JP4777888B2 - 相異なる複数の通信システムを共存可能にするための端末装置 - Google Patents

相異なる複数の通信システムを共存可能にするための端末装置 Download PDF

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Description

本発明は、通信ネットワーク上でデータを送受信するための端末装置に関し、より特定的には、相異なる複数の通信システムを有する通信ネットワーク上でデータを送受信するための端末装置に関する。
従来、複数の端末間でデータをパケットによって伝送する通信システムとして、無線LANシステムや電灯線通信システムが実用化されている。無線LANシステムとして、2.4GHz帯を利用するIEEE802.11や、IEEE802.11b、IEEE802.11gが規格標準化されている。これらの無線LANシステムは、異なる変調方式を採用することによって、仕様を拡張する毎に、通信速度を向上させている。さらに、これらの無線LANシステムは、異なる規格のシステムが共存し相互接続できるように規格化されている。
IEEE802.11では、DCF(Distributed Coordination Function )と呼ばれているアクセス制御を、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式を用いて実現することによって、自立分散的なアクセス制御が実現されている。CSMA/CA方式において、信号の送信を試みようとする端末は、他の端末が送信している信号と送信した信号とを衝突させないために、信号の送信に先立って無線チャネルの使用状況を確認(キャリアセンス)し、無線チャネルが未使用(アイドル)であればただちに信号を送信し、無線チャネルが使用中(ビジー)であれば無線チャンネルがアイドルになるまで送信を延期する。
無線チャネルがアイドル状態であるか否かを判定するために、IEEE802.11では、IFS(Inter Frame Space:フレーム間隔)が規定されている。信号の送信を試みようとする端末は、規定されたIFS時間以上に渡って、無線チャネルに信号が検出されない場合は、アイドルであると判定する。IFSは固定長で規定されているが、IFSの長さを複数定義して、端末の優先度に応じた長さのIFSを端末に割り当てることによって、端末やフレームの優先度が制御される。
図36は、IFSによる優先度の制御を説明するための図である。優先度に応じて、長さの異なるIFS(SIFS,PIFS,DIFS)がフレームに割り当てられている。SIFS,PIFS,DIFSの順番で、フレームの優先度が高くなる。例えば、短いIFSが割り当てられているフレームを送信したい端末は、アイドル状態であるか否かを判断する時間が短くて済む。従って、短いIFSが割り当てられているフレームは、優先度が低いフレームに比べて、早く送信される。よって、優先度が高いフレームは、優先度が低いフレームに比べて、送信の機会が多くなる。
無線チャンネルがビジー状態である場合、端末は、無線チャンネルがアイドルになるまで待機し、アイドルになったら、その後の衝突回避のために、バックオフアルゴリズムを実行する。バックオフアルゴリズムとは、複数の端末が同時に送信を開始することによってパケットが衝突するのを回避するためのアルゴリズムである。パケット衝突の確率が最も高くなる時間は、ある端末が送信完了し、無線チャネルがビジー状態からアイドル状態に変わった直後である。これは、アイドル状態になったことを認識した送信待機状態であった端末が一斉に信号の送信を開始するからである。
図37は、従来のCSMA/CA方式によるアクセス制御方法を説明するための図である。以下、図37を参照しながら、バックオフアルゴリズムを適用したCSMA/CA方式によるアクセス制御方法について説明する。
アクセスポイントAP及び局STA1,STA2,STA3は、常時キャリアセンスを実行し、無線チャネルの使用状況を監視している。ここでは、IFSとして、DIFS(Distributed IFS )が用いられているとする。無線チャネルがビジー状態である場合、各局は、ゼロからCW(Contention Window:バックオフアルゴリズムにおいてゼロから一様分布の乱数を発生させる範囲)の範囲内で乱数を発生する。そして、各局は、発生した乱数に基づいて、バックオフタイムを決定する。その後、各局は、無線チャネルがアイドル状態の間に、バックオフタイムを減少させていき、減少後のバックオフタイムがゼロになった時点で、パケットの送信を開始する。図37では、アクセスポイントAPのバックオフタイムが最初にゼロになったので、アクセスポイントAPがパケットを送信する。残り時間がゼロになる前に他の端末が送信を開始した場合には、残りの局(図37では、局STA1,STA2,STA3)は、再び送信待機状態となり、無線チャネルがアイドル状態になった時点から、残りのバックオフタイムを再び減少させる。再び残りのバックオフタイムを減少させることによって、図37では、局STA2のバックオフタイムが最初にゼロになったので、局STA2がパケットを送信する。なお、無線チャネルがアイドル状態になるまでの時間は、NAV(Network Allocation Vector )値として送信パケットのヘッダに格納されている。送信待機状態の端末は、送信パケットに格納されているNAVの値に符合する時間だけ待てば、次のアイドル時間を知ることができる。NAV値は、パケットを構成するデータ長や送信に使用する変調速度により変化する。
IEEE802.11のバックオフアルゴリズムは、「2進指数バックオフアルゴリズム」と呼ばれる。発生する乱数の範囲CWは、最小値CWmin、及び最大値CWmaxというパラメータによって与えられる。初回の乱数発生時には、CWの値は、CWminに設定される。再送回数が増えるにつれて、CWの値は、2倍づつ増加する。CWの値がCWmaxに達した後、CWは、一定値となる。このように、再送回数が増えるにつれてCWの値が大きくなる。すなわち、トラフィックが多くなり込み合うにつれて、選択されるバックオフタイムのバリエーションが増えることとなる。よって、データの衝突が回避されやすくなる。
パケットを正常に受信した局は、受信完了時からSIFS(Short IFS)間隔後に、送信元へACK(ACKnowledgement )信号を返す。SIFSは、IFSの中でもっとも短い。従って、ACK信号は、最優先で送信されることになる。パケットを送信した端末は、データの送信完了後、規定時間内にACK信号が返ってこない場合には、送信に失敗したと判断し、パケットを再送する。
IEEE802.11の物理レイヤは、PMD(Physical Medium Dependent )副層とPLCP(Physical Layer Convergence Protocol )副層とに分かれている。PLCP副層は、PMD副層とMACレイヤとの間に位置しており、PMD副層で規定されている3種類の変復調方式の違いを吸収することで、MACレイヤと物理レイヤとの間のインタフェースを統一化する。IEEE802.11b規格は、従来のIEEE802.11規格におけるDS−SS方式を拡張した位置づけであり、後方互換性を保つ。IEEE802.11b規格では、伝送速度として、DS−SS方式の1Mbps及び2Mbpsに加えて、5.5Mbps及び11Mbpsが規定されている。DS−SS方式は、スペクトル拡散変調に11ビットのバーカー(Barker)符号を用いる。IEEE802.11b規格では、コンプリメンタリコードを使ったCCK方式を追加することによって、高速化が実現されている。IEEE802.11bでは、4種類の伝送速度が規定されている。IEEE802.11bでは、プリアンブル部及びヘッダ部の伝送速度は1Mbpsに固定されている。ヘッダ領域内には、データ部分で使用する伝送速度の情報が設定されている。これによって、受信側でデータが正しく復調できるようにしている。
図38は、従来のIEEE802.11bにおけるパケットの構成を示す図である。図38において、“SYNC”は、同期信号を示すためのフィールドである。“SFD”は、フレームの開始及び物理層の先頭を示すためのフィールドであり、“Start Frame Delimiter”の略語である。これらによって、PLCPプリアンブル部が構成される。
“SIGNAL”は、データ部の伝送速度を示すためのフィールドである。“SERVICE”は、高速変調方式を識別するためのフィールド(CCK、PBCC)である。“LENGTH”は、データを送信する時間(mS単位)を示すフィールドである。“CRC”は、巡回冗長検査符号を示すためのフィールドである。これらによって、PLCPヘッダ部が構成される。
PLCPプリアンブル部とPLCPヘッダ部とが合わさって、ロングプリアンブルが構成される。
“MPDU”は、MACプロトコルデータユニットであり、データを格納するためのフィールドである。データは、1MbpsDBPSK(バーカー符号による拡散)、2MbpsDBPSK(バーカー符号による拡散)、5.5Mbps又は11MbpsのCCK変調のいずれかによって変調されている。
“PPDU”は、PHYプロトコルデータユニットである。
図39は、IEEE802.11、802.11b、802.11gにおけるパケットの構成を示す図である。これらは、ともにDS変調された1Mbpsのプリアンブルを先頭に持つ。プリアンブルは、DS変調されているので、いずれの規格を用いる端末でも認識可能である。データは、宛先の端末が属する規格に応じて、DS変調、CCK変調又はOFDM変調される。これにより、共存性及び互換性が維持される。
電灯線通信システムとして、HomePlug1.0が米国のHomePlugアライアンスにおいて策定され、実用化されている(Yu-Ju Lin他, A Comparative Performance Study of Wireless and Power Line Networks, IEEE Communication Magazine April2003 p54-p63.参照)。当該電灯線通信システムでは、宅内の電灯線を利用して14Mbpsの通信を実現する。
図40は、HomePlug1.0のフレーム構成及びプロトコルを示す図である。図40において、“CIFS”は、IEEE802.11の“DIFS”と同様、フレーム間ギャップである。“Priority Resolution0”及び“Priority Resolution1”は、プライオリティ期間である。プライオリティ期間にシンボルを送信した端末は、送信しない端末より高い優先度であることを示す。2つのプライオリティ期間で4通りの優先度を示すことが可能である。最も高い優先度を示した端末群は、以降の“Contention”フェーズに移行できる。“Contention”フェーズでは、IEEE802.11におけるバックオフアルゴリズムと類似のアルゴリズムが実行され、衝突が回避される。“Contention”期間でもっとも早く送信を開始した端末が、以降のデータパケットを送信する。“Data”は、“プリアンブル”と“フレームコントロール”とを先頭に持つ。これらは、IEEE802.11のPLCPプリアンブル及びPLCPヘッダと類似の機能を有する。“フレームボディ”は、可変長であり、データ長と変調速度とに依存しており、313.5μSec〜1489.5μSecまで変化する。“フレームボディ”の長さにほぼ符合するビジー時間は、“フレームコントロール”中のNAV情報に格納されている。“フレームコントロール”を受信した端末は、NAVで示されたビジー時間だけ待って、次の送信におけるCIFSの計測を開始する。
以上に述べてきたように、従来のIEEE802.11、IEEE802.11b、IEEE802.11gは、プリアンブル部及びヘッダ部に共通のDS−SS方式を用い、データに対して高効率変調方式を適用することによって、互換性及び共存性を維持している。しかし、この方法では、物理レイヤの高速化に対し、上位レイヤにおけるデータ伝送のスループットの伸び率が非常に小さくなる。これは、物理レイヤの高速化に伴い、プリアンブル部及びヘッダ部の占める時間が相対的に長くなるためである。
図41は、プリアンブル部及びヘッダ部の占める時間が相対的に長くなることを説明するための図である。図41に示すように、IEEE802.11、IEEE802.11b、IEEE802.11gいずれの場合であっても、プリアンブルは、DS変調されているので、プリアンブルを送信するための時間は、同一である。一方、データは、IEEE802.11ではDS変調され、IEEE802.11bではCCK変調され、IEEE802.11gではOFDM変調される。従って、規格が拡張されるほど、プリアンブル部及びヘッダ部の占める時間が相対的に長くなる。
定量的な計算によると、IEEE802.11bでは、PHY速度が11Mbpsなのに対して、上位層のスループットは5Mbps程度である。しかし、仮にPHY速度が54Mbpsと約5倍に高速化されても、上位層のスループットは2倍の10Mbps程度となる(阪田徹(NTTアクセスサービスシステム研究所)著、Interface、Feb.2003、P43、図32、2003年2月1日発行、CQ出版社 参照)。特に、VoIP(Voice Over IP:IP電話等に利用されている音声通信)では、32kbps等少量のデータを定期的に送信するので、個々のパケットにおいてヘッダの占める割合は、さらに大きくなり、非常に効率が悪い。
IEEE802.11b以降の高速化された通信システムでは、IEEE802.11におけるDS−SS方式のパケットを受信できなければならない。従来方式と共存するためには、従来方式の送受信回路も実装している必要がある。従って、LSIの回路面積が増大しコストアップにつながるといったさらなる課題がある。特に、受信回路は、AGCやAD変換回路、復調回路、誤り訂正回路等、コストに対して大きな影響をコンポーネントを備える必要がある。
それ故に、本発明の目的は、上位層でのスループットを低下させることなく相異なる複数の通信システムを共存させることができる端末装置を提供することである。また、本発明のさらなる目的は、従来方式の受信回路を備えることなく相異なる複数の通信システムを共存させることができる端末装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、相異なる複数の通信システムを備えることができる通信ネットワークに接続可能な端末装置であって、フレームの送信を抑制させたい抑制対象通信システムで用いられるフレームの先頭部分の少なくとも一部を、共存ヘッダとして生成する共存ヘッダ生成部と、共存ヘッダ生成部によって生成された共存ヘッダを、抑制対象通信システムに属する相異なる端末装置で受信可能なように送信する共存ヘッダ送信部と、共存ヘッダを送信するタイミングを決定するための共存ヘッダ送信タイミング決定部と、共存ヘッダ生成部が生成した共存ヘッダを共存ヘッダ送信部に共存ヘッダ送信タイミング決定部によって決定されたタイミングで送信させる通信制御部とを備える。
本発明によれば、共存ヘッダが送信されることによって、抑制対象通信システムをビジー状態にすることができる。結果、本発明の端末装置が属する通信システム上の端末装置は、従来のように、フレームの送信毎に抑制対象通信システムの低速なヘッダ等を送信しなくても、通信媒体を占有することができる。これにより、抑制対象通信システムの低速なヘッダ等が通信媒体を占める時間的割合が低減するので、上位層でのスループットを低下させることなく相異なる複数の通信システムを共存させることが可能となる。
好ましくは、複数の通信システムの内、自装置が属する通信システムでは、制御フレームに従って通信ネットワーク上の通信媒体へのアクセスが制御されており、制御フレームには、共存ヘッダが送信されるタイミングに関する情報が記載されており、共存ヘッダ送信タイミング決定部は、制御フレーム内で記載される情報に従って共存ヘッダを送信するタイミングを決定するとよい。
これによれば、制御フレーム内に共存ヘッダを送信するタイミングが記載されているので、制御フレームに従って通信媒体のアクセスを制御する被制御端末は、共存ヘッダを受信する機能を備えていなくても、抑制対象通信システムにおいてフレームの送信が抑制さえている期間を認識することができる。従って、従来方式の受信回路を備えることなく相異なる複数の通信システムを共存させることができる。
好ましくは、複数の通信システムの内、自装置が属する通信システムでは、制御フレームに従って通信ネットワーク上の通信媒体へのアクセスが制御されており、共存ヘッダ送信タイミング決定部は、制御フレームが送信される周期内において、予め決められた規則に従って、共存ヘッダを送信するタイミングを決定するとよい。
制御フレームが送信される周期内において、共存ヘッダが送信されるタイミングが予め規定されていることとなるので、制御フレームに従って通信媒体のアクセスを制御する被制御端末は、共存ヘッダを受信する機能を備えていなくても、抑制対象通信システムにおいてフレームの送信が抑制さえている期間を認識することができる。従って、従来方式の受信回路を備えることなく相異なる複数の通信システムを共存させることができる。また、予め決められた規則に従って共存ヘッダが送信されるので、共存ヘッダが送信されるタイミングを前回のタイミングから認識することができるので、エラーに強い端末装置が提供されることとなる。
好ましくは、共存ヘッダ生成部は、共存ヘッダに、抑制対象通信システムを使用する時間を示すネットワークアロケーションベクトル情報を含ませるとよい。
これにより、抑制対象通信システムにおけるフレームの送信を所望の期間抑制することができる。
好ましくは、共存ヘッダ送信タイミング決定部は、共存ヘッダに含まれるネットワークアロケーションベクトル情報に基づくネットワーク使用時間以内に、次の共存ヘッダを送信するタイミングが到来すると決定するとよい。
これにより、抑制対象通信システムにおけるフレームの送信を連続的に抑制することができる。
好ましくは、ネットワークアロケーションベクトル情報は、指定可能な最大値であるとよい。
これにより、抑制対象通信システムにおけるフレームの送信を最大の期間抑制することができ、共存ヘッダを送信する回数を低減することができる。従って、フレーム送信において、共存ヘッダの占める割合を最小にすることができる。よって、特にVoIPのようなショートパケットを連続的に送信するような場合に、顕著な効果を得ることができる。
好ましくは、送信すべきデータをフレーム化して送信するフレーム送信部をさらに備え、通信制御部は、フレーム送信部によるフレームの送信を制御しており、フレーム送信部によるフレームの送信中に、共存ヘッダ送信タイミング決定部によって決定された共存ヘッダを送信するタイミングが到来したら、フレーム送信部にフレームの送信を中断させ、共存ヘッダを共存ヘッダ送信部に送信させ、共存ヘッダの送信が完了したら、フレームの送信をフレーム送信部に再開させるとよい。
これにより、共存ヘッダが送信されるタイミングに影響されることなく、大きなサイズのフレームの送信が可能となる。結果、共存ヘッダの送信回数を低減することができ、伝送効率が向上することとなる。
好ましくは、通信制御部は、共存ヘッダ送信部に共存ヘッダを送信させないことによって、抑制対象通信システムに対して、フレーム送信の機会を与えるとよい。
これにより、抑制対象通信システムでのフレーム送信も可能となる。例えば、共存ヘッダによる抑制対象通信システムの抑制制限が切れても、次の共存ヘッダを送信しないことによって、抑制対象通信システムでのフレーム送信が可能となる。
好ましくは、通信制御部は、通信システムにフレーム送信の機会を与えた後、再びフレームの送信を抑制させたければ、共存ヘッダ送信部に共存ヘッダを送信させるとよい。
これにより、再び抑制対象通信システムでのフレームの送信を抑制することができる。
好ましくは、通信制御部の指示に応じて、自装置及び他の端末装置の両方が属する通信システム上の他の端末装置にフレームを送信するフレーム送信部をさらに備え、通信制御部は、抑制対象通信システムにおいてフレームの送信が抑制されている時間に関する情報を含む通知フレームをフレーム送信部に送信させるとよい。
これにより、被制御端末は、抑制対象通信システムのヘッダ等を検出する機能を備えていなくても、抑制対象通信システムが抑制されている期間を認識することができ、抑制されている間、フレームの送受信に必要な処理を実行することができる。
好ましくは、抑制対象通信システムでは、送受信されるフレームに優先度が設定されており、共存ヘッダ生成部は、共存ヘッダに対して、抑制対象通信システムにおいて最も高い優先度を設定するとよい。
これにより、より高い確率で抑制対象通信システムでのフレームの送信を抑制することが期待できる。
好ましくは、さらに、他の通信システムの存在を検出する他システム検出部と、他システム検出部によって他の通信システムが検出された場合、他の通信システムを抑制対象通信システムとして、抑制対象通信システムに属する他の端末装置によるフレームの送信を抑制する共存動作モードに自装置を切り替え、他システム検出部によって他の通信システムが検出されなかった場合、他の端末装置によるフレームの送信を抑制しない独立動作モードに自装置を切り替える動作モード切替部とを備え、通信制御部は、共存動作モードである場合のみ、共存ヘッダを送信させるとよい。
これにより、他の通信システムが存在する場合のみ、共存ヘッダが送信されることとなる。従って、他の通信システムが存在しない場合の伝送効率が向上する。
