JP4771142B2 - 垂直共振器型発光ダイオード - Google Patents

垂直共振器型発光ダイオード Download PDF

Info

Publication number
JP4771142B2
JP4771142B2 JP2006066782A JP2006066782A JP4771142B2 JP 4771142 B2 JP4771142 B2 JP 4771142B2 JP 2006066782 A JP2006066782 A JP 2006066782A JP 2006066782 A JP2006066782 A JP 2006066782A JP 4771142 B2 JP4771142 B2 JP 4771142B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quantum well
layer
layers
well layer
forbidden band
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006066782A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007243073A (ja
Inventor
雅年 岩田
陵 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Electronics Materials Co Ltd
Original Assignee
Dowa Electronics Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Electronics Materials Co Ltd filed Critical Dowa Electronics Materials Co Ltd
Priority to JP2006066782A priority Critical patent/JP4771142B2/ja
Publication of JP2007243073A publication Critical patent/JP2007243073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4771142B2 publication Critical patent/JP4771142B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

本発明は、光通信の光源などに使用される垂直共振器型発光ダイオードに関する。
プラスチック光ファイバー(POF)用の光源として、レーザーダイオードより安価である発光ダイオードが注目されている。より高い出力、高速応答性を実現するためには、従来の発光ダイオードでは不十分であり、発光層を中央に配置してその両側に多層反射層を設けた、共振器構造を持つ垂直共振器型発光ダイオードが必要となっている。
特許文献1に開示された垂直共振器型発光ダイオードでは、共振器長を発光波長の1/2としその共振器の中央に量子井戸層を設けることで、光の定在波の腹の位置に量子井戸層が存在するようにし、かつ、この各量子井戸層の禁制帯幅(バンドギャップ)を電子の注入側から正孔の注入側に向かって小さくなる傾斜形状又は階段形状とすることにより、電子と正孔を各量子井戸層内の同じ場所に局在化させて自然放出を増強させている。
特許文献2には、傾斜状に禁制帯幅の異なる量子井戸層を設けて多重量子井戸構造とすることより、利得帯幅を広くした垂直共振器型発光ダイオードが開示されている。
特許文献3には、禁制帯幅を同じ量子井戸層とし、それぞれその厚さが異なる複数の量子井戸層を配置し、量子井戸層の間隔を共振波長の1/2となるようにして、各量子井戸層間の結合による新たな準位を形成せず、各量子井戸層の発光スペクトルを保つようにした垂直共振器型発光ダイオードが開示されている。
特開2000−174327号公報 特開平7−245449号公報 特開平10−27945号公報
特許文献1〜3に開示された垂直共振器型発光ダイオードにおいては、多重量子井戸層の禁制帯幅を同じか、又は、傾斜を設けた構造、もしくは各量子井戸層内で禁制帯幅を傾斜させることにより、各量子井戸層においてほぼ同一の発光再結合を起こさせ、スペクトルの純度を上げ、量子井戸層内の電子の正孔との再結合による自然放出を共振モードで増強させるようにしていた。しかし、例えばPOF用光通信に使用するためにはより高い出力が求められているが、従来の量子井戸構造の禁制帯幅を傾斜させるだけでは、光出力の向上には限界があった。
