JP4776288B2 - 診断システムおよび方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的には、人の医学的状態の診断分野に関し、具体的には、1組の質問に対する人の回答に基づいて、その人の医学的状態を診断する分野に関する。本発明は、特に、頭痛を基盤とする状態の診断に適しているが、それに限定される訳ではない。
関連出願に対する引用
本願は、2004年7月8日に出願した米国仮出願第60/586,158号の優先権を主張する。その内容全体は、この引用により、本願にも含まれるものとする。
医学的状態を診断するために、様々な方法やシステムが存在する。しかしながら、これらの診断システムおよび方法の多くは、当の本人が医師またはその他の健康管理専門家と会って、その診断方法を実行するか、またはその診断システムまたは方法から得たデータを解釈する必要がある。このような診断システムおよび方法は満足できないものであるが、それは、多くの人が医師やその他の健康管理専門家と会うこと、および/または診断のため診察を受けることを好まないからである。その結果、多くの人は、不適当な処置を受けたり、または処置を受けず、これによって医学的状態の悪化、および/または自分自身に対し更に別の危害を招くことになる。明らかに、これは望ましくない。
加えて、既存の診断方法およびシステムの多くは、用いるのが非常に複雑か、あるいは非常に高価のいずれかである。このため、これらの診断システムおよび方法は、人口の大きな割合の人々が未処置で済ませるという結果を招いている。更に、他の診断システムおよび方法は、信頼性がない。
純粋にコンピュータに基づく診断システムおよび方法は増々普及してきているが、コンピュータに基づく診断システムは、ユーザがコンピュータを有しており、診断ソフトウェアについて知っていることを必要とする。このようなコンピュータに基づくシステムの更に別の欠点は、これらが高価であり、ソフトウェアおよびその機能についての作業知識を必要とする場合が多いことである。
誤診または患者が診断を求めようとしないことのいずれかの増加が見られる特定的な領域の1つに、頭痛の領域がある。片頭痛、緊張型頭痛、およびその他の種類の頭痛を基盤とする医学的状態は、診断されずにいる場合が多い。何故なら、殆どのプライマリ・ケアの医師は、これらの状態を診断する専門知識を有していないからである。加えて、多くの人は、自分自身のはっきりしない医学的状態について、専門的な処置を受けたいとは思っていない。
したがって、本発明の目的は、新たな診断システムおよび方法を提供することである。
本発明の別の目的は、人が、彼ら自身の家庭の快適さで自己診断のために用いることができる診断システムおよび方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、ある医学的状態を有する虞れが高まりつつあることの指示をユーザに与える、診断システムおよび方法を提供することである。
本発明のなおも別の目的は、人に、ある医学的状態について更なる専門家の助けを求めようと動機付けを与える診断システムを提供することである。
本発明の更に別の目的は、使用、理解、および/または流通が容易な診断システムおよび方法を提供することである。
本発明のまた更に別の目的は、製造の価格効率性の高い診断システムおよび方法を提供することである。
本発明のもう1つの別の目的は、頭痛に関連する医学的状態を診断するシステムおよび方法を提供することである。
これらおよびその他の目的は、本発明によって達成され、一実施形態では、本発明は診断システムであって、1つ以上の診断用質問と、各診断用質問に対して可能な1つ以上の回答とを含む書式と、1つ以上の窓と1つ以上の診断欄とを含む第1オーバーレイであって、このオーバーレイが書式上に位置するとき、第1医学的状態を有するユーザを示す診断用質問に対する回答が、第1オーバーレイの窓を通じて目視可能となる、第1オーバーレイとを含み、1つ以上の診断欄は、第1オーバーレイの窓を通じて目視可能な書式上の回答のユーザ選択に基づいて、ユーザが第1医学的状態を有すると診断する規準を含む。
他の実施形態では、本発明は、a)1つ以上の回答を選択することによって、ユーザの健康に関する1つ以上の診断用質問に回答するステップであって、1つ以上の診断用質問および回答が書式上に設けられている、ステップと、b)1つ以上の窓と1つ以上の診断欄を有する第1オーバーレイを書式上に配置し、第1医学的状態を有するユーザを示す回答が、第1オーバーレイの窓を通じて目視可能となるようにするステップと、c)第1オーバーレイの診断欄における規準を用いて、第1オーバーレイの窓を通じて目視可能な回答のユーザ選択に基づいて、ユーザが第1医学的状態を有すると診断するステップとから成る診断方法である。
