以下、本発明の実施の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。
A.実施例1
(1)パチンコ機の機械的な構造
本実施例は、遊技機の一具体例として、所謂「セブン機」と称されるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例示している。先ず、このパチンコ機の機械的な構造について、図1〜図5を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、パチンコ機1の前面部は、主として外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。尚、図1及び図2においては、説明を簡単にするため遊技盤が省略されている。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。また、中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部3aと下板部3bとを有し(図2参照)、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。更に、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられ、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
ここで枠体部3aは、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の略三角形状の枠飾りLED用レンズ4c,4eに対応して、左側に賞球表示LED(図示を省略)及び賞球表示LED基板4d(図16参照)が、右側にストップ表示LED(図2では図示略)及びストップ表示LED基板4f(図16参照)が配設されている。
また、下板部3bは、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカー面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図16参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット(図示略)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。
さらに、下板部3bの下方には、灰皿や玉抜きレバー等を備えた下皿部6が設けられ、下皿部6の略中央には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット(図示略)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。
前面枠4は、図1及び図2に示すように、全体がプラスチック製であり、遊技盤10(図3参照)を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11(図3参照)の形状に対応して略円周状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板4rが嵌められた略長方形状のガラス枠4s(図2参照)が装着されている。
また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の約2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。一方、前面枠4の上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bが設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板4g(図16参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、上皿部5には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカー面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図16参照)が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤10の表面構造について図3を参照して説明する。遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3(図1及び図2参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図15参照)によりその背面側が覆われている。この遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置26と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。尚、「第一種始動口(普通電動役物)17」は「始動口」の一具体例を示す。
中央表示装置26は遊技領域11の略中央部に配置されると共に、液晶表示装置(特別図柄表示装置)27を備えている。また、液晶表示装置27は、「可変表示装置」の一具体例を構成すると共に、普通図柄表示装置の一具体例を構成する。更に、液晶表示装置27は、その表示画面によって単一の表示部(縦;50〜120mm、横;80〜200mm、の平面略矩形状)271を構成する。この表示部271は、特別図柄(特別遊技識別情報)、後述する疑似抽選(再疑似抽選を含む。)に関連する識別情報(第2の識別情報)、及び、時短に関する抽選(本抽選)に関連する識別情報を表示するための主表示部位272と、後述する第4図柄(確変に関する本抽選に関連する第1の識別情報)を表示するための第4図柄表示部位33と、普通図柄表示部位32とを構成する。
尚、本実施例では、主表示部位272と、第4図柄表示部位33と、普通図柄表示部位32とを一体とする態様を例示するが、これらを別体としたり、これらのうちの任意2つのみを一体としてもよい。更に、特別図柄(特別遊技識別情報)を表示するための表示部(表示部位)と、疑似抽選(再疑似抽選を含む。)に関連する識別情報(第2の識別情報)を表示するための表示部(表示部位)とを別々に設けたり、第1回目の疑似抽選に関連する識別情報(第2の識別情報)を表示するための表示部と、再度の疑似抽選に関連する識別情報(第2の識別情報)を表示するための表示部(表示部位)と、時短に関する抽選に関連する識別情報を表示するための表示部(表示部)とを別々に設けてもよい。
主表示部位272は、表示部271においてその右側縁近傍(表示部271の右側縁から、20mm以内の部位)を除く、略全域によって構成されている。この主表示部位272には、第1表示態様T(図22等を参照)が表示されるが、所定の条件(後述する演出ジョブを行うとき)の下で、この第1表示態様Tが、疑似抽選態様Wと、第2表示態様V{図23(b)等を参照}と、時短抽選態様Xとに切り換えられる。尚、疑似抽選態様Wでは、必要に応じて再度の疑似抽選(以下、「再疑似抽選」ということもある。)の結果等が表示されることもある。
第1表示態様Tは、図22等に示すように、「3つの特別図柄(特別遊技識別情報)を次々と変動させながら表示した後、停止表示する3つの特別図柄表示領域(識別情報表示領域とも言い、以下、単に、「表示領域」ということがある。)811〜813を備える。また、「第2表示態様V」は、全8マスの特別図柄表示領域(以下、単に、「表示領域」ということがある。)911〜918を備えている{図23(b)参照}。尚、第1表示態様T及び第2表示態様Vの詳細については後述する。更に、疑似抽選態様Wは、再疑似抽選に関連する識別情報(第2の識別情報)の表示態様(図41、図42参照)であり、時短抽選態様Xは時短に関する抽選(本抽選)に関連する識別情報の表示態様(図43、図44参照)であるが、これに関する詳細についても後述する。
この液晶表示装置27は、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球することにより、その主表示部位272の表示領域811〜813に表示される各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させる。そして、例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放される。尚、この変動入賞装置18(大入賞装置31)は、可変入賞手段の一具体例を示している。
普通図柄表示部位32は、表示部271においてその右側縁近傍における下方部に設けられている。即ち、この普通図柄表示部位32は、右側の特別図柄表示領域813の右側下部に設けられ、赤色又は緑色に点灯表示可能な上普通図柄表示領域32aと下普通図柄表示領域32bとを有している。この普通図柄表示部位32では、後述する左右の普通図柄作動ゲート36、37のいずれかを遊技球が通過することにより変動して、上普通図柄表示領域32aと下普通図柄表示領域32bとに普通図柄が停止表示される。このとき、例えば、上普通図柄表示領域32aが赤色に点灯し、下普通図柄表示領域32bが緑色に点灯すると(所定の「図柄」の一具体例)、第一種始動口(普通電動役物)17が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。尚、普通図柄作動ゲート36、37は、「始動ゲート」の一具体例を示す。
上普通図柄表示領域32aや下普通図柄表示領域32bの点滅が、普通図柄の変動の一態様を示し、上普通図柄表示領域32aや下普通図柄表示領域32bの点灯が普通図柄の確定表示の一具体例を示す。尚、この普通図柄表示部位32を、例えば、中央装置26の上部中央等に配置する普通図柄表示装置によって構成してもよい。この普通図柄表示装置としては、7セグメント表示器と、普通図柄保留表示とを有するものを例示できる。この7セグメント表示器としては、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、後述する左右の普通図柄作動ゲート36、37のいずれかを遊技球が通過することにより変動して、所定時間経過後に1種類の奇数数字が停止表示されるものを例示できる。そして、この普通図柄表示装置において、例えば「7」で停止表示すると、第一種始動口(普通電動役物)が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。
前記中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37s(図5参照)が配設されている。そして、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示部位32における上普通図柄表示領域32aと、下普通図柄表示領域32bとが変動表示(例えば、点滅、点灯表示)する。また、普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sは、通過検知手段の一具体例を構成する。
尚、普通図柄表示部位32や普通図柄表示装置には、普通図柄保留数を表示するための表示手段(例えば、普通図柄保留表示LED)を設けてもよい。この表示手段としては、例えば、4個のLEDで構成され、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものを例示できる。この表示手段では、次の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個のLEDは消灯される。
第4図柄表示部位33は、表示部271においてその右側縁近傍(右側縁から1〜20mmの位置)における上方部に設けられている。この第4図柄表示部位33の面積は、主表示部位272の面積の1/50〜1/5とされている。尚、この第4図柄表示部位33や第4図柄表示部位33に表示される確変抽選用図柄(第1の識別情報の一具体例であって、確変の抽選に関する図柄を指す。)の詳細に関しては後述する。また、本実施例では、3つの特別図柄(識別情報)を必要に応じて第1〜第3図柄と称するため、確変抽選用図柄を特別図柄の次に図柄の意味で、必要に応じて第4図柄と称する。このため、この確変抽選用図柄の表示部位を、第4図柄表示部位33と称する。即ち、特別図柄(識別情報)の数に応じて、確変抽選用図柄及びその表示部位の称呼を変更することもできる。例えば、特別図柄(識別情報)の数がm(m;自然数)個であれば、確変抽選用図柄を第(m+1)図柄と称し、その表示部位を第(m+1)図柄表示部位と称することができる
特別図柄保留表示LED16aは、中央装置26の上部に配置される4個の赤色LEDで構成されている。これは、第一種始動口(普通電動役物)17に入球した遊技球の数を4個まで保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の特別図柄の変動が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED16aは消灯される。
