JP4775872B2 - 電気泳動装置および方法 - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は、試料分析物を電気泳動で分離し特徴付ける方法および装置に関する。特に、本発明は、多次元電気泳動に関する。
【0002】
(参考文献)
【0003】
【数1】
【0004】
(発明の背景)
何十年にもわたって、電気泳動分離法は、化学試料および生化学試料を同定し特徴付けるための中心的な存在となっている。通常の操作では、電気泳動チューブまたはスラブ(slab)は、流体電気泳動媒体で満たされ、この流体媒体は、共有結合的に架橋されるか、または温度固化されて、流動不可能な安定化ゲル分離媒体を形成する。試料は、このチューブの一端に装填されるか、このスラブゲルの1個またはそれ以上のウェルに装填され、この媒体を介して試料を引き出すために、電場が発生される。電気泳動分離は、主として、例えば、核酸およびSDS浴(SDS−bathed)タンパク質の場合、分子サイズに依存し、または、例えば、ポリペプチドまたは多糖類の非変性ゲル電気泳動の場合のように、サイズおよび電荷の組み合わせに依存し得る。
【0005】
等電点電気泳動(IEF)とは、分子種がpH勾配でその等電点(pI)に移動することに基づいた電気泳動法である。このpH勾配は、通常、架橋したマトリックスにて、多数の異なるpI種を含有する両性電解質溶液を電場にかけることにより、確立される。平衡化した両性電解質含有媒体に添加された分析物は、このpH勾配に沿って、その等電点に移動する。
【0006】
複雑な試料については、単一の電気泳動次元のみを使用したときに共に移動する種をよりうまく分離するために、多次元電気泳動法が使用されている。二次元電気泳動に対する通常の方法は、堅く通常は架橋したマトリックスにおいて、第一次元を行うことである。タンパク質の分析のために、例えば、この試料は、各タンパク質の正味の電荷の独特のpH依存性を利用するために、通常、まず、チューブまたはストリップゲルにおいて、IEFで分画される。次に、分離したタンパク質を含有するゲルは、このチューブから押し出され、乾燥され(これらの2工程は、ストリップゲルを使用して、迂回できる)、そしてスラブゲル(典型的には、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する架橋ポリアクリルアミドゲル)の一端に沿って、水平に置かれる。次いで、この第一次元に垂直な第二次元で、電気泳動が実行され、これらのタンパク質は、分子量に基づいて、分離する。それゆえ、類似の正味電荷を有するタンパク質であって第一(IEF)次元でうまく分離されないものは、第二次元にて、それらの異なる質量に従って、分離する。これらの2つの分離方法は、別個の特性(正味電荷および質量)に依存しているので、その全体的な分解能は、大体、各次元での分解能の積である。
【0007】
従来の二次元電気泳動法の著しい欠点には、二次元で電気泳動を実行するために、2個の分離装置を使用することがある。これらのプロトコルは、実行するのに非常に時間がかかり、また、面倒であり得る。さらに、従来の方法は、標準的なIEFおよびSDSゲル(これらは、再使用できない)に変動があるために、著しい作業間変化を受けやすい。
【0008】
従って、より速くて使用が簡単であり、複雑な混合物中の何百または何千という成分の同定および特徴付けが可能であって、かつ再現性が高い新規多次元電気泳動法が必要とされている。理想的には、この方法は、両方の次元での電気泳動のために、単一の分離装置を使用する。この方法には、好ましくは、流動可能な(液状)分離媒体(これは、新しい媒体で容易に置き換えることができる)が関与しており、その結果、複数の試料に対して、単一の装置が繰り返し使用できる。理想的には、この装置は、自動化に適応できる。
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、単一装置内で試料の多次元電気泳動を行う方法および装置に関し、第一電気泳動次元で分離された試料成分は、この試料を、第一および第二電気泳動工程間で移動または操作する必要なしに、第一次元と実質的に垂直な第二次元で、直接電気泳動できる。
【0010】
1局面では、本発明は、二次元電気泳動システムを包含する。1実施態様では、このシステムは、以下の(i)、(ii)および(iii)を規定する電気泳動プレートアセンブリを含む:(i)試料分離空洞;(ii)試料装填ポートであって、この試料装填ポートは、上部の角部に位置しており、その電気泳動領域に試料を導入するためにある;および(iii)必要に応じて、1個またはそれ以上の流体通路であって、この流体通路は、この空洞の下部に沿って位置しており、空洞から液体を導入または除去するためにある。
【0011】
このアセンブリにより規定される空洞は、主要第一および第二面を対向させることにより、境界を定められており、各面は、規定の幅および長さを有する。これらの主要面は、この空洞の幅および長さよりも実質的に短い界面距離によって、間隔を置いて配置されている。この空洞は、さらに、以下の(1)および(2)を含む:(1)第一電気泳動領域であって、この第一電気泳動領域は、この空洞の上部に沿って配置されており、この上部に沿って、第一次元で、電荷および/またはサイズ基準の電気泳動を実行するためにある;および(2)第一電気泳動領域の下にある第二電気泳動領域であって、この第二電気泳動領域は、第一次元と実質的に垂直な方向で、第二次元で、電気泳動を実行するためにあり、試料成分を第二次元で移動する基準は、第一次元で移動する基準を決定する試料特性とは異なる試料特性に依存している。
【0012】
1実施態様では、第二電気泳動領域は、この主要対向面の少なくとも1面に固定化されたpKa勾配を含む等電点電気泳動領域であり、第1次元に実質的に垂直な方向に等電点電気泳動するためにある。このpKa勾配は、任意の達成可能な範囲(例えば、約4〜10、または4〜6のpKa範囲)に及び得る。
【0013】
他の実施態様では、第二電気泳動領域は、pKa勾配を含まず、第一次元に使用した電気泳動条件とは異なる条件下にて、電荷および/またはサイズ基準の電気泳動を実行するのに使用される。
【0014】
このシステムは、さらに、この装填ポートと装填ポートから横切る側方部との間で第一電気泳動領域にわたって第一電圧電位を発生させるための電極手段、この上部と下部との間で第二電圧電位を発生させるための電極手段、およびこの空洞を占有する水性媒体を含み得る。
【0015】
1実施態様では、この装填ポートは、細長試料運搬チャンネルにより、この空洞の上角部に接合されている。
【0016】
他の実施態様では、この1個またはそれ以上の流体通路は、この下部に隣接した主要面の1面を通る単一スロットとして、設けられている。代替的な構成では、この1個またはそれ以上の流体通路は、この空洞の下部に沿って位置づけられた複数の開口部を含む。
【0017】
他の実施態様では、第二電気泳動領域は、複数の細長分離チャンネルを含み、これらは、この空洞の側方部と実質的に平行であり、そして隣接分離チャンネル間でのこの媒体の流れを妨げる。第二電気泳動領域は、好ましくは、少なくとも30個の分離チャンネル、好ましくは、100個より多い分離チャンネルを含む。
【0018】
他の実施態様では、これらのプレートは、この空洞から液体を導入または除去するための扇形領域を規定し、これは、この分離空洞の上部または下部と接している。
【0019】
他の実施態様では、第一電気泳動領域の上縁部および/または第二電気泳動領域の下縁部は、イオン透過性膜により境界を定められており、これは、この分離空洞を電極レザバから分離するのに使用できる。
【0020】
他の局面では、本発明は、上記のような電気泳動プレートアセンブリを包含する。
【0021】
他の局面では、本発明は、上記のような電気泳動プレートアセンブリまたはシステムを使用して、試料混合物の1種またはそれ以上の成分を分離する方法を包含する。この方法では、試料混合物は、この試料装填ポートに入れられる。この混合物中の異なる成分を第一電気泳動領域の対向部分の方へと移動させるのに効果的な条件下にて、この第一電気泳動領域にわたって第一電圧電位を加えて、異なる成分がサイズ基準で少なくとも部分的に分離されるようにされる。この第一次元での電気泳動後、第一次元で使用した物理的特性とは異なる物理的特性(例えば、電荷および/またはサイズの特徴)に基づいて、異なる成分を分離するのに効果的な条件下にて、第一次元と実質的に垂直な方向で、この空洞の上部および下部にわたって、第二電圧電位が加えられる。1実施態様では、第二電気泳動領域は、等電点電気泳動領域であり、これらの電気泳動条件は、第一電圧電位の方向と実質的に垂直な方向で、この等電点電気泳動領域にて、pH勾配を発生させるのに効果的である。試料成分は、この等電点電気泳動領域へと移動し、それらの等電点を基準にして、分離する。
【0022】
第二実施態様では、第二電気泳動領域は、pKa勾配を含まず、そして第二電気泳動条件は、第一次元に使用される電気泳動条件とは異なる条件下にて、電気泳動を実行するのに効果的である。
【0023】
第二次元での電気泳動が完了した後、この試料の組成についての情報を得るために、試料成分が検出され画像化できる。
【0024】
検出を容易にするために、試料成分は、好ましくは、検出可能な標識(例えば、蛍光標識または放射線標識)を含有する。好ましい実施態様では、この試料は、検出できる1種またはそれ以上のポリペプチドを含有する。
【0025】
1実施態様では、第二次元での電気泳動が完了した後、さらに特徴付けるために、この分離空洞から、1種またはそれ以上の試料成分が収集できる。好ましくは、第二電気泳動領域は、試料成分の収集を容易にするために、上記のような複数の細長分離チャンネルを含む。
【0026】
他の実施態様では、本発明は、その上に固定化したpKa勾配で被覆された表面を有する、電気泳動プレート、チャンネルまたはチューブを含む。好ましくは、この勾配は、少なくとも1のpH単位に及ぶ。このチューブまたはチャンネルは、200μm以下、好ましくは、100μm以下、または50μm以下の直径を有する。
【0027】
本発明のこれらの特徴および他の特徴および利点は、添付の図面と共に、以下の詳細な説明からより明らかとなる。
【0028】
(発明の詳細な説明)
上で述べたように、本発明は、単一分離空洞内で試料混合物の多次元電気泳動分離を行う方法および装置に関し、第一次元での分離条件は、第二次元での分離条件とは異なるようにされる。
【0029】
本発明は、種々の分離条件((1)等電点電気泳動のための条件、および(2)流動可能ふるい媒体での変性または非変性サイズ基準分離を含めて)に適応できる。さらに、電気泳動は、流動可能(すなわち、液体)媒体を用いて、両方の次元で達成できるので、この媒体は、これらのプレートを分離する必要なしに、各試料分離後、補充できる。
I.装置
