JP4774499B2 - 緩速濾過装置及び緩速濾過方法 - Google Patents

緩速濾過装置及び緩速濾過方法 Download PDF

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Description

本発明は原水中の鉄分やマンガンを除去するのに利用される緩速濾過方法に関する。
地下水や井戸水などには余剰の鉄分やマンガンを含む場合がある。これらが懸濁粒子として存在する場合は、その地下水等の原水を濾材層に通して機械的分離する濾過操作が可能である。しかし、地下水等に鉄分が溶解している場合は機械的分離が不可能であり、これを解決する技術として例えば次のような発明が提案されている(特許文献1)。
特開2005−2674号公報
しかしながら、特許文献1の技術はエアポンプ等からのエアを受水槽内へ噴射し空気中の酸素により鉄分を酸化させ、機械的分離可能な酸化鉄にする技術であり、エアポンプ等の動力源を要し、またランニングコストを高める原因にもなっていた。
他に、地下水などに溶解する鉄やマンガンの除去方法として、例えば砂層を用い微生物の働きで鉄等を除去する緩速濾過方法が提案されている。『このようにして濾過すると、砂層の表面に微生物の粘膜質ができ、この微生物膜の働きで濁りや細菌、藻類,油やアンモニア性窒素,有機物や異臭味,鉄やマンガンまでもが効果的に除去され』(http//www005.upp.so-net.ne.jp/wanatra/NW2/13filtration.htm)るとしている。しかし、従来の緩速濾過方法では、濾材層の最表層に繁殖し過ぎた微生物によって濾材層の通水抵抗が増し、地下水等の原水処理量が減り、さらには濾過装置から原水が溢れ出す問題があった。また従来の固定床による緩速濾過で、上昇した通水抵抗を下げるには、まず鉄除去に活発に働く最表層に繁殖した微生物の所から取り除いていかねばならず、通水抵抗を下げた後に再度濾過処理を行った時に、濾材の働きが悪く除去率が低下する問題があった。逆洗して再生する方法(例えば特開2005-211804号公報)が採用される場合も、濾材の働きが悪くなり、鉄やマンガンの除去率が低下する問題があった。逆洗再生によっても最表層部の微生物が除去されてしまい、濾材の働きが悪くなるのである。
本発明は上記問題点を解決するもので、特段の動力源を必要とせずに、原水中の鉄やマンガンを濾材に付着形成された微生物の働きで濾過し、しかも再生処理後も、鉄やマンガンを持続的且つ効率良く除去できる緩速濾過方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、濾材層ユニット(1)で槽内の一横断面域を敷き詰めて一段の濾材層ユニット集合物を形成するようにして、槽内の上下方向に多段の濾材層ユニット集合物が設けられ、且つ最下段の濾材層ユニット集合物よりも下方の槽壁に濾過水用の出口(45)が設けられる濾過槽本体(4)と、該濾過槽本体に収納された最上段の前記濾材層ユニット集合物の上方位置に設けられる原水用の注入口(52)と、を具備し、前記濾材層ユニット(1)が開口枠を形成した枠体(2a)の下面側開口を網状体又は多孔板からなる有孔底板(2b)で塞いで一体化したユニット器(2)内に、粒状又は塊状の濾材(30)を前記枠体の上縁よりも低く充填して濾材層(3)を形成する構造とし、原水(81)が該濾材(30)を浸漬状態に保ちつつ前記注入口(52)から注がれ、前記各濾材層ユニット(1)に係る濾材層(3)を浸透、流下するようにして、該濾材に付着形成された微生物の働きで原水中の鉄及び/又はマンガンを除去する緩速濾過装置を用いて、原水の注入により緩速濾過し、原水中の鉄及び/又はマンガンの除去により微生物が増殖し濾材層の通水抵抗が上昇した時点で、最上段の濾材層ユニットをそのまま中段域の段積み箇所に組み替え収納する一方、その他の濾材層ユニットは濾材層の通水抵抗を下げて中段域の前記段積み箇所以外の所に収納し、その後、緩速濾過を続行し、原水中の鉄及び/又はマンガンを除去することを特徴とする緩速濾過方法にある。
請求項2の発明たる緩速濾過方法は、請求項1で、前記最上段の濾材層ユニットをそのまま中段域の段積み箇所に組み替え収納する一方、に代えて、最下段の濾材層ユニットをそのままの状態で最下段以外の段積み箇所に収納する一方、とし、且つ前記その他の濾材層ユニットは濾材層の通水抵抗を下げて中段域の前記段積み箇所以外の所に収納し、に代えて、その他の濾材層ユニットは濾材層の通水抵抗を下げて空いた残りの段積み箇所に収納し、とすることを特徴とする。
