JP4776599B2 - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents

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Description

原子炉炉心に挿入して炉心内の中性子を測定する中性子検出器のカソードに中性子変換層を形成する成膜装置および成膜方法に関する。
原子炉においては炉心内に設置したセンサで中性子束を測定することにより炉出力が監視される。例えば沸騰水型原子炉(BWR)では、炉心内に設置された中性子検出器である局所出力領域モニタ(Local Power Range Monitor:LPRM)により炉出力が監視され、炉出力に異常が発生した場合には原子炉の運転を停止させる(特許文献1参照)。
この中性子検出器は、カソードとアノードとを絶縁体で分離して両者に電圧を印加し、その間の電離イオンを収集することで放射線を計測する検出器である。具体的には、中性子と反応して荷電粒子を放出する中性子有感物質(中性子変換物質)をカソードの内面に塗布し、この中性子有感物質から放出された荷電粒子により電極間のガスを電離し、この電離量を測定することで放射線を計測する(特許文献2参照)。
通常、110万kW出力の原子炉では、原子炉燃料軸方向に沿って4個の中性子検出器が格納されたLPRM検出器集合体が炉心内に約43本配置され、燃料域の局所炉出力を監視する。このような中性子検出器は、現在設置されている原子炉燃料の隙間よりもさらに狭い隙間に設置することが望まれている。このためには中性子検出器の径、すなわちカソードの径を更に細くする必要がある。
中性子検出器の製造には、円筒状のカソードの内面に中性子有感物質の皮膜を形成する技術が不可欠である。現在は、ウランの直接塗布や、ボロンのプラズマスパッタリング法によりパイプの内面に中性子有感物質をコーティングしている。
プラズマスパッタリング法による円筒状のカソード内面への中性子有感物質(中性子変換物質)の皮膜の形成は、このカソードを一方の電極(外部導体)とし、このカソードの内部に同心状に細い中性子有感物質で製造された棒を配置して他方の電極(中心導体)とし、両電極間にプラズマを生成して行われる。このプラズマから両電極に向かってイオンが流出するが、パイプの中心のほうがプラズマに含まれるイオンのエネルギーが大きいので、中心導体の粒子が放出され、この中心導体の粒子がカソードである外部導体の内面に堆積し、外部導体には均質で緻密な中性子有感物質の膜が形成される。
特開2001−228282号公報 特開平9−171082号公報
円筒状のカソードを細径とした場合には、このカソードの内面に中性子有感物質を安定に塗布することが難しくなる。例えばプラズマスパッタリング法では、外部導体と中心導体との間にプラズマを生成することが困難になる。
本発明はかかる課題を解決するためになされたもので、品質(膜質)の高い皮膜を得ることのできる成膜装置および成膜方法を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するため本発明では、先端が円錐または多角錐様をなしスパッタリングターゲット材で形成された先端部を有する導体棒である中心電極と、このスパッタリングターゲット材の皮膜を内面に形成させ前記中心電極と同心状に設置した円筒状の接地電極と、前記中心電極の前記先端部を除いた部分と前記接地電極との間を電気的に絶縁する筒状またはスリーブ状の絶縁体と、両電極間に電力を印加する電源部と、前記接地電極内に雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明では、スパッタリングターゲット材の皮膜を内面に形成させる円筒状の接地電極を、先端が円錐または多角錐様をなしスパッタリングターゲット材で形成された先端部を有する導体棒である中心電極と同心状に設置し、前記中心電極の前記先端部を除いた部分と前記接地電極との間を電気的に絶縁する筒状またはスリーブ状の絶縁体を挿入した後、前記中心電極と前記接地電極との間に電力を印加し、前記中心電極の前記先端部と前記接地電極との間にプラズマを発生させるとともに前記接地電極内に雰囲気ガスを供給して前記接地電極の内面にスパッタリングターゲット材の皮膜を形成することを特徴とする。
