JP4770732B2 - モータの制御方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばヒートポンプサイクル等に使用される圧縮機を起動するための同期モータの制御方法およびその装置に関するものである。
従来より、圧縮機等の駆動用の同期モータ制御において、位置検出センサを用いないセンサレスモータ制御方法が数多く提案されている。このセンサレス制御においては、誘起電圧や電流情報から位置情報や位相情報を検出し制御に用いるが、起動初期はそれらの検出が困難であることから、強制的に転流運転(以下「他制運転」と呼ぶ)し、安定した位置検出が可能になってから位置検出運転に切替える方法がとられている。しかし、負荷や誘起電圧の状態によっては、他制運転時に回転が不安定となり、起動失敗する場合がある。
ここで、起動時の負荷が不明であることによる起動失敗を防ぐ為、例えば特許文献1に示されるように、複数の起動パターンを持ち、周囲温度条件等により最適な起動パターンを選択するものが提案されている。
また、他制運転から位置検出運転に移行する際、切替え時の負荷状態や負荷変動レベルによる切替え失敗を防止するため、例えば特許文献2に示されるように、他制運転時に負荷を推定し、それに応じて位置検出運転の制御ゲインを決定して安定化を図るものが提案されている。
また、他制運転時の限界回転数を上げる手段として、例えば特許文献3に示されるように、位相差検出手段を用いて電圧と電流の位相差の高周波分を検出して、電圧位相を制御するものが提案されている。
特開2002−125391号公報 特開2003−284377号公報 特開2004−343948号公報
しかしながら、上記特許文献1のような起動方法では、温度条件等の推定ズレがあると起動パターン選択ミスとなって確実な起動が可能になるとは言えない。また、上記特許文献2では制御ゲインを変更してセンサレス制御の安定化を図るが、安定した位置検出が可能になる回転数まで他制運転を継続する手段についてはなんら記載されていない。
更に、上記特許文献3では、位相差検出手段を持たないベクトル制御に適用する場合、検出手段の追加となり、演算負荷の増大を招く上、回転数に応じたゲイン調整など、制御が複雑化してしまう問題がある。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、センサレス制御を適用する場合に、制御の複雑化を回避すると共に、他制運転において安定したセンサレス制御への切替えが行なえる回転数まで上昇させて制御を可能とするモータの制御方法およびその装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、センサレス駆動によって同期モータ(200)を制御するモータの制御方法であって、強制運転を行なう起動初期または低速時に、同期モータ(200)の電流が所定値となるように印加電圧(vao)を決定し、同期モータ(200)の回転によって生じる誘起電圧(eα、eβ)を推測し、印加電圧(vao)に相関する第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)と、誘起電圧(eα、eβ)に相関する第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)とを合成して、同期モータ(200)に印加することを特徴としている。
第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)は、他制運転において強制的に同期モータ(200)を回転させるための電圧指令であり、同期モータ(200)の回転位置とは相関が無い。一方、第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)は、誘起電圧(eα、eβ)から得られるものであり、同期モータ(200)の回転位置と相関がある。
第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)とモータ(200)の回転位置とがずれると、第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)と第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)の位相差が変化し、合成ベクトル(vα、vβ)は、第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)とモータ(200)の回転位置とのずれを抑制する方向に調整され、パッシブな安定化が行われる。
よって、制御の複雑化を回避すると共に、他制運転において安定したセンサレス制御への切替えが行なえる回転数まで上昇させて制御を可能とするモータの制御方法とすることができる。
第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)を演算する際には、請求項2に記載の発明のように、誘起電圧オブザーバ(170)を用いて好適である。
