JP4772257B2 - 人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステム、該システムを命令するための制御装置、および該システムの動作方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、特許請求の範囲の規定に従う、人および／または物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人および／または物の運搬のためのシステム、このシステムを命令するための制御装置、およびこのシステムを動作させる方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
人／物のセキュリティ制御のためのシステムが知られている。このようなシステムは、たとえばビル、ビルのフロア、部屋へのアクセスもしくはこれらからの外出を制御し、また、乗り物、電子コンピュータ、自動現金出納機械などの対象へのアクセスを制御する。たとえばドア、区切り、フラップなどのアクセス手段が操作される。
【０００３】
たとえばそのようなシステムの非接触動作のため、トランスポンダの形態の識別送信機、およびそのトランスポンダを認識するための対応する装置を使用することが知られる。たとえば、コイルとして構成されたトランスポンダアンテナが、認識装置によって放射された電磁界からエネルギーを誘導的に吸収する。このエネルギーは、トランスポンダのメモリに書き込まれた識別コードを読み出すため、およびこの識別コードを応答信号として送信するために用いられる。応答信号は受信され、認識装置によって電子的に処理され、たとえば、応答信号は、認識プロトコルに従って認識装置によって認識される。認識された応答信号は、セキュリティシステムの制御装置に伝えられ、たとえば、制御信号は、制御プロトコルに従って制御装置に伝えられる。制御装置は、この制御プロトコルに従ってその制御信号を読みかつ分析し、分析が成功した場合はシステムを動作させ、たとえばアクセス手段の制御手段を動作させる。
【０００４】
人および／または物の運搬のための特定のシステムは、運搬のための人／物の識別が可能であり、また、個人の運搬手段および公共運搬手段における、識別された人／物のこの識別により制御された運搬を可能にする。かように、欧州特許出願第０６９９６１７号は、設置エレベータを制御するための装置を開示しており、この特許出願では、設置エレベータが、識別送信機を有する人およびその識別装置により非接触的に制御される。識別送信機は、識別コードを識別装置に送信するトランスポンダであり、識別装置は識別コードを識別して、処理ユニットに制御信号として送る。処理ユニットは、この制御信号を読んで、その制御信号に事前定義された所望の移動先を割り当てる。これによりその識別コードのベアラすなわち識別コードを所有している人／物（ｂｅａｒｅｒ）が識別され、かつ移動先がこの人に割り当てられる。その処理ユニットは、対応する制御信号を設置エレベータに送信し、次いで、設置エレベータは、自動的にかつその人による介入なしにその人を移動先まで運搬する。
【０００５】
【発明が解決すべき課題】
本発明の第１の目的は、人／物のセキュリティ制御のための一般的なシステム、および／または人／物の運搬のための一般的なシステムと、このシステムを制御するための制御装置と、このシステムを動作させる方法とを提供することであり、運搬のための人／物の識別送信機は、第１の機能において、その人／物のシステムにおけるセキュリティ制御を可能にし、かつ、第２の機能において、その人／物のシステムにおける運搬を可能にする。
【０００６】
識別送信機および認識装置の多くの異なる標準が、それぞれ、市場において現在確立されている。識別送信機および認識装置は、１２５ｋＨｚ、１３．５６Ｍｈｚ、２．４５ＧＨｚなどの種々の無線周波数を有する。識別送信機および認識装置の製造業者はまた、互いに異なり、ほんのわずかもしくはまったく互換性のない認識および制御プロトコルを用いている。たとえば、その制御プロトコルは、シリアル型もしくはパラレル型である。たとえば、送信される制御信号のデータフォーマットは、その標準もしくは製造業者に応じて異なる。制御信号の伝送スピードも、その標準および／または製造業者に応じて異なりうる。
【０００７】
識別送信機、認識装置、制御装置、および運搬手段を含む広く機能するシステムは、実現するのが難しい。これは、識別送信機および認識装置の市場において確立された多数の標準のせいである。ひとつのビルを占有する異なる会社は、アクセス制御のために自身の異なるシステムを用いる。もし多くの数の会社がそのビルを占有するなら、すべての会社が、会社自身のセキュリティ制御システムとして同一の識別標準を選択しているわけではなく、したがって、会社自身の識別送信機を有する運搬されるべきすべての人／物が、ひとつの共通のシステムを用いることができない可能性が高い。
【０００８】
解決方法として、会社は、付加的ないわゆる設置エレベータ識別送信機および設置エレベータ認識装置の提案をうけている。そのような設置エレベータ識別送信機および設置エレベータ認識装置の設備がもたらす付加的なコストとは別に、運搬される人／物が、その会社の識別送信機に加えてそれぞれこれらの設置エレベータ送信機を運ばなければならず、かつ／または、これらの設置エレベータ認識装置を、その会社の認識装置に加えてしかも普通はごく近くに置かなければならない。もし設置エレベータ認識装置と会社の認識装置が、同一の無線周波数で動作し、かつ互いにごく近くに置かれた場合には、干渉も生じうる、たとえば、機能にさしさわりとなる、これらの識別送信機の離調もしくは同調が起こりうる。
【０００９】
本発明の第２の目的は、人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステム、このシステムを命令するための制御装置、およびこのシステムを動作させる方法を提供することであり、異なる識別送信機標準の識別送信機を簡単かつ安価な方法で一緒に用いることが可能である。
【００１０】
本発明の第３の目的は、人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステム、このシステムを制御する制御装置、およびこのシステムを動作させる方法を提供することであり、これらは、会社にとって動作が簡単でかつ安全である。
【００１１】
本発明の第４の目的は、人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステム、このシステムを命令する制御装置、およびこのシステムを動作させる方法を提供することであり、これらは、識別送信機および認識装置の知られておりかつ証明された標準と互換性がある。
【００１２】
本発明の第５の目的は、人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステム、このシステムを命令する制御装置、およびこのシステムを動作させる方法を提供することであり、設置エレベータおよび／もしくはエスカレータにおける人／物の個々の特性およびニーズが、よりよく認識される。
【００１３】
本発明の第６の目的は、人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステム、このシステムを命令するための制御装置、およびこのシステムを動作させる方法を提供することであり、運搬される人／物の間の相互作用がよりよく尊重される。
【００１４】
本発明の第７の目的は、人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステム、このシステムを命令するための制御装置、およびこのシステムを動作させる方法を提供することであり、人／物の集合的な特性およびニーズがよりよく認識される。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
これらの目的は、特許請求の範囲の規定による発明によって達成される。
【００１６】
本発明は、人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステムを制御する、少なくとも１つの制御装置を有する。システムは、少なくとも１つの識別送信機、少なくとも１つの認識装置、および少なくとも１つの運搬手段および／または少なくとも１つのアクセス手段を備える。少なくとも１つの応答信号が、少なくとも１つの識別送信機から送出され、その少なくとも１つの応答信号は少なくとも１つの認識装置によって受信され、ある制御プロトコルに従う少なくとも１つの制御信号が、認識装置により送出される。
【００１７】
