JP4773660B2 - 凝集した金属酸化物/粘土支持体−活性化剤を用いた配位触媒系そしてそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は、凝集形態(agglomerate form)の支持体−活性化剤(support−activator)と配位触媒成分を含んで成る配位触媒系およびそれの製造方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
配位触媒系はオレフィン系不飽和化合物の化学反応およびこれを用いた反応で用いられる非常に多様な触媒であり、通常は、元素周期律表の3から10族の遷移金属化合物および13族の有機金属化合物が基になっている。そのような反応の具体例はオレフィン重合体を配位重合で生じさせる方法である。
【0003】
密度が高いポリエチレン(高密度ポリエチレン、HDPE)の製造そしてエチレン、プロピレンまたは他の1−アルケンの重合体および共重合体の製造は産業的にかなり重要な製造である。
【0004】
配位触媒の反応機構に関して、遷移金属化合物が触媒活性中心を構成していて1番目の段階でオレフィン系不飽和化合物が前記活性中心に配位結合すると一般に信じられている。そのような単量体の配位によってオレフィンの重合が起こった後、遷移金属−炭素結合または遷移金属−水素結合への挿入反応が起こる。
【0005】
そのような触媒を活性にするか或はそれの活性を維持するには、有機金属化合物[例えば有機アルミニウム化合物、例えばメチルアルモキサン(methylalumoxane)など]を配位触媒系に存在させるか或は触媒反応中に存在させることで前記触媒に還元を受けさせそして適宜アルキル置換を受けさせるか或は錯体系を生じさせる必要があると考えられている。従って、そのような化合物はまた共触媒(cocatalysts)とも呼ばれる。最終的には活性化される遷移金属原子含有化合物を典型的に触媒前駆体(pre−catalyst)と呼びそして活性化後の化合物を一次触媒(primary catalyst)と呼ぶ。
【0006】
産業で用いられる最も良く知られた配位重合用触媒系は「チーグラー・ナッタ触媒」型および「フィリップス触媒」型の触媒系である。前者は周期律表の最初の3主要族の元素の金属アルキルもしくは水素化物と4から7族の遷移金属元素の被還元性化合物の反応生成物を含んで成り、最も頻繁に用いられる組み合わせはアルキルアルミニウム、例えば塩化ジエチルアルミニウムなどと塩化チタン(IV)を含んで成る。より最近の高活性チーグラー・ナッタ触媒は、チタン化合物がマグネシウム化合物、例えば特に塩化マグネシウムなどの表面に化学的に固着している系である。
【0007】
より最近の開発は単一部位(single site)触媒系に焦点を当てている。そのような系は、これの金属中心が重合中によく似た挙動を示すことで非常に均一な重合体を生じさせることを特徴とする。
【0008】
触媒は、これが生じさせる重合体がいくつかの基本的判断基準(例えば狭い分子量分布または均一な共重合用単量体分布)を満足させる時に単一部位様式で挙動するか否かで判断される。従って、その金属はこれを取り巻くように位置する如何なる配位子を持っていてもよく、それがもたらす重合体が特定の特性を有する限り「単一部位」として分類分けされ得る。
【0009】
メタロセン(metallocene)触媒および拘束幾何(constrained geometry)触媒が単一部位触媒系に含まれ得る。
【0010】
「メタロセン」は、通常、2つのシクロペンタジエニル(Cp)環またはこれの誘導体、例えばインデニル、テトラヒドロインデニル、フルオレニルおよび混合物などに結合している金属(例えばZr、Ti、Hf、Sc、Y、ViまたはLa)錯体を意味すると理解する。この金属中心に前記2つのCp配位子に加えて他の基、最も一般的にはハライドおよびアルキルが結合していてもよい。前記Cp環は、大部分のポリプロピレン用触媒の場合のように、一緒に連結していてもよい(いわゆる「橋状メタロセン」構造)か、或は大部分(全部ではなく)のメタロセンを基にしたポリエチレン用触媒の場合のように、独立して自由に回転し得る。限定的特徴はCp配位子または誘導体が2つ存在する点にある。
【0011】
メタロセン触媒はいわゆる「中性メタロセン」(この場合にはアルモキサン、例えばメチルアルモキサンなどが共触媒として用いられる)として使用可能であるか或はいわゆる「カチオン性メタロセン」(カチオン性金属メタロセン中心に対する対イオンとして緩く結合した安定な非配位アニオンが組み込まれている)として使用可能である。カチオン性メタロセンが米国特許第5,064,802号、5,225,500号、5,243,002号、5,321,106号、5,427,991号および5,643,847号、そしてEP 426 637およびEP 426 638に開示されている。
【0012】
「拘束幾何」は、金属中心がただ1つの修飾Cp環または誘導体と結合している特別な種類の有機金属錯体を指す用語である。前記Cp環はヘテロ原子、例えば窒素、燐、酸素または硫黄などへの橋渡しで修飾を受けており、そして前記ヘテロ原子はまた金属部位にも結合している。そのような橋状構造はかなり硬直した系を構成しており、従って用語「拘束幾何」が用いられる。このような拘束幾何触媒は、開放構造を有することから、通常のメタロセン触媒を用いたのでは生じ得ない樹脂(長鎖分枝を持つ)をもたらし得る。
【0013】
更により最近になって、後期遷移金属(例えばFe、Co、NiまたはPd)の二座および三座触媒系が開発された。そのような後期遷移金属触媒の代表的な開示が米国特許第5,880,241号そしてこれの分割相当物(divisional counterparts)である米国特許第5,880,323号、5,866,663号、5,886,224号および5,891,963号、そしてPCT国際出願番号PCT/US98/00316、PCT/US97/23556、PCT/GB99/00714、PCT/GB99/00715およびPCT/GB99/00716に見られる。
【0014】
前記単一部位および後期遷移金属両方の触媒前駆体では、典型的に、有機金属ルイス酸[例えばメチルアルモキサン(MAO)]による活性化でカチオン性金属中心を生じさせる必要がある(ヒドロカルビル引き抜き機構を通して機能するとして特徴づけられる)。そのような活性化剤または共触媒は発火性であり(またはこれを生じさせる時に発火性反応体を用いる必要があり)、典型的に、触媒量の数倍の量で用いられる。そのような欠点を回避する試みによってボラン(例えばトリスペンタフルオロフェニルボラン)およびホウ酸塩(例えばテトラキスペンタフルオロフェニルホウ酸アンモニア)である活性化剤の開発がもたらされ、そのような活性化剤は非発火性ではあるが、製造がより高価である。このような要因がそのような触媒系の不均一版(heterogeneous versions)の開発を費用および性能目標を満足させる意味で複雑にしている。
【0015】
そのような触媒および関連した種類の触媒をいろいろな重合方法で用いて時には極めて異なる特性を有する製品を得ることができる。材料として重要であることが一般に知られているオレフィン重合体の場合の個々の用途の適切性は、一方では、それらの基材である単量体の性質、共重合用単量体の選択および比率、そして前記重合体を特徴付ける典型的な物理的パラメーター、例えば平均分子量、分子量分布、分枝度、架橋度、結晶度、密度、重合体に官能基が存在するか否かなどに依存し、他方では、工程の結果としてもたらされる特性、例えば低分子量不純物の含有量および触媒残渣の存在など、そして最後に重要なコストに依存する。
【0016】
配位触媒系の効率、例えば触媒系の活性、即ち所定量のオレフィンに変換を経済的に受けさせるに必要な触媒量、単位時間当たりの生成物変換率および生成物収率などの評価にとって、所望の製品特性を実現することに加えて他の要因も決定的である。特定の用途では、重合体が有する分枝の度合が低いことが好まれる時に高い生産性と高い特異性を示す触媒系、例えば本明細書に記述するFeもしくはCo触媒などが求められている。本明細書に記述するNiおよびPd触媒を用いた触媒系は、高度に分枝した重合体を妥当な生産性で得ることを探求するものである。
【0017】
触媒またはこれの成分の安定性および取り扱い容易さもそれの商業的具体化の選択に影響を与える別の要因である。公知配位触媒は実際に全部が空気および水分にいろいろな度合で極めて敏感である。配位触媒は(大気の)酸素および/または水に接触(access)すると典型的に活性が低下するか或は不可逆的な分解を起こす。例えば、大部分のチーグラー・ナッタおよびメタロセン触媒は空気に接触すると自然発生的に失活して使用不能になる。従って、大部分の配位触媒は典型的に調製、貯蔵および使用中に空気および水分への接触に対して保護されるべきであり、それによって、勿論、取り扱いが困難になりかつ必要な出費が増大する。本明細書に記述する二座および三座触媒は酸素に対する許容度がより高いことが知られている。
【0018】
考慮すべきさらなる要因は、配位触媒を不均一触媒系として用いることができるか否かである。不均一触媒系の有利さはスラリー重合方法の場合により完全に理解されている。より具体的には、スラリー重合はしばしば反応槽への単量体、触媒および希釈剤の供給が連続的に行われる反応槽内で実施される。生じた固体状の重合体は前記希釈剤に溶解しないで沈降し、その後、その重合体を反応槽から定期的に取り出す。この種類の重合方法(常に溶液の状態で存在)では、活性および選択率以外の要因が更に重要になる。
【0019】
例えば、スラリー方法では、かさ密度が比較的高い重合体をもたらす支持型触媒(supported catalyst)を提供することが望まれている。かさ密度があまりにも低いと固体状重合体の取り扱いが実用的でなくなる。また、生じる重合体が微細物を比較的含まない均一な球形粒子であるのも有利である。微細物のかさ密度が高いこともあり得るが、また、それらはより大きな粒子と同様には沈降しないことから、綿毛状重合体を後で処理する時に追加的取り扱い問題が生じる。
【0020】
更に、スラリー重合方法と典型的な溶液重合方法は他の基本的な様式でも異なる。後者の方が高い反応温度(>130℃)および高い圧力(>450psi)を必要とし、しばしば、生じる重合体の分子量も低い。分子量が低いことはそのような反応条件下で起こる連鎖停止速度が速いことに起因する。溶液方法では反応温度および/または圧力を下げるか或はメタロセン触媒の分子構造を変えることで分子量がより高い重合体を生じさせることができるが、結果として生じた高い分子量の重合体を下流の装置で処理するのは粘度が高いことから実用的でない。
【0021】
それとは対照的に、スラリー反応方法では単に操作をより低い温度(<100℃)で行うことで前記欠点の多くが克服される。その結果として、粒子サイズと形態が均一でより高い分子量を有する重合体を常規通り得ることができる。また、重合用触媒の残渣を結果として生じた重合体から除去する必要がないほど充分に高い重合効率でスラリー反応を実施することができることも利点である。
【0022】
スラリー重合方法がこの上で考察した利点を有することが不均一形態の配位触媒を開発することの誘因になっている。今までのところ、不均一触媒系を用いて実施可能な重合方法は気相重合方法のみである。
【0023】
最後に、配位触媒系の評価に、結果として生じる重合体の形態(例えばかさ密度)に影響を与える工程の考慮、工程が環境に優しいことの考慮、そして反応槽の汚れをもたらさないことの考慮を含めるべきである。
【0024】
従って、高い触媒活性を示し、反応槽の汚れをもたらさず、良好な樹脂形態を有する重合体生成物をもたらすと同時に工程が非常に環境に優しく(例えば製造が容易であり)かつ製造が安価である配位触媒系、好適には不均一配位触媒系を開発する研究が継続して行われてきている。
【0025】
また、特に、失活に対する敏感性が低くそして/または有害でなくかつ更に配位触媒系に入れる活性化用成分として用いるに適した化合物を見いだす必要もあった。本発明はそのような研究に応答して発明したものである。
【0026】
国際出願番号PCT/US97/11953(国際公開番号WO 97/48743)は、シリカゲルの壊れやすいスプレー乾燥(spray dried)凝集触媒支持体に向けたものであり、これは制御された形態の微細回転楕円体形状を有し、粗いざらざらした外観を有しかつ凝集物の表面に入り込んでいる隙間空間部を有し、そして実質的に均一なサイズおよび分布を示す。このような凝集物はまた1−250ミクロンの粒子サイズ、1−1000m2/gの表面積および少なくとも10のAttrition Quality Index(AQI)も示す。前記凝集物は乾式製粉された無機酸化物粒子、例えばシリカゲルなどと任意ではあるが好適には湿式製粉された無機酸化物粒子、例えばシリカゲル粒子[好適には1ミクロン未満の粒子をコロイド含有量(colloidal content)で含有する]などの混合物を水中でスラリーにしてスプレー乾燥することで作られている。このようにAQIが高いことで前記凝集物が壊れやすくかつ重合性能が向上することことが確保される。そのように形態が制御されていることで前記凝集物の成分である粒子に通常のオレフィン重合用触媒がより均一に染み込むか或はそれで被覆されると考えられている。粘土が適切な金属酸化物であるとは開示されていない。
【0027】
米国特許第5,633,419号には、スプレー乾燥シリカゲル凝集物をチーグラー・ナッタ触媒系用支持体として用いることが開示されている。
【0028】
米国特許第5,395,808号には、結合粘土(bound clay)の極限粒子(ultimate particles)と1種以上の任意材料、例えば無機結合剤(binders)、押出し加工もしくは成形用助剤、バーンアウト剤(burnout agents)または成形用液(forming liquid)、例えば水などの混合物を生じさせることを通して作られた素地(bodies)が開示されている。前記極限粒子を好適にはスプレー乾燥で生じさせている。適切な結合剤には、カオリン粘度が無機酸化物として用いられている時のシリカが含まれる。前記素地を前記極限粒子から生じさせており、そして前記素地を生じさせるに有用な方法には押出し加工、ペレット化、ボーリング(balling)および顆粒が含まれる。前記素地を前記極限粒子から組み立てている時に前記素地の中に間隙が導入され、その結果として生じる空間部は主に出発粒子と粒子の間に存在する。そのような多孔性素地は触媒支持体として用いるに有用であることが開示されている。同様な開示に関してまた米国特許第5,569,634号、5,403,799号および5,403,809号そしてEP 490 226も参考のこと。
【0029】
米国特許第5,362,825号には、柱支え粘土(pillared clay)とチーグラー・ナッタ触媒を接触させることで生じさせたオレフィン重合用触媒、即ち液状希釈剤の存在下で金属のジハライドと少なくとも1種の遷移金属化合物の混合物から生じさせた可溶錯体が開示されている。その結果として生じた混合物を次に有機アルミニウムハライドと接触させることで触媒を生じさせている。
【0030】
米国特許第5,807,800号は支持型メタロセン触媒に向けたものであり、この支持型メタロセン触媒は、粒状の触媒支持体、例えばモレキュラーシーブゼオライトなどとこの粒状支持体に担持されている立体特異的メタロセンを含んで成り、それには、立体的に異なる2つのシクロペンタジエニル環構造を有するメタロセン配位子構造が組み込まれていて、これが中心の遷移金属原子に配位している。背景の考察のコラム4に、配位しない安定なアニオンが組み込まているカチオン性メタロセンを用いる場合には一般にアルモキサンを用いる必要がないことが開示されている。
【0031】
米国特許第5,238,892号には、脱水されていないシリカをメタロセンおよびトリアルキルアルミニウム化合物用の支持体として用いることが開示されている。
【0032】
米国特許第5,308,811号には、(a)メタロセン型の遷移金属化合物と(b)粘土、粘土鉱物、イオン交換用層状化合物(layered compound)、ケイソウ土、ケイ酸塩およびゼオライトから成る群から選択される少なくとも一員と(c)有機アルミニウム化合物を接触させることで得たオレフィン重合用触媒が開示されている。成分(b)に化学的処理を受けさせてもよく、そのような化学的処理では、例えば、前記粘土が有する積層内の交換可能なイオンを他の大きなかさ高いイオンに置き換えることによるイオン交換を通して積層内距離(interlaminar distance)が拡大した層状物質を得ることを利用している。そのようなかさ高いイオンは、前記層状構造を支える柱の役割を果たし、従って柱(pillar)と呼ばれる。挿入し得るゲスト化合物(guest compound)には、四塩化チタンおよび四塩化ジルコニウムなどの如き材料に由来するカチオン性無機化合物が含まれる。そのようなゲスト化合物の挿入を起こさせている時にSiO2を存在させてもよい。好適な粘土はモントモリロナイトである。シリカゲルが適切な成分(b)であるとは開示されていない。
【0033】
米国特許第5,753,577号に重合用触媒が開示されており、この触媒は、メタロセン化合物、共触媒、例えばプロトン酸など、イオン化した化合物、ルイス酸およびルイス酸性化合物に加えて粘土材料を含んで成る。この粘土を酸またはアルカリで処理して鉱物から不純物を除去しそして可能ならば金属カチオンの一部を粘土の結晶構造から溶出させることを通して、前記粘土に修飾を受けさせてもよい。そのような修飾をもたらし得る酸の例には、ブレンステッド酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸および酢酸などが含まれる。この粘土に元々存在していた金属イオンを特定の有機カチオン、例えば脂肪族アンモニウムカチオン、オキソニウムイオンおよびオニウム化合物、例えば脂肪族アミンの塩酸塩などと交換することを通して、好適な粘土修飾を達成する。このような重合用触媒を場合によりSiO2、Al2O3、ZrO2、B2O3、CaO、ZnO、MgCl2、CaCl2およびそれらの混合物の微細粒子に担持させてもよい(コラム3の48行、コラム21の10行以降)。そのような微細粒状支持体は好適には粒子サイズの範囲が5−200ミクロンで孔サイズ範囲が200−100Åの如何なる形状の支持体であってもよい。その実施例には金属酸化物である支持体の使用は記述されていない。
【0034】
米国特許第5,399,636号には、無機部分、例えば粘土またはシリカなどに化学的に結合している橋状メタロセンを含んで成る組成物が開示されている。適切な支持体としてシリカが実施例に示されているが、粘土は示されていない。
【0035】
EP 849 292には、メタロセン化合物と修飾粘土化合物と有機アルミニウム化合物から本質的に成るオレフィン重合用触媒が開示されている。前記粘土の修飾は特定アミン塩、例えばアミンとプロトン酸(塩酸)の反応で得られるプロトン酸塩などと反応させることで達成されている。具体的に開示されているプロトン酸アミン塩は塩酸ヘキシルアミンである。そのように粘土に修飾を受けさせると結果として粘土に元々存在していたカチオンがプロトン酸アミン塩のアンモニウムカチオン成分に置き換わることで鉱物/有機イオン錯体が生じる。
【0036】
米国特許第5,807,938号にオレフィン重合用触媒が開示されており、これは、メタロセン化合物と有機金属化合物と固体状触媒成分[これは担体とイオン化したイオン性化合物(これは前記メタロセン化合物と反応した時に安定なアニオンを生じ得る)を含んで成る]を接触させると得られる。開示された適切な担体には無機化合物または有機高分子量化合物が含まれる。前記無機化合物には無機酸化物、例えばアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、シリカマグネシアなど、粘土鉱物および無機ハロゲン化物が含まれる。前記イオン化したイオン性化合物はアニオン成分とカチオン成分を含有する。このカチオン成分は好適には周期律表の15または16族の元素を含有するルイス塩基官能基、例えばアンモニウム、オキソニウム、スルホニウムおよびホスホニウムなどのカチオンを含んで成る。このカチオン成分はまたルイス塩基官能基以外の官能基、例えばカルボニウム、トロピニウムおよび金属などのカチオンを含有していても構わない。前記アニオン成分には、ホウ素、アルミニウム、燐またはアンチモン原子を含有するアニオン成分、例えば有機ホウ素、有機アルミニウム、有機燐および有機アンチモンなどのアニオンが含まれる。前記カチオン成分を前記担体の表面に固着させる。実施例で担体として用いられたのはシリカまたは塩化シリカのみである。多くの実施例でシリカの表面にシランによる修飾を受けさせている。
【0037】
米国特許第5,830,820号には、修飾粘土鉱物とメタロセン化合物と有機アルミニウム化合物を含んで成るオレフィン重合用触媒が開示されている。前記粘土鉱物にカチオンを粘土鉱物の層間隙部に入り込ませ得る化合物による修飾を受けさせている。前記粘土に入り込ませる適切なカチオンには、プロトン、即ちブレンステッド酸を伴うカチオン、例えばトリメチルアンモニウムなどばかりでなくカルボニウムイオン、オキソニウムイオンおよびスルホニウムイオンなどが含まれる。代表的なアニオンには塩素イオン、臭化物イオンおよびヨウ化物イオンが含まれる。
【0038】
EP 881 232は、粘土の平均粒子サイズを10ミクロン未満にすると開示されている以外は米国特許第5,830,820号と同様である。
【0039】
EP 849 288には、メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物と修飾粘土化合物から本質的に成るオレフィン重合用触媒が開示されている。前記粘土をある特定のアミン化合物のプロトン酸塩、例えばヘキシルアミンクロライドなどと接触させることで、それに修飾を受けさせている。
【0040】
特開平10−338516号には、金属酸化物が中に入り込んでいる粘土鉱物を生じさせる方法が開示されており、この方法は、層構造を有する粘土鉱物を水で膨潤させかつ希釈することでゾルを生じさせ、有機金属化合物を有機酸が入っている水溶液に添加することで金属化合物を含有するゾルを生じさせ、前記膨潤させた粘土鉱物ゾルと前記金属化合物含有ゾルを混合して撹拌することで前記金属化合物をその膨潤した粘土鉱物内の層の中に入り込ませた後、この金属化合物が中に入り込んだ粘土鉱物に洗浄、脱水、乾燥そして焙焼を受けさせることを含んで成る。適切な金属酸化物にはチタン、亜鉛、鉄および錫の酸化物が含まれる。
【0041】
米国特許第4,981,825号は乾燥した固体状組成物に向けたものであり、この組成物は、粘土粒子とこの粘土粒子から実質的に隔離されている無機金属酸化物粒子を含んで成る。より具体的には、前記金属酸化物粒子は焼結時に融合する傾向があるゾル粒子である。その結果として、そのようにゾル粒子をスメクタイト(smectite)型の粘土粒子から隔離しておくと、ゾル粒子が焼結条件下で融合する度合が低くなることで表面積の損失が防止される。好適な金属酸化物は平均粒子サイズが40から800オングストローム(0.004から0.08ミクロン)、好適には40から80オングストロームのコロイド状シリカである。この金属酸化物と粘土の比率を約1:1から20:1、好適には4:1から10:1の範囲にしている。最終生成物は粘土小板がゾル粒子の凝集を抑制しているゾル粒子−粘土複合体であるとしてコラム3の50行以降に記述されている。そのような生成物は粘土小板がゾル粒子の間に存在していて全体が不規則なゾル−粘土網状組織で構成されている。結果として生じる複合体は非常に高い表面積を有しかつそのように高い表面積を高温でも維持し得る。このような構造配置は、また、粘土にシリカが挿入している構造からも区別される。その主題組成物は触媒作用気体反応で用いるに有用でありかつ不純物を気体流れから除去するに有用であると要約に開示されている。具体的な触媒系は開示されていない。
【0042】