1局面では、本発明は、選択した分析物(特に、ポリペプチド)の二次元電気泳動を行う装置を提供する。一般に、この装置は、空洞を規定するプレートアセンブリを含み、この空洞は、主要第一および第二面を対向させることにより、境界を定められており、各面は、規定の幅および長さを有する。これらの主要面は、この空洞の幅および長さよりも実質的に短い界面距離によって、間隔を置いて配置されている。この空洞は、さらに、以下の(1)および(2)を含む:(1)第一電気泳動領域であって、この第一電気泳動領域は、この空洞の上部に沿って配置されており、この上部に沿って、第一次元で、電荷および/またはサイズ基準の電気泳動を実行するためにある;および(2)第一電気泳動領域の下にある第二電気泳動領域であって、この第二電気泳動領域は、第一次元と実質的に垂直な方向で、第二次元で、電気泳動を実行するためにあり、試料成分を第二次元で移動する基準は、第一次元で移動する基準を決定する試料特性とは異なる試料特性(例えば、分子量、分子形状、疎水性および/または親水性、および/または電荷)に依存している。
【0030】
以下の論述は、本発明の第一実施態様に関し、ここで、第一次元での電気泳動は、サイズおよび電荷を基準にして実行されて、異なる移動速度が得られ、また、第二次元での電気泳動は、等電点を基準にして、実行される。他の代替的な実施態様は、引き続いて述べる。
【0031】
図1および2は、それぞれ、本発明に従った電気泳動プレートアセンブリ10の俯瞰図および透視図を示す。内部プレート面20aおよび22aが面と向かって並列されて、分離媒体(そこを通って試料が電気泳動される)を保持するために、取り囲まれた分離空洞24を形成するように、一対のプレート20、22が配置されている。
【0032】
プレート20はまた、任意に、下部プレートとも呼ばれるが、陥凹領域26を規定し、これは、空洞24の6個の壁のうちの5個を規定する。図2を参照して分かるように、領域26は、さらに、この領域の側方次元に沿って電気泳動するための第一試料分離面(これは、面26aと命名されている)、および第一に述べられた次元と垂直な方向で電気泳動するための第二試料分離面26bを含む。
【0033】
本発明のIEF実施態様のためには、面26bは、さらに、複数の緩衝部分(すなわち、イモビライン(immobilines))の存在により特徴付けられ、これらは、領域26aから導かれるpKa勾配を規定している。領域26bの特性は、以下でさらに述べる。
【0034】
プレート22は、また、任意に、カバープレートとも呼ばれているが、内面22aを含み、これは、分離空洞24の第6の壁を設けるために、実質的に平坦である。図2を参照して特に分かるように、プレート22は、その上左角部にて、試料装填ポート30を規定しており、そこでまたはそこを通って、試料は、この分離空洞へと導入され、また、その部位での電圧電位を確立するために、第一電極30a(図示せず)に対して、この分離空洞へのアクセスを与える。電極は、いずれかの適切な導電性材料(例えば、白金、ニクロムまたは金など)から製造でき、白金が好ましい。プレート22の上右角部では、この分離空洞を第二電極32a(図示せず)と電気的に接触させるために、電極ポート32が規定されている。
【0035】
この装置は、任意の第三電極34a(図示せず)を含み得、これは、上記第一および第二電極とは電気的に分離しており、空洞24の上部を横切って、側方に伸長している。この第三電極は、ポート30または32を通って、この分離空洞へと収容でき、例えば、陥凹領域26の上縁部に沿って、この下部プレートに固着することにより、この空洞に固定化できる。
【0036】
プレート22はまた、細長スロット36を含み、これは、このプレートの下部に沿って、側方に伸長しており、(i)この分離空洞の下部に沿って伸長している電極36a(図示せず)、および(ii)電気泳動前または電気泳動後に、この分離空洞からまたはそこに分離媒体および洗浄液の入来および退出のための通路、を設けるためにある。
【0037】
好ましくは、陥凹領域26の面26aおよび26b、およびカバープレート22の内面22aは、歪みのない電場線の作成を容易にして電気泳動中の試料分離を高めるために、実質的に平坦である。
【0038】
このカバープレートの内面22aは、好ましくは、面領域40bを含み、その寸法は、その領域で位置している分離媒体にて、等電点電気泳動pH勾配を発生させるために、プレート20での面領域26bと一致して対向している。領域26bと同様に、等電点電気泳動するために、領域40bは、好ましくは、複数の緩衝部分(すなわち、イモビライン)で被覆されており、これらは、領域26aから導かれるpKa勾配を規定している。
【0039】
プレート20、22は、選択した試料の電気泳動に適切な任意の材料から形成できる。好ましくは、これらのプレートの少なくとも1枚は、この分離空洞中の試料成分を視覚化または場所を見つけるのに使用される信号のタイプに関して、透明な材料から形成される。典型的には、これらのプレートは、二酸化ケイ素系のガラス(例えば、ホウケイ酸塩)から形成されるが、他の材料(例えば、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)、または適切な被覆で非導電性にした金属)もまた、考慮される。例えば視覚的に不透明な材料(例えば、TEFLON(登録商標)およびMYLAR(登録商標))もまた、例えば、放射活性試料検出と共に、使用できる。
【0040】
好ましい実施態様では、両方のプレートは、ホウケイ酸ガラスから製造される。ガラスは、例えば、蛍光検出および視覚検査のために、広い波長範囲にわたって透明であり、容易に切断でき、また、標準的な写真平板エッチング(photolithographic etching)法により、ガラスにて、1〜100μm程度またはそれ以上の細かい特徴が形成できるので、有利である。例えば、100μmの深さの実質的に平坦な面を有する陥凹領域26は、従来のフッ化水素酸エッチングにより、容易に形成できる。同様に、カバープレート22にあるポート30、32は、例えば、機械的な穿孔により、形成できる。
【0041】
組み立てた装置(プレートアセンブリ)では、プレート20および22は、分離空洞24に対して液密シールを保証するのに充分である任意の適切な手段により、共に接合される。例えば、ガラスプレートは、当該技術分野で公知の方法を使用して(すなわち、これらのプレートの対向面を、プレートの軟化点より低い高温で、共に保持することにより)、共に融接され得、これらのプレートの内面20aおよび22aが共に結合される。あるいは、これらのプレートは、アノード結合(anodic bonding)により共に接合でき、または単に、プレートの縁部に沿って、1個またはそれ以上のクランプを使用することにより、共に接合できる。
【0042】
図3および4は、本発明の装置(100)の別の代表的な実施態様を図示しており、これは、さらに、液体装填領域160、複数の分離チャンネル170、および細長試料運搬チャンネル180を含む。
【0043】
この例では、下部プレート120(図4)は、陥凹領域126を含み、これは、分離空洞124の6個の壁のうちの5個を規定する。領域126は、第一試料分離面126a(これは、この領域の側方次元に沿って電気泳動するための第一電気泳動領域126aを規定する)、および第二試料分離面126b(これは、例えば、等電点電気泳動するために、第二方向で電気泳動するための第二電気泳動領域を規定する)を含む。縁部領域120aは、領域126を取り囲んでいる。
【0044】
領域126はまた、このプレートの上端にて、電気泳動前および電気泳動後にこの分離空洞へおよびそこから分離媒体を便利に導入および除去するための扇形(三角形)液体装填領域160を包含する。領域160はまた、以下で詳述するように、これらのプレートの内面にて、等電点電気泳動するためのpKa勾配被覆を形成するのに有用である。
【0045】
図3および4を引き続いて参照すると、面126bは、複数の平行な分離チャンネル170を含み、これらは、このプレートの底縁部と垂直な方向で、整列されている。本発明のIEF実施態様には、これらのチャンネルは、それぞれ、複数の緩衝部分で被覆されており、これらのプレートの頂縁部および底縁部に対して垂直方向で、pKa勾配を形成する。各チャンネル170は、プレート120の内面120aと同一平面上にある高さを有する隔壁172(図5)により、分離されている。これは、プレート120および122が共に組み立てられるとき、これらのチャンネル間で液密シールを形成するために、好ましい。これらのチャンネルの深さは、好ましくは、同じであるが、また、好ましくは、領域/面126aおよび160の深さと同じである。
【0046】
チャンネル170の数、およびそれらの寸法は、試料の複雑性および所望の分解能に依存して、変わる。一般に、試料分解能は、チャンネルの数が多くなるにつれて、高まるが、第一側方次元での電気泳動により達成される分解能の制限を受ける。好ましくは、これらのチャンネルは、そのチャンネルの分解能がこの分離媒体の側方次元での試料分解能の少なくとも2倍となるような寸法にされ、その結果、各試料のバンドは、1本〜3本のチャンネルへと分割される。
【0047】
プレート120はまた、細長試料運搬チャンネル180を含み、これは、分離空洞124への移行中にて試料をサイズ基準で電気泳動するために、このプレートの下左領域から表面126aの上左角部へと伸長している。チャンネル180は、好ましくは、陥凹部126の深さに等しいプレート120での深さを有する。チャンネル180の幅は、好ましくは、このチャンネルの深さの約10倍以下であり、好ましくは、このチャンネルの深さの約5倍以下である。
【0048】
プレート122はまた、任意に、カバープレートとも呼ばれているが、内面122aを含み、これは、分離空洞124の第6の壁を設けるために、実質的に平坦である。図3でそして特に図4を参照すると分かるように、プレート122は、その下左角部にて、試料装填ポート130を規定しており、そこでまたはそこを通って、試料は、この分離空洞へと導入され、また、その部位での電圧電位を確立するために、第一電極130a(図示せず)に対して、この分離空洞へのアクセスを与える。プレート122の上右角部では、この分離空洞を第二電極132a(図示せず)と電気的に接触させるために、電極ポート132が規定されている。第一および第二電極は、第一電気泳動工程が完了した後、126aの上縁部に沿って、一連の分離試料成分を発生させるために、ポート130からポート132へと延びている第一次元に沿って、この試料の電気泳動を実行するのに有用である。プレート122はまた、細長スロット140を含み、これは、上記スロット40と同様に、このプレートの下部に沿って、側方に伸長している。
【0049】
プレート122にあるポート135は、この分離空洞へとおよびそこから、分離媒体および洗浄液を運搬するために、また、IEF被覆勾配を形成するために、設けられている。
【0050】
試料の装填を容易にするために、ポート130は、プレート122で規定される廃棄物ポート131を伴い得、両方のポートは、細長試料運搬チャンネル180と流体連絡するようにされる。これにより、以下でさらに述べるように、正確な量の試料をチャンネル180に注入することが可能となる。
【0051】
