JP4775997B2 - D−アスパラギン酸特異的エンドペプチダーゼ及びその生産菌 - Google Patents
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Racemization of Asp23 residue affects the aggregation properties of Alzheimer amyloid β protein analogues; Takami Tomiyama, Satoshi Asano, Yoshiko Furiya. Takuji Shirasawa, Noriaki Endo, Hiroshi Mori; J. Biol. Chem. 269, 10205-10208 (1994). Structural alterations in the peptide backbone of β-amyloid core protein may account for its deposition and stabilization in Alzheimer's disease; Roher A. R., Lowenson J. D., Clarke S., Wokow C., Wang R., Cotter R. J., Reardon I. M., Zurher-Neely H. A., Heinrikson R. L., Ball M. J., Greenberg B. D., J. Biol. Chem. 268, 3072-3083 (1993). Accumulation of D-aspartic acid with age in the human brain. Man. E. H., Sandhouse M. E., Burg J., Fisher G. H.; Science 220, 1407-1408 (1983). D-Aspartic acid in the purified myelin and myelin basic protein. Fisher G. H., Garcia N. M., Payan I. L. Cadilla-Perezios R., Sheremata W. A. Man E. H.; Biochem. Biophys. Res. Commun, 135, 683-687 (1986). Simultaneous stereoinversion and isomerrization at specific aspartic acid residues in alpha A-crystallin from human lens. Fujii N., Satoh K., Harada K., Ishibashi Y.; J. Biochem. 116, 663-669 (1994) Simultaneous racemization and isomerization at specific aspartic acid residues in alpha B-crystallin from aged human lens; Fujii N., Ishibashi Y., Satoh K., Fujino M., Harada K.; Biochem, Biophys. Acta 1204, 157-163 (1994). Mammalian D-aspartyl endopeptidase: a scavenger for noxious racemized proteins in aging; Tadatoshi Kinouchi, Shoichi Ishiura, Yoko Mabuchi, Yasuko Urakami-Manaka, Hideki Nishio, Yuji Nishiuchi, Masahiko Tsunemi, Kastumi Takata, Masatomo Watanabe, Masashi Ikeda, Hisao Matsui, Shigeo Tomioka, Hiroyuki Kawahara, Toshiro Hamamoto, Koichi Suzuki, Yasuo Kagawa; Biochem. Biophys. Res. Commun. 314, 730-736 (2004).
