JP4770095B2 - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線基板とその製造方法に係り、特に半導体チップを搭載するための超高密度配線がなされた多層配線基板と、このような多層配線基板を製造するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子は、ますます高集積化、高性能化の一途をたどってきており、その端子数の増加も著しい。例えば、QFP(Quad Flat Package)のような表面実装パッケージでは、外部端子ピッチを狭めることにより、パッケージサイズを大きくすることなく多端子化に対応してきた。しかし、外部端子の狭ピッチ化に伴い、外部端子自体の幅が細くなって強度が低下するため、フォーミング等の後工程における外部端子のスキュー対応や、平坦性維持が難しくなり、実装に際しては、半導体パッケージの搭載精度の維持が難しくなるという問題があった。すなわち、QFPでも、更なる多端子化への対応は困難となっている。
【0003】
これに対応するために、BGA(Ball Grid Array)に代表される多層樹脂プリント基板をインターポーザとするパッケージが開発されてきた。このBGAは、通常、両面基板の片面に半導体チップを搭載し、他方の面に球状の半田ボールを外部端子として備え、半導体チップの端子と外部端子(半田ボール)との導通をとったものであり、実装性の向上を図ったパッケージである。
【0004】
また、最近では、パッケージを持たないチップ(ベアチップ)を直接に多層配線基板上の実装するベアチップ実装法が提案されている。ベアチップ実装法では、予め多層配線基板上に形成された配線の接続パッド部に、ボンディング・ワイヤ、ハンダや金属球等からなるバンプ、異方性導電膜、導電性接着剤、光収縮性樹脂等の接続手段を用いて半導体デバイス・チップが実装される。チップがパッケージに封入されていない分、多層配線基板上の配線とチップとの間の接続経路を単純化かつ短縮することができ、また実装密度が向上できる分、他チップとの間の距離も短縮することができる。したがって、小型軽量化はもちろん、信号処理の高速化も期待することができる。
このようなベアチップ実装法では、半導体チップが搭載される多層配線基板の最表面層が超高密度配線であること、例えば、ラインアンドスペースが20μm/20μm以下、ビア径が100μm以下であることが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなベアチップ実装法に対応できる多層配線基板は、通常、サブトラクティブ法等で作製した低密度配線を有する両面基板をコア基板とし、このコア基板の両面にビルドアップ法により高密度配線を形成して作製されている。
しかしながら、ラインアンドスペースが20μm/20μm以下、ビア径が100μm以下であるような超高密度の多層配線基板を従来のビルドアップ法により作製することは困難である。すなわち、従来のビルドアップ法では、樹脂層表面を粗化し、無電解めっきで給電層を形成するが、20μm/20μm以下のラインアンドスペースで信頼性を確保するためには、マイグレーションの点から、通常使用されるエポキシ系材料は不適切であり、ポリイミドやBCB(ベンゾシクロブテン)等を使用する必要がある。しかし、これらの樹脂材料は、表面粗化が困難であり、また、粗化された表面の凹凸が激しくて微細パターンを形成できないという問題があった。一方、スパッタリング法により給電層を形成することも可能であるが、コア基板にエポキシ系樹脂を使用しているため、真空プロセスは不向きであるという問題があった。
【0006】
さらに、従来のビルドアップ法で作製された多層配線基板は、図4に示されるように、下層51の配線52との導通をとるためのビア部56が最表面層55に凹部として存在するため、半導体チップの搭載位置に制限があり、実装密度の向上に支障を来たしていた。また、従来のビルドアップ法で作製された多層配線基板は、最表面層の平坦性が悪く、半導体チップの搭載精度の維持が難しくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、最表面層に超高密度配線を備えた多層配線基板と、このような多層配線基板を簡便に製造するための製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の多層配線基板の製造方法は、金属基材の一方の面に金属薄膜を形成し、該金属薄膜上に所定のパターンで配線を形成し、次いで、該配線の所定部位にビア部となる円柱形状あるいは角柱形状のバンプを形成し、その後、前記配線を覆い、かつ、前記バンプの頂部が露出するように有機絶縁材料を塗布し、所望の粘着性を示す程度に該有機絶縁材料を硬化させて絶縁性接着層を形成して、転写版を作製する転写版作製工程と、コア基板上の配線の所定部位に前記バンプ頂部が接合するようにして前記転写版の絶縁性接着層をコア基板に接着し、前記絶縁性接着層をさらに硬化させ、その後、前記金属基材と前記金属薄膜を除去して配線を露出させる転写工程と、を有するような工程とした。
