JP4778924B2 - 光情報処理装置と光情報処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光情報処理装置と光情報処理方法に関するものであり、より詳しくは2種類以上の多重記録方法を用いて光情報を処理する光情報処理装置と光情報処理方法に関するものである。
光学的なデータ処理装置のうち1つである、ホログラフィック光情報処理装置は、2つの光を格納媒体で交差させることによって形成される干渉縞を格納媒体に記録する。この干渉縞が記録のためのデータであるということができる。なお、この2つの光のうち1つは光変調された信号光であり、他の1つは同一な波長を有する参照光である。なお、ホログラフィック光情報処理装置は格納媒体に形成された干渉縞に参照光だけを照射し、このとき、干渉縞で回折されて再生される再生光を検出してデータを再生する。
ホログラフィック光情報処理装置は、記録容量を増大させるために多様な種類の多重化方法が用いられることもある。
多重化方法は、角度多重化(angular multiplexing)、位相コード多重化(phase−code multiplexing)、波長多重化(wavelength multiplexing)、シフト多重化(shift multiplexing)、ぺリストロフィック多重化(peristrophic multiplexing)、コリーレイション多重化(correlation multiplexing)、フラクタル多重化(fractal multiplexing)などがある。
なお、これら多重化方法を二以上複合適用する技術等もある。複数の多重化方法を適用する技術の中にはポリトピックス多重化(polytopic multiplexing)方法ということがある。
ポリトピックス多重化はKennethなどにより提案された米国登録特許第7,092,133号に“Polytopic Multiplex Holography”という名称で開示されており、Optics Letters、Volume29、Issue12、pp.1402−1404(2004年6月)にAnderson、Ken;Curtis、Kevinにより“Polytopic Multiplexing”という名称で開示されている。
Kennethなどにより提案されたポリトピックス多重化は、格納媒体の隣接するホログラムスタックをを部分空間重畳(partial spatial ovelap)させて光情報を多重記録する。なお、それぞれのホログラムスタックは角度、波長、位相コード、ぺリストロフィック、コリーレイション又はフラクタル多重化のうちいずれか1つの方法で光情報が多重記録されることができると開示している。
一方、多重化方法で重畳記録されたホログラムはその回折効率が均一でなければ光情報の再生効率が落ちる。従って、格納媒体に多重化方法で記録されたホログラムはこれらの再生の際、回折効率が高く均一していることも重要である。しかし、従来複合的にホログラムを多重記録する大部分の提案された多重化方法は記録密度を高めることに対する提案だけが行われ、再生の際のホログラムの回折効率については考慮されていない。
米国登録特許第7,092,133号 Optics letters、Volume29、Issue12、pp.1402−1404(2004年6月) Andersen、Ken;Curtis、Kevin
本発明の目的は、光情報の記録時または再生時のノイズを減らすことが可能な光情報処理装置及び光情報処理方法を提供することである。
本発明による光情報処理装置は、格納媒体に進行する光を信号光に変調させる光変調器と、信号光と異なる経路を介して格納媒体に参照光を出射する参照光光学系と、格納媒体に入射される信号光と参照光の入射角度を調節する入射角度調節器とを備える。
本発明による光情報処理装置は、格納媒体に進行する光を信号光に変調する光変調器と、信号光と異なる経路を介して格納媒体に参照光を出射する参照光光学系と、信号光が1つの位置に繰返し入射される際、それぞれの参照光が第1の入射角度範囲の入射角度で入射されるように参照光の入射角度を調節し、格納媒体に記録領域が形成された後に記録領域に部分重畳する位置に信号光が入射される際に、第1の入射角度範囲と異なる角度範囲である第2の入射角度範囲の入射角度で参照光が入射されるように参照光の入射角度を調節する入射角度調節器とを備える。
本発明による光情報処理装置は、格納媒体の記録領域に、第1の入射角度範囲の入射角度になるように参照光を出射し、格納媒体の記録領域に部分重畳された部分重畳記録領域に、第1の入射角度範囲と異なる角度範囲である第2の入射角度範囲の入射角度になるように参照光を出射する参照光出射光学系と、格納媒体で再生される再生光を検出する再生光検出器とを備える。
本発明による光情報処理方法は、第1の信号光を格納媒体に出射し、第1の信号光と共に、第1の入射角度範囲の入射角度になるように調節された第1の参照光を格納媒体の第1の信号光が入射される位置に出射して記録領域を形成し、第2の信号光を記録領域に部分重畳するように出射し、第2の信号光と共に、第1の入射角度範囲と異なる角度範囲である第2の入射角度範囲の入射角度になるように調節された第2の参照光を格納媒体の第2の信号光が入射される位置に出射して部分重畳記録領域を形成する。
本発明による光情報処理方法は、第1の入射角度範囲に含まれる複数の入射角度で光が入射されることにより、格納媒体の記録領域に光情報が重畳記録され、第1の信号光入射角度範囲と異なる角度範囲である第2の入射角度範囲に含まれる複数の入射角度で光が入射されることにより、格納媒体の記録領域に光情報が部分重畳記録され、重畳記録された領域からの光情報を再生するために、第1入射角度範囲の入射角度で第1の参照光が重畳記録された領域に入射され、部分重畳記録された領域からの光情報を再生するために、第2入射角度範囲の入射角度で第2の参照光が部分重畳記録された領域に入射され、光検出が行われる。
本発明による光情報記録方法は、第1の信号光と1つの位置で複数の入射角度に変更される第1の参照光を格納媒体の二以上の位置に出射して二以上の記録領域を形成し、記録領域に第1の参照光が入射される際、第1の参照光の入射領域が隣接した他の記録領域に入射される第1の参照光の入射領域と重畳されるように入射され、第1の参照光が重畳される位置に第2の信号光と第2の参照光を出射して重畳記録領域を形成する。
本発明による光情報再生方法は、格納媒体の記録領域に、複数の入射角度に変更して第1の参照光を出射して記録領域からの光情報を再生し、格納媒体の記録領域の再生のために入射される第1の参照光の周縁部が重畳される位置に形成された重畳記録領域に第2の参照光を出射して重畳記録領域からの光情報を再生する。
本発明による光情報記録装置は、参照光を格納媒体に複数の角度に変更しながら出射し、光変調器を介して光情報が載せられた信号光を参照光と共に格納媒体に出射する光学系と、格納媒体の特定の位置で参照光と信号光との交差により記録が行われるように格納媒体を移動させ、特定の位置に入射された参照光の周縁部で重畳記録が行われるように格納媒体を移動させる格納媒体移動部材とを備える。
本発明による光情報再生装置は、参照光を格納媒体に複数の角度に変更しながら出射する光学系と、格納媒体の記録位置に参照光が入射されるように格納媒体を移動させ、記録位置に入射された参照光の周縁部に形成された重畳記録領域に参照光が入射されるように、格納媒体を移動させる格納媒体移動部材と、格納媒体から再生される再生光を検出する光情報検出器とを備える。
