JP4779109B2 - 軸不斉を有する光学活性アミノ酸誘導体及び該アミノ酸誘導体を不斉触媒として用いる光学活性化合物の製造方法 - Google Patents
軸不斉を有する光学活性アミノ酸誘導体及び該アミノ酸誘導体を不斉触媒として用いる光学活性化合物の製造方法 Download PDFInfo
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Description
さらに、本発明は、当該アミノ酸誘導体を不斉触媒として用いることを特徴とする光学活性化合物の製造方法に関する。
しかし、遷移金属触媒は毒性が強かったり、触媒活性が不安定なものが多く、その取扱いには注意を要する場合が多々ある。また反応に使用することにより触媒活性が劣化する場合が多く、その回収再利用は一般に困難である。さらには、金属廃液の処理が必要となるためコストが高くなる上に、環境上の問題もある。
「ヘルベチカケミカアクタ(Helvetica Chemica Acta)」,1987年,70巻,p.1412−1418 「ジャーナルオブザアメリカンケミカルソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)」,1999年,第121巻,p.669−685 「ジャーナルオブザアメリカンケミカルソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)」,2001年,第123巻,p.5260−5267 「ジャーナルオブザアメリカンケミカルソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)」,2003年,第125巻,p.10808−10809
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]一般式(I):
[2]R1が水素原子、原子置換基を有していてもよいフェニル基またはカルボキシル基である、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[3]光学活性である、上記[1]または[2]記載の化合物またはその塩。
[4]上記[3]記載の化合物またはその塩を含有することを特徴とする不斉触媒。
[5]不斉アルドール反応、不斉マンニッヒ型反応、不斉ハロゲン化反応または不斉マイケル反応のための不斉触媒である、上記[4]記載の不斉触媒。
[6]不斉アルドール反応のための不斉触媒である、上記[5]記載の不斉触媒。
[7]不斉アルドール反応が、不斉直接アルドール反応または不斉O−ニトロソアルドール反応である、上記[6]記載の不斉触媒。
[8]上記[3]記載の化合物またはその塩の存在下、一般式(II):
[9]R5が低級アルキル基であり、R6が水素原子であり、R7が置換基を有していてもよいアリール基である、上記[8]記載の製造方法。
[10]上記[3]記載の化合物またはその塩の存在下、一般式(V):
[11]上記[10]記載の製造方法により得られる化合物(VII)を還元する工程を包含する、一般式(VIII):
[12]R8が水素原子であり、R9が低級アルキル基であり、R10が置換基を有していてもよいアリール基である、上記[10]または[11]記載の製造方法。
[13]以下の工程(i-a)〜(vi-a)を包含することを特徴とする、一般式(Ia):
(i-a)一般式(IX):
(ii-a)得られた化合物(XI)を遷移金属触媒および塩基の存在下、一酸化炭素および一般式(XII):R4’OH (XII)(式中、R4’は置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示す。)で表されるアルコール(以下、アルコール(XII)ともいう。)と反応させて、一般式(XIII):
(iii-a)得られた化合物(XIII)を、ラジカル開始剤の存在下、ハロゲン化剤と反応させて、一般式(XIV):
(iv-a)得られた化合物(XIV)をアリルアミンと反応させて、一般式(XV):
(v-a)得られた化合物(XV)を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、一般式(XVI):
(vi-a)得られた化合物(XVI)を加水分解して、化合物(Ia)を得る。
[14]Ra1が置換基を有していてもよいフェニル基である上記[13]記載の製造方法。
[15]以下の工程(i-b)〜(v-b)を包含することを特徴とする、一般式(Ib):
(i-b)化合物(IX)を、遷移金属触媒および塩基の存在下に、一酸化炭素およびアルコール(XII)と反応させて、一般式(XVII):