本発明によれば、プラズマを発生させる雰囲気ガス中の不純物の濃度を低減させて、品質(膜質)の高い皮膜を得ることができる。
本発明に係る成膜装置について添付図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
本発明に係る成膜装置の第1実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
図1は、本発明に係る成膜装置により製造する中性子検出器の構成の一例を示す縦断面図である。
中性子検出器30は、核分裂電離箱から成り、一般的に局所出力領域モニタ(LPRM)と呼ばれる中性子検出器である。
図1に示すように、中性子検出器30は、円筒状の本体ケース31を有し、本体ケース31内の中心部に棒状のアノード32が軸方向に配置され、このアノード32を囲うように円筒状のカソード33が配置される。アノード32は、周方向位置決め絶縁体34により両端がカソード33に固定され、カソード33内での周方向位置がずれないように固定される。この周方向位置決め絶縁体34は、アノード32およびカソード33のスペーサを兼ねる。
本体ケース31の一端は金属製の端栓35で塞がれ、端栓35とアノード32およびカソード33との間に軸方向位置決め絶縁体36が収納されることにより、本体ケース31内においてアノード32の軸方向位置がずれないように固定される。
本体ケース31の内部には、アルゴン等の充填ガス37が封入され、粒子の飛程を短くするために数気圧程度の高圧に保たれる。
また、本体ケース31の他端には信号ケーブル要素38が差し込まれ、アノード32およびカソード33に電気的に接続される。本体ケース31と信号ケーブル要素38との間は、本体ケース31内の充填ガス37が本体ケース31の外部へ漏れないように溶接部39が設けられる。
円筒状のカソード33の内周壁40には、中性子に反応して核反応を起こし荷電粒子を放出する中性子有感物質(中性子変換物質)からなる中性子変換層41が皮膜として設けられる。
中性子変換層41は、中性子と反応して荷電粒子を発生させるボロンやリチウム、核分裂を起こすウラン等の中性子有感物質からなる皮膜である。
原子力発電プラントの原子炉格納容器に収容された原子炉圧力容器内に設けられた炉心で発生した中性子が中性子検出器30の中性子変換層41に入射すると、中性子は荷電粒子に変換される。中性子検出器30は、その荷電粒子をアノード32およびカソード33で検出することにより中性子を計測する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る成膜装置の構成を示す概略図である。
本実施形態の成膜装置1は、中性子検出器30を構成するカソード33の内周壁40に中性子変換層41を形成する装置である。
成膜装置1は、先端に尖端部(先端部)3を有する細長い棒状あるいは鉛筆形状の放電電極(中心電極)2と、中性子検出器30のカソード33として用いられる円筒状の接地電極4と、放電電極2と接地電極4とを電気的に絶縁する筒状あるいはスリーブ状の絶縁体5と、放電電極2と接地電極4との間に電力を供給する電源部6と、放電電極2が接地電極4内に挿入された際に、放電電極2と絶縁体5とを接地電極4の長手軸方向に移動させる電極移動部7と、少なくとも接地電極4内を真空にする真空手段8と、接地電極4内に雰囲気ガス9を導入する雰囲気ガス供給部10とから構成される。放電電極2の尖端部3を除いた部分の周囲は絶縁体5で覆われ、放電電極2の尖端部3を除いた部分と接地電極4との間は電気的に絶縁される。絶縁体5から露出した放電電極2の尖端部3と接地電極4の内面との間は放電可能に構成される。
中性子検出器30のカソード33として用いられる接地電極4内面へのプラズマスパッタリング法による中性子有感物質の皮膜の形成は、接地電極4を一方の電極(外部導体)とし、放電電極2を他方の電極(中心導体)として両電極間にプラズマ(ハッチング領域P)を生成させて行われる。
放電電極2は、円筒状の導体棒や先端が円錐または多角錐様をなす導体棒であって、円筒状の接地電極4の内径に挿入可能な外径を有する。また、放電電極2は、中性子と反応し荷電粒子を発生するボロンやリチウム、核分裂を起すウランなどの中性子有感物質で表面の全部または一部をコーティングされたもの、または、全体がこれらの中性子有感物質で製造されたものである。
