JP4772181B2 - 負荷駆動回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
外部からの入力信号を駆動負荷に供給する負荷駆動回路に関し、例えば、駆動回路一体型の液晶表示装置の信号線駆動回路に適用可能な負荷駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、信号線および走査線がマトリクス状に配設された画素アレイ部と、信号線および走査線を駆動する駆動回路とを有する。従来は、画素アレイ部と駆動回路とを別個の基板に形成していたため、液晶表示装置のコストダウンを図ることが困難で、また、液晶表示装置の外形寸法に対する実画面サイズの比率を高めることも難しかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ガラス基板上にポリシリコンを材料としてTFT(Thin Film Transistor)を形成する製造技術が進歩してきたため、この技術を利用することにより、画素アレイ部と駆動回路とを同一基板上に形成することも可能になった。
【0004】
しかしながら、ガラス基板上に均一な特性のポリシリコンTFTを形成することは現状では困難であり、しきい値電圧や移動度などがばらついてしまう。したがって、仮に画素アレイ部と駆動回路を同一基板上に形成したとしても、TFTの特性のばらつきにより輝度むら等の表示品質の低下が起きるおそれがあり、また、消費電力も増えてしまう。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動負荷に供給される電圧が、トランジスタの特性のばらつきの影響により変動しないようにし、かつ影響がでる場合でもその影響を最小限に抑えることのできる負荷駆動回路を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る負荷駆動回路は、所定の電圧振幅の入力信号が入力され、この入力信号の電圧を負荷が接続されている信号線に供給する負荷駆動回路であって、第1端子が前記信号線に接続され、前記信号線の電圧が前記入力信号の電圧よりも低い場合には前記信号線の電圧を上昇させるように制御し、前記信号線の電圧が前記入力信号の電圧よりも高い場合には前記信号線の電圧を上昇させるように制御する、信号線電圧制御回路であって、直列的に接続された奇数個のインバータを有し、前記信号線の電圧の制御を行う前に、前記各インバータの入力端子の電圧を前記各インバータのしきい値電圧に設定する、信号線電圧制御回路と、第1端子が前記信号線電圧制御回路の第2端子に接続され、第2端子が前記入力信号が入力される際には前記入力信号の入力端子に接続され、前記信号線電圧制御回路が前記信号線の電圧の制御を行う際には前記信号線に接続される、第1差分電圧保持回路であって、前記信号線電圧制御回路が前記信号線の電圧を制御する際に、前記信号線電圧制御回路の前記各インバータのうち最も入力側に位置するインバータのしきい値電圧と、前記入力信号の電圧との差分電圧を保持する、第1差分電圧保持回路と、前記信号線電圧制御回路が前記信号線の電圧の制御を行う前に、前記第1差分電圧保持回路が保持すべき差分電圧を前記第1差分電圧保持回路に設定する、第1差分電圧設定回路と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る負荷駆動回路は、所定の電圧振幅の入力信号が入力され、この入力信号の電圧を負荷が接続されている信号線に供給する負荷駆動回路であって、前記信号線の電圧を制御する際には出力端子が前記信号線に接続される反転増幅回路であって、インバータと、前記インバータの入力端子と出力端子の間を前記信号線の電圧を制御する前に一旦接続するスイッチと、前記インバータの入力側に接続された第1キャパシタとを、有するしきい値電圧設定機能付インバータ回路を、奇数個直列的に接続して構成される、反転増幅回路と、一端が前記反転増幅回路の入力端子に接続され、他端が前記入力信号が入力される際には前記入力信号の入力端子に接続され、前記反転増幅回路が前記信号線の電圧の制御を行う際には前記信号線に接続される、第2キャパシタと、前記第2キャパシタの前記一端に接続され、前記反転増幅回路が前記信号線の電圧を制御する際に保持すべき差分電圧を前記第2キャパシタに設定する際に、一定の電圧を供給する、一定電圧供給回路と、を備えることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明に係る負荷駆動回路は、所定の電圧振幅の入力信号が入力され、この入力信号の電圧を負荷が接続されている信号線に供給する負荷駆動回路であって、前記信号線の電圧を制御する際には出力端子が前記信号線に接続される反転増幅回路であって、最も入力端子側に設けられた第1しきい値電圧設定機能付インバータ回路であって、インバータと、前記インバータの入力端子と出力端子の間を前記信号線の電圧を制御する前に一旦接続するスイッチとを、有する第1しきい値電圧設定機能付インバータ回路と、前記第1しきい値電圧設定機能付インバータ回路に偶数個直列的に接続された第2しきい値電圧設定機能付インバータ回路であって、インバータと、前記インバータの入力端子と出力端子の間を前記信号線の電圧を制御する前に一旦接続するスイッチと、前記インバータの入力側に接続された第1キャパシタとを、有する第2しきい値電圧設定機能付インバータ回路と、有する反転増幅回路と、一端が前記第1しきい値電圧設定機能付インバータ回路の入力端子に接続され、他端が前記入力信号が入力される際には前記入力信号の入力端子に接続され、前記反転増幅回路が前記信号線の電圧の制御を行う際には前記信号線電圧に接続される、第2キャパシタと、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る負荷駆動回路は、所定の電圧振幅の入力信号が入力され、この入力信号の電圧を負荷が接続されている信号線に供給する負荷駆動回路であって、基準電圧が供給される非反転入力端子と、前記信号線に接続される出