更に別の実施形態では、本発明は、コンピュータに基づく診断システムであって、1つ以上の診断用質問と、該診断用質問に対する対応する1組の回答とを有し、回答の各組が、第1医学的状態を有するユーザを示す少なくとも1つの回答を含む、電子書式を表示する手段と、可能な回答の1つ以上をユーザが選択するための手段と、第1医学的状態を有するユーザを示す、ユーザが選択した回答を識別する手段と、第1医学的状態を有するユーザを示す回答のユーザ選択に基づいて、ユーザが第1医学的状態を有すると診断する手段とを備えている。
図1は、本発明の一実施形態による頭痛診断システム100を示す。頭痛診断システム100は、診断ファイル2と、質問用紙/書式3とを備えている。図示する診断システム100の実施形態は、片頭痛や緊張型頭痛というような、頭痛の診断のために特定的に立案されているが、本発明はそれに限定されるものではない。本発明は、殆どあらゆる種類の医学的状態(精神的および肉体的)、健康的状態、または心理的障害にも適合可能であることは、当業者には理解されよう。ここで用いる場合、診断という用語、およびその全ての派生語は、医学的状態の確定的診断、並びに医学的状態を有するまたは有さない可能性の増加または減少の判定を含み、それによってユーザが健康管理専門家から確定的診断を求めることができるようにすることを意図している。
診断ファイル2は、第1オーバーレイ20および第2オーバーレイ21を備えている。第1および第2オーバーレイ20、21は、単一の材料片で形成され、折り目22において半分に折り畳まれている。一旦折り目が付けられると、第1オーバーレイ20と第2オーバーレイ21とは、その底縁23に沿って互いに結び付けられる。その結果、第1および第2オーバーレイ20、21は、2辺に沿って互いに結び付けられることによって、摺動可能に質問書式3を2箇所の開いた辺のいずれからでも受けることができるポケット24を形成する。底縁23の結び付けは、低温溶接、または縫合糸、ホチキス、接着剤、テープ、凹凸の噛み合い、型押等の適正な使用によって遂行することができる。親指用切欠25が、診断ファイル2の開いた側方に沿った第1オーバーレイ20の辺に沿って設けられており、質問書式3の挿入中に、第1および第2オーバーレイ20、21が容易に分離できるようになっている。この切欠25は、いずれの所望の形状または大きさにすることもできる。
本発明の別の実施形態では、診断ファイル2の第1および第2オーバーレイ20、21を、別個の材料片とし、先に特定した結び付け技法の1つを用いて、1つ以上の縁に沿って結び付けて、診断ファイル2を形成することもできる。オーバーレイ20、21は、プラスチック、紙、合成ポリマ等のような、薄い可撓性材料の1つ以上の層で形成することができる。診断ファイル2は、ポケット24が、A−4、即ち、8.5×11.5の用紙サイズのような、標準的な大きさの紙片を完全に収容するような大きさにすることが好ましい。しかしながら、本発明は、いずれの特定の構造または寸法の材料にも限定されるのではない。本発明の実施形態によっては、1つのオーバーレイ20または21のみを、質問書式3と組み合わせて用いて、医学的状態の診断を行うこともできる。このような実施形態では、オーバーレイ20または21は、使用中、単に質問書式3の上に配置し、揃えて重ねるようになる。
質問書式3は、1枚の紙であり、一方の面に選別用質問、反対側の面に診断用質問を備えている。選別用質問および診断用質問は、所定のパターンで配布される前に、目標とする医学的状態(この場合、片頭痛および緊張型頭痛)を診断するために慎重に選択され、質問書式3上に印刷される。これについては、以下で更に詳しく説明する。質問書式3は、上面に書き込む、またはそれ以外の方法でマークすることができる種々の材料で作ることができ、限定ではないが、紙、プラスチック、カードボード、金属等を含む。望ましければ、質問形式3は、使い捨てまたは再利用可能のいずれにも製作することができる。例えば、再利用可能な実施形態では、質問書式3は、プラスチックで形成する(あるいは、プラスチックまたはポリマ・コーティングを備える)ことができ、鉛筆、インキ、またはマーカーで付けた指示を容易に消去することができる。使い捨て用の実施形態では、単なる紙片を用いれば、再生が容易で、製造コストを削減することができる。