米国特許第4,761,391号に層剥離した粘土が開示されており、それのx線回折パターンには明確な一次反射(first order reflection)は含まれていない。膨潤させた合成または天然の粘土をポリオキシ金属カチオン、ポリオキシ金属カチオン混合物、コロイド粒子(アルミナ、シリカ、チタニア、クロミア、酸化錫、酸化アンチモンまたはそれらの混合物を含んで成る)およびカチオン金属集団(ニッケル、モリブデン、コバルトまたはタングステンを含んで成る)から成る群から選択される柱剤(pillaring agent)と反応させることで、そのような粘土を生じさせている。結果として生じた反応生成物の乾燥を気体状媒体中で好適にはスプレー乾燥で行っている。結果として生じる層剥離した酸性粘土は分解用触媒および水素化処理用触媒の活性成分として使用可能である。粘土と柱剤の比率を約0.1から約10の範囲にすると開示されている。そのような層剥離した粘土を得る目的で、適切な形態を有するように膨潤させた粘土、例えばコロイド粒子サイズ(colloidal particle size)の粘土の懸濁液を前記柱剤の溶液または懸濁液と一緒にこの上に記述した比率で混合している。そのような反応体を混合すると、前記粘土の小板が前記柱剤を急速に吸収することで、ランダムに配向した柱で支えられている(pillared)小板凝集物で構成されている凝集隗(flocculated mass)が生じる。次に、遠心分離濾過などの如き技術を用いて、その凝集した反応生成物またはゲルからいくらか残存する液体を分離する。次に、このゲルを温水に入れて洗浄することで余分な反応体を除去した後、好適にはこれにスプレー乾燥を受けさせる。前記柱剤は加熱時に金属酸化物集団に変化し、この金属酸化物集団が前記粘土の小板の柱になってそれらを離して位置させかつ酸性を与え、これが、結果として生じる層剥離した粘土が触媒活性を示す一因になる。そのような材料のx線回折パターンには、小板の面と面の連結に加えて面と縁および縁と縁の連結が存在する意味で小板がランダムに配向していることを示す明確な一次反射は含まれていない。コラム8の55行以降に記述されている有用性には、触媒、特に炭化水素変換用触媒の成分としての使用、最も好適には分解用触媒および水素化分解用触媒の成分としての使用が含まれる。これは、前記粘土が巨視孔ばかりでなく微細孔も含有することから通常はゼオライトの孔の中に入り込むことが出来ない大型の分子がその層剥離した粘土の酸性部位の中に入り込むことでそのような材料が高分子量炭化水素成分の分解で高い効率を示すことによる(また米国特許第5,360,775号も参照)。
【0043】
米国特許第4,375,406号には、繊維状粘土と前以て焼成を受けさせておいた酸化物を含有する組成物が開示されており、この組成物の調製は、前記粘土と前記前以て焼成を受けさせておいた酸化物粒子の流動性懸濁液を生じさせてこの懸濁液を撹拌することで共分散液を生じさせそしてこの共分散液に成形および乾燥を受けさせることで行われている。適切な繊維状粘土にはアルミノシリケート、ケイ酸マグネシウムおよびケイ酸アルミノマグネシウムが含まれる。適切な繊維状粘土の例はアタパルジャイト、プレイゴルスカイト、セピオライト、ハロイサイト、エンデライト、クリソタイルアスベストおよびイモゴライトである。適切な酸化物にはシリカが含まれる。繊維状粘土と前以て焼成を受けさせておいた酸化物の比率は20:1から1:5(重量)に及んで多様であると開示されている。それとは対照的に、ここで請求する発明では繊維状粘土を用いない。
【0044】
挿入型粘土(intercalated clays)を開示している追加的特許は米国特許第4,629,712号および4,637,992号である。柱支え粘土を開示している追加的特許には米国特許第4,995,964号および5,250,277号が含まれる。
【0045】
1999年6月9−10日にテキサス州のヒューストンで開催されたTransition ConferenceのMetCon ’99 PolymersでYoshinor Suga、Eiji Isobe、Toru Suzuki、Kiyotoshi Fujioka、Takashi Fujita、Yoshiyuki Ishihama、Takehiro Sagae、Shigeo GoおよびYumito Ueharaが「Novel Clay Mineral−Supported Metallocene Catalysts for Olefin Polymerization」の表題で提出した論文に、脱水を受けさせた粘土鉱物に場合により有機アルミニウム化合物の存在下で担持させたメタロセン化合物を含んで成るオレフィン重合用触媒が開示されている。微細な粘土鉱物粒子を用いて生じさせた触媒は操作が困難であり、例えば汚れをもたらすことから、それらはスラリーおよび気相方法で用いるには適さないことが5頁に開示されている。このように、その開発された方法は粘土鉱物に均一な球形を与える顆粒方法であった。そのような球形をもたらす方法は開示されていない。
【0046】
PCT国際出願番号PCT/US96/17140(米国連続番号562,922に相当)にメタロセンオレフィン重合用支持体が開示されており、この支持体は、反応性ヒドロキシル基またはヒドロキシル基の反応性シラン官能化誘導体を表面に有する固体状マトリックス(matrix)を含んで成る無機酸化物と活性化剤化合物の反応生成物を含んで成る。前記活性化剤化合物は、カチオン(これはメタロセン化合物と反応して触媒活性遷移金属錯体を生じ得る)と適合性アニオン(表面に残存するヒドロキシル官能性を通してか或は反応性シラン部分を通して無機酸化物マトリックスと反応し得る少なくとも1種の置換基を含有する)を含んで成る。適切なアニオン活性化剤の代表例はトリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ボレートである。開示された適切な無機酸化物にはシリカ、アルミナおよびアルミノシリケートが含まれる。
【0047】
米国特許第5,880,241号にいろいろな後期遷移金属二座触媒組成物が開示されている。不均一無機材料(heterogeneous inorganic materials)を配位しない対イオンとして用いることを包含する多様な手段を用いて前記触媒を不均一触媒にすることができることがコラム52の18行以降に開示されている。開示された適切な無機材料にはアルミナ、シリカ、シリカ/アルミナ、コージライト、粘土およびMgCl2が含まれ、混合物は開示されていない。また、高分子支持体に担持されておりかつ結合している配位しないアニオンを伴う触媒にスプレー乾燥を受けさせることも意図されている。実施例433および434ではモントモリロナイト粘土を支持体として用いているが、これらの実施例には重合体の形態(polymer morphology)は開示されていない。
【0048】
PCT国際出願番号PCT/US97/23556には、強ルイス酸化合物、例えばMAOなどを用いてアルキル金属のアルキル置換もしくは引き抜きを行うか或は弱ルイス酸、例えばトリエチルアルミニウムなどを用いたアルキル置換に続いて結果として金属中心に生じたアルキル基をより強いルイス酸、例えばB(C6F5)3などで引き抜くことを通して生じさせたFeもしくはCo三座イオン錯体とエチレンを接触させてエチレンを重合させる方法が開示されている。前記FeもしくはCo三座化合物をシリカまたはアルミナで担持させた後、それにルイス酸もしくはブレンステッド酸、例えばアルキルアルミニウム化合物などによる活性化を受けさせてもよい(19頁の1行以降)。酸性粘土(例えばモントモリロナイト)は支持体として機能する可能性があることから前記ルイス酸もしくはブレンステッド酸の代わりになり得る。前記Co錯体用の支持体として実施例43−45ではシリカ支持MAOが用いられておりそして実施例56では脱水されたシリカが用いられている。重合体の形態は考察されていない。
【0049】
PCT国際出願番号PCT/US98/00316には、この上で考察したPCT−23556出願に類似した触媒を用いてプロピレンを重合させる方法が開示されている。
【0050】
本出願の発明者であるKeng−Yu Shihが1998年10月5日付けで提出した米国連続番号09/166,545は、アニオン成分とカチオン成分を含有する支持型後期遷移金属二座もしくは三座触媒系を開示しており、前記アニオン成分はホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、テルルおよびそれらの混合物を含有し、それらはシラン誘導中間体を通して無機支持体(例えばSiO2)に共有結合しており、例えばホウ酸アニリニウムがシリカに連結している。
【0051】
本出願と同じ日にKeng−Yu Shihが提出した米国連続番号 (処理予定番号W−9459−01)は、シリカ凝集物を遷移金属触媒系用支持体として用いることを開示しており、そこでは、引き抜きを行わない(non−abstracting)アルキルアルミニウムである活性化剤を特に制御した(例えば非常に低い)量で用いている。
【0052】
(発明の要約)
本発明は、無機酸化物(例えばシリカ)とイオン交換性層状化合物(ion exchanging layered compound)(例えば粘土)の特定の凝集複合粒子(agglomerate composite particles)が向上したルイス酸性度分散性(Lewis acidity dispersion)と接近性(accessibility)を示すと考えており、それによってメタロセンでも拘束幾何でもない特定の二座および三座遷移金属化合物である触媒前駆体にとって極めて堪能な支持体−活性化剤(support−activators)になることを見いだしたことに頼っている。より具体的には、前記凝集粒子はイオン化し得る粘土粒子をそれらの既知ルイス酸性度が前記粒子全体に渡ってより均一に分散すると同時に前記触媒前駆体に近づいて相互作用する度合がより大きくなるような様式で取り込むと考えている。それによって前記支持体−活性化剤は前記触媒前駆体が活性化される前の状態(例えばイオン化し得る状態)の時にそれを有効かつ同時に活性化、例えばイオン化させるばかりでなく重合中に活性触媒を援助すると考えている。それによって、追加的イオン化剤(ionizing agents)(これらは高価でありかつそのような系に追加的複雑さを持ち込む)を用いる必要がなくなる。それとは対照的に、前記支持体−活性化剤は安価であり、環境に優しくかつ製造が容易である。
【0053】
本発明は、前記触媒前駆体の予備活性化(pre−activation)が特定の有機金属化合物の濃度に非常に敏感であることから前記特定の有機金属化合物を極めて少量用いることでも活性化が誘発されることを更に見いだしたことに頼っている。それによって本触媒系のコストが更に低くなりかつ従来技術の高価な活性化剤であるMAOもボレートも用いる必要がなくなると同時に極めて高い活性を達成することが可能になる。
【0054】
本発明で見いだした事項のさらなる面は、本支持体−活性化剤が前記支持体前記を吸着および/または吸収、好適には如何なる特殊な含浸段階も用いることなくそれのスラリーを用いた化学吸着および/または化学吸収で明らかに不動態化しそしてそのようなスラリーを実際にオレフィンのスラリー重合で直接用いることができる点にある。結果として生じる重合体の形態は不均一重合が起こったことを示しており、このことは、本支持体−活性化剤に前記触媒前駆体が容易に染み込むことを観察[x線粉末回折、断面ミクロプローブ(microprobe)元素分析そして支持体−活性化剤に誘発された色を基にして]したことに一致しており、その結果として、本支持体−活性化剤と前記触媒前駆体が反応したと考えている。その上、本触媒系が微細回転楕円体形態を有することに加えて活性触媒がその中に固定されていることが観察した重合体の形態が極めて望ましいことの一因であると考えている、と言うのは、それによって反応槽の汚れが防止され、重合体の微細物がなくなりかつこれが高いかさ密度を示すからである。本触媒系はスラリーまたは乾燥粉末として使用可能である。
【0055】
本発明で見いだした事項のさらなる面は、一方では無機酸化物:層状材料の重量比、焼成温度および有機アルミニウム化合物の量と他方では触媒活性の間に機能的相関関係が存在することからそのような変数を調節することで活性を前記無機酸化物単独または前記層状材料(例えば粘土)単独による担持および/または活性化を受けさせた同じ触媒前駆体が示すそれよりも高くすることができると同時に良好な重合体形態をもたらすことができる点にある。
【0056】
従って、本発明の1つの面では、オレフィンを重合させ得る配位触媒系、好適には不均一配位触媒系を提供し、この配位触媒系は、
(I)(A)前記支持体−活性化剤と接触した時に活性化され得るか或は(B)有機金属化合物と接触した時にある中間体に変化して前記中間体が前記支持体−活性化剤と接触した時に活性化され得る触媒前駆体としてメタロセンでも拘束幾何でもない少なくとも1種の二座遷移金属化合物または三座遷移金属化合物(この遷移金属は周期律表の3から10族から選択される少なくとも一員である)を(II)支持体−活性化剤凝集物と密に接触した状態で含んで成り、ここで、前記触媒支持体−活性化剤凝集物は(A)SiO2、Al2O3、MgO、AlPO4、TiO2、ZrO2、Cr2O3から選択される少なくとも1種の無機酸化物成分と(B)少なくとも1種のイオン含有層状材料[この層状材料は層間に空間部を有しかつこれが前記支持体−活性化剤内に存在している時に前記触媒前駆体が前記支持体−活性化剤と接触した時点で前記触媒前駆体を活性にするに充分なルイス酸性を有し、前記層状材料はカチオン成分とアニオン成分を有していて前記アニオン成分は前記層状材料の空間部内に存在する]の複合体を含んで成り、ここでは、前記層状材料を、これが前記凝集物内に前記無機酸化物成分と一緒に密に分散した状態で、前記配位触媒系がエチレン単量体の重合に関して示す活性(触媒系1g当たりに1時間毎に生じるポリエチレンのKgとして表す)が前記支持体−活性化剤の成分A(無機酸化物)またはB(層状材料)のいずれかが存在しない以外は同じ触媒前駆体が用いられている相当する配位触媒系が示す活性に比較して向上するに充分な量で存在させ、前記触媒前駆体の量およびこれに密に接触している支持体−活性化剤の量を、触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約5:1から約500:1であるに充分な量にする。
【0057】
本発明の別の面では、前記触媒系を生じさせる方法を提供し、この方法は、
(I)(A)SiO2、Al2O3、MgO、AlPO4、TiO2、ZrO2、Cr2O3から選択される少なくとも1種の無機酸化物成分を
(B)少なくとも1種のイオン含有層状材料と一緒に
凝集させることで支持体−活性化剤[前記少なくとも1種のイオン含有層状材料は層間に空間部を有しかつこれが前記支持体−活性化剤内に存在している時に(II)の触媒前駆体化合物の遷移金属が前記支持体−活性化剤と接触した時点で前記触媒前駆体化合物の遷移金属を活性にするに充分なルイス酸性を有し、前記層状材料はカチオン成分とアニオン成分を有していて前記アニオン成分は前記層状材料の空間部内に存在する]を生じさせるが、ここでは、前記凝集物内に前記層状材料が前記無機酸化物成分と一緒に密に分散した状態で前記配位触媒系がエチレン単量体の重合に関して示す活性(触媒系1グラム当たりに1時間毎に生じるポリエチレンのKgとして表す)を前記支持体−活性化剤の成分AまたはBのいずれかが存在しない以外は同じ触媒前駆体が用いられている相当する配位触媒系が示す活性に比較して向上させるに充分な量で存在するようにし、
(II)(A)前記支持体−活性化剤と接触した時に活性化され得るか或は(B)有機金属化合物と接触した時にある中間体に変化して前記中間体が前記支持体−活性化剤と接触した時に活性化され得る触媒前駆体としてメタロセンでも拘束幾何でもない二座遷移金属化合物および三座遷移金属化合物から選択される少なくとも1種の遷移金属(この遷移金属は周期律表の3から10族から選択される少なくとも一員である)化合物である触媒前駆体を供給し、
(III)少なくとも1種の不活性な液状炭化水素の存在下で前記支持体−活性化剤と触媒前駆体を前記液状炭化水素中の触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約5:1から約500:1であるに充分な様式で接触させることで、前記支持体−活性化剤による前記触媒前駆体の吸収および吸着の中の少なくとも1つを起こさせる、
ことを含んで成る。
【0058】
(好適な態様の説明)
本発明では、この上に示したように、本支持体−活性化剤および場合により本明細書の以下に記述する有機金属化合物と接触した時に活性化され得る触媒前駆体としてメタロセンでも拘束幾何でもない中性遷移金属化合物を用いる。活性化された遷移金属化合物は、(a)中心の遷移金属原子、例えば下記の式中のZで表される中心の遷移金属原子が完全またはある程度正に帯電した状態に変化することなどで帯電、即ち遷移金属化合物がカチオンまたはカチオン様になっていて安定なアニオンまたはアニオン様部分と結合した状態にありかつ(b)オレフィンの重合に重合条件下で触媒作用を及ぼし得る化合物である。
【0059】
より具体的には、そのような遷移金属触媒前駆体は、(A)本支持体−活性化剤との接触で活性化され得るか或は(B)有機金属化合物との接触である中間体に変化しそして前記中間体が本支持体−活性化剤との接触で活性化され得る、少なくとも1種の二座遷移金属化合物、少なくとも1種の三座遷移金属化合物またはそれらの混合物であってもよい。
【0060】
そのような二座触媒前駆体化合物は一般に式:
【0061】
【化7】
【0062】
で描写可能でありそして三座触媒前駆体化合物は一般に式:
【0063】
【化8】
【0064】
で描写可能であり、ここで、前記式IおよびIIの各々において、
各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素の中の少なくとも1種、好適には酸素または窒素またはそれらの組み合わせを表し、最も好適には、I中の各AおよびIIの少なくとも2つのAが窒素を表し、
「a」は、0、1または2の整数であり、これは、Zに結合する(L’)基の数を表し、この「a」の値は、Zの酸化状態そして個々のA−Z結合が供与結合であるか或は共有結合であるかそして共有結合の場合にはそれが単結合であるか或は二重結合であるかに依存し、
Zは、周期律表の3から10族の遷移金属の少なくとも1種、好適には酸化状態が+2(a=0)または+3(a=1)のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptまたは酸化状態が+2(a=0)、+3(a=1)または+4(a=2)のTi、V、Cr、Mn、Zr、Hfから選択される遷移金属、より好適には鉄、コバルト、ニッケルまたはパラジウムから選択される4から7族の後期遷移金属、最も好適には鉄またはコバルトを表し、そして
各LおよびL’(存在する場合)は、独立して、水素、ハロ、および炭化水素が基になった基(radical or group)の群から選択される配位子(これは共有結合もしくは供与結合でZと結合する)を表すか、或は両方のL基が一緒になって炭化水素が基になった基、好適にはC3からC24のヒドロカルビレン基(これは共有もしくは供与結合でZと結合しそしてAとZをつなげている線が共有結合を表す時にはZと一緒に環または縮合環構造、典型的には3員から7員、好適には4から7員の複素環式環構造を構成する)を表す。
【0065】
本明細書で用いる如き用語「炭化水素が基になった基」は、本発明の文脈内で主に炭化水素特性を有していて分子の残りに直接結合している炭素原子を有する基を表す。その上、本文脈では用語「group」と「radical」を互換的に用いる。そのような基には下記が含まれる:
(1)炭化水素基、即ち本分野の技術者に公知の種類の脂肪族基、芳香置換基および脂環置換基など、
(2)置換炭化水素基、即ち炭化水素でないペンダント型の置換基を含む基、即ち本発明の文脈で当該基が主に示す炭化水素特徴を変えることも前記触媒前駆体の毒を構成することもない基[本分野の技術者は適切な置換基を認識していると思われ、その例はハロ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルバルコキシおよびアルキルチオである]、
(3)ヘテロ基、即ち性質は本発明の文脈内で主に炭化水素であるが存在する炭素以外の原子が鎖の線形構造または環の一員(これ以外は炭素原子で構成)として含まれている基[適切なヘテロ原子は本分野の技術者に明らかであると思われ、それには例えば窒素、酸素および硫黄が含まれる]。
【0066】
このような炭化水素が基になった基に存在する置換基またはヘテロ原子の数は炭素原子10個当たり一般に3以下、好適には1以下であろう。
【0067】
より具体的には、LおよびL’の炭化水素が基になった基は置換もしくは未置換の環状もしくは非環状の線状もしくは分枝脂肪族、芳香族または脂肪族と芳香族の混合であってもよく、それには非水素原子数が50以下のヒドロカルビレン、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシリル、ヒドロカルビルアミノおよびヒドロカルビルシロキシ基が含まれる。好適なLおよびL’基はハロ、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビル基から独立して選択される。そのような炭化水素が基になった基が含む炭素原子の数は典型的に1から約24であってもよく、好適には炭素原子の数は1から約12であってもよく、その置換基は好適にはハロゲン原子である。
【0068】
各Aと他の各Aをつなげている線は、炭化水素が基になった基、典型的にはC2からC90(例えばC2からC20)、好適にはC3からC30(例えばC3からC12)の炭化水素が基になった基、例えば環または縮合環ヒドロカルビレン構造または置換ヒドロカルビレン構造を与えるヒドロカルビレン基などを表す。この構造の一部は炭素−炭素二重結合、炭素−炭素単結合、炭素−A原子二重結合および炭素−A原子単結合で構成されていてもよい。
【0069】
前記二座および三座遷移金属化合物では、典型的に、(A)基をつなげている線に含まれ得るAとZと炭素が集合的に連結して典型的には4から7員、好適には5から7員の環構造を構成していてもよい。
【0070】
そのような触媒前駆体が有する各A原子と遷移金属Zと間の結合そしてLとZの間の結合は供与または共有のいずれかであってもよい。供与結合は、単に、金属の空の軌道に電子を与えてこの金属の電子密度を高くするような電子が豊富なA原子と金属Zの間の関係を表しており、金属Zの酸化状態の如何なる変化も誘発しない。同様な考慮がZとLの間の関係にも当てはまる。
【0071】
本主題触媒の源の前記二座および三座触媒前駆体化合物は公知である。そのような成分およびこれの製造方法の開示がいろいろな出版物に記述されており、そのような出版物にはPCT公開番号WO 96/23010、WO 99/46302、WO 99/46303およびWO 99/46304、米国特許第5,880,241号、5,880,323号、5,866,663号、5,886,224号および5,891,963号、Journal of the American Chemical Society(JACS)1998、120、6037−6046、JACS 1995、117、6414−6415およびSupplemental Teachings、JACS 1996、118、1518、Macromol.Rapid Commun.19、31−34(1998)、Caltech Highlights 1997、65−66、Chem Week 4/29/98、72、C&EN 4/13/98 11−12、JACS 1998、120、4049−4050、日本特許出願02−078,663、そしてAngew.Chem.Int.Ed.1999、38巻、428−447頁、The Search for New−Generation Olefin Polymerization Catalysts:Life Beyond Metallocenesが含まれる。この上に示した文献の各々の教示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる。
【0072】
式IおよびII中の各LおよびL’基は、好適には、ハロゲン原子、置換されていないヒドロカルビルまたはヒドロカルビルオキシ基である。最も好適な化合物は各Lがハロゲンである化合物である。
【0073】
好適な二座触媒前駆体化合物の例は、例えば式:
【0074】
【化9】
【0075】
[式中、
nは整数であり、これは0から3に及んで多様であり得るが、好適には0または1であり、
a、b、cおよびdは、各々独立して、1または0を表し、これは、それに結合しているR基が存在する(1)か或は存在していない(0)を示しており、
R1およびR4は、各々独立して、未置換もしくは置換C1−C20、好適にはC3−C20ヒドロカルビル、例えばアルキル、アリール、アルカリールまたはアラルキル基など、例えばi−プロピル、t−ブチル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−メチルフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、それらのフッ素置換誘導体などから選択されるか、或は隣接する基と一緒になってC3−C20ヒドロカルビレン基を表してもよく、
R2、R3、R5、R6、R7およびR8は、各々独立して、水素、未置換もしくは置換C1−C20ヒドロカルビル基、例えばアルキル、アリール、アルカリールまたはアラルキル基など、例えばメチル、エチル、i−プロピル、ブチル(全異性体)、フェニル、トルイル、2,6−ジイソプロピルフェニルなどから選択されるか、或はいずれかのR基、例えばR2およびR3などが隣接する炭素原子と一緒になって未置換もしくは置換C3−C20環を与えてもよく、このようにヒドロカルビレン基、例えばヘキシレン、1,8−ナフチレンなどを形成していてもよい]で表される化合物であり得る。
【0076】