好ましくは、有限通りの共存ヘッダを保持している共存ヘッダ記憶部をさらに備え、共存ヘッダ生成部は、共存ヘッダ記憶部を参照して共存ヘッダを生成するとよい。
これにより、共存ヘッダを送信するための構成を簡略化することができ、引いては端末装置の回路規模の縮小が期待できる。
例えば、共存ヘッダ記憶部は、ただ一通りの共存ヘッダのみを保持している。
これにより、共存ヘッダの内容を一定化することができ、メモリ量の削減及び構成の簡略化を図ることができる。
好ましくは、共存ヘッダは、抑制対象通信システムにおけるフレーム内のプリアンブル及び/又はヘッダであるとよい。
また、本発明は、相異なる複数の通信システムを備えることができる通信ネットワークに接続可能であり、フレームの送信を抑制させたい抑制対象通信システムで用いられるフレームの先頭部分の少なくとも一部を、共存ヘッダとして送信する制御端末と通信可能である被制御端末装置であって、送信すべきデータをフレーム化して送信するフレーム送信部と、フレーム送信部によるフレームの送信を制御する通信制御部とを備え、通信制御部は、フレーム送信部によるフレームの送信中に、制御端末によって共存ヘッダが送信されるタイミングが到来したら、フレーム送信部にフレームの送信を中断させ、共存ヘッダの送信が完了したら、フレームの送信をフレーム送信部に再開させる。
これにより、被制御端末装置は、抑制対象通信システムで用いられるヘッダ等を受信する機能を有していなくても、フレームの送信が抑制されている期間を認識することができ、自通信システムにおけるフレーム送受信処理を実行することができる。
また、本発明は、相異なる複数の通信システムを備えることができる通信ネットワーク内における一つの通信システムであって、フレームの送信を抑制させたい抑制対象通信システムで用いられるフレームの先頭部分の少なくとも一部を、共存ヘッダとして生成し、生成した共存ヘッダを抑制対象通信システムに属する端末装置で受信可能なように送信する制御端末と、制御端末によって共存ヘッダが送信されるタイミングを予め認識しており、当該認識内容に従って、制御端末から共存ヘッダが送信されたか否かを判断し、制御端末から共存ヘッダが送信された後、通信ネットワーク上の通信媒体へのアクセスを実行する被制御端末とを備える。
これにより、抑制対象通信システムのヘッダ等を送信することができる端末装置は、制御端末だけでよく、被制端末は、抑制対象通信システムのヘッダ等を送信できなくてもよい。よって、通信システムに要する端末コストを低減することができる。
好ましくは、被制御端末は、制御フレーム内に記載されている情報に基づいて、共存ヘッダが送信されるタイミングを予め認識するとよい。
好ましくは、被制御端末は、予め決められた規則に基づいて、共存ヘッダが送信されるタイミングを予め認識するとよい。
また、本発明は、相異なる複数の通信システムを共通の通信媒体上で共存させるための方法であって、複数の通信システムの内、フレームの送信を抑制させたい抑制対象通信システムで用いられるフレームの先頭部分の少なくとも一部が、共存ヘッダとして生成されるステップと、生成された共存ヘッダが抑制対象通信システムに属する端末装置で受信可能なように送信されるステップとを備える。
また、本発明は、相異なる複数の通信システムを備えることができる通信ネットワークに接続可能な端末装置で用いられる集積回路であって、フレームの送信を抑制させたい抑制対象通信システムで用いられるフレームの先頭部分の少なくとも一部を、共存ヘッダとして生成する共存ヘッダ生成部と、共存ヘッダ生成部によって生成された共存ヘッダを、抑制対象通信システムに属する相異なる端末装置で受信可能なように送信する共存ヘッダ送信部と、共存ヘッダを送信するタイミングを決定するための共存ヘッダ送信タイミング決定部と、共存ヘッダ送信タイミング決定部によって決定されたタイミングで、共存ヘッ
ダ生成部が生成した共存ヘッダを、共存ヘッダ送信部に送信させる通信制御部とを備える。
以上のように、本発明によれば、互換性のない変調方式等を使用する複数の通信システムが通信媒体上に存在する場合に、オーバーヘッドを最小限に抑えながら他の通信ネットワークに属する端末装置の送信を抑制又は制御することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る端末装置が適用される通信ネットワーク全体の構成例を示す図である。当該通信ネットワークは、相異なる複数の通信システムを備えることができる。本発明の実施形態に係る端末装置は、当該通信ネットワークに接続可能である。図1では、相異なる複数の通信システムとして、互いに互換性のない変調方式を利用する通信システムAと通信システムBとが当該通信ネットワークに備えられているとしている。例えば、通信システムAと通信システムBとは、互いに互換性のない変調方式を同一の周波数帯域で使用する。通信システムAと通信システムBとは、通信媒体101を共有しているとする。通信システムBは、通信システムAに属する端末装置によってフレームの送信を抑制される抑制対象通信システムである。図1において、円で示されている端末装置111,112及び113は、通信システムAに属している。図1において、六角形で示されている端末装置121,122及び123は、通信システムBに属している。なお、本発明の実施形態では、互いに互換性のない変調方式を利用する通信システムは、A及びBの二つであるとするが、三つ以上であってもよい。また、各通信システムに属する端末装置の数は、図1に示した例に限られない。
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る端末装置111,112,113の機能的構成を示すブロック図である。本発明の実施形態において、端末装置111,112,113は、いずれも、制御端末ともなり得るし、被制御端末ともなり得るとしている。従って、端末装置111,112,113は、制御端末として必要な機能と被制御端末として必要な機能とを備えている。ゆえに、端末装置111,112,113は、それぞれ同様の機能的構成を有している。ただし、端末装置111,112,113の内、少なくとも一つの端末装置が制御端末として機能していればよいので、制御端末として機能する専用の端末装置を用いるのであれば、被制御端末は、制御端末としての機能を備えていなくてもよい。本発明における端末装置には、制御端末及び被制御端末として機能する端末装置も、制御端末としてのみ機能する端末装置も、被制御端末として機能する端末装置も含まれているものとする。
図2において、端末装置111,112,113は、フレーム生成部201と、フレーム送信部202と、通信制御部203と、伝送I/F部204と、フレーム受信部205と、共存ヘッダ生成部206と、共存ヘッダ送信部207と、共存ヘッダ送信タイミング決定部208とを備える。
フレーム生成部201は、送信データをフレーム化する。フレーム送信部202は、フレーム生成部201によって得られたフレームを伝送I/F部204を介して、通信媒体101に送信する。通信制御部203は、フレームの送信タイミングを決定する。フレーム受信部205は、伝送I/F部204で受信されたフレームを処理して、受信データを抽出する。フレーム生成部201、フレーム送信部202、通信制御部203、伝送I/F部204及びフレーム受信部205によるフレームの送受信に関する構成は、一般的な端末装置の構成と同様である。
上記構成に加えて、第1の実施形態では、通信システムAと通信システムBとが同一通信媒体上で共存するために、通信システムAに属する端末装置111,112,113は、共存ヘッダ生成部206と、共存ヘッダ送信部207と、共存ヘッダ送信タイミング決定部208とをさらに備える。
共存ヘッダ生成部206は、フレーム送信部202によるフレームの送信に先立って、通信システムBに属する端末装置121,122,123による送信を抑制するために、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを生成する。共存ヘッダ生成部206によって通信システムBのプリアンブル及びヘッダが生成される際、通信制御部203は、フレームを送信するのに必要な時間を、共存ヘッダ生成部206に通知する。これに応じて、共存ヘッダ生成部206は、通信システムBに属する端末装置による送信を抑制する時間を決定し、通信システムBのプリアンブル及びヘッダ内に必要な情報を設定する。共存ヘッダ生成部206によって生成された通信システムBのプリアンブル及びヘッダは、共存ヘッダ送信部207に送られる。共存ヘッダ送信部207は、通信システムBの変調方式を用いる。すなわち、共存ヘッダ送信部207は、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを通信システムBに属する端末装置で受信可能なように送信することができる。
以下、共存ヘッダ生成部206によって生成される通信システムBのプリアンブル及びヘッダを、共存ヘッダと呼ぶ。図3Aは、通信システムBで用いられるフレームの構成を示す図である。以下、図3Aを参照しながら、共存ヘッダについて説明する。図3Aに示すように、通信システムBで用いられるフレームには、先頭部分にプリアンブル及びヘッダが格納されている。共存ヘッダ生成部206は、フレームの先頭部分と同じ構成を有するデータを共存ヘッダとして生成する。すなわち、共存ヘッダは、通信システムBのプリアンブル及びヘッダから構成される。なお、共存ヘッダは、通信システムBでの送信を抑制することさえできればよいので、通信システムBで用いられるフレームの先頭部分の少なくとも一部から構成されていればよい。例えば、共存ヘッダは、通信システムBのプリアンブルのみであってもよいし、通信システムBのヘッダのみであってもよい。例えば、プリアンブルには、フレームの先頭を検出するためのユニークなパターンが記載されている。通信システムBに属する端末装置が、プリアンブルを受信したがヘッダを受信しなかった場合、所定の期間、通信を行わないと規定されている場合、共存ヘッダは、通信システムBのプリアンブルのみでよい。また、ヘッダには、送信されるデータの量や変調方式等のデータ受信のために必要な情報が記述されている。通信システムBに属する端末装置が、ヘッダに記述されているデータの量に対応する時間、通信を行わないと規定されている場合、共存ヘッダは、通信システムBのプリアンブル及び/又はヘッダであるとよい。共存ヘッダに記載されている情報は、抑制対象である通信システムBの規定内容に応じて、様々に変形される。
共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダを送信するタイミングを決定する。共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、決定したタイミングに基づいて、フレーム送信部202と共存ヘッダ送信部207とを切り替える。共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダを送信するタイミングが到来したら、通信制御部203に通知する。それに応じて、通信制御部203は、共存ヘッダ生成部206に共存ヘッダを生成させ、共存ヘッダ送信部207に共存ヘッダ生成部206が生成した共存ヘッダを送信させる。共存ヘッダ送信部207から送信された共存ヘッダは、伝送I/F部204を介して、通信媒体101に送信される。
図3Bは、第1の実施形態における端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャートである。
通信システムAに属する端末装置111,112及び113の内、端末装置111は、制御端末であり、周期時間TB毎にビーコンを送信する機能と、共存ヘッダを送信する機能とを有している。端末装置111が送信するビーコンには、次のビーコンが送信されるまでの間に、端末装置111が共存ヘッダを送信するタイミングに関する情報が記載されている。通信システムAでは、ビーコンに従って通信媒体101へのアクセスが制御される。なお、ここでは、端末装置による通信媒体へのアクセスはビーコンによって制御されていることとした。しかし、通信媒体へのアクセスを制御することができれる制御フレームが送信されるのであれば、ビーコンに限るものではない。
図4は、端末装置111が送信するビーコンのフォーマットの一例を示す図である。図4では、共存ヘッダの送信タイミングに関係する部分が例示されている。ビーコンには、共存ヘッダの送信タイミングを示すために、2種類のフィールドが用意されている。なお、図4では、各フィールドのビット幅が例示されているが、ビット幅は、例示されたものに限られない。CoexistHeaderNumフィールドは、次のビーコン送信までに共存ヘッダを送信する回数を示すフィールドである。CoexistHeaderNumフィールドの後には、CoexistHeaderNumフィールドに記載された値に等しい数のCoexistHeaderTimeフィールドが続く。CoexistHeaderNumフィールドの値がNであれば、CoexistHeaderTime1フィールドからCoexistHeaderTimeNフィールドまでが用意される。各CoexistHeaderTimeフィールドには、共存ヘッダを送信する時刻が記載されている。
図5は、図4に示すフォーマットを利用して、端末装置111が実際に送信するビーコンの例を示す図である。図5に示す例では、CoexistHeaderNumフィールドの値として3が格納されている。これは、次のビーコン送信までに共存ヘッダを3回送信することを表している。続くCoexistHeaderTime1フィールドからCoexistHeaderTime3フィールドには、それぞれt21、t22、及びt23が格納される。これらは、それぞれ、一回目、二回目、及び三回目の共存ヘッダの送信タイミングを、ビーコン送信時からの経過時刻によって表している。
図5に示すビーコンを用いて、各端末装置が通信媒体101にアクセスする様子を、図3Bを参照しながら説明する。時刻331において、通信システムAの端末装置111は、図5に示すビーコン301を送信する。図5に示すビーコンで記載される情報に従って、端末装置111は、ビーコン301を送信した時から時間t21だけ経過した時刻332において、共存ヘッダ311を送信する。これにより、通信システムBに属する端末装置121,122,123は、共存ヘッダ311を受信することとなるので、通信媒体101がビジー状態であると認識することとなる。従って、通信システムBに属する端末装置による送信が抑制される。ゆえに、通信システムAに属する端末装置は、通信システムAで定められた手順に従って媒体アクセス制御を行うことができる。ここでは、端末装置112がフレーム321を送信している。
続いて、ビーコン301が送信された時から時間t22だけ経過した時刻333において、端末装置111は、二度目の共存ヘッダ312を送信する。これによって、再度、通信システムBに属する端末装置による送信が抑制される。通信システムBに属する端末装置による送信が抑制されている間、通信システムAに属する端末装置は、通信システムAで定められた手順に従って媒体アクセス制御を行う。ここでは、端末装置111がフレーム322を、端末装置112がフレーム323を送信している。
続いて、ビーコン301が送信された時から時間t23だけ経過した時刻334において、端末装置111は、三度目の共存ヘッダ313を送信する。これによって、再度、通信システムBに属する端末装置による送信が抑制される。通信システムBに属する端末装置による送信が抑制されている間、通信システムAに属する端末装置は、通信システムAで定められた手順に従って媒体アクセス制御を行う。ここでは、端末装置113がフレーム324を送信している。
ビーコン301が送信された時からビーコン周期TBが経過した時刻335において、端末装置111は、再度、ビーコン302を送信する。
図6は、制御端末として機能する端末装置(図3Bに示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャートである。以下、図6を参照しながら、制御端末の動作について説明する。なお、図6において、制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図3Bに示した通信手順を実現することと直接関係のない処理は省略されている。
制御端末の動作が開始すると、制御端末は、ビーコンを送信するループ(ループ名:LOOP1)を開始する。ここでは、LOOP1には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP1には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP1において、制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202にビーコンを送信させる(ステップS101)。制御端末は、ビーコンを送信することによって、抑制対象である通信システムBのプリアンブル及びヘッダ(共存ヘッダ)を送信する時刻に関するリスト(図4参照)を通信システムA内の端末装置に通知する。ビーコン送信の後、制御端末は、共存ヘッダを送信するループ(ループ名:LOOP2)を開始する。LOOP2の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP2の処理は終了する。
LOOP2において、制御端末の共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、ビーコンに記載される情報に従って、現在の時刻が共存ヘッダを送信する時刻(図5におけるCoexistHeaderTime1〜Nで示される時刻)であるか否かを判断する(ステップS102)。共存ヘッダを送信する時刻でない場合、制御端末は、ステップS104の動作に進む。一方、共存ヘッダを送信する時刻である場合、共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、伝送I/F部204と共存ヘッダ送信部207とを接続するように切り替え、通信制御部203に対して、共存ヘッダを生成するように要求する。当該要求に応じて、通信制御部203は、共存ヘッダ生成部206に通信システムBのプリアンブル及びヘッダを生成させ、共存ヘッダ送信部207に通信システムBのプリアンブル及びヘッダを送信させ(ステップS103)、ステップS104の動作に進む。
ステップS104において、通信制御部203は、規定の手順に従ってフレームの送受信に関連する処理を実行する。ステップS104における処理は、通信システムAに規定されている手順に従った処理であるので、詳しくは省略する。例えば、通信システムAがCSMA/CD方式を採用している場合、ステップS104において、通信制御部203は、CSMA/CD方式に従って、フレームを送受信する。
ステップS104の後、通信制御部203は、ステップS102の動作に戻る。
図7は、ビーコンを送信しない被制御端末(図3Bに示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャートである。なお、図7において、被制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図3Bに示した通信手順を実現することと関係のない処理は省略されている。
端末装置112の動作が開始すると、被制御端末は、ビーコンを送信するループ(ループ名LOOP3を開始する。ここでは、LOOP3には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP3には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP3において、被制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205が受信したビーコンを受け取る(ステップS201)。ビーコンを受信すると、被制御端末は、共存ヘッダが送信されるのを待つループ(ループ名:LOOP4)を開始する。LOOP4の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP4の処理は終了する。
LOOP4において、通信制御部203は、ビーコン内のCoexistHeaderTimeをCoexistHeaderTime1から順に参照して、CoexistHeaderTimeで指定されている時間が到来するまでの間待機する(ステップS202)。ステップS202の後、端末装置112は、フレームの送受信に関連する処理を実行するためのループ(ループ名:LOOP5)を開始する。LOOP5の終了条件は、データ送信期間が経過したか否かである。データ送信期間が経過した場合、LOOP5の処理は終了する。ここで、データ送信期間とは、時刻CoexistHeaderTime(i)において、制御端末が共存ヘッダの送信を完了した後、時刻CoexistHeaderTime(i+1)において、共存ヘッダの送信を開始するまでの時間のことをいう。データ送信期間中において、通信システムBに属する端末装置は、フレームの送信が抑制されており、通信システムAに属する端末装置のみがフレームを送信することができる。
