以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。また、以下の実施の形態を説明する図面においては、構成を分かり易くするために、平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下、本発明の実施の形態であるICカード(メモリカード)およびアダプタの構造を説明する。
図1〜図5は、本実施の形態であるICカードの構造を示す図であり、図1は、ICカードの表面図および第1の側面図であり、図2は、ICカードの裏面図、第2〜第3の側面図および裏面図のA−A’部の断面図である。なお、各側面図は、平面図中の矢印(a〜d)の方向からみた図に対応する。図3は、ICカード1の表面斜視図であり、図4は、ICカード1の裏面斜視図である。図5は、ICカードの要部断面図の一例である。なお、図6は、ICカード1とエクステンダーとの関係を示す表面斜視図である。以降、ICカードもしくはアダプタにおいて外部端子が露出している面を裏面とする。
図示するように、ICカード1の外形は、短辺約18mm、長辺約24mmの略矩形状であり、その厚さは約1.4mmである。但し、4つのコーナーのうち、一の角部にはインデックス用の面取り部(切りかき部、テーパー部)3が設けられている。この面取り部3は、ICカード1をパソコン等の電子装置に装着する際に、逆方向に挿入される事を防止する等の機能を有している。また、4つのコーナーのうち、他の3箇所のコーナーは、曲率を大きくするために面取りされており、これら3箇所のコーナーの面取りされた部分の大きさは、前記面取り部3と区別するために小さくなっている。
また、面取り部3が形成されいる側の長辺部分には、外部端子Cn(n:1〜13)が設けられている。この外部端子は、ICカード1の裏面側に露出した導電性部であり、ICカード1に内蔵されたチップと電気的に接続されている(図5参照)。外部端子Cnは、略矩形状であり、ICカード1の短辺と平行に延在し、これら複数の外部端子のうちC1〜C7は、ICカードの長辺に沿って配置され、C8〜C13は、C1〜C7の列の後段に位置する。さらに、C7の外側にC8が位置し、C1の外側にC9が位置する。また、C1とC2の間にC10が位置し、C2とC3の間にC11が位置し、C5とC6の間にC12が位置し、C6とC7の間にC13が位置する。このように、外部端子Cnを千鳥状に配置することで、後述するアダプタの内部端子の形成が容易になる。
なお、外部端子の個数(ピン数)は、13に限られないが、当該ICカードの規格および後述する互換性を確保するICカード等の規格のうち最大の端子機能数以上とする必要がある。
また、ICカードの長辺であって、面取り部3が形成されていない長辺の両端には、エクステンダー装着部5が設けられている。また、前記長辺の中央部には、エクステンダー固定用の溝部7が設けられている。従って、図6に示すように、エクステンダー9の突起部11を、溝部7に挿入することにより、ICカード1とエクステンダー9とを固定することができる。この際、エクステンダー装着部5上には、エクステンダーの角部13が位置する。
このように、ICカード1は、本外形(ハーフサイズ)のカードスロットのみならず、ほぼ2倍の外形(フルサイズ)のカードスロットを有する電子装置にも対応可能である。
このようなICカード1の内部には、チップ(IC)が内蔵されており、例えば、メモリが形成されたチップと、コントローラ用のチップ等が内蔵されている。
図5においては、例えば3枚のチップ(IC)が内蔵されている。例えばチップ15は、フラッシュメモリであり、2枚のチップ15が重ね合わされた状態で実装されている。また、チップ17は、コントローラ用のチップである。
これらのチップ15、17は、ベース基板19上に例えば接着剤を用いて接合され、チップ間、チップとベース基板表面の配線(図示せず)とは、金線14などを用いて接続される。さらに、ベース基板表面の配線は、外部端子Cnと接続される。
また、チップ15、17は、封止樹脂21で覆われ、さらに、その周囲にはキャップ部23が設けられている。
なお、チップの実装形態は、図5のものに限られず、例えば、チップをリードフレーム上に接着し、封止樹脂で覆ってもよいし、また、ベース基板とキャップのみで実装する等、種々の形態が存在し得る。
次いで、本実施の形態のICカードの内部機能について説明する。図7は、本実施の形態のICカードの機能を示すブロック図である。
ここで、本実施の形態のICカードは、第1規格のICカード、具体的には、マルチメディアカードである。マルチメディアカード(以下「MMCカード」という)とは、マルチメディアカード協会(MMCA:multimediacard association)で規定された規格(以下「MMCカード規格」という)に基づくカードである。
本実施の形態のICカードは、以下に示す、第2規格のICカード(SDメモリカード)、第3規格のICカード(メモリースティック)および第4規格のICカード(USB対応メモリ)と互換性を有する。即ち、本実施の形態のICカード(MMC)は、SDメモリカード、メモリースティックおよびUSB対応メモリとして機能する。
