermocoerulesces IFO 14273tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号177で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号178で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例32(1)と同様にして、PCRを行った。該PCRの反応液から、実施例32(1)と同様にして、DNAを精製しpCRII-TOPOクローニングベクター(Invitrogen社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号57、59、173、175、188で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号146で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR474Fとした。実施例32(1)と同様にして、pCR474Fを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号146で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A13)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN474Fと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN474Fとした。
【0181】
(2)本発明蛋白質(A13)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN474FおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN474Fから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN474F、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例36(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN474Fまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いる以外は実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN474Fを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
【0182】
実施例37 本発明DNA(A14)の取得
(1)Streptomyces glomerochromogenes IFO 13673t染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces glomerochromogenes IFO 13673tの染色体DNAを調製した。
【0183】
(2)本発明DNA(A14) の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例37(1)で調製されたStreptomyces glomerochromogenes IFO 13673tの染色体DNAを鋳型とし、プライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号142で示される塩基配列の塩基番号316〜1048で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例37(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号179で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、1次PCR産物を鋳型とし、配列番号180で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号147で示される塩基配列の塩基番号1〜330で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例37(1)で調製された染色体DNAを制限酵素HincIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号181で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、1次PCR産物を鋳型とし、配列番号182で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号147で示される塩基配列の塩基番号982〜1449で示される塩基配列が読み取られた。
【0184】
(3)本発明DNA(A14) の塩基配列解析
実施例37(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号147で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1230塩基(終止コドンを含む)からなり409アミノ酸残基(配列番号137)をコードする塩基配列(配列番号142)と、207塩基(終止コドンを含む)からなり68アミノ酸残基(配列番号152)をコードする塩基配列(配列番号157)とが含まれた。配列番号142で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号137)からなる蛋白質の分子量は、45089Daと計算された。配列番号157で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号152)からなる蛋白質の分子量は7174Daと計算された。
【0185】
実施例38 本発明DNA(A14)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A14)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例37(1)で調製されたStreptomyces glomerochromogenes IFO 13673tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号183で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号184で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例32(1)と同様にして、PCRを行った。該PCRの反応液から、実施例32(1)と同様にして、DNAを精製しpCRII-TOPOクローニングベクター(Invitrogen社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号57、59、189で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号147で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR1491AFとした。実施例32(1)と同様にして、pCR1491AFを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号147で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A14)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1491AFと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1491AFとした。
【0186】
(2)本発明蛋白質(A14)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN1491AFおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1491AFから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1491AF、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
【0187】
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例38(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN1491AFまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いる以外は実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN1491AFを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
【0188】
実施例39 本発明DNA(A15)の取得
(1)Streptomyces olivochromogenes IFO 12444染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces olivochromogenes IFO 12444の染色体DNAを調製した。
【0189】
(2)本発明DNA(A15) の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例39(1)で調製されたStreptomyces olivochromogenes IFO 12444の染色体DNAを鋳型とし、プライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号143で示される塩基配列の塩基番号316〜1048で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例39(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたDNAを鋳型とし、配列番号179で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、1次PCR産物を鋳型とし、配列番号180で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号148で示される塩基配列の塩基番号1〜330で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例39(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号181で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、1次PCR産物を鋳型とし、配列番号182で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号148で示される塩基配列の塩基番号982〜1449で示される塩基配列が読み取られた。
【0190】
(3)本発明DNA(A15) の塩基配列解析
実施例39(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号148で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1230塩基(終止コドンを含む)からなり409アミノ酸残基(配列番号138)をコードする塩基配列(配列番号143)と、207塩基(終止コドンを含む)からなり68アミノ酸残基(配列番号153)をコードする塩基配列(配列番号158)とが含まれた。配列番号143で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号138)からなる蛋白質の分子量は、45116Daと計算された。配列番号158で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号153)からなる蛋白質の分子量は7179Daと計算された。
【0191】
実施例40 本発明DNA(A15)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A15)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例39(1)で調製されたStreptomyces olivochromogenes IFO 12444の染色体DNAを用い、配列番号185で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号184で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例32(1)と同様にして、PCRを行った。該PCRの反応液から、実施例32(1)と同様にして、DNAを精製しpCRII-TOPOクローニングベクター(Invitrogen社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号57、59、189で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号148で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR1555AFとした。実施例32(1)と同様にして、pCR1555AFを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号148で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A15)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1555AFと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1555AFとした。
【0192】
(2)本発明蛋白質(A15)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN1555AFおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1555AFから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1555AF、JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
【0193】
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例40(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN1555AFまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いる以外は実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN1555AFを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
【0194】
実施例41 本発明蛋白質(A1)による化合物の代謝
(1)プラスチド画分の調製
葉ダイコン種子100g(タキイ種苗社製)をバット中の湿らせた紙ウェス上に播種し、25℃にて、暗黒下で6日間栽培した後、蛍光灯下で4時間栽培した。緑化した子葉30gを磨砕バッファー[1mM 塩化マグネシウム、20mM N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸、10mM N-2-ヒドロキシエチルピペリジン-N'-2-エタンスルホン酸、0.5mM EDTA、5mM システイン、0.5M ショ糖;pH7.7]中にて、Nissei AM-8 HOMOGENIZER(日本精機製作所製)で磨砕(18,000〜20,000rpm、4℃、5秒間)した。得られた磨砕液を4層のナイロンガーゼでろ過し、得られたろ液を遠心分離(13,170×g、4℃、1分間)した。得られた沈殿画分を60mlの磨砕バッファーに懸濁し、遠心分離(2,640×g、4℃、2分間)した。沈殿画分を再び10mlの磨砕バッファーに懸濁し、遠心管に入れた20mlの高密度バッファー[1mM 塩化マグネシウム、20mM N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸、30mM N-2-ヒドロキシエチルピペリジン-N'-2-エタンスルホン酸、0.5mM EDTA、5mM システイン、0.6M ショ糖;pH7.7]に重層した。遠心分離(675×g、4℃、15分間)し、沈殿を3mlの懸濁バッファー[1mM 塩化マグネシウム、20mM N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸、30mM N-2-ヒドロキシエチルピペリジン-N'-2-エタンスルホン酸、0.5mM EDTA;pH7.7]に懸濁し、プラスチド画分とした。
【0195】
(2)本発明蛋白質(A1)による化合物(XII)の代謝
5ppmの化合物(XII)、3mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、1mg/mlホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、0.15U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例4(2)で回収された上清画分20μlを含む50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液100μlを調製し30℃で10分間保温した。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分、C成分および実施例4(2)で回収された上清画分を含まない50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液100μlを調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に10μlの2N塩酸および500μlの酢酸エチルを加えて攪拌し、8000×gで遠心分離し490μlの酢酸エチル層を回収した。該酢酸エチル層を減圧下で乾固させた後、残渣を100μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例4(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XII)代謝液(A1)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例4(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XII)コントロール液(A1)と記す。]のうち40μlをHPLCで分析した。(XII)コントロール液(A1)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A1)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A1)から、(XII)コントロール液(A1)では検出されないピークが検出された。該ピークに含まれる化合物の質量分析を行った。該ピークに含まれる化合物の質量は、化合物(XII)の質量に比べて14小さかった。
【0196】
上記(XII)代謝液(A1)の32倍希釈液20μlおよび実施例41(1)で調製されたプラスチド画分60μlを混合し、暗条件下、20μlの基質溶液(10mM アデノシン三リン酸、5mM アミノレブリン酸、4mM 還元型グルタチオン、0.6mM NAD+;pH6.5)(以下、該基質溶液を、PPO基質溶液と記す。)を添加して30℃で1.5時間保温した。また、(XII)代謝液(A1)の32倍希釈液20μlに替えて(XII)コントロール液(A1)の32倍希釈液20μlを添加した反応液を調製し、同様にPPO基質溶液を添加して保温した。保温後の各反応液に300μlのジメチルスルホキシド−メタノール混合液(ジメチルスルホキシド:メタノール=7:3)を加え、遠心分離(8000×g、4℃、10分間)した。上清を回収し、以下の分析条件2にて逆相HPLC分析に供して、PPIX量を測定した。(XII)代謝液(A1)が添加された反応液におけるPPIX量は、(XII)コントロール液(A1)が添加された反応液におけるPPIX量よりも多かった。
【0197】
(HPLC分析条件2)
カラム:スミパックスODS212(住化分析センター製)
流速:2ml/分
検出波長:蛍光 Ex=410nm Em=630nm
溶出液:メタノール−1M 酢酸アンモニウム(pH5.7)混合液(メタノール:1M 酢酸アンモニウム=95:5)
【0198】
(3)本発明蛋白質(A1)による化合物(XIII)の代謝
5ppmの化合物(XII)の代わりに5ppmの化合物(XIII)を使用する以外は実施例41(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlのジメチルスルホキシドに溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例4(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XIII)代謝液(A1)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例4(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XIII)コントロール液(A1)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A1)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A1)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A1)から、(XIII)コントロール液(A1)では検出されないピークが検出された。該ピークに含まれる化合物の質量分析を行った。該ピークに含まれる化合物の質量は、化合物(XIII)の質量に比べて14小さかった。
【0199】
上記(XIII)代謝液(A1)の128倍希釈液20μlおよびプラスチド画分60μlを混合し、暗条件下、20μlのPPO基質溶液を添加して30℃で1.5時間保温した。また、(XIII)代謝液(A1)の128倍希釈液20μlに替えて(XIII)コントロール(A1)の128倍希釈液20μlを添加した反応液を調製し、同様にPPO基質溶液を添加して保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様に処理して上記分析条件2にて逆相HPLC分析に供し、PPIX量を測定した。(XIII)代謝液(A1)が添加された反応液におけるPPIX量は、(XIII)コントロール液(A1)が添加された反応液におけるPPIX量よりも多かった。
【0200】
(4)本発明蛋白質(A1)による化合物(XVI)の代謝
5ppmの化合物(XII)の代わりに12.5ppmの化合物(XVI)を使用する以外は実施例41(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を200μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例4(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XVI) 代謝液(A1)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例4(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XVI)コントロール液(A1)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XVI)コントロール液(A1)から検出された化合物(XVI)の濃度と比較して、(XVI)代謝液(A1)から検出された化合物(XVI)の濃度は低かった。また、(XVI)代謝液(A1)から、(XVI)コントロール液(A1)では検出されないピークが検出された。
【0201】
上記(XVI)代謝液(A1)の8倍希釈液20μlおよびプラスチド画分60μlを混合し、暗条件下、20μlのPPO基質溶液を添加して30℃で1.5時間保温した。また、(XVI)代謝液(A1)の8倍希釈液20μlに替えて(XVI)コントロール(A1)の8倍希釈液20μlを添加した反応液を調製し、同様にPPO基質溶液を添加して保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様に処理して上記分析条件2にて逆相HPLC分析に供し、PPIX量を測定した。(XVI)代謝液(A1)が添加された反応液におけるPPIX量は、(XVI)コントロール液(A1)が添加された反応液におけるPPIX量よりも多かった。
【0202】
(5)本発明蛋白質(A1)による化合物(XVII)の代謝
5ppmの化合物(XII)の代わりに12.5ppmの化合物(XVII)を使用する以外は実施例41(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を200μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例4(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XVII) 代謝液(A1)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例4(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XVII)コントロール液(A1)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XVII)コントロール液(A1)から検出された化合物(XVII)の濃度と比較して、(XVII)代謝液(A1)から検出された化合物(XVII)の濃度は低かった。また、(XVII)代謝液(A1)から、(XVII)コントロール液(A1)では検出されないピークが検出された。
【0203】
上記(XVII)代謝液(A1)の32倍希釈液20μlおよびプラスチド画分60μlを混合し、暗条件下、20μlのPPO基質溶液を添加して30℃で1.5時間保温した。また、(XVII)代謝液(A1)の32倍希釈液20μlに替えて(XVII)コントロール(A1)の32倍希釈液20μlを添加した反応液を調製し、同様にPPO基質溶液を添加して保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様に処理して上記分析条件2にて逆相HPLC分析に供し、PPIX量を測定した。(XVII)代謝液(A1)が添加された反応液におけるPPIX量は、(XVII)コントロール液(A1)が添加された反応液におけるPPIX量よりも多かった。
【0204】
(6)本発明蛋白質(A1)による化合物(VI)の代謝
大腸菌JM109/pKSN657Fを50μg/mlのアンピシリンを含む3mlのTB培地で37℃にて一晩培養した。得られた培養液のうち1mlを、50μg/mlのアンピシリンを含む100mlのTB培地に植菌して26℃で培養し、OD660が約0.5になったところで、最終濃度500μMになるよう5-アミノレブリン酸を添加し培養を継続した。その30分後に最終濃度1mMになるようにIPTGを添加しさらに20時間培養した。
培養液から菌体を回収し、0.1M Tris-HClバッファー(pH7.5)で洗浄した後、1%グルコースを含む0.1M Tris-HClバッファー10mlに懸濁した。得られた菌体懸濁液に終濃度100ppmとなるように化合物(VI)を添加し30℃で振とう培養した。振とう開始0時間後、1日後に菌体懸濁液2mlを分取してそれぞれに50μlの2N塩酸を添加し、これを2mlの酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル層を分析条件1にてHPLC分析した。振とう開始0時間後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から検出された化合物(VI)の濃度と比較して、振とう開始1日後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から検出された化合物(VI)の濃度は低かった。また、振とう開始1日後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から、振とう開始0時間後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層では検出されないピークが検出された。該ピークに含まれる化合物の質量分析を行った。該ピークに含まれる化合物の質量は、化合物(VI)の質量に比べて14小さかった。
【0205】
(7)本発明蛋白質(A1)による化合物(VIII)の代謝
化合物(VI)の代わりに化合物(VIII)を使用する以外は、実施例41(6)に記載した方法に従って、大腸菌JM109/pKSN657Fの培養、菌体懸濁液の調製、該菌体懸濁液に化合物(VIII)を添加した振とう培養、菌体懸濁液からの試料調製、および該試料のHPLC分析を行った。振とう開始0時間後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から検出された化合物(VIII)の濃度と比較して、振とう開始1日後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から検出された化合物(VIII)の濃度は低かった。また、振とう開始1日後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から、振とう開始0時間後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層では検出されない2種のピークが検出された。該ピークに含まれる化合物の質量分析を行った。化合物(VIII)の質量に比べて、1つのピークに含まれる化合物の質量は14小さく、もう1つのピークに含まれる化合物の質量は28小さかった。
【0206】
(8)本発明蛋白質(A1)による化合物(X)の代謝
化合物(VI)の代わりに化合物(X)を使用する以外は、実施例41(6)に記載した方法に従って、大腸菌JM109/pKSN657Fの培養、菌体懸濁液の調製、該菌体懸濁液に化合物(X)を添加した振とう培養、菌体懸濁液からの試料調製、および該試料のHPLC分析を行った。振とう開始0時間後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から検出された化合物(X)の濃度と比較して、振とう開始1日後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から検出された化合物(X)の濃度は低かった。また、振とう開始1日後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から、振とう開始0時間後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層では検出されない2種のピークが検出された。該ピークに含まれる化合物の質量分析を行った。化合物(X)の質量に比べて、1つのピークに含まれる化合物の質量は40小さく、もう1つのピークに含まれる化合物の質量は54小さかった。