本発明の緩速濾過方法は、多層構造の濾材に付着形成した微生物の力を借りて特段の動力源を必要とせずに濾過し、しかも濾材層の抵抗が上昇した時点で簡便に通水抵抗を下げ回復でき、その回復させた再生後も、鉄やマンガンを持続的且つ効率良く除去できるなど優れた効果を発揮する。
以下、本発明に係る緩速濾過方法について詳述する。
(1)実施形態1
図1〜図7は本発明の緩速濾過方法の一形態で、図1は濾材層ユニットを鎖線図示した緩速濾過装置の平面図、図2は図1のI-I線矢視図、図3はユニット器の斜視図、図4は鉄分除去を主目的とする緩速濾過方法の説明図、図5,図6は性能比較実験グラフ、図7はマンガン除去を主目的とする緩速濾過方法の説明図である。
(1−1)緩速濾過装置
緩速濾過装置(以下、単に「濾過装置」という)は、濾過槽本体4と注入口52とを具備する。濾過槽本体4は、濾材層ユニット1で槽内の一横断面域を水平に敷き詰め一段の濾材層ユニット集合物1Cを形成するようにして、槽内の上下方向に多段の濾材層ユニット集合物1A〜1Cが設けられ、且つ最下段の濾材層ユニット集合物1Cよりも下方の槽壁41に濾過水用の出口45が設けられた濾過装置の主要部である。
濾過槽本体4は槽本体4aと該槽本体内に充填される複数の盤状濾材層ユニット1からなる。
槽本体4aは図1,図2のごとく水路形成した横長の側溝本体の両端面を塞いだ上面開口の受槽(水槽)で、その本体は横断面U字形にして長手方向等断面形状のコンクリート製側溝本体を加工したものである。槽本体4aの内底面上には集水管43が縦通載置される。槽内の底面に原水81が処理された後の濾過水82の集水管43を配設し、該集水管43から濾過水用出口45に導く引出管44が設けられる。集水管43に設けられた継手431を介して引出管44が複数分岐し、各引出管44は底壁寄りの槽側壁41に設けた濾過水用の出口45を貫通し槽本体4aの出口ノズル46と接続する。集水管43の管表面には多数の透孔43cが設けられ、原水81は多段の濾材層ユニット集合物1A〜1Cを浸透,流下する過程で濾過され、槽本体4a内の底部にまで流下した処理水たる濾過水82が、該透孔43cを通り、集水管43,引出管44を経て出口ノズル46に達するようになっている。各出口ノズル46からは出口配管47が図2のように一旦立ち上がった後、それぞれの出口配管47が濾過水82の主管48まで導かれる。濾過槽本体4内の水面81aと処理水出口(すなわち出口配管47を通る濾過水82)との水位差Hによる位置エネルギによって緩速濾過がなされる(図2)。
ここでは、該集水管43と該引出管44が濾材層ユニット集合物1Cの形成用支持台に利用される。集水管43,引出管44の上に、濾材層ユニット1を水平に敷き詰め、横並びに敷き詰めた面に空所ができないようにして濾材層ユニット集合物1Cの一段目部分を形成する。その後、さらに濾材層ユニット1を水平に敷き詰めるようにして順次積み重ねていき、槽内の上下方向に多段の濾材層ユニット集合物1A〜1Cを設ける。濾材層ユニット1の側周壁21aを槽内壁41aに当接させるようにして該濾材層ユニット1が段積み収納される。各濾材層ユニット1がぐらつかないようにするため、また原水81が濾材層ユニット集合物1A〜1Cの濾材層3を流下する際、濾材層ユニット1と槽内壁41aとの間をショートパスするのを防ぐためである。本実施形態は図1のごとく槽内の一水平面上に6個の濾材層ユニット1を水平に敷き詰めて濾材層ユニット集合物1Cの1段を形成し、図2のごとくその濾材層ユニット集合物1A〜1Cを3段設けている。
濾材層ユニット1は、一定面積を有する濾材層3が所定厚みでユニット化された濾材30の単位体で、ユニット器2と濾材層3とを備える。
ユニット器2は開口枠を形成した枠体2aの下面側開口を網状体又は多孔板等の有孔底板2bで塞いで一体化してなる上面開口の受器である(図3)。本実施形態は、木製帯板からなる一対の長片211と短片212とで開口枠を形成する。図3のごとく長片211と短片212の帯幅方向を起立させて枠体2aを形成し、平面視長方形の開口枠とする。そして、枠体2aがつくる下面側の開口を金網の有孔底板2bで塞いだ後、該有孔底板2bの外周縁を枠体2aと枠当て部材25aとで挟着してビス止め一体化する。符号25bは補強部材、符号26は有孔底板2bの弛み防止用にその下側から当てがい、両短片212,212間に張設した線部材、符号29は両長片211,211間に掛け渡し、枠体上縁23に固着される帯板片かならなる把手を示す。ここで使用される複数のユニット器2は同形品で、槽本体4aに収納される複数個の他に、必要に応じて予備品がいくつか準備される。