ペプチド鎖内のD−アスパラギン酸を認識しそのC末端側を特異的に切断する;
2)基質特異性
a)pNA基質特異性において、サクシニル−D−アスパラギン酸p−ニトロアニリド(Suc-[D-Asp]-pNA)に対する活性を100%とした場合の、Ac-Asp-pNA, Asp-pNA, [D-Ala]-pNA, [D-Leu]-pNA, [D-Phe]-pNA, Ala-pNA, Leu-pNA, Phe-pNA, Arg-pNA, Glu-pNA, Gly-pNA, His-pNA, Ile-pNA, Lys-pNA, Met-pNA, Pro-pNA, Val-pNA, Pyr-pNA, Suc-AAA-pNA, Suc-APA-pNAに対する相対活性は0.5%未満である;
b)Suc-[D-Asp]-pNAに対するKm値は1.03mMである;
c)MCA基質特異性において、サクシニル−D−アスパラギン酸メチルクマリルアミド(Suc-[D-Asp]-MCA)に対する活性を100%とした場合の、Arg-MCA, Bz-Arg-MCA, Boc-Gln-Ala-Arg-MCA, Pro-Phe-Arg-MCA, Ac-Tyr-Val-Ala-Asp-MCA, Ac-Val-Glu-Ile-Asp-MCAに対する相対活性は1%未満であり、Ac-Asp-Glu-Val-Asp-MCA, Ac-Leu-Glu-His-Asp-MCAに対する相対活性は10%未満である;
d)Suc-[D-Asp]-MCAに対するKm値は1.25mMである;
3)至適pH
Suc-[D-Asp]-pNAを基質としたときの至適pHは7.5〜8.5である;
4)熱安定性
50℃、30分間の熱処理で50%以上の活性を保持する;
5)分子量
34,000(SDS−PAGE法);
6)金属塩の影響
Suc-[D-Asp]-MCAを基質として用いた場合において、1mMのCa2+、Mg2+では阻害を受けず、1mMのCo2+、Mn2+により半減し、1mMのZn2+により完全に失活する;
7)阻害剤の影響
Suc-[D-Asp]-MCAを基質として用いた場合において、セリンプロテアーゼ阻害剤、チオールプロテアーゼ阻害剤、金属プロテアーゼ阻害剤では阻害を受けず、ペプスタチン、iDAEP、アンピシリンによる阻害を受ける。
ペプチド鎖内のD−アスパラギン酸を認識しそのC末端側を特異的に切断する;
2)基質特異性
a)pNA基質特異性において、サクシニル−D−アスパラギン酸p−ニトロアニリド(Suc-[D-Asp]-pNA)に対する活性を100%とした場合の、Ac-Asp-pNA, Asp-pNA, [D-Ala]-pNA, [D-Leu]-pNA, [D-Phe]-pNA, Ala-pNA, Leu-pNA, Phe-pNA, Arg-pNA, Glu-pNA, Gly-pNA, His-pNA, Ile-pNA, Lys-pNA, Met-pNA, Pro-pNA, Val-pNA, Pyr-pNA, Suc-AAA-pNA, Suc-APA-pNAに対する相対活性は0.5%未満である;
b)Suc-[D-Asp]-pNAに対するKm値は1.26mMである;
c)MCA基質特異性において、Suc-[D-Asp]-MCA に対する活性を100%とした場合の、Arg-MCA, Bz-Arg-MCA, Boc-Gln-Ala-Arg-MCA, Pro-Phe-Arg-MCA, Ac-Tyr-Val-Ala-Asp-MCA, Ac-Val-Glu-Ile-Asp-MCAに対する相対活性は1%未満であり、Ac-Asp-Glu-Val-Asp-MCA, Ac-Leu-Glu-His-Asp-MCAに対する相対活性は5%未満である;
d)Suc-[D-Asp]-MCAに対するKm値は1.00mMである;
3)至適pH
Suc-[D-Asp]-pNAを基質としたときの至適pHは7.5〜8.5である;
4)熱安定性
50℃、30分間の熱処理で50%以上の活性を保持する;
5)分子量
33,000(SDS−PAGE法);
6)金属塩の影響
Suc-[D-Asp]-MCAを基質として用いた場合において、1mMのCa2+、Mg2+では阻害を受けず、1mMのCo2+、Mn2+により半減し、1mMのZn2+により完全に失活する;