本発明の好ましい態様として、前記転写版作製工程において複数種の転写版を作製し、前記転写工程において複数の転写版を所望の順序で用いて転写を行うような構成とした。
【0010】
本発明の好ましい態様として、前記転写版作製工程において前記絶縁性接着層上に所定のパターンで配線を形成するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記転写版作製工程において導電ペーストを用いた印刷法により前記バンプを形成するような構成とした。
また、本発明の好ましい態様として、前記転写版作製工程において前記バンプ表面に電解めっきによって金めっき層を形成するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記転写版作製工程において前記金属基材の材質を銅とし、前記金属薄膜の材質をニッケルとし、前記転写工程において前記金属基材と前記金属薄膜をそれぞれエッチングで除去するような構成、あるいは、前記転写版作製工程において前記金属基材の材質をステンレス鋼とし、前記金属薄膜の材質をニッケルあるいは銅とし、前記転写工程において前記金属薄膜と前記配線との間で剥離することにより前記金属基材と前記金属薄膜を除去するような構成とした。
【0011】
上記のように、配線が金属薄膜上に形成されるので微細パターン化が可能であり、この配線とバンプとが絶縁性接着層を介して転写された表面は平坦性の高いものであり、したがって、多層積層された最表面層の平坦性も良好なものとなり、また、最表面層に露出するビア部は平坦なものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
多層配線基板
図1は、本発明の多層配線基板の一実施形態を示す部分縦断面図である。図1において、本発明の多層配線基板1は、コア基板2と、このコア基板2の一方の面に形成された配線層3とを備えている。配線層3は、電気絶縁層7を介してコア基板2上に配設された配線4と、この配線4と下層であるコア基板2の配線(図示せず)の所定の部位との接続をとるためのビア部5とを備え、ビア部5は電気絶縁層7内に配設されたバンプ6により構成されている。この多層配線基板1では、上述の配線層3が最表面層となる。
【0013】
また、図2は、本発明の多層配線基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。図2において、本発明の多層配線基板11は、コア基板12と、このコア基板12の一方の面に積層された2層の配線層13,23とを備えている。配線層13は電気絶縁層17を介してコア基板12上に配設された配線14と、この配線14とコア基板12の配線(図示せず)の所定の部位との接続をとるためのビア部15とを備え、ビア部15は電気絶縁層17内に配設されたバンプ16により構成されている。また、配線層23は電気絶縁層27を介して配線層13上に配設された配線24と、この配線24と下層である配線層13の配線14の所定の部位との接続をとるためのビア部25とを備え、このビア部25は電気絶縁層27内に配設されたバンプ26により構成されている。この多層配線基板11では、上述の配線層23が最表面層となる。
【0014】
上述のような本発明の多層配線基板1,11は、最表面層3,23の表面が平坦なものであり、多層配線基板1,11上にベアチップを実装する際の搭載精度維持が容易なものとなる。また、多層配線基板1,11では、最表面層3,23のビア部5,25を構成するバンプ6,26の径が100μm以下であり、ビア部5,25表面(配線4,24のうち、バンプ6,26と接続されている配線4a,24aの表面)が平坦であり、凹部が存在しない形状となっている。さらに、最表面層の配線4,24の最密部のラインアンドスペースが5μm/5μm〜20μm/20μmの範囲である。ビア部5,25と配線4,24が上記の条件を満足することにより、ビア部5,25上への半導体チップの搭載も可能となるので、チップ搭載可能位置の範囲が広くなり実装密度が向上する。