これにより、誘起電圧の位相だけでなく、電圧振幅も適切に第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)に反映することができる。
また、第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)は、請求項3に記載の発明のように、少なくとも同期モータ(200)の推定位置(θre)を用いて演算することができる。
これにより、誘起電圧オブザーバ(170)以外の位置検出手段であっても、上記請求項2と同様の効果を得ることができる。また、誘起電圧オブザーバ(170)が推定する誘起電圧の誤差が大きい場合には、誘起電圧振幅の誤差による悪影響を回避して、安定した制御が可能となる。
請求項4に記載の発明では、センサレス駆動によって同期モータ(200)を制御するモータの制御方法であって、強制運転を行なう起動初期または低速時に、同期モータ(200)の電流が所定値となるように印加電圧(vao)を決定し、同期モータ(200)を流れる電流のベクトル(iα、iβ)を検出し、印加電圧(vao)に相関する第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)と、電流ベクトル(iα、iβ)と逆相関係となる第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)とを合成して、同期モータ(200)に印加することを特徴としている。
これにより、電流ベクトル(iα、iβ)から得られる第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)によって、上記請求項1と同様に合成ベクトル(vα、vβ)として第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)の調整が可能となり、簡単な制御(演算)で上記請求項1と同様の効果を得ることができる。
請求項4に記載の発明において、請求項5に記載の発明では、同期モータ(200)の回転数に応じて、第2電圧ベクトル(vα2、vβ2)の大きさを変更することを特徴としている。
電流ベクトル(iα、iβ)と逆相関係となる第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)は、同期モータ(200)の回転数を考慮したものではないため、回転数を考慮することで、より安定した制御が可能となる。
上記請求項5に記載の発明においては、請求項6に記載の発明のように、同期モータ(200)の回転数が高いほど、前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)を大きい側に変更するのが良い。
請求項7に記載の発明では、同期モータ(200)の温度に応じて、第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)の大きさを変更することを特徴としている。
これにより、同期モータ(200)の温度による影響を抑えて、より安定した制御が可能となる。
上記請求項7に記載の発明においては、請求項8に記載の発明のように、回転を不安定にする主要因の誘起電圧が大きくなる、すなわち同期モータ(200)の温度が低いほど、第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)を大きい側に変更するのが良い。
請求項9に記載の発明では、同期モータ(200)の回転数が所定回転数以上になった時点で、第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)と第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)とを合成して、同期モータ(200)に印加することを特徴としている。
これにより、第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)の誤差が含まれる極低回転域での悪影響を回避して、安定した制御が可能となる。
請求項10〜請求項18に記載の発明は、上記モータの制御方法を可能とするモータの制御装置に関するものであり、その技術的意義は上記請求項1〜請求項9に記載のモータの制御方法と本質的に同じである。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図1、図2に示す図面を用いて説明する。図1はモータの制御装置100を示すブロック図、図2は2相(αβ)固定軸座標における電圧ベクトルの合成状態を示すベクトル図である。
モータの制御装置(以下、制御装置)100は、図1に示すように、以下説明する各機能部110〜190を有しており、モータ200の作動を制御するものである。モータ200は、3相ブラシレス直流の同期モータであり、また、モータ200によって駆動される相手側機器は、ここでは、給湯機(図示せず)用のヒートポンプサイクル中に配設される圧縮機210としている。