本発明の利点は、制御装置が、少なくとも２つの異なる制御プロトコルに従う制御信号を読みかつ認識することである。有利には、異なる制御プロトコルで制御装置に送信される制御信号は、同一の標準プロトコルに従う制御信号に変換される。また有利には、ちょうど１つのユーザプロファイルが、その制御装置の標準プロトコルに従う少なくとも１つの制御信号に割り当てられる。有利には、このユーザプロファイルは、２次制御信号を生成するためその制御装置によって用いられる。１つの認識される制御信号につき、制御装置は、少なくとも１つの２次制御信号を送出する。有利には、この２次制御信号により、運搬手段もしくはアクセス手段が命令される。制御装置は、したがって、情報送出機および認識装置の異なるいくつかの標準が、運搬手段もしくはアクセス手段を、たとえば特にユーザプロファイルに従って命令するのに用いられることを可能にする。
【００１８】
有利には、運搬される人および／または物品が、運搬されることを要求した人が顕著に満足しうるような方法で、人／物が、設置エレベータおよび／またはエスカレータにより運搬される。これは、人／物の運搬のためのシステムの拡張構成によって達成される。
【００１９】
「拡張構成」の意味は、第一のステップで、少なくとも１つのユーザプロファイルが運搬される人／物につき作成されることである。以下の種々のプロファイルがある。
・空間ユーザプロファイルすなわちゾーンプロファイル、これは、ゾーンにおけるユーザの空間的なアクセス許可が定義される。
・時間ユーザプロファイルすなわち期間プロファイル、これは、期間においてユーザの時間的な権限が定義される。
・人／物特有のユーザプロファイルすなわち個別プロファイル、これは、ユーザの個別情報、たとえばユーザ名、オフィス／フロア、ビル／オフィス番号、電話番号、誕生日、性別、体重などが定義され、また、ユーザが、運搬手段において受け取りたいもしくは受け取りたくないニュースのタイプといったユーザの嗜好も定義される。
・グループ特有のユーザプロファイルすなわちグループプロファイル、これは、ユーザを運搬する際の優先順位に関する情報などが定義される。および／または、
・セキュリティ関連ユーザプロファイルすなわちセキュリティプロファイル、これは、ハザード／リスクの評価（その人／物が、ハザードを呈するか？もしそうなら、運搬される他のどの人／物についてか？その人／物は、ハザードにさらされるか？もしそうなら、緊急事態が生じたときにどんなステップをとるべきか？）など、ユーザのセキュリティ面についての情報が定義される。
【００２０】
ユーザプロファイルのこれらの構成要素、ゾーンプロファイル、期間プロファイル、個別プロファイル、グループプロファイル、およびセキュリティプロファイルは、互いになんらかの方法で組み合わせることができる。
【００２１】
拡張構成のさらなる意味は、第２のステップで、１つのユーザプロファイルが運搬プロファイルとして用いられるか、もしくは、運搬される人／物の少なくとも２つのユーザプロファイルが一緒にリンクされて、これにより少なくとも１つの状況適応運搬プロファイルをもたらすことである。有利には、運搬される人／物のユーザプロファイルは、１つの運搬プロファイルを作るため少なくとも１つの論理ゲートとの関係で設定される。
【００２２】
この方法では、運搬される人／物の移動計画が、容易にかつ迅速に組み立てられる。運搬される少なくとも１つの人／物アイテムが、少なくとも１つの認識装置によって少なくとも１つの識別コードを介して認識される。この認識された識別コードは、少なくとも１つの制御装置に伝えられる。運搬される少なくとも１つの人／物アイテムの少なくとも１つのユーザプロファイルが、各認識された識別コードについて準備されるか、もしくは、送信される少なくとも２つの人／物のアイテムのユーザプロファイルが、運搬プロファイルを形成するようリンクされるかする。設置エレベータ、エスカレータ、もしくはドアなどの少なくとも１つの運搬手段が、この運搬プロファイルに従い制御装置によって命令される。
【００２３】
ユーザプロファイルのこの拡張構成は、かなりの程度、コンピュータに支援されたネットワーク技術から知られるものに対応しており、その技術では、ネットワークにおけるユーザ権限は、管理者によって管理されかつ割り当てられる。驚くべきことに、このネットワーク管理の応用は、これまで人／物の運搬システムにおいては実現されなかった。
【００２４】
これにはいくつかの理由がある。
・ひとつの理由は、運搬手段のユーザの希望および要請が、これまで明確には表現されていなかった、かつ／または、運搬の手段のユーザの希望および要請が、これまで拡張構成においては捕捉されていなかったことである。
・別の理由は、本発明によるユーザの希望および要請の満足が、技術的に可能でなかったことであり、これは、たとえば、標準自体が確立していなかったせいであり、かつ／または、この目的に必須のコンピュータおよび／またはコンピュータプログラム製品が、十分には強力でなく、かつ／またはあまりにも高価だったためである。
・最後に、この分野の専門家の先入観が、克服されなければならなかったことである。運搬手段を製造する機械産業が、その伝統的な技術分野に執着し、機械的に安定しておりかつ安価な運搬手段を製造しかつ動作させることに、自身を制限したのである。これまで、機械産業は、本発明の課題を自分で設定することはなかった、すなわち、これまで、機械産業は、運搬手段のユーザの希望や要請を多かれ少なかれ無視してきたのである。これまで、機械産業は、識別コードや認識手段など本発明の解決方法に必須の新しい技術に、すなわちコンピュータおよびコンピュータプログラム製品に、ほとんどもしくはまったく関わってこなかった。
【００２５】
本発明を、例としての実施形態の形態で、図１から９を参照することによって以下により詳細に説明する。
【００２６】
【発明の実施の形態】
図１は、ブロック図を含み、図２から４は、人／物のセキュリティ制御のためのシステム１００、および／または人／物の運搬のためのシステム１００の例としての実施形態の原理を示す図を含む。システム１００は、少なくとも１つの識別送信機１、１'、１''、少なくとも１つの認識装置１０、１０'、少なくとも１つの制御装置１１、１１'、および少なくとも１つの運搬手段１３および／または少なくとも１つのアクセス手段１４を備える。識別送信機１、１'、１''は、認識装置１０、１０'と通信し、人もしくは物のアイテムの識別に関して作動する。有利には、識別送信機１、１'、１''は、移動可能であり人もしくは物のアイテムによって運ばれるのに対し、認識装置１０、１０'は、たとえば運搬手段１３もしくはアクセス手段１４の近くの固定位置に取り付けられる。識別送信機１、１'、１''のベアラは、認識装置によって識別される。
【００２７】
識別送信機１、１'、１''は、たとえば、トランスポンダアンテナと送信機電子回路とを備えたトランスポンダである。識別送信機１、１'、１''の送信機電子回路は、たとえば、送受信機ユニットと少なくとも１つの情報項目を含むメモリとを有する。この情報は、たとえば、識別送信機が読み取り可能でありかつ書き込み可能である識別送信機標準についての情報、および／または、識別送信機が一意に識別可能であるための識別送信機シリアル番号、および／または、識別送信機のベアラが識別可能であるための識別コードを含む。メモリは、読み取りおよび書き込み可能であり、たとえば３２ビットから８ｋビットまでのサイズを有する。識別送信機１、１'、１''は、電池もしくは蓄電池から能動的に動作電圧を供給されうるが、電磁界から誘導により動作電圧を受動的に供給されることも可能である。好ましくは、認識装置１０、１０'が、そのような電磁場を放射する。認識装置１０、１０'は、対応して構築された送受信アンテナおよび電子読み取りおよび書き込みユニットを有する。たとえば、認識装置１０、１０'の読み取りおよび書き込みユニットは、認識プロトコル用のメモリと認識プロトコルを実行するためのプロセッサとを有する。認識プロトコルは多くの変形形態を有する。たとえば、識別送信機１、１'、１''と認識装置１０、１０'との間の通信は、暗号化されてもよく、識別送信機１、１'、１''が、読み出し可能かつ／または書き込み可能となる前に、認識装置１０、１０’からパスワードを要求することも可能である。図２から４では、識別送信機１、１'、１'’および認識装置１０、１０'のアンテナを、図的にＴで示す一方、識別送信機１、１'、１''および認識装置１０、１０'の電子回路を、図的に長方形で示した。自明なことであるが、当業者は、識別送信機および／またはそのための認識装置のこの実施形態の制限されない変形形態を実現することができる。したがって、たとえば認識装置との非接触通信の手段として光を用いるなどした、他の識別送信機も用いうる。識別送信機およびそのための認識装置それぞれの本実施形態は例示であり、本発明の用途および／または保護の範囲について制限的なものではない。特に、本発明は、非接触的に通信する識別送信機に制限されるわけではない。したがって、少なくとも１つの媒介接触を介して認識装置と通信する、磁気カード、電子チップ、などの形態の識別送信機も用いうる。