(ii-b)得られた化合物(XVII)を、ラジカル開始剤の存在下、ハロゲン化剤と反応させて、一般式(XVIII):
(iii-b)得られた化合物(XVIII)をアリルアミンと反応させて、一般式(XIX):
(iv-b)得られた化合物(XIX)を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、一般式(XX):
(v-b)得られた化合物(XX)を加水分解して、化合物(Ib)を得る。
[16]光学活性な化合物(IX)を用いる、上記[13]〜[15]のいずれかに記載の製造方法。
[17]以下の工程(i-c)〜(vii-c)を包含することを特徴とする、一般式(Ic):
(i-c)一般式(XXI):
(ii-c)得られた化合物(XXII)を還元して、一般式(XXIII):
(iii-c)得られた化合物(XXIII)をハロゲン化剤と反応させて、一般式(XXIV):
(iv-c)得られた化合物(XXIV)をアリルアミンと反応させて、一般式(XXV):
(v-c)得られた化合物(XXV)を遷移金属触媒および塩基の存在下、一酸化炭素およびアルコール(XII)と反応させて、一般式(XXVI):
(vi-c)得られた化合物(XXVI)を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、一般式(XXVII):
(vii-c)得られた化合物(XXVII)を加水分解して、化合物(Ic)を得る。
[18]光学活性な一般式(XXI)で表される化合物を用いる、上記[17]記載の製造方法。
また、本発明の不斉触媒は非金属であるため環境に優しく、金属廃液の処理等をする必要がないので、コスト的に有利である。さらに非金属であるため、触媒活性が安定しており、回収再利用も容易に行うことができる。
1.記号の説明
本発明におけるアルキルにおいて、語頭(例えば、イソ、ネオ、sec−、tert−など)を付していない限り直鎖状であり、例えば単にプロピルとあれば、直鎖状のプロピルのことである。
当該低級アルキル基は置換可能な位置に置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、上記で定義された低級アルコキシ基、上記で定義されたハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。当該置換基の数は特に限定はなく、1〜3個が好ましく、2個以上の場合は同一または異なっていてもよい。
また、本明細書で定義される他の化合物も、同様の塩を形成する態様であってもよい。
本発明の化合物(I)のうちR1が置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基である化合物、すなわち化合物(Ia)は、下記工程(i-a)〜(vi-a)を包含する製法1によって製造することができる。
(i-a)化合物(IX)を、遷移金属触媒および塩基の存在下に、化合物(X)と反応させて、化合物(XI)を得る;
(ii-a)化合物(XI)を遷移金属触媒および塩基の存在下、一酸化炭素およびアルコール(XII)と反応させて、化合物(XIII)を得る;
(iii-a)化合物(XIII)を、ラジカル開始剤の存在下、ハロゲン化剤と反応させて、化合物(XIV)を得る;
(iv-a)化合物(XIV)をアリルアミンと反応させて、化合物(XV)を得る;
(v-a)化合物(XV)を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、化合物(XVI)を得る;
(vi-a)化合物(XVI)を加水分解して、化合物(Ia)を得る。
(i-b)化合物(IX)を、遷移金属触媒および塩基の存在下に、一酸化炭素およびアルコール(XII)と反応させて、化合物(XVII)を得る;
(ii-b)化合物(XVII)を、ラジカル開始剤の存在下、ハロゲン化剤と反応させて、化合物(XVIII)を得る;
(iii-b)化合物(XVIII)をアリルアミンと反応させて、化合物(XIX)を得る;
(iv-b)化合物(XIX)を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、化合物(XX)を得る;
(v-b)得られた化合物(XX)を加水分解して、化合物(Ib)を得る。
(ii-c)化合物(XXII)を還元して、化合物(XXIII)を得る;
(iii-c)化合物(XXIII)をハロゲン化剤と反応させて、化合物(XXIV)を得る;
(iv-c)化合物(XXIV)をアリルアミンと反応させて、化合物(XXV)を得る;
(v-c)化合物(XXV)を遷移金属触媒および塩基の存在下、一酸化炭素およびアルコール(XII)と反応させて、化合物(XXVI)を得る;
