JP4767397B2 - 単分散性アニオン交換体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、新規な単分散性アニオン交換体の製造方法、およびそれらの使用に関する。
【0002】
US−A 4 444 961は、とりわけ、単分散性アニオン交換体の製造方法を開示している。ここでは、ハロアルキル化された重合体をアルキルアミンと反応させている。
【0003】
EP−A 0 046 535は、US−A 3 989 650を引用して、直接噴霧およびマイクロカプセル化方法による均一な粒子寸法を有する巨孔性の(macroporous)強塩基性アニオン交換体の製造を記載している。
【0004】
ここでは、ビーズ重合体(bead polymer)をN−アセトキシメチルフタルイミドと反応させそして別の反応段階に付してトリメチルアンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換体としている。
【0005】
EP−A 0 046 535に記載された方法は種々の欠点を有する。
a)まず、反応は酢酸を不可避的に放出し、それが排水を汚染しそして全体的工程の経済的な操作を妨害するため、それは環境を汚染し且つ資源を浪費する。さらに、酢酸残渣が生成物中に残りそしてそれを汚染することも考慮に入れるべきである。酢酸の残渣はさらにアニオン交換体から精製のためにアニオン交換体中を実際に通過する液体の中に放出されるかもしれない。
b)使用する出発物質の単位当たりの最終的なアニオン交換体生成物の収量、リットル、は不充分であり且つさらなる意義ある増加はありえない。
c)アニオン交換体の利用できる能力、すなわちアニオンを吸収するその能力、もさらに充分なほど高くない。
【0006】
本発明の目的は、ビーズの高い機械的および浸透安定性を有し、アニオンに対する増加した吸収能力を有しそして同時にアニオン交換体自身を製造するための資源の使用を減じ、並びに高い製造収率および高純度の官能性塩基性基を有する単分散性アニオン交換体、好ましくは単分散性の巨孔性アニオン交換体を製造する方法を提供することである。生成物は後−架橋結合されない。
【0007】
本発明は、
a)少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物、並びに所望によりポロゲン(porogen)、および/または所望により開始剤もしくは開始剤組み合わせ物から製造される単量体小滴を反応させて単分散性の架橋結合されたビーズ重合体とし、
b)この単分散性の架橋結合されたビーズ重合体をフタルイミド誘導体を用いてアミドメチル化し、
c)アミドメチル化されたビーズ重合体を反応させてアミノメチル化されたビーズ重合体とし、そして
d)最後に、アミノメチル化されたビーズ重合体をアルキル化する
ことを特徴とする単分散性アニオン交換体の製造方法を提供する。
【0008】
本発明はまた、工程段階b)からのアミドメチル化されたビーズ重合体、工程段階c)からのアミノメチル化された生成物、および工程段階d)でアルキル化により得られそしてアニオン交換体中で使用されるアミノメチル化されたビーズ重合体も提供する。
【0009】
驚くべきことに、本発明に従い製造される単分散性アニオン交換体は、上記の先行技術から既知である樹脂より高い収率、低い環境汚染および使用中の高い利用能力を示す。
【0010】
段階a)に従う単分散性の架橋結合されたビニル芳香族ベース重合体は文献から既知である方法により製造できる。このタイプの方法は、例えば、US−A 4 444 961、EP−A 0 046 535、US−A 4 419 245またはWO 93/12167に記載されており、それらの内容は工程段階a)に関して引用することにより本出願の内容になる。
【0011】
工程段階a)においては、少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種ポリビニル芳香族化合物が使用される。しかしながら、2種もしくはそれ以上のモノビニル芳香族化合物の混合物および2種もしくはそれ以上のポリビニル芳香族化合物の混合物を使用することもできる。
【0012】
工程段階a)における本発明の目的のために好ましいモノビニル芳香族化合物はモノエチレン性不飽和化合物、例えばスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、アルキルアクリレート類およびアルキルメタクリレート類である。
【0013】
スチレンまたはスチレンと上記の単量体との混合物の使用が特に好ましい。
【0014】
工程段階a)のための本発明の目的のために好ましいポリビニル芳香族化合物は、多官能性エチレン性不飽和化合物、例えばジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルナフタレン、1,7−オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートまたはアリルメタクリレートである。
【0015】
ポリビニル芳香族化合物の使用量は、一般的には、単量体またはそれと他の単量体との混合物を基準として、1〜20重量%、好ましくは2〜12重量%、特に好ましくは4〜10重量%である。ポリビニル芳香族化合物(架橋結合剤)の性質は意図する球状重合体のその後の用途で選択される。多くの場合、ジビニルベンゼンが適する。ほとんどの使用には、工業用等級のジビニルベンゼンで充分であり、そしてそれはジビニルベンゼン異性体の他にエチルビニルベンゼンを含んでなる。
【0016】
本発明の1つの好ましい態様では、マイクロカプセル化された単量体小滴が工程段階a)で使用される。
【0017】
単量体小滴のマイクロカプセル化に使用できる物質は、複合コアセルベートとしての使用が知られるもの、特にポリエステル類、天然または合成ポリアミド類、ポリウレタン類およびポリウレア類である。