【００２８】
識別送信機１、１'、１''と認識装置１０、１０'との通信は、たとえば、好ましくは５０ｋＨｚから６ＧＨｚの帯域の無線周波数により、好ましくは標準化された無線周波数である１２５ｋＨｚ、１３．５６ＭＨｚ、もしくは２．４５ＧＨｚなどで行われる。認識装置１０，１０'のプロセッサは、認識プロトコルを実行し、たとえばその送受信アンテナを介して、無線周波数で問い合わせ信号を独立して送信する。識別送信機１、１'、１''が、認識装置１０、１０'の送受信範囲に運び込まれるとすぐ、識別送信機１、１'、１''は、そのトランスポンダアンテナで問い合わせ信号を受信し、応答信号２、２'、２''として、認識装置１０、１０'に、そのトランスポンダのメモリに格納された識別送信機標準についての情報、および／またはそのトランスポンダのメモリに格納された識別送信機のシリアル番号、および／またはそのトランスポンダのメモリに格納された識別コードを送出する。有利な送受信範囲は、たとえば２ｃｍから５０ｃｍである。図２から４によるシステム１００の例としての実施形態において、問い合わせ信号および／または応答信号２、２'、２''の送受信は、双方向であり双方向矢印として図的に表される。応答信号２、２'、２''は、たとえば、認識装置１０、１０'の送受信アンテナにより受信されかつ電子的に処理される。たとえば、認識装置１０、１０'の応答信号２、２'、２''は、認識プロトコルを用いて認識される。認識プロトコルは個々に作成することができるが、業界標準で標準化することもできる。応答信号２、２'、２''を認識すると、制御プロトコル３，３''に従う制御信号が、制御装置１１、１１'に向けて送出される。自明なことであるが、本発明の知識があれば、当業者は、認識装置とそのための識別送信機との通信の実施形態の制限されない変形形態を実現できる。識別送信機とそのための認識装置との間の示した通信は、例示であり本発明の用途および保護の範囲を制限するものではない。したがって、識別送信機とそのための認識装置との間の他の非接触および／または接触通信も、用いることができる。使用される無線周波数および有利な送受信範囲についての情報も、自由に変わりうる。
【００２９】
図２によるシステム１００の第１の例としての実施形態においては、２つの識別送信機１、１''、２つの認識装置１０、１０'、および１つの制御装置１１が示される。図３によるシステム１００の第２の例としての実施形態においては、２つの識別送信機１、１'、１つの認識装置１０、および１つの制御装置１１が示される。図４によるシステム１００の第３の実施形態においては、３つの識別送信機１、１'、１''、２つの認識装置１０、１０'、および２つの制御装置１１、１１'が示される。識別送信機１、１'、１''、認識装置１０、１０'、および制御装置１１、１１'は、異なりかつ互いに互換性のない標準にしたがって動作することができる。識別送信機および認識装置の標準の違いは、それぞれ、たとえば、異なる無線周波数、および／または異なる認識プロトコルおよび／または制御プロトコルにある。たとえば、制御プロトコルは、シリアルタイプもしくはパラレルタイプである。たとえば、制御プロトコルのデータフォーマットは、製造業者によって異なる。シリアルの制御プロトコルによるデータ伝送では、データは８もしくは９ビット長であり、データは、パリティありもしくはなしで送信され得、チェックサムも異なりうる。制御プロトコルの伝送スピードも、標準もしくは製造業者によって異なりうる。たとえば、ボーレートは、９６００ボーもしくはその倍数であってよい。制御プロトコルの伝送スピードは、標準もしくは製造業者に応じて、製造業者によって固定スピードに指定されてもよく、もしくは、ユーザが制御プロトコルの様々な伝送スピードから選択してもよい。
【００３０】
標準のそのような違いは、図２によるシステム１００の第１の例としての実施形態においては、長方形の第１の識別送信機１および長方形の第１の認識装置１０と、楕円形の第２の識別送信機１'および楕円形の第２の認識装置１０'によって図的に示される。たとえば、第１の識別送信機１および第１の認識装置１０は、第１の認識プロトコルで互いに通信し、第２の識別送信機１'と第２の認識装置１０'は、第２の認識プロトコルで互いに通信する。これらの２つの認識装置１０、１０'は、異なる制御プロトコル３、３'に従い制御装置１１に制御信号を送ることもする。
【００３１】
図３によるシステム１００の第２の例としての実施形態では状況は異なり、長方形の第１の識別送信機１、楕円形の第２の識別送信機１'、および三角形の認識装置１０が、１つの共通の認識プロトコルで互いに通信する。この認識装置１０は、制御装置１１に対して同一の制御プロトコル３により送信する。
【００３２】
図４によるシステム１００の第３の例としての実施形態では、状況がやはり異なる。ここでは、長方形の第１の識別送信機１および楕円形の第２の識別送信機１'が、三角形の第１の識別装置１０と１つの共通の認識プロトコルで通信し、６角形の第３の識別送信機１''は６角形の第２の認識装置１０'とさらなる認識プロトコルで通信する。三角形の第１の認識装置１０は、第１の制御プロトコル３により第１の制御装置１１に送信し、六角形の第２の認識装置１０'は、第２の制御プロトコル３'により第２の制御装置１１'に送信する。たとえば、第１の認識装置１０は第１の無線周波数で動作し、第２の認識装置１０'は第２の無線周波数で動作し、この第１と第２の無線周波数は異なる。たとえば、第１の認識装置１０および第２の認識装置１０'は、異なる認識プロトコルを用いる。たとえば、第１の制御装置１１および第２の制御装置１１'は、異なる制御プロトコル３、３'を用いる。これらの標準の違いは、制限なしに組み合わせられ得、標準の違いを多数に増やす。
【００３３】
制御装置１１、１１'は、少なくとも１つの認識装置１０、１０'に有線もしくは無線で接続される。たとえば、認識装置１０、１０'および制御装置１１、１１'は、ＲＳ２３２、ＵＳＢ（ユニバーサルシリアルバス）などのシリアルインターフェースを介して互いに接続される。本発明は、認識装置１０、１０'と制御装置１１、１１'との間で、シリアルインターフェースを用いることに限られるわけではない。自明なことであるが、認識装置１０、１０'の標準もしくは製造業者に応じて、パラレルインターフェースの使用も可能である。認識装置１０、１０'と制御装置１１、１１'との間の通信は、同一の制御プロトコル３，３'により行うが、それは双方向であり、双方向矢印として図的に示される。通信の際、認識装置１０、１０'は、制御信号を送信し、制御装置１１、１１'は、たとえば認識装置１０、１０'の問い合わせを実行する。
【００３４】
有利には、制御装置１１、１１'は、少なくとも２つの異なる制御プロトコル３、３'を実行するための少なくとも１つのプロセッサ１１０、１１０'を有する。たとえば、制御プロトコル３、３'は、制御装置１１、１１'の不揮発データメモリに格納され、構成６１の構成要素としてプロセッサ１１０、１１０'にロードされる。たとえば、プロセッサ１１０、１１０'は、認識装置１０、１０'との通信を担当し、シリアルもしくはパラレルインターフェースを介して認識装置１０、１０'に接続されている。制御装置１１、１１'のプロセッサ１１０、１１０'は、好ましくはマイクロコントローラＰＩＣ１６Ｃ６３Ａである。これは証明されたプロセッサのモジュール的に拡張可能なファミリーである。
【００３５】
有利には、制御装置１１は、少なくとも１つのバスプロセッサ１１１を有する。バスプロセッサ１１１は、たとえば、異なる制御装置１１、１１'のプロセッサ１１０、１１０'間の通信、および／または、コンピュータ１２との通信、および／または、少なくとも１つの運搬手段１３との通信、および／または少なくとも１つのアクセス手段１４との通信を担当する。バスプロセッサ１１１は、好ましくは、モトローラ社のＥｃｈｅｌｏｎ ＭＣ１４３１５０Ｂ１チップか、東芝ＴＭＰＮ３１５０Ｂ１である。バスプロセッサ１１１は、たとえば、不揮発データメモリを有している。この不揮発メモリには、たとえば、構成６１が格納される。有利には、制御装置１１、１１'のプロセッサ１１０、１１０'、もしくは異なる制御装置１１、１１'のプロセッサ１１０、１１０'、およびバスプロセッサが、インターフェース、好ましくはＳＰＩインターフェース（ＳＰＩはシリアル周辺インターフェース（Ｓｅｒｉａｌ Ｐｅｒｉｐｈｅｒａｌ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）の略）を介して互いに接続され、プロトコルバスを介して通信する。ＳＰＩインターフェースのクロック周波数は、たとえば２０ｋＨｚである。制御装置１１内の通信もしくは異なる制御装置１１、１１'間の通信は、双方向であり、双方向矢印として図的に表される。たとえば、構成段階２１において、構成６１が、バスプロセッサ１１１の不揮発データメモリからプロセッサ１１０、１１０'にロードされ、一方、制御信号読み取り段階２３では、標準プロトコル６０に従う制御信号が、プロセッサ１１０、１１０'からバスプロセッサ１１１に送信される。