7)阻害剤の影響
Suc-[D-Asp]-MCAを基質として用いた場合において、セリンプロテアーゼ阻害剤、チオールプロテアーゼ阻害剤、金属プロテアーゼ阻害剤では阻害を受けず、ペプスタチン、iDAEP、アンピシリンによる阻害を受ける。
すなわち、生体内や各種動植物、微生物由来組織のD-Aspを含有するペプチドやタンパク質等にPaenidaseを作用させることによりD-Asp特異的切断を起こさせ、それを電気泳動、液体クロマトグラフィーや酵素抗体法などで検出することにより、D-Asp含有の有無を判別することが可能となる。
また、生態の病変細胞や組織中のD-Asp含有ペプチド類にPaenidaseを作用させることにより、変異タンパク質のみを分解除去することが可能となる。
特異的基質であるSuc-[D-Asp]-pNAを考案し、(株)ペプチド研究所(大阪府箕面市)に依頼合成したものを用いて、目的とするD-Asp特異的エンドペプチダーゼ生産菌のスクリーニングを行った。
本実施例及び実施例2において用いた培地と緩衝液を以下に示す。
緩衝液A:50mM Tris-HCl, pH8.0
緩衝液B:50mM Tris-HCl, pH8.0, 0.02% Tween 20, 0.02% NaN3
緩衝液C:50mM Tris-HCl, pH8.0, 0.15 M NaCl, 0.02% NaN3
(2)D-Asp特異的エンドペプチダーゼ生産菌のスクリーニング
土壌より分離した放線菌及び細菌類を培地Aで30℃において6日間振トウ培養した。その培養上清を用いてSuc-[D-Asp]-pNA分解活性を指標としてスクリーニングを行った。スクリーニングは、前記培養上清20μlに80μlの基質溶液[DMSOに溶解した5μlの10mM Suc-[D-Asp]-pNA及び75μlの緩衝液Bの混合液]を加え、37℃で24時間反応後、遊離したパラニトロアニリンの吸光度を405nmで測定することにより行った。放線菌約2000株、細菌約400株の培養上清を用いて検討した結果、目的とする酵素を生産する細菌(B38株)を取得した。なお、B38株由来酵素の生産曲線を図1に示す。
PCR法にて16srRNAをコードする遺伝子約1500塩基対を増幅し、その配列を決定した。得られた配列をもとにデータベースで相同性を検討した結果、16srRNAの部分配列は、Paenibacillus agaridevorans 16srRNAに最も相同性が高く、また、Paenibacillus sp. 448-L516srRNAとも高い相同性のあることが認められた。このことより、本菌をPaenibacillus sp.38株と同定した(図2を参照)。
実施例1で分離・選抜した本発明に係る酵素生産菌 B38株を培地Aにて30℃で6日間振トウ培養し、その上清を以下に示す酵素精製に用いた。なお、本発明に係る分離細菌B38株の生産するD-Asp特異的エンドペプチダーゼを、Paenibacillus sp. B38株由来であることよりPaenidase (パエニダーゼもしくはパエニデイス、Paenibacillus D-Aspartyl endopeptidase)と命名した。
酵素の精製は、原則として4℃の低温室で行った。酵素活性測定にはSuc-[D-Asp]-MCAを基質として用い、また、タンパク質の定量は、牛血清アルブミンを標準としてピアス社製のBCAタンパク質定量キッドを用いて定量した。
実施例1で分離・選抜したPaenibacillus sp.38の培養液を20,000xgで30分間遠心分離し、その上清1250mlを回収した。
上記培養液に80%飽和になるように硫安を加え、4℃にて一夜放置した。遠心分離にて沈殿を回収し、少量の緩衝液Aに溶解し、同緩衝液にて一夜透析した。
透析した酵素溶液沈殿を遠心除去し、上清(200ml)を予め緩衝液Bで平衡化しておいたDEAE-Sephaose FF(50ml)にバッチ法で吸着させた。ゲルを充分に緩衝液Bで洗浄後、酵素を0.2M NaCl を含む200mlの緩衝液Aにて溶出した。これを限外ろ過膜(Amicon PM-10)で25mlに濃縮した。