【0018】
特に適する天然ポリアミドの例はゼラチンである。これは特にコアセルベートおよび複合コアセルベートとして使用される。本発明の目的のためには、ゼラチンを含有する複合コアセルベートは主としてゼラチンと合成高分子電解質との組み合わせである。適する合成高分子電解質は、例えば、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドまたはメタクリルアミドの単位を導入した共重合体である。アクリル酸およびアクリルアミドの使用が特に好ましい。ゼラチンを含有するカプセルは一般的な硬化剤、例えばホルムアルデヒドまたはグルタルジアルデヒドを用いて硬化することができる。ゼラチンを用いる、ゼラチンを含有するコアセルベートを用いる、およびゼラチンを含有する複合コアセルベートを用いる単量体小滴のカプセル化は、EP−A 0 046 535に詳細に記載されている。合成重合体を用いるカプセル化方法は既知である。非常に適する方法の例は界面縮合であり、そこでは単量体小滴中に溶解させた反応性成分(例えばイソシアナートまたは酸クロリド)を水相中に溶解させた第二の反応性成分(例えばアミン)と反応させる。
【0019】
所望によりマイクロカプセル化された単量体小滴は、所望に応じて、重合を開始する開始剤または開始剤の混合物を含んでなっていてもよい。新規な方法に適する開始剤の例は、ペルオキシ化合物、例えば過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイル、過酸化ビス−(p−クロロベンゾイル)、ペルオキシ二炭酸ジシクロヘキシル、過オクタン酸tert−ブチル、ペルオキシ−2−エチル−ヘキサン酸tert−ブチル、2,5−ビス−(2−エチルヘキサノイル−ペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサンおよびtert−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサン、並びにその他にアゾ化合物、例えば2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)および2,2′−アゾビス−(2−メチル−イソブチロニトリル)である。
【0020】
開始剤の使用量は、単量体の混合物を基準として、一般的には0.05〜2.5重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%である。
【0021】
球状重合体中で巨孔性構造を作成するために、所望に応じて、ポロゲンを所望によりマイクロカプセル化された単量体小滴の中で使用することもできる。この目的に適する化合物は、製造される重合体に関して貧溶媒であるか又は膨潤剤である有機溶媒である。挙げられる例は、ヘキサン、オクタン、イソオクタン、イソドデカン、メチルエチルケトン、ブタノールおよびオクタノール並びにこれらの異性体である。
【0022】
本願の目的のための単分散性である物質は、粒子の少なくとも90容量または重量%の直径が、分布が最も密な直径から分布が最も密な直径の±10%以内しか変動しないものである。
【0023】
例えば、0.5mmの分布が最も密な直径を有する物質の場合には、少なくとも90容量または重量%が0.45〜0.55mmの寸法範囲内にあり、そして0.7mmの分布が最も密な直径を有する物質の場合には、少なくとも90容量または重量%が0.77mm〜0.63mmの寸法範囲内にある。
【0024】
「微孔性」または「ゲル」および「巨孔性」の概念は技術文献に詳細に記載されている。
【0025】
本発明の目的に好ましく且つ工程段階a)で製造されるビーズ重合体は巨孔性構造を有する。
【0026】
単分散性の巨孔性ビーズ重合体は、例えば、重合中に不活性物質(ポロゲン類)を単量体混合物に加えることにより製造することができる。このタイプの適する物質は、主として、単量体中に溶解するが重合体のための貧溶媒又は膨潤剤(重合体用の沈澱剤)である有機物質、例えば脂肪族炭化水素類である(Farben-fabriken Bayer DBP 1045102, 1957; DBP 1113570, 1957)。
【0027】
US−A 4 382 124は、例えば、スチレン/ジビニルベンゼンをベースとする単分散性の巨孔性ビーズ重合体を製造するためのポロゲンとして炭素数4〜10のアルコール類を使用する。巨孔性ビーズ重合体の製造方法の概観も示されている。
【0028】
所望に応じてマイクロカプセル化される単量体小滴は、所望に応じて、(単量体を基準として)30重量%までの架橋結合されたまたは架橋結合されない重合体を含んでなってもよい。好ましい重合体は上記の単量体から、特に好ましくはスチレンから誘導される。
【0029】
所望に応じてカプセル化される単量体小滴の平均粒子寸法は10〜1000μm、好ましくは100〜1000μmである。新規な方法は単分散性ビーズ重合体を製造するためにも非常に適する。
【0030】
単分散性のビーズ重合体が工程段階a)に従い製造される時には、水相は所望に応じて溶解させた重合抑制剤を含んでなってもよい。無機および有機の両方の物質が本発明の目的のために使用できる抑制剤である。無機抑制剤の例は、窒素化合物、例えばヒドロキシルアミン、ヒドラジン、亜硝酸ナトリウムおよび亜硝酸カリウム、燐酸の塩類、例えば亜燐酸水素ナトリウム、並びに硫黄を含有する化合物、例えば亜ジチオン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオシアン酸ナトリウムおよびチオシアン酸アンモニウム、である。有機抑制剤の例は、フェノール系化合物、例えばヒドロキノン、ヒドロキノン、モノメチルエーテル、レゾルシノール、ピロカテコール、tert−ブチルピロカテコール、ピロガロール、およびフェノール類とアルデヒド類とから製造される縮合生成物である。