これより図2Aおよび図2Bを参照すると、本発明の一実施形態による質問書式3が示されている。質問書式3は、一方の面(図2A)に選別用質問4、5、反対側の面(図2B)に診断用質問6〜13を備えている1枚の紙である。質問書式3は、ユーザが一方の面にある選別用質問4、5に回答してから、質問書式の第2面に進み、診断用質問6〜13に回答することを意図して立案されている。
図2Aのみを参照すると、質問書式3の第1面14は、2つの選別用質問4、5を備えている。この例では2つの選別用質問4、5を用いているが、いずれの数の選別用質問でも用いることができる。選別用質問の正確な数は、その都度決められ、診断対象の医学的状態の種類、目標の患者グループ等のような要因を考慮する。質問書式3の実施形態の中には、選別用質問を省略してもよい場合もある。このような実施形態では、質問書式3の第1面は、第2面15(図2B)と同一であり、異なる診断用質問を掲載したり、あるいは一般的なユーザ用指示および/または広告を掲載してもよい。
対応する回答4A、4Bおよび5A、5Bの選択は、質問書式3の第1面14上にて行われる。回答は、それぞれ、選別用質問4、5に対応する。更に、第1面は、ユーザの選別用質問4、5に対する回答に基づいて、ユーザが次の選別用質問、および/または質問書式3の第2面15上の診断用質問6〜13への回答に進む必要があるか否かを判定するための指示がある。
図示する質問書式3の実施形態は、片頭痛および/または緊張型頭痛の診断用に立案されており、選別用質問4、5は、それぞれ、ユーザが過去数年間に頭痛を体験したか否か、そしてそのような頭痛の徴候が、ユーザが彼らの毎日の日課を遂行する能力に影響を及ぼしたか否かに関する。選別用質問4に関して、具体的に、可能な各回答4A、4Bは、対応する指示16を有し、回答4A、4Bにしたがって、ユーザを、次の選別質問5に進ませるか、または質問書式3のこれ以上の記入を中止させる。選別用質問5に関して、具体的に、可能な各回答5A、5Bは、対応する指示16を有し、ユーザを、質問書式3の第2面15上の診断用質問6〜13に進ませるか、または質問書式3のこれ以上の記入を中止させる。
選別用質問4、5は、質問書式3のこれ以上の記入を中止するようユーザに指示する指示16に対応する回答(この場合、回答4Bまたは5B)をユーザが選択した場合に、ユーザは、選別される医学的状態(複数の状態)、この場合片頭痛および緊張型頭痛、を有していない(または少なくとも有している可能性は少ない)と診断する。しかしながら、継続して質問書式3の第2面の記入をするよう指示する指示16に対応する回答(この場合、回答4Aまたは5Aの双方)をユーザが選択した場合、ユーザは選別ではじかれず、更なる診断/質問の必要がある可能性が高い。この場合、更なる診断/質問とは、片頭痛および緊張型頭痛に対する追加の診断である。
これより図2Bを参照すると、質問書式3の第2面15が示されている。8つの診断用質問6〜13が質問書式3の第2面15上に設けられている。診断用質問6〜13は、ユーザの回答が、ユーザが妥当な医学的確度以内で、ある医学的状態を有するかまたは有さないかを示すように、慎重に草案、選択されている。この場合、医学的状態とは、片頭痛および/または緊張型頭痛である。具体的には、診断用質問6は、ユーザが頭痛を経験する頻度に関する。診断用質問7は、薬を服用しない場合、どの位ユーザの頭痛が続くかに関する。診断用質問8は、ユーザが頭痛の間、閃輝暗点および/または視覚欠損というような、前兆的徴候の発現を体験したか否かに関する。診断質問9は、頭痛の痛みの場所に関する。診断質問10は、頭痛の痛みの種類に関する。診断用質問11は、ユーザの頭痛の痛みの激しさに関する。診断用質問12は、ユーザのある種の肉体的活動の実行が頭痛の痛みに影響を及ぼす/悪化させるか否かに関する。診断用質問13は、ユーザが更に別の頭痛に関する徴候の発現を体験したか否かに関する。
図示の質問書式では、合計8つの診断用質問6〜13を用いているが、本発明はそれに限定される訳ではない。診断用質問6〜13のいずれの組み合わせでも用いることができ、および/または他の診断用質問を追加することも、望ましければ、可能である。しかしながら、ある精度以内で目標の医学的状態(複数の状態)を信頼性高く診断する診断用質問の適正な数、同一性および組み合わせを決定するためには、検査および/または研究を行うことが好ましい。診断用質問6〜13は、片頭痛および/または緊張型頭痛を診断するに当たり信頼性があると判断されている。
