JP4771070B2 - 圧電振動片及び圧電デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、圧電振動片、及びこの圧電振動片を搭載した圧電デバイスに係り、特に小型化された圧電振動片における励振時の不要振動を除去する場合に好適な圧電振動片と、この圧電振動片を搭載した圧電デバイスに関する。
圧電振動片を実装する圧電振動子は近年、携帯電話やPDAをはじめとする移動体通信機器や、各種電子機器等の基準信号発振源として幅広く使用されている。こうした電子機器は使用される環境が種々変化するため、基準信号発振源である圧電振動子は、広い温度帯域で安定した発振を担えるものが望ましい。こうした中、基板材料を水晶とする圧電振動片は温度特性が良好で、特にATカット水晶振動片はその量産性にも優れているため、多くの電子機器の発振源を支える振動片として用いられている。
ATカット水晶振動片は、厚み滑り振動を主振動とする圧電振動片である。近年では、上記に挙げた電子機器の小型化・薄型化に伴い小型化が要求される圧電振動子へ対応するために、圧電振動片自体の小型化が促進されてきている。圧電振動片の面積が縮小されると、主振動に対する不要振動の影響が大きくなり、スプリアスと呼ばれる波形の乱れや、CI値の劣化といった現象が生じる。このような実状の中、小型化された圧電基板において良好な発振を得るために、コンベックス型やベベル型、メサ型と言われるエネルギー閉じ込め型の圧電振動片が製造されてきた。
上記コンベックス型やベベル型、メサ型といったエネルギー閉じ込め型の圧電振動片は、厚み滑り振動と、この振動に対する不要振動との特性の違いを利用して圧電基板の厚肉部分に厚み滑り振動のエネルギーを集中させ、一方、不要振動のエネルギーを減衰させるという構造を持つ。
ところが、圧電振動片のさらなる小型化の要請により、ベベル型やコンベックス型の圧電振動片には加工上の問題点が指摘され、メサ型の圧電振動片には不要振動の減衰とメサ深さのバランス、エッチング時の形状劣化等が指摘されるようになってきた。
このような実状を受け、特許文献1に開示されているような圧電振動片が提案されている。特許文献1に開示されている圧電振動片は、ATカット水晶振動片であって、励振電極形成箇所から圧電基板の端部までの間の板面に、予め定められたパターンによって形成された深さを有する溝や孔を形成することで、溝や孔を形成した箇所の断面形状を上記コンベックス型やベベル型の圧電振動片に類似させ、不要振動の減衰を図り、励振部に対するエネルギー閉じ込め効果を狙うというものである。
特開2003−46366号公報
上記特許文献1に開示されている圧電振動片の構造は、圧電振動片を小型化する上で非常に有効な手段であると考えられる。しかし、圧電基板に溝を形成する場合、そのバランスを考えて圧電基板の表裏に同様の溝を形成すると、圧電基板の一部に極めて薄い部分が形成され、衝撃等の外部応力に対する耐性に疑問が生じる。また、圧電基板に設ける溝や孔は、その大きさ、深さ等に規則性を持たせることで特定の不要振動を減衰させる効果を奏するようにしているが、複雑な要因で生じる不要振動を規則的な構造の溝や孔によって減衰させることには限界があると考えられる。また、規則的な構造の溝は位相を合わせて波を反射するため、上記のような圧電振動片は特定周波数で不要振動を起こしやすい。このため溝の加工条件がばらつき、目標の値からずれた場合、不要振動と厚み滑り振動が結合して特性劣化を招く危険性がある。
そこで本発明は、小型化された圧電基板を用いた場合であっても、高いエネルギー閉じ込め効果を得ることができ、また、各種重畳し合う複数の不要振動に対しても、その不要振動を減衰させることが可能な圧電振動片を提供することを目的とする。また、本発明では、前述のような圧電振動片を搭載した圧電デバイスを提供することも目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る圧電振動片は、厚肉部と当該厚肉部の周囲に形成した薄肉部とを有し、主振動を厚み滑り振動とする結晶構造を有するATカット水晶基板によって構成される圧電振動片であって、前記厚肉部の板面に励振用の電極を形成し、前記薄肉部の板面に、前記主振動に重畳し得る主振動以外の振動である不要振動の波長λよりも小さな端面長さを持ち、前記厚肉部の板面と同一平面上に上端を持つ複数の凸部を形成したことを特徴とする。