接地電極4は、中性子検出器30を構成する円筒状のカソード33として使用される。
絶縁体5には、アルミナ、シリカなどの絶縁材が使用される。
電源部6が放電電極2と接地電極4との間に供給する電力は、13.56MHzの高周波電力、13.56MHzの整数倍となる他の周波数の高周波電力などの電源を使用できる。放電電極2と接地電極4との間に電源部6により高周波電力を印加すると、放電電極2の尖端部3と接地電極4との間に電気力線e(図示省略)により表される電界Eが形成される。
雰囲気ガス供給部10は、放電電極2内に長手軸方向へ形成され、一端が先端部3で開口され、他端が封止された雰囲気ガス流路2aに雰囲気ガス供給接続配管12を介して接続される。雰囲気ガス供給部10により供給される雰囲気ガス9は、アルゴン、ヘリウム、窒素、水素などの気体またはアルゴン、ヘリウム、窒素、水素のうち少なくとも1つを含んだ混合気体である。雰囲気ガス供給部10から供給される雰囲気ガス9は、雰囲気ガス供給接続配管12によって放電電極2内に形成された雰囲気ガス流路2aに導かれ、放電電極2の先端部3に形成された雰囲気ガス流路2aの開口から接地電極4内に供給される。接地電極4内に供給された雰囲気ガス9は、放電電極2の先端部3と接地電極4との間に供給される電力によりプラズマを生成する。
また、雰囲気ガス供給部10は、電極移動部7により放電電極2と絶縁体5とが接地電極4の長手軸方向に移動され、接地電極4の内面全体に中性子変換層を形成する際に、放電電極2および絶縁体5とともに接地電極4の長手軸方向に移動できるよう構成することができる。さらに、雰囲気ガス供給部10と放電電極2の雰囲気ガス流路2aとを接続する雰囲気ガス供給接続配管12をフレキシブルホースなど可撓性を有する流路を用いて構成することで、放電電極2および絶縁体5と雰囲気ガス供給部10とを相対的に移動可能なように構成することもできる。
図3は、本発明の第1実施形態に係る成膜装置による皮膜の形成を説明する図である。
図3に示すように、放電電極2と接地電極4との間に電源部6により高周波電力を印加すると、放電電極2の尖端部3と接地電極4との間に電気力線eにより表される電界Eが発生する。電源部6により印加される電力は交流であり、大きさと向きが変化するが、電界Eの空間分布は、概略、放電電極2の尖端部3から接地電極4へ放射状に形成される。なお、電気力線eの向きはある瞬間の方向を表す。
放電電極2と接地電極4との間の空間に存在する電子は、高周波電力による電界Eを受けて電気力線eに沿って振動し、雰囲気ガス9の原子や分子と運動量移行、電離、励起を伴う衝突を繰り返して、プラズマ(ハッチング領域P)を発生し維持する。
プラズマ(ハッチング領域P)が発生、維持されれば、プラズマ(ハッチング領域P)から放出されるイオンにより放電電極2の材料または表面に塗布されている中性子有感物質の粒子が放出され、接地電極4の内面に中性子変換層が形成される。絶縁体5に覆われていない放電電極2の尖端部3でプラズマ(ハッチング領域P)は発生するので、この放電電極2を接地電極4内で電極移動部7により長手軸方向へ走査させることで、接地電極4すなわち中性子検出器30を構成するカソード33の内周壁40の任意の位置に中性子変換層41を形成できる。なお、接地電極4の内面に形成する皮膜は、中性子有感物質に限るものではなく、電子部品用スパッタリングターゲット、電極膜形成用ターゲット、バリア膜形成用ターゲット、薄膜抵抗用ターゲットなどのスパッタリングターゲット材を放電電極2に用いることで接地電極4の内面に所要の皮膜を形成することができる。
プラズマ(ハッチング領域P)を発生、維持するために、接地電極4内の雰囲気ガス9は真空手段8によって排気される。雰囲気ガス供給部10から供給される雰囲気ガス9の流量と真空手段8の排気速度とのバランスで接地電極4内の真空度が決定される。すなわち、接地電極4内の雰囲気ガス9は、真空手段8の排気速度とコンダクタンスとから決まる量が接地電極4内から排気されるとともに、略同量の新たな雰囲気ガス9が雰囲気ガス供給部10により供給されて置換されている状態にある。このとき、両電極間で発生されたプラズマにより、接地電極4の内面に中性子変換層が形成されるとともに、接地電極4、放電電極2および絶縁体5の表面や内部に吸着していた水分、ガス、中性子有感物質などのスパッタリングターゲット材自身に不純物として含まれていた気体成分(不純物ガス)がプラズマ内に混入する。この不純物ガスは、接地電極4内の雰囲気ガス9の置換により接地電極4外へ排気される。