SD(secure digital)メモリーカード(以下「SDカード」という)は、SDカード協会が規定した規格(以下「SDカード規格」という)に基づくカードであり、MMCカードと同形でやや厚めのカードである。
メモリースティック(以下、「MS」という)は、ソニー(株)が開発したカードである。このカードの規格をメモリースティックカード規格(MSカード規格)という。
USBとは、「ユニバーサル シリアル バス(Universal Serial Bus)」の略であり、周辺装置を接続するためパソコン向けのインターフェースの仕様である。例えば、マウス、キーボード、プリンタ、モデム等のインタフェースを共通化し、USBコネクタを1つ備えるだけで、前記周辺機器の接続を容易にするものである。従って、USBコネクタを備えたメモリ(USB対応メモリ)をパソコン等のUSB端子に差し込みメモリとして機能させることができる。
前記カード等は、その規格の違いから、互換性を有さないものが多いが、以下に示すように本実施の形態のICカードを利用することで互換性を確保することができる。
図示するように、ICカード(MMCカード)1内には、フラッシュメモリ15、ICカードチップ16およびコントローラIC17が内蔵されている。
コントローラIC17は、フラッシュメモリコントローラ31、モードコントローラ33、プルダウン検出部35、USBモードI/Fコントローラ37、MSモードI/Fコントローラ39、MMC/SDモードI/Fコントローラ41、ICカードチップI/Fコントローラ43およびバスコントローラ45を有している。なお、MMC/SDモードI/Fコントローラ41には、×1ビットモード41a、×4ビットモード41b、×8ビットモード41cおよびSPIモード41dが存在する。なお、「I/F」は、インターフェースを意味する。
フラッシュメモリ15は、フラッシュメモリコントローラ31と接続され、ICカードチップ16は、ICカードチップI/Fコントローラ43と接続される。
また、フラッシュメモリコントローラ31は、USBモードI/Fコントローラ37、MSモードI/Fコントローラ39、MMC/SDモードI/Fコントローラ41と接続される。
モードコントローラ33は、USBモードI/Fコントローラ37、MSモードI/Fコントローラ39、MMC/SDモードI/Fコントローラ41と接続され、プルダウン検出部35からの信号に基づき、USB、MS、MMC/SDモードを切り替える。
プルダウン検出部35は、バスコントローラを介して外部端子Cnと接続される。また、モードコントローラ33、USBモードI/Fコントローラ37、MSモードI/Fコントローラ39およびMMC/SDモードI/Fコントローラ41もバスコントローラを介して外部端子Cnと接続される。なお、外部端子C6およびC3は、接地電位端子であり、C4は、駆動電位端子である。
このように、本実施の形態のICカードによれば、コントローラIC内にUSBモードI/Fコントローラ37およびMSモードI/Fコントローラ39を設けたので、MSやUSB対応メモリとして使用することができる。
なお、ICカードチップI/Fコントローラ43は例えばMMC/SDモードI/Fコントローラ41と接続され、このコントローラ43およびICカードチップ16は、カードのセキュア機能を強化する際に用いられる。
なお、モードコントローラ33によるモード切り替え等については、項(5)において詳細に説明する。
(1)本実施の形態のICカード(MMCカード)をSDカードとして使用する場合について説明する。なお、以降の説明については、図6を参照しながら説明したフルサイズのICカード1と区別するため本実施の形態のICカードを「RS−MMC」と示す。
RS−MMC1をSDカードとして使用する場合には、SD型アダプタ(スロット、ケース)50を用いる。
図8〜図10は、RS−MMCをSD型アダプタに装着する態様例を示す上面斜視図である。図8は、RS−MMCをSD型アダプタの短辺方向から挿入する例を示し、また、図9は、RS−MMCをSD型アダプタの表面から挿入する例を示し、また、図10は、RS−MMCをSD型アダプタの長辺方向から挿入する例を示す。
このSD型アダプタは、図8〜図10に示すように、RS−MMC1が装着されるに足る空間(スペース)SPを有し、その外形は、SDカードとほぼ同じで、短辺約24mm、長辺約32mm、厚さ約2.1mmである。なお、図11に、SDカードの表面および裏面斜視図を示す。
また、SD型アダプタ50の裏面斜視図である図12に示するように、SD型アダプタの裏面には、外部端子ACn(n:1〜9)が設けられている。この外部端子は、SD型アダプタの裏面側に露出した導電性部であり、SD型アダプタの内部に設けられた配線によって装着されるRS−MMCの外部端子Cnと電気的に接続される。
図13に、SD型アダプタ50内にRS−MMC1を装着した際の要部平面図を示す。また、図14に、SD型アダプタの外部端子ACn(n:1〜9)、RS−MMCの外部端子Cn(n:1〜13)およびこれらの外部端子を接続するSD型アダプタの配線との関係を示す。