Z、Aそして各LおよびL’は、式Iに関連してこの上で定義した通りである。Zがニッケルまたはパラジウムから選択されそして各LおよびL’が独立して塩素、臭素、ヨウ素またはC1−C8(より好適にはC1−C4)アルキルから選択されるのが好適である。点線で示す結合は、この点線で橋渡しされている原子が単結合または二重結合で橋渡しされていてもよいと言った可能性を表している。
【0077】
式I中のb、cおよびdの個々の同定は(i)Zの同定、(ii)ヘテロ原子Aの同定、(iii)ヘテロ原子Aとこれに隣接する環炭素の間の結合が単結合であるか或は二重結合であるかそして(iv)ヘテロ原子AとZの間の結合が供与結合であるか或は共有結合であるかに依存するであろうことは理解されるであろう。
【0078】
より具体的には、式Ia中のA1が窒素の時には、これは結合で利用可能な空位を常に少なくとも3つ有するであろう。前記Nとこれに隣接する環炭素の間の結合が二重共有結合の場合、R5のbはゼロでありそしてZとの共有結合で利用可能なNの所のさらなる空位は1つのみであると思われ、この場合のcおよびdはゼロであり、或はさもなければ、Zとの結合が供与結合の場合にはNとR1またはR7基の結合は共有結合であり得、この場合にはdまたはcのいずれかが1である。同様に、Nと隣接する環炭素の間の結合そしてNとZの間の結合が単共有結合の場合、R5のbは1であり得そしてdまたはR7のcのいずれかが1であると思われる。別法として、このようなシナリオ(scenario)において、NとZの間の結合が供与結合の場合にはdとR7のcの両方が1であり得る。
【0079】
式Ia中のA1が酸素の場合には、この上に示した法則が変わる、と言うのは、酸素が有する利用可能な空位はNの場合の3つではなく2つのみであるからである。このように、A1が酸素でありそしてこれが隣接する環炭素に二重共有結合している時には、A1とZの間の結合は供与結合であると思われそしてR5のbとR7のcおよびdはゼロであると思われる。そのような二重結合が単結合に置き換わっている場合、R5のbは1であり得そしてA1とZの間の結合は単共有結合であり、この場合のR7のcおよびdは両方ともゼロであり、或はそれが供与結合の場合には、R7のcまたはdのいずれかが1である可能性がある。
【0080】
A1が硫黄の場合の空位の法則はA1が酸素の場合のそれと同じである。燐は典型的に空位を3つ有し、これらは3つの単共有結合でか或は1つの二重共有結合と1つの単共有結合で利用可能である。燐は典型的にZとは共有結合しないと思われ、Zとの結合は供与結合であると思われる。
【0081】
A1に関してこの上に記述した考慮と同様な考慮が式IaのA2そして本明細書の以下に考察する式IIaの全A基およびa、b、cに関しても当てはまる。
【0082】
本発明の触媒組成物を生じさせる時に用いるに有用な二座触媒前駆体化合物の説明的化合物は下記の基の組み合わせを有するIaで表される化合物である。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】
注:前記表Iでは下記の慣例および省略形を用いる。R1およびR4に関して、置換フェニル環が存在する場合、置換基の量をフェニル環上の位置を示す番号の数で示し、例えば2,6−iPr2Phは2,6−ジイソプロピルフェニルを表し、iPr=イソプロピル、Pr=プロピル、Me=メチル、Et=エチル、t−Bu=t−ブチル、Ph=フェニル、Np=ナフチル、An=1,8−ナフタレン、jは基−C(Me)2−CH2−C(Me)2−であり、そしてeは基(CH2)3CO2Me−であり、SY=ScまたはY、CMW=Cr、MoまたはW、TZH=Ti、ZrまたはHf、そしてN/A=適用不能。
【0090】
典型的な三座触媒前駆体化合物は、例えば式:
【0091】
【化10】
【0092】
[式中、
R5およびR6は、各々独立して、水素、未置換もしくは置換アリール基から選択され、ここで、前記置換基は、アルキル、または意図する重合に対して不活性な官能ヘテロ基であり、
R7およびR8は、各々独立して、水素、未置換もしくは置換C1−C20(好適にはC1−C6)ヒドロカルビル、例えばアルキル(メチル、エチル、プロピル、ペンチルなど)、アリール(フェニル、トルイルなど)、または重合に対して不活性な官能基(例えばニトロ、ハロなど)から選択され、
R9からR19は、各々独立して、水素、未置換もしくは置換C1−C20ヒドロカルビル、または不活性な官能基(全部、この上でR7に関して記述した如き)から選択され、
a、bおよびcは、各々独立して、0または1であり、これは、それと結合しているR基が存在しているか否かを表し、
Zは、この上で定義した如き遷移金属、好適にはFe(II)、Co(II)またはFe(III)であり、
各A1からA3は、独立して、式IのAに関連して定義した如く選択され、そして各LおよびL’は、独立して、ハロゲン、例えば塩素、臭素、ヨウ素など、またはC1−C8(好適にはC1−C5)アルキルから選択されるか、或はいずれか2つのL基が一緒に組み合わさって未置換もしくは置換の飽和もしくは不飽和ヒドロカルビレン基を表し、これはZと一緒になって環状基、好適には3から7員、最も好適には3から5員環の環状基を形成している]
で描写可能である。
【0093】
II(a)で表される好適な化合物は、各R9、R10およびR11が水素であり、bが0であり、cが1でありそしてR7およびR8が各々独立してハロゲン、水素またはC1−C6アルキルから選択され、好適には各々が独立してメチルまたは水素から選択され、そしてIIaのR5およびR6が各々アリールまたは置換アリール基であり、好適にはこのアリールが2位、2,6位または2,4,6位にC1−C6(最も好適にはC1−C3)アルキルから選択される置換基を含みそして残りの位置が各々独立して水素(最も好適)、ハロゲンまたはC1−C6(好適にはC1−C3)アルキルから選択される化合物である。
【0094】
本発明の触媒組成物を生じさせる時に用いるに有用な三座触媒前駆体化合物の説明的例は下記の表IIに示す下記の基の組み合わせを有する式IIaで表される化合物である。
【0095】
【表7】
【0096】
【表8】
【0097】
【表9】
【0098】
この上に示した表II中の星印(*)は、この上に示した好適な三座化合物II(a)の両方のアニオン性配位子基(L)を表し、そして前記化合物の各々の両方のL基は、それぞれ、塩素、臭素、メチル(−CH3)、エチル(−C2H5)、プロピル(−C3H7、異性体の各々)、ブチル(−C4H9、異性体の各々)、ジメチルアミン、1,3−ブタジエン−1,4ジイル、1,4−ペンタジエン−1,5ジイル、C4アルキレンおよびC5アルキレンである。また、式II中、Bz=ベンジル、Sil=シロキシ、iPrPH=イソプロピルフェニル、t−Bu=t−ブチル、Me2=ジメチル、Me3=トリメチル、等々。
【0099】
重合中にカチオンもしくはカチオン様(本明細書では総称的にカチオンと呼ぶ)成分とアニオンもしくはアニオン様(本明細書では総称的にアニオンと呼ぶ)成分の活性対として存在すると考えている最終的な触媒組成物を生じさせるに必要な工程段階の性質はLの同定によって決定されるであろうことは理解されるであろう。そのようなカチオン成分は、典型的には正電荷が金属中心Zに完全またはある程度与えられることで活性化を受ける触媒前駆体であり、そしてアニオン成分は、本支持体−活性化剤に由来する完全またはある程度負に帯電している成分であり、これは通常の重合反応条件下で活性金属中心Zの近くに存在していてそれに電荷均衡を与えると同時に不安定なままであると考えている。本明細書では用語「不安定」をアニオン成分が重合条件下で触媒活性部位の所にほんの緩く結合していることで単量体を添加した時点で重合性単量体に置き換わり得ることを意味する目的で用いる。
【0100】
このように、前記触媒前駆体が活性化される様式は典型的にLの同定に依存する。
【0101】
一般的観点から、触媒前駆体の活性化は少なくとも1つのL基が金属中心からこの金属中心の所に開放された配位部位が生じるに充分な様式で取り除かれる結果として起こると考えている。
【0102】
活性化を達成する機構および材料はいろいろ知られているか或は入手可能である。そのような機構は、Lおよび本支持体−活性化剤の同定に応じて1または2段階(意図した分子に関して)で誘発され得る。単一段階で起こさせる活性化は、典型的に、本支持体−活性化剤で直接活性化され得る触媒前駆体を個別に合成することを伴う(例えば、触媒前駆体を合成する時に最初にLをヒドロカルビルとして選択する)。2段階で起こさせる活性化は、典型的に、少なくとも1つの電子求引性L基(例えばCl)を電子求引性がより低い少なくとも1つのL基(例えばアルキル)[これは2番目の段階で本支持体−活性化剤によってより容易に追い出されることで金属中心Zの所が活性化される]と交換する予備活性化である1番目の段階を伴う。従って、予備活性化は、有機金属化合物、例えば有機リチウムまたは好適には有機アルミニウムの水素化物またはアルキルなどによる公知アルキル置換反応を通して誘発可能である。予備活性化によって本支持体−活性化剤をあらゆる活性化で用いることが可能になりかつ高価なメチルアルモキサンもイオン化剤、例えばホウ素含有活性化剤(または共触媒)なども用いなくてもよくなる。
【0103】
このように、通常の配位触媒系が機能を果たすようにする活性化機構には、これらに限定するものでないが、(a)引き抜き部分(abstracting moiety)、例えばカルボニウム、トロピリウム、カルベニウム、フェロセニウムおよび混合物などを用いて少なくとも1つのL基をルイス酸で引き抜くこと、および(b)Lがハイドライドまたはヒドロカルビル(例えばアルキル)基を構成する時にはL基をプロトン化する(ブレンステッド酸で)こと[このような機構を達成するには典型的に前記支持体に加えてある材料が必要である]が含まれる。前記は本発明に当てはまらない。
【0104】
本発明の特別な利点は、イオン性触媒を生じさせる時に用いられるそのような通常のイオン化剤を用いなくてもよくそしてその代わりに活性化剤と支持剤(supporting agent)の二重の機能を果たす本発明の支持体−活性化剤を用いる点にある。
【0105】
実用観点から、前記触媒前駆体中のLがハロゲン、例えばClであるのが好適である。これは、Lがハロゲン(高度に電子求引性)であるとそのような触媒前駆体は非常に安定で容易に輸送可能であることによる。しかしながら、この場合のLは高い電子求引性を示すことから、それの活性化を本支持体−活性化剤で誘発するのがより困難になる可能性がある。従って、この上に示したように、Lを構成するハロゲンの代わりに電子求引性が低い基、例えばヒドロカルビル基、例えばアルキル基などを用い、有機金属化合物を用いて、そのような触媒前駆体に予備活性化を受けさせてもよい。このような有機金属化合物を前記触媒前駆体に接触させる時の個々の時点は製造業者の任意選択であり、これは(a)重合ゾーンに入れる前の前記触媒前駆体を本支持体−活性化剤と接触させる前か、接触中か或は接触させた後、そして/または(b)重合ゾーンに直接添加することによって重合時または重合中であってもよい。しかしながら、予備活性化を受けた触媒はこれのハロゲン置換前駆体よりも不安定なことから、有機金属化合物の添加を用いる場合には、これの添加を好適には本支持体−活性化剤の存在下で行う。本発明の特別なさらなる利点は、予備活性化を誘発する有機金属化合物を重合が起こるまでは用いないことによって触媒前駆体(L=ハロゲン)の活性化を遅らせることができる点にある。従って、前記触媒前駆体を本支持体−活性化剤に含浸させそしてそれに活性化を受けさせないで回収した後、最終的に重合で用いてもよい。有機金属化合物を反応槽に添加する時期を重合中のみにするとそれの全使用量を低くすることができることから、これが好適なアプローチである。
【0106】
このように、1つの好適な態様は、各L基がハロゲン原子である遷移金属化合物IまたはIIである触媒前駆体の使用を包含する。このような態様では、前記触媒前駆体と本支持体−活性化剤を個別に混合する。別の態様では、前記触媒前駆体、本支持体−活性化剤および少なくとも1種の有機金属化合物(下記の式IIIで表される)を重合前に同時に混合する。このような態様では、Lを構成するハロゲンの少なくとも1つが予備活性化中に前記有機金属、即ち化合物に由来する新しいヒドロカルビルL基になる。より具体的には、そのような有機金属化合物を捕捉剤およびアルキル化剤として用いる場合にはこれを典型的には重合ゾーンに直接添加するが、それを単にアルキル化剤として用いる場合にはそれを望ましくは本支持体−活性化剤と触媒前駆体の混合物に添加する。
【0107】
予備活性化で用いるに適した有機金属化合物には、式(III):
M(R12)s III
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族の元素、錫原子または亜鉛原子を表し、各R12は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素が基になった基、例えばヒドロカルビル、典型的にはC1からC24のヒドロカルビル(C1からC24のアルキルもしくはアルコキシ、そして炭素原子数が6から24のアリール、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルコキシ、アルキルアリールまたはアルキルアリールオキシ基を包含)、例えば水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素、フッ素、臭素、ヨウ素およびそれらの混合物)、アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、デシル、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ)、アリール基(例えばフェニル、ビフェニル、ナフチル)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アリールアルキル基(例えばベンジル、フェニルエチル)、アリールアルコキシ基(ベンジルオキシ)、アルキルアリール基(例えばトリル、キシリル、クメニル、メシチル)およびアルキルアリールオキシ基(例えばメチルフェノキシ)などを表し、そしてsはMの酸化価(oxidation number)である]
で表される化合物が含まれる。好適には、少なくとも1つのR12がヒドロカルビル、例えば炭素原子数が1から24のアルキル基、または炭素原子数が6から24のアリール、アリールアルキルもしくはアルキルアリール基であり、それによって、これは、例えばLがヒドロカルビルでない触媒前駆体のアルキル置換のためヒドロカルビル基源になる。
【0108】
好適な有機金属化合物は、Mがアルミニウムである化合物である。
【0109】
有機金属化合物の典型的な例には、アルキルアルミニウム化合物、好適にはトリアルキルアルミニウム化合物、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウムなど、アルキルアルミニウムアルコキサイド、例えばエチルアルミニウムジエトキサイド、ジイソブチルアルミニウムエトキサイド、ジ(t−ブチル)アルミニウムブトキサド、ジイソプロピルアルミニウムエトキサイド、ジメチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−プロピルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−ブチルアルミニウムエトキサイドなど、アルミニウムアルコキサイド、例えばアルミニウムエトキサイド、アルミニウムプロポキサイド、アルミニウムブトキサドなど、アルキルもしくはアリールアルミニウムハライド、例えばジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジイソプロピルアルミニウムクロライドなど、アルミニウムアリールオキサイド、例えばアルミニウムフェノキサイドなど、混合アリール,アルキルもしくはアリールオキシ,アルキルアルミニウム化合物、および水素化アルミニウム、例えばジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドおよびジ−n−ブチルアルミニウムハイドライドなどが含まれる。最も好適な有機金属化合物はトリアルキルアルミニウム化合物である。
【0110】
前記遷移金属化合物が有する少なくとも1つのLがハロゲンの場合、そのような触媒前駆体および/または有機金属化合物を不活性な希釈剤に入れて混合する時期はそれを本支持体−活性化剤と接触させる前か、それと同時にか或はその後(これらの中の少なくとも1つ)であってもよい。2つL基がハロゲンの場合の触媒前駆体は、活性化された触媒にとって毒である材料に対してより安定である。
【0111】
触媒前駆体の各Lがヒドロカルビル、ヒドロカルビレンまたはヒドロカルビルオキシ基である好適な2番目の態様では、そのような有機金属化合物を添加する必要も取り扱う必要もない。従って、予備活性化を用いる必要なく触媒組成物を容易に生じさせて用いることができる。しかしながら、この場合でも少なくともある種の有機金属化合物を重合中に活性化された触媒にとって毒になる可能性がある毒物を不活性にする捕捉剤として用いるのが好適である。
【0112】
本支持体−活性化剤は、少なくとも2成分、即ち(A)少なくとも1種の無機酸化物成分と(B)少なくとも1種のイオン含有層状成分の凝集物の形態の複合体である。
【0113】
加うるに、本支持体−活性化剤の形態が本触媒組成物の性能に大きな影響を与えると考えている。
【0114】
本発明の支持体−活性化剤凝集粒子の無機酸化物成分Aは多孔質無機酸化物に由来する成分であり、そのような多孔質無機酸化物には、SiO2、Al2O3、AlPO4、MgO、TiO2、ZrO2、混合無機酸化物が含まれ、そのような混合無機酸化物には、SiO2・Al2O3、MgO・SiO2・Al2O3、SiO2・TiO2・Al2O3、SiO2・Cr2O3・TiO2およびSiO2・Cr2O3・TiO2が含まれ、これらを触媒支持体の重量を基にして用いる。公知の商業的手順を用いて無機酸化物(混合無機酸化物を包含)をゲルにすることができるならば、これを本明細書に記述する製粉(milling)手順で用いるに適したゲル形態で用いるのが好適である。無機酸化物がゲルになり難い場合には、他の通常技術、例えば沈澱、共沈または単なる混合などで生じさせた遊離酸化物または混合酸化物を洗浄後に製粉手順で直接用いてもよい。
【0115】
最も好適には、本支持体−活性化剤の成分Aのシリカゲル(例えばヒドロゲル、エーロゲルまたはキセロゲル)含有量を触媒支持体の重量を基準にして典型的に少なくとも80、好適には少なくとも90、最も好適には少なくとも95重量%にする。
【0116】
シリカヒドロゲル(またシリカアクアゲルとしても知られる)は、水中で製造されて孔が水で満たされているシリカゲルである。キセロゲルは水が取り除かれているヒドロゲルである。エーロゲルは、水を取り除いた時にいくらか起こる構造の崩壊も変化も最小限になるような様式で液体が取り除かれている種類のキセロゲルである。
【0117】
通常手段、例えばアルカリ金属のケイ酸塩(例えばケイ酸ナトリウム)の水溶液を強酸、例えば硝酸または硫酸などと一緒に混合するが、この混合を約30分以内に硬化してヒドロゲルになる透明なシリカゾルが生じるに適した撹拌条件下で行うことなどで、シリカゲルを生じさせる。次に、結果として生じたゲルを洗浄する。生じるヒドロゲル中のSiO2濃度が通常は典型的に約15から約40、好適には約20から約35、最も好適には約30から約35重量パーセントの範囲になることに加えてゲルのpHが約1から約9、好適には1から約4になるようにする。幅広い範囲の混合温度を用いることができ、この範囲は典型的に約20から約50℃である。
【0118】
新しく生じさせたヒドロゲルを絶えず動いている水の流れの中に単に浸漬することで望まれない塩を滲出させて純度が約99.5重量%のシリカ(SiO2)が残存するようにすることで洗浄を達成する。
【0119】
そのような洗浄水のpH、温度および洗浄時間がシリカの物性、例えば表面積(SA)および細孔容積(PV)などに影響を与えるであろう。65−90℃において8−9のpHで28−36時間洗浄したシリカゲルが示すSAは一般に290−350m2/gであり、これはPVが1.4から1.7cc/gのエーロゲルを生じるであろう。50−65℃において3−5のpHで15−25時間洗浄したシリカゲルが示すSAは700−850m2/gであり、これはPVが0.6−1.3cc/gのエーロゲルを生じるであろう。
【0120】
用いる成分Aの無機酸化物のシリカゲル含有量を少なくとも80重量%にする場合、この成分Aの無機酸化物の残りに含めてもよい追加的成分は多様である。このような追加的成分は2種類存在し得る、即ち(1)生成時に最終的にゲル構造の中に取り込まれる成分(例えば、ゲルを生じる他の1種以上の無機酸化物材料をシリカゲルと一緒にゲル化させることなどで)、および(2)スプレー乾燥を受けさせる直ぐ前のスラリー形態で製粉前または製粉後にシリカゲル粒子と一緒に混ぜ合わせる材料の2種類が存在し得る。このように、前者の分類に含まれ得る材料はシリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−チタニア−アルミナおよびシリカ−アルミナ−ホスフェートコゲル(cogels)である。
【0121】
製粉前および/または凝集直前のシリカヒドロゲル粒子と一緒に若干の比率で混合可能な後者の分類に入る成分には、無機酸化物、例えば酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化トリウムなどから個別に製造された成分、例えば4族および16族の酸化物などばかりでなく他の粒状成分も含まれる。
【0122】
存在させてもよい他の粒状成分には、触媒作用特性を有するが水でもスプレー乾燥でも焼成でも悪影響を受けない成分、例えば微細酸化物または化学的化合物などが含まれるが、しかしながら、そのような成分は凝集手順で如何なる役割も果たさないと考えている。得る支持体−活性化剤に追加的特性を与える他の成分の粉末または粒子をシリカヒドロゲル粒子に添加することも同様に可能である。従って、触媒作用特性を有する粉末または粒子に加えて、吸収特性を有する材料、例えば合成ゼオライトなどを添加することも可能である。
【0123】
従って、非晶質シリカゲルが結晶性要素などを含有する複合触媒支持体を得ることも可能である。本分野の技術者は、本明細書に記述する所望の凝集特性が危うくなることがないように前記追加的成分の量を制限すべきであることを理解するであろう。
【0124】
また、間隙率が所望範囲になるように調節する目的で凝集後に除去可能な成分を無機酸化物に添加することも可能であり、この目的で用いるに特に硫黄、グラファイト、木炭などの如き作用剤が有用である。
【0125】
シリカゲルと一緒にシリカゲルでない成分を用いる必要がある時には、それらを凝集させるべきスラリーに添加してもよい。しかしながら、本明細書の以下に記述するようにそれらを製粉中または製粉前のシリカゲルに存在させるのが好適である、と言うのは、またそれらにも製粉を受けさせたとしてもそれらがスプレー乾燥後に所望の凝集形態を乱す可能性は低いからである。
【0126】
前記を鑑み、用語「シリカゲル」を凝集までの工程段階(凝集を包含)の記述で用いる場合、この用語に本支持体−活性化剤の成分Aに存在させてもよい上述したシリカゲルでない成分を場合により含めてもよいことを包含させることを意図する。
【0127】
本支持体−活性化剤の成分Bは、三次元構造を有するが最大の化学結合を示すのは二次元のみである層状材料である。より具体的には、そのような最大の化学結合を二次元面内に生じさせてそれの中に存在させ、それらを互いの上に積み重ねると三次元固体になる。そのような二次元面は個々の面を一緒に保持している化学結合よりも弱い化学結合で一緒に保持されており、一般にファンデルワールス力、静電相互作用および水素結合で生じる。静電相互作用は層と層の間に位置するイオンが介在する相互作用であり、加うるに水素結合が補足的層と層の間に生じる可能性があるか或はそれに層間(interlamellar)橋渡し分子が介在する可能性がある。
【0128】
層状成分Bに含まれ得る適切な層状材料の代表例は非晶性もしくは結晶性、好適には非晶性材料であり得る。適切な層状成分B材料には粘土および粘土鉱物が含まれる。
【0129】