なお、上記課題を解決するための本発明に係る圧電振動片は、厚肉部と当該厚肉部の周囲に形成した薄肉部とを有し、主振動を厚み滑り振動とする結晶構造を有する圧電基板によって構成される圧電振動片であって、前記厚肉部の板面に励振用の電極を形成し、前記薄肉部の板面に、大きさの大小を不規則に定めた複数の凸部を形成したことを特徴とするものでも良い。このような構成の圧電振動片によれば、厚肉部に厚み滑り振動のエネルギーを集中させることができる。また、薄肉部に形成した複数の凸部により、圧電基板全体に振動を伝播させる不要振動を減衰させることができる。さらに、薄肉部に設けた複数の凸部の大きさの大小を不規則(任意)に定めて配置することにより、複雑な要因で生じる種々の不要振動に対して有効な減衰効果を奏することができるようになる。つまり結果として、厚み滑り振動を減衰させる事無く、不要振動のみを選択的に減衰する事が可能となり、良好な振動子特性が得られるようになるのである。
また、上記構成の圧電振動片では、前記厚肉部及び前記厚肉部の板面に形成する励振用の電極を楕円形状に形成することが望ましい。主振動である厚み滑り振動は、圧電基板の中心付近に楕円状に集中する傾向がある。したがって、エネルギー閉じ込め効果を奏する厚肉部と励振を担う励振電極とを楕円形状に形成することにより、主振動である厚み滑り振動を効率良く励起することができるようになる。一方、圧電基板全体に振動を伝播させる不要振動は、厚肉部の周囲に形成した複数の凸部により減衰させることができる。
また、上記課題を解決するための本発明に係る圧電振動片は、主振動を厚み滑り振動とする結晶構造を有するATカット水晶基板によって構成される圧電振動片であって、前記圧電基板の同一板面上に、金属部材によって励振用の電極と、前記励振用の電極の周囲に散在する、前記主振動に重畳し得る主振動以外の振動である不要振動の波長λよりも小さな端面長さを持つ複数の凸部とを形成したことを特徴とするものであっても良い。さらに、記課題を解決するための本発明に係る圧電振動片は、主振動を厚み滑り振動とする結晶構造を有する圧電基板によって構成される圧電振動片であって、前記圧電基板の板面に、励振用の電極と、金属部材によって前記励振用の電極の周囲に配置される凸部とを形成したことを特徴とするものであっても良い。このような構成とすることによれば、励振電極の形成箇所に、主振動である厚み滑り振動を集中させ、複数の凸部により、圧電基板全体に振動を伝播させる不要振動を減衰させることができる。さらに、複数の凸部の大きさの大小を不規則(任意)に定めて配置することにより、複雑な要因で生じる種々の不要振動に対して有効な減衰効果を奏することができるようになる。また、上記構成によれば、励振電極と凸部との双方を金属部材で構成することとなるため、励振電極の形成と同じ工程にて凸部の形成を行うことができる。
また、上記構成の圧電振動片では、前記励振用の電極を楕円形状に形成することが望ましい。主振動である厚み滑り振動は、圧電基板の中心付近に楕円状に集中する傾向がある。したがって、励振電極を楕円形状に形成することにより、主振動である厚み滑り振動を効率良く励起することができるようになる。一方、圧電基板全体に振動を伝播させる不要振動は、励振電極の周囲に形成した複数の凸部により減衰させることができる。
また、上記構成の圧電振動片では、前記複数の凸部の配置間隔を不規則に定めて形成することが望ましい。凸部の配置間隔に種々の変化を持たせることにより、凸部の大きさの大小と併せ、さらに多くの要因に起因する不要振動に対する減衰効果を奏することができるようになる。
また、上記構成の圧電振動片では、前記複数の凸部をエッチングによって形成すると良い。厚み滑り振動を主振動とする圧電基板、たとえばATカット水晶基板は、結晶構造の異方性によりウェットエッチング時のエッチングレートに違いを有する。この異方性エッチングの特性によるエッチングストップを利用すれば、薄肉部に対して凸部を段階的に形成することが可能となる。このため、1つの工程で高さの異なる凸部を形成することが可能となる。凸部の高さに変化を持たせるようにすることで、不要振動に対する減衰効果を高めることが可能となる。
また、上記構成の圧電振動片では、前記複数の凸部をブラスト加工によって形成しても良い。ブラスト加工による凸部の形成では、圧電基板の結晶構造に関わり無く圧電基板を加工することができる。
また、上記目的を達成するための本発明に係る圧電デバイスは、上記いずれかの圧電振動片を搭載したことを特徴とする。このような構成の圧電デバイスによれば、圧電振動片に起因する不要振動の影響の無い信号を発することができる。