(vi-c)化合物(XXVI)を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、化合物(XXVII)を得る;
(vii-c)化合物(XXVII)を加水分解して、化合物(Ic)を得る。
各工程で得られる化合物は、通常の単離操作(例えば、濃縮、抽出、中和、洗浄、濾過等)または精製操作(例えば、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等)により、単離精製することができる。
2−1.工程(i-a)
工程(i-a)は、化合物(IX)の一方のOTfをRa1で表される基に置換して、化合物(XI)を得る工程である。工程(i-a)は、鈴木カップリング反応(Synlett, 221(1990)参照)に準じて行なえばよく、例えば溶媒中において、化合物(IX)、化合物(X)、遷移金属触媒および塩基を混合することにより行なうことができる。各試薬の添加順序は特に限定はなく、順次または同時に添加すればよい。
工程(ii-a)は、化合物(XI)のOTfを−CO2R4’(R4’は前記と同義を示す。)で表される基に置換して、化合物(XIII)を得る工程であり、例えば溶媒中において、化合物(XI)、アルコール(XII)、遷移金属触媒および塩基の混合物を、一酸化炭素雰囲気下反応させることにより行なうことができる。試薬の添加順序は特に限定はなく、順次または同時に添加すればよい。
工程(iii-a)は、化合物(XIII)の二つのメチル基をハロゲン化して、化合物(XIV)を得る工程であり、例えば、溶媒中において化合物(XIII)、ラジカル開始剤およびハロゲン化剤を混合することにより行なうことができる。各試薬の添加順序は特に限定はなく、順次または同時に添加すればよい。
工程(iv-a)は、化合物(XIV)をアリルアミンで閉環して、化合物(XV)を得る工程であり、例えば、溶媒中において化合物(XIV)およびアリルアミンを混合することにより行なうことができる。各試薬の添加順序は特に限定はなく、順次または同時に添加すればよい。
工程(v-a)は、化合物(XV)のアリル基を脱保護する工程であり、 "Protective Groups in Organic Synthesis", John Wiley: USA, 1999, 3rd Edithion p.574-575に挙げられた脱保護法と同様に行なえばよい。例えば、溶媒中において、好ましくは酸の共存下、化合物(XIV)および遷移金属触媒を混合することにより行なうことができる。各試薬の添加順序は特に限定はなく、順次または同時に添加すればよい。
工程(vi-a)は、化合物(XVI)を加水分解して、化合物(Ia)を得る工程であり、例えば、溶媒中において化合物(XVI)を塩基で処理することにより行なうことができる。各試薬の添加順序は特に限定はなく、順次または同時に添加すればよい。
工程(i-b)は、化合物(IX)の両方のOTfを−CO2R4’(R4’は前記と同義を示す。)で表される基に置換して、化合物(XVII)を得る工程であり、例えば溶媒中において、化合物(IX)、アルコール(XII)、遷移金属触媒および塩基の混合物を、一酸化炭素雰囲気下反応させることにより行なうことができる。
工程(i-b)は、上記工程(ii-a)と同様の条件で行なうことができるので、説明を省略する。
工程(ii-b)は、化合物(XVII)の二つのメチル基をハロゲン化して、化合物(XVIII)を得る工程であり、例えば、溶媒中において化合物(XVII)、ラジカル開始剤およびハロゲン化剤を混合することにより行なうことができる。
工程(ii-b)は、上記工程(iii-a)と同様の条件で行なうことができるので、説明を省略する。
工程(iii-b)は、化合物(XVIII)をアリルアミンで閉環して、化合物(XIX)を得る工程であり、例えば、溶媒中において化合物(XVIII)およびアリルアミンを混合することにより行なうことができる。
工程(iii-b)は、上記工程(iv-a)と同様の条件で行なうことができるので、説明を省略する。
工程(iv-b)は、化合物(XIX)のアリル基を脱保護する工程であり、例えば、溶媒中において、好ましくはNDMBAなどの酸共存下、化合物(XIX)および遷移金属触媒を混合することにより行なうことができる。
工程(iv-b)は、上記工程(v-a)と同様の条件で行なうことができるので、説明を省略する。
工程(v-b)は、化合物(XX)の両方または片方のエステルを加水分解して、化合物(Ib)を得る工程であり、例えば、溶媒中において化合物(XX)を塩基で処理することにより行なうことができる。