【0207】
(9)本発明蛋白質(A1)による化合物(XI)の代謝
化合物(VI)の代わりに化合物(XI)を使用する以外は、実施例41(6)に記載した方法に従って、大腸菌JM109/pKSN657Fの培養、菌体懸濁液の調製、該菌体懸濁液に化合物(XI)を添加した振とう培養、菌体懸濁液からの試料調製、および該試料のHPLC分析を行った。振とう開始0時間後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から検出された化合物(XI)の濃度と比較して、振とう開始1日後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から検出された化合物(XI)の濃度は低かった。また、振とう開始1日後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から、振とう開始0時間後の菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層では検出されない2種のピークが検出された。該ピークに含まれる化合物の質量分析を行った。化合物(XI)の質量に比べて、1つのピークに含まれる化合物の質量は14小さく、もう1つのピークに含まれる化合物の質量は16大きかった。
【0208】
実施例42 本発明蛋白質(A11)による化合物の代謝
(1)本発明蛋白質(A11)による化合物(X)の代謝
大腸菌JM109/pKSN849AFまたはJM109/pKSN2をそれぞれ、50μg/mlのアンピシリンを含む10mlのTB培地で37℃にて一晩培養した。得られた培養液のうち1mlを、50μg/mlのアンピシリンを含む100mlのTB培地に植菌して26℃で培養し、OD660が約0.5になったところで、最終濃度500μMになるよう5-アミノレブリン酸を添加し培養を継続した。その30分後に最終濃度1mMになるようにIPTGを添加しさらに18時間培養した。
各培養液から菌体を回収し、それぞれ0.1M Tris-HClバッファー(pH7.5)で洗浄した後、1%グルコースを含む0.1M Tris-HClバッファー10mlに懸濁した。得られた菌体懸濁液に終濃度25ppmとなるように化合物(X)を添加し30℃で振とう培養した。振とう開始0時間後、4日後に菌体懸濁液2mlを分取して50μlの2N塩酸を添加し、これを2mlの酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチル層を分析条件1にてHPLC分析した。JM109/pKSN2菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から検出された化合物(X)の濃度と比較して、JM109/pKSN849AF菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から検出された化合物(X)の濃度は低かった。また、JM109/pKSN849AF菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層から、JM109/pKSN2菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層では検出されない3種のピークが検出された。この3種のピークのうち、1つのピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(8)で検出された化合物(X)よりも質量が40小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。また、他の1つのピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(8)で検出された化合物(X)よりも質量が54小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0209】
上記のJM109/pKSN2菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層1mlおよびJM109/pKSN849AF菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層1mlをそれぞれ減圧下で乾固させた後、残渣を1mlのジメチルスルホキシドに溶解させた[以下、JM109/pKSN2菌体懸濁液から調製された酢酸エチル層由来の溶解液を(X)コントロール液(A11)と記す。また、JM109/pKSN849AF菌体懸濁液から調製した酢酸エチル層由来の溶解液を(X)代謝液(A11)と記す。]。
(X)代謝液(A11)の128倍希釈液20μlおよびプラスチド画分60μlを混合し、暗条件下、20μlのPPO基質溶液を添加して30℃で1.5時間保温した。また、(X)代謝液(A11)の128倍希釈液20μlの代わりに(X)コントロール液(A11)の128倍希釈液20μlを添加した反応液を調製し、同様にPPO基質溶液を添加して保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様に処理して上記分析条件2にて逆相HPLC分析に供し、PPIX量を測定した。(X)代謝液(A11)が添加された反応液におけるPPIX量は、(X)コントロール液(A11)が添加された反応液におけるPPIX量よりも多かった。
【0210】
(2)本発明蛋白質(A11)による化合物(XII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例32(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例32(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XII)代謝液(A11)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例32(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XII)コントロール液(A11)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A11)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A11)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A11)から、(XII)コントロール液(A11)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0211】
(3)本発明蛋白質(A11)による化合物(XIII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例32(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(3)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlのジメチルスルホキシドに溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例32(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XIII)代謝液(A11)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例32(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XIII)コントロール液(A11)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A11)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A11)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A11)から、(XIII)コントロール液(A11)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0212】
(4)本発明蛋白質(A11)による化合物(XVI)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例32(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は実施例41(4)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を200μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例32(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XVI)代謝液(A11)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例32(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XVI)コントロール液(A11)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XVI)コントロール液(A11)から検出された化合物(XVI)の濃度と比較して、(XVI)代謝液(A11)から検出された化合物(XVI)の濃度は低かった。また、(XVI)代謝液(A11)から、(XVI)コントロール液(A11)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(4)で(XVI)代謝液(A1)からは検出され(XVI)コントロール液(A1)からは検出されなかったピークの溶出時間と一致した。
【0213】
(5)本発明蛋白質(A11)による化合物(XVII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例32(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は実施例41(5)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を200μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例32(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XVII)代謝液(A11)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例32(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XVII)コントロール液(A11)と記す。)を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XVII)コントロール液(A11)から検出された化合物(XVII)の濃度と比較して、(XVII)代謝液(A11)から検出された化合物(XVII)の濃度は低かった。また、(XVII)代謝液(A11)から、(XVII)コントロール液(A11)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(5)で(XVII)代謝液(A1)からは検出され(XVII)コントロール液(A1)からは検出されなかったピークの溶出時間と一致した。
【0214】
実施例43 本発明蛋白質(A2)、(A3)、(A12)、(A13)、(A14)もしくは(A15)、または本蛋白質(A10)による化合物の代謝
(1)本発明蛋白質(A2)による化合物(XII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例7(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例7(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XII)代謝液(A2)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例7(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XII)コントロール液(A2)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A2)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A2)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A2)から、(XII)コントロール液(A2)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0215】
(2)本発明蛋白質(A3)による化合物(XII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例12(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例12(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XII)代謝液(A3)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例12(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XII)コントロール液(A3)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A3)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A3)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A3)から、(XII)コントロール液(A3)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0216】
(3)本蛋白質(A10)による化合物(XII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例10(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例10(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XII)代謝液(A10)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例12(0)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XII)コントロール液(A10)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A10)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A10)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A10)から、(XII)コントロール液(A10)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0217】
(4)本発明蛋白質(A12)による化合物(XII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例34(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例34(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XII)代謝液(A12)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例34(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XII)コントロール液(A12)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A12)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A12)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A12)から、(XII)コントロール液(A12)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0218】
(5)本発明蛋白質(A13)による化合物(XII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例36(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例36(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XII)代謝液(A13)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例36(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XII)コントロール液(A13)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A13)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A13)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A2)から、(XII)コントロール液(A2)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0219】
(6)本発明蛋白質(A14)による化合物(XII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例38(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例38(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XII)代謝液(A14)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例38(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XII)コントロール液(A14)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A14)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A14)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A14)から、(XII)コントロール(A14)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0220】
(7)本発明蛋白質(A15)による化合物(XII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例40(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlの50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例40(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XII)代謝液(A15)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例40(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XII)コントロール液(A15)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A15)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A15)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A15)から、(XII)コントロール液(A15)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0221】
(8)本発明蛋白質(A2)による化合物(XIII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例7(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(3)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlのジメチルスルホキシドに溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例7(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XIII)代謝液(A2)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例7(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XIII)コントロール液(A2)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A2)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A2)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A2)から、(XIII)コントロール液(A2)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0222】
(9)本発明蛋白質(A3)による化合物(XIII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例12(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(3)に記載した方法に従って反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlのジメチルスルホキシドに溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例12(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XIII)代謝液(A3)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例12(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XIII)コントロール液(A3)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A3)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A3)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A3)から、(XIII)コントロール液(A3)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0223】
(10)本蛋白質(A10)による化合物(XIII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例10(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(3)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlのジメチルスルホキシドに溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例10(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XIII)代謝液(A10)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例10(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XIII)コントロール液(A10)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A10)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A10)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A10)から、(XIII)コントロール液(A10)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0224】
(11)本発明蛋白質(A12)による化合物(XIII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例34(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(3)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlのジメチルスルホキシドに溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例34(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XIII)代謝液(A12)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例34(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XIII)コントロール液(A12)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A12)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A12)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、XIII)代謝液(A12)から、(XIII)コントロール液(A12)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)5検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0225】
(12)本発明蛋白質(A13)による化合物(XIII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例36(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(3)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlのジメチルスルホキシドに溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例36(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XIII)代謝液(A13)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例36(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XIII)コントロール液(A13)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A13)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A13)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A13)から、(XIII)コントロール液(A13)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0226】
(13)本発明蛋白質(A14)による化合物(XIII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例38(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(3)に記載した方法に従って反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlのジメチルスルホキシドに溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例38(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XIII)代謝液(A14)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例38(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XIII)コントロール液(A14)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A14)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A14)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A14)から、(XIII)コントロール液(A14)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0227】
(14)本発明蛋白質(A15)による化合物(XIII)の代謝