他の適する有機抑制剤は窒素を含有する化合物であり、ヒドロキシルアミン誘導体、例えばN,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N−イソプロピルヒドロキシルアミン、およびN−アルキルヒドロキシルアミンもしくはN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンのスルホン化またはカルボキシル化された誘導体、ヒドラジン誘導体、例えばN,N−ヒドラジノ二酢酸、ニトロソ化合物、例えばN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩またはN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩である。抑制剤の濃度は(水相を基準として)5〜1000ppm、好ましくは10〜500ppm、特に好ましくは10〜250ppmである。
【0031】
上記のように、球状の単分散性ビーズ重合体を与えるための所望によりマイクロカプセル化された単量体小滴の重合は、所望に応じて、1種もしくはそれ以上の保護コロイドの存在下で水相中で行ってもよい。適する保護コロイドは天然または合成の水溶性重合体、例えばゼラチン、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、または(メタ)アクリル酸からおよび(メタ)アクリレート類から製造される共重合体である。他の非常に適する物質はセルロース誘導体、特にセルロースエステル類およびセルロースエーテル類、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースである。ゼラチンが特に適する。保護コロイドの使用量は、一般的に、水相を基準として、0.05〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0032】
工程段階a)で球状の単分散性ビーズ重合体を与える重合は、所望に応じて、緩衝系の存在下で行ってもよい。重合の開始時の水相のpHを14〜6の間、好ましくは12〜8の間に設定する緩衝系が好ましい。これらの条件下では、カルボン酸基を有する保護コロイドはある程度までまたは完全に塩の形態で存在する。これは保護コロイドの活性に好ましい影響を有する。特に適する緩衝系は燐酸塩またはホウ酸塩を含んでなる。本発明の目的のためには、燐酸塩およびホウ酸塩なる用語はオルト形態の対応する酸および塩の縮合生成物を包含する。水相中の燐酸塩またはホウ酸塩の濃度は0.5〜500mmol/l、好ましくは2.5〜100mmol/lである。
【0033】
重合中の撹拌速度は相対的に重要でなく、そして従来のビーズ重合と同様に、粒子寸法に影響を与えない。使用される撹拌速度は、単量体小滴を懸濁液中に保ち且つ重合熱の散逸を促進させるのに充分な低速である。種々のスタラータイプをこの作業のために使用することができる。軸作用を有するゲートスタラーが特に適する。
【0034】
カプセル化された単量体小滴対水相の容量比は1:0.75〜1:20、好ましくは1:1〜1:6である。
【0035】
重合温度は使用する開始剤の分解温度に依存する。それは一般的には50〜180℃、好ましくは55〜130℃である。重合は0.5時間〜数時間かかる。重合を低温、例えば60℃で始めそして重合転化が進むにつれて反応温度を高めるような温度プログラムを使用することが成功を収めることが証明された。これは、例えば、信頼性がおけるように且つ高い重合転化率で進行する反応のための条件を満足させる非常に良好な方法である。重合後に、重合体を従来方法を用いて、例えば濾過または傾斜により、単離し、そして所望に応じて洗浄する。
【0036】
工程段階b)においては、アミドメチル化試薬が最初に調製される。これは、例えば、フタイミドまたはフタルイミド誘導体を溶媒中に溶解しそしてホルマリンと混合することにより行われる。次に水を除去しながら、ビス−(フタルイミド)エーテルをこの物質から製造する。本発明の目的のためには、好ましいフタルイミド誘導体はフタルイミド自身および置換されたフタルイミド類、例えばメチルフタルイミドである。
【0037】
工程段階b)で使用される溶媒は不活性でありそして重合体を膨潤させるのに適しており、そして好ましくは塩素化された炭化水素類、特に好ましくはジクロロエタンまたは塩化メチレンである。
【0038】
工程段階b)においては、ビーズ重合体をフタルイミド誘導体と縮合させる。ここで使用される触媒は発煙硫酸、硫酸または三酸化硫黄を含んでなる。
【0039】
工程段階b)は20〜120℃、好ましくは50〜100℃、特に好ましくは60〜90℃の温度で行われる。
【0040】
アミノメチル基の放出を伴うフタル酸基の除去は、工程段階c)において、フタルイミドメチル化された架橋結合された粒状重合体をアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの水溶液またはアルコール溶液で、100〜250℃の、好ましくは120〜190℃の温度において処理することにより行われる。水性水酸化ナトリウムの濃度は10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。この工程が、1より大きい水準で芳香族環の置換を有するアミノアルキル金属を含有する架橋結合されたビーズ重合体の製造を可能にする。
【0041】
生ずるアミノメチル化されたビーズ重合体を、最後に、アルカリがなくなるまで脱イオン水で洗浄する。
【0042】
工程段階d)においては、アミノエチル基を含有する単分散性の架橋結合されたビニル芳香族ベース重合体を懸濁液中でアルキル化剤と反応させることにより新規なアニオン交換体が製造される。本発明の目的のためには、好ましいアルキル化剤は、アルキルハライド類、ハロゲン化されたアルコール類、アルキル硫酸エステル類、ジアルキル硫酸エステル類、アルキルオキシド類、ロイカルト−ワーラッハ試薬(Leuckart-Wallach reagents)、またはこれらのアルキル化剤と1種の別のものとのもしくは互いの組み合わせである。