有孔底板2bは金網の他、樹脂製ネット,金網状エキスパンデッドメタル,ラス等の網状体や、パンチングメタル等の多孔板とすることができる。またユニット器2は、枠体2aと有孔底板2bの組付け構造とせず、例えば枠体2aと多数小孔を設けた有孔底板2bとが当初から一体成形される樹脂成形品等とすることができる。
濾材層3は前記ユニット器2の上面開口20から粒状又は塊状の濾材30を前記枠体2aの上縁よりも低く充填して該ユニット器内に形成される濾材30の充填層である。ユニット器2に係る枠体2aの高さを例えば10cm〜20cmにし、濾材層3の高さhは3cm〜6cmに設定する。図2は模式的図示で、実際には濾材層3の上面から枠体2aの上面までの高さhは濾材層3の高さの1.5倍〜4倍の範囲になるよう設定する。鉄バクテリア等の微生物9が繁殖し易いように水空間を広くとるためである。ここでは、枠体2aの高さが約15cmであり、該濾材30を枠体2aの有孔底板2b上に充填していき濾材層3の高さを約5cmとし、濾材層上面30aから枠体上縁23までの高さを約10cmとしている。
本実施形態は濾材30として焼成球状濾材(東名実業株式会社製の商品名:CB濾材)を用いる。該濾材30は鉄分を捕食する微生物9が付着成育するのに適した多孔質の表面特性を有する高温焼成セラミックで、またその直径が10〜15mmφの球形であり、濾材層3における配列が規則正しくなり偏流,閉塞が起こり難くなっている。
注入口52は濾過槽本体4に収納された最上段の前記濾材層ユニット集合物1Aの上方位置に設けられる原水用の注入口である。本実施形態は図1のごとく原水用配管5が槽本体4aの長手方向に沿って配設され、該配管5に組み込まれた継手55から所定間隔で3本の分岐管51が分岐する。各分岐管51の先端の注入口52が図2のごとく槽本体4aの上面開口の上方で下向きに配される。
既述のごとく、槽本体4aには濾材層ユニット1を水平に敷き詰めた濾材層ユニット集合物1A〜1Cが3段形成され、濾過槽本体4は濾材層3が3層設けられる多層構造の濾過装置とする。そして原水81が注入口52から全ての濾材30を浸漬状態に保って濾過槽本体4内へと注がれ、3段の濾材層ユニット集合物の各濾材層ユニット1に係る濾材層3を浸透、流下する間に、該濾材30に付着形成された微生物9の働きで原水81中の鉄及び/又はマンガン(鉄及びマンガン、又は鉄、又はマンガン)を除去できる緩速濾過装置になっている。3段の濾材層ユニット集合物1A〜1Cの全ての濾材30を浸漬状態に保つことによって、鉄及び/又はマンガンを捕食する微生物9が増殖しやすい環境になり、原水81から鉄及び/又はマンガンを効果的除去する緩速濾過装置になる。原水81が各濾材層3をダウンフローし、鉄及び/又はマンガンが除去された後の濾過水82は、集水管43,引出管44を経て出口ノズル46へと導かれる。該出口ノズル46からは出口配管47が図2のように一旦立ち上がった後、濾過水82の主管48まで導かれる。
尚、図2で上下の濾材層ユニット集合物1A,1B(又は1B,1C)間の空きスペースは把手29が占める空間を便宜的に図示するものである。
(1−2)緩速濾過方法
(1−2a)第1の方法
緩速濾過方法は前記緩速濾過装置を用いて例えば次のように行われる。
まず、地下水や伏流水等の原水81を注入口52から濾過装置に注入し緩速濾過する(第1工程)。原水81の水面81aが槽本体4aの上面開口寄り、すなわち図2の鎖線位置付近になるようにして、全ての濾材30を浸漬状態に保ちつつ原水81を注入口52から注ぐ。注入された原水81は図2に示す落差Hの位置エネルギを保有し、該原水81が各濾材層ユニット1に係る濾材層3を浸透、流下する。そしてその過程で、該濾材30に付着形成された微生物9が働き、原水81中の鉄及び/又はマンガンを除去する。ここで、原水の水面81aから最上段の濾材層ユニット1a(最上段の濾材層ユニット集合物1A)までの水深αは5cm以上とするとより好ましくなる。注入口52から注がれた原水81が真下にある濾材層ユニット1だけでなく、図2で紙面垂直方向に配設されている濾材層ユニット1,1,…へも流れるようにするためである。