実施例4(2)で回収された上清画分20μl の代わりに実施例40(2)で回収された上清画分20μlを使用する以外は、実施例41(3)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例41(2)と同様にして酢酸エチル抽出し、得られた残渣を100μlのジメチルスルホキシドに溶解させた。得られた溶解液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例40(2)で回収された上清画分20μlを含む反応液由来の該溶解液を(XIII)代謝液(A15)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例40(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該溶解液を(XIII)コントロール液(A15)と記す。]を上記分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A15)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A15)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、XIII)代謝液(A15)から、(XIII)コントロール液(A15)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と一致した。
【0228】
実施例44 本発明蛋白質(A1)を認識する本発明抗体(A)[以下、本発明抗体(A1)と記す。]の調製
(1)本発明蛋白質(A1)を発現する大腸菌抽出液の調製
実施例4(2)に記載の方法に従い、本発明蛋白質(A1)を発現する大腸菌JM109/pKSN657Fを一晩前培養した後、50μg/mlのアンピシリンを含むTB培地1Lで培養した。培養液から菌体を回収し、破砕した後、得られた菌体破砕液から上清画分(大腸菌抽出液pKSN657F)を調製した。
(2)本発明蛋白質(A1)の精製
実施例44(1)で得られた上清画分(大腸菌抽出液pKSN657F)を、実施例2(4)に記載の方法に準じて、HiLoad26/10 Q Sepharose HP カラム、次いで、Bio-Scale Ceramic Hydroxyapatite, Type I column CHT10-1 カラムに供し本発明蛋白質(A1)を精製した。精製された画分をSDS-10%〜20%PAGE解析し、本発明蛋白質(A1)のみを含む画分であることを確認した。
(3)本発明抗体(A1)の調製
実施例44(2)で精製された本発明蛋白質(A1)を1mg/mlの濃度になるように0.05Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0)に溶解した。得られた溶液2mlに、あらかじめ42℃から43℃にインキュベートされたRAS〔MPL(Monophosphoryl Lipid A)+TDM(Synthetic Trehalose Dicorynomycolate)+CWS(Cell Wall Skeleton) アジュバントシステム〕(Sigma 社製)40μlを加え、よく混合した。得られた混合物を、ニュージーランドホワイト種ウサギ(雌、14週齢、平均2.4kg)一羽あたり1mlずつ投与した。その内訳は、100μlずつ背部10ケ所に皮下投与であった。3週間後および5週間後に、それぞれ初回投与量の1/2量を同様に投与した。この間ウサギの耳静脈から少量の血液をサンプリングし、抗体価を測定した。3回目の投与後に抗体価が上昇したため、3回目投与の約2週間後に免疫感作したウサギの頚動脈から全採血した。得られた血液をセパラピットチューブ(積水化学社製)に入れ、37℃で2時間インキュベートした後、遠心分離(3000rpm 、20min、室温)して上清を回収することにより、抗血清[本発明抗体(A1)を含む。]を得た。
【0229】
実施例45 本発明抗体(A1)による本蛋白質の検出および本蛋白質を発現する細胞の検出
各種大腸菌抽出液に対し、実施例44で得た本発明抗体(A1)を用いてイムノブロッティングを行った。実施例4(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN657F(約0.5pmolの本発明蛋白質(A1)を含む、約0.78mgの蛋白質を含む)、実施例4(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN2(約0.78mgの蛋白質を含む)、実施例7(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN923F(約2pmolの本発明蛋白質(A2)を含む)、実施例12(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN671F(約2pmolの本発明蛋白質(A3)を含む)、実施例27(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN646F(約2pmolの本発明蛋白質(A4)を含む)、実施例10(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN11796F(約2pmolの本蛋白質(A10)を含む)、実施例14(2)で得られた大腸菌抽出液pKSNSCA(約2pmolの本蛋白質(A9)を含む)、実施例32(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN849AF(約2pmolの本発明蛋白質(A11)を含む)、実施例34(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN1618F(約2pmolの本発明蛋白質(A12)を含む)、実施例36(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN474F(約2pmolの本発明蛋白質(A13)を含む)、実施例38(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN1491AF(約2pmolの本発明蛋白質(A14)を含む)、実施例40(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN1555AF(約2pmolの本発明蛋白質(A15)を含む)をSDSポリアクリルアミドゲルで電気泳動(40mA、1 時間)した。このゲルにPVDF膜を重ね、転写用緩衝液(25mM Tris 、192mM グリシン、10% メタノール)中に浸した状態で、BIO-RAD 社製のブロッティング装置により、4 ℃、30V、2時間処理することにより、ゲル中のタンパク質をPVDF膜へと移動させた。得られたPVDF膜は、TBS +Tween20 溶液(50mM Tris-HCl(pH7.5)、200mM NaCl、0.05% Tween20 )で洗浄した後、3%のBSAを含むTBS +Tween20 溶液中で、30分間インキュベートし、その後、3%のBSAを含むTBS +Tween20 溶液で30000倍希釈した上記抗血清と、30分間反応させた。反応後、PVDF膜をTBS +Tween20 溶液で2回洗浄した後、3%のBSAを含むTBS +Tween20 溶液にて3000倍希釈したアルカリフォスファターゼ標識した抗ウサギIgGヤギ抗血清(Santa Cruz Biotechnology社製)と、30分間反応させた。反応後、PVDF膜をTBS +Tween20 で2 回洗浄した後、NBT-BCIP溶液(シグマ社製)に浸した。本発明蛋白質(A1)、(A2)、(A3)、(A4)、(A11)、(A12)、(A13)、(A14)および(A15)、ならびに、本蛋白質(A9)およびA10)にそれぞれ相当するバンドの発色が検出された。実施例4(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN2(約0.78mgの蛋白質を含む)の試料では、発色バンドが検出されなかった。
実施例46 ダイズでの発現用にコドン使用率が調整された本発明DNA(A1)[以下、本発明DNA(A1)Sと記す。]の作製と発現
(1)本発明DNA(A1)Sの作製
配列番号192で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号213で示される塩基配列を有するプライマーとを用い、Pyrobest DNA polymerase (宝酒造社製)を用いて付属の取り扱い説明書に従いPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号191で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号212で示される塩基配列を有するプライマーとを用いて同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号190で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号211で示される塩基配列を有するプライマーとを用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液1とした。
配列番号195で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号210で示される塩基配列を有するプライマーとを用い、Pyrobest DNA polymerase (宝酒造社製)を用いて付属の取り扱い説明書に従いPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号194で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号209で示される塩基配列を有するプライマーとを用いて同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号193で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号208で示される塩基配列を有するプライマーとを用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液2とした。
配列番号198で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号207で示される塩基配列を有するプライマーとを用いPyrobest DNA polymerase (宝酒造社製)を用いて付属の取り扱い説明書に従いPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号197で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号206で示される塩基配列を有するプライマーとを用いて同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号196で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号205で示される塩基配列を有するプライマーとを用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液3とした。
配列番号201で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号204で示される塩基配列を有するプライマーとを用いPyrobest DNA polymerase (宝酒造社製)を用いて付属の取り扱い説明書に従いPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号200で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号203で示される塩基配列を有するプライマーとを用いて同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号199で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号202で示される塩基配列を有するプライマーとを用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液4とした。
こうして得られた反応液1〜4を混合し、その一部を鋳型として、配列番号190で示される塩基配列を有するプライマーと配列番号202で示される塩基配列を有するプライマーとを用いPyrobest DNA polymerase (宝酒造社製)を用いて付属の取り扱い説明書に従いPCRを行った。増幅されたDNAの塩基配列を確認し、配列番号214で示される塩基配列の5'末端上流に塩基配列5'-cat-3'が、また3'末端下流に塩基配列5'-aagctt-3'がそれぞれ連結されてなる配列を有するDNAを得た。
配列番号6で示される塩基配列を有する本発明DNA(A1)のコドン使用率(GC含量70.58%)を表22および表23に、ダイズのコドン使用率[GC含量46.12%。かずさDNA研究所codon usage database (http//:www.kazusa.or.jp/codon/) より引用]を表24および表25に、配列番号214で示される塩基配列を有する本発明DNA(A1)のコドン使用率(GC含量51.59%)を表26および表27に、それぞれ示す。
【0230】
【表22】
【0231】
【表23】
【0232】
【表24】
【0233】
【表25】
【0234】
【表26】
【0235】
【表27】
(2)本発明DNA(A1)Sを有する形質転換大腸菌の作製
実施例46(1)で得られた配列番号214で示される塩基配列を含むDNAを、制限酵素NdeIおよびHindIIIで消化した。該DNAと、NdeIおよびHindIIIで消化したプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号214で示される塩基配列を有するDNAがpKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN657soyと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN657soyとした。
(3)本発明蛋白質(A1)の大腸菌での発現と蛋白質の回収
実施例46(2)で得られた大腸菌JM109/pKSN657soyおよび実施例4(1)で得られた大腸菌JM109/pKSN657を、実施例4(2)と同様にしてそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN657soyから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN657soy、大腸菌JM109/pKSN657から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN657と記す。)を調製した。大腸菌抽出液pKSN657soyに含まれる蛋白質量あたりのP450量は、大腸菌抽出液pKSN657に含まれる蛋白質量あたりのP450量と比較して多かった。
【0236】
実施例47 本発明DNA(A1)Sの植物への導入
(1)本発明DNA(A1)Sを有する直接導入用葉緑体発現プラスミドの構築(1)
本発明DNA(A1)Sをパーティクルガン法で植物へ導入するためのプラスミドとして、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドを構築した。
まず、実施例46(2)で得たpKSN657soyを鋳型にして、配列番号394で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号395で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーに使ってPCRを行い、配列番号214で示される塩基配列を含有するDNAを増幅した。PCRはKOD-plus(東洋紡績社製)を用いて、94℃にて2分間の保温を1回行った後、94℃にて30秒間次いで50℃にて30秒間次いで68℃にて60秒間の保温を1サイクルとしてこれを30回実施し、最後に68℃にて3分間の保温を1回行った。増幅されたDNAを、MagExtractor-PCR & Gel-Clean up-(東洋紡績社製)を用いて付属のマニュアルに従って操作を行うことにより回収精製した。精製されたDNAを、制限酵素EcoT22IとSacIとで消化した後、配列番号214で示される塩基配列を含有するDNAを回収した。実施例16の(2)で得られたプラスミドpUCrSt657を制限酵素EcoT22IとSacIで消化した後、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列およびベクタープラスミドpUC19由来の塩基配列を含む約2.9kbpのDNAを単離した。得られたDNAと上記の配列番号214で示される塩基配列を含有するDNAとをライゲーションすることにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドpUCrSt657soy(図48)を得た。
得られたプラスミドpUCrSt657soyを制限酵素BamHIとSacIとで消化し、配列番号214で示される塩基配列を含有するDNAを単離した。該DNAを、実施例16(2)で得られたプラスミドpNdG6-ΔTのBglII切断部位とSacI切断部位との間に挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく該DNAが連結されてなるキメラDNAが、CR16G6プロモーターの下流に結合されてなるプラスミドpSUM-NdG6-rSt-657soy(図49)を得た。
次いで、該プラスミドを大腸菌DH5α株のコンピテントセル(宝酒造社製)に導入し、アンピシリン耐性株を選抜した。選抜されたアンピシリン耐性株に含まれるプラスミドの塩基配列をBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit v3.0(PEアプライドバイオシステムズ社製)およびDNAシークエンサー3100(PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて決定した。その結果、プラスミドpSUM-NdG6-rSt-657soyは配列番号214で示される塩基配列を有することが確認された。
(2)本発明DNA(A1)Sを有する直接導入用葉緑体発現プラスミドの構築(2)
本発明DNA(A1)Sをパーティクルガン法で植物に導入するためのプラスミドとして、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドを構築した。まず、実施例46で得られたpKSN657soyを鋳型にして、配列番号396で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号395で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーに使ってPCRを行い、配列番号214で示される塩基配列を含有するDNAを増幅した。PCRはKOD-plus(東洋紡績社製)を用いて、94℃にて2分間の保温を1回行った後、94℃にて30秒間次いで46℃にて30秒間次いで68℃にて60秒間の保温を1サイクルとしてこれを25回実施し、最後に68℃にて3分間の保温を1回行った。増幅されたDNAを、MagExtractor-PCR & Gel-Clean up-(東洋紡績社製)を用いて付属のマニュアルに従って操作を行うことにより回収精製した。得られたDNAを制限酵素SacIで消化し、配列番号214で示される塩基配列を含有するDNAを回収した。
次に、実施例16(3)で得られたプラスミドpKFrSt12-657を制限酵素BspHIで消化した後、TaKaRa BKLKit(宝酒造社製)を用いて付属のマニュアルに従って処理することにより、このDNAの末端平滑化および5'末端のりん酸化を行った。次いで、前記DNAを制限酵素SacIで消化した後、プラスミドpKFrSt12由来のDNAを単離した。このDNAを、上記の配列番号214で示される塩基配列を含有するSacI消化されたDNAとライゲーションすることにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドpKFrSt12-657soy(図50)を得た。
得られたプラスミドpKFrSt12-657soyを制限酵素BamHIとSacIとで消化し、配列番号214で示される塩基配列を含有するDNAを単離した。該DNAを、実施例16(2)で得られたプラスミドpNdG6-ΔTのBglII切断部位とSacI切断部位との間に挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく該DNAが連結されてなるキメラDNAがCR16G6プロモーターの下流に結合されてなるプラスミドpSUM-NdG6-rSt12-657soy(図51)を得た。
次いで、該プラスミドを大腸菌DH5α株のコンピテントセル(宝酒造社製)に導入し、アンピシリン耐性株を選抜した。選抜されたアンピシリン耐性株に含まれるプラスミドの塩基配列をBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit v3.0(PEアプライドバイオシステムズ社製)およびDNAシークエンサー3100(PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて決定した。その結果、プラスミドpSUM-NdG6-rSt-657soyは配列番号214で示される塩基配列を有することが確認された。
(3)本発明DNA(A21)Sのダイズへの導入
MS培地のビタミン類をB5培地[O. L. Gamborg et al., Exp. Cell Res. (1986) 50 p151に記載。]のビタミン類に置換する以外は、実施例17(1)に記載した方法に従って、ダイズ(品種;FayetteおよびJack)の球状型胚を調製した。
得られた球状型胚を新しい不定胚増殖培地に移植し、2〜3日培養した。前記球状型胚に、実施例47(1)で作製されたプラスミドpSUM-NdG6-rSt-657soyまたは実施例47(2)で作製されたプラスミドpSUM-NdG6-rSt12-657soyを、実施例17(2)に記載の方法に従って導入した。
(4)不定胚のハイグロマイシンによる選抜
MS培地のビタミン類をB5培地のビタミン類に置換する以外は、実施例17(3)に記載した方法に従って、実施例47(3)で得られた遺伝子導入後の球状型胚のハイグロマイシンによる選抜を行なった。ただし、移植2回目以降は、不定胚選抜培地として、0.2(W/V)%のゲルライトを加えて固化した培地、または、ゲルライトを加えていない液体の培地を用いた。液体の培地の場合は、1分間に90回程度緩やかに旋回して培養した。
(5)不定胚の化合物(II)による選抜
MS培地のビタミン類をB5培地のビタミン類に置換する以外は、実施例17(4)に記載した方法に従って、実施例47(3)で得られた遺伝子導入後の球状型胚の化合物(II)による選抜を行なう。
(6)不定胚からの個体再生、順化および栽培
実施例17(5)に記載の方法に準じて、実施例47(4)または(5)で選抜された球状型胚からの個体再生を行なう。ただし、発生培地の寒天濃度を0.8(W/V)%、または、1.0(W/V)%とする。また、発芽培地のMS培地のビタミン類をB5培地のビタミン類に置換する。
本葉を展開し発根した個体について、実施例17(6)に記載の方法に従って、順化および栽培を行い、採種する。
(7)雑草防除活性を有する化合物(II)に対する耐性の評価
実施例17(4)に記載した方法に従って、実施例47(6)で得られた再生植物個体の化合物(II)に対する耐性度を評価する。
(8)本発明DNA(A1)Sを有するアグロバクテリウム導入用葉緑体発現プラスミドの構築
本発明DNA(A1)Sをアグロバクテリウム法で植物へ導入するためのプラスミドを構築した。上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt-657soyを制限酵素NotIで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)Sが連結されてなるキメラDNAを含むDNAを単離した。このDNAを実施例18で得たバイナリーベクタープラスミドpBI121SのNotI切断部位に挿入し、pBI-NdG6-rSt-657soy(図52)を得た。また、上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-657soyを制限酵素NotIで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A1)Sが連結されてなるキメラDNAを含むDNAを単離した。このDNAを、バイナリーベクタープラスミドpBI121SのNotI切断部位に挿入し、pBI-NdG6-rSt12-657soy(図53)を得た。
(9)本発明DNA(A1)Sのタバコへの導入
実施例47(8)で得られたプラスミドpBI-NdG6-rSt-657soyおよびプラスミドpBI-NdG6-rSt12-657soyを用いて本発明DNA(A1)Sをアグロバクテリウム法でタバコへ導入した。
まず、実施例19に記載の方法に従って、プラスミドpBI-NdG6-rSt-657soyおよびpBI-NdG6-rSt12-657soyをそれぞれAgrobacterium tumefaciens LBA4404 株(Clontech 社製)に導入し、pBI-NdG6-rSt-657soyまたはpBI-NdG6-rSt12-657soyを持つ組換えアグロバクテリウム株をそれぞれ単離した。
次いで、上記のプラスミドを持つ組換えアグロバクテリウム株を用いて、これらの株を25mg/L カナマイシンを含む LB 液体培地中で30℃にて終夜培養した他は実施例19に記載の方法に従って、タバコへの遺伝子導入を行った。pBI-NdG6-rSt657soyまたはpBI-NdG6-rSt12-657soyのT-DNA 領域が組み込まれた組換えタバコ個体がそれぞれ取得された。
(10)本発明DNA(A1)S組換えタバコの葉片を用いた耐性の評価
実施例47(9)で取得された組換えタバコ35個体から葉を切除して、一片 5〜7mm の葉片を採取した。それぞれの葉片を化合物(II)を0、0.05、0.1、または0.2 mg/L 添加した MS 寒天培地に植え込み、明所・室温で培養し、培養 11日後にそれぞれの葉片の薬害の程度を観察した。また、それぞれの葉片を化合物(XII)を0、0.01、0.02、0.05、または0.1 mg/L 添加したMS 寒天培地に植え込み、明所・室温で培養し、培養 7日後にそれぞれの葉片の薬害の程度を観察した。コントロールとしては、遺伝子導入を行っていないタバコ(以下、野生型タバコと記す。)の葉片を各濃度で20枚用いた。継続的に生存する葉片を1、薬害認められる半枯死の葉片を0.5、白化して枯死した葉片を0としてスコアリングし、各群のスコアの平均を求めた。本発明DNA(A1)S(プラスミドpBI-NdG6-rSt-657soyまたはpBI-NdG6-rSt12-657soyのT-DNA領域)が導入されたタバコの葉片は、化合物(II)および化合物(XII)のいずれに対しても、野生型タバコよりも高いスコアを示した。
実施例48 本発明DNA(A16)の取得
(1)Streptomyces ornatus IFO 13069t染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces ornatus IFO 13069tの染色体DNAを調製した。
(2)本発明DNA(A16)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例48(1)で調製されたStreptomyces ornatus IFO 13069tの染色体DNAを鋳型としプライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号225で示される塩基配列の塩基番号343〜1069で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例48(1)で調製された染色体DNAを制限酵素PvuIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号265で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号266で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号235で示される塩基配列の塩基番号1〜501で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例48(1)で調製された染色体DNAを制限酵素PvuIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号267で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号268で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号235で示される塩基配列の塩基番号1044〜1454で示される塩基配列が読み取られた。
(3)本発明DNA(A16)の塩基配列解析
実施例48(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号235で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1251塩基(終止コドンを含む)からなり416アミノ酸残基(配列番号215)をコードする塩基配列(配列番号225)と、198塩基(終止コドンを含む)からなり65アミノ酸残基(配列番号245)をコードする塩基配列(配列番号255)とが含まれた。配列番号225で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号215)からなる蛋白質の分子量は、46013Daと計算された。配列番号255で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号245)からなる蛋白質の分子量は、6768Daと計算された。
