JP4860509B2 - 光学活性ヒドラジノケトエステル化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、キラルなホスフィノフェロセン誘導体、及び銀塩とを混合させて得られる触媒の存在下で、アゾジカルボキシレートとβ−ケトエステル化合物とを、水性溶媒中で反応させることからなる、光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物を製造する方法に関する。
有機合成反応における新たなC−N結合の生成反応は、アミノ基などの窒素含有の官能基の導入反応として重要な反応である。なかでも、飽和炭素原子(sp混成)、特に環状系における飽和炭素原子における立体選択的な窒素原子の導入は、光学活性なアミンを生成する反応として有用な方法である。
β−ケトエステル類に対する不斉アミノ化反応は光学活性のアミノ酸エステル類を合成するための有力な手法の一つである。なかでも、アゾジカルボキシレートを用いる不斉ヒドラジノ化反応は、生成するヒドラジノ化合物の窒素−窒素結合が還元的に切断できることから、不斉アミノ化反応の等価反応として位置づけることができる。これまでにこの反応について有機金属触媒(非特許文献1)や有機触媒(非特許文献2、6)を用いた高エナンチオ選択的な例が報告されているものの、そのほとんどが無水溶媒中で行われており、水溶液中や含水有機溶媒のような水共存下の穏和な条件での高エナンチオ選択的な反応の報告はこれまで存在していなかった。
また、リチウムエノラートとニトロソ化合物とをキラルなルイス酸触媒の存在下に反応させてC−N結合を生成させる方法も提案されている(特許文献1参照)が、この方法も有機溶媒中で行うものであった。
有機溶媒を用いる反応は、厳密な無水条件を必要とする場合があることだけでなく、有機溶媒による毒性や環境汚染などの問題から、工業的な製造方法として採用が難しくなってきている。特に、医薬品工業や食品工業においては、製品に残留する有機溶媒の毒性が問題となるだけでなく、廃液となる有機溶媒の処理が問題化されてきており、溶媒として水又は水性溶媒をいる方法の開発が望まれている。
本発明者らは、β−ケトエステル類とα,β−不飽和ケトンとのミカエル反応をキラルな銀触媒の存在下に水性溶媒中で行う方法を報告してきた(特許文献2参照)。この方法は水性溶媒系によるものであるが、C−C結合を生成させる反応であり、この反応では新たなC−N結合を生成させることはできない。
また、遷移金属錯体のキラルな配位子としてのホスフィノフェロセンについては多数の報告がなされている。例えば、電子供与基として第三級アミノ基を有するホスフィノフェロセン(特許文献3参照)、2個のホスフィノフェロセンをリンカー基で結合させたもの(特許文献4参照)、オキサゾリン基を導入したホスフィノフェロセン(特許文献5参照)、ホスフィノフェロセンを固体担体に固定化したもの(特許文献6参照)、フェロセンの一方の5員環にホスフィノ基とホスフィノアルキルを結合させたもの(特許文献7−9、特許文献10の例34、及び特許文献11参照)などが報告されている。これらのキラルなホスフィノフェロセンは、不斉水素化、不斉ヒドロシリル化、不斉異性化、不斉アルドール反応、不斉環化反応などに使用されてきたが、いずれも有機溶媒系でのものであった。
特開2004−115446号公報 特開2002−275127号公報 特開平10−45787号公報 特表2003−522162号公報 特開平9−59290号公報 特開2000−72723号公報 EP,A1,564406号公報 EP,A1,612758号公報 EP,A1,646590号公報 特開平5−202084号公報 特開2003−261557号公報 Jorgensen, K. A. et. al. Angew. Chem. Int. Ed. 2003, 42, 1367. Ma, S. et al. Org. Lett. 2004, 6, 2193. Jorgensen, K. A. et al. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 8120. Pihko, P. M. et al. Synlett 2004, 2115. Takemoto, Y. et al. Synlett 2006, 137. Kim, D. Y. et al. Tetrahedron Lett. 2006, 47, 4565.