図4から6は、本発明の第1実施形態に係る成膜装置の放電電極の構成の一例を示す概略図である。
図4に示すように、放電電極2の本体を中性子有感物質とするのではなく、中性子有感物質部11を放電電極2の先端に配置して構成することで、放電電極2と中性子有感物質とを分離することもできる。
中性子有感物質部11には、一端が放電電極2内に形成された雰囲気ガス流路2aに接続され、他端が中性子有感物質部11の先端部で開口された中性子有感物質部雰囲気ガス流路11aが形成される。雰囲気ガス供給部10から供給される雰囲気ガス9は、雰囲気ガス供給接続配管12によって放電電極2内に形成された雰囲気ガス流路2aに導かれ、中性子有感物質部雰囲気ガス流路11aを介して中性子有感物質部11の先端部に形成された中性子有感物質部雰囲気ガス流路11aの開口から接地電極4内に供給される。
また、図5に示すように、中性子有感物質部11Bには、一端が放電電極2内に形成された雰囲気ガス流路2aに接続され、他端が中性子有感物質部11Bの先端部に放射状に形成された複数の開口に分岐する中性子有感物質部雰囲気ガス流路11bを形成することもできる。雰囲気ガス供給部10から供給される雰囲気ガス9は、雰囲気ガス供給接続配管12によって放電電極2内に形成された雰囲気ガス流路2aに導かれ、中性子有感物質部雰囲気ガス流路11bを介して中性子有感物質部11Bの先端部に放射状に形成された中性子有感物質部雰囲気ガス流路11bの複数の開口から接地電極4内に供給される。
放射状に開口が形成された中性子有感物質部雰囲気ガス流路11bを有する中性子有感物質部11Bであれば、接地電極4内に供給される雰囲気ガス9は、両電極間で放電が生じて接地電極4内に発生されたプラズマ(ハッチング領域P)に広範囲に広がりつつ供給されるので、不純物ガスの排出がより促される。
さらに、図6に示すように、中性子有感物質部11Cを多孔質状に形成することもできる。雰囲気ガス供給部10から供給される雰囲気ガス9は、雰囲気ガス供給接続配管12によって放電電極2内に形成された雰囲気ガス流路2aに導かれ、中性子有感物質部11Cに形成された多数の孔を介して接地電極4内に供給される。
接地電極4内に雰囲気ガス9を供給する開口を多孔質状に形成された中性子有感物質部11Cであれば、接地電極4内に供給される雰囲気ガス9は、両電極間で放電が生じて接地電極4内に発生されたプラズマ(ハッチング領域P)に広範囲に広がりつつ供給されるので、不純物ガスの排出がより促される。
本実施形態の成膜装置1によれば、例えば13.3Pa(0.1Torr)以下の高い真空度の下で、放電電極2と中性子検出器30を構成するカソード33である接地電極4との間で発生するプラズマ内の不純物の濃度を低減させて品質(膜質)の高い中性子変換層41を形成できる。
[第2の実施形態]
本発明に係る成膜装置の第2実施形態について、図7を参照して説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る成膜装置の構成を示す概略図である。
この成膜装置1Aにおいて第1実施形態の成膜装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図7に示すように、成膜装置1Aの絶縁体5Aには、放電電極2の先端部3が存する側の端部が開口され、他端が雰囲気ガス供給接続配管12Aに接続された雰囲気ガス流路5aが長手軸方向へ形成される。雰囲気ガス供給部10から供給される雰囲気ガス9は、雰囲気ガス供給接続配管12Aによって絶縁体5A内に形成された雰囲気ガス流路5aに導かれ、放電電極2の先端部3が存する側の端部に形成された雰囲気ガス流路5aの開口から接地電極4内に供給される。
絶縁体5A内に形成された雰囲気ガス流路5aは、放電電極2の先端部3が存する側の端部に円環状または放射状に複数の開口を有するよう形成することもできる。円環状または放射状に複数の開口を形成された雰囲気ガス流路5aであれば、接地電極4内に供給される雰囲気ガス9は、両電極間で放電が生じて接地電極4内に発生されたプラズマ(ハッチング領域P)に広範囲に広がりつつ供給されるので、不純物ガスの排出がより促される。