【0015】
上記の最表面層、ビア部が平坦であることをより具体的に説明すると、最表面層3の配線4、最表面層23の配線24の平坦性は、0.1〜2μm、好ましくは0.1〜1μmの範囲であることが望ましい。また、ビア部5,25表面(配線4,24のうち、バンプ6,26と接続されている配線4a,24aの表面)の平坦性は、0.1〜5μm、好ましくは0.1〜2μmの範囲であることが望ましい。ここで、平坦性とは、触針式表面粗さ計で1mm走査した時のRmaxである。
【0016】
本発明の多層配線基板1,11を構成するコア基板2,12は、公知のサブトラクティブ法等で作製した両面配線基板である。通常、コア基板2,12は、配線のラインアンドスペースが75μm/75μm以上である低密度配線を有するものであるが、配線密度、層構成の数には特に制限はない。また、コア基板2,12は、通常、ガラス/エポキシ系多層基板を用いるが、セラミックス多層基板やシリコン基板であってもよい。
【0017】
多層配線基板1,11を構成する配線層4,14,24は、銅、銀、金等の従来公知の導電材料を用いて形成することができる。このような配線4,14,24は、配線幅が小さいほど高密度に配線を引きまわすことができるが、配線幅が5μm未満になると電気抵抗が大きくなるので、配線幅は5μm以上であることが好ましい。また、配線幅の上限は、高密度化を考慮して30μm程度が好ましいものとなる。そして、本発明では、上述のように、配線4,24のうち、バンプ6,26と接続されてビア部5,25の表面をなす配線4a,24aは、その表面が平坦であり、凹部は存在しない形状となっている。尚、本発明では、配線4a,24a以外の配線4,24も、その表面が平坦であり、また、配線14のうち、バンプ16と接続されてビア部15の表面をなす配線14aも、その表面が平坦である。
【0018】
また、多層配線基板1,11のビア部5,15,25を構成するバンプ6,16,26は、径が10〜100μmであり、高さ(積層方向)が10〜50μm程度のほぼ円柱形状であるが、角柱形状等の他の形状であってもよい。このバンプ6,16,26は、銅、銀、金等の導電材料を用いて電解めっきにより形成したもの、あるいは、上記の導電材料を含有した導電ペーストを用いて形成したもの等、いずれであってもよい。
多層配線基板1,11を構成する電気絶縁層7,17,27は、エポキシ樹脂等の熱硬化型、放射線硬化型の有機絶縁性材料、これらの有機材料とガラス繊維等を組み合わせたものを用いて形成することができる。また、電気絶縁層7,17,27の厚みは、上記のバンプ6,16,26の高さに応じて適宜設定することができる。
【0019】
上述の実施形態では、コア基板2,12の一方の面に配線層3や、配線層13,23が形成されているが、本発明ではコア基板の両面に配線層が形成されたものであってもよい。また、コア基板に形成する配線層の積層数には制限はない。
また、本発明の多層配線基板は、最表面層の配線を、半導体チップ搭載用の端子パッドを有するパターンとすることができる。このような端子パッドは、その表面に半田層を備えるものであってもよく、この場合、半田層の厚みは1〜20μm程度が好ましい。
【0020】
多層配線基板の製造方法
次に、本発明の多層配線基板の製造方法を図面を参照しながら説明する。
図3は、上述の多層配線基板1を例とした本発明の多層配線基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
本発明の多層配線基板の製造方法では、まず、転写版作製工程において所望の転写版を作製する。すなわち、図3において、金属基材32の一方の面に金属薄膜33を形成し、この金属薄膜33上に配線34を形成する(図3(A))。金属基材32は、銅、ステンレス鋼等を使用することができ、厚みは100〜500μm程度が好ましい。また、金属薄膜33は、後述の転写工程において、配線、バンプを剥離転写するためのものである。金属基材32の材質が銅の場合、金属薄膜33の材質はニッケルが好ましく、また、金属基材32の材質がステンレス鋼の場合、金属薄膜33の材質はニッケルあるいは銅が好ましい。このような金属薄膜33は、例えば、電解めっきにより形成することができ、厚みは0.5〜1μm程度とすることができる。
【0021】