そこで、本発明においては、誘導放出効果を高めて、さらに高い光出力が得られる、新規な垂直共振器型発光ダイオードを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、垂直共振器型発光ダイオードにおける誘導放出は、活性層に入射する光に相当する禁制帯幅よりも小さい禁制帯幅の領域で生起することに注目し、少なくとも3層の量子井戸構造を有する活性層において、発生する光の定在波の腹、即ち電界強度が強い領域に配置する量子井戸層を、この量子井戸層を挟む両側の量子井戸層よりも禁制帯幅を大きくすることで、誘導放出効果を高めて発光強度を高めることができるという知見を得て、本発明を完成するに至った。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも3層の量子井戸層を含む活性層と、活性層を挟んで形成された反射層と、を有する垂直共振器型発光ダイオードであって、量子井戸層のうち、最も外側の量子井戸層の禁制帯幅は略同じで、かつ内側の量子井戸層の禁制帯幅よりも小さく、内側の量子井戸層の少なくとも1層の禁制帯幅が外側の禁制帯幅よりも大きく、最も外側の量子井戸層の発光波長(λ)は、内側の量子井戸層の発光波長と異なり、垂直共振器の長さは、最も外側の量子井戸層の発光波長(λ)に対して、略(m・λ)/2(ここで、mは整数)の長さであることを特徴とする。
上記構成において、好ましくは、内側の量子井戸層は、垂直共振器内の光の定在波の腹に設けられている。
上記構成によれば、内側の少なくとも1つの量子井戸層の禁制帯幅が最も大きく、最も外側の各量子井戸層が互いに同程度で最も小さい禁制帯幅を有している。つまり、最も外側に配置された、最も小さく、かつ同程度の禁制帯幅を有する一対の量子井戸層が、それよりも禁制帯幅の大きい量子井戸層を挟んだ多重量子井戸層を構成している。このため、禁制帯幅の大きい量子井戸層から生じた光が、禁制帯幅の小さい一対の量子井戸層に入射して吸収され、誘導放出効果を生じる。さらには、内側の禁制帯幅の大きい量子井戸層を、垂直共振器内の定在波の腹の位置に設けることにより、さらに誘導放出効果を高め、垂直共振器型発光ダイオードの光出力を増加させることができる。
垂直共振器の長さは、最も外側の、禁制帯幅の小さい量子井戸層の発光波長により設計されているので、誘導放出で増幅された光は、他の量子井戸層に吸収されること無く、効率良く外部へ出射することができる。
上記構成において垂直共振器型発光ダイオードは、好ましくは電流狭窄層を有している。電流狭窄層を設けた場合には、さらに発光出力を増大させることができる。
本発明の垂直共振器型発光ダイオードによれば、活性層を構成する3層以上の量子井戸構造のうち、禁制帯幅の大きい量子井戸層を、禁制帯幅の小さい量子井戸層で挟むことで、禁制帯幅の大きい量子井戸層からの発光が禁制帯幅の小さい量子井戸層に吸収され、誘導放出効果が高まることで、高い光出力を得ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。各図において同一又は対応する部材には同一符号を用いることにする。
図1は本発明に係る垂直共振器型発光ダイオード1の断面構造の一例を示す図である。図1に示すように、本発明の垂直共振器型発光ダイオード1は、n型の基板2と、n型の第1反射層3と、n型の第1クラッド層4と、多重量子井戸層を含む活性層5と、p型である第2クラッド層6と、一部に開口部を有するn型の電流狭窄層8と、p型の第2反射層9と、この第2反射層9の上部に設けられる電極層10と、電極層10を含む発光ダイオードの表面を覆う保護膜11と、を含んで形成されている。上記層構造において、第1クラッド層4と活性層5と第2クラッド層6とによりダブルヘテロ接合層7が形成されている。
なお、以上の説明においては、基板をn型(第1導電型)として説明したが、その反対伝導型(第2導電型)のp型基板でもよく、その場合には上記各層の伝導型を基板に応じて変更すればよい。
図2は、図1に示すダブルへテロ接合層中の活性層5の拡大断面構造を示す図である。図2に示すように、活性層5は、第1反射層3上に形成された第1クラッド層4と第2反射層9下に形成された第2クラッド層6との間に挿入されている。活性層5は、多重量子井戸層5jとこの多重量子井戸層5jの両側に配設される第1及び第2拡散防止層5h,5iとから構成されている。図示の場合には、多重量子井戸層5jは、3層の量子井戸層5a,5b,5cを有している。多重量子井戸層5jの内側には、第1量子井戸層5aが形成され、第1量子井戸層5aの第1反射層3側にバリア層5eを介して外側に第2量子井戸層5bが形成され、かつ、第1量子井戸層5aの第2反射層9側にバリア層5fを介して外側に第3量子井戸層5cが形成されている。
