JP4770286B2 - N−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩の結晶の製造方法 - Google Patents
N−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩の結晶の製造方法 Download PDFInfo
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Description
(1)一つの槽内に噴霧乾燥部と流動造粒部とを有する噴霧乾燥造粒装置において、噴霧乾燥部で水分含量が3.5〜20重量%までN−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩を一次乾燥し、流動造粒部で結晶質から非晶質への相転移温度以下の温度で最終乾燥させることを特徴とする、CuKα線による粉末X線回折において、20.0〜23.0°の回折角度(2θ±0.3°)に主ピークを有し、水分含量が0.01〜3.4重量%であるN−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩の結晶の製造方法。
(2)(1)に記載の製造方法で製造されたN−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩の結晶を含有することを特徴とする洗浄料組成物。
示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツルメンツ社製、DSC6200)により、各N−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩の粉末を25℃〜140℃まで2℃/分で昇温したときの吸熱ピーク温度(相転移温度)を測定した。セルは銀製の完全密閉セルを使用した。
N−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩の平均粒径(D50)は、ギルソニックオートシーバー GA-6(セイシン企業)を用いて、TAPあり、振幅強度50の条件で篩38、75、106、150、250、355、500、710μm を用いて10分間篩分し、それぞれの篩上の重量百分率を透過率曲線に描き、透過率50%の粒径をD50として採用した。また表中の75μm以下割合は、この評価で75μmの篩の篩下の割合を示したものであり、耐飛散性の評価の参考値として掲載した。
得られたN−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩の粒子形状は,ION SPUTTER E-1020 (HITACHI)で薄膜処理したサンプルを電子顕微鏡SEM S−4800(HITACHI)で観察した。
N−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩の粉末の水分含量を、カール・フィッシャー法(三菱化学(株)製、水分気化装置VA−06型)により測定して求めた。
粉末X線回折装置(フィリップス社製、PW3050)により、対陰極CuKα(1.5405Å)、40KV、55mA(電圧、電流)、サンプリング幅0.020°、走査速度3.0°/min、測定回折角範囲(2θ):5〜50°の条件で測定した。ピークサーチは、回折装置付属のソフトウエアのピークサーチ機能を利用し、「最小有意度=1.00、最小ピークチップ=0.01°、最大ピークチップ=1.00°、ピークベース幅=2.00°、方法=2次微分の最小値」の条件で行った。機械的にピークとして認識されたものを結晶とし、ピークとして認識されなかったものを非晶質とした。
目視による観察
内径40mmの円柱に飼料粉末25gを入れ、770gの錘を乗せた後、装置一式をビニールに入れて恒温槽( 50℃)で24時間保存した。24時間後の粉の状態を目視により観察し、固結が認められたものを×、固結が認められなかったものを○で評価した。
評価サンプル10gを50cmの高さから落下させパネル3名が下記の評価基準で評価し、3名の評価点の平均値を算出し、1点以上2点未満を×、2点以上3点未満を△、3点を○、4点を◎として表1に示した。
<評価基準>
1点:落下後30秒後も粉立ちが見られる。
2点:落下後20秒後も粉立ちが見られる。
3点:落下後10秒後も粉立ちが見られる。
4点:粉立ちが殆どない
60℃の温水を27g張り込んだビーカーに、2cm片のマグネットスターラーを300rpmで回転させた状態で、評価サンプル3.0gを投入し、目視にて完全に溶解するまでの時間を測定し、3回平均を溶解時間とした。評価は該溶解時間が3分未満を○、3分以上6分未満を△、6分以上を×として表1に示した。この評価は洗顔フォーム製造など、液状または練り状洗浄料の製造工程での溶解等の容易さを評価するものである。