以上のような本発明の実施形態による光情報処理装置及び光情報処理方法は、重畳(Overlap)記録された記録領域における角度多重化のために調節される参照光又は信号光の入射角度範囲を記録領域とこの記録領域に部分重畳される部分重畳記録領域で互いに異なしめることによって、それぞれの記録領域における回折エネルギーに対するヌルの高さを低くすることができ、又は角度多重化の際の参照光の入射位置がこの参照光の周縁部が互いに重畳させ、この周縁部が重畳された位置に重畳記録領域を形成することによってそれぞれの重畳記録領域における回折エネルギーに対するヌルの高さを低くすることができ、これによって光情報の記録の際と再生の際のノイズを減らすことができるため、光情報記録品質と再生効率を向上させる効果がある。
以下では、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1、第2実施形態にかかる光情報処理装置を示した構成図である。
図1に示されるように、本発明の実施形態による光情報処理装置は光源10と偏光ビームスプリッタ20、信号光光学系40、参照光光学系30、格納媒体ステージ60を備える。
光源10は、450nm〜500nm間の波長を有する青色光レーザ又は500nm〜570nm間の波長を有する緑色光レーザ又はその他の光を使用できる。偏光ビームスプリッタ20は光源10で入射される光を偏光方向によって分離する。偏光ビームスプリッタ20はP偏光を透過し、S偏光を反射する。P偏光は信号光光学系40へ出射され、S偏光は参照光光学系30へ出射される。
参照光光学系30は、偏光ビームスプリッタ20から反射された光を格納媒体50に向けて反射する反射ミラー31を備える。この反射ミラー31は入射角度調節器としての回転型ミラーで構成されてもよい。さらに、回転型ミラーは、ガルバノミラーで構成されてもよい。回転型ミラーは参照光Rを複数の入射角度に調節して格納媒体50に出射できる。即ち、回転型ミラーによって参照光Rについて角度多重化を行うことができる。
信号光光学系40は、偏光ビームスプリッタ20から出射される光のノイズ成分を除去する空間フィルタ41、空間フィルタ41を通した光を平行光へ進行させるコリメータレンズ42を備える。
なお、信号光光学系40は、コリメータレンズ42の後段に位置する反射ミラー43、光変調器44、一対の焦点レンズ45、この焦点レンズ45間に位置するアパーチャ(絞り)46、及びフーリエ変換レンズ47を備える。
光変調器44は、LC(液晶)のような透過型空間光変調器を用いることができる。なお、他の実施形態として、光変調器44はDMD(Digital Micro Mirror Device)のような反射型空間光変調器を用いることもできる。この光変調器44は格納媒体50に記録されるデータをデジタルデータに変調する。従って、光が光変調器44に入射されるとこの光には記録のためのデータが載せられる。なお、データが載せられたこの光は信号光Sであって格納媒体50へ出射する。
格納媒体ステージ60は、光情報が記録される格納媒体50を支持する。格納媒体ステージ60には格納媒体50を直線的(線型)に移動させるために格納媒体移動部材(線型アクチュエータ)70が連結される。さらに、格納媒体ステージ60には回転アクチュエータ80が連結されることができる。回転アクチュエータ80は、格納媒体50の傾斜状態(第1の傾斜角度範囲での傾斜、第2の傾斜角度範囲での傾斜)を変えて参照光Rと信号光Sとについて同時に角度多重化するための入射角度調節器として使用される。
なお、回転アクチュエータ80が格納媒体ステージ60と格納媒体移動部材70とを共に回転させるように構成されてもよいし、格納媒体移動部材70が格納媒体ステージ60と回転アクチュエータ80とを共に直線的に(線型に)移動させるように構成されてもよい。
本発明の実施形態による光情報処理装置は、格納媒体50に記録された光情報を再生するための再生光光学系90を備えてもよい。再生光光学系90は格納媒体50について信号光Sと参照光Rが入射される側と反対側に設けられるフィルタ91と逆フーリエ変換レンズ92と光情報検出器93とを備える。
光情報検出器93は、CCD又はCMOSなどの撮像素子を用いることができる。このような再生光光学系90は記録専用に光情報処理装置が実施される場合には備えなくてもよい。反面、再生専用に光情報処理装置が実施される場合、信号光光学系40を備えなくてもよい。
前述した実施形態において、参照光Rだけを角度多重化する場合には、参照光光学系30の反射ミラー31が回転型ミラーとして使用され、格納媒体ステージ60が回転しない又は回転アクチュエータ80を設けない形態であってもよい。また、参照光Sと信号光Rとを共に角度多重化する場合には、回転アクチュエータ80が回転型ミラーとして使用され、反射ミラー31が回転しない形態であってもよい。
以下では、前述した構成からなる光情報処理装置を用いた光情報処理方法の2種類の実施形態を説明する。この2種類の実施形態は既に言及した光情報処理装置の構成のうち一部を選択した構成要素で実施可能である。
図2は本発明の第1実施形態における光情報処理方法を説明するためのフローチャートである。図2に示されるように、本発明の第1実施形態における光情報処理方法では、ステップSP10で、第1の信号光S1と第1の入射角度範囲の入射角度に調節された第1の参照光R1とが格納媒体50に入射されて記録領域100が形成される。このとき、複数の記録領域100は格納媒体50の互いに異なる領域に重畳せずに形成される。
なお、記録領域100は、格納媒体50の線型移動方向に沿って互いに隣接した位置に順序に形成されることができ、又は一部を互いに離隔させて先に形成した後、既に形成された記録領域100間に既に記録された記録領域100に重畳しない状態で2次的に他の記録領域100を形成できる。なお、これら記録領域100の形成の際、第1の信号光S1の入射角度についても、第1の参照光R1の入射角度と同様、第1の入射角度範囲の角度幅を有する第1の信号光入射角度範囲の入射角度になるように調節されてもよい。この場合、第1の参照光R1の入射角度の角度幅(第1の入射角度範囲の最大値と最小値との差異)と、第1の信号光S1の入射角度の角度幅(第1の信号光入射角度範囲の最大値と最小値との差異)とは等しい関係にある。
記録領域100が形成されると、ステップSP11で、これらステップSP10で形成された記録領域100の間に、記録領域100と一部重畳するように、第2の信号光S2と第2の参照光R2とが入射されて部分重畳記録領域110が形成される。このとき、第1の参照光R2の入射角度は、第1の入射角度範囲とは異なる角度範囲である第2の入射角度範囲の入射角度に調節される。なお、第2の信号光S2の入射角度についても、第2の参照光R2の入射角度と同様、第2の入射角度範囲の角度幅を有する第2の信号光入射角度範囲の入射角度になるように調節されてもよい。この場合、第2の参照光R2の入射角度の角度幅(第2の入射角度範囲の最大値と最小値との差異)と、第2の信号光S2の入射角度の角度幅(第2の信号光入射角度範囲の最大値と最小値との差異)とは等しい関係にある。