本発明は、β−ケトエステルを用いたC−N結合の不斉生成反応を水性溶媒系で行う方法を提供する。
本発明者らは、水性溶媒で活性を保持できる触媒を探索してきた結果、特定のホスフィノフェロセン化合物と銀塩を混合してなる触媒が水性溶媒系で活性を有していることを見出した。
即ち、本発明は、キラルなホスフィノフェロセン誘導体、及び銀化合物とを混合させて得られる触媒の存在下で、アゾジカルボキシレートとβ−ケトエステル化合物とを、水性溶媒中で反応させることからなる、光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物を製造する方法に関する。
また、本発明は、前記した方法により製造された光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物を還元して、対応する光学活性α−アミノ−β−ケトエステル化合物を製造する方法に関する。
本発明をより詳細に説明すれば、以下のとおりとなる。
(1) キラルなホスフィノフェロセン誘導体、及び銀化合物とを混合させて得られる触媒の存在下で、アゾジカルボキシレートとβ−ケトエステル化合物とを、水性溶媒中で反応させることからなる、光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物を製造する方法。
(2) キラルなホスフィノフェロセン誘導体が、次の一般式(1)
Figure 0004860509
(式中、R、及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
で表されるキラルなホスフィノフェロセン誘導体である前記(1)に記載の方法。
(3) 一般式(1)におけるRが置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であり、Rが置換基を有していてもよいアルキル基であり、Rが置換基を有していてもよいアルキル基であり、Rが水素原子である前記(2)に記載の方法。
(4) アゾジカルボキシレートが、次の一般式(2)
Figure 0004860509
(式中、Rは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
で表されるアゾジカルボキシレートである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 一般式(2)におけるRが、置換基を有していてもよいアルキル基である前記(4)に記載の方法。
(6) β−ケトエステル化合物が、次の一般式(3)、
Figure 0004860509
(式中、R、及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基又は複素環基を示すか、RとRが一緒になって隣接する炭素原子と共に単環式、多環式、又は縮合環式の5〜10員の環を形成してもよく、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基又は複素環基を示す。)
で表されるβ−ケトエステル化合物である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 一般式(3)におけるR、及びRが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示すか、RとRが一緒になって隣接する炭素原子と共に5〜10員の環を形成するものであり、Rが置換基を有していてもよいアルキル基である前記(6)に記載の方法。
(8) 銀化合物が、AgX
(式中、Xは、OSO(式中、Rは、炭素数が1以上のパーフルオロアルキル基を表す。)、又はClO、BF、PF、SbFなどの強酸の対アニオンを示す。)
で表される銀化合物である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9) 水性溶媒が、水と有機溶媒の混合溶媒である前記(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10) 水性溶媒が、水と有機溶媒の混合溶媒からなる均一系の溶媒である前記(9)に記載の方法。
(11) 前記(1)〜(10)のいずれかに記載された方法により製造された光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物を還元して、対応する光学活性α−アミノ−β−ケトエステル化合物を製造する方法。
(12) 一般式(1)で表されるキラルなホスフィノフェロセン誘導体、及び銀化合物とを混合させて得られる触媒の存在下で、一般式(2)で表されるアゾジカルボキシレートと、一般式(3)で表されるβ−ケトエステル化合物とを、水性溶媒中で反応させることからなる、次の一般式(4)、
Figure 0004860509
(式中、R、R、R、及びRは前記したものと同じものを示し、*印は不斉炭素原子であることを示す。)
で表される光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物を製造する方法。
以下に、本発明の態様をさらに詳細に説明する。
本発明のキラルなホスフィノフェロセン誘導体としては、フェロセンの5員環又はその側鎖にホスフィンが2個以上、好ましくは2個結合したものであって、キラリティーを有するものが挙げられる。好ましいキラルなホスフィノフェロセン誘導体としては、フェロセンの一方の5員環に1個のホスフィノ基が結合し、同じ5員環の側鎖にもうひとつのホスフィノ基が結合したキラルなホスフィノフェロセン誘導体が挙げられる。さらに好ましいキラルなホスフィノフェロセン誘導体としては、前記した一般式(1)で表されるキラルなホスフィノフェロセン誘導体が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表されるキラルなホスフィノフェロセン誘導体におけるR、及びRの「脂肪族炭化水素基」としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基;炭素数2〜30、好ましくは炭素数2〜20、炭素数2〜10の直鎖状又は分枝状のアルケニル基;炭素数2〜30、好ましくは炭素数2〜20、炭素数2〜10の直鎖状又は分枝状のアルキニル基;炭素数3〜30、好ましくは炭素数5〜30、炭素数5〜20の飽和又は不飽和の単環式、多環式又は縮合環式の脂環式炭化水素基などが挙げられる。また、「芳香族炭化水素基」としては、炭素数6〜40、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基;炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基(アリール基)に、前記した炭素数1〜40のアルキル基が結合した、炭素数7〜40、好ましくは炭素数7〜20、炭素数7〜15のアラルキル基(炭素環式芳香脂肪族基)などが挙げられる。