粘土は典型的に粘土鉱物(即ち結晶性ケイ酸塩)を主成分として含有する。この粘土または粘土鉱物は、一般に、四面体単位(中心のケイ素原子に酸素原子が配位している)および八面体単位(中心のアルミニウム、マグネシウムまたは鉄原子に酸素または水酸化物が配位している)で構成されていて高い分子的複雑さ(high molecular complexity)を有する無機の高分子化合物である。数多くの粘土または粘土鉱物の骨格構造は電気的に中性でなく、それらの表面は正に帯電、最も典型的には負に帯電している。それらの表面が負に帯電している場合、それらはそのような負電荷を補うカチオンを積層内構造の中に有する。そのような積層内カチオンは他のカチオンによってイオン交換され得る。粘土が積層内カチオンを交換する能力の量をカチオン交換能(CEC)と呼び、これを粘土100g当たりのミリ当量(meq)で表す。CECは粘土の種類に応じて多様で、Clay Handbookの第2版(Japanese Clay Associationが編集してGihodo Shuppan K.K.が出版)に下記の情報が与えられている。カオリナイト:3から15meq/100g、ハロイサイト:5から40meq/100g、モントモリロナイト:80から150meq/100g、イライト:10から40meq/100g、ベルミキュライト:100から150meq/100g、クロライト:10から40meq/100g、ゼオライト・アタパルジャイト:20から30meq/100g。このように、本発明で用いるべき層状成分Bは粘土または粘土鉱物などの如き材料であり、これの表面は典型的に負に帯電しておりかつ好適にはまたカチオンを交換する能力も有する。
【0130】
従って、粘土鉱物は一般にこの上に記述した特徴的層構造を有していて層と層の間に負の電荷をいろいろなレベルで含有する。これに関して、そのような粘土鉱物は三次元構造を有する金属酸化物、例えばシリカ、アルミナおよびゼオライトなどとは実質的に異なる。粘土鉱物の分類分けを化学式に関して上述した負電荷のレベルに応じて下記の如く行う:(1)負電荷が0(ゼロ)のバイオフィライト、カオリナイト、ジカライトおよびタルク、(2)負電荷が−0.25から−0.6のスメクタイト、(3)負電荷が−0.6から−0.9のベルミキュライト、(4)負電荷が約−1のマイカ、および(5)負電荷が約−2の脆いマイカ。この上に示した群の各々にいろいろな鉱物が含まれる。例えばスメクタイト群にはモントモリロナイト、ベーデライト、サポナイト、ノントロナイト、ヘクトライト、テニオライト、スコナイトおよび関連類似物が含まれ、マイカの群には白色マイカ、パラゴナイトおよびイライトが含まれる。そのような粘土鉱物は天然に存在し、かつまたより高い純度で人工的に合成可能である。
【0131】
0未満の負電荷を有する天然および人工粘土鉱物のいずれも本発明で用いるに有用である。現在のところ好適な粘土はモントモリロナイト、例えばナトリウムモントモリロナイトなどである。
【0132】
その上、粘土および粘土鉱物を用いる時、それらから本支持体−活性化剤を生じさせる前にそれらに全く処理を受けさせなくてもよいか或はそれを生じさせる前にそれらにボール(ball)製粉、ふるい分け、酸処理などによる処理を受けさせておいてもよい。その上、それらから支持体−活性化剤を生じさせる前にそれらに水を添加または吸着させる処理を受けさせておいてもよいか或は加熱下で脱水処理を受けさせておいてもよい。それらは単独またはそれらの2種以上の混合物として組み合わせて用いて支持体−活性化剤を合成してもよい。
【0133】
成分Bに含まれている直径が少なくとも40Å(例えば40−1000Å)の孔の細孔容積[水銀ポロシメーター(porosimeter)を用いた水銀貫入方法で測定]が好適には少なくとも0.1cc/g、より好適には0.1から1cc/gであるようにする。成分Bに持たせる平均粒子サイズは典型的に約0.01から約50、好適には約0.1から約25、最も好適には約0.5から約10ミクロンに及んで多様であり得る。
【0134】
本支持体−活性化剤の成分Bとして用いるに適した粘土に化学品による前処理をそれから支持体−活性化剤を生じさせる前または後に受けさせてもよい。そのような化学品による前処理の例には、酸またはアルカリによる処理、塩による処理、そして有機もしくは無機化合物による処理が含まれる。最後に示した処理を受けさせると結果として複合材料が生じ得る。
【0135】
前記粘土鉱物に酸またはアルカリによる処理を受けさせることによって前記鉱物から不純物を除去するばかりでなくまた前記粘土の結晶構造から金属カチオンの一部を溶出させてもよいか、或はそのような結晶構造を破壊的に変化させて非晶質構造を生じさせてもよい。
【0136】
この目的で用いる酸の例はブレンステッド酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸などである。
【0137】
前記粘土鉱物にアルカリによる処理を受けさせる時には好適には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムをアルカリ性化学品として用いる。
【0138】
複合材料が得られるように前記粘土鉱物に塩または無機もしくは有機化合物による前処理を受けさせると、結晶構造が破壊を受けることなく実質的に保持される可能性があり、むしろ、イオン交換による修飾を受けた生成物が生じ得る。
【0139】
塩による前処理で用いることができる無機塩化合物の例には、イオン性ハロゲン化物塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化鉄および塩化アンモニウムなど、硫酸塩、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウムおよび硫酸アンモニウムなど、炭酸塩、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムなど、そして燐酸塩、例えば燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸アルミニウムおよび燐酸アンモニウムなどが含まれる。有機塩化合物の例には酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、しゅう酸カリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムなどが含まれる。
【0140】
前記粘土鉱物に有機化合物による処理を受けさせる場合、そのような化合物は典型的には周期律表の15もしくは16族の元素を含有するルイス塩基性官能基を含んで成る化合物、例えば有機アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオンおよびホスホニウムカチオンを含んで成る化合物である。そのような有機化合物はまた好適にはルイス塩基性官能基以外の官能基、例えばカルボニウムカチオン、トロピリウムカチオンおよび金属カチオンなども含んでいてもよい。前記粘土鉱物に前記処理を受けさせると、それに元々存在していた交換可能金属カチオンがこの上に挙げた有機カチオンに置き換わる。このように、炭素カチオンをもたらす化合物、例えばトリチルクロライド、トロピリウムブロマイドなど、または金属錯体カチオンをもたらす錯体化合物、例えばフェロセニウム塩などをそのような前処理で用いる有機化合物として使用してもよい。そのような化合物に加えてオニウム塩を同じ目的で用いてもよい。
【0141】
そのような無機複合材料の合成で用いる無機化合物の例として、水酸化物アニオンをもたらす金属水酸化物、例えば水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化クロムなどを挙げることができる。
【0142】
前記粘土鉱物に修飾を受けさせる目的で導入することができるゲスト有機カチオンの特別な例には、トリフェニルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、テトラフェニルホスホニウム、アルキルトリ(o−トリル)ホスホニウム、トリフェニルカルボニウム、シクロヘプタトリエニウムおよびフェロセニウム、アンモニウムイオン、例えば脂肪族アンモニウムカチオン、例えばブチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム、デシルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、ジアミルアンモニウム、トリブチルアンモニウムおよびN,N−ジメチルデシルアンモニウムなど、そして芳香族アンモニウムカチオン、例えばアニリニウム、N−メチルアニリニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、N−エチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、ベンジルアンモニウム、トルイジニウム、ジベンジルアンモニウム、トリベンジルアンモニウム、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムなど、そしてまたオキソニウムイオン、例えばジメチルオキソニウム、ジエチルオキソニウムなどが含まれる。これらの例は限定例ではない。
【0143】
前記粘土鉱物に含まれていて選択した有機カチオンによる交換を受け得るカチオンのイオン交換を、典型的には、前記粘土を有機カチオンを含んで成るオニウム化合物(塩)と接触させることで起こさせる。
【0144】
使用可能なオニウム塩の特別な例には、アンモニウム化合物、例えば脂肪族アミンの塩酸塩、例えばプロピルアミンのHCl塩、イソプロピルアミンのHCl塩、ブチルアミンのHCl塩、ヘキシルアミンのHCl塩、デシルアミンのHCl塩、ドデシルアミンのHCl塩、ジアミルアミンのHCl塩、トリブチルアミンのHCl塩、トリアミルアミンのHCl塩、N,N−ジメチルデシルアミンのHCl塩、N,N−ジメチルウンデシルアミンのHCl塩など、芳香族アミンの塩酸塩、例えばアニリンのHCl塩、N−メチルアニリンのHCl塩、N,N−ジメチルアニリンのHCl塩、N−エチルアニリンのHCl塩、N,N−ジエチルアニリンのHCl塩、o−トルイジンのHCl塩、p−トルイジンのHCl塩、N−メチル−o−トルイジンのHCl塩、N−メチル−p−トルイジンのHCl塩、N,N−ジメチル−o−トルイジンのHCl塩、N,N−ジメチル−p−トルイジンのHCl塩、ベンジルアミンのHCl塩、ジベンジルアミンのHCl塩、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリンのHCl塩など、この上に挙げた脂肪族および芳香族アミンのフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩および硫酸塩、そしてオキソニウム化合物、例えばメチルエーテル、エチルエーテル、フェニルエーテルなどの塩酸塩が含まれる。前記粘土鉱物の修飾で用いるオニオニウム化合物の例はアンモニウムまたはオキソニウム化合物、好適にはアンモニウム化合物、より好適には芳香族アミン塩である。
【0145】
前記粘土鉱物と反応させるべきオニウム化合物は単離された形態であってもよい。別法として、例えば相当するアミン化合物とヘテロ原子含有化合物、例えばエーテルまたはスルフィド化合物などとプロトン酸、例えばフッ化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸または硫酸などを反応溶媒中で接触させることなどでオニウム化合物をインサイチューで生じさせてもよく、その後、前記反応溶媒中で前記粘土鉱物に前処理を受けさせる。前記粘土鉱物がオニウム化合物による修飾を受け得る反応条件は決定的でない。また、本明細書で用いる反応体の相対的比率も決定的でない。しかしながら、好適には、オニウム化合物を用いる時にはそれを前記粘土鉱物に存在するカチオン1当量当たり0.5当量以上の比率で用い、より好適には少なくとも等量の比率で用いる。前記粘土鉱物は単独または他の粘土鉱物もしくは鉱物との混合物の状態で使用可能である。また、前記オニウム化合物も単独または他のオニウム化合物との混合物の状態で使用可能である。そのような修飾を受けさせる前処理工程で用いる反応溶媒は水または極性有機溶媒であってもよい。適切に使用可能な有機溶媒の例には、アルコール類、例えばメチルアルコール、エチルアルコールなど、アセトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、塩化メチレンなどが含まれる。このような溶媒は単独または2種以上の溶媒の混合物として使用可能である。好適には水またはアルコールを用いる。
【0146】
前記粘土に受けさせることができる化学的修飾である処理が個々別々の種類であると見なすことができる場合、それらをピラリング(pillaring)および層剥離(delamination)と呼ぶ。ピラリングは、膨潤し得る特定の粘土、例えばスメクタイト粘土などの負に帯電した小板シート(platelet sheets)間に大型のゲストカチオン(このカチオンは前記小板を離して位置させて層がファンデルワールス力下で崩壊しないようにする分子支柱または柱として機能する)を入り込ませることで前記小板と小板を分離させる現象である。
【0147】
柱支え粘土の調製を典型的にはスメクタイト粘土、例えばモントモリロナイトなどとポリオキシ金属カチオン、例えばアルミニウムおよびジルコニウムなどのポリオキシカチオンを反応させることで行う。その反応生成物を通常は空気中で乾燥させた後、それに焼成を受けさせることで、前記粘土の中に入り込んだカチオンを小板と小板の間に位置する金属酸化物集団に変化させ、その結果として小板と小板の間の空間距離が約6から約10オングストロームの範囲になるようにし、そして前記粘土を約500℃から700℃の範囲の温度に加熱している時に前記距離がそのような値に維持されるようにする。その反応生成物を乾燥させると、前記金属酸化物集団による支柱で離れて位置する粘土小板と粘土小板自身が面と面が面するように配向することで、明確な一次または(001)反射を含むX線回折パターンを与える層状構造が生じる。この柱支え粘土が示すX線粉末回折パターンを用いて層配列(lamellar ordering)の度合を示す。空気で乾燥させた柱支えモントモリロナイトが良好に配列していると、これは6以上の桁(orders)の反射を示し得る。柱支え粘土およびそれらの製造が表題が「Intercalated Clay Catalysts」の論文[Science、220巻、No.4595、365−371頁(1983年4月22日)]そして米国特許第4,176,090号、4,216,188号、4,238,364号、4,248,739号、4,271,043号、4,367,163号、4,629,712号、4,637,992号、4,761,391号、4,859,648号および4,995,964号により詳細に記述されている。上述した論文および特許の開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる。
【0148】
層剥離した粘土もまた大型のカチオンを含有するが、小板の配列は、面と面が面する配置に配列している小板を有する柱支え粘土とは対照的に、縁と縁および縁と面の配列であり、これは、柱支え粘土に見られる微細孔に加えて非晶質アルミノシリケートに典型的に見られる大きさの巨視孔を含有する「ハウスオブカード(house−of−cards)」構造として記述可能である(さらなる考察に関しては米国特許第4,761,391号を参照)。
【0149】
従って、本支持体−活性化剤の成分Bとして使用可能な修飾粘土のさらなる態様としてそのような柱支えおよび層剥離した粘土を含めることができることを意図する。
【0150】
この上に記述した如きゲストカチオンによる成分Bの修飾は可能でありかつ許されるが、そのような手順は製造全体に工程段階を加えることになることから、好適には工程の観点からそのような手順を用いない。
【0151】
しかしながら、元々存在するカチオンをゲストカチオンと交換することによる修飾を成分Bに受けさせる場合、そのような交換によって達成することを探求する目標は、本支持体−活性化剤がこの上に記述した如き触媒前駆体または予備活性化を受けた触媒のいずれかを活性にする能力を持つようにすることにある。上述した粘土に典型的に存在する固有のカチオンは既にそのような目標を達成する能力を有すると考えている。
【0152】
成分AとBの密な混合物を生じさせて前記混合物を凝集物の形態に成形することを通して、本支持体−活性化剤を生じさせる。
【0153】
この凝集物に存在させる成分A:Bの重量比は典型的に約0.25:1から約99:1、好適には約0.5:1から約20:1、最も好適には約1:1から約10:1(例えば4:1)に及んで多様であり得る。
【0154】
用語「凝集物」は、粒子が組み合わされていて多様な物理−化学的力で一緒に保持されている生成物を指す。
【0155】
より具体的には、各凝集物が好適には成分Aに主に由来する多数の接近して位置する主成分粒子(constituent particles)と成分Aと成分Bの両方に由来するずっと小型の二次的成分粒子で構成されるようにして、それらが好適にはそれらの接触点で結合してつながるようにする。
【0156】
好適には、本発明の凝集物が示す巨視孔含有量の方が主または二次的成分粒子のそれよりも高く、これは、成分粒子と成分粒子の間に粒間空隙が存在する結果である。しかしながら、スプレー乾燥凝集物の他の態様では、そのような粒間空隙の大部分がより小さな二次的粒子で完全に満たされるようにしてもよい。
【0157】
成分AとBの凝集は本技術分野で良く知られている方法に従って実施可能であり、特にペレット化、押出し加工、回転コーティングドラムを用いて球に成形することなどの如き方法で実施可能である。また、顆粒用液(granulation liquid)を用いて直径が約0.1mm以下の複合粒子を凝集させて直径が少なくとも約1mmの粒子を生じさせる団粒技術も使用可能である。
【0158】
しかしながら、成分AとBのスラリーを乾燥、好適にはスプレー乾燥させることで好適な凝集物を生じさせる。
【0159】
より具体的には、このような態様で成分AとBを混合することでスラリー、好適には水の含有量がスラリーの重量を基準にして典型的に少なくとも50、好適には少なくとも75(例えば少なくとも80)、最も好適には少なくとも85(例えば少なくとも90)重量%の水性スラリーを生じさせることを通して、本支持体−活性化剤を生じさせる。しかしながら、また、有機溶媒、例えばC5からC12アルカン、アルコール(例えばイソプロピルアルコール)などを用いることも可能であるが、それらは水に比較して火災の危険性がありかつしばしば重合用触媒として用いるにはあまりにも脆い凝集物をもたらす。
【0160】
成分Aが凝集物生成、例えば乾燥またはスプレー乾燥などに適切であるようにする目的で典型的にはいろいろな製粉手順を用いる。製粉手順の目的は、スプレー乾燥を行うことを意図した時に最終的に平均粒子サイズが典型的に約2から約10(例えば3から約7)、好適には約4から約9、最も好適には4から7ミクロンの成分Aが得られるようにすることにある。また、望ましくは、そのような製粉手順を用いてスラリーに入っている粒子が典型的には0.5から約3.0、好適には約0.5から約2.0の粒子サイズ分布範囲(particle size Distribution Span)を示すようにする。粒子サイズ分布範囲を下記の式
分布範囲=(D90−D10)/D50 式1a
[式中、D10、D50およびD90は、それぞれ、粒子サイズ(直径)分布の10、50および90百分位数を表す、即ち100ミクロンのD90は粒子の90体積%が100ミクロンに等しいか或はそれ以下の直径を有することを意味する]
に従って決定する。そのような製粉を、更により好適には、スプレー乾燥を受けさせるべきスラリーに入っている成分Aの無機酸化物が示す粒子サイズ分布が成分Aのコロイド含有量が典型的に約2から約60(例えば2から約40)、好適には約3から約25、最も好適には約4から約20重量%であるような粒子サイズ分布になるように実施する。
【0161】
スプレー乾燥を受けさせるべき成分Aのコロイド含有量の測定を、サンプルに遠心分離を3600RPMで30分間受けさせることを通して行う。試験管の上部に残存する液(上澄み液)をデカンテーションで取り出した後、それに固体%に関する分析を受けさせる。次に、下記の式:
【0162】
【数1】
【0163】
[式中、
A=上澄み液に入っている固体の重量%/100、および
B=元々のスラリーに入っている固体の重量%/100]
でコロイド状材料の%を決定する。コロイド内容物(colloidal content)は典型的に約1未満、好適には約0.5未満、典型的には約0.4から約1ミクロンのコロイド範囲の粒子直径を有するであろう。
【0164】
本明細書に記述する粒子サイズおよび粒子サイズ分布測定の全部をMalvernのMastersizer装置(この装置はレーザー光回折の原理で作動する)を用いて測定し、これは小型粒子を分析する技術分野で非常に良く知られている。
【0165】
成分Aのスラリーの乾燥固体含有量の中のコロイド含有量が約60重量%を超えると、そのような凝集物の成分粒子の結合があまりにも密になってしまう可能性がある。
【0166】
前記スラリーにコロイド内容物を少なくともいくらか存在させるのが望ましいが、逆に、コロイド内容物を全く含有しないスラリー(例えば乾式製粉を受けさせた粉末単独)を用いると、典型的に、物理的一体性が極めて低く、望まれる度合ではなくかつある種の代替結合剤源を用いないと重合用触媒の支持体として用いるに典型的には望ましくないであろう支持体−前駆体凝集物が生じるであろう。
【0167】
上述した特性ばかりでなく望まれる形態を与えることを確認した1つの製粉手順は、湿式製粉手順と場合により乾式製粉手順を伴う。
【0168】
湿式製粉手順は製粉手順中に液体、例えば水などを存在させることを特徴とする。このように、湿式製粉を典型的には固体含有量がスラリーの重量を基準にして典型的に約15から約25重量%の無機酸化物粒子スラリーに対して実施する。
【0169】
より具体的には、湿式製粉を用いる場合、成分Aを媒体(通常は水)に入れてスラリー状にした後、この混合物に強力な機械的作用、例えばハンマーミルの高速ブレードまたはサンドミルの迅速チャーニング媒体(rapidly churning media)などによる作用を受けさせる。湿式製粉で粒子サイズを小さくしかつコロイド状シリカも生じさせる。
【0170】
乾式製粉手順は、自由流れする液体(例えば水または溶媒など)を実質的に存在させないことを特徴とする。このように、最終的な乾式製粉を受けた材料はこれが吸収した水分をいくらか含有する可能性はあるが、これは本質的に粉末の形態であり、粒子が液体に入っている懸濁液でも溶液でもない。
【0171】
この示す乾式製粉では、典型的に、粒状の無機材料を用いて、それに機械的作用、金属表面への衝突または他の粒子への衝突(高速空気流れの中に飛沫同伴させた後)でそれの大きさを小さくする。
【0172】
従って、その後、前記無機酸化物(典型的にはまだ湿ったままの状態)に以下に記述する如き製粉操作を受けさせることで、スプレー乾燥に適するようにする。
【0173】
湿式製粉手順では、洗浄した無機酸化物に典型的には本技術分野で良く知られている製粉手順を受けさせることでこの上に示した粒子サイズを有するスラリーを生じさせる必要がある。適切な製粉装置(mills)にはハンマーミル、インパクトミル(impact mills)(この場合には酸化物に金属製ブレードを衝突させそして適切な大きさのふるいで保持することで粒子サイズ低下/制御を達成する)およびサンドミル(この場合には酸化物を硬質媒体、例えば砂またはジルコニア球などに接触させることで粒子サイズ制御/低下を達成する)が含まれる。
【0174】
そのような湿式製粉を受けさせた材料の中に存在するコロイド粒子がこの上に記述したようにスプレー乾燥を受けさせるべきスラリーに入っているコロイドの主な源であり、これがスプレー乾燥時に結合剤として働くと考えている。
【0175】
乾式製粉手順では、典型的に、成分Aに製粉をそれの平均粒子サイズが典型的に約2から約10、好適には約3から約7、最も好適には約3から6ミクロンにまで小さくなりかつ水分含有量が典型的に約50重量%未満、好適には約25重量%未満、最も好適には約15重量%未満になるに充分な様式で受けさせる。水分含有量が高い状態で乾式製粉粒子サイズ目標を達成するには粒子を凍結させた状態で乾式製粉を実施する必要があり得る。
【0176】
乾式製粉を実施してまた好適には分布範囲が典型的に約0.5から約3.0、好適には約0.5から約2.0、最も好適には約0.7から約1.3であるような粒子サイズ分布にする。
【0177】
このように、結果として得た乾式製粉材料はスプレー乾燥用スラリーにする前の粉末形態で存在する。
【0178】
このような乾式製粉を好適には無機酸化物を製粉しながら瞬間乾燥(flash drying)させ得る製粉装置を用いて実施する。瞬間乾燥は、乾燥させるべき材料を熱風室の中に迅速に分散させて370−537℃の空気流に接触させる標準的産業工程である。空気流入速度と材料流入速度を流出する空気とこれと一緒に飛沫同伴する材料の温度が一般に121−176℃になるように均衡させる。この乾燥工程全体を実施する時間が通常10秒未満であっても水分含有量が約10%未満にまで減少するようにする。別法として、無機酸化物に個別に瞬間乾燥機内で瞬間乾燥を受けさせてこの上に記述した水分含有量にした後、それを乾式製粉装置に入れて製粉してもよい。適切な乾式製粉装置にはABB Raymond(商標)インパクトミルまたはALJET(商標)FLUID ENERGY MILLが含まれる。また、ボールミルも使用可能である。適切な瞬間乾燥装置にはBowen(商標)瞬間乾燥装置が含まれる。他の同様な装置が化学処理産業で良く知られている。