以下、本発明の圧電振動片、及び圧電デバイスに係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の圧電振動片に係る第1の実施形態について図1を参照して説明する。なお、図1において、図1(A)は同図(B)におけるA−A断面を示す図であり、図1(B)は同図(A)における平面図を示すものである。
本実施形態の圧電振動片10は、厚肉部14とその周囲に形成された薄肉部16とから構成されるメサ型の圧電基板12を採用した圧電振動片である。圧電基板12の材料としては、タンタル酸リチウム(LiTaO)やニオブ酸リチウム(LiNbO)等、圧電性を有する素材の中から種々選択することができるが、本実施形態においては基板材料として水晶を採用し、特に、ATカットと呼ばれるカット角で切り出された水晶基板を採用することとする。
上記のような構成の圧電基板12において、前記厚肉部14には、振動を励起するための励振電極18a,18bが形成されている。また、前記薄肉部16であって、圧電基板12の端部には、実装用電極パッド22a,22bが形成されている。さらに、前記励振電極18(18a,18b)と前記実装用電極パッド22(22a,22b)との間には、両者の間の電気的導通を図るための引出電極20(20a,20b)が形成されている。引出電極20bは、励振電極18bから引き出され、実装用電極パッド22bにまで引き回されている。
このような基本構成を有する本実施形態の圧電振動片10は、厚肉部14の周囲に形成した薄肉部16に、複数の凸部24が設けられている。前記複数の凸部24は、任意に配置されたものであり、規則的に配置しても良いが、不規則に配置することが望ましい。また、凸部24の大きさも、任意、すなわち不規則とすることが望ましい。なお、凸部24の高さについては、特に限定しないが、こちらも任意に定めるようにしても良い。詳細には、前記凸部24の大きさは、圧電基板12の厚さTあるいはT´よりも小さく、また、不要振動の波長λよりも小さく設定し、凸部によるカットオフ周波数が不要波振動以下となるようにすれば良い。もちろん全ての凸部24をこれに準じた大きさに規定する必要は無く、大きな凸部24を混入させて形成していても良い。
上記のような構成の圧電振動片10は、主振動を厚み滑り振動としており、この厚み滑り振動の共振周波数周辺には、主振動に重畳する屈曲振動や縦振動、輪郭滑り振動等の種々の不要振動が存在する。上記のような構成の圧電振動片10では、主振動である厚み滑り振動の振動領域は、励振電極18が設けられた圧電基板12の中央付近に集中し、メサ構造とした厚肉部14にエネルギーが閉じ込められる。一方、不要振動は、圧電基板12の輪郭寸法に依存し、圧電基板12の全体に生じる。こうした不要振動は、振動波形の腹の部分に溝や段差を設けることにより減衰させることができるため、励起する主振動に重畳し得る不要振動の波長λよりも小さな端面長さを持つ凸部24を複数、圧電基板12の板面に不規則に配置することにより、不要振動のみを減衰させることが可能となる。また、本実施形態の圧電振動片10は、メサ構造を採っているため、主振動のエネルギー閉じ込め効果と、不要振動の減衰効果をさらに期待することができる。つまり結果として、厚み滑り振動を減衰させる事無く、不要振動のみを選択的に減衰する事が可能となり、良好な振動子特性が得られるようになるのである。さらに、本実施形態の圧電振動片10は、圧電基板12の板面に対し、溝では無く突起を設ける構成としたため、基板強度の劣化を防ぐことができる。
上記のような構成の圧電振動片10は、次のようにして製造することが望ましい。上記構成の圧電振動片10のように、薄肉部16に凸部24を形成する場合、厚肉部14と薄肉部16とを形成する工程にて同時に凸部24を形成すると良い。厚肉部14、薄肉部16、及び凸部24の形成は、エッチングによれば良く、例えばウェットエッチングによることができる。ウェットエッチングを行う場合、圧電基板12の基礎となる圧電体ウェハ(不図示)の全面をレジスト膜で覆い、エッチング対象箇所に開口を設けたマスクをセットし、エッチング対象箇所を覆うレジスト膜を露光する。このとき、エッチング対象箇所となるのは、凸部24間に形成される薄肉部16の形成箇所となる。露光後、レジスト膜を現像液に晒して露光箇所に該当するレジスト膜を除去する。現像後のレジスト膜を備えた圧電体ウェハをエッチング液に浸し、薄肉部16を形成する。薄肉部16の形成が終了後、圧電体ウェハ板面からレジスト膜を除去する。