実施例49 本発明蛋白質(A16)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A16)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例48(1)で調製されたStreptomyces ornatus IFO 13069tの染色体DNAを鋳型とし、GeneAmpハイフィデリティーPCRシステム(アプライドバイオシステムジャパン社製)を使用してPCRを行った。プライマーとしては、配列番号269で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号286で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとの組合わせを用いた。PCR反応液には、2種類のプライマーをそれぞれ200nMとなるよう添加し、染色体DNAを50ng、dNTPミックス(それぞれ2.0mMの4種類のdNTPの混合物)を5.0μl、10×バッファー(MgCl2含有)を5.0μl、およびGeneAmp HF酵素ミックスを0.5μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量50μlとした。保温条件は、97℃で1分間保温した後、97℃で15秒間次いで60℃で30秒間さらに72℃で90秒間の保温を1サイクルとしてこれを10サイクル繰り返し、続いて、97℃で15秒間次いで60℃で30秒間さらに72℃で90秒間(72℃での保温は1サイクル毎に5秒間ずつ増加させる)の保温を1サイクルとしてこれを15サイクル行い、さらに72℃で7分間保温した。該PCR反応液から、実施例32(1)と同様にしてDNAを精製し、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号57、59、267、286、288で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号235で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR452Fとした。実施例32(1)と同様にして、pCR452Fを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号235で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A16)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN452Fと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN452Fとした。
(2)本発明蛋白質(A16)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN452FおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN452Fから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN452F、大腸菌JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。ただし、上清画分としては、実施例49(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN452Fまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いた。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN452Fを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
実施例50 本発明DNA(A17)の取得
(1)Streptomyces griseus ATCC 10137染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces griseus ATCC 10137の染色体DNAを調製した。
(2)本発明DNA(A17)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例50(1)で調製されたStreptomyces griseus ATCC 10137の染色体DNAを鋳型としプライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号226で示される塩基配列の塩基番号343〜1069で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例50(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号270で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号271で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号236で示される塩基配列の塩基番号1〜361で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例50(1)で調製された染色体DNAを制限酵素PvuIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号272で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号273で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号236で示される塩基配列の塩基番号1035〜1454で示される塩基配列が読み取られた。
(3)本発明DNA(A17)の塩基配列解析
実施例50(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号236で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1251塩基(終止コドンを含む)からなり416アミノ酸残基(配列番号216)をコードする塩基配列(配列番号226)と、198塩基(終止コドンを含む)からなり65アミノ酸残基(配列番号246)をコードする塩基配列(配列番号256)とが含まれた。配列番号226で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号216)からなる蛋白質の分子量は、46082Daと計算された。配列番号256で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号246)からなる蛋白質の分子量は、6768Daと計算された。配列番号256で示される塩基配列は、配列番号255で示される塩基配列と100%同一であり、配列番号246で示されるアミノ酸配列は、配列番号245で示されるアミノ酸配列と100%同一であった。
実施例51 本発明蛋白質(A17)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A17)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例50(1)で調製されたStreptomyces griseus ATCC 10137の染色体DNAを鋳型とし、配列番号274で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号275で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例32(1)と同様にしてPCRを行った。該PCR反応液から、実施例32(1)と同様にしてDNAを精製し、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号57、59、274、276、277で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号236で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR608Fとした。実施例32(1)と同様にして、pCR608Fを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号236で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A17)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN608Fと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN608Fとした。
(2)本発明蛋白質(A17)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN608FおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN608F から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN608F、大腸菌JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。ただし、上清画分としては、実施例51(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN608Fまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いた。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN608Fを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
実施例52 本発明DNA(A18)の取得
(1)Streptomyces achromogenes IFO 12735染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces achromogenes IFO 12735の染色体DNAを調製した。
(2)本発明DNA(A18)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例52(1)で調製されたStreptomyces achromogenes IFO 12735の染色体DNAを鋳型としプライマー対17を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号227で示される塩基配列の塩基番号526〜1048で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例52(1)で調製された染色体DNAを制限酵素HincIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号278で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号279で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号237で示される塩基配列の塩基番号1〜600で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例52(1)で調製された染色体DNAを制限酵素BalIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号163で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号164で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号237で示される塩基配列の塩基番号983〜1449で示される塩基配列が読み取られた。
(3)本発明DNA(A18)の塩基配列解析
実施例52(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号237で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1230塩基(終止コドンを含む)からなり409アミノ酸残基(配列番号217)をコードする塩基配列(配列番号227)と、207塩基(終止コドンを含む)からなり68アミノ酸残基(配列番号247)をコードする塩基配列(配列番号257)とが含まれた。配列番号227で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号217)からなる蛋白質の分子量は、45099Daと計算された。配列番号257で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号247)からなる蛋白質の分子量は、7193Daと計算された。
実施例53 本発明蛋白質(A18)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A18)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例52(1)で調製されたStreptomyces achromogenes IFO 12735の染色体DNAを鋳型とし、配列番号183で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号280で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例49(1)と同様にしてPCRを行った。該PCR反応液から、実施例32(1)と同様にしてDNAを精製し、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号67、68、163、279、281で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号237で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR646BFとした。実施例32(1)と同様にして、pCR646BFを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号237で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A18)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN646BFと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN646BFとした。
(2)本発明蛋白質(A18)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN646BFおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN646BFから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN646BF、大腸菌JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。ただし、上清画分としては、実施例53(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN646BFまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いた。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN646BFを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
実施例54 本発明DNA(A19)の取得
(1)Streptomyces griseus IFO 13849T染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces griseus IFO 13849Tの染色体DNAを調製した。
(2)本発明DNA(A19)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例54(1)で調製されたStreptomyces griseus IFO 13849Tの染色体DNAを鋳型としプライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号228で示される塩基配列の塩基番号343〜1069で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例54(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号282で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号283で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号238で示される塩基配列の塩基番号1〜358で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例54(1)で調製された染色体DNAを制限酵素HincIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号284で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号285で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号238で示される塩基配列の塩基番号1005〜1454で示される塩基配列が読み取られた。
(3)本発明DNA(A19)の塩基配列解析
実施例54(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号238で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1251塩基(終止コドンを含む)からなり416アミノ酸残基(配列番号218)をコードする塩基配列(配列番号228)と、156塩基(終止コドンを含む)からなり51アミノ酸残基(配列番号248)をコードする塩基配列(配列番号258)とが含まれた。配列番号228で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号218)からなる蛋白質の分子量は、45903Daと計算された。配列番号258で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号248)からなる蛋白質の分子量は、5175Daと計算された。
実施例55 本発明蛋白質(A19)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A19)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例54(1)で調製されたStreptomyces griseus IFO 13849Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号286で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号287で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例49(1)と同様にしてPCRを行った。該PCR反応液から、実施例32(1)と同様にしてDNAを精製し、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号57、59、284、286、288で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号238で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR1502Fとした。実施例32(1)と同様にして、pCR1502Fを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号238で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A19)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1502Fと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1502Fとした。
(2)本発明蛋白質(A19)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN1502FおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1502Fから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1502F、大腸菌JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。ただし、上清画分としては、実施例55(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN1502Fまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いた。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN1502Fを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
実施例56 本発明DNA(A20)の取得
(1)Streptomyces lanatus IFO 12787T染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces lanatus IFO 12787Tの染色体DNAを調製した。
(2)本発明DNA(A20)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例56(1)で調製されたStreptomyces lanatus IFO 12787Tの染色体DNAを鋳型としプライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号229で示される塩基配列の塩基番号304〜1036で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例56(1)で調製された染色体DNAを制限酵素PmacIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号278で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号289で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号239で示される塩基配列の塩基番号1〜318で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例56(1)で調製された染色体DNAを制限酵素StuIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号290で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号291で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号239で示される塩基配列の塩基番号969〜1461で示される塩基配列が読み取られた。
(3)本発明DNA(A20)の塩基配列解析
実施例56(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号239で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1218塩基(終止コドンを含む)からなり405アミノ酸残基(配列番号219)をコードする塩基配列(配列番号229)と、231塩基(終止コドンを含む)からなり76アミノ酸残基(配列番号249)をコードする塩基配列(配列番号259)とが含まれた。配列番号229で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号219)からなる蛋白質の分子量は、45071Daと計算された。配列番号259で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号249)からなる蛋白質の分子量は、7816Daと計算された。
実施例57 本発明蛋白質(A20)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A20)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例56(1)で調製されたStreptomyces lanatus IFO 12787Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号292で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号293で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例49(1)と同様にしてPCRを行った。該PCR反応液から、実施例32(1)と同様にしてDNAを精製し、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号67、68、188、278、290で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号239で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR1525Fとした。実施例32(1)と同様にして、pCR1525Fを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号239で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A20)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1525Fと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1525Fとした。
(2)本発明蛋白質(A20)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN1525FおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1525F から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1525F、大腸菌JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。ただし、上清画分としては、実施例57(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN1525Fまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いた。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN1525Fを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
実施例58 本発明DNA(A21)の取得
(1)Streptomyces misawanensis IFO 13855T染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces misawanensis IFO 13855Tの染色体DNAを調製した。
(2)本発明DNA(A21)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例58(1)で調製されたStreptomyces misawanensis IFO 13855Tの染色体DNAを鋳型としプライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号230で示される塩基配列の塩基番号328〜1063で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例58(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号294で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号295で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号240で示される塩基配列の塩基番号1〜341で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例58(1)で調製された染色体DNAを制限酵素HincIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号296で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号297で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号240で示される塩基配列の塩基番号1017〜1458で示される塩基配列が読み取られた。
(3)本発明DNA(A21)の塩基配列解析
実施例58(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号240で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1245塩基(終止コドンを含む)からなり414アミノ酸残基(配列番号220)をコードする塩基配列(配列番号230)と、201塩基(終止コドンを含む)からなり66アミノ酸残基(配列番号250)をコードする塩基配列(配列番号260)とが含まれた。配列番号230で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号220)からなる蛋白質の分子量は、45806Daと計算された。配列番号260で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号250)からなる蛋白質の分子量は、6712Daと計算された。
実施例59 本発明蛋白質(A21)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A21)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例58(1)で調製されたStreptomyces misawanensis IFO 13855Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号298で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号299で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例32(1)と同様にしてPCRを行った。該PCR反応液から、実施例32(1)と同様にしてDNAを精製し、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号57、59、296、298、300で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号240で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR1543BFとした。実施例32(1)と同様にして、pCR1543BFを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号240で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A21)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1543BFと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1543BFとした。
