JP4776520B2 - 懸濁物質採取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、懸濁物質採取装置に関し、特にダム湖、池、湖沼等で懸濁物質が浮遊している閉鎖性水域若しくは微流動水域を、広範囲に浄化する懸濁物質採取装置に関する。
ダム湖、池、湖沼、貯水池、ダムの入り江、堀又は海域等で植物プランクトン等を含む浮遊懸濁物質が浮遊している閉鎖性水域若しくは微流動水域を浄化する方法や装置の開発が活発化している。これは、環境の問題に加えて、水域に生息している動植物の生死の問題も関連しているからである。
特許文献1は、水面下の一定幅を有する層に分布する水中浮遊物を、効率的に採取することを目的としており、その目的達成のために、水中浮遊物採取装置が開示されている。この水中浮遊物採取装置は、水面に浮いた状態に設置され、アオコ等の水中浮遊物を採取する採取フロートと、水中に沈んだ状態に設置され、水中浮遊物を捕捉し、水中浮遊物とともに、水面に向かって上昇する泡を発生させる泡発生器と、水面に浮いた状態に設置され、上昇する泡が衝突して、水中浮遊物を採取フロートに向かわせる水流を発生させる水流形成板とを有している。
すなわち、上記特許文献1は、アオコ等の分布している範囲の水面下深部で泡発生器により泡を発生させ、この泡を水流形成板に衝突させ、採取フロートへ向かう水流を形成する。この水流にアオコ等の浮遊懸濁物質が捕捉されるので、採取フロートの吸引口より、効率良く浮遊懸濁物質を水とともに、吸収できるというものである。
特許文献2は、アオコ等の水面浮遊物を、広い範囲で回収することができる水質浄化装置及び水質浄化方法を提供することを目的としている。その目的達成のために、周囲に複数の翼部を備えた回転翼で成る回流発生手段の中心部に、吸水管の吸込口を配置し、回転翼の回転とともに、吸込口から吸水作用を行わせて、吸込口を中心とした渦状の水流を直径の広い範囲の水域に発生させて、水域上に浮遊するアオコを水とともに吸引し、回収するという手段が開示されている。ここで、吸込口は水面下に配置され、複数の翼部を備えた回転翼は水中において、この吸込口を中心として回転する構成になっている。
すなわち、特許文献2の水質浄化装置は、水中で吸水管の吸込口を取り巻いて設けた回転翼で吸込口周囲に環状の水流を発生させるとともに、吸込口から吸水作用を行わせて渦状の水流を発生させ、この渦状の水流にアオコを乗せて吸込口へ導き、吸水するというものである。
特開2004−8948号公報 特開2000−303438号公報
上記特許文献1に記載の水中浮遊物採取装置は、水中浮遊物を効率的に採取することが可能ではあるが、泡を発生させるために電力を要し、懸濁物質を含む水を吸引ポンプにより常時吸水するため、吸水するための消費電力量が多いという問題がある。加えて、水面若しくは水面近傍に浮遊する懸濁物質を広範囲に採取するためには、水中浮遊物採取装置を移動させる必要があり、そのため作業コストが高くなるという問題がある。
上記特許文献2に記載の水質浄化装置は、特許文献1に関して述べた課題と同様であって、渦状の水流を発生させ、懸濁物質を含む水を吸引ポンプにより常時吸引するために、吸水するための消費電力が多く、水面若しくは水面近傍に浮遊する懸濁物質を広範囲に採取するためには、水質浄化装置を移動させる必要があり、そのため作業コストが高くなるという問題がある。
更に、水面に浮遊する懸濁物質は、風の影響を受けて風下へ流れるため、採取装置が一定の場所に固定されているのではなく、容易にその場所が変えられることが望ましい。若しくは、風の影響を受けて流れた懸濁物質を追うように、採取装置が追従することが望ましい。特許文献1、2に示されるように、懸濁物質採取装置を一定の場所に固定した場合には、懸濁物質が風の影響で移動するとその回収が難しくなり、回収率が低下することとなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、懸濁物質を含む水を吸水するための消費電力が少なく、採取装置を水域内で強制的に移動させることなく、水域内の懸濁物質を、広範囲に効率良く吸引採取することが可能である懸濁物質採取装置を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1に係る懸濁物質採取装置は、上部が開口し、内部に懸濁物質を含む水を溜める水槽と、該水槽に溜めた水を吸水する吸水ポンプを有し、前記水槽の外部へ前記吸水した水を送水する送水手段と、前記水槽の内/外に跨って設けられ、水槽内下端と該水槽内下端より高い位置に設定される水槽外下端を有する複数の管材と、を有し、前記複数の管材は、サイフォンの原理を利用して、懸濁物質を含む水を前記水槽へ取水することを特徴とする。