力端子とを有する差動増幅回路と、前記差動増幅回路の反転入力端子に接続され、前記入力信号の電圧と前記基準電圧との差分電圧を保持する、差分電圧保持回路と、前記差分電圧保持回路に前記差分電圧を保持した状態で、前記差動増幅回路の出力端子と前記差分電圧保持回路とを接続し、前記差分電圧保持回路を含む負帰還ループを構成することにより、前記信号線に電圧を供給する、第1負帰還回路と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る液晶表示装置は、信号線および走査線が縦横に形成され、これら各線の交点付近に列設された画素電極を有するた画素アレイ部と、走査線の駆動を行う走査線駆動回路と、信号線の駆動を行う信号線駆動回路と、を同一基板上に形成した液晶表示装置において、前記信号線駆動回路は、上述した負荷駆動回路を備えることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る負荷駆動回路について、図面を参照しながら具体的に説明する。以下では、本発明に係る負荷駆動回路を、液晶表示装置の信号線駆動回路に適用した例を説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る負荷駆動回路は、信号線の電圧を制御する反転増幅回路の各インバータの入力端子の電圧を、各インバータのしきい値電圧に略等しく設定しておくことにより、各インバータのしきい値電圧にばらつきが生じていても、信号線の電圧を所望の電圧に制御することができるようにしたものである。より詳しくを以下に説明する。
【0013】
図1は本発明の第1実施形態に係る負荷駆動回路の主要部の構成を示す回路図であり、図2は負荷駆動回路全体の構成を示す概略ブロック図であり、図3は図2に示す負荷駆動回路を信号線駆動回路として用いた液晶表示装置の概略ブロック図である。
【0014】
図3に示す液晶表示装置は、画素アレイ2と信号線駆動回路3と走査線駆動回路4とを備えている。画素アレイ2には、信号線S1〜Snおよび走査線G1〜Gnが縦横に形成されこれらの交点付近に画素表示用のTFT1が設けられている。信号線駆動回路3は、各信号線S1〜Snを駆動する回路である。走査線駆動回路4は、各走査線G1〜Gnを駆動する回路である。
【0015】
図3の液晶表示装置を構成する各部は、同一基板上に形成され、信号線駆動回路3や走査線駆動回路4を構成するトランジスタは、画素表示用のTFT1と同じ製造プロセスで形成される。
【0016】
信号線駆動回路3は、図2に示す負荷駆動回路を用いて構成される。図2の負荷駆動回路は、信号線のそれぞれに対応して設けられた負荷駆動回路11と、これら負荷駆動回路11内の各種スイッチを切換制御するスイッチ切換制御回路12とを有する。
【0017】
図1は負荷駆動回路11の回路図である。負荷駆動回路11のそれぞれは、図1に示すように、スイッチSW1〜SW3と、前段インバータINV1と中段インバータINV2と後段インバータINV3とからなる反転増幅回路10と、キャパシタC1とを、備えて構成されている。負荷駆動回路11により駆動される信号線Sには、図3に示すように、画素表示用のTFT、液晶容量および補助容量等が接続されており、図1では簡略化のため、信号線Sの負荷を等価的に抵抗RとキャパシタC0とで表している。
【0018】
スイッチSW1の一端は信号線Sに接続され、スイッチSW1の他端はスイッチSW3の一端とキャパシタC1の一端に接続されている。スイッチSW3の他端は入力映像信号Vinの入力端子に接続されている。キャパシタC1の他端は、反転増幅回路10の入力端子に接続されている。反転増幅回路10の出力端子は、スイッチSW2の一端に接続されている。スイッチSW2の他端は、上述した信号線Sに接続されている。
【0019】
反転増幅回路10は、前段インバータINV1と中段インバータINV2と後段インバータINV3とを、直列的に接続することにより構成されている。スイッチSW1〜SW3は、図2に示したスイッチ切換制御回路12により切換制御される。
【0020】
図1では、スイッチSW1とキャパシタC1との接続点をa点とし、キャパシタC1と反転増幅回路10との接続点をb点とし、中段インバータINV2と後段インバータINV3の接続点をc点とし、スイッチSW1とスイッチSW2との接続点をd点とし、前段インバータINV1と中段インバータINV2との接続点をe点とし、後段インバータINV3とスイッチSW2との接続点をf点としている。
【0021】
なお、反転増幅回路10が本実施形態における信号線電圧制御回路を構成し、キャパシタC1が本実施形態における第1差分電圧保持回路を構成し、スイッチSW3が本実施形態における第1差分電圧設定回路を構成する。
【0022】
図4は、後段インバータINV3の回路構成の一例を示す図であるが、他の前段インバータINV1や中段インバータINV2もこれと同様の構成である。この図4に示すように、後段インバータINV3は、P型のMOSトランジスタQ1とN型のMOSトランジスタQ2とを備えて構成されている。これらMOSトランジスタQ1、Q2は、電圧V1(例えば、10V)の基準電圧端子と電圧V2(例えば、0V)の基準電圧端子との間に直列的に接続されている。そして、MOSトランジスタQ1、Q2のゲート端子は、後段インバータINV3の入力端子に共通接続され、MOSトランジスタQ1、Q2のドレイン端子は、後段インバータINV3の出力端子に共通接続されている。
【0023】
図5は、本実施形態に係るインバータINV1〜INV3の入出力特性を示すグラフである。この図5のグラフの例では、前段インバータINV1は、本来であれば5Vになるはずのしきい値電圧が、5.5Vになっている。中段インバータINV2は、本来であれば5Vになるはずのしきい値電圧が、4.5Vになっている。後段インバータINV3は、本来の設計通りの5Vのしきい値電圧になっている。このようにインバータINV1〜INV3のしきい値電圧がばらつくのは、ガラス基板上に特性の均一なポリシリコンを形成するのは困難であり、このためMOSトランジスタQ1、Q2の特性もばらつくためである。