LOOP5において、通信制御部203は、規定の手順に従ってフレームの送受信に関連する処理を実行する(ステップS203)。ステップS203における処理は、通信システムAに規定されている手順に従った処理であるので、詳しくは省略する。例えば、通信システムAがCSMA/CD方式を採用している場合、ステップS203において、通信制御部203は、CSMA/CD方式に従って、フレームを送受信する。ステップS203の処理は、LOOP5の終了条件が満たされるまで実行される。
以上のように、第1の実施形態によれば、制御端末によって、ビーコン周期の間、適宜、共存ヘッダが送信される。これによって、通信システムBに属する端末装置は、通信媒体がビジー状態であると認識し、フレームの送信を控えることとなる。従って、通信システムBに属する端末装置からの送信を抑制することができ、異なる通信システムの共存が可能となる。また、通信システムAの全ての端末装置が、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを受信する機能を備えている必要はない。通信システムAの端末装置の内、少なくとも1台の端末装置が通信システムBのプリアンブル及びヘッダを送信する機能を備えているだけでよい。
なお、ここでは、共存ヘッダの送信タイミングはビーコンで通知されることとしたが、送信タイミングの通知方法はこれに限定されるものではない。例えば、親機やアクセスポイントといった装置からポーリングによって、個別に共存ヘッダの送信タイミングが通知されてもよい。ポーリングによって個別に共存ヘッダの送信タイミングを通知する場合、ポーリングを実行する制御端末は、共存ヘッダの送信タイミングを通知する前に、共存ヘッダを送信して、通信システムBの送信を抑制しておくとよい。
また、通知方法がビーコンの場合でもポーリングの場合でも、共存ヘッダを送信する端末装置は、ビーコンの送信やポーリングを実行する端末装置と同じであってもよく、別であってもよい。別の場合、共存ヘッダを送信するタイミングは、ビーコン又はポーリングによって通知されるとよい。いずれの場合であっても、通信システムAの全ての端末装置が、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを受信する機能を備えている必要はない。通信システムAにおける端末装置の内、少なくとも1台の端末装置が通信システムBのプリアンブル及びヘッダを送信する機能を備えているだけでよい。
なお、通信システムAの物理層特性と通信システムBの物理層特性とが類似している場合、図2におけるフレーム送信部202と共存ヘッダ送信部207とは、共通化されてもよい。図8は、フレーム送信部202と共存ヘッダ送信部207とを共通化したときの端末装置111,112,113の機能的構成を示すブロック図である。図8において、図2と同様の機能を有する部分について、同一の参照符号を付す。図8では、図2におけるフレーム送信部202と共存ヘッダ送信部207が共通化され、フレーム送信部222となっている。
送信データは、フレーム生成部201でフレーム化され、フレーム送信部222によって伝送I/F部204を介して通信媒体101に送信される。フレームを送信する際、通信制御部203は、規定の手順に従ってフレームの送信タイミングを決定する。伝送I/F部204で受信された受信フレームは、フレーム受信部205によって受信処理され、受信データが抽出される。
自装置が制御端末である場合、共存ヘッダ生成部206は、フレームの送信に先立って、通信システムBに属する端末装置の送信を抑制するために、共存ヘッダを生成する。共存ヘッダ生成部206によって通信システムBのプリアンブル及びヘッダが生成される際、通信制御部203は、フレームを送信するのに必要な時間を、共存ヘッダ生成部206に通知する。これに応じて、共存ヘッダ生成部206は、通信システムBに属する端末装置による送信を抑制する時間間隔を決定し、共存ヘッダ内に必要な情報を設定する。共存ヘッダ生成部206によって生成された通信システムBのプリアンブル及びヘッダは、フレーム送信部222に送られる。
共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダを送信するタイミングを決定して、通信制御部203に通知する。これに応じて、通信制御部203は、フレーム送信部222に、共存ヘッダ生成部206で生成された共存ヘッダを送信させる。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る端末装置111,112,113の機能的構成を示すブロック図である。第2の実施形態において、端末装置111,112,113は、それぞれ、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを送信する共存制御端末としての機能と、ビーコンを送信する制御端末としての機能と、送信されるビーコンに基づいてフレームの送信タイミングが制御される被制御端末としての機能とを有しているものとする。端末装置111,112,113が共存制御端末として機能するか、制御端末として機能するか、被制御端末として機能するかは、予め決められていてもよいし、通信状況に応じて決められてもよい。すなわち、本発明において、端末装置111,112,113がどの機能で動作するかについては、どのように決められていてもよい。なお、端末装置111,112,113は、共存制御端末、制御端末、被制御端末の内、少なくとも一つの機能のみを有していてもよい。
図9において、端末装置111,112,113は、フレーム生成部211と、フレーム送信部212と、通信制御部213と、伝送I/F部214と、フレーム受信部215と、共存ヘッダ生成部216と、共存ヘッダ送信部217と、共存ヘッダ送信タイミング決定部218と、共存ヘッダ記憶部219とを備える。
フレーム生成部211は、ビーコンを生成する。フレーム生成部211が生成するビーコンは、第1の実施形態と同様である。通信制御部213は、ビーコンを送信する周期(ビーコン周期)が到来したら、フレーム送信部212に対して、フレーム生成部211が生成したビーコンを送信させる。フレーム送信部212は、通信制御部213の指示に応じて、伝送I/F部214を介して、ビーコンを通信媒体101に送信する。ビーコンを送信したら、通信制御部213は、規定の手順に従って、フレームの送受信に関連する処理を実行する。フレームの送受信に関連する処理は、自装置が被制御端末として動作している場合の通信制御部213の動作と同様である。
共存ヘッダ記憶部219は、ROMやRAM、レジスタ等であって、有限通りの共存ヘッダを保持している。なお、共存ヘッダが一通りのパターンでよい場合、共存ヘッダ記憶部219には、ただ一通りの共存ヘッダのみが保持されている。共存ヘッダ生成部216は、共存ヘッダ記憶部219を参照して、必要な共存ヘッダを生成する。共存ヘッダ送信タイミング決定部218は、共存ヘッダを送信するタイミングを決定し、決定したタイミングが到来したら通信制御部213に通知する。当該通知に応じて、通信制御部213は、共存ヘッダ生成部216に共存ヘッダを生成させ、共存ヘッダ送信部217に共存ヘッダを送信させる。共存ヘッダを送信したら、通信制御部213は、規定の手順に従って、フレームの送受信に関連する処理を実行する。フレームの送受信に関連する処理は、自装置が被制御端末として動作している場合の通信制御部213の動作と同様である。
フレームの送信が所望されている場合、通信制御部213は、伝送I/F部214を介してフレーム受信部215がビーコンを受信したら、所定の規定に従って、フレームの送信タイミングが到来するか否かを判断する。フレーム生成部211は、入力される送信データに基づいて、フレームを生成する。フレームの送信タイミングが到来したら、通信制御部213は、フレーム送信部212に、フレーム生成部211が生成したフレームを伝送路I/F部214を介して送信させる。フレームを送信するときの処理については、上述の例に限らず、公知の手法が利用可能である。フレーム受信部215は、伝送I/F部214を介してフレームを受信したら、受信したフレームを受信データに変換して出力する。
図10は、第2の実施形態における端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャートである。
図10において、通信システムAに属する端末装置111,112,113の内、端末装置111は共存制御端末として機能し、端末装置112は制御端末として機能し、端末装置113は被制御端末として機能するものとする。端末装置111は、ビーコンが送信される周期内において、予め決められた規則に従って、共存ヘッダを送信する。端末装置112は、ビーコン周期毎に、ビーコンを送信する。
時刻531において、端末装置112は、ビーコンを送信する。これに続き、時刻532において、端末装置111は、共存ヘッダ511を送信する。これによって、通信システムBに属する端末装置の送信が抑制される。次に共存ヘッダ512が送信される時刻533までの間、通信システムAに属する端末装置111,112,113は、通信システムAで定められた手順に従って、通信媒体101へのアクセス制御を実行する。なお、第1の実施形態と同様、ビーコンには、通信システムBのプリアンブル及びヘッダが送信される時刻が記載されているので、通信システムAの各端末装置は、通信システムBのプリアンブル及びヘッダが送信される時刻を認識することができる。ここでは、共存ヘッダ512が送信されるまでの間、端末装置112が、フレーム521を送信したとしている。
時刻533において、端末装置111は、共存ヘッダ512を送信する。これにより、通信システムBに属する端末装置の送信が抑制される。以降、予め定められた規則に従って、端末装置111は、共存ヘッダ513を送信する。これによって、通信システムBに属する端末装置の送信が、ビーコン周期内において連続的に抑制される。従って、通信媒体101は、通信システムAによって占有されることとなる。
時刻535において、端末装置112は、次のビーコンを送信する。これに続き、時刻536において、端末装置111は、共存ヘッダ514を送信する。ここで、時刻535から時刻536までの経過時間は、時刻531から時刻532までの経過時間に等しい。同様に、端末装置111は、次のビーコンが送信されるまでの間、共存ヘッダ515,516を送信する。ここで、二回目のビーコン送信時刻535から共存ヘッダ515の送信時刻537までの経過時間は、一回目のビーコン送信時刻531から共存ヘッダ512の送信時刻533までの経過時間に等しい。また、二回目のビーコン送信時刻535から共存ヘッダ516の送信時刻538までの経過時間は、一回目のビーコン送信時刻531から共存ヘッダ513の送信時刻534までの経過時間に等しい。図10では、共存ヘッダ514が送信された後、端末装置113によってフレーム523が送信されている様子が示されている。
図11は、制御端末として機能する端末装置(図10に示す例では端末装置112)の動作を示すフローチャートである。以下、図11を参照しながら、制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図11において、制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図10に示した通信で順を実現することと関係のない処理は省略されている。
制御端末の動作が開始すると、制御端末は、ビーコンを送信するループ(ループ名:LOOP6)を開始する。ここでは、LOOP6には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP6には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP6において、制御端末の通信制御部213は、フレーム送信部212にビーコンを送信させる(ステップS301)。制御端末は、ビーコンを送信することによって、抑制対象である通信システムBのプレアンブル及びヘッダ(共存ヘッダ)を送信する時刻に関するリスト(図4参照)を通信システムA内の端末装置に通知する。ビーコン送信の後、制御端末は、次のビーコン周期の到来を待機するループ(ループ名:LOOP7)を開始する。LOOP7の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP7の処理は終了する。
LOOP7において、制御端末の通信制御部213は、共存ヘッダが共存制御端末によって送信されるまで待機する(ステップS302)。制御端末の通信制御部213は、共存制御端末によって共存ヘッダが送信されたか否かを、ビーコンに含めた情報に従って判断する。共存ヘッダが共存制御端末によって送信されたら、制御端末の通信制御部213は、LOOP8の処理に進む。LOOP8では、通信制御部213は、規定の手順に従って、フレームの送受信に関連する処理を実行する(ステップS303)。共存ヘッダによって、通信システムBでの通信が抑制されている期間が終了したら、LOOP8の終了条件が満たされ、LOOP8は、終了する。これによって、ビーコン周期内において、共存ヘッダが送信されていない間、フレームの送受信に関連する処理が実行される。
図12は、共存制御端末として機能する端末装置(図10に示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャートである。以下、図12を参照しながら、共存制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図12において、共存制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図10に示した通信で順を実現することと関係のない処理は省略されている。
共存制御端末の動作が開始すると、共存制御端末は、ビーコンを受信するループ(ループ名:LOOP9)を開始する。ここでは、LOOP9には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP9には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP9において、共存制御端末の通信制御部213は、フレーム受信部215が受信したビーコンを受け取る(ステップS401)。ビーコンを受信すると、共存制御端末の通信制御部213は、共存ヘッダを送信するためのループ(ループ名:LOOP10)を開始する。LOOP10の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP10の処理は終了する。
LOOP10において、共存制御端末の共存ヘッダ送信タイミング決定部218は、予め決められている規則に従って、共存ヘッダを送信する時刻が到来したか否かを判断する(ステップS402)。共存ヘッダを送信する時間が到来していない場合、共存制御端末は、ステップS404の動作に進む。一方、共存ヘッダを送信する時間が到来した場合、共存制御端末の通信制御部213は、共存ヘッダ送信部217に共存ヘッダを送信させ(ステップS403)、ステップS404の動作に進む。共存ヘッダ生成部216は、共存ヘッダ送信部217が共存ヘッダを送信するように指示された場合、必要な情報を共存ヘッダ記憶部219から抽出して、共存ヘッダを生成する。
ステップS404において、共存制御端末の通信制御部213は、規定の手順に従ってフレームの送受信に関連する処理を実行する。
これによって、共存制御端末は、ビーコン周期内において、予め決められた時間間隔で共存ヘッダを送信する。また、共存制御端末は、共存ヘッダを送信していない間、フレームの送受信に関連する処理を実行する。なお、ビーコン周期は、一定であるので、共存制御端末は、二回目以降にビーコンが送信される時刻を認識することができる。よって、共存制御端末は、二回目以降のLOOP9の処理において、ビーコンを受信する処理(ステップS401)を省略してもよい。
図13は、被制御端末として機能する端末装置(図10に示す例では端末装置113)の動作を示すフローチャートである。以下、図13を参照しながら、被制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図13において、被制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図10に示した通信で順を実現することと関係のない処理は省略されている。
被制御端末の動作が開始すると、被制御端末は、ビーコンを受信するループ(ループ名:LOOP11)を開始する。ここでは、LOOP11には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP11には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP11において、被制御端末の通信制御部213は、フレーム受信部215が受信したビーコンを受け取る(ステップS501)。ビーコンを受信すると、被制御端末の通信制御部213は、フレームの送受信に関連する処理を実行するためのループ(ループ名:LOOP12)を開始する。LOOP12の終了条件は、ビーコン周期が到来したか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP12の処理は、終了する。
LOOP12において、被制御端末の通信制御部213は、共存ヘッダが共存制御端末によって送信されるまで待機する(ステップS502)。被制御端末の通信制御部213は、共存制御端末によって共存ヘッダが送信されたか否かを、ビーコンに含まれている情報に基づいて判断する。従って、被制御端末には、共存ヘッダを受信するための機能が含まれていなくてもよい。共存ヘッダが共存制御端末によって送信されたら、被制御端末の通信制御部213は、LOOP13の処理に進む。LOOP13では、被制御端末の通信制御部213は、規定の手順に従って、フレームの送受信に関連する処理を実行する(ステップS503)。共存ヘッダによって、通信システムBでのフレーム通信が抑制されている期間が終了したら、LOOP13の終了条件が満たされ、LOOP13は、終了する。これによって、ビーコン周期内において、共存ヘッダが送信されていない間、フレームの送受信に関連する処理が実行される。
以上のように、第2の実施の形態によれば、いずれのビーコン周期内においても、共存ヘッダが送信されるタイミングが同じである。従って、共存制御端末は、ビーコン周期が到来した時点から、共存ヘッダを毎回同じタイミングで送信すればよい。従って、共存制御端末がビーコンを受信できないような場合であっても、確実に通信システムBに属する端末装置からの送信を抑制することができる。これによって、異なるシステムの共存が可能となる。
なお、第2の実施形態では、通信システムAに属する端末装置の共存ヘッダ生成部216は、通信システムBと共存するために、共存ヘッダとして、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを生成することとした。しかし、通信システムAの端末装置が通信システムBのプリアンブルのみを送信することによって、通信システムBに属する端末装置の送信を抑制することができるのであれば、通信システムAに属する端末装置の共存ヘッダ生成部216は、最低限、通信システムBのプリアンブルのみが生成できればよい。
なお、第2の実施形態において、共存制御端末と制御端末とは、別の端末装置であるとしたが、ビーコンを送信する端末装置が共存ヘッダを送信するようにして、共存制御端末と制御端末とが一つの端末装置によって実現されていてもよい。
なお、第2の実施形態では、第1の実施形態における図4のように、ビーコンには、共存ヘッダが送信される時間が記載されていることとした。しかし、第2の実施形態では、共存ヘッダが送信される時間は予め決められているので、ビーコンには、共存ヘッダが送信される時間が記載されていなくてもよい。ただし、ビーコンに共存ヘッダが送信される時間が記載されていない場合、被制御端末は、共存ヘッダが送信される規則を予め認識しておく必要がある。なお、共存ヘッダが送信される時間がビーコンに記載されている場合、被制御端末は、ビーコンの受信を失敗しても、前回受信したビーコンに記載されている時間に共存ヘッダが送信されるものと仮定して、動作するとよい。
なお、共存ヘッダが送信される時間がビーコンに記載されていない場合、通信システムAで用いられるアクセス制御方式によっては、必ずしもビーコンが必要でない場合がある。このような場合、共存ヘッダを送信するための共存制御端末以外の端末装置は、すべて、フレームの送受信のみを行う(ビーコンや共存ヘッダを送信しない)被制御端末であってもよい。
なお、共存ヘッダが送信される時間がビーコンに記載されていない場合、図12及び図13においてビーコンを受信するステップS401,S501は、省略される。
(第3の実施形態)
第3の実施形態において、通信システムAに属する端末装置の機能的構成は、第1の実施形態と同様であるので、図2を援用することとする。ただし、以下に説明するように、各ブロックの動作は、第1の実施形態とは異なっている。なお、第3の実施形態における通信システムAに属する端末装置は、図8及び9に示す機能ブロックを有していても良い。
図14は、第3の実施形態における端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャートである。図14では、ビーコンの送信は省略されている。