各診断用質問6〜13には、可能な回答6A〜13Dが1つ以上あり、該当する診断用質問6〜13に対応している。(同様の接頭数字がある質問と回答は互いに対応している。)各診断用質問6〜13に対する回答の選択肢には、目標とする医学的状態、この場合では、片頭痛および/または緊張型頭痛、を有する人を示す1つ以上の回答がある。例えば、回答6Aおよび6Bは、診断用質問6に対応している。以下で図5に関して更に詳細に説明するが、回答6Aは、片頭痛のあるユーザを示すが、一方回答6Bはそうではない。診断用質問6〜13の中には、ユーザが目標の医学的状態を有することを示す、多数の回答を有することができるものもある。場合によっては、1つの回答が、1つよりも多い目標とする医学的状態を示せることもある。質問書式3の回答6A〜13Dの位置付けおよび配列は、診断対象の医学的状態を有するユーザを示す回答が、診断ファイル2の窓26に対して対応する空間的関係となるように選択されている。
これより図3Aおよび図3Bを参照すると、診断ファイル2の第1オーバーレイ20および第2オーバーレイ21が詳細に示されている。診断ファイル2の構造については、図1に関して既に説明してある。
図3Aは、第1オーバーレイ20の正面図であり、質問書式3の第2面15と組み合わせて用い、片頭痛を診断するように立案されている。診断ファイル2の第1オーバーレイ20は、複数の透明窓26を備えており、これらは所定の位置に空間的に配列され、所定のサイズとなるように立案されている。各窓26は、質問書式3の第2面15が第1オーバーレイ20に面するように質問書式3を完全にポケット24に挿入したときに、片頭痛のあるユーザを示す質問書式3上の回答のみが、それを通じて見えるように立案されている。窓26は、第1オーバーレイ20の透明区間であるが、窓26は、切抜等を含む、種々の方法で形成することができる。実施形態の中には、オーバーレイ20全体を透明な材料で作り、窓26を、ボックス、またはオーバーレイ上に記したその他の指示で形成することができるものもある。
更に、第1オーバーレイ20は、複数の診断欄27を備えている。診断欄27は、窓26を通じて見ることができる質問書式3上の回答6A〜13Dのユーザの選択に基づいて、ユーザを片頭痛と診断するための一定の規準/指示を含む。診断欄27は、第1オーバーレイ20の分離されボックス内に囲まれたエリアであるように示されているが、本発明はそれに限定される訳ではない。実施形態の中には、診断欄27が、第1オーバーレイ20上の、文章を記載する単なるエリアであり、特別の輪郭や境界が全くない場合もあり得る。質問書式3を完全に診断ファイル2に挿入したときに(図5に示すように)、片頭痛があるユーザを示す、質問書式3上の回答のみが、第1オーバーレイ20の窓26を通じて見ることができる。診断欄27は、ユーザおよび/または健康管理専門家に、片頭痛診断に関するユーザの回答について、素早くしかも信頼性の高い解釈を行うことができる手段を提供する。
図3Bは、第2オーバーレイ21の正面図であり、緊張型頭痛を診断するために、質問書式3の第2面15と組み合わせて用いるように、特別に立案されている。第1オーバーレイ20のそれと同様に、第2オーバーレイは、複数の窓26および診断欄27を備えている。しかしながら、第2オーバーレイ21の各窓26の位置付けおよび大きさは、質問書式3の第2面15を第2オーバーレイ21に面して(図7に示すように)質問書式3を完全にポケット24に挿入したときに、質問書式3上の緊張型頭痛のあるユーザを示す回答のみが、それを通じて見ることができるように立案されている。加えて、第2オーバーレイ21の診断欄27は、第2オーバーレイ21の窓26を通じて見ることができる、質問書式3上の回答6A〜13Dのユーザの選択に基づいて、ユーザを緊張型頭痛と診断するための規準/指示を含んでいる。質問書式3の第2面15を第2オーバーレイ21に面するようにして質問書式3を完全に診断ファイル2に挿入したとき(図7に示すように)に、緊張型頭痛のあるユーザを示す質問書式3上の回答のみが、第2オーバーレイ21の窓を通じて見ることができる。診断欄27は、ユーザおよび/または健康の専門家に、緊張型頭痛の診断に関して、ユーザの回答の素早くしかも信頼性の高い解釈を行うことができる手段を提供する。