第一種始動口(普通電動役物)17は、後述する変動入賞装置18と一体化されたもので、中央装置16の中央位置の下方に離れて配設されている。第一種始動口(普通電動役物)17は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成され、その前面に飾りを備えて後述する基板34に取り付けられている。内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図5参照)と、翼片部を作動させるための第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図5参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。尚、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図5参照)は、始動検出手段の一具体例を構成する。
変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図5参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ318(図5参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
また、左下入賞口21は、第一種始動口(普通電動役物)17の略斜め左下側に配設されて、内部に左下入賞口通過検知スイッチ21s(図5参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図5参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、第一種始動口(普通電動役物)17の略斜め右下側に配設されて、内部に右下入賞口通過検知スイッチ22s(図5参照)が設けられている。そして、この右下入賞口22の下方には複数個の右下入賞口LED224が右下入賞口LED基板22f(図5参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検知スイッチ19s(図5参照)、右入賞口通過検知スイッチ20s(図5参照)が設けられている。また、中央装置16の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
次に、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
次に、本実施例のパチンコ機1の裏面構造について図4を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図3参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
続いて、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図3参照)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図5参照)として、裏側遊技装置としての主制御基板340{図6(a)参照}を格納した格納容器としての主制御基板ケース112が配設されている。主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図5参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図5参照)として、払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。前記主制御基板ケース112の右側上方に裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。
前記中継基板190は、図5にも示すように、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。尚、電源ターミナル基板121には、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ(図示を省略)を接続してもよい。
また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
(2)パチンコ機1の電子制御装置130
次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御装置130について、図5〜図8を参照して説明する。
まず、電子制御装置130は、図5に示すように、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。この主制御部140は、当否判定の制御等、遊技の基本進行を司る制御部である。また、副制御部は、信号伝送経路500aにより、主制御部140に直に接続された第1次副制御部と、第1次副制御部に信号伝送経路(500b等)によって接続された第2次副制御部とに分けられる。尚、本実施例においては、第2次副制御部に接続される第3次副制御部等の3次以降の副制御部が存在してもよい。
本実施例では、払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150と特別図柄制御部160とが第1次副制御部に該当し、発射装置制御部193や、音声・ランプ制御部170a等が第2次副制御部に該当する。ここで、図6(a)及び(b)に示すように、主制御部140は主制御基板340を備え、払出制御部150は払出制御基板350を備えている。また、図7に示すように、特別図柄制御部160は特別図柄制御基板360を備え、図8に示すように、音声・ランプ制御部170aは音声・ランプ制御基板370aを備えている。尚、図8に示すように、音声・ランプ制御基板370aは、図中の仮想線Aを境界とする一方の部分(ランプ制御基板部370)と、他方の部分(音声制御基板部380)とを一体的に備えるものである。
ここで、詳細は後述するが、本実施例においては、主制御部140から特別図柄制御部160に対して変動コマンド、停止図柄コマンド、及び変動停止コマンドを送信する。更に、特別図柄制御部160では変動コマンドを受けて、複数の変動態様から乱数等による抽選で変動態様を決定する。そして、特別図柄制御部160が選択する種々の図柄変動に応じて、特別図柄制御部160から、音声・ランプ制御部170aに、所定のコマンドが送信可能とされている。
主制御基板340は、図6(a)に示すように、CPU401を含む主回路部400と、入出力回路部500とを備えている(図20参照)。そして、この主制御基板340は、通常、不正行為者にとっては開閉困難なケース(即ち、主制御基板ケース112)に収納されている。また、入出力回路部500には、外部端子部145が接続され、この外部端子部145には、パチンコホールの「ホールコンピューター」が接続される。そして、主制御基板340は、RAMクリア処理の実行後に、RAMクリア信号をONし、一定時間経過後にOFFするが、このRAMクリア信号をパチンコ機1の外部に出力し、パチンコホールのシステム等に報知できる。このため、不正行為者が判らない間に、パチンコホールの管理者側が不正行為を知ることができる。
また、図21に示すように、CPU401はCPUコア480を備え、ROM482に格納された制御プログラムにより、RAM481をワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、ROM482に記憶された当否判定プログラムにより、CPU401が主体となって当否判断制御を行う。
主回路部400は、図20に示すように、CPU401、発振部410、リセット回路部450、I/Oデコード回路部420、データバス安定化部411、及び第1外部入力回路部430を有している。また、CPU401は、図21に示すように、CPUコア480、内蔵RAM481、内蔵ROM482、メモリ制御回路483、クロック発生器484、アドレスデコーダ485、ウオッチドッグタイマ486、カウンタ/タイマ487、パラレル入出力ポート488、リセット/割り込みコントローラ489、外部バスインターフェース490、出力制御回路491を備えている。
図5に戻り、図17(a)に示す入出力回路部500には前記した信号伝送経路500aが接続され、入出力回路部500からその信号伝送経路500aへ、払出制御部150及び特別図柄制御部160へ処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを送信する。尚、主制御部140から、払出制御部150及び特別図柄制御部160へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、特別図柄制御部160から音声・ランプ制御部170aへは、一方向形式でデータが伝送される態様を例示するが、特別図柄制御部160及び音声・ランプ制御部170a間で双方向形式でデータが伝送されてもよい。更に、各制御部140〜180には、電源受電基板410から電源ユニット420、さらには分電基板430を介して電源が供給されており(図5の破線を参照)、後述する電源立上げ時のシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
中継基板190には、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等が接続され、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知器(入賞検知スイッチ)17s、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検知器(右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ)37s、左普通図柄作動ゲート通過検知器(左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ)36sが主制御部140の入出力回路部500に接続されている。
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図6(b)に示す払出制御部150の入出力回路部700と接続されている。
払出制御部150は、図6(b)に示すように、主制御部140と同様の主回路部600及び入出力回路部700を含んで構成され、入出力回路部700において図16に示す信号伝送経路500aに接続されている。また、入出力回路部700には、賞球払出装置109、発射装置制御部193等が接続されている。
特別図柄制御部160は、図7に示すように、演算回路構成要素として、CPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)166とを含み、それら演算回路構成要素はバス165により相互に接続して構成され、入出力ポート164において信号伝送経路500aに接続されている。入出力ポート164には、主表示装置27が接続され、CPU161はROM163に格納された制御プログラムにより、RAM162をワークエリアとして中央装置26(主表示装置27等)の作動制御を行っている。
図8に示すように、音声・ランプ制御部170aを構成するランプ制御基板部370は、演算回路構成要素として、CPU171と、RAM172と、ROM173と、入出力ポート174とを含んで構成されている。そして、これらの要素(171、172、173、及び174)はバス175により相互に接続して構成され、入出力ポート174において信号伝送経路500bに接続されている。そして、入出力ポート174には、図5に示す枠飾りランプ基板4gと、各種ランプ基板261f、262fと、各種LED基板4d、4f、21f、22f等が接続されている。これら各基板にランプあるいはLED等が1又は複数個接続される。これらのランプ等はゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。更に、ランプ制御基板部370は、可動部分等を構成するソレノイドやモータ等の駆動制御を行う。
図8に示すように、音声・ランプ制御部170aを構成する音声制御基板部380は、ランプ制御基板370と同様の演算回路構成要素181〜185、及びサウンドジェネレーター188を含んで構成され、入出力ポート184において信号伝送経路500bに接続されている。サウンドジェネレーター188は、格納された音声データと音声出力モジュールとに基づいて、図5に示す音量スイッチ基板12を介して接続されたスピーカー400aより、ゲームの進行に対応した各種の音声出力を行う。入出力ポート184に接続された音量スイッチ基板12は、音量スイッチ(図示略)の操作に伴い、出力音量の設定を行うものである。
さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレーター188は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(後述する)、特別遊技態様、及び遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。その制御指令の指令信号は、音声・ランプ制御部170aを作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500bを介して送信される。
なお、上述した特別図柄制御部160、音声・ランプ制御部170aは、主制御部140や払出制御部150と同様の回路部から構成されるものとすることもできる。すなわち、主回路部と入出力回路部とから構成されるものとし、内部にROM、RAMが内蔵されたCPUを用いることもできる。