【0043】
クロロメタン、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびロイカルト−ワーラッハ試薬またはこれらの組み合わせが特に好ましい。ロイカルト−ワーラッハ試薬は、例えば、Organikum {Organic Chemistry], VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften, Berlin 1968, 8th Edition, p.479 に記載されている。
【0044】
使用される懸濁媒体は水または鉱酸である。しかしながら、所望する生成物によっては、所望に応じて塩基を加えることもできる。水の使用が好ましい。使用できる塩基は、適宜、水性水酸化ナトリウム、水性水酸化カリウムまたは非−親核性塩基性アミン類である。
【0045】
工程段階d)は20〜150℃、好ましくは40〜110℃の温度で行われる。工程段階d)は大気圧から6バール、好ましくは大気圧から4バールの圧力において行われる。
【0046】
本発明はまた新規な方法により製造される単分散性のアニオン交換体も提供する。
【0047】
新規な方法は好ましくは、工程段階d)中に生成する官能基:
【0048】
【化1】
【0049】
[式中、
R1は水素、アルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、
R2は水素、アルキル基、アルコキシアルキル基またはヒドロキシアルキル基であり、
R3は水素、アルキル基、アルコキシアルキル基またはヒドロキシアルキル基であり、
nは1〜5の整数、特に好ましくは1であり、そして
【0050】
【外1】
【0051】
を有する単分散性のアニオン交換体を与える。
【0052】
基R1、R2およびR3において、アルコキシ又はアルキルは各場合とも1〜6個の炭素原子を示すことが好ましい。
【0053】
新規な単分散性のアニオン交換体中の各芳香族環は好ましくは0.1〜2個の上記の官能基(1)または(2)を有する。
【0054】
本発明に従い製造されるアニオン交換体は、
−アニオンを水溶液または有機溶液から除去するため、
−アニオンを縮合物から除去するため、
−着色粒子を水溶液または有機溶液から除去するため、
−有機成分を水溶液から、例えばフミン酸を表面水から除去するため
に使用される。
【0055】
新規なアニオン交換体は、特に超高純度水を製造するための、化学工業または電子工業において水の精製および処理のために使用することもできる。
【0056】
新規なアニオン交換体は、ゲル−タイプおよび/または巨孔性カチオン交換体と組み合わせて水溶液および/または縮合物を脱イオン化するために使用することもできる。
【0057】
【実施例】
実施例1
1a)スチレン、ジビニルベンゼンおよびエチルスチレンをベースにした単分散性のビーズ重合体の製造
3000gの脱イオン水を10リットルのガラス反応器中に入れ、そして320gの脱イオン水中の10gのゼラチン、16gの燐酸水素二ナトリウム12水和物および0.73gのレゾルシノールから製造された溶液を加えそして充分混合する。混合物の温度を25℃に調節する。次に、撹拌しながら、狭い粒子寸法分布を有し且つ3.6重量%のジビニルベンゼンおよび0.9重量%のエチルスチレン(80%のジビニルベンゼン中のジビニルベンゼンとエチルスチレンの市販の異性体混合物の形態で使用される)、0.5重量%の過酸化ジベンゾイル、56.2重量%のスチレンおよび38.8重量%のイソドデカン(高割合のペンタメチルヘプタンを有する工業用異性体混合物)から製造される3200gのマイクロカプセル化された単量体小滴から製造される混合物を導入し、ここでマイクロカプセルはゼラチンおよびアクリルアミドとアクリル酸との共重合体から製造されるホルムアルデヒド−硬化複合コアセルベートからなり、そして3200gの12のpHを有する水相を加える。単量体小滴の平均粒子寸法は460μmである。
【0058】
混合物を撹拌しながら、25℃から出発してそして95℃で終了する温度プログラムに従い温度を高めることにより、重合を完了させる。混合物を冷却し、32μmスクリーンにより洗浄しそして次に真空中で80℃で乾燥する。これが440μmの平均粒子寸法、狭い粒子寸法分布および滑らかな表面を有する1893gのビーズ重合体を与える。
【0059】
重合体は上部からはチョーク白色の外観を有しそして約370g/lのかさ密度を有する。
1b)アミドメチル化されたビーズ重合体の製造
2400mlのジクロロエタン、595gのフタルイミドおよび413gの30.0%強度ホルマリンを容器中に室温で入れる。水性水酸化ナトリウムを使用して懸濁液のpHを5.5〜6に設定する。水を次に蒸留により除去する。43.6gの硫酸を次に計量添加する。生じた水を蒸留により除去する。混合物を冷却する。174.4gの65%強度発煙硫酸を30℃で、引き続き300.0gの工程段階1a)に従う単分散性の粒状重合体を計量添加する。懸濁液を70℃に加熱しそしてこの温度でさらに6時間撹拌する。反応液体を取り出し、脱イオン水を計量添加しそして残ったジクロロエタンを蒸留により除去する。
アミドメチル化されたビーズ重合体の収量:1820ml
元素分析による組成:炭素:75.3重量%、水素:4.6重量%、窒素:5.75重量%。
1c)アミノメチル化されたビーズ重合体の製造
851gの50重量%強度水性水酸化ナトリウムおよび1470mlの脱イオン水を室温で1770mlの実施例1b)からのアミドメチル化されたビーズ重合体の中に計量添加する。懸濁液を180℃に加熱しそしてこの温度で8時間撹拌する。
【0060】
生じたビーズ重合体を脱イオン水で洗浄する。
アミノメチル化されたビーズ重合体の収量:1530ml