従って、本発明の懸濁物質採取装置は、複数の管材により、懸濁物質を含む水をサイフォンの原理を利用して取水しているので、懸濁物質を含む水を取水するための電力を必要とせず、吸水するための消費電力が極めて少ない懸濁物質採取装置を実現することができる。
請求項2に記載のように、前記管材は、前記水槽に取り付けられており、前記水槽外下端近傍には浮体が固定され、該浮体の上部は、伸長方向に付勢された伸縮管とされており、前記水槽内の水量如何にかかわらず、前記水槽外下端が、水面下近傍の略一定の位置に保たれるようにしたので、懸濁物質を含む水、とりわけ水面下近傍の懸濁物質の濃度が高い水を、安定して取水することが可能である。
請求項3に記載のように、前記複数の管材の各水槽外端部には、上側に開口した上部スリット管が、前記管材と直交して、かつ前記水槽に対して放射状に取り付けられているので、広範囲に効率良く懸濁物質を含む水を取水することが可能である。
請求項4に記載のように、前記水槽の上部開口が円形とされ、前記管材は、前記水槽の開口縁部上を移動自在に取り付けられ、前記管材には、該管材を前記開口縁部に沿って、風により回転移動させるための帆が設けられているので、懸濁物質採取装置は、自由に水域内を回転移動しながら、懸濁物質を含む水を取水することが可能となり、作業コストを大幅に削減することができる。
請求項5に記載のように、前記上部スリット管の前記管材への取り付けは、前記上部スリット管が、該上部スリット管を含む水平面内で、前記管材の水槽外下端を略中心にして、所定の角度範囲内で左又は右に振るように行われているので、水域内の風を受けて懸濁物質採取装置が回転移動する際に、水面に渦巻き状の流れが形成され、浮遊する懸濁物質を呼び寄せることとなり、懸濁物質がより効率的に採取できることとなる。
本発明の懸濁物質採取装置によれば、サイフォンの原理により、懸濁物質を含む水を複数の管材から取水しているので、懸濁物質を含む水を取水するための電力を必要とせず、吸水するための消費電力が極めて少ない懸濁物質採取装置を実現することができる。更に、本発明の他の構成によれば、水面若しくは水面近傍に浮遊する懸濁物質を安定して、かつ広範囲に効率良く吸引採取することが可能である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の懸濁物質採取装置の平面図、図2は図1のA−A線に沿う概略断面図である。なお、本実施の形態では、懸濁物質としてアオコを想定している。
懸濁物質採取装置10は、上部が円形に開口したバケツ型の水槽12と、水槽12に溜めた水を吸水して水槽12の外部に送水する送水手段と、サイフォンの原理を利用して、水槽12の内部へ懸濁物質を含む水を取水する8本の管材(サイフォン管)22とを有している。送水手段は、吸水ポンプ36と、吸水管38、出水管40、フレキシブルパイプ50を有している。
吸水ポンプ36は、水槽12の中央に設けられた吸水ポンプ台35に、吸水ポンプ台座34を取り付け、この吸水ポンプ台座34上に据え付けられている。吸水ポンプ36の吸水管38は、水槽12の底部付近まで伸長しており、出水管40は、水槽12の底部を貫通し、接合ジョイント48を介してフレキシブルパイプ(導水管)50に連結されている。このフレキシブルパイプ50は、例えば岸辺に設置された沈殿槽まで延びており、水槽12に取り入れられた懸濁物質を含む水は、吸水ポンプ36により吸水管38、出水管40、フレキシブルパイプ50を通って沈殿槽に送出される。
管材22は、鉤型に形成され、水槽外下端22aには自在ジョイント16を介して、上側に開口した上部スリット管14が、管材22と直角に、かつ水槽12に対して放射状に取り付けられている。水槽内下端(サイフォン吐出口)22bは、水槽12の底部付近に位置するように構成されている。自在ジョイント16、すなわち上部スリット管14と管材22との接続部の上部には、浮体18が管材22に固定され、浮体18の上部は、伸長方向に付勢された伸縮管20となっている。なお、全ての管材22は、サイフォン管連結材56に固定されている。