【００３６】
制御装置１１、１１'は、たとえば、認識装置１０、１０'および／またはコンピュータ１２の、独自のハウジング内の回路基板もしくはハウジングに挿入される回路基板である。制御装置１１、１１'は、たとえば、商業的に入手可能なインターフェースを介してコンピュータ１２に接続されている。コンピュータ１２は、商業的に入手可能なパーソナルコンピュータもしくはワークステーションであってよい。制御装置１１、１１'は、少なくとも１つのユーザプロファイルＡ，Ａ'をもつプロトコルライブラリにアクセスする。たとえば、コンピュータ１２は、少なくとも１つのユーザプロファイルＡ、Ａ'を格納するためのメモリを有する。制御装置１１は、制御装置１１、１１'のプロセッサに供給するための独自の電流源を有しうるが、たとえばケーブルを介してコンピュータ１２から電流を供給されることも可能である。自明なことであるが、本発明の知識があれば、当業者は、制御装置のこの実施形態の制限のない変形形態を実現できる。制御装置の提供した実施形態は、例示のためのものであり、本発明の用途および／または保護の範囲を制限するものではない。したがって、たとえばコンピュータ内での制御装置のソフトウエアエミュレーションも可能である。制御装置によって用いられるプロセッサ、制御装置の有利なバスプロセッサ、認識装置と制御装置との間の有利なインターフェース、および制御装置とコンピュータとの間のインターフェースに関する情報は、やはり自由に変化しうる。制御装置は、認識装置と、他の制御装置と、コンピュータと、もしくは運搬手段あるいはアクセス手段と通信するため、ただひとつの単一プロセッサで実現することもできる。
【００３７】
制御装置１１，１１'は、少なくとも１つの２次制御信号５を介して、少なくとも１つの運搬手段１３、もしくは少なくとも１つのアクセス手段１４を命令する。制御装置１１、１１'は、少なくとも１つの認識装置１０、１０'の少なくとも１つの制御信号３、３'を認識し、かつ１つの認識した制御信号３、３'に対し１つの２次制御信号５を送出する。運搬手段１３もしくはアクセス手段１４を命令するために、制御装置１１、１１'で、情報送信機１、１'、１''のもしくは認識装置１０、１０'のいくつかの異なる標準をそれぞれ用いることができる。制御装置１１は、少なくとも２つの異なる制御プロトコル３、３'によって制御信号を認識し、応答して２次制御信号５を送出する。有利には、制御装置１１、１１'は、１つの認識された制御信号を、標準プロトコル６０に従う少なくとも１つの制御信号に変換する。たとえば、しかし必ずしもそうではないが、標準プロトコル６０が、好ましい制御プロトコル３、３'である。有利には、制御装置１１、１１'は、ある形式のキーとして標準プロトコル６０に従う制御信号を用いる。有利には、このキーを用いて、制御装置１１、１１'は、運搬される人もしくは物アイテムのちょうど１つのユーザプロファイルＡ、Ａ'をオープンする。有利には、標準プロトコル６０に従う１つの制御信号は、割り当てられたちょうど１つのユーザプロファイルＡ、Ａ'を有する。このユーザプロファイルＡ、Ａ'には、運搬される人もしくは物アイテムについての、アクセス権、運搬先などのさまざまなデータが格納される。有利には、制御装置１１、１１'は、２次制御信号５を生成するためにこのユーザプロファイルＡ、Ａ'を用いる。有利には、応答して、運搬手段１３もしくはアクセス手段１４が、このユーザプロファイルＡ、Ａ'を、制御装置１１、１１'との通信中に処理する。制御装置１１、１１'と、運搬手段１３もしくはアクセス手段１４との間の通信は双方向であり、双方向矢印として図的に表される。
【００３８】
運搬手段１３は、好ましくは、図２および３による実施形態の少なくとも１つのエレベータ、および少なくとも１つのエレベータカーを伴う設置エレベータ、もしくは図４による実施形態の３つのエレベータカーを伴う設置エレベータである。運搬手段１３に隣接する鉛直方向の双方向矢印は、ロープにぶらさげられかつ駆動装置によって駆動されるエレベータが、エレベータ昇降路の上方向および下方向に移動することを示す。図２から４による実施形態では、アクセス手段１４は、少なくとも１つのドアである。部屋、および／または階段、および／または設置エレベータなどへのアクセスを許可する、ドアを備えることができる。認識装置１０、１０'が、たとえば、設置エレベータもしくはドアの近くに配置される。好ましくは、ただし必須というわけではないが、少なくとも１つの認識装置１０、１０'が、設置エレベータのすべての入口もしくはすべてのドアに配置される。
【００３９】
制御装置１１、１１'および／またはコンピュータ１２は、必ずしも認識装置１０、１０'、運搬手段１３、もしくはアクセス手段１４の近くに配置される必要はない。たとえば、制御装置１１、１１'および／またはコンピュータ１２は、それらにとって適切な設置エレベータのビルの一室、たとえば守衛や管理人などの部屋に配置される。設置エレベータを命令することにより、識別送信機１、１'、１''のベアラのアクセス許可がチェックされ、かつ／または、識別キャリア１、１'、１''のベアラが、設置エレベータによって運搬され、かつ／または、識別キャリア１、１'、１''のベアラが、アクセス手段１４へのアクセスを許可される。本発明の適用および／または保護の範囲が、設置エレベータの実施形態における運搬手段、もしくはドアの実施形態におけるアクセス手段に限定されないことはここでもあてはまる。自明なことであるが、本発明の知識があれば、当業者は、客車、鉄道、市街電車、飛行機、ベルトコンベアなどの、人もしくは物の運搬のための運搬手段の実施形態の制限されない変形形態を実現することができる。当業者はやはり、区画、フラップなどの、人／物のセキュリティ制御へのアクセス手段の実施形態の制限されない変形形態を実現することができる。
【００４０】
図１は、識別送信機１、１'、１''、認識装置１０、１０'、制御装置１１、１１'、および運搬手段１３もしくはアクセス手段１４からなるシステム１００を機能させる手段のブロック図である。システム１００は、５つの異なる段階２０、２１、２２、２３、２４により機能する。
【００４１】
初期化段階２０において、制御装置１１、１１'がスイッチオンされた後、好ましくはただし必須ではないが、構成６１が、制御装置１１、１１'のデータメモリからロードされる。初期化段階２０は、制御装置１１、１１'で起こる。構成６１は、たとえばいくつかの制御プロトコル３、３'を含む。構成６１は、たとえば、パスワード保護された識別送信機１、１'、１''へのアクセスを可能にするパスワードを含む。構成６１は、たとえば、認識装置１０、１０'と識別送信機１、１'、１''との間の無線通信などの、傍受不可能な暗号化された通信を実現するための暗号コードを含む。構成６１は、たとえば、識別送信機１、１'、１''のメモリからどのブロックを読み込むべきかなど、特定の識別送信機についての情報を含む。構成６１は、たとえば、区別のため、および同一の識別送信機１、１'、１''が連続的に何回も読み込まれるのを避けるための最小時間間隔についての情報を含む。構成６１は、たとえば、同一の識別送信機１、１'、１''もしくは認識装置１０、１０'のどの標準が、サポートされるべきかについての情報を含み、この結果、サポートされる制御プロトコル３、３'の数が、たとえば２０から５に削減され、本方法の実行を加速する。
【００４２】