評価サンプル0.2gを手のひらにとり、水道水2.0gを加え、指で10回混合した後の状態を目視により評価した。パネル3名が下記の評価基準で評価し、3名の評価点の平均値を算出し、1点以上2点未満を×、2点以上3点未満を△、3点以上4点未満を○、4点を◎として表1に示した。この評価は、パウダー洗顔料としての適応性を評価するものである。
<評価基準>
1点:大きな凝集物や硬い結晶が残る
2点:凝集物や結晶がやや溶け残る
3点:均一に溶解する
4点:素早く溶解する
常法により得られたミリストイルグルタミン酸ナトリウム水溶液(固形分27.9重量%)を60℃に昇温し、一つの槽内に噴霧乾燥部と流動造粒部とを有する噴霧乾燥造粒装置で噴霧乾燥、造粒させた。詳細条件を表1に示す。
実施例2は、原料はそのままに温度条件を変更して、実施例1と同様に実施した。実施例3、4は、原料をラウロイルグルタミン酸ナトリウム水溶液(固形分28.5重量%)にして、実施例1と同様に、各々条件を変えて実施した。詳細条件を表1に示す。
常法により得られたミリストイルグルタミン酸ナトリウム水溶液(固形分28.5重量%)を60℃に昇温し、公知であるスプレードライ法において、140℃の熱風を導入し、排気温度が90℃となるように噴霧液速度、風量を調整して乾燥した。
常法により得られたラウロイルグルタミン酸ナトリウム水溶液(固形分28.0重量%)を60℃に昇温し、公知であるスプレードライ法において、140℃の熱風を導入し、排気温度が90℃となるように噴霧液速度、風量を調整して乾燥した。
比較例2のスプレードライ品(ラウロイルグルタミン酸ナトリウム塩)2kgを種晶として、熱風80℃を導入した流動層で流動させたあと、該流動層に60℃に昇温した固形分30.0%のラウロイルグルタミン酸ナトリウム水溶液を噴霧して造粒乾燥させた。噴霧は流動層内に設置された上向きの2流体ノズルにより行ったものであり、WO02−38721の実施例10の流動造粒品に相当する。
比較例3と全く同様の設備を用い、種晶無しで、90℃の熱風を導入させた流動層内に60℃に昇温した固形分30%のラウロイルグルタミン酸ナトリウム水溶液を噴霧して造粒乾燥させた。
比較例3と全く同様の設備を用い、比較例4と同様な方法で60℃に昇温したパーム脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム(固形分27.0重量%) 水溶液を造粒乾燥させた。
比較例2と同様に乾燥させたラウロイルグルタミン酸ナトリウムをシャーレに入れ、温度40℃、湿度60%RHの恒温恒湿下で10分間保存し、水分を3.6重量%に調整した。
一方、流動造粒品は、耐飛散性は良好であるものの、軒並み最終水分含量は3.5重量%を超えてしまった(比較例3,4)。結晶自体は重く水中に沈降するものの粒子内の密な構造のため溶解性は乏しく、また、手の平上での溶け残りも顕著だった。また、生産性と耐固結性が満足いくものではなかった。
流動造粒の欠点である生産性の向上を期して噴霧乾燥部の給気温度を高めた場合は、製品が溶融してしまい、壁面への付着が著しいという結果になった(比較例5)。
これらに比較して、本発明の方法では、溶解性、耐飛散性、耐固結性の観点のいずれもが非常に優れていることわかった(実施例1〜4)。本方法ではN−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩に熱的ストレスを与えることなくN−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩の結晶を非常に簡便に実用的に製造することができる。
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 18.0
N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム 12.0
タルク 10.0
マンニトール 20.0
でんぷん 40.0
合計 100.0
Claims (2)
- 一つの槽内に噴霧乾燥部と流動造粒部とを有する噴霧乾燥造粒装置において、噴霧乾燥部で水分含量が3.5〜20重量%までN−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩を一次乾燥し、流動造粒部で結晶質から非晶質への相転移温度以下の温度で最終乾燥させることを特徴とする、CuKα線による粉末X線回折において、20.0〜23.0°の回折角度(2θ±0.3°)に主ピークを有し、水分含量が0.01〜3.4重量%であるN−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩の結晶の製造方法。
- 請求項1に記載の乾燥方法で製造されたN−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩の結晶を含有することを特徴とする洗浄料組成物。
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