通信システムAに属する端末装置111,112及び113の内、端末装置111は、共存制御端末であり、通信システムBのプリアンブルと、NAV(ネットワークアロケーションベクトル)情報を含む通信システムBのヘッダとを、共存ヘッダとして、送信する機能を有する。NAV情報は、抑制対象の通信システムBを使用する時間を示す情報である。
図15は、通信システムBのヘッダのデータ構造を示す図であり、特に、当該ヘッダに含まれるNAV情報に関するフィールドの定義を示す図である。なお、図5では、各フィールドのビット幅が例示されているが、ビット幅は、例示されたものに限られない。ヘッダ中のNAVフィールドには、もし通信システムBに属する端末装置(例えば端末装置121)が当該ヘッダを送信した場合に、当該端末装置が通信媒体101を占有する時間が記載されている。通信システムBに属する端末装置は、NAVフィールドに記載されている時間、通信媒体101がビジー状態であるとして、フレームの送信を控える。端末装置111の通信制御部213は、共存ヘッダを送信する際、通信システムBのヘッダ内のNAVフィールドに通信媒体101を通信システムAによって占有したい時間を記載することによって、通信ネットワークBに属する端末装置の送信を抑制する。なお、通信システムBの送信をなるべく抑制したい場合、共存ヘッダに含ませるNAV情報は、指定可能な最大値であるとよい。
図16は、図15に示したフォーマットのNAVフィールドに記載される値の一例を示した図である。図14において、通信システムAに属する端末装置111は、共存ヘッダを3回(611、612、及び613)送信する。図16には、この3つの共存ヘッダ内の通信システムBのヘッダに記載されるNAVフィールドの値として、時間t61,t62,t63が示されている。
上記NAV情報を利用して、通信媒体101上の各端末装置がメディアにアクセスする様子を、図14を参照しながら説明する。時刻631において、通信システムAに属する端末装置111は、通信システムBのプリアンブルと通信システムBのNAV情報を含むヘッダとを、共存ヘッダ611として、送信する。共存ヘッダ611内のヘッダには、NAV情報として、時間t61が格納されている。従って、通信システムBに属する端末装置は、共存ヘッダ611の送信完了時刻632から時間t61だけ、送信を抑制する。時間t61の間、通信システムAに属する各端末装置は、通信システムAで定められた手順に従って媒体アクセス制御を行う。これによって、図14では、フレーム621及び622が送信されている。
時刻632から時間t61が経過した時刻633において、端末装置111は、再度、通信システムBのプリアンブルと通信システムBのNAV情報を含むヘッダとを、共存ヘッダ612として、送信する。共存ヘッダ612内のヘッダには、NAV情報として、時間t62が格納されている。従って、通信システムBに属する端末装置は、共存ヘッダ612の送信完了時刻634から時間t62だけ、送信を抑制する。以降、同じ手順によって、通信システムAによって通信媒体101が占有される。
図17は、共存制御端末として機能する端末装置(図14に示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャートである。以下、図17を参照しながら、共存制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図17において、共存制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図14に示した通信手順を実現することと関係のない処理は省略されている。なお、図17において、共存ヘッダを送信するタイミングが到来したか否かを判断するステップ(ステップ602)での判断基準を除けば、第3の実施形態における共存制御端末での動作は、第1の実施形態における制御端末の動作と同様である。
共存制御端末の動作が開始すると、共存制御端末は、ビーコンを送信するループ(ループ名:LOOP14)を開始する。ここでは、LOOP14には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP14には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP14において、共存制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202にビーコンを送信させる(ステップS601)。ビーコン送信後、共存制御端末は、次のビーコン周期の到来を待機するループ(ループ名:LOOP15)を開始する。LOOP15の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP15の処理は終了する。
LOOP15において、共存制御端末の共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダを送信すべき時刻が到来したか否かを判断する(ステップS602)。ステップS602において、共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダを送信すべき時刻が到来したか否かを、予め決められた規則に従って判断してもよいし、ビーコン内で指定される情報に従って判断してもよい。好ましくは、共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダに含まれるNAV情報に基づく通信システムBのネットワーク使用時間以内に、次の共存ヘッダを送信するタイミングが到来したと決定するとよい。そのためには、予め定められた規則には、共存ヘッダに含まれるNAV情報に基づく通信システムBのネットワーク使用時間以内に、次の共存ヘッダを送信するタイミングが到来すると規定されているとよい。また、ビーコン内で指定される情報には、共存ヘッダに含まれるNAV情報に基づく通信システムBのネットワーク使用時間以内に、次の共存ヘッダを送信するタイミングが到来すると記載されているとよい。
共存ヘッダを送信すべき時刻が到来していない場合、共存制御端末の通信制御部203は、ステップS604の動作に進む。一方、共存ヘッダを送信すべき時刻が到来した場合、共存制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダを共存ヘッダ生成部206に生成させて、共存ヘッダ送信部207に生成した共存ヘッダを送信させ(ステップS603)、ステップS604の動作に進む。ステップS603において、共存ヘッダ生成部206は、図16に示すようなリストに従って、共存ヘッダの生成回数に合致したNAV情報を含む通信システムBのヘッダを生成し、通信システムBのプリアンブルと合わせて、共存ヘッダを生成する。
ステップS604において、共存制御端末の通信制御部203は、規定の手順に従ってフレームの送受信に関連する処理を実行する。
これによって、共存制御端末は、ビーコン周期内において、NAV情報を含む通信システムBのヘッダを送信することとなる。
図18は、被制御端末として機能する端末装置(図14に示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャートである。以下、図18を参照しながら、被制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図18において、被制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図14に示した通信手順を実現することと関係の内処理は省略されている。
被制御端末の動作が開始すると、被制御端末は、ビーコンを受信するループ(ループ名:LOOP16)を開始する。ここでは、LOOP16には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP16には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP16において、被制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205が受信したビーコンを受け取る(ステップS701)。ビーコンを受信すると、被制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダが送信されるのを待つためのループ(ループ名:LOOP17)を開始する。LOOP17の終了条件は、ビーコン周期が到来したか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP17の処理は終了する。
LOOP17において、被制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダを送信する時刻が到来するまで待機する(ステップS702)。ステップS702において、通信制御部203は、予め定められた規則に従って共存ヘッダが送信する時刻が到来するまで待機してもよいし、ビーコンに記載された情報に従って共存ヘッダが送信する時刻が到来するまで待機してもよい。共存ヘッダを送信する時刻が到来したら、被制御端末の通信制御部203は、フレームの送受信に関連する処理を実行するためのループ(ループ名:LOOP18)を開始する。LOOP18の終了条件は、データ送信期間が経過したか否かである。データ送信期間が経過した場合、LOOP18の処理は終了する。ここで、データ送受信期間とは、共存制御端末が共存ヘッダを送信してから当該共存ヘッダ内のヘッダに記載されているNAV情報で示されている時間が経過するまでの時間である。データ送信期間中において、通信システムBに属する端末装置は、フレームの送信が抑制されており、通信システムAに属する端末装置のみがフレームを送信することができる。
LOOP18において、被制御端末の通信制御部203は、規定の手順に従って、フレームの送受信に関連する処理を実行する(ステップS703)。
一般的には、通信システムAの被制御端末は通信システムBのヘッダを受信して解析する機能を備えていないと考えるのが妥当である。そのため、この場合、制御端末は、共存ヘッダを送信する時刻を、ビーコン等のタイミング情報を基準として、予め端末装置間に知らせておく必要がある。そのためには、第1の実施形態のように、ビーコン中に図4のような共存ヘッダを送信する時刻のリストを記載しておくとよい。データ送信期間が満了すると、被制御端末の通信制御部203は、再度、共存ヘッダの受信を待機する(ステップS702)。以降、ビーコン周期が満了するまでの間、ステップS702〜S703までの処理が繰り返される。ビーコン周期が到来すると、再度、被制御端末の通信制御部203は、共存制御端末が送信するビーコンの受信を待つ(ステップS701)。
以上のように、第3の実施形態によれば、NAVフィールド内で送信時間が指定された共存ヘッダが適宜送信されることとなるので、通信システムBに属する端末装置の送信が、時間を指定して抑制されることとなる。従って、異なる通信システムを確実に共存させることとが期待できる。
なお、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様、共存ヘッダの送信タイミングは、いずれかの端末装置がビーコン又はポーリングによって通知するとしてもよい。この場合、通信システムAに属する全ての端末装置が、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを受信する機能を備えている必要はない。通信システムAに属する少なくとも一つの端末装置が、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを送信する機能を備えているだけでよい。
なお、図18のLOOP18において、データ送信期間は、共存制御端末が共存ヘッダを送信してから当該共存ヘッダ内のヘッダに記載されているNAV情報で示されている時間が経過するまでの時間であるとした。すなわち、NAV情報で示されている時間の経過を計測する起点となる時刻は、共存制御端末によって共存ヘッダの送信が完了した時刻である。しかし、NAV情報で示されている時間の経過を計測する起点となる時刻は、共存制御端末によって共存ヘッダの送信が開始した時刻としてもよいし、共存制御端末によって共存ヘッダの送信が完了した時刻から所定の時間を経過した時点としてもよいし、その他の時刻としてもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態において、通信システムAに属する端末装置の機能的構成は、第1の実施形態と同様であるので、図2を援用することとする。ただし、以下に説明するように、各ブロックの動作は、第1の実施形態とは異なっている。なお、第4の実施形態における通信システムAに属する端末装置は、図8及び9に示す機能ブロックを有していても良い。
図19は、第4の実施形態における端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャートである。なお、図19において、ビーコンの送信は省略されている。
通信システムAに属する端末装置111,112及び113の内、端末装置111は、共存制御端末であり、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを、共存ヘッダとして、一定周期T9で送信する機能を有する。
時刻931において、端末装置111は、共存ヘッダ911を送信する。これにより、次の共存ヘッダ912の送信時刻933まで、通信システムBに属する端末装置の送信は抑制される。この間、通信システムAに属する各端末装置は、通信システムAで定められた手順に従って媒体アクセス制御を行う。図19では、時刻932において、端末装置113がフレーム921の送信を開始したとする。
フレーム921の送信に要する時間は、共存ヘッダの送信周期T9よりも長い。第1〜第3の実施形態では、通信システムAに属する端末装置は、送信したフレームを、隣接する共存ヘッダが送信される時間よりも短い時間で送信が完了するサイズのフレームに分割して、送信しなければならなかった。しかし、フレームを分割することによって、フレームヘッダ等のオーバーヘッドが増加してしまい、結果、伝送効率が低下してしまう。
第4の実施形態において、通信システムAの端末装置は、フレームを分割することなく、伝送する。これによって、伝送効率の低下を最低限に抑えることができる。図19の例では、端末装置113は、端末装置111によって共存ヘッダが送信される時刻が到来すると、一旦、フレーム921の送信を中断し、共存ヘッダの送信が完了すると、フレーム921の送信を再開する。時刻933において、端末装置111は、共存ヘッダを送信するので、端末装置113は、フレーム921の送信を一時に中断する。端末装置113は、共存ヘッダの送信完了後、フレーム921の送信を再開する。続く時刻934において、端末装置111は、再度、共存ヘッダを送信しなければならないので、端末装置113は、フレーム921の送信を再度中断する。端末装置113は、共存ヘッダの送信完了後に、フレーム921の送信を再開し、時刻935に終了する。
図20は、制御端末として機能する端末装置(図19に示す端末装置111)の動作を示すフローチャートである。以下、図20を参照しながら、制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図20において、制御端末における動作終了処理やデータ送受信処理の詳細等、図19に示した通信手順を実現することと関係のない処理は省略されている。
制御端末の動作が開始すると、制御端末は、ビーコンを送信するループ(ループ名:LOOP18)を開始する。ここでは、LOOP18には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP18には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP18において、制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202にビーコンを送信させる(ステップS801)。ビーコン送信後、制御端末は、フレーム及び共存ヘッダを送信するためのループ(ループ名:LOOP19)を開始する。LOOP19の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP19の処理は終了する。
LOOP19において、制御端末の通信制御部203は、フレームの送信を実行するか否かを判断する(ステップS802)。例えば、制御端末の通信制御部203は、送信すべきデータが存在する場合に、フレームの送信を実行すると判断するとよい。その他、制御端末の通信制御部203は、送信すべきデータの優先度や量、送信完了までに許される猶予時間、さらには、他の端末装置が有する送信データに関する情報等に基づいてフレームの送信を実行するか否かを判断してもよい。また、CSMAやTDMA等のアクセス制御によってアクセスタイミングが規制される場合、制御端末の通信制御部203は、アクセスタイミングを規制するための情報も考慮すべきである。
フレームの送信を実行する場合、制御端末の通信制御部203は、フレームを送信するためのループ(ループ名:LOOP20)を開始する。LOOP20の終了条件は、データ送信期間が経過したか否かである。データ送信期間が経過した場合、LOOP20の処理は終了する。ここで、データ送信期間とは、送信対象となっているデータの送信が終了するまでの期間である。
LOOP20において、まず、制御端末の共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダを送信するタイミングが到来したか否かを判定する(ステップS803)。
共存ヘッダを送信するタイミングが到来していない場合、制御端末の通信制御部203は、送信対象のデータをフレーム生成部201にフレーム化させて、フレーム送信部202に送信させる(ステップS804)。ステップS804の後、制御端末は、LOOP20の終了条件判定を行って、終了条件が満たされていない場合、再び、ステップS803の動作を実行する。
一方、共存ヘッダを送信するタイミングが到来した場合、制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202にフレームの送信を中断させる(ステップS805)。次に、通信制御部203は、共存ヘッダ生成部206に共存ヘッダを生成させ、生成した共存ヘッダを共存ヘッダ送信部207に送信させる(ステップS806)。その後、制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202に送信を中断していたフレームの送信を再開させ(ステップS807)、LOOP20の終了条件が満たされるか否かを判断すると共に、ステップS803の動作に戻る。
LOOP20の終了条件が満たされた場合、すなわち、送信対象のフレームの送信が完了した場合、制御端末の通信制御部203は、LOOP19の終了条件が満たされるか否かを判断すると共に、ステップS802の動作に戻る。
ステップS802において、フレームの送信を実行しないと判断した場合、制御端末の共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダを送信するタイミングが到来したか否かを判定する(ステップS808)。共存ヘッダを送信するタイミングが到来した場合、制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダを送信し(ステップS809)、LOOP19の終了条件が満たされるか否かを判断すると共に、ステップS802の動作に戻る。一方、共存ヘッダを送信するタイミングが到来していない場合、制御端末の通信制御部203は、LOOP19の終了条件が満たされるか否かを判断すると共に、ステップS802の動作に戻る。
図21は、被制御端末として機能する端末装置(図19に示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャートである。以下、図21を参照しながら、被制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図21において、被制御端末における動作終了処理やデータ送受信処理の詳細等、図19に示した通信手順を実現することと関係のない処理は省略されている。
被制御端末の動作が開始すると、被制御端末は、ビーコンを受信するループ(ループ名:LOOP21)を開始する。ここでは、LOOP21には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP21には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP21において、被制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205が受信したビーコンを受け取る(ステップS901)。ビーコンを受信すると、被制御端末の通信制御部203は、フレームを送信するためのループ(ループ名:LOOP22)を開始する。LOOP22の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP22の処理は終了する。