鉄及び/又はマンガンを捕食する有用微生物9は原水81に浸漬された水中で繁殖する。それら有用微生物9は濾材層3の内部で成長するよりも、濾材層3の上部,上面域でより活発に増殖成長する。本濾過装置は濾材層3が多層(多段)構造になっているので、同じ槽容量、横断面積であっても単なる固定層のものと比較すると、鉄及び/又はマンガンを捕食する微生物9の成育が多層の数だけ倍増し、原水81中の鉄及び/又はマンガンがより永く持続的に除去されることとなる。また濾材層3の上部,上面域で増殖した鉄及び/又はマンガンを捕食する微生物9は濾材層上面30aから上方へと成長しようとするが、本濾過装置では濾材層上面30aから枠体上縁23まで既述のごとく所定高さを確保し、濾材層ユニット1内に濾材層上面30aの上方に微生物9が繁殖しやすい空間(水空間)を設けているので、鉄及び/又はマンガンのさらなる持続的除去ができるようになっている。
ここで、鉄バクテリア等の微生物9を利用する水処理技術は未だ十分解明されていないが、鉄やマンガンを捕食するバクテリアの種類(優先種)としてはLeptothrix属、Gallionella族が知られている。本発明者等は、実験過程で鉄を捕食する鉄バクテリア等の有用微生物9(以下、「鉄捕食微生物」という。)が多段の濾材層ユニット1の上中段域、なかでも最上段の濾材層ユニット集合物1Aに係る濾材層上部で活発に繁殖するのを見出す一方、最下段の濾材層ユニット集合物1Cの濾材層上部ではマンガンを捕食するマンガンバクテリア等の有用微生物9(以下、「マンガン捕食微生物」という。)が活発に繁殖するのを確認している。さらに鉄捕食微生物9が褐色を呈し、マンガン捕食微生物9が黒色を呈することが判明し、誰でも肉眼で視認できるのを確認している。
原水81を濾過処理し、原水81中の鉄及び/又はマンガンの継続除去がなされていくと、微生物9の増殖,成長が進む。微生物9の増殖,成長が進むと、濾材層ユニット1内の濾材層上面30aよりも上方空間(水空間)に微生物9の繁殖が視認される。また濾過装置の通水抵抗が次第に上昇していくのを測定することができる。濾材層3の通水抵抗が増すことによって原水の処理量が低下する。本実施形態の場合、高低差Hの位置エネルギが略一定であることから、濾材層3を通過する際の通水抵抗が増すに従い原水81の処理量が低下していき、これを容易に測定監視できる。
そこで、原水81中の鉄及び/又はマンガンの除去によって微生物9が増殖し、濾材層3の通水抵抗が上昇したある時点、例えば原水81の処理水量が運転開始時点の1/2になる時点で濾過装置を一旦停止する(第2工程)。
次いで、濾過槽本体4から各濾材層ユニット1を取り出す(図4の左図)。各濾材層3には鉄バクテリア等の微生物9が繁殖している。最上段の濾材層ユニット1aで繁殖する微生物9はそのまま残して、最上段以外の濾材層ユニット1b,1cを水洗いする。続いて、原水81中の鉄分を除去する場合は最上段の濾材層ユニット1aをそのまま中段域の段積み箇所に組み替え収納する(図4の右図)。一方、その他の濾材層ユニット1を洗浄し濾材層3の通水抵抗を下げた後、中段の段積み箇所以外の所に収納する(第3工程)。最上段以外の濾材層ユニット1b,1cは全て通水抵抗になっている微生物9等を取り除く。最上段の濾材層ユニット1aをそのまま収納するのは、最上段の濾材層3に活力ある鉄捕食微生物9が繁殖しており、これを引き続き原水81中の鉄除去に有効活用させるためである。通水抵抗に関しては最上段の以外の濾材層ユニット1b,1cの交換或いは洗浄によって下げることができる。予め、洗浄等によって通水抵抗を低くした濾材層ユニット1の予備品を別途用意しておき、これと交換するのであれば、原水81を止める時間が短くなり、すぐ再稼動できるため効率的になる。最上段の濾材層ユニット1aを中段域の段積み箇所に組み替え収納するのは、通水抵抗の再生処理後の最上段の濾材層ユニット1に活力ある新たな鉄捕食微生物9を成育させるためである。
しかる後、再び緩速濾過を続行し、原水81中の鉄及び/又はマンガンを除去していく(第4工程)。その後、濾材層3の通水抵抗が所定値を越えて上昇すれば、すなわち原水81の処理量が所定値よりも低下すれば、前述の第2工程〜第4工程を繰り返す。このようにして濾過操作を行うことで、原水81中の除鉄濾過をメインにした濾過が可能になる。
従来の単層の固定層と、実施形態1の3段に濾材層ユニット集合物1A〜1C(3層構造の濾材層3)との性能比較実験した。濾過処理の開始後60日近くまで従来法の装置で濾過した後、その濾過層を実施形態1の槽本体4aに組み込み、濾過槽本体4とした。その後、従来法と並行して実施形態1の濾過方法を実験した。図5は経過日数に対する濾過水82(処理水)のFe濃度を示し、図6は経過日数に対する単位面積当たりの処理水量を示す。