また、本実施例では、主制御部140や格納されたプログラムによって「本抽選手段」、「特別図柄抽選手段」、「普通図柄抽選手段」、「可変入賞手段制御手段」、「始動口制御手段}等を構成する。また、特別図柄制御部160、主制御部140、格納されたプログラムによって、「疑似抽選手段」、「判定手段」、「再抽選手段」、「可変表示制御手段」、「普通図柄表示制御手段」を構成する。
次に、賞球動作は、以下の順序で実行される。
主制御部140は、遊技球が入賞球検知スイッチ318を通過したら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球個数データを、それ以外の場合、例えば、左右下入賞口21、22の通過検知スイッチ21s、22sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データを、払出制御部150に対してその検知順に、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信する。(すなわち、固有賞球数はここでは、6個、10個あるいは15個である。)払出制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置109を作動させる。
また、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、入賞球検知スイッチ318等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検知されると後述する乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)、または確定などの表示態様制御のためのデータが読み込まれる。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信される。
次に、主制御部140により実行されるメインジョブについて図9等を参照して説明する。これは、主制御部140のROM482(図21参照)に格納されたプログラムに基づき、CPU401により実行されるジョブの一例である。先ず、スタックポインタをRAM481(図21参照)の所定のアドレスに設定した後(S10)、RAMクリアスイッチが操作(押下)されているか否かを判断し(S12)、操作されていればRAM481の初期化処理が行われ(S13)、操作されていなければ、バックアップフラグが設定されているか否かが判断される(S15)。そして、バックアップフラグが設定されていれば(S15:YES)、図11の「電源断に対する復電処理」が行われる。
尚、本実施例では、停電等によって電源断が発生したときに、図10に示すように、使用レジスタの内容をRAM481に退避(保存)し(S630)、スタックポインタの値をRAM481に保存する(S632)。そして、大入賞口ソレノイド、第1種始動口ソレノイドをOFFにし(S634)、賞球センサのポーリング処理時間(例えば、約85m秒)を設定し(S636)、賞球計数前センサ及び賞球計数後センサで遊技球の通過を監視する(S638)。次いで、ポーリング処理時間が経過すると(S640)、使用しているRAM481のチェックサム(チェックサム、バックアップフラグ、スタック領域は除く)を作成し(S642)、保存し、バックアップフラグをRAM481に設定する(S646)。そして、RAM481のアクセスを禁止し(S648)、無限ループ処理にて電源ダウンに備える。なお、上記無制限ループ処理に替えてHALT処理やSTOP処理を実行することも可能である。
図11の「復帰処理」においては、チェックサムの算出(S664)を実行し、電源断時に保存していたチェックサムの値を比較し、一致しなければ、RAM481の初期化処理を行う(S13)。一致すれば、電源断前のスタックポインタを復帰し(S668)、バックアップフラグをクリアし(S670)、サブ基板を電源断前の状態に復帰させるためのコマンドを送信する(S672)。そして、各レジスタを電源断前の状態に復帰し(S674)、割込みの許可/不許可を電源断前の状態に復帰等し(S676,S678)、電源断前の番地に戻る(S680)。本実施例では、パチンコ機1に対し、電源断対策用のバックアップ電源を付加しているため、パチンコホールの停電時等においても、停電前に生じていた「遊技者にとって有利な情報」を保存できる。
図9に戻り、バックアップフラグが設定されていなければ(S15:NO)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。また、初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブ(S190)が実行され、再び、初期化終了の判定が行われる(S20)。尚、パチンコ機1が出荷状態から最初の電源投入時であったり、RAMクリアスイッチが操作(押下)されていたり、バックアップフラグに異常があったり、チェックサムが一致しなかった場合には、RAM481の初期化処理が行われる。
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別図柄未始動回数の表示態様データなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、後述するRAM481の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリなどが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、初期値カウンタ、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、汎用カウントメモリ(図示略)は、例えば割り込みごとの「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。
また、音声ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの読み込みが行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、左右入賞口通過検知信号などの各種信号が中継基板200を介して主制御部140に、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号などの各種信号が払出用端子基板200aを介して払出制御部150にそれぞれ取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sから第一種始動口入賞検知信号、大入賞装置31から入賞球検知信号、及び普通図柄作動ゲート通過検知信号が主制御部140に取り込まれる。
さらに、カウント検知スイッチ、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ等のスイッチ318(図5参照)に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
特別図柄メインジョブ(S90)においては、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータに関するジョブが実行される。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データの読み込みが行われる。
この後、各フラグ状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)が実行される。賞球信号ジョブ(S150)においては、賞球払出しに関するデータの読み込みや出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの読み込みが行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理等のためのコマンドの出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しが行われる。尚、残余時間ジョブ(S180)においても、初期値乱数の更新が行われる。
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、始動入賞(第一種始動口(普通電動役物)17への入賞)時の当否判定ジョブに関して図12〜図15を参照して説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリ等は、図5に示す主制御部140のRAM481(図21参照)に格納され、代表的なもの(481a〜481p、481s〜481y)を図16に示す。
まず、図12に示すように、S200において始動入賞があったか否かを確認し、始動入賞が無い場合(S200;NO)は、S250へスキップする。一方、始動入賞がある場合(S200;YES)は、S210において、保留数(未始動回数)が一定値(本実施例では「4」)を超えているか否かが判断され、この保留数(未始動回数)が一定値(本実施例では「4」)を超えていれば、その始動入賞は無効となり、S255へスキップする。また、一定値内の保留数(未始動回数)であれば、S220において、特別図柄保留数メモリ481b(図16参照)に記憶されている保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S230において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)を発生させ{プログラムを発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい(当否用乱数発生手段)}、読み込んだ判定乱数値を、S240において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図16参照:以下、判定乱数メモリともいう)に記憶する。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
次に、S255において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図16参照)から記憶している最も古い先頭の特別図柄判定乱数値を読み出し、S260に進む。また、S200において始動入賞が無い場合には、S250において、保留の有無を確認し、保留が無い場合(保留数が零の場合)にはS200に戻り、保留が有る場合(保留数が1〜4の場合)には、S255において、特別判定乱数メモリ481a(図16参照)から記憶している最も古い先頭の判定乱数値を読み出し、S260に進む。
S260においては、図21に示すROM482内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(当り用判定値)を読み出し、S265において、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理(S270)が行われる。一方、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理(S370)が行われる。尚、この「S265」に示す「大当りか否かの判定」が、請求項1の発明に示す「特別遊技に係る特典を遊技者に与えるか否かの抽選」の一具体例に該当する。
大当り処理(S270)においては、図13に示すように、先ず、S272に進み、大当り図柄決定乱数(識別情報決定用乱数)を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を大当り図柄決定乱数メモリ481d(図16参照)に記憶する(S276)。なお、大当り図柄決定乱数の読み込みは、始動入賞時に当否用乱数と同時に読み込まれているが、当り判定決定と同時に、あるいは当り判定決定後所定の時間後に読み込むものとしてもよい。
この大当り図柄決定乱数値で指定される特別図柄は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されている特別図柄画像データに基づいて、液晶表示装置27(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められた配列態様で確定表示(停止表示)される(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)。なお、上記特別図柄画像データを大当り図柄決定乱数値と対応付けて識別情報決定用値として主制御部140のRAM481(図21参照)に記憶しておき、読み込んだ大当り図柄決定乱数値と識別情報決定用値とを比較することで停止表示する図柄を決定するものとしてもよい。
また、大当り図柄決定乱数と同時にリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値をリーチ態様決定乱数メモリ481j(図16参照)に記憶する(S280)。このリーチ態様決定乱数値で指定されるリーチ表示態様は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されたリーチ表示態様画像データに基づいて、液晶表示装置27(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められたリーチ態様で表示される。なお、この場合も、上記リーチ表示態様画像データをリーチ態様決定乱数値と対応付けてリーチ態様決定用値として、主制御部140のRAM481(図21参照)のリーチ態様決定用値メモリ481k(図16参照)に記憶しておき、読み込んだリーチ態様決定乱数値とリーチ態様決定用値とを比較することで表示するリーチ態様を決定するものとしてもよい。