これより図4および図5を参照しながら、本発明の一実施形態による頭痛診断システム100を用いて、ユーザを片頭痛であると診断する方法について説明する。図4から開始すると、頭痛診断システム100は、診断ファイル2および質問書式3を含み、これをユーザに供給する。場合によっては、質問書式3のみを供給し、健康管理専門家が診断ファイル2を有することもある。質問書式3を受け取ると、ユーザは最初に質問書式3の第1面14上にある選別用質問4、5に回答する(図2Aに関して先に説明した通りである)。ユーザが選別用質問4、5に回答し、それにより彼/彼女が続いて質問書式3の診断用質問6〜13に回答するように指示されたと仮定すると、ユーザは質問書式3の第2面15に移る。次いで、ユーザは診断用質問6〜13を読み、ユーザの健康および身体状態を示す解答6A〜13Dを選択する。図では、仮説的なユーザが、彼/彼女の健康的状況に該当する回答全てに「×」をマークすることによって、彼/彼女の回答を選択し終えている。
一旦ユーザが診断用質問6〜13に対する彼/彼女の回答6A〜13Dを選択し終えると、ユーザは、矢印で示すように、質問書式3を、第1および第2オーバーレイ20、21の間にある診断ファイル2のポケット24の中に滑り込ませる/挿入する。質問書式3の第2面は、この時点では、第1オーバーレイ20に面している。ユーザは、続いて、質問書式3が、図5に示すように、診断ファイル2の中に完全に(即ち、診断位置に)位置するまで、質問書式3を診断ファイル2内に挿入する/滑り込ませる。
これより図5を参照すると、頭痛診断システム100の構成要素が、片頭痛の診断用に配置されている。即ち、質問書式3は、第1面14が第1オーバーレイ20に面するようにして、診断ファイル2のポケット24の中に完全かつ適正に挿入されている。見てわかるように、片頭痛のあるユーザを示す診断用質問6〜13に対する回答6A、7C、8A、9A、10A、11A、11B、12A、12B、および13A〜13Dのみが、第1オーバーレイ20の窓26と位置が合い、これらを通じて見ることができる。診断用質問6〜13に対する残りの回答は、窓26と位置が合わず、見ることができない。第1オーバーレイの窓26を通じて見ることができる診断用質問6〜13に対する回答6A、8A、9A、10A、11B、12Bおよび13A〜13Dに基づいて、そして第1オーバーレイ20の診断欄27に明記されている規準にしたがって、容易にかつ信頼性高くユーザに片頭痛がある(またはない)と診断することができる。この仮説的な例では、回答6A、8A、9A、10A、11B、12Bおよび13A〜13Dの彼/彼女の選択に基づいて、ユーザに片頭痛がある確率は非常に高いという診断が出ている。
図6および図7を参照すると、頭痛診断システム100は、片頭痛の診断に関して前述したのと非常に類似した方法で、緊張型頭痛のユーザを診断するためにも用いることができる。唯一の差は、ユーザが診断用質問6〜13に回答し終えた後に、図6に示すように、質問書式3の第2面15が第2オーバーレイ21に面するようにして、質問書式3を診断ファイル2に挿入することである。
図7は、緊張型頭痛の診断用に配列した頭痛診断システム100の構成要素を示す。即ち、質問書式3は、第2面15が第2オーバーレイ21に面するようにして、診断ファイル2のポケット24内に完全かつ適正に挿入されている。このように位置付けると、緊張型頭痛のあるユーザを示す診断用質問6〜13に対する回答7B〜7E、9B、10B〜10D、11C、12C、および13A〜13Dのみが、第2オーバーレイ21の窓26と位置が合い、これを通じて見ることができる。診断用質問6〜13に対する残りの回答は、窓26と位置が合わず、見ることができない。第2オーバーレイ21の窓26を通じて見ることができる診断用質問6〜13に対する回答7B,10B、および13A〜13Dのユーザの選択に基づいて、そして第2オーバーレイ21の診断欄27に明記されている規準にしたがって、容易にそして信頼性高くユーザに緊張型頭痛がある(またはない)と診断することができる。この仮説的な例では、ユーザに緊張型頭痛がある確率は、彼/彼女の回答6A〜13Dの選択に基づいて、低いという診断が出ている。
尚、質問書式3上における回答6A〜13Dならびに第1および第2オーバーレイ20、21上における窓26の相対的な空間的配列は、適正な診断にとっては重大であることを記すのは重要である。更に、質問書式3を完全かつ適正に診断ファイル2内に挿入し、不正確な診断を回避するようにすることも重要である。