【0179】
瞬間乾燥を典型的には無機酸化物をこれの水分含有量がこの上に記述した如きレベルにまで典型的には約60秒未満、好適には約30秒未満、最も好適には約5秒未満の時間で低下するに充分な温度および圧力条件下にさらすことで実施する。
【0180】
乾式製粉では典型的にコロイド状シリカは生じない。
【0181】
凝集物をスプレー乾燥で生じさせる1つの態様に従い、成分Aを構成する材料の少なくとも一部を湿式製粉で生じさせそして任意ではあるが好適には少なくとも一部を乾式製粉で生じさせる。このように、成分Aは凝集前に典型的には前以て湿式製粉を受けさせておいた無機酸化物、例えばシリカゲルなどと乾式製粉を受けさせておいた無機酸化物、例えばシリカゲル粉末などの混合物を含んで成る。より具体的には、スラリーに含有させる湿式製粉無機酸化物固体:乾式製粉無機酸化物固体の重量比(本明細書の以下に定義する如き乾燥固体含有量を基準)は典型的に約9:0から約0.1:1(例えば9:1)、好適には約1.5:1から約0.1:1、最も好適には約0.6:1から約0.25:1に及んで多様であり得る。
【0182】
用いる個々の成分Aの湿式製粉固体:乾式製粉固体の比率を凝集物を生じさせる時に用いるべき最終スラリーが目標の特性を達成するように選択する。
【0183】
代替態様では、目標の平均粒子サイズおよび粒子サイズ分布特性が得られるように逐次的製粉手順を用いてもよい。逐次的製粉手順は成分Aの無機酸化物のサンプルの乾式製粉に続いてこの上で乾式製粉を受けさせたサンプルの湿式製粉を伴う。
【0184】
乾式製粉中に出発材料である無機酸化物を乾燥させそして次にこの乾式製粉を受けさせた生成物を湿式製粉で用いると個別に調製した乾式製粉生成物と個別に調製した湿式製粉生成物を混合した場合に比較して生じるコロイドの含有量が低くなる傾向があることを観察した。このような現象の理由を完全には理解していない。しかしながら、生じるコロイドの含有量は凝集物を望ましい様式で一緒に結合させるに充分である。
【0185】
成分Aに目標の平均粒子サイズおよび好適には粒子サイズ分布範囲を与えた後、スラリー、好適には水性スラリーを生じさせて、それを好適にはスプレー乾燥で凝集させる。
【0186】
成分Bの層状材料、例えば粘土などを典型的には平均粒子サイズが典型的に10ミクロン未満、好適には5ミクロン未満、最も好適には1ミクロン未満で粒子サイズ範囲が典型的に約0.1から約10、好適には約0.1から約5、最も好適には約0.1から約1ミクロンの微細粒子で構成させる。
【0187】
このような粘土に持たせる他の好ましい物性には、全窒素細孔容積(total nitrogen pore volume)が典型的に0.005cc/gより大きく(例えば0.005から1.50)、好適には約0.1cc/gより大きく(例えば0.1から2)、窒素表面積(nitrogen surface area)が典型的に10m2/gより大きく、好適には30m2/gより大きく(例えば10から100)かつ見かけかさ密度(ABD)が典型的に0.10g/ccより大きく、好適には0.25g/ccより大きい(例えば0.10から0.75)ことが含まれる。
【0188】
必要ならば製粉手順を用いてそのような目標特性を達成してもよい。
【0189】
成分AとBをスプレー乾燥で凝集させる時、それらを典型的には適切な希釈剤に入れて混合することでそれらのスラリーを生じさせる。前記希釈剤は水性もしくは有機希釈剤であってもよい。スプレー乾燥で用いるに好適な液状スラリー用媒体は、水が典型的に75重量%以上、好適には80重量%以上、最も好適には95重量%以上(例えば全体が水)の水性媒体である。
【0190】
このスラリー中の成分A:成分Bの重量比は典型的に約0.25:1から約99:1、好適には約0.5:1から約20:1、最も好適には約1:1から約10:(例えば4:1)に及んで多様であり得る。成分AとBの混合物を含有するスラリーの固体含有量は、スラリーの重量を基準にして典型的に約5から約25、好適には約10から約20、最も好適には約15から約20重量%に及んで多様であり得る。
【0191】
従って、好適には本支持体−活性化剤が下記の特性を示すように凝集物の生成を調節する:
(1)表面積が典型的に少なくとも約20、好適には少なくとも約30、最も好適には少なくとも約50m2/g(この表面積の範囲は典型的に約20から約800、好適には約30から約700、最も好適には約50から約600m2/gであってもよい)、
(2)本支持体−活性化剤粒子のかさ密度が典型的に少なくとも約0.15、好適には少なくとも約0.20、最も好適には少なくとも約0.25g/ml(このかさ密度の範囲は典型的に約0.15から約1、好適には約0.20から約0.75、最も好適には約0.25から約0.45g/mlであってもよい)、
(3)平均孔直径が典型的に約30から約300、最も好適には約60から約150オングストローム、および
(4)全細孔容積が典型的に約0.10から約2.0、好適には約0.5から約1.8、最も好適には約0.8から約1.6cc/g。
【0192】
本凝集支持体−活性化剤粒子に与えることを求める粒子サイズおよび粒子サイズ分布は、最終的支持型触媒が用いられるであろう重合反応の種類に左右され、かつそれらを重合反応の種類に応じて調節する。例えば、溶液重合方法では典型的に約1から約10ミクロンの平均粒子サイズを用いることができ、連続撹拌タンク反応槽(CSTR)スラリー重合方法では約8から50ミクロンの平均粒子サイズを用いることができ、ループ(loop)スラリー重合方法では約10から150ミクロンの平均粒子サイズを用いることができ、そして気相重合方法では約20から約120ミクロンの平均粒子サイズを用いることができる。その上、重合体製造業者は各々それ自身の好みを個々の反応槽構造配置を基にして有する。
【0193】
凝集物に所望の平均粒子サイズを目標重合方法を基にして決定した後、粒子サイズ分布を望ましくは分布範囲が典型的に約0.5から約4、好適には約0.5から約3、最も好適には約0.5から2になるようにする。
【0194】
従って、そのような凝集物の平均粒子サイズを一般に典型的には約4から約250(例えば約8から約200)、好適には約8から約100(例えば約30から約60)ミクロンの範囲にする。
【0195】
本凝集物をスプレー乾燥で生じさせる場合、それらに全凝集粒子サイズ分布のD90より小さい支持体凝集粒子の分率の典型的には少なくとも80、好適には少なくとも90、最も好適には少なくとも95体積%が微細回転楕円体形状(即ち形態)を持つと言ったさらなる特徴を持たせることも可能である。微細回転楕円体形態の評価を、体積が大きいことが理由で凝集物の体積の代表でないサンプルを構成する可能性がある少ない数の大型粒子固まりによって結果がゆがめられることがないように、D90より小さい支持体凝集物の粒子サイズ分布の分率を基にして行う。本明細書で用いる如き用語「回転楕円体」は、必ずしも球形ではないが一般にに丸い小型粒子を意味する。この用語は、不規則なぎざぎざした固まりおよび葉または棒のような形態から区別することを意図する。「回転楕円体」にまた多断片形態(polylobed configurations)[断片(lobes)もまた一般に丸い]も含めることを意図するが、多断片構造は凝集物を本明細書に記述する如く生じさせる時には一般的でない。
【0196】
各微細回転楕円体が好適には成分AとBが緩くから濃密に詰め込まれている複合体で構成されるようにし、これを電子顕微鏡で見た時、典型的に隙間空隙部(interstitial void spaces)がいくらか存在するか或は実質的に全く存在せずかつ典型的には成分AとBに元々由来する粒子と粒子の間に目に見える境界が実質的に全く存在しないようにする。
【0197】
しかしながら、好適な凝集粒子の断面を見たミクロプローブ画像(microprobe image)および元素分析により、成分Bと結合しているFeおよびAlイオンが鉄もアルミニウムも含有しない材料の個々別々のサブ粒子(sub−particles)の回りにいろいろな密度の集団の状態で分散していることが分かる。それによって、最も好適な凝集粒子では無機酸化物(例えばシリカ)の島を無機酸化物のマトリックス(大部分が無機酸化物のコロイド成分から生じた可能性がある)と層状材料(例えば粘土)が取り巻くように成分Bと成分Aが密に混ざり合っていると言った結論が導かれる。前記マトリックス内のAlとFeの強度(濃度)が多様であることは成分Aと成分Bが前記マトリックス内にいろいろな比率で存在することの指標であると考えている。
【0198】
本支持体−活性化剤はそのような微細回転楕円体形状を有することから、これを用いて生じさせる重合体の所望形態が有意に向上する。従って、本支持体−活性化剤の2成分を用いると触媒活性と所望重合体形態を同時に有意に向上させることが可能になる。
【0199】
本明細書に示す用語「表面積」および「細孔容積」は、S.Brunauer、P.EmmettおよびE.TellerがJournal of American Chemical Society、60、209−319頁(1939)に記述した如きB.E.T.技術を用いて窒素吸着で測定した比表面積および細孔容積を指す。
【0200】
かさ密度の測定を、サンプルの粉末をメスシリンダーに迅速(10秒以内)に移して正確に100ccに到達した時点でそれが溢れ出るようにすることで行う。この時点でさらなる粉末を加えない。粉末を加える速度をそのような速度にすることで粉末が前記シリンダー内に沈降するのが防止される。粉末の重量を100ccで割ることで密度を得る。
【0201】
スプレー乾燥条件の調節を典型的にはこの上に記述した所望の目標特性が凝集物に与えられるように行う。最も影響を与えるスプレー乾燥条件は、スプレー乾燥を受けさせるべき水性スラリーのpHに加えてそれの乾燥固体含有量である。本明細書で用いる如き「乾燥固体含有量」は、スラリーに入っている固体を175℃で3時間に続いて955℃で1時間乾燥させた後の固体重量を意味する。このように、スラリー中に存在する固体材料の重量を量化する目的で乾燥固体含有量を用い、それによって、吸着されている水の量がそのような重量に含まれないようにする。
【0202】
前記スラリーのpHを典型的には約5から約10(例えば8から9)、好適には約7から約9に調節または調整しそしてスラリーの重量およびゲルの乾燥重量を基にした乾燥固体含有量を典型的には約12から30、好適には約15から約25、最も好適には約18から約22(例えば20)重量%に調節または調整する。
【0203】
スプレー乾燥工程に関する残りの変数、例えば供給材料の粘度および温度、供給材料の表面張力、供給速度、噴霧装置の選択および操作(好適には空気による噴霧装置を用い、好適には加圧ノズルを用いない)、かける噴霧エネルギー、空気とスプレーを接触させる様式および乾燥速度などの調節は、スプレー乾燥で生じさせる製品に与えることを求める目標特性の教示を受けた後のスプレー乾燥技術者が持つ技術の充分に範囲内である(例えば米国特許第4,131,452号を参照)。
【0204】
スプレー乾燥段階が終了した後、乾燥した製品が空気中に漂っているままの時に製品を乾燥用空気から分離する。通常の如何なる収集方法も使用可能であり、例えば分離装置を用いてスプレー乾燥装置の基部から取り出すことなどを行ってもよい。
【0205】
触媒ばかりでなく結果として得る重合体が均一であるようにする目的で、本支持体−活性化剤に焼成を受けさせて前記支持体にいくらか残存する水分を制御するのが望ましい。
【0206】
焼成を用いる場合、これを典型的には揮発物全体の量が約0.1から8重量%の範囲にまで低下するに充分な温度で充分な時間実施するが、前記揮発物全体量の測定を、サンプルに破壊的焼成を1000℃で受けさせた時の重量損失を測定することで行う。しかしながら、焼成温度は、また、本明細書の以下により詳細に記述するように所望シリカ:粘土比と有機アルミニウム化合物量と触媒活性の間の相関関係にも影響を与える。従って、焼成を用いる場合、典型的には本支持体−活性化剤を典型的には約100から約800、好適には約150から約600、最も好適には約200から約300℃の温度に典型的には約1から約600(例えば50から600)、好適には約50から約300分間加熱することで焼成を実施する。この焼成の雰囲気は空気または不活性ガスであってもよい。焼結が起こらないように焼成を実施すべきである。
【0207】
本支持体−活性化剤を生じさせた後、これに焼成を受けさせる前に好適にはサイズ合わせを受けさせる、と言うのは、この凝集物にサイズ合わせを焼成後に受けさせるとこれが水分を吸収するであろうからである。これは本技術分野で良く知られている如きふるい分けまたは空気による分級で便利に達成可能である。
【0208】
選択する粒子サイズおよび粒子サイズ分布は、本技術分野で良く知られているように、適用すべき触媒の種類および重合方法に依存するであろう。
【0209】
本支持体−活性化剤を前記触媒前駆体と一緒にする好適な様式は、ある程度ではあるが、用いるべき重合技術に依存するであろう。
【0210】
より具体的には、本明細書に記述する触媒系の成分は重合体を高圧重合、溶液重合、スラリー重合または気相重合技術で製造する時に用いるに有用である。本明細書で用いる如き用語「重合」には、共重合およびター重合(terpolymerization)が含まれ、そして用語「オレフィン」および「オレフィン単量体」には、オレフィン、アルファ−オレフィン、ジオレフィン、スチレン系単量体、アセチレン系不飽和単量体、環状オレフィンおよびそれらの混合物が含まれる。
【0211】
例えばオレフィン単量体の重合では、目標のポリオレフィン粉末と触媒組成物の粒子を含んで成る床を気体状単量体を含んで成る流動用気体流れで流動させることによる気相中で重合を重合条件下で実施してもよい。溶液方法では、典型的に、当該単量体を触媒組成物が液状炭化水素に入っている溶液または懸濁液に生成ポリオレフィンが炭化水素希釈中の溶液として生じるような温度および圧力条件下で導入することで(共)重合を実施する。スラリー方法では、生じる重合体が液状炭化水素希釈剤中の懸濁液として生じるように温度、圧力および希釈剤を選択する。
【0212】
活性化を受けた系が重合し得る単量体の存在下でインサイチューで生じるような触媒系の配備は好適に用いる重合方法に応じて多様であり得ることはこの上で行った考察から明らかであろう。
【0213】
このように、気相重合の場合には、溶媒を用いて前記触媒前駆体および場合により有機金属化合物を本支持体−活性化剤に含浸させそして場合により前記溶媒を蒸発させてもよいが、重合を液体状態で実施する場合には、触媒系の成分を単に炭化水素媒体中で混合して重合ゾーンに添加するか或は重合を実施する時の液体として用いる媒体に添加してもよい。
【0214】
この上に示したように、有機金属化合物を前記触媒前駆体の予備活性化で用いてもよく、例えば触媒前駆体のLが塩素の場合などに予備活性化を用いてもよい。また、これを毒を捕捉する捕捉剤として用いて重合ゾーンに入れてもよい。
【0215】
触媒前駆体(以下に行う考察では成分Iと呼ぶ)と支持体−活性化剤(以下に行う考察では成分IIと呼ぶ)と場合により有機金属化合物(以下に行う考察では成分IIIと呼ぶ)の混合は、そのような成分を実質的に不活性(成分I、IIおよびIIIとの化学的反応に関して)な液体(これは当該触媒成分の1種以上の希釈剤または溶媒として働き得る)に導入することで容易に達成可能である。
【0216】
より具体的には、そのような不活性な液体は、好適には、成分IIの支持体−活性化剤と成分Iを接触させる時にそれが液体の中に懸濁または分散していることを確保する目的で、接触温度で成分IIの支持体−活性化剤にとって非溶媒である。この不活性な液体は成分Iの遷移金属化合物にとって溶媒であってもよい。
【0217】
適切な不活性液には炭化水素液、好適にはC5−C10の脂肪族もしくは環状脂肪族炭化水素、またはC6−C12の芳香族もしくはアルキル置換芳香族炭化水素、およびそれらの混合物が含まれる。
【0218】
前記成分を前記液に導入してその中に撹拌下で低い温度および圧力条件下に維持する。特に適切な炭化水素には、例えば1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、イソノナン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエンなど、そしてそのような希釈剤の2種以上の組み合わせが含まれる。また、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランの如きエーテルを用いることも可能である。
【0219】
成分I、IIおよびIIIを前記不活性な液に任意順または実質的に同時に導入してもよい。そのような成分を逐次的に導入する場合にはそれらを迅速な順で導入するのが好適である、即ち各成分の導入と導入の間に実質的に遅延時間が存在しないようにする。逐次的導入を実施する場合、前記成分の添加を成分III(用いる場合)に続いて成分IIの後に成分Iを添加する順で添加を行うのが好適である。
【0220】
温度は典型的に約0から約80、好適には約5から約60、最も好適には約10から約40℃(例えば15から約25℃)の範囲であってもよい。前記成分を接触させる時の圧力は減圧下、大気圧または高圧下であってもよい。周囲条件が好適である。混合ゾーンの雰囲気状態を好適には実質的に嫌気および無水状態にすべきである。
【0221】
前記成分を混合する時間を実質的に均一に混ざり合った触媒組成物が得られるように好適には0.5分から1440分(より好適には1から600分)にする。
【0222】
生じた混合物を前記不活性液から濾過、真空蒸留などで分離することで、前以て生じさせておく固体状触媒組成物を得てもよい。
【0223】
この前以て生じさせておいた固体状触媒をポリオレフィン製品の製造で用いる目的で重合反応ゾーンに導入する時まで好適には嫌気条件下で貯蔵する。結果として得た触媒組成物は約3から6カ月またはそれより長い時間に渡って貯蔵安定性を示す。
【0224】
別法として、分離も精製も行わないで成分IとIIとIIIの混合物が不活性な液状炭化水素に入っているスラリーのままにしておいてもよく、それを重合用触媒組成物として直接用いてもよい。従って、容易に入手可能な成分を不活性な液に入れて混合した後にその生じた液状分散液を重合反応ゾーンに直接移送するか或はそれを嫌気条件下で貯蔵すると言った単一段階で本触媒組成物を生じさせることも可能である。この態様では、前記分散液を生じさせる時に用いる不活性な液を、好適には、(a)重合反応ゾーンで用いる液体と混和し、(b)意図する溶媒、単量体1種または2種以上および重合体生成物に対して不活性でありかつ(c)成分IIを懸濁または分散さえる能力を有する(例えば本支持体−活性化剤にとって非溶媒である)液体から選択する。
【0225】
本重合用触媒組成物を液相重合反応ゾーン内でインサイチューで生じさせることも可能である。前記有機金属化合物(用いる場合)を混ぜ物なしまたは不活性な液(これは重合用媒体の液と同じ液であってもよい)中の溶液として導入してもよい。他の成分を固体または不活性な液に入っているスラリーとして重合ゾーンに導入してもよい。全てのケースで、本触媒組成物を形成する成分を導入する時に用いる液体1種または2種以上は、好適には、重合用媒体として用いる液体と混和し得る。
【0226】
成分IとIIとIIIが入っているスラリーを気相重合ゾーンに前記スラリーの液状媒体が望ましくは反応ゾーンに噴霧された時に望ましくは蒸発して触媒が流動する固体形態で残存するような条件下で注入することさえ可能である。
【0227】
バッチ式(batch)重合方法の場合、本触媒組成物を形成する成分を導入する時期は、オレフィン単量体である供給材料を導入する前か、導入と同時か或は導入後であってもよい。高い触媒活性を示しかつ高分子量の重合体生成物をもたらす本触媒組成物が通常の重合条件下で迅速に生じることを確認した。
【0228】
前記不活性な液状炭化水素に入れる成分IとIIの量を成分I(触媒前駆体)のミクロモルと成分II(支持体−活性化剤)のグラムの比率が典型的に約5:1から約500:1、好適には約10:1から約250:1、最も好適には約30:1から約100:1(例えば60:1)になるように調節する。
【0229】
前記不活性な液状炭化水素に入れる任意の有機金属化合物の量は、これを前記触媒前駆体の予備活性化で用いることを意図するか或は重合ゾーンに入れる捕捉剤として用いることを意図するかに依存する。これを予備活性化で用いる場合、成分III(有機金属化合物)と成分I(触媒前駆体)のモル比が典型的に約0.001:1から約250:1、好適には約0.01:1から約125:1、最も好適には約0.1:1から約10:1になるように調節する。それを重合ゾーンに直接添加することで捕捉剤として用いる場合のモル比は典型的に約1:1から約1000:1、好適には約2:1から約500:1、最も好適には約10:1から約250:1に及んで多様であり得る。
【0230】
別法として、有機金属化合物を用いる場合、これの量を本支持体−活性化剤の重量の関数として表すことも可能である。より具体的には、用いる有機金属化合物のミリモル(mmol):支持体−活性化剤のグラムの比率は、典型的に約0.001:1から約2:1(例えば0.05:1から約1:1)、好適には約0.01:1から約1:1(例えば0.01:1から約0.6:1)、最も好適には約0.1:1から約0.8:1(例えば0.1:1から約0.5:1)に及んで多様であり得る。
【0231】
液状炭化水素の量は、典型的に、この液状炭化水素と成分IとIIを一緒にした重量を基準にして、約50から約98、好適には約60から約98、最も好適には約75から約90重量%に及んで多様であり得る。
【0232】
如何なる特別な理論でも範囲を限定することを望むものでないが、本触媒系を前記不活性な液から分離しなくても前記触媒前駆体と任意の有機金属化合物が非常にに迅速に本支持体−活性化剤に吸着(本支持体−活性化剤凝集物の表面に付着)および/または吸収(本支持体−活性化剤凝集粒子の内部構造の中に浸透)されると考えている。前記触媒前駆体と本支持体−活性化剤の反応は非常に遅いことから前記触媒前駆体が溶液相の中に溶解するのが助長される結果として前記触媒前駆体が本支持体−活性化剤マトリックスに中孔性通路(mesoporous channels)を通して有効に不動態化されると考えている。その結果として触媒前駆体が前記粒子全体に渡って示す分散性が向上すると考えている。
【0233】
より具体的には、触媒前駆体を含浸させた本支持体−活性化剤にx線粉末回折分析を受けさせた結果、触媒前駆体に起因する元々存在していた明瞭で鮮明なピークが消失していると言った非晶質のx線回折パターンが見られる。その上、そのような触媒系をCH2Cl2(触媒前駆体を溶かし得ることが知られる溶媒)で洗浄した時に触媒前駆体が再溶解することも観察されなかった。触媒前駆体をCH2Cl2に入れることで生じた青色の溶液を支持体−活性化剤をトルエンに入れることで生じた黄褐色のスラリーと混合すると、本支持体−活性化剤固体の色が明るい青色に変わったが、上澄みのCH2Cl2溶液が透明になり、このことは、本支持体−活性化剤と触媒前駆体の間にある種の反応が起こると言った結論を更に支持している。
【0234】
触媒をインサイチューで生じさせる時に有機金属化合物を用いると、それによって、前記触媒前駆体が予備活性化を受け、そしてその後、これが本支持体−活性化剤のルイス酸性によって完全な活性化を受けると考えている。
【0235】
この上で行った考察は本支持体−活性化剤の焼成温度、成分A(無機酸化物):成分B(層状材料)の重量比そして本支持体−活性化剤の重量を基準にした成分III(有機金属化合物)の含有量または成分Iの触媒前駆体を基準にしたモル比を調節する時の教示を示すものであるが、そのような変数を触媒活性が成分Aが単独でか或は成分Bが単独で用いられている相当する触媒系が示す活性に比較して向上するように調節するのが望ましいことは理解されるであろう。
【0236】
本発明の触媒組成物は重合、典型的には付加重合方法で使用可能であり、このような重合では、1種以上の単量体を本配位触媒系(この上に記述したように、不活性な液に元々入っているか或は個別の固体状生成物として)と一緒に重合反応ゾーンに重合条件下で導入することを通してそれらを接触させる。
【0237】