−外挿された−合計収量は1573mlである。
元素分析による組成:炭素:78.2重量%、窒素:12.25重量%、水素:8.4重量%。
1リットルのアミノメチル化されたビーズ重合体のアミノメチル基の量、モル:2.13
合計収量のアミノメチル化されたビーズ重合体の合計収量中のアミノメチル基の量、モル:3.259
統計学的平均では、−スチレン単位およびジビニルベンゼン単位から生ずる−各芳香族環はアミノメチル基により置換された1.3個の水素原子を有していた。
1d)ジメチルアミノメチル基を有する単分散性の弱塩基性アニオン交換体の製造
1995mlの脱イオン水および627gの29.8重量%強度ホルマリン溶液を室温で1330mlの実施例1c)からのアミノメチル化されたビーズ重合体の中に計量添加する。混合物を40℃に加熱する。引き続き、2時間の期間にわたり97℃に加熱する。この間に、合計337gの85重量%強度蟻酸を混合物中に計量添加する。次に1時間の期間内に50重量%強度硫酸を用いてpHをpH1に設定する。撹拌をpH1で10時間続ける。冷却後に、樹脂を脱イオン水で洗浄し、そして水性水酸化ナトリウムを用いて硫酸塩を除去しそしてOH形態に転化させる。
ジメチルアミノ基を有する樹脂の収量:1440ml
−外挿された−合計収量は1703mlである
生成物は1リットルの樹脂当たり2.00モルのジメチルアミノ基を含有する。ジメチルアミノ基を有する生成物の合計収量中のジメチルアミノ基の合計量は3.406である。
実施例2
ジメチルアミノメチル基およびトリメチルアミノメチル基を有する単分散性の中塩基性アニオン交換体の製造
1220mlのジメチルアミノメチルメチル基を含有する実施例1d)からのビーズ重合体、1342mlの脱イオン水および30.8gのクロロメタンを室温で最初に充填する。混合物を40℃に加熱しそしてこの温度で6時間撹拌する。
ジメチルアミノメチル基およびトリメチルアミノメチル基を含有する樹脂の収量:1670ml。
【0061】
外挿された合計収量は2331mlである。
【0062】
生成物中の窒素原子を含有する基の中で、24.8%はトリメチルアミノメチル基でありそして75.2%はジメチルアミノメチル基である。
【0063】
生成物の利用できる能力は1.12モル/リットルの樹脂である。
その最初の状態における樹脂の安定性:100個当たり98個の完全な粒子。
ローラー試験後の樹脂の安定性:100個当たり96個の完全な粒子。
膨潤安定性試験後の樹脂の安定性:100個当たり98個の完全な粒子。
【0064】
最終生成物中の粒子の94容量%が0.52〜0.65mmの間の寸法を有する。
実施例3
ヒドロキシエチルジメチルアミノメチル基を有する単分散性の強塩基性アニオン交換体の製造
最初の充填物は1230mlの実施例1d)で製造されそしてジメチルアミノメチル基を有する樹脂および660mlの脱イオン水である。230.5gの2−クロロ−エタノールをこの混合物中に10分間の期間内に計量添加する。混合物を55℃に加熱する。20重量%強度水性水酸化ナトリウム中にポンプ添加することにより9のpHを設定する。混合物をpH9で3時間撹拌し、そして次に水性水酸化ナトリウムを用いてpHを10に調節し、そして混合物をpH10でさらに4時間撹拌する。冷却後に、生成物をカラム中で脱イオン水で洗浄し、そして次に床容量の3重量%強度塩酸をカラム中に3回通す。
収量:1980ml
生成物の利用できる能力は0.70モル/リットルの樹脂である。
その最初の状態における樹脂の安定性:100個当たり98個の完全な粒子。
ローラー試験後の樹脂の安定性:100個当たり70個の完全な粒子。
膨潤安定性試験後の樹脂の安定性:100個当たり94個の完全な粒子。
【0065】
最終生成物中の粒子の94容量%が0.52〜0.65mmの間の寸法を有する。
実施例4(比較例)
US−A 3 989 650に関連するEP−A 0 046 535に示された方法により製造されるビーズ重合体をベースにした単分散性の塩基性アニオン交換体の製造
4a)実施例1a)と同様なビーズ重合体製造
4b)アミドメチル化されたビーズ重合体の製造
2400mlのジクロロエタン、595gのフタイミドおよび413gの30.0重量%ホルマリンを室温で最初に充填する。水性水酸化ナトリウムを用いて懸濁液のpHを5.5〜6に設定する。水を次に蒸留により除去する。
【0066】
混合物を60℃に冷却し、そして次に454gの無水酢酸を30分間の期間内に計量添加する。混合物を還流温度に加熱しそしてこの温度でさらに5時間撹拌する。
【0067】
混合物を60℃に冷却し、そして300gの実施例1a)に従うビーズ重合体を計量添加する。それを還流温度(約90℃)に加熱しそしてこの温度で210gの硫酸を4時間の期間にわたり計量添加する。
【0068】
引き続き、この温度でさらに6時間撹拌する。反応液を取り出し、脱イオン水を計量添加し、そして残りの量のジクロロエタンを蒸留により除去する。
アミドメチル化されたビーズ重合体の収量:1250ml
元素分析による組成:炭素:78.5重量%、水素:5.3重量%、窒素:4.85重量%。
4c)アミノメチル化されたビーズ重合体の製造
505gの50重量%強度水性水酸化ナトリウムおよび1110mlの脱イオン水を室温で1200mlの実施例4b)からのアミドメチル化されたビーズ重合体の中に計量添加する。懸濁液を180℃に加熱しそしてこの温度で8時間撹拌する。
【0069】
生じたビーズ重合体を脱イオン水で洗浄する。
アミノメチル化された重合体の収量:950ml。
外挿された合計収量は990mlである。
元素分析による組成:炭素、82.5重量%、窒素:7.65重量%、水素:8.2重量%。
1リットルのアミノメチル化されたビーズ重合体当たりのアミノメチル基の量、モル:1.93。
アミノメチル化されたビーズ重合体の合計収量中のアミノメチル基の量、モル:1.83。
【0070】