(2)本発明蛋白質(A21)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN1543BFおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1543BFから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1543BF、大腸菌JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。ただし、上清画分としては、実施例59(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN1543BFまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いた。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN1543BFを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
実施例60 本発明DNA(A22)の取得
(1)Streptomyces pallidus IFO 13434T染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces pallidus IFO 13434Tの染色体DNAを調製した。
(2)本発明DNA(A22)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例60(1)で調製されたStreptomyces pallidus IFO 13434Tの染色体DNAを鋳型としプライマー対15を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号231で示される塩基配列の塩基番号483〜1048で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例60(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号301で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号302で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号241で示される塩基配列の塩基番号68〜516で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例60(1)で調製された染色体DNAを制限酵素HincIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号302で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号303で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号241で示される塩基配列の塩基番号1〜270で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例60(1)で調製された染色体DNAを制限酵素HincIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号304で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号305で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号241で示される塩基配列の塩基番号982〜1448で示される塩基配列が読み取られた。
(3)本発明DNA(A22)の塩基配列解析
実施例60(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号241で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1230塩基(終止コドンを含む)からなり409アミノ酸残基(配列番号221)をコードする塩基配列(配列番号231)と、195塩基(終止コドンを含む)からなり64アミノ酸残基(配列番号251)をコードする塩基配列(配列番号261)とが含まれた。配列番号231で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号221)からなる蛋白質の分子量は、45050Daと計算された。配列番号261で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号251)からなる蛋白質の分子量は、6914Daと計算された。
実施例61 本発明蛋白質(A22)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A22)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例60(1)で調製されたStreptomyces pallidus IFO 13434Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号306で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号307で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例32(1)と同様にしてPCRを行った。該PCR反応液から、実施例32(1)と同様にしてDNAを精製し、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号67、68、308で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号241で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR1558BFとした。実施例32(1)と同様にして、pCR1558BFを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号241で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A22)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1558BFと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1558BFとした。
(2)本発明蛋白質(A22)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN1558BFおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1558BFから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1558BF、大腸菌JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。ただし、上清画分としては、実施例61(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN1558BFまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いた。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN1558BFを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
実施例62 本発明DNA(A23)の取得
(1)Streptomyces roseorubens IFO 13682T染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces roseorubens IFO 13682Tの染色体DNAを調製した。
(2)本発明DNA(A23)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例62(1)で調製されたStreptomyces roseorubens IFO 13682Tの染色体DNAを鋳型としプライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号232で示される塩基配列の塩基番号289〜1015で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例62(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号309で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号310で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号242で示される塩基配列の塩基番号1〜354で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例62(1)で調製された染色体DNAを制限酵素PvuIIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号311で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号312で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号242で示される塩基配列の塩基番号966〜1411で示される塩基配列が読み取られた。
(3)本発明DNA(A23)の塩基配列解析
実施例62(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号242で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1197塩基(終止コドンを含む)からなり398アミノ酸残基(配列番号222)をコードする塩基配列(配列番号232)と、201塩基(終止コドンを含む)からなり66アミノ酸残基(配列番号252)をコードする塩基配列(配列番号262)とが含まれた。配列番号232で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号222)からなる蛋白質の分子量は、43624Daと計算された。配列番号262で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号252)からなる蛋白質の分子量は、6797Daと計算された。
実施例63 本発明蛋白質(A23)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A23)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例62(1)で調製されたStreptomyces roseorubens IFO 13682Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号313で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号314で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例49(1)と同様にしてPCRを行った。該PCR反応液から、実施例32(1)と同様にしてDNAを精製し、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号67、68、309、311、315で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号242で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR1584Fとした。実施例32(1)と同様にして、pCR1584Fを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号242で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A23)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1584Fと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1584Fとした。
(2)本発明蛋白質(A23)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN1584FおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1584F から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1584F、大腸菌JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。ただし、上清画分としては、実施例63(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN1584Fまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いた。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN1584Fを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
実施例64 本発明DNA(A24)の取得
(1)Streptomyces rutgersensis IFO 15875T染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces rutgersensis IFO 15875Tの染色体DNAを調製した。
(2)本発明DNA(A24)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例64(1)で調製されたStreptomyces rutgersensis IFO 15875Tの染色体DNAを鋳型としプライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号233で示される塩基配列の塩基番号322〜1057で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例64(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号316で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号317で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号243で示される塩基配列の塩基番号1〜384で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例64(1)で調製された染色体DNAを制限酵素NaeIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号318で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号319で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号243で示される塩基配列の塩基番号992〜1466で示される塩基配列が読み取られた。
(3)本発明DNA(A24)の塩基配列解析
実施例64(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号243で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1245塩基(終止コドンを含む)からなり414アミノ酸残基(配列番号223)をコードする塩基配列(配列番号233)と、198塩基(終止コドンを含む)からなり65アミノ酸残基(配列番号253)をコードする塩基配列(配列番号263)とが含まれた。配列番号233で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号223)からなる蛋白質の分子量は、45830Daと計算された。配列番号263で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号253)からなる蛋白質の分子量は、7034Daと計算された。
実施例65 本発明蛋白質(A24)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A24)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例64(1)で調製されたStreptomyces rutgersensis IFO 15875Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号320で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号321で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例49(1)と同様にしてPCRを行った。該PCR反応液から、実施例32(1)と同様にしてDNAを精製し、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号67、68、322で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号243で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR1589BFとした。実施例32(1)と同様にして、pCR1589BFを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号243で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A24)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1589BFと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1589BFとした。
(2)本発明蛋白質(A24)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN1589BFおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1589BFから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1589BF、大腸菌JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。ただし、上清画分としては、実施例65(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN1589BFまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いた。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN1589BFを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
実施例66 本発明DNA(A25)の取得
(1)Streptomyces steffisburgensis IFO 13446T染色体DNAの調製
実施例31(1)に記載の方法にて、Streptomyces steffisburgensis IFO 13446Tの染色体DNAを調製した。
(2)本発明DNA(A25)の部分塩基配列を有するDNAの単離
実施例66(1)で調製されたStreptomyces steffisburgensis IFO 13446Tの染色体DNAを鋳型としプライマー対14を用いて、実施例29に記載した方法に従ってPCRを行った。実施例31(2)と同様にして、増幅されたDNAをpCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした後、その塩基配列を解析した。その結果、配列番号234で示される塩基配列の塩基番号289〜1015で示される塩基配列が読み取られた。
また、実施例66(1)で調製された染色体DNAを制限酵素SmaIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号323で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号324で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号244で示される塩基配列の塩基番号1〜303で示される塩基配列が読み取られた。
さらに、実施例66(1)で調製された染色体DNAを制限酵素PmacIで消化した。得られたDNAを用いて実施例26(3)に記載の方法にてGenome Walkerライブラリーを作製した。得られたライブラリーを鋳型とし、配列番号311で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP1とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行い、一次PCR産物を得た。次いで、一次PCR産物を鋳型とし、配列番号325で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとプライマーAP2とを用いて、実施例26(3)に記載の条件にてPCRを行った。得られたDNAの塩基配列を解析した。配列番号244で示される塩基配列の塩基番号966〜1411で示される塩基配列が読み取られた。
(3)本発明DNA(A25)の塩基配列解析
実施例66(2)で得られたDNAから読み取られた塩基配列を連結することにより、配列番号244で示される塩基配列が得られた。該塩基配列には2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した。すなわち、1197塩基(終止コドンを含む)からなり398アミノ酸残基(配列番号224)をコードする塩基配列(配列番号234)と、201塩基(終止コドンを含む)からなり66アミノ酸残基(配列番号254)をコードする塩基配列(配列番号264)とが含まれた。配列番号234で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号224)からなる蛋白質の分子量は、44175Daと計算された。配列番号264で示される塩基配列にコードされるアミノ酸配列(配列番号254)からなる蛋白質の分子量は、6685Daと計算された。
実施例67 本発明蛋白質(A25)の大腸菌での発現
(1)本発明DNA(A25)を有する形質転換大腸菌の作製
実施例66(1)で調製されたStreptomyces steffisburgensis IFO 13446Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号326で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号327で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いる以外は実施例49(1)と同様にしてPCRを行った。該PCR反応液から、実施例32(1)と同様にしてDNAを精製し、pCRII-TOPOクローニングベクター(INVITROGEN社製)にクローニングした。得られたプラスミドDNAの塩基配列を、配列番号67、68、311、315、323で示される塩基配列をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて解析した。得られた結果に基づき、配列番号244で示される塩基配列を有するプラスミドをpCR1609Fとした。実施例32(1)と同様にして、pCR1609Fを制限酵素NdeIとHindIIIで消化し、消化物から約1.5kbpのDNAを精製した。得られたDNAと、NdeIおよびHindIIIで消化されたプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号244で示される塩基配列を含有し本発明蛋白質(A25)をコードするDNAが、pKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1609Fと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1609Fとした。
(2)本発明蛋白質(A25)の大腸菌での発現および蛋白質の回収
実施例4(2)と同様にして、大腸菌JM109/pKSN1609FおよびJM109/pKSN2をそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1609F から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1609F、大腸菌JM109/pKSN2から得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN2と記す。)を調製した。
(3)化合物(II)を化合物(III)に変換する能力の検定
実施例32(3)と同様にして反応液30μlを調製し、30℃で10分間保温した。ただし、上清画分としては、実施例67(2)で回収された上清画分(大腸菌抽出液pKSN1609Fまたは大腸菌抽出液pKSN2)を用いた。保温後の各反応液を酢酸エチル抽出し、得られた抽出物をTLC分析した。展開した後のTLCプレート上の14Cで標識された化合物(III)に相当するスポット(Rf値0.24および0.29)の有無を調べた。大腸菌抽出液pKSN1609Fを含む反応液から、化合物(III)に相当するスポットが検出された。一方、大腸菌抽出液pKSN2を含む反応液においては、当該スポットは検出されなかった。
実施例68 本発明蛋白質(A16)、(A17)、(A18)、(A19)、(A20)、(A21)、(A22)、(A23)、(A24)または(A25)による化合物の代謝
本発明蛋白質(A16)による化合物(XII)の代謝
12.5ppmの化合物(XII)、3mMのβ-NADPH(A成分、オリエンタル酵母社製)、1mg/mlホウレンソウ由来のフェレドキシン(B成分、SIGMA社製)、0.15U/mlフェレドキシン還元酵素(C成分、SIGMA社製)および実施例49(2)で回収された上清画分20μlを含む50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液100μlを調製し、30℃で10分間保温した。また、前記の反応液組成中のA成分、B成分、C成分および実施例49(2)で回収された上清画分を含まない50mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)からなる反応液100μlを調製し、同様に保温した。保温後の各反応液に、5μlの2N塩酸および100μlのエタノールを加えて攪拌し、8000×gで遠心分離した上清をウルトラフリー-MC 0.22μmフィルターユニット(ミリポア社製)を用いて濾過した。得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例49(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XII)代謝液(A16)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例49(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XII)コントロール液(A16)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A16)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A16)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A16)から、(XII)コントロール液(A16)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(2)本発明蛋白質(A17)による化合物(XII)の代謝
実施例49(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例51(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(1)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例51(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XII)代謝液(A17)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例51(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XII)コントロール液(A17)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A17)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A17)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A17)から、(XII)コントロール液(A17)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(3)本発明蛋白質(A18)による化合物(XII)の代謝
実施例49(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例53(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(1)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例53(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XII)代謝液(A18)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例53(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XII)コントロール液(A18)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A18)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A18)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A18)から、(XII)コントロール液(A18)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(4)本発明蛋白質(A19)による化合物(XII)の代謝