また、確率変動(以下、「確変」という。)抽選用カウンタ481s(図16参照)によって確変抽選乱数を発生させ、読み込む(S284)。一方、図21に示すROM482内の確変抽選用の当り番号メモリ(図示を省略)から確変抽選用の当り番号を読み出し(S288)、S290において、上記読み込んだ確変抽選乱数の値(確変抽選乱数値)との比較を行い、両者が一致していれば当選となり、確変抽選結果メモり481t(図16参照)に「確変フラグ」を設定する。一方、一致していなければ落選となり、図14のS310で、確変抽選結果メモり481u(図16参照)に「非確変フラグ」が設定され、S314以降の処理がなされる。尚、「確変」は、「特別遊技に係る特典以外の第2の特典」の一具体例を構成し、S290が、この「確変」を行うか否かの「本抽選」の一態様を示す。
確変フラグ」を設定(S294)した後には、当り第4図柄決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を当り第4図柄決定乱数メモリ481p(図16参照)に記憶する(S296、S300)。この当り第4図柄図柄決定乱数値(以下、「当り第4図柄決定乱数値」ということがある。)で指定される当り第4図柄は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されている当たり第4図柄図柄画像データに基づいて、液晶表示装置27(図3参照)に、変動表示状態を経た後、確定表示(停止表示)される(図39の何れかの態様)。
「非確変フラグ」を設定(S310)した後には、図14に示すように、外れ第4図柄決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値(以下、「外れ第4図柄決定乱数値」ということがある。)を外れ第4図柄決定乱数メモリ481o(図16参照)に記憶する(S314、S318)。この外れ第4図柄決定乱数値で指定される外れ第4図柄は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されている外れ第4図柄図柄画像データに基づいて、液晶表示装置27(図3参照)に、変動表示状態を経た後、確定表示(停止表示)される(図40の何れかの態様)。
次いで、時短抽選用カウンタ481u(図16参照)によって時短抽選乱数を発生させ、読み込む(S322)。そして、図21に示すROM482内の時短抽選用の当り番号メモリ(図示を省略)から時短抽選用の当り番号を読み出し(S326)、S330において、上記読み込んだ時短抽選乱数の値(時短抽選乱数値)との比較を行い、両者が一致していれば当選となり、時短抽選結果メモり48v(図16参照)に「時短フラグ」を設定(S340)し、S304の処理に移行する。一方、S330での比較が、一致していなければ落選となり、S350で、時短抽選結果メモり481v(図16参照)に「非時短フラグ」が設定され、S304の処理に移行する。尚、「時短」は、「特別遊技に係る特典以外の第2の特典」の他の具体例を構成し、S330が、この「時短」を行うか否かの「本抽選」の一態様を示す。但し、本実施例では、後述のように、この時短に関しては本抽選のみを行い、疑似抽選を行わない。
以上の大当り処理においては、S304において、「大当り」という判定結果(本実施例では「1」)を特別図柄判定結果メモリ481i(図16参照)に記憶する。
一方、外れ処理(S310)においては、図15に示すように、先ず、S265からS372に進み、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数により決定する。すなわち、S372において、リーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込み、他方、S374において、リーチ番号メモリ481h(図16参照)に記憶されているリーチ番号を読み出す。そして、S376において、両者が一致していれば外れリーチジョブに、一致していなければ通常外れジョブとなる。
外れリーチジョブの場合は、S378へ進み、少なくとも揃えるべき2つの特別図柄(例えば、3種類の特別図柄のうち、左図柄と右図柄)を、外れリーチ図柄決定乱数(また、左図柄の乱数を参照し、それに右図柄を一致させるようにしてもよい)を使用して決定し(S378)、外れリーチ図柄番号メモリ481l(図16参照)に記憶する(S380)。また、S382において、外れ中図柄を乱数により同様に決定し、S384において決定した乱数値を外れ中図柄番号メモリ481g(図16参照)に記憶する。
更に、S386において、確変(確率変動)抽選結果メモり481t(図16参照)に「非確変フラグ」を設定した後、外れ第4図柄決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を外れ第4図柄決定乱数メモリ481p(図16参照)に記憶する(S388、S390)。そして、S390において、「外れリーチ」という判定結果(本実施例では「2」)を特別図柄判定結果メモリ481j(図16参照)に記憶する。
通常外れジョブの場合は、S395に進み、各特別図柄(例えば、左図柄、右図柄及び中図柄)をそれぞれ乱数により決定し、決定した各乱数値をそれぞれ対応する外れ図柄番号メモリ481e、481f、481gに記憶する(S395、S400、S405、S408、S410、S412)。そして、S414において、確変抽選結果メモり481t(図16参照)に「非確変フラグ」を設定した後、外れ第4図柄決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を外れ第4図柄決定乱数メモリ481p(図16参照)に記憶する(S416、S418)。更に、S418において、「通常外れ」という判定結果(本実施例では「3」)特別図柄を判定結果メモリ481i(図16参照)に記憶する。
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、特別図柄メインジョブの概略の流れを図17〜図19を参照して説明する。まず、図17に示すように、S500において、第一種始動口(普通電動役物)17への遊技球の入賞に基づき、図柄変動を開始させる。具体的には、主表示部位272の表示領域811〜812上で、第1表示態様T(図22等参照)における各特別図柄の変動表示を開始させると共に、第4図柄表示部位33で第4図柄(確変抽選用の図柄)の変動表示を開始させる。
各特別図柄の変動は、例えば、左右の図柄を上から下、下から上へスクロール変動させると共に、中図柄を連続変動させることによって行われる。但し、第1表示態様における各特別図柄の変動態様は、これに限定されず、例えば、左右及び中図柄を上から下、下から上へスクロール変動させても、左右及び中図柄を横方向や斜め方向に変動させてもよい。この特別図柄や変動態様の詳細は後述する。
第4図柄表示部位33では、第4図柄(確変抽選用の図柄)が連続的に変更表示される。即ち、第4図柄表示部位33では、図39に示す25種の「当り第4図柄」で構成される当り図柄群と、図40に示す25種の「外れ第4図柄」で構成される外れ図柄群とを合わせた50種の第4図柄50(合成図柄群)からランダムに選択される所定の第4図柄50を、連続的に変更表示する。尚、この「当り第4図柄」は、請求項10の発明の「本抽選に当選したことを示す当り図柄」の一具体例を示し、この「外れ第4図柄」は、請求項10の発明の「本抽選に落選したことを示す外れ図柄」の一具体例を示している。
これらの50種の第4図柄50は、略矩形の平面形状を備える図形要素51〜55を2行2列に並べた合成図形によって構成されている。つまり、この50種の合成図形を構成するために、図38に示すように、何れも略矩形状の平面形状を備えるが、色彩のみが異なる5つの図形要素51〜55が用意されている。そして、選択される図形要素51〜55と、選択される図形要素の配列のうちの少なくとも一方が異なるようにすることで、相紛らわしい、50種の合成図形が構成されている。即ち、50種の第4図柄50は何れも、平面形状が同一で、しかも、数が50種と多く、「当り第4図柄」と「外れ第4図柄」との区別が困難である。更に、第4図柄50が変動表示装置27の表示部271の周縁部に表示されると共に、第4図柄50が小サイズであるため、遊技者は、この第4図柄50を認識困難である。
尚、本実施例においては、図形要素51〜55が5種であるが、個々の合成図形を構成する図形要素の数は4つである。つまり、5種の図形要素によって計120通り(順列;5P4通り)の合成図形を構成することが可能であるが、このうちの50個を、第4図柄50として利用している。
図17に戻り、S510において、特別図柄当否判定結果メモリ481i(図16参照)から図12〜図15に示す当否判定ジョブで得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。具体的には、大当り判定(「1」)の場合は(S520:YES)、S800に進み、大当り表示ジョブを行う。この大当り表示ジョブでは、図18に示すように、S805に進み、上述したリーチ態様決定乱数値に対応するリーチ態様決定用値メモリ481mに記憶されているリーチ態様決定用値を読み出し、さらにS810に進み、大当り番号(識別情報決定用値)を、図21に示すROM482内の大当り番号メモリ(決定用値記憶手段)482aから読み出し、S813に進んで、例えば左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示を行う。
次いで、S815に進んで、特定のリーチ表示であるか否かが判断され、特定のリーチ表示でない場合(S815;NO)には、S817で、中図柄を左図柄及び右図柄と同一図柄に揃えて停止表示させ確定させる(通常の大当り表示である。)。そして、S818で、「確変フラグ」が設定されているか否かを判断し、設定されている場合(S818;YES)には、前述の当り第4図柄決定乱数値に対応する「当り第4図柄」を確定表示(停止表示)する(S840)。一方、「確変フラグ」が設定されていない場合(「非確変フラグ」が設定されている場合)(S818;NO)には、前述の外れ第4図柄決定乱数値に対応する「外れ第4図柄」を確定表示(停止表示)する(S841)。
これに対して、特定のリーチ表示の場合(S815;YES)には、「大当り演出ジョブ(S850)」に移行する。尚、この「大当り演出ジョブ(S850)」の詳細については後述する。
外れリーチ判定(「2」)の場合は(S530:YES)、S900に進み、外れリーチ表示ジョブを行う。即ち、図19に示すように、上述した外れリーチ図柄番号メモリ481l(図16参照)から外れリーチ図柄番号と、外れ中図柄番号メモリ481g(図16参照)から外れ中図柄番号とを読み出す(S905)。そして、S910において、読み出した外れリーチ図柄番号と外れ中図柄番号とを比較し、それらの差異に基づき外れリーチ態様を決定する(S915)。具体的には、S915において、それらの番号の差(すなわち、例えば左図柄と中図柄との差)を算出し、その差に基づいて外れリーチ態様メモリ481mから外れリーチ態様データを読み出す。例えば、差が「−1」の場合(すなわち、例えば中図柄が左図柄の1つ前の図柄となる場合)、複数種類(例えば3種類)の外れスーパーリーチの中から1種が選択され(例えば、所定の乱数取得により選択することができる)、読み出される。その後、S918において、例えば、左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示を行う。
次いで、S920に進んで、特定のリーチ表示であるか否かが判断され、特定のリーチ表示でない場合(S920;NO)には、例えば、左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、中図柄を他の図柄とは異なる図柄で停止表示させ確定させる(S925)。そして、前述の外れ第4図柄決定乱数値に対応する「外れ第4図柄」を確定表示(停止表示)する(S928)。
これに対して、特定のリーチ表示の場合(S920;YES)には、「外れリーチ演出ジョブ(S950)」に移行する。尚、この「外れリーチ演出ジョブ(S950)」の詳細についても、後述する。
尚、本実施例では、特定のリーチ表示として、左図柄及び右図柄が「7」で揃えられる場合を例示するが、この特定のリーチ表示の態様はこれに限定されない。また、本各発明においては、1種類の「特定のリーチ表示」が選択されたときのみに、「大当り演出ジョブ(S850)」や「外れリーチ演出ジョブ(S950)」を行うが、複数種類の「特定のリーチ表示」の選択に伴って「大当り演出ジョブ(S850)」や「外れリーチ演出ジョブ(S950)」を行ったり、リーチの態様に関わらず、一律に「大当り演出ジョブ(S850)」や「外れリーチ演出ジョブ(S950)」を行ってもよい。
通常外れ判定(「3」)の場合は(S540)、S550に進み、外れ各図柄番号を外れ番号メモリ481e、481f、481g(図16参照)からそれぞれ読み出し、S560に進んで、各特別図柄を(例えば、左図柄、右図柄及び中図柄)、相互にずれたタイミングで停止表示させ確定させる。そして、前述の外れ第4図柄決定乱数値に対応する「外れ第4図柄」を確定表示(停止表示)する(S564)。