【0024】
図6は図1の負荷駆動回路11内の各部のタイミング図であり、以下、このタイミング図を用いて図1の負荷駆動回路11の動作を説明する。
【0025】
まず、時刻T11〜T12の期間(サンプリング期間)内に、スイッチ切換制御回路12は、スイッチSW3をオンにして、それ以外のスイッチであるスイッチSW1、SW2をオフにする。これにより、図1のa点の電圧は、入力映像信号Vinの電圧に略等しくなる。図6では、入力映像信号Vinの電圧が3Vである例を示している。但し、スイッチSW1がオフであるので、信号線S(図1のd点)の電圧は、時刻T11以前に供給された電圧を維持する。この図6の例では、7Vを維持する。
【0026】
ここで、上述したように、前段インバータINV1のしきい値電圧が5.5Vであり、中段インバータINV2のしきい値電圧が4.5Vであり、後段インバータINV3のしきい値電圧が5Vであると仮定すると、何らかの手段により、この前段インバータINV1の入力端子の電圧を5.5Vに設定し、中段インバータINV2の入力端子の電圧を4.5Vに設定し、後段インバータINV3の入力端子の電圧を5Vに設定する。つまり、インバータINV1〜INV3の入力端子の電圧を、インバータINV1〜INV3のそれぞれのしきい値電圧に略等しく設定する。このようにインバータINV1〜INV3の入力端子の電圧を、しきい値電圧に設定する手法は、後述する他の実施形態で説明する。
【0027】
このようにインバータINV1〜INV3の入力端子をそれぞれのしきい値電圧に略等しく設定することにより、反転増幅回路10の増幅度を最大値近傍にすることができる。反転増幅回路10の増幅度とは、反転増幅回路10の入力電圧の変化量に対する出力電圧の変化量の比をいう。つまり、この設定により、反転増幅回路10の入力端子の電圧が僅かに変化しただけでも、反転増幅回路10の出力端子の電圧は、反転して大きく変化することになる。
【0028】
また、上述したように、図1のa点の電圧は入力映像信号Vinの電圧である3Vになっており、図1のb点の電圧は上述したe点の電圧と同様に5.5Vになっている。このため、時刻T11〜時刻T12の期間(サンプリング期間)では、キャパシタC1には、このキャパシタC1が後述する時刻T12以降で保持すべき、入力映像信号Vinの電圧(例えば、3V)と前段インバータINV1のしきい値電圧(例えば、5.5V)の差分電圧(例えば、2.5V)が設定される。
【0029】
次に、時刻T12以降の期間(書き込み期間、安定期間)では、スイッチ切換制御回路12は、スイッチSW1、SW2をオンにして、これ以外のスイッチであるスイッチSW3をオフにする。時刻T12の時点では、図1のa点は3Vであるのに対し、d点は7Vである。このため、スイッチSW1がオンすると、a点の電圧がd点に引きづられて上昇する。キャパシタC1は上述した差分電圧(2.5V)を保持しているので、このキャパシタC1の他端側である図1のb点の電圧もa点の電圧に追随して上昇する。
【0030】
図1のb点の電圧が上昇すると、前段インバータINV1の論理出力がローレベル(例えば、0V)になろうとし、中段インバータINV2の論理出力がハイレベル(例えば、10V)になろうとし、後段インバータINV3の論理出力がローレベル(例えば、0V)になろうとする。つまり、図1のb点の電圧が上昇すると、反転増幅回路10の論理出力が反転してローレベル(例えば、0V)になろうとする。これにより、信号線Sの電圧も下降する。信号線Sの電圧が下降すると、それに応じて、図1のa点、b点の電圧も下降する。
【0031】
そのまま信号線S(図1のd点)の電圧が下降すると、やがて、信号線Sの電圧が入力映像信号Vinの電圧である3Vに等しくなり、図1のa点の電圧も3Vに等しくなる。キャパシタC1は上述した差分電圧(2.5V)を保持しているので、図1のb点の電圧は前段インバータINV1のしきい値電圧である5.5Vになる。このため、前段インバータINV1の論理出力が反転してハイレベル(例えば、10V)になろうとし、中段インバータINV2の論理出力が反転してローレベル(例えば、0V)になろうとし、後段インバータINV3の論理出力が反転しハイレベル(例えば、10V)になろうとする。つまり、図1のb点の電圧が3Vを下回ると、反転増幅回路10の論理出力が反転してハイレベル(例えば、10V)になろうとする。これにより、信号線Sの電圧も上昇する。信号線Sの電圧が上昇すると、それに応じて、図1のa点、b点の電圧も上昇する。このような現象を繰り返して、時刻T13以降においては、信号線Sの電圧は、入力映像信号Vinの電圧である3Vに略等しく収束し、安定する。
【0032】
但し、実際には、図1のa点とd点とf点の電圧は、完全な3Vに安定するのではなく、オフセット電圧ΔVa1だけずれて、3V+ΔVa1になる。また、図1のb点の電圧も、オフセット電圧ΔVa1だけずれて、5.5V+ΔVa1になる。このため、図1のe点の電圧は、オフセット電圧ΔVb1だけずれて、5.5V−ΔVb1になる。また、図1のc点の電圧は、オフセット電圧ΔVc1だけずれて、4.5V+ΔVc1になる。
【0033】
しかし、上述したように時刻T11〜時刻T12の期間でインバータINV1〜INV3の入力端子の電圧をそれぞれのしきい値電圧に略等しく設定しているので、反転増幅回路10の増幅度は極めて大きくなっている。このため、オフセット電圧ΔVa1を極めて小さくすることが可能になる。つまり、オフセット電圧ΔVa1は、実質的にほぼ0Vと考えることができ、図1のd点とa点とf点の電圧は、実質的に3Vに略等しくなると言える。
【0034】
以上のように、本発明の第1実施形態に係る負荷駆動回路11によれば、反転増幅回路10を構成する前段インバータINV1と中段インバータINV2と後段インバータINV3の入力端子の電圧を、それぞれのしきい値電圧に略等しく設定し、且つ、入力映像信号Vinの電圧と前段インバータINV1のしきい値電圧との差分電圧をキャパシタC1に保持した状態で、スイッチSW1、SW2と、反転増幅回路10とで帰還ループを構成することとしたので、信号線Sの電圧を入力映像信号Vinの電圧に略等しく設定することができる。