第1及び第2拡散防止層5h,5iは、第1及び第2クラッド層4,6にそれぞれ添加された不純物を、活性層5中の多重量子井戸層5jのバリア層5d〜5gに拡散させない機能を備えている。
ここで、第1及び第2拡散防止層5h,5iは、それに隣接するバリア層5d,5gの組成と同一とし、故意には不純物を添加しない所謂ノンドープ層とすることができる。さらに、活性層5の厚さは拡散防止層5h,5iの厚さを調整して所定の厚さとすることができる。このように、本発明の垂直共振器型発光ダイオード1は、少なくとも3層の量子井戸層からなる多重量子井戸層5jを含む活性層5と、この活性層5を挟んで形成された第1及び第2の反射層3,9と、を有している。
本発明の特徴は、活性層5中の多重量子井戸層5jにおいて、内側に配置した第1量子井戸層5aを最も外側の第2及び第3量子井戸層5b,5cで挟み込み、かつ、内側の第1量子井戸層5aの禁制帯幅が最も外側の第2及び第3量子井戸層5b,5cの禁制帯幅よりも大きいことにある。この第1量子井戸層5aを、第1及び第2反射層3,9で成る共振器において発生する光の定在波の腹、即ち、電界強度の強い領域に配置している。
ここで、電界強度の強い領域とは、その最大値の90%以上の領域を意味する。特に、第1量子井戸層5aを、電界強度の最大値の95%以上の領域に配置することが好ましい。これにより、量子効果が生起する膜厚10nm程度の量子井戸層を、電界強度の強い領域内に配置することが可能となり、光出力を高めることができる。また、第2及び第3量子井戸層5b及び5cの位置は、上記の定在波の電界強度が等しい位置とすることが望ましい。
さらに、第1量子井戸層5aと第2及び第3量子井戸層5b,5cとの禁制帯幅の差、即ち、多重量子井戸層5j中の量子井戸層のうち最大の禁制帯幅と最小の禁制帯幅との差は、発光波長で10nm以上に相当するような量子井戸層の組成、厚みとすることが望ましい。また、第2及び第3量子井戸層5b,5cの禁制帯幅を同程度、すなわち、発光波長で2nm以内とすることで、さらに光出力を高めることができる。
図2においては、活性層5中の多重量子井戸層5jを3層の量子井戸層5a〜5cとして説明したが、4層や5層などの3層以上の量子井戸層を有する多重量子井戸層5jでもよい。多重量子井戸層5jが5層の量子井戸層を有する場合には、内側に位置する量子井戸層のうち少なくとも1つ以上の量子井戸層の禁制帯幅を最も外側の量子井戸層の禁制帯幅よりも大きくし、最も外側の量子井戸層の禁制帯幅を同程度、かつ内側の量子井戸層の禁制帯幅以下と小さくする。このとき、最も大きい禁制帯幅を有する量子井戸層を、光の定在波の腹の位置に設ければ、光出力を向上できるので好ましい。この場合、多重量子井戸層5jの量子井戸層の内、最大の禁制帯幅と最小の禁制帯幅との差を、発光波長で10nm以上、20nm以下になるようにすることが望ましい。禁制帯幅の差を発光波長で10nm以上とすることで、誘導放出効果が高められて光出力を増大させることができる。この禁制帯幅の差が発光波長で10nmよりも小さいと、誘導放出効果が十分に得られず好ましくない。逆に、発光波長の差を20nm以上とすると、共振器長と発光波長が解離してしまうために共振効果が低下して光出力が劣化してしまうので好ましくない。
図3〜5は、本発明の5層からなる量子井戸層の構造例1〜3を模式的に説明する図である。
図3は、(A)が5層からなる多重量子井戸層の構造例1における断面図であり、(B)がそのバンドダイヤグラム及び対応する光電界分布を示している。図3(A)に示すように、5層からなる多重量子井戸層の場合、最も外側の量子井戸層24,25の内側に、3層から成る内側の量子井戸層21,22,23が配設されている。図3(B)に示すように、内側の量子井戸層21,22,23においては、禁制帯幅の大きい量子井戸層21を挟んで、これより禁制帯幅が小さく、かつ、同じ禁制帯幅の量子井戸層22、23が配置されている。そして、最も外側の量子井戸層24,25は、内側の量子井戸層22,23層と同じ禁制帯幅を有する構造となっている。
図4は、5層からなる多重量子井戸層の構造例2におけるバンドダイヤグラム及び対応する光電界分布を示している。図に示す5層からなる多重量子井戸層の場合には、内側の量子井戸層21,22,23は、3層とも同じ禁制帯幅としている。最も外側の量子井戸層24,25は、同じ禁制帯幅として、その値は、内側の3層の量子井戸層21,22,23よりも小さくする構造である。
