JP4773358B2 - インク及びコーティングにおいて擦傷及び磨耗を減少させる新規ワックス - Google Patents

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Description

関連出願の参照
本願は、2003年10月27日に提出された米国仮特許出願第60/514,790号の利益を主張し、その内容はここでの参照によって引用される。
本願はまた、2002年5月3日に提出された米国特許出願第10/137,689号、現在では月/日/年に発行された米国特許第6,xxx,xxx号の一部継続出願であり、出願は現出願の譲受人に譲渡されている。
発明の分野
本発明の一実施形態は、ヒマシやダイズ等の硬化植物油から調製される高度の硬化ワックスを含むインク組成物である。前記ワックスは、インクや紙コーティングの配合物中で添加剤として使用される際、前記インクまたはコーティングに抗擦傷、抗磨耗、または抗滑りのインク特性を付与する。前記ワックスを含む組成物は、磨耗、染み、または汚れから印刷された物やコーティングされた物を守る一方、インクまたはコーティングがコーティングされた物や印刷された物の輸送または取り扱いの間に擦傷を受けた場合であっても、滑り特性を維持する。利用される前記ワックスは、低いヨウ素価(約2乃至5の範囲)と、約120乃至190゜Fの融点(メトラー滴点)を有する。前記ワックスは、脂肪酸が主としてステアリン酸(C18)であるトリグリセリドを含む。
発明の背景
インク及びコーティングは紙や段ボール等の繊維品、プラスチック品、フィルム、金属から服飾品まで様々に異なった表面(または下地)上に文字列や画像を印刷する目的で用いられる。通常、インクは活字または写真等のきめ細かい画像を作成するために前記下地の一部に塗布される。通常、コーティングは連続フィルムとして下地全体に均一に塗布される。運搬、貯蔵または使用のいずれかに際して摩擦や剥離を受けたインク及びコーティングは、線まじりになり、文字列の場合には読みにくくなるか、またはエンドユーザーが求める画質を損失する。
インクの中にはより好ましい特性を有するものがあるため、前記インクの究極的な使用は、その配合を決定するという役割を有する。高速の新聞印刷、グラビア印刷インク、フレキソ印刷、サーマルオフセット、ヒートセット、活字印刷、スクリーン印刷、噴霧、ブラッシング等の過程で、様々なタイプのインクが使用される。
本発明の目的として、フレキソ印刷インクという用語はフレキソ印刷に用いられるインクを意味し、フレキソ印刷は、「隆起弾性ゴムまたは(印刷用の)感光性ポリマープレートの使用と定義され、凸版印刷やオフセット印刷に比べ準備時間がはるかに短くて済む。フレキソ印刷は牛乳箱、幅の狭い巻取式ラベル、フレキシブル包装、ダンボール及び文庫本の印刷に用いられる。」(A.Glassman,1985,Printing Fundamentals,TAPPI Press,p.322)。更にフレキソ印刷はプラスチックフィルム、ホイル、光沢紙、非光沢紙、及び板紙等の他の下地上への印刷にも用いることができる。
場合によっては添加剤が、顔料を伴うインクまたはコーティングに混合ないし配合されることにより、前記インク及びコーティングに混合される;最終のインク混合物の一部として添加されたり;その他の段階で添加されることもある。印刷用インクは特にこのような添加剤を利用すると、下地の表面が使用や取り扱い中に通常受ける程度に擦れても、前記インクが擦れて取れることはない。使用や取り扱いの例として、紙製品の取り扱い、または冷蔵物、冷凍物若しくは氷中に包装され輸送される物の取り扱いに伴う、湿った状態でのダンボール箱の輸送が挙げられる。場合によっては、特定の添加剤を添加した時にも滑り特性が向上する。場合によっては滑り特性によって、他の印刷されたページが前記インクまたはコーティングと接触し擦れても、前記インクがにじまなくなる。場合によっては、積載されうる雑誌のような物に対して滑りを調節することが好ましいが;その山をばらばらに滑らせるのは好ましくない。前記滑り特性を調節する方法の一つとして、前記のインクまたはコーティングに混合されたミクロ化ワックスの利用がある。理論上、基礎となる機構には、コーティングされた2つの表面の間でのワックス分子の結合が関与している。前記ワックスはミクロ化され、人間の目では検出できない程度に前記配合物中に分散している。ミクロ化ワックスの前記配合物中での分散もまた、前記ワックスが前記のインクまたはコーティング配合物中に溶け出す場合に比べて光沢の退行への影響が少ない。前記ミクロ化ワックスにより、インク及びコーティングがより磨耗しづらくなると共に、滑りの調節も可能になることは、本技術分野において公知となっている。
場合によっては、擦傷磨耗性及び滑り調節を変化させる目的でインク及びコーティングの配合物に用いられるワックスが粉末形態で供給されることもある。通常、ハードワックスはジェットミルで約5乃至15ミクロンの範囲の粒子サイズにされ、得られた物は場合によっては「ミクロ化ワックス」と呼ばれる。前記粉末化ワックスは表面張力が大きく、塊をばらばらにする必要があるため、インクまたはコーティングの配合物中で分散しづらい場合がある。インクまたはコーティングの配合物中で分散を容易にするため、ミクロ化ワックスの供給者は、前記の粉末を界面活性剤または他の分散補助剤で表面処理したり、または最終の前記インクまたはコーティングの配合物中でより分散しやすくなる、ペースト状へと粉末を粉砕する場合がある。
ワックスを前記ジェットミルでミクロサイズの粒子にするのは、熱をも生じるようなエネルギー大量消費工程である。前記工程は、前記ワックス自体の価値より高コストになる場合もありうる。6dmm未満の硬度を有するものと定義される、よりハードなワックス(針貫通試験でワックス硬度を測定)は、よりソフトなワックスに比べ容易にジェットミルが可能になり、従ってミクロ化のコストもより低廉となる。前記ワックスの融点はミクロ化されるワックスの性能にも影響する;もし融点があまりに低いと、前記ジェットミル工程で生じる熱により前記ワックスが溶ける場合があり、前記工程では前記ワックスをミクロ化できなくなる。ジェットミル機に冷却装置を付加して利用されているが、粉砕コストが更に増すこととなるため、一般的にはコスト効率が良くないと考えられている。