図示するように、例えば、SD型アダプタの外部端子AC1は、RS−MMCの外部端子C1に接続され、同様にAC2は、C2に、AC3は、C3に、AC4は、C4に、AC5は、C5に、AC6は、C6に、AC7は、C7に、AC8は、C8に、AC9は、C9に、接続される。
言い換えれば、SD型アダプタの内部には、RS−MMCを装着した際にRS−MMCの外部端子Cnが当接する部位(内部端子部)から外部端子ACnを接続する配線55が形成されている。この配線55は、できるだけ交差しないよう引き回すことが好ましいが、SD型アダプタ内の配線層を複数層とすることで、各配線が交差するようなレイアウトにも対応することができる。
なお、図13に示すSt1は、スイッチでありこのスイッチ(スライド部品)の位置によりSD型アダプタの形状が変化する。この変化を例えばホスト側の電子装置で認識することにより、データの書き込みの可否を切り替えることができる。
(2)本実施の形態のICカード(RS−MMC)をMSカードとして使用する場合について説明する。
(2−1)RS−MMCをMSカードとして使用する場合には、MS型アダプタを用いる。
図15は、RS−MMCをMS型アダプタに装着する態様例を示す表面斜視図であり、図16は、裏面斜視図である。図15および図16においては、RS−MMCをMS型アダプタの短辺方向から挿入する例を示す。また、図17は、RS−MMCをMS型アダプタに装着する態様例を示す裏面斜視図であり、RS−MMCをMS型アダプタの長辺方向から挿入する例を示す。また、図18は、RS−MMCをMS型アダプタに装着する態様例を示す表面斜視図であり、RS−MMCをMS型アダプタの表面から挿入する例を示す。
このMS型アダプタ60は、図15〜図18に示すように、RS−MMC1が装着されるに足る空間(スペース)SPを有し、その外形は、MSカードとほぼ同じで、短辺約21.5mm、長辺約50mm、厚さ約2.8mmである。なお、図19に、MSカードの表面および裏面斜視図を示す。
また、図16や図17に示すように、MS型アダプタ60の裏面には、外部端子ACn(n:1〜10)が設けられている。この外部端子は、MS型アダプタ60の裏面側に露出した導電性部であり、MS型アダプタ60の内部に設けられた配線によって装着されるRS−MMC1の外部端子Cnと電気的に接続される。
図20に、MS型アダプタ60内にRS−MMC1を装着した際の要部平面図を示す。また、図21に、MS型アダプタ60の外部端子ACn(n:1〜10)、RS−MMCの外部端子Cn(n:1〜13)およびこれらの外部端子を接続するMS型アダプタの配線との関係を示す。
図示するように、例えば、MS型アダプタの外部端子AC1は、RS−MMCの外部端子C3およびC6に接続され、同様にAC2は、C2に、AC3は、C4に、AC4は、C7に、AC5は、C8に、AC6は、C1に、AC7は、C9に、AC8は、C5に、AC9は、C4に、接続される。また、MS型アダプタの外部端子AC1は、AC10に接続され、また、AC3は、AC9に接続される。
また、AC3とAC10との間には、抵抗R1およびR2が直列に接続され、これらの接続ノードNとAC10は、スイッチSt2を介して接続されている。また、ノードNは、外部端子C13と接続されている。また、スイッチSt2は、MS型アダプタの裏面に設けられた機械的なスイッチであり、例えばスイッチの位置を機械的に変化させることにより、接続ノードNとAC10とを導通状態とし(電気的に接続し)、もしくは非導通状態とする。
このようにMS型アダプタの内部には、RS−MMC1を装着した際にRS−MMCの外部端子Cnが当接する部位(内部端子部)から外部端子ACnを接続する配線が形成されている。なお、(1)の欄で説明したように、MS型アダプタ内の配線層を複数層とすることで、各配線が交差するようなレイアウトにも対応することができる。
このようなMS型アダプタ60によれば、MS型アダプタの外部端子ACnとRS−MMCの外部端子Cn間に抵抗(R1、R2)を設けたので、例えばRS−MMCの外部端子Cnが電源電位よりわずかに低い電位(プルアップ電位)もしくは接地電位よりわずかに高い電位(プルダウン電位)かを認識することができ、RS−MMCのモード切り替えを容易にすることができる。
具体的には、図21に示すように、MS型アダプタの外部端子ACnには、種々の電位(信号)が印加される。図21の外部端子ACnの左側に印加される信号を示す。例えば、AC3には、電源電位(駆動電位、VCC)が、AC10には、接地電位(基準電位、VSS、GND)が印加される。なお、各信号については、項(5)において詳細に説明する。
従って、C13の電位が接地電位より抵抗によって定まる所定の電位だけ高い(プルダウンされている)か否かで、MSカードとして機能するか否かを判定することができる。
さらに、本実施の形態のMS型アダプタにおいては、抵抗R1とR2間の接続ノードNとAC10との間にスイッチSt2を配置したので、スイッチSt2がオンしている場合と、オフしている場合とでC13の電位のレベルを変更することができる。