図5は、5層からなる多重量子井戸層の構造例3におけるバンドダイヤグラム及び対応する光電界分布を示している。図5に示すように、内側の3層から成る量子井戸層21,22,23は、中央の禁制帯幅の大きい量子井戸層21の両側に、量子井戸層21よりも禁制帯幅の小さい量子井戸層22,23を1層ずつ配置した構造としている。最も外側の量子井戸層としては、内側の量子井戸層22,23よりも、さらに禁制帯幅の小さい量子井戸層24,25を1層ずつ配置した構造である。上記の5層からなる量子井戸層構造例において、大きい禁制帯幅を有する量子井戸層21が、光電界強度分布、すなわち、定在波の腹となっている。
図3〜図5で示した5層からなる多重量子井戸層の構造例のように、最も外側の量子井戸層24,25の禁制帯幅を同程度とし、かつ、内側の量子井戸層21,22,23の少なくとも1層の禁制帯幅よりも小さくすれば、他の構造でもよく、例えば、最も禁制帯幅の大きい量子井戸層を量子井戸層22,23としてもよい。
次に、本発明の垂直共振器型発光ダイオード1の共振器を構成する第1及び第2反射層3,9について説明する。
第1及び第2反射層3,9は、ブラッグ反射層、即ち、高い屈折率(n1 )を有する厚さがλ/4n1 膜と低屈折率(n2 )を有する厚さλ/4n2 膜の積層構造(交互層)を一対として、この交互層を多対積層とした多層膜となっている。
ここで、λは、垂直共振器型発光ダイオード1の発光波長であり、光の定在波の波長となる。この場合、基板2側の第1反射層3の反射率を上部の第2反射層9よりも高めることにより、活性層5中で発生した光を上部の第2反射層9から選択的に出射することができる。このように第1及び第2反射層3,9との間で垂直共振器が形成されている。この垂直共振器の長さ、すなわち、垂直共振器長は、図1に示すように、第1及び第2反射層3,9との間隔Lres である。つまり、図1において、垂直共振器長Lres は、基板への各層の積層方向であるy方向の間隔である。垂直共振器長は、好ましくは、最も外側の量子井戸層の発光波長(λ)に対して、略(m・λ)/2(ここで、mは整数)の長さに設定すればよい。例えば、発光波長λの2倍(m=4)の厚みとすることができる。
これにより、活性層5中で生じた光は第1及び第2反射層3,9との間で定在波を形成する。この光の定在波の波長を、最も外側の量子井戸層が発光する波長と同程度、好ましくは、波長の差を2nm以内とすると発光強度が増加する。
第2反射層9は、電流狭窄層8の開口部とこの開口部の上方及び開口部を有する電流狭窄層8上とに形成されている。この電流狭窄層8の開口部は、垂直共振器型発光ダイオード1の電流通路及び光の取り出し領域となる。電極層10にて、電流狭窄層8が設けられていない領域に対応した位置が、第2反射層9が露出するように除去されている。基板2及び電極層10の上部には電極12,13が形成されている。
なお、電流狭窄層8は、図1では第2反射層9の内側である活性層5側に設けているが、外側の電極層10側に設けてもよい。電流狭窄層8は、第2反射層9側にではなく、第1反射層3側に設けてもよい。
図6は、図1に示す垂直共振器型発光ダイオード1の平面図である。即ち、図6のX−X線に沿った断面図が図1である。図6に示すように、垂直共振器型発光ダイオード1において、電極層10が形成されていない開口部14が、活性層5で生じる光の出射窓部14となっている。この開口部14の形状は、円形、楕円形、矩形など任意の形状とすることができる。
ここで、図中のXY方向の点線15A,15Bで示す領域は、発光ダイオード1の各チップを分割する所謂ダイシング領域15を示している。この出射窓部14には光の透過領域となる絶縁性の保護膜11が被覆されている。
以上説明したように、本発明の垂直共振器型発光ダイオード1においては、禁制帯幅が大きい第1量子井戸層5aを、禁制帯幅が小さい第2及び第3量子井戸層5b,5cによりバリア層5e,5fを介して挟んだ3層の多重量子井戸層5jとすることにより、第1量子井戸層5aで発生した光が、第2及び第3量子井戸層5b,5cで吸収され、第2及び第3量子井戸層5b,5cで誘導放出が生じる。これにより、活性層5での誘導放出効果を高めて、光出力を高めることができる。
従って、第1及び第2の反射層3,9から成る共振器の共振波長を第2及び第3量子井戸層5b,5cの発光波長(λ)とすれば、誘導放出により増幅された光を効率良く発光させることができる。さらに、図1に示す垂直共振器型発光ダイオード1のように、電流狭窄層8を設けて活性層7に流れ込む電流を狭窄することにより、発生する光の強度を増加させることが好ましい。