多くの市販の抗磨耗性化合物はポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)をミクロ化粉末の形で含む。E.I.DuPont、ウィルミントン、デラウェア州から市販され、登録商標TEFLON(登録商標)の名の下に販売されているPTFEは、表面エネルギーが低いために分散しづらく攪拌時間も長くかかってしまう。前記PTFE含有化合物の1つが、Carroll Scientific,Inc.(Lubrizol Corp、ウィックリフ、オハイオ州の一部門)から販売されているProtech120であり、固形分の高い(約83%)天然PTFEワックス化合物であると言われ、インクの配合物に用いられる。
ポリエチレンワックスはインク産業において抗磨耗性添加剤としても用いられている。インク製造業者は通常、前記ワックスを分散剤として、通常前記ワックスが混合されうるインク配合物と同じタイプの樹脂中に混合する。
Murayamaの米国特許第3,843,570号明細書はPTFEを含み、小孔を有する多孔性材料について言及しており、前記材料は熱可塑性樹脂を形成することが可能な単量体を重合することによって得られる。得られた材料はインクに好適な素材であると共に印刷にも利用可能である。
米国特許第5,158,606号明細書(Carlick et al.)は、分散液中で乳化されたC−C40油及びポリマーラテックスを含むべヒクル中での顔料の分散液を含む、高度の摩擦落ち抵抗性を有する印刷用インク組成物について言及している。発明者らは、ポリエチレンまたはPTFEワックス等の合成ワックスはインク産業において最も評価が高いと述べている。前記発明者らはまた、PTFEワックスの相対コストは新聞用インク等の用途に対しては法外と言えるほど高いが、コストが一番の関心事でない場合には、ワセリンを伴うPTFEワックスは、油/ポリマーラテックスのインク組成物に加えられうるということも示している。
Mueller et al.(米国特許第5,643,984号明細書)は、ポリエチレンワックスや酸化されたポリエチレンワックス;Fischer−Tropschワックス;芳香族または脂肪族の溶媒の一方をベースとするインク配合物中の微結晶ワックスまたはカルナウバワックスを利用する、印刷用インク産業のためのワックス組成物を開示している。
従来技術は、インク及びコーティング化合物を配合するための石油由来のワックス及び合成ワックスの使用について説明している。インク及び/またはコーティング配合物中での使用のための植物由来のワックスについては何ら言及されていないが、PTFE等の製品、微結晶ワックス等の高価な合成ワックス、及びますます希少かつ限られた天然資源に由来する他の石油ワックスの代替品を探し出す必要性については、認識され、かつ長い間切実なものである。また、食料品の輸送や貯蔵目的で用いられる紙包装やプラスチック包装の製造の際、インクまたはコーティングが使用されるため、人間にとって安全であると考えられている材料をインク及びコーティング中に用いる必要性についても、認識され、かつ長い間切実に感じられている。更に、天然に由来し、長期の悪影響を及ぼすことなく容易に環境中へリサイクルされうる材料を、インク及び/またはコーティングに使用する必要性についても認識され、かつ長い間切実なものである。例えば消費者包装品はリサイクルしづらいことが知られている。従って、市販のPTFEと似たような特性を有するワックスや、インク及びコーティングの配合物中に用いられる石油由来のワックスまたは合成のワックスを使用する必要がある。前記の用途で消費される大量のワックスの存在により、前記組成物が容易に入手可能であることが望ましい。供給と天然資源の両方の観点から、前記組成物は好ましくは植物エキス等の、再生可能な供給源に由来するのが望ましい。
堅固で溶解性が高く、優良なコスト効率で微粉状態にすることが可能なワックスが求められている。世界の石油供給は限られており、かつ減少してきているので、石油ベースよりもむしろ植物等の再生可能な供給源に由来しうるワックスを有することもまた好ましい。
本発明のワックスが有する抗磨耗特性は、水をベースとするインク及びコーティングに対して最も利用価値があり、特にフレキソ印刷インク中での使用に適している。また、前記ワックスは従来の石油ベースの大部分のワックスに比して非常に堅固であると共に、再生可能な天然資源に由来するため、インク及びコーティングが擦傷や磨耗に対し影響をより受けにくくするのに特に好適である。
発明の概要
本発明の目的は、インク及びコーティング配合物中に混合されうるワックス組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、後に消費者向けや他の包装品での用途に対し、紙、板紙等の物品に塗布されうる、インクまたはコーティング組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、インク及びコーティング配合物中に現在使用されている石油由来のワックスの代わりとして、これらの配合物中に添加されうるワックス組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、インク及びコーティングの配合物中で容易に分散するワックス組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、インクまたはコーティング中に配合されたり、前記インクまたはコーティングがバリアーとして、または識別若しくは情報として品物に塗布される場合に、前記インクまたはコーティングが現在本目的で使用されている従来製品のものと類似した抗擦傷、抗磨耗、及び抗摩擦の特性を有する、ワックス組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、再生不可能な石油ベースの組成物の代わりに、再生可能な資源に由来しうるワックス組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、再生可能な資源に由来し、経済的に生産されうるワックス組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、インク及びコーティング中で用いられる、及び紙コーティング用のワックス組成物を提供し、米国食品医薬品局によって通常、安全性が認められる特性を有することである。
本発明の他の目的は、水ベースのインク及びコーティングに対して、抗摩擦、抗磨耗、及び抗擦傷性のインク及びコーティング添加剤を提供することであり、それらの特性を増すのに有用である。本発明の前記添加剤は、使用先の前記インクまたはコーティングの配合物中で優れた光沢や分解特性を維持する。
本発明で使用される前記ワックスは、前記の用途や他の用途に対する厳しい要求を満たす。本発明者らはヤシ、ダイズ及びヒマシ等の高度の硬化油が、インク及び/または接着化合物の配合物中で従来の石油ワックス及び合成ワックスの代替物として、効果的に用いられるワックスに変化しうることを思いがけなく発見した。