制御装置100は、電流振幅制御部110、電流演算部120、座標変換部130、電圧位相制御部140、合成部150、インバータ160、拡張誘起電圧オブザーバ170、位相演算部180、速度演算部190を有している。
電流振幅制御部110は、モータ200を流れる電流値が目標電流値(所定値)となるように電圧指令(印加電圧)vaoを決定する。即ち、電流振幅制御部110は、図示しない給湯機(ヒートポンプサイクル)における給湯機制御部から出力されるモータ200(圧縮機210)作動のための電流指令iao、および後述する電流演算部120からの実電流値iaに基づいてPI制御を用いて電圧指令vaoを決定する。
電流演算部120は、モータ200を流れる電流の直角座標上の電流ベクトル、ここでは2相固定座標軸上の電流ベクトルiα、iβから電流の大きさとして実電流値iaを演算して、上記電流振幅制御部110に出力する。
座標変換部130は、第1の変換部を成すものであり、上記電流振幅制御部110からの電圧指令vaoと、後述する電圧位相制御部140からの電圧位相指令θvoとを用いて、極座標から直角座標に変換し、ここでは、2相固定軸座標上に変換した第1の電圧ベクトル、つまり第1電圧ベクトルvα1、vβ1として生成し、出力する。
電圧位相制御部140は、図示しない回転速度制御部から出力される回転数指令ωoを積分することで電圧位相指令θvoとして、座標変換部130に出力する。
合成部150は、座標変換部130からの第1電圧ベクトルvα1、vβ1と、後述する拡張誘起電圧オブザーバ170からの第2電圧ベクトルvα2、vβ2とを合成して、合成ベクトルvα、vβとして、インバータ160に出力する。
インバータ160は、上記合成部150からの合成ベクトルvα、vβに基づいて、3相(U相、V相、W相)の上下アームスイッチング素子を所定のタイミングでスイッチング動作させ、モータ200に電力(電流)を供給する。
拡張誘起電圧オブザーバ(以下、オブザーバ)170は、第2の変換部を成すものであり、上記の合成ベクトルvα、vβと、モータ200に供給される電流ベクトルiα、iβとから拡張誘起電圧ベクトルeα、eβを推定(演算)して、位相演算部180に出力するとともに、拡張誘起電圧ベクトルeα、eβに図示しないフィルタや、ゲインをかけて、第2の電圧ベクトルvα2、vβ2とし、上記合成部150に出力するようにしている。
位相演算部180は、オブザーバ170で観測された拡張誘起電圧ベクトルeα、eβからモータ200の推定回転位置(推定位置)θreを演算し、速度演算部190に出力する。そして、速度演算部190は、推定回転位置θreを微分や、同定手段を用いて推定回転数ωを算出し、図示しない回転速度制御部へ出力するようになっている。
次に、上記構成に基づく制御装置100の作動について説明する。本制御装置100において、モータ200の起動時または低回転時には推定位置が確実に検出できないことから、他制運転における電流一定制御によってモータ200を駆動する。他制運転では電流演算部120からの実電流値iaをフィードバックすることでモータ200における電流値が目標電流値となるように電圧指令(印加電圧)vaoを制御して、モータ200に印加する。上記目標電流値として起動時に想定される負荷トルク条件より大きくとることで、例えば圧縮機210の液圧縮による高負荷起動のような起動初期の負荷大小による起動の失敗を無くすことができる。
しかし、他制運転において、モータ200の回転位置と、電流位相即ち電圧指令vaoの位相とがずれると、トルク電流成分が変動し、負荷トルクとの間で脈動を起こし、回転が不安定になる。この傾向は、モータ200の雰囲気温度が低温の時などのように、モータ巻線のインピーダンスが小さく(例えば、抵抗が小さく)、誘起電圧が大きい(例えば、回転数が比較的高い)条件で顕著となる。
本実施形態では、第1電圧ベクトルvα1、vβ1によって、他制運転を行ないながら、オブザーバ170にてモータ200の回転位置に相関のある第2電圧ベクトルvα1、vβ2を推測している。そして、図2に示すように、第1電圧ベクトルvα1、vβ1と、第2電圧ベクトルvα2、vβ2とを合成部150で合成し、合成ベクトルvα、vβとして、モータ200に印加する。
第1電圧ベクトルvα1、vβ1とモータ200の回転位置とがずれると、第1電圧ベクトルvα1、vβ1と第2電圧ベクトルvα2、vβ2の位相差が変化し、合成ベクトルvα、vβは、第1電圧ベクトルvα1、vβ1とモータ200の回転位置とのずれを抑制する方向に調整され、パッシブな安定化が行われる。さらに、第2電圧ベクトルvα2、vβ2は回転数の上昇と共に大きくなるため、電流振幅制御部110は、拡張誘起電圧に相当する電圧成分以外を制御対象とすることで、応答性を高めることができる。
よって、制御の複雑化を回避すると共に、他制運転において安定したセンサレス制御への切替えが行なえる回転数まで上昇させて制御を可能とする制御装置100とすることができる。