構成段階２１では、少なくとも２つの制御プロトコル３、３'により、認識装置１０、１０'に対するインターフェース上で、１つの認識装置１０、１０'が探される。構成段階２１は、制御装置１１、１１'で行われる。制御プロトコル３、３'によるそのような問い合わせは、たとえば周期的に行われる。構成６１では、たとえば、どの制御プロトコル３、３'により、もしくは、制御プロトコル３、３'のどのシーケンスにおいて、制御装置１１、１１'が、認識装置１０、１０'の独立した問い合わせを実行するかということが規定される。たとえば、制御装置１１、１１'は、第１の制御プロトコル３により、認識装置１０、１０'の現行のソフトウエアバージョンを問い合わせる。たとえば、制御装置１１、１１'は、第１の制御プロトコル３により認識装置１０、１０'のブート状態を問い合わせる。もし、第１の制御プロトコル３に従ったそのような問い合わせに対して一定時間内に応答が無い場合は、認識装置１０、１０'が、この制御プロトコル３を知らないものとみなされ、この問い合わせが、他の制御プロトコル３'を用いて制御装置１１、１１'により繰り返される。当業者には、しばしば専用であり、すなわち製造業者に特有であり、したがってわずかしかもしくは実際上全く互換性のない多くの制御プロトコル３、３'が知られている。そのような制御プロトコル３、３'は、自由に利用可能であるかもしくは商業的に入手可能である。
【００４３】
たとえば、以下のシリアル制御プロトコル３、３'がサポートされる。
・Ｂａｌｔｉｃ ＩＤ Ｅｎｇｉｎｅ，Ｒｅｖ．１．０１．
・Ｆｅｉｇ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ ＯＢＩＤ ＩＤ ＲＷ Ｆａｍｉｌｙ，Ｖｅｒｓｉｏｎ４．０７．
・ｉｄ Ｓｙｓｔｅｍ Ｌｔｄ．，ｐａｃｋｅｄ−ｂａｓｅｄ ＲＳ２３２ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ，Ｖｅｒｓｉｏｎ３．３０．
【００４４】
たとえば、以下のパラレル制御プロトコル３、３'がサポートされる。
・Ｐｈｉｌｉｐｓ ＨＴＲＭ ３１０．
【００４５】
応答信号読み取り段階２２においては、認識装置１０、１０'が、識別送信機１、１'、１''の応答信号２、２'、２''を読み込む。応答信号読み取り段階２２は、識別送信機１、１'、１''と認識装置１０、１０'との間で行われる。応答信号２、２'、２''は、たとえば、識別送信機標準について、および／または識別送信機１、１'、１''のシリアル番号について、および／または識別送信機１、１'、１''の識別コードについての情報を含む。識別送信機１、１'、１''の応答信号２、２'、２''は、認識プロトコルにより認識装置１０，１０'により認識される。
【００４６】
制御装置１１、１１'が、認識装置１０、１０'との通信を制御プロトコル３、３'に従って確立してしまうとすぐ、制御信号読み取り段階２３において、制御信号の問い合わせが、少なくとも１つの制御プロトコル３、３'に従って行われる。制御信号読み取り段階２３は、認識装置１０、１０'と制御装置１１、１１'との間で行われる。有利には、そのような制御信号の問い合わせは、エンドレスループで行われる。たとえば、問い合わせは、識別送信機１、１'、１''のシリアル番号について、および／または識別送信機１、１'、１''の識別コードについて行われる。認識装置１０、１０'の制御プロトコル３、３'による制御信号は、対応する同一の制御プロトコル３、３'を用いて制御装置１１、１１'により認識される。有利には、制御装置１１、１１'が、異なる制御プロトコル３、３'に従う認識された制御信号を、同一の標準プロトコル６０に従う制御信号に変換する。
【００４７】
命令段階２４においては、１つの認識された制御信号につき、制御装置１１、１１'が、少なくとも１つの２次制御信号５を送出する。この２次制御信号５により、運搬手段１３もしくはアクセス手段１４が命令される。制御段階２４は、制御装置１１、１１'と運搬手段１３もしくはアクセス手段１４との間で行われる。たとえば、制御装置１１が、２次制御信号５に従って設置エレベータもしくはドアを命令する。２次制御信号５により、第１の機能において、識別送信機１、１'、１''のベアラは、その設置エレベータもしくはドアへのアクセスを許可され、かつ／または、第２の機能において、識別送信機１、１'、１''のベアラは、移動先のフロアに運搬される。有利には、制御装置１１、１１'は、制御信号に正確に１つのユーザプロファイルＡ、Ａ'を標準プロトコル６０に従って割り当てる。このユーザプロファイルＡ、Ａ'には、たとえば、その人／物のアクセス許可についての情報、および／または、移動先フロアについての情報が格納される。このユーザプロファイルＡ、Ａ'は、２次制御信号５の生成に用いられる。この際、設置エレベータは、制御装置１１、１１'との通信中にこのユーザプロファイルＡ、Ａ'を処理する。
【００４８】
図５は、ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''から少なくとも１つの運搬プロファイルＢへのリンクのブロック図である。制御装置１１は、たとえば、商業的に入手可能なパーソナルコンピュータもしくはワークステーションである。制御装置１１は、ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''を運搬プロファイルＢへとリンクするためのプロセッサ１１０を有している。プロセッサ１１０は、不揮発メモリを有しうる。制御装置１１は、ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''をもつメモリ１２０にアクセスする。たとえば、ユーザプロファイルＡ，Ａ'、Ａ''を有するメモリ１２０は、制御装置１１に配置される。各認識された識別コード３につき、メモリ１２０からの少なくとも１つのユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''が、準備可能にされ、かつプロセッサ１１０において、有利には、「ＡＮＤ」、「ＯＲ」、「ＮＯＴ」などの少なくとも１つの論理ゲートに従って運搬プロファイルＢへとリンクされる。
【００４９】
ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''の構成およびリンクは、少なくとも１つのコンピュータプログラム製品によって実行される。そのコンピュータプログラム製品は、人／物を運搬するためのシステム１００を命令する。コンピュータプログラム製品は、たとえば、よく知られかつ証明されたコンピュータ言語でかかれている。たとえば、コンピュータプログラム製品は、その実行のために意図されたなんらかのコンピュータで実行され、たとえば、コンピュータプログラム製品は、メモリに格納され、かつそのコンピュータプログラム製品の実行のためのプロセッサにロードされる。たとえば、このコンピュータは、制御装置１１であり、たとえばコンピュータプログラム製品は、制御装置１１のメモリ１２０に格納され、たとえば、コンピュータプログラム製品は、制御装置１１のプロセッサ１１０にロードされる。コンピュータプログラム製品は、知られた方法により、格納可能であり、複製可能であり、かつ更新可能である。自明なことであるが、本発明の知識があれば、当業者は、コンピュータプログラム製品のこの実施形態の制限されない変形形態を実現することができる。したがって、本発明の目的のためには、コンピュータプログラムが制御装置において実行されることは必須ではない。コンピュータプログラム製品を、このコンピュータプログラム製品の実行のためのなんらかの別個のコンピュータで実行させること、およびコンピュータプログラム製品の実行の結果を制御装置に通信することは全く可能である。たとえば、コンピュータプログラム製品は、遠隔サーバで実行される。この目的で、制御装置は、そのようなコンピュータとたとえば有線もしくは無線で、またはたとえばインターネットで接続することができる。
【００５０】
有利には、制御装置１１は、バスプロセッサを有する。バスプロセッサは、たとえば、制御装置１１のプロセッサ１１０と運搬手段１３との間の通信を担当する。制御装置１１は、少なくとも１つの２次制御信号５を介して、運搬プロファイルＢに従い運搬手段１３を命令する。自明なことであるが、本発明の知識があれば、当業者は、制御装置の制限されない変形形態を実現できる。したがって、２次制御信号により、アクセス手段は、たとえば図２による実施形態において、命令されうる。示された制御装置の実施形態は、例示的なものであり、本発明の適用および／または保護の範囲を制限するものではない。たとえば、制御装置は、認識装置のインサート、セットトップボックスなどとして構築可能である。ユーザプロファイルをもつメモリを、遠隔サーバに配置すること、およびユーザプロファイルを、たとえば有線もしくは無線、またはたとえばインターネットで制御装置に通信することも可能である。これは、安全かつ／または中央の遠隔サーバに、すべてのユーザプロファイルについて提供することを可能にする。ユーザプロファイルを遠隔サーバのメモリから制御装置へ、制御装置によって要求されてももしくは要求されなくても通信することも可能になる。
【００５１】