図5から3段(多段)の濾過層3,3,3にすることにより鉄除去効率が高くなるのが判る。実際、鉄捕食バクテリアの繁殖が各濾材層3の上部に繁殖しているのが確認され、鉄捕食微生物9の成育,成長を視認できた。処理水量も従来法に比べ良好な結果が得られた(図6)。その理由は定かでないが、濾材層3が多層と違って単層になる場合は、微生物9の成育数全体が少なくても、単層上部のみに微生物9が集中し目詰まりを起こしやすい状況をつくり通水抵抗を上げてしまうからと考えられる。
(1−2a)第2の方法
原水81中のマンガンを主に除去しようとする濾過方法である。前記第1の方法の第2工程で濾過装置を一旦停止するところまで同じであるが、次の第3工程で、第1の方法に代え次のように行う。最下段の濾材層ユニット1cをそのまま最下段以外の段積み箇所に収納する一方、その他の濾材層ユニット1a,1bを洗浄し濾材層3の通水抵抗を下げた後、空いた残りの段積み箇所に収納する(図7)。
最下段の濾材層ユニット1cをそのまま収納するのは、最下段の濾材層3に活力あるマンガン捕食微生物9が既に繁殖しており、これを引き続き原水81中のマンガン除去に有効活用させるためである。通水抵抗に関しては最下段の以外の濾材層ユニット1の交換或いは洗浄によって容易に下げることができる。また、最下段の濾材層ユニット1を最下段以外の段積み箇所に組み替え収納するのは、通水抵抗の再生処理後に配される最下段の濾材層ユニット1に新たな活力あるマンガン捕食微生物9を成育させるためである。さらにいえば、最下段にあった濾材層ユニット1cを組み替え収納する先は、最上段以外の段積み箇所に収納するのがより好ましくなる。最上段にすると、鉄捕食微生物9の繁殖に負けてしまう虞があるからである。
他の工程,構成は第1の方法と同じで、その説明を省く。
(1−3)効果
このように構成した濾過方法により以下のような効果を発揮する。
まず、本濾過装置及び濾過方法によれば、特段の動力源を必要とせず、原水81の水面81aと出口配管47との高低差Hによる位置エネルギの動力源だけで、原水81中に含まれる懸濁微粒子のみならず溶解する鉄やマンガンを濾材30に付着形成された微生物9の働きで濾過できる。原水81の位置エネルギのみを利用し、特許文献1のごとくエアポンプ等のエネルギを別途必要としないので経済的である。動力を使えない地域(電気がきていない地域や開発途上国等)において実施可能であるので、そのような地域での貢献度は一層高くなる。また除鉄,除マンガンに化学物質や薬品を用いず、本来その水に生息している(休眠中を含む)鉄バクテリア等の除鉄,除マンガン能力のある微生物9を利用するので、環境に負荷がなく極めて安全な発明になっている。
そして、濾材層3の上部やその上面30aがそれら除鉄,除マンガンの微生物9の成育,成長する場所になっていることから、3層(多層)の濾材層3を形成する3層(多段)の濾材層ユニット集合物1A〜1Cを槽本体4aに充填する本濾過装置及びこれを用いた濾過方法は、3層(多層)の濾材層3の各上部や各上面がそれぞれ原水81中の鉄,マンガンを除去するのに機能し、多大な威力を発揮する。
また、各濾材層ユニット1a〜1cには、ユニット器2の下方部分にだけ濾材層3を充填して濾材層3の上に枠体2aで囲われた空間(水空間)が設けられるので、濾材層上面30aから上方に向けて、鉄,マンガンを捕食する微生物9が繁殖し易くなっている。単に濾材層3を多層にするのに比べ、さらに鉄及び/又はマンガンの持続的除去がなされるようになる。
加えて、従来の緩速濾過による鉄除去技術は経験的なものであり、濾材層3の通水抵抗が上昇したときに再生処理や掃除等に大変な労力負担を強いられていたが、本濾過装置によれば濾材層3がユニット化された濾材層ユニット1に納まっているので、通水抵抗を下げる洗浄作業等が容易になる。濾材層ユニット1のユニット器2,2,…はハンドリングに適した単位体で、且つ同形であるので、再生処理後の槽本体4a内での取出しや、組み戻し等の組み換えも容易である。
鉄分が多い原水81に対しては、濾材層3の通水抵抗が上昇した時に、最上段の濾材層ユニット1aは微生物が繁殖したそのままの状態で中段域の段積み箇所に組み替え、一方、その他の濾材層ユニット1b,1cは洗浄した後、他の箇所に収納することで、除鉄濾過が円滑に進む。該濾材層ユニット1b,1cに関しては、予め洗浄等で通水抵抗を低くした濾材層ユニット1の交換予備品を、他の箇所に収納することでもよい。活力ある鉄捕食微生物9は最上段の濾材層ユニット1aに生息しており、これがそのまま生かされるので、通水抵抗の再生処理後も鉄除去能力が落ちずに持続的な除鉄濾過ができる。