上記濃縮液を緩衝液Cで平衡化しておいたSepahcyl S100 HR (5x80 cm)に添加した。カラムクロマトグアフィーの流速は、60ml/時 程度とし、10mlずつ分画した。酵素活性を含む画分を集め、緩衝液Bに対して透析した。
透析した酵素溶液を予め緩衝液Aにて平衡化しておいたDEAE-Sephaose FFカラム(1.5x10 cm)に添加した。吸着した酵素は、0Mから0.2M NaClの直線濃度勾配を用いて溶出した。流速は20ml/時とし、合計400mLの緩衝液で濃度勾配を作成した。酵素活性を含む画分を集め、緩衝液Bに対して透析した。
透析溶液を0.02% Tween 20 を含む緩衝液Aにて平衡化しておいたMono Qカラムに添加し、0Mから0.2M NaClの直線濃度勾配を用いて溶出した。流速は1 ml/分とし、30分間で塩濃度勾配を終了した。このカラムクロマトグラフィーにおいて活性は2つのピークとなり溶出された。そこで、カラムから溶出した順にPaenidase I (パエニダーゼ I)及びPaenidase II (パエニダーゼ II)とした。
Paenidase I (パエニダーゼ I)及びPaenidase II (パエニダーゼ II)を緩衝液Bに透析し、それぞれの酵素を1回目のMono Q FPLCと同一の条件でクロマトグラフィーを行い、精製標品を得た。
実施例2で得られたPaenidase I(P-I)及びPaenidase II(P-II)の理化学的性質を以下に示す。
P-I及びP-IIの分子量を、以下に示すSDS−ポリアクリルゲル電気泳動(SDS-PAGE)並びに未変性状態でのゲル濾過クロマトグラフィーにより求めた。その結果、P-I及びP-IIの分子量は、SDS電気泳動でそれぞれ34,000及び33,000と求められた(図3を参照。)また、未変性状態のゲル濾過での分子量は、いずれも約35,000と求められた。
37℃においてSuc-[D-Asp]-pNAを基質とし、pH5.5からpH 9.5の範囲でP-I及びP-IIのpH特性を測定した。結果を図4に示す。P-I及びP-IIはいずれもpH7.5からpH8.5の範囲に至適pHを持つことがわかった。
pH8.0においてSuc-[D-Asp]-MCAを基質とし、20℃から70℃の温度範囲でP-I及びP-IIの温度特性を測定した。結果を図5に示す。P-I及びP-IIはいずれも50℃、30分間の熱処理で50%以上の活性を保持した。
(i)上記Suc-[D-Asp]-pNA以外に20種類の合成基質:Ac-Asp-pNA (Bacham), L-Asp-pNA (ペプチド研究所), [D-Ala]-pNA (Bacham), [D-Leu]-pNA (Bacham), [D-Phe]-pNA (Bacham), L-Ala-pNA ((株)ペプチド研究所), L-Leu-pNA ((株)ペプチド研究所), L-Phe-pNA (Bacham), L-Arg-pNA (Bacham), L-Glu-pNA ((株)ペプチド研究所), Gly-pNA (Bacham), L-His-pNA (Bacham), L-Ile-pNA (Bacham), L-Lys-pNA (Bacham), L-Met-pNA (Bacham), L-Pro-pNA (Bacham), L-Val-pNA (Bacham), Pyr-pNA (Bacham), Suc-L-Ala-L-Ala-L-Ala-pNA ((株)ペプチド研究所), Suc-L-Ala-L-Pro-L-Ala-pNA ((株)ペプチド研究所)を用いて基質特異性を検討した。
(i)前記Suc-[D-Asp]-MCA以外に8種類の合成基質:L-Arg-MCA, Bz-L-Arg-MCA, Boc-L-Gln-L-Ala-L-Arg-MCA, L-Pro-L-Phe-L-Arg-MCA, Ac-L-Tyr-L-Val-L-Ala-L-Asp-MCA, Ac-L-Asp-L-Glu-L-Val-L-Asp-MCA, Ac-L-Val-L-Glu-L-Ile-L-Asp-MCA, Ac-L-Leu-L-Glu-L-His-Asp-MCA(いずれも(株)ペプチド研究所より入手)を用いて基質特異性を検討した。