工程(v-b)において、得られる化合物(Ib)のR4が水素原子である態様(以下、化合物(Ib’)ともいう。)については、化合物(XX)の両方のエステルを加水分解すればよく、その場合、塩基の使用量を化合物(XX)に対して0.8〜2当量、好ましくは1〜1.5当量とする以外は、上記工程(vi-a)と同様の条件で行なうことができる。
一方、得られる化合物(Ib)のR4が置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基である態様(以下、化合物(Ib”)ともいう。)については、化合物(XX)の片方のエステルを加水分解すればよく、その場合、塩基の使用量を化合物(XX)に対して0.8〜1.3当量、好ましくは0.9〜1.2当量とする以外は、上記工程(vi-a)と同様の条件で行なうことができる。
さらに、化合物(Ib”)は、化合物(Ib’)を常法に従い、部分エステル化することによっても得ることができる。
工程(i-c)は、化合物(XXI)をハロゲン化して、化合物(XXII)を得る工程であり、例えば、溶媒中において化合物(XXI)、塩基およびハロゲン化剤を混合することにより行なうことができる。各試薬の添加順序は特に限定はなく、順次または同時に添加すればよいが、化合物(XXI)のナフタレン環3位を選択的にハロゲン化するためには、化合物(XXI)を塩基と処理した後に、ハロゲン化剤を添加するのが好ましい。
工程(ii-c)は、化合物(XXII)を還元して、化合物(XXIII)を得る工程であり、例えば、溶媒中において化合物(XXII)を、還元剤と反応させることにより行なうことができる。各試薬の添加順序は特に限定はなく、順次または同時に添加すればよい。
工程(iii-c)は、化合物(XXIII)をハロゲン化して化合物(XXIV)を得る工程であり、例えば、溶媒中において化合物(XXIII)およびハロゲン化剤を混合することにより行なうことができる。各試薬の添加順序は特に限定はなく、順次または同時に添加すればよい。
工程(iv-c)は、化合物(XXIV)をアリルアミンで閉環して、化合物(XXV)を得る工程であり、例えば、溶媒中において化合物(XXIV)およびアリルアミンを混合することにより行なうことができる。
工程(iv-c)は、上記工程(iv-a)と同様の条件で行なうことができるので、説明を省略する。
工程(v-c)は、化合物(XXV)のX2で表されるハロゲン原子を−CO2R4’(R4’は前記と同義を示す。)で表される基に置換して、化合物(XXVI)を得る工程であり、例えば溶媒中において、化合物(XXV)、アルコール(XII)、遷移金属触媒および塩基の混合物を、一酸化炭素雰囲気下反応させることにより行なうことができる。
工程(v-c)は、上記工程(ii-a)と同様の条件で行なうことができるので、説明を省略する。
工程(vi-c)は、化合物(XXVI)のアリル基を脱保護する工程であり、例えば、溶媒中において、好ましくはNDMBAなどの酸共存下、化合物(XXVI)および遷移金属触媒を混合することにより行なうことができる。
工程(vi-c)は、上記工程(v-a)と同様の条件で行なうことができるので、説明を省略する。
工程(iv-b)は、化合物(XXVII)を加水分解して、化合物(Ic)を得る工程であり、例えば、溶媒中において化合物(XXVII)を塩基で処理することにより行なうことができる。
工程(vii-c)は、上記工程(vi-a)と同様の条件で行なうことができるので、説明を省略する。
本発明の化合物(I)が光学活性である場合(以下、光学活性化合物(I)という。)は、不斉反応のための触媒、すなわち不斉触媒として用いることができる。
光学活性化合物(I)により触媒される不斉反応においては、例えば溶媒中において基質を光学活性化合物(I)に接触させることにより光学活性化合物を得ることができる。
ここで、基質とは当該不斉反応の原料となる化合物を意味し、アキラルまたはプロキラルな化合物が好ましいが、不斉中心を有する光学活性化合物またはラセミ体等をも包含するものである。また、基質は単独の化合物でもよいし、2種以上の化合物の組み合わせであってもよい。
以下、不斉反応の好ましい態様である不斉直接アルドール反応および不斉O−ニトロソアルドール反応について説明するが、本発明の不斉触媒による不斉反応はこれに限定されるものではない。
本発明の不斉直接アルドール反応は、例えば、基質として化合物(II)および化合物(III)を用い、光学活性化合物(III)の存在下に反応させることによって、光学活性な化合物(IV)を得る方法である。
具体的な操作としては、例えば溶媒中において光学活性化合物(I)、化合物(II)および化合物(III)を混合することにより行なうことができる。各試薬の添加順序は特に限定はなく、順次または同時に添加すればよい。