第1の参照光R2と第2の参照光R2の入射角度だけが角度調節される場合には、参照光Rを反射する反射ミラー31の回転型ミラーを回転させることにより角度調節を行うことができる。また、第1の参照光R1と第2の参照光R2の入射角度が各々第1の信号光S1と第2の信号光S2の入射角度と共に角度調節される場合には、格納媒体ステージ60を回転アクチュエータ80で回転させることによって角度調節が行うことができる。
図3と図4は本発明の第1実施形態による参照光と信号光とを共に角度多重化する場合における記録方法を説明するための概念図である。図3に示されるように、格納媒体50に互いに重畳されない状態で記録領域100を形成するため、格納媒体50は第1の傾斜角度範囲内で回転せしめられる。このような回転により、第1の参照光R1は第1の傾斜角度範囲に対応した第1の入射角度範囲内の複数の入射角度で、第1の信号光S1は、第1の傾斜角度範囲に対応した第1の信号光入射角度範囲内の複数の入射角度で、格納媒体50に入射される。なお、第1の参照光R1と第1の信号光S1とのなす角は一定に維持される(第1の入射角度範囲の角度幅と、第1の信号光入射角度範囲の角度幅は同じ)。
なお、図4に示されるように、格納媒体50に既に記録された記録領域に部分重畳される部分重畳記録領域110を形成するために、格納媒体50は第1の傾斜角度範囲と異なる第2の傾斜角度範囲内で回転せしめられる。このような回転により、第2の参照光R2は第2の傾斜角度範囲に対応した第2の入射角度範囲内の複数の入射角度で、第2の信号光S2は、第2の傾斜角度範囲に対応した第2の信号光入射角度範囲内の複数の入射角度で、格納媒体50に入射される。なお、このときにも第2の参照光R2と第2の信号光S2とのなす角は一定に維持される(第2の入射角度範囲の角度幅と、第2の信号光入射角度範囲の角度幅は同じ)。
即ち、格納媒体50に相互間の重畳がなされない記録領域100を形成する際に、第1の入射角度範囲の入射角度で、第1の参照光R1が多重化され、第1の入射角度範囲の角度幅を有する第1の信号光入射角度範囲の入射角度で、第1の信号光S1が多重化される。次に、記録領域100に部分重畳される部分重畳記録領域110を形成する際に、第2の入射角度範囲の入射角度で、第2の参照光R2が多重化され、第2の入射角度範囲の角度幅を有する第2の信号光入射角度範囲の入射角度で、第2の信号光S2が多重化される。
次に、より具体的に記録領域と部分重畳記録領域の記録方法に対する実施形態を説明する。第1実施形態において、記録領域100は第1の記録領域101と第2の記録領域102に区分されることができる。
まず、第1の記録領域101への記録方法を説明する。図5は本発明の第1実施形態の光情報処理方法における第1の記録領域に入射される参照光と信号光の入射領域を示した図であり、図6は本発明の第1実施形態の光情報処理方法における第1の記録領域を説明するための図である。
図5に示されるように、第1の信号光S1は第1の記録領域101に入射される。なお、第1の参照光R1の(格納媒体50上の)入射領域は第1の信号光S1の入射領域よりも大きい。従って、第1の信号光S1と第1の参照光R1とが互いに干渉する格納媒体50の領域に第1の記録領域101が形成される。次に、第1の記録領域101に対し設定された第1の傾斜角度範囲内の複数の角度に格納媒体50が回転せしめられる。なお、格納媒体50がそれぞれの角度に回転せしめられた状態ごとに、第1の参照光R1と共に以前の記録の際と異なるデータを有する第1の信号光S1が入射され、第1の記録領域101に光情報が重畳記録される。即ち、角度多重化方法によって、複数の重畳された光情報が1つの領域(第1の記録領域101)に記録される。
次に、他の第1の記録領域101’を形成するために格納媒体50が格納媒体移動部材70によって所定距離だけ移動せしめられる。なお、他の第1の記録領域101’を形成するための位置に格納媒体50が移動せしめられた時に、異なる情報を有する第1の信号光S1が第1の記録領域101’に入射されて光情報が記録される。
他の第1の記録領域101’の形成のために行われる格納媒体50の回転は、第1の傾斜角度範囲内で且つ以前の第1の記録領域101を形成するために行われた格納媒体50の回転方向と反対方向に回転させてもよい。又は格納媒体50が設定された初期角度に対応する位置に戻されて、その後に、第1の傾斜角度範囲内で且つ以前の第1の記録領域101を形成するために行われた格納媒体50の回転方向と同一方向に回転させてもよい。
(以前の)第1の記録領域101と第1の記録領域101’との間の所定距離は、それぞれの第1の参照光R1が互いに接し、重畳しない距離に設定される。その後、格納媒体50を線型移動させて第1の記録領域101、101’を格納媒体50の該当領域に形成する。このように記録すると、図6に示されるように、第1の記録領域101、101’は互いに所定距離だけ互いに離れた状態で記録される。
次に、第2の記録領域102への記録方法を説明する。図7は本発明の第1実施形態の光情報処理方法における第2の記録領域に入射される参照光と信号光の入射領域を示した図であり、図8は本発明の第1実施形態の光情報処理方法における第2の記録領域を説明するための図である。
この第2の記録領域102は第1の記録領域101、101’間に記録される領域をいう。なお、第2の記録領域102は第1の記録領域101、101’と重畳しない領域である。
図7に示されるように、該当情報を有する第1の信号光S1は第2の記録領域102を形成するための位置に入射される。第2の記録領域102の位置は格納媒体50を線型移動させることによって設定される。なお、第1の参照光R1の入射領域は第1の信号光S1の入射領域よりも大きい。従って、第1の信号光S1と第2の参照光R2とが互いに干渉する格納媒体50の領域に第2の記録領域102が形成される。このとき、第1の参照光R1の入射領域は第1の信号光S1の入射領域より大きいため、第1の記録領域101と一部重畳する。
次に、第2の記録領域102について第1の記録領域101への記録の際に使われた範囲と同一の第1の傾斜角度範囲内の複数の角度に格納媒体50が回転せしめられる。なお、格納媒体50がそれぞれの角度に回転せしめられた状態ごとに、第1の参照光R1と共に以前の記録の際と異なるデータを有する第1の信号光S1が入射され、第2の記録領域102に光情報が重畳して記録される。即ち、角度多重化方法によって、複数の重畳された光情報が1つの領域(第2の記録領域102)に記録される。
次に、他の第2の記録領域102’を形成するために格納媒体50が格納媒体移動部材70によって所定距離だけ移動せしめられる。なお、他の第2の記録領域102’を形成するための位置に格納媒体50が移動せしめられた時に、異なる情報を有する第1の信号光S1が第2の記録領域102’に入射されて光情報が記録される。
(以前の)第2の記録領域102と第2の記録領域102’との間の所定距離は、それぞれの第1の参照光R1が互いに接し、重畳しない距離に設定される。その後、格納媒体50を線型移動させて第2の記録領域102、102’を格納媒体50の該当領域に形成する。このように記録すると図8に示されるように、第2の記録領域102、102’は互いに所定距離だけ離れた状態で記録される。従って、一対の第1の記録領域101と第2の記録領域102とが順次、且つ繰返し形成される形態で、記録領域100への記録が行われる。