本発明の一実施形態は、ワックス様の特性を有し、インク及びコーティング化合物の製造時に他の構成要素を伴う従来の方法を用いて配合されうる、(ヤシ、ダイズ、及びヒマシ等の源に由来する)高度の硬化植物油を含み、市販のミクロ化ワックスを含むインク及びコーティングの配合物に似た擦傷及び磨耗特性を有するインク及びコーティング組成物を生産する。
擦傷及び磨耗に対する抵抗性を評価された本発明のワックスを含むインク組成物は、通常石油由来の、従来のワックス添加剤に匹敵する摩擦耐性及び滑り性能を実現した。本発明のワックスは低いヨウ素価(約2乃至5の範囲)と、約120乃至190゜Fの間の融点(メトラー滴点)とを有する。前記ワックスは,脂肪酸が主としてステアリン酸(C18)であるトリグリセリドを含む。前記天然由来のワックスは石油の代わりとして用いられ、合成的に得られる。前記ワックスは弱アルカリ条件下では可溶性であるという、更なる利点を有する。これにより、従来の石油由来のワックスに比べて、硬化植物油のワックスを用いて調製した物品の、より衛生的で容易なリサイクルが可能となる。このことは、包装が温アルカリ水を使用してリサイクルされることが多い消費者用包装品において重要である。
本発明の一実施形態は、天然のワックスを含むインク配合物である。本発明の別の実施形態は天然のワックスを含む、紙や他の繊維製品用のコーティング配合物である。前記製品は、ダイズ、ヤシ、ヒマシの実、及び油を採取可能な他の穀物等の産物を含む天然油の加工に由来した、高度の硬化ワックスである。硬化植物油は食品産業で広く用いられているが;高度の硬化植物油、例えば本発明の実施形態中に挙げた前記の油は食品産業では用途が限られているため、広く生産されていないか、若しくは使用されていない。前記の材料は、製品番号86−197−)で表されるArcher Daniels Midland(ジケーター、イリノイ州);製品番号800mrcs0000uで表されるCargill Incorporated(ウェイザタ、ミネソタ州)、及び一般名「硬化ダイズ油」の下で他の供給源によって加工、供給される。Custom Shortenings & Oils(リッチモンド、バージニア州)によって供給されるヤシ油のワックスは、Master Chef Stable Flake−Pと表された。Nat Wax 185は20%のヒマシワックス及び80%のダイズワックスを含む混合物であり、テキサス州ヒューストンのMarcus Oil and Chemical(本願の譲受人であるHRD Corp.、ヒューストン、テキサス州の1部門)によって供給されている。
図面の見方に関する説明
図1は硬化油の製造工程を図示したフローチャートである。
図2はワックスを含まないインク配合物(コントロールの配合物)を用いたSutherland摩擦試験の結果を図示したものである。
図3は一定量のNat Wax 185ワックス(硬化ヒマシ油ワックス及び硬化ダイズワックスの混合物)を含むインク配合物を用いたSutherland摩擦試験の結果を図示したものである。
図4は一定量のShamrock S−394 N5Tワックスを含むインク配合物を用いたSutherland摩擦試験の結果を図示したものである。
発明の詳細な説明
本発明の一実施形態は、植物起源の化合物を由来とするワックス組成物であって、後に様々な物品を印刷しコーティングする目的で用いられるインク及びコーティングを配合する際に、石油由来ワックス(パラフィン及び合成エチレンの両方に由来するワックス)の代わりとして用いられうるが、前記組成物は合成ワックスまたは石油由来のワックスを含むインク及びコーティングに似た擦傷特性や磨耗特性を生じる。
天然由来のワックス及び合成ワックスは、限定されることはないが、例えば化学、化粧品、食品調理、個人衛生、医薬、及び印刷の各産業を含む幅広い代表的な産業で広く用いられている。ワックスという用語は、様々な化学構造に渡り、広範囲の融解温度を示す幅広いクラスの有機エステル及びワックス様化合物を定義するために用いられる。同じ化合物が周辺温度、エステル化された脂肪酸の鎖長、及び飽和または不飽和の度合によって、「ワックス」、「脂肪」、または「油」のいずれかで呼ばれる場合がある。通常、飽和度が上がり、前記エステル化された脂肪酸の鎖長が長くなるにつれ、前記化合物の融点も上昇することとなる。
どの名称で呼ばれようが、特定の用途に対するワックスの選択は、使用先の製品の温度において液体であるのか固体であるのかにより決定されることが多い。ワックスが任意の温度で液体であるのか固体であるのかを決定する要因の中には、前記ワックスの構成要素、主として脂肪酸の飽和または不飽和度等の特性や、そのヨウ素数若しくはヨウ素価(「IV」)等の特性がある。前記ヨウ素価は任意の時間で化合物または混合物によって吸収されたヨウ素量を測定し、従って前記IVは前記化合物または混合物中での不飽和若しくは二重結合数の指標である。通常、飽和度が上がり、前記エステル化された脂肪酸の鎖長が長くなるにつれ、前記の融点も上昇する。同様に、特定の温度では前記化合物のヨウ素価がより低くなるにつれ、より堅固になり、固形分がより高くなる。
「トリグリセリド」という語はグリセロールの脂肪酸エステルを表している。本明細書の文脈中では、「遊離脂肪酸」という語はエステル結合を通じて別の分子と共有結合していない脂肪酸を示し;「脂肪酸成分」という語はエステル結合を通じて、グリセロール等の別の分子と共有結合している脂肪酸を表すために用いられることとなる。
ワックスは石油生産物や植物エキス等の、多くの天然源から採取されうる。石油や植物エキスは複合的な混合物であり、そこからワックスを採取するための精製段階が必要である場合が多い。任意の目的に対して有用となるよう、ワックスを大規模に精製し化学的に変性することが頻繁に必要となる。変性についてのかかる努力にも関わらず、ワックスについての多くの物理的特性により、依然としてワックスはうまく利用されておらず、あるいは大規模な処置、時には高コストの付加的処置が施されるよう要求されている。
好ましくは、工業上利用される多くのトリグリセリドや遊離脂肪酸は、キャノーラ、カルナウバ、ヒマシ、綿実、トウモロコシ、クランベリー、ヤシ、ダイズ、及びヒマワリの各油を含む植物源から採取され、当業者に知られている工程によって精製された後利用される。例えば植物のトリグリセリドは、脂肪族溶媒を用いた植物バイオマスの溶媒抽出によって採取されてもよい。続く付加的な精製は蒸留、分別結晶化、精錬、漂白、及び水蒸気蒸留を含んでもよい。採取されたトリグリセリドは部分的または完全に水素化される。更に脂肪酸は天然トリグリセリドの加水分解(例えば、アルカリ加水分解とそれに続く、蒸留や水蒸気蒸留を含む、本技術分野において知られている精製方法)、または石油化学の脂肪アルコールからの合成によって得られてもよい。前記の遊離脂肪酸やトリグリセリドは更にArcher Daniels Midland.Co.、Cargill、Central Soya等の商業的供給源から得られるものであってもよい。