(i) 10μlの酵素溶液(20U/mlのP-IもしくはP-II)に10μlの各種阻害剤溶液と80μlの基質溶液(DMSOに溶解した5μlの10mM Suc-[D-Asp]-MCA及び75μlの緩衝液Aの混合液)を37℃で30分間反応後、400μlの10%酢酸を添加し、酵素反応を停止した。その後、励起波長380nm及び蛍光波長460nmにて遊離したMCA量を測定した。阻害剤無添加の活性を100%とし相対活性を求めた。
(i) 10μlの酵素溶液(20U/mlのP-IもしくはP-II)に10μlの各種阻害剤溶液と80μlの基質溶液(DMSOに溶解した5μlの10mM Suc-[D-Asp]-MCA及び75μlの緩衝液Aの混合液)を37℃で30分間反応後、400μlの10%酢酸を添加し、酵素反応を停止した。その後、励起波長380nm及び蛍光波長460nmにて遊離したMCA量を測定した。阻害剤無添加の活性を100%とし相対活性を求めた。
(i) 正常アミロイドβタンパク質のN末端から10残基のペプチドNH2-Asp-Ala-Glu-Phe-Arg-His-Asp-Gly-Ser-Tyr-COOHは、(株)バイオロジカ(名古屋市)に合成依頼したものを用いた。100μlのペプチド溶液(1mg/mlとなるようにペプチドを緩衝液Bに溶解させた溶液)に20μlの酵素溶液(20U/mlのPaenidase I)を加え、37℃で24時間反応させた。反応溶液を逆相高速液体クロマトグラフィーで以下に示す条件にて分析した。
蒸留水で平衡化しておいたJ sphere ODS-L80カラム(150x4.6mm, YMC)に10μlの試料を添加し、0から100%アセトニトリルの直線濃度勾配でペプチド類を溶出した。流速は1ml/分とし、210nmの吸光度をモニターした。
(i) 7番目のL-AspをD-Aspに変異させた異常アミロイドβタンパク質のN末端から10残基のペプチドNH2-Asp-Ala-Glu-Phe-Arg-His-[D-Asp]-Gly-Ser-Tyr-COOHは、(株)フナコシ(東京都)に合成依頼したものを用いた。100μlのペプチド溶液(1mg/mlとなるようにペプチドを緩衝液Aに溶解させた溶液)に20μlの酵素溶液(20U/mlのPaenidase I)を加え、37℃で24時間反応させた。反応溶液を逆相高速液体クロマトグラフィー上記条件にて分析した。
(i) SDS−PAGE後にポリビニルピロリドン膜に転写したPaenidase I 及びIIを試料として気相ペプチドシーケンサー(Procise 494 HT, アプライドバイオシステムズ)にてN末端からのアミノ酸配列を解析した。
Claims (6)
- D−アスパラギン酸特異的エンドペプチダーゼを生産する微生物であって、パエニバチラス sp. B 38(Paenibacillus sp. B38)株である微生物。
- 独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターにFERM P−20321として寄託されている請求項1に記載の微生物。
- 請求項1又は2に記載の微生物にて生産され、下記理化学的性質を有するD−アスパラギン酸特異的エンドペプチダーゼ。
1)作用
ペプチド鎖内のD−アスパラギン酸を認識しそのC末端側を特異的に切断する;
2)基質特異性
a)pNA基質特異性において、サクシニル−D−アスパラギン酸p−ニトロアニリド(Suc-[D-Asp]-pNA)に対する活性を100%とした場合の、Ac-Asp-pNA, Asp-pNA, [D-Ala]-pNA, [D-Leu]-pNA, [D-Phe]-pNA, Ala-pNA, Leu-pNA, Phe-pNA, Arg-pNA, Glu-pNA, Gly-pNA, His-pNA, Ile-pNA, Lys-pNA, Met-pNA, Pro-pNA, Val-pNA, Pyr-pNA, Suc-AAA-pNA, Suc-APA-pNAに対する相対活性は0.5%未満である;
b)Suc-[D-Asp]-pNAに対するKm値は1.03mMである;