次に、部分重畳記録領域110が形成される。本発明にかかる実施形態では、部分重畳記録領域110は、第1の部分重畳記録領域111と第2部分重畳記録領域112に区分されることができる。
まず、第1の部分重畳記録領域111への記録方法を説明する。図9は本発明の第1実施形態の光情報処理方法における第1の部分重畳記録領域に入射される第2の参照光と第2の信号光の入射領域を示した図であり、図10は本発明の第1実施形態の光情報処理方法における第1の部分重畳記録領域を説明するための図である。
図9に示されるように、第2の信号光S2は第1の部分重畳記録領域111に入射される。このときの第1の部分重畳記録領域111は、互いに接している第1の記録領域101と第2の記録領域102との間に配置される。従って、第1の部分重畳記録領域111の左側部は第1の記録領域101と部分的に重畳し、右側部は第2の記録領域102と部分的に重畳する。
なお、第2の参照光R2の入射領域は第2の信号光S2の入射領域よりも大きい。従って、第2の信号光S2と第2の参照光R2とが互いに干渉する格納媒体50の領域に第1の部分重畳記録領域111が形成される。次に、第1の部分重畳記録領域111に対し設定された第2の傾斜角度範囲内の複数の角度に格納媒体50が回転せしめられる。ここで第2の傾斜角度範囲は第1の傾斜角度範囲とは異なる角度範囲である。例えば、第1の傾斜角度範囲が0゜〜14.7゜(角度幅:14.7°)に設定され、第2の傾斜角度範囲は16゜〜34.7゜(角度幅:18.7°)に設定される。
なお、格納媒体50が第2の傾斜角度範囲内の角度に回転せしめられた状態ごとに、第2の参照光R2と共に以前の記録の際と異なるデータを有する第2の信号光S2が入射され、第1の部分重畳記録領域111に光情報が重畳記録される。このとき、角度多重化のために複数回行われる格納媒体50の回転における1回あたりの回転角度は、例えば、0.21゜に設定される。即ち、角度多重化方法によって、複数の重畳された光情報が1つの領域(第1の部分重畳記録領域111)に記録される。
次に、他の第1の部分重畳記録領域111’を形成するために格納媒体50が格納媒体移動部材70によって所定距離だけ移動せしめられる。なお、他の第1の部分重畳記録領域111’を形成するための位置に格納媒体50が移動せしめられた時に、以前の第1の部分重畳記録領域111への記録方法と同じ方法で光情報が記録される。
他の第1の部分重畳記録領域111’における多重記録のための格納媒体50の回転は、第2傾斜角度範囲内で且つ以前の第1の部分重畳記録領域111を形成するために行われた格納媒体50の回転方向と反対方向に回転させてもよい。又は格納媒体50が設定された初期角度に対応する位置に戻されて、その後に、第2の傾斜角度範囲内で且つ以前の第1の部分重畳記録領域111を形成するために行われた格納媒体50の回転方向と同一方向に回転させてもよい。
(以前の)第1の部分重畳記録領域111と第1の部分重畳記録領域111’との間の所定距離は、それぞれの第2の参照光R2が入射された部分が互いに接し、重畳しない距離に設定される。その後、格納媒体50を線型移動させて第1の部分重畳記録領域111、111’を格納媒体50の該当領域に形成する。このように記録すると、図10に示されるように、第1の部分重畳記録領域111、111’は互いに所定距離だけ離れた状態で記録される。
次に、第2部分重畳記録領域112への記録方法を説明する。図11は本発明の第1実施形態の光情報処理方法における第2部分重畳記録領域に入射される参照光と信号光の入射領域を示した図であり、図12は本発明の第1実施形態の光情報処理方法における第2部分重畳記録領域を説明するための図である。
この第2部分重畳記録領域112は、第1の部分重畳記録領域111、111’間に記録される領域をいう。なお、第2部分重畳記録領域112は第1の部分重畳記録領域111、111’と重畳しない領域である。
図11に示されるように、第2の信号光S2は第2部分重畳記録領域112に入射される。第2部分重畳記録領域112の位置は格納媒体50を線型移動させることによって設定される。なお、第2の参照光R2の入射領域は第2の信号光S2の入射領域よりも大きい。従って、第2の信号光S2と第2の参照光R2とが互いに干渉する格納媒体50の領域に第2部分重畳記録領域112が形成される。このとき、第2の参照光R2の入射領域は第2の信号光S2の入射領域より大きいため、第1の部分重畳記録領域111と一部重畳する。
次に、第2の部分重畳記録領域112について第1の部分重畳記録領域111への記録の際に使われた範囲と同一の第2の傾斜角度範囲内の複数の角度に格納媒体50が回転せしめられる。なお、格納媒体50がそれぞれの角度に回転せしめられた状態ごとに、第2の参照光R2と共に以前の記録の際と異なるデータを有する第2の信号光S2が入射され、第2の部分重畳記録領域112に光情報が重畳して記録される。即ち、角度多重化方法によって、複数の重畳された光情報が1つの領域(第2の部分重畳記録領域112)に記録される。
次に、他の第2の部分重畳記録領域112’(不図示)を形成するために格納媒体50が格納媒体移動部材70によって所定距離だけ移動せしめられる。なお、他の第2の部分重畳記録領域112’を形成するための位置に格納媒体50が移動せしめられた時に、以前の第2の部分重畳記録領域112への記録方法と同じ方法で光情報が記録される。
(以前の)第2の部分重畳記録領域112と第2の部分重畳記録領域112’との間の所定距離は、それぞれの第2の参照光R2が入射された部分が互いに接し、重畳しない距離に設定される。その後、格納媒体50を線型移動させて第2の部分重畳記録領域112、112’を格納媒体50の該当領域に形成する。このように記録すると、図12に示されるように、第2の部分重畳記録領域112、112’は互いに所定距離だけ離れた状態で記録される。従って、一対の第1の部分重畳記録領域111と第2の部分重畳記録領域112が順次、且つ繰返し形成される形態で、部分重畳記録領域110への記録が行われる。
次に、前述したような方法で光情報が記録された光情報格納媒体からの光情報を再生する方法について説明する。
図13は本発明の第1実施形態における光情報の再生のための光情報処理方法を説明するためのフローチャートである。図13に示されるように、光情報の再生方法は、参照光(R1、R2)だけが格納媒体50に入射され、格納媒体50のそれぞれの記録領域で再生される再生光が光情報検出器93で検出される。
この再生において、第1の参照光R1が、第1の記録領域101及び第2の記録領域102に対して、入射角度が第1の入射角度範囲内で変更されながら入射される(ステップSP20参照)。次に、第2の参照光R2が、第1の部分重畳記録領域111及び第2部分重畳記録領域112に対して、入射角度が第2の入射角度範囲内で変更されながら入射される(ステップSP21参照)。これら参照光R1、R2の入射角度変更は、回転型ミラー(反射ミラー31)又は回転アクチュエータ80を使って行われる。それぞれの格納媒体50の線型移動は、格納媒体移動部材70を使って行われる。