配線34は、例えば、感光性レジストを用いて所望のレジストパターンを形成し、露出している金属薄膜33上に電解めっきにより銅、銀、金等の公知の導電材料からなる導電層を形成し、その後、レジストパターンを除去することにより形成することができる。本発明の製造方法では、平坦な金属薄膜33上に配線34を形成するので、ラインアンドスペースが5μm/5μm〜20μm/20μmの範囲にある微細パターンを安定して形成することができる。
【0022】
次に、上記の配線34の所定部位にビア部となるバンプ36を形成し、このバンプ36の頂部36aが露出するように絶縁性接着層37を形成して、転写版31を得る(図3(B))。バンプ36は、下層との導通をとるビア部を構成するものであり、径が10〜100μmであり、高さが10〜50μm程度である。このようなバンプ36は、銅、銀、金等の導電材料を含有した導電ペーストを用いてスクリーン印刷等の印刷法により形成することができる。また、バンプ36は、例えば、感光性レジストを用いて所望のレジストパターンを形成し、露出している配線34上に電解めっきにより銅、銀、金等の導電材料を析出させ、その後、レジストパターンを除去することにより形成することもできる。
【0023】
絶縁性接着層37は、後述する転写工程において、コア基板や下層に対して転写版31を接着する作用と、硬化処理後に電気絶縁層の役割を果たすものである。このような絶縁性接着層37は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フルオレン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等の熱硬化型、放射線硬化型の有機絶縁性材料を塗布して形成したり、塗布後に所望の粘着性を示す程度に硬化させて形成することができる。また、絶縁性接着層37は、ガラス繊維等の繊維に上述のような有機材料を含浸されたプリプレグを配線34上に重ね合わせる。
本実施形態では、上述のような転写版作製工程で作製する転写版は1個であるが、本発明では、製造する多層配線基板のコア基板上への積層数に応じて転写版を作製する。
【0024】
次に、転写版31のバンプ36の頂部36aがコア基板2の配線の所定部位に接合するように位置合わせを行い、転写版31の絶縁性接着層37をコア基板2に接着し、絶縁性接着層37に硬化処理を施す(図3(C))。次いで、金属基材32と金属薄膜33を除去して配線34を露出させ、本発明の多層配線基板1を得る(図3(D))。例えば、金属基材32の材質が銅であり、金属薄膜33の材質がニッケルの場合、金属基材32と金属薄膜33をそれぞれエッチングで除去することができる。また、金属基材32の材質がステンレス鋼であり金属薄膜33の材質がニッケルあるいは銅の場合、金属薄膜33と配線34との間で剥離することにより除去することができる。
【0025】
上記のような転写工程により形成された配線34(4)およびバンプ36(6)からなる最表面層は、金属基材32の平面性がそのまま反映された平坦なものとなる。
また、上記の転写版作製工程にて2種以上の転写版を作製し、転写工程において転写版を所望の順序で用いて2層以上の多層を積層することにより、図2に示されるような2層、あるいは、3層以上を転写形成した多層配線基板を製造することができる。この場合も、各層が上記のように平坦性に優れるものであるため、最表面層の平坦性は良好なものとなる。
【0026】
尚、本発明の製造方法では、絶縁性接着層37上に所望の配線を形成して転写版としてもよく、この場合、転写工程では、転写版31のバンプ36の頂部36aと、上記の配線とがコア基板2の配線の所定部位に接合するように位置合わせを行う。このような絶縁性接着層上への配線形成は、図2に示されるような2層、あるいは、3層以上を転写形成した多層配線基板を製造する場合にも適用することができる。
【0027】
【実施例】
次に、具体的実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
【0028】
(1)転写版作製工程
金属基材として、0.1mm厚のステンレス板を準備し、このステンレス板の一方の面全域に電解めっき法によりニッケル薄膜(厚み1μm)を形成した。
次に、このニッケル薄膜上に感光性レジスト(東京応化工業(株)製LA900)を塗布し、配線用のフォトマスクを介して露光、現像することによりレジストパターンを形成した。その後、このレジストパターンをマスクとしてニッケル薄膜上に電解めっきによって銅めっき層(厚み5μm)を形成し、レジストパターンをアセトンを用いて除去して、ラインアンドスペースが5μm/5μmである配線を形成した。