次に、このような垂直共振器型発光ダイオードの製造方法について、図1に示す垂直共振器型発光ダイオード1を例に挙げて説明する。
最初に、MOCVD法やMBE法などを用いて、GaAs基板2上に第1のエピタキシャル成長層として、n型Alr Ga1-r As/AlAs(rはAl組成であり、0<r<1である。)の交互層を積層して成る第1反射層3と、n型Alx Gay In1-x-y P(0≦x≦1、0≦y≦1、かつ0≦x+y≦1)から成る第1クラッド層4と、不純物を添加しないアンドープのAlx Gay In1-x-y P(0≦x≦1、0≦y≦1、かつ0≦x+y≦1)の組成を変化させて第1拡散防止層5h/バリア層5d/第2量子井戸層5b/バリア層5e/第1量子井戸層5a/バリア層5f/第3量子井戸層5c/バリア層5g/第2拡散防止層5iから成る活性層5と、p型Alx Gay In1-x-y P(0≦x≦1、0≦y≦1、かつ0≦x+y≦1)から成る第2クラッド層6と、n型Alx Gay In1-x-y P(0≦x≦1、0≦y≦1、かつ0≦x+y≦1)と、から成る電流狭窄層8を、所定の厚さで順に成長させる。ここで、エピタキシャルウェハを取り出す。
第1のエピタキシャル成長層の成長工程において、第1量子井戸層5aの位置は、共振器中に形成される定在波の電界分布を考慮して、電界強度が最も強くなる位置に成長させるようにする。また、各量子井戸層の組成で決まる禁制帯幅、厚み、光の定在波の波長は適宜設定することができる。
次に、出射窓部14を形成するパターニング工程を行い、出射窓部14となる領域の電流狭窄層8を部分的に除去して開口部を形成し、再洗浄工程を行う。このような所謂、選択エッチングには化学エッチング法やドライエッチングによるプラズマエッチング法を用いることができる。
部分的に出射窓部14が形成された電流狭窄層8上に、埋込みエピタキシャル成長を行う。この2回目の成長は1回目の成長と同様、MOCVD法やMBE法などを用いて、p型Alr Ga1-r As/AlAs(rはAl組成であり、0<r<1である。)の交互層を積層して成る第2反射層9と、p型GaAsの電極層10とを順に成長させる。
そして、基板裏面及びエピタキシャル成長層の表面への電極12,13を形成する工程、CVD法などによる保護膜形成工程、ダイシング工程などを経て、垂直共振器型発光ダイオード1を製造することができる。
保護膜11は、プラズマCVD法などによるSi系の酸化膜又は窒化膜を堆積して形成することができる。この保護膜11の厚さは、(m1 /4)×(λ/n)(ここで、m1 は奇数であり、nは酸化膜又は窒化膜の屈折率である。)として、光に対して透過率の高い膜とすればよい。
この垂直共振器型発光ダイオード1の製造方法によれば、第1反射層3、所定の多重量子井戸層5jを有する活性層5、電流狭窄層8及び第2反射層9を、二回のエピタキシャル成長で製作できるので、垂直共振器型発光ダイオード1を歩留まり良く生産することができる。
以下、本発明の垂直共振器型発光ダイオードの実施例について詳細に説明する。
最初に、実施例の垂直共振器型発光ダイオード1の製造方法について説明する。
先ず、第1工程として、MOCVD法を用いて、GaAs基板2上に第1回目のエピタキシャル成長層として、20.5対のn型Al0.45Ga0.55As(45nm)/AlAs(52.5nm)から成る第1反射層3を1995nm、n型Al0.5 In0.5 Pから成る第1クラッド層4、(Al0.7 Ga0.3 0.5 In0.5 Pから成る第1拡散防止層5h、Inx Ga1-x Pから成る3層の量子井戸層5a〜5c及び(Al0.7 Ga0.3 0.5 In0.5 Pから成るバリア層5d〜5gで形成される活性層5、(Al0.7 Ga0.3 0.5 In0.5 Pから成る第2拡散防止層5i、p−Al0.5 In0.5 Pから成る第2クラッド層6、n型Al0.5 In0.5 P電流狭窄層8を、順に成長させた。
実施例においては、多重量子井戸層5jの構造として、第1〜第3量子井戸層5a,5b,5cの厚さを8nmとした。各量子井戸層の禁制帯幅については、第1量子井戸層5aの禁制帯幅(1.907eV)が第2及び第3量子井戸層5b,5cの禁制帯幅(1.873eV))より大きくなるように、第1量子井戸層5aのInの組成xを0.534とし、第2及び第3量子井戸層5b,5cのInの組成xを0.575とした。なお、上記禁制帯幅は、組成からの推定値である。