LOOP22において、被制御端末の通信制御部203は、フレームの送信を実行するか否かを判断する(ステップS902)。ステップS902における判断基準は、共存制御端末におけるステップS802での判断基準と同様である。
フレームの送信を実行する場合、被制御端末の通信制御部203は、フレームを送信するためのループ(ループ名:LOOP23)を開始する。LOOP23の終了条件は、データ送信期間が経過したか否かである。データ送信期間が経過した場合、LOOP23の処理は終了する。ここで、データ送信期間とは、送信対象となっているデータの送信が終了するまでの期間である。
LOOP23において、まず、被制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダが送信されるタイミングが到来したか否かを判断する(ステップS903)。第4の実施形態では、共存ヘッダは、周期的に送信されるとしているので、被制御端末の通信制御部203は、その周期に基づいて、共存ヘッダが送信されるタイミングが到来したか否かを判断する。なお、第1又は第3の実施形態のように、ビーコン内に共存ヘッダが送信されるタイミングが記載されていてもよく、被制御端末の通信制御部203は、ビーコン内の情報に基づいて、共存ヘッダが送信されるタイミングが到来したか否かを判断してもよい。
共存ヘッダが送信されるタイミングが到来していない場合、被制御端末の通信制御部203は、送信対象のデータをフレーム生成部201にフレーム化させて、フレーム送信部202に送信させる(ステップS904)。ステップS904の後、被制御端末は、LOOP23の終了条件判定を行って、終了条件が満たされていない場合、再び、ステップS903の動作を実行する。
一方、共存ヘッダが送信されるタイミングが到来した場合、被制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202にフレームの送信を中断させる(ステップS905)。次に、通信制御部203は、共存ヘッダの送信が完了するまで待機する(ステップS906)。共存ヘッダの送信が完了すれば、被制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202に送信を中断していたフレームの送信を再開させ(ステップS907)、LOOP23の終了条件が満たされるか否かを判断すると共に、ステップS903の動作に戻る。
LOOP23の終了条件が満たされた場合、すなわち、送信対象のフレームの送信が完了した場合、被制御端末の通信制御部203は、LOOP22の終了条件が満たされるか否かを判断すると共に、ステップS902の動作に戻る。
ステップS902において、フレームの送信を実行しないと判断した場合、被制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダが送信されるタイミングが到来したか否かを判定する(ステップS908)。共存ヘッダが送信されるタイミングが到来した場合、被制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダの送信が完了するまで待機し(ステップS909)、LOOP22の終了条件が満たされるか否かを判断すると共に、ステップS902の動作に戻る。一方、共存ヘッダが送信されるタイミングが到来していない場合、被制御端末の通信制御部203は、LOOP22の終了条件が満たされるか否かを判断すると共に、ステップS902の動作に戻る。
以上のように、第4の実施形態によれば、通信システムAの送信するフレームのサイズは、共存ヘッダが送信されるタイミングによって制限されない。従って、通信システムBの端末装置による送信を抑圧しながら、通信システムAに属する端末装置は、十分に大きなサイズのフレームを送信することができる。よって、伝送効率が低下することなく、異なるシステムの共存が可能となる。
なお、第4の実施形態では、説明を簡単にするために、共存ヘッダの送信タイミングの通知に関しては説明を省略している。第4の実施形態では、共存ヘッダの送信タイミングは周期的であるので、各端末装置は、当該送信タイミングが他の端末装置から通知されなくても、送信タイミングを認識することができる。しかし、送信タイミングの周期は可変であってもよいので、第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様、共存ヘッダの送信タイミングは、いずれかの端末装置がビーコン又はポーリングによって通知されてもよい。この場合、通信システムAに属する全ての端末装置が、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを受信する機能を備えている必要はない。通信システムAに属する少なくとも一つの端末装置が、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを送信する機能を備えているだけでよい。
なお、第4の実施形態では、共存制御端末が、共存ヘッダを周期的に送信することとしているので、ステップS803及びS808において、共存ヘッダを送信するタイミングが到来したか否かの判断は、共存ヘッダを送信する周期が到来したか否かに基づいて判断される。
なお、第4の実施形態においても、第1の実施形態や第3の実施形態で示したように、ビーコン内に共存ヘッダを送信するタイミングを記載する等してもよい。この場合、共存制御端末は、必ずしも一定周期で共存ヘッダを送信しなくても、各端末装置は、共存ヘッダが送信されるタイミングを認識することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態において、通信システムAに属する端末装置の機能的構成は、第1の実施形態と同様であるので、図2を援用することとする。ただし、以下に説明するように、第5の実施形態に係る端末装置の動作は、第1の実施形態とは異なる。なお、第5の実施形態における通信システムAに属する端末装置は、図8及び9に示す機能ブロックを有していても良い。
図22は、第5の実施形態における端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャートである。図22では、ビーコンの送信は省略されている。
第5の実施形態において、通信システムAに属する全ての端末装置は、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを、共存ヘッダとして送信する機能を有している。第5の実施形態に係る通信システムAにおいて、共存ヘッダは、一定周期T10毎に送信される。一定周期T10が到来する毎に、通信システムAに属する端末装置の内、いずれか一つの端末装置が共存ヘッダを送信する端末装置として決定され、決定された端末装置が共存ヘッダを送信する。
以下、図22を参照しながら、第5の実施形態における端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子について、説明する。
時刻1031において、端末装置113は、通信システムAで定められた手順に従った媒体アクセス制御の結果、フレーム1021の送信を開始する。フレーム1021の送信中の時刻1032において、共存ヘッダを送信すべき時刻が到来したら、端末装置113は、共存ヘッダ1011を送信する。端末装置113によって共存ヘッダ1011が送信されるので、端末装置111は、共存ヘッダを送信しない。端末装置113は、共存ヘッダ1011の送信を完了すると、フレーム1021の送信を再開する。
時刻1033において、再度、共存ヘッダの送信タイミングが到来したら、端末装置113は、フレーム1021の送信を中断し、共存ヘッダ1012を送信する。端末装置113は、共存ヘッダ1012の送信完了後、フレーム1021の送信を再開する。時刻1034において、端末装置113は、フレーム1021の送信を完了する。
端末装置112は、通信システムAで定められた手順に従って媒体アクセス制御を実行した結果、フレーム1022の送信を時刻1035において開始する。時刻1036において、再度、共存ヘッダの送信タイミングが到来したら、端末装置112は、フレーム1022の送信を中断し、共存ヘッダ1013を送信する。端末装置112は、共存ヘッダ1013の送信完了後、フレーム1022の送信を再開する。フレーム1022の送信は、時刻1037において完了する。
時刻1038において、共存ヘッダの送信タイミングが到来したとする。この時刻には、フレームを送信している端末装置が存在しないので、端末装置111は、自ら、共存ヘッダを送信する。その後、時刻1039においても、共存ヘッダの送信タイミングが到来するが、フレームを送信している端末装置が存在しないので、端末装置111は、自ら、共存ヘッダを送信する。
図23は、制御端末として機能する端末装置(図22に示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャートである。以下、図23を参照しながら、制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図23において、制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図22に示した通信手順を実現することと関係のない処理は省略されている。
制御端末の動作が開始すると、制御端末は、ビーコンを送信するループ(ループ名:LOOP24)を開始する。ここでは、LOOP24には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP24には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP24において、制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202にビーコンを送信させる(ステップS1001)。ビーコン送信後、制御端末は、フレーム及び共存ヘッダを送信するためのループ(ループ名:LOOP25)を開始する。LOOP25の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP25の処理は終了する。なお、制御端末は、規定の手順に従ってフレームの送受信処理を実行するものとする。
LOOP25において、制御端末の通信制御部203は、フレームの送信を実行中であるか否かを判断する(ステップS1002)。フレームの送信を実行中でない場合、制御端末の共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダの送信タイミングが到来したか否かを判断する(ステップS1007)。共存ヘッダの送信タイミングが到来した場合、制御端末の通信制御部203は、他の端末装置がフレームを送信中であるか否かを判断する(ステップS1008)。他の端末装置がフレームを送信中でない場合、制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダ生成部206に共存ヘッダを生成させて、共存ヘッダ送信部207に共存ヘッダを送信させ(ステップS1009)、ステップS1002の動作に戻る。一方、ステップS1007において、共存ヘッダの送信タイミングが到来していないと判断した場合、制御端末の通信制御部203は、そのままLOOP25の先頭に戻る。また、ステップS1008において、他の端末装置がフレームを送信中であると判断した場合、制御端末の通信制御部203は、そのままLOOP25の先頭に戻る。
ステップS1002において、フレームの送信を実行中であると判断した場合、制御端末は、共存ヘッダを送信するためのループ(ループ名:LOOP26)を開始する。LOOP26の終了条件は、データ送信期間が経過したか否かである。データ送信期間が経過した場合、LOOP26の処理は終了する。ここで、データ送信期間とは、送信対象となっているデータの送信が終了するまでの期間である。
LOOP26において、まず、制御端末の共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダを送信するタイミングが到来したか否かを判断する(ステップS1003)。
LOOP26の終了条件は、データ送信期間が経過したか否かである。データ送信期間が経過した場合、LOOP26の処理は終了する。ここで、データ送信期間とは、送信対象となっているフレームの送信が終了するまでの期間である。
共存ヘッダを送信するタイミングが到来していない場合、制御端末は、そのままフレームの送信を継続し、LOOP26の先頭に戻る。
一方、共存ヘッダを送信するタイミングが到来している場合、制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202にフレームの送信を一時中断させる(ステップS1004)。次に、制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダ生成部206に共存ヘッダを生成させ、生成させた共存ヘッダを共存ヘッダ送信部207に送信させる(ステップS1005)。共存ヘッダの送信が完了したら、制御端末の通信制御部203は、一時中断していたフレームの送信を再開し(ステップS1006)、LOOP26の先頭に戻る。
このように、制御端末は、自らがフレームを送信中である場合に共存ヘッダの送信タイミングが到来すれば、フレームの送信を中断して、共存ヘッダを送信し、共存ヘッダの送信が完了したら、フレームの送信を再開する。また、制御端末は、いずれの端末装置によってもフレームが送信されていない場合、共存ヘッダの送信タイミングが到来すれば、共存ヘッダを送信する。
図24は、被制御端末として機能する端末装置(図22に示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャートである。以下、図24を参照しながら、被制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図24において、被制御端末における動作終了処理やデータ送受信処理の詳細等、図22に示した通信手順を実現することと関係の内処理は省略されている。
被制御端末の動作が開始すると、被制御端末は、ビーコンを受信するループ(ループ名:LOOP27)を開始する。ここでは、LOOP27には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP27には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP27において、被制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205が受信したビーコンを受け取る(ステップS1101)。ビーコンを受信すると、被制御端末の通信制御部203は、フレーム及び共存ヘッダを送信するためのループ(ループ名:LOOP28)を開始する。LOOP28の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP28の処理は終了する。なお、被制御端末は、規定の手順に従ってフレームの送受信処理を実行するものとする。
LOOP28において、被制御端末の通信制御部203は、フレームの送信を実行中であるか否かを判断する(ステップS1102)。フレームの送信を実行中でない場合、被制御端末の共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダの送信タイミングが到来したか否かを判断する(ステップS1107)。共存ヘッダの送信タイミングが到来した場合、被制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダの送信が完了するまで待機し(ステップS1108)、LOOP28の先頭に戻る。一方、共存ヘッダの送信タイミングが到来していない場合、被制御端末の通信制御部203は、そのままLOOP28の先頭に戻る。
ステップS1102において、フレームの送信を実行中であると判断した場合、被制御端末は、共存ヘッダを送信するためのループ(ループ名:LOOP29)を開始する。LOOP29の終了条件は、データ送信期間が経過したか否かである。データ送信期間が経過した場合、LOOP29の処理は終了する。ここで、データ送信期間とは、送信対象となっているフレームの送信が終了するまでの期間である。
LOOP29において、まず被制御端末の共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダを送信するタイミングが到来したか否かを判断する(ステップS1103)。
共存ヘッダを送信するタイミングが到来していない場合、被制御端末は、そのままフレームの送信を継続し、LOOP29の先頭に戻る。
一方、共存ヘッダを送信するタイミングが到来している場合、制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202にフレームの送信を一時中断させる(ステップS1104)。次に、制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダ生成部206に共存ヘッダを生成させ、生成させた共存ヘッダを共存ヘッダ送信部207に送信させる(ステップS1105)。共存ヘッダの送信が完了したら、制御端末の通信制御部203は、一時中断していたフレームの送信を再開し(ステップS1106)、LOOP26の先頭に戻る。
これにより、制御端末だけでなく、被制御端末も、フレームの送信中に共存ヘッダの送信タイミングが到来したら、共存ヘッダを送信することとなる。また、被制御端末は、フレームの送信中でない場合に共存ヘッダの送信タイミングが到来したとしても、共存ヘッダを送信することはない。この場合、制御端末又はフレームの送信中の他の被制御端末によって、共存ヘッダが送信されることとなる。
以上のように、第5の実施形態によれば、通信システムAのフレームを送信している端末装置が、共存ヘッダを送信することとなる。従って、通信システムAのフレームの送信を中断するタイミングと送信を再開するタイミングとを、共存ヘッダを送信するタイミングに正確に同期させることができる。従って、送信される通信システムAのフレームのサイズが、共存ヘッダが送信されるタイミングによって制限されないこととなる。従って、通信システムAの端末装置は、十分に大きなサイズのフレームを安定して送信することができる。よって、異なる通信システムを、伝送効率の低下を最小限に止め、高効率に共存させることが可能となる。
なお、第5の実施形態では、説明を簡単にするために、共存ヘッダの送信タイミングの通知に関しては説明を省略している。第5の実施形態では、共存ヘッダの送信タイミングは周期的であるので、各端末装置は、当該送信タイミングが他の端末装置から通知されなくても、送信タイミングを認識することができる。しかし、送信タイミングの周期は可変であってもよいので、第5の実施形態においても、第1の実施形態と同様、共存ヘッダの送信タイミングは、いずれかの端末装置がビーコン又はポーリングによって通知されてもよい。この場合、通信システムAに属する全ての端末装置が通信システムBのプリアンブル及びヘッダを受信する機能を備えている必要はない。通信システムAに属する少なくとも一つの端末装置が、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを送信する機能を備えているだけでよい。
(第6の実施形態)
第6の実施形態において、通信システムAに属する端末装置の機能的構成は、第1の実施形態と同様であるので、図2を援用することとする。ただし、以下に説明するように、第6の実施形態に係る端末装置の動作は、第1の実施形態とは異なる。なお、第6の実施形態における通信システムAに属する端末装置は、図8及び9に示す機能ブロックを有していても良い。
図25は、第6の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャートである。図25では、ビーコンの送信は省略されている。
第6の実施形態において、通信システムAに属する端末装置111,112及び113の内、端末装置111は、制御端末であるとしている。
制御端末の共存ヘッダ送信部207は、通信システムBのプリアンブル及びNAV情報を含むヘッダを共存ヘッダとして送信する機能を有している。制御端末のフレーム受信部205は、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを受信する機能を有している。制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205が受信した通信システムBのプリアンブル及びヘッダを解析することによって、NAV情報を抽出する機能を有している。制御端末の通信制御部203は、通信システムBのヘッダに含まれるNAV情報に基づいて、最大T12時間連続して通信システムBに属する端末装置の送信を抑制するように、共存ヘッダを共存ヘッダ生成部206に生成させて、共存ヘッダ送信部207に送信させる。
端末装置112及び113は、端末装置111によって制御される被制御端末である。被制御端末のフレーム受信部205は、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを検出する機能を有する。被制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205が検出した通信システムBのプリアンブル及びヘッダが、制御端末によって送信されたものであるか否かを判断する機能を有する。これによって、制御端末の通信制御部203は、通信媒体101が通信システムBの端末装置によって占有されているか否かを判断することができる。