本発明の不斉O−ニトロソアルドール反応は、例えば、基質として化合物(V)およびニトロソ化合物(VI)を用い、光学活性化合物(I)の存在下に反応させることによって、光学活性な化合物(VII)を得る方法である。
化合物(VII)は不安定であるため通常、単離精製することなく、還元して化合物(VIII)として単離される。
還元剤としては従来公知のものを制限なく使用することができ、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム等が挙げられ、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。当該還元剤の使用量は、ニトロソ化合物(VI)に対して通常1〜20当量、好ましくは2〜10当量である。還元剤の使用量がこの範囲外でも行なうことができるが、この範囲より少ないと反応が完結しないおそれがあり、多く使用してもそれに見合う効果は得られず、コストが高くなる。
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1H−NMR(400MHz,CDCl3,Me4Si): δ 3.03−3.13 (m, 3H), 3.42(dd, J=13.6, 6.4Hz, 1H), 3.77(d, J=12.6Hz, 1H), 4.35(d, J=12.6Hz, 1H), 5.19(dd, J=10.4, 1.6Hz, 1H), 5.25(dd, J=17.2, 1.6Hz, 1H), 5.95−6.05(m, 1H), 7.21−7.27(m, 2H), 7.35(dd, J=8.8, 1.2Hz, 2H), 7.43−7.48(m, 2H), 7.54(d, J=8.0Hz, 1H), 7.83(d, J=8.4 Hz, 2H), 7.95(t, J=8.4Hz, 1H), 8.26(s, 1H).
1H−NMR(400MHz,CDCl3,Me4Si): δ 2.98−3.04(m, 2H), 3.14(d, J=12.4Hz, 1H), 3.23(dd, J=13.2, 6.4Hz, 1H), 3.75(d, J=12.4Hz, 2H), 4.00(s, 3H), 4.75(d, J=13.2 Hz, 2H), 5.16−5.21 (m, 2H), 5.95−6.02(m, 1H), 7.23−7.37(m, 4H), 7.39−7.55(m, 3H), 7.95−8.01(m, 3H), 8.57(s, 1H).
1H−NMR(400MHz,CDCl3,Me4Si): δ 3.25 (d, J=13.2Hz, 1H), 3.48(d, J=11.6Hz, 1H), 3.89(d, J=11.2Hz, 1H), 4.01(s, 3H), 4.65(d, J=12.8Hz, 1H), 7.31−7.52(m, 6H), 7.62(d, J=8.4Hz, 1H), 7.94−8.03(m, 3H), 8.54(s, 1H).
1H−NMR(400MHz, CD3OD, Me4Si): δ 3.49(d, J=13.2Hz, 1H), 3.77(d, J=12.8Hz, 1H), 4.36(d, J=13.2Hz, 1H), 5.15(d, J=12.8 Hz, 1H), 7.23−7.36(m, 4H), 7.57(t, J=8.0Hz, 2H), 7.74(d, J=8.8Hz, 1H), 8.05−8.09(m, 2H), 8.16(d, J=8.8Hz, 1H), 8.42(s, 1H).
5mL反応容器中室温で、実施例5で得られた(S)−4,5−ジヒドロ−3H−4−アザ−シクロヘプタ[2,1−a:3,4−a’]ジナフタレン−2,6−ジカルボン酸(9.6mg, 0.025mmol)をDMSO(2.5mL)に加えた後、アセトン(500mL)およびp−ニトロアルデヒド(37.8mg, 0.25mmol)を順次加えた。その後反応容器にアルゴンガスを吹込み、不活性ガス雰囲気へと置換した。室温10時間攪拌の後、塩化アンモニウム飽和水溶液を加え、酢酸エチルで三度抽出した。得られた酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターにより濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)により精製して、表題化合物(39.2 mg)を得た。結果(収率、光学純度)を表1に示す。
HPLC測定条件:
カラム : ダイセル Chiral Column AS
移動相 : n−ヘキサン/イソプロパノール=2/1
流速 : 1mL/min.