その後、圧電体ウェハを圧電基板12として個片化するための枠状の貫通溝を形成する。貫通溝を形成するには、上述した工程と同様に、圧電体ウェハ板面にレジスト膜を形成し、レジスト膜に個片化のための枠状の開口を形成する。圧電体ウェハに前記貫通溝を形成した後、レジスト膜を除去し、個片単位の圧電基板12に励振電極18、実装用電極パッド22、及び引出電極20を形成する。なお、各種電極の形成は、圧電基板12の板面に金属薄膜を形成した後、上記フォトリソの工程に準じて所望の形状にエッチングすることにより成せば良い。また、実際のフォトリソ工程では、圧電体ウェハとレジスト膜との間に金属薄膜を介在させてエッチング処理が行われる。また、圧電体ウェハの個片化は、ダイシングなどの機械的切断手段によるものであっても良い。さらに、上記工程ではエッチングに関し、ポジ型のレジストを使用した場合を前提として露光現像の工程を説明したが、レジストの種類としてはネガ型のものであっても良い。
ここで、本実施形態の圧電基板12として採用しているATカット水晶振動片は、結晶構造に異方性を有しているため、ウェットエッチングを行った際のエッチングレートが、エッチングの進行方向によって異なるという性質を持っている。したがって、上記のようにエッチングで凸部24を形成した場合、複数の凸部間の間隔によっては、エッチングが途中で終了してしまい(エッチングストップ)、薄肉部16の厚さが規定値に達しない部分が生じることがある。このような場合、薄肉部16に対して、凸部24とその中間層というように、段階的な凸部の形成が成されることとなる。こうした段階的な凸部の形成は、大きさ、形状、配置間隔、数、といった要素に加え、高さという要素を加えることとなり、凸部24形成における不規則性をさらに増やすことが可能となり、不要振動の抑制効果を向上させることができる。また、凸部24の形成は、薄肉部16の形成と同じ工程で行うため、従来と変わらない工程数で効率的に圧電振動片10を製造することが可能となる。
上記のような構成の圧電振動片10によれば、エネルギーが圧電基板の中央に集中する主振動である厚み滑り振動は、厚肉に形成された振動領域に閉じ込められ、良好に励起されることとなる。一方、圧電基板12の全体に振動が伝播する不要振動は、凸部24と薄肉部16によって構成される段差部での機械的損失が大きくなるため、大幅に減衰することとなる。結果として等価抵抗値が低く、不要振動の影響の無い振動の励起が可能な圧電振動片とすることができる。また、上記のような構成の圧電振動片10であれば、厚肉部14と薄肉部16との段差、すなわちメサ深さが小さい場合であっても、不要振動の減衰に関して大きな効果を得ることができる。このため、エッチング時間を短くすることができ、厚肉部(メサ部)14や圧電基板12自体の外形形状を良好に保つことが可能となる。
次に、本発明の圧電振動片に係る第2の実施形態について、図2を参照して説明する。なお、図2は本実施形態に係る圧電振動片の平面構成を示すものであり、上記第1の実施形態に示した圧電振動片と同様の作用を奏する部位に関しては、図1に示した符号に100を足した符号を附して詳細な説明は省略することとする。
本実施形態の圧電振動片110の基本的構成、及び厚肉部114の周囲に形成した薄肉部116に、複数の凸部124を形成した特徴部分については、第1の実施形態に示した圧電振動片10と同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。このような構成を有する本実施形態の圧電振動片110は、厚肉部114、及び励振電極118の形状を、楕円形状としたことを特徴としている。
厚み滑り振動のエネルギーは、圧電基板112の中央に楕円状に集中するため、この部分に厚肉部114、及び励振用電極118を設け、それ以外の部位に微小な凸部124を形成するということが、主振動である厚み滑り振動を得ながら、不要振動を減衰させることに最も効果的であると考えられるからである。
上記のような構成の本実施形態に係る圧電振動片110の製造工程は、上述した第1の実施形態に係る圧電振動片10と同様とすることができるため、詳細な説明は省略する。