これから、第1量子井戸層5aの発光波長は650nmであり、第2及び第3量子井戸層5b,5cの発光波長は662nmに相当し、内側の量子井戸層5aの発光波長を12nm短くした。共振器の共振波長は、第2及び第3量子井戸層5b,5cの発光波長λ(662nm)に合わせ、その共振器長は2λとなるように設計した。この段階で、エピタキシャルウェハを取り出した。
第2の工程として、出射窓部を形成するパターニング工程を行い、出射窓部となる領域の電流狭窄層8を部分的に除去し、再洗浄工程を行った。
続いて、部分的に出射窓部が形成された電流狭窄層8上に埋込みエピタキシャル成長を行う。この2回目の成長は、1回目の成長と同様、MOCVD法を用いて、10.5対で厚さ1020nmのp型Al0.45Ga0.55As(45nm)/AlAs(52.5nm)から成る第2反射層9と、厚さが100nmのp型GaAs電極層10と、を順に成長させた。
その後、エピタキシャル成長層の表面への厚さが800nmのAu/AuSbZnの2層から成る電極13及び基板裏面へのAuGeNi合金(20nm)から成る電極12を形成する工程と、保護膜の形成工程、ダイシング工程などを経て、垂直共振器型発光ダイオード1を製造した。
次に、比較例について説明する。
(比較例1)
比較例1では、実施例の第1のエピタキシャル成長において、多重量子井戸層5j中の第1〜第3の量子井戸層5a,5b,5cのIn組成xを同じ0.575(禁制帯幅が約1.873eV)とした以外は、実施例と同様にして、垂直共振器型発光ダイオードを製造した。
(比較例2)
比較例2では、第1のエピタキシャル成長において、多重量子井戸層5j中の各量子井戸層の組成を、第1量子井戸層5aのIn組成xを0.575(禁制帯幅が約1.873eV)とし、第2及び第3量子井戸層5b,5cのIn組成xを0.534(禁制帯幅が約1.907eV)として、第1量子井戸層5aの禁制帯幅が第2及び第3量子井戸層5b,5cの禁制帯幅より小さくなるようにした以外は、実施例と同様にして、垂直共振器型発光ダイオードを製造した。このときの第1量子井戸層5aの発光波長は662nmであり、第2及び第3量子井戸層5b,5cの発光波長は650nmに相当する。つまり、内側の量子井戸層5aの発光波長を外側の第2及び第3量子井戸層5b,5cの発光波長よりも5nm長くした。
(比較例3)
比較例3では、第1のエピタキシャル成長において、多重量子井戸層5j中の各量子井戸層の組成として、第1量子井戸層5aのIn組成xを0.555(禁制帯幅が約1.893eV)とし、第2量子井戸層5bのIn組成xを0.534(禁制帯幅が約1.907eV)とし、第3量子井戸層5cのIn組成xを0.575(禁制帯幅が約1.873eV)とした。即ち、第1クラッド層4側から第2クラッド層6側の順に各量子井戸層のIn組成xを増加させて、第2クラッド層6側になるにつれて各量子井戸層の禁制帯幅が小さくなるようにした以外は、実施例と同様にして、垂直共振器型発光ダイオードを製造した。このときの第1、第2及び第3量子井戸層5a,5b,5cの発光波長はそれぞれ、655nm、650nm、662nmに相当し、第1クラッド層4側から第2クラッド層6側の順に発光波長を長くした。
次に、実施例及び比較例1〜3で製造した垂直共振器型発光ダイオードの発光強度を測定した。その結果を表1に示す。表1には、実施例及び比較例の垂直共振器型発光ダイオードにおける各量子井戸層5a〜5cの禁制帯幅(eV)も示している。
Figure 0004771142
製造した垂直共振器型発光ダイオードの光出力強度は、実施例では1.44mWであり、比較例1では1.33mW、比較例2では1.19mW、比較例3では1.40mWであった。
各量子井戸層の組成が同じ比較例1の場合を基準に実施例を検討すると、光出力強度は8.3%増加した。これにより、禁制帯幅の大きい第1量子井戸層5aをそれよりも禁制帯幅の小さい第2及び第3量子井戸層5b,5cで挟み込むことで、光出力強度を上げることができることが判明した。
一方、比較例2では、比較例1の場合を基準に検討すると、光出力強度は10.5%減少した。これにより、禁制帯幅の小さい第1量子井戸層5aをそれより禁制帯幅の大きい第2及び第3量子井戸層5b,5cで挟み込んでも、光出力強度を増加させることができないことが分かった。
さらに、比較例3では、比較例1の場合を基準に検討すると、光出力強度は5.3%増加した。これから、実施例の光出力の増加率8.3%は、比較例3の場合の約1.6倍であり、光出力強度を増加させるのに、禁制帯幅の大きい第1量子井戸層5aをそれより禁制帯幅の小さい第2及び第3量子井戸層5b,5cで挟み込むことが有効であることが判明した。