なお、通常外れ判定の場合も、表示態様を「すべり表示」等により種々の態様に変化させることも可能で、この場合、その表示態様画像データを上記リーチ態様決定乱数値と対応付けて通常外れ表示態様決定用値として、主制御部140のRAM481(図21参照)の通常外れ表示態様決定用値メモリ(図示略)に記憶しておき、読み込んだリーチ態様決定乱数値と通常外れ表示態様決定用値とを比較することで表示する通常外れ態様を決定するものとしてもよい。
(3)演出ジョブの説明
次に、特別図柄メインジョブ中で行われる「大当り演出ジョブ(S850)」及び「外れリーチ演出ジョブ(S950)」等について説明する。但し、本実施例では、理解を容易にするために、先ず初めに、液晶表示装置27が表示する図柄の動きを中心に、演出ジョブの概要を説明し、次いで、特別遊技関連処理に関する説明を行う。
(3)−1.演出ジョブの概要
図22〜26は、液晶表示装置27の表示部271を示している。このうち、図22、図23(a)及び図26は、第1表示態様Tを表示する表示画面を示しており、図23(b)、図24、図25及び図27は、第2表示態様Vを表示する表示画面を示している。
図22(a)に示すように、液晶表示装置27は、第1表示態様Tにおいて、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域811と、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域812と、右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域813とが、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成されている。即ち、本液晶表示装置27においては、図22(b)に示すように、各特別図柄表示領域811、812、813毎に、特別図柄(識別情報であって、数字や魚介類のキャラクター等を例示できる。)を次々と変動(例えば、スクロール変動)させながら表示した後、停止表示する特別図柄表示領域(表示領域)811〜813によって、この第1表示態様Tを構成する。尚、表示画面272の周囲には、複数のランプを配置してもよい。そして、これらのランプRのうちで、第1表示態様Vにおいてただ1つ存在する入賞ラインの両脇に配置されるランプRを、リーチ表示に伴って点滅させてもよい。また、このリーチ表示が大当り表示となった場合には、この点滅しているランプRが点灯させてもよい。
図23(a)に示すように、特定のリーチ表示がなされると、液晶表示装置27の主表示部位272には、第1表示態様Tに代わって、図23(b)に示すような「第2表示態様V」が表示される。ここで、本実施例では、図27(a)〜(c)に示すように、異なるパターンの第2表示態様Vが3つ用意されている。そして、これらの第2表示態様Vのうちの1つが、後述する処理によって選択され、主表示部位272に表示される。尚、図示の便宜上、図27(a)〜(c)においては、図23(b)に比べて、識別情報等を簡略化して図示している。また、本実施例では、3種類の第2表示態様Vを用意するが、この第2表示態様Vの数は特に問わない。尚、図23(b)と、図27(c)は、同一物を示している。
ここで、図27(a)〜(c)を参照しながら、各第2表示態様Vの表示内容について説明する。何れの第2表示態様Vも、縦横3列ずつ合計9個のマス目が格子状に並んだ図柄となっており、マス目の所定位置(本実施例では、右下の隅を例示する。)に「NG」と表示されている。そして、各第2表示態様Vは、この「NG」のマス目によって、識別情報を表示することが禁止された表示禁止領域901を構成し、残りの8つのマス目によって、各々、識別情報(特別図柄)を変動表示可能な表示領域911〜918を構成している。尚、第2表示態様Vが備える表示領域の数は種々選択できる。
図27(a)に示す第2表示態様V(以下、パターン1という。)は、何れの表示領域911〜918にも、前述のリーチ表示の左右図柄と同一の識別情報、即ち、予表示識別情報920が表示されないパターンを示している。また、図27(b)に示す第2表示態様V(以下、パターン2という。)は、1つの表示領域910(本実施例では、上段左側の表示領域911を例示するが、これに限定されない。)だけに、予表示識別情報920が表示されている。更に、図27(c)に示す第2表示態様V(以下、パターン3という。)は、横方向に並ぶ2つの表示領域911、912(本実施例では、上段左側、上段中央の表示領域を例示するが、これに限定されない。)だけに、予表示識別情報920が表示されている。尚、図23(b)に示す(図27では図示を省略)ように、予表示識別情報920が表示されていない表示領域では、識別情報の変動表示がなされている。
この図23(b)や図27に示す第2表示態様Vには、図24及び図25(a)に示すように、遊技者を更に楽しませるための「過渡的な画面表示」がなされる。そして、この過渡的な画面表示の後に、図25(b)に示すように、第1表示態様Tのうちの変動を停止した識別情報(即ち、停止識別情報)820が、第2表示態様Vの所定の表示領域に表示される。
この過渡的な画面表示としては、図24及び図25に示すように、第1表示態様Tの「停止識別情報820」を、クレーンKによって、第2表示態様Vの何れかの表示領域911〜918に搬送する態様を例示できる。即ち、第2表示態様Vにおいて、図24(a)に示すように、「停止識別情報」をアームで保持するクレーンKは、図24(b)に示すように、クレーンKの軸心を中心に反転する。そして、図25(a)に示すように、クレーンKは、第2表示態様Vの所定の表示領域911〜918に移動した後に、この表示領域911〜918に向かって「停止識別情報820」を放り投げる動作を行う。こうした過渡的な表示を行った後、第2表示態様Vの所定の表示領域に「停止識別情報820」が表示される。尚、この過渡的な画面表示の態様は、本実施例に示すものに限定されないし、本各発明においては、この過渡的な画面表示を必ずしも行う必要はない。
本実施例では、図28(a)〜(f)に示すように、第2表示態様Vの何れの表示領域911〜918に停止識別情報820を表示するかについて、予め、6通りのパターンが用意されている。そして、演出ジョブ(S850、若しくは、S950)を行う度に、選択手段(主制御部140、若しくは特別図柄制御部160等によって構成することができる。)が、この6通りのパターンから1つのパターンを選択し、停止識別情報の第2表示態様Vへの表示を行う。尚、このパターン数は、本実施例の6通りに限定されない。
ここで、6通りのパターンについて説明する。先ず、図28(a)のパターンAは、停止識別情報820が表示される表示領域として、第2表示態様Vの上段左側の表示領域911と、上段中央の表示領域912とを選択するパターンを示している。また、図28(b)のパターンBは、上段中央表示領域912と上段右側の表示領域913とを選択するパターンを示し、図28(c)のパターンCは、中段左側の表示領域914と中段中央の表示領域915とを選択するパターンを示している。更に、図28(d)のパターンDは、中段中央の表示領域915と中段右側の表示領域916とを選択するパターンを示し、図28(e)のパターンEは、下段右側の表示領域917と下段中央の表示領域918とを選択するパターンを示している。更に、図28(f)のパターンFは、下段中央の表示領域918と、下段右側の表示禁止領域(NG)901とを選択しようとしたため、結果的に、下段中央の表示領域918のみに停止識別情報820が表示される態様を示している。尚、表示禁止領域(NG)901の詳細については後述する。
尚、図28では、停止識別情報820の表示パターンとして、横方向に隣接した2つのマス目に表示するパターンを例示するが、縦方向や斜め方向に隣接した2つのマス目に表示するパターン、あるいは縦横斜めいずれの方向においても1マスおいて、2つのマス目に表示するパターン等を選択することもできる。
このように、本実施例では、第2表示態様Vとして3通りのパターンが用意され、停止識別情報820の表示領域として6通りのパターンが用意されている。このため、停止識別情報820の表示がなされた第2表示態様Vとしては、図29に示す「18通り」の態様が選択されることになる。例えば、パターン1と、パターンAが組み合わされて図29(a)に示す図柄が表示される。同様にして、パターン1とパターンBとが組み合わされた場合には図29(b)に示す図柄が表示される。以下、パターン1に対し、パターンC〜Fが各々組み合わされることにより、図29(c)乃至図29(f)の各図柄が表示されることになる。また、パターン2と、パターンA〜Fが各々組み合わされて、図29(g)乃至図25(l)の各図柄が表示されることになる。更に、パターン3と、パターンC〜Fが各々組み合わされることにより、図29(m)乃至図25(r)の各図柄が表示されることになる。尚、図29(h)や(n)に示すように、この段階で大当り表示がなされることがある。
尚、図柄「NG」は、前述のように、識別情報を表示することが禁止された表示禁止領域901を構成する。本実施例では、このようにマス目の所定位置に図柄「NG」を表示させることで、遊技者にスリルを感じさせることが可能となり、遊興効果を増大させることが可能である。例えば、パターン1と、パターンFとを組み合わせると、第1表示態様Tで表示された2つの同一識別情報(「7」、「7」)のうちの一方が、図柄「NG」上に表示されようとする。このため、この一方の識別情報(「7」)は無効となり、第2表示態様Vにおいては表示されない{図29(f)}。このため、遊技者としては、第1表示態様Tで存在していた「リーチ表示」が、第2表示態様Vにおいて消滅したような印象、即ち、第1表示態様Tで存在していた「大当り」の可能性が、第2表示態様Vにおいて消滅したような印象を受ける。つまり、本実施例では、第1表示態様Tから第2表示態様Vに移行することによって、入賞ラインが同一、若しくは、増加させるばかりではなく、減少する可能性も存在するため、遊技者にとっては、スリリングな印象を与えることができる。
また、この第2表示態様Vにおいては、停止識別情報820が表示された表示領域と、既に予表示識別情報920が表示されている表示領域と、を除く表示領域において、図柄変動(例えば、スクロール表示等)が継続している。このように表示させることにより、あたかも大当りの確率が変動したかのような演出が可能となっている。特に、図25(b)においては、縦横に並ぶ4つの表示領域911、912、914、915、即ち、上段左側と上段中央と中段左側と中段中央の4つの表示領域911、912、914、915には、同一の識別情報が表示されている。そして、4つの表示領域911、912、914、915を除く、他の4つの表示領域913、916〜918はスクロール表示されている。よって、これらの他の4つの表示領域913、916〜918の何れかが、4つの表示領域911、912、914、915の識別情報(本実施例では、図柄「7」)で止まれば大当り状態となる。つまり、図23(a)に示す第1表示態様Tにおける「リーチ表示状態」では、中央の図柄が「7」で止まらない限り大当り状態とならないところを、図25(b)においては、他の4つの表示領域913、916〜918の何れかが、所定の図柄(本実施例では、「7」)で止まれば大当り状態となる。よって、あたかも大当り確率が4倍となっているかのように演出することが可能である。
また、停止識別情報820を表示した「第2表示態様V」では、図29に示した何れの状態を取ることも可能であり、それぞれの表示状態に応じて、演出上の大当り確率が異なっている。このため遊技者は、リーチ表示を経ていずれの変動表示図柄が表示されるかを期待する効果が生まれ、更なる遊興効果を得ることができる。加えて、図29(e)、(f)、(l)のいずれかの図柄が表示された場合は、残りのマス目がスクロール状態の後、いかなる図柄で止まった場合でも大当り状態となることはない。結局、この場合は大当り確率のあるリーチ表示から、逆に大当り確率を失うことになる。つまり、遊技者にこうしたスリルを感じさせることが可能となり、この点でも遊興効果を増大させることが可能である。
更に、本実施例では、過渡的な表示を行っている。即ち、本実施例では、第1表示態様Vでのリーチ表示に続いて、図27(a)〜(c)の何れかの態様、図29の(a)〜(r)の何れかの態様の順に切り換わる。そして、図29のいずれの図柄に切り換わるかによって、演出上の大当り確率は大きく変動することから、遊技者は、大当り確率のできるだけ大きな図柄に切り換わることを願うものである。これに対し、本実施例では、クレーンKを用いた過渡的な表示を行う。そして、クレーンKがどの領域(表示領域、表示禁止領域)に、停止識別情報820を搬送するかによって、入賞ライン数が、0〜4の間で変動する。即ち、遊技者は、例えば、はらはらしながら、クレーンKの移動を注視するため、より一層大きな興遊効果を得ることが可能となる。