例えば、スイッチSt2がオンしている場合(書き込み禁止モード)には、C13が完全プルダウンする。また、スイッチSt2がオフしている場合(書き込み可能モード)には、C13が中間プルダウンする。
このように、C13のプルダウンの程度で、書き込み可否のモードを切り替えることができる。
(2−2)このMSカードには、その外形がより小さいタイプ(メモリースティックデュオ、以下「MSDuoカード」という)が存在する。
RS−MMCをMSDuoカードとして使用する場合には、MSDuo型アダプタを用いる。
図22は、RS−MMCをMSDuo型アダプタに装着する態様例を示す裏面および表面斜視図であり、RS−MMCをMSDuo型アダプタの短辺方向から挿入する例を示す。また、図23は、RS−MMCをMSDuo型アダプタに装着する態様例を示す表面斜視図であり、RS−MMCをMS型アダプタの長辺方向から挿入する例を示す。また、図24は、RS−MMCをMS型アダプタに装着する態様例を示す表面斜視図であり、RS−MMCをMS型アダプタの表面から挿入する例を示す。
このMSDuo型アダプタ70は、図22〜図24に示すように、RS−MMC1が装着されるに足る空間(スペース)SPを有し、その外形は、MSDuoカードとほぼ同じで、短辺約20mm、長辺約31mm、厚さ約1.6mmである。なお、図25に、MSDuoカードの表面および裏面斜視図を示す。
また、図22に示すように、MSDuo型アダプタの裏面には、外部端子ACn(n:1〜10)が設けられている。この外部端子は、MSDuo型アダプタ70の裏面側に露出した導電性部であり、MSDuo型アダプタの内部に設けられた配線によって、装着されるRS−MMCの外部端子と電気的に接続される。
なお、MSDuo型アダプタの外部端子ACn(n:1〜10)、RS−MMCの外部端子Cn(n:1〜13)およびこれらの外部端子を接続するMSDuo型アダプタの配線等との関係は、図21を参照しながら説明したMS型アダプタの場合と同様であるため、その説明を省略する。
従って、MS型アダプタの場合と同様に外部端子ACnとRS−MMCの外部端子Cn間に抵抗(R1、R2)を設けることにより、外部端子のプルダウンの有無でモードの切り替えを行い、また、プルダウンの程度で、書き込み可否のモードを切り替えることができる。
(3)本実施の形態のICカード(RS−MMC)をUSB対応メモリとして使用する場合について説明する。
RS−MMCをUSB対応メモリとして使用する場合には、USB型アダプタ(USB端子付きスロット)を用いる。
図26は、RS−MMCをUSB型アダプタに装着する態様例を示す表面斜視図であり、RS−MMC1をUSB型アダプタ80の短辺方向から挿入、即ち、USB端子の差込方向に挿入する例を示す。また、図27は、RS−MMCをUSB型アダプタに装着する態様例を示す表面斜視図であり、RS−MMCをUSB型アダプタの長辺方向から挿入、即ち、USB端子の差込方向に直交する方向に挿入する例を示す。また、図28は、RS−MMCをUSB型アダプタに装着する態様例を示す表面斜視図であり、RS−MMCをUSB型アダプタの表面から挿入する例を示す。
このUSB型アダプタは、図26〜図28に示すように、RS−MMCが装着されるに足る空間(スペース)SPを有し、ケース部80aとUSB端子部80bとからなる。
このUSB端子部80bには、例えば図26に示すように外部端子ACn(n:1〜4)が設けられている。この外部端子は、USB端子部の内壁に設けられた導電性部であり、ケース部80aの内部に設けられた配線によって装着されるRS−MMCの外部端子と電気的に接続される。
図29に、USB端子部の外部端子ACn(n:1〜4)、RS−MMCの外部端子Cn(n:1〜13)およびこれらの外部端子を接続するケース部内の配線との関係を示す。
図示するように、例えば、USB端子部の外部端子AC1は、RS−MMCの外部端子C4に接続され、同様にAC2は、C12に、AC3は、C11に接続される。また、AC4は、C3およびC6に接続され、また、AC4は、C10と抵抗R3を介して接続される。
このようにケース部の内部には、RS−MMCを装着した際にRS−MMCの外部端子Cnが当接する部位(内部端子部)から外部端子ACnを接続する配線が形成されている。なお、(1)の欄で説明したように、USB型アダプタ内の配線層を複数層とすることで、各配線が交差するようなレイアウトにも対応することができる。
このようなUSB型アダプタ80によれば、USB端子部の外部端子ACnとRS−MMCの外部端子Cn間に抵抗(R3)を設けたので、例えばRS−MMCの外部端子Cnが電源電位よりわずかに低い電位(プルアップ電位)もしくは接地電位よりわずかに高い電位(プルダウン電位)かを認識することができ、RS−MMC1のモード切り替えを容易にすることができる。
具体的には、図29に示すように、USB型アダプタの外部端子ACnには、種々の電位(信号)が印加される。図29の外部端子ACnの左側に印加される信号を示す。例えば、AC4には、接地電位(GND)が印加される。