以下、図25を参照しながら、第6の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子について、説明する。
時刻1231において、端末装置111は、共存ヘッダ1211を送信する。ここで、端末装置111は、共存ヘッダ1211中の通信システムBのヘッダに、NAV情報の最大値である時間T12を設定する。これにより、通信システムBに属する端末装置は、フレームの送信を最大限まで抑制されることとなる。結果、時刻1232まで(時間T12分だけ)、通信システムBに属する端末装置の送信は抑制される。以後、端末装置111は、共存ヘッダを送信する際、全ての共存ヘッダに対して、最大値を示すNAV情報を設定する。これにより、通信システムAの伝送効率が高まる。また、常に同じ内容のヘッダを共存ヘッダに含めるだけでよいので、制御端末の共存ヘッダ生成部206の構成が簡単になる。具体的には、制御端末の共存ヘッダ生成部206は、予め一つ(もしくは数個)の共存ヘッダをROM等にパターン化して格納しておき、格納されている共存ヘッダを共存ヘッダ送信部207に送信させるとよい。共存ヘッダの送信が完了してから、時間T12の間、通信システムAに属する端末装置は、通信システムAで定められた手順に従って、媒体アクセス制御を行う。
図25の例では、端末装置112が、フレーム1221を送信したとする。続く時刻1232において、端末装置111は、再度、最大値(時間T12)を示すNAV情報が格納された共存ヘッダ1212を送信する。これによって、時刻1233まで(時間T12分だけ)、通信システムBに属する端末装置の送信は抑制される。この間、通信システムAに属する端末装置は、通信システムAで定められた手順に従って、媒体アクセス制御を行う。結果、端末装置113が、フレーム1222を送信する。
時刻1233になると、通信システムBに属する端末装置の送信が抑制されなくなる。引き続き通信システムAによって通信媒体101を占有するためには、端末装置111は、再度、共存ヘッダを送信する必要がある。しかし、ここでは、端末装置111は、共存ヘッダをあえて送信しないこととする。これによって、通信システムA及びBのいずれの端末装置も、通信媒体101にアクセスすることが可能となる。図25では、通信システムBの端末装置122及び123がフレーム1241及び1242を送信することに成功したとする。
先述のように、制御端末は通信システムBのプリアンブル及びヘッダを受信することができるとしたので、端末装置111は、端末装置122及び123から送信されるフレーム1241及び1242を監視することができる。従って、端末装置111は、フレーム1241及び1242の送信が完了する時刻を認識できる。フレーム1242の送信が完了している時刻1234において、端末装置111は、共存ヘッダ1213を送信する。これによって、再び、通信システムAの端末装置によって、通信媒体101が占有されることとなる。
なお、時刻1234の前後において、通信システムBに属する端末装置が、プリアンブル及びヘッダを送信する可能性がある。そこで、通信システムAの端末装置が通信媒体101を占有できる確率を高くするために、端末装置111は、端末装置123によるフレーム1242の送信が完了してから、通信システムBで規定されているフレーム送信後のギャップ時間が経過する前に、共存ヘッダを送信するようにするとよい。もしくは、端末装置111は、端末装置123によるフレーム1242の送信が完了時点から、通信システムBで規定されている最優先のタイミングで、共存プリアングルを送信するようにしてもよい。これによって、通信システムBに属する端末装置がプリアンブル及びヘッダを送信するよりも前に、共存ヘッダが送信される可能性が高くなる。
図26は、制御端末として機能する端末装置(図25に示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャートである。以下、図26を参照しながら、制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図26において、制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図25に示した通信手順を実現することと関係のない処理は省略されている。
制御端末の動作が開始すると、制御端末は、ビーコン周期毎にビーコンを送信するループ(ループ名:LOOP30)を開始する。ここでは、LOOP30には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP30には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP30において、制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202にビーコンを送信させる(ステップS1201)。ビーコン送信後、制御端末は、フレーム及び共存ヘッダを送信するためのループ(ループ名:LOOP31)を開始する。LOOP31の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP31の処理は終了する。
LOOP31において、制御端末の共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダを送信するタイミングが到来したか否かを判断する(ステップS1202)。共存ヘッダを送信するタイミングが到来していない場合、制御端末の通信制御部203は、規定の手順に従って、フレームの送受信に関連する処理を実行し(ステップS1205)、LOOP31の先頭に戻る。一方、共存ヘッダを送信するタイミングが到来した場合、制御端末の通信制御部203は、ステップS1203の動作に進む。なお、共存ヘッダの送信タイミングは、ビーコンの送信直後、及び共存ヘッダの送信後から時間T12経過した時点である。従って、ビーコンの送信直後である一回目のステップS1202における判断は、必ず肯定となる。
ステップS1203において、制御端末の通信制御部203は、通信システムAが通信媒体101を占有すべきか否かを判断する(ステップS1203)。ステップS1203の判断基準は、特に限定されるものではない。例えば、予め決められた条件(時間に関する条件や、通信状況に関する条件等)が満たされた場合、制御端末の通信制御部203は、一律的に、通信システムAが通信媒体101を占有すべきであると判断してもよい。また、制御端末の通信制御部203は、自端末又は通信システムAに属する他の端末装置が送信すべきデータを有している場合、通信システムAが通信媒体101を占有すべきであると判断してもよい。なお、他の端末装置が送信すべきデータを有しているか否かは、当該他の端末から別途通知してもらう等の方法によって認識可能である。
通信システムAが通信媒体101を占有すべきである場合、制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダを共存ヘッダ生成部206に生成させて、共存ヘッダ送信部207に共存ヘッダを送信させ(ステップS1204)、ステップS1205の動作に進む。ステップS1204で送信される共存ヘッダには、NAV情報の最大値である時間T12が設定されているので、時間T12だけ、通信システムBに属する端末装置の通信が抑制されることとなる。抑制されている間、通信システムAの端末装置は、フレームの送受信処理を実行する(ステップS1205)。
一方、通信システムAが通信媒体101を占有すべきでない場合、制御端末の通信制御部203は、通信システムBから通信媒体101の占有を取り戻すか否かを判断するためのループ(ループ名:LOOP32)を開始する。
LOOP32において、制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205によって検出された通信システムBのプリアンブル及びヘッダを解析して、通信システムBの端末装置がフレームを送信中であるか否かを判断する(ステップS1206)。通信システムBの端末装置がフレームを送信中である場合、制御端末は、LOOP32の先頭に戻る。一方、通信システムBの端末装置がフレームを送信中でない場合、制御端末の通信制御部203は、通信システムAによる通信媒体101の占有に戻すか否かを判断する(ステップS1207)。ステップS1207での判断基準については、ステップS1203と同様である。
通信システムAによる通信媒体101の占有に戻す場合、制御端末は、ステップS1204の動作に進んで、共存ヘッダを送信する。一方、通信システムAによる通信媒体101の占有に戻さない場合、制御端末は、LOOP32の先頭に戻る。なお、LOOP32の処理は、必ずしも、LOOP31で示されるビーコン周期内に完了しなくてもよい。LOOP32の処理がLOOP31で示されるビーコン周期内に完了しなかった場合、通信システムAの端末装置は、一回のビーコン周期内で、通信媒体101の占有を通信システムBから取り戻すことができなかっただけである。その後のビーコン周期が到来すれば、通信システムAの端末装置は、通信媒体101の占有を通信システムBから取り戻すことができる可能性がある。
ビーコン周期が満了すると、制御端末の通信制御部203は、再びビーコンを送信し(ステップ1201)、LOOP30の処理を行う。以降、LOOP30の処理が繰り返される。
図27は、被制御端末として機能する端末装置(図25に示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャートである。以下、図27を参照しながら、被制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図27において、被制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図25に示した通信手順を実現することと関係のない処理は省略されている。
被制御端末の動作が開始すると、被制御端末は、ビーコンを受信するループ(ループ名:LOOP33)を開始する。ここでは、LOOP33には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP33には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP33において、被制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205が受信したビーコンを受け取るまで待機する(ステップS1301)。ビーコンを受信すると、被制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダが送信されるのを待つループ(LOOP名:LOOP34)を開始する。LOOP34の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP34の処理は終了する。
LOOP34において、被制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダが送信されるまで待機する(ステップS1302)。その後、被制御端末は、LOOP35の処理に進む。LOOP35では、被制御端末の通信制御部203は、規定の手順に従って、フレームの送受信に関連する処理を実行する(ステップS1303)。LOOP35では、データ送信期間が経過するまで、ステップS1303の動作が繰り返される。ここで、データ送信期間とは、制御端末によって共存ヘッダが送信されてから時間T12が経過するまでの期間である。すなわち、被制御端末の通信制御部203は、次の共存ヘッダが送信される予定される時刻まで、ステップS1303の動作を繰り返す。
データ送信期間が経過すると、通信システムBによる通信抑制期限が切れるので、被制御端末は、ステップS1302の動作に戻って、再度、共存ヘッダが送信されるまで待機する。
以降、被制御端末は、ビーコン周期が満了するまでステップS1302〜S1303の動作を繰り返す。ビーコン周期が満了すると、被制御端末は、再度、制御端末が送信するビーコンの受信を待つ(ステップS1301)。ビーコン周期の間、被制御端末は、LOOP34で示される処理を実行する。
以上のように、第6の実施形態によれば、共存ヘッダ内の通信システムBのヘッダに含まれるNAV情報によって、通信システムBに属する端末装置は、最大時間だけ連続して送信が抑制される。従って、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを送信することによって生じるオーバーヘッドが、最大限に抑制されることとなる。また、NAV情報を最大値に設定しているので、装置構成が簡略化する。また、必要に応じて、制御端末は、共存ヘッダによって通信システムBに属する端末装置の送信を抑制できる期限を超えても、共存ヘッダを送信しないとすることができる。これによって、通信システムBに属する端末装置に送信機会が与えられる。さらに、制御端末は、必要に応じて、再度、通信システムBに属する端末装置の送信を抑制して、通信システムAに制御を取り戻すことができる。従って、第6の実施形態によれば、単に共存対象となる通信システムの通信を抑制するだけではなく、制御端末が属する通信システムに必要な通信を確保しつつ、共存対象となる通信システムにも通信時間を与えることができるシステムが提供されることとなる。
なお、ステップS1302において、通信システムBの通信を抑制する期限が切れたとしても、制御端末は、必ずしも共存ヘッダを送信するとは限らない。その場合、被制御端末は、制御端末によって送信された共存ヘッダが受信されるまで待機するとよい。
なお、第6の実施形態では、通信システムAの被制御端末にも通信システムBのプリアンブル及びヘッダを検出する機能が備わっているとしたが、通信システムAの制御端末が共存ヘッダを送信した後、通信システムAのフレームを用いて通信システムAに属する被制御端末に対して通信媒体を占有したことを通知することとすれば、通信システムAの被制御端末には通信システムBのプリアンブル及びヘッダを検出する機能が備わっていなくてもよい。この場合の実施形態は、以下の第7の実施形態に示す。
(第7の実施形態)
第7の実施形態において、通信システムAに属する端末装置の機能的構成は、第1の実施形態と同様であるので、図2を援用することとする。ただし、以下に説明するように、第7の実施形態に係る端末装置の動作は、第1の実施形態とは異なる。なお、第7の実施形態に係る通信システムAに属する端末装置は、図8及び9に示す機能ブロックを有していても良い。
図28は、第7の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャートである。
第7の実施形態において、通信システムAに属する端末装置111,112及び113の内、端末装置111は、制御端末であるとしている。
制御端末の共存ヘッダ送信部207は、通信システムBのプリアンブル及びNAV情報を含むヘッダを共存ヘッダとして送信する機能を有している。制御端末のフレーム受信部205は、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを受信する機能を有している。制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205が受信した通信システムBのプリアンブル及びヘッダを解析することによって、NAV情報を抽出する機能を有している。制御端末の通信制御部203は、通信システムBのヘッダに含まれるNAV情報に基づいて、最大T12時間連続して通信システムBに属する端末装置の送信を抑制するように、共存ヘッダを共存ヘッダ生成部206に生成させて、共存ヘッダ送信部207に送信させる。
端末装置112及び113は、端末装置111によって制御される被制御端末である。被制御端末のフレーム受信部205は、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを検出する機能を有する。被制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205が検出した通信システムBのプリアンブル及びヘッダが、制御端末によって送信されたものであるか否かを判断する機能を有する。これによって、制御端末の通信制御部203は、通信媒体101が通信システムBの端末装置によって占有されているか否かを判断することができる。
以下、図28を参照しながら、第7の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子について説明する。
時刻P31において、端末装置111は、共存ヘッダP11を送信する。ここで、端末装置111は、共存ヘッダP11中の通信システムBのヘッダに、NAV情報の最大値であるT12時間を設定する。これにより、通信システムBに属する端末装置は、フレームの送信を最大限まで抑制されることとなる。結果、時刻P32まで(時間T12分だけ)、通信システムBに属する端末装置の送信は抑制される。端末装置111は、時刻P32まで通信媒体101を占有したことを通信システムAに属する各端末装置に通知するために、通知フレームP51を送信する。
図29は、通信媒体101を占有したことを通知するための通知フレームP51のフォーマットを示す図である。なお、通知フレームP51以降に送信される通知フレームについても、図29に示すフォーマットを有しているものとする。通知フレームは、フレームタイプ/機能識別コードフィールドQ01と、ネットワーク/アドレス識別コードフィールドQ02と、媒体占有時間通知フィールドQ03とを含む。
フレームタイプ/機能識別コードフィールドQ01には、通信システムAで定義したフレームタイプや、汎用目的のフレームにおける機能を識別するための識別子が格納される。フレームタイプ/機能識別コードフィールドQ01によって、通知フレームを受信した被制御端末は、当該通知フレームが特定時刻までの通信媒体占有を意味するフレームであることを認識することができる。
ネットワーク/アドレス識別コードフィールドQ02には、端末装置に固有の値、特徴的には、制御端末のMACアドレス等や、制御端末の属するネットワークに固有の値等が格納される。ネットワーク/アドレス識別コードフィールドQ02によって、通知フレームを受信した被制御端末は、自身が属する通信システムが通信媒体を占有したことを知ることができる。通信システムAと同じ方式に基づく通信システム、すなわち端末装置111が送信する通知フレームを受信可能な異なる通信システムが存在しない場合は、フィールドQ02は省略可能である。
媒体占有時間通知フィールドQ03には、制御端末が属する通信システムによって通信媒体が占有される時間、もしくは占有状態が終了する時刻情報等が格納される。媒体占有時間通知フィールドQ03によって、通知フレームを受信した被制御端末は、自通信システムが通信媒体を占有できる時間を知ることができる。なお、本実施形態のように、通信システムBのヘッダに格納されるNAV情報が常に一定であると規定されている場合等は、フィールドQ03は省略可能である。
このように、通知フレームには、抑制対象の通信システムBにおいてフレームの送信が抑制されている時間に関する情報が含まれている。
通知フレームP51を受信した通信システムAに属する端末装置は、通信システムAで定められた手順に従って媒体アクセス制御を実行する。図28に示す例では、その結果、端末装置112がフレームP21を送信したとする。
続く時刻P32において、端末装置111は、再度通信システムBのプリアンブルと、最大値(T12時間)のNAV情報を格納したヘッダP12とを、共存ヘッダとして送信する。共存ヘッダP12によって、通信システムBに属する端末装置の送信は、時刻P33まで(時間T12分だけ)抑制される。端末装置111は、時刻P33まで通信媒体101を占有したことを通信システムAに属する端末装置に通知するための通知フレームP52を送信する。
時刻P33までの間、通信システムAに属する端末装置は、通信システムAで定められた手順に従って媒体アクセス制御を実行する。図28に示す例では、その結果、端末装置113がフレームP22を送信したとする。
時刻P33になると、通信システムBに属する端末装置の送信が抑制できなくなる。従って、通信システムAが通信媒体101を引き続き占有するためには、端末装置111によって、共存ヘッダが再度送信されなければならない。しかし、ここでは、端末装置111は、共存ヘッダをあえて送信しないことによって、通信媒体101を通信システムBに明け渡す。
これによって通信ネットワークシステムBに属する端末装置は通信媒体101へのアクセスが可能となる。図28に示す例では、端末装置122及び123がそれぞれフレームP41及びP42の送信に成功したとしている。
端末装置111は、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを受信することができる。従って、端末装置111は、端末装置122及び端末装置123の送信フレームを監視することができる。端末装置122及び端末装置123の送信フレームが終了した後、時刻P34において、端末装置111は、共存ヘッダを送信する。これによって、通信システムAは、通信媒体101の占有権を再び獲得する。端末装置111は、時刻P35まで通信媒体101を占有したことを通信システムAに属する端末装置に通知するための通知フレームP53を送信する。以降、同様の処理が繰り返される。