【0035】
すなわち、信号線Sの電圧が入力映像信号Vinの電圧(図1のa点の電圧)よりも低くなる場合には、図4に示したインバータINV3を構成するP型のMOSトランジスタQ1のソース−ドレイン間抵抗の方が、N型のMOSトランジスタQ2のソース−ドレイン間抵抗よりも小さくなり、インバータINV3の出力端子から電圧V1(例えば、10V)が供給される。このため、信号線Sの電圧が上昇する。
【0036】
一方、信号線Sの電圧が入力映像信号Vinの電圧(図1のa点の電圧)よりも高くなる場合には、図4に示したインバータINV3を構成するP型のMOSトランジスタQ1のソース−ドレイン間抵抗の方が、N型のMOSトランジスタQ2のソース−ドレイン間抵抗よりも大きくなり、信号線Sの電圧が電圧V2(例えば、0V)に引き込まれる。このため、信号線Sの電圧が下降する。このような動作を繰り返すことにより、信号線Sの電圧を、入力映像信号Vinの電圧と略等しい電圧に設定することができる。
【0037】
さらに、インバータINV1〜INV3の各入力端子の電圧を、それぞれのしきい値電圧に略等しい電圧に設定し、且つ、前段インバータINV1のしきい値電圧と入力映像信号Vinの電圧の差分電圧をキャパシタC1に保持させることにより、インバータINV1〜INV3のしきい値電圧にばらつきがあっても、反転増幅回路10を増幅度が最大となる状態近傍で動作させることができるので、オフセット電圧ΔVa1を可及的に0Vに近づけることができ、信号線Sの電圧を入力映像信号Vinの電圧に略等しく設定することができる。
【0038】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態は、上述した第1実施形態における各インバータINV1〜INV3の入力端子のそれぞれの電圧を、各インバータINV1〜INV3のしきい値電圧に設定する具体的手法を明らかにしたものである。
【0039】
図7は本実施形態に係る負荷駆動回路11の回路図であり、上述した第1実施形態と同様に、液晶表示装置の信号線駆動回路3に用いられるものである。本実施形態に係る負荷駆動回路11は、上述した図1に示す負荷駆動回路11に、スイッチSW4〜SW7とキャパシタC2〜C4とを加えて構成されている。
【0040】
スイッチSW4の一端は前段インバータINV1の入力端子に接続され、スイッチSW4の他端は前段インバータINV1の出力端子に接続されている。スイッチSW5の一端は中段インバータINV2の入力端子に接続され、スイッチSW5の他端は中段インバータINV2の出力端子に接続されている。スイッチSW6の一端は後段インバータINV3の入力端子に接続され、スイッチSW6の他端は後段インバータINV3の出力端子に接続されている。
【0041】
キャパシタC1の他端と前段インバータINV1の入力端子との間には、キャパシタC2が接続されており、前段インバータINV1の出力端子と中段インバータINV2の入力端子との間にはキャパシタC3が接続されており、中段インバータINV2の出力端子と後段インバータINV3の入力端子との間にはキャパシタC4が接続されている。
【0042】
上述した前段インバータINV1とキャパシタC2とスイッチSW4とで、前段のしきい値電圧設定機能付インバータ回路7を構成し、中段インバータINV2とキャパシタC3とスイッチSW5とで、中段のしきい値電圧設定機能付インバータ回路8を構成し、後段インバータINV3とキャパシタC4とスイッチSW6とで、後段のしきい値電圧設定機能付インバータ回路9を構成する。
【0043】
スイッチSW7の一端はキャパシタC1の他端に接続され、スイッチSW7の他端は電圧V3(例えば、5V)の基準電圧端子に接続されている。
【0044】
上述した第1実施形態と同様に、スイッチSW4〜SW7も、図2に示したスイッチ切換制御回路12により切換制御される。
【0045】
図7では、スイッチSW1とキャパシタC1との接続点をa点とし、キャパシタC1とキャパシタC2との接続点をb点とし、中段インバータINV2とキャパシタC4との接続点をc点とし、スイッチSW1とスイッチSW2との接続点をd点とし、インバータINV1とキャパシタC3との接続点をe点とし、後段インバータINV3とスイッチSW2との接続点をf点としている。
【0046】
なお、反転増幅回路10が本実施形態における信号線電圧制御回路を構成し、キャパシタC1とキャパシタC2とスイッチSW7とが本実施形態における第1差分電圧保持回路を構成し、スイッチSW3、SW4、SW7が本実施形態における第1差分電圧設定回路を構成し、キャパシタC3、C4のそれぞれが本実施形態における第2差分電圧保持回路を構成し、スイッチSW5、SW6のそれぞれが本実施形態における第2差分電圧設定回路を構成し、キャパシタC1が第3差分電圧保持回路を構成し、キャパシタC2が第4差分電圧保持回路を構成し、スイッチSW7が一定電圧供給回路を構成する。
【0047】
図8は図7の負荷駆動回路11内の各部のタイミング図であり、以下、このタイミング図を用いて図7の負荷駆動回路11の動作を説明する。
【0048】
まず、時刻T21〜T22の期間(サンプリング期間)内に、スイッチ切換制御回路12は、スイッチSW3〜SW7をオンにして、それ以外のスイッチであるスイッチSW1、SW2をオフにする。これにより、図7のa点の電圧は、入力映像信号Vinの電圧に略等しくなる。図8では、入力映像信号Vinの電圧が3Vである例を示している。但し、スイッチSW1がオフであるので、信号線S(図7のd点)の電圧は、時刻T21以前に供給された電圧を維持する。この図8の例では、7Vを維持する。
【0049】