以上の結果から、発生する光の定在波において、電界強度の強い領域に禁制帯幅の大きい第1量子井戸層5aを配置し、この第1量子井戸層の両側、即ち定在波の電界強度が等しい領域に禁制帯幅の小さい第2及び第3量子井戸層5b,5cを配置することで、垂直共振器型発光ダイオードの発光出力を増加させることができることが分かった。
本発明は上記実施例に記載の垂直共振器型発光ダイオードに限定されることなく、発光波長や光出力の大きさに応じて、多重量子井戸層の構成、開口部の大きさ、垂直共振器型の厚さやチップの大きさなどは、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
本発明に係る垂直共振器型発光ダイオードの断面構造の一例を示す。 図1に示すダブルへテロ接合層中の活性層の拡大断面構造を示す。 (A)は5層からなる多重量子井戸層の構造例1における断面図、(B)はそのバンドダイヤグラム及び対応する光電界分布を示す図である。 5層からなる多重量子井戸層の構造例2におけるバンドダイヤグラム及び対応する光電界分布を示す図である。 5層からなる多重量子井戸層の構造例3におけるバンドダイヤグラム及び対応する光電界分布を示す図である。 図1に示す垂直共振器型発光ダイオードの平面図である。
符号の説明
1:垂直共振器型発光ダイオード
2:基板
3:第1反射層
4:第1クラッド層
5:活性層
5a:第1量子井戸層
5b:第2量子井戸層
5c:第3量子井戸層
5d,5e,5f,5g,26:バリア層
5h:第1拡散防止層
5i:第2拡散防止層
5j:多重量子井戸層
6:第2クラッド層
7:ダブルへテロ接合層
8:電流狭窄層
9:第2反射層
10:電極層
11:保護層
12,13:電極
14:出射窓部(開口部)
15:ダイシング領域
21,22,23::内側の量子井戸層
24,25:外側の量子井戸層

Claims (3)

  1. 少なくとも3層の量子井戸層を含む活性層と、該活性層を挟んで形成された反射層と、を有する垂直共振器型発光ダイオードであって、
    上記量子井戸層のうち、最も外側の量子井戸層の禁制帯幅は略同じで、かつ内側の量子井戸層の禁制帯幅よりも小さく、上記内側の量子井戸層の少なくとも1層の禁制帯幅が上記外側の禁制帯幅よりも大きく、
    上記最も外側の量子井戸層の発光波長(λ)は、上記内側の量子井戸層の発光波長と異なり、
    上記垂直共振器の長さは、上記最も外側の量子井戸層の発光波長(λ)に対して、略(m・λ)/2(ここで、mは整数)の長さであることを特徴とする、垂直共振器型発光ダイオード。
  2. 前記内側の量子井戸層は、垂直共振器内の光の定在波の腹に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の垂直共振器型発光ダイオード。
  3. 電流狭窄層をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の垂直共振器型発光ダイオード。
JP2006066782A 2006-03-10 2006-03-10 垂直共振器型発光ダイオード Active JP4771142B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006066782A JP4771142B2 (ja) 2006-03-10 2006-03-10 垂直共振器型発光ダイオード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006066782A JP4771142B2 (ja) 2006-03-10 2006-03-10 垂直共振器型発光ダイオード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007243073A JP2007243073A (ja) 2007-09-20
JP4771142B2 true JP4771142B2 (ja) 2011-09-14

Family

ID=38588284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006066782A Active JP4771142B2 (ja) 2006-03-10 2006-03-10 垂直共振器型発光ダイオード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4771142B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009277999A (ja) * 2008-05-16 2009-11-26 Hitachi Cable Ltd 半導体発光素子