適切な重合性単量体にはエチレン系不飽和単量体、アセチレン系化合物、共役もしくは非共役ジエンおよびポリエンが含まれる。好適な単量体にはオレフィン、例えば炭素原子数が2から20,000、好適には2から20、より好適には2から8のアルファ−オレフィン、そしてそのようなアルファ−オレフィンの2種以上の組み合わせが含まれる。特に適切なアルファ−オレフィンには、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセンまたはそれらの組み合わせばかりでなく、重合中に生じる長鎖ビニル末端を有するオリゴマー状もしくはポリマー状の反応生成物、そして結果として生じる重合体に比較的長い鎖の分枝が生じるように特別に反応混合物に添加したC10−C30α−オレフィンが含まれる。このようなアルファ−オレフィンは好適にはエチレン、プロペン、1−ブテン、4−メチル−ペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン、そしてエチレンおよび/またはプロぺンとそのような他のアルファ−オレフィンの1種以上の組み合わせである。エチレン単独またはエチレンと他のアルファ−オレフィンの組み合わせが最も好適である。他の好適な単量体にはスチレン、ハロ置換もしくはアルキル置換スチレン、テトラフルオロエチレン、ビニルシクロブテン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンおよび1,7−オクタジエンが含まれる。また上述した単量体の混合物を用いることも可能である。
【0238】
加うるに、重合用単量体に官能化(functionalized)エチレン系不飽和単量体(この官能基はヒドロキシル、カルボン酸、カルボン酸エステル、アセテート、エーテル、アミド、アミンなどから選択される)を含めることも可能である。
【0239】
本配位触媒系(組成物)は有利に高圧、溶液、スラリーまたは気相重合方法で使用可能である。
【0240】
そのような重合反応を行う時に用いるに適した方法および装置は良く知られている。本発明に従う触媒系はオレフィン重合用触媒で知られる同様な量および同様な条件下で使用可能である。スラリー方法の場合、温度を典型的には約0℃から当該重合体が重合用媒体に溶解し得るようになる温度の直ぐ下の温度にする。気相方法の場合には、温度を約0℃から当該重合体の融点の直ぐ下の温度にする。溶液方法では、温度を典型的に当該重合体が反応用媒体に溶解する温度から約275℃に及ぶ温度にする。
【0241】
用いる圧力は比較的幅広い範囲の適切な圧力から選択可能であり、例えば大気圧以下から約20,000psiであってもよい。好適な圧力は大気圧から約1000psi、最も好適には50から550psiの範囲であり得る。スラリーまたは粒子形態の方法では、この方法を適切には不活性な液状希釈剤、例えば飽和脂肪族炭化水素を用いて実施する。この炭化水素は典型的にC3からC10の炭化水素、例えばプロパン、イソブタン、または芳香族炭化水素液、例えばベンゼン、トルエンまたはキシレンなどである。重合体の回収は、気相方法の場合には濾過で直接実施可能であるか、スラリー方法の場合にはスラリーに蒸発を受けさせることで実施可能であるか、或は溶液方法の場合には溶媒を蒸発させることで実施可能である。
【0242】
本明細書で元素または金属が特定の族に属すると言及する場合、それらは全部Hawley’s Condensed Chemical Dictionary、12版に示されている元素周期律表を指す。また、族1種または2種以上を言及する場合も、如何なる場合でも、族の番号付けで新規な表示システムが用いられている前記元素周期律表に示されている如き族1種または2種以上を指す。
【0243】
請求する発明の具体的な説明として下記の実施例を示す。しかしながら、本発明を本実施例に挙げる具体的な詳細に限定すると理解されるべきでない。本実施例ばかりでなく本明細書の残りに示す部およびパーセントは全部特に明記しない限り重量である。
【0244】
更に、本明細書または請求の範囲で数値の範囲を示す場合(例えば参考または他の様式で個々の組の特性、測定の単位、条件、物理的状態またはパーセントなどの数値の範囲を表す場合)、如何なる場合でも、そのような範囲内に入る全ての数[そのように示す範囲が如何なる範囲であろうともその範囲に入る全てのサブセット(subset)の数を包含]が文字通りその範囲の中に明らかに入ることを意図する。
【0245】
(実施例)
実施例1−支持体−活性化剤の調製
パートA−基礎シリカヒドロゲルの調製
ケイ酸ナトリウムの水溶液と硫酸の混合を約8分以内に硬化してゲルになるシリカゾルが生じるに適した撹拌および温度下で行うことを通して、シリカゲルの調製を行う。結果として生じたゲルに希(約2重量%の)アンモニア(NH3)溶液による塩基洗浄を65.5℃(150度F)で18から36時間受けさせる。この時間の間にシリカゲルから副生成物である塩が除去されかつ表面積が修飾を受ける。この塩基洗浄に続いて新鮮な水を用いた洗浄を行ったが、この水洗浄では前記ゲルを82℃の再循環浴の中に入れる。
【0246】
前記塩基洗浄を受けさせたゲルに熟成を65−82℃で約36時間受けさせたが、その時のpHを1Aと表示するサンプルでは6から7のpHにしそして1Bと表示する別のサンプルでは7.5から9のpHにする。それによって前記ゲルの表面積がサンプル1Aの場合には約600m2/gにまで小さくなりそしてサンプル1Bの場合には約300m2/gにまで小さくなる。そのような水による洗浄の結果として得たサンプル1Aおよび1BのゲルのSiO2含有量は約35重量%で残りは水であり、サンプル1Aおよび1Bが示した平均粒子サイズ(APS)は0.5から2.0cmである。
パートB(i)−湿式製粉ヒドロゲルサンプル2A(SAが600m 2 /g)の調製
パートAに従って調製したサンプル1Aのシリカゲルにサンドミルを用いた湿式製粉を受けさせた。次に、それに水を固体量が20重量%のスラリーが生じるに充分な量で加えた。このバルクサンプル(bulk sample)の粒子サイズをブレードミル(blade mill)で小さくし、そしてそれに湿式サンドミルによるさらなる処理を受けさせることで、平均粒子サイズ(APS)が<100ミクロンになるまで小さくした。次に、このサンプルをサンドミルにかけた。前記スラリーを前記サンドミルにケイ酸ジルコニウムの1.2mm球の媒体充填率(media load)が80%(4リットル)になるように1分当たり1リットルの輸送速度でポンプ輸送した。平均粒子サイズが8−10ミクロンにまで低下しかつD10、D50およびD90の粒子サイズ分布が5/8/15ミクロンになった。表面積は600m2/gであった。この湿式製粉の結果として得たサンプルをサンプル2Aと表示した。サンプル2Aのコロイド含有量は遠心分離で測定して20から25重量%の範囲であった。
パートB(ii)−湿式製粉ヒドロゲルサンプル2B(SAが300m 2 /g)の調製
サンプル1Bの基礎シリカゲルを用いて実施例1のパートB(i)を繰り返した。湿式製粉の結果として得たサンプルをサンプル2Bと表示し、これのコロイド含有量は遠心分離で測定して15から30重量%でありかつSAは300m2/gであった。結果として得た材料をサンプル2Bと表示した。
パートC−乾式製粉サンプルサンプル3B(SAが300m 2 /g)の調製
パートAに従って調製した基礎シリカゲルサンプル1Bに乾式製粉手順を下記の如く受けさせた:
サンプルに瞬間またはスプレー乾燥を水分含有量が10重量%未満になるまで受けさせた。次に、この乾燥させた粉末サンプルを平均粒子サイズ(APS)が約5ミクロンで表面積(SA)がまだ約300m2/gのままでかつN2細孔容積が1.5cc/gになるまで製粉した。結果として得たサンプルをサンプル3Bと表示した。
パートD−乾式製粉サンプルサンプル3A(600m 2 /g)の調製
基礎シリカゲルが実施例1のパートAに従って調製したサンプル1Aである以外はパートCを繰り返した。乾式製粉の結果として得たサンプルの水分含有量は10重量%未満でAPSは5ミクロンでSAは600m2/gであった。結果として得たサンプルをサンプル3Aと表示した。
パートE−シリカスラリーの調製
サンプル3B(乾式製粉):サンプル2B(湿式製粉)の重量比が表IVに報告するような比率になるようにサンプル2Bとサンプル3Bの異なる7種類のブレンド物(実験1から6および実験9と表示)を調製した。ブレンドを行う前に、サンプル3Bをミキサーで水中の固体含有量が20重量%になるようにスラリーにした。次に、このサンプル3Bのスラリーを固体含有量が20重量%のサンプル2Bの水性スラリーに表IVに報告する比率が達成されるに充分な量で加えた。
【0247】
【表10】
【0248】
パートF−代替支持体であるシリカスラリーの調製
サンプル3B(300m2/g)の代わりにサンプル3A(600m2/g)を用いそしてサンプル2B(300m2/g)の代わりにサンプル2A(600m2/g)を用いる以外はパートEを繰り返した。用いた乾式製粉/湿式製粉の比率を表Vに要約しそしてそれらのスラリーを実験10から12と表示する。
【0249】
【表11】
【0250】
パートG−粘土スラリーの調製
Southern Clayから商標Montmorillonite BP Colloidal Clayの下で入手可能なモントモリロナイト粘土を入手した。この粘土は下記の表VIに要約する如き特性を有する。
【0251】
【表12】
【0252】
パートH−スプレー乾燥用シリカ/粘土スラリーの調製
実験1から6および10から12のシリカスラリーの各々とパートGの粘土スラリーをシリカ:粘土乾燥固体の重量比が表VIIに報告するように調節されるに充分な様式で一緒にした。7−8.5のスラリーpHが達成されるように各スラリーに酸(硫酸)または塩基(水酸化アンモニウム)を用いた調整を受けさせた。このスラリーに入っている固体のAPSは約4から5ミクロンであり、このスラリーの全乾燥固体含有量は約15から18重量%であった。結果として得たスラリーを実験13から21と表示した。
パートI−シリカ/粘土スラリーのスプレー乾燥
pHを調整しておいた実験13から21のスラリーの各々を次にスプレー乾燥装置にポンプ輸送して、その混合物を乾燥させることで微細回転楕円体である凝集物を生じさせた。全てのスプレー乾燥を直径が3フィートのBowenスプレー乾燥装置を用いて実施したが、ここでは、入り口−出口温度を350/150℃にしそして空気を用いた2流体用スプレーノズルを10−30psiで用いて前記スラリーを噴霧した。Niroへの空気通過量をスプレーチャンバ(spray chamber)が7”水の真空度に維持されるように小さくしそしてスラリーを250−300cc/分で供給する。次に、乾燥室の直ぐ下に位置させたチャンバ収集ポット(chamber collection pot)で製品を集めたが、最も粗い画分は空気による飛沫同伴から外れて落下する。他の小さい方の画分はサイクロン収集ポット(cyclone collection pot)に到達しそして最も小さい画分はバッグハウス(baghouse)に到達する。次に、前記チャンバの材料を200から250メッシュのふるいにかけることで、40−55ミクロンの所望APSを得る。このスプレー乾燥を受けさせた製品が954.4℃(1750度F)の時に示した全揮発物量(TV%)は2−20重量%の範囲であり、その結果として、次に、150−800℃の固定式床オーブン(static bed oven)によるさらなる乾燥を用いて全揮発物量が0.5−5%になるまで低くする。
【0253】
前記スプレー乾燥装置のチャンバ収集ポットで得た材料およびそれをふるい分けすることで得た材料の全収率は約15−20重量%である。
【0254】
以下の表VIIIに結果として得た凝集物のシリカ/粘土の形態学的特性を報告する。結果として得た凝集サンプルを実験27から35と表示する。
実施例2−(トレーで乾燥させたシリカ/粘土である支持体−活性化剤)
湿式製粉シリカヒドロゲルサンプル2B[実施例1のパートB(ii)に従って調製、300m2/g]の含有量を30重量%にしかつ乾式製粉シリカ粉末サンプル3B[実施例1のパートCに従って調製(SA=300m2/g)]の含有量を70重量%にする以外は実施例1のパートEに従って生じさせたシリカサンプル(実験7と表示)(65重量部)をSouthern Clay Companyから商標Mineral Colloidal BPの下で入手可能なモントモリロナイト粘土(35重量部)と一緒に混合した。
【0255】
前記シリカが10%の乾燥固体含有量で入っているスラリーに前記粘土粉末を粘土とシリカの全固体含有量が15重量%になるように添加することで混合物(実験22と表示)を生じさせた。次に、前記スラリーを混合した。
【0256】
このスラリーは用いた固体含有量でペーストとして存在し、これをトレーの上に広げて乾燥させた。次に、このペーストをトレーに入れた状態で真空オーブンに入れて204.4℃(400度F)で16時間乾燥させた。このトレーで乾燥させたサンプルを粉砕して200U.S.メッシュのふるいでふるい分けすることで、約50ミクロンの平均粒子サイズを得た。このふるい分けしたサンプルの一部にBET表面積および窒素細孔容積に関する試験を受けさせることでそれぞれ215m2/gおよび0.85cc/gであることを確認した。このトレー乾燥の結果として得た凝集物サンプルを実験36と表示した。
実施例3−(トレーで乾燥させたシリカ/粘土である支持体−活性化剤
用いたシリカサンプル(実験8と表示)の全体が実施例1のパートCに従って生じさせた乾式製粉シリカ粉末である(湿式製粉シリカゲルなし)以外は実施例2を繰り返した。
【0257】
表面積および窒素細孔容積を分析することでそれぞれ224m2/gおよび0.82cc/gであることを確認した。このトレー乾燥の結果として得たサンプルを実験23と表示した。
比較実施例1(スプレー乾燥100%粘土)
Southern Clay Companyから商標Mineral Colloidal BPの下で入手可能なモントモリロナイト粘土(5重量部)を水(28重量部)と混合した。次に、このスラリー(実験24Cと表示)を実施例1のパートIに従ってNiroスプレー乾燥装置に供給することで粘土微細球を生じさせた。その結果として生じた生成物は凝集で微細回転楕円体にはならなかった。スプレー乾燥装置のチャンバ収集ポットに集められた材料の量は非常に少量(収率<5%)のみであり、その残りは粉じんとして観察されて、スプレー乾燥装置の壁に蓄積した。ふるい分け後に集めたサンプルに入っている微細球形態のものは<1重量%であり、粘土の大部分が粉じんとしてサイクロンまたはバッグハウスに運ばれた。このスプレー乾燥の結果として得た粘土(実験38Cと表示)は使用不能なことから廃棄した。
比較実施例2−(スプレー乾燥100%粘土)
用いた粘土がSouthern Clay Productsから商標Gel Whiteの下で入手可能なモントモリロナイトである以外は比較実施例1を繰り返した。スプレー乾燥を受けさせるスラリーを実験25Cと表示した。スプレー乾燥装置のチャンバ収集ポットに集められる凝集物として回収したのは出発粘土の1.3重量%のみであった。
【0258】
この凝集させた粗生成物を200メッシュのふるいに通してふるい分けすることで大型の凝集物を除去することで、40−55ミクロン(Malvern粒子サイズ分析を基にした)のAPSを得た。この生成物の細孔容積は0.21cc/gで表面積は72m2/gであった。
【0259】
このスプレー乾燥の結果として得た粘土粉末を実験39Cと表示した。
比較実施例3−(100%スプレー乾燥シリカ)
シリカのみを含有するスラリー(実験26Cと表示)にスプレー乾燥を受けさせそして前記シリカが実験9で生じさせたシリカ、即ち乾式製粉シリカ粉末サンプル3Bの含有量が80重量%で湿式製粉シリカヒドロゲルサンプル2Bの含有量が20重量%の混合物である以外は実施例1のパートIを繰り返した。粘土を全く用いなかった。このスプレー乾燥の結果として得た製品は細孔容積が1.69cc/gで表面積が277m2/gで平均粒子サイズ(APS)が47ミクロンの微細回転楕円形凝集物であった。このスプレー乾燥の結果として得た製品を実験40Cと表示した。
実施例4−三座触媒系の調製
実験27から34の支持体−活性化剤に含まれる全揮発物の量を制御する目的でそれらに焼成を表IXに示す如きいろいろな温度および時間で受けさせた。次に、各表示の焼成を受けさせた支持体−活性化剤を25mlのトルエンに支持体−活性化剤1グラム当たりの触媒前駆体のミクロモルの比率が表IXの実験41から93および101から104に報告する比率になるに充分な量の三座遷移金属触媒前駆体、即ち2,6ビス(2,4,6−トリメチルアリールイミノ)ピリジル鉄ジクロライドと一緒に加えた。トリイソブチルアルミニウム(トルエン中1Mの溶液)を用いる場合、これも前記トルエンに支持体−活性化剤1グラム当たりのトリイソブチルアルミニウムのミクロモルが報告するミクロモルになるに充分な量で加えた。
比較実施例4
前記シリカ−粘土である支持体−活性化剤の代わりにAldrichから商標K10 Montmorilloniteの下で入手可能で脱水もスプレー乾燥も受けさせていないコロイド状(粒子サイズが<1ミクロン)のモントモリロナイトを用い(実験95C)そして脱水もスプレー乾燥も受けていないMineral Colloidal BP(実施例1のパートGに記述した如き)を用い(実験94C)る以外は実施例4を追加的に2回繰り返して、それらを実験94Cおよび95Cと表示した。トリイソブチルアルミニウムとFe触媒前駆体の比率をそれぞれ表IXの実験95Cおよび94Cに要約する。
比較実施例5
前記シリカ−粘土凝集物の代わりに下記の手順で生じさせたMineral Colloidal(粒子サイズが<1ミクロン)BPモントモリロナイト粘土とシリカヒドロゲル粉末(サンプル4)の凝集させていない物理的ブレンド物を用いる以外は実施例4を繰り返した。基礎シリカヒドロゲルサンプル1B(SA300m2/g)に湿式製粉を受けさせてAPSを15−25ミクロンにすることで水中の固体量が20重量%のスラリーを生じさせた。次に、このシリカヒドロゲルにスプレー乾燥を受けさせた後、それに含まれている微細物の画分を空気による分級で集めて、それをサンプル4と表示した。サンプル4のAPSは10ミクロンで窒素細孔容積は1.6cc/gで表面積は300m2/gであった。次に、実施例4に従って触媒前駆体を添加し、その結果として得た混合物に実験96Cおよび97Cとして実施例6に従う試験を受けさせた。トリイソブチルアルミニウムとFe触媒前駆体の量および比率を表IXに報告する。
比較実施例6
前記シリカ/粘土である支持体−活性化剤の代わりに実験40Cに従って生じさせたシリカ凝集物を用いる以外は実施例4を繰り返した。トリイソブチルアルミニウムとFe触媒前駆体の量を実験98C、99Cおよ100Cの所に報告する。
実施例5
前記シリカ/粘土である支持体−活性化剤の代わりにそれぞれ実験36および37のトレー乾燥サンプルを用いる以外は実施例4を繰り返した。用いたトリイソブチルアルミニウムとFe触媒前駆体の量および比率を表IXの実験105およ106の所に要約する。
実施例6−重合方法
この実施例のスラリー重合実験では、特に明記しない限り、2リットルのZipperclave(Autoclave Engineers,Inc.)反応槽を真空下で70℃に90分間加熱することで、それを不活性にした。トルエンに乾燥と脱気を受けさせておいたヘプタンを350mlと捕捉剤であるトリイソブチルアルミニウムを200ミクロモル溶解させることで生じさせた混合物で構成させた反応槽仕込み物を反応槽に注入しそして表IXの実験41から106の1つで生じさせたトリイソブチルアルミニウムと触媒前駆体と支持体−活性化剤のスラリーを個別に0.3から0.5ml(触媒の活性に応じて)注入した。この反応槽の内容物を500rpmで撹拌しながらこの反応槽にエチレンと水素を反応槽の最終圧力である200psigが達成されるまで迅速に送り込んだ。この圧力に含まれる水素/エチレンの分圧比は0.05であった。重合温度は70℃であり、これを循環水浴で維持した。エチレンを質量流量調節装置に通して反応槽の圧力が200psigに維持されるように要求に応じて供給した。60分後、エチレンの供給を止めて反応槽を室温に冷却した後、排気を行った。重合体を濾過し、メタノールそしてアセトンで洗浄することで、いくらか残存する触媒を失活させ、濾過した後、真空オーブンに入れて一定重量になるまで少なくとも3時間乾燥させた。乾燥後の重合体の重量を測定することで触媒の活性を計算し、そして乾燥させた重合体のサンプルを用いてASTM 1895の手順に従って見かけかさ密度を測定した。
【0260】
各重合の結果を表IXの実験41から106に要約する。縦列7に、活性触媒調製中に用いたトリイソブチルアルミニウム(AlBu3)の量(ミリモル)を支持体−活性化剤材料の量(グラム)を基準にして示す。縦列8に、活性触媒調製中に用いたFe触媒前駆体の量および支持体−活性化剤の量(グラム)を示す。縦列11に、結果として得たポリエチレン(PE)生成物のかさ密度(ASTM 1895方法で測定)を示す。触媒性能データに下記を含める:(i)触媒活性データ(縦列9)(触媒1g当たりに1時間毎に生じたPEのKg)[これは使用した触媒全体1グラム当たりに1時間毎に生じたポリエチレン生成物の全量(グラム)を基にしている]および(ii)Fe濃度の関数として示す活性。このように、縦列10は、Fe 1g当たりに1時間毎に生じたPEのgx10-6を示しており、これは、触媒前駆体に存在するFe金属1グラム当たりに1時間毎に生じたポリエチレン生成物の全量(グラム)に関係している。より具体的には、縦列9に報告する値が1であることは、1グラムのFe当たりに1時間毎に生じたPEが1,000,000gであることを示している。実験45、56、67(スプレー乾燥支持体−活性化剤)、105および106(トレー乾燥支持体−活性化剤)、94C(100%粘土)および96C(シリカと粘土の凝集させていない物理的混合物)を用いて生じさせた結果として得た重合体生成物が示した粒子サイズ分布を表Xに示す。
【0261】
結果の考察
実験105および106(トレー乾燥)と実験62から65(スプレー乾燥)を比較することで、AlBu3含有量が1未満の時にスプレー乾燥凝集物が示す活性は6.5から8の範囲でありそしてトレー乾燥凝集物が示す活性は5.5から8の範囲であることが分かるであろう。しかしながら、実験105および106のトレー乾燥支持体凝集物の形状および大きさは均一でないことからそれらを用いた時にもたらされる重合体の粒子サイズ分布は幅広いと考えている(表Xを参照)。それとは対照的に、スプレー乾燥実験45、56および67を用いると直径が0から250ミクロンの範囲の重合体粒子は全く生じない。このように重合体の微細物量が減少しかつ重合体を取り扱う時の容易さが向上し得る。シリカを用いなかった実験94Cの重合体にも同様な考慮が当てはまり、結果として生成物が崩壊して微細物が生じたことから、それにはスプレー乾燥を受けさせなかった(実験38Cを参照)。この粘土のみの比較支持体が結果として示した形態がそのように重合体の形態が劣る一因であると考えている。
【0262】
実験96C(シリカ:粘土が80:20の物理的混合物)と実験102(80:20のスプレー乾燥凝集物)を比較することで、実験102の活性の方が実験96Cのそれに比べてほとんど4倍大きいことが分かるであろう。このように、重合ゾーン内でか或は活性化中にシリカの粒子と粘土の粒子を単に混合することに相対して凝集物としての形態が本発明にとって重要であると考えている。実験96Cの支持体−活性化剤成分の物理的ブレンド物を用いた時に生じた重合体の形態もまた劣っている(表Xの実験96Cを参照)。
【0263】
実験94Cおよび95C(100%粘土)と実験41から45(シリカ:粘土が80:20)を比較することで、シリカ−粘土である支持体−活性化剤を用いた場合の活性が5から10.3であるのに比較して粘土のみの支持体を用いるとそれに関連して活性が非常に低い(それぞれ2.92および0)ことが分かるであろう。
【0264】
シリカのみの支持体−活性化剤を用いた時に得た結果も同様である。例えば、実験98C、99Cおよび100Cと実験101から104を比較したところ、後者の活性は比較実験のそれの2倍より高い。
実施例7 断面の走査電子顕微鏡写真(SEM)
アルゴンが入っているグローブボックス内で実験30のサンプルの小部分をエポキシ樹脂の中に分散させて一晩硬化させた。エポキシが硬化した後、その取り付けたサンプルを数個の粒子の内部マトリックスが露出するまで磨くことで0.05umの滑らかな表面を達成した。
【0265】
アルゴン下のグローブボックス内で、その磨いたサンプルブロックの小部分をSEMスタブ(stub)の上に置いた。このサンプルを取り付けた後、これをグローブボックス内でジャーの中に入れた。次に、このサンプルを入れたジャーを密封した後、グローブバッグ(glove bag)に入れて、これをSEMの開口部の上に置いてアルゴンでパージ洗浄する。前記バッグをアルゴンで3回フラッシュ洗浄(flushed)した後、このサンプルが入っているジャーを開けて、このサンプルをSEMに入れて分析を行った。Hitachi S4500走査電子顕微鏡を用い、1.0kVのビーム加速電圧を用いて、その露出させた(uncoated)乾燥サンプルの画像を得る。その結果を図1および2に示す。
実施例8−活性応答輪郭地図
表IXで示すSAが300m2/gの支持体−活性化剤サンプル2Bおよび3Bに対して実施例6に従って実施した事項を基にしたデータを、それらの4時間焼成温度で分類分けした後、それらにHyper−Greco−Latin Square(HGLS)実験計画演算を受けさせた。4種類の変数、即ち(1)トリイソブチルアルミニウム充填量、(2)支持体−活性化剤に入っている粘土の重量%、(3)触媒前駆体充填量および(4)支持体−活性化剤の焼成温度を検査した。これらの変数の各々に関して表XIに示す如き4係数4レベル(four−factor,four−leverl)HGLSデザインを作り出した。次に、平均触媒活性を下記の式に従って34個の有効データ点(計画による16データ点および追加の18データ点、それらの全部を表IXに報告する)および92%モデル係数(model coefficient)から計算した:
【0266】
【数2】
【0267】
ここで、
Ln.=自然log
Dry=4時間の支持体−活性化剤焼成温度(℃)
Clay=支持体−活性化剤中の粘土(重量%)
AlBu3=支持体−活性化剤1g当たりに用いたミリモル。
【0268】
次に、そのようにして計算した活性を用いて図3から13の活性輪郭地図(contour map)を生じさせた。
【0269】
各プロットの各線上の番号は、例示する粘土重量%とトリイソブチルアルミニウム含有量の組み合わせで期待される触媒活性(この上に記述した如き単位で表す)を表している。
【0270】
図3から14を比較することで、支持体−活性化剤中の粘土含有量を20から30重量%にして支持体−活性化剤に焼成を受けさせないか或は200℃以下で焼成を受けさせた時にはAlBu3含有量を非常に低くして0.1から0.2の範囲にすることでも13の如き高い触媒活性を達成することができることが分かるであろう。焼成温度を高くして250から800℃にすると最大活性が13未満にまで降下し、そしてAlBu3含有量を少なくすることに関連しそしてそれとは逆に所定活性を維持することに関連して支持体−活性化剤の粘土含有量を徐々に高くして行くことができる。AlBu3含有量を1にまで高くして行くにつれて活性が一貫して低下することも更に観察されるであろう。
【0271】
従って、一般的な提案として、焼成温度を高くして行くにつれて支持体−活性化剤中の粘土含有量およびそれの焼成温度と触媒活性が正比例するようになると考えている。しかしながら、焼成温度が一定の時には粘土含有量と活性の間の関係が逆比例になる。また、少なくともAlBu3含有量が1以下の時には試験した焼成温度の全部で触媒の活性はAlBu3含有量とも逆比例する。更に、粘土含有量とAlBu3は一般にプロットのある部分、例えば粘土含有量が高い時には逆比例しそして同じ活性プロットの別の部分の所では正比例する。このように活性が一定のままであるようにした時の正比例から逆比例への転移は粘土含有量が高い時に焼成温度を高くした場合に起こる。
実施例9
実験33の支持体−活性化剤を用いてこの支持体−活性化剤と触媒前駆体とトルエンの反応混合物を軌道振とう器(orbital shaker)で24時間撹拌する以外は実施例4を繰り返した。次に、そのスラリーを濾過し、20mlのトルエンで2回洗浄し、20mlのヘプタンで2回洗浄した後、真空下で乾燥させた。次に、その結果として得た粉末状の触媒系を用い、この粉末を重合反応槽に注入する前にこれをトルエンに入れて再びスラリーにすることを通して、エチレンの重合を実施例6に従って行った。その結果を実験107に要約する。生成物である重合体が示したMwは358,1000でMnは37,600でMw/Mnは9.5であった。
【0272】
【表13】
【0273】
【表14】
【0274】
【表15】
【0275】
【表16】
【0276】
【表17】
【0277】
【表18】
【0278】
【表19】
【0279】
【表20】
【0280】
この上に示した明細に本発明の原理、好適な態様および操作様式を記述してきた。しかしながら、本明細書で保護することを意図する発明をその開示した個々の形態に限定するとして解釈されるべきでない、と言うのは、それらは限定ではなく説明として見なされるべきであるからである。本発明の精神から逸脱しない限り本分野の技術者によって変形および変更が成されてもよい。
以上の記載を総括して、本発明の特徴及び態様を列挙すれば、次のとおりである。
1. オレフィンを重合させ得る配位触媒系であって、
(I)(A) (II)(B)の支持体−活性化剤と接触した時に活性化され得るか或は(B)有機金属化合物と接触した時にある中間体に変化して前記中間体が(II)(B)の支持体−活性化剤と接触した時に活性化され得る触媒前駆体としてメタロセンでも拘束幾何でもない少なくとも1種の二座遷移金属化合物または三座遷移金属化合物(この遷移金属は周期律表の3から10族から選択される少なくとも一員である)を含んで成っていて、前記化合物が
(II)(A) SiO 2 、Al 2 O 3 、MgO、AlPO 4 、TiO 2 、ZrO 2 、Cr 2 O 3 から選択される少なくとも1種の無機酸化物成分と(B)少なくとも1種のイオン含有層状材料の複合体を含んで成る触媒支持体−活性化剤凝集物と密に接触しており、前記少なくとも1種のイオン含有層状材料が層間に空間部を有しかつこれが前記支持体−活性化剤内に存在している時に前記触媒前駆体が前記支持体−活性化剤と接触した時点で前記触媒前駆体を活性にするに充分なルイス酸性を有しており、前記層状材料がカチオン成分とアニオン成分を有していて前記アニオン成分が前記層状材料の空間部内に存在しており、前記層状材料が前記凝集物内に前記無機酸化物成分と一緒に密に分散した状態で前記配位触媒系がエチレン単量体の重合に関して示す活性(触媒系1グラム当たりに1時間毎に生じるポリエチレンのKgとして表す)を前記支持体−活性化剤の成分AまたはBのいずれかが存在しない以外は同じ触媒前駆体が用いられている相当する触媒系が示す活性に比較して向上させるに充分な量で存在していて、前記触媒前駆体の量およびこれに密に接触している支持体−活性化剤の量が触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約5:1から約500:1であるに充分な量である配位触媒系。
2. 構造式:
M(R 12 ) s
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、各R 12 は、独立して、水素、ハロゲン、または炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価に相当する数である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を3番目の成分として追加的に含んで成っていて前記有機金属化合物が前記触媒前駆体と密に接触した状態で有機金属化合物と触媒前駆体のモル比が約0.001:1から約10,000:1のモル比であるに充分な量で存在する1記載の触媒系。
3. 前記触媒前駆体が式:
【化1】
[式中、
(I)各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素を表し、
(II)Zは、酸化状態が+2のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtそして酸化状態が+2、+3または+4のTi、V、Cr、Mn、ZrおよびHfの群の中の少なくとも1種から選択される遷移金属を表し、
(III)各LおよびL'は、独立して、水素、ハロゲン、炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種から選択される配位子基を表すか、或は2つのL基が一緒になって、Zと一緒に複素環式環構造を構成する炭化水素が基になった基を表し、
(IV)「a」は、0または1の整数であり、これは、Zに結合するL'基の数を表し、各Aと他の各Aをつなげている線は、Aに二重結合もしくは単結合で連結している炭化水素が基になった基を表し、各AとZをつなげている線は、共有結合もしくは供与結合を表す]
で表される二座遷移金属化合物である1記載の触媒系。
4. 前記遷移金属化合物が式:
【化2】
[式中、
(I)各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素を表し、
(II)Zは、酸化状態が+2のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtそして酸化状態が+2、+3または+4のTi、V、Cr、Mn、ZrおよびHfの群の中の少なくとも1種から選択される遷移金属を表し、
(III)各LおよびL'は、独立して、水素、ハロゲン、炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種から選択される配位子基を表すか、或は2つのL基が一緒になって、Zと一緒に複素環式環構造を構成する炭化水素が基になった基を表し、そして
(IV)「a」は、0、1または2の整数であり、これは、Zに結合するL'基の数を表し、各Aと他の各Aをつなげている線は、Aに二重結合もしくは単結合で連結している炭化水素が基になった基を表し、そして各AとZをつなげている線は、共有結合もしくは供与結合を表す]
で表される三座遷移金属化合物である1記載の触媒系。
5. 各Aが窒素原子を表し、各LおよびL'が独立してハロゲン、ヒドロカルビルまたはそれらの混合物から選択されるか、或は2つのL基が一緒になってZと一緒に3から7員の複素環式環構造を構成するヒドロカルビレンを表す3および4記載の触媒系。
6. 前記触媒前駆体の少なくとも1つのLがヒドロカルビルから選択される3および4記載の触媒系。
7. ZがNi、Pd、FeまたはCoから選択される6記載の触媒系。
8. ZがNiまたはPdから選択されそして各Lが独立して塩素、臭素、ヨウ素またはC 1 −C 8 アルキルから選択される3記載の触媒系。
9. Zが鉄またはコバルトから選択されそして各Lが独立して塩素、臭素、ヨウ素またはC 1 −C 8 アルキルから選択される4記載の触媒系。
10. Lがハロゲンまたは水素から選択され、そして前記触媒系が更に式:
M(R 12 ) s
[式中、Mはアルミニウムであり、R 12 はヒドロカルビルでありそして「s」は3である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物も含んで成っていて、前記有機金属化合物が前記触媒前駆体と密に結合した状態で有機金属化合物と触媒前駆体中の遷移金属のモル比が約0.001:1から約250:1のモル比であるに充分な量で存在する3および4記載の触媒系。
11. 前記支持体−活性化剤の前記層状材料が0未満の負電荷を有する粘土または粘土鉱物の中の少なくとも1種である1記載の触媒系。
12. 前記層状材料がスメクタイト粘土であり、前記支持体−活性化剤凝集物中の無機酸化物と粘土の重量比が約0.25:1から約99:1でありそして触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約10:1から約250:1である11記載の触媒系。
13. 前記スメクタイト粘土がモントモリロナイトおよびヘクトライトの中の少なくとも1種であり、前記支持体−活性化剤凝集物中の無機酸化物と粘土の重量比が約0.5:1から約20:1でありそして触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約30:1から約100:1である12記載の触媒系。
14. 前記無機酸化物成分がSiO 2 であり、前記支持体−活性化剤凝集物中のSiO 2 と層状材料の重量比が約1:1から約10:1でありそして触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約80:1から約100:1である1記載の触媒系。
15. 前記支持体−活性化剤がスプレー乾燥凝集粒子を含んで成り、前記スプレー乾燥凝集粒子が、前記無機酸化物の少なくとも1種と前記層状材料の少なくとも1種の成分粒子を含んで成り、ここで、
(I)全凝集粒子サイズ分布のD 90 より小さい凝集粒子の体積の少なくとも80%が微細回転楕円体形態を有し、
(II)前記支持体−活性化剤凝集粒子が
(A)約4から約250ミクロンの平均粒子サイズ、および
(B)20から約800m 2 /gの表面積
を有し、かつ
(III)前記凝集粒子の源である成分無機酸化物粒子がスプレー乾燥前に約2から約10ミクロンの平均粒子サイズを有しかつ成分層状材料粒子がスプレー乾燥前に約0.01から約50ミクロンの平均粒子サイズを有する、
1および2記載の触媒系。
16. 前記凝集粒子の源である成分無機酸化物粒子がスプレー乾燥前に
(I)約4から約9ミクロンの平均粒子サイズ、
(II)約0.5から約3.0ミクロンの粒子サイズ分布範囲、および
(III)成分無機酸化物粒子の重量を基準にして約2から約60重量%のコロイド状粒子サイズ含有量、
を有する15記載の触媒系。
17. 配位触媒系であって、
(I)(A)SiO 2 、Al 2 O 3 、MgO、AlPO 4 、TiO 2 、ZrO 2 、Cr 2 O 3 から選択される少なくとも1種の無機酸化物成分を
(B)少なくとも1種のイオン含有層状材料と一緒に
凝集させることで支持体−活性化剤を生じさせるが、前記少なくとも1種のイオン含有層状材料は層間に空間部を有しかつこれが前記支持体−活性化剤内に存在している時にIIの触媒前駆体が前記支持体−活性化剤と接触した時点で前記触媒前駆体の遷移金属を活性にするに充分なルイス酸性を有しており、前記層状材料はカチオン成分とアニオン成分を有していて前記アニオン成分が前記層状材料の空間部内に存在しており、ここで、前記層状材料が前記凝集物内に前記無機酸化物成分と一緒に密に分散した状態で前記配位触媒系がエチレン単量体の重合に関して示す活性(触媒系1グラム当たりに1時間毎に生じるポリエチレンのKgとして表す)を前記支持体−活性化剤の成分AまたはBのいずれかが存在しない以外は同じ触媒前駆体が用いられている相当する触媒系が示す活性に比較して向上させるに充分な量で存在するようにし、
(II)(A) (I)の支持体−活性化剤と接触した時に活性化され得るか或は(B)有機金属化合物と接触した時にある中間体に変化して前記中間体が前記支持体−活性化剤と接触した時に活性化され得る触媒前駆体としてメタロセンでも拘束幾何でもない二座遷移金属化合物および三座遷移金属化合物から選択される少なくとも1種の遷移金属(この遷移金属は周期律表の3から10族から選択される少なくとも1種の元素である)化合物を供給し、
(III)少なくとも1種の不活性な液状炭化水素の存在下で前記支持体−活性化剤と触媒前駆体を触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約5:1から約500:1であるに充分な様式で接触させる、
ことを含んで成る方法で作られた配位触媒系。
18. 段階IIIの液状炭化水素に構造式:
M(R 12 ) s
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、そして各R 12 は、独立して、水素、ハロゲン、または炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価に相当する数である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を含有させて前記有機金属化合物と前記触媒前駆体を存在する前記有機金属化合物の量が有機金属化合物と触媒前駆体のモル比が約0.001:1から約250:1であるに充分な量で密に接触させる追加的段階を伴って作られた17記載の触媒系。
19. 前記遷移金属化合物が式:
【化3】
[式中、
(I)各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素を表し、
(II)Zは、酸化状態が+2のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtそして酸化状態が+2、+3または+4のTi、V、Cr、Mn、ZrおよびHfの群の中の少なくとも1種から選択される遷移金属を表し、
(III)各LおよびL'は、独立して、水素、ハロゲン、および炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種から選択される配位子基を表すか、或は2つのL基が一緒になって、Zと一緒に複素環式環構造を構成する炭化水素が基になった基を表し、そして
(IV)「a」は、0または1の整数であり、これは、Zに結合するL'基の数を表し、各Aと他の各Aをつなげている線は、Aに二重結合もしくは単結合で連結している炭化水素が基になった基を表し、そして各AとZをつなげている線は、共有結合もしくは供与結合を表す]
で表される二座遷移金属化合物である17記載の触媒系。
20. 前記遷移金属化合物が式:
【化4】
[式中、
(I)各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素を表し、
(II)Zは、酸化状態が+2のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtそして酸化状態が+2、+3または+4のTi、V、Cr、Mn、ZrおよびHfの群の中の少なくとも1員から選択される遷移金属を表し、
(III)各LおよびL'は、独立して、水素、ハロゲン、および炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種から選択される配位子基を表すか、或は2つのL基が一緒になって、Zと一緒に複素環式環構造を構成する炭化水素が基になった基を表し、そして
(IV)「a」は、0、1または2の整数であり、これは、Zに結合するL'基の数を表し、各Aと他の各Aをつなげている線は、Aに二重結合もしくは単結合で連結している炭化水素が基になった基を表し、そして各AとZをつなげている線は、共有結合もしくは供与結合を表す]
で表される三座遷移金属化合物である17記載の触媒系。
21. 各Aが窒素を表し、各LおよびL'が独立してハロゲン、ヒドロカルビルまたはそれらの混合物であるか、或は2つのL基が一緒になってZと一緒に3から7員の複素環式環構造を構成するヒドロカルビレン基を表す19および20記載の触媒系。
22. Mがアルミニウムであり、「s」が3でありそしてR 12 がC 1 からC 24 アルキルでありそして前記触媒前駆体の各Lがハロゲンから選択される18記載の触媒系。
23. 前記触媒前駆体の少なくとも1つのLがヒドロカルビルである19および20記載の触媒系。
24. ZがNi、Pd、FeまたはCoの少なくとも1種から選択される19および20記載の触媒系。
25. ZがNiまたはPdから選択されそして各Lが独立して塩素、臭素、ヨウ素およびC 1 −C 8 アルキルから選択される19記載の触媒系。
26. Zが鉄およびコバルトから選択されそして各Lが独立して塩素、臭素、ヨウ素およびC 1 −C 8 アルキルから選択される20記載の触媒系。
27. 段階IIIの不活性な炭化水素液に構造式:
M(R 12 ) s
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、そして各R 12 は、独立して、水素、ハロゲンまたはヒドロカルビル基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を含有させて前記有機金属化合物と前記触媒前駆体を有機金属化合物と触媒前駆体のモル比が約0.01:1から約125:1であるに充分な量で密に接触させる追加的段階を伴って作られた19記載の触媒系。
28. 段階IIIの不活性な炭化水素液に構造式:
M(R 12 ) s
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、そして各R 12 は、独立して、水素、ハロゲンまたはヒドロカルビル基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を含有させて前記有機金属化合物と前記触媒前駆体を有機金属化合物と触媒前駆体のモル比が約0.1:1から約10:1であるに充分な量で密に接触させる追加的段階を伴って作られた20記載の触媒系。
29. Mがアルミニウムであり、R 12 がアルキルまたはアルコキシルであり、「s」が3であり、ZがNiおよびPdの少なくとも1つから選択されそしてLがハロゲンである27記載の触媒系。
30. Mがアルミニウムであり、R 12 がアルキルまたはアルコキシルであり、「s」が3であり、ZがFeまたはCoの少なくとも1つから選択されそしてLがハロゲンである28記載の触媒系。
31. 前記支持体−活性化剤が0未満の負電荷を有する粘土または粘土鉱物の中の少なくとも1種である17記載の触媒系。
32. 前記層状材料がスメクタイト粘土であり、前記支持体−活性化剤凝集物中の無機酸化物と粘土の重量比が約0.25:1から約99:1でありそして触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約10:1から約250:1である31記載の触媒系。
33. 前記スメクタイト粘土がモントモリロナイトおよびヘクトライトの中の少なくとも1種であり、前記支持体−活性化剤凝集物中の無機酸化物と粘土の重量比が約0.5:1から約20:1でありそして触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約30:1から約100:1である32記載の触媒系。
34. 前記無機酸化物成分がSiO 2 であり、前記支持体−活性化剤凝集物中のSiO 2 と層状材料の重量比が約1:1から約10:1でありそして触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約80:1から約100:1である17記載の触媒系。
35. 前記支持体−活性化剤がスプレー乾燥凝集粒子を含んで成り、前記スプレー乾燥凝集粒子が、前記無機酸化物の少なくとも1種と前記層状材料の少なくとも1種の成分粒子を含んで成り、ここで、
(I)全凝集粒子サイズ分布のD 90 より小さい凝集粒子の体積の少なくとも80%が微細回転楕円体形態を有し、
(II)前記支持体−活性化剤凝集粒子が
(A)約4から約250ミクロンの平均粒子サイズ、および
(B)20から約800m 2 /gの表面積
を有し、
(III)前記凝集粒子の源である成分無機酸化物粒子がスプレー乾燥前に約2から約10ミクロンの平均粒子サイズを有しかつ成分層状材料粒子がスプレー乾燥前に約0.01から約50ミクロンの平均粒子サイズを有する、
17および18記載の触媒系。
36. 前記凝集粒子の源である成分無機酸化物粒子がスプレー乾燥前に
(I)約4から約9ミクロンの平均粒子サイズ、
(II)約0.5から約3.0ミクロンの粒子サイズ分布範囲、および
(III)成分無機酸化物粒子の重量を基準にして約2から約60重量%のコロイド状粒子サイズ含有量、
を有する35記載の触媒系。
37. オレフィン重合用触媒系を生じさせる方法であって、(I)(A)SiO 2 、Al 2 O 3 、MgO、AlPO 4 、TiO 2 、ZrO 2 、Cr 2 O 3 から選択される少なくとも1種の無機酸化物成分を
(B)少なくとも1種のイオン含有層状材料と一緒に
凝集させることで支持体−活性化剤を生じさせるが、前記少なくとも1種のイオン含有層状材料は層間に空間部を有しかつこれが前記支持体−活性化剤内に存在している時に(II)の触媒前駆体が前記支持体−活性化剤と接触した時点で前記触媒前駆体化合物を活性にするに充分なルイス酸性を有しており、前記層状材料はカチオン成分とアニオン成分を有していて前記アニオン成分が前記層状材料の空間部内に存在しており、ここで、前記層状材料が前記凝集物内に前記無機酸化物成分と一緒に密に分散した状態で前記配位触媒系がエチレン単量体の重合に関して示す活性(触媒系1グラム当たりに1時間毎に生じるポリエチレンのKgとして表す)を前記支持体−活性化剤の成分AまたはBのいずれかが存在しない以外は同じ触媒前駆体が用いられている相当する触媒系が示す活性に比較して向上させるに充分な量で存在するようにし、
(II)(A)前記支持体−活性化剤と接触した時に活性化され得るか或は(B)有機金属化合物と接触した時にある中間体に変化して前記中間体が前記支持体−活性化剤と接触した時に活性化され得る触媒前駆体としてメタロセンでも拘束幾何でもない二座遷移金属化合物および三座遷移金属化合物から選択される少なくとも1種の遷移金属(この遷移金属は周期律表の3から10族から選択される少なくとも一員である)化合物を供給し、
(III)少なくとも1種の不活性な液状炭化水素の存在下で前記支持体−活性化剤と触媒前駆体を前記液状炭化水素中の触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約5:1から約500:1であるに充分な様式で接触させることで、前記支持体−活性化剤による前記触媒前駆体の吸収および吸着の中の少なくとも1つを起こさせる、
ことを含んで成る方法。
38. 段階IIIの不活性な液状炭化水素に構造式:
M(R 12 ) s
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、各R 12 は、独立して、水素、ハロゲン、または炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を含有させて前記有機金属化合物と前記触媒前駆体を前記液状炭化水素に存在する前記有機金属化合物の量が有機金属化合物と触媒前駆体のモル比が約0.001:1から約250:1であるに充分な量であるように密に接触させることを更に含んで成る37記載の方法。