運搬手段１３は、たとえば、一つ以上のエレベータを有する設置エレベータであり、人／物を、たとえば図７もしくは８による双方向矢印の運搬方向に運搬するものである。たとえば、設置エレベータは、ビル１５の様々なフロアに出入り口を有する３つのエレベータを有する。たとえば、その３つのエレベータは、互いに隣接するようにオフィスを有するビル１５内に配置され、したがって同時に並列な人／物の運搬を可能にする。この提供された運搬手段の実施形態は、例としてのものである。しかしながら、本発明の知識があれば、当業者は、移動する歩道、ベルトコンベア、ドア、ならびに鉄道、地下鉄、市街電車、ケーブルカー、航空機などの他の運搬手段を用いることも可能である。たとえば、運搬手段はドアであり、制御装置からの命令信号に応じて開き、人および／または物アイテムを、部屋、階段、通路などにアクセスさせるようにする。
【００５２】
図６は、ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''の例としての実施形態である。有利には、ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''は、少なくとも１つの空間的ユーザプロファイルすなわちゾーンプロファイルＡ１，Ａ１'、Ａ１''、および／または少なくとも１つの時間的ユーザプロファイルすなわち期間プロファイルＡ２、Ａ２'、Ａ２''、および／または少なくとも１つの人／物に特定のユーザプロファイルすなわち個別プロファイルＡ３、Ａ３'、Ａ３''、および／または少なくとも１つのグループに特定のユーザプロファイルすなわちグループプロファイルＡ４、Ａ４'、Ａ４''、および／または少なくとも１つのセキュリティ関連ユーザプロファイルすなわちセキュリティプロファイルＡ５，Ａ５'，Ａ５''を含む。
【００５３】
ゾーンプロファイルＡ１、Ａ１'、Ａ１''においては、ゾーンにおけるユーザの空間的なアクセス許可が定義される。ゾーンは、空間的に関連したエリアとして理解すべきである。ゾーンは、関連づけられることも関連づけられないこともできる。そのようなゾーンプロファイルＡ１、Ａ１'，Ａ１''の例としての実施形態は、図７により図示される。この図で見えるのは、いくつかのエレベータが運搬手段１３として、人／物を運搬する複数階ビル１５である。たとえばビル１５は、左手半分と右手半分とに分けることができる。たとえば、ビル１５の階の半分を、４つのゾーンＷ、Ｘ、Ｙ、Ｚに細分することができる。たとえばゾーンＷは、低いアクセス優先順位を有するゾーンであり、このゾーンへは実際上すべてのユーザならびにビジターおよびゲストがアクセスできる。たとえばゾーンＷは、エントランス／レセプションをビル１５の地上階に備え、ビル１５の地上２階にはユーザのレストランを備える。たとえば、ゾーンＸおよびＹは、中間のアクセス優先順位を有する２つのゾーンであり、これらには、なんらかの特権を有するユーザのみがアクセスできる。たとえば、ゾーンＸおよびＹの階の半分にオフィスを有する会社の従業員は、これらのゾーンＸおよびＹにアクセスできる。たとえば、ゾーンＺは、高いアクセス優先順位を有するゾーンであり、このゾーンＺへは、一定の特権を有するユーザのみがアクセスできる。たとえば、ゾーンＺはペントハウスアパートを備え、このアパートへは、このペントハウスアパートの所有者もしくは賃借人のみがアクセスできる。同一のアクセス優先順位のゾーンが、互いに隣り合っている必要はない。有利には、各ゾーンは、本発明の運搬手段１３でアクセス可能である。自明なことであるが、本発明の知識があれば、当業者は、ゾーンプロファイルの制限されない変形形態を実現することができる。示された制御装置の実施形態は例としてのものであり、本発明の適用および／または保護の範囲を制限するものではない。たとえば、ゾーンプロファイルは、より細かく、すなわち４つのゾーン以上にも細分することができる。自明なことであるが、ゾーンプロファイルを、４つのゾーンより少ないゾーンに細分することもできる。
【００５４】
期間プロファイルＡ２、Ａ２'、Ａ２''においては、期間におけるユーザの時間的権限が定義される。期間は、時間的に関連する領域と理解すべきである。期間は、一定の長さもしくは一定でない長さを有しうる。そのような期間プロファイルＡ２、Ａ２'、Ａ２''の例としての実施形態を図８に図示する。この実施形態において、時間的権限は、期間Ｗ'、Ｘ'、Ｙ'、Ｚ'に従う時間的権限である。図８は、複数のエレベータが、運搬手段１３として人／物を運搬する複数階ビル１５を示す。たとえば、ビル１５を左手半分と右手半分とに分ける。たとえば、ビル１５の半分の階を、４つの期間Ｗ'、Ｘ'、Ｙ'、Ｚ'に細分する。たとえば、期間Ｗ'は、低いアクセス優先順位を有する期間であり、その期間中は、実際上すべてのユーザならびビジターおよびゲストがアクセスできる。たとえば、期間Ｗ'は、午前７時から午後８時までの期間を含み、その期間中は、ビル１５の地上階のエントランス／レセプション、ならびにビル１５の地上２階のユーザレストランがアクセス可能である。たとえば、期間Ｘ'およびＹ'は、中間のアクセス優先順位をもつ２つの期間であり、その期間中は、なんらかの特権を有するユーザのみがアクセスできる。たとえば、期間Ｘ'は、エントランス／レセプションの、ユーザレストランの、およびビル１５のオフィスの掃除要員のための期間である。たとえば、期間Ｘ'の継続時間は、午後９時から真夜中の１２時である。たとえば、期間Ｙ'の半分の階にオフィスを有する会社の職員は、この期間Ｙ'の間にこのオフィスにアクセスすることができる。たとえば、期間Ｙ'は、午前７時から午後６時まで続く。たとえば、期間Ｚ'は、高い優先順位を有する期間であり、この期間中、一定の特権を有するユーザのみがアクセスできる。たとえば、ビル１５は、ペントハウスアパートを含み、このアパートには、そのペントハウスアパートの所有者／賃借人のみが、一日２４時間のうちの期間Ｚ'中アクセスできる。同一のアクセス優先順位の期間が、互いに隣接する必要はない。有利には、各期間は本発明の運搬手段１２でアクセス可能である。自明なことであるが、本発明の知識があれば、当業者は、期間プロファイルの制限されない変形形態を実現できる。示した期間プロファイルの実施形態は例としてのものであり、本発明の適用および／または保護の範囲を制限するものではない。たとえば、期間プロファイルは、より細かく、すなわち４つ以上の期間にも細分できる。自明なことであるが、期間プロファイルを４つ未満の期間に細分することもできる。最後に、期間の継続時間は自由に設定しうる。期間プロファイルも広く解釈されるべきであり、時間的なアクセス許可には制限されない。時間的な権限は、たとえば、ユーザの嗜好を期間において一時的に（たとえば月曜日はポップ音楽、金曜日はクラッシック音楽などと）変更するために、個別のプロファイルと組み合わされることができる。
【００５５】
個別プロファイルＡ３、Ａ３'、Ａ３''においては、そのユーザについての情報の個別の項目が定義される。個別プロファイルＡ３、Ａ３'、Ａ３''の情報の項目の例としては、ユーザ名、オフィス／階、ビル／オフィス番号、少なくとも１つの電話番号、誕生日（これにより、ユーザの誕生日に、運搬手段１３においてユーザに挨拶することが可能となる）、性別、体重（これにより、より効率的な運搬手段１３の活用が可能となる）などがある。しかしながら、個別プロファイルＡ３、Ａ３'、Ａ３''でやはり定義できるものとしては、たとえば、運搬手段においてそのユーザが受信することを望むもしくは望まないニュースのタイプ（たとえば、天気予報、株取引など）、そのユーザが運搬手段１３において聞くことを望むもしくは望まない音楽のタイプ（たとえば、ポップ音楽、ジャズ音楽、クラッシック音楽など）といったそのユーザの嗜好がある。自明なことであるが、本発明の知識があれば、当業者は、個別プロファイルの制限されない変形形態を実現することができる。個別プロファイルの上記実施形態は、例としてのものであり、本発明の適用および／または保護の範囲を制限するものではない。たとえば、個別プロファイルは、ニュース項目が、そのユーザに特別な順番（たとえば、まず天気で次が株取引）で提供されるという具合に改善されるなどできる。やはり定義しうるのものとしては、ユーザが、ジャズ音楽を、たとえば、とても不快と感じておりジャズ音楽なしですませることを望むなどである。
【００５６】