図4に戻ると、プレート120および122は、さらに、チャンネル退出ポート136および138を規定しており、これらは、IEF工程が完了した後、分離した試料成分を1本またはそれ以上のチャンネルから個々に収集するために、スロット140の僅かに上に位置している。この図で図示した実施態様では、各プレートは、交互するチャンネルのための退出ポートを含み、その結果、ポート136および138は、互いにジグザグに設けられている。この退出ポートのジグザグは、必須ではないものの、各チャンネルから流体を収集するために、これらのポートに毛細管を接続するのを容易にする。
【0052】
図6〜9は、特に、第一次元での電気泳動中に比較的に均一な電場を維持するために、本発明の装置で使用され得る追加実施態様を図示している。図6は、図3の三角形液体装填領域160がポート135の下から面126aの上部へと伸長している垂直隔壁150を含みように改変できる改変を示している。隔壁150の利点は、第一次元の電気泳動中にて、その電場線が、面126aにより境界が定められた領域に束縛されて、その結果、バンドの歪みが少なくなり得ることである。
【0053】
図7は、プレート120および122の1枚が適切なプラグ(図示せず)で閉鎖可能な追加ポート152を含む改変を示す。領域126aおよび126bを所望の媒体で満たした後、低導電性媒体(これは、好ましくは、それを取り囲む媒体の5分の1まで、さらに好ましくは、10分の1までのイオン強度を有する)は、ポート152を通って三角形領域160へと導入され、ポート135を通って退出し、その結果、ポート152および135間の領域160にて、低導電性媒体の垂直の「壁」または領域が形成される。この低導電性緩衝液を装填した後、ポート135および152は閉じられ、本明細書中で記述したようにして、電気泳動が実行される。第一次元の電気泳動での電場線は、それゆえ、領域126aに束縛されている。
【0054】
図8では、第一電気泳動領域は、領域126の側方次元を横切って伸長しているトレンチ154を含み、これは、領域126bと比較して、この領域に対して、さらに深い断面(例えば、領域126bの深さの2倍)を与える。領域126aおよび126bを所望の媒体で満たした後、領域126a(トレンチ154)は、好ましくは、ポート130または131およびポート132を介して、(例えば、選択した重合体の存在のために)高導電性/高粘度媒体で満たされ、第一次元での電気泳動中にて、電場線を領域126aに束縛するのを助ける。隣接領域160および126bの断面よりも大きな断面を設けることにより、トレンチ154はまた、領域126aおよび126b間での混合を制限するのを助ける。
【0055】
図9は、プレート122がさらに領域126aの直上に位置している水平スロット156を含む改変を示す。最初には、スロット156は、プラグ(図示せず)で満たされるが、これは、このスロットを閉じ、そしてプレート122の内面と同一平面上にある内面を有する。領域126aおよび126bの内面を、本明細書中で記述しているようにして作成した後、また、このチャンバを所望の電気泳動媒体で満たした後、このプラグは、プラグの末端がプレート120の面126aとぴったりと接触するまで、このスロットを通ってさらに押し付けられ、それにより、第一次元の電気泳動中に電場線を束縛する領域126aの上部を横切って、水平障壁を形成する。
【0056】
図10〜12は、他のプレート構成を図示しており、ここで、図3の三角形領域は、第二電気泳動領域の縁部に隣接して、この装置の他端へと移動されている。装置200は、下部プレート220および頂部プレート222を含む。下部プレート220は、第一試料分離面226a(これは、この領域の側方次元に沿って電気泳動するための第一電気泳動領域226aを規定する)、および第二試料分離面226b(これは、第一次元と垂直な方向で電気泳動するためにある)を含む。プレート220は、さらに、プレート222中のポート232との流体連絡を与えるための側方チャンネル232aを規定する。
【0057】
プレート220はまた、領域226bの左縁部に沿って伸長している細長試料運搬チャンネル280を含む。チャンネル280は、末梢チャンネル231aで終わり、これは、ポート230aをチャンネル280に連結する。末梢チャンネル231b、231cおよび231dは、接合部231eで合流し、そしてチャンネル231fを経由して、チャンネル280と流体連絡して連結されている。チャンネル231b、231cおよび231dは、ポート230b、230cおよび230dをチャンネル280と流体連絡して配置する。これらのチャンネルの操作は、以下でさらに述べる。また、試料の装填を容易にするために、この装置では、任意の他の適切なチャンネル配置が使用できることが分かる。
【0058】
必要に応じて、面226bは、複数の平行分離チャンネル270を含み、これらは、このプレートの底縁部と垂直な方向で、整列されており、また、上で述べた装置100と同様に、隔壁272により、分離されている。これらのチャンネルの末端では、プレート220は、さらにこの分離空洞へおよびそこから液体を便利に導入および除去するための扇形(三角形)液体装填領域(これは、面260aで規定される)を包含する。三角形領域260aは、その側縁部にて、チャンネル233aおよび233bにより境界を定められ、これらは、それぞれ、プレート222中のポート234aおよび234bとの流体連絡を与える。プレート222中のポート235は、この分離空洞へおよびそこから分離媒体および洗浄液を運搬するため、また、領域226bでIEF被覆勾配を形成するため好都合な部位を提供する。
【0059】
プレート220および222は、さらに、上記装置100と同様に、1本またはそれ以上のチャンネル270から個々に分離試料成分を収集するために、複数の交互チャンネル退出ポート236および238を規定する。
【0060】
種々のポート(特に、ポート230a、230b、230c、230d、232、234aおよび234b)はまた、第一次元(ポート230aおよび232)での電気泳動および第二次元(ポート230a、232、234aおよび234b)での電気泳動のために、試料(ポート230a〜d)の運動を制御するために、電極を備え付け得る。
【0061】
この装置およびアセンブリの寸法は、設計選択上の問題であり、使用の利便性に合わせて選択される。例えば、この分離空洞は、好ましくは、約1〜20cm(例えば、12cm)の長さ寸法;約1〜50cm(例えば、10cm)の幅寸法;および約50〜200μm(例えば、100μm)の深さ寸法(プレートの主要対向面間の界面距離)を有する;第一電気泳動領域は、好ましくは、約0.1〜2cm(例えば、0.25cm)の経路幅を有する;チャンネル170は、好ましくは、約0.25〜1mm(例えば、0.67mm)の幅、好ましくは、上記界面距離と同じ深さを有し、そして約0.1〜0.5mm(例えば、0.33mm)の幅を有する隔壁により、間隔を置いて配置されている;細長チャンネル180は、好ましくは、約0.5〜15cm(例えば、12cm)の長さ、約0.2〜1mm(例えば、0.5mm)の幅、および好ましくは、上記界面距離と同じ深さを有する;スロット140は、好ましくは、全てのチャンネルに及ぶ長さ、および約0.5〜3mm(例えば、2cm)の幅を有する;ポート130、131、132、135および136、138は、好ましくは、0.5〜3m(例えば、1mm)の直径を有する;そしてポート130および131は、0.5〜2.5cm(例えば、1.2cm)の中心間距離により、間隔を置いて配置されている。もちろん、上記の好ましい寸法から外れた寸法もまた、使用できる。
【0062】
前述の図面で図示された実施態様を参照すると、この分離空洞の内面は、好ましくは、電気泳動中での内面への試料の吸着を最小にするために、この試料に対して不活性である。このような吸着は、特に、第一次元の電気泳動において、バンド分解能を乱し得るので、一般に望ましくない。さらに、ケイ酸塩ガラスのような材料は、その表面に荷電基を有する傾向にあり、これらは、電気泳動中にて、この分離媒体の電気浸透(EOF)を引き起こし得る。EOFとは、分離空洞の荷電表面に隣接した対イオンに対する電場の効果のために、電気泳動媒体のバルク流れが生じる現象である。負に荷電した表面(例えば、ケイ酸塩ガラス面)の場合には、この表面に隣接した溶液中にて、正の対イオン(カチオン)の蓄積が存在する。電場では、このカチオン殻により、この媒体は、このカチオン殻の厚さに依存したEOF速度で、このカソード電極の方へと移動し得る。
【0063】
EOFの速度は、2種またはそれ以上の接近して移動する種の分離を改良するために最適化できる重要な変数を提供し得る。特に、EOFおよび分離される種の移動が反対方向である条件下にて電気泳動を実行するとき、分離のための有効経路長は、EOFの速度を、その電場により反対方向で最も強く引きつけられる分析物の電気泳動移動速度とほぼ等しい1方向にすることにより、非常に長くすることができる。本発明では、EOFは、その試料の性質および所望の分離度に依存して、第一次元の電気泳動に望ましくてもよく、望ましくなくてもよい。しかしながら、第二(IEF)次元の電気泳動には、EOFは、好ましくは、IEFのpH勾配の均一性が乱されないようにして、回避される。
【0064】
これらのプレートが作製される材料が、本来、この試料に対して充分に不活性ではない場合、これらのプレートの内面およびこの分離空洞の他の全ての内面は、受容可能なレベルまでの試料の吸着を低くするために、任意の適切な被覆材料で被覆できる。電気泳動は、通常、水性分離媒体中で実行されるので、試料の吸着は、通常、この分離空洞の内面を、潜在的に吸着性の表面領域をマスクする親水性被覆で覆うことにより、少なくできる。
【0065】
吸着性表面を被覆するための代表的な試薬には、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、酢酸セルロース、ポリアルキレンオキシド、ポリ(ビニルピロリドン)、および当該技術分野で公知の他の材料が挙げられる。好ましくは、このような被覆は、内面に共有結合されるが、吸着による被覆もまた、適切であり得る。
【0066】
試料の吸着を少なくするための被覆試薬はまた、EOFの大きさを制御するのに使用できる。例えば、ケイ酸塩ガラス面に沿ったEOFは、それらの面を、表面シラノール基の相当割合をマスクする中性試薬で被覆することにより、実質的に少なくできる。EOFの大きさは、正または負に荷電した基を含む被覆試薬を使用することにより、さらに制御できる。正に荷電した被覆は、表面負電荷を無効にしてゼロの正味表面電荷(EOF=0)を与えるために、使用できる。さらに高い正電荷密度を有する被覆は、荷電した表面材料に対するEOFの方向を逆にするのに使用できる。これは、正に荷電した試料種の正味の移動速度を遅くするのに有用であり得る。逆に、負に荷電した被覆は、負に荷電した種の正味の移動速度を遅くするために、表面上に負電荷を与えるかまたはその大きさを増加させるのに使用できる。代表的な正荷電被覆には、例えば、ポリエチレンイミン、四級化ポリエチレンイミン、およびキトサンが挙げられる。代表的な負に荷電した被覆には、カルボキシレートおよびスルホネート含有材料(例えば、ポリ(メチルグルタメート)および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネート重合体)が挙げられる。荷電した被覆はまた、特に、この被覆と同じ電荷極性を有する試料について、試料吸着を効果的に少なくできると認識される。