39. 前記遷移金属化合物が式:
【化5】
[式中、
(I)各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素を表し、
(II)Zは、酸化状態が+2のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtそして酸化状態が+2、+3または+4のTi、V、Cr、Mn、ZrおよびHfの群の中の少なくとも1種から選択される遷移金属を表し、
(III)各LおよびL'は、独立して、水素、ハロゲン、炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種から選択される配位子基を表すか、或は2つのL基が一緒になって、Zと一緒に複素環式環構造を構成する炭化水素が基になった基を表し、そして
(IV)「a」は、0または1の整数であり、これは、Zに結合するL'基の数を表し、各Aと他の各Aをつなげている線は、Aに二重結合もしくは単結合で連結している炭化水素が基になった基を表し、そして各AとZをつなげている線は、共有結合もしくは供与結合を表す]
で表される二座遷移金属化合物である37記載の方法。
40. 前記遷移金属化合物が式:
【化6】
[式中、
(I)各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素を表し、
(II)Zは、酸化状態が+2のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtそして酸化状態が+2、+3または+4のTi、V、Cr、Mn、ZrおよびHfの群の中の少なくとも1種から選択される遷移金属を表し、
(III)各LおよびL'は、独立して、水素、ハロゲン、炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種から選択される配位子基を表すか、或は2つのL基が一緒になって、Zと一緒に複素環式環構造を構成する炭化水素が基になった基を表し、そして
(IV)「a」は、0、1または2の整数であり、これは、Zに結合するL'基の数を表し、各Aと他の各Aをつなげている線は、Aに二重結合もしくは単結合で連結している炭化水素が基になった基を表し、そして各AとZをつなげている線は、共有結合もしくは供与結合を表す]
で表される三座遷移金属化合物である37記載の方法。
41. 各Aが窒素を表し、各LおよびL'が独立してハロゲン、ヒドロカルビルまたはそれらの混合物から選択されるか、或は2つのL基が一緒になってZと一緒に3から7員の複素環式環構造を構成するヒドロカルビレン基を表す39および40記載の方法。
42. Mがアルミニウムであり、「s」が3でありそしてR 12 がC 1 からC 24 アルキルでありそして前記触媒前駆体の各Lがハロゲンである38記載の方法。
43. 前記触媒前駆体の少なくとも1つのLがヒドロカルビルである39および40記載の方法。
44. ZがNi、Pd、FeまたはCoの少なくとも1種から選択される39および40記載の方法。
45. ZがNiまたはPdから選択されそして各Lが独立して塩素、臭素、ヨウ素およびC 1 −C 8 アルキルから選択される39記載の方法。
46. Zが鉄またはコバルトから選択されそして各Lが独立して塩素、臭素、ヨウ素およびC 1 −C 8 アルキルから選択される40記載の方法。
47. 段階IIIの不活性な液状炭化水素に構造式:
M(R 12 ) s
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、各R 12 は、独立して、水素、ハロゲンまたはヒドロカルビル基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を含有させて前記有機金属化合物と前記触媒前駆体を触媒前駆体と有機金属化合物のモル比が約0.01:1から約125:1であるに充分な量で密に接触させる追加的段階を更に含んで成る39記載の方法。
48. 段階IIIの不活性な液状炭化水素に構造式:
M(R 12 ) s
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、各R 12 は、独立して、水素、ハロゲンまたはヒドロカルビル基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を含有させて前記有機金属化合物と前記触媒前駆体を前記炭化水素液中の触媒前駆体と有機金属化合物のモル比が約0.1:1から約10:1であるに充分な量で密に接触させる追加的段階を更に含んで成る40記載の方法。
49. Mがアルミニウムであり、R 12 がアルキルまたはアルコキシルであり、「s」が3であり、ZがNi、Pdの少なくとも1つから選択されそしてLがハロゲンである47記載の方法。
50. Mがアルミニウムであり、R 12 がアルキルまたはアルコキシルであり、「s」が3であり、ZがFeまたはCoの少なくとも1つから選択されそしてLがハロゲンである48記載の方法。
51. 前記支持体−活性化剤が0未満の負電荷を有する粘土または粘土鉱物の中の少なくとも1種である37記載の方法。
52. 前記層状材料がスメクタイト粘土であり、前記支持体−活性化剤凝集物中の無機酸化物と粘土の重量比が約0.25:1から約99:1でありそして触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約10:1から約250:1である51記載の方法。
53. 前記スメクタイト粘土がモントモリロナイトおよびヘクトライトの中の少なくとも1種であり、前記支持体−活性化剤凝集物中の無機酸化物と粘土の重量比が約0.5:1から約20:1でありそして前記触媒前駆体中の遷移金属のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約30:1から約100:1である52記載の方法。
54. 前記無機酸化物がSiO 2 であり、前記支持体−活性化剤凝集物中のSiO 2 と層状材料の重量比が約1:1から約10:1でありそして触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約30:1から約100:1である37記載の方法。
55. 前記支持体−活性化剤がスプレー乾燥凝集粒子を含んで成り、前記スプレー乾燥凝集粒子が、前記無機酸化物の少なくとも1種と前記層状材料の少なくとも1種の成分粒子を含んで成り、ここで、
(I)全凝集粒子サイズ分布のD 90 より小さい凝集粒子の体積の少なくとも80%が微細回転楕円体形態を有し、
(II)前記支持体−活性化剤凝集粒子が
(A)約5から約250ミクロンの平均粒子サイズ、および
(B)20から約800m 2 /gの表面積
を有し、
(III)前記凝集粒子の源である成分無機酸化物粒子がスプレー乾燥前に約2から約10ミクロンの平均粒子サイズを有しかつ成分層状材料粒子がスプレー乾燥前に約0.01から約50ミクロンの平均粒子サイズを有する、
37および38記載の方法。
56. 前記凝集粒子の源である成分無機酸化物粒子がスプレー乾燥前に
(I)約4から約9ミクロンの平均粒子サイズ、
(II)約0.5から約3.0ミクロンの粒子サイズ分布範囲、および
(III)成分無機酸化物粒子の重量を基準にして約2から約60重量%のコロイド状粒子サイズ含有量、
を有する55記載の方法。
57. 前記支持体−活性化剤と触媒前駆体を温度が約0から約80℃の液状炭化水素中で約0.5から約1440分間撹拌する37記載の方法。
58. 前記液状炭化水素を前記支持体−活性化剤と触媒前駆体の混合物から分離する37記載の方法。
59. 前記液状炭化水素を前記支持体−活性化剤と触媒前駆体と有機金属化合物の混合物から分離する38記載の方法。
60. 前記有機金属化合物を前記支持体−活性化剤と接触させる前に前記触媒前駆体と接触させる38記載の方法。
61. 段階IIIの不活性な液状炭化水素に構造式:
M(R 12 ) s
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、各R 12 は、独立して、水素、ハロゲンまたはヒドロカルビル基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を含有させて前記有機金属化合物と前記触媒前駆体を存在する有機金属化合物の量が有機金属化合物のミリモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が約0.001:1から約2:1であるに充分な量であるように密に接触させることを更に含んで成る37記載の方法。
62. 前記比率を約0.1:1から約0.8:1にする61記載の方法。
63. 前記支持体−活性化剤に焼成を約100から約800℃の温度で約1から約600分間受けさせることを更に含んで成る37記載の方法。
64. 前記触媒前駆体が中に染み込んでいる前記支持体−活性化剤を前記液状炭化水素から回収することを更に含んで成る37記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1の実験番号4に従って調製した凝集粒子の断面の走査電子顕微鏡写真である。走査電子顕微鏡を用いて写真を撮って、これを実際の凝集粒子の1000倍の倍率で表す。
【図2】図2は、実施例1の実験番号4に従って調製した凝集粒子の断面の走査電子顕微鏡写真である。走査電子顕微鏡を用いて写真を撮って、これを実際の凝集粒子の2000倍の倍率で表す。
【図3から14】図3から14は、実施例8に従って調製して試験を受けさせた配位触媒系の活性(触媒系1g当たりに1時間毎に生じるPEのKg)の輪郭地図である。各図の個々のプロット線は各々期待される触媒活性を支持体−活性化剤中の粘土重量%[シリカ+粘土の重量を基準](y軸)と支持体−活性化剤1グラム当たりのトリイソブチルアルミニウムのミリモル(x軸)の座標条件で表す番号に関係している。
Claims (16)
- オレフィンを重合させ得る配位触媒系であって、
(I)式I
[式中、
(a)各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素を表し、
(b)Zは、酸化状態が+2のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtの群の中の少なくとも1種から選択される遷移金属を表し、
(c)各LおよびL′は、独立して、水素、ハロゲン、炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種から選択される配位子基を表すか、或は2つのL基が一緒になって、Zと一緒に複素環式環構造を構成する炭化水素が基になった基を表し、
(d)「a」は、0、1または2の整数であり、これは、Zに結合するL′基の数を表し、そして
(e)各Aと他の各Aをつなげている線は、Aに二重結合もしくは単結合で連結している炭化水素が基になった基を表し、各AとZをつなげている線は、独立して共有結合もしくは供与結合を表す]
を含んで成っていて、前記触媒系が
(II)(A)SiO2、Al2O3、MgO、AlPO4、TiO2、ZrO2、またはCr2O3から選択される少なくとも1種の無機酸化物成分と(B)該無機酸化物成分の少なくとも1種のイオン含有層状材料の複合体を含んで成る触媒支持体−活性化剤凝集物と密に接触しており、前記少なくとも1種のイオン含有層状材料が層間に空間部を有しかつ前記触媒支持体−活性化剤凝集物内に存在している時に前記触媒前駆体が前記触媒支持体−活性化剤凝集物と接触した時点で前記触媒前駆体を活性にするに充分なルイス酸性を有しており、前記層状材料がカチオン成分とアニオン成分を有していて前記カチオン成分が前記層状材料の空間部内に存在しており、前記層状材料が前記凝集物内に前記無機酸化物成分と一緒に密に混合された状態で前記配位触媒系がエチレン単量体の重合に関して示す活性(触媒系1グラム当たりに1時間毎に生じるポリエチレンのKgとして表す)を前記触媒支持体−活性化剤凝集物の成分AまたはBのいずれかが存在しない以外は同じ触媒前駆体が用いられている相当する触媒系が示す活性に比較して向上させるに充分な量で存在していて、前記触媒前駆体の量およびこれに密に接触している触媒支持体−活性化剤凝集物の量が触媒前駆体のミクロモルと触媒支持体−活性化剤凝集物のグラムの比率が5:1から500:1であるに充分な量である配位触媒系。 - 構造式:
M(R12)S
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、各R12は、独立して、水素、ハロゲン、または炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価に相当する数である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を3番目の成分として追加的に含んで成っていて前記有機金属化合物が前記触媒前駆体と密に接触した状態で有機金属化合物と触媒前駆体のモル比が0.001:1から10,000:1のモル比であるに充分な量で存在する請求項1記載の触媒系。 - 前記遷移金属化合物が2,6−ビス(2,4,6−トリアルキルアリールイミノ)ピリジル2ハロゲン化金属又は2,6−ビス(2,4,6−トリアルキルアリールイミノ)ピリジルジアルキル金属(ただし金属は+2酸化状態におけるFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pb、Os、IrおよびPtから選択される)である請求項1記載の触媒系。
- 各Aが窒素原子を表し、各LおよびL′が独立してハロゲン、ヒドロカルビルまたはそれらの混合物から選択されるか、或は2つのL基が一緒になってZと一緒に3から7員の複素環式環構造を構成するヒドロカルビレンを表す請求項1記載の触媒系。
- 前記触媒前駆体の少なくとも1つのLがヒドロカルビルである請求項1記載の触媒系。
- 前記触媒支持体−活性化剤凝集物の前記層状材料が0未満の負電荷を有する粘土または粘土鉱物の中の少なくとも1種である請求項1記載の触媒系。
- 前記層状材料がスメクタイト粘土であり、前記触媒支持体−活性化剤凝集物中の無機酸化物と粘土の重量比が0.25:1から99:1でありそして触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が10:1から250:1である請求項6記載の触媒系。
- 配位触媒系であって、
(I)(A)SiO2、Al2O3、MgO、AlPO4、TiO2、ZrO2、Cr2O3から選択される少なくとも1種の無機酸化物成分を
(B)少なくとも1種のイオン含有層状材料と一緒に凝集させることで触媒支持体−活性化剤凝集物を生じさせるが、前記少なくとも1種のイオン含有層状材料は層間に空間部を有しかつこれが前記触媒支持体−活性化剤凝集物内に存在している時にIIの触媒前駆体が前記触媒支持体−活性化剤凝集物と接触した時点で前記触媒前駆体の遷移金属を活性にするに充分なルイス酸性を有しており、前記層状材料はカチオン成分とアニオン成分を有していて前記カチオン成分が前記層状材料の空間部内に存在しており、ここで、前記層状材料が前記触媒支持体−活性化剤凝集物内に前記無機酸化物成分と一緒に密に混合された状態で前記配位触媒系がエチレン単量体の重合に関して示す活性(触媒系1グラム当たりに1時間毎に生じるポリエチレンのKgとして表す)を前記触媒支持体−活性化剤凝集物の成分AまたはBのいずれかが存在しない以外は同じ触媒前駆体が用いられている相当する触媒系が示す活性に比較して向上させるに充分な量で存在するようにし、
(II)請求項1に記載の式I又は式IIで表される遷移金属化合物を供給し、そして
(III)少なくとも1種の不活性な液状炭化水素の存在下で前記触媒支持体−活性化剤凝集物と触媒前駆体を触媒前駆体のミクロモルと支持体−活性化剤のグラムの比率が5:1から500:1であるに充分な様式で接触させる、
ことを含んで成る方法で作られた配位触媒系。 - 段階IIIの液状炭化水素に構造式:
M(R12)S
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、そして各R12は、独立して、水素、ハロゲン、または炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価に相当する数である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を含有させて前記有機金属化合物と前記触媒前駆体を存在する前記有機金属化合物の量が有機金属化合物と触媒前駆体のモル比が0.001:1から250:1であるに充分な量で密に接触させる追加的段階を伴って作られた請求項8記載の触媒系。 - 前記遷移金属化合物が式:
(I)各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素を表し、
(II)Zは、酸化状態が+2のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtの群の中の少なくとも1種から選択される遷移金属を表し、
(III)各LおよびL′は、独立して、水素、ハロゲン、および炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種から選択される配位子基を表すか、或は2つのL基が一緒になって、Zと一緒に複素環式環構造を構成する炭化水素が基になった基を表し、そして
(IV)「a」は、0または1の整数であり、これは、Zに結合するL′基の数を表し、各Aと他の各Aをつなげている線は、Aに二重結合もしくは単結合で連結している炭化水素が基になった基を表し、そして各AとZをつなげている線は、共有結合もしくは供与結合を表す]
で表される二座配位子含有遷移金属化合物であるか、或いは、前記遷移金属化合物が式:
(I)各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素を表し、
(II)Zは、酸化状態が+2のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtの群の中の少なくとも1員から選択される遷移金属を表し、
(III)各LおよびL′は、独立して、水素、ハロゲン、および炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種から選択される配位子基を表すか、或は2つのL基が一緒になって、Zと一緒に複素環式環構造を構成する炭化水素が基になった基を表し、そして
(IV)「a」は、0、1または2の整数であり、これは、Zに結合するL′基の数を表し、
各Aと他の各Aをつなげている線は、Aに二重結合もしくは単結合で連結している炭化水素が基になった基を表し、そして各AとZをつなげている線は、共有結合もしくは供与結合を表す]
で表される三座配位子含有遷移金属化合物である請求項8記載の触媒系。 - 段階IIIの不活性な炭化水素液に構造式:
M(R12)S
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、そして各R12は、独立して、水素、ハロゲンまたはヒドロカルビル基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を含有させて前記有機金属化合物と前記触媒前駆体を有機金属化合物と触媒前駆体のモル比が0.01:1から125:1であるに充分な量で密に接触させる追加的段階を伴って作られた請求項10記載の触媒系。 - 前記イオン含有層状材料が0未満の負電荷を有する粘土または粘土鉱物の中の少なくとも1種である請求項8記載の触媒系。
- 前記層状材料がスメクタイト粘土であり、前記触媒支持体−活性化剤凝集物中の無機酸化物と粘土の重量比が0.25:1から99:1でありそして触媒前駆体のミクロモルと触媒支持体−活性化剤凝集物のグラムの比率が10:1から250:1である請求項12記載の触媒系。
- オレフィン重合用触媒系を生じさせる方法であって、(I)(A)SiO2、Al2O3、MgO、AlPO4、TiO2、ZrO2、Cr2O3から選択される少なくとも1種の無機酸化物成分を
(B)少なくとも1種のイオン含有層状材料と一緒に
凝集させることで支持体−活性化剤を生じさせるが、前記少なくとも1種のイオン含有層状材料は層間に空間部を有しかつこれが前記触媒支持体−活性化剤凝集物内に存在している時に(II)の触媒前駆体が前記触媒支持体−活性化剤凝集物と接触した時点で前記触媒前駆体化合物を活性にするに充分なルイス酸性を有しており、前記層状材料はカチオン成分とアニオン成分を有していて前記カチオン成分が前記層状材料の空間部内に存在しており、ここで、前記層状材料が前記凝集物内に前記無機酸化物成分と一緒に密に混合された状態で前記配位触媒系がエチレン単量体の重合に関して示す活性(触媒系1グラム当たりに1時間毎に生じるポリエチレンのKgとして表す)を前記触媒支持体−活性化剤凝集物の成分AまたはBのいずれかが存在しない以外は同じ触媒前駆体が用いられている相当する触媒系が示す活性に比較して向上させるに充分な量で存在するようにし、
(II)(A)前記触媒支持体−活性化剤凝集物と接触した時に活性化され得るか或は(B)有機金属化合物と接触した時にある中間体に変化して前記中間体が前記触媒支持体−活性化剤凝集物と接触した時に活性化され得る触媒前駆体としてメタロセンでも拘束幾何でもない二座配位子含有遷移金属化合物および三座配位子含有遷移金属化合物から選択される少なくとも1種の遷移金属(この遷移金属はFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtから選択される少なくとも一員である)化合物を供給し、
(III)少なくとも1種の不活性な液状炭化水素の存在下で前記触媒支持体−活性化剤凝集物と触媒前駆体を前記液状炭化水素中の触媒前駆体のミクロモルと触媒支持体−活性化剤凝集物のグラムの比率が5:1から500:1であるに充分な様式で接触させることで、前記触媒支持体−活性化剤凝集物による前記触媒前駆体の吸収および吸着の中の少な
くとも1つを起こさせる、
ことを含んで成る方法。 - 段階IIIの不活性な液状炭化水素に構造式:
M(R12)S
[式中、Mは、周期律表の1、2または13族、錫または亜鉛の中の少なくとも1種の元素を表し、各R12は、独立して、水素、ハロゲン、または炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種を表し、そして「s」は、Mの酸化価である]
で表される少なくとも1種の有機金属化合物を含有させて前記有機金属化合物と前記触媒前駆体を前記液状炭化水素に存在する前記有機金属化合物の量が有機金属化合物と触媒前駆体のモル比が0.001:1から250:1であるに充分な量であるように密に接触さ
せることを更に含んで成る請求項14記載の方法。 - 前記遷移金属化合物が式:
(I)各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素を表し、
(II)Zは、酸化状態が+2のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtの群の中の少なくとも1種から選択される遷移金属を表し、
(III)各LおよびL′は、独立して、水素、ハロゲン、炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種から選択される配位子基を表すか、或は2つのL基が一緒になって、Zと一緒に複素環式環構造を構成する炭化水素が基になった基を表し、そして
(IV)「a」は、0または1の整数であり、これは、Zに結合するL′基の数を表し、各Aと他の各Aをつなげている線は、Aに二重結合もしくは単結合で連結している炭化水素が基になった基を表し、そして各AとZをつなげている線は、共有結合もしくは供与結合を表す]
で表される二座配位子含有遷移金属化合物であるか、或いは、前記遷移金属化合物が式:
(I)各Aは、独立して、酸素、硫黄、燐または窒素を表し、
(II)Zは、酸化状態が+2のFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPtの群の中の少なくとも1種から選択される遷移金属を表し、
(III)各LおよびL′は、独立して、水素、ハロゲン、炭化水素が基になった基の中の少なくとも1種から選択される配位子基を表すか、或は2つのL基が一緒になって、Zと一緒に複素環式環構造を構成する炭化水素が基になった基を表し、そして
(IV)「a」は、0、1または2の整数であり、これは、Zに結合するL′基の数を表し、
各Aと他の各Aをつなげている線は、Aに二重結合もしくは単結合で連結している炭化水素が基になった基を表し、そして各AとZをつなげている線は、共有結合もしくは供与結合を表す]
で表される三座配位子含有遷移金属化合物である請求項14記載の方法。
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