次に、本発明の圧電振動片に係る第3の実施形態について図3を参照して説明する。なお、図3(A)は同図(B)におけるA−A断面を示す図であり、図3(B)は同図(A)における平面図である。本実施形態の圧電振動片は、第1、第2の実施形態に係る圧電振動片と同様に、基板材料としてATカット水晶基板を用いるものであるが、メサ構造を有しない点で第1、第2の実施形態の圧電振動片とは異なる。図3では、第1の実施形態に示した圧電振動片と同様な作用を担う部位については、図1に記載の符号に200を足した符号を附してその詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る圧電振動片210の基本的構成は、矩形状に形成された圧電基板212の中央に、矩形状の励振電極218(218a,218b)を形成するというものであり、前記励振電極218と、圧電基板212の端部に設けられた実装用電極パッド222(222a,222b)との間には、両者間の電気的導通を図るための引出電極220(220a,220b)が設けられている。
このような基本構成を有する本実施形態の圧電振動片210では、励振電極218を形成した部位以外の箇所における圧電基板212の板面に金属パターン(メタライズ)により複数の凸部224を形成したことを特徴とする。このような励振電極218や、凸部224の形成も、実質的にはエネルギー閉じ込め効果を奏する構成であるため、第1、第2の実施形態に示した複数の凸部24,124と同様の効果を奏するものである。
このような構成の圧電振動片210を製造する上では、前記凸部224を構成するメタライズと、前記励振電極218、実装用電極パッド222、及び引出電極220とを構成する部材とは同一部材とすることができる。このため、製造工程においては、圧電基板212の全面にメタライズを施し、励振電極218、実装用電極パッド222、引出電極220、及び凸部224の形成箇所以外の箇所をエッチングするという工程を経れば良い。このような製造工程を経ることで、励振電極218等の電極の形成と、凸部224の形成とを同時に行うことができ、従来の製造工程と変わらない工程数で本実施形態の圧電振動片を製造することができることとなる。
このような構成の圧電振動片210によれば、上記第1の実施形態に示した圧電振動片10と同様な効果を得ることができる。また、第1の実施形態に示した圧電振動片10と異なり、厚肉部14、あるいは薄肉部16の形成という工程が不要となるため、第1の実施形態に示す圧電振動片10よりも少ない工程数で圧電振動片を製造することが可能となる。
次に、本発明の圧電振動片に係る第4の実施形態について、図4を参照して説明する。なお、図4は本実施形態に係る圧電振動片の平面構成を示すものであり、上記第1の実施形態に示した圧電振動片と同様の作用を奏する部位に関しては、図1に示した符号に300を足した符号を附して詳細な説明は省略することとする。
本実施形態の圧電振動片310における殆どの構成は、上記第3の実施形態に示した圧電振動片210と同様である。すなわち矩形平板形状の圧電基板312の板面に、励振電極318、実装用電極パッド322(322a,322b)、引出電極320(320a,320b)、及び凸部324を形成したことを特徴とするものである。
上記第3の実施形態に示した圧電振動片210と異なる点は、前記励振電極318の形状を、上記第2の実施形態に示した圧電振動片110と同様に、楕円形状とした点である。
上記のような構成の圧電振動片310における基本的構成による作用効果は、上記第3の実施形態に示した圧電振動片210と同様であり、励振電極318の形状に伴う作用効果については、上記第2の実施形態に示した圧電振動片110と同様である。
上記それぞれの実施形態では、凸部24,124,224,324の形成は、エッチングによって行う旨記載した。しかしながら、圧電基板の加工、並びに凸部の形成は、他の手法であっても良い。具体的な加工方法としてブラスト加工を挙げることができる。ブラスト加工により上記実施形態におけるエッチング対象箇所を加工することにより、前記凸部の形成が可能となる。ブラスト加工(例えばサンドブラスト)による加工で凸部の形成を行うようにすれば、圧電基板の結晶構造の異方性の影響を受けることなく加工を行うことができる。
ブラスト加工によって凸部を形成する場合、圧電基板の板面や、圧電基板の板面に施したメタライズ上にウレタン系材料等を用いたマスクを形成する。マスクにより加工箇所以外、すなわち厚肉部や電極、凸部等以外の箇所を覆う。その後、マスクの開口部に対してブラスト加工を施し、圧電基板やメタライズを所定量掘り込むことにより凸部や電極、厚肉部等を形成することができる。
なお、ブラスト加工の代わりにドライエッチングにより凸部等の形成を行うことも可能である。ドライエッチングによる加工は、エッチングレートが低い事を勘案すれば、微細加工が可能な事、結晶構造の異方性に影響されない事等の利点がある。このため、加工深さの浅い第3、第4の実施形態に示した圧電振動片における凸部や電極の形成を行う場合に適用すると良いと考えられる。