また、マンガン分が多い原水81に対しては、濾材層3の通水抵抗が上昇した時に、最下段の濾材層ユニット1cは微生物が繁殖したそのままの状態で最下段以外の段積み箇所に組み替え、一方、その他の濾材層ユニット1a,1bは洗浄した後、他の箇所に収納することで、除マンガン濾過が円滑に進む。他の濾材層ユニット1a,1bは、通水抵抗を下げた交換用予備品を用意しておき、これらと交換することでもよい。活力あるマンガン捕食微生物9は最下段の濾材層ユニット1cに生息しており、これがそのまま生かされるので、通水抵抗を下げた再生処理後もマンガン除去能力が落ちずに持続的な除マンガン濾過ができる。原水81から取り除きたい元素を優先的に除去できる。そして、鉄捕食微生物9が褐色を呈し、マンガン捕食微生物9が黒色を呈することを見出したので、作業者は簡単にそれを視認でき、濾過方法自体が平易になり、その維持管理も楽になる。誰でも鉄バクテリア等の鉄捕食微生物9の生息状況や、除鉄,除マンガン状況を目視でき、微生物9による除鉄,除マンガンの仕組みを理解できる濾過装置及び濾過方法になっている。自然から学ぶ学習教材としても打ってつけとなる。
さらに、本発明は実施形態に記載のごとく槽本体4aに水路等の側溝を利用でき、側溝内に多段の濾材層3を設置し効率的な除鉄,除マンガン濾過が可能になる。主に鉄分とマンガンを高濃度に含む使用困難な水を浄化し、環境用水として使用可能になり、さらに農業用水,産業用水,水道水源への利用の途も開くことができるなど多大な効を奏する。
(2)実施形態2
本実施形態は、実施形態1でユニット器2内に濾材30を直接充填して濾材層3を形成するのに代え、濾材30をメッシュ状の袋体6内に収納し、該濾材入り袋体6をユニット器2内に充填して濾材層3を形成する濾過装置である。またこの濾過装置を用いる濾過方法である。メッシュ状の袋体6とは網の目又は網目織りの袋をいう。ここでの袋体6は成田養魚園の商品3042濾材専用アミ袋を用いる。図8ごとくの袋口65に紐62を取付けたメッシュ状袋体6に濾材30を入れ、紐62で縛った後、該濾材入り袋体6を濾材層3としてユニット器2内に充填する。符号61は袋口65の周囲に設けた紐通し孔である。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。
このように構成した濾過装置及び濾過方法は、実施形態1の効果に加え、濾材30が袋体6に収納されるので、濾材層ユニット1の段積み箇所の段取り変え等におけるハンドリングが一層楽になる。また濾材層3の通水抵抗が上がった際、不用な微生物9等を洗浄で取り除く作業も一層容易になる。
(3)実施形態3
本実施形態は実施形態1の濾過装置に、少なくとも下面が網状又は多孔板からなる図9のような籠体7をさらに具備する緩速濾過装置とし、該籠体7を槽本体4a内に段積み収納された最上段の濾材層ユニット1a上に載置できるようにして(図10のイ)、この濾過装置を用い、最上段の濾材層ユニット1a上に該籠体7を載置した状態で原水81の注入により緩速濾過する。ここで、籠体7はその全てが水中に入り、且つ水面81aから籠体7までの水深βを5cm以上とするのがより好ましい。濾過槽本体4内へ供給される原水81が、図10の紙面垂直方向に在る個々の籠体7へ流れ易くなるためである。籠体7は槽本体4aの横幅に略等しくして最上段の濾材層ユニット1の上面に、同図の紙面垂直方向に複数個並べる。そして、原水81中の鉄及び/又はマンガンの除去により微生物9が増殖し、濾材層3の通水抵抗が上昇した時点(図10のロ)で、該籠体7を持ち上げることにより該籠体7内へ増殖、侵入した微生物9も随伴させて濾材30から分離する(図10のハ)。このように微生物9の分離処理をしながらも引き続き濾過を行う濾過方法である。
最上段の濾材層3の上部ではとりわけ鉄捕食微生物9が活発に繁殖し、原水81に鉄分が多い場合には濾材層3の上部の通水抵抗が大きくなる。籠体7を最上段の濾材層ユニット1の濾材層3の上面30aに置くことによって、鉄捕食微生物9が籠体7の底板71の通孔71cを通って籠体7内に侵入する。籠体7内に侵入し、鉄分を捕食して成育,成長した鉄微生物9は、籠体7を持ち上げたときに籠体7内に収納されたまま一緒に持ち上げられ、籠体7に入った該鉄捕食微生物9を濾過槽本体4から分離除去できるようになる。余剰の鉄捕食微生物9の取り除き作業は籠体7を持ち上げるだけで済むので、濾過装置の運転を停止させることなく、原水81を流したまま、濾材層3の抵抗が上がってきたところで適宜籠体7を持ち上げ、余剰の微生物9を取除くことができ理にかなった濾過方法になっている。取除いた後の原水81の鉄分除去低下が懸念される場合は、籠体7に捕獲収納された微生物9全てを除去するのでなく、その一部を籠体7に残してまた最上段の濾材層ユニット1の濾材層3の上面30aに置いて濾過を続行することで何ら支障はない。実施形態2のメッシュ状袋体6を備える濾過装置を用いて行うこともできる。