これらの「脂肪族炭化水素基」及び「芳香族炭化水素基」は本発明の方法における反応に悪影響を与えない各種の置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜15の脂環式炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルシリル基、アリールシリル基などが挙げられるが、好ましい置換基としては、炭素数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
好ましいR基としては、フェニル基などの炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。また、好ましいR基としては、エチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜10のアルキル基、又はシクロヘキシル基などの炭素数5〜20の脂環式炭化水素基が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表されるキラルなホスフィノフェロセン誘導体におけるR及びRの「炭化水素基」としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜15、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基;炭素数2〜30、好ましくは炭素数2〜15、炭素数2〜10の直鎖状又は分枝状のアルケニル基;炭素数2〜30、好ましくは炭素数2〜15、炭素数2〜10の直鎖状又は分枝状のアルキニル基;炭素数3〜30、好ましくは炭素数3〜15、炭素数5〜15の飽和又は不飽和の単環式、多環式又は縮合環式の脂環式炭化水素基;炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基;炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基(アリール基)に、前記した炭素数1〜20のアルキル基が結合した、炭素数7〜40、好ましくは炭素数7〜20、炭素数7〜15のアラルキル基(炭素環式芳香脂肪族基)が挙げられる。これらの炭化水素基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ビニル基、1−メチル−ビニル基、2−メチル−ビニル基、n−2−プロペニル基、1,2−ジメチル−ビニル基、1−メチル−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、n−1−ブテニル基、n−2−ブテニル基、n−3−ブテニル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ビシクロ[1.1.0]ブチル基、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプチル基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、ビシクロ[2.2.2.]オクチル基、アダマンチル基(トリシクロ[3.3.1.1]デカニル基)、ビシクロ[4.3.2]ウンデカニル基、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカニル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、ベンジル基、フェネチル基、α−ナフチル−メチル基などが挙げられる。
また、これらの炭化水素基における置換基としては、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;炭化水素基が環状の場合には前記したアルキル基;前記したアルキル基から誘導されるアルコキシ基;前記したアルキル基から誘導されるアルコキシカルボニル基;前記したアルキル基から誘導されるアルキルカルボニルオキシ基;前記したシクロアルキル基から誘導されるシクロアルコキシ基;前記したシクロアルキル基から誘導されるシクロアルコキシカルボニル基;前記したシクロアルキル基から誘導されるシクロアルキルカルボニルオキシ基;前記した炭素環式芳香族基から誘導されるアリールオキシ基;前記した炭素環式芳香族基から誘導されるアリールオキシカルボニル基;前記した炭素環式芳香族基から誘導されるアリールカルボニルオキシ基;前記したアラルキル基から誘導されるアラルキルオキシ基;前記したアラルキル基から誘導されるアラルキルオキシカルボニル基;前記したアラルキル基から誘導されるアラルキルカルボニルオキシ基;シアノ基;ニトロ基などや、場合によっては、前記したアルキル基やアルケニル基やシクロアルキル基などを置換基とすることもできる。
このようなキラルなホスフィノフェロセン誘導体は前記した特許文献7−9にも記載されており、公知の方法で製造又は入手することができる。
本発明のアゾジカルボキシレートとしては、アゾ基の両末端にカルボキシル基から誘導されるエステル基が結合したものであり、当該エステル基は、本発明の反応に悪影響を与えない範囲で、各種の官能基又はその保護基などが置換していてもよい。好ましいアゾジカルボキシレートとしては、前記した一般式(2)で表されるアゾジカルボキシレートが挙げられる。
前記した一般式(2)で表されるアゾジカルボキシレートにおけるRの「炭化水素基」としては、前記で説明した炭化水素基が挙げられ、これらの炭化水素基は前記した置換基を有することができる。好ましいRとしては、例えば、置換基を有してもよい炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜15、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられる。当該アルキル基の置換基としては、前記で説明した置換基が挙げられる。より好ましいRとしては、tert−ブチル基などの炭素数1〜10の分枝状のアルキル基が挙げられる。
本発明のβ−ケトエステル化合物としては、カルボン酸から誘導されるエステルであって、β位にケト基(C=O)を有するものが挙げられる。好ましいβ−ケトエステル化合物としては、前記した一般式(3)で表されるβ−ケトエステル化合物が挙げられる。