つまり、他制運転では通常、モータ200の回転位置に対する最適なモータ200への印加電圧と、実際に印加される電圧には誤差が大きく生ずるが、本実施形態では、回転数の上昇と共に印加電圧の確度を高めることができる。回転数の上昇と共に第2電圧ベクトルvα2、vβ2の大きさが大きく得られ、推定位置の誤差の影響を考慮しながら、他制運転における不安定要因を抑制することができる。また、他制運転での目標電流値を低く設定することができ、例えばインバータ160のスイッチング素子等の温度上昇を抑制できる。更には、圧縮機210の振動を軽減できる。
(第2実施形態)
第2実施形態の制御装置100Aを図3に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、第2変換部としてのオブザーバ170を変更し、モータ200の推定位置を用いて第2電圧ベクトルvα2、vβ2を演算するようにしている。尚、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、以下、変更点を中心に説明する。
ここでは、オブザーバ170、および位相演算部180を廃止して、第2変換部が位置推定部171、誘起電圧項算出部172、座標変換部173から構成されるようにしている。
位置推定部171は、合成ベクトルvα、vβと、モータ200に供給される電流ベクトルiα、iβとから推定回転位置(推定位置)θreを推定するようになっている。位置推定の方式としては、電流誤差方式、力率角方式等とすることができる。
また、誘起電圧項算出部172は、起電力係数ωKEを算出して、座標変換部173に出力する。そして、座標変換部173は、上記推定回転位置θreと、起電力係数ωKEとを基に回転軸座標上から2相固定軸座標上に変換した第2電圧ベクトルvα2、vβ2を算出して、合成部150に出力する。
合成部150では、上記第1実施形態と同様に、第1電圧ベクトルvα1、vβ1と、第2電圧ベクトルvα2、vβ2とを合成し、合成ベクトルvα、vβとして電圧位相を調整し、モータ200に印加する。
これにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態の制御装置100Bを図4に示す。第3実施形態は、上記第1実施形態に対して、第2変換部としてのオブザーバ170を算出部174に変更し、算出部174でモータ200の電流ベクトルiα、iβを用いて第2電圧ベクトルvα2、vβ2を演算するようにしている。尚、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、以下、変更点を中心に説明する。
算出部174は、図5に示すように、電流ベクトルiα、iβに所定の係数Kα、Kβを掛けて、電流ベクトルiα、iβに対して逆相関係となる第2電圧ベクトルvα2、vβ2を演算するようにしている。尚、図5においては、本来α軸上、β軸上に示される各ベクトル(vα1、vβ1、vα2、vβ2、iα、iβ)について、それぞれの大きさを見やすくするために、α軸上、β軸上から少しずらして表示している。
そして、合成部150において、上記第1実施形態と同様に、第1電圧ベクトルvα1、vβ1と、第2電圧ベクトルvα2、vβ2とを合成し、合成ベクトルvα、vβとして電圧位相を調整し、モータ200に印加する。
これにより、本第3実施形態では、上記第1実施形態における制御よりも確度は劣るものの、簡単な制御(演算)で上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
尚、算出部174において第2電圧ベクトルvα2、vβ2を演算する際に、モータ200の回転数に応じて、第2電圧ベクトルvα2、vβ2の大きさを変更すると良い。つまり、モータ200の回転数が高いほど、第2の電圧ベクトルvα2、vβ2が大きくなるように算出する。具体的には、係数Kα、Kβの絶対値を予め回転数の上昇と共に大きくなるように関係付けておき、回転数に応じた係数Kα、Kβを選択し、選択した係数Kα、Kβを用いて第2電流ベクトルvα2、vβ2を演算する。
電流ベクトルiα、iβと逆相関係となる第2電圧ベクトルvα2、vβ2は、モータ200の回転数を考慮したものではないため、上記のように回転数を考慮することで、より安定した制御が可能となる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態において、モータ200の所定部位における作動温度やその他モータ200と相関関係のある温度、推定温度に応じて、第2電圧ベクトルvα2、vβ2の大きさを変更するようにしても良い。例えば、モータ200の温度が低く、モータ巻線の抵抗が小さく、起電力が大きい場合に、モータ200の回転位置と電圧指令vaoとの位相誤差は生じやすいため、モータ200の温度が低いほど、第2電圧ベクトルvα2、vβ2を大きい側に変更して、第1電圧ベクトルvα1、vβ1の調整量を大きくしてやると良い。
これにより、モータ200の温度による影響を抑えて、より安定したモータ200の制御が可能となる。