また、第3、第4の実施形態に示した圧電振動片のように、励振電極の周囲にメタライズにより凸部を形成する場合には、励振電極等の電極を形成した圧電基板に対して、溶射等の技術を用いて励振電極の周囲に金属を吹き付けるようにしても良い。
なお、上記それぞれの実施形態では、圧電基板の表裏面に対して同様に凸部やメサ部を形成しているが、例えばプラノメサ型の圧電振動片などの表裏非対称な構造を有する圧電基板に対しては、一方の面のみに凸部を形成するようにしても良い。
次に、本発明の圧電デバイスに係る実施の形態について、図5を参照して説明する。なお、図5は、圧電デバイスの断面構造を示す図である。
図5に示す圧電デバイス500は、上記各実施形態に示した圧電振動片のいずれかを搭載したことを特徴とする圧電振動子の例を示すものである。その構成は、圧電振動片と、この圧電振動片を内部に搭載するパッケージ550とを基本とする。なお、パッケージ550の構成は、枡状に形成され、圧電振動片を実装するためのキャビティ532を備えるベース530と、前記ベース530の上部開口部を封止するリッド540とから成る。前記ベース530の構成部材は、例えばセラミック等の絶縁材料で形成することが望ましい。また、前記リッド540の構成部材は、前記ベース530と熱膨張係数の近い材質とすることが望ましく、薄肉部材とした場合でも、封止部の気密性を保つことができる部材であると良い。例えば前記ベース530をセラミックとした場合、リッド540の材質としてはガラスや水晶、あるいはコバール等の合金等を採用すると良い。なお、ベース530に対する圧電振動片の実装は、導電性接着剤560を用いれば良い。また、ベース530とリッド540との接合は、シールリング等を介してシーム溶接にて行われるようにすれば良い。
上記のような構成の圧電デバイス500は、等価抵抗値が低く、不要振動の影響の無い良好な振動波形を奏する。
本発明の圧電振動片に係る第1の実施形態を示す図である。 本発明の圧電振動片に係る第2の実施形態を示す図である。 本発明の圧電振動片に係る第3の実施形態を示す図である。 本発明の圧電振動片に係る第4の実施形態を示す図である。 本発明の圧電振動片を搭載した圧電振動子を示す図である。
符号の説明
10………圧電振動片、12………圧電基板、14………厚肉部、16………薄肉部、18(18a,18b)………励振電極、20(20a,20b)………引出電極、22(22a,22b)………実装用電極パッド、24………凸部。

Claims (7)

  1. 厚肉部と当該厚肉部の周囲に形成した薄肉部とを有し、主振動を厚み滑り振動とする結晶構造を有するATカット水晶基板によって構成される圧電振動片であって、
    前記厚肉部の板面に励振用の電極を形成し、
    前記薄肉部の板面に、前記主振動に重畳し得る主振動以外の振動である不要振動の波長λよりも小さな端面長さを持ち、前記厚肉部の板面と同一平面上に上端を持つ複数の凸部を形成したことを特徴とする圧電振動片。
  2. 前記厚肉部及び前記厚肉部の板面に形成する励振用の電極を楕円形状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
  3. 主振動を厚み滑り振動とする結晶構造を有するATカット水晶基板によって構成される圧電振動片であって、
    前記圧電基板の同一板面上に、金属部材によって励振用の電極と、前記励振用の電極の周囲に散在する、前記主振動に重畳し得る主振動以外の振動である不要振動の波長λよりも小さな端面長さを持つ複数の凸部とを形成したことを特徴とする圧電振動片。
  4. 前記励振用の電極を楕円形状に形成したことを特徴とする請求項3に記載の圧電振動片。
  5. 前記複数の凸部をエッチングによって形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧電振動片。
  6. 前記複数の凸部をブラスト加工によって形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧電振動片。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の圧電振動片を搭載したことを特徴とする圧電デバイス。
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