【0067】
試料吸着およびEOFはまた、この分離媒体および操作緩衝液中に適切な試薬を含有させることにより、調整できる。例えば、負の表面電荷は、この媒体中にカチオン添加剤(例えば、金属アミン錯体、アミンおよびポリアミン(例えば、プロピルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリエタノールアミン、プトレシン、スペルミン、1,3−ジアミノプロパン、モルホリンなど))を含有させることにより、マスクできる。負に荷電した基および正に荷電した基(これらは、電気泳動のpHでは、等電位性である)の両方を含む双性イオン種もまた使用でき、これには、例えば、トリアルキルアンモニウムプロピルスルホネートがあり、この場合、アルキルは、メチル、エチル、プロピルなどである(Petersonら、1992、Zhuら、1990、Busheyら、1989、およびChenら、1992)。
【0068】
この分離媒体中の添加剤の選択は、試料および内面の性質ならびに他の多くの要因に依存している。一部の用途では、試料の吸着およびEOFを抑制するために、共有結合表面被覆および可溶性緩衝剤の両方を使用することが望まれ得る。
【0069】
好ましい実施態様によれば、第二電気泳動領域は、等電点集束領域を含み、これは、第一次元と実質的に垂直な方向で等電点電気泳動するために、主要対向面の少なくとも1面に固定化されたpKa勾配を含有する。このpKa勾配は、この装置を水性媒体で満たしたとき、この勾配中の位置(ここでは、局所pHは、各成分のpIと等しい)への試料成分の移動を促進するために、等電点電気泳動pH勾配を生じるのに効果的である。
【0070】
固定化したpKa勾配は、所望のpKa範囲、分解能および緩衝能を有する勾配を形成するのに適切な任意の方法により、主要内面の一方または両方で形成される。一般に、このpKa勾配を形成するには、溶液のpKaがこれらのプレートに移されるように、プレートへのイモビラインの共有結合を促進するのに有効な条件下にて、プレートをある勾配のイモビラインを含有する溶液に晒すことを必要とする。
【0071】
1方法では、この固定化pKa勾配は、ある勾配のイモビライン分子を含有する溶液を垂直配向した分離空洞の下部へとポンピングすることにより、形成される。この勾配は、簡単なバイナリー勾配形成アセンブリ(これは、ポンプに接続された第一レザバおよび第二レザバからなる)を使用して形成できる。第一レザバは、低pKaイモビラインを含有する第一溶液、および高pKaイモビラインを含有する第二溶液を含む。最初には、この勾配溶液は、レザバAからだけ引き出される。充填が進行するにつれて、このポンプは、レザバAの代わりにレザバBから、増加する量の溶液を引き出す。殆どの場合には、線形勾配が好ましいものの、使用者が選択した設計に依存して、曲線勾配もまた形成できることが分かる。また、この勾配を装填するには、機械的なポンプが最も便利であり得るものの、他の方法(例えば、重力ベースの装填)もまた、使用できる。
【0072】
第二レザバ中の溶液は、好ましくは、この装填中の勾配の分解能および連続性およびこのイモビラインのIEF領域への結合を維持するのを助けるために、第一レザバ中の溶液よりも大きな質量密度を有する。これは、例えば、第二溶液にグリセロールまたは単糖類または二糖類(例えば、グルコース)を含有させることにより、達成される。
【0073】
この等電点電気泳動領域の試料容量は、一部には、これらのプレートの主要内面上で固定化した緩衝基の緩衝能に依存している。緩衝能は、一般に、この表面上の緩衝基の密度が高くなると、高まる。それゆえ、これらのプレートがpI基準で分離する高濃度の試料成分に適合できるように、この表面には、できるだけ高い密度の緩衝基を結合するのが好ましい。
【0074】
IEF勾配を作り出すための緩衝基は、当該技術分野で公知の任意の適切な方法により、これらのプレートに結合される。特に、適切な化合物は、(i)所望のpKa値を有する緩衝基および(ii)この等電点電気泳動領域の内面にある化学的に相補的な反応基に共有結合するための反応基を含有する。
【0075】
IEF勾配を作り出すために、過去数十年間にわたって、多数の緩衝化合物が開発されている。このような緩衝化合物の代表的な記述は、Righetti(1990)、Bjellqvist(1982)、Andrews(1986)およびRighettiら(1996)で見られる。これらの緩衝化合物は、活性化プレートまたは緩衝化合物を適切に使用して、これらのプレートのIEF領域に直接的に連結され得るか、または架橋試薬(例えば、Wong、1991により概説された架橋基を参照)を介して、結合され得る。また。固相表面に共有結合するのに適切な種々の緩衝化合物が市販されている(例えば、Amersham−Pharmacia Biotech,Uppsala,Swedenにより販売されている「IMMOBILINE」化合物)。
【0076】
ケイ酸塩ガラスプレートについては、緩衝化合物は、Li(1992)で概説されているように、表面シラノール基に直接的に結合できるか、または他の反応性基を与える中間被覆を介して、結合できる。この文献には、種々の中間被覆化合物が記述されており、例えば、「結合シラン(bind silane)」(メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO;Capelliら、1996)、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(Liaoら、1995)、塩素化に続いたグリニヤールまたは有機リチウム反応(SandovalおよびPesek、1994)、およびシラン−水素化物化学反応を介したアリル結合(SandovalおよびPesek、1991、1994)がある。この表面への緩衝基の共有結合の有効寿命を高めるために、結合のSi−C結合を生じる固定化方法が、一般に、好ましい。
【0077】
好都合には、IEF緩衝基は、SandovalおよびPesek(1991、1994)が教示した二段階のシラン−水素化物化学反応を使用して、IEF表面領域に結合される。第一段階では、既存のシラノール基の上にSi−H基(シリル水素化物)を堆積するために、このプレート表面は、(EtO)3SiHの溶液でゆっくりと洗浄される。通常、この分離空洞の内側で固体堆積物が形成するのを防止するために、これらのプレートの上では、この水素化物試薬の一定の流速を維持する必要がある。次に、これらのヒドリド基は、ヘキサクロロ白金酸触媒の存在下で、メタクリル酸アリルのようなジアルケンと反応されて、安定なSi−C結合を介して、この表面にアリル基を結合する。好ましくは、この二段階被覆手順は、全ての遊離シラノール基を被覆するために、全分離空洞で実行される。また、このメタクリル酸アリル反応は、全体的な収率を高めるために、繰り返すことができる。代表的な反応条件は、実施例1で提供されている。
【0078】
この表面シラノール基を表面アリル基に転化した後、IEF領域は、選択したpKa勾配溶液と接触される。IEF勾配の配向は、(i)分離される分析物の性質、および(ii)第一次元での電気泳動のために予想されるpH、に従って選択される。第一次元での電気泳動媒体のpHが酸性(例えば、pH2)である場合、IEF勾配は、通常、さらに酸性のpKa緩衝基が第一分離領域から近位にあるように、また、さらに塩基性のpKa緩衝基が第一分離領域から遠位にあるように、配向される。逆に、第一次元のpHが比較的に塩基性(例えば、pH10)である場合、IEF勾配の配向は、さらに塩基性のpKa緩衝基が第一分離領域から近位にあるように、逆にされる。
【0079】
このpKa緩衝基をIEF領域に結合するために、このプレートアセンブリは、この分離空洞のIEF領域が、図1および2で示すように、アセンブリに対して下部にあるように、垂直(直立)に配置できる。例えば、図3および4で示すように、上方扇形装填領域160を有するアセンブリを使用する場合、このアセンブリは、領域160が下部にくるように、逆にされる。このpKa緩衝化合物を、例えば、ラジカル開始試薬(例えば、TEMED+過硫酸アンモニウム(APS))で活性化した(もし、必要なら)後、この勾配は、IEF領域が満たされるまで、下からIEF領域へと装填される。好ましくは、装填および固定化中でのこの緩衝化合物の混合を最低にするために、第二緩衝レザバにて、グリセロールが含有される。また、この勾配溶液を装填した後、勾配溶液は、勾配溶液の末端がIEF領域に到達したことを確認するために、可視染料(例えば、ブロモフェノールブルー)を含有する高密度液体で「追跡」できる。このアセンブリは、次いで、このpKa緩衝化合物がこの表面結合アリル基に結合されるまで、適切な温度でインキュベートされる。この緩衝化合物の結合が完了した後、その反応混合物は、水で置き換えることができる。
【0080】
別の工程(これは、pKa緩衝化合物がIEF領域に結合する前または後で、実行できる)では、第一分離領域での表面結合アリル基は、この領域での試料吸着を少なくするために、不活性被覆材料と反応できる。好ましくは、これらのアリル基は、親水性材料(例えば、直線状ポリアクリルアミド)と反応されて、この領域での内面に親水性を与える(実施例2)。IEF勾配領域を必要としない実施態様については、この空洞の内面は、EOFを制御して試料吸着を少なくするために、上で述べたように適切な被覆で被覆できる。この分離空洞は、次いで、使用まで、好ましくは、水または他の適切な流体中で保存できる。
【0081】
同様に、IEF領域126bの上および/または下のプレート表面は、IEF領域でのpKa勾配を安定化するために、選択したpKaを規定する緩衝分子で被覆できる。好ましくは、この被覆に対するpKaは、IEF勾配で規定されたpKa範囲の外側になるように、選択される。実施例2は、約3.5の平均pKaを有するイモビラインを用いる、装置100(図3)の三角形領域および試料運搬チャンネルを被覆するためのプロトコルを提供する。この被覆の存在は、IEF勾配のアノード末端を安定化するのを助けることができる。もし、望ましいなら、適切に塩基性のイモビラインを使用して、IEF勾配のカソード末端でこれらのプレート表面を被覆するために、類似の手順が使用できる。
II.方法およびシステム
他の局面では、本発明は、上記のような電気泳動プレートアセンブリまたは装置を使用して、試料混合物の1種またはそれ以上の成分を分離する方法を包含する。この方法は、種々の試料を同定し特徴付けるために、また、時間の経過に伴う試料組成の変化をモニターするために、有用である。
【0082】
この試料は、本発明による電気泳動分離が有用であり得る任意の物質であり得る。好ましい試料型には、例えば、ポリペプチド、グリコポリペプチド、プロテオグリカン、荷電した多糖類、および合成高分子が挙げられるが、他の物質(特に、生体源に由来のもの)もまた、考慮される。また、これらの試料は、細胞または組織抽出物(例えば、Andersonら、1991)、または生体液(例えば、血液、尿、精液、滑液、唾液、または公知方法で調製されたそれらの一部分)から誘導され得る。
【0083】