停止識別情報820を表示した「第2表示態様V」において、図柄変動(例えば、スクロール表示等)を停止すると、第2表示態様Vが再び、第1表示態様Cに戻される前に、図41(a)に示すように、疑似抽選態様Wに移行する。この疑似抽選態様Wでは、魚(マンボウ)の図形900が表示されている。この魚(マンボウ)の図形900は、頭部901と、胴体部902と、尾ヒレ部903とを備えている。また、胴体部902には、9つの略棒状のメータ部902a〜902iが表示され、尾ヒレ部903に略円形のメータ部903aとスタートボタン903bとが表示される。
疑似抽選態様Wに移行すると、図41(a)に示すように、全てのメータ部902a〜902i、903aの表示態様を暗くし、あたかも、全てのメータ部902a〜902i、903aが消灯したような状態とされる。このとき、疑似抽選に係る抽選項目(確変)を報知するために、頭部901に「確変の文字」の表示を出現させる。次いで、所定のキャラクター(例えば、前述のクレーンKや、かに)が出現し、このキャラクターがスタートボタン903bを「たたく」動作を表示した後に、図41(b)に示すように、全てのメータ部902a〜902i、メータ部903aの表示状態を明るくし、あたかも、全てのメータ部902a〜902i、903aが点灯したような状態とされる。尚、図41〜図44において、図示の便宜上、メータ部902a〜902i、903aに「ハッチング」を施した場合は、表示状態を明るくした場合を示し、このメータ部902a〜902i、903aに「ハッチング」を施さない場合は、表示状態を暗くした場合を示している。
そして、疑似抽選態の結果が当選である場合には、図41(b)に示す状態を所定時間(例えば、5秒間)維持する。一方、疑似抽選の結果が落選である場合には、図42に示すように、尾ヒレ部903のメータ部903aと、胴体部902の最後部のメータ部902aとを除く、他のメータ部902b〜902iの表示状態を暗くすると共に、「確変の文字」を消滅させる。
尚、胴体部902のメータ部902a〜902iにおいて、頭部901寄りの4つメータ部902f〜902iには、「おまけ100回」なる文字が重ねて表示され、尾ヒレ部903寄りの5つのメータ部902a〜902eには、「おまけなし」なる文字が重ねて表示されている(図示を省略)。この「おまけ100回」とは、確変抽選に当選した「おまけ」に、確変が終了した後に、特別図柄及び普通図柄の変動時間を短くし、第一種始動口17の開放時間が延長される「時短」を特別図柄の変動回数が「100回」になるまで行うことを示している。また、「おまけなし」なる文字は、確変抽選に落選し、かつ「おまけ」、即ち、「時短」を獲得できなかったことを示す。つまり、本疑似抽選では、当選すると、「確変の文字」を表示させるとともに「おまけ100回」なる文字の表示状態が明るくなり、「確変」と「時短100回」を獲得したことを表示する。一方、本疑似抽選では、落選すると、「確変の文字」を消滅させるとともに「おまけ100回」なる文字の表示状態が暗くなり、「確変」と「時短」を獲得できなかったことを表示する。
この疑似抽選を終了すると、第1表示態様Cに戻される。このとき、第1表示態様Tにおいて、図26に示すような「特別遊技を実行する旨の表示(大当り表示)」等がなされる(図26参照)。次いで、第4図柄の停止が行われ、確変抽選に落選した場合には必要に応じて時短抽選態様Xが行われる。また、当該「大当り演出ジョブ」に係る特別遊技の終了後に、所定の条件の下、再度の疑似抽選(再疑似抽選)がなされる。この再度の疑似抽選(再疑似抽選)は、前述の図41及び図42に示す「疑似抽選」と同様な態様で行われる。
確変抽選に落選した場合の時短抽選態様Xにおいても、図43及び図44に示すように、疑似抽選態様Wと同様な魚(マンボウ)の図形900が表示される。この時短抽選態様Xに移行すると、図43(a)に示すように、全てのメータ部902a〜902i、903aの表示態様を暗くし、あたかも、全てのメータ部902a〜902i、903aが消灯したような状態とされる。但し、疑似抽選態様Wとは異なり、頭部901には「確変の文字」の表示が出現しない。次いで、所定のキャラクター(例えば、前述のクレーンKや、かに)が出現し、このキャクターがスタートボタン903bを「たたく」動作を表示した後に、図43(b)に示すように、胴体部902における頭部901寄りの4つメータ部902f〜902iの表示状態を明るされ、「おまけ100回」なる文字が明るく表示される(図示を省略)。これにより、遊技者が時短抽選(本抽選である。)に当選し、「100回」の時短を獲得したことを示す。
この時短抽選に関する当選表示を複数通り行い、その表示態様によって異なる回数の時短を付与してもよい。例えば、点灯表示されるメータ部902f〜902iの数(割合)によって時短回数を表示してもよい。具体的には、図44(a)に示すように、この4つメータ部902f〜902iのうちの2つのみの表示状態を明るくし、「おまけ100回」なる文字の半分を明るく表示すると、「50回」の時短を獲得したことを示すこととしてもよい。
一方、図44(b)に示すように、胴体部902のメータ部902a〜902iにおいて、尾ヒレ部9031寄りの5つメータ部902a〜902eと、尾ヒレ部903のメータ部902aの表示状態が明るされ、「おまけ100回」なる文字が暗く表示されると、時短抽選に落選し、時短を獲得できなかったこと示す。
(3)−2.演出ジョブを行うための処理方法(制御方法)
次に、「大当り演出ジョブ(S850)」及び「外れリーチ演出ジョブ(S950)を行うための処理方法(制御方法)の一具体例を述べる。
図30は、大当り表示ジョブの流れを示すフローチャートである。このジョブを開始すると先ず初めに、演出態様決定用カウンタ481n(図16参照)の値を読み込み、この値を、演出態様決定用値メモリ481w(図16参照)に記憶する(S852)。尚、この演出態様決定用カウンタ481w(図16参照)の値を読み込むタイミングとしては、第1表示態様Tにおいて、「特定のリーチ態様」が選択されたときを例示できる。
次いで、演出態様決定用値メモリ481nに記憶されている演出態様決定用カウンタ481wの値を読み出した後に、この値に基づいて第2表示態様Vを、選択する処理を行う(S854)。即ち、図27に示したように、第2表示態様Vとしては、3つのパターンが用意されているので、この内の何れかを選択する。ここで、演出態様決定用カウンタ481wの値の利用方法の一具体例を、図34(a)を用いて説明する。例えば、演出態様決定用カウンタ481wの値が、「0から255」の範囲で、1カウントずつ更新されるとする。このとき、百の位の数字に着目すれば、「0」、「1」、「2」のいずれかの数字となっている。そこで、例えば、数字が「0」であれば、パターン1、数字が「1」であればパターン2、数字が「2」であればパターン3と、予め決めれば、第2表示態様Vを選択することができる。
次に、選択された第2表示態様Vに、過渡画面を表示させた後(S856)、再び、演出態様決定用カウンタ481wを用いて、停止識別情報820の表示領域を選択する(S858)。この選択は、例えば、図34(a)に示すように、演出態様決定用カウンタ481wの値の十の位の数字に基づいて選択することができる。例えば、演出態様決定用カウンタ481wの値の十の位の数字が、仮に「2」であれば、先頭から2番目のタイプである「パターンB」を選択する。また、演出態様決定用カウンタ481wの値の十の位の数字が、仮に「8」であれば、折り返して先頭から8番目のパターンである「パターンD」を選択する。更に、演出態様決定用カウンタ481wの値の十の位の数字が、仮に「0」であれば、折り返して先頭から10番目のパターンである「パターンB」を選択する。その結果、第2表示態様V表示内容として、図29(a)乃至(r)の何れかが選択される。
続いて、第2表示態様Vが、この段階で、既に、大当り表示を行っているか否かが判断され(S873)、大当り表示を行っている場合(S860;YES)には、S872にスキップし、第2表示態様Vが疑似抽選態様Wに移行する。尚、図29(h)及び(n)の態様の場合に、この処理がなされる。
一方、大当り表示を行っていない場合(S860;YES)には、大当りのあり得ない組み合わせとなっていないかどうかを判断する(S862)。尚、このフローチャートや、後述する各図における括弧書において、括弧内の句点の前方の数字が、第2表示態様Vのパターンを示し、括弧内の句点の後方のアルファベットが、停止識別情報820の表示領域を示している。例えば、パターン1と、パターンEの組み合わせを、(1,E)と表示することにする。
ここで、組合せ(1,E)、組合せ(2,F)、若しくは、組合せ(2,F)の場合には{図29の(e)、(f)、(i)を参照}となった場合は、大当りは起こり得ない。よって、S875において、組合せ(1,E)、組合せ(2,F)、組合せ(2,F)のうちの何れかであると判断されると(S862;YES)、組合せ(2,C)等の大当りが起こり得るものに変更する(S864)。この結果、第2表示態様Vに表示される図柄が決定されたことになる。
続いて、大当りさせるためには、リーチ表示の図柄(ここでは図柄「7」)を、どの位置の表示領域(マス目)に表示させればよいかを検索する(S866)。この検索は、例えば、第2表示態様Vのパターンと、停止識別情報820の表示領域のパターンとの組合せに応じて、どの位置の表示領域(マス目)間が大当りになり得るかを示した変換表を参照することによって行うことができる。
図34(c)は、かかる変換表を示した説明図である。以下、図34(c)を参照しながら具体的に説明する。図34(c)の最上段の列に示されているのは第2表示態様Vのパターンであり、図の左側の列に示されているのは停止識別情報820の表示領域のパターンである。例えば、パターン1の第2表示態様Vと、パターンAの停止識別情報820の表示領域の組合の場合にには、大当り表示領域(マス目)の番号が「3」が記憶されている。これは、図34(c)に示すように、第2表示態様Vの左上隅から数えて3番目の表示領域(マス目)が、大当りマス目となっていることを意味している。尚、図34(b)は、説明を簡略化するために、第2表示態様Vの各表示領域を示す符号の「下一桁」を示すものである。そして、図34(c)には、この図34(b)の「下一桁」の数字が表示してある。以下の説明において、第2表示態様Vの各表示領域をこの「下一桁」の数字で示すことがある。
確かに、図28(a)を見れば、組合せ(1,A)の場合は、左上隅から数えて3番目すなわち上段の右端の表示領域(マス目)が大当りのマス目となっている。同様に、パターン2と、パターンCの場合には、変換表には、「6」および「7」が記憶されている。これは、組合せ(2,C)の場合には、中段右側のマス目(マス目番号「6」)と下段左側のマス目(マス目番号「7」)とが大当りのマス目であることを示している。また、変換表の組合せ(2,B)および組合せ(3,B)に対応する位置には、マス目番号「!」が記憶されている。これは、スクロール表示をするまでもなく、第2段階の表示内容で既に大当りとなっていることを意味している。実際にこれらの組合せでは、それぞれ25(h)および図25(n)に示すように大当りが確定状態となっている。また、変換表の組合せ(1,E)および、組合せ(1,F)、組合せ(2,F)に対応する位置には、マス目番号「0」が記憶されている。これは、大当りとなるマス目が存在しないことを意味している。実際に、これらの組合せでは、図25(e)、(f)、4(l)に示すように、実質的にはリーチ状態では無くなっている。
図30に戻り、「大当り演出ジョブ(S850)」では、S856乃至S864において選択した「第2表示態様Vのパターンと、停止識別情報の表示領域のパターン」の図柄の組合せについて、以上のようにして当り位置を検索することができる(S885)。次いで、検索した当り位置の中から、大当りさせる表示領域(マス目)を選択する(S868)。この選択も、例えば、演出態様決定用カウンタ481wの値の一の位の数字に基づいて行うことができる。具体的には、図34(b)に示す組合せが(3,C)であったとする。この場合は、大当りの領域(マス目)の位置は、「3」、「6」、「7」、「8」のいずれかである。そこで、演出態様決定用カウンタ481uの値の一の位の数字が、仮に「2」であれば、先頭から2番目の数字である「6」を選択し、この一の位の数字が「4」であれば、先頭から4番目の数字である「8」を選択する。また、演出態様決定用カウンタ481wの値の一の位の数字が「7」であれば、折り返して先頭から7番目の数字である「7」を選択する。
こうして大当りさせる表示領域(マス目)の位置を選択したら、選択した表示領域(マス目)の位置に、リーチ表示の識別情報(図柄)を表示させて大当り状態とする(S870)。尚、他のマス目には、他の図柄を適宜選択して表示させる。
次いで、図31に示すように、第2表示態様Vを、疑似抽選表示態様Wに切り換え、疑似抽選(疑似確変表示)を行う(S872)。尚、このS872が、「第の特典を遊技者に与えるか否かを疑似抽選すること」の一具体例を示している。この疑似抽選の結果が落選である場合(S877;YES)には、そのまま疑似抽選(疑似確変表示)の結果を主表示部位271に表示する(S883)。一方、疑似抽選の結果が落選でない場合(S877;NO)には、確変フラグが設定されているか否かを判断する(S880)。
そして、確変フラグが設定されている場合には、そのまま疑似抽選(疑似確変表示)の結果を主表示部位271に表示し{S883、図44(b)参照}、確変フラグが設定されていない場合には、疑似抽選(疑似確変表示)の結果、即ち、「当選を示す結果」を「落選を示す結果」に入れ換えた後(S881)、この「落選を示す結果を、主表示部位271に表示する(S883)。尚、S880、S881は前述の「更正手段」の一態様を構成する。