本発明の実施形態において用いられるように、前記遊離脂肪酸及び前記トリグリセリドの脂肪酸成分は様々な鎖長を有し、飽和している。融点等、前記ワックスの特性は前記脂肪酸及び前記脂肪酸成分の鎖長や飽和度の関数として変化する。前記飽和度が減少するにつれて、前記融点も低下する;同様に、前記脂肪酸の鎖長が減少するにつれて、前記融点も低下する。好ましい遊離脂肪酸はパルミチン酸等の飽和脂肪酸や、アラキン酸及びベヘン酸等のより長い炭素鎖長を有する他の飽和脂肪酸である。ステアリン酸が更に好ましい。
植物油または動物性脂肪は当業者に知られている方法を用いて、合成的に水素化でき、結果として低い若しくは非常に低いヨウ素価を有する。天然では主に飽和したトリグリセリド(例えばヤシ油または分画された脂肪)からなる脂肪は単独または、複合材料に対する耐水性を強化する目的で擦傷や磨耗/積層を伴う混合配合物中で用いられる。
低いヨウ素価(約0乃至70、好ましくは0乃至30のヨウ素価の範囲)を有する飽和トリグリセリドは、ダイズ油、ダイズのステアリン油、ステアリン油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、ナタネ油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ヤシ油、ヤシの核油、ココナッツ油、クランベリー油、亜麻の種子油、ピーナッツ油、魚油、及びトール油等の市販向け油の水素化;またはラード及び獣脂を含む、動物性脂肪等の脂肪、及びそれらの混合物の水素化によって生産されてもよい。前記の油は、高い割合の脂肪酸を伴う低IV油を採取するために、遺伝子組み換え植物から生産されてもよい。
脂肪は普通「ウインタリゼーション」として知られる工程で分別され、この際、前記混合物が、堅固な前記脂肪の画分を結晶化させるのに十分な時間だけ冷やされる。この冷却に続いて濾過が行われ、前記の堅固な画分がフィルターのケーキ上に保持される。前記の堅固な画分は低いヨウ素価を有し、従って前記画分が、分別された前記脂肪の融点より高い融点を有する。よって、ウインタリゼーションはよりIVの低い脂肪に対する供給源として用いられうる。
前記ウインタリゼーションの工程は通常、動物性脂肪を分別するのに用いられ、従って異なるヨウ素価やその結果として異なる化学的特性を有する様々な動物性脂肪の画分を生産できる。前記画分は、上述した植物または植物の抽出物等、他の供給源から採取される脂肪酸や遊離脂肪酸と混合でき、前記混合物は本発明で用いることができる。
本発明の実施形態は、ヨウ素価がほぼゼロであって、その結果前記化合物がより熱に安定となる、高度の硬化トリグリセリド(ワックス)を採用する。前記ワックスは、0乃至30の間のヨウ素価を有するものから選択されうるが、2乃至5の範囲のヨウ素価を有するワックスが好ましい。
インク及びコーティングの配合物には多くの相違するタイプがある。活字のインクについての選択は以下を含む多くの要因による:
I)コーティングまたは印刷するために用いられる装置のタイプ;
II)前記インクまたはコーティングからの揮発性放出物を減少させる必要性;そして、
III)(溶解性、バリアー特性、相溶性、カラーを含む)要求されるインクまたはコーティングの物理的特性。
インク及びコーティングの配合物は通常、フィルムを形成するポリマー若しくは樹脂、及び顔料若しくは染料を含む。インク及びコーティングは、限定されることはないが例えば、カートン用に用いられる段ボール紙;牛乳容器;紙容器;クラフト紙;段ボールライナー;紙等の品目といった、消費者用包装品を印刷及びコーティングするために日常的に用いられる。
擦傷や磨耗に対する抵抗性をより高める目的でインクや粘着性コーティングに通常混合されるワックスの量は、前記配合物の約0.5乃至5重量%の範囲である。他の実施形態では、前記ワックスは、前記配合物の約1乃至3重量%を構成してもよく、他の実施形態では、本発明の前記配合物中のワックス量は前記配合物の約1乃至2重量%の範囲にある。
本発明の前記組成物の実施形態において、使用される前記インクまたはコーティング配合物は、水をベースとするインク及びコーティング処方の他の構成要素を伴った、硬化植物油のワックスの機能性と相溶性のため、水をベースとしている。本発明の実施形態は、産業界で広く用いられている、水をベースとするフレキソ印刷インクに特に好適である。前記ワックスが前記配合物の他の構成要素に相溶であると共に、前記配合物中で前記ワックスの膨張または分解が起こらない場合には、本発明の実施形態を他のタイプの印刷インクに用いることもできる。インク配合物の一例は実質的に、20乃至60重量%のアクリル樹脂分散物、5乃至30重量%の顔料、0.5乃至10重量%のアルコール、0.01乃至5重量%の消泡剤、20乃至75重量%の水性溶媒、及び0.5乃至5重量%の、2乃至5のヨウ素価を有することを特徴とする硬化植物ワックスからなる。
大気の質、公害、及び危険な廃棄物処理問題に関する、高まりつつある厳しい規制等の環境問題により、石油、石油ベースの製品、または他の有機溶媒をベースとするインク組成物の使用に代わるものに対する必要性を生じている。水ベース及び/またはダイズベースのインク配合物が、印刷中に大気中へ放出される揮発性有機化合物の量を減少させる目的で開発されつつある。
本発明の実施形態は、インク及びコーティングの擦傷及び磨耗の配合物中に天然のワックスを用いている。使用される前記ワックスはヤシ油ワックス、ダイズワックス、ヒマシ油ワックス、及びダイズワックスとヒマシワックスとの混合物を含み、前記ワックスは硬化油から調製される。混合比が20%:80%である、ヒマシ油ワックスとダイズワックスとの混合物はNat 185 Wax(Marcus Oil and Chemical、ヒューストン、テキサス州)として販売されている。前記ワックスは食品添加剤としても用いることができる。
前記ダイズワックスの特性は表1に要約されており、本ワックスのIVは約2であることがわかる。前記ヤシワックスのIV(表2)は約5である。
Figure 0004773358
Figure 0004773358
ダイズ油ワックスは、メトラー滴点で測定される値として、155乃至160゜Fの間の融点を有する一方で、ヤシ油のワックスの融点は136乃至142゜Fの間である。