ここで、前段インバータINV1のしきい値電圧が5.5Vであり、中段インバータINV2のしきい値電圧が4.5Vであり、後段インバータINV3のしきい値電圧が5Vであると仮定すると、スイッチSW4〜SW6がオンであるので、前段インバータINV1の入力端子の電圧は、図7のe点と同電圧の5.5Vに設定される。中段インバータINV2の入力端子の電圧は、図7のc点と同電圧の4.5Vに設定される。後段インバータINV3の入力端子の電圧は、図7のf点と同電圧の5Vに設定される。つまり、インバータINV1〜INV3の入力端子の電圧を、インバータINV1〜INV3のそれぞれのしきい値電圧に略等しく設定する。
【0050】
上述した第1実施形態で説明したように、このようにインバータINV1〜INV3の入力端子をそれぞれのしきい値電圧に略等しく設定することにより、反転増幅回路10の増幅度を最大値近傍にすることができる。
【0051】
また、上述したように、図7のa点の電圧は入力映像信号Vinの電圧である3Vになっている。一方、スイッチSW7がオンであるので、キャパシタC1の他端である図7のf点の電圧は、電圧V3(例えば、5V)になっている。
【0052】
このため、時刻T21〜時刻T22の期間(サンプリング期間)では、キャパシタC1には、このキャパシタC1が後述する時刻T22以降で保持すべき、入力映像信号Vinの電圧(例えば、3V)と電圧V3(例えば、5V)の差分電圧(例えば、2V)が設定される。キャパシタC2には、このキャパシタC2が後述する時刻T22以降で保持すべき、電圧V3(例えば、5V)と前段インバータINV1のしきい値電圧(例えば、5.5V)との差分電圧(例えば、0.5V)が設定される。キャパシタC3には、このキャパシタC3が後述する時刻T22以降で保持すべき、前段インバータINV1のしきい値電圧(例えば、5.5V)と中段インバータINV2のしきい値電圧(例えば、4.5)の差分電圧(例えば、−1V)が設定される。キャパシタC4には、このキャパシタC4が後述する時刻T22以降で保持すべき、中段インバータINV2のしきい値電圧(例えば、4.5V)と後段インバータINV3のしきい値電圧(例えば、5V)の差分電圧(例えば、0.5V)が設定される。
【0053】
次に、時刻T22以降の期間(書き込み期間、安定期間)では、スイッチ切換制御回路12は、スイッチSW1、SW2をオンにして、これ以外のスイッチであるスイッチSW3〜SW7をオフにする。時刻T22の時点では、図7のa点は3Vであるのに対し、d点は7Vである。このため、スイッチSW1がオンすると、a点の電圧がd点に引きづられて上昇する。キャパシタC1は上述した差分電圧(2V)を保持しているので、このキャパシタC1の他端側である図7のb点の電圧もa点の電圧に追随して上昇する。
【0054】
図7のb点の電圧が上昇すると、キャパシタC2が上述した差分電圧(0.5V)を保持しているので、このキャパシタC2の他端側である前段インバータINV1の入力端子の電圧も追随して上昇する。前段インバータINV1の入力端子の電圧が上昇すると、前段インバータINV1の論理出力がローレベル(例えば、0V)になり、図7のe点の電圧が下降する。
【0055】
図7のe点の電圧が下降すると、キャパシタC3は上述した差分電圧(−1V)を保持しているので、このキャパシタC3の他端側である中段インバータINV2の入力端子の電圧も下降する。中段インバータINV2の入力端子の電圧が下降すると、中段インバータINV2の論理出力がハイレベル(例えば、10V)になり、図7のc点の電圧が上昇する。
【0056】
図7のc点の電圧が上昇すると、キャパシタC4は上述した差分電圧(0.5V)を保持しているので、このキャパシタC4の他端側である後段インバータINV3の入力端子の電圧も上昇する。後段インバータINV3の入力端子の電圧が上昇すると、後段インバータINV3の論理出力がローレベル(例えば、0V)になり、図7のf点の電圧が下降する。図7のf点の電圧が下降すると、図7のd点の電圧、つまり、信号線Sの電圧も下降する。信号線Sの電圧が下降すると、それに応じて、図7のa点、b点の電圧も下降する。
【0057】
そのまま信号線S(図7のd点)の電圧が下降すると、やがて、信号線Sの電圧が入力映像信号Vinの電圧である3Vに等しくなり、図7のa点の電圧も3Vに等しくなる。キャパシタC1は上述した差分電圧(2V)を保持しており、キャパシタC2も上述した差分電圧(0.5V)を保持しているので、前段インバータINV1の入力端子の電圧は前段インバータINV1のしきい値電圧である5.5Vになる。このため、前段インバータINV1の論理出力が反転してハイレベル(例えば、10V)になろうとする。また、キャパシタC3は上述した差分電圧(−1V)を保持しているので、中段インバータINV2の論理出力が反転してローレベル(例えば、0V)になろうとする。さらに、キャパシタC4は上述した差分電圧(0.5V)を保持しているので、後段インバータINV3の論理出力が反転しハイレベル(例えば、10V)になろうとする。
【0058】
つまり、図7のa点の電圧が3Vを下回ると、反転増幅回路10の論理出力が反転してハイレベル(例えば、10V)になろうとする。これにより、信号線Sの電圧も上昇する。信号線Sの電圧が上昇すると、それに応じて、図7のa点、b点の電圧も上昇する。このような現象を繰り返して、時刻T23以降においては、信号線Sの電圧は、入力映像信号Vinの電圧である3Vに略等しく収束し、安定する。
【0059】
但し、実際には、図7のa点とd点とf点の電圧は、完全な3Vに安定するのではなく、オフセット電圧ΔVa2だけずれて、3V+ΔVa2になる。また、図7のb点の電圧もオフセット電圧ΔVa2だけずれて、5V+ΔVa2になる。このため、図7のe点の電圧は、オフセット電圧ΔVb2だけずれて、5.5V−ΔVb2になる。また、図7のc点の電圧は、オフセット電圧ΔVc2だけずれて、4.5V+ΔVc2になる。
【0060】
しかし、上述したように時刻T21〜時刻T22の期間でインバータINV1〜INV3の入力端子の電圧をそれぞれのしきい値電圧に略等しく設定しているので、反転増幅回路10の増幅度は極めて大きくなっている。このため、オフセット電圧ΔVa2を極めて小さくすることが可能になる。つまり、オフセット電圧ΔVa2は、実質的にほぼ0Vと考えることができ、図7のa点とd点とf点の電圧は、実質的に3Vに略等しくなると言える。