上記の管材22に固定された浮体18と、管材22に設けられた伸縮管20と、水槽12とによって、上部スリット管14の上側開口の縁部(サイフォン取水口)15aが、水槽12内の水量如何にかかわらず、常時水面下略2〜3cmとなるように構成されている。すなわち、水槽12に取水された水が多く、水槽12全体が沈むと、伸縮管22がその沈んだ分だけ縮み、その結果、上部スリット管14の上側開口の溝部15aの位置は変わらないように構成されている。つまり、水槽12の浮き沈み分を、この伸縮管20が吸収できる構成になっている。この作用によって、常時懸濁物質の濃度が高い水を、上部スリット管14から安定して取水し続けることが可能になっている。
なお、上部スリット管14は、例えば塩化ビニールのパイプに縦の切れ目を入れて、この切れ目が上側を向くようにしたものでも良い。また、上部スリット管14の外側端部15bは閉塞されている。より効果的に上側開口の溝部15aから取水するためである。更に、上部スリット管14の長さは、水槽12の大きさや、吸水ポンプ36の能力等を考慮して最適に決定することが可能である。
更に、管材22には、逆止弁30が取り付けられた空気抜き管24の一端が、管材22の内部と連通して接続され、空気抜き管24の他端は、空気抜き管結合部26に接続されている。空気抜き管24は、合計8本あり、その一端部は、全て空気抜き管結合部26に接続されている。そして、この空気抜き管結合部26は真空ポンプ28に連結している。
逆止弁30は、一方向へのみ空気を通す作用があり、本実施の形態では、管材22から空気抜き管結合部26への空気の流れが許容され、その逆には流れないように構成されている。真空ポンプ28を作動することにより、空気抜き管結合部26、空気抜き管24を介して、管材22内が真空とされ、管材22へ懸濁物質を含む水が充填され、サイフォンの原理により、管材22による取水が開始されることとなる。また夜間等、アオコが発生しない時間帯には逆止弁30を開放することで、空気が管材22に入り、サイフォンの原理の停止により、管材22による取水を停止する。なお、真空ポンプ28の上部には、係留治具60が設けられており、この係留治具60にワイヤ等を通して、懸濁物質採取装置10の動きをある範囲に限定することが可能である。
サイフォン管連結材56の下端部には、ボールローラ54が設置されている。ボールローラ54と接する水槽12の上端部には、管材22が円滑に回転移動できるように円環状の緩衝部材55が載置されている。緩衝部材55として、例えばゴム板等を用いても良い。
空気抜き管結合部26と真空ポンプ28は、真空ポンプ台37上に設置された真空ポンプ回転台32に載置され、帆58は管材22の一部分に取り付けられている。これにより、水槽12、吸水ポンプ台35、吸水ポンプ台座34、吸水ポンプ36、吸水管38、出水管40、真空ポンプ台37のグループと、上部スリット管14、浮体18、伸縮管20、管材22、空気抜き管24、真空ポンプ回転台32、真空ポンプ28、帆58のグループが別々に動くことが可能となる。すなわち、帆58が水域内の風を受けたときに、上部スリット管14、管材22等が、水槽12の周囲を左又は右に回転しながら移動することとなる。
なお、上記の上部スリット管14と管材22との接続に、自在ジョイント16を用いており、上部スリット管14は、自在ジョイント16を中心に、左又は右に特定の角度範囲内で振ることができる構成になっている。これにより、帆58が風を受けて上部スリット管14が回転移動する際に、上部スリット管14は、左又は右に振れ、渦巻状の流れを形成することとなる。
また、吸水ポンプ36は、水槽12内の水の量を管理するために、吸水ポンプ上部水位センサ42、吸水ポンプ下部水位センサ44によって、オン・オフ制御され、常に管材22によって取水される水の水位は、上部水位センサ42と下部水位センサ44との間にあるように構成されている。すなわち、管材22によって取水される水の水位が、上部水位センサ42に達したときに、吸水ポンプ36を作動させて、取水した水を水槽12から送出し続け、水位が下部水位センサ44まで下がったときに、吸水ポンプ36の作動を止めるように構成されている。なお、上記の制御は、吸水ポンプ上部水位センサ42及び吸水ポンプ下部水位センサ44と吸水ポンプ36との間に延線された制御線46を介して行われる。