統計学的平均では、−スチレン単位およびジビニルベンゼン単位から生ずる−各芳香族環当たり0.79個の水素原子がアミノメチル基により置換された−アミノメチル基による芳香族環の置換度。
4d)ジメチルアミノメチル基を有する単分散性の弱塩基性アニオン交換体の製造
1170mlの脱イオン水および333gの29.8重量%強度ホルマリン溶液を室温で780mlの実施例4c)からのアミノメチル化されたビーズ重合体の中に計量添加する。混合物を40℃に加熱し、そして次に2時間の期間にわたり97℃に加熱する。この段階中に、179.2gの85重量%強度蟻酸を計量添加する。pHを次に1時間の期間内に50重量%強度硫酸を用いてpH1に設定する。撹拌をpH1で10時間続ける。冷却後に、樹脂を脱イオン水で洗浄し、水性水酸化ナトリウムを用いて硫酸塩を除去しそしてOH形態に転化させる。
ジメチルアミノ基を有する樹脂の収量:1050ml
−外挿された−合計収量は1333mlを与える
生成物は1リットルの樹脂当たり1.87モルのジメチルアミノ基を含有する。
【0071】
ジメチルアミノメチル基を有する樹脂の合計収量中のジメチルアミノ基の量、モル、は2.493である。
実施例5(比較例)
5d)ジメチルアミノメチル基およびトリメチルアミノメチル基を有するビーズ重合体をベースにした単分散性の中塩基性アニオン交換体の製造
室温の700mlのジメチルアミノメチル基を含有する実施例4d)からのビーズ重合体、780mlの脱イオン水および16.5gのクロロメタンを40℃に加熱しそしてこの温度で6時間撹拌する。
ジメチルアミノメチル基およびトリメチルアミノメチル基を含有する樹脂の収量:951ml。
【0072】
外挿された合計収量は1811mlである。
【0073】
生成物内の窒素を含有する基の中で、24.3%はトリメチルアミノメチル基でありそして75.7%はジメチルアミノメチル基である。
【0074】
生成物の利用できる能力は0.82モル/リットルの樹脂である。
その最初の状態における樹脂の安定性:100個当たり97個の完全な粒子。
ローラー試験後の樹脂の安定性:100個当たり94個の完全な粒子。
膨潤安定性試験後の樹脂の安定性:100個当たり96個の完全な粒子。
【0075】
最終生成物中の粒子の94容量%が0.52〜0.65mmの間の寸法を有する。
試験方法:
製造後の完全な粒子の数
100個の粒子を顕微鏡下で検査する。割れるかまたは裂けている粒子の数を計数する。完全な粒子の数は被害を受けた粒子の数と100との間の差により示される。
ロール試験による樹脂の安定性の測定
試験しようとする粒状重合体を合成材料製の2枚の布の間に均一な層厚さで分布させる。布を堅い水平基質の上に置きそしてロール装置中で20回の操作サイクルにかける。操作サイクルはロールの1回通過および戻り通過からなる。圧延後に、100個の粒子の代表的なサンプルを採取しそして被害を受けない粒子の数を顕微鏡下で計数する。
膨潤安定性試験
25mlのクロリド形態のアニオン交換体をカラムの中に入れる。4重量%強度水性水酸化ナトリウム、脱イオン水、6重量%強度塩酸および、再び、脱イオン水をカラムに連続して供給する。水性水酸化ナトリウムおよび塩酸はここでは樹脂を通って下向きに流れるが、脱イオン水は樹脂を通って上向きにポンプ操作される。調節装置が時間サイクル中に処理を調節する。1回の操作サイクルは1時間続く。20回の操作サイクルを行う。操作サイクルが終了した時点で、100個の粒子を樹脂サンプルから計数して取り出す。割れまたは裂けによる被害を受けない完全な粒子の数を計数する。
強塩基性および中塩基性アニオン交換体の利用できる能力
1000mlのクロリド形態の、すなわち窒素原子用の対イオンとしてクロリドを有する、アニオン交換体をガラスカラムの中に入れる。2500mlの4重量%水性水酸化ナトリウムをカラム中に樹脂の上を1時間通す。引き続き、2リットルの脱塩基性化した水、すなわち脱カチオン水、で洗浄する。次に、25°ドイツ硬度の全アニオン硬度を有する水をカラム中に樹脂の上を毎時10リットルの速度で通す。溶離液を硬度に関してそして残存珪酸に関して分析する。充填は>0.1mg/lの残存珪酸含有量で終了する。
【0076】
カラム中に樹脂の上を通る水の量、カラム中を通った水の全アニオン硬度、および導入された樹脂の量を使用して、1リットルの樹脂当たり何グラムのCaOが吸収されたかを測定する。CaOの量、グラム、が1リットルのアニオン交換体当たりの樹脂の利用できる能力をCaOのグラムの単位で与える。
容量差(volume difference)、クロリド/OH形態
脱イオン水を使用して100mlの塩基性基を有するアニオン交換体をガラスカラム中に洗い流す。1000mlの3重量%強度塩酸をカラム中に1時間40分にわたり通す。樹脂を次に脱イオン水でクロリドがなくなるまで洗浄する。樹脂を脱イオン水下でタンプ容量計(tamp volumeter)の中に洗い流しそして一定量−クロリド形態での樹脂の量Vl−となるまで撹拌する。
【0077】
樹脂をカラムに戻す。1000mlの2重量%強度水性水酸化ナトリウムをカラム中に通す。樹脂を次に脱イオン水で洗浄して溶離液が8のpHを有するまでアルカリを除去する。樹脂を脱イオン水の下でタンプ容量計の中に洗い流しそして一定量−遊離塩基形態(OH形態)での樹脂の量V2−となるまで撹拌する。
計算:V1−V2=V3
V3:V1/100=膨潤差、クロリド/OH形態、%
アミノメチル化された架橋結合されたポリスチレンビーズ重合体中の塩基性アミノメチル基の量の測定
100mlのアミノメチル化されたビーズ重合体をタンプ容量計の中で撹拌し、そして次に脱イオン水を用いてガラスカラムの中に洗い入れる。1000mlの2重量%強度水性水酸化ナトリウムをカラム中に1時間40分の期間にわたり通す。脱イオン水を次にカラム中に、フェノールフタレンと混合された100mlの溶離液が0.05ml以下の0.1N塩酸を消費するようになるまで、通す。
【0078】