もし、必要なら、これらの試料成分は、この分離媒体での検出および定量を容易にするために、1種またはそれ以上の検出可能ラベルを含有するように改変できる。1方法では、この試料は、当該技術分野において周知の方法に従って、蛍光標識(例えば、フルオレセイン、ローダミン、エオシン、または「BODIPY(登録商標)」基)で標識される。この標識上の反応性官能基は、この試料で重要な成分の殆どまたは全部を確実に標識するように、選択される。好ましくは、この標識は、限られたセットの相補的反応性基と反応する反応性官能基を含有する。タンパク質については、例えば、殆どのタンパク質(約90〜95%)が少なくとも1つのシステインを含有するので、システイン選択性試薬(例えば、ヨードアセトアミドおよびマレイミド官能基)が好ましい。チロシンおよびアミン反応性標識もまた、使用できる。一般に、試料の沈殿の回避を補助するためには、親水性標識が好ましい。タンパク質などの標識のために適切な蛍光化合物は周知であり、Sigma Chemical Co.(St.Louis,MO)およびMolecular Probes,Inc.(Eugene,OR)から市販されている。好ましい誘導体化標識には、官能化エオシンまたは「BODIPY」、およびモノブロモバイマン(monobromobimane)が挙げられる。
【0084】
試料成分の蛍光誘導体化は、一部の成分のpI値を変え得るものの、このような変更は、これらの成分を検出しモニターすることを妨害しないので、受容できることが分かる。
【0085】
この試料中の殆どまたは全部の標識可能成分を均一に標識するのに充分な時間にわたって、化学標識化反応が行われる。未結合標識は、過剰な量の捕捉剤物質(例えば、遊離システイン)でクエンチすることに続いて、この反応混合物をサイズ排除ゲル(例えば、Sephadex(登録商標)G−25またはG−50(Amersham−PharmaciaBiotech))に通すことにより、除去できる。
【0086】
あるいは、この試料は、検出可能な放射性同位元素(例えば、125I、32P、35S、14Cまたは3H)を含有し得る。このような同位元素を試料に導入する化学方法および生化学方法は、当該技術分野で周知である。
【0087】
操作中にて、所望の寸法を有するプレートアセンブリが選択され、これは、所望のpI範囲に及ぶ等電点電気泳動領域で、pKa勾配を含有する。例えば、4〜9のpI範囲でのタンパク質の分析には、この等電点電気泳動領域は、4以下から9以上までのpKa範囲に及ぶ連続的な緩衝勾配を含む。このアセンブリは、バルブ付き入口/出口ポートおよび電極(これらは、このカバープレートにて、対応するポートおよびスロットと液密接続を形成する)を含む装置に入れられている。
【0088】
試料の装填および分離前に、このシステムの分離空洞は、1種またはそれ以上の流動可能な分離媒体で満たされる。好ましい実施態様では、この分離媒体は、2種の溶液(各分離領域に対して、1種)からなる。
【0089】
第二次元でIEFを使用する実施態様については、第二電気泳動領域にある媒体は、好ましくは、IEF工程を妨害しないように、低いイオン強度を有するが、もし、望ましいなら、pI勾配の緩衝容量を強化するために、溶解性アンホリン(ampholines)もまた、含まれ得る。また、電気泳動の第一次元が酸性pHで実行される実施態様については、この媒体のpHは、典型的には、IEF領域の最低pKaよりも酸性である。これは、IEF勾配内のpH範囲内にあるpI値を有する試料成分が、IEF工程中にて、その領域へと移動することを保証する。電気泳動の第一次元に対して代表的な酸性緩衝液には、典型的には、約1〜50mMの濃度、好ましくは、約5〜20mMの濃度で、クエン酸塩、ギ酸塩および酢酸塩が挙げられる。
【0090】
電気泳動中(特に、等電点電気泳動中)での試料成分の沈殿を少なくするために、この分離媒体は、さらに、試料分子間の非共有結合的な相互作用および壁の相互作用を低下させる1種またはそれ以上の中性的に荷電した変性剤または洗浄剤を含有し得る。代表的な変性剤には、尿素、チオ尿素、およびジメチルホルムアミド(DMF)が挙げられる。代表的な中性洗浄剤には、ポリオキシエチレンエーテル(「トリオン」)(例えば、ノナエチレングリコールオクチルシクロヘキシルエーテル(「TRITON」X−100))、ポリグリコールエーテル(特に、ポリアルキレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ノナエチレングリコールオクチルフェニルエーテル(「NONIDET」P−40またはNP−40)))、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(「TWEEN」−20))、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(C12E23)(「BRIJ」−35))、ポリオキシエチレンエステル(例えば、21ステアリルエーテル(C18E23)(「BRIJ」721))、N,N−ビス[3−グルコンアミドプロピル]コラミド(cholamide)(「BIG−CHAP」)、デカノイル−N−メチルグルカミド、グルコシド(例えば、オクチルグルコシド)などが挙げられる。中性の双性イオン洗浄剤もまた、使用できる。変性剤または洗浄剤の最適濃度は、使用する特定の洗浄剤に依存している。尿素は、典型的には、約10Mまでの濃度で使用され、例えば、4M〜8Mの濃度が好ましい。一般に、この洗浄剤の濃度は、0.01%〜5%(v:v)の範囲であり、より典型的には、0.025%と2%の間であるが、これらの範囲に限定されない。
【0091】
この分離媒体はまた、電気泳動中のエンドスモティック(endosmotic)流れを少なくするのを助けるために、この分離空洞の壁を被覆するための溶解性試薬を含有し得る。このような溶解性被覆試薬には、例えば、4級アンモニウム含有重合体(Wiktorowicz(1990、1991))、メチルセルロース誘導体(Molteniら、1994)、酢酸セルコース(Buschら、1995)、ポリエチレンオキシド(Fungら、1995)、キトサン(Sunら、1994)、ポリビニルアルコール(Gilgesら、1994)、ポリエチレングリコール(Wangら、1992)、ポリエチレンイミン(同書)、およびポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドトリブロック共重合体(Ngら、1994)が挙げられる。典型的には、溶解性被覆試薬は、約0.05%〜約4%の濃度、さらに好ましくは、約1%〜約2%の濃度で、含有できる。
【0092】
特に好ましい実施態様では、この分離媒体は、それらのサイズに基づいて試料成分を区別をつけて妨害する高分子材料(これはまた、「巻き込まれた高分子」とも呼ばれる)を含有する。分析物のサイズ基準分離を促進する種々の高分子材料は、当該技術分野で公知であり、例えば、直鎖状ポリアクリルアミド(Wernerら、1993)、ポリエチレンオキシド(Schansら、1994)、デキストラン(Lauchら、1993)、ポリエチレングリコール(Ganzlerら、1992)、およびポリビニルアルコール(Alfonsoら、1995)がある。この媒体に含有される高分子材料の適切な濃度およびサイズは、一般に、少なくとも一部は、分析する試料の物理的特性および複雑性、選択した高分子の特性、および分離する成分分子量の所望範囲に依存している。例えば、もし、高分子量の成分だけが重要であるなら、高濃度の高分子が使用され、これにより、低分子量成分は、それより大きな成分がゆっくりと移動している間、迅速に通過できるようになる。好ましくは、この分離媒体は、流動可能な状態でとどまり、すなわち、実質的に液状であり、その結果、この媒体は、この装置において、中程度の圧力差(例えば、50psi未満)で、容易に除去できるか、または交換できる。高分子材料、サイズおよび濃度の選択に関するそれ以上の指針は、上で引用した参考文献で見出される。好ましい実施態様では、この高分子材料は、直線状ポリアクリルアミドであり、例えば、3%(w/v)で、100〜300kDaの平均分子量(MW)を有する。
【0093】
このような高分子材料を含有させることは、電気泳動の第一次元での試料分離レベルを高めるのに有用であり、ここで、試料成分は、それらのサイズと正味電荷との組合せに基づいて、分離できる。このような高分子材料はまた、電気泳動中および電気泳動後での分離媒体中の対流およびEOFを少なくするのに有用であり得る。それ以上の利点には、これらの重合体がこの等電点電気泳動工程を妨害しないことがある。
【0094】
本発明を、今ここで、実施態様に関連してさらに例示するが、ここで、第一次元での電気泳動は、これらの試料成分の電荷およびサイズに基づいており、また、第二次元での電気泳動は、(IEFによる)pIに基づいている。図3および4で図示した装置を参照すると、低イオン強度溶液(これは、好ましくは、1種またはそれ以上の変性剤(例えば、尿素およびチオ尿素)を含有する)は、ポート130および135を経由して、この分離空洞へと装填されるが、この空洞から残留空気バブルが除去されるまで、細長スロット138を通って退出する。次いで、スロット138が閉じられ、ポート135、130および132にあるバルブが開かれて、ポート135を介して、領域160および126aおよび細長チャンネル180へと第二電気泳動溶液を入れる。この第二溶液は、好ましくは、上記のような低いpHの流動可能で巻き込まれた高分子溶液であり、これは、好ましくは、第一次元でサイズ基準分離を行うために、変性剤を含有する。この空洞では、これらの2種の溶液間にて、一定の拡散が起こり得るが、これは、性能に著しい影響を与えるはずはない。
【0095】
電気泳動するために、このプレートアセンブリは、好ましくは、分離媒体での対流を最小にするために、水平に配向される。温度を制御するために、これらのプレートは、一定温度加熱/冷却装置(例えば、Peltier装置)で配置され得、この分離媒体を選択温度(例えば、0℃〜40℃)で維持し過熱を防止する。この装置は、好ましくは、第一次元での移動距離を長くしてバンド間の間隔を大きくするために、細長試料運搬チャンネル(例えば、図3および4でのチャンネル180または図10〜12でのチャンネル280)を含有する。
【0096】
このプレートを適切な溶液で平衡化して、流体力学的手段または電気泳動手段により、試料の注入が達成できる。例示の目的のために、図3および4の実施態様を参照すると、流体力学的な注入は、ポート130および131以外の全てのポートおよびスロットを閉じることにより、そして注入チャンバ(すなわち、ポート130および131間で位置しているチャンネル180の一部)を通って選択容量の試料をポンピングすることにより、実行される。この試料は、ポート131を閉じることにより、ポート132を開くことにより、そしてポート130を通って適切な容量の緩衝溶液をポンピングすることにより、ポート131を越えて、チャンネル180の一部へと移動できる。この注入チャンバは、次いで、再びポート132を閉じポート131を開くことにより、残留試料がパージされて、注入チャンバを通って、選択量の溶液を洗浄する。電気泳動試料の注入は、この注入チャンバを、上記のようなポート130および131を経由して、選択量の試料で満たすことにより、これらのポートを閉じることにより、次いで、正に荷電した試料の小アリコート(この媒体のpHよりも大きなpI値を有する成分)がポート131の上流にある分離チャンネルへと移動するように、選択した時間にわたってポート130および132間で電場を印加することにより(例えば、1〜5秒間で5kV)、次いで、必要に応じてポート130および131を介して任意の残留試料を除去することによって達成できる。もし、望ましいなら、試料の移動は、例えば、蛍光検出によりモニターできることに注目のこと。