帆58は、前述のように管材22の一部分に取り付けられており、材質は、プラスチック樹脂材、布材、板材等適宜用いることができる。なお、帆58は風を効率良く受けるために、管材22に取り付ける際に、取り付け角度を自由に設定しても良い。ここで、帆58は、管材22ではなく、空気抜き管24又は円環状のサイフォン管連結材56に取り付けられていても良い。図1においては、帆58は自由に角度を設定できることを示すために、8個の帆58は、それぞれ任意の取り付け角度を付して示している。
図3は、本発明による懸濁物質採取装置10の水域内での動作説明図である。以下、水面若しくは水面近傍に浮遊する懸濁物質を採取する作業について説明しながら、本発明の懸濁物質採取装置10の各部の作用について詳述する。但し、図3では、懸濁物質採取作業を行うべき範囲を特定し、その範囲内を懸濁物質採取装置10が限定して移動するように、水域の両岸からワイヤ68を張り伸ばしている。すなわち、懸濁物質詐取装置10の回転移動範囲は、ワイヤ68に沿う範囲に限定される。なお、ワイヤ68は、懸濁物質採取装置10の係留治具60を通して、両岸に打ち込まれた係留用アンカー70によって固定されており、係留治具60は回転できる構成になっている。
懸濁物質採取装置10を所定の位置に配置した後、真空ポンプ28を動作させる。すると、空気抜き管結合部26、空気抜き管24を介して、各管材22内の空気が抜かれ、真空状態となり、各管材22には、懸濁物質を含む水が充填され始める。
管材22内に充填される水が、水槽12を跨いでいる部分まで達したときに、真空ポンプ28の動作を止めると、懸濁物質を含む水はサイフォンの原理により、水槽12内に取水され始める。取水は、管材22に空気が入らない限り、続けられることとなる。
懸濁物質を含む水は、水槽12に取水され続けるが、その水位が吸水ポンプ上部水位センサ42に達したときに、吸水ポンプ36が自動的に作動し、懸濁物質含む水は吸水管38、出水管40、接合ジョイント48、フレキシブルパイプ50を介して、水域内の岸辺に設置された沈殿槽62に送水される。水位が、吸水ポンプ下部水位センサ44に達したときは、吸水ポンプ36が自動的に停止する。従って、本発明の懸濁物質採取装置10では、懸濁物質を含む水を取水するためには電力を必要とせず、水槽12内の水を吸水する吸水ポンプ36は、断続的に運転されるので、吸水のための消費電力を低く抑えることができる。また、吸水ポンプの能力は、今までは懸濁物質を、より多く広範囲から採取するため、吸引力を重視した高揚程のポンプが必要であったが、本発明により吸水ポンプの設置位置から陸上の沈殿槽までの揚程と処理槽の能力により、ポンプの機種を選定できるので、ポンプ設備費も低コストとなる。
上記のフレキシブルパイプ50は、可とう性のある材質で構成され、懸濁物質採取装置10が広範囲に移動できるように十分の長さが確保されている。沈殿槽62は、図示してはいないが、第一貯水槽で小枝等の塵芥物が取り除かれ、同じく図示していない第二貯水槽を介して、岸の上に設置されている処理槽66にポンプにより送出され、処理されるように構成されている。この目的のために、沈殿槽62と処理槽66とは導水管64で接続されている。
前述のように、管材22には上部スリット管14が接続されており、上側開口の縁部15aが、水槽12内の水量如何にかかわらず、水面下略2〜3cmに位置するように構成されている。そして、8本の上部スリット管14は、水槽12の周りに放射状に配置されている。従って、水面下略2〜3cmで、懸濁物質の濃度の高い水が、8本の上部スリット管14の上側開口の縁部15aから、広範囲に効率良く、しかも安定して取水されることとなる。
一方、水面若しくは水面近傍に浮遊する懸濁物質は、水域内の風で容易に移動するために、移動した懸濁物質に追従して懸濁物質採取装置を強制的に移動させる必要があったが、本発明の懸濁物質採取装置10は、ボールローラ54及び帆58が設けられているため、水域内を風によって回転しながら移動することが可能である。但し、図3に示した例では、ワイヤ68に沿う範囲で回転移動することとなる。
すなわち、本発明の濁物質採取装置10は、懸濁物質採取作業を行うべき範囲に、水面の風で懸濁物質が移動してきた場合、ワイヤ68に沿って懸濁物質を自然に追いながら吸引採取することが可能である。従って、懸濁物質採取装置10は、懸濁物質採取作業を行うべき範囲内を自由に回転移動するので、強制的或いは人為的に牽引する必要がなく、作業コストを大幅に削減することが可能となる。