頭痛診断システム100は、ユーザによる自己診断のために用いることができ、あるいは片頭痛および緊張型頭痛の診断において補助のために健康管理専門家が用いることができる。例えば、頭痛診断システム100(または、単に質問書式3)を病院またはその他の健康管理設備の待ち合い室において患者に手渡し、ユーザに記入を完了させることができる。診断ファイル2を用いると、医師またはその他の健康管理専門家は、質問書式3上でユーザが選択した回答に基づいて、片頭痛の診断を行うことができる。他の状況では、ユーザは頭痛診断システム100を利用して、彼/彼女の家庭またはその他の場所での便利さで、自己診断を行うことができる。自己診断の結果にしたがって、ユーザは、健康管理専門家との予約を設定し、更に詳しく調べてもらうことができる。
本発明のある種の実施形態では、質問書式3が両面14、15上に診断用質問6〜13を有することができる。その結果、質問書式3を診断ファイル2に挿入するとき、ユーザおよび/または健康管理専門家は、診断ファイル2において質問書式3の向きをひっくり返すことなく、片頭痛および緊張型頭痛の診断を行うことができる。本発明の別の実施形態では、フォルダ状の診断ファイルを用いる必要がない。代わりに、単一のオーバーレイを用いることができ、その場合質問書式は、単に適正に位置合わせしてオーバーレイの下に配する。
これより図8に移ると、本発明の第2実施形態による、コンピュータに基づく片頭痛/緊張型頭痛診断システム200の構成が示されている。コンピュータに基づく診断システム200は、ディスプレイ・モジュール260、ユーザ入力デバイス210、単一の入力ポート230、適切にプログラムされているマイクロプロセッサ250、およびコンピュータ・メモリ媒体240を備えている。CPU250、メモリ媒体240、および入力ポート230は、コンピュータ筐体220内に設けられている。
CPU250は、適当なマイクロコンピュータを基にした、プログラム可能なロジック・コントローラ、パーソナル・コンピュータ等である。CPU250は、制御および/または通信を必要とするシステム200の全ての構成機器に電気的および動作可能に結合されている。ディスプレイ・モジュール260は、コンピュータ・モニタ等とすることができる。入力デバイス210は、キーボード、マウス、ジョイスティック、対話式画面等とすることができる。
メモリ媒体240は、必要な全てのコンピュータ・コード、アルゴリズム、そしてシステム200の機能に必要なデータの全てを格納するのに十分なメモリを備えている。CPU250は、前述の質問書式の電子バージョンをディスプレイ・モジュール260上に表示するための適正なアルゴリズム、ユーザが入力デバイス210を用いて電子質問書式上で回答を選択し易くする機能、目標とする医学的状態を有するユーザを示す、電子質問書式上で選択された回答を識別する機能、電子質問書式上でユーザが選択した回答を分析する機能、ならびにユーザが選択した回答および分析に基づいて診断を出力する機能をプログラムされている。システム100と同様、コンピュータに基づくシステム200も、あらゆる医学的状態(複数の状態)を診断するのにも用いることができる。診断出力は、ディスプレイ・モジュール上におけるYESまたはNOの単純なグラフィック表現とすることができ、あるいは再調査手順や、確定的診断の必要性についての追加の指示を含む、一層詳細な診断とすることができる。
望ましければ、CPU250およびメモリ媒体240は、診断ファイルおよび/または単一のオーバーレイの電子バージョンを有し、前述したものと同様に、診断書式の診断ファイルへの仮想的な挿入を行うようにプログラムすることができる。すると、CPU250は、ユーザが選択した回答の位置に基づいて、それらの仮想窓との関係にしたがって、分析を行うことができる。加えて、電子質問書式を表示するインターフェースは、更に、ボタンを含み、ユーザが選択すると、ユーザが書式に対する彼または彼女の回答を完了したことを示すようにすることもできる。
以上の記述は、本発明の単に例示的な実施形態を開示し、説明したに過ぎない。本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定的な形態にも具体化できることは、当業者には理解されよう。