【0061】
次に、図9に基づいて、図7の負荷駆動回路11にスイッチSW7を設け、図7のb点に電圧V3(例えば、5V)を供給した理由について説明する。この図9は、容量型DAC(Digital Analog Converter)回路13に負荷駆動回路11を接続した例を示す図である。
【0062】
図9に示すように、図7の負荷駆動回路11の入力側に容量型DAC回路13を接続した場合、図7に示すキャパシタC1が容量型DAC回路13から見た際の出力負荷になる。キャパシタC1の一端側である図7のa点には、容量型DAC回路13の出力である入力映像信号Vinが供給される。このため、キャパシタC1の他端側である図7のb点の電圧は、キャパシタC1に差分電圧を設定する際には、一定の固定された電圧にしておく必要がある。つまり、前段インバータINV1のしきい値電圧により図7のb点の電圧がばらつくようにしておくと、容量型DAC回路13の出力が図7のa点に正常に出力されない可能性がある。このため、本実施形態においては、キャパシタC1に差分電圧を設定する時刻T21〜時刻T22の期間(サンプリング期間)では、スイッチSW7をオンにすることにより、キャパシタC1の他端側である図7のb点の電圧を5Vに固定にしているのである。
【0063】
以上のように、本発明の第2実施形態に係る負荷駆動回路11によれば、反転増幅回路10を構成する前段インバータINV1と中段インバータINV2と後段インバータINV3の入力端子の電圧を、それぞれのしきい値電圧に略等しく設定し、且つ、各所の差分電圧をキャパシタC1〜C4に保持した状態で、スイッチSW1、SW2と、反転増幅回路10とで帰還ループを構成することとしたので、信号線Sの電圧を入力映像信号Vinの電圧に略等しく設定することができる。
【0064】
すなわち、時刻T21〜時刻T22の期間(サンプリング期間)に、入力映像信号Vinの電圧と前段インバータINV1のしきい値電圧との差分電圧をキャパシタC1とキャパシタC2に保持設定し、前段インバータINV1のしきい値電圧と中段インバータINV2のしきい値電圧との差分電圧をキャパシタC3に保持設定し、中段インバータINV2のしきい値電圧と後段インバータINV3のしきい値電圧をキャパシタC4に保持設定することとしたので、インバータINV1〜INV3のしきい値電圧にばらつきがあっても、反転増幅回路10を増幅度が最大となる状態近傍で動作させることができ、信号線Sの電圧を入力映像信号Vinの電圧に略等しく設定することができる。
【0065】
また、時刻T21〜時刻T22の期間(サンプリング期間)において、キャパシタC1の他端側である図7のb点の電圧を電圧V3(例えば、5V)に固定するようにしたので、容量型DAC回路13からこの負荷駆動回路11に入力映像信号Vinを供給するようにしても、図7のa点に正常に入力映像信号Vinを供給することができ、正常な負荷駆動を行うことができる。
【0066】
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態は、上述した第2実施形態に係る負荷駆動回路11からスイッチSW7とキャパシタC2とを省くことにより、回路構成の簡略化を図ったものである。
【0067】
図10は、本実施形態に係る負荷駆動回路11の回路図である。この図10に示すように、本実施形態に係る負荷駆動回路11においては、最も入力側に位置するしきい値電圧設定機能付インバータ回路7には、キャパシタC2は設けられておらず、前段インバータINV1の入力端子は、直接的にキャパシタC1の他端に接続されている。したがって、キャパシタC1には、入力映像信号Vinの電圧と前段インバータINV1のしきい値電圧との差分電圧が保持される。
【0068】
そして、反転増幅回路10が本実施形態における信号線電圧制御回路を構成し、キャパシタC1が本実施形態における第1差分電圧保持回路を構成し、スイッチSW3、SW4が本実施形態における第1差分電圧設定回路を構成し、キャパシタC3、C4のそれぞれが本実施形態における第2差分電圧保持回路を構成し、スイッチSW5、SW6のそれぞれが本実施形態における第2差分電圧設定回路を構成を構成する。
【0069】
本実施形態に係る負荷駆動回路11の動作は、上述した第1実施形態(図6)と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
【0070】
〔第4実施形態〕
本発明の第4実施形態は、差動増幅回路を用いて、上述した実施形態と同様の動作をする負荷駆動回路11を実現したものである。
【0071】
図11は本実施形態に係る負荷駆動回路11の回路図であり、上述した実施形態と同様に、液晶表示装置の信号線駆動回路3に用いられるものである。本実施形態に係る負荷駆動回路11は、スイッチSW10〜SW13と、差動増幅回路OP1と、キャパシタC10とを備えて構成されている。
【0072】
スイッチSW10の一端に、入力映像信号Vinが供給される。このスイッチSW10の他端は、キャパシタC10の一端と、スイッチSW11の一端に接続されている。キャパシタC10の他端は、スイッチSW12の一端と、差動増幅回路OP1の反転入力端子とに接続されている。差動増幅回路OP1の非反転入力端子には、基準電圧V10が供給されている。
【0073】
スイッチSW11及びスイッチSW12の他端は、差動増幅回路OP1の出力端子と、スイッチSW13の一端に接続されている。スイッチSW13の他端は、信号線Sに接続されている。
【0074】
上述した実施形態と同様に、スイッチSW10〜SW13は、図2に示したスイッチ切換制御回路12により切換制御される。
【0075】
図11では、スイッチSW10とキャパシタC10との接続点をa点とし、キャパシタC10とスイッチSW12との接続点をb点とし、スイッチSW12とスイッチSW13との接続点をc点とし、差動増幅回路OP1の非反転入力端子と基準電圧V10との接続点をd点とし、スイッチSW13と抵抗Rとの接続点をe点としている。