CN113125111B (zh) * 2021-04-10 2023-03-28 中国科学院新疆理化技术研究所 一种垂直腔面发射激光器的外量子效率测试方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4069479B2 (ja) * 1997-02-19 2008-04-02 ソニー株式会社 多重量子井戸型半導体発光素子
JP2000174327A (ja) * 1998-12-03 2000-06-23 Oki Electric Ind Co Ltd 垂直微小共振器型発光ダイオード
JP4119158B2 (ja) * 2002-04-23 2008-07-16 三菱電機株式会社 傾斜状多重量子バリアを用いた半導体発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007243073A (ja) 2007-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7869483B2 (en) Surface emitting laser
JP4839478B2 (ja) 垂直共振器型発光ダイオード及びその製造方法
US7856045B2 (en) Surface emitting semiconductor component
TWI412154B (zh) Surface light emitting element
US7424043B2 (en) Surface-emitting type semiconductor laser
JP4273431B2 (ja) 垂直共振器型発光ダイオード
JP2000299492A (ja) 量子井戸型発光ダイオード
US20080080582A1 (en) Optically Pumped Semiconductor Device
JP6923295B2 (ja) 垂直共振器型発光素子及び垂直共振器型発光素子の製造方法
JP3785683B2 (ja) 面発光素子
JP4771142B2 (ja) 垂直共振器型発光ダイオード
JP4443094B2 (ja) 半導体発光素子
WO2023042675A1 (ja) 垂直共振器型発光素子
JP5006242B2 (ja) 面発光半導体レーザ素子
JPH1146038A (ja) 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法
JP5408487B2 (ja) 半導体発光素子
JP2007150075A (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2004241462A (ja) 発光素子及び発光素子用エピタキシャルウエハ
US6770915B2 (en) Light emitting element with multiple multi-layer reflectors and a barrier layers
JP2006270073A (ja) 発光ダイオード及びその製造方法
JPH1154846A (ja) 共振型面発光素子
JP2000174329A (ja) 垂直微小共振器型発光ダイオード
KR101305793B1 (ko) 발광소자 및 이의 제조방법
JP6887482B2 (ja) 発光素子
JP2009246056A (ja) 発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20071107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071107

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110531

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110608

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4771142

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250