前記ワックスは更に210゜Fの温度で10乃至200cpsの間の粘度を有することを特徴とする。
各ワックスは痕跡程度の量の脂肪酸を伴った、98重量%のトリグリセリドを含む。前記トリグリセリドはけん化価を得る目的で、KOH等の塩基の添加を通じてけん化されうる。けん化価は主として、植物ワックスの供給源の関数である脂肪酸の鎖長によって異なる。水素化されたダイズやヤシのワックスの場合、前記けん化価はたいてい180乃至200mgKOH/gの範囲となる。
ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)という公知の方法を用いてワックスを脂肪酸量について解析すると、ダイズワックス(表1)は82乃至94%のステアリン酸(C18:0)及び3乃至14%のパルミチン酸(C16:0)を含むことが明らかとなった。比較すると、ヤシ油のワックス(表2)は約55%のステアリン酸(C18:0)、39.5%のパルミチン酸(C16:0)、1.1%のミリスチン酸(C14:0)及び約1.0%のオレイン酸(C18:1)を含む。
ヒマシワックスは硬化ヒマシ油と呼ばれることもあるが、触媒的に水素化されたヒマシ油である(ニッケル触媒存在下でのヒマシ油の水素化)。ヒマシワックスは、当業者に知られているように、水中や通常用いられる有機溶媒中では極度に不溶性の、堅固で不安定なワックスである。前記ワックスは約183乃至185゜Fの融点を有し(約84乃至88℃)、2乃至3(mgKOH/g)の酸価、約174乃至186(mgKOH/g)のけん化価、及び約3乃至4の範囲のヨウ素価を有することを特徴としている。
ヒマシワックスは撥水性があるか、または油、石油、及び石油誘導体に耐性を有するかのいずれかであるコーティングの調製に用いられている。ヒマシワックスの主な使用はグリースの製造時であるが、食品包装や化粧品の用途に対する紙のコーティング中でも用いられ、ヒマシワックスの誘導体は界面活性剤やプラスチック添加剤として用いられる。これらのワックスでは、ステアリン酸量において相違があり、ヤシ及びダイズのワックスは約84乃至92%のステアリン酸を有し、ヒマシワックス中には約1%のステアリン酸が含まれる。
前記の混合ワックス(NAT 185)の特性を表3に示す。本ワックスは約185゜F(85℃)の融点及び最大5のIVを有する。
インク組成物は通常4つの要素、すなわち着色剤、べヒクル、溶媒、及び添加剤を含む。前記着色剤は前記基材上に可視的な画像を提供するために用いられ、前記インク配合物の最終的な用途によって、顔料か染料のいずれかとなりうる。前記べヒクルは前記着色剤を前記基材に結合させる役目を果たし、かつプレス時に前記インクのキャリアとしての役割を果たす。前記溶媒は前記べヒクルの一部であってもよく;乾燥のための手段を提供する役目を果たし、流れ特性を前記べヒクルに提供する他の構成成分を溶解するために用いられる一方で、前記添加剤は様々な特殊な特性をインク配合物に付与するために用いられる。
前記着色剤は、顔料若しくは染料に分類されることができ、前記染料とはインクべヒクル中で可溶であることを特徴とするが、前記顔料はインクべヒクルか前記インクに用いられる溶媒のいずれかにおいては不溶であることを特徴とする。前記着色剤は通常カーボンブラックの形状である黒色の顔料と、透明か不透明の一方であってもよい白色の顔料とを含む。前記の不透明な白色顔料は通常、二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、または硫化亜鉛(ZnS)のいずれかを含み、二酸化チタンが最も普通に用いられている。透明な白色の顔料としては、アルミニウム水和物、マグネシウムの炭酸塩、カルシウムの炭酸塩、沈降バリウム硫酸塩、タルクまたはクレーであって、増量剤として用いられる1または2以上の薬剤を有している、若しくは有していないものが挙げられる。
カラー顔料は無機または有機(すなわち合成)の一方でありうる。無機顔料の例としては、以下に制限されることはないが、アイロンブルー、ミロリブルー、プルシアンブルー、クロム(III)顔料、ウルトラマリン顔料、シアンアイロンブルー、カドミウム顔料、(食品コンテナを伴う使用にはおそらく推奨されない)クロム酸塩の顔料、発光性、金属効果、及び真珠光沢を有する顔料がある。
全てを網羅してはいないが、含まれうる有機顔料の中には、アゾ化合物、ベンゾイミダゾール、ジアリーリドイエロー、モノアゾイエロー塩、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、様々なアゾレッド及びアゾマルーン、ナフトールレッド及びナフトールマロン、並びにアゾ凝縮顔料等の化合物がある。前記アゾ凝縮顔料とは例えば、レーキ、銅フタロシアニン、キナクリジン、ジアリールピロロピロール、バット染料顔料、アミノアントラキノン顔料、ジオキサジン顔料、イソインドリノン及びイソインドリン、並びにキノフタロンである。
本発明のインク組成物の一実施形態は顔料を含む。前記顔料は、前述した無機または有機顔料、前記合成染料、もしくは前記の顔料及び/または染料の組み合わせから選択されてもよいし、最終製品の好ましいカラーまたはインクの最終用途等の要因によって決定される。本発明の一実施形態は、黒色顔料を使用し、本黒色顔料はカーボンブラックである。
前記溶媒は様々な水性または非水性溶媒、以下に限定されることはないが、例えば水、それからエタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、若しくはsec−ブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、若しくはシクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、若しくは酢酸アミル等のエステル類;DOWANOL(登録商標)PM(Dow Chemical Co.、ミッドランド、ミシガン州の登録商標)、メチルCELLOSOLVE(登録商標)(Union Carbide Co.の登録商標)、CELLOSOLVE(登録商標)、若しくはブチルCELLOSOLVE(登録商標)等のエーテル類;ヘキサン、ナフサ、オクタン、若しくはミネラルスピリット等の脂肪族化合物、または、トルエン若しくはキシレン等の芳香族炭化水素から選択されることができる。フレキソ印刷インクでは、前記溶媒は前記組成物の70%まで含まれてもよい。他のタイプの溶媒は、主にヒートセットのリトグラフィーや活版印刷に各々35乃至45%、若しくは450乃至50%の濃度で用いられる、435乃至535゜Fの範囲の沸点を有する脂肪族の石油画分等の、石油由来の溶媒であってもよい。例えばトルエン、ラクトールスピリット、エステルやケトン等の他の石油画分は、グラビア印刷配合物に用いられてもよいし、前記溶媒は前記インク組成物に85%まで含まれてもよい。しかし、環境上の考慮や規制のために、多量の揮発性有機化合物を大気中に排出しない溶媒の使用が好ましい。本発明の一実施形態は水を溶媒として利用する。