本実施例では、S881によって、主制御部140の確変に関する本抽選の結果を維持できる。しかも、後述する再抽選で降格的な表示を行わないため、遊技者を落胆させることを防止できる。但し、S880、S881等の「更正手段」を省略し、遊技上のスリルを高めることもできる。
以上の如く、S883によって、疑似抽選(疑似確変表示)の結果(図42参照)、若しくはS881で入れ換えた「落選を示す結果(図42参照)」を、主表示部位271に表示した後、疑似抽選表示態様Wを、第1表示態様Tに切り換え、大当り表示を行う(S885)。次いで、図32に示すように、S887で、「確変フラグ」が設定されているか否かを判断し、設定されている場合(S887;YES)には、前述の当り第4図柄決定乱数値に対応する「当り第4図柄」を確定表示(停止表示)する(S897)。
次いで、S898において、S897における第4図柄の表示結果と、S883における疑似抽選の表示結果が一致するか否かを判断し、一致する場合(S898;YES、つまり両表示結果が「当選」の場合)には処理を終了する。一方、、一致しない場合(S898;NOで、第4図柄の表示結果が「当選」、つまり疑似抽選の表示結果が「落選」の場合)には、「確変再抽選フラグ」を設定(S899)した後、処理を終了する。尚、S898によって「判断手段」の一具体例が構成される。
S887で、「確変フラグ」が設定されていないと判断されると(S887;NO)には、前述の外れ第4図柄決定乱数値に対応する「外れ第4図柄」を確定表示(停止表示)する(S891)。次いで、時短抽選態様X{図43(a)参照}に移行し、時短抽選表示を開始し(S892)、前述の時短抽選の結果が当選であるか否か、即ち、「時短フラグ」が設定されているか否かが判断される(S894)。そして、「時短フラグ」が設定されていると(S894;YES)、時短表示を行い{S901、図43(b)参照})、処理を終了する。一方、前述の時短抽選の結果が落選である場合、即ち、「時短フラグ」が設定されていない(非時短フラグが設定されている場合)(S894;NO)には、時短を行わない旨の表示がなされ{S900、44(b)参照}、処理を終了する。
次に、「外れリーチ演出ジョブ(S950)」について、図33を用いて説明する。この外れリーチ演出ジョブ(S950)においても、前述の「大当り演出ジョブ(S850)」と同様にして、「演出態様決定用カウンタ481w(図16参照)の値を読み込み、記憶する処理(S955)、第2表示態様Vを選択する処理(S960)、第2表示態様Vに過渡画面を表示する処理(S960)、停止識別情報820の表示領域を選択する処理(S970)がこの順に行われる。
但し、この「外れリーチ演出ジョブ(S950)」では、最終的には大当りを回避しなければならないため、S970の次に、以下に示す処理が実行される。即ち、第2表示態様Vのパターンと、停止識別情報820の表示領域のパターンとの組み合わせによって、既に大当りが確定していないか否かを判断する(S975)。即ち、組合せ(2,B)あるいは組合せ(3,B)となっていないかどうかを確認する{図25(h)あるいは図25(n)を参照}。
大当りが確定した組合せとなっている場合には(S975;YES)、大当りが確定していない組合せを(1,C)等に変更する(S980)。そして、このように、第2表示態様Vのパターンと、停止識別情報820の表示領域のパターンとの組み合わせを決定したら、大当りとなってしまう表示領域(マス目)の位置を検索する処理を行う(S985)。かかる検索も、前述の「大当り演出ジョブ(S850)」と同様に、図29(c)に示す参照表に基づいて行うことができる。
ところで、この「外れリーチ演出ジョブ(S950)」では、大当り表示を行うことができないので、これら大当りを行う表示領域(マス目)には、リーチ表示の図柄を表示するわけには行かない。そこで、これらの表示領域(マス目)に表示する図柄を選択する処理を行う(S990)。尚、このS990に示す処理も、例えば、演出態様決定用カウンタ481wの値に基づいて行うことができる。以下、この処理について、図35を参照しながら説明する。
図35は、変動表示(例えば、スクロール表示)されている図柄を順番に並べたものである。この「外れリーチ演出ジョブ(S950)」では、かかる順番の先頭から、演出態様決定用カウンタ481wの値の一の位の数字に相当する図柄を選択する。尚、リーチ表示の図柄「7」を表示させると大当りとなってしまうので、ここでは図柄「7」は外しておく。図35で図柄「7」にだけ括弧( )が付されているのは、図柄「7」は序列から外されていることを示している。
具体例として、演出態様決定用カウンタ481wの値の一の位の数字が「8」である場合を考えると、先頭から8番目の図柄は「マンボウ」である。そこで、S985で検索した表示領域(マス目)には図柄「マンボウ」を表示する。尚、S985で複数の表示領域(マス目)が検索された場合には、先に選択した図柄「マンボウ」から数えて、更に8番目の図柄「5」を選択する(「7」を飛ばしてカウントする。)。このように、S990では、このように、大当りとなるマス目に表示する図柄を選択すれば、大当り表示を行うことを回避できる。
そして、S992において、第2表示態様Vでの外れリーチ表示を行った後に、この第2表示態様Vを第2表示態様Tに戻し、外れリーチ表示を行って(S992)、「外れリーチ演出ジョブ(S950)」を終了する。
(4)特別遊技関連処理
大当り演出ジョブにおいて、液晶表示装置27(図3参照)に、特別遊技を実行する旨の確定表示(大当り表示であって、S885を参照)がなされた後の処理について、図36及び図37を用いて説明する。
特別遊技が開始されると、連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)し(S1010)、大入賞口311を開放し(S1015)、大入賞口311に遊技球が入賞し易い状態にする。尚、「連続カウンタ」の値は、特別遊技状態における「ラウンド回数」に相当する
大入賞口311の開放状態が所定時間t1(例えば30秒)を経過したとき(S1020;YES)、若しくは、入賞数が所定数n1に到したとき(S1030;YES)に、終了条件が成立し、開閉板312を閉鎖して大入賞口311が閉鎖状態とされ(S1040)、1つのラウンドを終了する。尚、所定時間t1が経過しておらず(S1020;NO)、しかも、入賞数が所定数n1に到達していないとき、(S1030;NO)には、大入賞口311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数n1に到達したか否か」は、入賞球検知スイッチ318(図5参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検知されたか否かにより判断することができる。
S1040によって大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間t2(例えば0.5秒)が経過した後に、所定の継続条件が成立していれば(S1045;YES)、連続カウンタの値を「+1」し(S1050)、継続条件が成立していなければ(S1045;NO)、特別遊技を終了する(S1060)。尚、「継続条件」としては、「大入賞口311に入賞した遊技球が、図示しない特定領域を通過したこと」を例示できる。
所定の継続条件が成立し(S1045;YES)、連続カウンタの値を「+1」した(S1050)場合には、特別遊技の終了条件を満たすか否かが判断される。例えば、連続カウンタの値が所定回数(例えば、16回)に到達したか否かが判断され(S1055)、所定回数に達すると(S1055;YES)、終了条件が成立し、特別遊技を終了する(S1060)。一方、所定回数に到達しないと(S1055;NO)と、再び大入賞口311(開閉板312)が開放状態となり、大入賞装置31が遊技球受入状態となる。なお、このような終了条件までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では16ラウンド)まで繰り返し継続される。また、終了条件成立時に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
そして、S1060で特別遊技を終了した後に、「確変再抽選フラグ」が設定されているか否かが判断され(S1065)、設定されていなければ(S1065;NO)、そのまま処理を終了する。一方、「確変再抽選フラグ」が設定されていれば(S1065;YES)、「確変再抽選ジョブ(S1100)」を実行した後に処理を終了する。尚、「確変再抽選ジョブ(S1100)」は、再度の疑似抽選の一具体例を示す。
確変再抽選ジョブ(S1100)では、S1105において、回数カウンタPを初期化(本実施例では「1」にする。)した後、再抽選(再度の疑似抽選)を実行し(S1110)、この再抽選の結果を表示した後(S1115)、この再抽選の結果の表示が第4図柄の表示結果と一致するか否か(即ち、再抽選の結果が、当選に関する表示であるか否か)が判断され(S1120)、一致していれば(S1120;YES)処理を終了する。
一方、再抽選の結果の表示が第4図柄の表示結果と一致しない場合(即ち、再抽選の結果が落選の場合)、回数カウンタPの値が3以下である場合(S1140;NO)には、Pを1インクリメントし(S1141)、S1110で再度の再抽選を実行した後、この再度の再抽選の結果を表示する(S1115)。この後、この再度の再抽選の結果の表示が第4図柄の表示結果と一致すると(S1120;YES)、処理を終了し、一致しなければ、再び、S1140に移行する。但し、S1140において、回数カウンタPの値が3以上と判断されると(S1140;YES)、S1145に進み、強制的な確変表示を行って処理を終了する。この「強制的な確変表示」とは、再抽選の結果にかかわらず、第4図柄の表示結果と一致する表示(確変表示)を行うことをいう。
即ち、S1110において2回の再抽選を行い、S1120において表示が一致しない旨の判定を2回連続で行っても、S1120において3回目の判定を経た後に、S1120の判定結果に関わらず、第4図柄の表示結果と一致する表示(確変表示)が行われる。つまり、確変再抽選ジョブに移行すると、必ず、確変表示が実行される。換言すると、この確変再抽選ジョブは単なる表示上(演出上)のものであり、「主制御部140」で決定された「確変を行うか否かの抽選結果」に何らの変更を及ぼすものではない。
このように、「確変を行うか否かの抽選結果」が表示される場合には、上記特別遊技状態終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜5倍に向上する。
本遊技機では、確変に関する本抽選の結果と、確変に関する疑似抽選の結果が可変表示装置27に表示されると共に、前者が後者よりも認識困難となる。そして、本抽選の結果と疑似抽選の結果とが、一致しない場合には、再び疑似抽選がなされ、その結果が可変表示装置27に表示される。つまり、本遊技機では、本抽選の結果をじらしつつ、遊技者に報知(表示)できると共に、遊技者は、種々の想像を働かせながら、本抽選の結果を予想できる。例えば、遊技者は、より認識困難な第1の識別情報(第4図柄50)を、想像を働かせつつ観察すると共に認識容易な疑似抽選の結果を得る(図41及び図42参照)。ところが、この疑似抽選は、あくまでも、演出のためになされたものであり、遊技者は、この疑似抽選の結果が正しいか否かを想像することが必要となる。しかも、必要に応じて再抽選の結果が表示される。即ち、遊技者は、遊技に際して度重なる思考を施すことが必要であるばかりか、必要に応じて行われた再抽選の結果によって意表をつかれる。従って、本遊技機によると、娯楽性が増大し、遊技者の興趣を十分に高めると共に、この高められた興趣を継続できる。
また、本遊技機では、「特別遊技に係る特典を遊技者に与える旨の抽選結果(即ち、大当り表示)」が液晶表示装置(可変表示装置)27に表示される前に、疑似抽選の結果が表示される。即ち、大当り表示がなされる前(例えば、リーチ表示がなされた後、大当り表示がなされる前)には、遊技者は液晶表示装置(可変表示装置)27を緊張感をもって注視する。そして、この緊張したときに、疑似抽選の結果を表示できるため、遊技者により強いインパクトを与えることができる。
更に、本遊技機では、特別遊技(大当り遊技)の開始前に、第1の識別情報(第4図柄50)と、第1回目の疑似抽選の結果に関連する第2の識別情報(図41及び図42参照)とが表示される。つまり、第2の特典が与えられるか否かに関する抽選の結果が、特別遊技の開始前に確定的でない状態で表示される。このため、これから特別遊技を体験する遊技者は、期待感を持って、特別遊技に臨むことができる。更に、再度の疑似抽選の結果を、特別遊技の終了後に液晶表示装置(可変表示装置)27に表示可能であるため、遊技者は特別遊技の終了後に楽しみを残すことができる。また、通常、特別遊技(大当り遊技)の終了後は遊技者の緊張が解かれるはずである。ところが、本遊技では、この時期に再度の疑似抽選の結果が表示されるため、遊技者は特別遊技(大当り遊技)の終了後も、緊張を持続させ、遊技を楽しむことができる。