本実施形態の籠体7は図9ごとくのセキスイの角カゴ深型大の型番「KK544PG」を用いた。該籠体7は射出成形品で、その外表面がキャビティ型の型面に当接して滑面が形成される一方、籠体7の内表面はメッシュ状の網目形成のために滑り止め機能のある凹凸が形成されている。この構造は、前述の籠体7の底板71の通孔71cを通って籠体7内に侵入してきた鉄捕食微生物9が、籠体7を持ち上げたときに前記滑面によって籠体7と該籠体外にいる微生物9と容易に切り離され、また籠体7内にいる微生物9は前記凹凸に係止,収納される状態にして籠体7と一緒に随伴するので、好都合になっている。
このように構成した濾過方法は、実施形態1の効果に加え、濾材層3の通水抵抗が上昇してきた時点で、籠体7を持ち上げると濾材層上面30aで繁殖した微生物9を一緒に籠体7内に収納させて持ち上げることができるので、濾過槽本体4から抵抗になる微生物9を容易に取除くことができる。楽に通水抵抗を下げることができる。濾過処理を停止し、濾材層ユニット1,1,…をいちいち槽本体4aの外へ取り出す手間もいらず、いたって簡単に濾材層3の再生処理ができる。実施形態1と組み合わせることによって、上水の濾過処理時間を長くすることができ、上水処理を停止し、濾材層ユニット1を槽本体4a外へ出して洗浄等で通水抵抗を下げる作業労苦を減らせる。労力負担が大きい洗浄作業を減らしながらも、濾過処理量,濾過処理時間を増やすことができ有益となる。実施形態2と組み合わせれば、さらに実施形態2の効果も得られ極めて有益になる。
なお、本籠体7と併用して、また該籠体に代えて網状体をさらに具備する緩速濾過装置とし、該網状体を槽本体4a内に段積み収納された最上段の濾材層ユニット1a上に載置できるようにして、原水中の鉄及び/又はマンガンの除去により微生物が増殖し、濾材層の通水抵抗が上昇した時点で、該網状体を持ち上げることにより該網状体内へ増殖、侵入した微生物も随伴させて濾材から分離する方法を採ることもできる。該網状体を生分解可能な樹脂や太陽光や雨水の作用で自然崩壊する植物由来樹脂(例えば特許第3632763号)で形成すれば環境に優しく廃棄がさらに簡単になる。
(4)その他
(4−1)その1
前記籠体7は、実施形態1のような濾材層3が多層構造の濾過槽本体4を用いずとも、従来のごとく槽本体4a内に充填された単純な一の固定層からなる濾材30の濾材層上面30aに該籠体7を載置した状態で、濾材層上面30aへ原水81を注入し、固定層を該原水81が浸透,流下するようにして緩速濾過する濾過方法にも適用できる。原水81中の鉄及び/又はマンガンの除去により微生物9が増殖し濾材層3の通水抵抗が上昇した時点で、該籠体7を持ち上げることにより籠体7内へ増殖、侵入した微生物9も随伴させて濾材30から分離する濾過方法を採るのである(図11)。
図11(イ)は従来の濾過装置で槽本体4a内に濾材30が単層の濾材層3を形成するが、この状態を確保した後、該濾材層3の上面30aに籠体7を載置する。そして、濾材層上面30aよりも上方位置から原水81を注入し、籠体7及び濾材30を浸漬状態にして濾過する。その後、原水81中の鉄及び/又はマンガンの除去により微生物9が増殖し、濾材層3の通水抵抗が上昇した時点(図11のロ)で、該籠体7を持ち上げることにより該籠体7内へ増殖、侵入した微生物9も随伴させて濾材30から分離する(図11のハ)。斯かる微生物9の分離処理をしながらも引き続き濾過を行う。他の構成は実施形態3と同様でその説明を省く。
このように構成した濾過方法は、実施形態3で籠体7を用いた場合と同様の効果が得られる。
(4−2)その2
その1の濾過方法で、実施形態2記載の濾材30をメッシュ状の袋体6内に収納し、該濾材入り袋体6で濾材層3を形成して濾過する方法である。