図1は、本発明の一実施形態による頭痛診断システムの正面斜視図である。 図2Aは、図1の頭痛診断システムの質問書式の正面図である。 図2Bは、図1の頭痛診断システムの質問書式の背面図である。 図3Aは、図1の頭痛診断システムの診断ファイルの正面図であり、第1オーバーレイを詳細に示す。 図3Bは、図1の頭痛診断システムの診断ファイルの正面図であり、第2オーバーレイを詳細に示す。 図4は、図1の頭痛診断システムを用いた片頭痛診断用診断ファイルに挿入しようとしている質問書式の図である。 図5は、図1の頭痛診断システムを用いた片頭痛診断システム用診断ファイルに完全に挿入した質問書式の正面図である。 図6は、図1の頭痛診断システムを用いた緊張型頭痛診断用診断ファイルに挿入しようとしている質問書式の図である。 図7は、図1の頭痛診断システムを用いた緊張型頭痛用診断ファイルに完全に挿入した質問書式の正面図である。 図8は、本発明の第2実施形態による、コンピュータに基づく頭痛診断システムの模式図である。

Claims (24)

  1. 診断システムであって、
    1つ以上の診断用質問と、各診断用質問に対して可能な1つ以上の回答とを含む書式と、
    1つ以上の窓と1つ以上の診断欄とを含む第1オーバーレイであって、該オーバーレイが前記書式上に位置するとき、第1医学的状態を有するユーザを示す前記診断用質問に対する回答が、前記第1オーバーレイの窓を通じて目視可能となる、第1オーバーレイと、
    1つ以上の窓と1つ以上の診断欄とを有する第2オーバーレイであって、前記書式上に該第2オーバーレイを配置すると、第2医学的状態を有するユーザを示す回答が、前記第2オーバーレイの窓を通じて目視可能となる、第2オーバーレイと、
    を備えており、
    前記1つ以上の診断欄は、前記第1オーバーレイの窓を通じて目視可能な前記書式上の回答のユーザ選択に基づいて、前記ユーザが前記第1医学的状態を有すると診断するための規準を含
    前記第2オーバーレイの診断欄は、前記第2オーバーレイの窓を通じて目視可能な回答のユーザ選択に基づいて、前記ユーザが第2医学的状態を有すると診断するための規準を含み、
    前記第1オーバーレイおよび前記第2オーバーレイは、ファイルを形成するように、少なくとも1辺に沿って結び付けられ、
    前記書式は、第1面および第2面を含み、前記書式は、該書式の前記第1および第2面双方に診断用質問および回答欄を含み、
    前記書式を前記ファイルに挿入すると、前記第1医学的状態を有するユーザを示す、前記書式の第1面上の回答が、前記第1オーバーレイの窓を通じて目視可能となり、前記第2医学的状態を有するユーザを示す、前記書式の第2面上の回答が、前記第2オーバーレイの窓を通じて目視可能となる、
    診断システム。
  2. 請求項1記載の診断システムにおいて、更に、
    前記書式は、複数の診断用質問と、対応する回答欄とを含み、
    前記第1オーバーレイは、複数の窓を含み、
    前記第1医学的状態を有するユーザを示す回答が、前記第1オーバーレイを前記書式上に配置したときに、前記第1オーバーレイの窓を通じて目視可能となる、診断システム。
  3. 請求項2記載の診断システムにおいて、前記診断用質問は、頭痛の頻度、頭痛の長さ、前兆的徴候の発現、痛みの位置、痛みの種類、痛みのひどさ、頭痛を増大または減少させる肉体的活動、または頭痛に関連する付加的な徴候の存在、あるいはそのいずれかの組み合わせに関する、診断システム。
  4. 請求項3記載の診断システムにおいて、前記第1オーバーレイの窓は、前記書式の上に該第1オーバーレイを配置すると、片頭痛を有するユーザを示す診断用質問に対する回答が前記窓を通じて目視可能となるように配列されている、診断システム。
  5. 請求項3記載の診断システムにおいて、前記第1オーバーレイ上の窓は、前記書式上に該第1オーバーレイを配置すると、緊張型頭痛を有するユーザを示す前記診断用質問に対する回答が、前記窓を通じて目視可能となるように配列されている、診断システム。
  6. 請求項1記載の診断システムにおいて、前記第1医学的状態は、頭痛に基づく状態である、診断システム。
  7. 請求項1記載の診断システムにおいて、前記第1医学的状態は、緊張型頭痛または片頭痛である、診断システム。
  8. 請求項記載の診断システムにおいて、前記第1医学的状態は片頭痛であり、前記第2医学的状態は緊張型頭痛である、診断システム。
  9. 請求項記載の診断システムにおいて、前記診断用質問に対する回答は、前記第1および第2オーバーレイの間で、前記第1オーバーレイに面して前記ファイルに前記書式を配置すると、前記第1医学的状態を有するユーザを示す回答が、前記第1オーバーレイの窓を通じて目視可能となるように、前記書式上で配列されている、診断システム。