【0029】
次に、下記の組成の導電ペーストを用いて、スクリーン印刷により配線上の所望の部位にバンプ用のパターンを形成し、その後、200℃で硬化して、高さ30μm、直径100〜120μmのほぼ円柱形状のバンプを形成した。
(導電ペースト)
・銀粉末 … 80重量部
・エポキシ樹脂 … 5重量部
・エチルカルビトール … 15重量部
次に、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグを配線上に載置し、絶縁性接着層を形成して、転写版Aとした。
また、配線パターンとバンプ形成部位を変更した他は、上記の転写版Aと同様にして転写版Bを作製した。
【0030】
(2)転写工程
サブトラクティブ法で作製した低密度配線(ラインアンドスペースが75μm/75μm以上)を有する両面配線基板をコア基板として準備した。次に、転写版Aのバンプの頂部がコア基板の配線の所定部位に接合するように位置合わせを行い、転写版Aの絶縁性接着層をコア基板に接着した。次いで、絶縁性接着層に硬化処理(250℃、1時間)を施して電気絶縁層とし、その後、ステンレス板をニッケル薄膜とともに剥離した。これにより、1層目の配線層を形成した。
【0031】
次に、転写版Bのバンプの頂部が1層目の配線層の配線の所定部位に接合するように位置合わせを行い、転写版Bの絶縁性接着層を1層目の配線層に接着した。その後、絶縁性接着層に硬化処理(250℃、1時間)を施して電気絶縁層とし、ステンレス板をニッケル薄膜とともに剥離した。これにより、2層目の配線層を形成した。
上記のように2層の配線層を転写形成して多層配線基板を得た。この多層配線基板について、最表面層の平坦性を測定した結果、0.5μmであり、平坦性が極めて良好であることが確認された。また、最表面層のビア部表面、配線も平坦であった。
【0032】
[実施例2]
(1)転写版作製工程
金属基材として、0.2mm厚の銅板を準備し、この銅板の一方の面全域に電解めっき法によりニッケル薄膜(厚み1μm)を形成した。
次に、このニッケル薄膜上に感光性レジスト(東京応化工業(株)製OFPR80)を塗布し、配線用のフォトマスクを介して露光、現像することによりレジストパターンを形成した。その後、このレジストパターンをマスクとしてニッケル薄膜上に電解めっきによって銅めっき層(厚み3μm)を形成し、レジストパターンをアセトンを用いて除去して、ラインアンドスペースが5μm/5μmである配線を形成した。
【0033】
次に、配線を覆うように感光性レジスト(東京応化工業(株)製LA900)を塗布し、バンプ形成用のフォトマスクを介して露光、現像することによりレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクとして配線の所望に部位に電解めっきによって銅めっき層(厚み20μm)を形成し、この銅めっき層上に電解めっきによって金めっき層(厚み1μm)を形成し、その後、レジストパターンをアセトンを用いて除去して、高さ21μm、直径30〜50μmのほぼ円柱形状のバンプを形成した。
次に、配線上に感光性絶縁樹脂組成物(新日鉄化学(株)製エスパネックス)をラミネータにより塗布し絶縁性接着層を形成して、転写版Iとした。
また、配線パターンとバンプ形成部位を変更した他は、上記の転写版Iと同様にして転写版IIを作製した。
【0034】
(2)転写工程
サブトラクティブ法で作製した低密度配線(ラインアンドスペースが75μm/75μm以上)を有する両面配線基板をコア基板として準備した。次に、転写版Iのバンプの頂部がコア基板の配線の所定部位に接合するように位置合わせを行い、転写版Iの絶縁性接着層をコア基板に接着した。次いで、絶縁性接着層に硬化処理(250℃、1時間)を施して電気絶縁層とした。その後、銅板を塩化鉄によりエッチング除去し、次いで、ニッケル薄膜をソフトエッチングにより除去した。これにより、1層目の配線層を形成した。
【0035】
次に、転写版IIのバンプの頂部が1層目の配線層の配線の所定部位に接合するように位置合わせを行い、転写版IIの絶縁性接着層を1層目の配線層に接着した。その後、絶縁性接着層に硬化処理(250℃、1時間)を施して電気絶縁層とした。次いで、銅板を塩化鉄によりエッチング除去し、次いで、ニッケル薄膜をソフトエッチングにより除去した。これにより、2層目の配線層を形成した。