検出 : 254nm
保持時間: 9min.(Major), 12min.(Minor)
(S)−4,5−ジヒドロ−3H−4−アザ−シクロヘプタ[2,1−a:3,4−a’]ジナフタレン−2,6−ジカルボン酸の使用量を19.2mg, 0.05mmolとし、DMSOの代わりにDMFを使用したこと以外は、実施例25と同様に行い、表題化合物を得た。結果(収率、光学純度)を表1に示す。
(S)−4,5−ジヒドロ−3H−4−アザ−シクロヘプタ[2,1−a:3,4−a’]ジナフタレン−2,6−ジカルボン酸の代わりに実施例11で得られた(S)−4,5−ジヒドロ−6−フェニル−3H−4−アザ−シクロヘプタ[2,1−a:3,4−a’]ジナフタレン−2−カルボン酸を使用したこと以外は、実施例25と同様に行い、表題化合物を得た。結果(収率、光学純度)を表1に示す。
5mL反応容器中室温で、実施例17で得られた(S)−4,5−ジヒドロ−6−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−3H−4−アザ−シクロヘプタ[2,1−a:3,4−a’]ジナフタレン−2−カルボン酸(11.7mg, 0.025mmol)をメシチレン(2.5mL)に加えた後、反応溶液を0℃に冷却し、ニトロソベンゼン(53.6mg, 0.5mmol)を加えた。3分間攪拌の後、反応溶液にプロピオンアルデヒド(108μL, 1.5mmol)を加えた。その後反応容器にアルゴンガスを吹込み、不活性ガス雰囲気へと置換した。0℃、1.5時間攪拌の後、エチルアルコール(1mL)、水素化ホウ素ナトリウム(100mg)を加え10分攪拌した。得られた反応溶液に重曹の飽和水溶液を加え、ジクロロメタンで三度抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターにより濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5〜1:3)により精製して、表題化合物(55.0mg)を得た。結果(収率、光学純度)を表2に示す。
HPLC測定条件:
カラム : ダイセル Chiral Column AS
移動相 : n−ヘキサン/エタノール=10/1
流速 : 1mL/min.
検出 : 254nm
保持時間: 18min.(Major), 21min.(Minor)
メシチレンの使用量を5mLとしたこと以外は、実施例28と同様に行なった。結果(収率、光学純度)を表2に示す。
メシチレンの代わりにトルエンを用い、反応時間を1時間にしたこと以外は、実施例29と同様に行なった。結果(収率、光学純度)を表2に示す。
Claims (17)
- R1が水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基またはカルボキシル基である、請求項1記載の化合物またはその塩。
- 光学活性である、請求項1または2記載の化合物またはその塩。
- 請求項3記載の化合物またはその塩を含有することを特徴とする、不斉アルドール反応、不斉マンニッヒ型反応、不斉ハロゲン化反応または不斉マイケル反応のための不斉触媒。
- 不斉アルドール反応のための不斉触媒である、請求項4記載の不斉触媒。
- 不斉アルドール反応が、不斉直接アルドール反応または不斉O−ニトロソアルドール反応である、請求項5記載の不斉触媒。
- 請求項3記載の化合物またはその塩の存在下、一般式(II):
(式中、R5およびR6は同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示すか、あるいはR5とR6とがつながり、それぞれが結合する炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい環を形成してもよい。)で表される化合物と、一般式(III):
(式中、R7は置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示す。)で表される化合物を反応させることを特徴とする、一般式(IV):
(式中、*は不斉炭素を示し、他の記号は前記と同義を示す。)で表される化合物の製造方法。 - R5が低級アルキル基であり、R6が水素原子であり、R7が置換基を有していてもよいアリール基である、請求項7記載の製造方法。
- 請求項3記載の化合物またはその塩の存在下、一般式(V):
(式中、R8は水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示し、R9は置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示すか、あるいはR8とR9とがつながり、それぞれが結合する炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい環を形成してもよい。)で表される化合物と、一般式(VI):
(式中、R10は置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、一般式(VII):
(式中、*は不斉炭素を示し、他の記号は前記と同義を示す。)で表される化合物の製造方法。 - 請求項3記載の化合物またはその塩の存在下、一般式(V):
(式中、R 8 は水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示し、R 9 は置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示すか、あるいはR 8 とR 9 とがつながり、それぞれが結合する炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい環を形成してもよい。)で表される化合物と、一般式(VI):
(式中、R 10 は置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される化合物とを反応させて、一般式(VII):
(式中、*は不斉炭素を示し、他の記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を製造する工程と、該化合物を還元する工程を包含する、一般式(VIII):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物の製造方法。 - R8が水素原子であり、R9が低級アルキル基であり、R10が置換基を有していてもよいアリール基である、請求項9または10記載の製造方法。
- 以下の工程(i-a)〜(vi-a)を包含することを特徴とする、一般式(Ia):
(式中、Ra1は置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示し、R2およびR3は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示す。)で表される化合物またはその塩の製造方法;