  10. 請求項記載の診断システムにおいて、前記書式の回答欄は、前記第1および第2オーバーレイの間で、前記第2オーバーレイに面して前記ファイルに前記書式を配置すると、前記第2医学的状態を有するユーザを示す回答が、前記第2オーバーレイの窓を通じて目視可能となるように配列されている、診断システム。
  11. 請求項記載の診断システムにおいて、前記第1オーバーレイおよび前記第2オーバーレイは、隣接する2辺に沿って結び付けられている、診断システム。
  12. 請求項11記載の診断システムにおいて、前記第1および第2オーバーレイは、半分に折り畳み、底縁に沿って結び付けられている単一片の素材で形成されている、診断システム。
  13. 請求項1記載の診断システムにおいて、前記書式は、更に、選別用質問と、該選別用質問に対するユーザの回答に基づいて、ユーザが前記診断用質問に回答する必要があるか否か判断するための指示とを含む、診断システム。
  14. 請求項1記載の診断システムにおいて、前記第1オーバーレイは、可撓性プラスチックで作られ、前記窓は実質的に透明である、診断システム。
  15. 請求項1記載の診断システムにおいて、前記第1オーバーレイの窓は切抜である、診断システム。
  16. a)1つ以上の回答を選択することによって、ユーザの健康に関する1つ以上の診断用質問に回答するステップであって、前記1つ以上の診断用質問および回答が書式上に設けられている、ステップと、
    b)1つ以上の窓と1つ以上の診断欄を有する第1オーバーレイを前記書式上に配置し、第1医学的状態を有するユーザを示す回答が、前記第1オーバーレイの窓を通じて目視可能となるようにするステップであって、前記第1オーバーレイの窓を通じて目視可能な回答のユーザ選択と、該ユーザ選択に関連した前記第1オーバーレイの診断欄における規準とをユーザに提示する、ステップと、
    c)前記第1オーバーレイを前記書式の上から取り除くステップと、
    d)1つ以上の前記窓と、1つ以上の診断欄とを有する第2オーバーレイを前記書式の上に配置し、第2医学的状態を有するユーザを示す回答が、前記第2オーバーレイの窓を通じて目視可能となるようにするステップであって、前記第2オーバーレイの窓を通じて目視可能な回答のユーザ選択と、該ユーザ選択に関連した前記第2オーバーレイの前記診断欄における規準とをユーザに提示する、ステップと、
    を含
    前記書式は、第1および第2面を含み、前記書式は、該書式の第1および第2面双方に、診断用質問と回答とを含み、
    前記第1オーバーレイは、1つ以上の窓と1つ以上の診断欄とを有する第2オーバーレイに結び付けられ、前記第1および第2オーバーレイがファイルを形成し、
    ステップb)は、前記書式の第1面が前記第1オーバーレイに面し、一方前記書式の第2面が前記第2オーバーレイに面するように、前記書式を前記ファイルに挿入するステップを含む、
    方法
  17. 請求項16記載の方法において、前記第1医学的状態は頭痛に基づく状態である、方法
  18. 請求項16記載の方法において、前記第1医学的状態は、片頭痛または緊張型頭痛である、方法
  19. 請求項16記載の方法において、前記診断用質問は、頭痛の頻度、頭痛の長さ、前兆的徴候の発現、痛みの位置、痛みの種類、痛みのひどさ、頭痛を増大または減少させる肉体的活動、または頭痛に関連する付加的な徴候の存在、あるいはそのいずれかの組み合わせに関する、方法
  20. 請求項19記載の方法において、ステップb)の実行の結果、片頭痛を有するユーザを示す、前記診断用質問に対する回答が、前記第1オーバーレイの窓を通じて目視可能となる、方法
  21. 請求項19記載の方法において、ステップb)の実行の結果、緊張型頭痛を有するユーザを示す、前記診断用質問に対する回答が、前記第1オーバーレイの窓を通じて目視可能となる、方法
  22. 請求項16記載の方法においてステップ)は、前記診断用質問および回答を有する書式の面が前記第2オーバーレイに面するように、前記書式を前記ファイルに挿入するステップを含む、方法
  23. 請求項16記載の方法において、前記第1オーバーレイおよび前記第2オーバーレイは、隣接する2辺に沿って結び付けられている、方法
  24. 請求項16記載の方法において、前記書式は、第1面および第2面を含み、前記書式の第1面は、選別用質問と、ユーザが前記書式の第2面上の質問に進む必要があるか否か判断するための指示とを含み、前記書式の第2面は、前記診断用質問と回答とを含む、方法
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