実施例49(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例55(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(1)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例55(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XII)代謝液(A19)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例55(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XII)コントロール液(A19)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A19)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A19)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A19)から、(XII)コントロール液(A19)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(5)本発明蛋白質(A20)による化合物(XII)の代謝
実施例49(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例57(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(1)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例57(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XII)代謝液(A20)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例57(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XII)コントロール液(A20)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A20)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A20)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A20)から、(XII)コントロール液(A20)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(6)本発明蛋白質(A21)による化合物(XII)の代謝
実施例49(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例59(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(1)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例59(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XII)代謝液(A21)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例59(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XII)コントロール液(A21)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A21)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A21)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A21)から、(XII)コントロール液(A21)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(7)本発明蛋白質(A22)による化合物(XII)の代謝
実施例49(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例61(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(1)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例61(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XII)代謝液(A22)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例61(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XII)コントロール液(A22)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A22)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A22)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A22)から、(XII)コントロール液(A22)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(8)本発明蛋白質(A23)による化合物(XII)の代謝
実施例49(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例63(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(1)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例63(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XII)代謝液(A23)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例63(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XII)コントロール液(A23)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A23)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A23)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A23)から、(XII)コントロール液(A23)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(9)本発明蛋白質(A24)による化合物(XII)の代謝
実施例49(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例65(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(1)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例65(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XII)代謝液(A24)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例65(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XII)コントロール液(A24)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A24)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A24)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A24)から、(XII)コントロール液(A24)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(10)本発明蛋白質(A25)による化合物(XII)の代謝
実施例49(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例67(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(1)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例67(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XII)代謝液(A25)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例67(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XII)コントロール液(A25)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XII)コントロール液(A25)から検出された化合物(XII)の濃度と比較して、(XII)代謝液(A25)から検出された化合物(XII)の濃度は低かった。また、(XII)代謝液(A25)から、(XII)コントロール液(A25)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(2)で(XII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(11) 本発明蛋白質(A17)による化合物(XIII)の代謝
12.5ppmの化合物(XII)の代わりに12.5ppmの化合物(XIII)を用い、実施例68(2)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例51(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XIII)代謝液(A17)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例51(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XIII)コントロール液(A17)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A17)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A17)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A17)から、(XIII)コントロール液(A17)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(12) 本発明蛋白質(A18)による化合物(XIII)の代謝
実施例51(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例53(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(11)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例53(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XIII)代謝液(A18)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例53(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XIII)コントロール液(A18)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A18)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A18)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A18)から、(XIII)コントロール液(A18)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(13) 本発明蛋白質(A19)による化合物(XIII)の代謝
実施例51(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例55(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(11)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例55(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XIII)代謝液(A19)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例55(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XIII)コントロール液(A19)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A19)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A19)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A19)から、(XIII)コントロール液(A19)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(14) 本発明蛋白質(A20)による化合物(XIII)の代謝
実施例51(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例57(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(11)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例57(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XIII)代謝液(A20)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例57(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XIII)コントロール液(A20)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A20)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A20)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A20)から、(XIII)コントロール液(A20)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(15) 本発明蛋白質(A21)による化合物(XIII)の代謝
実施例51(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例59(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(11)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例59(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XIII)代謝液(A21)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例59(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XIII)コントロール液(A21)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A21)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A21)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A21)から、(XIII)コントロール液(A21)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(16) 本発明蛋白質(A23)による化合物(XIII)の代謝
実施例51(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例63(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(11)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例63(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XIII)代謝液(A23)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例63(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XIII)コントロール液(A23)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A23)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A23)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A23)から、(XIII)コントロール液(A23)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
(17) 本発明蛋白質(A25)による化合物(XIII)の代謝
実施例51(2)で回収された上清画分20μlの代わりに実施例67(2)で回収された上清画分20μlを用い、実施例68(11)に記載した方法に従って、反応液を調製し保温した。保温後の各反応液を、実施例68(1)と同様にして調製し、得られた濾液[以下、A成分、B成分、C成分および実施例67(2)で回収された上清画分を含む反応液由来の該濾液を(XIII)代謝液(A25)と記す。また、A成分、B成分、C成分および実施例67(2)で回収された上清画分を含まない反応液由来の該濾液を(XIII)コントロール液(A25)と記す。]のうち40μlを上記HPLC分析条件1にてHPLC分析した。(XIII)コントロール液(A25)から検出された化合物(XIII)の濃度と比較して、(XIII)代謝液(A25)から検出された化合物(XIII)の濃度は低かった。また、(XIII)代謝液(A25)から、(XIII)コントロール液(A25)では検出されないピークが検出された。該ピークのHPLCでの溶出時間は、実施例41(3)で(XIII)代謝液(A1)から検出された、化合物(XIII)よりも質量が14小さい化合物のピークの溶出時間と、一致した。
実施例69 本発明DNA(A1)、(A2)、(A3)または(A4)をプローブとしたハイブリダイゼーション
(1)プローブの調製
実施例30(1)に記載した方法に従ってPCRを行った。ただし鋳型として、実施例3(1)で調製されたStreptomyces phaeochromogenes IFO12898の染色体DNA 50ngの代わりに、実施例26(1)で調製されたStreptomyces achromogenes IFO 12735の染色体DNA 10ngを用いた。プライマーとしては、配列番号328で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号329で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを用いた。該PCRにより増幅されたDNAを回収し、配列番号109で示される塩基配列を有しジゴキシゲニンで標識されたDNAプローブ(以下、DIG標識プローブ(A4)と記す。)を作製した。
(2)プラスミド溶液の調製
実施例31(1)で調製されたStreptomyces nogalator IFO13445の染色体DNAを鋳型に用いて、Advantage-GCゲノミックポリメラーゼミックス(クロンテック社製)によるPCRを行った。プライマーとしては、配列番号330で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号331で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとを用いた。PCR反応液には、2種類のプライマーをそれぞれ200nMとなるよう添加し、染色体DNAを10ng、dNTPミックス(それぞれ2.5mMの4種類のdNTPの混合物)を4.0μl、5×GCバッファーを10.0μl、25mM Mg(OAc)2を2.2μl、5M GC-Meltを10.0μl、およびAdvantage-GCゲノミックポリメラーゼミックス(クロンテック社製)を1.0μl添加し、さらに蒸留水を添加して全量を50μlにした。PCR反応条件は、94℃で1分間保温した後、94℃で10秒間次いで72℃で3分間の保温を1サイクルとしてこれを7サイクル繰り返し、続いて、94℃で10秒間次いで67℃で3分間の保温を1サイクルとしてこれを36サイクル繰り返し、さらに67℃で7分間保温した。該PCR反応液から、QIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)を用い、付属の取扱説明書に従ってDNAを精製した。得られたDNAを、TAクローニングベクターpCR2.1(INVITROGEN社製)に、該ベクターに付属の取扱説明書に従いライゲーションして、大腸菌TOP10F’(INVITROGEN社製)に導入した。得られた大腸菌形質転換体からQIAprep Spin Miniprep Kit(QIAGEN社製)を用いてプラスミドDNAを調製し、本発明DNA(A11)を含むプラスミド溶液を得た。
同様に、実施例33(1)で調製されたStreptomyces tsusimaensis IFO 13782の染色体DNAを鋳型とし、配列番号332で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号333で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A12)を含むプラスミド液を得た。
同様に、実施例35(1)で調製されたStreptomyces thermocoerulesces IFO 14273tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号331で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号334で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A13)を含むプラスミド液を得た。
同様に、実施例37(1)で調製されたStreptomyces glomerochromogenes IFO 13673tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号330で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号331で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A14)を含むプラスミド液を得た。
同様に、実施例39(1)で調製されたStreptomyces olivochromogenes IFO 12444の染色体DNAを鋳型とし、配列番号330で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号331で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A15)を含むプラスミド液を得た。
同様に、実施例48(1)で調製されたStreptomyces ornatus IFO 13069tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号335で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号336で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A16)を含むプラスミド液を得た。
同様に、実施例50(1)で調製されたStreptomyces griseus ATCC 10137の染色体DNAを鋳型とし、配列番号335で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号336で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A17)を含むプラスミド液を得た。
同様に、実施例52(1)で調製されたStreptomyces achromogenes IFO 12735の染色体DNAを鋳型とし、配列番号330で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号331で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A18)を含むプラスミド液を得た。
同様に、実施例54(1)で調製されたStreptomyces griseus IFO 13849Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号333で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号335で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A19)を含むプラスミド液を得た。
同様に、実施例56(1)で調製されたStreptomyces lanatus IFO 12787Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号331で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号337で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A20)を含むプラスミド液を得た。
同様に、実施例58(1)で調製されたStreptomyces misawanensis IFO 13855Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号331で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号338で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A21)を含むプラスミド液を得た。
同様に、実施例62(1)で調製されたStreptomyces roseorubens IFO 13682Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号331で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号339で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A23)を含むプラスミド液を得た。
同様に、実施例66(1)で調製されたStreptomyces steffisburgensis IFO 13446Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号331で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号339で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行った。該PCRで得られたDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換した。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A25)を含むプラスミド液を得た。
また同様に、実施例60(1)で調製されたStreptomyces pallidus IFO 13434Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号340で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号341で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行う。該PCRで得られるDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換する。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A22)を含むプラスミド液を得る。
同様に、実施例64(1)で調製されたStreptomyces rutgersensis IFO 15875Tの染色体DNAを鋳型とし、配列番号342で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号343で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、PCRを行う。該PCRで得られるDNAを、上記と同様にベクターとライゲーションした後、大腸菌に形質転換する。得られた大腸菌形質転換体からプラスミドを調製して、本発明DNA(A24)を含むプラスミド液を得る。
(3)ドットブロットハイブリダイゼーション