なお、記録領域100と部分重畳記録領域110の再生順序は、記録領域100を先に再生した後、部分重畳記録領域110を再生する。但し、部分重畳記録領域110を先に再生した後に、記録領域100を再生してもよい。同様に、記録領域100における第1の記録領域101と第2の記録領域102との再生順序は、どちらを先に行っても良い。また、部分重畳記録領域110における第1の部分重畳記録領域111と第2部分重畳記録領域112との再生順序は、どちらを先に行っても良い。また、これらの再生順序は、その他の順序であってもよい。
本発明の第1実施形態における光情報処理方法では、記録領域100を形成する際に用いられる第1の入射角度範囲と、部分重畳記録領域110を形成する際に用いられる第2入射角度範囲とが互いに異なる。このように角度範囲が異なることによって、それぞれの記録領域100又は部分重畳記録領域110の形成の際の記録品質を向上させることが可能になる。
次に、前述したような光情報処理装置と光情報処理方法による実験例を説明する。
図14、図15、図16及び図17は、第1の入射角度範囲の入射角度で、角度多重化を行い、記録領域100と部分重畳記録領域110とに光情報を記録した後、それぞれの領域における回折効率(回折エネルギー)を測定して表したグラフである。
本実験では、第1の傾斜角度範囲は0゜〜14.7゜(角度幅:14.7°)とし、角度多重化のために複数回行われる格納媒体50の回転における1回あたりの回転角度を0.21゜とした。従って、記録領域100のそれぞれ(第1の記録領域101と第2の記録領域102)、及び部分重畳記録領域110のそれぞれ(第1の部分重畳記録領域111と第2の部分重畳記録領域112)に、71個のホログラムが重畳記録される。
このとき、それぞれの記録領域100と部分重畳記録領域110における回折エネルギーを測定した結果をみると、図14に示されている第1の記録領域101の回折エネルギーに対するヌル(反射などの影響により、読みとり(再生)や書き込み(記録)が十分に行われないポイント)の高さ、及び図16に示されている第1の部分重畳記録領域111の回折エネルギーに対するヌルの高さに比べ、図15に示されている第2の記録領域102における回折エネルギーに対するヌルの高さ、及び図17に示されている第2の部分重畳記録領域112の回折エネルギーに対するヌルの高さがより高く表れた。
即ち、第2の記録領域102と第2の部分重畳記録領域112の回折エネルギーに対するヌルの高さが、全体的に第1の記録領域101と第1の部分重畳記録領域111の回折エネルギーに対するヌルの高さに比べてより高く表れた。この原因は理論的に明らかになっていないが、一般に、ヌル(ポイント)における回折エネルギーは光情報の再生の際にノイズを伴うため、ヌル(ポイント)における回折エネルギーが大きいということは、ノイズが大きく、再生データの質を低下させる。
次に、これと比較される本発明の第1実施形態における光情報処理装置と光情報処理方法による実験例を説明する。
図18、図19は、第1の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、記録領域100に光情報を記録した後、それぞれの領域における回折効率(回折エネルギー)を測定して表したグラフである。図20及び図21は、第1の入射角度範囲と異なる第2の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、部分重畳記録領域110に光情報を記録した後、それぞれの領域における回折効率(回折エネルギー)を測定して表したグラフである。
本実験では、第1の記録領域101と第2の記録領域102に対する角度多重化のための第1の傾斜角度範囲は0゜〜14.7゜(角度幅:14.7°)とし、第1の部分重畳記録領域111と第2の部分重畳記録領域112に対する角度多重化のための第2の傾斜角度範囲は16゜〜34.7゜(角度幅:18.7°)とした。なお、それぞれの角度多重化のために複数回行われる格納媒体50の回転における1回あたりの回転角度を0.21゜とした。従って、記録領域100のそれぞれ(第1の記録領域101と第2の記録領域102)、及び部分重畳記録領域110のそれぞれ(第1の部分重畳記録領域111と第2の部分重畳記録領域112)に71個のホログラムが重畳記録される。
このとき、それぞれの記録領域100と部分重畳記録領域110における回折効率(回折エネルギー)を測定した結果では、図18、図19、図20、図21に示されるように、各記録領域の回折エネルギーに対するヌルの位置が比較的似通って表わされる。即ち、第2の記録領域102の回折エネルギーに対するヌルの高さが低くなったこと(図15と図19とを比較参照)、第2の部分重畳記録領域112の回折エネルギーに対するヌルの高さが低くなったこと(図17と図21とを比較参照)が分かる。
このような実験結果は、回折エネルギーに対するヌルの高さが低くなることによって重畳された記録領域におけるクロストークノイズが減るということを表しているといえる。なお、クロストークノイズが減ることにより、記録されたホログラムの質が向上し、且つ、データの再生の際にも再生効率が向上する。
次に、本発明の第2実施形態における光情報処理方法について説明する。
図22は本発明の第2実施形態による光情報記録方法を説明するためのフローチャートである。図22に示されるように、第2実施形態にかかる光情報処理方法では、ステップSP100で、第1の信号光と、設定された入射角度範囲内で調節された入射角度で第1の参照光とが、格納媒体50に入射されて記録領域が形成される。
次に、格納媒体50を、格納媒体移動部材70を使って移動させ、記録領域と離れた位置に、第1の信号光と、設定された入射角度範囲内で調節された入射角度で第1の参照光とが、格納媒体50に入射されて他の記録領域が形成される。
記録領域が第1の信号光、及び第1の参照光を使って格納媒体50に形成された後、ステップSP110で、格納媒体50を移動させ、第2の信号光と、設定された入射角度範囲内で調節された入射角度で第2の参照光とが入射されて、重畳記録領域が既に形成された記録領域の間に形成される。このとき、重畳記録領域は、記録領域の形成の際にそれぞれの第1の参照光の入射領域が互いに交差して重畳される位置に配置される。
次に、1つの記録領域への光情報記録方法について具体的に説明する。
図23は本発明の第2実施形態の光情報処理方法における信号光と参照光の入射状態を説明するための図であり、図24は本発明の第2実施形態の光情報処理方法における信号光と参照光の入射領域を説明するための図である。
図23と図24とに示されるように、1つの記録領域1000を形成するために、参照光R10は、回転型ミラー31を介して複数の入射角度に調節された状態で入射される。参照光R10は、格納媒体50に対して傾斜しているので、参照光R10の入射領域の形状、すなわち第1の参照光R11〜R16それぞれの入射領域の形状は、楕円形状を示す。
第1の参照光R11〜R16と第1の信号光S10とのなす角が大きくなるとなるほど、第1の参照光R11〜R16の入射領域を形成する楕円の長軸方向の長さが長くなる。従って、複数の入射角度で、第1の参照光R11〜R16が、1つの記録領域1000に繰返し入射される場合、これら第1の参照光R11〜R16の周縁部51は階層的な形状を有する。
以下では、第2実施形態における光情報処理方法についてより具体的に説明する。
まず、記録方法を説明する。図25は第2実施形態における光情報処理方法で、第1の信号光と第1の参照光との入射状態を説明するための図であり、図26は第2実施形態における光情報処理方法で、第1の参照光の入射領域を説明するための図である。