図30は、制御端末として機能する端末装置(図28に示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャートである。以下、図30を参照しながら、制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図30において、制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図28に示した通信手順を実現することと関係のない処理は省略されている。
制御端末の動作が開始すると、制御端末は、ビーコン周期毎にビーコンを送信するループ(ループ名:LOOP36)を開始する。ここでは、LOOP36には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP36には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP36において、制御端末の通信制御部203は、フレーム送信部202にビーコンを送信させる(ステップS1401)。ビーコン送信後、制御端末は、フレーム及び共存ヘッダを送信するためのループ(ループ名:LOOP37)を開始する。LOOP37の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP37の処理は終了する。
LOOP37において、制御端末の共存ヘッダ送信タイミング決定部208は、共存ヘッダを送信するタイミングが到来したか否かを判断する(ステップS1402)。共存ヘッダを送信するタイミングが到来していない場合、制御端末の通信制御部203は、規定の手順に従って、フレームの送受信に関連する処理を実行し(ステップS1406)、LOOP37の先頭に戻る。一方、共存ヘッダを送信するタイミングが到来した場合、制御端末の通信制御部203は、ステップS1403の動作に進む。なお、共存ヘッダの送信タイミングは、ビーコンの送信直後、及び共存ヘッダの送信後から時間T12経過した時点である。従って、ビーコンの送信直後である一回目のステップS1402における判断は、必ず肯定となる。
ステップS1403において、制御端末の通信制御部203は、通信システムAが通信媒体101を占有すべきか否かを判断する。通信システムAが通信媒体101を占有すべきである場合、制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダを共存ヘッダ生成部206に生成させて、共存ヘッダ送信部207に共存ヘッダを送信させ(ステップS1404)、ステップS1405の動作に進む。ステップS1404で送信される共存ヘッダには、NAV情報の最大値である時間T12が設定されているので、時間T12だけ、通信システムBに属する端末装置の通信が抑制されることとなる。
ステップS1405において、制御端末の通信制御部203は、被制御端末に対して、通信媒体を占有した旨を通知するための通知フレームを生成して、フレーム送信部202に送信させる。その後、制御端末は、フレームの送受信に関連する処理を実行し(ステップS1406)、LOOP37の先頭に戻る。
一方、通信システムAが通信媒体101を占有すべきでない場合、制御端末の通信制御部203は、通信システムBから通信媒体101の占有を取り戻すか否かを判断するためのループ(ループ名:LOOP38)を開始する。
LOOP38において、制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205によって検出された通信システムBのプリアンブル及びヘッダを解析して、通信システムBの端末装置がフレームを送信中であるか否かを判断する(ステップS1407)。通信システムBの端末装置がフレームを送信中である場合、制御端末は、LOOP38の先頭に戻る。一方、通信システムBの端末装置がフレームを送信中でない場合、制御端末の通信制御部203は、通信システムAによる通信媒体101の占有に戻すか否かを判断する(ステップS1408)。通信システムAによる通信媒体101の占有に戻す場合、制御端末は、ステップS1404の動作に進んで、共存ヘッダを送信する。一方、通信システムAによる通信媒体101の占有に戻さない場合、制御端末は、LOOP38の先頭に戻る。なお、LOOP38の処理は、必ずしも、LOOP37で示されるビーコン周期内に完了しなくてもよい。LOOP38の処理がLOOP37で示されるビーコン周期内に完了しなかった場合、通信システムAの端末装置は、一回のビーコン周期内で、通信媒体101の占有を通信システムBから取り戻すことができなかっただけである。その後のビーコン周期が到来すれば、通信システムAの端末装置は、通信媒体101の占有を通信システムBから取り戻すことができる可能性がある。
ビーコン周期が満了すると、制御端末の通信制御部203は、再びビーコンを送信し(ステップ1401)、LOOP36の処理を行う。以降、LOOP36の処理が繰り返される。
図31は、被制御端末として機能する端末装置(図28に示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャートである。以下、図31を参照しながら、被制御端末として機能する端末装置の動作について説明する。なお、図31において、被制御端末における動作終了処理やフレーム送受信処理の詳細等、図28に示した通信手順を実現することと関係のない処理は省略されている。
被制御端末の動作が開始すると、被制御端末は、ビーコンを受信するループ(ループ名:LOOP39)を開始する。ここでは、LOOP39には、終了条件が設定されていないこととしているが、実際は、何らかの終了条件が設定されているが、本発明の動作説明を簡潔にするために、LOOP39には、終了条件が設定されていないものとする。
LOOP39において、被制御端末の通信制御部203は、フレーム受信部205が受信したビーコンを受け取るまで待機する(ステップS1501)。ビーコンを受信すると、被制御端末の通信制御部203は、共存ヘッダが送信されるのを待つループ(LOOP名:LOOP40)を開始する。LOOP40の終了条件は、ビーコン周期が到来するか否かである。ビーコン周期が到来した場合、LOOP40の処理は終了する。
LOOP40において、被制御端末の通信制御部203は、通信媒体を占有している旨の通知フレームを受信するまで待機する(ステップS1502)。通知フレームを受信すると、被制御端末は、フレームを送信するためのループ(ループ名:LOOP41)を開始する。
LOOP41において、被制御端末の通信制御部203は、規定の手順に従って、フレームの送受信に関連する処理を実行する(ステップS1503)。LOOP41では、データ送信期間が完了するまで、ステップS1503の動作が繰り返される。ここで、データ送信期間とは、通信システムAが通信媒体101を占有することによって、通信システムAに属する端末装置がフレームを送受信することができる期間である。被制御端末の通信制御部203は、通知フレームの媒体占有時間通知フィールドQ03を参照して、制御端末が属する通信システムによって通信媒体が占有される時間、もしくは占有状態が終了する時刻情報を認識し、データ送信期間を認識する。
データ送信期間が終了すると、被制御端末の通信制御部203は、通知フレームの受信を待機する処理(ステップS1502)に戻る。以降、ビーコン周期が満了するまで、被制御端末は、ステップS1502〜S1503の処理を繰り返す。ビーコン周期が満了すると、再度、被制御端末は、ビーコンの受信を待ち(ステップS1501)、ビーコン周期の間、LOOP40の処理を実行する。
以上のように、第7の実施形態によれば、制御端末は、通信媒体を占有している期間を通知する。従って、被制御端末は、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを検出する機能を有さなくても、必要な通信を確保しつつ、他の通信システムと共存することができる。あわせて、第7の実施形態は、第6の実施形態と同様の効果も有する。
なお、ステップS1502において、通信システムBの通信を抑制する期限が切れたとしても、制御端末は、必ずしも通知フレームを送信するとは限らない。その場合、被制御端末は、通知フレームを受信するのを待機するとよい。
(第8の実施形態)
第8の実施形態において、通信システムAに属する端末装置の機能的構成は、第1の実施形態と同様であるので、図2を援用することとする。ただし、以下に説明するように、第8の実施形態に係る端末装置の動作は、第1の実施形態とは異なる。
図32は、第8の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャートである。
第8の実施形態において、通信システムAに属する端末装置111,112及び113の内、端末装置111は、制御端末であるとしている。制御端末のフレーム送信部202は、通信システムBのプリアンブルと、優先度情報を含むヘッダとを、共存ヘッダとして送信する機能を有している。端末装置111は、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを送信することで、最大T13時間だけ連続して通信システムBに属する端末装置の送信を抑制することができる。第8の実施形態に係る制御端末及び被制御端末の動作フローは、第1〜第7のいずれかの実施形態に係る動作フローと同様である。
第8の実施形態に係る通信システムBに属する端末装置は、優先度に基づいて、メディアアクセス制御を行っている点が、他の実施形態と異なる。具体的には、通信システムBに属する端末装置は、フレームのヘッダに、0〜7の8段階の優先度情報を記載する。0が最も低い優先度であり、7が最も高い優先度であるとする。通信システムBに属する端末装置は、自らが送信しようとしているフレームよりも高い優先度が記載されているヘッダを検出すると、フレームの送信を断念する。
図32の例では、通信システムBには、3台の端末装置121,122及び123が属しているとしている。これらの端末装置の送信しようとしているフレームの優先度は、それぞれ6,4,及び5であるとする。
上記のような通信システムBに属する端末装置の送信を高い確率で抑制するためには、最高の優先度を持つヘッダを送信することが有効である。そこで、通信システムAの制御端末装置111は、時刻1331において、通信システムBのプリアンブルと、最高優先度7を持つヘッダとを、共存ヘッダ1311として送信する。これによって、通信システムBにおいて、優先度6以下のフレームの送信が抑制されることとなる。図32に示す例では、通信システムBにおいて、送信しようとしているフレームの優先度がすべて6以下である。結果、通信システムAが通信媒体101を占有することができる。通信システムAに属する端末装置は、通信システムBの送信抑制が効いている時刻1332までの間、通信システムAで定められた手順に従って媒体アクセス制御を行い、フレームの送信を行う。図28では、端末装置112によって、フレーム1321が送信されている。以降、同様の手順によって、通信システムAが、高い確率で通信媒体101を占有することができる。
以上のように、第8の実施形態によれば、通信システムAの端末装置による通信システムBのプリアンブル及びヘッダの優先度を最高に高めることができるので、通信システムAの端末装置は、高い確率で通信システムBに属する端末装置の送信を抑制することができる。
なお、第8の実施形態では、説明を簡単にするために、共存ヘッダの送信タイミングの通知に関しては説明を省略している。送信タイミングは、第1の実施形態と同様、いずれかの端末装置がビーコン又はポーリングによって通知しているものとする。この場合、通信システムAに属する全ての端末装置が通信システムBのプリアンブル及びヘッダを受信する機能を備えている必要はない。通信システムAに属する少なくとも一つの端末装置が、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを送信する機能を備えているだけでよい。
また、図32に示す例では、共存ヘッダを送信する間隔内で通信システムAの送信が終了する場合について説明している。しかし、第4及び第5の実施形態で説明したように、共存ヘッダを送信する間隔内で、通信システムAの端末装置は、フレームの送信を一時中断して、最も高い優先度のヘッダを含む共存ヘッダを送信するようにしてもよい。この場合も、同様の効果が得られ、伝送効率は、相加的に向上する。
なお、ここでは、数値が大きいほど、優先度が高いとし、最大優先度を示す値は7であるとした。しかし、優先度を表す数値の上下関係、最大優先度を示す数値については、ここで示した規定と異なっていてもよいことは言うまでもない。
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、他の通信システムが存在するかどうかを推定し、他の通信システムとの共存を図る共存動作モードと、他の通信システムとの共存を考慮しない独立動作モードとを切り替えることができる端末装置について説明する。
図33は、第9の実施形態に係る通信システムAに属する端末装置111,112,113の機能的構成を示すブロック図である。以下、代表して端末装置111のみについて説明する。
図33において、端末装置111は、フレーム生成部231と、フレーム送信部232と、通信制御部233と、伝送I/F部234と、フレーム受信部235と、共存ヘッダ生成部236と、共存ヘッダ送信部237と、共存ヘッダ送信タイミング決定部238と、他システム検出部239と、動作モード切替部240とを備える。
フレーム生成部231は、送信データをフレーム化する。フレーム送信部232は、フレーム生成部201によって得られたフレームを伝送I/F部234を介して、通信媒体101に送信する。通信制御部233は、フレームの送信タイミングを決定する。フレーム受信部235は、伝送I/F部234で受信されたフレームを処理して、受信データを抽出する。
共存ヘッダ生成部236は、フレーム送信に先立って通信システムBに属する端末装置の送信を抑制するために、共存ヘッダとして、通信システムBのプリアンブル及びヘッダを生成する。その際、通信制御部233は、フレームを送信する時間を共存ヘッダ生成部236に通知する。これに応じて、共存ヘッダ生成部236は通信システムBに属する端末装置による送信を抑制する時間を決定し、共存ヘッダ内の通信システムBのヘッダに必要な情報を設定する。共存ヘッダ生成部236によって生成された共存ヘッダは、共存ヘッダ送信部237に送られる。共存ヘッダ送信タイミング決定部238は、共存ヘッダを送信するタイミングを決定し、決定したタイミングで、フレーム送信部232と共存ヘッダ送信部237とを切り替える。これによって、決定したタイミングに基づいて、送信フレーム又は共存ヘッダが、伝送I/F部234に引き渡される。
他システム検出部239は、通信制御部233から通信状況に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、同一通信媒体上に通信システムBを含む他の通信システムが存在するか否かを検出する。ここで、通信制御部233は、通信状況に関する情報として、データ伝送速度、フレーム誤り率、フレーム再送率等を他システム検出部239に送る。例えば、他システム検出部239は、データ伝送速度が低下している場合や、フレーム誤り率が上昇している場合、フレーム再送率が上昇している場合に、他の通信システムとの間でフレームが衝突しているとして、他の通信システムが存在すると判断する。他システム検出部239は、他の通信システムが存在すると判断したら、その旨を動作モード切替部240に通知する。
動作モード切替部240は、他の通信システムとの共存を図る共存動作モードと、他の通信システムとの共存を考慮しない独立動作モードとを切り替えるためのブロックである。他システム検出部239から他の通信システムの存在が通知された場合、動作モード切替部240は、動作モードを独立動作モードから共存動作モードに切り替える。
他システム検出部239は、他の通信システムの存在を推定する場合と同じく、データ伝送速度や、フレーム誤り率、フレーム再送率等を用いて、それまで存在していた他の通信システムが存在しなくなったことを推定することができる。例えば、他システム検出部239は、データ伝送速度が上昇した場合や、フレーム再送率が減少している場合に、他の通信システムとの間でフレームが衝突しなくなったとして、他の通信システムが存在しなくなったと判断する。他の通信システムが存在しなくなったと判断した場合、他システム検出部239は、その旨を動作モード切替部240に通知する。当該通知に応じて、動作モード切替部240は、動作モードを共存動作モードから独立動作モードに切り替える。
共存動作モードに設定されている場合、共存ヘッダ送信タイミング決定部238は、共存ヘッダを送信するタイミングを決定する。共存ヘッダを送信するタイミングが到来したら、共存ヘッダ送信タイミング決定部238は、通信制御部233に対して、共存ヘッダを送信するように要求する。独立動作モードに設定されている場合、共存ヘッダ送信タイミング決定部238は、共存ヘッダを送信するタイミングを決定せず、フレーム送信部232から出力されるフレームのみが伝送I/F部234を介して、通信媒体101に送信されるように制御する。
第9の実施形態において、共存ヘッダを送信する手順については、第1〜第8のいずれかの実施形態に係る手順が用いられる。
以上のように、第9の実施形態によれば、他の通信システムが存在する場合のみ、共存ヘッダが送信されることとなる。従って、他の通信システムが存在しない場合の伝送効率が向上する。
なお、第9の実施形態では、他システム検出部239は、通信制御部233からの情報に基づいて、他の通信システムが存在するか否かを推定することとしたが、他の方法を用いて推定してもよい。例えば、通信システムAに属する端末装置が他の通信システムのフレームもしくはフレームの一部を検出もしくは受信する機能を有している場合、他システム検出部239は、当該機能を利用して他の通信システムの存在を検出してもよい。また、他の通信システムが通信システムAの利用しない周波数帯域を利用する場合、通信システムAの端末装置は、他の通信システムのみが利用する周波数帯域のキャリア検出を行う外部周波数帯キャリア検出部を備えるとよい。この場合、他システム検出部239は、外部周波数帯キャリア検出部による検出結果に基づいて、他の通信システムの存在を推定してもよい。さらには、他システム検出部239は、通信システムAが通信を行わない時間にキャリア検出を実行し、キャリア検出の結果に基づいて、他の通信システムの存在を推測してもよい。
なお、上記実施形態では、通信ネットワークには、相異なる複数の通信システムとして、通信システムA及びBが備えられていることとしたが、三つ以上の相異なる通信システムが備えられていてもよい。フレームの送信を抑制させたい抑制対象通信システムが二つ以上ある場合、制御端末は、各抑制対象通信システムに対応する共存ヘッダをそれぞれ送信して、抑制対象通信システムでのフレームの送信を抑制するとよい。この場合も、共存ヘッダが送信されるタイミングは、ビーコン内で指定さえていてもよいし、予め規定されていてもよい。被制御端末は、共存ヘッダが送信されるタイミングをビーコン又は当該規定に基づいて認識する。制御端末及び被制御端末は、フレームの送信中に共存ヘッダを送信するタイミングが到来したら、フレームの送信を一時中断し、共存ヘッダの送信が終了したらフレームの送信を再開するとよい。
上記のように、本発明の実施形態によれば、抑制対象通信システムをある時間だけビジー状態にすることができる。その結果、通信システムAに属する端末装置は、パケット送信毎に、抑制対象通信システムで用いられる低速なプリアンブルやヘッダを送信する必要が無くなる。よって、共存のために必要なプリアンブルやヘッダによって通信媒体上で占められる時間的割合が、低減することとなる。特に、VoIPのようなショートパケットを送信する場合や、同一の端末装置が複数のパケットを連続して送信するような場合において、本発明の効果は顕著に現れる。
図34は、同一の端末装置が複数のパケットを連続して送信する場合について、従来技術であるIEEE802.11によって通信媒体が占有される時間と本発明の実施形態によって通信媒体が占有される時間とを比較するための図である。
従来方式の場合、データ送信を行いたい端末装置は、データ通信に先立って、時刻A31においてヘッダA11を送信する。なお、図39でも示したように、従来方式においては、ヘッダは、共存対象となる古い方式のヘッダと同じ変調方式、同じフォーマットで作られている。従って、従来方式におけるヘッダは低速である。データ送信を行いたい端末装置は、ヘッダの送信に続いて、送信したいデータ本体A21を送信する。データ本体A21の送信が完了すると、端末装置は、送信端末や受信端末の処理に要する時間を見込んだ一定のギャップの後、再度、ヘッダA12、さらにこれに続くデータ本体A22を送信する。以降、同様の処理を繰り返して、端末装置は、データ本体A23〜A28に対して、それぞれ、古い方式のヘッダA13〜A18を先行して送信することによって、フレームを連続的に送信する。データ本体A28の送信は、時刻A34で終了したとする。