【0076】
なお、キャパシタC10が本実施形態における差分電圧保持回路を構成し、スイッチSW11とキャパシタC10が本実施形態における第1負帰還回路を構成し、スイッチSW12が本実施形態における第2負帰還回路を構成する。
【0077】
図12は図11の負荷駆動回路11内の各部のタイミング図であり、以下、このタイミング図を用いて図11の負荷駆動回路11の動作を説明する。
【0078】
まず、時刻T31〜T32の期間(サンプリング期間)内に、スイッチ切換制御回路12は、スイッチSW10、SW12をオンにして、それ以外のスイッチであるスイッチSW11、SW13をオフにする。これにより、図11のa点の電圧は、入力映像信号Vinの電圧に略等しくなる。図12では、入力映像信号Vinの電圧が2Vである例を示している。但し、スイッチSW11がオフであるので、信号線S(図11のe点)の電圧は、時刻T31以前に供給された電圧を維持する。この図12の例では、3Vを維持する。
【0079】
ここで、スイッチSW12がオンであるので、差動増幅回路OP1の出力端子の電圧は、そのまま反転入力端子にフィードバックされる。したがって、差動増幅回路OP1は電圧フォロアを構成している。このため、の非反転入力端子の電圧は、基準電圧V10の電圧(例えば、2.5V)であるので、その出力端子(図11のc点)の電圧も、ほぼ2.5Vになる。これにより、キャパシタC10には、入力映像信号Vinの電圧(例えば、2V)と、差動増幅回路OP1の出力端子の電圧(例えば、2.5V)の差分電圧(例えば、0.5V)が設定される。
【0080】
時刻T31〜時刻T32の期間(書き込み期間)では、スイッチSW11、SW13をオンにし、それ以外のスイッチSW10、SW12をオフにする。すなわち、0.5Vの差分電圧をキャパシタC10が保持している状態で、差動増幅回路OP1を用いて、電圧フォロアを構成する。このため差動増幅回路OP1は、図11のb点の電圧が2.5Vになるように、つまり、b点の電圧が基準電圧である2.5Vと略等しくなるように、負帰還動作を繰り返す。
【0081】
具体的には、図11のa点は2Vであるのに対し、e点は3Vであるので、a点の電圧がe点の電圧に引きずられて上昇する。これに応じて、キャパシタC10の他端側であるb点の電圧も2.5Vから上昇する。これにより、差動増幅回路OP1の出力端子の電圧が下降し、信号線Sの電圧も下降する。信号線Sの電圧が下降すると、それに応じてa点及びb点の電圧も下降する。
【0082】
そのまま信号線Sの電圧が下降すると、a点の電圧は2Vより低くなり、これに応じてb点の電圧も2.5Vより低くなる。このため、差動増幅回路OP1の出力端子の電圧は上昇し、信号線Sの電圧も上昇する。このような現象を繰り返して、時刻T33以降(安定期間)においては、信号線Sの電圧は、入力映像信号Vinの電圧である2Vに略等しく収束し、安定する。
【0083】
但し、実際には、図11のa点とc点とe点の電圧は、完全な2Vに安定するのではなく、オフセット電圧ΔVa3だけずれて、2V+ΔVa3になる。また、図11のb点の電圧もオフセット電圧ΔVa3だけずれて、2.5V+ΔVa3になる。但し、差動増幅回路OP1の増幅度は大きいので、オフセット電圧ΔVa3は、実質的にほぼ0Vと考えることができ、図11のa点とc点とe点の電圧は、実質的に2Vに略等しくなると言える。
【0084】
以上のように、本発明の第4実施形態に係る負荷駆動回路11によれば、入力映像信号Vinと基準電圧V10との差分電圧をキャパシタC10に保持した状態で、スイッチSW11と差動増幅回路OP1とで、負帰還ループを構成することとしたので、信号線Sの電圧を入力映像信号Vinの電圧に略等しく設定することができる。
【0085】
すなわち、時刻T31〜時刻T32の期間(サンプリング期間)に、スイッチSW10、SW12をオンにして、入力映像信号Vinの電圧と基準電圧V10の差分電圧をキャパシタC10に保持設定する。そして、時刻T32以降にスイッチSW11、SW13をオンにして、キャパシタC10に差分電圧を保持した状態で、負帰還ループを構成したので、信号線Sの電圧を入力映像信号Vinの電圧に略等しく設定することができる。
【0086】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず種々に変形可能である。例えば上述した実施形態においては、インバータINV1〜INV3やしきい値電圧設定機能付インバータ回路7、8、9を3段直列的に接続する例を説明したが、これらの段数は3段に限らず1段以上の奇数段であればよい。また、上述したインバータINV1〜INV3の電源電圧は図4の例に限定されるものではなく、さらに、各々のインバータINV1〜INV3で電圧V1、V2が異なっていてもよい。
【0087】
また、反転増幅回路10としてインバータINV1〜INV3を用いているが、他の構成の反転増幅回路であってもよい。
【0088】
さらに、インバータINV1〜INV3を非反転の増幅回路にしてもよく、しきい値電圧設定機能付インバータ回路7、8、9に、非反転の増幅回路を加えてもよい。
【0089】
また、上述した各実施形態においては、スイッチSW1とスイッチSW2とを同時にオン/オフするようにスイッチ切換制御回路12を構成したが、これらスイッチSW1とスイッチSW2は必ずしも同時にオン/オフする必要はない。スイッチSW1とスイッチSW2は、スイッチSW3がオフしている期間であれば、どちらを先にオンさせてもよい。
【0090】
さらに、図10に示した第3実施形態においては、キャパシタを備えていないしきい値電圧設定機能付インバータ回路7を反転増幅回路の最も入力側に設け、これにキャパシタを有するしきい値電圧設定機能付インバータ回路8、9を偶数個直列的に接続してもよい。
【0091】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、信号線電圧制御回路が、入力信号の電圧に比べ信号線の電圧が低い場合には信号線の電圧を上昇させるように制御し、入力信号の電圧に比べ信号線の電圧が高い場合には信号線の電圧を降下させるように制御することとしたので、信号線の電圧を入力信号の電圧に略等しい電圧に制御することができる。