工業上の生産において、前記のワックス含有インクは前記インク配合物の保存期間を増やすために、以下に制限されることはないが例えば、界面活性剤、溶媒及び/または共溶媒、及び/または他の安定化剤、及び/または防腐剤等の添加剤の混合を含むことができる。前記添加剤のいくつかは、前記組成物の約0.001乃至7重量%の範囲内で前記組成物に含まれていてもよい。前記薬剤は抗滲出剤、殺生物剤、脱泡剤、分散剤、抗酸化剤、紫外線(「UV」)吸収剤、光安定化剤、流れ剤、光沢向上剤、pH調整剤、防腐剤、レオロジー(粘度)調節剤、及び抗沈降剤から選ばれてもよい。
防腐剤及び殺生物剤の例は、約0.0001乃至5重量%の範囲の濃度のデヒドロ酢酸ナトリウム、2,2−ジメチル−6−アセトキシシロキサン、アンモニウムチオグリコレート;例えばDOWICEL75、150、及び200の、DOWICILs(登録商標)(Dow Chemical Co.、ミッドランド、ミシガン州)等の殺生物剤、ベンゾエート塩、ソルベート塩等がある。
pHを調節するために用いられうる薬剤の例は、約0乃至1重量%の範囲の濃度で存在する、酸、塩基、アミン塩、カルボン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、アミン塩等を含む。
レオロジー(粘度)調節剤として用いられうる薬剤の例は、ポリビニルアルコール;ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等の変性セルロース;水溶性アクリル樹脂、及びポリビニルピロリドンを含む。表面張力調節剤の例は、ポリエチレングリコールエーテルスルフェート、エステル塩、その他アニオン化合物等のアニオン性及びカチオン性の界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、及び類似の化合物、例えば非イオン性化合物として、TWEEN(登録商標)やTRITON(登録商標)シリーズ(Rohm and Haas Co.、フィラデルフィア、ペンシルバニア州)の界面活性剤がある。ラウリル硫酸ナトリウムや関連化合物も用いられうる。IGEPAL(登録商標)(Rhodia,Inc.、クランバリー、ニュージャージー州)またはTERGITOL(登録商標)(Dow Chemical Co.、ミッドランド、ミシガン州)シリーズの界面活性剤が用いられうる。
更に、1または2以上の湿潤剤が加えられうる。前記湿潤剤の例はエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、及びポリエチレングリコールまたは様々な分子量範囲などのポリオール類を含む。最終的な用途に従って、前記の湿潤剤は前記組成物に約15重量%まで含まれてもよい。
本発明の一実施形態は水性のフレキソ印刷インクをベースとしている。高速の新聞印刷、グラビアインク、サーマルオフセット、ヒートセット、凸版印刷、スクリーン印刷、噴霧、ブラッシングに対して等、前記インクの最終的な用途が、最終配合物に添加されうる単独若しくは複数の添加剤、及びそれらの濃度を決定することとなる。
本発明をある程度詳細に説明してきたが、以下の実施例は本発明の実施形態を単に例示する目的にすぎないと理解されるべきであり、本発明の範囲は請求の範囲によって定義される。
実施例の調製
実施例1.ワックスの特性
STEROTEX(登録商標)K(Abitec Performance Products、コロンバス、オハイオ州)として知られている、市販の硬化ダイズ油及び硬化ヒマシ油の混合物を、MICRON−MASTER(登録商標)ジェットミル(Custom Processing Services、リーディング、ペンシルバニア州)で10ミクロンの粒子サイズまで粉砕した。前記材料は容易にミクロ化した。本ミクロ化材料はMarcus NAT−185ワックス(Marcus Oil & Chemical、ヒューストン、テキサス州)として市販されている。前記NAT 185ワックスは、硬化ヒマシ油ワックス(20%)及び硬化ダイズワックス(80%)の混合物である。
別の市販のワックス(S−368 N5T,Shamrock Technologiesより)を、本発明のワックス組成物との比較の目的で用いた。前記ワックスの特性を表3に要約する。
Figure 0004773358
実施例2.インク配合物
本発明の前記ワックス組成物の有効性を試験する目的で、市販のワックス(Shamrock S−368 N5T)、本発明のワックス(NAT 185)、及びワックス添加剤を含まないコントロール調製品を含む、水ベースのフレキソ印刷インクのインク配合物を調製した。ワックスを含まないことで知られる水ベースの市販の黒インクのマスターバッチから始まり、少量(100gm)の水ベースのテストインク(100gr.)を作成した。Weber and Permut,Inc.(リンデン、ニュージャージー州)により販売されている市販のインク配合物である前記黒インクの組成を以下に要約する(表4)。
Figure 0004773358
光沢に容易に違いを示すと知られており、摩擦耐性試験は通常、値を示しやすいことが知られていることから、黒インクを選んだ。本インクのpHは約8.2乃至8.6であった。前記3つの異なるテストインクを表5に示す。
Figure 0004773358
選択された市販のワックスである、Shamrock S−368 NSTは、微粒子状の攪拌タイプのワックスとして産業界では知られており、コントロールとして供給される一方で、滑りや摩擦の添加剤を含まない前記インク配合物は、本実験では「ブランク」としても供給される。
前記インクは始めにガラスプレート上で、ワックスを大量のインク中に、手で分散させることで作られ、それから室温でlab3のローラーミル(幅5インチで長さ2.5インチ、油圧なし)を用いて個々のインクに不規則なパスを付与した。加工中インクを温めないよう注意を払った。
発泡を減らし、前記インクが著しく熱くなるのを防ぐ目的で、その後、前記分散ワックスの調合液を、中速で動く実験室用ミキサー(Hamilton Beach Drinkmasterの2枚刃、50のPowerStatセッティングで運転)を用いて、残りの量のインクに加えた。個々のインク配合物を10分間混合した。