これに対して本発明の方式の場合、データ送信を行いたい端末装置は、データ通信に先立って、時刻A31において、共存ヘッダA41を送信する。本発明において、共存ヘッダは、抑制対象通信システムにおける方式のヘッダであるので、一般的には、自通信システムにおける方式のヘッダよりも長いと考えられる。共存ヘッダA31を送信した端末装置は、送信端末や受信端末の処理に要する時間を見込んだ一定のギャップの後、自通信システムにおける方式のヘッダA51と、それに続いてデータ本体A21を送信する。以降、本発明の端末装置は、ギャップ処理、ならびに自方式のヘッダ及びデータ本体の送信を繰り返す。これによって、本発明の端末装置は、データ本体A22〜A28に対して、それぞれヘッダA52〜A58を先行して送信することによって、フレームを連続的に送信する。データ本体A28の送信は、時刻A33で終了したとする。
以上のように、本発明の通信端末では、古い方式のヘッダを何度も送信しなくて良い。従って、本発明の方式によれば、従来の方式に比べ、短い時間で同じ量のデータを送信することができる。図34に示す例では、時刻A34と時刻A33との間の時間だけ、8つのフレームを送信するために要する時間が短縮されている。
なお、上述の各実施形態は、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク等)に格納された上述の処理手順をCPUに実行させることができるプログラムを、CPUに実行させることによっても実現できる。この場合、当該プログラムは、記録媒体を介して記憶装置内に格納された上で実行されてもよいし、記録媒体上から直接実行されてもよい。ここでの記録媒体は、ROMやRAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクメモリ、CD−ROMやDVD、BD等の光ディスク、メモリカード等の記録媒体をいう。また、ここでいう記録媒体は、電話回線や搬送路等の通信媒体も含む概念である。
なお、図2,8,9,33に示した各機能ブロックは、集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらの機能ブロックは、1チップ化されていてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されていてもよい。ここでは、LSIといったが、集積度の違いによっては、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと称呼されることもある。また、集積回路化の手法は、LSIに限られるものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで集積回路化を行ってもよい。また、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを用いてもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
以下に、上記各実施形態を実際のネットワークシステムに応用した例について説明する。図35は、本発明の端末装置を高速電灯線伝送に適用したときのシステム全体の構成を示す図である。図35に示すように、本発明の端末装置は、デジタルテレビ(DTV)やパーソナルコンピュータ(PC)、DVDレコーダ等のマルチメディア機器と電灯線との間のインタフェースを提供する。マルチメディア機器と本発明の端末との間は、IEEE1394のインタフェースであったり、USBインタフェースであったり、Ethernet(登録商標)インタフェースであったりする。このような構成によって、電灯線を媒体としたマルチメディアデータ等のデジタルデータを高速伝送する通信ネットワークシステムが構成されることとなる。この結果、従来の有線LANのようにネットワークケーブルを新たに敷設するこのなく、家庭、オフィス等に既に設置されている電灯線をそのままネットワーク回線として使用することができる。従って、コスト面、設置の容易性の面から、その利便性は、極めて大きい。
図35に示した実施形態では、本発明の端末装置は、既存のマルチメディア機器の信号インタフェースを電灯線通信のインタフェースに変換するアダプタとしての役割を果たしているが、パーソナルコンピュータ、DVDレコーダ、デジタルテレビ、ホームサーバシステム等のマルチメディア機器に本発明の端末装置が内蔵されていてもよい。これにより、マルチメディア機器の電源コードを介して、機器間のデータ伝送が可能となる。この場合、アダプタと電灯線とを接続する配線や、IEEE1394ケーブル、USBケーブル、Ethernet(登録商標)ケーブルが不要となり、配線が簡略化されることとなる。
また、電灯線を用いた通信ネットワークシステムは、ルータ及び/又はハブを介して、インターネットや、無線LAN、従来の有線ケーブルのLANに接続することができるので、本発明の通信ネットワークシステムを用いたLANシステムの拡張にも何らの問題も生じない。
また、電灯線伝送により電灯線を介して流される通信データは、電灯線に直接接続された装置に傍受される以外は、無線LANで問題となる傍受によるデータ漏洩の問題の対象とならない。従って、電灯線伝送方式は、セキュリティの面からも効果を有する。もちろん、電灯線を流れるデータは、例えば、IPプロトコルにおけるIPSecや、コンテンツ自身の暗号化、その他のDRM方式等で保護されていてもよい。
今後、高速電灯線通信の技術が進歩すれば、古い方式の端末装置と新しい方式の端末装置とが、共通の電灯線に混在して接続されることとなる。このような場合、新しい方式の端末装置に本発明の特徴を組み込めば、古い方式の端末装置と新しい方式の端末装置とを共通の電灯線上に共存させることができる。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明にかかる端末装置は、同一の通信媒体上で相異なる複数の通信システムを共存させることができ、無線通信や電灯線通信等に利用することが可能である。
本発明の実施形態に係る端末装置が適用される通信ネットワーク全体の構成例を示す図 本発明の第1の実施形態に係る端末装置111,112,113の機能的構成を示すブロック図 通信システムBで用いられるフレームの構成を示す図 第1の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャート 端末装置111が送信するビーコンのフォーマットの一例を示す図 図4に示すフォーマットを利用して、端末装置111が実際に送信するビーコンの例を示す図 制御端末として機能する端末装置(図3Bに示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャート ビーコンを送信しない被制御端末(図3Bに示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャート フレーム送信部202と共存ヘッダ送信部207とを共通化したときの端末装置111,112,113の機能的構成を示すブロック図 本発明の第2の実施形態に係る端末装置111,112,113の機能的構成を示すブロック図 第2の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャート 制御端末として機能する端末装置(図10に示す例では端末装置112)の動作を示すフローチャート 共存制御端末として機能する端末装置(図10に示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャート 被制御端末として機能する端末装置(図10に示す例では端末装置113)の動作を示すフローチャート 第3の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャート 通信システムBのヘッダのデータ構造を示す図であり、特に、当該ヘッダに含まれるNAV情報に関するフィールドの定義を示す図 図15に示したフォーマットのNAVフィールドに記載される値の一例を示した図 共存制御端末として機能する端末装置(図14に示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャート 被制御端末として機能する端末装置(図14に示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャート 第4の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャート 制御端末として機能する端末装置(図19に示す端末装置111)の動作を示すフローチャート 被制御端末として機能する端末装置(図19に示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャート 第5の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャート 制御端末として機能する端末装置(図22に示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャート 被制御端末として機能する端末装置(図22に示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャート 第6の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャート 制御端末として機能する端末装置(図25に示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャート 被制御端末として機能する端末装置(図25に示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャート 第7の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャート 通信媒体101を占有したことを通知するための通知フレームP51のフォーマットを示す図 制御端末として機能する端末装置(図28に示す例では端末装置111)の動作を示すフローチャート 被制御端末として機能する端末装置(図28に示す例では端末装置112,113)の動作を示すフローチャート 第8の実施形態に係る端末装置が通信媒体101へアクセスするときの様子の一例を示したタイミングチャート 第9の実施形態に係る通信システムAに属する端末装置111,112,113の機能的構成を示すブロック図 同一の端末装置が複数のパケットを連続して送信する場合について、従来技術であるIEEE802.11によって通信媒体が占有される時間と本発明の実施形態によって通信媒体が占有される時間とを比較するための図 本発明の端末装置を高速電灯線伝送に適用したときのシステム全体の構成を示す図 IFSによる優先度の制御を説明するための図 従来のCSMA/CA方式によるアクセス制御方法を説明するための図 従来のIEEE802.11bにおけるパケットの構成を示す図 IEEE802.11、802.11b、802.11gにおけるパケットの構成を示す図 HomePlug1.0のフレーム構成及びプロトコルを示す図 プリアンブル部及びヘッダ部の占める時間が相対的に長くなることを説明するための図

Claims (21)

  1. 相異なる第1の通信システムと第2の通信システムとが共存する通信ネットワークにおいて前記第1の通信システムに属する端末装置であって、
    前記第2の通信システムで用いられるフレームの先頭部分の少なくとも一部を含む共存ヘッダであって、且つ、前記第2の通信システムに属する端末装置のフレームの送信を一定時間抑制するための情報を含む共存ヘッダを生成する共存ヘッダ生成部と、
    前記共存ヘッダ生成部によって生成された共存ヘッダを前記第2の通信システムに属する端末装置で受信可能なように送信する共存ヘッダ送信部と、
    前記第1の通信システムに属する端末装置間でフレームが送受信されるに先立って前記共存ヘッダを送信するための送信タイミングを決定する共存ヘッダ送信タイミング決定部と、
    前記共存ヘッダを、前記送信タイミングで前記共存ヘッダ送信部に送信させることにより、前記第1の通信システムに属する端末装置間でフレームが送受信されている間、前記第2の通信システムに属する端末装置のフレームの送信を抑制する通信制御部とを備える、
    端末装置。
  2. 前記第1の通信システムでは、制御フレームに従って前記通信ネットワーク上の通信媒体へのアクセスが制御されており、
    前記制御フレームには、前記共存ヘッダが送信されるタイミングに関する情報が記載されており、
    前記共存ヘッダ送信タイミング決定部は、前記制御フレーム内で記載される前記情報に従って前記共存ヘッダを送信するタイミングを決定する、
    請求項1に記載の端末装置。
  3. 前記第1の通信システムでは、制御フレームに従って前記通信ネットワーク上の通信媒体へのアクセスが制御されており、
    前記共存ヘッダ送信タイミング決定部は、前記制御フレームが送信される周期内において、予め決められた規則に従って、前記共存ヘッダを送信するタイミングを決定する、
    請求項1に記載の端末装置。
  4. 前記共存ヘッダ生成部は、前記共存ヘッダに、前記第2の通信システムを使用する時間を示すネットワークアロケーションベクトル情報を含ませる、
    請求項1に記載の端末装置。
  5. 前記共存ヘッダ送信タイミング決定部は、前記共存ヘッダに含まれる前記ネットワークアロケーションベクトル情報に基づくネットワーク使用時間以内に、次の共存ヘッダを送信するタイミングが到来すると決定する、
    請求項4に記載の端末装置。
  6. 前記ネットワークアロケーションベクトル情報は、指定可能な最大値である、
    請求項4に記載の端末装置。
  7. 送信すべきデータをフレーム化して送信するフレーム送信部をさらに備え、
    前記通信制御部は、前記フレーム送信部によるフレームの送信を制御しており、前記フレーム送信部によるフレームの送信中に、前記共存ヘッダ送信タイミング決定部によって決定された前記共存ヘッダを送信するタイミングが到来したら、前記フレーム送信部に前記フレームの送信を中断させ、前記共存ヘッダを前記共存ヘッダ送信部に送信させ、前記共存ヘッダの送信が完了したら、前記フレームの送信を前記フレーム送信部に再開させる、
    請求項1に記載の端末装置。
  8. 前記通信制御部は、前記共存ヘッダ送信部に前記共存ヘッダを送信させないことによって、前記第2の通信システムに対して、フレーム送信の機会を与える、
    請求項1に記載の端末装置。
  9. 前記通信制御部は、前記通信システムにフレーム送信の機会を与えた後、再びフレーム送信を抑制させたければ、前記共存ヘッダ送信部に前記共存ヘッダを送信させる、請求項8に記載の端末装置。
  10. 前記通信制御部の指示に応じて、前記第1の通信システム上の自装置とは異なる他の端末装置にフレームを送信するフレーム送信部をさらに備え、
    前記通信制御部は、前記第2の通信システムにおいてフレームの送信が抑制されている時間に関する情報を含む通知フレームを前記フレーム送信部に送信させる、
    請求項1に記載の端末装置。
  11. 前記第2の通信システムでは、送受信されるフレームに優先度が設定されており、
    前記共存ヘッダ生成部は、前記共存ヘッダに対して、前記第2の通信システムにおいて最も高い優先度を設定する、
    請求項1に記載の端末装置。
  12. さらに、他の通信システムの存在を検出する他システム検出部と、
    前記他システム検出部によって前記他の通信システムが検出された場合、前記他の通信システムを前記第2の通信システムとして、前記第2の通信システムに属する他の端末装置によるフレームの送信を抑制する共存動作モードに自装置を切り替え、前記他システム検出部によって他の通信システムが検出されなかった場合、他の端末装置によるフレームの送信を抑制しない独立動作モードに自装置を切り替える動作モード切替部とを備え、
    前記通信制御部は、共存動作モードである場合のみ、前記共存ヘッダを送信させる、
    請求項1に記載の端末装置。
  13. 有限通りの共存ヘッダを保持している共存ヘッダ記憶部をさらに備え、
    前記共存ヘッダ生成部は、前記共存ヘッダ記憶部を参照して前記共存ヘッダを生成する、
    請求項1に記載の端末装置。
  14. 前記共存ヘッダ記憶部は、ただ一通りの共存ヘッダのみを保持している、
    請求項13に記載の端末装置。
  15. 前記共存ヘッダは、前記第2の通信システムにおけるフレーム内のプリアンブル及び/又はヘッダである、
    請求項1に記載の端末装置。
  16. 相異なる第1の通信システムと第2の通信システムとが共存する通信ネットワークにおいて前記第1の通信システムに属する被制御端末装置であって、
    前記第1の通信システムに属する制御端末であって、前記第2の通信システムで用いられるフレームの先頭部分の少なくとも一部を含む共存ヘッダを前記第2の通信システムに属する端末装置で受信可能なように送信することにより、前記第1の通信システムに属する所定の端末間でフレームが送受信されている間、前記第2の通信システムに属する端末装置のフレームの送信を抑制する制御端末と通信する通信部と、
    送信すべきデータをフレーム化して送信するフレーム送信部と、
    前記フレーム送信部によるフレームの送信を制御する通信制御部と、を備え、
    前記通信制御部は、前記フレーム送信部によるフレームの送信中に、前記制御端末によって前記共存ヘッダが送信されるタイミングが到来した場合、前記フレーム送信部に前記フレームの送信を中断させ、前記制御端末による前記共存ヘッダの送信が完了した後に、前記フレームの送信を前記フレーム送信部に再開させる、
    被制御端末装置。
  17. 相異なる第1の通信システムと第2の通信システムとが通信ネットワーク上で共存する通信システムであって、
    前記第1の通信システムは、
    前記第2の通信システムで用いられるフレームの先頭部分の少なくとも一部を、共存ヘッダとして生成し、生成した前記共存ヘッダを前記第2の通信システムに属する端末装置で受信可能なように送信する制御端末と、
    前記制御端末によって前記共存ヘッダが送信されるタイミングを予め認識しており、当該認識内容に従って、前記制御端末から前記共存ヘッダが送信されたか否かを判断し、前記制御端末から前記共存ヘッダが送信された後、前記通信ネットワーク上の通信媒体へのアクセスを実行する被制御端末と、を備え、
    前記制御端末は、前記共存ヘッダを送信することにより、前記前記第1の通信システムに属する端末装置間でフレームが送受信されている間、前記第2の通信システムに属する端末装置のフレームの送信を抑制する、
    通信システム。
  18. 前記被制御端末は、前記制御端末から送信される制御フレーム内に記載されている情報に基づいて、前記共存ヘッダが送信されるタイミングを予め認識する、
    請求項17に記載の通信システム。
  19. 前記被制御端末は、予め決められた規則に基づいて、前記共存ヘッダが送信されるタイミングを予め認識する、
    請求項17に記載の通信システム。
  20. 相異なる第1の通信システムと第2の通信システムとを共通の通信媒体上で共存させるための通信方法であって、
    前記第1の通信システムに属する所定の端末装置が、前記第2の通信システムで用いられるフレームの先頭部分の少なくとも一部を含む共存ヘッダであって、且つ、前記第2の通信システムに属する端末装置のフレームの送信を一定時間抑制するための情報を含む共存ヘッダを生成するステップと、
    前記第1の通信システムに属する端末装置間でフレームが送受信されるに先立って、前記所定の端末装置が、前記共存ヘッダを、前記第2の通信システムに属する端末装置で受信可能なように送信することにより、前記第1の通信システムに属する端末装置間でフレームが送受信されている間、前記第2の通信システムに属する端末装置のフレームの送信を抑制するステップと、を備える、
    通信方法。
  21. 相異なる第1の通信システムと第2の通信システムとが共存する通信ネットワークにおいて前記第1の通信システムに属する端末装置に用いられる集積回路であって、
    前記第2の通信システムで用いられるフレームの先頭部分の少なくとも一部を含む共存ヘッダであって、且つ、前記第2の通信システムに属する端末装置のフレームの送信を一定時間抑制するための情報を含む共存ヘッダを生成する共存ヘッダ生成部と、
    前記共存ヘッダ生成部によって生成された共存ヘッダを前記第2の通信システムに属する端末装置で受信可能なように送信する共存ヘッダ送信部と、
    前記第1の通信システムに属する端末装置間でフレームが送受信されるに先立って前記共存ヘッダを送信するための送信タイミングを決定する共存ヘッダ送信タイミング決定部と、
    前記共存ヘッダを、前記送信タイミングで前記共存ヘッダ送信部に送信させることにより、前記第1の通信システムに属する端末装置間でフレームが送受信されている間、前記第2の通信システムに属する端末装置のフレームの送信を抑制する通信制御部と、を備える、
    集積回路。
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