50mlのこの樹脂をガラスビーカー中で50mlの脱イオン水および100mlの1N塩酸と混合する。懸濁液を30分間撹拌しそして次にガラスカラム中に入れる。液体が廃棄される。さらに100mlの1N塩酸を樹脂上に20分間の期間にわたり通す。200mlのメタノールを次にカラム中に通す。全ての溶離液を集めそして一緒にしそしてメチルオレンジ指示薬を用いて1N水性水酸化ナトリウムで滴定する。
【0079】
1リットルのアミノメチル化された樹脂中のアミノメチル基の量を下記の式:(200−V)・20=1リットルの樹脂当たりのアミノメチル基のモルから計算する。
アミノメチル基による架橋結合された粒状重合体中の芳香族環の置換度の測定
アミノメチル化された樹脂の合計量中のアミノメチル基の量は上記の方法により測定される。
【0080】
使用されるビーズ重合体の量−A、グラム−の中に存在する芳香族系のモル量は分子量による割算により計算される。
【0081】
例えば、1.8モル/lのアミノメチル基を有する950mlのアミノメチル化された粒状重合体を製造するためには300グラムの粒状重合体が使用される。
【0082】
950mlのアミノメチル化されたビーズ重合体は2.82モルの芳香族系を含有する。
【0083】
各芳香族系に関しては、1.8/2.81=0.64モルのアミノメチル基がある。
【0084】
架橋結合されたビーズ重合体中の芳香族環のアミノメチル基による置換度は0.64である。
【0085】
【表1】
【0086】
驚くべきことに、EP−A 0 046 535又はUS−A 3 989 650に記載された方法と比べて、新規な方法はより高い収率で、1個の芳香族環当たりより大量の窒素−含有基を有し且つ種々のタイプのアニオンに関するより高い吸収能力を有する種々の塩基度のアニオン交換体の製造を、大量の排水を発生させない方法により可能にする。
本発明の主なる特徴および態様は以下のとおりである。
【0087】
1.a)少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物から製造される単量体小滴を反応させて単分散性の架橋結合されたビーズ重合体を与え、
b)この単分散性の架橋結合されたビーズ重合体をフタルイミド誘導体を用いてアミドメチル化し、
c)アミドメチル化されたビーズ重合体を反応させてアミノメチル化されたビーズ重合体とし、
d)アミノメチル化されたビーズ重合体をアルキル化する
ことを特徴とする単分散性のアニオン交換体の製造方法。
【0088】
2.単量体小滴を複合コアセルベートを用いてマイクロカプセル化することを特徴とする上記1の方法。
【0089】
3.工程段階a)を保護コロイドの存在下で実施することを特徴とする上記2の方法。
【0090】
4.工程段階a)を少なくとも1種の開始剤の存在下で実施することを特徴とする上記1〜3の方法。
【0091】
5.単量体小滴がポロゲンを含んでなりそして、重合後に、巨孔性の架橋結合されたビーズ重合体を形成することを特徴とする上記1〜3の方法。
【0092】
6.重合抑制剤が工程段階a)で使用されることを特徴とする上記1〜5の方法。
【0093】
7.使用される保護コロイドがゼラチン、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸または(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリレートから製造される共重合体を含んでなることを特徴とする上記3の方法。
【0094】
8.使用されるモノビニル芳香族化合物がモノエチレン性不飽和化合物を含んでなることを特徴とする上記1の方法。
【0095】
9.使用されるポリビニル芳香族化合物がジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルナフタレン、1,7−オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートまたはアリルメタクリレートを含んでなることを特徴とする上記1の方法。
【0096】
10.使用される開始剤がペルオキシ化合物、例えば過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイル、過酸化ビス−(p−クロロベンゾイル)、ペルオキシ二炭酸ジシクロヘキシル、過オクタン酸tert−ブチル、ペルオキシ−2−エチル−ヘキサン酸tert−ブチル、2,5−ビス−(2−エチルヘキサノイル−ペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサンもしくはtert−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサン、またはその他にアゾ化合物、例えば2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)もしくは2,2′−アゾビス−(2−メチル−イソブチロニトリル)を含んでなることを特徴とする上記4の方法。
【0097】
11.工程段階b)においてフタイミドエーテルを最初に生成せしめることを特徴とする上記1の方法。
【0098】
12.フタルイミドエーテルがフタルイミドまたはその誘導体およびホルマリンから製造されることを特徴とする上記11の方法。
【0099】
13.フタルイミドエーテルとビーズ重合体との反応が発煙硫酸、硫酸または三酸化硫黄の存在下で起きることを特徴とする上記11および12の方法。
【0100】
14.上記1の方法により製造される単分散性アニオン交換体。
【0101】
15.巨孔性構造を有することを特徴とする上記14の単分散性アニオン交換体。
【0102】
16.官能基
【0103】
【化2】
【0104】
[式中、
R1は水素、アルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基であり、