【0097】
電気泳動的な注入スキームよりも流体力学的なスキームの方が有利なことは周知であり、これは、主として、電気泳動注入で速く移動している成分の過剰な試料抽出(oversampling)に関係している。流体力学的な注入は、この溶液内に全成分が注入されるので、この欠点がない。しかしながら、この分離経路には、試料分子だけ(緩衝液または水ではなく)が入るので、また、その開始時にて、試料成分は、非常に高く濃縮されているので、電気泳動注入を用いると、さらに感度が高くなり得る。しかしながら、流体力学的な注入について、チャンネル180にある緩衝溶液よりも低いイオン強度を有する試料緩衝液を使用することにより、または試料スタッキングを促進するために、この試料と分離緩衝液との間に、一定容量の低イオン強度緩衝液(これは、好ましくは、それを取り囲む媒体のイオン強度の5分の1まで、さらに好ましくは、10分の1までのイオン強度を有する)を介在させることにより、感度は改善できる。分析用に注入される試料の量は、この試料の複雑性、検出型などに従って、変わる。例として、試料容量は、1,000〜10,000個の蛍光標識したポリペプチドの100μg/mL試料混合物40nLからなり得る。
【0098】
図10〜12の実施態様を参照すると、ポート230a〜230dおよびチャンネル231a〜231dおよび231fの構成は、異なる方法で試料を装填するのに有用である。1方法(T注入器モード)では、試料溶液は、ポート230bへとポンピングされ、ポート230dから退出するが、その結果、この試料は、接合部231eに配置される。接合部231eにある試料は、次いで、ポート230cおよび232間で電場を課すことにより、チャンネル180へと移動できる。この試料がチャンネル180に達した後、ポート230cおよび232間の電場は、ポート230aおよび232間の電場と置き換えられて、チャンネル180へのチャンネル231b〜231dからの漏れを少なくできる。好ましくは、チャンネル231fは、低導電性(それを取り囲む緩衝液よりも低い導電性)緩衝液で予め装填されて、この試料がチャンネル180に達したとき、この低導電性緩衝液のすぐ下方(downfield)での試料スタッキングを促進する。第二方法では、試料は、チャンネル231cを選択量の試料で満たすために、ポート230bへとポンピングされ、ポート230cから退出する。チャンネル231bは、必要に応じて、緩衝液をポート230dへとポンピングしてポート230bから退出させることにより、残留試料がパージされる。次いで、ポート230cとポート232との間で、電場が加えられて、この試料をチャンネル180へと運搬する。再度、チャンネル231fは、好ましくは、低導電性緩衝液で予め装填されて、この試料がチャンネル180に達したとき、この低導電性緩衝液のすぐ下方での試料スタッキングを促進する。
【0099】
試料装填が完了した後、ポート130および132間で電場を加えることにより(例えば、5〜30kV)、領域126a(第一次元)を横切って、電気泳動が実行され、その結果、注入した試料成分は、チャンネル180を通って、ポート132にあるカソード電極の方へと、領域126aに移動する。この過程は、例えば、蛍光検出または化学発光検出により、リアルタイムでモニターし得る。この試料および所望の分解能に依存して、一定の電場またはパルス場が使用できる。
【0100】
最も速く移動する成分がポート132に達するときかまたは所望量の分離が起こったとき、この電場は切られ、第一次元と実質的に垂直な方向で、領域126を横切って、新たな電場が加えられる。この電場は、ポート130および132での電位を平衡させ、スロット140の方へと、領域126aおよび126bを横切って垂直に実質的に均一な電場を確立することにより、発生できる。他の方法では、この電場は、細長ワイヤ電極(これは、(i)ポート130および132に位置している点電極から電気的に隔離されており、(ii)ポート132を経由して領域126aに入り、そして(iii)領域126aの上縁部に及んでいる)を使用して、発生される。第三の方法では、この電場は、ポート135およびスロット140に位置している電極を使用して、発生される。
【0101】
第一次元の電気泳動は、通常、その電場の規模に依存して、数分以内に完了する。例えば、カチオン性ポリペプチドは、250V/cmの電場では、10分間以内に、およそ20cm移動できる。第一次元でのより長い電気泳動時間、または、低濃度の巻き込まれたポリマーが、より遅く移動する成分に対して選択するために使用され得る。第二次元での集束は、典型的には、500V/cm(10cmにわたって5kV)の電場で、10分未満で完了する。二次元分離は、それゆえ、1時間以内に、うまく実行できる。
【0102】
許容できる最大電場は、この装置がジュール熱を消散する性能(これは、典型的には、接触冷却(例えば、Peltier装置を使用する)または対流冷却(例えば、高レイノルズ数の空気流)により、促進される)に依存している。
【0103】
図13および14は、他の実施態様を図示しており、ここで、第一電気泳動領域は、第二電気泳動工程で使用するための外部電極から第一電気泳動領域を隔離する膜により、境界を定められている。例えば、図10〜12の装置200は、領域226aの上縁部が領域226aの上面を規定する膜290で境界を定められているように、改良できる。膜290は、電圧源296に連結された電極294を含む電極レザバ292から、領域226aを分離する。この膜は、好ましくは、小イオンを透過できるが、対象となる試料成分を透過できない。それゆえ、この膜は、好ましくは、対象となる最小試料成分よりも小さい分子量のカットオフ(細孔サイズ)を有する。好ましくは、この分子量カットオフは、3000MW以下であり、さらに好ましくは、1000MW以下である。任意の適切な膜材料(例えば、セルロースまたは酢酸セルロース)が使用でき、このような膜の多くは、市販されている。
【0104】
第一次元で電気泳動するために、領域226aおよび226bは、適切な分離媒体で満たされ、また、電極レザバ292は、電極294を乾燥状態で保つか、そうでなければ、この分離チャンバから電気的に絶縁した状態で保ちつつ、膜290を湿潤状態で保つのに充分な量の緩衝液で満たされる。(例えば、ポート230aと232の間で電場を課すことにより)第一次元での電気泳動が完了した後、電極294がこの緩衝液で浸されるように、レザバ292には、さらに多くの緩衝液が添加される。次いで、電極294と、ポート235で位置している電極との間、またはポート234aおよび234b間に、電場を印加することにより、第二次元での電気泳動が実行できる。結果的に、膜290と接触するための比較的に滑らかで同一平面上の末端を生じるために、回転ノコギリを用いてプレート220および222の上端を切り取ることにより、この実施態様のためのプレートが製造できる。もし、望ましいなら、これらの膜の表面と、これらのプレート末端と、レザバ292との間には、それらの間での液密シールを保証するのを助けるために、ガスケット(例えば、図14のガスケット291)を含めることができる。第二電気泳動分離領域の下端では、その末端で外部電極を設けるために、類似の膜/電極/レザバ構造を含めることができる。
【0105】
本発明で包含される他の二次元実施態様は、以下の第一次元/第二次元の組合せを含む:
(1)非SDS変性/非SDS変性。この実施態様では、この分離空洞は、第二次元での試料移動の基準が第一次元のものとは異なるように(すなわち、第二次元での試料移動は、第一次元でのものとは異なる試料特徴に依存している)、第一および第二電気泳動領域にて、異なる媒体を含有する。例えば、第一分離領域は、酸性pH(例えば、2.5)を有する媒体および低濃度のふるい分け成分(例えば、2%の直鎖状のアクリルアミド)を含有でき、また、第二領域は、塩基性が高いpH(例えば、8)を有する媒体および高濃度のふるい分け成分(例えば、4%の直線状アクリルアミド)を含有できる。
【0106】
(2)IEF/SDS電気泳動。この実施態様では、第一電気泳動領域は、適切な低イオン強度の緩衝液と共に、領域26a内で、固定化pKa勾配を含有し、第二電気泳動領域は、SDS含有緩衝液(pKa勾配ではなく)を含有し、また、プレート122は、さらに、領域26aの直上で、装填領域160にて、側方スロット190(図示せず)(これは、側方スロット140と寸法が類似している)を含む。第一次元での電気泳動後、SDS含有緩衝液は、ポート135を経由して、領域160へと装填され、スロット190を通って退出する。次いで、SDS分子が領域26aへと拡散するように、スロット190とスロット140の間で、電場が印加される。これらのSDS分子は、領域26aにある中性的に荷電した試料成分と会合して、それに負電荷を与え、その結果、これらの成分は、サイズ基準で分離するために、領域26bへと引き出される。
【0107】
本発明は、使用者の要求に従って、分離様式の他の組合せに適合できる。
【0108】
選択した時間にわたって電気泳動を実行した後、分離したバンドは、検出する信号の性質に依存して、種々の様式(写真、共焦点蛍光走査、リン光画像化プレート(放射活性検出のために)、およびCCD(電荷結合検出)を含めて)検出でき、局在化でき、および/または定量できる。本発明の1つの利点によれば、信号獲得は、この電場によりバンドが適切な位置で維持されている間、時間の経過と共に信号の統合を可能にするために、この電場をIEF領域にわたって維持しつつ、実行できる。これらの成分は、好ましくは、自動化記録装置(例えば、低出力の顕微鏡に連結されたコンピューター制御デジタル画像化装置(例えば、CCD))を使用して、指示され記録される。光吸収濃度測定法もまた、使用できる。
【0109】
もし、両方のプレートが光学的に透明であるなら、これらのプレートの下からおよび上からの励起および照射が関与する蛍光検出の場合と同様に、透過型信号検出が使用できる。あるいは、信号発生および検出(もし、必要なら)は、例えば、共焦点蛍光検出または放射標識検出のために、単一プレート面の上で行うことができる。
【0110】
第二電気泳動領域で分離チャンネルが関与している実施態様については、選択した試料レーンは、1個またはそれ以上の退出ポートを通って、収集できる。各選択チャンネルに対して、この退出ポートには、小直径の毛細管が挿入され、正圧、真空、圧電ポンピングまたは電気浸透ポンピングにより、この毛細管を通って、流体が引き出される。この毛細管の末端では、毛細管に入る試料のバンドをモニターするために、ダイオード検出器が使用できる。引き出された試料は、もし、望ましいなら、収集バイアルまたは膜へと移動できる。これらのプレートの下端で開放末端と共に終わるチャンネルを有する構成に対して、試料は、このプレートアセンブリの末端を横切って膜を引きずることにより、またはこのチャンネル末端にチューブを装着して試料を引き出すことにより、この膜で収集され得る。