(i-a)一般式(IX):
(式中、R2およびR3は前記と同義を示し、OTfはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。)で表される化合物を、遷移金属触媒および塩基の存在下に、一般式(X):Ra1−B(OH)2 (X)(式中、Ra1は前記と同義を示す。)で表される化合物と反応させて、一般式(XI):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(ii-a)得られた一般式(XI)で表される化合物を遷移金属触媒および塩基の存在下、一酸化炭素および一般式(XII):R4’OH (XII)(式中、R4’は置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示す。)で表されるアルコールと反応させて、一般式(XIII):
(iii-a)得られた一般式(XIII)で表される化合物を、ラジカル開始剤の存在下、ハロゲン化剤と反応させて、一般式(XIV):
(式中、X1はハロゲン原子を示し、他の各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(iv-a)得られた一般式(XIV)で表される化合物をアリルアミンと反応させて、一般式(XV):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(v-a)得られた一般式(XV)で表される化合物を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、一般式(XVI):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(vi-a)得られた一般式(XVI)で表される化合物を加水分解して、上記一般式(Ia)で表される化合物を得る。 - Ra1が置換基を有していてもよいフェニル基である請求項12記載の製造方法。
- 以下の工程(i-b)〜(v-b)を包含することを特徴とする、一般式(Ib):
(式中、R4は水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示し、R2およびR3は、同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示す。)で表される化合物またはその塩の製造方法;
(i-b)一般式(IX):
(式中、R2およびR3は前記と同義を示し、OTfはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。)で表される化合物を、遷移金属触媒および塩基の存在下に、一酸化炭素および一般式(XII):R4’OH (XII)(式中、R4’は置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示す。)で表されるアルコールと反応させて、一般式(XVII):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(ii-b)得られた一般式(XVII)で表される化合物を、ラジカル開始剤の存在下、ハロゲン化剤と反応させて、一般式(XVIII):
(式中、X1はハロゲン原子を示し、他の各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(iii-b)得られた一般式(XVIII)で表される化合物をアリルアミンと反応させて、一般式(XIX):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(iv-b)得られた一般式(XIX)で表される化合物を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、一般式(XX):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(v-b)得られた一般式(XX)で表される化合物を加水分解して、上記一般式(Ib)で表される化合物を得る。 - 光学活性な一般式(IX)で表される化合物を用いる、請求項12〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
- 以下の工程(i-c)〜(vii-c)を包含することを特徴とする、一般式(Ic):
(式中、R2およびR3は同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示す。)で表される化合物またはその塩の製造方法;
(i-c)一般式(XXI):
(式中、R2およびR3は前記と同義を示し、R11は低級アルキル基を示す。)で表される化合物を、塩基の存在下に、ハロゲン化剤と反応させて、一般式(XXII):
(式中、R2、R3およびR11は前記と同義を示し、X2はハロゲン原子を示す。)で表される化合物を得;
(ii-c)得られた一般式(XXII)で表される化合物を還元して、一般式(XXIII):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(iii-c)得られた一般式(XXIII)で表される化合物をハロゲン化剤と反応させて、一般式(XXIV):
(式中、R2、R3およびX2は前記と同義を示し、X3は、X2と同一または異なってハロゲン原子を示す。)で表される化合物を得;
(iv-c)得られた一般式(XXIV)で表される化合物をアリルアミンと反応させて、一般式(XXV):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(v-c)得られた一般式(XXV)で表される化合物を遷移金属触媒および塩基の存在下、
一酸化炭素および一般式(XII):R4’OH (XII)(式中、R4’は置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示す。)で表されるアルコールと反応させて、一般式(XXVI):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(vi-c)得られた一般式(XXVI)で表される化合物を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、一般式(XXVII):
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(vii-c)得られた一般式(XXVII)で表される化合物を加水分解して、上記一般式(Ic)で表される化合物を得る。 - 光学活性な一般式(XXI)で表される化合物を用いる、請求項16記載の製造方法。
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