また、本実施例に係る遊技機1によると、液晶表示装置27が、識別情報の組合せ数が異なる別個の表示態様T、W、B、Xを順次、表示しつつ、有効ライン数を変化させることができるため、遊技者にとって、意外性があり、斬新なものとなる。しかも、ただ漠然と表示態様を切り換えるのではなく、切り換える第2表示態様Vに停止識別情報820を表示するため、第2表示態様Vと、第1表示態様Tとは関連性を有するものとなる。従って、本遊技機1によると、遊技者の興趣を十分に高めると共に、この高められた興趣を継続できる。
また、本遊技機1では、第2表示態様Vの一部に、停止識別情報820と同一の識別情報としての予表示識別情報920が予め表示されている。従って、この第2表示態様Vに、停止識別情報820を表示することに伴って、第2表示態様Vが表示する有効ライン数を増加させたり、第2表示態様Vが一気に当り表示を行うこともできる。よって、娯楽性が増大し、より魅力的で斬新な遊技機1が得られる。更に、本遊技機1では、第2表示態様Vに表示禁止領域901を設けるため、この第2表示態様Vによって表示される表示図柄等が、より一層の意外性を示すことになり、より一層魅力的で斬新な遊技機が得られる。よって、遊技者にとっては、よりスリリングな遊技機1となる。また、本遊技機1では、有効ライン数がゼロになることもあるため、スリルに富んだ遊技機1となる。
B.実施例2
次に、実施例2に係る遊技機について説明する。この実施例2に係る遊技機では、時短に関しても疑似抽選を行うことが異なる点を除き、実施例1の遊技機と同様である。即ち、図45に示すように、液晶表示装置(可変表示装置)27の表示部271に、時短抽選の「本抽選」の結果に関連する識別情報(第5図柄)を表示するための「第5図柄表示部位34」を設けた点と、実施例1において時短に関する本抽選の結果を表示する図柄(図43、図44に示す図柄)を、時短に関する疑似抽選の結果を表示する図柄として用いる点とが、実施例1と異なる。
即ち、実施例2では、(1)図14の代わりに図46、(2)図31の代わりに図47、(3)図32の代わりに図48を用いると共に、(4)図36の一部を図49で修正し、更に、(5)図50を付加した点が、実施例1と異なる。換言すると、「図1〜13、図15〜図30、図33〜図35、図37〜図44」と、「図36の修正を要しない部分」と、これらの図面に関する説明は、実施例2においても、そのまま適用できる(但し、図22等には、第5図柄表示部位34が記載されていない。)。このため、本実施例では、実施例1と相違する部分のみを説明する。
第5図柄表示部位34のサイズや、表示部271の右側縁からの距離は、第4図柄表示部位33と同様である。また、第5図柄表示部位34に表示する識別情報も、第4図柄表示部位33に表示される識別情報と同様である。即ち、当り第5図柄としては、図39に示す合成図形を用い、外れ第5図柄としては、図40に示す合成図形を用いている。
先ず、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、当否判定ジョブにおいては、図46に示すように、S330で時短に関する本抽選の結果が当選であると判断されると(S330;YES)、「時短フラグ」を設定した後(S340)、当り第5図柄決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値(以下、「当り第5図柄決定乱数値」という。)を当り第5図柄決定乱数メモリ(図示を省略)に記憶し(S344、S348)図13のS304に移行する。この当り第5図柄図柄決定乱数値で指定される当り第5図柄は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されている当たり第5図柄図柄画像データに基づいて、液晶表示装置27(図3参照)に、変動表示状態を経た後、確定表示(停止表示)される(図39の何れかの態様)。
一方、S350で時短に関する本抽選の結果が落選であると判断されると(S330;NO)「非確変フラグ」を設定した後(S350)、外れ第5図柄決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値(以下、「外れ第5図柄決定乱数値」という。)を外れ第5図柄決定乱数メモリ(図示を省略)に記憶し(S354、S358)、図13のS304に移行する。この外れ第5図柄決定乱数値で指定される外れ第5図柄は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されている外れ第5図柄図柄画像データに基づいて、液晶表示装置27(図3参照)に、変動表示状態を経た後、確定表示(停止表示)される(図40の何れかの態様)。
実施例2では、確変に関する疑似抽選(疑似確変表示)を行った後に、時短に関する疑似時短抽選を行ってから、疑似抽選表示態様Wを、第1表示態様Tに切り換え、大当り表示を行う(S1885)。また、時短に関する疑似抽選についても、必要に応じて再抽選を行う。
即ち、図47に示すように、確変に関する疑似抽選の結果が表示された後に(S883)に、時短に関する疑似抽選が行われる(S1872)。そして、この疑似時短抽選の結果が落選である場合(S1877;YES)には、そのまま疑似時短抽選(疑似時短表示)の結果を主表示部位271に表示する(S1883)。一方、疑似時短抽選の結果が落選でない場合(S1877;NO)には、時短フラグが設定されているか否かを判断する(S1880)。
そして、S1883によって、「疑似時短抽選(疑似時短表示)の結果」、若しくは「S1881で入れ換えた落選を示す結果」を、主表示部位271に表示した後、疑似抽選表示態様Wを、第1表示態様Tに切り換え、大当り表示を行う(S1885)。
次いで、図48に示すように、実施例1と同様に、「S887、S891」の処理、「S887、S897、S898」の処理、若しくは、「S887、S897、S898、S899」の処理を行った後に、S1894で、「時短フラグ」が設定されているか否かを判断し、設定されている場合(S1894;YES)には、前述の当り第5図柄決定乱数値に対応する「当り第5図柄」を確定表示(停止表示)する(S1897)。
次いで、S1898において、S1897における当り第5図柄の表示内容と、S1883における疑似抽選の表示結果が一致するか否かを判断し、一致する場合(S1898;YES、つまり両表示結果が「当選」の場合)には処理を終了する。一方、一致しない場合(S1898;NO、つまり、第5図柄の表示内容が「当選」、疑似抽選の表示結果が「落選」の場合)には、「時短再抽選フラグ」を設定(S1899)した後、処理を終了する。また、S1894で、「時短フラグ」が設定されていないと判断されると(S1894;NO)には、前述の外れ第5図柄決定乱数値に対応する「外れ第5図柄」を確定表示(停止表示)する(S1895)。尚、S1883の処理は判断手段の一態様を示す。
図36(図49)に示す「特別遊技関連処理」においては、特別遊技を終了し(S1060)、S1065の処理(若しくは、S1065の処理及びS1100の処理)を行った後、図49に示すように、「時短再抽選フラグ」が設定されているか否かが判断され(S1265)、設定されていなければ(S1265;NO)、そのまま処理を終了する。一方、「時短再抽選フラグ」が設定されていれば(S1265;YES)、「時短再抽選ジョブ(S1300)」を実行した後に処理を終了する。尚、「時短再抽選ジョブ(S1300)」は再度の疑似抽選の他の具体例を示す。
時短再抽選ジョブ(S1300)では、図50に示すように、S1305において、回数カウンタQを初期化(本実施例では「1」にする。)した後、再抽選を実行し(S1310)、この再抽選の結果を表示した後(S1315)、この再抽選の結果の表示が第5図柄の表示結果と一致するか否か(即ち、再抽選の結果が、当選に関する表示であるか否か)が判断され(S1320)、一致していれば(S1320;YES)、処理を終了する。
一方、再抽選の結果の表示が第5図柄の表示結果と一致しない場合(即ち、再抽選の結果が落選の場合)には、回数カウンタQの値が3以下である場合(S1340;NO)には、Qを1インクリメントし(S1341)、S1310で再度の再抽選を実行した後、この再度の再抽選の結果を表示する(S1315)。この後、この再度の再抽選の結果の表示が第5図柄の表示結果と一致すると(S1320;YES)、処理を終了し、一致しなければ、再び、S1340に移行する。但し、S1340において、回数カウンタQの値が3以上と判断されると(S1340;YES)、S1345に進み、強制的な時短表示を行って処理を終了する。この「強制的な時短表示」とは、再抽選の結果にかかわらず、第5図柄の表示結果と一致する表示(確変表示)を行うことをいう。
本実施例でも、実施例1と同様な効果が得られる。しかも、本実施例においては、確変に関する抽選のみならず、時短に関する抽選に関しても、本抽選と疑似抽選を行うため、より一層、面白味のある遊技機となる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、実施例1や実施例2では実際の再抽選を行ったが、再抽選の表示がなされた後に、昇格表示(例えば、「確変昇格」、「時短昇格」等)を行って、実際の再抽選を省略してももよい。また、上記複数の実施例では、確率変動機能と図柄変動短縮機能の両方を有する遊技機に本発明を適用したが、確率変動機能と図柄変動短縮機能のいずれか一方を有する遊技機に適用可能なことはいうまでもない。
各本実施例では、図柄「NG」は、第2表示態様Vにおいて、下段の右側の表示領域(マス目)に表示されるものとして説明したが、他の位置に設定することもできる。ただし、「NG」位置が中央の表示領域(マス目)に来ると、大当り確率が大きく減少してしまう。このことから、図柄「NG」は四隅にあるマス目に表示させることが望ましい。また、図柄「NG」を表示させる位置は、固定されている必要もなく、例えば乱数などを用いて、変動表示の度毎に毎回異なるマス目に表示することとしてもよい。
実施例及び変形例を構成する電子制御装置130においては、主制御部140に対して、払出制御部150及び特別図柄制御部160ばかりではなく、音声・ランプ制御部170aをも、信号伝送経路500aによって直に接続してもよい。また、音声・ランプ制御部170aの代わりに、各々別体のランプ制御部及び音声制御部を用いてもよい。この場合には、ランプ制御部や音声制御部を特別図柄制御部160に対し、信号伝送経路500bにより接続してもよいし、ランプ制御部や音声制御部を信号伝送経路500aにより、主制御部140に直に接続してもよい。尚、これらの場合の伝送方向は一方向であっても双方向であってもどちらでも良い。
例えば、図51の変形例に示すように、主制御部140と、音声・ランプ制御部170とを信号伝送経路500bによって接続し、音声・ランプ制御部170と、特別図柄制御部160とを信号伝送経路500cによって接続してもよい。そして、主制御部140から音声・ランプ制御部170へは、一方向形式でデータを伝送し、音声・ランプ制御部170及び特別図柄制御部160間では双方向でのデータの伝送を可能としてもよい。この場合には、音声・ランプ制御部170及び特別図柄制御部160間で、同期を図ることが容易であり、音の発生、ランプの点灯、図柄の表示等を当り図柄の確定やリーチ態様にあわせて正確なタイミングで制御することができる。
また、請求項1乃至請求項10の何れかの発明が、以下の特徴を有していてもよい。即ち、(1)可変表示装置を制御する制御部と、(2)可変表示装置の表示部に表示される図柄の組合せのうちの予め定められたものが表示された場合に作動する条件装置と、(3)制御部の制御により、大当り確率の変動回数、前記表示部に表示される図柄の変動回数、又は前記条件装置の作動回数のうち少なくとも1つを報知する報知手段と、を備えてもよい。ここで、「条件装置」とは、特別図柄表示装置(本実施例では液晶表示装置)に、特定の図柄の組み合わせが表示されると作動し、役物連続作動装置の作動を終了した後に、当該作動を終了する装置である。
この態様によると、遊技者は、報知手段(例えば、可変表示装置、ランプ装置や音声装置によって構成することができる。)によって、遊技機の履歴(確変回数、変動回数、条件装置の作動回数等)を知ることができる。特に、この態様においては、制御部として特別図柄制御部を選択し、この履歴を特別図柄制御部の記憶手段(本実施例ではRAM162)に記憶する。そして、ランプ装置及び音声装置のうちの少なくとも一方で、報知手段を構成する場合には、特別図柄制御部から、ランプ制御部及び音声制御部のうちの少なくとも一方に向かって、一方向の通信を行ったり、若しくは、特別図柄制御部と、ランプ制御部及び音声制御部のうちの少なくとも一方との間で双方向の通信を行えば、履歴の報知をより効率的に行うことができる。
なお、各本実施例と異なり、当り判定により中央装置(特別図柄表示装置)16の液晶表示装置27(図3参照)に停止表示された特別図柄の種類に基づき、上記特別遊技状態の終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)を変更(向上)させる確率変更手段が備えてもよい。具体的には、予め記憶されている上記大当り図柄決定乱数値が、確率変更用乱数値と非確率変更用乱数値とから構成され、各乱数値の取得に応じて確率変更用図柄又は非確率変更用図柄が停止表示される。その停止表示された図柄が確率変更用図柄の場合、上記特別遊技状態終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜5倍に向上するものとされてもよい。