また、雰囲気ガス供給部10は、電極移動部7により放電電極2と絶縁体5Aとが接地電極4の長手軸方向に移動され、接地電極4の内面全体に中性子変換層を形成する際に、放電電極2および絶縁体5Aとともに接地電極4の長手軸方向に移動できるよう構成することができる。さらに、雰囲気ガス供給部10と絶縁体5Aの雰囲気ガス流路5aとを接続する雰囲気ガス供給接続配管12Aを可撓なフレキシブルホースなどの流路を用いて構成することで、放電電極2および絶縁体5Aと雰囲気ガス供給部10とを相対的に移動可能なように構成することもできる。
絶縁体5内に形成された雰囲気ガス流路5aを介して接地電極4に雰囲気ガス9を流すと、雰囲気ガス9の性質や圧力、電源部6により供給される高周波電力による電界の強さによっては雰囲気ガス流路5a内に放電が発生しプラズマが形成されることがある。この場合には、雰囲気ガス流路5a内に金属性パイプを設けたり、金属の皮膜を形成したりすることで雰囲気ガス流路5aの内壁に導電性を付与して放電の発生を抑えることができる。また、この金属性パイプや金属コーティングは接地させることもできる。
中性子検出器30の径、すなわちカソード33である接地電極4の径を細くした場合には、成膜装置1Bを構成する放電電極2についても径を細く構成する必要がある。また、放電電極2は、プラズマの発生条件を満足できる範囲で細く構成することで、スパッタリングターゲット材としての汎用性を確保できる。しかし、放電電極2の径が細くなると、放電電極2内に流路を形成して接地電極4内に雰囲気ガス9を供給することが困難になる。
本実施形態の成膜装置1Aによれば、放電電極2内に流路を形成することが困難な場合であっても絶縁体5A内に形成された雰囲気ガス流路5aから接地電極4内に雰囲気ガス9を容易に供給できる。そうすると、例えば13.3Pa(0.1Torr)以下の高い真空度の下で、放電電極2と中性子検出器30を構成するカソード33である接地電極4との間で発生するプラズマ内の不純物の濃度を低減させて品質(膜質)の高い中性子変換層41を形成できる。
[第3の実施形態]
本発明に係る成膜装置の第3実施形態について、図8を参照して説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係る成膜装置の構成を示す概略図である。
この成膜装置1Bにおいて第1実施形態の成膜装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図8に示すように、成膜装置1Bは、接地電極4の一端から放電電極2と絶縁体5とが挿入され、他端から放電電極2の先端部3に雰囲気ガス9を導入する開口を有する雰囲気ガス供給配管13が挿入され、この雰囲気ガス供給配管13に雰囲気ガス供給部10が接続されて構成される。
放電電極2の先端部3に雰囲気ガス9を導入する雰囲気ガス供給配管13の端部には、円環状または放射状に複数の開口を形成することもできる。円環状または放射状に複数の開口を形成された雰囲気ガス供給配管13であれば、接地電極4内に供給される雰囲気ガス9は、両電極間で放電が生じて接地電極4内に発生されたプラズマ(ハッチング領域P)に広範囲に広がりつつ供給されるので、不純物ガスの排出がより促される。
また、雰囲気ガス供給部10は、電極移動部7により放電電極2と絶縁体5とが接地電極4の長手軸方向に移動され、接地電極4の内面全体に中性子変換層を形成する際に、放電電極2および絶縁体5とともに接地電極4の長手軸方向に移動できるよう構成することができる。このとき、雰囲気ガス9を供給する雰囲気ガス供給配管13の開口部と放電電極2の先端部3との間隔は略一定になるように構成することが好ましい。
中性子検出器30の径、すなわちカソード33である接地電極4の径を細くした場合には、成膜装置1Bを構成する放電電極2および絶縁体5についても径を細く構成する必要がある。しかし、放電電極2および絶縁体5の径が細くなると、放電電極2または絶縁体5内に流路を形成して接地電極4内に雰囲気ガス9を供給することが困難になる。
本実施形態の成膜装置1Bによれば、放電電極2または絶縁体5内に流路を形成することが困難な場合であっても雰囲気ガス供給配管13から接地電極4内の放電電極2の先端部3に雰囲気ガス9を容易に供給できる。そうすると、例えば13.3Pa(0.1Torr)以下の高い真空度の下で、放電電極2と中性子検出器30を構成するカソード33である接地電極4との間で発生するプラズマ内の不純物の濃度を低減させて品質(膜質)の高い中性子変換層41を形成できる。