工業生産用にとっては、前記のインク配合物の保存期間を増やす目的で、多くの場合、前記ワックス含有インクが、以下に制限されることはないが、例えば界面活性剤、共溶媒及び/または他の安定化剤及び/または防腐剤等の他の添加剤の混合を伴うことが認識されている。前記添加剤は、本技術分野における経験のある者によく知られているが、本実験で試験された前記インク配合物のバッチに対しては、長期間安定なインクを調製する試みが一切なされていなかった。
実施例3.インク配合物の評価
実施例2で調製した前記テストインク配合物について、滑り、光沢及び摩擦抵抗性等の特性を試験した。
滑りは、2つの物体間の動きに対する抵抗性の指標であり、2つの物体を、すなわち一方の物体の上にもう一方がある状態のものを、別の表面上に置くと共に、傾いた平面として、一方の物体がもう一方の上を滑るまで前記表面を上げることによって、通常測定される。
光沢は、インク成分、基材、及びインクフィルムの表面の滑らかさの関数である。光沢について試験するために、既知の量の光が前記インク表面上で曲げられ、前記インク表面からの反射後捕えられる。捕えられた光の割合は、観察者が光沢として見えるものに直接関係する。
摩擦は、印刷されたサンプル表面の連続摩擦による擦傷に対する、前記サンプルについての抵抗性を測定するために用いられる。試験者は通常、研磨剤のサンプル、または印刷されていないストックサンプルを、かなりのサイクル数の間かつ特定の圧力で、印刷されたストックサンプルに対してこすりつける。その結果は前記サンプルの可視的観察により判断される。
各々の前記試験に対し、前記3つの試験のインク配合物の一連のドローダウンは、ナンバー6のマイヤーロッドを用いてForm 3NT−3 Coated Book Leneta Test Sheetsに関してなされた。前記のドローダウンは30秒間、140゜Fでオーブン乾燥され、それから試験までの24時間、室温で放置された。
特性:滑り
手動の摩擦試験を、前記配合物の前記滑り特性に対し感触をつかむために、両セットの印刷物に関して行った。標準的な摩擦試験を、室温でSutherland Rub Testerを用いて実行した。前記試験は4ポンド重量(lb.weight)及び50サイクルを用いて行われ、その後、前記印刷物についてその外観を評価し、前記印刷物を撮影した。その結果は、前記摩擦の可視的試験によって決定され、図2から図4に示されているが、NAT185ワックスを含む前記配合物は、ワックスを含まない前記のブランク配合物(図2)と比べると、より摩擦が少ないことを証明したということを示している。前記NAT185ワックス配合物を用いた結果はShamrock S−368 N5Tワックス(比較例)の結果に匹敵していた。図2の底のブロックには、多数の弓形の擦り傷が表面に見られる;図3及び4の底のブロックは、図2と比べると表面における弓形の擦り傷の数が非常に減少していることを示している。
特性:光沢
光沢の測定値は60゜の開口度を有するGardner Gloss Meterを用いて、乾燥された印刷物について得た。3つの測定値が印刷物について得られ、その結果は平均化され表6に要約している。
Figure 0004773358
特性:摩擦
Sutherland摩擦試験(Sutherland Rub Test)もまた、前記インク配合物を用いて実行された。その後に続く観察を、前記試験サンプルの可視的試験で行った。サンプルAはワックスを含まず、十分な滑りは示さなかったが、かなりの摩擦抵抗性を示した。サンプルBはShamrock S−368 N5Tワックスを含み、十分な滑りと共にかなりの摩擦抵抗性を示した。サンプルCも同様であり、本発明のNAT−185ワックスを含み、十分な滑りと共にかなりの摩擦抵抗性を示した。
S−368 N5TまたはNAT−185ワックスの一方を含む前記の試験配合物中にはインクが相当に擦れて取れていたが、前記配合物はワックスを含まない前記サンプルによって起こる場合と比べると、はるかに前記乾燥インクフィルムの磨耗を示さなかった。
前記データに基づくと、本発明のNAT−185ワックスは、市販のS−368 N5Tワックスと実質的に同程度に、インク配合物の滑りを向上させる。前記S−368 N5T及びNAT−185ワックスの前記摩擦抵抗性は同等である。
硬化油の前記製造に対する工程を図示したフローチャートである。 ワックスを含まないインク配合物(コントロールの配合物)を用いたSutherland摩擦試験の結果を図示したものである。 一定量の前記Nat Wax 185(硬化ヒマシ油ワックスと硬化ダイズワックスの混合物)を含むインク配合物を用いたSutherland摩擦試験の結果を図示したものである。 一定量のShamrock S−394 N5Tワックスを含むインク配合物を用いたSutherland摩擦試験の結果を図示したものである。

Claims (27)

  1. 20乃至60重量%のアクリル樹脂分散物と;
    5乃至30重量%の顔料と;
    0.5乃至10重量%のアルコールと;
    20乃至75重量%の水性溶媒と;
    0.5乃至5重量%の、2乃至5のヨウ素価を有することを特徴とする植物由来の硬化ワックスと;
    を含むインク組成物。
  2. 前記ワックスが前記組成物の1乃至3%を構成する、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記ワックスが更に、48.9℃(120゜F)乃至87.8℃(190゜Fの融点(メトラー滴点)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のインク組成物。
  4. 前記ワックスが更に、
    a.85℃(185゜Fの融点(メトラー滴点);
    b.68.9℃(156゜Fの軟化点;および
    c.100℃で10cpsのブルックフィールド粘度;
    を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記ワックスが、ヒマシのワックス、ヤシのワックス、及びダイズのワックス、またはヒマシのワックスとダイズのワックスとの混合物からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記溶媒が、前記組成物の20乃至50%を構成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 前記溶媒が、前記組成物の30乃至40%を構成する、請求項6に記載のインク組成物。
  8. 0.01乃至5重量%の消泡剤を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