図25に示されるように、第1記録領域1000aを形成するために、第1の信号光S10が格納媒体50に入射される。第1の参照光R11〜R16の(格納媒体50上の)入射領域は第1の信号光S10の入射領域よりも大きい。従って、第1の信号光S10と第1の参照光R11〜R16とが互いに干渉する格納媒体50の領域に、第1記録領域1000aが形成される。
次に、この記録領域1000aに対して、第1の参照光R11〜16の入射角度が、それぞれ設定された入射角度範囲内の異なる値に調節されるように、回転型ミラー31が回転せしめられる。なお、第1の参照光R11〜R16が入射される状態ごとに、以前の記録の際と異なるデータで第1の信号光S10が入射される。即ち、角度多重化方法によって、複数の重畳された光情報が1つの領域(記録領域1000a)に記録される。
次に、他の記録領域1000bを形成するために格納媒体50が格納媒体移動部材70によって所定距離だけ移動せしめられる。なお、他の記録領域1000bを形成するための位置に格納媒体50が移動せしめられた時に、異なる情報を有する第1の信号光S10と第1の参照光R11〜R16とが入射されて光情報が多重記録される。このとき、角度多重化方法は前述の記録領域1000aへの記録と同じ方法で行われる。
(以前の)記録領域1000aと記録領域1000bとの間の所定距離は、記録領域1000aを形成するための第1の参照光R11〜R16の周縁部51の長軸方向の一方と、記録領域1000bを形成するための第1の参照光R11〜R16の周縁部51の長軸方向の他方とが、交差し重畳する位置関係に対応した距離に設定される。但し、記録領域1000a、1000bは互いに重畳しない位置関係に配置される。
このような方法で、格納媒体50が移動せしめられて、記録領域1000a〜1000dが格納媒体50の該当領域に形成される。このときの記録領域の数(第2実施形態では1000a〜1000dの4つ)は、格納媒体50の大きさによって決定される。このように記録領域1000a〜1000dが記録されると、それぞれの記録領域1000a〜1000dは互いに所定距離だけ互いに離れた状態で、且つ第1の参照光R11〜R16の入射領域を形成する周縁部51だけが互いに重畳された状態が示される(図26参照)。
次に、重畳記録領域の記録方法を説明する。図27は第2実施形態における光情報処理方法で、第2の信号光と第2の参照光との入射状態を説明するための図であり、図28は第2実施形態における光情報処理方法で、第2の参照光の入射領域を説明するための図である。
この重畳記録領域1100a〜1100cは、記録領域1000a〜1000dの間に記録される領域をいう(1100aは1000aと1000bとの間、1100bは1000bと1000cとの間、1100cは1000cと1000dとの間、及び1100cは1000cと1000dとの間に記録される)。但し、重畳記録領域1100a〜1100cは、記録領域1000a〜1000dと重畳しない。
図27に示されるように、該当情報を有する第2の信号光S20が、最初に記録される重畳記録領域1100aを形成するための位置に入射される。重畳記録領域1100aの位置への移動は、格納媒体50を、格納媒体移動部材70を使って線型移動させることによって行われる。なお、この重畳記録領域1100aは、記録領域1000aの形成の際に第1の参照光R11〜R16の入射領域の周縁部51と、記録領域1000bの形成の際に第1の参照光R11〜R16の入射領域の周縁部51とが重畳する領域に配置される。
なお、このとき、第2の参照光R20(R21〜R26)の入射領域は、第2の信号光S20の入射領域よりも大きい。従って、第2の信号光S20と第2の参照光R21〜R26との干渉によって格納媒体50に重畳記録領域1100aが形成される。このとき、第2の参照光R21〜R26の入射領域は第2の信号光S20の入射領域より大きいため、第2の参照光R21〜R26の周縁部52は、記録領域1000a、1000bと重畳する。
重畳記録領域1100aに対して、第2の参照光R21〜26の入射角度が、それぞれ設定された入射角度範囲内の異なる値に調節されるように、回転型ミラー31が回転せしめられる。なお、第2の参照光R21〜R26が入射される状態ごとに、以前の記録の際と異なるデータで第2の信号光S20が入射される。即ち、角度多重化方法によって、複数の重畳された光情報が1つの領域(重畳記録領域1100a)に記録される。
以後、他の重畳記録領域1100b、1100cを形成するために、格納媒体50が、所定距離だけ移動した位置にある第1の参照光R10(R11〜R16)が形成する周縁部51が互いに重畳され入射された位置に、格納媒体移動部材70によって、移動せしめられる。なお、他の重畳記録領域1100b、1100cを形成するための位置に、格納媒体50が所定距離だけ移動せしめられた時に、異なる情報を有する第2の信号光S20と第2の参照光R21〜R26とが入射されて光情報が多重記録される。このとき、角度多重化方法は前述の重畳記録領域1100aへの記録と同じ方法で行われる。
(以前の)重畳記録領域1100aと重畳記録領域1100bとの間の所定距離は、重畳記録領域1100aを形成するための第2の参照光R21〜R26の周縁部52の長軸方向の一方と、重畳記録領域1100bを形成するための第2の参照光R21〜R26の周縁部52の長軸方向の他方とが、均一に重畳する位置関係に対応した距離に設定される。但し、重畳記録領域1100a、1100b、1100cは互いに重畳しない位置関係に配置される。
このような方法で、格納媒体50が移動せしめられて、重畳記録領域1100a〜1100cが格納媒体50の該当領域に形成される。このように重畳記録領域1100a〜1100cが記録されると、それぞれの重畳記録領域1100a〜1100cは互いに所定距離だけ互いに離れた状態で、且つ第2の参照光R21〜R26の入射領域を形成する周縁部52が記録領域1000a〜1000dに重畳された状態が示される(図28参照)。
次に、前述したような方法で光情報が記録された光情報格納媒体からの光情報を再生する方法について説明する。
図29は本発明の第2実施形態における光情報の再生のための光情報処理方法を説明するためのフローチャートである。図29に示されるように、光情報の再生方法は、ステップSP200で、第1の参照光R10だけが格納媒体50に入射され、格納媒体50のそれぞれの記録領域1000a〜1000dで再生される再生光が光情報検出器93で検出される。この再生において、第1の参照光R10が、記録領域1000a〜100dに対して、入射角度が設定された入射角度範囲内で変更されながら入射され、多重記録されたデータが再生される。
次に、記録領域1000a〜1000dの再生が完了すると、第2の参照光R20が、重畳記録領域1100a〜1100cに対して、入射角度が設定された入射角度範囲内で変更されながら入射される。重畳記録領域1100a〜1100cから再生された再生光が光情報検出器93で検出されてデータが再生される(ステップSP210参照)。
なお、これら記録領域1000a〜1000dと重畳記録領域1100a〜1100cの再生の際に周辺の他の領域で再生される再生光はフィルタ91によって遮断され、再生を所望する再生光だけが光情報検出器93に入射される。