図8ごとくの袋口65に紐62を取付けたメッシュ状袋体6に濾材30を入れ、紐62で縛った後、該濾材30入り袋体6を濾材層3として槽本体4aに充填する(図12のイ)。次いで、袋体6入りの濾材層3の上面30aに籠体7を載置する。かくのごとくして、濾材層上面30aよりも上方位置から原水81を注入し、籠体7及び濾材30を浸漬状態にして濾過する。その後、原水81中の鉄及び/又はマンガンの除去により微生物9が増殖し、濾材層3の通水抵抗が上昇した時点(図12のロ)で、該籠体7を持ち上げることにより該籠体7内へ増殖、侵入した微生物9も随伴させて濾材30,槽本体4aから分離する(図12のハ)。斯かる微生物9の分離処理をしながらも、引き続き濾過を行う。
このように構成した濾過方法はその1に記載の効果に加え、実施形態2に記載の濾材30を袋体6に収納したことによる効果と同様の効果が得られる。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。濾材層ユニット集合物1A〜1C,濾材層ユニット1,ユニット器2,濾材層3,濾過槽本体4,槽本体4a,原水用配管5,袋体6,籠体7等の形状,大きさ,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。例えば、実施形態では3層の濾材層3、3段の濾材層ユニット集合物1A〜1Cとしたが、これ以外の多層構造の濾材層3,濾材層ユニット集合物とすることができる。濾材層ユニット1は集水管43,引出管44を利用してその上に濾材層ユニット集合物1A〜1Cを形成したが、槽本体4a内に簀を敷いて、この上に濾材層ユニット集合物を形成することもできる。
実施形態1の濾材層ユニットを鎖線図示した緩速濾過装置の平面図である。 図1のI-I線矢視図である。 ユニット器の斜視図である。 緩速濾過方法の説明図である。 性能比較実験グラフである。 性能比較実験グラフである。 緩速濾過方法の説明図である。 実施形態2の袋体の斜視図である。 実施形態3の籠体の斜視図である。 実施形態3の緩速濾過方法の説明図である。 単層の濾材層の上面に籠体を置いて濾過する方法の説明図である。 図11で濾材を袋体に収納して濾過する方法の説明図である。
符号の説明
1 濾材層ユニット
1A,1B,1C 濾材層ユニット集合物
1a 最上段の濾材層ユニット
1c 最下段の濾材層ユニット
2 ユニット器
2a 枠体
2b 有孔底板
3 濾材層
30 濾材
30a 濾材層の上面
4 濾過槽本体
4a 槽本体
41 槽壁
45 濾過水の出口
52 原水用の注入口
6 袋体
7 籠体
71 底板(下面)
81 原水
81a 水面
82 濾過水
9 微生物

Claims (2)

  1. 濾材層ユニット(1)で槽内の一横断面域を敷き詰めて一段の濾材層ユニット集合物を形成するようにして、槽内の上下方向に多段の濾材層ユニット集合物が設けられ、且つ最下段の濾材層ユニット集合物よりも下方の槽壁に濾過水用の出口(45)が設けられる濾過槽本体(4)と、該濾過槽本体に収納された最上段の前記濾材層ユニット集合物の上方位置に設けられる原水用の注入口(52)と、を具備し、前記濾材層ユニット(1)が開口枠を形成した枠体(2a)の下面側開口を網状体又は多孔板からなる有孔底板(2b)で塞いで一体化したユニット器(2)内に、粒状又は塊状の濾材(30)を前記枠体の上縁よりも低く充填して濾材層(3)を形成する構造とし、原水(81)が該濾材(30)を浸漬状態に保ちつつ前記注入口(52)から注がれ、前記各濾材層ユニット(1)に係る濾材層(3)を浸透、流下するようにして、該濾材に付着形成された微生物の働きで原水中の鉄及び/又はマンガンを除去する緩速濾過装置を用いて、
    原水の注入により緩速濾過し、原水中の鉄及び/又はマンガンの除去により微生物が増殖し濾材層の通水抵抗が上昇した時点で、最上段の濾材層ユニットをそのまま中段域の段積み箇所に組み替え収納する一方、その他の濾材層ユニットは濾材層の通水抵抗を下げて中段域の前記段積み箇所以外の所に収納し、その後、緩速濾過を続行し、原水中の鉄及び/又はマンガンを除去することを特徴とする緩速濾過方法。
  2. 前記最上段の濾材層ユニットをそのまま中段域の段積み箇所に組み替え収納する一方、に代えて、最下段の濾材層ユニットをそのままの状態で最下段以外の段積み箇所に収納する一方、とし、且つ前記その他の濾材層ユニットは濾材層の通水抵抗を下げて中段域の前記段積み箇所以外の所に収納し、に代えて、その他の濾材層ユニットは濾材層の通水抵抗を下げて空いた残りの段積み箇所に収納し、とする請求項1記載の緩速濾過方法。
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