従って、C10の電位が接地電位より抵抗によって定まる所定の電位だけ高い(プルダウンされている)か否かで、USB対応メモリとして機能するか否かを判定することができる。
(4)本実施の形態のICカード(RS−MMC)1をフルサイズのMMCカードとして使用する場合は、図6を参照しながら説明したエクステンダー9を用いる。なお、このエクステンダーを装着し、ホスト(電子装置)に挿入した場合には、RS−MMCの外部端子Cn(n:1〜13)がホスト側の端子と接触し、信号の伝達が可能になる。従って、図6に示すエクステンダー9には、配線や空間は形成されていない。
なお、RS−MMCを直接ホスト(電子装置)に挿入した場合には、RS−MMCの外部端子Cn(n:1〜13)がホスト側の端子と接触し、信号の伝達が可能になることは言うまでもない。
また、前記(1)から(4)で説明したアダプタ等は、例えば樹脂によって成形された筐体の内部に、銅箔張りガラスエポキシ基板の表面の銅箔をエッチングすることで、配線を成形した配線基板を有し、この配線基板には装着されるRS−MMCの外部端子に接触するための内部端子が接続され、また、配線基板の配線の一部は外部端子の形状を成し、筐体の外部端子窓より露呈される。内部端子としては、例えば、折り曲げ加工された金属製の板ばねなど、RS−MMCの外部端子Cn(n:1〜13)に押圧力を加えることのできる形状もしくは機構を有するものであることが好ましい。
(5)次いで、本実施の形態のICカード(RS−MMC)を前記いずれかのアダプタに装着し、もしくはICカード単体をホストにセットした際の各モードの切り替えの判定フローについて説明する。
図30は、図7のコントローラIC17によるモードの判定方法(判定手順)と、判定されたモードにしたがってコントローラーIC17の機能を切り替える手順を示すフローチャートである。
以下、このフローチャート(図30)および図7等を参照しながら説明する。
ICカード1をホストにセットした後、電源を投入すると、セットアップ動作が開始し、RS−MMCの外部端子C3およびC6に接地電位(VSS、GND)が供給され、また、外部端子C4に電源電位(VCC)が供給される。
(ステップ1)次いで、外部端子C10にプルダウンが有るか否かをプルダウン検出部35で判定する。この外部端子C10にプルダウンがある場合、即ち、図29等を参照しながら説明したUSB型アダプタ80にRS−MMC1が装着されている場合には、モードコントローラ33によってUSBモードが選択される。
その後、USBモードI/Fコントローラによって、図31に示すように、RS−MMCの外部端子C11に、+Data端子を、C12に−Data端子を割り当てる。+Data端子は、データ信号用の端子であり、−Data端子は、前記データ信号の反転信号用の端子である。なお、RS−MMCの外部端子C3およびC6は、GND端子であり、外部端子C4は、VBus端子である。VBus端子は、例えば5Vの駆動電圧用の端子である。
(ステップ2)次いで、外部端子C10にプルダウンが無い場合には、外部端子C13に中間プルダウンが有るか否かをプルダウン検出部35で判定する。この外部端子C13にプルダウンがあり、その電位が中間電位(中間プルダウン)である場合、即ち、図21等を参照しながら説明したMS型アダプタ60もしくはMSDuo型アダプタにRS−MMC1が装着されている場合には、モードコントローラ33によってMSモードが選択される。さらに、中間プルダウンである場合には、スイッチSt1が非導通状態であり、書き込み可能モードとなる。
その後、MSモードI/Fコントローラによって、図32に示すように、RS−MMCの外部端子C1に、INS端子を、C2に、BS端子を、C5に、SCLK端子を、C7にDIO端子を、C8およびC9にRSV端子を割り当てる。
INS端子は、スティック挿抜検出用の端子であり、BS端子は、シリアルプロトコルバスステート信号用の端子である。また、SCLK端子は、シリアルプロトコルクロック信号用の端子であり、DIO端子は、シリアルプロトコルデータ信号用の端子である。RSV端子は、リザーブ用の端子である。なお、RS−MMCの外部端子C3およびC6は、VSS端子であり、外部端子C4は、VCC端子である。VSS端子とは、接地電圧用の端子で、また、VCC端子とは、例えば3.3Vの駆動電圧用の端子である。
(ステップ3)次いで、外部端子C13に中間プルダウンが無い場合には、そのプルダウンが、完全プルダウンであるか否かをプルダウン検出部35で判定する。この外部端子C13にプルダウンがあり、その電位が前記中間電位よりさらに低い場合、即ち、MS型アダプタもしくはMSDuo型アダプタにRS−MMCが装着されている場合には、モードコントローラによってMSモードが選択される。さらに、完全プルダウンである場合には、スイッチSt1が導通状態であり、書き込み禁止モードとなる。
その後、MSモードI/Fコントローラによって、図32を参照しながら説明したように、外部端子Cnに各信号端子を割り付ける。