一方、記録領域1000と重畳記録領域1100の再生順序は、記録領域1000を先に再生した後、重畳記録領域1100を再生する。但し、重畳記録領域1100を先に再生した後に、記録領域1000を再生してもよい。同様に、格納媒体50の移動方向によって順に配置される記録領域1000と重畳記録領域1100を順次に再生させてもよい(例えば、記録領域1000a、重畳記録領域1100a、記録領域1000bの順など)。また、これらの再生順序は、その他の順序であってもよい。
このような本発明の第2実施形態による光情報処理方法においては、第1の参照光R11〜R16の周縁部51が互いに重畳する位置に重畳記録領域1100が形成される。このように重畳記録領域1100の位置を設定することにより、光情報の記録品質と再生品質を向上させることが可能になる。
次に、前述したような本発明の第2実施形態における光情報処理装置と光情報処理方法による実験例を説明する。
図30は本発明の第2実施形態と比較される実施形態における参照光入射領域を説明するための図である。なお、図31は本発明の第2実施形態と比較される実施形態における光情報記録方法で記録した記録領域からの回折効率(回折エネルギー)を測定したグラフであり、図32は本発明の第2実施形態と比較される実施形態における光情報記録方法で重畳記録領域からの回折効率(回折エネルギー)を測定したグラフである。
本実験では、傾斜角度範囲は0゜〜14.7゜(角度幅:14.7°)とし、角度多重化のために複数回行われる格納媒体50の回転における1回あたりの回転角度を0.21゜とした。従って、記録領域、重畳記録領域のそれぞれに、71個のホログラムが重畳記録される。
第2実施形態と比較される実施形態では、記録領域を形成するための第1の参照光の周縁部が互いに重畳せず、それぞれの第1の参照光の入射領域が他の第1の参照光の入射領域と完全に分離された状態で、記録領域を形成するための第1の参照光は入射される。即ち、記録領域に入射される参照光の周縁部は互いに重畳せず、完全に離れた状態であり、周縁部の最も外側は互いに接する位置関係にある。なお、第2の参照光もこのような方法で入射される。なお、重畳記録領域は、第1の参照光の周縁部が互いに接する位置を中心にして形成される。
それぞれの記録領域と重畳記録領域における回折エネルギーを測定した結果をみると、図31に示されている記録領域の回折エネルギーに対するヌルの高さは低く表れたが、図32に示されるように、重畳記録領域の回折エネルギーに対するヌルの高さは比較的高く表れた。
即ち、重畳記録領域の場合、回折エネルギーに対するヌルの高さが、記録領域の回折エネルギーに対するヌルの高さに比べてより高い。この原因は記録領域の屈折率と重畳記録領域の屈折率との差によるものと考えられる。即ち、参照光が入射される領域間における屈折率の差によってクロストークノイズが発生し、これによって回折エネルギーに対するヌルの高さが高まると考えられる。一般に、ヌル(ポイント)における回折エネルギーは光情報の再生の際にノイズを伴うため、ヌル(ポイント)における回折エネルギーが大きいということは、ノイズが大きく、再生データの質を低下させる。
次に、上述の比較実施形態と比較される本発明の第2実施形態による光情報処理装置と光情報処理方法による実験例を説明する。
図33は本発明の第2実施形態における光情報記録方法によって記録した記録領域からの回折エネルギーを測定したグラフであり、図34は本発明の第2実施形態における光情報記録方法によって記録した重畳記録領域からの回折効率(回折エネルギー)を測定したグラフである。
第2実施形態にかかる本実験では、傾斜角度範囲は0゜〜14.7゜(角度幅:14.7°)とし、角度多重化のために複数回行われる格納媒体50の回転における1回あたりの回転角度を0.21゜とした。記録領域100のそれぞれ(記録領域1000a〜1000d)、及び重畳記録領域1100のそれぞれ(重畳記録領域1100a〜1100c)に、71個のホログラムが重畳記録される。なお、記録領域1000、及び重畳記録領域1100は、図26のように示される。
このとき、それぞれの記録領域1000と重畳記録領域1100における回折効率を測定した結果をみると、各記録領域の回折エネルギーに対するヌルの位置が比較的似通って表わされる(図33と図34とを比較参照)。さらに、重畳記録領域1100の回折エネルギーに対するヌルの高さが低くなったことが分かる(図32と図34とを比較参照)。即ち、第1の参照光R10の周縁部51が重畳した領域はその屈折率が比較的均一になると考えることができる。
このような実験結果は、回折エネルギーに対するヌルの高さが低くなることによって、重畳記録領域1100におけるクロストークノイズが減るということを表しているといえる。なお、クロストークノイズが減ることにより、記録されたホログラムの質が向上し、且つ、データの再生の際にも再生効率が向上する。
前述したような本発明の実施形態による光情報処理装置と光情報処理方法は多様な変形された実施形態が本発明の技術的思想の範疇の中で実施することができる。例えば、光源の種類、参照光と信号光に対する選択的な角度多重化方法の採用が挙げられる。また、実施例の構成の一部を使って記録専用装置又は再生専用装置の実施が可能である。格納媒体を回転させて光情報を処理する装置又はその他の構成の光情報処理装置を用いて本発明の技術的思想による光情報の記録及び再生方法の実施などが可能である。
本発明の第1、第2実施形態による光情報処理装置を示した構成図である。 第1実施形態における光情報記録方法の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態において、第1の入射角度範囲内の入射角度で行われる参照光と信号光の角度多重化状態を説明するための概念図である。 第1実施形態において、第2の入射角度範囲内の入射角度で行われる参照光と信号光の角度多重化状態を説明するための概念図である。 第1実施形態における光情報処理方法で第1の記録領域に対する参照光と信号光の入射領域を示した図である。 第1実施形態における光情報処理方法で第1の記録領域を説明するための図である。 第1実施形態における光情報処理方法で第2の記録領域に対する参照光と信号光の入射領域を示した図である。 第1実施形態における光情報処理方法で第2の記録領域を説明するための図である。 第1実施形態における光情報処理方法で第1の部分重畳記録領域に対する参照光と信号光の入射領域を示した図である。 第1実施形態における光情報処理方法で第1の部分重畳記録領域を説明するための図である。 第1実施形態における光情報処理方法で第2部分重畳記録領域に対する参照光と信号光の入射領域を示した図である。 第1実施形態における光情報処理方法で第2部分重畳記録領域を説明するための図である。 第1実施形態における光情報再生方法の手順を示すフローチャートである。 第1の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、記録領域と部分重畳記録領域に光情報を記録した後、第1の記録領域における回折エネルギーを測定して表したグラフである。 第1の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、記録領域と部分重畳記録領域に光情報を記録した後、第2の記録領域における回折エネルギーを測定して表したグラフである。 