R2は水素、アルキル基、アルコキシアルキル基またはヒドロキシアルキル基であり、
R3は水素、アルキル基、アルコキシアルキル基またはヒドロキシアルキル基であり、
nは1〜5の整数であり、そして
Xはアニオン性の対イオンである]
を有することを特徴とする上記14および15の単分散性アニオン交換体。
【0105】
17.水性もしくは有機性の溶液または凝縮物からアニオン、着色粒子または有機成分を除去するための上記14〜16の単分散性アニオン交換体の使用。
【0106】
18.上記14〜16の単分散性アニオン交換体を使用することを特徴とする、水性もしくは有機性の溶液または凝縮物からアニオン、着色粒子または有機成分を除去する方法。
【0107】
19.化学工業または電子工業における水の精製および処理のための上記14〜16の単分散性アニオン交換体の使用。
【0108】
20.上記14〜16の単分散性アニオン交換体を使用することを特徴とする、化学工業または電子工業における水の精製および処理方法。
【0109】
21.ゲル−タイプおよび/または巨孔性カチオン交換体と組み合わせて使用することを特徴とする、水溶液および/または凝縮物を脱イオン化するための上記14〜16の単分散性アニオン交換体の使用。
【0110】
22.上記14〜16の単分散性アニオン交換体をゲル−タイプおよび/または巨孔性カチオン交換体と組み合わせて使用することを特徴とする、水溶液および/または凝縮物の脱イオン化方法。
【0111】
23.水溶液および/または凝縮物を脱イオン化するための上記14〜16の単分散性アニオン交換体とゲル−タイプおよび/または巨孔性カチオン交換体との組み合わせ。
【0112】
24.上記1の工程段階a)およびb)により製造されるアミドメチル化されたビーズ重合体。
【0113】
25.上記1の工程段階a)、b)およびc)により製造されるアミノメチル化されたビーズ重合体。
Claims (9)
- (a) 少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種の架橋結合剤から製造される10〜1000μmの平均粒子径を有する単量体小滴を反応させて単分散性の架橋結合されたビーズ重合体を与え、ここで
架橋結合剤は単量体またはそれと他の単量体との混合物を基準として1〜20重量%の量であり、
単量体小滴は保護コロイドおよび単量体またはそれと他の単量体との混合物を基準として0.05〜2.5重量%の量で開始剤または開始剤の混合物を含み、
単量体小滴は複合コアセルベートを用いてマイクロカプセル化され、そして
モノビニル芳香族化合物がスチレンであり、
(b) 段階(a)からの単分散性の架橋結合されたビーズ重合体を、該重合体を膨潤させるのに適した不活性溶媒中で20〜120℃の温度において、触媒として発煙硫酸、硫酸または三酸化硫黄の存在下に、ビス(フタルイミド)エーテルを用いてアミドメチル化し、
(c) 段階(b)からのアミドメチル化されたビーズ重合体を、100〜250℃の温度において水酸化ナトリウムのアルコール溶液で処理して、アミノメチル化されたビーズ重合体に転換し、ここで水性水酸化ナトリウムの濃度は10〜50重量%であり、そして最後に生じるアミノメチル化されたビーズ重合体をアルカリがなくなるまで脱イオン水で洗浄し、
(d) 段階(c)からのアミノメチル化されたビーズ重合体を、使用される懸濁媒体が水または鉱酸を含んでなる懸濁液中で、アルキル化剤を用いて20〜150℃の温度においてアルキル化し、
ここで単分散性は、粒子の少なくとも90容量または重量%の直径が、分布が最も密な直径から分布が最も密な直径の±10%以内しか変動しないことを意味し、そして架橋結合剤がジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルナフタレン、1,7−オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートまたはアリルメタクリレートの群から選ばれる
ことを特徴とする単分散性アニオン交換体の製造方法。 - 複合コアセルベートがポリエステル、天然もしくは合成ポリアミド、ポリウレタンまたはポリウレアである請求項1に記載の方法。
- 単量体小滴がポロゲンを含有し巨孔構造を形成する請求項1または2に記載の方法。
- 重合開始剤を段階(a)において使用する請求項1に記載の方法。
- 保護コロイドがゼラチン、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、または(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリレートから製造される共重合体、あるいはそれらの混合物である請求項1に記載の方法。
- 開始剤がペルオキシ化合物またはアゾ化合物である請求項1に記載の方法。
- 開始剤が過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイル、過酸化ビス−(p−クロロベンゾイル)、ペルオキシ二炭酸ジシクロヘキシル、過オクタン酸tert−ブチル、ペルオキシ−2−エチル−ヘキサン酸tert−ブチル、2,5−ビス−(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサンまたはtert−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサンである請求項6に記載の方法。
- 開始剤が2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)または2,2′−アゾビス−(2−メチル−イソブチロニトリル)である請求項6に記載の方法。
- ビス(フタルイミド)エーテルをフタルイミドまたはメチルフタルイミドおよびホルマリンから製造する請求項1に記載の方法。
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