実施例69(2)で調製された、本発明DNA(A11)を含むプラスミドDNA、本発明DNA(A12)を含むプラスミドDNA、本発明DNA(A13)を含むプラスミドDNA、本発明DNA(A14)を含むプラスミドDNA、本発明DNA(A15)を含むプラスミドDNA、本発明DNA(A16)を含むプラスミドDNA、本発明DNA(A17)を含むプラスミドDNA、本発明DNA(A18)を含むプラスミドDNA、本発明DNA(A19)を含むプラスミドDNA、本発明DNA(A20)を含むプラスミドDNA、本発明DNA(A21)を含むプラスミドDNA、本発明DNA(A23)を含むプラスミドDNAおよび本発明DNA(A25)を含むプラスミドDNAを、それぞれ100ngおよび10ng相当量ずつナイロンメンブレンHybond N+(アマシャムバイオサイエンス社製)にブロットした。得られたメンブレンにトランスイルミネーターで5分間紫外線を照射した。
ハイブリダイゼーションと検出は、実施例30(2)に記載の方法に従って行った。プローブとしては、実施例30(1)で作製された配列番号6で示される塩基配列を有しジゴキシゲニンで標識されたDNA(DIG標識プローブ(A1))、配列番号7で示される塩基配列を有しジゴキシゲニンで標識されたDNA(DIG標識プローブ(A2))、配列番号8で示される塩基配列を有しジゴキシゲニンで標識されたDNA(DIG標識プローブ(A3))または実施例69(1)で作製されたDIG標識プローブ(A4)を、それぞれ100℃で5分間保温した後、氷上で急冷したものを用いた。DIG標識プローブ(A1)、(A2)、(A3)または(A4)のいずれを用いてハイブリダイゼーションを行った場合でも、上記のプラスミドDNAのそれぞれ100ngおよび10ngのいずれの試料についてもシグナルが検出された。
また同様に、実施例69(2)で調製される本発明DNA(A22)を含むプラスミドDNAおよび本発明DNA(A24)を含むプラスミドDNAを、それぞれ100ngおよび10ng相当量ずつナイロンメンブレンHybond N+(アマシャムバイオサイエンス社製)にブロットする。実施例30(2)に記載した方法に従ってハイブリダイゼーションと検出を行う。
実施例70 ダイズでの発現用にコドン使用率が調整された本発明DNA(A23)[以下、本発明DNA(A23)Sと記す。]の作製
(1)本発明DNA(A23)Sの作製
配列番号346で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号367で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用い、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造社製)を用いて付属の取扱い説明書に従ってPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号345で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号366で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号344で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号365で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液1とした。
また、配列番号349で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号364で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用い、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造社製)を用いて付属の取扱い説明書に従ってPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号348で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号363で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号347で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号362で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液2とした。
また、配列番号352で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号361で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用い、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造社製)を用いて付属の取扱い説明書に従ってPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号351で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号360で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号350で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号359で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液3とした。
また、配列番号355で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号358で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用い、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造社製)を用いて付属の取扱い説明書に従ってPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号354で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号357で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号353で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号356で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液4とした。
上記のようにして得られた反応液1〜4を混合しその一部を鋳型として、配列番号344で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号356で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造社製)を用いて付属の取扱い説明書に従ってPCRを行った。増幅されたDNAの塩基配列を確認し、配列番号368で示される塩基配列の5'末端上流に塩基配列5'-cat-3'が、また3'末端下流に塩基配列5'-aagctt-3'がそれぞれ連結されてなる配列を有するDNAを得た。
配列番号232で示される塩基配列を有する本発明DNA(A23)のコドン使用率(GC含量73.10%)を表28および表29に、ダイズのコドン使用率(GC含量46.12%)を表24および表25に、配列番号368で示される塩基配列を有する本発明DNA(A23)Sのコドン使用率(GC含量52.38%)を表30および表31に、それぞれ示す。
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
(2)本発明DNA(A23)Sを有する形質転換大腸菌の作製
実施例70(1)で得られた配列番号368で示される塩基配列を含むDNAを、制限酵素NdeIおよびHindIIIで消化した。該DNAと、NdeIおよびHindIIIで消化したプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号368で示される塩基配列を有するDNAがpKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1584soyと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1584soyとした。
(3)本発明蛋白質(A23)の大腸菌での発現と蛋白質の回収
実施例70(2)で得られた大腸菌JM109/pKSN1584soyおよび実施例63(1)で得られた大腸菌JM109/pKSN1584Fを、実施例4(2)と同様にしてそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1584soyから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1584soy、大腸菌JM109/pKSN1584Fから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1584Fと記す。)を調製した。大腸菌抽出液pKSN1584soyに含まれる蛋白質量あたりのP450量は、大腸菌抽出液pKSN1584Fに含まれる蛋白質量あたりのP450量と比較して多かった。
実施例71 ダイズでの発現用にコドン使用率が調整された本発明DNA(A25)[以下、本発明DNA(A25)Sと記す。]の作製と発現
(1)本発明DNA(A25)Sの作製
配列番号371で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号392で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用い、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造社製)を用いて付属の取扱い説明書に従ってPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号370で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号391で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号369で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号390で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液1とした。
また、配列番号374で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号389で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用い、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造社製)を用いて付属の取扱い説明書に従ってPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号373で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号388で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号372で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号387で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液2とした。
また、配列番号377で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号386で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用い、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造社製)を用いて付属の取扱い説明書に従ってPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号376で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号385で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号375で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号384で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液3とした。
また、配列番号380で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号383で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用い、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造社製)を用いて付属の取扱い説明書に従ってPCRを行った。得られたPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号379で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号382で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドとをプライマーとして用いて、同様にPCRを行った。さらに、このPCR産物の一部を鋳型とし、配列番号378で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号381で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて同様にPCRを行い、得られた反応液を反応液4とした。
上記のようにして得られた反応液1〜4を混合しその一部を鋳型として、配列番号369で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号381で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、Pyrobest DNA polymerase(宝酒造社製)を用いて付属の取扱い説明書に従ってPCRを行った。増幅されたDNAの塩基配列を確認し、配列番号393で示される塩基配列の5’末端上流に塩基配列5'-cat-3'が、また3’末端下流に塩基配列5'-aagctt-3'がそれぞれ連結されてなる配列を有するDNAを得た。
配列番号234で示される塩基配列を有する本発明DNA(A25)のコドン使用率(GC含量71.93%)を表32および表33に、ダイズのコドン使用率(GC含量46.12%)を表24および表25に、配列番号393で示される塩基配列を有する本発明DNA(A25)Sのコドン使用率(GC含量52.05%)を表34および表35に、それぞれ示す。
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
(2)本発明DNA(A25)Sを有する形質転換大腸菌の作製
実施例71(1)で得られた配列番号393で示される塩基配列を含むDNAを、制限酵素NdeIおよびHindIIIで消化した。該DNAと、NdeIおよびHindIIIで消化したプラスミドpKSN2とをライゲーションすることにより、配列番号393で示される塩基配列を有するDNAがpKSN2のNdeI部位とHindIII部位との間に挿入されてなるプラスミド(以下、pKSN1609soyと記す。)を得た。該プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた大腸菌形質転換体をJM109/pKSN1609soyとした。
(3)本発明蛋白質(A25)の大腸菌での発現と蛋白質の回収
実施例71(2)で得られた大腸菌JM109/pKSN1609soyおよび実施例67(1)で得られた大腸菌JM109/pKSN1609Fを、実施例4(2)と同様にしてそれぞれ培養した後、菌体を回収し、菌体破砕液を調製した。得られた破砕液から、実施例4(2)に記載の方法で、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1609soyから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1609soy、大腸菌JM109/pKSN1609Fから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1609Fと記す。)を調製した。大腸菌抽出液pKSN1609soyに含まれる蛋白質量あたりのP450量は、大腸菌抽出液pKSN1609Fに含まれる蛋白質量あたりのP450量と比較して多かった。
実施例72 本発明蛋白質(A25)を認識する本発明抗体(A)[以下、本発明抗体(A25)と記す。]の調製
(1)本発明蛋白質(A25)を発現する大腸菌抽出液の調製
実施例4(2)に記載した方法に従い、実施例71(2)で作製された本発明蛋白質(A25)を発現する大腸菌JM109/pKSN1609soyを一晩前培養した後、得られた培養液を50μg/mlのアンピシリンを含むTB培地1Lに植菌して26℃で培養し、最終濃度500μMの5-アミノレブリン酸、最終濃度1mMのIPTGを同様に添加してさらに培養した。培養液から菌体を回収し、0.05M Tris-HClバッファー(pH7.5)で洗浄した後、1mM PMSFを含む前記バッファー100mlに懸濁した。得られた菌体培養液を、超音波破砕機SONIFIER(Branson Sonic Power社登録商標)を用いて、out put 5、duty cycle 30%の条件で10分間ずつ3回超音波処理して菌体破砕液を得た。得られた破砕液を、遠心分離(9,000×g、10分間)した後、上清を回収してこれを遠心分離(200,000×g、70分間)し、上清画分(以下、大腸菌JM109/pKSN1609soyから得られた該上清画分を大腸菌抽出液pKSN1609soyと記す。)を回収した。
(2)本発明蛋白質(A25)の精製
実施例72(1)で得られた上清画分(大腸菌抽出液pKSN1609soy)をHiLoad 16/10 Q Sepharose HP(アマシャムバイオサイエンス社製)に注入した。次いで前記カラムに40mlの20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流した後、塩化ナトリウム直線濃度勾配を付して20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流し(塩化ナトリウム濃度勾配0.00125M/分、塩化ナトリウム濃度範囲0Mから0.375M、流速3ml/分)、塩化ナトリウム濃度0.088M〜0.100Mにて溶出された画分10mlを分取した。
分取した画分をPD-10カラム(アマシャムバイオサイエンス社製)に供し、20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)で溶出させ、蛋白質を含む画分を回収した。次いで、該画分をMonoQ HR 10/10(アマシャムバイオサイエンス社製)に注入し、該カラムに16mlの20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流した。次いで、塩化ナトリウム直線濃度勾配を付して20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流し(塩化ナトリウム濃度勾配0.001042M/分、塩化ナトリウム濃度範囲0Mから0.25M、流速4ml/分)、塩化ナトリウム濃度0.060M〜0.069Mにて溶出された画分8mlを分取した。
分取した画分を20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)で2.5倍に希釈し、MonoQ HR 5/5(アマシャムバイオサイエンス社製)に注入した。次いで、該カラムに2mlの20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流した後、塩化ナトリウム直線濃度勾配を付して20mMビストリスプロパンバッファー(pH7.0)を流し(塩化ナトリウム濃度勾配0.008333M/分、塩化ナトリウム濃度範囲0Mから0.25M、流速1ml/分)、塩化ナトリウム濃度0.073M〜0.077Mにて溶出された画分0.5mlを分取した。
上記のように精製された画分を、PAGミニ「第一」10/20(第一化学薬品社製)を用いてSDS-PAGE解析し、本発明蛋白質(A25)を主要に含む画分であることを確認した。
(3)本発明抗体(A25)の調製
実施例44(3)に記載した方法に従って本発明抗体(A25)の調製を行った。ただし、本発明蛋白質(A1)を用いる代わりに、実施例72(2)で得られた本発明蛋白質(A25)を用い、本発明抗体(A25)を含む抗血清を得た。
実施例73 本発明抗体(A25)による本発明蛋白質の検出
各種大腸菌抽出液に対し、実施例72(3)で得られた本発明抗体(A25)を用いてイムノブロッティングを行った。実施例49(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN452F(約2pmolの本発明蛋白質(A16)を含む)、実施例51(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN608F(約2pmolの本発明蛋白質(A17)を含む)、実施例53(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN646BF(約2pmolの本発明蛋白質(A18)を含む)、実施例55(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN1502F(約2pmolの本発明蛋白質(A19)を含む)、実施例57(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN1525F(約2pmolの本発明蛋白質(A20)を含む)、実施例59(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN1543BF(約2pmolの本発明蛋白質(A21)を含む)、実施例61(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN1558BF(約2pmolの本発明蛋白質(A22)を含む)、実施例63(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN1584F(約2pmolの本発明蛋白質(A23)を含む)、実施例65(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN1589BF(約2pmolの本発明蛋白質(A24)を含む)、実施例67(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN1609F(約0.5pmolの本発明蛋白質(A25)を含む)、実施例70(3)で得られた大腸菌抽出液pKSN1584soy(約2pmolの本発明蛋白質(A23)を含む)、実施例71(3)で得られた大腸菌抽出液pKSN1609soy(約0.5pmolの本発明蛋白質(A25)を含む)および実施例67(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN2(約0.8mgの蛋白質を含む)を、SDS−ポリアクリルアミドゲルで電気泳動(40mA、1時間)した。このゲル中の蛋白質を、実施例45に記載した方法に従ってPVDF膜に転写した。実施例45で得られたPVDF膜(以下、PVDF膜(A)と記す。)、および上記の方法で得られるPVDF膜(以下、PVDF膜(B)と記す。)を、実施例45に記載した方法に従って、実施例72(3)で得られた抗血清と反応させた。その後、実施例45に記載した方法に従って、二次抗体との反応、洗浄、発色を行った。PVDF膜(A)には、本発明蛋白質(A1)、(A2)、(A3)、(A4)、(A11)、(A12)、(A13)、(A14)および(A15)、ならびに本蛋白質(A9)および(A10)に相当するバンドの発色が検出された。PVDF膜(B)には、本発明蛋白質(A16)、(A17)、(A18)、(A19)、(A20)、(A21)、(A22)、(A23)、(A24)および(A25)に相当するバンドの発色が検出された。PVDF膜(A)の実施例4(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN2(約0.78mgの蛋白質を含む)の試料、PVDF膜(B)の実施例67(2)で得られた大腸菌抽出液pKSN2(約0.8mgの蛋白質を含む)の試料では、発色バンドが検出されなかった。
実施例74 本発明DNA(A23)Sの植物への導入
(1)本発明DNA(A23)Sを有する直接導入用葉緑体発現プラスミドの構築(1)
本発明DNA(A23)Sをパーティクルガン法で植物へ導入するためのプラスミドとして、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A23)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドを構築した。
まず、実施例70(2)で得たpKSN1584soyを鋳型にして、配列番号397で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号398で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーに使ってPCRを行い、配列番号368で示される塩基配列を含有するDNAを増幅した。PCRはKOD-plus(東洋紡績社製)を用いて、94℃にて2分間の保温を1回行った後、94℃にて30秒間次いで53℃にて30秒間次いで68℃にて90秒間の保温を1サイクルとしてこれを20回実施し、最後に68℃にて3分間の保温を1回行った。増幅されたDNAを、MagExtractor-PCR & Gel-Clean up-(東洋紡績社製)を用いて付属のマニュアルに従って操作を行うことにより回収精製した。得られたDNAを、TaKaRa BKLKit(宝酒造社製)を用いて付属のマニュアルに従って処理することにより該DNAの末端平滑化および5'末端のリン酸化を行った後、配列番号368で示される塩基配列を含有するDNAを回収した。一方、プラスミドpUC19(宝酒造社製)をSmaI消化した後、仔牛小腸由来のAlkaline phosphatase(宝酒造社製)を用いて5'末端の脱リン酸化処理を行った。得られた脱リン酸化DNAと、上記の配列番号368で示される塩基配列を含有するDNAとをライゲーションすることによりプラスミドを作製した。得られたプラスミドを制限酵素EcoT22IとSacIとで消化した後、配列番号368で示される塩基配列を含有するDNAを回収した。実施例16(2)で得られたプラスミドpUCrSt657を制限酵素EcoT22IとSacIとで消化した後、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列およびベクタープラスミドpUC19由来の塩基配列を含む約2.9 kbpのDNAを単離した。得られたDNAと上記の配列番号368で示される塩基配列を含有するDNAとをライゲーションすることにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A23)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドpUCrSt1584soy(図54)を得た。
得られたプラスミドpUCrSt1584soyを制限酵素BamHIとSacIとで消化し、配列番号368で示される塩基配列を含有するDNAを単離した。該DNAを、実施例16(2)で得られたプラスミドpNdG6-ΔTのBglII切断部位とSacI切断部位との間に挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく該DNAが連結されてなるキメラDNAがCR16G6プロモーターの下流に結合されてなるプラスミドpSUM-NdG6-rSt-1584soy(図55)を得た。
次いで、該プラスミドを大腸菌DH5α株のコンピテントセル(宝酒造社製)に導入し、アンピシリン耐性株を選抜した。選抜されたアンピシリン耐性株に含まれるプラスミドの塩基配列をBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit v3.0(PEアプライドバイオシステムズ社製)およびDNAシークエンサー3100(PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて決定した。その結果、プラスミドpSUM-NdG6-rSt-1584soyは配列番号368で示される塩基配列を有することが確認された。
(2)本発明DNA(A23)Sを有する直接導入用葉緑体発現プラスミドの構築(2)
本発明DNA(A23)Sをパーティクルガン法で植物に導入するためのプラスミドとして、ダイズ(cv.Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A23)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドを構築した。まず、実施例70で得たpKSN1584soyを鋳型にして、配列番号399で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号398で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーに使ってPCRを行い、配列番号368で示される塩基配列を含有するDNAを増幅した。PCRはKOD-plus(東洋紡績社製)を用いて、94℃にて2分間の保温を1回行った後、94℃にて30秒間次いで46℃にて30秒間次いで68℃にて90秒間の保温を1サイクルとしてこれを25回実施し、最後に68℃にて3分間の保温を1回行った。増幅されたDNAを、MagExtractor-PCR & Gel-Clean up-(東洋紡績社製)を用いて付属のマニュアルに従って操作を行うことにより回収精製した。得られたDNAを、TaKaRa BKLKit(宝酒造社製)を用いて付属のマニュアルに従って処理することにより該DNAの末端平滑化および5'末端のりん酸化を行った後、配列番号368で示される塩基配列を含有するDNAを回収した。一方、実施例15(3)で得られたプラスミドpKF19ΔBsをSmaI消化した後、仔牛小腸由来のAlkaline phosphatase(宝酒造社製)でを用いて5'末端の脱リン酸化処理を行った。得られた脱リン酸化DNAと上記の配列番号368で示される塩基配列を含有するDNAとをライゲーションすることによりプラスミドを作製した。得られたプラスミドを制限酵素BspHIとSacIとで消化した後、配列番号368で示される塩基配列を含有するDNAを回収した。次に、実施例16の(3)で得たプラスミドpKFrSt12-657を制限酵素BspHIとSacIとで消化して、プラスミドpKFrSt12由来のDNAを単離した。このDNAと、上記の配列番号368で示される塩基配列を含有する両端が制限酵素BspHIとSacIで切断されたDNAとをライゲーションすることにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A23)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドpKFrSt12-1584soy(図56)を得た。