また、上部スリット管14は、懸濁物質採取装置10が水域内の風を受けて回転移動する際に、左又は右に振れ、水面に渦巻き状の流れを形成するので、浮遊する懸濁物質を呼び寄せることが可能となり、懸濁物質を更に効率的に採取することができる。
上部スリット管14が左又は右に振れることの意義は、一つの上部スリット管14で懸濁物質が吸引採取できなくても、隣接する他の上部スリット管14が懸濁物質に近づいて吸引採取することができる点にある。従って、水域内の懸濁物質を、更に効率良く、吸引採取することが可能となっている
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上部スリット管14の数を変更しても良い。また、帆58の形状・材質を変えても構わない。更に、各部材の寸法も、実施の形態に限定されることなく、懸濁物質を除去すべき水域に応じて、適宜設計変更することができる。
本発明は、ダム湖、池、湖沼、貯水池、ダムの入り江、堀又は海域等で植物プランクトン等を含む懸濁物質が滞留している閉鎖性水域若しくは微流動水域において利用することが可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々設計変更すれば、例えば、油流出時の油回収等、水面に浮遊しているものの回収に転用することが可能である。
本発明による懸濁物質採取装置の平面図である。 図1中のA−A線に沿う概略断面図である。 本発明による懸濁物質採取装置の水域内での動作説明図である。
符号の説明
10 懸濁物質採取装置
12 水槽
14 上部スリット管
15a 上側開口の縁部(サイフォン取水口)
15b 上部スリット管の外側端部
16 自在ジョイント
18 浮体
20 伸縮管
22 管材(サイフォン管)
22a 水槽外下端
22b 水槽内下端(サイフォン吐出口)
24 空気抜き管
26 空気抜き管結合部
28 真空ポンプ
30 逆止弁
32 真空ポンプ回転台
34 吸水ポンプ台座
35 吸水ポンプ台
36 吸水ポンプ
37 真空ポンプ台
38 吸水管
40 出水管
42 吸水ポンプ上部センサ
44 吸水ポンプ下部センサ
46 制御線
48 接合ジョイント
50 フレキシブルパイプ(導水管)
54 ボールローラ
55 緩衝部材
56 サイフォン管連結材
58 帆
60 係留治具
62 沈殿槽
64 導水管
66 処理槽
68 ワイヤ
70 係留用アンカー
71 ポンプ
S 水面

Claims (5)

  1. 上部が開口し、内部に懸濁物質を含む水を溜める水槽と、
    該水槽に溜めた水を吸水する吸水ポンプを有し、前記水槽の外部へ前記吸水した水を送水する送水手段と、
    前記水槽の内/外に跨って設けられ、水槽内下端と該水槽内下端より高い位置に設定される水槽外下端を有する複数の管材と、を有し、
    前記複数の管材は、サイフォンの原理を利用して、懸濁物質を含む水を前記水槽へ取水することを特徴とする懸濁物質採取装置。
  2. 前記管材は、
    前記水槽に取り付けられており、前記水槽外下端近傍には浮体が固定され、該浮体の上部は、伸長方向に付勢された伸縮管とされており、前記水槽内の水量如何にかかわらず、前記水槽外下端が、水面下近傍の略一定の位置に保たれるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の懸濁物質採取装置。
  3. 前記複数の管材の各水槽外端部には、上側に開口した上部スリット管が、前記管材と直交して、かつ前記水槽に対して放射状に取り付けられたことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の懸濁物質採取装置。
  4. 前記水槽の上部開口が円形とされ、
    前記管材は、前記水槽の開口縁部上を移動自在に取り付けられ、
    前記管材には、該管材を前記開口縁部に沿って、風により回転移動させるための帆が設けられたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の懸濁物質採取装置。
  5. 前記上部スリット管の前記管材への取り付けは、前記上部スリット管が、該上部スリット管を含む水平面内で、前記管材の水槽外下端を略中心にして、所定の角度範囲内で左又は右に振れるように行われたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の懸濁物質採取装置。
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