c)MCA基質特異性において、サクシニル−D−アスパラギン酸メチルクマリルアミド(Suc-[D-Asp]-MCA)に対する活性を100%とした場合の、Arg-MCA, Bz-Arg-MCA, Boc-Gln-Ala-Arg-MCA, Pro-Phe-Arg-MCA, Ac-Tyr-Val-Ala-Asp-MCA, Ac-Val-Glu-Ile-Asp-MCAに対する相対活性は1%未満であり、Ac-Asp-Glu-Val-Asp-MCA, Ac-Leu-Glu-His-Asp-MCAに対する相対活性は10%未満である;
d)Suc-[D-Asp]-MCAに対するKm値は1.25mMである;
3)至適pH
Suc-[D-Asp]-pNAを基質としたときの至適pHは7.5〜8.5である;
4)熱安定性
50℃、30分間の熱処理で50%以上の活性を保持する;
5)分子量
34,000(SDS−PAGE法);
6)金属塩の影響
Suc-[D-Asp]-MCAを基質として用いた場合において、1mMのCa2+、Mg2+では阻害を受けず、1mMのCo2+、Mn2+により半減し、1mMのZn2+により完全に失活する;
7)阻害剤の影響
Suc-[D-Asp]-MCAを基質として用いた場合において、セリンプロテアーゼ阻害剤、チオールプロテアーゼ阻害剤、金属プロテアーゼ阻害剤では阻害を受けず、ペプスタチン、iDAEP、アンピシリンによる阻害を受ける。 - N末端からのアミノ酸配列が、
NH2-Thr-Ile-Arg-Ile-Gln-Thr-Asp-Ala-Val-Thr-Lys-Tyr-Gly-Lys-Glu-Asp-Ala-Ala-Ile-Asp- (配列表配列番号1)である、請求項3に記載のD−アスパラギン酸特異的エンドペプチダーゼ。 - 請求項1又は2に記載の微生物にて生産され、下記理化学的性質を有するD−アスパラギン酸特異的エンドペプチダーゼ。
1)作用
ペプチド鎖内のD−アスパラギン酸を認識しそのC末端側を特異的に切断する;
2)基質特異性
a)pNA基質特異性において、サクシニル−D−アスパラギン酸p−ニトロアニリド(Suc-[D-Asp]-pNA)に対する活性を100%とした場合の、Ac-Asp-pNA, Asp-pNA, [D-Ala]-pNA, [D-Leu]-pNA, [D-Phe]-pNA, Ala-pNA, Leu-pNA, Phe-pNA, Arg-pNA, Glu-pNA, Gly-pNA, His-pNA, Ile-pNA, Lys-pNA, Met-pNA, Pro-pNA, Val-pNA, Pyr-pNA, Suc-AAA-pNA, Suc-APA-pNAに対する相対活性は0.5%未満である;
b)Suc-[D-Asp]-pNAに対するKm値は1.26mMである;
c)MCA基質特異性において、Suc-[D-Asp]-MCA に対する活性を100%とした場合の、Arg-MCA, Bz-Arg-MCA, Boc-Gln-Ala-Arg-MCA, Pro-Phe-Arg-MCA, Ac-Tyr-Val-Ala-Asp-MCA, Ac-Val-Glu-Ile-Asp-MCAに対する相対活性は1%未満であり、Ac-Asp-Glu-Val-Asp-MCA, Ac-Leu-Glu-His-Asp-MCAに対する相対活性は5%未満である;
d)Suc-[D-Asp]-MCAに対するKm値は1.00mMである;
3)至適pH
Suc-[D-Asp]-pNAを基質としたときの至適pHは7.5〜8.5である;
4)熱安定性
50℃、30分間の熱処理で50%以上の活性を保持する;
5)分子量
33,000(SDS−PAGE法);
6)金属塩の影響
Suc-[D-Asp]-MCAを基質として用いた場合において、1mMのCa2+、Mg2+では阻害を受けず、1mMのCo2+、Mn2+により半減し、1mMのZn2+により完全に失活する;
7)阻害剤の影響
Suc-[D-Asp]-MCAを基質として用いた場合において、セリンプロテアーゼ阻害剤、チオールプロテアーゼ阻害剤、金属プロテアーゼ阻害剤では阻害を受けず、ペプスタチン、iDAEP、アンピシリンによる阻害を受ける。 - N末端からのアミノ酸配列がNH2-Thr- Asp-Ala-Val-Thr-(配列表配列番号2)である請求項3又は5に記載のD−アスパラギン酸特異的エンドペプチダーゼ。
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