III.用途
本発明は、異なる電荷および質量特性に基づいて、試料中の何百または何千という成分を特徴付け、検出し、および/または同定する方法および装置を提供する。本発明は、従って、多数の用途で有用性を有し、これらには、例えば、以下が挙げられる:同定を容易にする差別表示および試料の区別のために、試料を「フィンガープリントすること」;正常なおよび病気に罹った細胞および組織の組成を検出および/またはモニターすること;病気を診断またはモニターすること;遺伝子産物の分子発現レベルを特徴付けまたはモニターすること;遺伝子の付加、突然変異、欠損または省略(truncation)の効果を特徴付けること;ウイルス、細菌、真菌および他の微生物、またはそれらの成分または産物を検出し、同定し、識別し、そうでなければ、特徴付けること;時間の経過に伴う分析物のレベルを、環境変動、生活環、または外生化学物質または刺激への暴露の関数としてモニターすること;毒性試験;および薬剤候補を治療効能について試験すること。この方法は、生体試料のタンパク質成分を研究し特徴付ける際に、特に重要であり、従って、プロテオム(proteome)研究で有用である(Wilkensら、1997)。
【0111】
前述のことから、いかにして、本発明の目的および特徴が満たされるかが分かる。本発明は、単一装置で二次元電気泳動を可能にする方法を提供する。この装置は、使用が簡単であり、従来の二次元方法よりも迅速に、分析結果を作成できる。この方法により、種々の異なる分離条件下にて、何百または何千という成分を含有する試料の特徴付けが可能となる。この方法は、架橋マトリックスを必要とせず、従って、追加試料を分離するために、同じ媒体または異なる媒体で容易に再充填される。その分離空洞の1面またはそれ以上の内面で固定化された化学的に安定なpKa勾配を使用することにより、この装置は、特に、IEF寸法に関して、高い再現性で、再使用できる。それゆえ、各試料に対して新たなpKa勾配を形成する必要はない。さらに、第二次元で分離チャンネルを使用することにより、分析物のパターンを画像化し表示した後、それ以上の特徴付けのために選択したレーンまたは個々の分析物を収集することが容易となる。
【0112】
本発明は、以下の実施例に照らして、さらに理解できるが、これらは、本発明の範囲を限定するとは解釈されない。
【0113】
(材料および方法)
全ての溶媒は、入手できる最高純度で得、次いで、0.22μmフィルターに通した。トリエトキシシラン(TES,Huls America,Bristol,PA)、ヘキサクロロ白金酸水素IV(Aldrich Chemical)、およびメタクリル酸アリル(Aldrich Chemical)は、製造業者から受領した状態で、使用した。イモビライン(pKa=3.6、4.6、6.2、7.0、8.5および9.3)およびTEMEDは、製造業者(Amersham−Pharmacia Biotech)から受領した状態で、使用した。水は、Milli−Q Systemで精製し、そして0.45μmフィルターで濾過した。
【0114】
(実施例1)
(等電点電気泳動領域)
エッチングしたホウケイ酸塩ガラスから製造したプレートアセンブリ(これは、図1および2に実質的に従った構成を有する)を、10cm×10cm×100μmの寸法を有する分離空洞と共に、使用した。イモビラインで誘導体化する前に、このチャンネル領域を、およそ6mMのアンモニア溶液(pH10)で処理することにより、室温で予め調整した。脱イオン水でリンスし0.1M HClでフラッシュして吸着アンモニアを除去した後、これらのチャンネルを脱イオン水でリンスし、この分離空洞を、100℃で、20時間以上にわたって、窒素で乾燥した。
【0115】
イモビラインの結合は、以下のようにして、達成した。まず、以下で記述する二段階工程で、この分離空洞全体に、メタクリル酸アリル部分を結合した。両方の段階は、窒素雰囲気下でのガスクロマトグラフィー加熱オーブン(Hewlett Packard)で行った。窒素圧力(50psi)を使用して、これらのチャンネルの下端に、溶媒および化学試薬を送達した。真空により、溶媒および化学試薬を除去した。
【0116】
この2つの誘導体化段階での反応は、以下の反応図式で記述される:
【0117】
【化1】
【0118】
第一誘導体化段階では、これらのチャンネルをジオキサンで洗浄することにより、次いで、それらを、90℃で、60分間にわたって、トリエトキシシラン(TES)の1.0Mジオキサン溶液の定常流れで処理することにより、ケイ素−水素化物の単層を形成した。試薬の堆積およびこれらのチャンネルの詰まりを防止するために、絶え間のない流れが必要であった。この水素化物で修飾した表面を、次いで、室温で、数容量のジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、次いで、トルエンで連続的に洗浄した。トルエンは、次の段階のために、これらのチャンネルの上で維持した。
【0119】
この水素化物で修飾した表面を無水トルエンで洗浄した。25mLの純粋なメタクリル酸アリル+25mLのトルエンの混合物を、70μLの10mM Spiers触媒(2−プロパノール中のヘキサクロロ白金酸)と混合し、そして1時間にわたって、60〜70℃まで加熱し、その後、5〜24時間にわたって、100℃で、これらのチャンネルに通してフラッシュした。このメタクリル酸アリル処理手順は、もう1回繰り返し、その後、この表面を、トルエンおよびTHFで連続的に洗浄した。
【0120】
以下のようにして、この分離空洞のIEF領域にて、この表面のメタクリル酸アリル基に、イモビラインを結合した。イモビラインの勾配は、扇形送達要素の入口に接続された四次HPLCポンプを経由して、この電気泳動装置の下部から、この被覆領域へと送達した。この勾配は、2種の溶液AおよびBを使用して、発生させた。
溶液A 量(μL)
イモビラインpK3.6 −
イモビラインpK4.6 105
イモビラインpK6.2 46
イモビラインpK7.0 449
イモビラインpK8.5 144
イモビラインpK9.3 330
アクリルアミド(10% w/v) 433
水 3496
グリセロール 750
溶液B 量(μL)
イモビラインpK3.6 413
イモビラインpK4.6 −
イモビラインpK6.2 171
イモビラインpK7.0 34
イモビラインpK8.5 126
イモビラインpK9.3 −
アクリルアミド(10% w/v) 216
水 1771
グリセロール 144
溶液AおよびBを脱気し、そのpHを、溶液Aに0.1M HClを2滴添加することにより、そして溶液Bに0.1M NaOHを2滴添加することにより、7.0に調整した。毛管現象を最小にするために、この電気泳動装置を、まず、0.1mL/分の流速で、その下部から、水で満たした。次に、溶液Aに、各5.5μLのTEMEDおよびAPSを添加し、そして溶液Bに、各3μLのTEMEDおよびAPSを添加した。その勾配を、次いで、0.3mL/分の流速で、2.3分間にわたって、0%から100%まで変わるように、開始した。この勾配の終わりでは、流れが一時的に停止し、その後、0.1mL/分で、40%グリセロール/0.05%ブロモフェノールブルー(勾配追跡溶液)をポンピングした。この染料溶液の前部がこれらのプレートの下部に達すると、この流れは停止し、このイモビライン被覆反応を、これらのプレートを直立位置にして、5時間進行させる。このイモビライン混合物を、次いで、除去し、この装置を水で満たした。得られたイモビライン勾配は、このチャンネル領域の上部から下部へと、pH3〜9の及ぶ実質的に線形のpH勾配を作り出すのに充分であった。
【0121】
(実施例2)
(アクリルアミドキャップ形成段階での被覆方法)
残留活性化領域をアクリルアミドでキャップ形成するように、連続的なpKa勾配で被覆した分離チャンバを形成するために、以下の手順が使用できる。
【0122】
プレート(図3を参照)を0.1M NaOHで活性化し(一晩)、次いで、水、0.1M HClで洗浄し、再度、水で洗浄し、続いて、アセトンで洗浄し、そしてN2下にて、90℃で、1時間にわたって乾燥した。これらのプレートに、蠕動ポンプ(これは、PEEK配管、Teflon取付具、VITON O−リング(DuPont)、およびポンプとプレートとの間のバブルトラップを備えている)を使用して、このTES溶液を装填する。好ましくは、これらのプレートに装填する前に、このTES溶液を含有するPEEK配管を、オーブンにて、90℃で加熱して、温度差を最小にする。このTES反応は、90℃で、90分間にわたって、行われる。このプレートを、次いで、ジオキサンで洗浄し、そして空にする。
【0123】
このVITOM O−リングを変えた後、90℃で、48時間にわたって、メタクリル酸アリル(メタクリル酸アリル10mL+トルエン10mL+10mM触媒280μL)との反応を実行する。この反応の完結後、このプレートを、(洗浄ボトルおよび真空を使用して)、トルエンで洗浄し、続いて、ジオキサン、アセトンで洗浄し、そしてN2下にて、50℃で、1日以上にわたって、乾燥する。
【0124】
pKa勾配を作り出すために、実施例1のようにして、溶液AおよびBを製造するが、但し、溶液Aは、8%のグリセロールを含有するように改変し(3784μLの水および461μLのグリセロールを使用する)、そして溶液Bは、13%ののグリセロールを含有するように改変する(1542μLの水および373μLのグリセロールを使用する)。第三溶液である溶液Dは、Coomassie Brilliant Blue(Sigma Catalog #B7920)の溶液中で40%のグリセロールを含有させて、調製する。溶液AおよびBを脱気し、そのpHを、溶液Aに1M HClを2〜3滴添加することにより、そして溶液BにTrisの2個の結晶を添加することにより、7.0に調整する。次いで、各溶液(AおよびB)1.0mLを別のチューブに配置し、各チューブに、1.0μLのAPS(過硫酸アンモニウム)およびTEMEDを添加する。その勾配を、650μLの全勾配容量で、以下の時刻表を使って、HPLCポンプを使用して、100%の溶液Aから100%の溶液Bまで実行する。
【0125】
【表1】
【0126】
青い40%グリセロール溶液がこれらのチャンネルに達した後(約10mm)、この勾配を停止した。全作業時間は、26分間である。このプレートは、直立位置で一晩そのまま置く。翌朝、このプレートを真空で空にし、そして脱イオン水で洗浄する。
【0127】
次の段階は、この扇形領域および試料運搬チャンネルを低pH(約3.30)イモビライン溶液で改変することである。この溶液は、以下のようにして、調製する:2mL容量のフラスコで、以下を添加する。
【0128】
【表2】
【0129】