  9. 前記顔料が、カーボンブラック、有機顔料、合成顔料、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物。
  10. 前記顔料がカーボンブラックである、請求項9に記載のインク組成物。
  11. 抗滲出剤、殺生物剤、分散剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、流れ剤、光沢向上剤、保湿剤、pH調整剤、防腐剤、レオロジー調節剤、表面張力調節剤、及び抗沈降剤からなる群から選択された1または2以上の薬剤を更に含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインク組成物。
  12. 前記溶媒が水である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインク組成物。
  13. 20乃至60重量%のアクリル樹脂分散物と;
    5乃至30重量%の顔料と;
    0.5乃至10重量%のアルコールと;
    20乃至75重量%の水性溶媒と;
    0.5乃至5重量%の、2乃至5のヨウ素価を有することを特徴とする植物由来の硬化ワックスと;
    を含む混合剤を含み、繊維製品に塗布されて、コーティングされた繊維製品に擦傷及び磨耗のダメージに対する抵抗性を付与する、繊維製品用コーティング。
  14. 前記ワックスが、前記組成物の1乃至3%を構成する、請求項13に記載のコーティング。
  15. 前記ワックスが、ヒマシのワックス、ヤシのワックス、及びダイズのワックス、またはヒマシのワックスとダイズのワックスとの混合物からなる群から選択される、請求項13または14に記載のコーティング。
  16. 前記ワックスが更に、
    a.85℃(185゜Fの融点(メトラー滴点);
    b.68.9℃(156゜Fの軟化点;および
    c.100℃で10cpsのブルックフィールド粘度;
    を有することを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載のコーティング。
  17. 0.01乃至5重量%の消泡剤を更に含む、請求項13〜16のいずれか1項に記載のコーティング。
  18. 抗滲出剤、殺生物剤、分散剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、流れ剤、光沢向上剤、保湿剤、pH調整剤、防腐剤、レオロジー調節剤、表面張力調節剤、及び抗沈降剤からなる群から選択された1または2以上の薬剤を更に含む、請求項13〜17のいずれか1項に記載のコーティング。
  19. コーティングされた繊維用品の擦傷及び磨耗を減少させる方法であって、
    20乃至60重量%のアクリル樹脂分散物と;
    5乃至30重量%の顔料と;
    0.5乃至10重量%のアルコールと;
    20乃至75重量%の水性溶媒と;
    0.5乃至5重量%の、2乃至5のヨウ素価を有することを特徴とする植物由来の硬化ワックスと;
    を含む混合剤を調製する工程と;
    前記混合剤を前記繊維用品の表面に塗布する工程と;
    塗布された前記混合剤を乾燥させる工程とを含み、コーティングされた繊維製品が摩擦、磨耗、滑り、及び光沢からなる群から選択される1または2以上の試験を受けた際に、塗布されたコーティングが、コーティングされた前記繊維製品に対する擦傷及び磨耗のダメージを減少させる、方法。
  20. 前記混合剤が、0.01乃至5重量%の消泡剤を更に含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記ワックスが、前記混合剤の1乃至3重量%を構成する、請求項19または20に記載の方法。
  22. 前記ワックスが更に48.9℃(120゜F)乃至87.8℃(190゜Fの融点(メトラー滴点)を有することを特徴とする、請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記ワックスが更に、
    a.85℃(185゜Fの融点(メトラー滴点);
    b.68.9℃(156゜Fの軟化点;および
    c.100℃で10cpsのブルックフィールド粘度;
    を有することを特徴とする、請求項19〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記ワックスが、ヒマシのワックス、ヤシのワックス、及びダイズのワックス、またはヒマシのワックスとダイズのワックスとの混合物からなる群から選択される、請求項19〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記混合剤が、抗滲出剤、殺生物剤、分散剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、流れ剤、光沢向上剤、保湿剤、pH調整剤、防腐剤、レオロジー調節剤、表面張力調節剤、及び抗沈降剤からなる群から選択された1または2以上の薬剤を更に含む、請求項19〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 30乃至50重量%の、25乃至45%の固形分を含むアクリル樹脂分散物と;
    10乃至20重量%の顔料と;
    0.5乃至2重量%のアルコールと;
    0.1乃至1重量%の消泡剤と;
    30乃至40重量%の水性溶媒と;
    1乃至3重量%の、2乃至5のヨウ素価を有することを特徴とし、ヒマシのワックス、ヤシのワックス、またはヒマシのワックスとダイズのワックスとの混合物からなる群から選択された植物由来の硬化ワックスと;
    を含む、水性のフレキソ印刷インク組成物。
  27. 擦傷及び磨耗抵抗性の組成物でコーティングされた繊維品であって、前記組成物が、
    20乃至60重量%のアクリル樹脂分散物と;
    5乃至30重量%の顔料と;
    0.5乃至10重量%のアルコールと;
    0.1乃至1重量%の消泡剤と;
    20乃至75重量%の水性溶媒と;
    0.5乃至5重量%の、2乃至5のヨウ素価を有することを特徴とし、ヒマシのワックス、ヤシのワックス、またはヒマシのワックスとダイズのワックスとの混合物からなる群から選択された植物由来の硬化ワックスと;
    を含み、前記繊維品は段ボール、クラフト紙、段ボールライナー、及び紙からなる群から選択された、繊維品。
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