本発明に係る成膜装置により製造する中性子検出器の構成の一例を示す縦断面図。 本発明の第1実施形態に係る成膜装置の構成を示す概略図。 本発明の第1実施形態に係る成膜装置による皮膜の形成を説明する図。 本発明の第1実施形態に係る成膜装置の放電電極の構成の一例を示す概略図。 本発明の第1実施形態に係る成膜装置の放電電極の構成の一例を示す概略図。 本発明の第1実施形態に係る成膜装置の放電電極の構成の一例を示す概略図。 本発明の第2実施形態に係る成膜装置の構成を示す概略図。 本発明の第3実施形態に係る成膜装置の構成を示す概略図。
符号の説明
1、1A、1B 成膜装置
2 放電電極
2a 雰囲気ガス流路
3 尖端部
4 接地電極
5 絶縁体
6 電源部
7 電極移動部
8 真空手段
9 雰囲気ガス
10 雰囲気ガス供給部
11、11B、11C 中性子有感物質部
11a、11b 中性子有感物質部雰囲気ガス流路
12、12A 雰囲気ガス供給接続配管
13 雰囲気ガス供給配管
30 中性子検出器
31 本体ケース
32 アノード
33 カソード
34 周方向位置決め絶縁体
35 端栓
36 軸方向位置決め絶縁体
37 充填ガス
38 信号ケーブル要素
39 溶接部
40 内周壁
41 中性子変換層

Claims (8)

  1. 端が円錐または多角錐様をなしスパッタリングターゲット材で形成された先端部を有する導体棒である中心電極と、
    このスパッタリングターゲット材の皮膜を内面に形成させ前記中心電極と同心状に設置した円筒状の接地電極と、
    前記中心電極の前記先端部を除いた部分と前記接地電極との間を電気的に絶縁する筒状またはスリーブ状の絶縁体と、
    両電極間に電力を印加する電源部と、
    前記接地電極内に雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給部とを備えたことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記接地電極内に供給される雰囲気ガスは、
    前記中心電極内に長手軸方向へ形成された雰囲気ガス流路から供給されることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記雰囲気ガス流路は、
    前記接地電極内へ雰囲気ガスを供給する開口を複数有することを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記雰囲気ガス流路は、
    前記接地電極内へ雰囲気ガスを供給する開口が多孔質状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。
  5. 前記接地電極内に供給される雰囲気ガスは、
    前記絶縁体内に長手軸方向へ形成された雰囲気ガス流路から供給されることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  6. 前記雰囲気ガス流路の内壁は、導電性を有することを特徴とする請求項5に記載の成膜装置。
  7. 前記接地電極内に供給される雰囲気ガスは、
    前記中心電極の先端部に雰囲気ガスを導入する雰囲気ガス供給配管から供給されることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  8. スパッタリングターゲット材の皮膜を内面に形成させる円筒状の接地電極を、先端が円錐または多角錐様をなしスパッタリングターゲット材で形成された先端部を有する導体棒である中心電極と同心状に設置し、
    前記中心電極の前記先端部を除いた部分と前記接地電極との間を電気的に絶縁する筒状またはスリーブ状の絶縁体を挿入した後、
    前記中心電極と前記接地電極との間に電力を印加し、
    前記中心電極の前記先端部と前記接地電極との間にプラズマを発生させるとともに前記接地電極内に雰囲気ガスを供給して前記接地電極の内面にスパッタリングターゲット材の皮膜を形成することを特徴とする成膜方法。
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