また、他制運転における合成部150での合成ベクトルvα、vβの生成、およびモータ200への印加は、モータ200の回転数が予め定めた所定回転数以上(例えば100rpm以上)となった時に、合成する割合を零から徐々に増やすと良い。
これにより、モータ200の回転位置推定誤差の大きく発生する極低回転数域で、不適切な第2電圧ベクトルvα2、vβ2による悪影響を回避して、安定した制御が可能となる。特に、第1実施実施形態のように、オブザーバ170を用いる場合においては、誘起電圧が小さい極低回転域では、オブザーバ170が推定する誘起電圧の誤差による悪影響を回避して、安定した制御が可能となる。
また、モータ200の相手側となる圧縮機210は、給湯機用のヒートポンプサイクルに使用されるものに限らず、空調装置用の冷凍サイクルに使用されるもの等としても良い。更に、相手側機器としては圧縮機210に限らず、その他モータ軸出力を受ける機械としても良い。
第1実施形態におけるモータの制御装置を示すブロック図である。 第1実施形態における2相(αβ)固定軸座標での電圧ベクトルの合成状態を示すベクトル図である。 第2実施形態におけるモータの制御装置を示すブロック図である。 第3実施形態におけるモータの制御装置を示すブロック図である。 第3実施形態における2相(αβ)固定軸座標での電圧ベクトルの合成状態を示すベクトル図である。
符号の説明
100 モータの制御装置
110 電流振幅制御部
130 座標変換部(第1変換部)
150 合成部
170 拡張誘起電圧オブザーバ(第2変換部)
174 算出部
200 モータ

Claims (18)

  1. センサレス駆動によって同期モータ(200)を制御するモータの制御方法であって、
    強制運転を行なう起動初期または低速時に、
    前記同期モータ(200)の電流が所定値となるように印加電圧(vao)を決定し、
    前記同期モータ(200)の回転によって生じる誘起電圧(eα、eβ)を推測し、
    前記印加電圧(vao)に相関する第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)と、前記誘起電圧(eα、eβ)に相関する第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)とを合成して、前記同期モータ(200)に印加することを特徴とするモータの制御方法。
  2. 前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)を演算する際に、誘起電圧オブザーバ(170)を用いることを特徴とする請求項1に記載のモータの制御方法。
  3. 前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)を演算する際に、少なくとも前記同期モータ(200)の推定位置(θre)を用いることを特徴とする請求項1に記載のモータの制御方法。
  4. センサレス駆動によって同期モータ(200)を制御するモータの制御方法であって、
    強制運転を行なう起動初期または低速時に、
    前記同期モータ(200)の電流が所定値となるように印加電圧(vao)を決定し、
    前記同期モータ(200)を流れる電流のベクトル(iα、iβ)を検出し、
    前記印加電圧(vao)に相関する第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)と、前記電流ベクトル(iα、iβ)と逆相関係となる第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)とを合成して、前記同期モータ(200)に印加することを特徴とするモータの制御方法。
  5. 前記同期モータ(200)の回転数に応じて、前記第2電圧ベクトル(vα2、vβ2)の大きさを変更することを特徴とする請求項4に記載のモータの制御方法。
  6. 前記同期モータ(200)の回転数が高いほど、前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)を大きい側に変更することを特徴とする請求項5に記載のモータの制御方法。
  7. 前記同期モータ(200)の温度に応じて、前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)の大きさを変更することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のモータの制御方法。
  8. 前記同期モータ(200)の温度が低いほど、前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)を大きい側に変更することを特徴とする請求項7に記載のモータの制御方法。