第1の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、記録領域と部分重畳記録領域に光情報を記録した後、第1の部分重畳記録領域における回折エネルギーを測定して表したグラフである。 第1の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、記録領域と部分重畳記録領域に光情報を記録した後、第2の部分重畳記録領域における回折エネルギーを測定して表したグラフである。 第1の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、記録領域に光情報を記録し、第2の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、部分重畳記録領域に光情報を記録した後、第1の記録領域における回折エネルギーを測定して表したグラフである。 第1の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、記録領域に光情報を記録し、第2の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、部分重畳記録領域に光情報を記録した後、第2の記録領域における回折エネルギーを測定して表したグラフである。 第1の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、記録領域に光情報を記録し、第2の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、部分重畳記録領域に光情報を記録した後、第1の部分重畳記録領域における回折エネルギーを測定して表したグラフである。 第1の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、記録領域に光情報を記録し、第2の入射角度範囲の入射角度で角度多重化を行い、部分重畳記録領域に光情報を記録した後、第2の部分重畳記録領域における回折エネルギーを測定して表したグラフである。 第2実施形態における光情報記録方法の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態における光情報処理方法で信号光と参照光の入射状態を説明するための図である。 第2実施形態における光情報処理方法で信号光と参照光の入射領域を説明するための図である。 第2実施形態における光情報処理方法で第1の信号光と第1の参照光の入射状態を説明するための図である。 第2実施形態における光情報処理方法で第1の参照光の入射領域を説明するための図である。 第2実施形態における光情報処理方法で第2の信号光と第2の参照光の入射状態を説明するための図である。 第2実施形態における光情報処理方法で第2の参照光の入射領域を説明するための図である。 第2実施形態における光情報再生方法の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態と比較される実施形態による参照光入射領域を説明するための図である。 第2実施形態と比較される実施形態による光情報記録方法で記録した記録領域からの回折エネルギーを測定したグラフである。 第2実施形態と比較される実施形態による光情報記録方法で記録した重畳記録領域からの回折エネルギーを測定したグラフである。 第2実施形態における光情報記録方法によって記録した記録領域からの回折エネルギーを測定したグラフである。 第2実施形態における光情報記録方法によって記録した重畳記録領域からの回折エネルギーを測定したグラフである。
符号の説明
10 光源
20 偏光ビームスプリッタ
30 参照光光学系
31 反射ミラー
40 信号光光学系
41 空間フィルタ
42 コリメータレンズ
44 光変調器
45 焦点レンズ
46 アパーチャ
47 フーリエ変換レンズ
50 格納媒体
60 格納媒体ステージ
70 格納媒体移動部材
80 回転アクチュエータ
90 再生光光学系
92 逆フーリエ変換レンズ
93 光情報検出器
100 記録領域
101 第1の記録領域
102 第2の記録領域
110 部分重畳記録領域
111 第1の部分重畳記録領域
112 第2の部分重畳記録領域
S1、S10 第1の信号光
R1、R10 第1の参照光
S2、S20 第2の信号光
R2、R20 第2の参照光
1000a、1000b、1000c、1000d 記録領域
1100a、1100b、1100c、1100d 重畳記録領域

Claims (8)

  1. 1つの位置で複数の入射角度に変更される第1の参照光と第1の信号光とを格納媒体の
    二以上の位置に出射して二以上の記録領域を形成し、
    前記記録領域に前記第1の参照光が入射される際、前記第1の参照光の入射領域が隣接した他の記録領域に入射される前記第1の参照光の入射領域と重畳されるように入射され、
    前記第1の参照光が重畳される位置に第2の信号光と第2の参照光を出射して重畳記録領域を形成することを特徴とする光情報記録方法。
  2. 前記第1の参照光と前記第2の参照光は、前記入射角度が変更されることによって、前記格納媒体に対する入射領域の大きさが変わり、
    前記第1の参照光と前記第2の参照光がそれぞれの前記入射角度に入射されて形成する前記入射領域の周縁部は階層的な形態を形成することを特徴とする請求項1に記載の光情報記録方法。
  3. 前記第1の参照光の周縁部は、前記格納媒体の他の位置に入射される前記第1の参照光の周縁部と重畳され、
    前記重畳記録領域は、前記第1の参照光の周縁部が重畳される位置に形成されることを
    特徴とする請求項2に記載の光情報記録方法。
  4. 前記第2の参照光の周縁部は、前記格納媒体の他の位置に入射される前記第2の参照光の周縁部と重畳され、
    前記第1の参照光の周縁部は隣接した前記重畳記録領域に位置することを特徴とする請
    求項2または3に記載の光情報記録方法。
  5. 前記第2の参照光の周縁部は隣接した前記記録領域に位置し、前記記録領域は互いに重畳せず、前記重畳記録領域は前記記録領域と重畳せず、前記重畳記録領域は互いに重畳し
    ないことを特徴とする請求項2から4に記載の光情報記録方法。
  6. 格納媒体の記録領域に、複数の入射角度に変更して第1の参照光を出射して前記記録領域からの光情報を再生し、
    前記格納媒体の前記記録領域の再生のために入射される前記第1の参照光の周縁部が重畳される位置に形成された重畳記録領域に第2の参照光を出射して前記重畳記録領域からの光情報を再生することを特徴とする光情報再生方法。
  7. 前記第1の参照光と前記第2の参照光は前記入射角度が変更されることによって前記格納媒体に対する入射領域の大きさが変わり、
    前記入射領域の前記周縁部は階層的な形態であることを特徴とする請求項6に記載の光情報再生方法。
  8. 前記記録領域は互いに重畳せず、前記重畳記録領域は前記記録領域と重畳せず、前記重畳記録領域は互いに重畳しないことを特徴とする請求項6または7に記載の光情報再生方法。
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