(ステップ4)次いで、外部端子C13に完全プルダウンが無い場合、即ち、図13および図14等を参照しながら説明したSD型アダプタ50もしくは図6を参照しながら説明したエクステンダー9が装着されている場合、もしくはRS−MMC1単体がセットされている場合には、モードコントローラ33によってMMC/SDモードが選択される。
さらに、この後、以下に示す手順に従って「SPIモード」、「×4ビットモード(SDモード)」、「×8ビットモード(高速MMCモード)」もしくは「×1ビットモード(標準MMCモード)」の選択を行う。
(ステップ4−1)まず、外部端子C2がリセットコマンドを受信中に、外部端子C1のチップセレクト(CS)信号がアサートされるか否かを判定する。
CS信号がアサートされる場合には、SPIモード41dが、MMC/SDモードI/Fコントローラ41によって選択される。SPIモードでは、他のMMC(1ビット、8ビット)モードと異なりコマンド信号の伝送が単方向となる。
外部端子Cnと信号端子との関係は図33に示す通りである。即ち、RS−MMCの外部端子C2は、DI端子、C5は、SCLK端子、C7は、DO端子である。このDI端子は、入力データ信号(DI)用の端子であり、DO端子は、出力データ信号(DO)用の端子である。また、C1は、CS信号用の端子であり、C3およびC6は、VSS端子であり、C4は、VCC端子である。
(ステップ4−2)C2にSDモード(×4ビットモード)のCMD(起動コマンド)信号が入力された場合には、SDモード起動準備完了の応答をし、SDモード(×4ビットモード)41bが選択される。
外部端子Cnと信号端子との関係は図34に示す通りである。即ち、RS−MMCの外部端子C1は、CD/DAT3端子、C5は、CLK端子、C7は、DAT0端子、C8およびC9は、DAT1端子およびDAT2端子である。CD/DAT3端子は、ホスト側にメモリカードを装着したことを伝えるカードディテクト(CD)信号もしくは第3データ信号(DAT3)用の端子である。DAT0端子、DAT1端子およびDAT2端子は、それぞれ第0データ信号(DAT0)用の端子、第1データ信号(DAT1)用の端子、第2データ信号(DAT2)用の端子である。また、C2は、CMD信号用の端子であり、C3およびC6は、VSS端子であり、C4は、VCC端子である。
(ステップ4−3)C2に高速MMCモード(×8ビットモード)のCMD(起動コマンド)信号が入力された場合は高速MMCモード(×8ビットモード)41cが選択される。
外部端子Cnと信号端子との関係は図35に示す通りである。即ち、RS−MMCの外部端子C1は、DAT3端子、C5は、CLK端子、C7は、DAT0端子、C8〜C13は、それぞれDAT1、DAT2およびDAT4〜DAT7端子である。DAT0端子は、第0データ信号(DAT0)用の端子であり、DAT1〜DAT7端子は、第1〜第7信号用(DAT1〜7)の端子である。また、C2は、CMD信号用の端子であり、C3およびC6は、VSS端子であり、C4は、VCC端子である。
(ステップ4−4)CS信号のアサートも、SDモード(×4ビットモード)のCMD(起動コマンド)信号も、高速MMCモード(×8ビットモード)のCMD(起動コマンド)信号も入力されなかった場合には、標準MMCモード(×1ビットモード)41aが選択される。
外部端子Cnと信号端子との関係は図36に示す通りである。即ち、RS−MMCの外部端子C1は、RSV/CS端子、C5は、CLK端子、C7は、DAT端子である。RSV/CS端子は、リザーブ信号(RSV)用の端子もしくはCS信号用の端子である。また、C2は、CMD信号用の端子であり、C3およびC6は、VSS端子であり、C4は、VCC端子である。
このように本実施の形態のICカードによれば、プルダウン検出部35、モードコントローラ33、およびUSBモードI/Fコントローラ37やMSモードI/Fコントローラ39等、他規格のメモリのI/Fコントローラを設けたので、他規格のメモリとして使用することができる。
また、このようなコントローラIC17を装着される基本ICカード内に組み込んだので、アダプタにコントローラを設ける必要がなく、アダプタのコスト低減を図ることができる。
例えば、アダプタ側に他規格へのモード切り替え機能(35、33、37、39等)を設けることも可能であるが、この場合、アダプタ側にも半導体チップ(IC)を設ける必要があり、コスト高となる。
しかしながら、本実施の形態のようにプルダウン検出部およびモードコントローラをICカード内に設けておけば、アダプタ側には、配線や抵抗等、容易に、また、安価に形成できる素子を設けるだけで他規格のメモリとの互換性を図ることができる。
なお、本実施の形態においては、他規格のメモリとしてSDカード、MSカード、USB対応メモリを例に説明したが、この他の規格との互換性を図るI/Fコントローラを設けてもよい。また、互換性を図る他の規格の数は、3つに限られず、2以上であればよい。
また、本実施の形態によれば、USB型アダプタやMS型アダプタにプルダウン用の抵抗を設けたが、抵抗を用いるアダプタ種は適宜変更可能である。