グループプロファイルＡ４、Ａ４'、Ａ４''においては、ユーザを運搬する際の優先順位についての情報などが格納される。たとえば、運搬手段１３の一定のユーザは、会社にとって特別な意義と重要性をもっている。運搬手段１３でそのような重要なユーザによって費やされる時間は、役に立たない時間もしくは無駄な時間を表す。多くのそのような重要なユーザが、しかしながら、頻繁に運搬手段１３で運搬される。したがって、そのような重要なユーザが、運搬手段１３で多くの時間を無駄にすることを避けることは必須である。この理由から、彼らは高い優先順位で運搬される。高い優先順位は、重要なユーザの運搬が、標準のユーザの運搬より高い重みづけを受けることを意味する。たとえば、制御装置１１は、重要なユーザの運搬に、標準ユーザの運搬の４倍の値をつける。そのような重要なユーザが、識別コードもしくは応答信号により認識されたときは、制御装置１１は、認識された識別コードもしくは応答信号に、たとえば４人の標準ユーザ分の物理的な存在を付与し、制御装置は、あたかも４人の標準ユーザが、認識装置に対しその運搬手段で運搬されたいという希望を示唆したかのように作動するが、実際にはたった一人の重要な人物が、これを行っている。自明なことであるが、本発明の知識があれば、当業者は、グループプロファイルの制限されない変形形態を実現することができる。グループプロファイルの上記の実施形態は例としてのものであり、本発明の適用および／または保護の範囲を制限するものではない。たとえば、グループプロファイルは、重要なユーザと標準ユーザの間で区別するだけでなく、たとえば３もしくは４のそのような重み付けがなされるように改善されることができる。
【００５７】
セキュリティプロファイルＡ５、Ａ５'、Ａ５''で定義されるのは、ハザード／リスクの評価（その人／物がハザードを呈するか？もしそうなら、運搬される他のどの人／物についてか？その人／物は、ハザードにさらされるか？もしそうなら、緊急事態が生じたときに、どんなステップをとるべきか？）など、ユーザのセキュリティ面に関する情報項目である。たとえば、運搬される物のアイテムが、ハザードとなるカテゴリに属するか否かも指定され得、もしそうなら、この物のアイテムにつき事故が起こったときには、どういうステップをとるべきかも指定し得、物のアイテムが、他のハザードとなるカテゴリからの物のアイテムと一緒に運搬されうるかどうかも指定し得、もしそうなら、何と一緒にどのぐらいの量を運べるかも指定し得る。たとえば、運搬される人が喘息を患っているかどうかが指定される。また、そのユーザが喘息の発作をおこしたときに、薬をとるべきかどうか、とるべきであればどのような種類のものをとるべきかが指定され得る。セキュリティプロファイルＡ５、Ａ５'、Ａ５''の一部、および／またはすべてのセキュリティプロファイルＡ５、Ａ５'、Ａ５''は、たとえば、運搬手段１３のモニタおよび／またはスピーカなどの手段を介してアクセス可能である。しかしながら、セキュリティプロファイルＡ５、Ａ５'、Ａ５''の一部、および／またはすべてのセキュリティプロファイルＡ５、Ａ５'、Ａ５''が、たとえば救急隊員および／または消防員などの特殊な責任ある人員によって、アクセス可能にもされ得る。セキュリティプロファイルＡ５、Ａ５'、Ａ５''へのアクセスは、様々な方法で調整されうる。たとえば、警報が運搬手段１３においてトリガされた後は、セキュリティプロファイルＡ５、Ａ５'、Ａ５''は、自動的に、部分的および／または完全にアクセス可能なようにされる。自明なことであるが、本発明の知識があれば、当業者は、セキュリティプロファイルの制限されない変形形態を実現できる。上記のセキュリティプロファイルの実施形態は、例としてのものであり、本発明の適用および保護の範囲を制限するものではない。
【００５８】
図９は、人／物の運搬のためのシステムの運搬プロファイルＢの一部を図示する。運搬プロファイルＢのこの例としての実施形態は、たとえば、図７による実施形態の３つのユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''に基づく。有利には、各ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''は、少なくとも１つの空間的ユーザプロファイルすなわちゾーンプロファイルＡ１，Ａ１'、Ａ１''、少なくとも１つの時間的ユーザプロファイルすなわち期間プロファイルＡ２、Ａ２'、Ａ２''、少なくとも１つの人／物に特定のユーザプロファイルすなわち個別プロファイルＡ３、Ａ３'、Ａ３''、少なくとも１つのグループに特定のユーザプロファイルすなわちグループプロファイルＡ４、Ａ４'、Ａ４''、および少なくとも１つのセキュリティ関連ユーザプロファイルすなわちセキュリティプロファイルＡ５，Ａ５'，Ａ５''を含む。
【００５９】
運搬される人／物のこれらの３つのユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''は、少なくとも１つの運搬プロファイルＢへとリンクされる。具体的には、ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''のリンクは、少なくとも１つの関数Ｆのルールにしたがって行われる。たとえば、ゾーンプロファイルＡ１、Ａ１'、Ａ１''は、少なくとも１つのゾーン関数Ｆ１に従ってリンクされる。たとえば、期間プロファイルＡ２、Ａ２'、Ａ２''は、少なくとも１つの期間関数Ｆ２に従ってリンクされる。たとえば、個別プロファイルＡ３、Ａ３'、Ａ３''は、少なくとも１つの個別関数Ｆ３に従ってリンクされる。たとえば、グループプロファイルＡ４、Ａ４'、Ａ４''は、少なくとも１つのグループ関数Ｆ４に従ってリンクされる。たとえば、セキュリティプロファイルＡ５、Ａ５'、Ａ５''は、少なくとも１つのセキュリティ関数Ｆ５に従ってリンクされる。有利には、関数Ｆは、「ＡＮＤ」、「ＯＲ」、「ＮＯＴ」などの少なくとも１つの論理ゲートである。
【００６０】
このリンクの結果Ｒは、たとえば少なくとも１つのゾーン結果Ｒ１として、たとえば少なくとも１つの期間結果Ｒ２として、たとえば少なくとも１つの個別結果Ｒ３として、たとえば少なくとも１つのグループ結果Ｒ４として、たとえば少なくとも１つのセキュリティ結果Ｒ５として出力される。
【００６１】
以下では、例にもとづいて本発明の説明を行う。たとえば、何人かの人が、認識装置１０の認識信号２によって認識され、制御装置１１の認識された応答信号によって明瞭に識別される。たとえば、これらの人は、現在、ビル１５のあるフロア（たとえば、地上階）におり、設置エレベータの形式の運搬手段１３の前にいる。これらの人のユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''は、運搬プロファイルＢへとリンクされる。たとえば、これらの人の個別プロファイルＡ３、Ａ３'、Ａ３''を個別関数Ｆ３に従ってリンクした結果は、これらの待っている人の何人かが、ビル１５の同じフロア（たとえば、６階）に運搬されることを希望するというものであった。結果として生じる運搬プロファイルＢは、設置エレベータに対する２次制御信号５をもたらし、この２次制御信号５の示すところは、６階に運搬されることを希望する待っている人々は、設置エレベータの指定されたエレベータに（たとえば、光信号および／または音響信号によって）案内されるべきであり、かつ６階の移動先へ直接ひとつのグループとして運搬されるべきである、ということである。
【００６２】
運搬プロファイルＢに従った運搬は、したがって、設置エレベータの資源が最適化されているためより効率的である。運搬プロファイルＢに従った運搬は、運搬される人／物にとってより快適でもある、というのも、たとえば、指定されたエレベータが直接移動先まで動き、途中でとまらないからである。結局、運搬プロファイルＢによる運搬は、望ましくない運搬嗜好を選択的に防ぐことを可能し、たとえば、指定されたエレベータでは、運搬される人が誰も受け取ることを望んでいないニュース項目が選択的に回避される。
【００６３】
この方法においては、運搬手段１３の製造業者が、運搬手段１３のメンテナンスとサービスを行うのみならず、メンテナンス、サービス、およびユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''の更新を行うことも可能である。これは、運搬手段１３の製造業者が、多くの顧客を維持するのを可能にする新しいサービスの提供である。特に、多くの都市に会社のオフィスを有する国際企業にとって、このサービス提供は、助かるものであり、かつ目的のあるものであり得る。たとえば、設置エレベータの製造業者は、設置エレベータを、顧客／会社の対応する多くのビル１５および／または階で、メンテナンスしかつサービスできるだけでなく、これらの多くのビル１５につきユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''をメンテナンスし、サービスし、かつ／または更新することもできる。ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''は、互いに適合されることができ、かつ／または交換することができ、かつ／または中央で管理することができる。たとえば、顧客／会社のすべてのビル／階のユーザプロファイルは、互いに互換性がある。重要なユーザは、たとえば、顧客／会社の第１のビルでのみ重要なユーザとして運搬されるのではなく、顧客会社の他のビルでも重要なユーザとして運搬される。これは、設置エレベータの効率が増大することを可能にする、というのも、すべてのビル１５において、ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''が用いられ、かつ／またはユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''が、運搬プロファイルＢへとリンクされ、かつ、このことが運搬される人／物の要請の増大した満足をもたらすからである。