得られたプラスミドpKFrSt12-1584soyを制限酵素BamHIとSacIとで消化し、配列番号368で示される塩基配列を含有するDNAを単離した。該DNAを、実施例16(2)で得られたプラスミドpNdG6-ΔTのBglII切断部位とSacI切断部位との間に挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく該DNAが連結されてなるキメラDNAがCR16G6プロモーターの下流に結合されてなるプラスミドpSUM-NdG6-rSt12-1584soy(図57)を得た。
次いで、該プラスミドを大腸菌DH5α株のコンピテントセル(宝酒造社製)に導入し、アンピシリン耐性株を選抜した。選抜されたアンピシリン耐性株に含まれるプラスミドの塩基配列をBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit v3.0(PEアプライドバイオシステムズ社製)およびDNAシークエンサー3100(PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて決定した。その結果、プラスミドpSUM-NdG6-rSt-1584soyは配列番号368で示される塩基配列を有することが確認された。
(3)本発明DNA(A23)Sのダイズへの導入
実施例47(3)に記載した方法に従って、ダイズ(品種;FayetteおよびJack)の球状型胚を調製した。
得られた球状型胚を新しい不定胚増殖培地に移植し、2〜3日培養した。この球状型胚に、実施例74(1)で作製されたプラスミドpSUM-NdG6-rSt-1584soyまたは実施例74(2)で作製されたプラスミドpSUM-NdG6-rSt12-1584soyを、実施例17(2)に記載の方法に従って導入した。
(4)不定胚のハイグロマイシンによる選抜
実施例47(4)に記載した方法に従って、実施例74(3)で得られた遺伝子導入後の球状型胚のハイグロマイシンによる選抜を行なう。
(5)不定胚の化合物(II)による選抜
実施例47(5)に記載した方法に従って、実施例74(3)で得られた遺伝子導入後の球状型胚の化合物(II)による選抜を行なう。
(6)不定胚からの個体再生、順化および栽培
実施例47(6)に記載の方法に従って、実施例74(4)または(5)で選抜された球状型胚からの個体再生を行なう。
本葉を展開し発根した個体について、実施例17(6)に記載の方法に従って、順化および栽培を行い、採種する。
(7)雑草防除活性を有する化合物(II)に対する耐性の評価
実施例17(4)に記載した方法に従って、実施例74(6)で得られた再生植物個体の化合物(II)に対する耐性度を評価する。
(8)本発明DNA(A23)Sを有するアグロバクテリウム導入用葉緑体発現プラスミドの構築
本発明DNA(A23)Sをアグロバクテリウム法で植物へ導入するためのプラスミドを構築した。上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt-1584soyを制限酵素HindIIIとEcoRIとで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A23)Sが連結されてなるキメラDNAを含むDNAを単離した。このDNAを、実施例18で得られたバイナリーベクタープラスミドpBI121Sの制限酵素HindIII切断部位とEcoRI切断部位との間に挿入し、pBI-NdG6-rSt-1584soy(図58)を得た。また、上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-1584soyを制限酵素NotIで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A23)Sが連結されてなるキメラDNAを含むDNAを単離した。このDNAを上記バイナリーベクタープラスミドpBI121Sの制限酵素HindIII切断部位とEcoRI切断部位との間に挿入し、pBI-NdG6-rSt12-1584soy(図59)を得た。
(9)本発明DNA(A23)Sのタバコへの導入
実施例74(8)で得られたプラスミドpBI-NdG6-rSt-1584soyおよびプラスミドpBI-NdG6-rSt12-1584soy を用いて本発明DNA(A23)Sをアグロバクテリウム法でタバコへ導入した。
まず、実施例19に記載の方法に従って、プラスミドpBI-NdG6-rSt-1584soyおよびpBI-NdG6-rSt12-1584soyをそれぞれ、Agrobacterium tumefaciens LBA4404 株(Clontech 社製)に導入し、pBI-NdG6-rSt-1584soyまたはpBI-NdG6-rSt12-1584soyを持つ組換えアグロバクテリウム株をそれぞれ単離した。
次いで、上記のプラスミドを持つ組換えアグロバクテリウム株を用いて、実施例47(9)に記載の方法に従って、タバコへの遺伝子導入を行い、pBI-NdG6-rSt-1584soyまたはpBI-NdG6-rSt12-1584soyの T-DNA 領域が組み込まれた組換えタバコ個体をそれぞれ取得する。
(10)本発明DNA(A23)S組換えタバコの葉片を用いた耐性の評価
実施例74(9)で取得された組換えタバコ35個体から葉を切除して、一片 5〜7mm の葉片を採取する。それぞれの葉片を化合物(II)または化合物(XII)を添加したMS寒天培地に植え込み、明所・室温で培養し、数日経過後にそれぞれの葉片の薬害の程度を観察する。コントロールとしては野生型タバコの葉片を用い、継続的に生存する葉片、薬害の認められる半枯死の葉片、白化して枯死した葉片をスコアリングし、組換えタバコの耐性を評価する。
実施例75 本発明DNA(A25)Sの植物への導入
(1)本発明DNA(A25)Sを有する直接導入用葉緑体発現プラスミドの構築(1)
本発明DNA(A25)Sをパーティクルガン法で植物へ導入するためのプラスミドとして、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A25)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドを構築した。
まず、実施例71(2)で得たpKSN1609soyを鋳型にして、配列番号400で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号401で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーに使ってPCRを行い、配列番号393で示される塩基配列を含有するDNAを増幅した。PCRはKOD-plus(東洋紡績社製)を用いて、94℃にて2分間の保温を1回行った後、94℃にて30秒間次いで53℃にて30秒間次いで68℃にて90秒間の保温を1サイクルとしてこれを20回実施し、最後に68℃にて3分間の保温を1回行った。増幅された該DNAを、MagExtractor-PCR & Gel-Clean up-(東洋紡績社製)を用いて付属のマニュアルに従って操作を行うことにより回収精製した。得られたDNAを、TaKaRa BKLKit(宝酒造社製)を用いて付属のマニュアルに従って処理することにより該DNAの末端平滑化および5'末端のりん酸化を行った後、配列番号393で示される塩基配列を含有するDNAを回収した。一方、プラスミドpUC19(宝酒造社製)をSmaI消化した後、仔牛小腸由来のAlkaline phosphatase(宝酒造社製)を用いて5'末端の脱リン酸化処理を行った。得られた脱リン酸化DNAと、上記の配列番号393で示される塩基配列を含有するDNAとをライゲーションすることによりプラスミドを作製した。得られたプラスミドを制限酵素EcoT22IとSacIとで消化した後、配列番号393で示される塩基配列を含有するDNAを回収した。実施例16(2)で得られたプラスミドpUCrSt657を制限酵素EcoT22IとSacIとで消化した後、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列およびベクタープラスミドpUC19由来の塩基配列を含む約2.9 kbpのDNAを単離した。得られたDNAと上記の配列番号393で示される塩基配列を含有するDNAとをライゲーションすることにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A25)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドpUCrSt1609soy(図60)を得た。
得られたプラスミドpUCrSt1609soyを制限酵素BamHIとSacIとで消化し、配列番号393で示される塩基配列を含有するDNAを単離した。該DNAを、実施例16(2)で得られたプラスミドpNdG6-ΔTのBglII切断部位とSacI切断部位との間に挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく該DNAが連結されてなるキメラDNAがCR16G6プロモーターの下流に結合されてなるプラスミドpSUM-NdG6-rSt-1609soy(図61)を得た。
次いで、該プラスミドを大腸菌DH5α株のコンピテントセル(宝酒造社製)に導入し、アンピシリン耐性株を選抜した。さらに、選抜されたアンピシリン耐性株に含まれるプラスミドの塩基配列をBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit v3.0(PEアプライドバイオシステムズ社製)およびDNAシークエンサー3100(PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて決定した。その結果、プラスミドpSUM-NdG6-rSt-1609soyは配列番号393で示される塩基配列を有することが確認された。
(2)本発明DNA(A25)Sを有する直接導入用葉緑体発現プラスミドの構築(2)
本発明DNA(A25)Sをパーティクルガン法で植物に導入するためのプラスミドとして、ダイズ(cv.Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A25)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドを構築した。まず、実施例75(1)で得られたプラスミドpUCrSt1609soyの制限酵素EcoT22I切断部位に、配列番号402で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号403で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをアニールさせることで得られるリンカーEcoT22I-12aa-EcoT22I(図62)を挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A25)Sが連結されてなるキメラDNAを含むプラスミドpUCrSt12-1609soy(図63)を得た。
得られたプラスミドpUCrSt12-1609soyを制限酵素BamHIとSacIとで消化し、配列番号393で示される塩基配列を含有するDNAを単離した。該DNAを、実施例16(2)で得られたプラスミドpNdG6-ΔTのBglII切断部位とSacI切断部位との間に挿入することにより、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく該DNAが連結されてなるキメラDNAがCR16G6プロモーターの下流に結合されてなるプラスミドpSUM-NdG6-rSt12-1609soy(図64)を得た。
次いで、該プラスミドを大腸菌DH5α株のコンピテントセル(宝酒造社製)に導入し、アンピシリン耐性株を選抜した。選抜されたアンピシリン耐性株に含まれるプラスミドの塩基配列をBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit v3.0(PEアプライドバイオシステムズ社製)およびDNAシークエンサー3100(PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いて決定した。その結果、プラスミドpSUM-NdG6-rSt-1609soyは配列番号393で示される塩基配列を有することが確認された。
(3)本発明DNA(A25)Sのダイズへの導入
実施例47(3)に記載した方法に従って、ダイズ(品種;FayetteおよびJack)の球状型胚を調製した。
得られた球状型胚を新しい不定胚増殖培地に移植し、2〜3日培養した。この球状型胚に、実施例75(1)で作製されたプラスミドpSUM-NdG6-rSt-1609soyまたは実施例75(2)で作製されたプラスミドpSUM-NdG6-rSt12-1609soyを、実施例17(2)に記載の方法に従って導入した。
(4)不定胚のハイグロマイシンによる選抜
実施例47(4)に記載した方法に従って、実施例75(3)で得られた遺伝子導入後の球状型胚のハイグロマイシンによる選抜を行なう。
(5)不定胚の化合物(II)による選抜
実施例47(5)に記載した方法に従って、実施例75(3)で得られた遺伝子導入後の球状型胚の化合物(II)による選抜を行なう。
(6)不定胚からの個体再生、順化および栽培
実施例47(6)に記載の方法に従って、実施例75(4)または(5)で選抜された球状型胚からの個体再生を行なう。
本葉を展開し発根した個体について、実施例17(6)に記載の方法に従って、順化および栽培を行い、採種する。
(7)雑草防除活性を有する化合物(II)に対する耐性の評価
実施例17(4)に記載した方法に従って、実施例75(6)で得られた再生植物個体の化合物(II)に対する耐性度を評価する。
(8)本発明DNA(A25)Sを有するアグロバクテリウム導入用葉緑体発現プラスミドの構築
本発明DNA(A25)Sをアグロバクテリウム法で植物へ導入するためのプラスミドを構築した。上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt-1609soyを制限酵素HindIIIとEcoRIとで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドコード配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A25)Sが連結されてなるキメラDNAを含むDNAを単離した。このDNAを、実施例18で得られたバイナリーベクタープラスミドpBI121Sの制限酵素HindIII切断部位とEcoRI切断部位との間に挿入し、pBI-NdG6-rSt-1609soy(図65)を得た。また、上記プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-1609soyを制限酵素NotIで消化し、ダイズ(cv. Jack)のRuBPC小サブユニットの葉緑体トランジットペプチドとそれに続く成熟タンパク質12アミノ酸分をコードする塩基配列の直下にコドンのフレームが変わることなく本発明DNA(A25)Sが連結されてなるキメラDNAを含むDNAを単離した。このDNAを上記バイナリーベクタープラスミドpBI121Sの制限酵素HindIII切断部位とEcoRI切断部位との間に挿入し、pBI-NdG6-rSt12-1609soy(図66)を得た。
(9)本発明DNA(A25)Sのタバコへの導入
実施例75(8)で得たプラスミドpBI-NdG6-rSt-1609soyおよびプラスミドpBI-NdG6-rSt12-1609soy を用いて本発明DNA(A25)Sをアグロバクテリウム法でタバコへ導入した。
まず、実施例19に記載の方法に従って、プラスミドpBI-NdG6-rSt-1609soyおよびpBI-NdG6-rSt12-1609soyをそれぞれ、Agrobacterium tumefaciens LBA4404 株(Clontech 社製)に導入し、pBI-NdG6-rSt-1609soyまたはpBI-NdG6-rSt12-1609soyを持つ組換えアグロバクテリウム株をそれぞれ単離した。
次いで、上記のプラスミドを持つ組換えアグロバクテリウム株を用いて、実施例47(9)に記載の方法に従って、タバコへの遺伝子導入を行い、pBI-NdG6-rSt-1609soyまたはpBI-NdG6-rSt12-1609soyのT-DNA 領域が組み込まれた組換えタバコ個体をそれぞれ取得する。
(10)本発明DNA(A25)S組換えタバコの葉片を用いた耐性の評価
実施例75(9)で取得された組換えタバコ個体から葉片を採取し、これを用いて実施例74(10)と同様の方法で、組換えタバコの化合物(II)または化合物(XII)に対する耐性を評価する。
【0237】
【発明の効果】
本発明により、PPO阻害型雑草防除活性化合物を代謝し該化合物を防除活性のより低い化合物に変換する能力を有する蛋白質、前記蛋白質をコードするDNA、前記蛋白質を発現する雑草防除活性化合物耐性植物等が提供可能となる。
【0238】
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配列番号403
発現ベクター構築のために設計されたオリゴヌクレオチドリンカー
【0239】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明DNA(A1)および本発明DNA(B1)の取得に用いたPCRプライマーのアニーリング位置を示す図である。各数字はプライマーの塩基配列を示す配列番号を示す。矢印はその配列番号で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーのアニーリング位置および該プライマーからのDNAポリメラーゼ反応の伸長方向を示し、点線は前記プライマーを用いたPCRにより増幅されたDNAを表す。太線は染色体DNAライブラリー構築に用いられたベクターのDNA挿入部位近傍領域を表す。
【図2】本発明DNA(A2)および本発明DNA(B2)の取得に用いたPCRプライマーのアニーリング位置を示す図である。各数字はプライマーの塩基配列を示す配列番号を示す。矢印はその配列番号で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーのアニーリング位置および該プライマーからのDNAポリメラーゼ反応の伸長方向を示し、点線は前記プライマーを用いたPCRにより増幅されたDNAを表す。太線は染色体DNAライブラリー構築に用いられたベクターのDNA挿入部位近傍領域を表す。
【図3】本発明DNA(A4)および本発明DNA(B4)の取得に用いたPCRプライマーのアニーリング位置を示す図である。各数字はプライマーの塩基配列を示す配列番号を示す。矢印はその配列番号で示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーのアニーリング位置および該プライマーからのDNAポリメラーゼ反応の伸長方向を示し、点線は前記プライマーを用いたPCRにより増幅されたDNAを表す。太線は染色体DNAライブラリー構築に用いられたベクターのDNA挿入部位近傍領域を表す。ただし、57で示されるオリゴヌクレオチドプライマーは、染色体DNAライブラリー構築に用いられたベクターのDNA挿入部位近傍領域にアニーリングするプライマーであり、本発明DNA(A4)にアニーリングするものではない。
【図4】プラスミドpKSN2の制限酵素地図を示す図である。
【図5】プラスミドpCRrSt12の制限酵素地図を示す図である。
【図6】プラスミドpCR657ETの制限酵素地図を示す図である。
【図7】プラスミドpCR657FETの制限酵素地図を示す図である。
【図8】プラスミドpCR657Bsの制限酵素地図を示す図である。
【図9】プラスミドpCR657FBsの制限酵素地図を示す図である。
【図10】プラスミドpUCrSt12の制限酵素地図を示す図である。
【図11】プラスミドpUCrSt657の制限酵素地図を示す図である。
【図12】プラスミドpUCrSt657Fの制限酵素地図を示す図である。
【図13】プラスミドpUCCR16G6-p/tの制限酵素地図を示す図である。
【図14】配列番号89で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号90で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとがアニールしてなるリンカーNotI-EcoRIの構造を示す図である。
【図15】プラスミドpUCCR16G6-p/tΔの制限酵素地図を示す図である。
【図16】配列番号91で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号92で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとがアニールしてなるリンカーHindIII-NotIの構造を示す図である。
【図17】プラスミドpNdG6-ΔTの制限酵素地図を示す図である。
【図18】プラスミドpSUM-NdG6-rSt657の制限酵素地図を示す図である。
【図19】プラスミドpSUM-NdG6-rSt657Fの制限酵素地図を示す図である。
【図20】プラスミドpKFrSt12の制限酵素地図を示す図である。
【図21】プラスミドpKFrSt12-657の制限酵素地図を示す図である。
【図22】プラスミドpKFrSt12-657Fの制限酵素地図を示す図である。
【図23】プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-657の制限酵素地図を示す図である。
【図24】プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-657Fの制限酵素地図を示す図である。
【図25】配列番号98で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号99で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとがアニールしてなるリンカーHindIII-NotI-EcoRIの構造を示す図である。
【図26】プラスミドpBI121Sの制限酵素地図を示す図である。
【図27】プラスミドpBI-NdG6-rSt-657の制限酵素地図を示す図である。
【図28】プラスミドpBI-NdG6-rSt-657Fの制限酵素地図を示す図である。
【図29】プラスミドpBI-NdG6-rSt12-657の制限酵素地図を示す図である。
【図30】プラスミドpBI-NdG6-rSt12-657Fの制限酵素地図を示す図である。
【図31】プラスミドpCR923Spの制限酵素地図を示す図である。
【図32】プラスミドpNdG6-rSt12の制限酵素地図を示す図である。
【図33】プラスミドpSUM-NdG6-rSt-923の制限酵素地図を示す図である。
【図34】プラスミドpKFrSt12-923の制限酵素地図を示す図である。
【図35】プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-923の制限酵素地図を示す図である。
【図36】プラスミドpBI-NdG6-rSt-923の制限酵素地図を示す図である。
【図37】プラスミドpBI-NdG6-rSt12-923の制限酵素地図を示す図である。
【図38】プラスミドpCR671ETの制限酵素地図を示す図である。
【図39】プラスミドpCR671Bsの制限酵素地図を示す図である。
【図40】プラスミドpUCrSt671の制限酵素地図を示す図である。
【図41】プラスミドpSUM-NdG6-rSt-671の制限酵素地図を示す図である。
【図42】プラスミドpKFrSt12-671の制限酵素地図を示す図である。
【図43】プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-671の制限酵素地図を示す図である。
【図44】プラスミドpBI-NdG6-rSt-671の制限酵素地図を示す図である。
【図45】プラスミドpBI-NdG6-rSt12-671の制限酵素地図を示す図である。
【図46】本発明DNA(A)の部分塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーに用いたPCRにより増幅されたDNAをアガロースゲル電気泳動で検出した結果を示す図面代用写真である。レーン1、7、8、12、19、26、27、32、37、42、および47にはDNAマーカー(φ174/HaeIII分解物)が泳動された。その他のレーンには、表20および表21に示される試料が泳動された。
【図47】配列番号134で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号135で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとがアニールしてなるリンカーの構造を示す図である。
【図48】プラスミドpUCrSt657soyの制限酵素地図を示す図である。
【図49】プラスミドpSUM-NdG6-rSt-657soyの制限酵素地図を示す図である。
【図50】プラスミドpKFrSt12-657soyの制限酵素地図を示す図である。
【図51】プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-657soyの制限酵素地図を示す図である。
【図52】プラスミドpBI-NdG6-rSt-657soyの制限酵素地図を示す図である。
【図53】プラスミドpBI-NdG6-rSt12-657soyの制限酵素地図を示す図である。
【図54】プラスミドpUCrSt1584soyの制限酵素地図を示す図である。
【図55】プラスミドpSUM-NdG6-rSt-1584soyの制限酵素地図を示す図である。
【図56】プラスミドpKFrSt12-1584soyの制限酵素地図を示す図である。
【図57】プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-1584soyの制限酵素地図を示す図である。
【図58】プラスミドpBI-NdG6-rSt-1584soyの制限酵素地図を示す図である。
【図59】プラスミドpBI-NdG6-rSt12-1584soyの制限酵素地図を示す図である。
【図60】プラスミドpUCrSt1609soyの制限酵素地図を示す図である。
【図61】プラスミドpSUM-NdG6-rSt-1609soyの制限酵素地図を示す図である。
【図62】配列番号402で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号403で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとがアニールしてなるリンカーEcoT22I-12aa-EcoT22Iの構造を示す図である。
【図63】プラスミドpUCrSt12-1609soyの制限酵素地図を示す図である。
【図64】プラスミドpSUM-NdG6-rSt12-1609soyの制限酵素地図を示す図である。
【図65】プラスミドpBI-NdG6-rSt-1609soyの制限酵素地図を示す図である。
【図66】プラスミドpBI-NdG6-rSt12-1609soyの制限酵素地図を示す図である。
【符号の説明】
DNA A1:本発明DNA(A1)
DNA A2:本発明DNA(A2)
DNA A3:本発明DNA(A3)
DNA A4:本発明DNA(A4)
DNA B1:本発明DNA(B1)
DNA B2:本発明DNA(B2)
DNA B4:本発明DNA(B4)
DNA A1S:本発明DNA(A1)S
DNA A23S:本発明DNA(A23)S
DNA A25S:本発明DNA(A25)S
tac p:tac プロモーター
rrnB t:rrnB ターミネーター
ColE1 ori:プラスミドColE1の複製開始点
Ampr :アンピシリン耐性遺伝子
ダイズRuBPCssCTP:ダイズ(cv.Jack)のribulose-1,5-bisphosphate carboxylase小サブユニットの葉緑体移行ペプチドをコードする塩基配列
12aa:ダイズ(cv.Jack)のribulose-1,5-bisphosphate carboxylase小サブユニットの葉緑体移行ペプチドに続く成熟蛋白質の12アミノ酸をコードする塩基配列
Kmr:カナマイシン耐性遺伝子
F1 ori:プラスミドF1の複製開始点
CR16G6p:CR16G6プロモーター
CR16t:CR16ターミネーター
CR16tΔ:制限酵素ScaI切断部位より下流の塩基配列がCR16ターミネーターから除去されてなるDNA
CR16G6pΔ:制限酵素NdeI切断部位より上流の塩基配列がCR16G6プロモーターから除去されてなるDNA
NOSp:ノパリン合成酵素遺伝子のプロモーター
NPTII:カナマイシン耐性遺伝子
NOSt:ノパリン合成酵素遺伝子のターミネーター
GUS:β-グルクロニダーゼ遺伝子
RB:T-DNAの右境界配列
LB:T-DNAの左境界配列
NdeI、HindIII、BspHI、EcoRI、BamHI、EcoT221、SphI、KpnI、SacI、BglII、NotI、ScaI:各々の制限酵素の切断部位
Claims (19)
- GC含量が60%以下40%以上であって、かつ蛋白質のアミノ酸配列をコードする塩基配列のコドン使用率が、当該DNAが導入されるダイズの遺伝子のコドン使用率のプラスマイナス4%の範囲内である塩基配列を有する請求項1に記載のDNA。
- 配列番号368で示される塩基配列からなるDNA。
- 配列番号393で示される塩基配列からなるDNA。
- 請求項1に記載のDNAの上流に、細胞内オルガネラへの移行シグナル配列をコードする塩基配列からなるDNAが、その読み枠を合わせて連結されてなるDNA。
- 請求項1に記載のDNAと宿主細胞で機能可能なプロモーターとが機能可能な形で結合されてなるDNA。
- 請求項1に記載のDNAを含有するベクター。
- 宿主細胞内で複製可能なベクターに、請求項1に記載のDNAを組込む工程を有することを特徴とするベクターの製造方法。
- 請求項1に記載のDNAが宿主細胞に導入されてなる形質転換体。
- 宿主細胞が微生物細胞または植物細胞である請求項10に記載の形質転換体。
- 宿主細胞に、請求項1に記載のDNAを導入する工程を有することを特徴とする形質転換体の製造方法。
- 雑草防除剤に対する耐性を植物に付与する方法であって、請求項1に記載のDNAを植物の細胞に導入し発現させる工程を有することを特徴とする方法。
- 請求項16に記載の蛋白質群から選ばれる雑草防除剤代謝蛋白質を認識する抗体。
- 請求項16に記載の蛋白質群から選ばれる雑草防除剤代謝蛋白質を検出する方法であって、(1)前記蛋白質を認識する抗体と被験試料とを接触させる工程、および(2)該接触により生じた前記の蛋白質と前記抗体との複合体を検出する工程、を有する方法。
- 請求項17に記載の抗体を含むことを特徴とする請求項16に記載の雑草防除剤代謝蛋白質又は当該蛋白質を発現する細胞の分析・検査用キット。
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