上記のように2層の配線層を転写形成して多層配線基板を得た。この多層配線基板について、最表面層の平坦性を測定した結果、0.5μmであり、平坦性が極めて良好であることが確認された。また、最表面層のビア部表面、配線も平坦であった。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によればコア基板上に電気絶縁層を介して形成された配線を備える多層配線基板であって、最表面層の表面が平坦であり、最表面層のビア部を構成するバンプの径が100μm以下であり、かつ、ビア部表面が平坦であり、最表面層の配線の最密部のラインアンドスペースが5μm/5μm〜20μm/20μmの範囲であるため、パッケージを持たないチップ(ベアチップ)を直接に多層配線基板上の実装するベアチップ実装において、半導体チップの搭載精度維持が容易であり、かつ、ビア部上へも接続できるので、チップ搭載可能位置の範囲が広くなり、したがって、実装密度が向上するという効果を奏する。また、本発明の製造方法では、配線が金属薄膜上に形成されるので微細パターン化が可能であり、この配線とバンプとが絶縁性接着層を介して転写された表面は平坦性の高いものであり、したがって、多層積層された最表面層の平坦性も良好なものとなり、また、最表面層に露出するビア部は平坦なものとなり、本発明の多層配線基板は、転写版を用いた本発明の製造方法によって容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一実施形態を示す部分縦断面図である。
【図2】本発明の多層配線基板の他の実施形態を示す部分縦断面図である。
【図3】本発明の多層配線基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図4】従来のビルドアップ法で作製された多層配線基板の部分縦断面図である。
【符号の説明】
1,11…多層配線基板
2,12…コア基板
3,13,23…配線層
4,14,24…配線
5,15,25…ビア部
6,16,26…バンプ
7,17,27…電気絶縁層
31…転写版
32…金属基材
33…金属薄膜
34…配線
36…バンプ
37…絶縁性接着層
Claims (7)
- 金属基材の一方の面に金属薄膜を形成し、該金属薄膜上に所定のパターンで配線を形成し、次いで、該配線の所定部位にビア部となる円柱形状あるいは角柱形状のバンプを形成し、その後、前記配線を覆い、かつ、前記バンプの頂部が露出するように有機絶縁材料を塗布し、所望の粘着性を示す程度に該有機絶縁材料を硬化させて絶縁性接着層を形成して、転写版を作製する転写版作製工程と、
コア基板上の配線の所定部位に前記バンプ頂部が接合するようにして前記転写版の絶縁性接着層をコア基板に接着し、前記絶縁性接着層をさらに硬化させ、その後、前記金属基材と前記金属薄膜を除去して配線を露出させる転写工程と、を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。 - 前記転写版作製工程において複数種の転写版を作製し、前記転写工程において複数の転写版を所望の順序で用いて転写を行うことを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記転写版作製工程において前記絶縁性接着層上に所定のパターンで配線を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記転写版作製工程において導電ペーストを用いた印刷法により前記バンプを形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記転写版作製工程において前記バンプ表面に電解めっきによって金めっき層を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記転写版作製工程において前記金属基材の材質を銅とし、前記金属薄膜の材質をニッケルとし、前記転写工程において前記金属基材と前記金属薄膜をそれぞれエッチングで除去することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記転写版作製工程において前記金属基材の材質をステンレス鋼とし、前記金属薄膜の材質をニッケルあるいは銅とし、前記転写工程において前記金属薄膜と前記配線との間で剥離することにより前記金属基材と前記金属薄膜を除去することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
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