【0092】
また、信号線の電圧の制御を行う前に、信号線電圧制御回路を構成する各インバータの入力端子の電圧をそれぞれのしきい値電圧に設定することとしたので、これらインバータのしきい値電圧にばらつきがあっても、その影響を信号線の電圧に及ぼさないようにすることができる。
【0093】
したがって、本発明を例えば液晶表示装置の信号線駆動回路に適用した場合には、輝度むらのない表示品質に優れた駆動回路一体型の液晶表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る負荷駆動回路の主要部の構成を示す回路図。
【図2】負荷駆動回路全体の構成を示す概略ブロック図。
【図3】図1の負荷駆動回路を信号線駆動回路として用いた液晶表示装置の概略ブロック図。
【図4】本実施形態におけるインバータの回路構成の一例を示す図。
【図5】本実施形態におけるインバータの入出力特性のばらつきを説明する図。
【図6】第1実施形態に係る負荷駆動回路内の各部のタイミング図。
【図7】第2実施形態に係る負荷駆動回路の主要部の構成を示す回路図。
【図8】第2実施形態に係る負荷駆動回路内の各部のタイミング図。
【図9】第2実施形態に係る負荷駆動回路を容量型DAC回路の出力に接続した場合のブロック図。
【図10】第3実施形態に係る負荷駆動回路の主要部の構成を示す回路図。
【図11】第4実施形態に係る負荷駆動回路の主要部の構成を示す回路図。
【図12】第4実施形態に係る負荷駆動回路内の各部のタイミング図。
【符号の説明】
1 TFT
2 画素アレイ部
3 信号線駆動回路
4 走査線駆動回路
7、8、9 しきい値電圧設定機能付インバータ回路
10 反転増幅回路
11 負荷駆動回路
12 スイッチ切換制御回路
S 信号線
SW1〜SW7 スイッチ
INV1 前段インバータ
INV2 中段インバータ
INV3 後段インバータ
C0〜C4 キャパシタ

Claims (3)

  1. 所定の電圧振幅の入力信号が入力され、この入力信号の電圧を負荷が接続されている信号線に供給する負荷駆動回路であって、
    第1端子が前記信号線に接続され、前記信号線の電圧が前記入力信号の電圧よりも低い場合には前記信号線の電圧を上昇させるように制御し、前記信号線の電圧が前記入力信号の電圧よりも高い場合には前記信号線の電圧を降下させるように制御する、信号線電圧制御回路であって、直列的に接続された奇数個のインバータを有し、前記信号線の電圧の制御を行う前に、前記各インバータの入力端子の電圧を前記各インバータのしきい値電圧に設定する、信号線電圧制御回路と、
    第1端子が前記信号線電圧制御回路の第2端子に接続され、第2端子が前記入力信号が入力される際には前記入力信号の入力端子に接続され、前記信号線電圧制御回路が前記信号線の電圧の制御を行う際には前記信号線に接続される、第1差分電圧保持回路であって、前記信号線電圧制御回路が前記信号線の電圧を制御する際に、前記信号線電圧制御回路の前記各インバータのうち最も入力側に位置するインバータのしきい値電圧と、前記入力信号の電圧との差分電圧を保持する、第1差分電圧保持回路と、
    前記信号線電圧制御回路が前記信号線の電圧の制御を行う前に、前記第1差分電圧保持回路が保持すべき差分電圧を前記第1差分電圧保持回路に設定する、第1差分電圧設定回路と、
    を備えており、
    前記第1差分電圧設定回路は、
    前記第1差分電圧保持回路の前記第2端子と前記入力信号の前記入力端子とを接続するスイッチと、
    前記信号線電圧制御回路の最も入力側に位置するインバータの入力端子と出力端子とを接続するスイッチと、
    を備えており、
    前記第1差分電圧保持回路は、
    前記入力信号が入力される際には前記入力信号の前記入力端子に接続され、前記信号線電圧制御回路が前記信号線電圧の制御を行う際には前記信号線に接続される、第2差分電圧保持回路と、
    前記第2差分電圧保持回路と前記信号線電圧制御回路の最も入力側に位置する前記インバータとの間に接続された第3差分電圧保持回路と、
    前記第2差分電圧保持回路と前記第3差分電圧保持回路との間に、任意の期間、一定の電圧を供給する一定電圧供給回路と、
    を備えており、
    前記第1差分電圧保持回路が保持すべき差分電圧を前記第1差分電圧保持回路に設定する際には、前記一定電圧供給回路から前記第2差分電圧保持回路と前記第3差分電圧保持回路との間に前記一定の電圧を供給する、
    ことを特徴とする負荷駆動回路。
  2. 前記第差分電圧保持回路は、キャパシタから構成されており、
    前記第差分電圧保持回路も、キャパシタから構成されている、
    ことを特徴とする請求項に記載の負荷駆動回路。
  3. 所定の電圧振幅の入力信号が入力され、この入力信号の電圧を負荷が接続されている信号線に供給する負荷駆動回路であって、
    前記信号線の電圧を制御する際には出力端子が前記信号線に接続される反転増幅回路であって、インバータと、前記インバータの入力端子と出力端子の間を前記信号線の電圧を制御する前に一旦接続するスイッチと、前記インバータの入力側に接続された第1キャパシタとを、有するしきい値電圧設定機能付インバータ回路を、奇数個直列的に接続して構成される、反転増幅回路と、
    一端が前記反転増幅回路の入力端子に接続され、他端が前記入力信号が入力される際には前記入力信号の入力端子に接続され、前記反転増幅回路が前記信号線の電圧の制御を行う際には前記信号線に接続される、第2キャパシタと、
    前記第2キャパシタの前記一端に接続され、前記反転増幅回路が前記信号線の電圧を制御する際に保持すべき差分電圧を前記第2キャパシタに設定する際に、一定の電圧を供給する、一定電圧供給回路と、
    を備えることを特徴とする負荷駆動回路。
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