  9. 前記同期モータ(200)の回転数が所定回転数以上になった時点で、前記第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)と前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)とを合成して、前記同期モータ(200)に印加することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載のモータの制御方法。
  10. センサレス駆動によって同期モータ(200)を制御するモータの制御装置において、
    前記同期モータ(200)の電流が所定値となるように印加電圧(vao)を制御する電流振幅制御部(110)と、
    前記印加電圧(vao)を、この印加電圧(vao)に相関する第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)に変換する第1変換部(130)と、
    前記同期モータ(200)の回転によって生じる誘起電圧(eα、eβ)を推測すると共に、前記誘起電圧(eα、eβ)を、この誘起電圧(eα、eβ)に相関する第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)に変換する第2変換部(170)と、
    強制運転を行なう起動初期または低速時に、前記第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)と前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)とを合成して、前記同期モータ(200)に印加する合成部(150)とを備えることを特徴とするモータの制御装置。
  11. 前記第2変換部(170)は、誘起電圧オブザーバ(170)であることを特徴とする請求項10に記載のモータの制御装置。
  12. 前記第2変換部(170)は、少なくとも前記同期モータ(200)の推定位置(θre)を用いて前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)を演算することを特徴とする請求項10に記載のモータの制御装置。
  13. センサレス駆動によって同期モータ(200)を制御するモータの制御装置において、
    前記同期モータ(200)の電流が所定値となるように印加電圧(vao)を制御する電流振幅制御部(110)と、
    前記印加電圧(vao)を、この印加電圧(vao)に相関する第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)に変換する第1変換部(130)と、
    前記同期モータ(200)を流れる電流のベクトル(iα、iβ)を検出すると共に、前記電流ベクトル(iα、iβ)と逆相関係となる第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)を算出する算出部(174)と、
    強制運転を行なう起動初期または低速時に、前記第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)と前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)とを合成して、前記同期モータ(200)に印加する合成部(150)とを備えることを特徴とするモータの制御装置。
  14. 前記算出部(174)は、前記同期モータ(200)の回転数に応じて、前記第2電圧ベクトル(vα2、vβ2)の大きさを変更することを特徴とする請求項13に記載のモータの制御装置。
  15. 前記算出部(174)は、前記同期モータ(200)の回転数が高いほど、前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)を大きい側に変更することを特徴とする請求項14に記載のモータの制御装置。
  16. 前記第2変換部(170)、あるいは前記算出部(174)は、前記同期モータ(200)の温度に応じて、前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)の大きさを変更することを特徴とする請求項10〜請求項15のいずれか1つに記載のモータの制御装置。
  17. 前記第2変換部(170)、あるいは前記算出部(174)は、前記同期モータ(200)の温度が低いほど、前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)を大きい側に変更することを特徴とする請求項16に記載のモータの制御装置。
  18. 前記合成部(150)は、前記同期モータ(200)の回転数が所定回転数以上になった時点で、前記第1の電圧ベクトル(vα1、vβ1)と前記第2の電圧ベクトル(vα2、vβ2)とを合成して、前記同期モータ(200)に印加することを特徴とする請求項10〜請求項17のいずれか1つに記載のモータの制御装置。
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