前記した一般式(3)で表されるβ−ケトエステル化合物におけるR、R、及びRの「炭化水素基」としては、前記で説明した炭化水素基が挙げられ、これらの炭化水素基は前記した置換基を有することができる。また、R、R、及びRの「複素環基」としては、1個〜4個、好ましくは1〜3個又は1〜2個の窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子からなる異種原子を含有する3〜8員、好ましくは5〜8員の環を有する単環式、多環式、又は縮合環式の複素環基が挙げられる。このような複素環基としては、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピロリル基、2−ピリジル基、2−インドール基、ベンゾイミダゾリル基などが挙げられる。これらの複素環基は前記した炭化水素基において説明してきたような置換基で置換されていてもよい。
前記した一般式(3)で表されるβ−ケトエステル化合物におけるRとRが一緒になって隣接する炭素原子と共に単環式、多環式、又は縮合環式の5〜10員の環を形成する場合としては、RとRが一緒になって炭素数1〜8、好ましくは炭素数3〜8、炭素数3〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を形成し、隣接する2個の炭素原子と共に3〜10員の脂肪族環式基を形成するものが挙げられる。形成される環は飽和であっても不飽和であってもよいが、好ましくは飽和環が挙げられる。また、このように形成された環にさらに他の環が結合または縮合したものであってもよい。
さらに好ましいβ−ケトエステル化合物としては、次の一般式(5)、
Figure 0004860509
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基又は複素環基を示し、nは1〜6の整数を示し、破線で記載されているベンゼン環は存在しても存在しなくてもよいことを示している。)
で表されるアルカノンカルボン酸エステル類が挙げられる。
銀化合物としては、銀塩、錯塩、有機金属化合物等の各種のものから選択されてよいが、なかでも、有機酸または無機酸との塩、もしくはこの塩との錯体や有機複合体が好適なものとして挙げられる。より好ましくは一般式
AgX
(式中、Xは、OSO(式中、Rは、炭素数が1以上のパーフルオロアルキル基を表す。)、又はClO、BF、PF、SbFなどの強酸の対アニオンを示す。)
で表される銀化合物が挙げられる。
炭素数が1以上のパーフルオロアルキル基としては、C2n+1−基(nは1以上)であり、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基が、挙げられる。好ましいOSOとしては、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ペンタフルオロエチルスルホニルオキシ基などが挙げられる。
本発明の方法における好ましい銀化合物としては、過塩素酸銀(AgClO)が挙げられる。
本発明の方法における銀化合物は、前記したような銀化合物とキラルなホスフィノフェロセン誘導体とを、あらかじめ混合して錯体を調製してから、これを触媒として用いてもよいし、あるいは反応系において銀化合物とキラルなホスフィノフェロセン誘導体とを混合して使用するようにしてもよい。触媒としての使用割合については、銀化合物とキラルなホスフィノフェロセン誘導体とをほぼ等モルで使用するのが好ましい。また、原料のβ−ケトエステル化合物に対して、通常は、0.1〜50モル%、好ましくは0.5〜20モル%程度の割合とすることができる。
本発明における「水性溶媒」とは、「厳密な無水条件を必要としない」ということであり、好ましくは、無溶媒で、又は水を含む有機溶媒若しくは水を溶媒とするものである。水性溶媒としての水は、酸性、中性、もしくは塩基性の、好ましくは緩衝液を含んだ水溶液であってもよい。また、水を含む有機溶媒とは、このような水と有機溶媒の溶液又は混合物であってもよい。水と相溶性のある有機溶媒ととしては、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、メタノール、エタノール、エチレングリコールなどが挙げられ、好ましくは水−THF系、水−アセトニトリル系の溶媒が挙げられる。また、有機溶媒としてトルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、デカンなどの炭化水素系溶媒;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロムベンゼン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶媒:ブタノール、オクタノールなどの高級アルコール系溶媒などの水と難溶性又は不溶性の有機溶媒を使用することもできる。この場合には、溶媒系は相分離した二相系になるが、相間移動触媒などの使用により反応を行うことができるので、このような溶媒系も本発明の方法における好ましい溶媒系の例とすることができる。
前記したような本発明の触媒を使用することにより、一般式(4)で表される光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物が立体選択的に生成し、原料のβ−ケトエステル化合物のα位の炭素原子において(R)又は(S)のいずれか一方の鏡像体が優位に生成する。本明細書ではこの位置における(R)体又は(S)体のいずれか一方の過剰率をエナンチオマー過剰率(ee)(%)として表す。このエナンチオマー過剰率は、((R)−(S))/((R)+(S))×100、又は((S)−(R))/((R)+(S))×100として計算される値である。
本発明の方法により製造される光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物は、エステル基のα位に特定の立体配置を有する窒素原子が結合したものであり、ヒドラジノ基の窒素−窒素結合は還元的方法により簡単かつ立体配置を保持ままで切断できることから、本発明の方法で得られた光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物から光学活性α−アミノ酸類を製造することができることになる。
したがって、本発明は、本発明の方法により製造された光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物を還元して、対応する光学活性α−アミノ−β−ケトエステル化合物を製造する方法を提供するものである。