【００６４】
この方法では、少なくとも１つのユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''に従ってタイムレコードを実行することも可能である。たとえば、システム１００のビル１５の少なくとも１つのゾーンＷ、Ｘ、Ｙ、Ｚにおけるユーザの存在が、ゾーンタイムとして、すなわち、ゾーンＷ、Ｘ、Ｙ、Ｚへの少なくとも１つへの入りとこれからの退去との間の時間差として記録される。たとえば、ユーザが、午前８時にビル１５のエントランス／レセプションで応答信号２を介して認識され、ゾーンプロファイルＡ１、Ａ１'、Ａ１''を伴うユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''が、その認識された応答信号に割り当てられ、そのゾーンプロファイルＡ１、Ａ１'、Ａ１''に応じて、そのユーザは、ビル１５の１つのゾーンＷ、Ｘ、Ｙ、Ｚに入る。ゾーンＷ、Ｘ、Ｙ、Ｚへのこのアクセス時刻が記録され、後ほど、たとえば正午の１２時に、ユーザはこのゾーンＷ、Ｘ、Ｙ、Ｚを離れる。そのユーザが、再び応答信号２を介して認識され、ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''が認識された応答に割り当てられ、そしてそのユーザは、そのゾーンＷ、Ｘ、Ｙ、Ｚを離れる。このゾーンＷ、Ｘ、Ｙ、Ｚを退去する時間は記録される。この方法で、顧客／会社のビル／フロアの複数のゾーン時間が、タイムレコードのために列挙されうる。
【００６５】
このタイムレコードは、ユーザプロファイルＡ、Ａ'、Ａ''の少なくともなんらかの１つの基準に従って実行される。たとえば、時間単位ごとおよびゾーンＷ、Ｘ、Ｙ、Ｚ毎に、各ユーザのゾーン時間が記録される。これらのユーザに対する特定のゾーン時間の各々は、ユーザに特定の対応する給料コスト値とかけ合わせられて、ユーザに特定のゾーン時間給料コスト値が求まる。ユーザに特定のゾーン時間給料コスト値が足し合わされて、ゾーン給料コスト総計が求まる。これにより、この顧客／会社の労働プロジェクトは、ゾーン指定的に分割することができるようになり、かつ給料コストが、ゾーン指定的にかつユーザ指定的に時間単位ごとに記録し得るようになる。自明なことであるが、本発明の知識があれば、当業者は、本明細書で記載されていない、ユーザプロファイルに基づいたタイムレコードの他の制限されない変形形態を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステムを機能させる方法を示すブロック図である。
【図２】人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステムの第一の例としての実施形態の原理を示す図である。
【図３】人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステムの第二の例としての実施形態の原理を示す図である。
【図４】人／物のセキュリティ制御のためのシステム、および／または人／物の運搬のためのシステムの第３の例としての実施形態の原理を示す図である。
【図５】図１から４による人／物の運搬のためのシステムの運搬プロファイルにユーザプロファイルをリンクすることを示すブロック図である。
【図６】図１から４による人／物の運搬のためのシステムのユーザプロファイルの一部を示す図である。
【図７】図１から４による人／物の運搬のためのシステムのゾーンプロファイルの一部を示す図である。
【図８】図１から４による人／物の運搬のためのシステムの期間プロファイルの一部を示す図である。
【図９】図１から４による人／物の運搬のためのシステムの運搬プロファイルの一部を示す図である。
【符号の説明】
１、１'、１'' 識別送信機
２、２'、２'' 応答信号
３、３'、３'' 制御プロトコル
４、４'、４'' ユーザプロファイル
５ ２次制御信号
１０、１０' 認識装置
１１、１１' 制御装置
１２ コンピュータ
１３ 運搬手段
１４ アクセス手段
１５ ビル
２０ 初期化段階
２１ 構成段階
２２ 応答信号読み取り段階
２３ 制御信号読み取り段階
２４ 命令段階
６０ 標準プロトコル
６１ 構成
１００ システム
１１０、１１０' プロセッサ
１１１ バスプロセッサ
Ａ、Ａ'、Ａ'' ユーザプロファイル
Ａ１、Ａ１'、Ａ１'' ゾーンプロファイル
Ａ２、Ａ２'、Ａ２'' 期間プロファイル
Ａ３、Ａ３'、Ａ３'' 個別プロファイル
Ａ４、Ａ４'、Ａ４'' グループプロファイル
Ａ５、Ａ５'、Ａ５'' セキュリティプロファイル
Ｗ、Ｗ'、Ｗ''、Ｘ、Ｘ'、Ｘ''、Ｙ、Ｙ'、Ｙ''、Ｚ、Ｚ'、Ｚ'' ゾーン
Ｆ、Ｆ１、Ｆ２、Ｆ３、Ｆ４、Ｆ５ 関数
Ｒ、Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３、Ｒ４、Ｒ５ 結果

Claims (3)

1. 無線周波数手段を使用して識別送信機が応答信号を関連する認識装置に送出し、各認識装置が応答信号の１つを認識することに応答して制御信号を送出する、人による複数の移動先への制御されたアクセスのためのシステムの動作方法であって、
   ａ）複数の移動先の所定の１つへの、人であるユーザについてのアクセス情報を含むユーザプロファイルをコンピュータメモリ内に格納するステップと、
   ｂ）複数の認識装置の１つを使用して、ユーザプロファイルに関連する識別送信機から、ユーザを識別する応答信号を受信するステップと、
   ｃ）応答信号を認識すると、複数の認識装置の１つから複数の異なる所定の制御プロトコルの１つである制御プロトコルに従って制御信号を生成し、制御信号を制御装置に送信するステップと、
   ｄ）制御装置を使用して、制御信号を標準プロトコルに変換し、標準プロトコル制御信号を認識すると、格納されたユーザプロファイルの中のアクセス情報に基づき２次制御信号を生成するステップとを有し、制御装置は、制御信号を少なくとも２つの異なる制御プロトコルから標準プロトコルへ変換するようにプログラムされており、
   ｅ）エレベータシステムの１つの運搬プロファイルとしてユーザプロファイルを使用して、ユーザを所定の１つの移動先へ運ぶようにエレベータシステムに命令することにより、２次制御信号に応答してシステムを制御するステップを有し、前記ステップｃ）からｅ）がユーザによるアクション無しで実行される、方法。
2. 他のユーザについて前記ステップａ）からｃ）を実行することを含み、前記ステップｄ）は、前記運搬プロファイルを作るため少なくとも１つの論理ゲートに関して、両ユーザについてのユーザプロファイルを組み合わせることを含む、請求項１に記載の方法。
3. 人による複数の移動先への制御されたアクセスのためのシステムを制御する制御装置であって、
   複数の移動先の所定の１つへの、人であるユーザについてのアクセス情報を含むユーザプロファイルを格納する格納手段と、
   無線周波数手段を使用して、前記ユーザプロファイルに関連し、ユーザを識別する応答信号を送信する識別送信機と、
   前記応答信号を認識すると、複数の異なる制御プロトコルの１つである制御プロトコルに従って制御信号を生成する複数の認識装置の少なくとも１つと、
   前記格納手段と前記認識装置に接続され、制御信号を受信して前記１つの制御プロトコルを認識し、前記制御信号を前記１つの制御プロトコルから標準制御プロトコルに変換し、前記制御信号を認識すると前記格納されたユーザプロファイルの中の前記アクセス情報に基づき２次制御信号を生成し、制御信号を少なくとも２つの複数の異なる制御プロトコルから標準プロトコルへ変換するようにプログラムされ、前記２次制御信号がエレベータシステムの１つの運搬プロファイルとしてユーザプロファイルを使用して、ユーザを所定の１つの移動先へ運ぶようにエレベータシステムを制御するように構成された、制御装置とを有する、システムを制御する制御装置。

Images