また、本実施の形態においては、プルダウンを例に説明したが、プルアップでもよく、抵抗を介することによる電位の変化を適宜信号として利用することができる。また、検出部としてアダプタ側の外部端子であって、信号端子とならない端子間のショートの有無を判定する検出部を設けてもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1で説明したRS−MMCカードのアダプタへの装着方向およびアダプタ側の内部端子形状について説明する。
(1)図37は、RS−MMC1を、実施の形態1において例えば図8を参照しながら説明したように、アダプタADの短辺方向から挿入する場合の、アダプタ側の内部端子形状を示す斜視図である。
図示するように、アダプタADにRS−MMC1を挿入した際、RS−MMCの外部端子Cnは、アダプタADの内壁に形成された内部端子BCnと接続される。この内部端子BCnは、バネ式の端子で、その平面パターンは、略矩形状であり、内部端子の長辺は、RS−MMCの挿入方向(アダプタおよびRS−MMCの長辺が延びる方向)に延在する。また、内部端子BCnは、RS−MMCの長辺が延びる方向に沿った断面が山形(凸型)となっている。
このように、アダプタ側の内部端子BCnをカードの挿入方向に長い端子とし、または、アダプタ側の内部端子BCnを山形とすることで、RS−MMCの抜き差しの際にアダプタの内部端子およびRS−MMCの外部端子に加わる応力を低減することができ、RS−MMCの外部端子との接着を確実にすることができる。なお、図中の破線は、RS−MMCの外部端子の当接領域を示す(図40および図41において同じ)。
実施の形態1において説明した図13(SD型アダプタ内にRS−MMCを装着した際の要部平面図)および図20(MS型アダプタ内にRS−MMCを装着した際の要部平面図)に、本実施の形態の内部端子BCnを配置した場合の要部平面図をそれぞれ図38および図39に示す。
(2)図40は、RS−MMC1を、実施の形態1において例えば図10を参照しながら説明したように、アダプタADの長辺方向から挿入する場合の、アダプタ側の内部端子形状を示す斜視図である。
図示するように、アダプタ側の内部端子BCnは、その平面パターンは、略矩形状であり、内部端子の長辺は、RS−MMCの挿入方向(アダプタおよびRS−MMCの短辺が延びる方向)に延在する。また、内部端子は、RS−MMCの短辺が延びる方向に沿った断面が山形となっている。
この場合も、アダプタ側の内部端子BCnをカードの挿入方向に長い端子とし、または、アダプタ側の内部端子BCnを山形とすることで、RS−MMCの抜き差しの際にアダプタの内部端子およびRS−MMCの外部端子に加わる応力を低減することができ、RS−MMCの外部端子間の接着を確実にすることができる。また、この場合、内部端子BCn間の間隔を確保しやすい。
(3)図41は、RS−MMCを、実施の形態1において例えば図9を参照しながら説明したように、RS−MMC1をアダプタADの表面から挿入する場合の、アダプタ側の内部端子形状およびその装着工程を示す斜視図である。
図示するように、アダプタ側の内部端子BCnは、その平面パターンは、略矩形状であり、内部端子の長辺は、RS−MMCの短辺が延びる方向に延在する。また、内部端子は、RS−MMCの短辺が延びる方向に沿った断面が山形となっている。
なお、この場合、アダプタ側には、引っかけ爪91およびロック爪93が設けられており、これらの爪によりRS−MMC1を確実に固定することができる。
なお、(1)〜(3)で説明したアダプタ側の内部端子BCnは、RS−MMCの13の端子のすべてに対応させて配置してもよいが、モードによって使用しない端子には、対応する内部端子を配置しなくてもよい。
また、本実施の形態のアダプタADの形状は、SD型アダプタ、MS型アダプタ、MSDuo型アダプタおよびUSB型アダプタのいずれでも良い。
また、本実施の形態で説明した内部端子BCnは、例えば、端部を山形に加工した金属短冊片の平坦面をアダプタ内の配線基板にはんだなどを用いて接着固定し、かつ前記固定された側と反対側の端部を固定されていない自由端とすることで、RS−MMCの外部端子Cn(n:1〜13)に押圧力を加えることのできる形状もしくは機構を有するように形成するのが好ましい。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、実施の形態1で説明したRS−MMCカードの各種アダプタの販売セット(販売キッド)について説明する。
(1)図42は、RS−MMC1および各種アダプタのセットを示す、斜視図である。
図示するように、RS−MMC1と、SD型アダプタ50、MS型アダプタ60、MSDuo型アダプタ70およびUSB型アダプタ80をセットとして顧客に提供することができる。
この際、セット内のRS−MMCを複数個(×N)としてもよい。また、図6を参照しながら説明したエクステンダー9をセット内に含めてもよい。