本発明は、高収率、かつ高立体選択的な光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物の製法を提供するものである。また、本発明は、水と有機溶媒との混合溶媒中でβ−ケトエステルに対してヒドラジノ基を高収率、かつ高立体選択的に導入する方法を提供するものであり、本発明の方法は、水共存下での反応であることから、有害な有機溶剤を減らせること、廃棄物の低減化が可能なことから環境に負荷をかけない化学反応のプロセスの構築が可能となり、工業的にも優れた方法である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
キラル銀錯体を用いる水系溶媒中でのβ−ケトエステルの不斉アミノ化反応
次の反応式で表される試薬を用いて、反応を行った。
Figure 0004860509
キラル銀錯体は、過塩酸銀(4.2mg,0.02mmol)と前記式に示されたホスフィノフェロセンのリガンド(11.9mg,0.022mmol)を、無水テトラヒドロフラン(2ml)に溶解し、室温で1時間攪拌することにより調製した。この触媒溶液に無水テトラヒドロフラン(1.6ml)と蒸留水(0.4ml)を追加し、前記式に示されたβ−ケトエステル(45.3mg,0.2mmol)と、前記式に示されたアゾジエステル化合物(55.3mg,0.24mmol)をそれぞれ加えた。反応をTLCで追跡し、反応終了後目的物を反応混合物からジクロロメタンを用いて抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶液を濾過、減圧濃縮した後、得られた粗生成物を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、前記反応式に示された目的とする生成物を得た(90mg,99%)。光学純度は光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにて決定した(80%ee)。
生成物のスペクトルデータを次に示す。
H−NMR (CDCl) δ:
2.74-1.80 (m, 12H), 2.74-1.80 (m, 12H) 1.45-1.40 (m, 18H),
0.79-0.77 (m, 9H);
13C−NMR (CDCl) δ:
7.5, 18.77, 26.76, 28.00, 32.20, 35.60, 37.54, 76.14, 81.06,
82.28, 91.16, 91.54, 154.23, 154.57, 155.08, 165.83;
HPLC (Daicel chiralpak ADH, イソプロパノール/ヘキサン=1/99,
流速=1.0mL/分),
tR=17.5分 (主たるピーク),
tR=22.6分 (比較的小さなピーク).
本発明は、高収率、かつ高立体選択的な光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物の製法を提供するものである。本発明の方法で製造された光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物は、α−アミノ酸に誘導することができ、光学活性のα−アミノ酸の製造に有用な方法である。また、本発明の方法は、水共存下での反応であることから、有害な有機溶剤を減らせること、廃棄物の低減化が可能なことから環境に負荷をかけない化学反応のプロセスの構築が可能となり、工業的にも優れた方法である。
したがって、本発明は、光学活性体を必要とする産業分野、特に光学活性なアミノ酸類を必要とする、医薬品や食品、それらの中間体などのファインケミカル分野において有用であり、産業上の利用可能性を有している。

Claims (7)

  1. 次の一般式(1)
    Figure 0004860509
    (式中、R 、及びR は、それぞれ独立して置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、R は置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、R はそれぞれ独立して水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
    で表わされるキラルなホスフィノフェロセン誘導体、及びAgClO とを混合させて得られる触媒の存在下で、
    次の一般式(2)
    Figure 0004860509
    (式中、R は、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)
    で表わされるアゾジカルボキシレートと
    次の一般式(3)
    Figure 0004860509
    (式中、R 、及びR は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基又は複素環基を示すか、R とR が一緒になって隣接する炭素原子と共に単環式、多環式、又は縮合環式の5〜10員の環を形成してもよく、R は、置換基を有していてもよい炭化水素基又は複素環基を示す。)
    で表されるβ−ケトエステル化合物とを、水性溶媒中で反応させることからなる、光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物を製造する方法。
  2. 一般式(1)におけるRが置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であり、Rが置換基を有していてもよいアルキル基であり、Rが置換基を有していてもよいアルキル基であり、Rが水素原子である請求項に記載の方法。
  3. 一般式(2)におけるRが、置換基を有していてもよいアルキル基である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 一般式(3)におけるR、及びRが、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示すか、RとRが一緒になって隣接する炭素原子と共に5〜10員の環を形成するものであり、Rが置換基を有していてもよいアルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 水性溶媒が、水と有機溶媒の混合溶媒である請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 水性溶媒が、水と有機溶媒の混合溶媒からなる均一系の溶媒である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載された方法により製造された光学活性α−ヒドラジノ−β−ケトエステル化合物を還元して、対応する光学活性α−アミノ−β−ケトエステル化合物を製造する方法。
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