この溶液のpHを、固形Trisで、pH=7.0まで調整する。上記溶液2mLに、2.0μLのAPS(過硫酸アンモニウム)およびTEMEDを添加する。これらのプレートを、その扇形領域を下部にして垂直に配向して、この扇形領域、および第一次元での電気泳動用の領域を、(これらのプレートの内面を濡らすために)、注射器により、水および0.1% Triton X−100で満たす。次に、この試料運搬チャンネルを、注射器により、このチャンネルの遠位ポートから、イモビライン溶液で満たす。真空およびアルゴン圧を使用して、この扇形領域を、扇形領域の頂点にて、このポートを通って、このイモビライン溶液で満たす。このプレートは、室温(RT)で、一晩、そのまま置く。翌朝、それを空にし、そして水で洗浄する。次いで、このプレートを、プレートを通って、0.1%のNN−ジメチルアクリルアミド(DMA)(これは、1mLのDMA溶液あたり、各1μLのTEMEDおよびAPSを含有する)を連続的に流すことにより、エンドキャップ形成する(endcapped)が、プレートは、0.1〜0.5mL/分(例えば、0.2mL/分)の流速で、2時間にわたって、ガスクロマトグラフィーオーブンにて、50℃まで加熱する。この手順中にて、このエンドキャップ形成溶液がこれらのプレートに送達される容器は、重合を少なくするために、氷浴中で保持する。必要に応じて、キャップ形成をさらに促進するために、このキャップ形成段階は、さらに多くの量のアクリルアミド(例えば、1〜2%のアクリルアミドモノマー)を含有する溶液を使用して繰り返される。
【0130】
さらに他の実施態様では、この勾配溶液は、低pKaイモビライン溶液(これは、高グリセロール濃度を含み得る)のすぐ後に続くことができる。同様に、高pKaイモビライン溶液は、このpI(IEF)勾配ゾーンの末端での高いpH障壁を与えるために、この勾配形成溶液に先行できる。最後に、このプレートを、真空で空にし、脱イオン水で洗浄し、そして保存する。
【0131】
本発明は、例示の目的のために、特定の実施態様および実施例に関して記述されているものの、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、種々の改変を行うことができることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に従ったプレートアセンブリの俯瞰図である。
【図2】 図2は、図1のアセンブリの透視図である。
【図3】 図3は、本発明に従った他の代表的なプレートアセンブリを図示しており、これは、さらに、液体装填領域、複数の分離チャンネル、および細長試料運搬チャンネルを含む。
【図4】 図4は、図3のアセンブリの透視図である。
【図5】 図5は、図3および4のアセンブリのチャンネル領域の断面図である。
【図6】 図6は、図3の装置の三角形領域の代表的な改変を示す。
【図7】 図7は、図3の装置の三角形領域の代表的な改変を示す。
【図8】 図8は、図3の装置の三角形領域の代表的な改変を示す。
【図9】 図9は、図3の装置の三角形領域の代表的な改変を示す。
【図10】 図10は、本発明に従った他の代表的なプレート装置の俯瞰図を示す。
【図11】 図11は、本発明に従った他の代表的なプレート装置の透視図を示す。
【図12】 図12は、図10〜11の装置の試料装填チャンネルの拡大図である。
【図13】 図13は、図10〜12の装置の改変を図示している。
【図14】 図14は、図13の電極レザバの拡大図を図示している。
Claims (23)
- 以下の(a)、(b)および(c)を含む、二次元電気泳動システムであって:
(a)電気泳動プレートアセンブリと、
該アセンブリは、以下の(i)および(ii)を規定する:
(i)試料分離空洞は上部、下部および2個の側方部を有し、該上部及び下部が主要第一及び第二プレート面を対向させることにより境界を定められ、各プレート面は規定の幅及び長さを有し、各プレート面は該幅および長さよりも実質的に短い界面距離によって間隔を置いて配置されており、
前記空洞は、さらに以下の(1)および(2)を含み:
(1)第一電気泳動領域であって、該第一電気泳動領域は、該空洞の該上部に沿って配置され、該上部に沿って一次元の電荷及びまたはサイズに基づく電気泳動を実行するためにあり、流動可能であり非架橋性の水溶性分離媒体により満たされ、前記第一電気泳動領域の上縁部が、イオン透過性膜により境界を定められており、および
(2)第二電気泳動領域であって、該第二電気泳動領域は、前記第一電気泳動領域の下に隣接して該空洞の該下部に沿って配置され、該第一次元に対して実質的に垂直な方向で第二次元の電気泳動を実行するためにあり、該第二の電気泳動領域が複数の細長く実質的に平行な分離チャンネルを含み、該分離チャンネルが該空洞の側方部に平行であり、該プレート表面の1つによって規定され、該第一電気泳動領域を満たす分離媒体と同じかまたは異なる流動可能であり非架橋性の水溶性分離媒体により満たされ、該分離チャンネルが該チャンネル間での該媒体の流れを妨げ、および
(ii)試料装填ポートであって、該試料装填ポートは、細長試料運搬チャンネルにより該第一電気泳動領域と流体連結しており、該第一電気泳動領域に試料を導入するためにあり、
(b)該装填ポートと該装填ポートから横切る該側方部との間で該第一電気泳動領域にわたって第一電圧電位を発生させるための電極手段と、
(c)該上部と該下部との間で第二電圧電位を発生させるための電極手段とを有し、
前記第二次元での試料成分の移動の基準は、前記第一次元での試料移動挙動を決定する試料特性とは異なる1つまたはそれ以上の試料特性に依存していることを特徴とする電気泳動システム。 - 前記第二電気泳動領域が、対向する前記プレート面の少なくとも1面に固定化されたpKa勾配を含む、請求項1に記載の電気泳動システム。
- 前記第二電気泳動領域が、該第二電気泳動領域に隣接した高pHまたは低pH被覆領域を含みかつ対向する前記プレート面の少なくとも1面で固定化された領域により境界を定められている、請求項2に記載の電気泳動システム。
- 少なくとも30個の分離チャンネルを含む、請求項2に記載の電気泳動システム。
- 前記1個またはそれ以上の流体通路が、前記下部またはそれに隣接した前記面の1つの面を通る単一スロットとして、設けられている請求項1に記載の電気泳動システム。
- 前記1個またはそれ以上の流体通路が、前記空洞の前記下部に沿って位置づけられた複数の開口部として設けられている請求項1に記載の電気泳動システム。
- 前記媒体が、複数の直鎖状アクリル分子を含有する請求項1に記載の電気泳動システム。
- 前記プレートが、前記空洞から液体を導入又は除去するための扇形領域を規定し、該扇形領域が前記分離空洞と接している請求項1に記載の電気泳動システム。
- 試料混合物の1種またはそれ以上の成分を分離する方法であって、
該方法は、以下:
請求項1に記載の電気泳動システムを提供する工程;
試料混合物を前記装填ポートに入れる工程;
前記第一電気泳動領域にわたって第一電圧電位を加え、サイズに基づいて該混合物中の異なる試料成分を少なくとも部分的に分離する工程;
該分離後、前記空洞の前記上部及び下部にわたって第二電圧電位を加え、前記第一電気泳動領域において分離の基準として使用されていない試料特徴に基づいて前記試料成分をさらに分離する工程を含むことを特徴とする方法。 - 前記試料成分が、ポリペプチドである請求項9に記載の方法。
- 前記試料成分が、検出可能標識を含有する請求項9に記載の方法。
- 前記標識が蛍光標識である請求項11に記載の方法。
- さらに、前記空洞内の成分の位置を検出する工程を包含する請求項9に記載の方法。
- 前記第二電気泳動領域が複数の細長く実質的に平行な分離チャンネルを含む請求項9に記載の方法。
- 等電点電気泳動後、少なくとも1種の試料成分が、前記1個またはそれ以上の流体通路を経由して、1個またはそれ以上のチャンネルから収集される請求項14に記載の方法。
- 前記第二電気泳動領域が、等電点電気泳動領域を含み、該等電点電気泳動領域が、対向する前記プレート面の少なくとも1つの面で固定化されたpKa勾配を含み、前記第一電圧電位の方向に対して実質的に垂直な方向で、該等電点電気泳動領域にてpH勾配が発生するようにされ、その結果試料成分が該等電点電気泳動領域へと移動し、それらの等電点を基準にして分離する請求項9に記載の方法。
- 前記pH勾配が、約4〜10のpH範囲を規定する請求項9に記載の方法。
- 前記媒体が、複数の直鎖状アクリルアミド分子を含有する請求項9に記載の方法。
- 以下の(i)および(ii)を含み、第二次元での試料成分の移動の基準が、第一次元での試料移動挙動を決定する試料特性とは異なる1つまたはそれ以上の試料特性に依存している二次元電気泳動システムで用いる電気泳動プレートアセンブリであって、:
(i)試料分離空洞は上部、下部および2個の側方部を有し、該上部及び下部が主要第一及び第二プレート面を対向させることにより境界を定められ、各プレート面は規定の幅又は長さを有し、各プレート面は該幅および長さよりも実質的に短い界面距離によって間隔をおいて配置されており、
前記空洞は、さらに以下の(1)および(2)を含み:
(1)第一電気泳動領域であって、該第一電気泳動領域は、該空洞の該上部に沿って配置され、該上部に沿って一次元の電荷及び/またはサイズに基づく電気泳動を実行するためにあり、流動可能であり非架橋性の水溶性分離媒体により満たされ、前記第一電気泳動領域の上縁部が、イオン透過性膜により境界を定められており、および
(2)等電点電気泳動領域であって、該等電点電気泳動領域は、前記第一電気泳動領域の下に隣接して該空洞の該下部に沿って配置され、該第一次元に対して実質的に垂直な方向で等電点電気泳動を実行するためにあり、前記等電点電気泳動領域が複数の細長く実質的に平行な分離チャンネルを含み、該分離チャンネルが該駆動の側方部に平行であり、該プレート表面の1つによって規定され、対向する前記プレート面の少なくとも1つに固定されたpKa勾配および該第一電気泳動領域における分離媒体と同じかまたは異なる流動可能であり非架橋性の水溶性分離媒体により満たされ、該分離チャンネルが該チャンネル間での該媒体の流れを妨げ、および
(ii)試料装填ポートであって、該試料装填ポートは、細長試料運搬チャンネルにより該第一電気泳動領域と流体連絡しており、該第一電気泳動領域に試料を導入するためにあることを特徴とし、
前記試料装填ポートから該装填ポートの側方部への前記第1電気泳動領域が第1電圧供給を受け取るためのものであり、前記上部から下部への前記第2電気泳動領域が第2電圧供給を受け取るためのものである、電気泳動プレートアセンブリ。 - 前記等電点電気泳動領域が、少なくとも30個の集束チャンネルを含む請求項19に記載のアセンブリ。
- さらに、前記装填ポートと該装填ポートから横切る前記側方部との間で前記第一電気泳動領域にわたって第一電圧電位を発生させるための電極手段、および前記上部と前記下部との間で第二電圧電位を発生させるための電極手段を含む請求項19に記載のアセンブリ。
- さらに1個またはそれ以上の流体通路を含み、該流体通路が前記空洞から流体を導入または除去するために、該空洞の前記下部に沿って位置している請求項1に記載の電気泳動システム。
- さらに1個またはそれ以上の流体通路を含み、該流体通路が前記空洞から流体を導入または除去するために、該空洞の前記下部に沿って位置している請求項19に記載のアセンブリ。
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