このように、RS−MMCと各種アダプタをセットで顧客に提供することにより、SDカード、MSカードもしくはUSB対応メモリの需要にも応えることができ、また、多種の電子装置に対応することができる。また、多種の電子装置間のデータ移動(書き込み、読み出し)に容易に対応することができる。
(2)また、図43に示すように、各種アダプタのみをセットとして提供してもよい。図43は、各種アダプタのセットを示す、斜視図である。
SD型アダプタ50、MS型アダプタ60、MSDuo型アダプタ70およびUSB型アダプタ80をセットとして顧客に提供することができる。この際、図6を参照しながら説明したエクステンダー9をセット内に含めてもよい。
このようなアダプタを使用することで、多種の電子装置に対応することができる。また、多種の電子装置間のデータ移動(書き込み、読み出し)に容易に対応することができる。また、RS−MMC1のユーザーの拡大を図ることができる。
(実施の形態4)
実施の形態1においては、アダプタ側に、配線や抵抗のみを設けたが、図44に示すように、モード判定コマンド用半導体チップCHを設けてもよい。
図44は、MS型アダプタ60の外部端子ACn(n:1〜10)、RS−MMC1の外部端子Cn(n:1〜13)およびこれらの外部端子を接続するMS型アダプタの配線等の関係を示す平面図である。
なお、MS型アダプタ60の外部端子ACnおよびRS−MMC1の外部端子Cnは、実施の形態1の(2)において図21を参照しながら説明したので、ここではその説明を省略する。また、外部端子ACnと外部端子Cnの接続関係についても、図21と同じ箇所については、その説明を省略し、異なる箇所についてのみ説明する。
図示するように、例えば、MS型アダプタの外部端子AC3とAC10との間には、半導体チップCHが接続され、また、半導体チップCHとAC10は、スイッチSt2を介して接続されている。また、半導体チップCHは、外部端子C13と接続されている。なお、このスイッチSt2は、MS型アダプタ60の裏面に設けられた機械的なスイッチであり、例えばスイッチの位置を機械的に変化させることにより、半導体チップCHとAC10とを導通状態とし(電気的に接続し)、もしくは非導通状態とする。
例えば、図45に示すフローチャートに従って、MSモードの書き込み可能モードもしくは書き込み禁止モードを選択することができる。
ステップ2およびステップ3以外は、実施の形態1において図30を参照しながら説明した手順に従って判断可能であるため、ここでは、ステップ2および3についてのみ説明する。
(ステップ2)書き込み可否決定用スイッチSt2が非導通状態の場合には、半導体チップCH中で書き込み可能モード用コマンドを発生し、外部端子C13に伝送する。書き込み可能モード用コマンドが入力された場合には、図7のモードコントローラ33によってMSモード(39)が選択され、さらに、書き込み可能モードとなる。
(ステップ3)書き込み可否決定用スイッチSt2が導通状態の場合には、半導体チップCH中で書き込み禁止モード用コマンドを発生し、外部端子C13に伝送する。書き込み禁止モード用コマンドが入力された場合には、図7のモードコントローラ33によってMSモードが選択され、さらに、書き込み禁止モードとなる。
次いで、外部端子C13から応答がない場合には、図30中のステップ4に進む。
このように、図7中のプルダウンの検出部35を設けず、アダプタ側の半導体チップCHから伝送されるコマンドの有無でモードの切り替えを行ってもよい。
このような場合、実施の形態1で説明したアダプタと比較し、半導体チップCH分のコストアップが生じる。
一方、このようなコマンド発生機構をホスト(電子機器)側に設け、モードの切り替えを行ってもよい。
しかしながら、このようなホスト対応に比べ本実施の形態のICカードおよびアダプタの方が、適用ホストの制限がなく、汎用性を高めることができる。
また、半導体チップCHに要求される機能はコマンド発生機構のみであるという風に、機能を低く抑えることで、半導体チップ自身のコストを抑えることが可能となる。
具体的には、ICカードの書き込みや読み出しに用いる回路、例えば、各種モードのI/Fコントローラ、等を構成する、複雑、大規模な回路はRS−MMC側(RS−MMC内のコントローラ)に設けるられているので、アダプタの半導体チップCHはこれらを必要としない。
また、単なるコマンド発生回路のみであれば、これらを構成する回路が単純で、これらを有する半導体チップCHを比較的安価に形成することが可能であるため、アダプタ側の半導体チップCH内に搭載してもアダプタを安価にできる。
また、各種アダプタで共通する機能(どのアダプタにも必要な機能)であって、単純な回路は、アダプタ側の半導体チップCH内に搭載することが好ましい。各種アダプタで半導体チップCHを共通化できる場合には、半導体チップCHのコストの低減を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、MS型アダプタに半導体チップCHを設けたが、半導体チップCHを用いるアダプタ種は適宜変更可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。